以下、本発明が車載用ナビゲーション装置に適用された実施形態(実施例)について図を参照しつつ説明する。
(実施例1)
まず図1に、本実施例に係る車載用ナビゲーション装置1のハードウェア構成を示す。この車載用ナビゲーション装置1は、位置検出器11、操作スイッチ群12、画像表示装置13、スピーカ14、テレビ受信装置15、RAM(Random Access Memory)16、ROM(Read Only Memory)17、外部記憶媒体18、およびCPU(Central Processing Unit)を主体とする制御回路19を有している。
位置検出器11は、いずれも周知の図示しない車両の回転を検出するジャイロスコープ、車速を検出する車速センサ、およびGPS(Global Positioning System)用衛星からの電波を受信するGPS受信機等のセンサを有しており、これらセンサの各々の性質に基づいた、車両の現在位置や向きを特定するための情報を制御回路19に出力する。
操作スイッチ群12は、車載用ナビゲーション装置1に設けられた複数のメカニカルスイッチ、画像表示装置13の表示面に重ねて設けられたタッチパネル等の入力装置から成り、ユーザによるメカニカルスイッチの押下、タッチパネルのタッチに基づいた信号を制御回路19に出力する。
画像表示装置13は、制御回路19から出力された映像信号に基づいた映像をユーザに表示する。表示映像としては、例えば現在地を中心とする地図等がある。
テレビ受信装置15は、通常、制御回路19からの制御(この制御はユーザが操作スイッチ群12によって受信したいテレビ放送信号を指定したことに起因する)に基づいて、その制御によって指定された地上デジタルテレビ放送局からのテレビ放送信号を受信し、この受信したテレビ放送信号中のデータを、制御回路19に出力する。
なお、本発明では、テレビ受信装置15はユーザによってテレビ放送信号の受信を指示されるか否かにかかわらず(テレビをつけているか否かにかかわらず)、常にテレビ放送局からのテレビ放送信号を自動的に受信・選別するようになっている。この自動的な受信・選別の動作は、テレビ受信装置15は受信した信号のなかで、緊急情報を含む信号のみを選別し、制御回路19に出力するものである。これをうけて制御回路19は取得した緊急情報を、外部記憶媒体18あるいはROMに過去の履歴として、一定期間分(一定データ量分)自動的に保存していくものとする。また、その保存したテレビ放送信号2は、上記を繰り返すことで逐次更新されていくものとする。
ここで、図2に、テレビ受信装置15が常時受信するテレビ放送信号2の概略的なデータ構成を示す。テレビ放送信号2は、緊急情報記述子21、緊急情報本体22、番組の画像および音声がエンコードされた動画データ23等を含んでいる。
緊急情報記述子21および緊急情報本体22は、大規模地震や津波等の災害が発生したとき、あるいは高い確率で発生すると予想されたことをうけて警戒宣言が発令された場合、その警戒宣言が解除されるまでの間、テレビ放送局から送信され続けるデータである。緊急情報記述子21は、災害の種別やその災害のあった地域を限定する情報等、災害に関する規定の属性を表すデータである。緊急情報本体22は、災害の内容を緊急情報記述子21よりも具体的に表すデータである。緊急情報本体22としては、例えば各地域の震度、各地域の津波の高さ、各地域の津波の到達時刻、発生頻度等がある。なお、緊急情報記述子21が送信される場合は、常に緊急情報本体22も送信されるようになっている。
また、図3に、地上デジタル放送の規格によって規定される緊急情報記述子21のデータ構成を概略的に示す。緊急情報記述子21は、8ビット長の記述子タグ部211、8ビット長の記述子長部212、および可変長の個別記述子213を有している。記述子タグ部211は、緊急情報記述子21が緊急情報記述子であることを示すための所定のデータ(16進数表現でFCとなる)を含む。上記記述子タグ211のデータによって、テレビ受信装置15はこの信号が、緊急情報を含むテレビ放送信号であることを認識できる。
記述子長部212は、続く個別記述子213のデータ長を表すデータ値を含んでいる。
個別記述子213は、16ビット長のサービス識別部221、1ビット長の開始/終了フラグ部222、1ビット長の信号種別部223、6ビット長の未定義部224、8ビット長の地域符号長部225、および可変長の個別地域記述子226を有している。なお、個別記述子213は、これら各部221〜226から成る組を複数有していてもよい。その場合には、これら各部221〜226からなるデータの組が繰り返されることによってデータ長がその分長くなる。
信号種別部223は、個別記述子213の示す災害の種別を示すデータ値を有している。図4に、この信号種別部223が取り得るデータ値と、それら各データ値の意味付けとの対応関係を示す。この図に示す通り、信号種別部223のデータ値が0である場合、その信号種別部223を有する個別記述子213は、所定の基準を満たす大規模地震についてのデータであり、1である場合、その信号種別部223を有する個別記述子213は、所定の基準を満たす津波についてのデータである。なお、上記の地震や津波だけでなく、多くの種別(たとえば洪水や台風など)の緊急情報を構成したい場合に、信号種別部223のビット長を長く割り当てることも可能である。
