実施の形態1.
図1は、本発明による画像形成装置の実施の形態1の要部構成を概略的に示す要部構成図であり、図2は、画像形成装置のトップカバーとサイドカバーを、共に開けたときの状態を示す説明図である。
図1に示す画像形成装置1000は、例えばカラー電子写真プリンタとしての構成を備えている。同図中、給紙トレイ100は、画像形成装置1000本体に着脱可能に装着され、内部に積層された記録用紙101を収容する。給紙トレイ100の内部には用紙載置板102が支持軸102aに回動可能に設けられ、記録用紙101の繰出し側の半部以上がこの用紙載置板102に載置される。また、給紙トレイ100には、記録用紙101の積載位置を規制する図示せぬガイド部材が設けられ、記録用紙101の繰出し方向(図中X軸のマイナス方向)に対して直交する方向及び用紙繰出し方向において用紙側面を規制し、収容する記録用紙101の積載位置を一定に維持する。
給紙トレイ100の繰出し側には、支持軸104aに回動可能に設けられたリフトアップレバー104が設けられ、支持軸104aはモータ105と接離可能に係合される。給紙トレイ100が画像形成装置1000本体に装着されるとリフトアップレバー104とモータ105が係合し、図示せぬ制御部がモータ105を駆動する。リフトアップレバー104が回動することでリフトアップレバー104の先端部が用紙載置板102の底部を持上げ、用紙載置板102に積載された記録用紙101が上昇する。記録用紙101がある高さまで上昇すると上昇検知部106が検知し、図示せぬ制御部が、上昇検知部106が検知した情報に基づいてモータ105を停止させる。
給紙トレイ100の繰出し側には、記録用紙101を1枚ずつ繰出す用紙繰出し部200が設けられている。用紙繰出し部200には、ある高さまで上昇した記録用紙101に圧接するよう設けられたピックアップローラ201、ピックアップローラ201により繰出された記録用紙101を1枚ずつに分離するフィードローラ202とリタードローラ203のローラ対が設けられている。また用紙繰出し部200には、記録用紙101の有無を検知する用紙有無検知部204、用紙残量を検知する用紙残量検知部205が設けられている。
用紙繰出し部200より1枚に捌いて繰り出された記録用紙101は、用紙搬送部300へ送られる。繰出された記録用紙101は用紙センサ301を通過し、搬送ローラ対302へ送られる。搬送ローラ対302は、記録用紙101が用紙センサ301を通過した時間から所定時間遅延したタイミングで図示せぬ駆動部により回転開始される。このため記録用紙101は、搬送ローラ対302の圧接部に僅かに撓んだ状態で押し込まれてその斜行が矯正される。搬送ローラ対302より送り出された記録用紙101は、用紙センサ303を通過し、搬送ローラ対304へ送られる。搬送ローラ対304は、記録用紙101が用紙センサ303を通過した時点から図示せぬ駆動部により回転され、記録用紙101を止めることなく送り出す。搬送ローラ対304により送り出された記録用紙101は、書込みセンサ305を通過して画像形成部400へと送られる。
画像形成部400は、直列に並べられた4つのトナー像形成部430と、トナー像形成部430により形成されたトナー像を、記録用紙101の上面にクーロン力により転写する転写部460からなる。尚、直列に並べられた4つのトナー像形成部430は全て同じ構成であり、使用されるトナーの色、即ち、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のみが異なる。従って、ここでは簡単のため、イエロー(Y)のトナー像形成部430のみ各部の構成を示し、他のトナー像形成部430については、省略して感光ドラム431のみを示す。
トナー像形成部430は、トナー像を担持する感光ドラム431、感光ドラム431の表面を帯電させる帯電ローラ432、帯電した感光ドラム431の表面に静電潜像を形成するLEDアレイから成るLEDヘッド433、摩擦帯電により静電潜像にトナー像を形成する現像ローラ434、トナーを供給するトナー供給部436、転写後に感光ドラム431の表面に残る残トナーを掻き落とすクリーニングブレード435などを備える。
転写部460は、用紙を静電吸着して搬送する転写ベルト461、図示せぬ駆動部より回転されて転写ベルト461を駆動するドライブローラ462、ドライブローラ462と対を成して転写ベルト461を張架するテンションローラ463、前記トナー像形成部430の感光ドラム431に対向して圧接するよう配置され、トナー像を記録用紙101に転写するよう電圧を印加する転写ローラ464、転写ベルト461上に付着したトナーを掻き取りクリーニングするクリーニングブレード465、クリーニングブレード465により掻き落とされたトナーを堆積するトナーボックス466からなる。
トナー像形成部430と転写ベルト461は同期して駆動され、転写ベルト461に静電吸着された記録用紙101に各色のトナー像を順次重ね合わせて転写する。このようにして画像形成部400でトナー画像を転写された記録用紙101は、トナー画像を熱と圧力で記録用紙101に癒着させる定着ユニット500へ送り出される。
定着ユニット500は、内部に熱源となるハロゲンランプ503を備え、表面を弾性体で形成されたアッパローラ501とロワローラ502のローラ対からなり、前記画像形成部400より送り出された記録用紙101上のトナー像に熱と圧力を印加し、トナー像を融解して記録用紙101に定着させる。その後記録用紙101は、排出ローラ対504によりスタッカ部505へと排出される。
尚、同図中のXYZ座標は、記録用紙101が各トナー像形成部430を通過する際の搬送方向にX軸をとり、感光ドラム431の回転軸方向にY軸をとり、これら両軸と直交する方向にZ軸をとっている。また、後述する他の図においてXYZ座標が示される場合、これらの座標の軸方向は、共通する方向を示すものとする。即ち、各図のXYZ軸は、各図の描写部分が、図1に示す画像形成装置1000を構成する際の配置方向を示している。
画像形成装置1000には、トップカバー1001とサイドカバー1002が備えられ、図2に示すように、これ等のカバーは、画像形成装置本体に回動自在に保持されて、装置内部が臨めるように開く。トップカバー1001には、図示しない保持手段によって前記したLEDヘッド433が保持され、サイドカバー1002には、前記した用紙搬送部300が配置されている。このように各カバーが開いた状態とされることによって、何らかの原因で破損した記録用紙を除去し、消耗品たるトナー像形成部430や転写部460、或いは定着部500の交換等が可能となる。
尚、上記したように、画像形成装置1000の、給紙トレイ100、トップカバー1001、サイドカバー1002、或いは後述するスイッチホルダ21(図3)のように、着脱可能な或いは可動な構成要素の個々に対して、その構成要素を除いた部分を画像形成装置本体と称す。
トップカバー1001の先端部近傍にはトップカバー突部11が配設され、サイドカバー1002の回動先端部近傍にはサイドカバー突部12が配設されている。また、画像形成装置本体には、これ等のトップカバー突部11及びサイドカバー突部12の移動位置によって、トップカバー1001及びサイドカバー1002の開閉状態を検知する開閉検知部13が装備されている。これ等のトップカバー突部11、サイドカバー突部12、及び後述する開閉検知部13によって開閉検知機構10が構成されている。画像形成装置1000は、この開閉検知機構10による検知結果に基づき両カバーが閉状態になるまで電源と装置駆動部の接続を遮断する。
