JP4873015B2 - ブレーズ型回折格子の製造方法 - Google Patents

ブレーズ型回折格子の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4873015B2
JP4873015B2 JP2008552012A JP2008552012A JP4873015B2 JP 4873015 B2 JP4873015 B2 JP 4873015B2 JP 2008552012 A JP2008552012 A JP 2008552012A JP 2008552012 A JP2008552012 A JP 2008552012A JP 4873015 B2 JP4873015 B2 JP 4873015B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substrate
etching
ion beam
blaze
resist pattern
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008552012A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2008081555A1 (ja
Inventor
哲也 長野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shimadzu Corp
Original Assignee
Shimadzu Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shimadzu Corp filed Critical Shimadzu Corp
Publication of JPWO2008081555A1 publication Critical patent/JPWO2008081555A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4873015B2 publication Critical patent/JP4873015B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B5/00Optical elements other than lenses
    • G02B5/18Diffraction gratings
    • G02B5/1847Manufacturing methods
    • G02B5/1857Manufacturing methods using exposure or etching means, e.g. holography, photolithography, exposure to electron or ion beams
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B5/00Optical elements other than lenses
    • G02B5/18Diffraction gratings
    • G02B5/1861Reflection gratings characterised by their structure, e.g. step profile, contours of substrate or grooves, pitch variations, materials

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Diffracting Gratings Or Hologram Optical Elements (AREA)