地域符号長部225は、個別地域記述子226のデータ長を表すデータ値を含んでいる。
個別地域記述子226は、12ビット長の地域符号部231および4ビット長の未定義部232を有している。なお、個別地域記述子226は、これら各部231〜232から成る組を複数有していてもよい。地域符号部231は、それを含む個別記述子213に係る災害のあった地域を限定する符号データを含んでいる。図5に、地域符号部231が取り得る符号データと、それら各符号データの表す限定地域との対応関係を示す。例えば、符号“0110 1001 1001”は、限定地域が近畿広域圏であることを示し、符号“1010 0110 1010”は、限定地域が静岡県であることを示し、符号“0011 0100 1101”は、全域が限定地域であることを示している。
外部記憶媒体18は、HDD(Hard Disk Drive)等の不揮発性の記憶媒体であり、制御回路19が読み出して実行するプログラム、経路案内用の地図データ等
を記憶している。地図データは、道路片(リンク)および交差点(ノード)の位置、種別、交差点と道路片との接続関係情報等を含む道路データ、および施設データを有している。また外部記憶媒体18は、図5に示した地域符号部231の地域符号と限定地域の位置範囲との対応関係のデータを有している。
制御回路19は、ROM17および外部記憶媒体18から読み出した車載用ナビゲーション装置1の動作のためのプログラムを実行し、その実行の際にはRAM16、ROM17、および外部記憶媒体18から情報を読み出し、RAM16および外部記憶媒体18に対して情報の書き込みを行い、位置検出器11、操作スイッチ群12、画像表示装置13、スピーカ14、およびテレビ受信装置15と信号の授受を行う。さらに、制御回路19は図示しない内部時計を有している。
また制御回路19がプログラムを実行することによって行う具体的な処理としては、現在位置特定処理、誘導経路探索処理、経路案内処理等がある。
現在位置特定処理は、現在位置特定プログラム60を実行し、車両現在位置を特定する処理である。より具体的には、位置検出器11からの信号や、周知のマップマッチング(位置検出器11による車両現在位置の検出誤差を、外部記憶媒体18に格納された地図データなどを用いて補正すること)等の技術を用いて車両の現在位置や向きを特定する処理である。
誘導経路探索処理は、誘導経路算出プログラム70を実行し、前記特定した現在位置から目的地までの誘導経路を算出する処理である。より具体的には、操作スイッチ群12からユーザによる目的地の入力を受け付け、現在位置特定処理により特定した現在位置から当該目的地までの最適な誘導経路を、たとえばダイクストラ法などのアルゴリズムを用いて算出する処理である。
経路案内処理は、経路案内プログラム80を実行することで、外部記憶媒体18から地図データを読み出し、算出された誘導経路、目的地、経由地および現在位置等をこの地図データの示す地図上に重ねた画像を、画像表示装置13に出力し、案内交差点の手前に自車両が到達した等の必要時に、右折、左折等を指示する案内音声信号をスピーカ14に出力する処理である。
また、制御回路19は、その作動中に、以下にあげる図6、図7、図12にフローチャートとして示す各プログラムを並列的に実行している。そして、制御回路19が実行する各種処理はすべてユーザが車両の駆動源を始動させるかあるいはアクセサリーオン(車両の駆動源は停止しているが、車載用ナビゲーション装置1に対して給電が行われる状態)された場合に処理動作が開始され、逆に車両の駆動源が停止される(車載用ナビゲーション装置1に対して給電が停止される)と処理動作が終了するものとする。以下、上記並列して実行されるプログラムのそれぞれについて説明する。
まず、制御回路19は、図6にフローチャートとして示すプログラム400を、他のプログラムと並列的に常時実行している。
このプログラム400は、車載用ナビゲーション装置1の画像表示装置13の表示制御動作に関するもので、制御回路19は、このプログラム400の実行においては、まず、先の動作開始(ユーザによる駆動源の始動、あるいはアクセサリーオン)をうけて、ステップS410にて、車載用ナビゲーション装置が起動するまで待機する。そして、起動した(ステップS410:yes)場合にはステップS415に進む。
続くステップS415では、ドライバ等のユーザがテレビ受信の選択を行った状態であるか否かを判定する。テレビ受信の選択を行った状態とは、具体的には、操作スイッチ群12に対してテレビ表示要求のための所定の操作があった後に、そのテレビ表示を終了するための所定の操作があるまでの期間における状態をいう。
テレビ放送信号2を受信していれば(ステップS415:yes)、続いてステップS420を実行し、受信していなければ(ステップS415:no)、ステップS425を実行後、再度ステップS415を実行する。したがって、テレビ受信の選択がない(ステップS415:no)状態では、画像表示装置13は、他のナビゲーション装置用のプログラムの処理に従った表示(例えば地図表示、メニュー表示等)を行う(ステップS420)。
