以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る通信システムの構成例を概念的に示す説明図である。図1中1は、呼に係る各種制御を行うSIP(Session Initiation Protocol )サーバコンピュータを用いた本発明の呼制御装置であり、呼制御装置1は、インターネット、専用IP網、WAN、LAN等の有線通信網100に接続しており、有線通信網100を介してアクセスポイント等の通信用コンピュータを用いた基地局装置2に接続している。なおここでは有線通信網100として説明するが、一部に無線通信区間を含んでいても良い。基地局装置2は、無線LAN等の無線通信網101を介して無線IP電話等の複数の端末装置3,3,…と通信することが可能である。そして固定型IP電話、無線IP電話等の他の電話機4から端末装置3,3,…に対して呼接続の要求を受け付けた場合に、呼制御装置1の制御に基づいて、電話機4及び端末装置3間で呼の接続が確立され、映像及び/又は音声を再生させるストリーミングデータを送受信するIP電話通信が行われる。なお複数の端末装置3,3,…の一部又は全部は、予めグループ化されており、呼制御装置1は、一の呼接続の要求に対してグループ化されている複数の端末装置3,3,…を呼び出し、呼び出しに応じた一の端末装置3に対して呼接続を確立するグループ着信機能を有している。
図2は、本発明の実施の形態1に係る通信システムが備える各装置のハードウェアの構成例を示すブロック図である。呼制御装置1は、装置全体を制御するCPU等の制御部10と、本発明の呼制御装置用のコンピュータプログラム1000及びデータ等の各種情報を記録したCD−ROM等の記録媒体から各種情報を読み取るCD−ROMドライブ等の補助記憶部11と、補助記憶部11が読み取った各種情報を記録するハードディスク等の記録部12と、情報を一時的に記憶するRAM等の記憶部13とを備えている。そして記録部12から本発明の呼制御装置用のコンピュータプログラム1000及びデータ等の各種情報を読み取り、記憶部13に記憶させてコンピュータプログラム1000に含まれる各種手順を制御部10にて実行することにより、SIPサーバコンピュータは、本発明の呼制御装置1として動作する。さらに呼制御装置1は、有線通信網100に接続する通信部14を備えている。
基地局装置2は、装置全体を制御するCPU等の制御部20と、本発明の基地局装置用のコンピュータプログラム2000及びデータ等の各種情報を記録したCD−ROM等の記録媒体から各種情報を読み取るCD−ROMドライブ等の補助記憶部21と、読み取った各種情報を記録するハードディスク等の記録部22と、情報を一時的に記憶するRAM等の記憶部23とを備えている。そして記録部22から本発明の基地局装置用のコンピュータプログラム2000及びデータ等の各種情報を読み取り、記憶部23に記憶させてコンピュータプログラム2000に含まれる各種手順を制御部20にて実行することにより、通信用コンピュータは、本発明の基地局装置2として動作する。さらに基地局装置2は、有線通信網100に接続する有線通信部24と、無線通信網101を介して端末装置3,3,…と接続する無線通信部25とを備えている。
図2では、携帯型IP電話を端末装置3として用いた構成を例示している。端末装置3は、装置全体を制御する制御部30、各種処理に必要なコンピュータプログラム及びデータ等の情報を記録するROM、RAM等の記録部31を備えている。さらに制御部30は、通信を制御する通信制御部32を制御し、通信制御部32は、電話通信に要するデジタル信号等のデータを送受信するアンテナ及びその付属回路等の通信部33を制御する。また制御部30は、スピーカ等の音声出力部34から出力するアナログ音声信号及びマイク等の音声入力部35から入力されるアナログ音声信号の変換処理を行う音声処理部36を制御する。音声処理部36による変換処理とは、音声出力部34から出力すべくデジタル信号をアナログ音声信号に変換する処理、及び音声入力部35から入力された音声に基づくアナログ音声信号をデジタル信号に変換する処理である。さらに端末装置3は、制御部30の制御により、英数字及び各種命令等のキー入力を受け付ける押し釦等のキー入力部37から入力を受け付け、キー入力された情報及びストリーミングデータに基づくテレビ映像等の各種情報を表示する液晶ディスプレイ等の表示部38に必要な情報を表示させる。
図3は、本発明の実施の形態1に係る通信システムが備える各装置の機能の一例を示す機能ブロック図である。本発明の呼制御装置1は、本発明の呼制御装置用のコンピュータプログラム1000等の呼制御に係る各種コンピュータプログラムを制御部10にて実行することにより、制御部10を、呼の全体を制御する呼制御手段10a、呼に係るグループ着信機能についての制御を行う呼認証制御手段(CAC:Call Admission Control)10b等の各種プログラムモジュールとして機能させる。また本発明の呼制御装置用のコンピュータプログラム1000等の呼制御に係る各種コンピュータプログラムを制御部10にて実行することにより、記録部12の記録領域に、端末装置3,3,…のグループを記録するグループテーブル12a、端末装置3,3,…を特定するIPアドレス等の特定情報を記録する特定情報テーブル12b、端末装置3,3,…とアクセス先となる基地局装置2とを関連付けて記録する帰属テーブル12c等の各種テーブルを生成する。なおグループテーブル12a、特定情報テーブル12b、帰属テーブル12c等の各種テーブルは、記憶部13の記憶領域に生成する様にしても良く、また呼制御装置1に接続する他の装置の記録領域に生成する様にしても良い。
本発明の基地局装置2は、本発明の基地局装置用のコンピュータプログラム2000等の各種コンピュータプログラムを制御部20にて実行することにより、制御部20を、各端末装置3,3,…の夫々の呼接続に要する通信帯域を夫々導出する帯域導出手段20a、グループ着信用の通信帯域を確保する帯域確保手段20b、呼接続を確立する端末装置3に対して通信帯域を割り当てる帯域割当手段20c等の各種プログラムモジュールとして機能させる。また本発明の基地局装置用のコンピュータプログラム2000等の各種コンピュータプログラムを制御部20にて実行することにより、記録部22の記録領域に、通信帯域の使用状況を記録する使用帯域管理テーブル22a、帯域導出手段20aが導出した各端末装置3,3,…の呼接続に要する通信帯域を記録する要求帯域管理テーブル22b等の各種テーブルを生成する。なお使用帯域管理テーブル22a、要求帯域管理テーブル22b等の各種テーブルは、記憶部23の記憶領域に生成する様にしても良い。
図4は、本発明の実施の形態1に係る呼制御装置1が備えるグループテーブル12aの記録内容の一例を概念的に示す説明図である。グループテーブル12aには、着信番号に対応付けて、複数の呼び出し先を示す呼出番号がレコード単位で記録されている。着信番号及び呼出番号としては、いずれも端末装置3,3,…を呼び出す電話番号等の情報が用いられており、着信番号に基づく呼接続の要求に対して、対応付けられている複数の呼出番号が示す端末装置3,3,…が呼び出される。例えば図4に例示したグループテーブル12aの1行目のレコードでは、電話番号「6001」に基づく呼接続の要求を受け付けた場合に、電話番号「6001」、「6011」又は「6012」が割り当てられている端末装置3,3,…に対する呼出が行われる。なおグループテーブル12aに着信番号として記録されている電話番号は、グループを識別するグループIDとして用いられる。
図5は、本発明の実施の形態1に係る呼制御装置1が備える特定情報テーブル12bの記録内容の一例を概念的に示す説明図である。特定情報テーブル12bには、端末装置3,3,…毎の電話番号及びIPアドレスを対応付けたレコード単位の情報が記録されている。例えば図5に例示した特定情報テーブル12bの1行目のレコードでは、電話番号が「6001」である端末装置3に対して、無線通信網101又は有線通信網100上の位置を特定する特定情報として「192.168.1.55」であるIPアドレスが割り当てられている。なおここでは端末装置3の特定情報として、IPアドレスを用いる形態を例示するが、端末装置3を特定することが可能で有れば、MACアドレス、適宜設定された識別用の名称等の情報を特定情報として用いることが可能である。
図6は、本発明の実施の形態1に係る呼制御装置1が備える帰属テーブル12cの記録内容の一例を概念的に示す説明図である。帰属テーブル12cには、端末装置3,3,…と、アクセス先となる基地局装置2との帰属関係を、IPアドレスを対応付けたレコードとして記録している。例えば図6に例示した帰属テーブル12cの1行目のレコードでは、IPアドレスが「192.168.1.55」である端末装置3は、IPアドレスが「192.168.1.1」である基地局装置2をアクセスポイントとして無線通信網101に接続している。基地局装置2のIPアドレスとは、基地局装置2の無線通信網101又は有線通信網100上の位置を特定するグローバルIPアドレス、プライベートIPアドレス等の特定情報である。なおここでは基地局装置2の特定情報として、IPアドレス、特にプライベートIPアドレスを用いる形態を例示するが、基地局装置2を特定することが可能で有れば、MACアドレス、適宜設定された識別用の名称等の情報を特定情報として用いることが可能である。
