JP4871457B2 - 磁気共鳴画像撮影装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気共鳴撮影技術に関し、特に血流などの移動する物質により生ずるアーチファクトを抑制する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
磁気共鳴撮影(MRI)装置は、生体に均一な静磁場を作用させた状態で特定周波数の高周波励起パルス(励起用RFパルス)を照射して、被検体を構成する物質に磁気共鳴現象を引き起こさせ、その物質から発生する磁気共鳴信号(NMR信号)を計測して、その物質の化学的・物理的な情報を画像化して医療診断に供する装置である。例えば、生体の断層像を撮像する場合、断層部位を特定する1軸方向のスライス傾斜磁場を印加しながら励起用RFパルスを印加して同部位を励起する。そして、スライス傾斜磁場の傾斜軸方向に互いに直交する2軸方向の傾斜磁場を印加して、励起により発生する磁気共鳴信号に2次元の位置情報を付与して、断層像の画像データを計測するようにしている。通常、2次元の位置情報を付与する2つの傾斜磁場を、それぞれ位相エンコード傾斜磁場及び周波数エンコード傾斜磁場と称している。
【0003】
このようなMRIにおいて、撮像部位に血流などの移動する物質が存在すると、スライス傾斜磁場を印加して励起した後、位相エンコード傾斜磁場又は周波数エンコード傾斜磁場を印加するまでの間に、撮像部位の励起物質の状態が変化してしまうため、得られる断層像にアーチファクトが生じ、診断に支障をきたすという問題がある。例えば、腹部を輪切り断面で撮像する場合、つまり肝臓などの腹部臓器をトランスバース(Transverse)断面で撮像する場合、腹部には互いに逆向き流れの大動脈と大静脈があることから、両大血管の血流によりアーチファクトが生じ、診断に支障をきたすことがある。
【0004】
このような血流によるアーチファクトを抑制するため、従来、プレサチュレーションという撮像手法が知られている(特開平3−32642号公報)。この手法は、所望部位の撮影シーケンス(パルスシーケンス)を実行する前に、撮影領域のスライス部位よりも血流の上流側にスライス傾斜磁場パルスと励起用RFパルスとを照射し、続いて任意の方向の傾斜磁場パルスを印加する手法である。つまり、撮影領域よりも上流側の少なくとも血流部分を励起し、これにより生じた核スピンに傾斜磁場を印加して核スピンの位相をバラバラにして、撮影領域に血流が流入する前に、血流に係る磁気共鳴信号を飽和させて抑制することによって、アーチファクトが発生しないようにする手法である。すなわち、核スピンの位相をバラバラにしてランダムにすると、その核スピンを合成した信号は十分に小さな信号になる。その結果、その血流部分が撮影領域に流入して生ずるアーチファクトを抑制することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報に記載されたプリサチュレーション法によると、大動脈あるいは大静脈のように、互いに逆向きに流れる2つの血管が撮影部位に存在する場合、例えば撮影部位の頭側と足側の2箇所の部位にプリサチュレーション処理を実行することになるから、撮影時間が長くなるなどの問題がある。すなわち、通常の撮影シーケンスの前に、プリサチュレーション用のRFパルスを照射した後、信号飽和用の傾斜磁場パルスを印加するプリサチュレーション処理を2回実行するために、2倍の時間を要する。したがって、撮影の繰り返し時間TRを一定とすると、撮影可能なスライス枚数の減少に繋がる。また、スライス枚数を一定にすると、TRの延長により、画像コントラストの変化及び撮影時間の延長に繋がるという問題がある。
【0006】
本発明は、上記従来の問題点を解消し、1回のプリサチュレーション処理により、複数部位の磁気共鳴信号を抑制することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、影シーケンスの実行前に、少なくとも2つの基本周波数成分有するプリサチュレーションパルス用RFパルスを印加することにより、上記課題を解決する。
【0008】
えば常撮影時のスライス傾斜磁場と同じ傾斜磁場を印加しながら、撮影スライス励起用RFパルスの基本周波数f0よりも低い周波数f1と高い周波数f2の少なくとも2つの基本周波数成分を有するプリサチュレーション用のRFパルスを照射すると、スライス傾斜磁場の強度と周波数f1、f2との関係できまる2箇所の部位X1、X2が励起される。これらの部位X1、X2は、通常撮影時のスライス部位X0を挟んだ両側になる。そして、励起された部位X1、X2の核スピンの位相は、続いて印加される傾斜磁場によってランダムになり、複数の核スピンを合成してなる磁気共鳴信号は十分に小さな信号になる。つまり、1回のプリサチュレーション処理により、複数部位の磁気共鳴信号を抑制することができ、例えば、撮影領域の両側から流入する血流により生ずるアーチファクトを抑制することができる。また、スライス枚数の低減や撮影時間の延長などの問題を回避できる。