Description

本発明は、分光器、光スペクトルアナライザ、WDMモニタ、分波器、放射光分光、極端紫外線(VUV)分光等に使用される波長分離・選択素子である回折格子の製造方法に関し、更に詳しくは、ホログラフィック露光法を使用して作製するブレーズ型回折格子(ブレーズド・ホログラフィック・グレーティング)の製造方法に関する。
回折格子は分光器や分波器等に使用される、波長の分離・選択素子である。回折格子には格子溝断面形状により各種のものが知られているが、その1つに溝の断面形状が鋸歯状であるブレーズ型回折格子(ブレーズド・ホログラフィック・グレーティングとも呼ばれる)がある。従来の一般的な平面ブレーズ型回折格子の基本的な製造方法を、図3により説明する(例えば特許文献1など参照)。
まず、図3(a)に示すように、石英、ガラスなどの平板状の基板1の表面にホトレジストを塗布してホトレジスト層2を形成する。このホトレジスト層2に二光束干渉による干渉縞を露光・現像し、図3(b)に示すように断面形状が正弦半波状(又は正弦全波状でもよい)のレジストパターン3を形成する(ホログラフィック露光法)。それから、このレジストパターン3をマスクとして、基板1に所望のブレーズ角が形成されるように斜め上方向からレジストパターン3が消失するまでイオンビームによるエッチングを行い、基板1上に断面鋸歯状の格子溝4を形成する(図3(c)〜(e))。その後、表面の反射率を高めるべく、図3(f)に示すように、アルミニウムや金等の反射材料を格子溝4の表面にコーティングすることで反射被膜5を形成し、或る特定の波長に回折光のエネルギーが集中するブレーズ型回折格子が出来上がる。
通常、上述のようにホトレジストをマスクとして基板1をエッチングする場合、基板1がホトレジストよりも大きな速度で削られるようにする。特に、鋸歯状に基板1を削る(つまりレジストパターン3の直下の基板1を楔状に削る)ためには、基板1に対するエッチング速度がレジストパターン3に対するエッチング速度よりも速いような、即ち、選択比(=基板の材料(例えばガラス)に対するエッチング速度/ホトレジストに対するエッチング速度)が1よりも大きなエッチングガスを用いてイオンビームエッチングを行う。また、こうしたエッチングガス条件の下で、図3(c)に示すように、ブレーズ方向と同方向で基板1に対し斜めに(基本的にはブレーズ角θ0と同じ角度だけ傾斜した斜め方向から)イオンビームを入射させるようにしている。
なお、ブレーズ方向と格子溝4の断面形状との関係は図3(f)に示すようになり、ブレーズ方向と同方向であるとは、図中の角度範囲α内の斜め上方から基板1に対して向かうことを意味する。
上記従来の方法によれば、効率よく基板1をエッチングして比較的短時間で断面鋸歯状の格子溝を形成できるという利点がある。しかしながら、選択比が高いエッチングガスを使用した場合、比較的大きなブレーズ角の格子溝は形成し易いものの、数°以下の小さなブレーズ角の格子溝を作製するのは困難である。そのため、ブレーズ角を小さくするためには選択比の小さなエッチングガスを用いる必要があるが、そうするとブレーズ面4aを挟んでブレーズ角と反対側のエッジの角度(図3(e)中の角度β)が大きくなり易く、回折効率が低下する傾向にある。特に、近年、分光器などで短波長の光を取り扱うためにブレーズ波長の短波長化が必要とされ、2°程度又はそれ以下のきわめて小さなブレーズ角の回折格子が求められるようになってきているが、従来の製造方法では、小さなブレーズ角で且つ回折効率の高いブレーズ型回折格子を得ることは困難であった。
また、凹面回折格子では凹面鏡などの結像素子を用いずに分光光学系を構成できることから、ブレーズ型回折格子では平面型だけではなく凹面型のものも広く利用されている。近年、凹面ブレーズ型回折格子を用いた多波長を同時測光可能なポリクロメータ型分光器は、ホトダイオードアレイ検出器の改良によりコンパクトになってきており、その短焦点分光器に用いられる凹面ブレーズ型回折格子では表面の凹面の曲率半径を小さくする必要があるが、この曲率半径が小さくなるほど、格子溝を形成するためのイオンビームの入射角(基板に対する法線と成す角)を小さくせざるを得ない。そのため、平面ブレーズ型回折格子にも増して、ブレーズ角の小さな格子溝を形成するのは困難である。
特開2005−157118号公報
本発明は上記課題を解決するために成されたものであり、その第1の目的は、小さなブレーズ角で且つ高い回折効率を達成することができる平面ブレーズ型回折格子の製造方法を提供することにある。
また本発明の第2の目的は、従来は特に製造が困難であった小さなブレーズ角の凹面ブレーズ型回折格子を容易に作製するための製造方法を提供することにある。
上記第1の目的を達成するために成された第1発明に係るブレーズ型回折格子の製造方法は、
a)基板上に設けたホトレジスト層にホログラフィック露光法により正弦全波又は正弦半波状のレジストパターンを形成するレジストパターン作製工程と、
b)前記レジストパターンが形成された基板に対し、選択比が1未満であるエッチングガスを使用し、ブレーズ方向とは反対方向の斜めからイオンビームを照射することで、前記レジストパターン及び基板表面をエッチングするイオンビームエッチング工程と、
を実行することにより、断面鋸歯状の格子溝パターンを基板に刻線することを特徴としている。
この第1発明に係るブレーズ型回折格子の製造方法は、特に基板が平面である平面ブレーズ型回折格子に小さなブレーズ角の格子溝パターンを形成するのに有用である。
第1発明(以下の第2発明でも同様)において、エッチングガスの選択比は、基板に対するエッチング速度/ホトレジスト層(レジストパターン)に対するエッチング速度で定義される。例えばエッチングガスとしてフッ素系ガスに酸素を混合した混合ガスを使用する場合、酸素の混合比を適宜に選ぶことで選択比を制御することが可能である。