次にステップS420では、自車両が走行中であるか否かを判定する。なお、自車両の車速は、位置検出器11の車速センサからの信号に基づいて特定する。自車両が走行中である(ステップS420:yes)場合、続いてステップS435を実行し、走行中でない(ステップS420:no)場合、続いてステップS430に移行し、テレビ放送信号2中の動画データ23等に基づくテレビ放送画像を、通常の方法で画像表示装置13に表示させ、またテレビ放送音声をスピーカ14に表示させ、その後ステップS415を実行する。このように、テレビ受信が選択され、自車両が停止している間は、ステップS415、S420、S430がこの順で繰り返されることにより、画像表示装置13がテレビ番組の画像を表示し続ける。ここで、上記通常の方法とは、テレビ放送画像の表示を、制限を加える(走行中であるためにユーザの安全上制限する)ことなく行うことを意味する。
続いて、ステップS435では、テレビ受信装置15が緊急情報記述子21を受信している否かを、テレビ受信装置15から受けるデータの内容に基づいて判定する。緊急情報記述子21を受信していなければ(ステップS435:no)、続いてステップS436を実行し、受信していれば(ステップS435:yes)続いてステップS440を実行する。
ステップS436は、前段で緊急情報が受信されていないとしても、過去の履歴として保存している緊急情報を参照し、その緊急情報の継続的受信状態の終了時点から、現時点までの経過時間が、所定時間以上であるか否かを判断するステップである。経過時間は内部時計の計時を参照して算出される。以下このステップS436について詳しく説明する。
まずこの緊急情報の過去の履歴を作成するために、制御回路19は図7に示すプログラム500(緊急情報学習プログラム)および、プログラム500の一部である図8に示す動作を並行的に常時行う。図7に示すプログラム500では動作開始とともに、ステップS510に進み、テレビ放送信号2を定期的に受信し続ける。そして緊急情報が受信されたか否かを、緊急情報記述子21を受信したか否かによって判断し、受信した(ステップS510:yes)場合にはステップS515に進み、受信した緊急情報をROM16あるいは外部記憶媒体18に格納する動作(データ蓄積動作)を行う。一方、受信しない(ステップS510:no)場合にはテレビ放送信号を破棄し、ステップS510の動作を再び実行する。
このようにして、テレビ放送信号2のうち緊急情報のみが一定分だけ常に蓄積される。このデータ構成例8を図8に示す。プログラム500において、制御回路は緊急情報記述子21から、地域情報を参照し、内部時計によって計時された受信時刻を付与し、受信時刻からの経過時間を付与し逐次更新する。また、緊急情報記述子21から、信号種別を参照し、経過時間とあわせてその緊急情報を受信した時刻を基準とする過去所定期間での発生頻度(発生回数)を付与する。この発生回数は、緊急情報をある期間受信してから、もう一度同種の緊急情報を受信した場合に、発生回数が一回増えるようにする。たとえば、同じ地域(東京都)で同じ災害(地震)が発生していることを示す緊急情報を、過去3日間以内にすでに2度受信している場合には、その旨がデータ構成例8として順次記録される。なお、上記一定分の蓄積とは、メモリ容量が有限であるので、一定データ量であることが好適であるが、受信時刻からの経過時間が所定時間(例:一週間)以内のデータであるようにしてもよい。なお本実施例では、災害の発生回数を同種の緊急情報の受信回数としているが、これだけなく、緊急情報本体22から参照してもよい。
上記にて説明した過去の履歴を参照した結果、受信終了から現在までの経過時間が所定時間未満の緊急情報があると判断した(ステップS436:no)場合には、ステップS445を実行し、逆にすべての緊急情報の受信終了からの経過時間が所定時間以上であると判断した(ステップS436:yes)場合には、ステップS440を実行する。このステップS440では、画像表示装置13が現在テレビ放送信号2に基づく番組映像等を表示させていれば、その表示を消去させ、その後ステップS415を実行する。ただし、テレビ放送信号2に基づく音声は、スピーカ14に出力させる。このステップS440の処理によって、テレビ放送信号2に基づく動画像表示が禁止されることになる(走行強制動作)。
一方ステップS445では、現在位置特定処理によって特定した自車の現在位置が、緊急情報記述子21中の地域符号部231の示す地域(以下対象地域と記す)に含まれるか否かを、図5に示した対応関係のデータを外部記憶媒体18から読み出して参照すること、で判定する。なお、現在制御回路19が経路案内処理を行っている場合、現在の誘導経路の一部または全部が対象地域に入っているか否かも判定する。自車両の現在位置または現在位置から目的地までの誘導経路の一部(または全部)が対象地域に入っている場合、続いてステップS450を実行し、そうでない(ステップS445:no)場合はステップS440を実行する。
ところで、ステップS445の判定がyesとなるのは、次のような場合である。すなわち、自車の現在位置と目的地が対象地域外で、誘導経路が対象地域に一部含まれる場合(以後、ケース1という)、自車の現在位置が対象地域外で、目的地が対象地域内にある場合(以後、ケース2という)、自車の現在位置が対象地域内で、目的地が対象地域外にある場合(以後、ケース3という)、自車の現在位置と目的地が対象地域内である場合(以後、ケース4という)である。
ステップS450では、テレビ受信装置15が受信したテレビ放送信号2のうち、緊急情報記述子21および緊急情報本体22に基づく情報のみを画像表示装置13に表示させる。図9〜図11に、この場合において画像表示装置13がその表示画面30に表す画像の例を示す。
図9の場合においては、画像表示装置13は、制御回路19の制御に従って、表示画面30中の上端部305と下端部305に、緊急情報本体22の内容を表すテロップを表示している。また、表示画面30の中央部310には、テレビ放送信号2からの動画データ23に基づく映像は表示せず、ユーザが操作スイッチ群12を用いて選択操作可能な災害地表示ボタン320を表示する。また、図10においては、中央部310に、現在地を含む地図を表示させるようになっている。また、ステップS450においては、制御回路19は、災害地表示ボタン320のユーザによる選択を検出すると、図11に示すような表示を画像表示装置13に行わせる。このとき画像表示装置13は、地域符号部231に示された対象地域330を、地図データの示す地図に重ねて、色分け等で強調表示する。ま
た、ステップS450において、テレビ放送信号2に基づく音声を、スピーカ14に出力させるようになっていてもよい。なお、このステップS450は、ステップS435にて、現在の緊急情報を受信している場合にのみ行われ、現在緊急情報を受信していない場合(たとえばステップS435がno、かつステップS436がno、かつステップS445がyesというように動作した場合)には、このステップS450の動作を行わず、ステップS455を実行してもよい。またそうでなくこのステップS450では関連する過去の緊急情報を提示するようになっていてもよい。
続いてステップS455では、現在経路案内処理を行っているか否かを判定し、行っている(ステップS455:yes)場合は続いてステップS460を実行し、行っていない(ステップS455:no)場合は続いてステップS415を実行する。
ステップS460は対象地域を迂回する誘導経路を再算出するステップである。すなわち、ケース1においては、現在地と目的地以外の誘導経路の一部または全部が対象地域に入っているので、この対象地域を避けて現在位置から目的地に到達するような誘導経路を再度算出する。また、ケース2においては、目的地が対象地域に入っているので、現在の誘導経路の終端を、目的地から、その誘導経路上の対象地域の境界手前へ、と変化させる。また、ケース3においては、現在地が対象地域に入っているので、最も短い距離で、または最も早く、対象地域から抜け出せるような誘導経路を再算出する。また、ケース4においては、警告表示を行い、目的地へ誘導することが危険である旨の報知をするとともに、ケース3のように、まず、対象地域から最短または最も早く脱出できる経路を算出する。そして上記に続いては、ステップS415を実行する。
以上のようなプログラム400を制御回路19が実行することで、車載用ナビゲーション装置1は、ユーザによるテレビ受信の選択がなされており(ステップS415参照)、かつ自車両が走行中であることに基づいて(ステップS420参照)、テレビ受信装置15が受信したテレビ放送信号2に基づく動画等の映像を画像表示装置13に表示することを禁止する(ステップS450参照)。これにより、ユーザは運転操作に集中することができ、安全性が高まる。
ただし、ユーザによって設定された目的地や、走行予定経路上、および走行予定経路周辺や自車位置にて災害が発生した場合には、上記の表示禁止動作によって緊急情報を表示しないようにするよりも、緊急情報を報知したほうがユーザにとって安全上有益なことがある。そこで、ユーザによるテレビ受信の選択がなされており、かつ自車両が走行中である場合であっても、テレビ受信装置15が緊急情報を現在受信しており(ステップ435参照)、かつ、自車両の現在位置または現在位置から目的地までの誘導経路の一部(または全部)が、地域符号部231が限定する地域に入っている間(ステップS445参照)は、その受信された緊急情報中の緊急情報本体22に含まれる災害の詳細を画像表示装置13に表示させることを、テレビ放送信号2に基づく映像の表示禁止に優先して行い続ける(ステップS450参照)。これにより、ユーザは自分が走行しようとする地域や自分の位置(車両現在位置)に緊急情報の示す地域が含まれていること、およびその緊急情報の内容を知ることができる。
このように、車載用ナビゲーション装置1は、自車両が走行しているときでも、テレビ放送局から緊急情報が送信されている場合には、自車両の現在位置を特定する機能や誘導経路を算出する機能との連携によって、ドライバにとって有用性の高い緊急情報を絞り込んだ上で、自動的にその緊急情報を画像表示装置に表示させるので、ドライバはその緊急情報を見ることができる。
また、このとき緊急情報本体22のデータ内容の、画像表示装置13への表示は、図9および図10に示すように画像表示装置13の表示画面30の上端部305および下端部に文字テロップを表示させるようにしてもよいし、ユーザの災害地表示要求の操作に基づいて、図11に示すようにその災害領域を地図データの示す地図上に表した画像を表示させるようになっていてもよい。このようになっていれば、ユーザは、緊急情報に係る地理領域を視覚的に把握することができるようになる。
また車載用ナビゲーション装置1は、テレビ受信装置15が緊急情報を現在受信しており(ステップ435参照)、かつ、自車両の現在位置または現在位置から目的地までの誘導経路の一部(または全部)が、地域符号部231が限定する地域に入っている場合(ステップ445参照)に、経路案内処理を実行していれば(ステップ455参照)、その限定地域を迂回するような誘導経路を再算出する(ステップ460参照)。このようになっていることで、ドライバに対して、緊急情報が示す地域を避けた走行を促すことができるようになる。
さらに、車載用ナビゲーション装置1は、緊急情報を現在受信していなくとも、過去の受信終了時点から所定期間の間は、対象地域であった地域を迂回して誘導経路を算出するため、たとえば災害が発生して復旧がまだなされないうちにユーザがその地域を訪れることが少なくなり、より安全な経路案内が可能となる。
また、このようにプログラム400が動作すれば、たとえば一旦緊急情報を受信し、目的地が対象地域であることに基づいて迂回経路が再度算出されてから、緊急情報の受信状態が終了しても、所定期間の間は、たとえばユーザが何らかの理由(操作ミスなど)によって再度算出された誘導経路を外れたために、もう一度誘導経路探索処理によって目的地までの誘導経路が算出されるとき、依然として前記対象地域を迂回することができる。ゆえに、ユーザにとってより安全な経路案内が行える。
また制御回路19は、誘導経路算出プログラム70の一部として、図12にフローチャートとして示すプログラム700を並行して実行するようになっている。このプログラムは、目的地設定の動作プログラムであり、これを実行することで、制御回路19は、誘導経路探索処理のうち、目的地の入力の受付から目的地の確定までの処理を実現する。
制御回路19は、このプログラム700の実行において、まずステップS5705で、ユーザの操作スイッチ群12に対する目的地入力操作を待ち、入力がある(ステップS705:yes)と、続いてステップS710に移行して、プログラム400のステップS415と同様に、テレビ受信装置15が緊急情報を現在受信しているか否かを判定する。緊急情報が受信されている(ステップS710:yes)場合、続いてステップS715を実行し、逆に受信されていない(ステップS710:no)場合、続いてステップS735以下を実行する。
まずステップS710の判定がyesであることを受けて実行されるステップS715は、直前のステップS705で受け付けた目的地が災害地、すなわちステップS710で受信した緊急情報記述子21中の地域符号部231によって限定される地域に含まれるか否かを判定するステップである。目的地が前記地域に含まれる(ステップS715:yes)場合、ユーザの安全を優先させるために、入力した目的地を誘導経路算出の対象となる目的地として設定せずにステップS720を実行し、逆に含まれない(ステップS715:no)場合、続いてステップS730の目的地設定処理を実行する。
すなわち、ステップS720では、「目的地が災害地です」という文字や音声を画像表示装置13およびスピーカ14に出力させることで、ユーザに対して警告を行い、その後ステップ705で再度ユーザの目的地入力を受け付ける。
またステップS730では、ユーザによって入力された目的地を、誘導経路算出のための目的地として確定し、現在位置からその確定した目的地に対する誘導経路の算出を開始し、その後ステップS705に戻る。
さて、ステップS710の判定がnoであることをうけて、ステップS735以下が実行される。ところでこのステップ群は、現在緊急情報を受信しないとしても、過去の緊急情報の受信状況(過去の履歴)から、ユーザによって指定された目的地(設定目的地)が、依然として安全上、経路案内すべきでない(訪問すべきでない)か否かを判断し、その判断に基づいて前記設定目的地を、誘導経路算出の対象となる目的地として設定するか否かを決定するステップ群である。
まずステップS735は、過去の履歴からユーザの設定した設定目的地が、緊急情報の示す地域に含まれていないかを判断するステップである。含まれている(ステップS735:yes)場合には目的地は完全に安全とはいえないのでステップS740に進み、逆に含まれていない(ステップS735:no)場合には、安全といえるのでステップS730の動作を実行する。
ステップS740では、過去の履歴の中から、設定目的地を含む地域情報をもつ緊急情報を選び出し、付与された受信時刻と内部時計の示す現在時刻を比較し、所定時間経過しているか否かを判断する。そして、所定時間以上経過している(ステップS740:yes)場合には設定目的地は安全である(災害から復旧したあるいは再発の可能性は低い)ものと判断し、ステップS730の動作を実行する。逆に、所定時間未満しか経過していない(ステップS740:no)場合には、復旧が完了していない可能性や、災害が再発する(地震であれば余震などの二次的災害)ことも考えられるので、ステップS745に進む。なお、ここでいう所定期間とは、復旧期間や災害の再発期間などを考慮し、たとえば数日程度が考えられる。
ステップS745では、設定目的地を含む地域を示す緊急情報を過去所定期間内に、所定回数以上受信したか否かを判断するステップである。このステップの目的は、過去に発生した災害が再び発生する可能性があるか否かを判断することにある。そのために、制御回路19はデータ構成例8を参照し、緊急情報のうち設定目的地を含む発生地域に関するものの受信回数を読み出す。そして、その頻度が規定に満たない(ステップS745:no)場合には、再発の可能性が低いと判断しステップS730の動作を実行する。逆に規定以上である(ステップS745:yes)場合には、再発の可能性もあると判断し、ステップS720の動作を実行する。なお、ここでいう所定期間内とは、災害の再発周期などから予めプログラムとして設定されるものであり、かつ、ステップS740で参照する経過時間の閾値となる所定期間より長い期間である。具体的にはたとえば数日程度が考えられる。また、所定回数とは数回程度が考えられる。また、上記に限らず、参照する地域情報は設定目的地を含む同一地域だけでなく、その周辺地域であってもよい。たとえば参照する地域が東京都(設定目的地が東京都に含まれるものとする)であるならば、その周辺である千葉県、神奈川県、埼玉県なども同時に参照するようにしてもよい。つまりより具体的にいえば、作動条件(ステップS745がyesとなる条件)が、仮に設定目的地を含む同一地域で過去3日間に2回以上同種の災害情報を持つ緊急情報を受信すること、としたとき、東京都においてある災害(災害A)が発生したことを示す緊急情報を、過去3日間に1度だけ受信していても、その周辺で同期間に災害Aが発生したことを示す緊急情報を1度でも受信すれば、作動条件に合致するものとしてもよい。
以上のようなプログラム400、500、700を制御回路19が実行することで、車載用ナビゲーション装置1は、誘導経路探索処理において、ユーザによって目的地の入力を受け付けたときに(ステップ705参照)、テレビ受信装置15が緊急情報を受信しており(ステップ710参照)、かつ地域符号部231が限定する地域に目的地が含まれている場合(ステップ715参照)、当該目的地は災害地域内である旨の警告表示を行い(ステップ720参照)、再度目的地入力を受け付ける(ステップ705参照)。そして、テレビ受信装置15が緊急情報を受信していない場合や、地域符号部231が限定する地域に目的地が含まれていない場合は、その入力された目的地を誘導経路算出対象の目的地として確定し(ステップ730参照)、その確定した目的地に対する誘導経路の算出を開始する。
さらに、テレビ受信装置15が緊急情報を受信していない場合でも、災害から復旧するまで、災害が再発しないと予測できるまでにはある一定の期間を要する。この間はたとえ緊急情報が発信されなくなり、受信状態が継続しなくなっても、目的地が、過去に緊急情報の示す地域(災害地域)に含まれている場合には、目的地として誘導経路を算出しないようにしている。また、地震などでは余震などの再発現象も稀ではないので、過去の履歴からその再発現象の発生の可能性が低いと思われるまで、目的地として誘導経路を算出しないようにしている。このため、ユーザが危険な地域を訪れることがより少なくなり、ユーザにとってより安全性の高い経路案内が提供できる。
すなわち、このようになっていることで、ユーザは、入力した目的地が緊急情報の示す災害地域であることを容易に知ることができるようになり、また、緊急情報が示す災害地域を避けた目的地の設定をより効果的に行うことができるようになる。
ところで、制御回路19は、プログラム400の実行において、ステップS436の判定がnoである場合、上記プログラム700に示すステップS745と同様の動作を行うようにしてもよい。具体的には、ステップS436の判定がnoである場合に、過去の履歴(データ構成例8)を参照し、同一地域で同種の災害に関する緊急情報を過去所定期間に所定回数以上受信したか否かを判断する。そして受信した場合には、ステップS445を実行し、受信していない場合には、ステップS440を実行するようにしてもよい。
このようにすれば、緊急情報を受信しなくとも、過去の履歴に基づいて、ユーザにより安全な経路案内を実現することができ、ユーザの安全性が高められる。
(実施例2)
実施例1では、地域限定情報を有する緊急情報(災害情報)を受信した場合に、その地域限定情報の限定地域(またはその周辺地域)を目的地として設定するのを制限する、あるいは、目的地までの誘導経路がその地域を迂回するように誘導経路を再算出するようにした。これにより、ユーザは災害が発生した地域や災害が再発しそうな地域、また災害後に復旧が完了していない地域をなるべく避けて走行することができるようになる。さてここで、車両現在位置やその周辺で災害が発生した場合、ユーザが安全な場所までいち早く避難できるように避難経路を自動的に算出し、案内できるようにすれば、本発明の効果をより一層高めることができる。
そこで本実施例では、その一例として、緊急情報の中で津波に関する情報(後述する津波警戒情報)に注目し、現在位置がその津波警戒情報の有する限定地域(津波区域:たとえば津波の被害が及ぶと予測される地域)に入っているかどうかを判定し、入っていれば地図データに基づいて、自動的に高台へ避難経路を算出しユーザを誘導するようにした。以下、その詳細について説明する。
(本実施例の構成)
本実施例を達成するための構成は、実施例1を基本とするので詳しい説明は省略するが、とくに異なる点(追加点など)を次に述べる。
まず、本実施例の地図データには交差点及び道路片の情報にそれぞれ高度の情報が付加されている。これらは図1に示す外部記憶媒体18(HDD)に格納されている。これにより、避難すべき高台の位置を特定することができる。あるいは現在位置の海抜などを知ることもできる。なお、上記では、地図データに高度データが付加されていることで、高台の位置を特定するように構成したが、HDDに予め高台の位置を示すデータ(高台データ)を静的な情報として格納するように構成してもよい。
次に、本実施例で注目する津波警戒情報とは、地震発生後に発信される、津波の到達地域と到達規模(高さ)、到達予想時刻などを示すデータであり、たとえば図2、3、4およびその説明に示すように、少なくとも信号種別が1の構成をもつデータである。
また、実施例1の図6に示す表示制御プログラム400は、本実施例では図13に示すプログラム(表示制御プログラム800)となる。このプログラム800と400との違いは、破線囲み部(ステップS851〜S854)が追加されている点であり、それ以外のステップは同一である。またこのステップ群(S851〜S854)は、本実施例において、現在位置が津波警戒警報の限定地域(津波区域)に含まれているか否かを判断する判断手段となっている。
ここで、その判断材料としては、図14に示すデータ構成例9を活用する。このデータ構成例9は、実施例1で緊急情報学習プログラム500にて作成される、図8に示す緊急情報の履歴のデータ構成例8に相当するものである。そしてこのデータ構成は次のようにして作成される。すなわち、実施例1と同様に、プログラム500により定期的に緊急情報を受信し続ける。そしてS510において、緊急情報記述子21を受信した場合に、その信号種別から津波警戒警報である(信号種別が1である)と判断された場合には、受信時刻を基準とする経過時間、発生回数を別途記憶しておくようにする。たとえば、図14にて、災害A(津波以外の災害)とは別途記憶しておく。このようにして、津波警戒警報のデータ構成(津波警戒警報の履歴)が作成される。
なお、本実施例では緊急情報学習プログラム800にて現在位置が津波区域に含まれていると判定された場合にユーザに対して避難経路を案内するための緊急避難経路誘導プログラム900(図15)を実行するようになっている。このプログラムは他のプログラムと同様に、たとえばROM17に格納されている。
(本実施例の動作)
次に、上記のような構成のもとで、本実施例における動作について図面を参照しつつ説明する。
まず、表示制御プログラム800のステップS851では上記の津波警戒警報の履歴を参照し、津波警戒情報が所定回数以上受信されたかを判断する。ここで、津波警戒警報が所定回数受信された(ステップS851:yes)場合はステップS853に進み、受信されなかった(ステップS851:no)場合にはステップS852に移行する。
ステップS852では、津波の危険(余波等が到達するような危険)が低くなったか否かを判断する。そのために、津波警戒警報の履歴の経過時間を参照し、津波警戒情報を前回受信してから所定時間以上経過したかを判断する。この所定時間とは、津波がある程度鎮静するために要する時間であり、たとえば数時間程度の時間である。ステップS852で津波警戒情報を前回受信してから所定時間以上経過したと判断された(ステップS852:yes)場合には津波の危険が少なくなったと認識できるので、ステップS855に移行し、実施例1、図6にて説明した同様の処理を行う。
逆に、ステップS852で津波警戒情報を前回受信してから所定時間未満しか経過していないと判断された(ステップS852:no)場合には津波の危険が低くなっていないと認識できるので、ステップS852に処理を進める。なお、念のために説明するが、ステップS851の所定回数が1回に設定されていれば、津波警戒警報を1度でも受信した場合には必ずステップS853に処理を進めることになる。
ステップS853は、津波の危険が低くないので、ユーザに避難経路を提示し、誘導させるか否かを決定するステップである。そのために、このステップでは自位置が津波警戒警報の有する限定地域に含まれるか否かを判断する。具体的には、自位置がケース3、4の関係にあるかどうかを判断する。ここで、ケース3、4とあるのは、実施例1で説明したと同様に、ケース3は限定地域(すなわち津波区域)に自位置が含まれるが、目的地が含まれない場合、ケース4は限定地域に自位置および目的地がとも含まれる場合をいう。ステップS853で津波警戒警報の限定地域(津波の被害が及ぶと予測される地域)に自位置が含まれると判断された(ステップS853:yes)場合には、自位置に津波の被害が及ぶ可能性があるので、避難誘導が必要と判断し、ステップS854に移行する。一方ステップS853で限定地域に自位置が含まれないと判断した(ステップS853:no)場合には、ステップS855に進み、実施例1と同様な処理を行う。
さて、ステップS854は、ユーザを津波の被害が及ばない地域(高台)へと避難させるために、強制避難経路誘導プログラム900を実行する。このプログラムの動作について以下、図15、図16を参照しつつ、説明する。このプログラム900は図13のステップS854に処理が移行されると起動し、車載用ナビゲーション装置1の電源がオフされるか、後述の避難経路を案内し終えた時点で終了するものである。
さて、プログラム900は起動するとステップS910に移行し、その時点で目的地までの経路誘導中であるかを判断する。経路誘導中である(ステップS910:yes)場合にはステップS915に移行し、その案内を中止し、ステップS920に進む。逆にステップS910で経路案内中でない(ステップS910:no)場合にはステップS915をスキップし、ステップS920に進む。
次にステップS920では、HDDに格納された地図データを参照し、現在位置から最も早く到達でき、かつ津波の被害を免れるような高台(避難候補地)を検索する。ここで、避難候補地の探索はより好適には、津波警戒警報から、その津波の規模と到達予想時刻とを参照し、現在時刻から最短時間かつ、津波の到達予想時刻前に到着できる高台であって、津波の規模を考慮しても十分に被害を免れるような海抜(高度)の高台を探索するのものとする。
そして、ステップS925では検索した避難候補地までの経路(避難経路)を計算し、ステップS930でその避難経路を案内する。
このとき、車載用ナビゲーション装置1の画像表示装置12の表示画面30には、図16に示すような津波情報表示が行われるとよい。ここで、330は津波以外の災害の対象地域、331は自位置(車両現在位置)、332は避難候補地、333は自位置331から避難候補地、334として黒塗りの四角として複数示す区域は津波区域(津波の被害が及ぶと予測される地域)である。
このように、津波区域、避難経路、避難候補地を表示し、案内を行うので、もし緊急情報として津波情報を受信し、しかも自位置が津波区域内であった場合であっても、ユーザに対して自動的に最適な避難場所へと避難経路を案内できるので、ユーザの安全性がより一層高められる。つまり、自位置が津波区域334内であり、ユーザがいちいち手動で津波区域外への目的地設定等を行う時間的、心理的余裕がない場合であっても、安全な避難誘導を実現することができ、ユーザの安全性が高められる。
(その他の実施例)
以上本発明の実施例について説明したが、本発明の構成は、上記実施例のみに限定されるものではなく、本発明の各構成要素の機能を実現し得る種々の形態を包含するものである。
例えば、テレビ受信装置15は、地上デジタルでなくとも、他のデジタルテレビ放送規格によるテレビ放送信号を受信するようになっていてもよい。
また、緊急情報としては、地震、津波、洪水等の災害に関するものでなくとも、空港封鎖、幹線道路封鎖等、緊急に広範囲な通知が必要な事態に関するものであれば足りる。
また、制御回路19は、プログラム400の実行において、ステップS450では、緊急情報と併せて動画データ23に基づく動画像の表示を行ってもよい。特に、動画データ23がその緊急情報に関係のあるもの(例えば災害ニュース)である場合に、動画像の表示を行うようになっていてもよい。また、動画像がその緊急情報に関係のあるものであるか否かは、テレビ放送局から送信される放送信号中の番組内容データ等から特定すればよい。
また、制御回路19は、ステップS450では、テレビ放送信号2に基づく映像の画像表示装置13への表示を完全に禁止せずとも、動画の表示のみを禁止するようになっていてもよい。すなわちステップS450では、テレビ放送信号2に基づく映像の画像表示装置13を通常の場合(すなわちステップS430の場合)よりも制限するようになっていれば足りる。
また、制御回路19は、プログラム700の実行においては、地域符号部231が限定する地域に目的地が含まれている場合であっても、ユーザが二度続けてその目的地を入力する等、ユーザが強くその目的地に進入する意志を示す操作スイッチ群12に対する操作があった場合は、その目的地を誘導経路算出対象の目的地として確定するようになっていてもよい。たとえば上記に限らず、ユーザが操作スイッチ群12に対して、パスワード入力などの特別な認証用操作を行い、それが認証されることを前提として、その目的地を誘導経路算出対象の目的地として確定するようになっていてもよい。
また、制御回路19は、ステップS740の実行結果がyesである場合に、さらにステップS745の動作を行うようにしてもよい。つまり、前回緊急情報を受信してから現在まで、所定期間以上経過していたとしても、データ構成例8を参照し、目的地が過去に所定期間に所定回数以上、同種の緊急情報の対象地域になっている場合には、用心のため当該入力された目的地を経路計算の際の目的地として確定せず、ステップS720を実行するようにしてもよい。参照する過去の所定期間とは、経過時間として参照する所定期間よりも長い期間である。
なお、上記の実施例においては、車載用ナビゲーション装置1が、本発明の経路案内装置の一例として挙げられているが、車載用ナビゲーション装置に限らず、例えば、人が携帯できるような携帯型ナビゲーション装置としても実現可能である。また、表示制御装置は、自車両が走行しているか否かを、車速センサやシフト位置センサ等からの信号に基づいて特定できるようになっていれば、必ずしもナビゲーション装置でなくともよい。
また車載用ナビゲーション装置1には、テレビ受信装置のみならず、路上に設置されたVICS(Vehicle Information and Communication System)センタから、光ビーコンや電波ビーコン、FM(Frequency Modulation)多重放送により周囲に発信された渋滞情報等を受信するVICS受信機を備えていてもよい。そして、受信した渋滞情報の示す地域に対して、その渋滞情報を受信中はその地域を迂回した経路案内を行ったり、その渋滞情報が解除されても(渋滞情報を受信しなくなっても)一定期間の間は引き続き迂回した経路案内を行ったり、あるいは経路案内を制限(注意を喚起した上で経路案内)したりしてもよい。
このようにすれば、ユーザが渋滞に巻き込まれる可能性をより低くすることができ、ユーザにとってより負担のない誘導経路を提供できる。