図7は、本発明の実施の形態1に係る基地局装置2が備える使用帯域管理テーブル22aの記録内容の一例を概念的に示す説明図である。使用帯域管理テーブル22aは、呼接続等の通信のために通信帯域を使用又は使用のための確保をしている端末装置3又はグループを示す情報と、使用又は使用のための確保をしている通信帯域を示す帯域占有率とを対応付けたレコードとして記録している。端末装置3又はグループを示す情報とは、一の端末装置3が通信帯域を使用又は確保している場合には、当該端末装置3のIPアドレスであり、グループ着信機能として、呼接続を確立後に使用する通信帯域を確保している場合には、着信番号にて示されるグループIDである。なおグループ着信した場合であっても、呼接続が確立した場合には、呼接続を確立した一の端末装置3のIPアドレスが使用帯域管理テーブル22aに記録される。例えば図7に例示した使用帯域管理テーブル22aの1行目のレコードでは、IPアドレスが「192.168.1.50」である端末装置3が、帯域占有率が45.0%となる通信帯域を使用又は確保している状態を示している。また3行目のレコードでは、グループID「6001」に基づいてグループ化された複数の端末装置3,3,…が、帯域占有率が9.3%である通信帯域を予約している状態を示している。なおここでいう確保とは、通信帯域の使用を前提として、他の通信に用いられない様に通信帯域の一部を予約することをいう。
図8は、本発明の実施の形態1に係る基地局装置2が備える要求帯域管理テーブル22bの記録内容の一例を概念的に示す説明図である。要求管理テーブル22bには、グループID及び端末装置3,3,…のIPアドレスに対応付けて、各端末装置3,3,…の呼接続に要する通信帯域を示す帯域占有率と、呼接続の可否を示す接続可否フラグとがレコード単位で記録されている。なお通信帯域を示す帯域占有率は、対応付けられている端末装置3の呼接続に要する通信帯域として導出された値である。例えば図8に例示した要求帯域管理テーブル22bの1行目のレコードでは、グループIDが「6001」でIPアドレスが「192.168.1.55」である端末装置3が呼接続を確立した場合、7.4%の帯域占有率の通信帯域を要することを示している。同様にして2行目のレコードでは、グループIDが「6001」でIPアドレスが「192.168.1.101」である端末装置3が呼接続を確立した場合、9.3%の帯域占有率の通信帯域を要することを示している。また3行目のレコードでは、グループIDが「6001」でIPアドレスが「192.168.1.102」である端末装置3が呼接続を確立した場合、15.6%の帯域占有率の通信帯域を要することを示している。この様に同じグループIDでグループ化されていても、夫々の端末装置3,3,…で必要とする通信帯域が異なっている。
図8に例示した要求帯域管理テーブル22bは、図7に例示した使用帯域管理テーブル22aと関連付けられている。図7に例示した使用帯域管理テーブル22aでは、1行目のレコードに係る通信と、2行目のレコードに係る通信とで、通信帯域の90.0%が既に使用されている。従って15.6%の占有率を要する図8の3行目に例示したレコードに係る端末装置3は、呼接続を確立することができないため、呼接続の確立が不可であることを示す「0」が接続可否フラグとして記録されている。図8の1行目及び2行目に例示したレコードに係る端末装置3,3は、15.6%以下の占有率で呼接続を確立することができるため、呼接続の確立が可能であることを示す「1」が接続可否フラグとして記録されている。また図8に例示した呼接続の確立が可能である端末装置3,3,…に係るレコードの中で、2行目のレコードは、通信帯域の占有率が最大の「9.3%」となっている。従って図7に例示した様にグループID「6001」に係る通信帯域として「9.3%」が確保されている。
次に本発明の実施の形態1に係る通信システムが備える各装置の処理について説明する。図9及び図10は、本発明の実施の形態1に係る通信システムが備える呼制御装置1及び基地局装置2の呼接続確立処理の一例を示すフローチャートである。電話機4が、端末装置3に対して発呼、即ち呼接続の要求を行った場合、呼接続の要求を受け付けた呼制御装置1は、呼接続確立処理を開始する。呼制御装置1は、コンピュータプログラム1000を実行する制御部10の制御により、通信部14にて、有線通信網100から呼接続の要求を受け付ける(S101)。呼接続の要求は、INVITEメッセージ等のSIPに基づく形式であり、呼出先となる端末装置3の電話番号が示されている。
呼制御装置1は、制御部10の制御に基づく呼制御手段10aの処理により、受け付けた呼接続の要求に示されている電話番号に基づいて、グループテーブル12aを参照して、グループ着信の対象となる電話番号であるか否かを判定する(S102)。ステップS102では、呼接続の要求に示されている呼出先となる電話番号が、グループテーブル12aに着信番号として記録されているか否かを検出することにより判定する。なおここでは判定により、グループ着信の対象となる電話番号であったものとして以降の説明を行う。
呼制御装置1は、制御部10の制御に基づく呼制御手段10aの処理により、呼接続の要求として受け付けた電話番号、即ち着信番号に対応付けてグループテーブル12aに呼出番号として記録されている複数の電話番号を読み取る(S103)。例えば図4に例示したグループテーブル12aを用いる場合で、着信番号が「6001」であったとき、ステップS103では、「6001」、「6011」及び「6012」を読み取る。
呼制御装置1は、制御部10の制御に基づく呼制御手段10aの処理により、読み取った複数の電話番号に夫々対応付けて特定情報テーブル12bに特定情報として記録されている夫々のIPアドレスを読み取る(S104)。例えば図5に例示した特定情報テーブル12bを用いる場合で、複数の電話番号が、「6001」、「6011」及び「6012」であるとき、夫々に対応する特定情報として「192.168.1.55」、「192.168.1.101」及び「192.168.1.102」が読み取られる。
呼制御装置1は、制御部10の制御に基づく呼認証制御手段10bの処理により、読み取った各IPアドレスに夫々対応付けて帰属テーブル12cにアクセスポイントとして記録している基地局装置2のIPアドレスを読み取る(S105)。例えば図6に例示した帰属テーブル12cを用いる場合で、IPアドレスが、「192.168.1.55」、「192.168.1.101」及び「192.168.1.102」であるとき、基地局装置2のIPアドレスとして「192.168.1.1」が読み取られる。この場合、複数の端末装置3,3,…は、一の基地局装置2をアクセスポイントとしている。
呼制御装置1は、制御部10の制御に基づく呼認証制御手段10bの処理により、読み取ったIPアドレスにて示される基地局装置2へ、呼接続の確立に必要な帯域の確保を要求する帯域確保要求を通信部14から有線通信網100を介して送信する(S106)。
図11は、本発明の実施の形態1に係る呼制御装置1から送信される帯域確保要求に含まれる情報の一例を概念的に示す説明図である。帯域確保要求には、呼接続の確立の対象として呼出先となる複数の端末装置3,3,…の特定情報であるIPアドレス、要求の種別及びグループ着信に係るグループIDが示されている。要求の種別は、ここでは音声通信用帯域確保を示す情報である。
図9及び図10のフローチャートに戻り、基地局装置2は、コンピュータプログラム2000を実行する制御部20の制御により、有線通信部24にて、有線通信網100から帯域確保要求を受信する(S107)。
基地局装置2は、制御部20の制御に基づく帯域導出手段20aの処理により、帯域確保要求に示されている呼出先となる複数の端末装置3,3,…について、呼接続確立時の無線区間の通信に係るリンク速度として無線通信速度の予測値を導出する(S108)。無線通信速度の予測値は、例えば基地局装置2及び各端末装置3,3,…間の無線通信に係る電波強度、疎通確認パケット(PING)のRTT(Round Trip Time )等の通信環境に関係する数値に基づいて導出される。例えば電波強度が−75dBm未満の場合、無線通信速度は1Mbpsであると導出する。同様にして電波強度が、−75dBm以上−70dBm未満、−70dBm以上−65dBm未満、−65dBm以上−60dBm未満、及び−60dBm以上の場合、無線通信速度は、夫々2Mbps、5.5Mbps、及び11Mbpsであると導出する。また基地局装置2は、各端末装置3,3,…に対して疎通確認パケットの送信を行い、送信から受信までに要する時間を示すRTTに基づいて無線通信速度の予測値を導出する様にしても良い。
基地局装置2は、制御部20の制御に基づく帯域導出手段20aの処理により、無線通信速度の予測値、及び呼接続の有線区間の通信に使用する有線通信帯域に基づいて、呼出先となる各端末装置3,3,…の呼接続に要する通信帯域を夫々導出する(S109)。呼接続に要する通信帯域は、当実施の形態に示す例では、帯域占有率を用いる。帯域占有率は、算出の対象となる通信に要する時間の通信時間全体に対する割合を百分率で示した値である。なお当実施の形態に示す例では、下記の式1に示す近似式を用いて帯域占有率を導出する。