また、上記「ブレーズ方向とは反対方向の斜めから」イオンビームが照射される状態とは、基板上において、イオンビームの向かう方向を示す矢印に平行な線とブレーズ方向を示す矢印に平行な線との成す角度で且つブレーズ方向の向きの側の角度が鋭角である状態をいう。したがって、「ブレーズ方向とは反対方向の斜めから」イオンビームを照射する状態と「ブレーズ方向と同方向の斜めから」イオンビームを照射する状態とは、基板に対する法線を挟んで互いに鏡面対称となる角度範囲から基板に対しイオンビームが照射されることになる。
レジストパターンが形成されたガラス等の基板に対し、選択比が1未満であるエッチングガスを用いてイオンビームエッチングを行うと、レジストパターンに対して基板のエッチング速度が遅くなる。即ち、レジストパターンは相対的に短時間で消失するのに対し基板は削れにくくなる。したがって、レジストパターンの正弦全波又は正弦半波が転写されて出来る溝は浅くなり、例えば数°以下の小さなブレーズ角を形成し易くなり、転写前のレジスト表面に微小な突起(粗さ)があったとしても基板への転写後には小さくなるので迷光も減少する。また、ブレーズ方向とは反対方向の斜めからイオンビームを照射するため、イオンビームの入射角をレジストパターンの正弦全波又は正弦半波の片側の面にイオンビームが当たらない角度に調整することで、ブレーズ面を挟んでブレーズ角と反対のエッジの角度を従来よりも小さくすることができる。そのため、回折効率を高めることができる。
上記第2の目的を達成するために成された第2発明に係るブレーズ型回折格子の製造方法は、
a)凹面状の基板上に設けたホトレジスト層にホログラフィック露光法により正弦全波又は正弦半波状のレジストパターンを形成するレジストパターン作製工程と、
b)前記レジストパターンが形成された基板に対し、選択比が1以上であるエッチングガスを使用し、ブレーズ方向の向きの後方側の半面について、ブレーズ方向と同方向の斜めからイオンビームを照射することで前記レジストパターン及び基板表面をエッチングする第1イオンビームエッチング工程と、
c)前記レジストパターンが形成された基板に対し、選択比が1未満であるエッチングガスを使用し、ブレーズ方向の向きの前方側の半面について、ブレーズ方向とは反対方向の斜めからイオンビームを照射することで前記レジストパターン及び基板表面をエッチングする第2イオンビームエッチング工程と、
を実行することにより、断面鋸歯状の格子溝パターンを凹面基板に刻線することを特徴としている。
なお、第2発明に係るブレーズ型回折格子の製造方法においては、第1及び第2イオンビームエッチング工程の「第1」、「第2」は時間的な順序を規定するものではなく、いずれの工程を先に実行しても構わない。
また第2発明に係るブレーズ型回折格子の製造方法において、第1及び第2イオンビームエッチング工程に際しては、エッチングの対象である基板の半面ではない他の半面をマスキングした状態でイオンビームを照射するとよい。
第2発明に係るブレーズ型回折格子の製造方法では、凹面状の基板をブレーズ方向の前方と後方との半面ずつの2つの領域に分け、それぞれの領域の湾曲形状に合わせてそれぞれ異なる方向からイオンビームを照射することで、ホトレジストと基板とをエッチングする。即ち、ブレーズ方向の向きの後方の半面ではブレーズ方向と同方向の斜めからイオンビームを照射したときに、外周にいくほど基板に対するイオンビームの入射角が大きくなるので、選択比の大きなエッチングガスを用いてもブレーズ角を小さくすることができる。一方、ブレーズ方向の向きの前方の半面ではブレーズ方向と同方向の斜めからイオンビームを照射すると、基板に対するイオンビームの入射角が小さくなってブレーズ角を小さくすることが難しいため、第1発明に係る製造方法と同じ手法を用いることでブレーズ角を小さくする。
第1発明に係るブレーズ型回折格子の製造方法によれば、小さなブレーズ角で且つ回折効率も良好な平面ブレーズ型回折格子を容易に得ることができる。また、選択比が1未満の、つまりは基板のエッチング速度が遅いイオンビームエッチングを行うので、レジストパターンの転写による格子面の粗さを軽減することができ、より滑らかなブレーズ面を持つ回折格子を得ることができる。これにより、迷光を一層減らして光量の損失の小さな分光器を構成することができる。
また第2発明に係るブレーズ型回折格子の製造方法によれば、凹面の全体に亘って小さなブレーズ角を持つ格子溝を容易に形成することができる。これにより、特に短焦点分光器に用いられる曲率半径の小さな回折格子についてもブレーズ波長の短波長化を図ることができ、コンパクトな分光器で短波長領域の分光を実現することができる。また、分割数を増やして各領域に最適なイオン入射方向と最適な選択比を持つエッチングガスを使用することにより、全体に亘ってより小さなブレーズ角を持つ格子溝を形成することができる。
第1発明の一実施形態である平面ブレーズ型回折格子の製造方法の手順を説明するための概略断面図。 第2発明の一実施形態である凹面ブレーズ型回折格子の製造方法の手順を説明するための概略断面図。 従来の一般的な平面ブレーズ型回折格子の製造方法の手順を説明するための概略断面図。
符号の説明
1…基板(平面基板)
11…基板(凹面基板)
2、12…ホトレジスト層
3、13…レジストパターン
4、14…格子溝
4a…ブレーズ面
5、15…反射被膜
16、17…マスキング材
第1発明の一実施形態である平面ブレーズ型回折格子を製造するための手順を図1を参照して説明する。
(1)ホトレジスト層の形成工程
光学ガラス等から成る平板状の基板1の表面を光学研磨し、超音波洗浄によりその表面を清浄化する。その後、ホトレジストを例えばスピンコート法などによりほぼ一様な厚さに塗布し、コンベクションオーブンで焼成する。それにより、ホトレジスト層2を基板1の表面に形成する(図1(a))。
