JP4871924B2 - ネットワーク機器 - Google Patents
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Description
(1)通信周波数、データサイズ、消費電力の検知、温度検知などの検知回路部と、検知回路部により検知されたデータを分析するための分析部と、更に分析部で解析した結果によって、通信周波数、通信速度、LSIの供給電源を制御するための制御部とが必要になり、省電力化のための回路を構成する部品点数が多くなり、コストが高くなる。
(2)上記(1)のような回路構成では、CPUのようなマイクロプロセッサ、データ記憶メモリに依存するソフトウェア制御が必要になり、構成が複雑になる。
(3)上記(1)のような回路構成では、多くの回路構成部品自体に消費電力がかかることは避けられない。
(4)省電力化の手段は単一であり、複数の省電力手段により省電力化を図るものではないので、省電力効果は限られている。
(1)省電力化のための回路構成要素を少なくし、
(2)専用のソフトウェア制御を行うことなく、
(3)複数の省電力手段の組合せ及び選択により省電力化を図ることができるネットワーク機器を提供することにある。
(省電力システムの構成)
図1において、符号1は、第1の実施の形態に係る典型的なネットワーク機器であるECOモード機能付きのスイッチングハブの外観構成を示している。このスイッチングハブ1は、特に限定されるものではないが、7個の下位ポートP1〜P7と1個の上位ポートP8とを有している。これらの下位ポートP1〜P7は、ネットワークケーブルの長さ(ケーブル長)に対応してECOモードで動作させることができるように制御する省電力手段を有するポートである。
図2は、図1におけるスイッチングハブの動作ブロック図である。同図において、この第1の実施の形態による省電力手段は、ECOモードへの切り替え、及び通常モードへの切り替えを行うECOモード選択スイッチ6と、通信制御用のPHY(Physical Layer)チップ(LSIチップ)11a,11bのバイアス電流を制御するバイアス電流制御切替部9a,9bとを備える。ECOモード選択スイッチ6は、スイッチングハブ1のECOモード又は通常モードを設定するディップタイプの可動開閉器である。なお、PHYチップ11a,11bのバイアス電流を制限するための構成例については後述する。
次に、図3を参照しながら、PHYチップ11a,11bのバイアス電流を制限するための一例を説明する。図3は、図2におけるバイアス電流制御切替部の内部回路の一構成例を概略的に示す図である。なお、図3は、ECOモード選択スイッチ6をECOモードに選択した状態を示している。
図4(a)は、スイッチングハブを通常モードにしたときのPHYチップの伝送信号レベルの実測波形を模式的に示している。図4(b)は、スイッチングハブをECOモードにしたときのPHYチップの伝送信号レベルの実測波形を模式的に示している。これらの図において、横軸は時間(μS)を示し、縦軸は電圧値(V)を示す。測定時の信号伝送速度は、例えば1Gbpsである。
上記第1の実施の形態であるスイッチングハブ1によると、次の様々な効果が得られる。
(1)省電力化のための回路構成要素を少なくし、格別なソフトウェア制御を行う必要がないので、低コストであり、簡単な構成で、ネットワークケーブルの長さに合わせて省電力化を実現することができる。
(2)一般に、例えばIEEE802.3規格に準拠したネットワーク機器が適用されるネットワークシステムにおいては、IEEE802.3規格に準拠したネットワークケーブルにおける減衰等を考慮する必要があり、伝送信号の振幅は、ネットワークケーブルの最大ケーブル長に合わせて設定される。ネットワークケーブルの最大ケーブル長よりも短いネットワークケーブルは、必要以上に大きい振幅で伝送信号を出力していることになる。
図1における省電力システムにおいては、スイッチングハブ1のECOモードの状態下に稼働し、スイッチングハブ1と下位端末機器2a,2bとの間に接続されるネットワークケーブル4a,4bのケーブル長に応じた振幅の伝送信号が出力されるので、必要以上に大きい振幅の伝送信号を出力することを防止することができるようになり、余分な電力を消費することがない。
(3)下位端末機器2a,2bと接続する場合などは、ネットワークケーブル4a,4bを短尺にすることができるため、下位端末機器2a,2bへの伝送に要するドライブ電流をセーブすることができ、スイッチングハブ1の消費電力を節減することが可能である。
(4)スイッチングハブ1をECOモードに切り替えるとき、バイアス電流制限抵抗を制御し、PHYチップ11a,11b内部のバイアス電流を制限することで、送受信の正常性を保証しながら、省電力効果を実現することが可能になる。
(5)複数のケーブル長に対応するECOモードへの切替えを可能とすることに加えて、ケーブル長を制限しない(例えば、IEEE802.3規格に準拠した最大ケーブル長である100mに対応する)通常モードへの切替えも可能である。
(6)実際のネットワーク環境において、スイッチングハブ1と、同じエリアに設置された下位端末機器2a,2bとの間の距離が短く、かつ、別のエリアに設置された上位機器3との間の距離が遠い場合は、上記第1の実施の形態に係るスイッチングハブ1を使用することによって、省電力効果を実現することが可能になり、環境に優しい省電力システムが得られる。
上記のように構成されたスイッチングハブ1は、例えばIEEE802.3規格に準拠した最大ケーブル長100m以下、例えば50mの短尺ケーブル長で動作するように、バイアス電流制御切替部9a,9bの値を最大ケーブル長100mの対応からケーブル長50mの対応へ切り替えられるように選択可能とし、ECOモードと通常モードとの2つの動作モードに切り替える構成を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明にあっては、例えば各種のケーブル長に合わせて多段階のECOモード選択方式を採用することで、バイアス電流制御切替部9a,9bの値を多段階に選択する構成とすることができる。
次に、図1及び図2を参照しながら、第2の実施の形態における省電力手段の一例を説明する。この省電力手段は、上記第1の実施の形態に係る省電力手段と、通信状態を確認する通信表示部である通信表示系LED8と、通信表示スイッチであるLED VIEW選択スイッチ7とを有している。
上記第2の実施の形態であるスイッチングハブ1によると、上記第1の実施の形態の効果に加えて次の効果が得られる。
(1)スイッチングハブ1のECOモード選択スイッチ6をECOモードに選択した場合は、上記第1の実施の形態のようにPHYチップ11a,11bのバイアス電流を制限することに加えて、スイッチングハブ1の電源の状態を表示する電源表示LED以外の通信に関連する全ての通信表示系LED8を消灯状態にすることで、スイッチングハブ1の消費電力を更に一層抑制することができる。
更に、図1及び図2を参照しながら、第3の実施の形態における省電力手段の一例を説明する。上記第1の実施の形態にあっては、2個の下位ポートP1,P3(送受信端子17a,17b)に対して単一のECOモード選択スイッチ6を設けていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばECOモード選択スイッチ6を各ポートP1,P3(送受信端子17a,17b)に個別に設けることも可能である。ECOモード選択スイッチ6を他のポートP2,P4〜P7に個別に設けることも可能であることは勿論である。この第3の実施の形態にあっても、上記第2の実施の形態に係る通信表示系LED8及びLED VIEW選択スイッチ7を備えることができる。
上記第3の実施の形態であるスイッチングハブ1によれば、上記第1及び第2の実施の形態の効果に加えて次の効果が得られる。
(1)使用するケーブル長に対応してECOモードを個別に設定することができるとともに、ユーザーの実際のネットワーク環境やニーズに十分に適合させることができるようになり、実用的な価値が大きい。
更に、図1及び図2を参照しながら、第4の実施の形態における省電力手段の一例を説明する。下位ポート及び上位ポートに空きポートがある場合は、LSIチップの固有省電力方法の一つであるオートパワーセーブ機能を併用することで、大幅な電力削減効果が得られる。ECOモード選択スイッチ6をECOモード又は通常モードに選択したにもかかわらず、PHYチップ11a,11b,12の固有機能であるオートパワーセーブ機能を併用することができる。
この第4の実施の形態に係る省電力手段のオートパワーセーブ機能と、上記第1〜第3の実施の形態に係る省電力手段の機能との組合せ、及びこれらの機能の選択により省電力化を効果的に図ることができる。
2a,2b 下位端末機器
3 上位機器
4a,4b,5 ネットワークケーブル
6 ECOモード選択スイッチ
7 LED VIEW選択スイッチ
8 通信表示系LED
9a,9b バイアス電流制御切替部
10 バイアス電流制御部
11a,11b,12 PHYチップ
13 スイッチングチップ
14 LSI内部機能設定ROM
15a,15b,16 絶縁用パルストランス
17a,17b,18 送受信端子
90a 制御信号バッファ部
91 バイアス電流切替部
91a 切替FETスイッチ
91b,91c バイアス電流制限抵抗
P1〜P7 下位ポート
P8 上位ポート
Claims (1)
- 上位機器、及び複数の下位端末機器とネットワークケーブルを介して接続されているネットワーク機器であって、
省電力モードと通常モードの切り替えを行う複数の省電力モード選択スイッチと、
前記省電力モードの選択に応じて通信制御用の複数のLSIチップのバイアス電流を制御するバイアス電流制御切替部と、
前記省電力モードの電力消費に基づいた送信レベルの伝送信号を出力する複数の送信端子とを備え、
前記バイアス電流制御切替部は、前記複数の下位端末機器にそれぞれ接続されたネットワークケーブルが予め定めた長さにおいて、前記複数の下位端末機器がそれぞれ対応する消費電力モードに基づいた送信レベルの前記伝送信号を受信できるよう対応するLSIチップのバイアス電流を制御することを特徴とするネットワーク機器。
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