【0009】
本発明の磁気共鳴撮影装置は、影シーケンスの実行前に、プリサチュレーション用RFパルスを被検体に印加し前記プリサチュレーション用RFパルスは、少なくとも2つの基本周波数成分有するものとすることにより、実現できる。
【0010】
本発明において、特に、前記少なくとも2つの基本周波数成分は、互いに位相がずれた関係にすることが好ましい。これにより、合成されたRFパルスをSinc関数等で振幅変調した際の振幅の最大値(波高値)を低く抑えることができ、RFパルス発生装置の容量の増大を抑えることができる。
【0011】
【実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態について、図1〜図6を用いて説明する。図1は本発明方法の一実施形態のパルスシーケンス、図2は本発明方法を適用可能な磁気共鳴撮影装置の全体構成図、図3と図4は本発明方法の動作説明図、図5と図6は本発明にかかるプリサチュレーション用RFパルスの波形図である。
【0012】
図2に示すように、磁気共鳴撮影装置は、静磁場発生装置1、傾斜磁場発生装置2、送信系3、受信系4、信号処理系5、シーケンサ6、中央処理装置(CPU)7、操作部8等を備えて構成される。静磁場発生装置1は、被検体9が置かれる空間に均一な静磁場を発生させるものである。その静磁場の方向は、通常、被検体9の体軸方向又は体軸に直交する方向である。また、静磁場発生装置1は、永久磁石方式、常電導電磁石方式又は超電導電磁石方式の磁場発生手段により形成されている。傾斜磁場発生装置2は、直交3軸(X、Y、Z)方向の傾斜磁場を発生する傾斜磁場コイル10と、その傾斜磁場コイル10の駆動電流を供給する傾斜磁場電源11を有して構成されている。傾斜磁場電源11は、シーケンサ6の命令に従って直交3軸(X,Y,Z)方向の傾斜磁場Gs、Gp、Grを被検体9に印加するようになっている。この傾斜磁場の与え方によって断層像のスライス面を設定することができるとともに、計測される磁気共鳴信号(エコー信号)に位置情報をエンコードすることができる。シーケンサ6はCPU7の制御により動作し、パルスシーケンスと称される撮影シーケンスに従って、傾斜磁場発生装置2、送信系3、受信系4等に命令を送り、断層像を撮像するのに必要な制御を実行するものである。
【0013】
送信系3は、被検体9の生体組織を構成する原子核に核磁気共鳴を起こさせるためのRFパルス(高周波磁場パルス)を照射するもので、高周波発振器12、変調器13、高周波増幅器14及び高周波照射コイル15を有して構成されている。そして、送信系3は、シーケンサ6の命令に従って、高周波発振器12から出力される高周波パルスを変調器13で振幅変調し、さらに高周波増幅器14で増幅した後、高周波照射コイル15に供給してRFパルスを被検体9に照射するようになっている。
【0014】
受信系4は、被検体9の生体組織の原子核の核磁気共鳴により放出されるエコー信号(NMR信号)を検出するもので、受信側の高周波受信コイル16、増幅器17、直交位相検波器18及びA/D変換器19を有して構成される。高周波受信コイル16により受波されたNMR信号は増幅器17で増幅され、直交位相検波器18で検波された後、A/D変換器19でディジタル信号の計測データに変換される。なお、シーケンサ6の制御によるタイミングで直交位相検波器18により位相を90°ずらしてサンプリングされた二系列の計測データは、信号処理系5に送られる。
【0015】
信号処理系5は、CPU7、ROM20、RAM21、光磁気ディスク22、CRTなどのディスプレイ23及び磁気ディスク24を有して構成される。CPU7は、入力されるエコー信号についてフーリエ変換、補正係数計算、画像再構成処理等の処理、及びシーケンサ6の制御を行ない、任意断面の信号強度分布あるいは所定の処理をした画像を作成して、ディスプレイ23に断層像として表示するようになっている。ROM20は、経時的な画像解析処理及び計測を行なうプログラムや、その実行に用いる不変のパラメータなどを記憶する。RAM21は、計測パラメータや、送信系4で検出したエコー信号、及び必要な画像を一時保管する。光磁気ディスク22及び磁気ディスク24は、CPU7により再構成された画像データを記録する。ディスプレイ23は、光磁気ディスク22及び磁気ディスク24に格納されている画像データを映像化して断層像として表示する。操作部8は、信号処理系5で実行する処理の制御情報を入力する入力手段であり、例えば、トラックボール又はマウス25やキーボード26を備えて構成される。