(2)レジストパターンの作製工程
ホトレジスト層2が基板1表面に形成されたワークを、ホログラフィック露光装置にセットし、ホトレジスト層2に二光束干渉による所定密度の干渉縞の潜像を露光する。そして、露光されたワークのホトレジスト層2を専用現像液で現像し、純水リンスを行うことで、回折格子パターンが形成されたレジストパターン3を作製する。一般に二光束干渉の干渉縞の強度分布は正弦波状となるため、作製されたレジストパターン3の断面形状も正弦全波状又は正弦半波状となる(図1(b))。なお、レジストパターン3の溝深さは露光時間と現像時間とを制御することで決めることができる。
(3)イオンビームエッチング工程
レジストパターン3が形成された基板1に対し、ブレーズ方向(図1では右から左へ向かう矢印の方向)とは反対の方向の斜め上から(基板1の法線Pからの角度θ1の入射角で)イオンビームを照射することにより、レジストパターン3及び基板1に対する反応性イオンビームエッチングを行う。このとき、エッチングガスとしては選択比が1未満であるものを用いる。したがって、レジストパターン3は相対的に速く削られ、基板1は相対的に遅く削られる。
このとき断面が正弦全波状のレジストパターン3は、図1(c)に示すように、イオンビームが当たっている斜面から削られる。この斜面の角度γはイオンビームの入射角θ1とほぼ等しい。レジストパターン3の底の部分はホトレジスト厚が薄いため、まずこの部分からホトレジストが消失し基板1表面が露出する。そして、基板1に直接、イオンビームが当たり始めるが、選択比が小さいために基板1の削れる速度は遅い。一方、レジストパターン2の削れる速度はより速いため、ホトレジストが消失する部分はブレーズ方向と反対方向に次々に広がり、基板1の表面にイオンビームが当たるようになる(図1(d))。
基板1の削れる速度が遅いため、露出した面(つまりブレーズ面4a)の傾きは小さくなり、エッチングが進行するに伴いさらに傾きは小さくなる。一方、ブレーズ面4aと反対の面4bはイオンビームの傾きとほぼ同じ傾きで削れる。そうして、ホトレジストが完全に消失したときがエッチングの終点となり、このときには正弦全波状のレジストパターン3が小さなブレーズ角θ0を持った断面鋸波状の格子溝4のパターンに転写されることになる(図1(e))。
(4)反射被膜の形成工程
上記エッチングの終了後、格子溝4が刻線された基板1を洗浄し、真空蒸着法により格子溝4の表面に反射被膜5を形成する(図1(f))。反射被膜5の材料は使用波長範囲に応じて適宜のものを用いればよく、例えばアルミニウム、金、白金、或いはX線多層膜などを利用することができる。なお、反射被膜5をコーティングすることなく使用することも可能である。
以上のようにして、小さなブレーズ角を持ち、且つブレーズ面を挟んでブレーズ角と反対のエッジの角度が小さな、つまりは高い回折効率を実現可能な平面ブレーズ型回折格子を得ることができる。
次に、第2発明の一実施形態である凹面ブレーズ型回折格子を製造するための手順を図2を参照して説明する。
(1)ホトレジスト層の形成工程
光学ガラス等から成る凹面の基板11の表面を光学研磨し、超音波洗浄によりその表面を清浄化する。その後、ホトレジストをほぼ一様な厚さに塗布し、コンベクションオーブンで焼成する。それにより、ホトレジスト層を基板11の表面に形成する。
(2)レジストパターンの作製工程
上記平面ブレーズ型回折格子と同様に、ホログラフィック露光法により基板11の表面上に断面が正弦全波状又は正弦半波状であるレジストパターン13を形成する(図2(a))。
(3)第1イオンビームエッチング工程
レジストパターン3が形成された基板11に対し、まずブレーズ方向の前方の半面(図2では左半面)にイオンビームが当たらないようにマスキング材16を用いてマスキングを施した上で、ブレーズ方向と同方向の斜め上から(基板11の法線Pから角度θ2の入射角で)イオンビームを照射することにより、レジストパターン13及び基板11に対する反応性イオンビームエッチングを行う(図2(b)、(c))。このとき、エッチングガスとしては選択比が1以上であるものを用い、好ましくは2以上であるものを用いるとよい。
基板11の表面は円弧状凹面であるため、外周にいくほど(図2では右方にいくほど)実質的な入射角は大きくなり、ブレーズ角を小さくすることができる。また、選択比が大きいので、ホトレジストが消失して基板11が露出した部分では、基板11が楔状に深く削れ易くなる。そうして、ホトレジストが完全に消失して半面に格子溝14が形成されたならば、このエッチングを終了する(図2(d))。
(4)第2イオンビームエッチング工程
上記基板11に対し、今度は、先に格子溝14が形成された、ブレーズ方向の後方の半面(図2では右半面)にイオンビームが当たらないようにマスキング材17を用いてマスキングを施した上で、上記第1発明におけるエッチングの手法、即ち、ブレーズ方向とは反対方向の斜め上からイオンビームを照射することにより、ブレーズ方向の前方の半面に残るレジストパターン13と基板11に対する反応性イオンビームエッチングを行う(図2(e)、(f))。このとき、エッチングガスとしては選択比が1未満のものを用いる。この場合、選択比が小さいので基板11は相対的に削れにくく、上述したようにブレーズ角を小さくすることができる。そうして、ホトレジストが完全に消失して残りの半面に格子溝14が形成されたならば、このエッチングを終了する(図2(g))。
以上のような2段階の条件の相違するイオンビームエッチングで凹面状の基板11表面に半面ずつ格子溝14を形成することにより、全体的に小さなブレーズ角を持った断面鋸波状の格子溝4のパターンを作製することができる。
(5)反射被膜の形成工程