帯域占有率=制御帯域+(有線通信帯域/無線通信速度)×定数 …(式1)
式1において、帯域占有率は、基地局装置2に係る無線区間の通信帯域に対する占有率を百分率(%)で示した値である。制御帯域は、無線区間の通信の制御に要する通信帯域を百分率で示した値であり、例えば5%等の値が予め設定されている。有線通信帯域は、呼接続の有線区間の通信に使用する帯域であり、例えば音声通信による通話の場合、128kbps等の値が予め設定されている。無線通信速度は、ステップS108にて導出したリンク速度である。定数は予め設定されている値である。
基地局装置2は、制御部20の制御に基づく帯域導出手段20aの処理により、呼出先となる端末装置3,3,…のIPアドレス、予測値を導出した無線通信速度、及び導出した帯域占有率(通信帯域)を対応付けて記憶部23に記憶させる(S110)。ステップS110では、記録部22に記録する様にしても良い。
図12は、本発明の実施の形態1に係る基地局装置2が記憶するIPアドレス、無線通信速度及び帯域占有率の一例を概念的に示す説明図である。上記の処理により、基地局装置2は、IPアドレスに対応付けて、導出した無線通信速度及び導出した帯域占有率を記憶部23に記憶する。例えばIPアドレスが「192.168.1.55」である端末装置3の無線通信速度は「11Mbps」であり、帯域占有率は「7.4%」である。また例えばIPアドレスが「192.168.1.101」である端末装置3の無線通信速度は「5.5Mbps」であり、帯域占有率は「9.3%」である。例えばIPアドレスが「192.168.1.102」である端末装置3の無線通信速度は「2Mbps」であり、帯域占有率は「15.6%」である。
図9及び図10のフローチャートに戻り、基地局装置2は、制御部20の制御に基づく帯域確保手段20bの処理により、使用帯域管理テーブル22aを参照して使用可能な帯域占有率を検出し(S111)、ステップS110にて記憶した帯域占有率が、使用可能な帯域占有率(通信帯域)を超える端末装置3,3,…を、呼接続を確立すべく呼出を行う対象から除外し(S112)、呼出の対象となる端末装置3,3,…のグループID、端末装置3,3,…のIPアドレス、導出した帯域占有率及び接続可否フラグを要求帯域管理テーブル22bに記録する(S113)。ステップS111において、既に90.0%の通信帯域が使用されており、使用可能な帯域占有率が10%であることが検出された場合、ステップS112では、10%を超える帯域占有率を要する端末装置3,3,…は呼出の対象から除外される。例えば図8では、帯域占有率が「15.6%」である端末装置3は、接続可否フラグが「0」となり、呼出の対象から除外されている。
基地局装置2は、制御部20の制御に基づく帯域確保手段20bの処理により、要求帯域管理テーブル22bを参照して、除外した端末装置3,3,…以外の端末装置3,3,…の帯域占有率の中で最大幅となる通信帯域を要する帯域占有率を判定し(S114)、判定した最大の通信帯域(帯域占有率)を、使用可能な通信帯域の中から予約帯域として確保し(S115)、確保した通信帯域(帯域占有率)をグループIDに対応付けて使用帯域管理テーブル22aに記録する(S116)。ステップS114では、帯域占有率が「7.4%」及び「9.3%」である場合、最大幅となる通信帯域を示す帯域占有率は、「9.3%」となる。前述した図7は、ステップS116における記録内容を示しており、グループID「6001」に対応付けて帯域占有率「9.3%」が記録されている。
そして基地局装置2は、制御部20の制御により、帯域確保要求に対する結果応答を、有線通信部24から有線通信網100を介して呼制御装置1へ送信する(S117)。
図13は、本発明の実施の形態1に係る基地局装置2から送信される結果応答に含まれる情報の一例を概念的に示す説明図である。結果応答には、グループIDに対応する端末装置3,3,…のIPアドレス及び呼出の可否が示されている。図13に示す例では、IPアドレスが「192.168.1.55」及び「192.168.1.101」である端末装置3,3が呼出可であり、IPアドレスが「192.168.1.102」である端末装置3が呼出不可である。
図9及び図10のフローチャートに戻り、呼制御装置1は、制御部10の制御に基づく呼認証制御手段10bの処理より、通信部14にて、有線通信網100から結果応答を受信し(S118)、制御部10の制御に基づく呼制御手段10aの処理により、結果応答に呼出可として示された端末装置3,3,…のIPアドレスに基づいて、端末装置3,3,…を呼び出す通話要求を、通信部14から基地局装置2へ有線通信網100を介して送信する(S119)。通話要求には、呼出の対象となる端末装置3,3,…のIPアドレスが示されている。
基地局装置2は、制御部20の制御により、有線通信部24にて、有線通信網100を介して通話要求を受信し(S120)、無線通信部25から端末装置3,3,…へ、受信した通話要求を送信する(S121)。
通話要求に示されたIPアドレスに対応する端末装置3,3,…は、通話要求を受け付け、呼び出し音の鳴動等の着呼動作を行う。そして使用者が呼出状態になっている端末装置3を操作して、応答することにより、端末装置3は、呼出に応じることを示す通話応答として200OKパケットを基地局装置2へ送信する。送信する通話応答には、応答する端末装置3のIPアドレスが示されている。
基地局装置2は、制御部20の制御により、無線通信部25にて通話応答を受信し(S122)、有線通信部24から、有線通信網100を介して呼制御装置1へ、受信した通話応答として200OKパケットを送信する(S123)。
呼制御装置1は、制御部10の制御に基づく呼制御手段10aの処理により、通信部14にて、有線通信網100を介して通話応答を受信し(S124)、受信した通話応答に示されている応答した端末装置3のIPアドレスを、呼認証制御手段10bに通知し、制御部10の制御に基づく呼認証制御手段10bの処理により、通知された端末装置3のIPアドレスに対応付けて帰属テーブル12cにアクセスポイントとして記録されている基地局装置2のIPアドレスを読み取る(S125)。
呼制御装置1は、制御部10の制御に基づく呼認証制御手段10bの処理により、読み取ったIPアドレスにて示される基地局装置2へ、呼接続を確立する端末装置3のIPアドレス及びグループIDを通知する端末装置通知を通信部14から基地局装置2へ有線通信網100を介して送信する(S126)。
基地局装置2は、制御部20の制御により、有線通信部24にて、有線通信網100から端末装置通知を受信する(S127)。
基地局装置2は、制御部20の制御に基づく帯域割当手段20cの処理により、受信した端末装置通知に示されているIPアドレスに係る端末装置3に対して、予約帯域として確保していた通信帯域の中から占有させる通信帯域を割り当てる(S128)。端末装置通知には、IPアドレス及びグループIDが示されている。また使用帯域管理テーブル22aに、確保した通信帯域がグループIDに対応付けて記録してあり、要求帯域管理テーブル22bに、帯域占有率がIPアドレスに対応付けて記録してある。例えば図7に例示した使用帯域管理テーブル22a及び図8に例示した要求帯域管理テーブル22bを用いる場合で、IPアドレスが「192.168.1.55」である端末装置3に通信帯域を割り当てるとき、確保している帯域占有率9.3%の中から7.4%の通信帯域を割り当てることになる。またステップS128にて通信帯域の確保を解除して、呼接続を確立する端末装置3に通信帯域を割り当てることになるので、基地局装置2は、使用帯域管理テーブル22aについて、グループID「6001」及び帯域占有率「9.3%」を対応付けているレコードを、IPアドレス「192.168.1.55」及び「7.4%」を対応付けて示す様に更新する。さらに基地局装置2は、使用帯域管理テーブル22aについて、グループID「6001」に係るレコードを削除する。この様に基地局装置2は、ステップS128において端末装置3に対して占有させる通信帯域の割り当てに際し、使用帯域管理テーブル22aについて、グループIDに対応付けて確保している通信帯域をIPアドレスに対応付けた通信帯域に更新し、要求帯域管理テーブル22bについて、グループIDに対応付けて記録しているレコードを削除する予約解除を行う。
基地局装置2は、制御部20の制御により、確保していた通信帯域の中で、割り当てられなかった通信帯域を解放する(S129)。例えば確保している帯域占有率が9.3%で、ステップS128にて7.4%の通信帯域を割り当てた場合、1.9%の通信帯域を解放し、他の通信にて使用可能な状態にする。
そして基地局装置2は、制御部20の制御により、通信帯域の割当、予約の解除及び通信帯域の解放を行ったことを示す帯域割当通知を、有線通信部24から、有線通信網100を介して呼制御装置1へ送信する(S130)。
呼制御装置1は、制御部10の制御に基づく呼認証制御手段10bの処理により、通信部14にて、有線通信網100から帯域割当通知を受信し(S131)、呼制御手段10aの処理により、通話応答として200OKパケットを電話機4へ送信し(S132)、電話機4及び応答した端末装置3間の呼接続を確立する(S133)。この様にして本発明の実施の形態1に係る呼接続確立処理が実行される。
実施の形態2.