【0016】
特に、本発明の特徴に係るプリサチュレーション処理を行なうために、CPU7は操作部8から入力される指令に基づいて、通常の撮影を実行する前にプリサチュレーション処理の実行をシーケンサ6に指令するようになっている。そして、シーケンサ6は、CPU7の指令に従ってプリサチュレーション処理のパルスシーケンスを実行する機能を備えている。また、送信係3の高周波発振器12と変調器13は、プリサチュレーション用のRFパルスを発生するようになっている。
【0017】
このように構成される磁気共鳴撮影装置によって、本発明に係る磁気共鳴画像撮影方法の一実施の形態を説明する。図1の横軸は時間を、縦軸は各信号の強度を示し、上から順に、RFパルス、スライス傾斜磁場Gs、位相エンコード傾斜磁場Gp、リードアウト傾斜磁場に相当する周波数エンコード傾斜磁場Gr、磁気共鳴信号(エコー信号)を示している。
【0018】
まず、プリサチュレーションするスライス部位を選択するスライス傾斜磁場パルス111を印加しながら、プリサチュレーション用のRFパルス101を照射する。スライス傾斜磁場パルス111は所定の軸方向(本実施形態では、X軸方向を生体の体軸方向としている。)及び強度で印加する。その後、所定の傾斜磁場Gsパルス112、同Gpパルス121、同Grパルス131を印加する。これにより、RFパルス101で励起された核スピンの位相を拡散し、後述する通常撮影時のパルスシーケンス151の実行時に磁気共鳴信号を発生しないようにする。傾斜磁場Gsパルス112、同Gpパルス121、同Grパルス131は、好ましくは3軸方向全てに印加するが、必ずしも3軸全てに印加する必要はない。要は、RFパルス101で励起された核スピンの位相を拡散して、核スピンの巨視的な磁場の位相がランダムに拡散して、合成成分を小さくできればよい。また、各傾斜磁場パルスの強度も、核スピンの位相を十分に拡散する値を選定する。
【0019】
このようにしてプリサチュレーション処理を行なった後、通常の撮影シーケンス151を実行する。本実施形態の撮影シーケンス151は、静磁場中に置かれた被検体にRFパルス102をスライス傾斜磁場Gsパルス113とともに印加し、続いて位相再整相用傾斜磁場Gsパルス114と、位相エンコード傾斜磁場Gpパルス122と、周波数エンコード方向の位相拡散傾斜磁場Grパルス132とを印加する。その後、リードアウト傾斜磁場パルス133を印加して、エコー信号141を計測する。この通常の撮影シーケンスは、グラディエント系のパルスシーケンスであるが、本発明はこれに限られるものではなく、周知の他のパルスシーケンスを適用しても、プリサチュレーションの効果を得ることができる。
【0020】
このようにして、1回のプリサチュレーション処理をすることにより、エコー信号141を計測して画像の再構成処理をすれば、通常撮影時のGsパルス113に対応するスライス部位の両側から移動して、同スライス部位に流入する血流などの移動する物質により生ずるアーチファクトを抑制することができ、きれいな画像を得ることができる。
【0021】
このことについて、図3、4を用いて詳しく説明する。図3は、通常のパルスシーケンスによって撮影する領域と、プリサチュレーション処理によって励起される領域を模式的に示したものである。図示のように、人体の躯幹部201に動脈202と静脈203が存在し、それらは人体の長軸方向(頭-足方向)に互いに逆向きに流れている。この様な人体の躯幹部201に対し、X軸方向の位置X0の断面204における断層像を撮影する。この場合、動脈202からの血流アーチファクトの発生を防ぐため、X軸方向の位置X1の領域205にプリサチュレーション処理を実行するとともに、同時に、静脈203からの血流アーチファクトの発生を防ぐため、X軸方向の位置X2の領域206にプリサチュレーション処理を実行する。
【0022】
このように、位置X1の領域205と位置X2の領域206を同時にプリサチュレーション処理する条件について、図4を参照しながら詳しく説明する。図(A)はX軸方向とスライス傾斜磁場Gsによる磁場強度の関係を示し、図(B)は同図(A)の傾斜磁場を有するX軸方向の位置と共鳴周波数との関係を示す。ここで、スライス選択に係るプリサチュレーション処理のGsパルス111と撮影時のGsパルス113の磁場強度は同じであるとする。プリサチュレーション用のRFパルス101を照射する際にGsパルス111を印加すると、図(A)に示すようにX軸方向に磁場の勾配ができる。このとき、位置X1と位置X2のプリサチュレーション領域205,206の磁場強度は、それぞれB1,B2となる。また、共鳴周波数はf1、f2となる。なお、図3において、X0は撮影時のスライス部位を示し、B0は同部位の磁場強度、f0は同部位の共鳴周波数である。これらのことから、Gsパルス111を印加しつつ、励起用RFパルス102の基本周波数f0よりも低い周波数f1と高い周波数f2の少なくとも2つの基本周波数成分を有するプリサチュレーション用のRFパルス101を照射すると、2箇所のスライス部位X1、X2のプリサチュレーション領域205,206に存在する物質の核スピンを励起することができる。そして、励起されたプリサチュレーション領域205,206の核スピンの位相は、続いて印加される傾斜磁場パルス112,121,131によって拡散されるから、複数の核スピンを合成してなる磁気共鳴信号は十分に小さな信号になり、血流によるアーチファクトを抑制できる。なお、上記では、プリサチュレーション領域を同時に2領域励起することについて説明したが、同様にすれば、3以上の領域をプリサチュレーション処理できる。
【0023】
上記ではGsパルス111とGsパルス113は同一である例について説明したが、これらは同一強度である必要はない。両者が異なる強度の場合には上記説明中のB0、B1、B2及びf0、f1、f2の関係も対応して変化するが、上記と同様の効果が得られる。
【0024】
次に、プリサチュレーション用のRFパルス101について、具体的に説明する。通常、プリサチュレーション用のRFパルス101及び励起RFパルス102は、スライス位置に対応する基本周波数f0、f1、f2を有する高周波をsinc関数などで振幅変調した波形の高調波パルスを用いる。そして、一般に、sinc関数の最大振幅位置において、基本周波数の波形の位相が各照射毎に一定になるように制御している。ここで、sinc関数の最大振幅位置は、sinc関数を時間tの関数とすると、t=0のときである。
【0025】
しかし、このように位相を調整したRFパルスは、複数の基本周波数成分からなる振幅の和が非常に大きくなり、高周波発振器などの送信系の装置の容量限界を超えてしまうことがある。つまり、図5に示すように、基本周波数が1:2の関係にある2つの波に、それぞれsinc関数による振幅変調を施したRFパルス401,402を足し合わせると、RFパルス403のように大きな振幅の波形になる。つまり、RFパルス401,402とがt=0において位相が一致していることから、両者の和であるRFパルス403がt=0において、特に大きな値になっている。
【0026】
この様な問題を解決するには、図6に示すように、プリサチュレーション用のRFパルスの複数の基本波成分の位相をずらせばよい。図6において、低い周波数を基本周波数とするRFパルス501は、図5のRFパルス401と同様であるが、高い周波数を基本周波数とするRFパルス502は、図のRFパルス402に対して基本波成分の位相を90°ずらしている。これにより、両者の和であるRFパルス503は、図4のRFパルス403に比べて振幅が小さくなっている。なお、RFパルス501、502の振幅変調関数であるsinc関数の位相は同じである。また、ずらす位相は必ずしも90°が最適ではなく、基本周波数に応じて最適な位相差を持たせることが好ましい。
【0027】
ここで、プリサチュレーション領域205,206の励起領域の厚み(幅)について検討する。上述したように、プリサチュレーション用のRFパルスを照射する際には、プリサチュレーション領域205,206の位置に対応した基本周波数を有する高周波をsinc関数により振幅変調したRFパルスを用いる。これは、周波数空間(実空間に対応する。)において基本周波数のフーリエ変換結果である基本周波数位置でのδ関数と、sinc関数のフーリエ変換結果である矩形形状のコンボリュ-ションの結果として、基本周波数を基準にしてある幅を有する領域を励起することを意味する。この幅は、sinc関数の形状、さらに詳しくはsinc関数の周波数に依存する。したがって、sinc関数の周波数を高くすれば、周波数空間(実空間)での励起幅は広くなる。これらのことから、複数のプリサチュレーション領域(205,206)に対応した基本周波数を有する高調波を、周波数が異なる複数のsinc関数で振幅変調することにより、複数のプリサチュレーション領域の励起幅を異なる値に設定することができる。
【0028】
ところで、sinc関数の波形データをテーブルの形で保持する場合、任意の励起幅にするために、任意の周波数のsinc関数を用いるようにすると、テーブルを複数用意しなければならず、効率的でない。この様な場合は、各周波数成分の振幅変調関数として同一のsinc関数を用い、複数のプリサチュレーション領域の励起幅を同一にすることにより、sinc関数の波形のデータテーブルを複数用意する必要をなくして、コンピュータシステムの資源を有効活用できる。
【0029】
なお、上述の実施形態では、1回のプリサチュレーション処理により複数領域を同時に処理する例を説明したが、この場合は、複数の領域が平行な場合に限られる。しかし、非平行な複数の領域をプリサチュレーション処理したい場合は、スライス傾斜磁場の方向を変えて、2回以上のプリサチュレーション処理すればよい。
【0030】
上述の実施形態では、通常の撮影シーケンスとしてグラディエント系のパルスシーケンスを示したが、本発明はこれに限られるものではなく、周知の他のパルスシーケンスを適用しても、プリサチュレーションの効果を得ることができる。例えば、EPIシーケンスのように、1回の励起用RFパルスによる励起により、複数のエコー信号を計測する方式のパルスシーケンスにも、同様に適用することができる。
【0031】
上述の実施形態では、撮影スライス面の両側にプリサチュレーション領域を設定する場合を示したが、本発明はこれに限られるものではなく、任意の位置にプリサチュレーション領域を設定してもプリサチュレーションの効果を得ることができる。
【0032】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、1回のプリサチュレーション処理により、撮影部位から離れた複数部位の磁気共鳴信号を抑制することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の磁気共鳴画像撮影方法の一実施形態のパルスシーケンスである。
【図2】図2は本発明の磁気共鳴画像撮影方法を適用してなる磁気共鳴撮影装置の全体構成図である。
【図3】図3は本発明の磁気共鳴画像撮影方法の動作説明図である。
【図4】図4は本発明の磁気共鳴画像撮影方法の動作説明図である。
【図5】図5は本発明にかかるプリサチュレーション用RFパルスの一例の波形図である。
【図6】図6は本発明にかかるプリサチュレーション用RFパルスの他の例の波形図である。
【符号の説明】
1 静磁場発生装置
2 傾斜磁場発生装置
3 送信系
4 受信系
5 信号処理系
6 シーケンサ
7 CPU
8 操作部
10 傾斜磁場コイル
15 高周波照射コイル
16 高周波受信コイル

Claims (8)

  1. 被検体の所望の領域に第1のRFパルスを照射して撮影する撮影シーケンスと、前記被検体の他の領域に第2のRFパルスを照射してプリサチュレーションするプリサチュレーションシーケンスと、を有してなるパルスシーケンスに基づいて、前記所望の領域の撮影を制御する制御手段を有する磁気共鳴撮影装置であって、
    前記第2のRFパルスは、基本周波数と位相とが異なる複数の励起パルスを、同一位相のsinc関数でそれぞれ振幅変調して、合成して成ることを特徴とする磁気共鳴撮影装置。
  2. 請求項1記載の磁気共鳴撮影装置において、
    前記第2のRFパルスは、前記基本周波数毎の高波をそれぞれ振幅変調した励起パルスを合成して成る合成パルスであることを特徴とする磁気共鳴撮影装置。
  3. 請求項に記載の磁気共鳴撮影装置において、
    前記第2のRFパルスが有する複数の励起パルスは、それぞれ異なる領域を励起する周波数に設定されていることを特徴とする磁気共鳴撮影装置。
  4. 請求項に記載の磁気共鳴撮影装置において、
    前記第2のRFパルスが有する複数の励起パルスは、前記所望の領域の両側の領域を励起する周波数に設定されていることを特徴とする磁気共鳴撮影装置。
  5. 請求項3又は4に記載の磁気共鳴撮影装置において、
    前記第2のRFパルスが有する複数の励起パルスの各々は、励起幅が互いに異なるように振幅変調されていることを特徴とする磁気共鳴撮影装置。
  6. 請求項3又は4に記載の磁気共鳴撮影装置において、
    前記第2のRFパルスが有する複数の励起パルスの各々は、励起幅が互いに同一となるように振幅変調されていることを特徴とする磁気共鳴撮影装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の磁気共鳴撮影装置において、
    前記プリサチュレーションシーケンスは、前記第2のRFパルスを複数回印加することを特徴とする磁気共鳴撮影装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の磁気共鳴撮影装置において、
    前記第2のRFパルスの内の、高い周波数を前記基本周波数とする前記励起パルスの位相を90°ずらすことを特徴とする磁気共鳴撮影装置。
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