上記平面ブレーズ型回折格子と同様に、真空蒸着法により格子溝14の形成された基板11の表面に反射被膜15を形成する(図2(h))。
以上のようにして、基板11の全体で小さなブレーズ角を持つ凹面ブレーズ型回折格子を得ることができる。なお、この場合、平面ブレーズ型回折格子とは異なり、ブレーズ角は一定ではなく、その位置により相違する。
第1発明の一実施形態による平面ブレーズ型回折格子の製造の具体例を説明する。
この実施例では、基板1として、約60mm×60mm×10mmのサイズのBK7光学ガラスから成る平面基板を用いた。なお、基板1は、BK7以外でもよく、例えばBSC2、パイレックス(PYREX:コーニング社の登録商標)ガラス、ソーダガラス、石英ガラス、ゼロデュア(SCHOTT社製、ZERODUR:カールツアイス社の登録商標)、クリストロン(HOYA株式会社の登録商標)等の低熱膨張結晶ガラスが有用である。基板1の表面は光学研磨され、この表面にスピナーを用いてホトレジスト層2を形成した。ホトレジストとしては、シプレイ社製のMP1805を使用し、3000rpmの速度で40秒間、スピンコートを行った後に、コンベクションオーブンで90℃、30秒間、ベーキングし、厚さが約0.3μmのホトレジスト層2を形成した。ホトレジストはホログラフィック露光が可能なものであればよく、シプレイ社製のMP1800シリーズのほか、東京応化社製のOFPR5000などを使用してもよい。
その後、レーザ光の二光束干渉露光を行った後に現像をすることで、正弦波状の回折格子パターンを基板1上に形成した。露光に使用したレーザはHe−Cdレーザ(波長:441.6nm)であるが、ホトレジストに感度のある波長(約350〜450nm)であれば、Ar+イオンレーザなどを用いることもできる。また、現像にはシプレイ社製のMP303Aの現像液を用いた。これにより、基板1上に形成されたレジストパターン3の格子溝は本数600本/mmで溝深さが0.2μmmの正弦波状である。二光束干渉の干渉縞の強度分布は正弦波であるため、ホトレジストの格子溝パターンも正弦波状となる。
上記のように作製したワークをイオンビームエッチング装置の真空チャンバ内に装着し、真空チャンバ内部を減圧して反応性ビームエッチングを実行した。具体的には、レジストパターン3に対し、基板1に対する法線から入射角θ1=76°でブレーズ方向と反対方向の斜め上からイオンビームを照射した。このとき、エッチングガスとして、CFとOガスとを混合比O/(CF+O)=30[%]で混合したガスを用いた。このときの選択比は0.7であり、1以下である。なお、エッチング時のガス圧は2×10−2Paとした。
上記条件の下でのイオンビームエッチングを、レジストパターン3が完全に基板1の格子溝4のパターンに転写刻線されるまで実行した。それに要するエッチング時間は約10分であった。こうした処理の結果、ブレーズ角θ0が2°である、小さなブレーズ角を持つ平面ブレーズ型回折格子を得ることができた。
第2発明の一実施形態による凹面ブレーズ型回折格子の製造の具体例を説明する。
この実施例では、基板11として、約30mm×30mm×10mm、曲率半径80mmのBK7光学ガラスから成る凹面基板を用いた。なお、基板11として他のものを用いることができることは実施例1と同じである。この基板11の表面を光学研磨した後、この表面にスピナーを用いてホトレジスト層を形成した。ホトレジスト層の材料や形成条件は実施例1と同じである。またその後、ホログラフィック露光及び現像により、正弦波状のレジストパターン13を基板11上に形成したが、その条件も実施例1と同じである。これにより、基板11上に形成されたレジストパターン13の格子溝は本数600本/mmで溝深さが0.2μmmの正弦波状である。
上記のように作製したワークをイオンビームエッチング装置の真空チャンバ内に装着し、真空チャンバ内部を減圧して反応性ビームエッチングを実行した。具体的には、まず、ブレーズ方向の向きの前方の半面の表面に、同じ曲率を持つ凸形状の半円のガラスをマスキング材16として、レジストパターン13に傷を付けないように注意深く載せ、これをマスクとして他の半面、つまりブレーズ方向の向きの後方の半面をエッチングする。このとき、格子溝パターンに対し、基板11に対する法線から入射角θ2=78°でブレーズ方向と同方向の斜め上からイオンビームを照射した。このとき、エッチングガスとして選択比が2以上となるように、CFとArガスとを混合比Ar/(CF+Ar)=40[%]で混合したガスを用いた。このときの選択比は2.1である。なお、エッチング時のガス圧は2×10−2Paであった。
上記条件の下でのイオンビームエッチングを、レジストパターン13が完全に基板11の格子溝14のパターンに転写刻線されるまで実行した。それに要するエッチング時間は約13分であった。
次に、先にエッチングした半面をマスキング材17としての耐熱性テープで被覆し、残りの半面(ブレーズ方向の向きの前方の半面)を露出させて、入射角θ3=71°でブレーズ方向と同方向の斜め上からイオンビームを照射した。このとき、エッチングガスとして選択比が1以下となるように、CFとOガスとを混合比O/(CF+O)=30[%]で混合したガスを用いた。このときの選択比は0.7である。なお、エッチング時のガス圧は2×10−2Paであった。
上記条件の下での残りの半面のイオンビームエッチングを、レジストパターン13が完全に基板11の格子溝14のパターンに転写刻線されるまで実行した。エッチング時間は約7分であった。こうして出来上がった凹面ブレーズ型回折格子のブレーズ角θ0は一様ではないが、平均して3°であった。従来の方法では、この程度の曲率半径の小さな基板11に3°もの小さなブレーズ角の格子溝を形成するのは困難であったが、第2発明に係る製造方法によれば比較的容易に製造することができる。

