JP4873115B2

JP4873115B2 - ブロック状ガラスパネル

Info

Publication number: JP4873115B2
Application number: JP2001249949A
Authority: JP
Inventors: 英一郎桑原
Original assignee: Nippon Electric Glass Co Ltd
Current assignee: Nippon Electric Glass Co Ltd
Priority date: 2001-08-21
Filing date: 2001-08-21
Publication date: 2012-02-08
Anticipated expiration: 2021-08-21
Also published as: JP2003056118A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築物の天窓、階段、地下道天井等に使用されるブロック状ガラスパネルに関するものである。ここで、ブロック状ガラスとは、中空状のガラスブロックだけでなく、プリズムガラスも含んでいる。尚、プリズムガラスとは、平面形状が四角形又は円形の天面と、この天面の周囲から下方に延びる側壁面と、中央が凹入した底面とを有し、全体が断面逆凹型に形成されたガラスブロックである。
【０００２】
【従来の技術】
ブロック状ガラスを用いて天窓、階段、地下道天井等の明かり取りを行う場合、プリズムガラスを例にとると、従来は、図２に示すように、鋳鉄製の格子枠１１の縁部１１ａ上に枠状スペーサー１２を置き、その上にプリズムガラス１３を載せ、目地部１４にシリコーンシール層１５、防水モルタル層１６、防水化粧モルタル層１７の順に形成することによって、プリズムガラスパネル２０を作製後、現場に搬入して躯体１８に固定し施工していた。また、これ以外にも現場で、格子枠１１を躯体１８に取り付けた後、上記と同様にしてプリズムガラスパネル２０を作製し施工する場合もある。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のブロック状ガラスパネル２０では、飛来物及び落下物の衝撃、補強筋及び格子枠１１の錆び膨張による応力増加、あるいは想定以上の地震によって、プリズムガラス１３が割れると、意匠上好ましくないだけでなく、鋳鉄製格子枠１１の開口部１１ｂからガラス破片が落下する虞があった。また、割れたプリズムガラス１３を取り替える際には、足場を設置し、割れたガラスの破片が落ちても安全なように、捕集用シートをパネル下に設置するか、木製ボードをプリズムガラスの下側の格子枠に嵌め込む必要があり、取り替えに手間と費用がかかった。
【０００４】
上記した問題は、ガラスブロックパネルについても同様に発生していた。
【０００５】
そこで、本発明の目的は、ガラスブロック又はプリズムガラスが割れても、安全で、取替えの手間がかからない、ブロック状ガラスパネルを提供することにある。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、ガラスブロック又はプリズムガラスの下側に透光板を配置することによって、割れたガラスの破片が落下することなく、また、取替え時には、足場を設置することが無く、安価に取替えが可能になることを見出し、本発明を提案するに至った。
【０００７】
即ち、本発明のブロック状ガラスパネルは、複数個のブロック状ガラスの意匠面が地上面に対して傾斜して又は平行に設置されたブロック状ガラスパネルにおいて、前記ブロック状ガラスが、中空状のガラスブロック、又は、プリズムガラスであり、各々のブロック状ガラスが格子枠に設置されており、前記格子枠は、金属からなり、前記ブロック状ガラスの略外寸となる格子状であって、ブロック状ガラスを支持する格子枠縁部を有し、且つ各々のブロック状ガラスの下側に位置する前記格子枠の格子枠縁部上に透光板が接着剤又はシーラントにて固定されてなることを特徴とする。
【０００８】
【発明の実施の形態】
本発明のブロック状ガラスパネルは、ブロック状ガラスの意匠面が地上面に対して傾斜して又は平行に設置されたブロック状ガラスパネル、例えば、天窓、階段、地下道天井等に設置されたガラスブロックパネル又はプリズムガラスパネルにおいて、ブロック状ガラスの下側に透光板が配置されてなるため、割れたガラスブロック又はプリズムガラスの破片が落下することなく安全であり、また、割れたガラスブロック又はプリズムガラスの破片が落下したり、モルタルが落下することがないため、取替え時には、足場を組んで、捕集用シートをパネル下に設置したり、木製ボードをプリズムガラスの下側の格子枠に嵌め込む必要がなく、安価に取り替えが可能になる。
【０００９】
透光板は、鋳鉄製の格子枠の下面に接着剤、ビス、ボルト等で固定、あるいは、鋳鉄製格子枠縁部と枠状スペーサーとの間又は枠状スペーサーとブロック状ガラスとの間に設置されるが、特に透光板を接着剤やシーラントにて固定すると、防水効果に優れ好ましく、また、透光板を、枠状スペーサーやブロック状ガラスに予め接着してから、施工しても構わない。
【００１０】
透光板をパネル下に設置したプリズムガラスパネルの場合、プリズムガラスの室内側の底面で結露しにくくなるため、室内側の湿度が高くなる場所における使用が可能になり好ましい。
【００１１】
透光板としては、透光性を有し、屋外での通常の使用で想定される６０℃程度の温度でも変形しなければ、特に制限無く、例えば、強化ガラス板、樹脂板、片面や両面にフィルムを貼ったガラス板や樹脂板等が使用できるが、特に樹脂板であると、割れにくく、安価であるため好ましく、さらに樹脂板が、ポリカーボネート又は塩化ビニルからなると、さらに割れにくく好ましい。
【００１２】
また、透光板は、厚みが０．５〜３ｍｍであると好ましく、透光板がポリカーボネート又は塩化ビニルの場合には、０．５〜２ｍｍであると好ましい。すなわち、厚みが、０．５ｍｍより薄いと、ブロック状ガラスが破損した場合に採光板の割れやヌケの原因となり、３ｍｍより厚いと、コスト高となるため好ましくないからである。
【００１３】
透光板が、無色透明であると、ブロック状ガラスパネルの意匠性を失わないため好ましいが、透光板が半透明や着色していると、カラーバリエーションを増やすことができる。
【００１４】
また、ブロック状ガラスパネルに、無色透明、有色透明、無色半透明、有色半透明の透光板や不透明な板を組み合わることによって、文字や模様を描くことができるため、製品のバリエーションが増え好ましい。
【００１５】
【実施例】
図１は、本発明におけるプリズムガラスパネルの拡大縦断面図である。
【００１６】
図１に示すように、プリズムガラス１は、平面形状が四角形又は円形の天面１ａと、この天面１ａの周囲から下方に延びる側壁面１ｂと、中央が凹入した底面１ｃとを有し、全体が断面逆凹型に形成されたブロック状ガラスである。
【００１７】
枠状スペーサー２は、プリズムガラス１の側壁面１ｂの周囲及び底面１ｃの周囲に嵌合する断面略Ｌ型で、一辺が所定寸法（例えば、略２０ｃｍ）の略正方形をなし、所定の厚さ（例えば、略２ｃｍ）を有している。
【００１８】
また、枠状スペーサー２の材質は、弾性材料である軟質塩化ビニルであるため、耐候性、耐水性及びシール性に優れている。
【００１９】
格子枠３は、複数個のプリズムガラス１を支持するために、プリズムガラス１の略外寸となる格子状となり、断面十字型となっている。格子枠３は、機械的強度や耐久性が優れたステンレスや鋳鉄等の金属からなる。
【００２０】
枠状スペーサー２と格子枠縁部３ａの間には、略正方形で、１．０ｍｍの厚みを有し、シリコーンシーラント（図示せず）によって固定されたポリカーボネート製の無色透明な樹脂板４が挟み込まれている。
【００２１】
目地部５は、シリコーンシール層６の上に防水モルタル層７と防水化粧モルタル８を有した構造からなる。
【００２２】
本発明の構成は、以上の通りであって、次に、天窓を構築する要領を概略説明する。
【００２３】
先ず、図１に示すように、樹脂板４を格子枠３に嵌め込み、防水のためのシリコーンシーラント（図示せず）で接着固定し、ついで、格子枠３に枠状スペーサー２を樹脂板４の上から嵌め込み、その上にプリズムガラス１を設置する。次に、目地部５としてシリコーンシール層６、防水モルタル層７及び防水化粧モルタル層８を順次形成し、養生し、乾燥固化させ、プリズムガラスパネル９を完成させる。そして、プリズムガラスパネル９を現場に搬入して、躯体１０に溶接及びボルトで固定する。
【００２４】
また、先に格子枠３を躯体１０に固定し、その後上記した方法で、プリズムガラスパネル９を作製し施工してもよい。
【００２５】
【発明の効果】
本発明によれば、ガラスブロック又はプリズムガラスが割れても、安全で、取替えの手間がかからない、ブロック状ガラスパネルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明におけるプリズムガラスパネルの拡大縦断面図。
【図２】従来のプリズムガラスパネルの一部破断した斜視図。
【符号の説明】
１、１３プリズムガラス
１ａ天面
２、１２枠状スペーサー
３、１１格子枠
３ａ、１１ａ格子枠縁部
４樹脂板
５、１４目地部
６、１５シリコーンシール層
７、１６防水モルタル層
８、１７防水化粧モルタル層
９本発明のプリズムガラスパネル
１０、１８躯体
２０従来のプリズムガラスパネル

Claims

複数個のブロック状ガラスの意匠面が地上面に対して傾斜して又は平行に設置されたブロック状ガラスパネルにおいて、前記ブロック状ガラスが、中空状のガラスブロック、又は、プリズムガラスであり、各々のブロック状ガラスが格子枠に設置されており、前記格子枠は、金属からなり、前記ブロック状ガラスの略外寸となる格子状であって、ブロック状ガラスを支持する格子枠縁部を有し、且つ各々のブロック状ガラスの下側に位置する前記格子枠の格子枠縁部上に透光板が接着剤又はシーラントにて固定されてなることを特徴とするブロック状ガラスパネル。
透光板が、樹脂板であることを特徴とする請求項１に記載のブロック状ガラスパネル。
樹脂板が、ポリカーボネート製板又は塩化ビニル製板からなることを特徴とする請求項２に記載のブロック状ガラスパネル。