実施の形態2は、実施の形態1において、複数の基地局装置2,2,…に帰属する複数の端末装置3,3,…を一のグループとする形態である。図14は、本発明の実施の形態2に係る通信システムの構成例を概念的に示す説明図である。なお実施の形態1と同様の構成については、実施の形態1と同様の符号を付し、その説明を省略する。実施の形態2では、複数の基地局装置2,2,…を用いており、夫々の基地局装置2,2,…は、夫々の無線通信網101,101,…を介して端末装置3,3,…と接続する。なお呼出の対象となる一のグループに係る端末装置3,3,…のアクセスポイントは、複数の基地局装置2,2,…に跨っている。
実施の形態2に係る通信システムが備える各装置のハードウェア構成及び機能は、実施の形態1と同様であるので、実施の形態1を参照するものとし、その説明を省略する。
図15は、本発明の実施の形態2に係る呼制御装置1が備える帰属テーブル12cの記録内容の一例を示す説明図である。呼制御装置1が備える各種テーブル及び基地局装置2が備える各種テーブルは、実質的に実施の形態1と同様である。帰属テーブル12cについても実施の形態1と同様であるが、アクセスポイントとなる基地局装置2のIPアドレスが複数種類となるため、一例を示す。実施の形態2に係る帰属テーブル12cに示す例では、IPアドレスが「192.168.1.100」、「192.168.1.101」及び「192.168.1.102」である端末装置3,3,…は、IPアドレスが「192.168.1.1」である基地局装置2をアクセスポイントして無線通信網101に接続している。またIPアドレスが「192.168.2.85」、「192.168.2.86」及び「192.168.2.87」である端末装置3,3,…は、IPアドレスが「192.168.2.1」である基地局装置2をアクセスポイントして無線通信網101に接続している。なお以降の説明において、図15にIPアドレスが示されている六の端末装置3,3,…は、グループIDが「6002」である同じグループにグループ化されているものとする。
次に本発明の実施の形態2に係る通信システムが備える各装置の処理について説明する。実施の形態2において、呼制御装置1は、実施の形態1の呼接続確立処理のステップS101〜S106に係る処理と同様に、呼接続の要求を受け付けてから帯域確保要求を送信するまでの処理を実行する。但し、端末装置3,3,…のIPアドレスに対応する基地局装置2,2,…のIPアドレスは複数であることから、ステップS106の処理として、帯域確保要求は、複数の基地局装置2,2,…に対して送信される。即ち実施の形態1の呼接続処理のステップS101〜S106に対応する処理として、実施の形態2に係る呼制御装置1は、一の呼接続の要求に対して、複数の基地局装置2,2,…に係る端末装置3,3,…を呼び出す処理を行う。
各基地局装置2,2,…は、実施の形態1の呼接続確立処理のステップS107〜S117に係る処理と同様に、帯域確保要求を受信してから帯域確保要求に対する結果応答を送信するまでの処理を実行する。但し、夫々の基地局装置2,2,…は、自機をアクセスポイントとして接続する端末装置3,3,…について、通信帯域の導出、使用可能な帯域占有率の検出、最大幅となる通信帯域の確保等の処理を実行する。例えば第1の基地局装置2をアクセスポイントとする端末装置3,3,…の中で三の端末装置3,3,3がグループ着信の呼出の対象となる場合で、使用可能な帯域占有率が「10.0%」で各端末装置3,3,3の帯域占有率が、夫々「7.4%」、「9.3%」及び「15.6%」であるとき、第1の基地局装置2は、9.3%の通信帯域を確保する。そして第2の基地局装置2をアクセスポイントとする端末装置3,3,…の中で三の端末装置3,3,3がグループ着信の呼出の対象となる場合で、使用可能な帯域占有率が「12.0%」で各端末装置3,3,3の帯域占有率が、夫々「7.4%」、「7.4%」及び「9.3%」であるとき、第1の基地局装置2は、9.3%の通信帯域を確保する。そして第1の基地局装置2及び第2の基地局装置2は、夫々通信帯域を確保し、結果応答を呼制御装置1へ送信する。なおこの場合、第1の基地局装置2から送信される結果応答には、二の端末装置3,3が呼出可であり、一の端末装置3が呼出不可であることが示される。
そして呼制御装置1及び基地局装置2,2,…は、実施の形態1に係る呼接続確立処理のステップS118〜S130に係る処理と同様に、結果応答の受信から帯域割当通知の送信までの処理を実行する。但し、呼制御装置1は、最初に応答した端末装置3から送信される通話応答を中継した基地局装置2に対しては、端末装置通知を送信して呼接続を確立するが、他の基地局装置2に対しては、端末装置3,3,…の鳴動を停止させ確保している通信帯域を解放させる切断要求を送信する。
そして呼制御装置1は、実施の形態1に係る呼接続確立処理のステップS131〜S133に係る処理と同様に、帯域割当通知の受信から呼接続の確立までの処理を実行する。この様にして本発明の実施の形態2に係る呼接続確立処理が実行される。
実施の形態3.
実施の形態3は、実施の形態1において、通信帯域の確保等の処理を呼制御装置にて実行する形態である。実施の形態3に係る通信システムの構成例及び通信システムが備える各装置のハードウェア構成は、実施の形態1と同様であるので、実施の形態1と同様の符号を付し、その説明を省略する。
図16は、本発明の実施の形態3に係る通信システムが備える各装置の機能の一例を示す機能ブロック図である。本発明の呼制御装置1は、本発明の呼制御装置用のコンピュータプログラム1000等の呼制御に係る各種コンピュータプログラムを制御部10にて実行することにより、制御部10を、呼制御手段10a、呼認証制御手段10b、帯域確保手段10c、帯域割当手段10d等の各種プログラムモジュールとして機能させる。なお帯域確保手段10c及び帯域割当手段10dは、実施の形態1における基地局装置2に係る帯域確保手段20b及び帯域割当手段20cに対応している。また本発明の呼制御装置用のコンピュータプログラム1000等の呼制御に係る各種コンピュータプログラムを制御部10にて実行することにより、記録部12の記録領域に、グループテーブル12a、特定情報テーブル12b、帰属テーブル12c、使用帯域管理テーブル12d、要求帯域管理テーブル12e等の各種テーブルを生成する。なお使用帯域管理テーブル12d及び要求帯域管理テーブル12eは、実施の形態1における基地局装置2に係る使用帯域管理テーブル22a及び要求帯域管理テーブル22bに対応している。
本発明の基地局装置2は、本発明の基地局装置用のコンピュータプログラム2000等の各種コンピュータプログラムを制御部20にて実行することにより、制御部20を帯域導出手段20a等の各種プログラムモジュールとして機能させる。また本発明の基地局装置2は、本発明の基地局装置用のコンピュータプログラム2000等の各種コンピュータプログラムを制御部20にて実行することにより、記録部22の記録領域に、通信帯域の使用状況を記録する使用帯域管理テーブル22a等の各種テーブルを生成する。但し、実施の形態3に係る使用帯域管理テーブル22aは、実施の形態1に係る使用帯域管理テーブル22aと異なり、呼接続を確立していない予約段階のグループIDに係るレコードは記録されない。
図17は、本発明の実施の形態3に係る呼制御装置1が備える使用帯域管理テーブル12dの記録内容の一例を概念的に示す説明図である。使用帯域管理テーブル12dは、基地局装置2を特定するIPアドレスと、呼接続等の通信のために通信帯域を使用又は使用のための予約をしている端末装置3又はグループを示す情報と、使用又は使用のための予約をしている通信帯域を示す帯域占有率とを対応付けたレコードとして記録している。実施の形態3に係る使用帯域管理テーブル12dは、実施の形態1の使用帯域管理テーブル22aに基地局装置2のIPアドレスを付加した構成である。なお呼制御装置1が備える使用帯域管理テーブル12dにて帯域占有率を管理しているため、基地局装置2が備える使用帯域管理テーブル22aでは、必ずしも帯域占有率を記録する必要はない。
図18は、本発明の実施の形態3に係る呼制御装置1が備える要求帯域管理テーブル12eの記録内容の一例を概念的に示す説明図である。要求帯域管理テーブル12eには、基地局装置2を特定するIPアドレスに対応付けて、グループID及び端末装置3,3,…のIPアドレスと、各端末装置3,3,…の呼接続に要する通信帯域を示す帯域占有率と、呼接続の可否を示す接続可否フラグとがレコード単位で記録されている。実施の形態3に係る要求帯域管理テーブル12eは、実施の形態1の要求帯域管理テーブル22bに基地局装置2のIPアドレスを付加した構成である。
次に本発明の実施の形態3に係る通信システムが備える各装置の処理について説明する。図19及び図20は、本発明の実施の形態3に係る通信システムが備える呼制御装置1及び基地局装置2の呼接続確立処理の一例を示すフローチャートである。呼制御装置1は、実施の形態1の呼接続確立処理のステップS101〜S105に係る処理と同様に、呼接続の要求の受付から基地局装置2のIPアドレスの読取までの処理を実行する。
呼制御装置1は、コンピュータプログラム1000を実行する制御部10の制御により、読み取ったIPアドレスにて示される基地局装置2へ、呼出の対象となる端末装置3,3,…について、呼接続に要する通信帯域の導出を要求する帯域導出要求を通信部14から有線通信網100を介して送信する(S201)。ステップS201にて送信される帯域導出要求には、呼出の対象となる端末装置3,3,…のIPアドレスが示されている。
基地局装置2は、コンピュータプログラム2000を実行する制御部20の制御に基づく帯域導出手段20aの処理により、有線通信部24にて、有線通信網100から帯域導出要求を受信する(S202)。
そして基地局装置2は、制御部20の制御に基づく帯域導出手段20aの処理により、帯域確保要求に示されている呼出先となる複数の端末装置3,3,…について、呼接続確立時の無線区間の通信に係るリンク速度として無線通信速度の予測値を導出し(S203)、無線通信速度の予測値、及び呼接続の有線区間の通信に使用する有線通信帯域に基づいて、各端末装置3,3,…の呼接続に要する通信帯域を夫々導出し(S204)、各端末装置3,3,…のIPアドレス及び導出した各端末装置3,3,…の通信帯域(帯域占有率)を対応付けて示した帯域導出結果応答を、有線通信部24から有線通信網100を介して呼制御装置1へ送信する(S205)。
呼制御装置1は、制御部10の制御に基づく帯域確保手段10cの処理により、通信部14にて、有線通信網100から帯域導出結果応答を受信する(S206)。
そして呼制御装置1は、制御部10の制御に基づく帯域確保手段10cの処理により、受信した帯域導出結果応答の送信元である基地局装置2のIPアドレスに対応付けられた使用帯域管理テーブル12dの記録内容に基づいて使用可能な帯域占有率を検出し(S207)、帯域導出結果応答に示されている帯域占有率が、使用可能な帯域占有率(通信帯域)を超える端末装置3,3,…を、呼接続を確立すべく呼出を行う対象から除外し(S208)、呼出の対象となる端末装置3,3,…のグループID、基地局装置2のIPアドレス、端末装置3,3,…のIPアドレス、導出した帯域占有率及び接続可否フラグを要求帯域管理テーブル12eに記録する(S209)。
呼制御装置1は、制御部10の制御に基づく帯域確保手段10cの処理により、要求帯域管理テーブル12eを参照して、除外した端末装置3,3,…以外の端末装置3,3,…の帯域占有率の中で最大幅となる通信帯域を要する帯域占有率を判定し(S210)、判定した最大の通信帯域(帯域占有率)を、使用可能な通信帯域の中から予約帯域として確保し(S211)、確保した通信帯域(帯域占有率)を基地局装置2のIPアドレス及びグループIDに対応付けて使用帯域管理テーブル12dに記録する(S212)。また呼制御装置1は、確保した通信帯域を基地局装置2に通知し、基地局装置2に対して確保した通信帯域の使用を禁止する。
呼制御装置1は、制御部10の制御に基づく呼制御手段10aの処理により、接続可否フラグが「1」である呼出可と判定された端末装置3,3,…のIPアドレスに基づいて、端末装置3,3,…を呼び出す通話要求を通信部14から基地局装置2へ有線通信網100を介して送信する(S213)。
そして呼制御装置1及び基地局装置2は、実施の形態1に係る呼接続確立処理のステップS120〜S125に係る処理と同様に、基地局装置2が通話要求を受信してから、呼制御装置1が、呼出に応答した端末装置3のアクセスポイントとなる基地局装置2のIPアドレスを読み取るまでの処理を実行する。
そして呼制御装置1は、制御部20の制御に基づく帯域割当手段20cの処理により、呼出に応答した端末装置3に対して、予約帯域として確保していた通信帯域の中から占有させる通信帯域を割り当てる(S214)。また呼制御装置1は、割り当てた通信帯域を基地局装置2に通知し、基地局装置2に対して確保させていた通信帯域の中から占有させる通信帯域を割り当てさせ、割り当てられなかった通信帯域を解放させる(S215)。
そして呼制御装置1は、実施の形態1の呼接続確立処理のステップS132以降の処理と同様に、呼接続を確立させる処理を実行する。この様にして本発明の実施の形態3に係る呼接続確立処理が実行される。
実施の形態4.