Claims (2)

  1. 断面鋸歯状の格子溝パターンを凹面状の基板に刻線することによってブレーズ型回折格子を製造する方法であって、
    a)凹面状の基板上に設けたホトレジスト層にホログラフィック露光法により正弦全波又は正弦半波状のレジストパターンを形成するレジストパターン作製工程と、
    b)前記レジストパターンが形成された基板に対し、該基板に対するエッチング速度/前記ホトレジスト層に対するエッチング速度が1以上であるエッチングガスを使用し、形成しようとする格子溝の延伸方向と直交する方向であって、前記鋸歯の短い方の斜面を前側に、長い方の斜面を後側に向けたときの前側から後側に向かう方向であるブレーズ方向の向きの後方側の半面について、前記ブレーズ方向と同方向の斜めからイオンビームを照射することで前記レジストパターン及び基板表面をエッチングする第1イオンビームエッチング工程と、
    c)前記レジストパターンが形成された基板に対し、該基板に対するエッチング速度/前記ホトレジスト層に対するエッチング速度が1未満であるエッチングガスを使用し、前記ブレーズ方向の向きの前方側の半面について、前記ブレーズ方向とは反対方向の斜めからイオンビームを照射することで前記レジストパターン及び基板表面をエッチングする第2イオンビームエッチング工程と、
    有することを特徴とするブレーズ型回折格子の製造方法。
  2. 第1及び第2イオンビームエッチング工程に際して、エッチングの対象である基板の半面ではない他の半面をマスキングした状態でイオンビームを照射することを特徴とする請求項に記載のブレーズ型回折格子の製造方法。
JP2008552012A 2007-01-05 2007-01-05 ブレーズ型回折格子の製造方法 Expired - Fee Related JP4873015B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2007/000001 WO2008081555A1 (ja) 2007-01-05 2007-01-05 ブレーズ型回折格子の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2008081555A1 JPWO2008081555A1 (ja) 2010-04-30
JP4873015B2 true JP4873015B2 (ja) 2012-02-08