図3、図4は、図1に示す画像形成装置1000の開閉検知機構10(図1)の構成及び動作を説明するための動作説明図である。
図3(a)に示すように、開閉検知機構10のうち、画像形成装置本体に備えられた開閉検知部13は、検出手段としてのスイッチホルダ21、マイクロスイッチ24、及びヒンジレバー25、付勢部材としての圧縮スプリング22、そしてガイド部材23を備えている。スイッチホルダ21は、マイクロスイッチ24を保持し、ガイド部材23にガイドされて画像形成装置本体に対してX軸方向にスライド可能に備えられている。圧縮スプリング22は、スイッチホルダ21をX軸マイナス方向に付勢し、スイッチホルダ21は図示しない規制手段によって、図3(a)に示す所定の位置で、同方向の移動を制限されている。ヒンジレバー25は、その一端がマイクロスイッチ24に回動自在に軸支24bされ、後述するように、その回動位置によってスイッチボタン24aを押圧して、マイクロスイッチ24をオン、オフする。リード線26は、マイクロスイッチ24のオン、オフ状態を接続先に通知する。また、スイッチボタン24aは、押されたときだけオン状態となるノンロック式のボタンであり、ここでのヒンジレバー25は、スイッチボタン24aを押圧しない所定の回動位置に復帰する弱い復帰力を備えているものとする。
尚、トップカバー1001に配設されたトップカバー突部11及びサイドカバー1002に配設されたサイドカバー突部12は、トップカバー1001及びサイドカバー1002が、図2に示すように完全に開いた状態の時も含め、開閉検知部13に作用しない位置を退避位置とし、図3では、その退避位置を、仮に点線で示す位置とする。
以上の構成において、開閉検知機構10の動作について以下に説明する。
トップカバー1001及びサイドカバー1002が共に開いた状態にあって、トップカバー突部11及びサイドカバー突部12がそれぞれ退避位置にある状態から、先ずサイドカバー1002が閉じられ、次にトップカバー1001が閉じられたときの動作について図3(a),(b),(c)を参照して説明する。
トップカバー突部11及びサイドカバー突部12が、それぞれ同図(a)に点線で示す退避位置にある状態から、サイドカバー1002(図2)が閉じられると、サイドカバー突部12は、同図(b)に点線で示す退避位置から実線で示す閉塞位置まで移動する。このときサイドカバー突部12は、スイッチホルダ21を、圧縮スプリング22の付勢力に抗して矢印方向(X軸プラス方向)に移動する。この時、同図(b)に示すように、マイクロスイッチ24に軸支されたヒンジレバー25の先端部25aがトップカバー突部11と係合可能な位置となるように各配置が考慮されている。
次に、トップカバー1001(図2)が閉じられると、トップカバー突部11は、同図(c)に点線で示す退避位置から実線で示す閉塞位置まで移動する。このときトップカバー突部11は、ヒンジレバー25の先端部25aを押圧してヒンジレバー25を矢印方向(Y軸回りの時計方向)に回動する。この時、同図(c)に示すように、マイクロスイッチ24のスイッチボタン24aがヒンジレバー25によって押圧され、マイクロスイッチ24がオン状態となるように各配置が考慮されている。
以上のようにして開閉検知部13は、マイクロスイッチ24がオフからオンになることによって、トップカバー1001及びサイドカバー1002が共に閉じた状態になったことを検知し、例えば図示しない制御手段に通知することができる。
次に、トップカバー1001及びサイドカバー1002が共に開いた状態にあって、トップカバー突部11及びサイドカバー突部12がそれぞれ退避位置にある状態から、先ずトップカバー1001が閉じられ、次にサイドカバー1002が閉じられたときの動作について図4(a),(b),(c)を参照して説明する。
トップカバー突部11及びサイドカバー突部12が、それぞれ同図(a)に点線で示す退避位置にある状態から、トップカバー1001(図2)が閉じられると、トップカバー突部11は、同図(b)に点線で示す退避位置から実線で示す閉塞位置まで移動する。このときトップカバー突部11は、何れにも作用しない。
次に、サイドカバー1002(図2)が閉じられると、サイドカバー突部12は、同図(c)に点線で示す退避位置から実線で示す閉塞位置まで移動する。このときサイドカバー突部12は、スイッチホルダ21を、圧縮スプリング22の付勢力に抗して矢印方向(X軸プラス方向)に移動する。この時のスイッチホルダ21の移動に伴って、マイクロスイッチ24に軸支されたヒンジレバー25は、その先端部25aが、閉塞位置にあるトップカバー突部11によって押圧されて矢印方向(Y軸回りの時計方向)に回動し、同図(c)に示すようにマイクロスイッチ24のスイッチボタン24aを押圧して、マイクロスイッチ24をオン状態とする。
以上のようにして開閉検知部13は、マイクロスイッチ24がオフからオンになることによって、トップカバー1001及びサイドカバー1002が共に閉じた状態になったことを検知し、例えば図示しない制御手段に通知することができる。
次に、トップカバー1001及びサイドカバー1002が共に閉じた状態から、どちらかのカバーが開かれた場合の動作について説明する。
図4(c)に示すように、トップカバー1001及びサイドカバー1002が共に閉じた状態にあって、トップカバー突部11及びサイドカバー突部12がそれぞれ閉塞位置にある状態から、サイドカバー1002が開かれると、サイドカバー突部12は、同図(c)に実線で示す閉塞位置から同図(b)に点線で示す退避位置まで移動する。このサイドカバー突部12の移動により、スイッチホルダ21が、圧縮スプリング22に付勢されてX軸マイナス方向に移動して、同図(b)に示す、図示しない規制手段によって同方向移動が規制される位置まで移動する。この移動でヒンジレバー25が自由状態となり、マイクロスイッチ24は、そのスイッチボタン24aが押圧状態から解除されて再びオフ状態となる。以上のようにして開閉検知部13は、マイクロスイッチ24がオフからオンになることによって、サイドカバー1002が開いている状態を検知し、例えば図示しない制御手段に通知することができる。
次に、図3(c)に示すように、トップカバー1001及びサイドカバー1002が共に閉じた状態にあって、トップカバー突部11及びサイドカバー突部12がそれぞれ閉塞位置にある状態から、トップカバー1001が開かれると、トップカバー突部11は、同図(c)に実線で示す閉塞位置から同図(b)に点線で示す退避位置まで移動する。この移動でヒンジレバー25が自由状態となり、マイクロスイッチ24は、そのスイッチボタン24aが押圧状態から解除されて再びオフ状態となる。以上のようにして開閉検知部13は、マイクロスイッチ24がオフからオンになることによって、トップカバー1001が開いている状態を検知し、例えば図示しない制御手段に通知することができる。
以上のように、開閉検知機構10は、トップカバー1001及びサイドカバー1002のうち、少なくともどちらか一方のカバーが開いた状態にあるときマイクロスイッチ24がオフ状態となり、両方のカバーが共に閉じた状態のときのみマイクロスイッチ24がオン状態となる。
以上のように、本実施の形態1の画像形成装置に備えた開閉検知機構よれば、マイクロスイッチのような検出手段を1つ用いるだけで、2つのカバーの開閉を検知することができるため、複数のスイッチや、更に複数のスイッチの検出結果を判断するためのハードウェアが不要となり、簡単な構成とすることができるため、部品点数削減によるコストダウンや信頼性の向上を奏することができる。
実施の形態2.