実施の形態4は、実施の形態1において、呼認証制御手段を基地局装置が備える形態である。実施の形態4に係る通信システムの構成例及び通信システムが備える各装置のハードウェア構成は、実施の形態1と同様であるので、実施の形態1と同様の符号を付し、その説明を省略する。
図21は、本発明の実施の形態4に係る通信システムが備える各装置の機能の一例を示す機能ブロック図である。本発明の呼制御装置1は、本発明の呼制御装置用のコンピュータプログラム1000等の呼制御に係る各種コンピュータプログラムを制御部10にて実行することにより、制御部10を、呼制御手段10a等の各種プログラムモジュールとして機能させる。また本発明の呼制御装置用のコンピュータプログラム1000等の呼制御に係る各種コンピュータプログラムを制御部10にて実行することにより、記録部12の記録領域に、グループテーブル12a、特定情報テーブル12b等の各種テーブルを生成する。
本発明の基地局装置2は、本発明の基地局装置用のコンピュータプログラム2000等の各種コンピュータプログラムを制御部20にて実行することにより、制御部20を、帯域導出手段20a、帯域確保手段20b、帯域割当手段20c、呼認証制御手段20d等の各種プログラムモジュールとして機能させる。なお呼認証制御手段20dは、実施の形態1における呼制御装置1に係る呼認証制御手段10bに対応している。また本発明の基地局装置用のコンピュータプログラム2000等の各種コンピュータプログラムを制御部20にて実行することにより、記録部22の記録領域に、使用帯域管理テーブル22a、要求帯域管理テーブル22b等の各種テーブルを生成する。なお基地局装置2は、接続している端末装置3,3,…を管理しているので、実施の形態1に係る帰属テーブル12cは、本形態では必ずしも必要ではない。
次に本発明の実施の形態4に係る通信システムが備える各装置の処理について説明する。図22は、本発明の実施の形態4に係る通信システムが備える呼制御装置1及び基地局装置2の呼接続確立処理の一例を示すフローチャートである。呼制御装置1は、実施の形態1の呼接続確立処理のステップS101〜S105に係る処理と同様に、呼接続の要求を受け付けてからグループ化された呼出の対象となる端末装置3,3,…のIPアドレスを読み取る処理までの処理を実行する。
呼制御装置1は、コンピュータプログラム1000を実行する制御部10の制御により、呼接続の確立を要求する通話要求を通信部14から基地局装置2へ有線通信網100を介して送信する(S301)。通話要求には、呼接続の確立の対象として呼出先となる複数の端末装置3,3,…の特定情報であるIPアドレス及びグループ着信に係るグループIDが示されている。なお基地局装置2が複数である場合、全ての基地局装置2,2,…に対して通話要求が送信される。
基地局装置2は、コンピュータプログラム2000を実行する制御部20の制御により、有線通信部24にて、有線通信網100から通話要求を受信する(S302)。
基地局装置2は、制御部20の制御に基づく呼認証制御手段20dの処理により、通話要求に示されている端末装置3,3,…のIPアドレスに基づいて、自機と接続している端末装置3,3,…の中から呼出先となる端末装置3,3,…を特定する(S303)。なお特定した端末装置3,3,…は、以降の処理において、通話要求に示されたグループIDに対応付けて管理される。
そして基地局装置2は、実施の形態1の呼接続確立処理のステップS108〜S116に係る処理と同様に、無線通信速度の予測値の導出から確保した通信帯域の記録までの処理を実行する。
基地局装置2は、制御部20の制御に基づく呼認証制御手段20dの処理により、接続可否フラグが「1」である呼出可と判定された端末装置3,3,…のIPアドレスに基づいて、端末装置3,3,…を呼び出す通話要求を、無線通信部25から、無線通信網101を介して端末装置3,3,…へ送信する(S304)。
通話要求に示されたIPアドレスに対応する端末装置3,3,…は、通話要求を受け付け、呼び出し音の鳴動等の着呼動作を行う。そして使用者が呼出状態になっている端末装置3を操作して、応答することにより、端末装置3は、呼出に応じることを示す通話応答として200OKパケットを、無線通信網101を介して基地局装置2へ送信する。
基地局装置2は、制御部20の制御に基づく帯域割当手段20cの処理により、無線通信部25にて、無線通信網101を介して通話応答を受信し(S305)、通話応答の送信元である端末装置3に対して、予約帯域として確保していた通信帯域の中から占有させる通信帯域を割り当て(S306)、確保していた通信帯域の中で、割り当てられなかった通信帯域を解放し(S307)、通信帯域の割当、予約の解除及び通信帯域の解放を行うことにより通話が可能となったことを示す情報として通話応答を、有線通信部24から、有線通信網100を介して呼制御装置1へ送信する(S308)。
そして呼制御装置1は、制御部10の制御により、通信部14にて、有線通信網100から通話応答を受信し(S309)、実施の形態1に係る呼接続確立処理のステップS132以降の処理と同様に、呼接続を確立させる処理を実行する。また呼制御装置1は、呼出に応じた端末装置3に対する呼接続の確立に際し、他の呼出の対象となった他の端末装置3に対して通話要求の取消を通知する。なお基地局装置2が複数である場合、他の呼出の対象になった端末装置3,3,…と接続した基地局装置2,2,…は、通話要求の取消の通知を受信すると、割り当てられなかった通信帯域を解放するとともに、通話要求の取消を端末装置3,3,…へと通知し、端末装置3,3,…の鳴動を停止させる。この様にして本発明の実施の形態4に係る呼接続確立処理が実行される。
実施の形態5.
実施の形態5は、実施の形態1において、有線区間での有線通信帯域を検出して、より高精度に帯域占有率を算出する形態である。実施の形態5に係る通信システムの構成例、通信システムが備える各装置のハードウェア構成は、実施の形態1と同様であるので、実施の形態1と同様の符号を付し、その説明を省略する。
図23は、本発明の実施の形態5に係る通信システムが備える各装置の機能の一例を示す機能ブロック図である。本発明の呼制御装置1は、本発明の呼制御装置用のコンピュータプログラム1000等の呼制御に係る各種コンピュータプログラムを制御部10にて実行することにより、制御部10を、呼制御手段10a、呼認証制御手段10b、呼接続の要求にて指定されるSDP(Session Description Protocol)等の規約に基づくセッション情報に含まれるCODEC等の接続の形式の検出及び検出結果に応じた有線通信帯域の決定を行う有線区間管理手段10e等の各種プログラムモジュールとして機能させる。また本発明の呼制御装置用のコンピュータプログラム1000等の呼制御に係る各種コンピュータプログラムを制御部10にて実行することにより、記録部12の記録領域に、グループテーブル12a、特定情報テーブル12b、帰属テーブル12c、セッション情報に含まれる接続の形式にて規定される各種情報を記録する接続形式テーブル12f等の各種テーブルを生成する。
本発明の実施の形態5に基地局装置2の機能構成は、実施の形態1と同様であるので、実施の形態1と同様の符号を付し、その説明を省略する。
図24は、本発明の実施の形態5に係る呼制御装置1が備える接続形式テーブル12fの記録内容の一例を概念的に示す説明図である。接続形式テーブル12fは、RFC3551等の規約にて定義されている情報を示したテーブルであり、接続の形式を示す番号、CODEC、種類情報、有線通信帯域(片道)等の情報が対応付けられたレコード単位で記録されている。種類情報とは、音声(Audio)、映像(Video)等の通信の種類を示すメディア情報である。有線通信帯域(片道)とは、有線区間の通信に使用する片道の帯域であり、必要な通信速度として示している。呼接続の要求には、セッション情報として接続の形式を示す番号が示されており、例えば接続の形式が番号「0」である場合、CODECは「PCMU」、種類情報が「音声(Audio)」、そして有線通信帯域(片道)が「64kbps」となる。なお本発明では、双方向通信を前提としているため、有線通信帯域(片道)が「64kbps」である場合、必要な有線通信帯域は、128kbpsとなる。
次に本発明の実施の形態5に係る通信システムが備える各装置の処理について説明する。図25は、本発明の実施の形態5に係る通信システムが備える呼制御装置1及び基地局装置2の呼接続確立処理の一例を示すフローチャートである。呼制御装置1は、実施の形態1の呼接続確立処理のステップS101〜S105に係る処理と同様に、呼接続の要求の受付から基地局装置2のIPアドレスの読取までの処理を実行する。
呼制御装置1は、コンピュータプログラム1000を実行する制御部10の制御に基づく有線区間管理手段10eの処理により、呼接続の要求に示されている接続の形式を示すセッション情報を読み取ることで接続の形式を検出し(S401)、接続形式テーブル12fを参照し、検出した接続の形式による規定に基づいて、呼接続の有線区間の通信に使用する有線通信帯域を決定する(S402)。例えばセッション情報が「m=audio 49170 RTP/AVP 0」である場合、末尾の「0」が接続の形式を示す番号であり、図24に例示した接続形式テーブル12fを参照することにより、双方向通信に必要な有線通信帯域が「128kbps」に決定される。なお複数の接続の形式が指定されている場合、指定された形式に係る夫々の有線通信帯域の中で最大幅の有線通信帯域に決定する。
呼制御装置1は、制御部10の制御に基づく呼認証制御手段10bの処理により、読み取ったIPアドレスにて示される基地局装置2へ、呼接続の確立に必要な帯域の確保を要求する帯域確保要求を通信部14から有線通信網100を介して送信する(S403)。
図26は、本発明の実施の形態5に係る呼制御装置1から送信される帯域確保要求に含まれる情報の一例を概念的に示す説明図である。帯域確保要求には、呼接続の確立の対象として呼出先となる複数の端末装置3,3,…の特定情報であるIPアドレス、要求の種別、グループ着信に係るグループID及び有線通信帯域が示されている。
図25のフローチャートに戻り、基地局制御装置2は、コンピュータプログラム2000を実行する制御部20の制御により、有線通信部24にて、有線通信網100から帯域確保要求を受信する(S404)。
基地局装置2は、制御部20の制御に基づく帯域導出手段20aの処理により、帯域確保要求に示されている呼出先となる複数の端末装置3,3,…について、呼接続確立時の無線区間の通信に係るリンク速度として無線通信速度の予測値を導出し(S405)、無線通信速度の予測値、及び帯域確保要求に示された有線通信帯域に基づいて、呼出先となる各端末装置3,3,…の呼接続に要する通信帯域(帯域占有率)を夫々導出する(S406)。ステップS406における通信帯域は、実施の形態1に係る式1を用いて導出する。但し、実施の形態1では、有線通信帯域は、予め設定されている値が用いられたのに対し、本形態では、帯域確保要求に示された有線通信帯域を用いることにより、最適な通信帯域を導出することができる。
そして基地局装置2及び呼制御装置1は、実施の形態1の呼接続確立処理のステップS110以降の処理と同様に、呼接続を確立させる処理を実行する。この様にして実施の形態5に係る呼接続確立処理が実行される。
実施の形態6.
実施の形態6は、実施の形態5において、有線区間での有線通信帯域の検出に際し、接続の形式に含まれる映像、音声等の通信の種類を検出し、検出した通信の種類を加味して、より高精度に帯域占有率を算出する形態である。実施の形態6に係る通信システムの構成例、通信システムが備える各装置のハードウェア構成は、実施の形態1と同様であるので、実施の形態1と同様の符号を付し、その説明を省略する。
図27は、本発明の実施の形態6に係る通信システムが備える各装置の機能の一例を示す機能ブロック図である。本発明の呼制御装置1は、本発明の呼制御装置用のコンピュータプログラム1000等の呼制御に係る各種コンピュータプログラムを制御部10にて実行することにより、制御部10を、呼制御手段10a、呼認証制御手段10b、有線区間管理手段10e等の各種プログラムモジュールとして機能させる。また本発明の呼制御装置用のコンピュータプログラム1000等の呼制御に係る各種コンピュータプログラムを制御部10にて実行することにより、記録部12の記録領域に、グループテーブル12a、特定情報テーブル12b、帰属テーブル12c、接続形式テーブル12f、各端末装置3,3,…が対応可能な通信の種類を記録する種類テーブル12g等の各種テーブルを生成する。
本発明の実施の形態6に基地局装置2の機能構成は、実施の形態1と同様であるので、実施の形態1と同様の符号を付し、その説明を省略する。
図28は、本発明の実施の形態6に係る呼制御装置1が備える種類テーブル12gの記録内容の一例を概念的に示す説明図である。種類テーブル12gには、端末装置3,3,…を特定する特定情報であるIPアドレスに対応付けて、対応可能な通信の種類を示す情報がレコード単位で記録されている。例えばIPアドレスが「192.168.1.100」である端末装置3は、「音声(Audio)」通信を行うことが可能であり、IPアドレスが「192.168.1.101」である端末装置3は、「映像(Video)」通信を行うことが可能であり、IPアドレスが「192.168.1.102」である端末装置3は、「音声」通信及び「映像」通信の両方を行うことが可能である。
次に本発明の実施の形態6に係る通信システムが備える各装置の処理について説明する。図29は、本発明の実施の形態6に係る通信システムが備える呼制御装置1及び基地局装置2の呼接続確立処理の一例を示すフローチャートである。呼制御装置1は、実施の形態1の呼接続確立処理のステップS101〜S105に係る処理と同様に、呼接続の要求の受付から基地局装置2のIPアドレスの読取までの処理を実行する。
呼制御装置1は、コンピュータプログラム1000を実行する制御部10の制御に基づく有線区間管理手段10eの処理により、呼接続の要求に示されている接続の形式を示すセッション情報を読み取ることで接続の形式を検出する(S501)。ステップS501では、接続の形式として、一又は複数の通信の種類を検出する。ここでは通信の種類として「音声通信」、「映像通信」及び「音声及び映像通信」が検出されたものとして以降の説明を行う。また実施の形態5で説明した様に、接続の形式を示す番号の読取も行う。
呼制御装置1は、制御部10の制御に基づく有線区間管理手段10eの処理により、種類テーブル12gに基づいて、各端末装置3,3,…に適用する通信の種類を決定する(S502)。図28に例示した種類テーブル12gを用いる場合、192.168.1.100」である端末装置3に適用する通信の種類は「音声」に決定し、IPアドレスが「192.168.1.101」である端末装置3に適用する通信の種類は「映像」に決定し、IPアドレスが「192.168.1.102」である端末装置3に適用する通信の種類は「音声」及び「映像」に決定する。なおステップS501において、通信の種類が「音声」のみである場合、IPアドレスが「192.168.1.101」である端末装置3は、呼接続の対象から除外し、呼出を行わないことを決定する。
呼制御装置1は、制御部10の制御に基づく有線区間管理手段10eの処理により、接続形式テーブル12fを参照し、検出した接続の形式による規定に基づいて、呼接続の有線区間の通信に使用する有線通信帯域を端末装置3,3,…毎に決定する(S503)。ステップS503では、ステップS502にて決定した通信の種類に対応する有線通信帯域を決定する。例えば通信の種類が「音声」である端末装置3の有線通信帯域を「128kbps」に決定し、通信の種類が「映像」である端末装置3の有線通信帯域を「640kbps」に決定し、通信の種類が「音声」及び「映像」である端末装置3の有線通信帯域を「768kbps」に決定する。768kbpsとは、128kbpsと640kbpsとの和である。
呼制御装置1は、制御部10の制御に基づく呼認証制御手段10bの処理により、読み取ったIPアドレスにて示される基地局装置2へ、呼接続の確立に必要な帯域の確保を要求する帯域確保要求を通信部14から有線通信網100を介して送信する(S504)。
図30は、本発明の実施の形態6に係る呼制御装置1から送信される帯域確保要求に含まれる情報の一例を概念的に示す説明図である。帯域確保要求には、呼接続の確立の対象として呼出先となる複数の端末装置3,3,…の特定情報であるIPアドレス、要求の種別、グループ着信に係るグループID及び有線通信帯域が示されている。
図29のフローチャートに戻り、基地局装置2は、コンピュータプログラム2000を実行する制御部20の制御により、有線通信部24にて、有線通信網100から帯域確保要求を受信する(S505)。
基地局装置2は、制御部20の制御に基づく帯域導出手段20aの処理により、帯域確保要求に示されている呼出先となる複数の端末装置3,3,…について、呼接続確立時の無線区間の通信に係るリンク速度として無線通信速度の予測値を導出し(S506)、無線通信速度の予測値、及び帯域確保要求に示された有線通信帯域に基づいて、呼出先となる各端末装置3,3,…の呼接続に要する通信帯域(帯域占有率)を夫々導出する(S507)。ステップS507における通信帯域は、実施の形態1に係る式1を用いて導出する。但し、実施の形態1では、有線通信帯域は、予め設定されている値が用いられたのに対し、本形態では、帯域確保要求に示された端末装置3,3,…毎に決定された有線通信帯域を用いることにより、最適な通信帯域を導出することができる。例えば無線通信速度「11Mbps」、「音声」通信のみで有線通信帯域が「128kbps」である端末装置3の通信帯域を示す帯域占有率は7.4%となり、無線通信速度「5.5Mbps」、「映像」通信のみで有線通信帯域が「640kbps」である端末装置3の通信帯域を示す帯域占有率は25.2%となり、無線通信速度「11Mbps」、「音声」及び「音声」通信を行い有線通信帯域が「768kbps」である端末装置3の通信帯域を示す帯域占有率は32.6%となる。
そして基地局装置2及び呼制御装置1は、実施の形態1の呼接続確立処理のステップS110以降の処理と同様に、呼接続を確立させる処理を実行する。この様にして実施の形態6に係る呼接続確立処理が実行される。
実施の形態7.