Family

ID=39588245

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008552012A Expired - Fee Related JP4873015B2 (ja) 2007-01-05 2007-01-05 ブレーズ型回折格子の製造方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP4873015B2 (ja)
WO (1) WO2008081555A1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20210021396A (ko) * 2018-07-13 2021-02-25 베리안 세미콘덕터 이큅먼트 어소시에이츠, 인크. 광학적 격자 컴포넌트를 생성하는 방법
CN113899533A (zh) * 2021-12-08 2022-01-07 杭州拓致光电科技有限公司 一种测量反射式体光栅性能的装置及方法

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102360093A (zh) 2011-10-19 2012-02-22 苏州大学 一种全息闪耀光栅制作方法
CN102323634B (zh) 2011-10-19 2016-06-22 苏州大学 一种全息双闪耀光栅的制作方法
TWI440833B (zh) 2011-12-30 2014-06-11 Oto Photonics Inc 混合式繞射光柵、模具及繞射光柵及其模具的製造方法
JP6058402B2 (ja) 2012-06-08 2017-01-11 株式会社日立ハイテクノロジーズ 曲面回折格子の製造方法、および曲面回折格子の型
JP6029502B2 (ja) 2013-03-19 2016-11-24 株式会社日立ハイテクノロジーズ 曲面回折格子の製造方法
TWI715599B (zh) 2016-07-12 2021-01-11 台灣超微光學股份有限公司 光譜儀模組及其製作方法
US10302826B1 (en) * 2018-05-30 2019-05-28 Applied Materials, Inc. Controlling etch angles by substrate rotation in angled etch tools
CN108957612A (zh) * 2018-07-26 2018-12-07 北极光电(深圳)有限公司 一种薄膜滤波器组件及其制作方法
US20220252768A1 (en) * 2019-08-29 2022-08-11 Hitachi High-Tech Corporation Diffraction grating, method for manufacturing diffraction grating, and photomask
CN113023668B (zh) * 2021-03-10 2022-10-04 北京理工大学 一种基于模板制造两级微纳结构阵列的方法
CN114460676B (zh) * 2022-03-03 2024-01-09 福建睿创光电科技有限公司 一种1030nm正弦型介质光栅及其制作方法