図5、図6は、本発明に基づく実施の形態2の画像形成装置に採用される開閉検知機構30の構成及び動作を説明するための動作説明図である。
この開閉検知機構30を採用する画像形成装置が、前記した図3、図4に示す実施の形態1の開閉検知機構10を採用する画像形成装置と主に異なる点は、開閉検知部33の構成である。従って、この開閉検知機構30を採用する画像形成装置が、前記した実施の形態1の画像形成装置1000(図1)と共通する部分には同符号を付して、或いは図面を省いて説明を省略し、異なる点を重点的に説明する。
図5(a)に示すように、開閉検知機構30のうち、画像形成装置本体に備えられた開閉検知部33は、移動部材であるレバーホルダ41、ガイド部材43、検出手段であるマイクロスイッチ24及びヒンジレバー25、付勢部材としての圧縮スプリング44を備えている。レバーホルダ41は、アームレバー42の一端側を回動自在に軸支する回動軸41a有し、ガイド部材43にガイドされて画像形成装置本体に対してZ軸方向にスライド可能に備えられている。圧縮スプリング44は、レバーホルダ41をZ軸プラス方向に付勢し、レバーホルダ41は図示しない規制手段によって、同図(a)に示す所定の位置で、同方向の移動を制限されている。マイクロスイッチ24は、レバーホルダ41と、Y軸方向において重ならない位置において、画像形成装置本体の所定位置に固定配置されている。
この状態でアームレバー42は、その先端部42aが自重でヒンジレバー25の先端部25aに当接している。ヒンジレバー25は、その一端がマイクロスイッチ24に回動自在に軸支24aされ、後述するように、その回動位置によってスイッチボタン24aを押圧して、マイクロスイッチ24をオン、オフする。リード線26は、マイクロスイッチ24のオン、オフ状態を接続先に通知する。また、アームレバー42は、自重でマイクロスイッチ24のスイッチボタン24aを押し込んでオン状態としない程度の軽量な部材、例えばプラスチック部材で形成されている。
尚、トップカバー1001に配設されたトップカバー突部11及びサイドカバー1002に配設されたサイドカバー突部12は、トップカバー1001及びサイドカバー1002が、図2に示すように完全に開いた状態の時も含め、開閉検知部33に作用しない位置を退避位置とし、図5では、その退避位置を、仮に点線で示す位置とする。
以上の構成において、開閉検知機構30の動作について以下に説明する。
トップカバー1001及びサイドカバー1002が共に開いた状態にあって、トップカバー突部11及びサイドカバー突部12がそれぞれ退避位置にある状態から、先ずトップカバー1001が閉じられ、次にサイドカバー1002が閉じられたときの動作について図5(a),(b),(c)を参照して説明する。
トップカバー突部11及びサイドカバー突部12が、それぞれ同図(a)に点線で示す退避位置にある状態から、トップカバー1001(図2)が閉じられると、トップカバー突部11は、同図(b)に点線で示す退避位置から実線で示す閉塞位置まで移動する。このときトップカバー突部11は、レバーホルダ41を、圧縮スプリング44の付勢力に抗して矢印方向(Z軸マイナス方向)に移動する。この時、同図(b)に示すように、アームレバー42は、その先端部42aがヒンジレバー25の先端部25aに当接したまま点線位置から実線位置まで回動し、ヒンジレバー25に作用することなく、マイクロスイッチ24をオフ状態に保つ。
次に、サイドカバー1002(図2)が閉じられると、サイドカバー突部12は、同図(c)に点線で示す退避位置から実線で示す閉塞位置まで移動する。このときサイドカバー突部12は、ヒンジレバー25の先端部25aに当接しているアームレバー42の先端部42aに作用し、アームレバー42を矢印方向(Y軸回りの時計方向)に回動し、アームレバー42はこの回動によってヒンジレバー25を同方向に回動する。この時、同図(c)に示すように、マイクロスイッチ24のスイッチボタン24aがヒンジレバー25によって押圧され、マイクロスイッチ24がオン状態となるように各配置が考慮されている。
以上のようにして開閉検知部33は、マイクロスイッチ24がオフからオンになることによって、トップカバー1001及びサイドカバー1002が共に閉じた状態になったことを検知し、例えば図示しない制御手段に通知することができる。
次に、トップカバー1001及びサイドカバー1002が共に開いた状態にあって、トップカバー突部11及びサイドカバー突部12がそれぞれ退避位置にある状態から、先ずサイドカバー1002が閉じられ、次にトップカバー1001が閉じられたときの動作について図6(a),(b),(c)を参照して説明する。
トップカバー突部11及びサイドカバー突部12が、それぞれ同図(a)に点線で示す退避位置にある状態から、サイドカバー1002(図2)が閉じられると、サイドカバー突部12は、同図(b)に点線で示す退避位置から実線で示す閉塞位置まで移動する。この時、同図(b)に示すように、サイドカバー突部12は、何れにも作用することなく、アームレバー42の先端部42aに当接する。
次に、トップカバー1001(図2)が閉じられると、トップカバー突部11は、同図(c)に点線で示す退避位置から実線で示す閉塞位置まで移動する。この時トップカバー突部11は、レバーホルダ41を、圧縮スプリング44の付勢力に抗して矢印方向(Z軸マイナス方向)に移動する。そしてアームレバー42は、同図(b),(c)に示すように、その先端部42aがサイドカバー突部12に当接したまま平行移動してヒンジレバー25の先端部25aを押圧し、ヒンジレバー25を同図(c)に示す点線位置から実線位置まで矢印方向(Y軸回りの時計方向)に回動する。ヒンジレバー25は、この回動によって同図(c)に示すようにマイクロスイッチ24のスイッチボタン24aを押圧して、マイクロスイッチ24をオン状態とする。
以上のようにして開閉検知部33は、マイクロスイッチ24がオフからオンになることによって、トップカバー1001及びサイドカバー1002が共に閉じた状態になったことを検知し、例えば図示しない制御手段に通知することができる。
次に、トップカバー1001及びサイドカバー1002が共に閉じた状態から、どちらかのカバーが開かれた場合の動作について説明する。
図5(c)に示すように、トップカバー1001及びサイドカバー1002が、共に閉じた状態にあって、トップカバー突部11及びサイドカバー突部12がそれぞれ閉塞位置にある状態から、サイドカバー1002(図2)が開かれると、サイドカバー突部12は、同図(c)に実線で示す閉塞位置から同図(b)に点線で示す退避位置まで移動する。このサイドカバー突部12の移動により、アームレバー42及びヒンジレバー25が自由状態となり、マイクロスイッチ24は、この時点でそのスイッチボタン24aが押圧状態から解除されて再びオフ状態となる。以上のようにして開閉検知部33は、マイクロスイッチ24がオフからオンになることによって、サイドカバー1002が開いている状態を検知し、例えば図示しない制御手段に通知することができる。
次に、図6(c)に示すように、トップカバー1001及びサイドカバー1002が共に閉じた状態にあって、トップカバー突部11及びサイドカバー突部12がそれぞれ閉塞位置にある状態から、トップカバー1001(図2)が開かれると、トップカバー突部11は、同図(c)に実線で示す閉塞位置から同図(b)に点線で示す退避位置まで移動する。この移動にともなって、レバーホルダ41が、圧縮スプリング44に付勢されてZ軸プラス方向に移動して、同図(b)に示す、図示しない規制手段によって同方向移動が規制される位置まで移動する。この時点で、ヒンジレバー25が、アームレバー42の自重を受けるだけの状態に復帰するため、マイクロスイッチ24は、そのスイッチボタン24aが押圧状態から解除されて再びオフ状態となる。以上のようにして開閉検知部33は、マイクロスイッチ24がオフからオンになることによって、トップカバー1001が開いている状態を検知し、例えば図示しない制御手段に通知することができる。
以上のように、開閉検知機構30は、トップカバー1001及びサイドカバー1002のうち、少なくともどちらか一方のカバーが開いた状態にあるときマイクロスイッチ24がオフ状態となり、両方のカバーが共に閉じた状態のときのみマイクロスイッチ24がオン状態となる。
以上のように、本実施の形態2の画像形成装置に備えた開閉検知機構よれば、実施の形態1と同様に、マイクロスイッチのような検出手段を1つ用いるだけで、2つのカバーの開閉を検知することができるため、複数のスイッチや、更に複数のスイッチの検出結果を判断するためのハードウェアが不要となり、簡単な構成とすることができるため、部品点数削減によるコストダウンや信頼性の向上を奏することができる。更に、マイクロスイッチが装置本体に固定されるため、マイクロスイッチが移動する場合の、マイクロスイッチに接続されるリード線による不具合、例えばマイクロスイッチの移動反復による断線、その張りによってマイクロスイッチの円滑な移動を妨げる、といった不具合を解消することができる。
実施の形態3.
図7〜図10、及び図11〜図14は、本発明に基づく実施の形態3の画像形成装置に採用される開閉検知機構50の構成及び動作を説明するための動作説明図である。
この開閉検知機構50を採用する画像形成装置が、前記した図3、図4に示す実施の形態1の開閉検知機構10を採用する画像形成装置と主に異なる点は、開閉検知部53の構成である。従って、この開閉検知機構50を採用する画像形成装置が、前記した実施の形態1の画像形成装置1000(図1)と共通する部分には同符号を付して、或いは図面を省いて説明を省略し、異なる点を重点的に説明する。
図7に示すように、開閉検知機構50のうち、画像形成装置本体に備えられた開閉検知部53は、回動部材保持材であるカムホルダ61、検出手段としてのマイクロスイッチ24及びヒンジレバー25、回動部材であるカム62、付勢部材としてのコイルスプリング63を備えている。カムホルダ61は、画像形成装置本体にY軸方向に備えられた回動軸65によって回動自在に保持され、カム62は、カムホルダ61にY軸方向に備えられた回動軸61aによって回動自在に保持されている。カムホルダ61には、カム62に形成された係合段部62a、及びサイドカバー突部12と係合する係合部61bが形成されている。コイルスプリング63は、カム62の回動軸周囲に巻かれて、両端部がカム62に植立する係止ピン62bとカムホルダ61の係合部61b間に圧縮した状態で架けられ、カムホルダ61に対してカム62を矢印方向(Y軸回りの反時計方向)に付勢している。
従って、カム62は、その係合段部62aがカム62の係合部61bに圧接した状態で、反時計方向の回動が規制された状態となっている。カムホルダ61に対するカム62のこの回動位置を基準位置とする。マイクロスイッチ24は、後述するようにヒンジレバー25がカム62によって押圧可能な所定の位置において、画像形成装置本体に固定配置されている。
またカムホルダ61は、図7に示すように、基準位置のカム62がマイクロスイッチ24の近傍にある位置で、規制部材66によって、自重による矢印方向(Y軸回りの反時計方向)の回動が規制されている。カムホルダ61のこの回動位置を基準位置とする。
尚、トップカバー1001に配設されたトップカバー突部11及びサイドカバー1002に配設されたサイドカバー突部12は、トップカバー1001及びサイドカバー1002が、図2に示すように完全に開いた状態の時も含め、開閉検知部53に作用しない位置を退避位置とし、図7〜図10及び図11〜図14では、その退避位置を、仮に点線で示す位置とする。また、トップカバー突部11は、略Z軸方向に沿って移動するとき、カムホルダ61には当接せずにカム62に当接するように、またサイドカバー突部12は、略X軸方向に沿って移動するとき、カムホルダ61の平板部61cには当接せずに係合部61bに当接するように構成されている。
以上の構成において、開閉検知機構50の動作について以下に説明する。
トップカバー1001及びサイドカバー1002が共に開いた状態にあって、トップカバー突部11及びサイドカバー突部12がそれぞれ退避位置にある状態から、先ずトップカバー1001が閉じられ、次にサイドカバー1002が閉じられたときの動作について図7〜図10を参照して説明する。
トップカバー突部11及びサイドカバー突部12がそれぞれ図7に点線で示す退避位置にある状態から、サイドカバー1002(図2)が閉じられると、サイドカバー突部12は、図8に点線で示す退避位置から実線で示す閉塞位置まで移動する。このときサイドカバー突部12は、カムホルダ61を、矢印方向(Y軸回りの時計方向)に回動する。この時、図8に示すように、基準位置にあるカム62の円弧部62cの縁がマイクロスイッチ24に軸支されたヒンジレバー25の中央部に当接して、マイクロスイッチ24をオンにしない程度に押圧する位置となるように各配置が考慮されている。
次に、トップカバー1001(図2)が閉じられると、トップカバー突部11は、図9に点線で示す退避位置から実線で示す閉塞位置まで移動する。このときトップカバー突部11は、カム62の突出部62dを押圧し、カム62をコイルスプリング63の付勢力に抗して基準位置から矢印方向(Y軸回りの時計方向)に回動し、カム62はこの回動に伴ってヒンジレバー25を矢印方向(Y軸回りの反時計方向)に回動する。この時、図9に示すように、マイクロスイッチ24のスイッチボタン24aがヒンジレバー25によって押圧されてマイクロスイッチ24がオン状態となり、更にヒンジレバー25がカム62の円弧部62cによって押圧される状態となるように各配置が考慮されている。
以上のようにして開閉検知部53は、マイクロスイッチ24がオフからオンになることによって、トップカバー1001及びサイドカバー1002が共に閉じた状態になったことを検知し、例えば図示しない制御手段に通知することができる。
また、トップカバー1001が、この閉じられた状態から更に押し込まれてしまった場合、図10に示すように、トップカバー突部11は、更に矢印方向(Z軸マイナス方向)に移動し、カム62を更に矢印方向(Y軸回りの時計方向)に回動することとなるが、ヒンジレバー25は、引き続きカム62の円弧部62cで押圧されるために回動することはなく、マイクロスイッチ24を破壊するような力は発生しない。
次に、トップカバー1001及びサイドカバー1002が共に開いた状態にあって、トップカバー突部11及びサイドカバー突部12がそれぞれ退避位置にある状態から、先ずトップカバー1001が閉じられ、次にサイドカバー1002が閉じられたときの動作について図11〜図14を参照して説明する。
トップカバー突部11及びサイドカバー突部12が、それぞれ図11に点線で示す退避位置にある状態から、トップカバー1001(図2)が閉じられると、トップカバー突部11は、図12に点線で示す退避位置から実線で示す閉塞位置まで移動する。このときトップカバー突部11は、カム62の突出部62dを押圧し、カム62をコイルスプリング63の付勢力に抗して基準位置から矢印方向(Y軸回りの時計方向)に回動する。この時、図12に示すように、回動後のカム62の円弧部62cの縁がマイクロスイッチ24に軸支されたヒンジレバー25の中央部に当接して、マイクロスイッチ24をオンにしない程度に押圧する位置となるように各配置が考慮されている。
次に、サイドカバー1002(図2)が閉じられると、サイドカバー突部12は、図13に点線で示す退避位置から実線で示す閉塞位置まで移動する。このときサイドカバー突部12は、カムホルダ61を、矢印方向(Y軸回りの時計方向)に回動する。この回動によりカム62を軸支する回動軸61aも同方向に移動するため、トップカバー突部11によって回動規制された状態のカム62は、軸移動と同時に矢印方向(Y軸回りの時計方向)に自転し、ヒンジレバー25を矢印方向(Y軸回りの反時計方向)に回動する。この時、図13に示すように、マイクロスイッチ24のスイッチボタン24aがヒンジレバー25によって押圧されてマイクロスイッチ24がオン状態となり、更にヒンジレバー25がカム62の円弧部62cによって押圧された状態となる。
以上のようにして開閉検知部53は、マイクロスイッチ24がオフからオンになることによって、トップカバー1001及びサイドカバー1002が共に閉じた状態になったことを検知し、例えば図示しない制御手段に通知することができる。
また、サイドカバー1002が、この閉じられた状態から更に押し込まれてしまった場合、図14に示すように、サイドカバー突部12は、更に同方向(X軸プラス方向)に移動し、カム62の軸移動及び自転を進めることとなるが、ヒンジレバー25は、引き続きカム62の円弧部62cで押圧されるために回動することはなく、マイクロスイッチ24を破壊するような力は発生しない。
次に、トップカバー1001及びサイドカバー1002が共に閉じた状態から、どちらかのカバーが開かれた場合の動作について説明する。
図13に示すように、トップカバー1001及びサイドカバー1002が、共に閉じた状態にあって、トップカバー突部11及びサイドカバー突部12がそれぞれ閉塞位置にある状態から、サイドカバー1002が開かれると、サイドカバー突部12は、図13に実線で示す閉塞位置から図12に点線で示す退避位置まで移動する。この時、カムホルダ61は、コイルスプリング63の付勢力により、図12に示すように前記した基準位置に復帰する。このときトップカバー突部11が閉塞位置を維持しているためカム62がヒンジレバー25を僅かに押圧するものの、マイクロスイッチ24は、この時点でそのスイッチボタン24aが押圧状態から解除されて再びオフ状態となる。以上のようにして開閉検知部53は、マイクロスイッチ24がオンからにオフなることによって、サイドカバー1002が開いている状態を検知し、例えば図示しない制御手段に通知することができる。
次に、図9に示すように、トップカバー1001及びサイドカバー1002が共に閉じた状態にあって、トップカバー突部11及びサイドカバー突部12がそれぞれ閉塞位置にある状態から、トップカバー1001が開かれると、トップカバー突部11は、図9に実線で示す閉塞位置から図8に点線で示す退避位置まで移動する。このときカム62は、コイルスプリング63の付勢力により、自身の回動軸を移動させることなく反時計方向に回動して基準の回動位置に復帰する。この図8に示す状態は、前記したようにカム62が、マイクロスイッチ24に軸支されたヒンジレバー25の中央部に当接し、マイクロスイッチ24をオンにしない程度に押圧する状態であるため、マイクロスイッチ24は、この時点でそのスイッチボタン24aが押圧状態から解除されて再びオフ状態となる。以上のようにして開閉検知部53は、マイクロスイッチ24がオンからオフなることによって、トップカバー1001が開いている状態を検知し、例えば図示しない制御手段に通知することができる。
以上のように、開閉検知機構50は、トップカバー1001及びサイドカバー1002のうち、少なくともどちらか一方のカバーが開いた状態にあるときマイクロスイッチ24がオフ状態となり、両方のカバーが共に閉じた状態のときのみマイクロスイッチ24がオン状態となる。
以上のように、本実施の形態3の画像形成装置によれば、回動可能なカムホルダ、これに取り付けられたカム、及びカムの回動を付勢するコイルスプリングという少ない部品で構成されるため、コストが安く、しかし確実に2つのカバーの開閉を検出することが可能となる。また、カムを一方向に回転させてスイッチをオンさせており、どちらのカバーが開かれた場合でも、カムは反対方向に回転してマイクロスイッチをオフさせるため、この時にカムを回転させる付勢部材は一つで済み、かつ確実にオフ状態に戻すことができる。また、カム部材は略扇形の成型品であり、部品形状が単純でコストが安い。更に、カバーが振動等で閉状態から更に押し込まれてしまうような事態となっても、カムはその円周部(円弧部)分がヒンジレバーの回動位置を変えることなく滑りながら移動又は回転するため、マイクロスイッチに負担をかけることがない。従って、カバーの強度や寸法精度に対して自由度が高くなるため、コストを安くできる。
実施の形態4.
図15は、本発明に基づく実施の形態4の画像形成装置の外観斜視図であり、図16(a),(b)は、実施の形態4の画像形成装置に採用される開閉検知機構70(図17)の開閉検知部73を、異なる方向からみた外観斜視図であり、図17は、開閉検知機構70を正面(Y軸のプラス側)から見た構成図であり、図18は、開閉検知機構70を側面(X軸のマイナス側)から見た構成図である。尚、図15では、簡単のため、画像形成装置1000本体に装着されるトナー像形成部430(図1)、トップカバー1001に保持されるLEDヘッド433(図1)については省いている。
この開閉検知機構70(図17)を採用する画像形成装置が、前記した図3、図4に示す実施の形態1の開閉検知機構10を採用する画像形成装置と主に異なる点は、開閉検知部73の構成である。従って、この開閉検知機構70を採用する画像形成装置が、前記した実施の形態1の画像形成装置1000(図1)と共通する部分には同符号を付して、或いは図面を省いてここでの説明を省略し、異なる点を重点的に説明する。
図15に示すように、開閉検知部73は、画像形成装置1000本体の、サイドカバー1002の閉じた位置に対峙して形成されているフロントプレート16の上端部(トップカバー1001のトップカバー突起11が係合可能な位置)にネジ15によって固定されている。
図16に示すように、開閉検知部73は、ガイド部材を有する基体75、レバーホルダ76、アームレバー77、コイルスプリング78、マイクロスイッチ24を備える。基体75は、マイクロスイッチ24を保持するスイッチ収納部81、レバーホルダ76をガイドするホルダスライダ部82、及びネジ受け部83が一体的に形成され、このネジ受け部83に形成されたネジ穴83aを貫通するネジ15によって、図15に示すようにフロントプレート16に固定される。尚、図15と図16(b)は、略同じ方向からみた外観図である。
基体75のホルダスライダ部82には、Z軸方向に対向して延在する一対の側壁部84,85が形成され、側壁部84,85には、同方向に延在するガイド孔84a,85a形成されている。レバーホルダ76は、断面がコ字状でまっすぐに延在する部材の底部の大部分を切り取った形状を有して一対の側壁部84,85の間に介在し、その両側部76a,76bから突出して、ガイド孔84a,85aに嵌入する2対の係合突起86a(86b)、87a(87b)(図18参照)を備える。従って、レバーホルダ76は、ホルダスライダ部82にガイドされて、Z軸方向にスライド移動可能に、基体75によって保持されている。
アームレバー77は、後述するようにその先端部がくさび状に形成され、回動軸として形成された一対の突起軸77a,77b(図18参照)が、レバーホルダ76の軸孔76c,76dに嵌入して備えられ、レバーホルダ76によって回動自在に保持されている。コイルスプリング78は、基体75に形成されたフック75aと、図18に示すようにレバーホルダ76の両側部間に配設される中央バー76eの中間部に形成されたフック76fとの間に伸長状態で架けられている。従って、レバーホルダ76は、フロントプレート16に固定された基体75に対して上方(Z軸プラス方向)に付勢される。
マイクロスイッチ24は、そのヒンジレバー25がアームレバー77と当接可能な向き及び位置で、基体75のスイッチ収納部81に止めネジ90で固定されている。このようにスイッチ収納部81は、ヒンジレバー25がアームレバー77側から臨めるように、該当部分が開放されている。
図17は、上記した開閉検知部73、トップカバー1001のトップカバー突起11、及びサイドカバー1002のサイドカバー突起12からなる開閉検知機構70において、トップカバー1001及びサイドカバー1002が、共に開いた状態を示している。尚、トップカバー1001に配設されたトップカバー突部11及びサイドカバー1002に配設されたサイドカバー突部12は、トップカバー1001及びサイドカバー1002が、図15に示すように完全に開いた状態の時も含め、開閉検知部73に作用しない位置を退避位置とし、図17、図18、及び以後に説明する図19〜図23では、その退避位置を、仮に点線で示している。このとき、マイクロスイッチ24は、そのヒンジレバー25が自由状態にあってオフ状態となっている。
以上の構成において、図19〜図23を参照しながら本実施の形態の開閉検知機構70の動作について説明する。尚、図19〜図23では、簡単のために、基体75はコイルスプリング78が架けられたフック75aのみを示し、レバーホルダ76はコイルスプリング78が架けられたフック76f、及びその先端部76gのみを示している。従って、図19〜図23において、フック76f、先端部76g、及びレバーホルダ76に軸支されたアームレバー77の突起軸77a(77b)は一体的に移動する。
先ず、トップカバー1001及びサイドカバー1002が共に開いた状態にあって、トップカバー突部11及びサイドカバー突部12がそれぞれ退避位置にある状態から、先ずトップカバー1001が閉じられ、次にサイドカバー1002が閉じられたときの動作について図19、図20、図21を参照して説明する。
トップカバー突部11及びサイドカバー突部12が、それぞれ図19に点線で示す退避位置にある状態、即ち前記した図17に示す状態から、トップカバー1001(図15)が閉じられると、トップカバー突部11は、図20に点線で示す退避位置から実線で示す閉塞位置まで移動する。このときトップカバー突部11は、レバーホルダ76の先端部76gを、圧縮スプリング78の付勢力に抗して矢印方向(Z軸マイナス方向)に移動する。この時、図20に示すように、アームレバー77は、その傾斜側部77dがヒンジレバー25の先端部25aに当接したまま点線位置から実線位置まで回動し、ヒンジレバー25に作用することなく、マイクロスイッチ24をオフ状態に保つ。尚、アームレバー77は、傾斜側部77d及び背面部77eの各面が、その先端方向に向って互いに接近する方向に、他方の面に対して傾斜してくさび状に形成されている。
次に、サイドカバー1002(図15)が閉じられると、サイドカバー突部12は、図21に点線で示す退避位置から実線で示す閉塞位置まで移動する。このときサイドカバー突部12は、ヒンジレバー25の先端部25aに当接しているアームレバー77の背面部77eに作用し、アームレバー77を矢印方向(Y軸回りの時計方向)に回動し、アームレバー77はこの回動によってヒンジレバー25を逆方向に回動する。この時、図21に示すように、マイクロスイッチ24のスイッチボタン24aがヒンジレバー25によって押圧され、マイクロスイッチ24がオン状態となるように各配置が考慮されている。
以上のようにして開閉検知部73は、マイクロスイッチ24がオフからオンになることによって、トップカバー1001及びサイドカバー1002が共に閉じた状態になったことを検知し、例えば図示しない制御手段に通知することができる。
次に、トップカバー1001及びサイドカバー1002が共に開いた状態にあって、トップカバー突部11及びサイドカバー突部12がそれぞれ退避位置にある状態から、先ずサイドカバー1002が閉じられ、次にトップカバー1001が閉じられたときの動作について図19、図22、図23を参照して説明する。
トップカバー突部11及びサイドカバー突部12が、それぞれ図19に点線で示す退避位置にある状態、即ち前記した図17に示す状態から、サイドカバー1002(図15)が閉じられると、サイドカバー突部12は、図22に点線で示す退避位置から実線で示す閉塞位置まで移動する。この時、同図に示すように、サイドカバー突部12は、アームレバー77に作用しない。
次に、トップカバー1001(図15)が閉じられると、トップカバー突部11は、図23に点線で示す退避位置から実線で示す閉塞位置まで移動する。この時トップカバー突部11は、レバーホルダ76の先端部76gを、圧縮スプリング78の付勢力に抗して矢印方向(Z軸マイナス方向)に移動する。この時アームレバー77は、先ずヒンジレバー25に当接しながらややY軸回りの反時計方向に回動し、その先端部77cがサイドカバー突部12に当接した後は、再び元の回動位置に復帰しながら移動してヒンジレバー25の先端部25aを押圧し、やがてヒンジレバー25を図23に示す点線位置から実線位置まで矢印方向(Y軸回りの反時計方向)に回動する。ヒンジレバー25は、この回動によって同図に示すようにマイクロスイッチ24のスイッチボタン24aを押圧して、マイクロスイッチ24をオン状態とする。
以上のようにして開閉検知部73は、マイクロスイッチ24がオフからオンになることによって、トップカバー1001及びサイドカバー1002が共に閉じた状態になったことを検知し、例えば図示しない制御手段に通知することができる。
次に、トップカバー1001及びサイドカバー1002が共に閉じた状態から、どちらかのカバーが開かれた場合の動作について説明する。
図21に示すように、トップカバー1001及びサイドカバー1002が、共に閉じた状態にあって、トップカバー突部11及びサイドカバー突部12がそれぞれ閉塞位置にある状態から、サイドカバー1002(図15)が開かれると、サイドカバー突部12は、同図に実線で示す閉塞位置から点線で示す退避位置まで移動する。このサイドカバー突部12の移動により、アームレバー77及びヒンジレバー25が自由状態となって図20に示す位置に復帰し、マイクロスイッチ24は、この時点でそのスイッチボタン24aが押圧状態から解除されて再びオフ状態となる。以上のようにして開閉検知部73は、マイクロスイッチ24がオフからオンになることによって、サイドカバー1002が開いている状態を検知し、例えば図示しない制御手段に通知することができる。
次に、図23に示すように、トップカバー1001及びサイドカバー1002が共に閉じた状態にあって、トップカバー突部11及びサイドカバー突部12がそれぞれ閉塞位置にある状態から、トップカバー1001(図15)が開かれると、トップカバー突部11は、同図に実線で示す閉塞位置から図22に点線で示す退避位置まで移動する。この移動にともなって、レバーホルダ76が、圧縮スプリング78に付勢されてZ軸プラス方向に移動して、図17に示す、ホルダスライダ部82のガイド孔84a(85a)によって同方向移動が規制される位置まで移動する。この時点で、ヒンジレバー25が、アームレバー77の先端部77cにわずかに接触するだけの状態に復帰するため、マイクロスイッチ24は、そのスイッチボタン24aが押圧状態から解除されて再びオフ状態となる。以上のようにして開閉検知部73は、マイクロスイッチ24がオフからオンになることによって、トップカバー1001が開いている状態を検知し、例えば図示しない制御手段に通知することができる。
以上のように、開閉検知機構70は、トップカバー1001及びサイドカバー1002のうち、少なくともどちらか一方のカバーが開いた状態にあるときマイクロスイッチ24がオフ状態となり、両方のカバーが共に閉じた状態のときのみマイクロスイッチ24がオン状態となる。
尚、以上の動作説明から明らかなように、アームレバー77は、図22に示すように、自由状態において、その先端部77cが、X軸方向におけるヒンジレバー25の先端部25aよりもサイドカバー突部12側で且つサイドカバー突部12の上方先端部12aよりもスイッチ24側の範囲A内に収まるように設定されるか、図22に示すように、範囲A内に収まっている状態から更に上方に移動しないように設定されているものとする。以上のように設定することによって、アームレバー77が下方に移動する際に、その先端部77cがヒンジレバー25及びサイドカバー突部12に衝突することなく、ヒンジレバー25とサイドカバー突部12との間を円滑に移動することが可能となる。
以上のように、本実施の形態4の画像形成装置に備えた開閉検知機構よれば、実施の形態1と同様に、マイクロスイッチのような検出手段を1つ用いるだけで、2つのカバーの開閉を検知することができるため、複数のスイッチや、更に複数のスイッチの検出結果を判断するためのハードウェアが不要となり、簡単な構成とすることができるため、部品点数削減によるコストダウンや信頼性の向上を奏することができる。更に、マイクロスイッチが装置本体に固定されるため、マイクロスイッチが移動する場合の、マイクロスイッチに接続されるリード線による不具合、例えばマイクロスイッチの移動反復による断線、その張りによってマイクロスイッチの円滑な移動を妨げる、といった不具合を解消することができる。更に、マイクロスイッチを縦向きに配置できるので、開閉検知機構の構成を小さくすることができる。
尚、上記実施の形態では、アームレバー77がレバーホルダ76に回動自在に、且つ自由状態で保持された例を示したが、例えば、所定の回動位置に弱い復帰力が働くように構成されても良い。
実施の形態5.
図24及び図26は、本発明に基づく実施の形態5の画像形成装置に採用されるサイドカバー突部92及びトップカバー突部91の構成を示す外観斜視図である。
このサイドカバー突部92及びトップカバー突部91を採用する画像形成装置の開閉検知機構が、前記した図17に示す実施の形態4の画像形成装置の開閉検知機構に対して異なる点は、サイドカバー突部92及びトップカバー突部91の構成のみである。従って、サイドカバー突部92及びトップカバー突部91を採用する画像形成装置が、前記した実施の形態4の画像形成装置と共通する部分には同符号を付して、或いは図面を省いてここでの説明を省略し、異なる点を重点的に説明する。
図25は、サイドカバー突部92の動作説明図であり、図24に示すサイドカバー突部92をC−C線で切る断面を示している。これらの図に示すように、サイドカバー突部92は、基板601、内部ガイド部材602、キャップ603、及びスプリングコイル604,605からなる。キャップ603は樹脂等の部材で形成され、その爪部603a,603bが、基板601と一体的に形成されて内部に嵌入する内部ガイド部材602の両側部に形成されたガイド凹部にガイドされてスライド可能に保持され、各ガイド凹部のフック部602a,602bと係合して突出する方向の移動が規制される。一対のコイルスプリング604及び605は、基板601と爪部603a間、及び基板601と爪部603b間に圧縮した状態で架けられ、各爪部603a,603bをフック部602a,602bに押圧し、キャップ603を突出位置に保っている。
以上のように構成されたサイドカバー突部92を備えたサイドカバー1002(図15)が、例えば、前記したように先にトップカバー1001(図15)が閉じられた後に閉じられる際、前記した図21の説明で明らかなように、先ず図25に示すキャップ603がアームレバー77の背面部77eに当接してアームレバー77を回動し、図25に示すようにマイクロスイッチ24をオンにする位置に至る。尚、アームレバー77は、ここでは図示しないリミッタによって、更なる時計方向の回動が規制されているものとする。
本実施の形態では、サイドカバー1002を、図示しないロック手段によってロックするため、サイドカバー突部92の閉塞位置に対応する閉じた位置から更に所定量押し込むことを想定する。このときのサイドカバー1002のオーバーストロークに応じて、サイドカバー突部92の基板601は、キャップ603を動かすことなく、コイルスプリング604,605の付勢力に抗して図25に点線で示す位置まで移動する。
以上のようにして、サイドカバー突部92は、サイドカバー1002のオーバーストロークを吸収し、図示しないリミッタによって移動規制されているアームレバー77に過度の影響が及ぶのを避けることができる。これにより、オーバーストロークによりサイドカバー1002を閉じた状態にロックするロック機構を採用することが可能となる。
一方、図27は、トップカバー突部91の動作説明図であり、図26に示すトップカバー突部91をX軸マイナス側からみた図を示している。これらの図に示すように、トップカバー突部91は、基板651、内部ガイド部材652、キャップ653、及びスプリングコイル654,655からなる。キャップ653は樹脂等の部材で形成され、その爪部653a,653bが、基板651と一体的に形成されて内側に配設された内部ガイド部材652の両側部に形成されたガイド凹部にガイドされてスライド可能に保持され、各ガイド凹部のフック部652a,652bと係合して突出する方向の移動が規制される。一対のコイルスプリング654及び655は、基板651と爪部653a間、及び基板651と爪部653b間に圧縮した状態で架けられ、各爪部653a,653bをフック部652a,652bに押圧し、キャップ653を突出位置に保っている。
以上のように構成されたトップカバー突部91を備えたトップカバー1001(図15)が、例えば、前記したように先にサイドカバー1002(図15)が閉じられた後に閉じられる際、前記した図23の説明で明らかなように、先ず図27に示すキャップ653がレバーホルダ76の先端部76gに当接してこれを押下し、図23に示すようにマイクロスイッチ24をオンにする位置に至る。尚、このときレバーホルダ76はその係合突起87a,87bが基体75の側壁部84,85に形成されたガイド孔84a,85a(図16)の下端部に当接し、更なる下方移動が規制される。
本実施の形態では、トップカバー1001を、図示しないロック手段によってロックするため、トップカバー突部91の閉塞位置に対応する閉じた位置から更に所定量押し込むことを想定する。このときトップカバー1001のオーバーストロークに応じて、トップカバー突部91の基板651は、キャップ653を動かすことなく、コイルスプリング654,655の付勢力に抗して図27に点線で示す位置まで移動する。
以上のようにして、トップカバー突部91は、トップカバー1001のオーバーストロークを吸収し、移動規制されているレバーホルダ76に過度の影響が及ぶのを避けることができる。これにより、オーバーストロークによりトップカバー1001を閉じた状態にロックするロック機構を採用することが可能となる。
尚、前記した各実施の形態では、本発明を電子写真方式の画像形成装置に適用した例を述べたが、これに限定されるものではなく、ファクシミリやインクジェットプリンタ、複写機、複合機などガバー部材を2つ以上備え、2つのカバーの閉状態を同時に検出することが必要な画像形成装置に適用可能である。また、実施の形態3では、カム62の回動軸を移動させるために、回動可能なカムホルダ61を使用したが、代わりにスライド部材で構成することも同様に実現可能である。