実施の形態7は、実施の形態5において、有線区間での有線通信帯域の検出により、選択可能な複数の形式を検出した場合に、接続の形式毎に通信帯域を導出することで、より高精度に帯域占有率を算出する形態である。実施の形態7に係る通信システムの構成例、通信システムが備える各装置のハードウェア構成は、実施の形態1と同様であるので、実施の形態1と同様の符号を付し、その説明を省略する。
実施の形態7に係る通信システムの機能構成は、実施の形態5と同様であるので、実施の形態5と同様の符号を付し、その説明を省略する。ただし要求帯域管理テーブル22bの記録内容は、実施の形態5と異なるので、要求帯域管理テーブル22bについて説明する。図31は、本発明の実施の形態7に係る基地局装置2が備える要求帯域管理テーブル22bの一例を概念的に示す説明図である。実施の形態7に係る要求帯域管理テーブル22bは、グループID及び端末装置3,3,…のIPアドレスに対応付けて、有線通信帯域と、各端末装置3,3,…の呼接続に要する通信帯域を示す帯域占有率と、呼接続の可否を示す接続可否フラグとがレコード単位で記録されている。実施の形態7では、接続の形式毎に通信帯域を導出するため、接続の形式、即ち有線通信帯域毎に導出した通信帯域を要求帯域管理テーブル22bに記録する。
次に本発明の実施の形態7に係る通信システムが備える各装置の処理について説明する。図32及び図33は、本発明の実施の形態7に係る通信システムが備える呼制御装置1及び基地局装置2の呼接続確立処理の一例を示すフローチャートである。呼制御装置1は、実施の形態1の呼接続確立処理のステップS101〜S105に係る処理と同様に、呼接続の要求の受付から基地局装置2のIPアドレスの読取までの処理を実行する。
呼制御装置1は、コンピュータプログラム1000を実行する制御部10の制御に基づく有線区間管理手段10eの処理により、呼接続の要求に示されている接続の形式を示すセッション情報を読み取ることで接続の形式を検出し(S601)、複数の接続の形式が検出された場合、接続形式テーブル12fを参照し、検出した夫々の接続の形式による規定に基づいて、呼接続の有線区間の通信に使用する有線通信帯域の候補を決定する(S602)。例えばセッション情報が「m=audio 49170 RTP/AVP 0 18」である場合、末尾の「0」及び「18」が接続の形式を示す番号であり、実施の形態5の図24に例示した接続形式テーブル12fを参照することにより、双方向通信に要する有線通信帯域の候補が番号「0」に対応する「128kbps」及び番号「18」に対応する「16kbps」に決定される。なお検出した接続の形式が一種類である場合、実施の形態5として以降の処理を実行する。
呼制御装置1は、制御部10の制御に基づく呼認証制御手段10bの処理により、読み取ったIPアドレスにて示される基地局装置2へ、呼接続の確立に必要な帯域の確保を要求する帯域確保要求を通信部14から有線通信網100を介して送信する(S603)。
図34は、本発明の実施の形態7に係る呼制御装置1から送信される帯域確保要求に含まれる情報の一例を概念的に示す説明図である。帯域確保要求には、呼接続の確立の対象として呼出先となる複数の端末装置3,3,…の特定情報であるIPアドレス、要求の種別、グループ着信に係るグループID及び有線通信帯域の複数の候補が示されている。
図32及び図33のフローチャートに戻り、基地局装置2は、コンピュータプログラム2000を実行する制御部20の制御により、有線通信部24にて、有線通信網100から帯域確保要求を受信する(S604)。
基地局装置2は、制御部20の制御に基づく帯域導出手段20aの処理により、帯域確保要求に示されている呼出先となる複数の端末装置3,3,…について、呼接続確立時の無線区間の通信に係るリンク速度として無線通信速度の予測値を導出し(S605)、無線通信速度の予測値、及び帯域確保要求に示された複数の有線通信帯域の夫々に基づいて、呼出先となる各端末装置3,3,…の呼接続に要する通信帯域(帯域占有率)を、接続の形式毎に、即ち有線通信帯域毎に夫々導出する(S606)。ステップS605における通信帯域は、実施の形態1に係る式1を用いて導出する。ステップS606では、例えば各端末装置3,3,…について、有線通信帯域が128kbpsの場合の通信帯域及び16kbpsの場合の通信帯域を導出する。例えば無線通信速度「11Mbps」の端末装置3については、有線通信帯域が128kbpsの場合の通信帯域を示す帯域占有率は7.4%となり、16kbpsの場合は5.2%となる。また無線通信速度「5.5Mbps」の端末装置3については、有線通信帯域が128kbpsの場合の通信帯域を示す帯域占有率は9.3%となり、16kbpsの場合は5.4%となる。さらに無線通信速度「2Mbps」の端末装置3については、有線通信帯域が128kbpsの場合の通信帯域を示す帯域占有率は15.6%となり、16kbpsの場合は6.0%となる。
基地局装置2は、制御部20の制御に基づく帯域導出手段20aの処理により、呼出先となる端末装置3,3,…のIPアドレス、導出した無線通信速度、及び導出した接続の形式(有線通信帯域)毎の帯域占有率(通信帯域)を対応付けて記憶部23に記憶させる(S607)。
基地局装置2は、制御部20の制御に基づく帯域確保手段20bの処理により、使用帯域管理テーブル22aに基づいて使用可能な帯域占有率を検出し(S608)、ステップS607にて記憶した帯域占有率が、使用可能な帯域占有率(通信帯域)を超える端末装置3,3,…及び有線通信帯域(接続の形式)の組み合わせを、呼接続を確立すべく呼出を行う対象から除外し(S609)、呼出の対象となる端末装置3,3,…のグループID、端末装置3,3,…のIPアドレス、有線通信帯域(接続の形式)、導出した帯域占有率及び接続可否フラグを要求帯域管理テーブル22bに記録する(S610)。ステップS608において、既に90.0%の通信帯域が使用されており、使用可能な帯域占有率が10%であることが検出された場合、ステップS610では、10%を超える帯域占有率を要する端末装置3,3,…及び有線通信帯域の組み合わせは呼出の対象から除外される。例えば図31では、IPアドレス「192.168.1.102」である端末装置3は、帯域占有率が「15.6%」である有線通信帯域が「128kbps」の場合に、接続可否フラグが「0」となり、呼出の対象から除外されている。但し、当該端末装置3であっても有線通信帯域が「16kbps」の場合、帯域占有率は「6.0%」となるので呼出の対象となる。
基地局装置2は、制御部20の制御に基づく帯域確保手段20bの処理により、要求帯域管理テーブル22bを参照して、除外した端末装置3,3,…及び有線通信帯域の組み合わせ以外の端末装置3,3,…の夫々の帯域占有率の中で最大幅となる通信帯域を要する帯域占有率を判定し(S611)、判定した最大の通信帯域(帯域占有率)を、使用可能な通信帯域の中から予約帯域として確保し(S612)、確保した通信帯域(帯域占有率)をグループIDに対応付けて使用帯域管理テーブル22aに記録する(S613)。例えば図31の場合、最大幅となる通信帯域を示す帯域占有率は、「9.3%」となる。
そして基地局装置2は、制御部20の制御により、帯域確保要求に対する結果応答を、有線通信部24から有線通信網100を介して呼制御装置1へ送信する(S614)。
図35は、本発明の実施の形態8に係る基地局装置2から送信される結果応答に含まれる情報の一例を概念的に示す説明図である。結果応答には、グループIDに対応する端末装置3,3,…のIPアドレス及び有線通信帯域毎の呼出の可否が示されている。図35に示す例では、IPアドレスが「192.168.1.100」及び「192.168.1.101」である端末装置3,3は、有線通信帯域「128kbps」による呼接続を前提とした呼出が可能であり、IPアドレスが「192.168.1.102」である端末装置3は、有線通信帯域が「16kbps」による呼接続を前提とした呼出が可能である。なお一の端末装置3に複数の有線通信帯域に対応することが可能である場合、当該端末装置3については、高品質の呼接続を確立すべく最大幅の有線通信帯域のみを結果応答として通知する様にしても良い。
図32及び図33のフローチャートに戻り、呼制御装置1は、実施の形態1の呼接続確立処理のステップS118〜S125に係る処理と同様に、結果応答の受信から基地局装置2のIPアドレスの読取までの処理を実行する。但し、呼接続を確立すべき端末装置3に複数の有線通信帯域が対応付けられている場合、最大幅の有線通信帯域を選択する。
呼制御装置1は、制御部10の制御に基づく呼認証制御手段10bの処理により、読み取ったIPアドレスにて示される基地局装置2へ、呼接続を確立する端末装置3のIPアドレス及びグループID並びに有線通信帯域を示す接続の形式を通知する端末装置通知を通信部14から基地局装置2へ有線通信網100を介して送信する(S615)。
そして基地局装置2及び呼制御装置1は、実施の形態1の呼接続確立処理のステップS127以降の処理と同様に、呼接続を確立させる処理を実行する。なお確立される呼接続の形式は、接続を確立する端末装置3,3,…毎に異なるものとなる。この様にして実施の形態7に係る呼接続確立処理が実行される。
実施の形態8.
実施の形態8は、実施の形態1において、呼び出すべき端末装置の呼接続に必要な通信帯域が大きい場合で、その他適宜設定される所定の条件を満足したときに、当該端末装置を呼出の対象から除外する形態である。実施の形態8に係るシステムの構成例、通信システムが備える各装置のハードウェア構成は、実施の形態1と同様であるので、実施の形態1と同様の符号を付し、その説明を省略する。
図36は、本発明の実施の形態8に係る通信システムが備える各装置の機能の一例を示す機能ブロック図である。本発明の呼制御装置1は、本発明の呼制御装置用のコンピュータプログラム1000等の呼制御に係る各種コンピュータプログラムを制御部10にて実行することにより、制御部10を、呼制御手段10a、呼認証制御手段10b等の各種プログラムモジュールとして機能させる。また本発明の呼制御装置用のコンピュータプログラム1000等の呼制御に係る各種コンピュータプログラムを制御部10にて実行することにより、記録部12の記録領域に、グループテーブル12a、特定情報テーブル12b、端末装置3,3,…の呼出条件(ポリシー)を記録する条件テーブル12h等の各種テーブルを生成する。
本発明の基地局装置2は、本発明の基地局装置用のコンピュータプログラム2000等の各種コンピュータプログラムを制御部20にて実行することにより、制御部20を帯域導出手段20a、帯域確保手段20b、帯域割当手段20c等の各種プログラムモジュールとして機能させる。また本発明の基地局装置2は、本発明の基地局装置用のコンピュータプログラム2000等の各種コンピュータプログラムを制御部20にて実行することにより、記録部22の記録領域に、使用帯域管理テーブル22a、要求帯域管理テーブル22b、端末装置3,3,…の呼出条件(ポリシー)を記録する条件テーブル22c等の各種テーブルを生成する。
以降の説明において、端末装置3,3,…の呼出条件として、判定の対象となる端末装置3の呼接続の確立に要する通信帯域に係る帯域占有率が所定値、ここでは20%以上で、判定の対象となる端末装置3の呼接続を確立した場合に、使用可能な通信帯域が所定値、ここでは50%以上削減され(半減し)、かつ呼出の対象となる端末装置3,3,…が所定値、ここでは三台以上であるときに、判定の対象となる端末装置3を呼接続の確立を前提とした呼出の対象から除外するという条件が設定されているものとする。即ち呼出に対して応答可能な端末装置3,3,…が三台以上有る場合には、通信帯域を著しく消費する端末装置3の呼接続の確立を禁止するという条件である。この様な条件を設定した場合、帯域占有率及び使用可能な通信帯域の変化に関する条件は、基地局装置2が備える条件テーブル22cに記録され、台数に関する条件は、呼制御装置1が備える条件テーブル12hに記録される。なお条件によっては、呼制御装置1及び基地局装置2の一方の装置のみが条件テーブルを有する場合もある。
次に本発明の実施の形態8に係る通信システムが備える各装置の処理について説明する。図37は、本発明の実施の形態8に係る通信システムが備える呼制御装置1及び基地局装置2の呼接続処理の一例を示すフローチャートである。呼制御装置1は、実施の形態1の呼接続確立処理のステップS101〜S116に係る処理と同様に、呼接続の要求の受付から通信帯域の記録までの処理を実行する。
基地局装置2は、コンピュータプログラム2000を実行する制御部20の制御に基づく帯域確保手段20bの処理により、条件テーブル22cを参照して、呼出の対象から除外する候補となる端末装置3を判定する(S701)。ステップS115までの処理で、呼接続の確立に要する通信帯域が使用可能な通信帯域を超える端末装置3,3,…は、除外されているので、ステップS701では、ステップS115までの処理で除外されていない端末装置3,3,…の夫々について、要求帯域管理テーブル22bに記録した帯域占有率が20%以上であり、かつ使用可能な帯域占有率を50%以上削減する(半減させる)か否かを判定し、当該条件に該当する端末装置3,3,…を除外の候補として判定する処理を実行する。なお当該条件に該当する端末装置3,3,…が存在しない場合、ステップS701の結果は特定の対象となる端末装置3は存在しないと判定する。この様な場合、以降の処理は、実施の形態1のステップS116以降の処理と同様となる。例えば呼出の対象となる端末装置3,3,…が三台で、帯域占有率が夫々7.4%、9.3%及び25.6%であり、かつ使用可能な通信帯域が44.6%である場合、帯域占有率が25.6%である端末装置3は、帯域占有率が20%以上であり、かつ使用可能な帯域占有率を50%以上削減、即ち22.3%以下とすることから除外の候補として判定する。なおこの段階ではあくまでも除外の候補であるので、帯域占有率の確保は25.6%である。
そして基地局装置2は、制御部20の制御により、帯域確保要求に対する結果応答を、有線通信部24から有線通信網100を介して呼制御装置1へ送信する(S702)。
図38は、本発明の実施の形態8に係る基地局装置2から送信される結果応答に含まれる情報の一例を概念的に示す説明図である。結果応答には、グループIDに対応する端末装置3,3,…のIPアドレス及び呼出の可否が示されている。図38に示す例では、IPアドレスが「192.168.1.100」及び「192.168.1.101」である端末装置3,3が呼出可であり、IPアドレスが「192.168.1.102」である端末装置3が除外候補であることが示されている。除外候補とは、呼出可であるが、呼制御装置1にて判定される条件によっては呼出除外の対象となることを示している。
図37のフローチャートに戻り、呼制御装置1は、コンピュータプログラム1000を実行する制御部10の制御に基づく呼認証制御手段10bの処理により、通信部14にて、有線通信網100から結果応答を受信し(S703)、結果応答に呼出除外の対象となる端末装置3,3,…が示されているか否かを判定し、呼出除外の候補となる端末装置3,3,…が示されていると判定した場合、条件テーブル12hを参照して、呼出除外の候補となる端末装置3,3,…の中から、呼出の対象から除外する端末装置3,3,…を判定する(S704)。ステップS704では、呼出の候補となる端末装置3,3,…が三台以上であるか否かを判定し、三台以上であると判定した場合、呼出除外の候補である端末装置3,3,…を呼出の対象から除外する。ここでは呼出の候補となる端末装置3,3,3が三台であり、呼出除外の候補である端末装置3を呼出の対象から除外したものとして以降の説明を行う。なお結果応答に呼出除外の対象となる端末装置3,3,…が示されていない場合、又は呼出の候補となる端末装置3,3,…が三台未満である場合、実施の形態1のステップS119以降の処理を実行する。また呼出の対象から除外することにより、呼出の候補となる端末装置3が存在しなくなる場合には、帯域占有率が最小の端末装置3を呼出の候補とする等、適宜条件設定を行うことが可能である。
呼制御装置1は、制御部10の制御に基づく呼認証制御手段10bの処理より、呼出除外の候補であった端末装置3を呼出の対象から除外したことを通知し、確保している通信帯域の修正を要求する帯域修正要求を、通信部14から基地局装置2へ有線通信網100を介して送信する(S705)。
基地局装置2は、制御部20の制御に基づく帯域確保手段20bの処理により、有線通信部24にて、有線通信網100を介して帯域修正要求を受信し(S706)、受信した帯域修正要求に従い、使用帯域管理テーブル22aに記録している通信帯域を修正する(S707)。例えば呼出の対象となる端末装置3,3,…が三台で、帯域占有率が夫々7.4%、9.3%及び25.6%であって、25.6%の通信帯域を確保していた場合、確保する通信帯域を25.6%から次に帯域幅が大きい9.3%に修正する。
そして基地局装置2は、制御部20の制御により、帯域修正要求に対する修正を完了したことを示す修正完了通知を、有線通信部24から有線通信網100を介して呼制御装置1へ送信する(S708)。
呼制御装置1は、制御部10の制御に基づく呼認証制御手段10bの処理により、通信部14にて、有線通信網100から修正完了通知を受信する(S709)。
そして基地局装置2及び呼制御装置1は、実施の形態1の呼接続確立処理のステップS119以降の処理と同様に、呼接続を確立させる処理を実行する。この様にして実施の形態8に係る呼接続確立処理が実行される。
前記実施の形態は、本発明の無数に存在する形態の一例を示したに過ぎず、様々な形態に展開することが可能である。また前記実施の形態1乃至8は、夫々独立した形態ではなく、適宜組み合わせることが可能である。