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07104112A (ja) * 1993-10-06 1995-04-21 Sharp Corp 回折格子の製造方法
JP2005157118A (ja) * 2003-11-27 2005-06-16 Shimadzu Corp ブレーズド・ホログラフィック・グレーティング、その製造方法、及びレプリカグレーティング

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0812286B2 (ja) * 1991-11-28 1996-02-07 株式会社島津製作所 SiC基板の回折格子製作方法
JP4507928B2 (ja) * 2005-03-17 2010-07-21 株式会社島津製作所 ホログラフィックグレーティング製造方法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07104112A (ja) * 1993-10-06 1995-04-21 Sharp Corp 回折格子の製造方法
JP2005157118A (ja) * 2003-11-27 2005-06-16 Shimadzu Corp ブレーズド・ホログラフィック・グレーティング、その製造方法、及びレプリカグレーティング

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20210021396A (ko) * 2018-07-13 2021-02-25 베리안 세미콘덕터 이큅먼트 어소시에이츠, 인크. 광학적 격자 컴포넌트를 생성하는 방법
KR102606558B1 (ko) * 2018-07-13 2023-11-29 베리안 세미콘덕터 이큅먼트 어소시에이츠, 인크. 광학적 격자 컴포넌트를 생성하는 방법
CN113899533A (zh) * 2021-12-08 2022-01-07 杭州拓致光电科技有限公司 一种测量反射式体光栅性能的装置及方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPWO2008081555A1 (ja) 2010-04-30
WO2008081555A1 (ja) 2008-07-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4873015B2 (ja) ブレーズ型回折格子の製造方法
JP4349104B2 (ja) ブレーズド・ホログラフィック・グレーティング、その製造方法、及びレプリカグレーティング
JP2920164B2 (ja) 複製回折格子のための反射性保護膜
JP7510418B2 (ja) 格子構造の形態の分光フィルタを備える投影露光装置の照射光学ユニット用のミラー、およびミラー上に格子構造の形態の分光フィルタを生成するための方法
JP2006079096A (ja) 改善されたダイナミックレンジを有するアポダイズされた回折格子
US9157798B2 (en) Optical wavelength dispersion device and method of manufacturing the same
JP2010169722A (ja) 光学素子の製造方法及び光学素子
JP2009086613A (ja) レリーフ型回折光学素子とその製造方法
US6600602B2 (en) Diffraction grating and uses of a diffraction grating
JP4507928B2 (ja) ホログラフィックグレーティング製造方法
US20220299685A1 (en) Fabrication of blazed diffractive optics by through-mask oxidation
JP3675314B2 (ja) 回折格子
JP2689851B2 (ja) ホログラフィック・グレーティングの製造方法
JP5066815B2 (ja) 反射型回折格子
JP2002014215A (ja) リトロー型回折格子およびリトロー型回折格子の使用法
JP2004268331A (ja) 光学素子用金型およびその金型製造方法
JPS6252506A (ja) グレ−テイング作製方法
JPH1172606A (ja) SiCのパターンエッチング方法
CN106482832B (zh) 光谱仪、单光仪、绕射光栅及其制造方法与母模制造方法
JP4157654B2 (ja) 円錐回折斜入射分光器及び該分光器用回折格子
JP2007328017A (ja) 回折格子用基板及び回折格子基板の製造方法
JP2007047695A (ja) 回折格子
JP3487492B2 (ja) 回折格子作製用位相マスクの製造方法
JP2007264476A (ja) 周期構造パターン形成方法及び干渉露光装置
JP2005534050A (ja) フォトレジスト構造体の製造法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110510

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110708

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20110708

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111025

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111107

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141202

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4873015

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141202

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees