JP4867882B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、吸気弁の開閉特性を変更する可変動弁機構を制御する内燃機関の制御装置に関する。
内燃機関の可変動弁機構として、吸気弁の開閉特性である開弁期間(バルブ作用角)の変更を行うバルブ作用角可変機構や開閉時期(バルブタイミング)の変更を行うバルブタイミング可変機構が知られている。
さらには、バルブ作用角可変機構とバルブタイミング可変機構とを備え、バルブ作用角の切り替え時に、バルブタイミング可変機構を制御して吸気充填効率を緩らかに変化させ、吸気充填効率の急激な変化に伴うトルクショックを抑制する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、低速バルブタイミングと高速バルブタイミングとの切り替え時に、燃料噴射量が一致する時点で切り替えを実施することで、切り替え前後で吸入空気量を一致させてトルクショックを生じさせない技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平5−1575号公報 特許第2619696号公報
従来技術にあるように、吸気弁のバルブ作用角を瞬間的に切り替える場合には、吸入空気量が急激に変化するため、トルクショックが生じてしまう。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、内燃機関の制御装置において、吸気弁のバルブ作用角切り替え時のトルクショックを抑制する技術を提供することにある。
本発明にあっては、以下の構成を採用する。すなわち、本発明は、
吸気弁のバルブ作用角を少なくとも2段階に切り替え可能な吸気弁バルブ作用角可変機構を備えた内燃機関の制御装置において、
前記吸気弁のバルブタイミングを変更可能な吸気弁バルブタイミング可変機構をさらに備え、
前記吸気弁のバルブ作用角を切り替える場合に、前記吸気弁のバルブタイミングを前記吸気弁のバルブ作用角の切り替え後における前記吸気弁の閉弁時期が前記吸気弁のバルブ作用角の切り替え前における前記吸気弁の閉弁時期と下死点に対して略対称となるバルブタイミングに制御することを特徴とする内燃機関の制御装置である。
本発明によると、吸気弁のバルブ作用角の切り替え後における吸気弁の閉弁時期が吸気弁のバルブ作用角の切り替え前における吸気弁の閉弁時期と下死点に対して略対称となる。ここで、内燃機関の吸入特性は吸気弁の閉弁時期が支配的である。そして、吸気弁の閉弁時期が下死点を基準に進角される場合の進角量と吸気弁の閉弁時期が下死点を基準に遅角される場合の遅角量とがほぼ等しければ、吸気弁閉弁時筒内容積がほぼ等しくなり、吸入空気量もほぼ等しくなる。よって、吸気弁のバルブ作用角の切り替え後における吸気弁の閉弁時期が吸気弁のバルブ作用角の切り替え前における吸気弁の閉弁時期と下死点に対して略対称となると、吸気弁のバルブ作用角にかかわらず、吸入空気量がほぼ一致する。
したがって、吸気弁のバルブ作用角の切り替え前後で吸入空気量がほぼ一致し、吸入空気量が急激に変化しないため、吸気弁のバルブ作用角の切り替え前後のトルク変化はほぼなくなり、吸気弁のバルブ作用角切り替え時のトルクショックを抑制できる。
前記吸気弁のバルブ作用角を小作用角から大作用角に切り替えるときに、前記吸気弁のバルブ作用角の切り替え前における前記吸気弁の閉弁時期が下死点よりも進角側のタイミングであり、前記吸気弁のバルブタイミングを前記吸気弁のバルブ作用角の切り替え前後で前記吸気弁の閉弁時期が略同一となるバルブタイミングに制御すると、吸排気弁のバルブオーバーラップが所定量以上となる場合に、前記吸気弁のバルブタイミングを前記吸気弁のバルブ作用角の切り替え後における前記吸気弁の閉弁時期が前記吸気弁のバルブ作用角の切り替え前における前記吸気弁の閉弁時期と下死点に対して略対称となるバルブタイミングに制御するとよい。
吸気弁のバルブ作用角を小作用角から大作用角に切り替えるときに、吸気弁のバルブ作用角の切り替え前後で吸気弁の閉弁時期が略同一のタイミングであれば、吸気弁のバルブ作用角にかかわらず、吸入空気量がほぼ一致し、吸気弁のバルブ作用角切り替え時のトルクショックを抑制できる。しかし、吸気弁のバルブ作用角の切り替え前後で吸気弁の閉弁時期が略同一のタイミングに制御すると、吸気弁のバルブ作用角切り替え後に、吸気弁の開弁期間と排気弁の開弁期間が重なる吸排気弁のバルブオーバーラップが増加してしまう場合がある。吸排気弁のバルブオーバーラップが増加すると、内燃機関の筒内に残留する燃焼ガス或いは一旦筒内から排気通路へ排出されて再度筒内へ戻される燃焼ガス、いわゆる内部EGRガスが増加してしまう。この内部EGRガスが増加すると、燃焼が悪化し、燃焼悪化に起因して失火する場合がある。このため、吸気弁のバルブ作用角を小作用角から大作用角に切り替え、吸気弁のバルブ作用角の切り替え前後で吸気弁の閉弁時期が略同一のタイミングとなる場合に、排気弁のバルブタイミングを排気弁の閉弁時期を進角させて吸排気弁のバルブオーバーラップを減少させるバルブタイミングに制御することも考えられる。これによれば、吸気弁のバルブ作用角切り替え後の吸排気弁のバルブオーバーラップが減少し、内部EGRガスを減少させることができる。したがって、内部EGRガスが増加して燃焼が悪化することを抑制でき、燃焼悪化に起因して失火することを抑制できる。しかし、排気弁のバルブタイミングを排気弁の閉弁時期を進角させて吸排気弁のバルブオーバーラップを減少させるバルブタイミングに制御すると、排気弁の開弁時期が極端に進角されて早くなり、膨張行程を十分に取れず、燃焼による発生熱エネルギを仕事に使う量が減少し、仕事量減少に起因する燃費悪化が生じてしまう。
これに対し、本発明によると、吸気弁のバルブタイミングを吸気弁のバルブ作用角の切り替え後における吸気弁の閉弁時期が吸気弁のバルブ作用角の切り替え前における吸気弁の閉弁時期と下死点に対して略対称となるバルブタイミングに制御する。これによれば、吸気弁のバルブ作用角にかかわらず、吸気弁のバルブ作用角切り替え前後の吸入空気量がほぼ一致し、吸気弁のバルブ作用角切り替え時のトルクショックを抑制できる。また、吸気弁のバルブ作用角切り替え後の吸排気弁のバルブオーバーラップが過度に増加しないので、内部EGRガスが過度に増加しない。したがって、内部EGRガスが過度に増加して燃焼が悪化することを抑制でき、燃焼悪化に起因して失火することを抑制できる。加えて、排気弁のバルブタイミングを変更しないので、排気弁の開弁時期が極端に進角されて早くなることはない。このため、排気弁の開弁時期が極端に進角されて早い場合に膨張行程を十分に取れず燃焼による発生熱エネルギを仕事に使う量が減少するために生じる仕事量減少に起因する燃費悪化を抑制できる。
なお、本発明における吸排気弁のバルブオーバーラップの所定量とは、それ以上のバルブオーバーラップ量であると、内部EGRガスが過度に増加し、燃焼が悪化し、燃焼悪化に起因して失火するおそれのある量である。
前記吸気弁のバルブ作用角を大作用角から小作用角に切り替えるときに、前記吸気弁のバルブ作用角の切り替え前における前記吸気弁の閉弁時期が下死点よりも遅角側のタイミングであり、前記吸気弁のバルブタイミングを前記吸気弁のバルブ作用角の切り替え前後で前記吸気弁の閉弁時期が略同一となるバルブタイミングに制御すると、前記吸気弁のバルブ作用角の切り替え後における前記吸気弁の開弁時期が所定時期以上に遅角される場合に、前記吸気弁のバルブタイミングを前記吸気弁のバルブ作用角の切り替え後における前記吸気弁の閉弁時期が前記吸気弁のバルブ作用角の切り替え前における前記吸気弁の閉弁時期と下死点に対して略対称となるバルブタイミングに制御するとよい。
吸気弁のバルブ作用角を大作用角から小作用角に切り替えるときに、吸気弁のバルブ作用角の切り替え前後で吸気弁の閉弁時期が略同一のタイミングであれば、吸気弁のバルブ作用角にかかわらず、吸入空気量がほぼ一致し、吸気弁のバルブ作用角切り替え時のトルクショックを抑制できる。しかし、吸気弁のバルブ作用角の切り替え前後で吸気弁の閉弁時期が略同一のタイミングに制御すると、吸気弁のバルブ作用角切り替え後の吸気弁の開弁時期が極端に遅角されて遅くなる場合がある。吸気弁の開弁時期が極端に遅角されて遅いと、増大した筒内負圧の影響で吸気流速が急激に速まり吸気弁付近で摩擦熱が発生するため内燃機関の筒内温度が上昇し、ノッキングが発生し易くなる。このノッキングを抑制するため、内燃機関の点火時期を遅角すると、点火時期遅角に起因する燃費悪化が生じてしまう。
これに対し、本発明によると、吸気弁のバルブタイミングを吸気弁のバルブ作用角の切り替え後における吸気弁の閉弁時期が吸気弁のバルブ作用角の切り替え前における吸気弁の閉弁時期と下死点に対して略対称となるバルブタイミングに制御する。これによれば、吸気弁のバルブ作用角にかかわらず、吸気弁のバルブ作用角切り替え前後の吸入空気量がほぼ一致し、吸気弁のバルブ作用角切り替え時のトルクショックを抑制できる。また、吸気弁のバルブ作用角の切り替え後における吸気弁の閉弁時期が下死点よりも進角側のタイミングになり、吸気弁のバルブ作用角の切り替え後における吸気弁の開弁時期も進角される。したがって、吸気弁の開弁時期が極端に遅角されて遅いために発生し易かったノッキングを抑制できる。さらに、ノッキングを抑制するために内燃機関の点火時期を遅角する必要が無くなり、点火時期遅角に起因する燃費悪化を抑制できる。
なお、本発明における吸気弁の開弁時期の所定時期とは、それ以上の遅角された遅い時期であると、増大した筒内負圧の影響で吸気流速が急激に速まり吸気弁付近で摩擦熱が発生するため筒内温度が上昇し、ノッキングが発生し易くなる時期である。
前記吸気弁のバルブ作用角を大作用角から小作用角に切り替えるときに、前記吸気弁のバルブ作用角の切り替え前における前記吸気弁の閉弁時期が下死点よりも遅角側のタイミングであり、前記吸気弁のバルブタイミングを前記吸気弁のバルブ作用角の切り替え前後で前記吸気弁の閉弁時期が略同一となるバルブタイミングに制御すると、前記吸気弁のバルブ作用角の切り替え後における前記吸気弁の開弁時期が所定時期以上に遅角されても、燃料の蒸発特性が悪い場合には、前記吸気弁のバルブタイミングを前記吸気弁のバルブ作用角の切り替え前後で前記吸気弁の閉弁時期が略同一となるバルブタイミングに制御するとよい。
冷間時や、燃料にアルコールなどを含む重質燃料を使用している場合などには、燃料の蒸発特性が悪くなる。燃料の蒸発特性が悪い場合には、吸気ポートに向けて噴射された燃料が吸気ポート壁面に液状のまま付着してしまうポートウェットが増大し、内燃機関の燃焼に用いられる燃料が減少するので、所望の燃焼を得るためには燃料の増量が必要となる。そこで、本発明によると、燃料の蒸発特性が悪い場合には、吸気弁のバルブタイミング
を吸気弁のバルブ作用角の切り替え前後で吸気弁の閉弁時期が略同一となるバルブタイミングに制御する。これによれば、吸気弁のバルブ作用角切り替え後の吸気弁の開弁時期が極端に遅角されて遅くなる。そして、吸気弁の開弁時期が極端に遅角されて遅いと、増大した筒内負圧の影響で吸気流速が急激に速まる。この急激に速まった吸気流速は、吸気ポート壁面に液状のまま付着した燃料を内燃機関の筒内へ流し込み、ポートウェットを減少させる。また、吸気流速が急激に速まると、吸気弁付近で摩擦熱が発生するため内燃機関の筒内温度が上昇する。この上昇した筒内温度は、燃料の霧化を促進する。したがって、ポートウェット増大に起因して内燃機関の燃焼に用いられる燃料が減少することを抑制でき、吸気弁のバルブ作用角切り替え時の燃料の増量を低減できる。
本発明によると、内燃機関の制御装置において、吸気弁のバルブ作用角切り替え時のトルクショックを抑制することができる。
以下に本発明の具体的な実施例を説明する。
<実施例1>
図1は、本実施例に係る内燃機関の制御装置を適用する内燃機関の概略構成を示す図である。図1に示す内燃機関1は、ガソリンを燃料とする火花点火式の内燃機関(ガソリンエンジン)である。
内燃機関1のシリンダヘッド2には、燃焼室3に連通する吸気ポート4と排気ポート5とが各々設けられている。シリンダヘッド2には、吸気ポート4を開閉する吸気弁6と、排気ポート5を開閉する排気弁7とが設けられている。
吸気弁6には、当該吸気弁6の開閉特性を変更する可変動弁機構が設けられている。この可変動弁機構として、吸気弁6の開閉特性である開弁期間(バルブ作用角)の変更を行う吸気弁バルブ作用角可変機構8と、吸気弁6の開閉特性である開閉時期(バルブタイミング)の変更を行う吸気弁バルブタイミング可変機構9とを備えている。
本実施例における吸気弁バルブ作用角可変機構8は、吸気弁6のリフト量と共にバルブ作用角を2段階に変更する機構である。ここでは、吸気弁6のリフト量及びバルブ作用角が小さい方を小作用角、吸気弁6のリフト量及びバルブ作用角が大きい方を大作用角という。
なお、本実施例では、吸気弁バルブ作用角可変機構8は、吸気弁6のリフト量と共にバルブ作用角を2段階に変更するだけの機構であったが、本発明としては、バルブ作用角を少なくとも2段階に変更できればよく、例えば、バルブ作用角を2段階以上の3段階などに変更できるものにも適用できるし、バルブ作用角を連続的に変更できるものでもバルブ作用角を瞬間的に大きさの離れた作用角に変更する場合に適用できる。
一方、本実施例における吸気弁バルブタイミング可変機構9は、吸気弁6のバルブ作用角を一定に維持したまま吸気弁6の開閉タイミングを連続的に変更する機構である。
シリンダヘッド2には、内燃機関1の筒内にて火花を発生する点火プラグ10が設けられている。
シリンダヘッド2には、吸気ポート4に連通する吸気管11と、排気ポート5に連通する排気管12とが接続されている。また、吸気管11には、吸気ポート4へ向けて燃料を
噴射する燃料噴射弁13が設けられている。吸気管11には、エアフローメータ14が設けられている。
エアフローメータ14は、電子制御ユニット(ECU)15と電気的に接続され、該エアフローメータ14の出力信号がECU15に入力されるようになっている。ECU15には、エアフローメータ14に加え、内燃機関1に取り付けられた水温センサ16及びクランクポジションセンサ17などの各種センサが電気的に接続されている。
ECU15は、各種センサの出力信号に基づいて、吸気弁バルブ作用角可変機構8、吸気弁バルブタイミング可変機構9、点火プラグ10、及び燃料噴射弁13を電気的に制御することが可能になっている。
次に、本実施例における吸気弁バルブ作用角可変機構8の制御について説明する。図2は、本実施例における内燃機関1の運転状態に応じた吸気弁のバルブ作用角の使用領域を例示した概略図である。図2の横軸は内燃機関1の機関回転数NEを表し、縦軸は内燃機関1の機関負荷を表している。
図2において、内燃機関1の運転状態が低負荷・低回転の領域では、吸入空気量が少なくてすむので、吸気弁6のバルブ作用角に小作用角が選択される。吸気弁6のバルブ作用角が小作用角であることで、吸気管11に設けられるスロットル弁開度の上昇を図ると共にポンプ損失の低減を図っている。内燃機関1の運転状態が高負荷及び/又は高回転の領域では、吸入空気量が多く必要なので、吸気弁6のバルブ作用角に大作用角が選択される。
このように、吸気弁バルブ作用角可変機構8を用いて吸気弁6のバルブ作用角を小作用角と大作用角とに切り替えるようにしている。
ところで、例えば内燃機関1の運転状態が低負荷・低回転の領域から高負荷領域及び/又は高回転領域へ移行する場合には、吸気弁バルブ作用角可変機構8により、吸気弁6のバルブ作用角は小作用角から大作用角に瞬間的に切り替わる。また、内燃機関1の運転状態が高負荷領域及び/又は高回転領域から低負荷・低回転の領域へ移行する場合には、吸気弁バルブ作用角可変機構8により、吸気弁6のバルブ作用角は大作用角から小作用角に瞬間的に切り替わる。
そして、吸気弁6のバルブ作用角が小作用角から大作用角に瞬間的に切り替わる場合には、吸入空気量が切り替え後に急激に増加し、トルクショックが生じてしまう。また、吸気弁6のバルブ作用角が大作用角から小作用角に瞬間的に切り替わる場合には、吸入空気量が切り替え後に急激に減少し、トルクショックが生じてしまう。これらのように吸気弁6のバルブ作用角を瞬間的に切り替える場合には、吸入空気量が瞬間的に急激に変化するため、トルクショックが生じてしまう。
そこで、上記のように吸気弁6のバルブ作用角を切り替える場合に、吸気弁6のバルブタイミングを吸気弁6のバルブ作用角の切り替え前後で吸気弁6の閉弁時期(IVC)が略同一となるバルブタイミングに制御することが考えられる。
図3は、一例として、吸気弁6のバルブ作用角を小作用角から大作用角に切り替えるときに、吸気弁6のバルブタイミングを吸気弁6のバルブ作用角の切り替え前後で吸気弁6の閉弁時期が略同一となるバルブタイミングに制御する場合の説明図である。
これによると、吸気弁6のバルブ作用角の切り替え前後で吸気弁6の閉弁時期が略同一
のタイミングとなる。ここで、内燃機関1の吸入特性は吸気弁6の閉弁時期が支配的である。よって、吸気弁6の閉弁時期が略同一のタイミングであると、吸気弁6のバルブ作用角にかかわらず、吸入空気量がほぼ一致する。したがって、吸気弁6のバルブ作用角の切り替え前後で吸入空気量がほぼ一致し、吸入空気量が急激に変化しないため、吸気弁6のバルブ作用角の切り替え前後のトルク変化はほぼなくなり、吸気弁6のバルブ作用角切り替え時のトルクショックを抑制できる。
しかし、図3に示すように、排気弁7のバルブタイミングを変更しない場合には、吸気弁6のバルブ作用角切り替え後に、吸気弁6の開弁期間と排気弁7の開弁期間が重なる吸排気弁のバルブオーバーラップ(O/L)が過度に増加してしまう場合がある。吸排気弁のバルブオーバーラップが過度に増加すると、内燃機関1の筒内に残留する燃焼ガス或いは一旦筒内から排気ポート5へ排出されて再度筒内へ戻される燃焼ガス、いわゆる内部EGRガスが過度に増加してしまう。内部EGRガスが過度に増加すると、燃焼が悪化し、燃焼悪化に起因して失火する場合がある。
そこで、吸気弁6のバルブ作用角を小作用角から大作用角に切り替えると共に吸気弁6のバルブタイミングを吸気弁6のバルブ作用角の切り替え前後で吸気弁6の閉弁時期が略同一のタイミングとなるバルブタイミングに制御するときに、排気弁7のバルブタイミングを排気弁7の閉弁時期を進角させて吸排気弁のバルブオーバーラップを内部EGRガスが規定量以下となるように減少させるバルブタイミングに制御することが考えられる。
ここで、内部EGRガスの規定量とは、内部EGRガスがそれ以下の量であると燃焼を悪化させず、燃焼悪化に起因した失火を抑制できる量である。
図4は、吸気弁6のバルブ作用角を小作用角から大作用角に切り替えるときに、吸気弁6のバルブタイミングを吸気弁6のバルブ作用角の切り替え前後で吸気弁6の閉弁時期が略同一となるバルブタイミングにすると共に、排気弁7のバルブタイミングを排気弁7の閉弁時期を進角させて吸排気弁のバルブオーバーラップを内部EGRガスが規定量以下となるように減少させるバルブタイミングに制御する場合を示す説明図である。
これによると、排気弁7のバルブタイミングを排気弁7の閉弁時期を進角させて吸排気弁のバルブオーバーラップを減少させるバルブタイミングに制御するので、切り替え後の吸排気弁のバルブオーバーラップが減少し、内部EGRガスを減少させることができる。したがって、内部EGRガスが過度に増加して燃焼が悪化することを抑制でき、燃焼悪化に起因して失火することを抑制できる。
しかし、排気弁7のバルブタイミングを排気弁7の閉弁時期を進角させて吸排気弁のバルブオーバーラップを減少させるバルブタイミングに制御すると、排気弁7の開弁時期(EVO)が極端に進角されて早くなる。排気弁7の開弁時期が極端に進角されて早くなると、膨張行程を十分に取れず、燃焼による発生熱エネルギを仕事に使う量が減少し、仕事量減少に起因する燃費悪化が生じてしまう。
そこで、本実施例では、吸気弁6のバルブ作用角を小作用角から大作用角に切り替えるときに、吸気弁6のバルブ作用角の切り替え前における吸気弁6の閉弁時期が下死点よりも進角側のタイミングであり、吸気弁6のバルブタイミングを吸気弁6のバルブ作用角の切り替え前後で吸気弁6の閉弁時期が略同一となるバルブタイミングに制御すると、吸排気弁のバルブオーバーラップが所定量以上となる場合に、吸気弁バルブタイミング可変機構9により、吸気弁6のバルブタイミングを吸気弁6のバルブ作用角の切り替え後における吸気弁6の閉弁時期が吸気弁6のバルブ作用角の切り替え前における吸気弁6の閉弁時期と下死点に対して略対称となるバルブタイミングに制御するようにした。
なお、吸排気弁のバルブオーバーラップの所定量とは、それ以上のバルブオーバーラップ量であると、内部EGRガスが過度に増加し、燃焼が悪化し、燃焼悪化に起因して失火するおそれのある量である。
図5は、吸気弁6のバルブ作用角を小作用角から大作用角に切り替えるときに、吸気弁6のバルブタイミングを吸気弁6のバルブ作用角の切り替え前後で吸気弁6の閉弁時期が下死点に対して略対称となるバルブタイミングに制御する場合の説明図である。図5に示すように、吸気弁6のバルブ作用角を小作用角から大作用角に切り替えるときに、吸気弁のバルブ作用角の切り替え前における吸気弁の閉弁時期が下死点よりも進角側のタイミングである場合には、吸気弁6のバルブタイミングを、吸気弁6のバルブ作用角の切り替え後における吸気弁6の閉弁時期が吸気弁6のバルブ作用角の切り替え前における吸気弁6の閉弁時期と下死点に対して略対称となるバルブタイミングにしている。
本実施例によると、吸気弁6のバルブ作用角の切り替え後における吸気弁6の閉弁時期が吸気弁6のバルブ作用角の切り替え前における吸気弁6の閉弁時期と下死点に対して略対称となる。ここで、内燃機関1の吸入特性は吸気弁6の閉弁時期が支配的である。そして、吸気弁6の閉弁時期が下死点を基準に進角される場合の進角量と吸気弁6の閉弁時期が下死点を基準に遅角される場合の遅角量とがほぼ等しければ、吸気弁閉弁時筒内容積がほぼ等しくなり、吸入空気量もほぼ等しくなる。よって、吸気弁6のバルブ作用角の切り替え後における吸気弁6の閉弁時期が吸気弁6のバルブ作用角の切り替え前における吸気弁の閉弁時期と下死点に対して略対称となると、吸気弁6のバルブ作用角にかかわらず、吸入空気量がほぼ一致する。したがって、吸気弁6のバルブ作用角の切り替え前後で吸入空気量がほぼ一致し、吸入空気量が急激に変化しないため、吸気弁6のバルブ作用角の切り替え前後のトルク変化はほぼなくなり、吸気弁6のバルブ作用角切り替え時のトルクショックを抑制できる。
また、吸気弁6のバルブ作用角を小作用角から大作用角に切り替え、吸気弁6のバルブタイミングを吸気弁6のバルブ作用角の切り替え前後で吸気弁6の閉弁時期が略同一となるバルブタイミングに制御したときに、吸気弁6のバルブ作用角切り替え後の吸排気弁のバルブオーバーラップが所定量以上となるのは、吸気弁6のバルブ作用角切り替え前後で吸気弁6の閉弁時期が下死点よりも進角側のタイミングの場合である。このとき、本実施例のように、吸気弁6のバルブタイミングを吸気弁6のバルブ作用角の切り替え後における吸気弁6の閉弁時期が吸気弁6のバルブ作用角の切り替え前における吸気弁6の閉弁時期と下死点に対して略対称となるバルブタイミングに制御すると、吸気弁6のバルブ作用角切り替え後の吸気弁6の閉弁時期が下死点よりも遅角側のタイミングになり、吸気弁6のバルブ作用角切り替え後の吸気弁6の開弁時期も遅角される。吸気弁6のバルブ作用角切り替え後の吸気弁6の開弁時期が遅角されると、吸気弁6のバルブ作用角切り替え後の吸排気弁のバルブオーバーラップが過度に増加しないので、内部EGRガスが過度に増加しない。したがって、内部EGRガスが過度に増加して燃焼が悪化することを抑制でき、燃焼悪化に起因して失火することを抑制できる。
加えて、本実施例によると、排気弁7のバルブタイミングを変更しないので、排気弁7の開弁時期が極端に遅角されて早くなることはない。このため、排気弁7の開弁時期が極端に遅角されて早い場合に膨張行程を十分に取れず燃焼による発生熱エネルギを仕事に使う量が減少するために生じる仕事量減少に起因する燃費悪化を抑制できる。
次に、本実施例による吸気弁バルブ作用角切り替え制御ルーチンについて説明する。図6は、本実施例による吸気弁バルブ作用角切り替え制御ルーチンを示したフローチャートである。本ルーチンは、所定の時間毎に繰り返し実行される。
ステップS101では、ECU15は、内燃機関1の運転状態から吸気弁6のバルブ作用角の切り替えが必要か否か判別する。
具体的には、内燃機関1の運転状態が低負荷・低回転の領域から高負荷領域及び/又は高回転領域へ移行する場合、或いは内燃機関1の運転状態が高負荷領域及び/又は高回転領域から低負荷・低回転の領域へ移行する場合に、吸気弁6のバルブ作用角の切り替えが必要と判断する。
ステップS101において吸気弁6のバルブ作用角の切り替えが必要と肯定判定された場合には、ステップS102へ移行する。ステップS101において吸気弁6のバルブ作用角の切り替えが必要ないと否定判定された場合には、本ルーチンを一旦終了する。
ステップS102では、ECU15は、吸気弁6のバルブ作用角の切り替え前における吸気弁6の閉弁時期(IVC)を算出する。
ステップS103では、ECU15は、吸気弁6のバルブ作用角の切り替えが小作用角から大作用角に切り替えるもので、そのときの吸気弁6のバルブ作用角の切り替え前の吸気弁の閉弁時期が下死点(BDC)よりも進角側のタイミングであるか否か判別する。
なお、本実施例では、吸気弁6のバルブ作用角が小作用角の場合として作用角が180°以下を想定し、大作用角の場合として作用角が180°以上を想定している。このため、吸気弁6のバルブ作用角の切り替えが小作用角から大作用角に切り替えるもので、そのときの吸気弁6のバルブ作用角の切り替え前の吸気弁の閉弁時期が下死点よりも進角側のタイミングであれば、吸気弁のバルブタイミングを吸気弁のバルブ作用角の切り替え前後で吸気弁の閉弁時期が略同一となるバルブタイミングに制御すると、吸排気弁のバルブオーバーラップが所定量以上となることが必然的に肯定されるものとしている。しかし、本発明としては、これに限られず、本ステップの判別に、吸気弁のバルブタイミングを吸気弁のバルブ作用角の切り替え前後で吸気弁の閉弁時期が略同一となるバルブタイミングに制御すると、吸排気弁のバルブオーバーラップが所定量以上となるか否かの判別を加えてもよい。
ステップS103において肯定判定された場合には、ステップS104へ移行する。ステップS101において否定判定された場合には、ステップS105へ移行する。
ステップS104では、ECU15は、吸気弁6のバルブ作用角の切り替え後における目標作用角から、吸気弁6のバルブ作用角の切り替え後における吸気弁6の閉弁時期(IVC)を、ステップS102で算出した吸気弁6のバルブ作用角の切り替え前における吸気弁の閉弁時期(IVC)とは下死点(BDC)に対して略対称となるバルブタイミングに変更するために要求される位相変更量を算出する。
一方、ステップS105では、ECU15は、吸気弁6のバルブ作用角の切り替え後における目標作用角から、吸気弁6のバルブ作用角の切り替え後における吸気弁6の閉弁時期(IVC)を、ステップS102で算出した吸気弁6のバルブ作用角の切り替え前における吸気弁の閉弁時期(IVC)に略同一とさせるバルブタイミングに変更するために要求される位相変更量を算出する。
ステップS106では、ECU15は、吸気弁バルブ作用角可変機構8により吸気弁6のバルブ作用角を切り替えると共に、吸気弁バルブタイミング可変機構9により算出した位相変更量だけ吸気弁6のバルブタイミングを変更する。
具体的には、ステップS104を経由した場合には、吸気弁バルブ作用角可変機構8により吸気弁6のバルブ作用角を小作用角から大作用角に切り替えると共に、吸気弁バルブタイミング可変機構9によりステップS104で算出した位相変更量だけ吸気弁6のバルブタイミングを変更し、吸気弁6のバルブ作用角の切り替え前後で吸気弁の閉弁時期(IVC)を下死点に対して略対称とする。
また、ステップS105を経由した場合には、吸気弁バルブ作用角可変機構8により吸気弁6のバルブ作用角を切り替えると共に、吸気弁バルブタイミング可変機構9によりステップS105で算出した位相変更量だけ吸気弁6のバルブタイミングを変更し、吸気弁6のバルブ作用角の切り替え前後で吸気弁の閉弁時期(IVC)を略同一とする。
ステップS106の処理の後、本ルーチンを一旦終了する。
以上の制御ルーチンを実行することにより、吸気弁6のバルブ作用角切り替え時のトルクショックを抑制できると共に、仕事量減少に起因する燃費悪化を抑制できる。
<実施例2>
次に、実施例2について説明する。ここでは、上述した実施例と異なる構成について説明し、同様の構成については説明を省略する。
図7は、吸気弁6のバルブ作用角を大作用角から小作用角に切り替えるときに、吸気弁6のバルブタイミングを吸気弁6のバルブ作用角の切り替え前後で吸気弁6の閉弁時期が略同一のタイミングとなるバルブタイミングに制御する場合の説明図である。この場合には、吸気弁6のバルブ作用角にかかわらず、吸入空気量がほぼ一致し、吸気弁6のバルブ作用角切り替え時のトルクショックを抑制できる。
しかし、図7に示すように、吸気弁6の閉弁時期が下死点よりも遅角側であると、吸気弁6のバルブ作用角切り替え後の吸気弁6の開弁時期が極端に遅角されて遅くなる場合がある。吸気弁6の開弁時期が極端に遅角されて遅いと、増大した筒内負圧の影響で吸気流速が急激に速まり吸気弁6付近で摩擦熱が発生するため内燃機関1の筒内温度が上昇し、ノッキングが発生し易くなる。このノッキングを抑制するため、内燃機関1の点火時期を遅角すると、点火時期遅角に起因する燃費悪化が生じてしまう。
そこで、本実施例では、吸気弁6のバルブ作用角を大作用角から小作用角に切り替えるときに、吸気弁6のバルブ作用角の切り替え前における吸気弁6の閉弁時期が下死点よりも遅角側のタイミングであり、吸気弁6のバルブタイミングを吸気弁6のバルブ作用角の切り替え前後で吸気弁6の閉弁時期が略同一となるバルブタイミングに制御すると、吸気弁6のバルブ作用角の切り替え後における吸気弁6の開弁時期が所定時期以上に遅角される場合に、吸気弁バルブタイミング可変機構9により、吸気弁6のバルブタイミングを吸気弁6のバルブ作用角の切り替え後における吸気弁6の閉弁時期が吸気弁6のバルブ作用角の切り替え前における吸気弁6の閉弁時期と下死点に対して略対称となるバルブタイミングに制御するようにした。
なお、吸気弁6の開弁時期の所定時期とは、それ以上の遅角された遅い時期であると、増大した筒内負圧の影響で吸気流速が急激に速まり吸気弁6付近で摩擦熱が発生するため筒内温度が上昇し、ノッキングが発生し易くなる時期である。
図8は、吸気弁6のバルブ作用角を大作用角から小作用角に切り替えるときに、吸気弁6のバルブタイミングを吸気弁6のバルブ作用角の切り替え前後で吸気弁6の閉弁時期が
下死点に対して略対称となるバルブタイミングに制御する場合の説明図である。図8に示すように、吸気弁6のバルブ作用角を大作用角から小作用角に切り替えるときに、吸気弁6のバルブ作用角の切り替え前における吸気弁6の閉弁時期が下死点よりも遅角側のタイミングである場合には、吸気弁6のバルブ作用角が小作用角となった吸気弁6のバルブタイミングを、吸気弁6のバルブ作用角の切り替え後における吸気弁6の閉弁時期が吸気弁6のバルブ作用角の切り替え前における吸気弁6の閉弁時期と下死点に対して略対称となるバルブタイミングにしている。
本実施例によると、吸気弁6のバルブタイミングを吸気弁6のバルブ作用角の切り替え後における吸気弁6の閉弁時期が吸気弁6のバルブ作用角の切り替え前における吸気弁6の閉弁時期と下死点に対して略対称となるバルブタイミングに制御する。これによれば、上記実施例1と同様に、吸気弁6のバルブ作用角にかかわらず、吸気弁6のバルブ作用角切り替え前後の吸入空気量がほぼ一致し、吸気弁6のバルブ作用角切り替え時のトルクショックを抑制できる。
また、吸気弁6のバルブ作用角を大作用角から小作用角に切り替え、吸気弁6のバルブタイミングを吸気弁6のバルブ作用角の切り替え前後で吸気弁6の閉弁時期が略同一となるバルブタイミングに制御したときに、吸気弁6のバルブ作用角の切り替え後における吸気弁6の開弁時期が所定時期以上に遅角されるのは、吸気弁6のバルブ作用角切り替え前後で吸気弁6の閉弁時期が下死点よりも遅角側のタイミングの場合である。このとき、本実施例のように、吸気弁6のバルブタイミングを吸気弁6のバルブ作用角の切り替え後における吸気弁6の閉弁時期が吸気弁6のバルブ作用角の切り替え前における吸気弁6の閉弁時期と下死点に対して略対称となるバルブタイミングに制御すると、吸気弁6のバルブ作用角の切り替え後における吸気弁6の閉弁時期が下死点よりも進角側のタイミングになり、吸気弁6のバルブ作用角切り替え後における吸気弁6の開弁時期も進角される。したがって、吸気弁6の開弁時期が極端に遅角されて遅いために発生し易かったノッキングを抑制できる。さらに、ノッキングを抑制するために内燃機関1の点火時期を遅角する必要が無くなり、点火時期遅角に起因する燃費悪化を抑制できる。
ところで、冷間時や、燃料にアルコールなどを含む重質燃料を使用している場合などには、燃料の蒸発特性が悪くなる。燃料の蒸発特性が悪い場合には、吸気ポート4に向けて噴射された燃料が吸気ポート壁面に液状のまま付着してしまうポートウェットが増大し、内燃機関1の燃焼に用いられる燃料が減少するので、所望の燃焼を得るためには燃料の増量が必要となる。
そこで、本実施例では、吸気弁6のバルブ作用角を大作用角から小作用角に切り替えるときに、吸気弁6のバルブ作用角の切り替え前における吸気弁6の閉弁時期が下死点よりも遅角側のタイミングであり、吸気弁6のバルブタイミングを吸気弁6のバルブ作用角の切り替え前後で吸気弁6の閉弁時期が略同一となるバルブタイミングに制御すると、吸気弁6のバルブ作用角の切り替え後における吸気弁6の開弁時期が所定時期以上に遅角されても、燃料の蒸発特性が悪い場合には、吸気弁バルブタイミング可変機構9により、吸気弁6のバルブタイミングを吸気弁6のバルブ作用角の切り替え前後で吸気弁6の閉弁時期が略同一となるバルブタイミングに制御するようにした。
本実施例によると、燃料の蒸発特性が悪い場合には、吸気弁6のバルブタイミングを吸気弁6のバルブ作用角の切り替え前後で吸気弁6の閉弁時期が略同一となるバルブタイミングに制御する。これによれば、図7に示すように、吸気弁6の閉弁時期が下死点よりも遅角側であると、吸気弁6のバルブ作用角切り替え後の吸気弁6の開弁時期が極端に遅角されて遅くなる。そして、吸気弁6の開弁時期が極端に遅角されて遅いと、増大した筒内負圧の影響で吸気流速が急激に速まる。この急激に速まった吸気流速は、吸気ポート壁面
に液状のまま付着した燃料を内燃機関1の筒内へ流し込み、ポートウェットを減少させる。また、吸気流速が急激に速まると、吸気弁6付近で摩擦熱が発生するため内燃機関1の筒内温度が上昇する。この上昇した筒内温度は、燃料の霧化を促進する。よって、内燃機関1の筒内へ流入する燃料が増加することと、燃料の霧化が促進されることとによって、内燃機関1の燃焼に用いられる燃料が増加する。したがって、ポートウェット増大に起因して内燃機関1の燃焼に用いられる燃料が減少することを抑制でき、所望の燃焼を得るための燃料の増量が少なくてすみ、吸気弁のバルブ作用角切り替え時の燃料の増量を低減できる。
次に、本実施例による吸気弁バルブ作用角切り替え制御ルーチンについて説明する。図9は、本実施例による吸気弁バルブ作用角切り替え制御ルーチンを示したフローチャートである。本ルーチンは、所定の時間毎に繰り返し実行される。なお、本ルーチンは、図6に示すルーチンとステップS201及びS202が異なるものであるので、その異なる部分のみ説明する。
ステップS102に引き続くステップS201では、ECU15は、吸気弁6のバルブ作用角の切り替えが大作用角から小作用角に切り替えるもので、そのときの吸気弁6のバルブ作用角の切り替え前の吸気弁の閉弁時期が下死点(BDC)よりも遅角側のタイミングであるか否か判別する。
なお、本実施例では、吸気弁6のバルブ作用角が小作用角の場合として作用角が180°以下を想定し、大作用角の場合として作用角が180°以上を想定している。このため、吸気弁6のバルブ作用角の切り替えが大作用角から小作用角に切り替えるもので、そのときの吸気弁6のバルブ作用角の切り替え前の吸気弁の閉弁時期が下死点よりも遅角側のタイミングであれば、吸気弁6のバルブタイミングを吸気弁6のバルブ作用角の切り替え前後で吸気弁6の閉弁時期が略同一となるバルブタイミングに制御すると、吸気弁6のバルブ作用角の切り替え後における吸気弁6の開弁時期が所定時期以上に遅角されることが必然的に肯定されるものとしている。しかし、本発明としては、これに限られず、本ステップの判別に、吸気弁6のバルブタイミングを吸気弁6のバルブ作用角の切り替え前後で吸気弁6の閉弁時期が略同一となるバルブタイミングに制御すると、吸気弁6のバルブ作用角の切り替え後における吸気弁6の開弁時期が所定時期以上に遅角されるか否かの判別を加えてもよい。
ステップS201において肯定判定された場合には、ステップS202へ移行する。ステップS201において否定判定された場合には、ステップS105へ移行する。
ステップS202では、ECU15は、燃料の蒸発特性が悪いか否か判別する。冷間時や、燃料にアルコールなどを含む重質燃料を使用している場合などに、燃料の蒸発特性が悪いと判定する。
ステップS202において燃料の蒸発特性が悪いと肯定判定された場合には、ステップS105へ移行する。ステップS202において燃料の蒸発特性が悪くはないと否定判定された場合には、ステップS104へ移行する。
以降は、各ステップの処理を実行し、本ルーチンを一旦終了する。
以上の制御ルーチンを実行することにより、吸気弁6のバルブ作用角切り替え時のトルクショックを抑制できると共に、ノッキングを抑制でき、点火時期遅角に起因する燃費低下を抑制できる。また、吸気弁6のバルブ作用角切り替え時の燃料の増量を低減できる。
本発明に係る内燃機関の制御装置は、上述の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えてもよい。
実施例1に係る内燃機関の概略構成を示す図である。 実施例1に係る内燃機関の運転状態に応じた吸気弁のバルブ作用角の使用領域を示す図である。 吸気弁のバルブ作用角を小作用角から大作用角に切り替えるときに、吸気弁のバルブタイミングを吸気弁のバルブ作用角の切り替え前後で吸気弁の閉弁時期が略同一となるバルブタイミングに制御する場合の説明図である。 吸気弁のバルブ作用角を小作用角から大作用角に切り替えるときに、吸気弁のバルブタイミングを吸気弁のバルブ作用角の切り替え前後で吸気弁の閉弁時期が略同一となるバルブタイミングにすると共に、排気弁のバルブタイミングを排気弁の閉弁時期を進角させて吸排気弁のバルブオーバーラップを減少させるバルブタイミングに制御する場合を示す説明図である。 実施例1に係る吸気弁のバルブ作用角を小作用角から大作用角に切り替えるときに、吸気弁のバルブタイミングを吸気弁のバルブ作用角の切り替え前後で吸気弁の閉弁時期が下死点に対して略対称となるバルブタイミングに制御する場合の説明図である。 実施例1に係る吸気弁バルブ作用角切り替え制御ルーチンを示したフローチャートである。 吸気弁のバルブ作用角を大作用角から小作用角に切り替えるときに、吸気弁のバルブタイミングを吸気弁のバルブ作用角の切り替え前後で吸気弁の閉弁時期が略同一のタイミングとなるバルブタイミングに制御する場合の説明図である。 実施例2に係る吸気弁のバルブ作用角を大作用角から小作用角に切り替えるときに、吸気弁のバルブタイミングを吸気弁のバルブ作用角の切り替え前後で吸気弁の閉弁時期が下死点に対して略対称となるバルブタイミングに制御する場合の説明図である。 実施例2に係る吸気弁バルブ作用角切り替え制御ルーチンを示したフローチャートである。
符号の説明
1 内燃機関
2 シリンダヘッド
3 燃焼室
4 吸気ポート
5 排気ポート
6 吸気弁
7 排気弁
8 吸気弁バルブ作用角可変機構
9 吸気弁バルブタイミング可変機構
10 点火プラグ
11 吸気管
12 排気管
13 燃料噴射弁
14 エアフローメータ
15 ECU
16 水温センサ
17 クランクポジションセンサ

Claims (4)

  1. 吸気弁のバルブ作用角を少なくとも2段階に切り替え可能な吸気弁バルブ作用角可変機構を備えた内燃機関の制御装置において、
    前記吸気弁のバルブタイミングを変更可能な吸気弁バルブタイミング可変機構をさらに備え、
    前記吸気弁のバルブ作用角を切り替える場合に、前記吸気弁のバルブタイミングを前記吸気弁のバルブ作用角の切り替え後における前記吸気弁の閉弁時期が前記吸気弁のバルブ作用角の切り替え前における前記吸気弁の閉弁時期と下死点に対して略対称となるバルブタイミングに制御することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記吸気弁のバルブ作用角を小作用角から大作用角に切り替えるときに、前記吸気弁のバルブ作用角の切り替え前における前記吸気弁の閉弁時期が下死点よりも進角側のタイミングであり、前記吸気弁のバルブタイミングを前記吸気弁のバルブ作用角の切り替え前後で前記吸気弁の閉弁時期が略同一となるバルブタイミングに制御すると、吸排気弁のバルブオーバーラップが所定量以上となる場合に、前記吸気弁のバルブタイミングを前記吸気弁のバルブ作用角の切り替え後における前記吸気弁の閉弁時期が前記吸気弁のバルブ作用角の切り替え前における前記吸気弁の閉弁時期と下死点に対して略対称となるバルブタイミングに制御することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記吸気弁のバルブ作用角を大作用角から小作用角に切り替えるときに、前記吸気弁のバルブ作用角の切り替え前における前記吸気弁の閉弁時期が下死点よりも遅角側のタイミングであり、前記吸気弁のバルブタイミングを前記吸気弁のバルブ作用角の切り替え前後で前記吸気弁の閉弁時期が略同一となるバルブタイミングに制御すると、前記吸気弁のバルブ作用角の切り替え後における前記吸気弁の開弁時期が所定時期以上に遅角される場合に、前記吸気弁のバルブタイミングを前記吸気弁のバルブ作用角の切り替え後における前記吸気弁の閉弁時期が前記吸気弁のバルブ作用角の切り替え前における前記吸気弁の閉弁時期と下死点に対して略対称となるバルブタイミングに制御することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記吸気弁のバルブ作用角を大作用角から小作用角に切り替えるときに、前記吸気弁のバルブ作用角の切り替え前における前記吸気弁の閉弁時期が下死点よりも遅角側のタイミングであり、前記吸気弁のバルブタイミングを前記吸気弁のバルブ作用角の切り替え前後で前記吸気弁の閉弁時期が略同一となるバルブタイミングに制御すると、前記吸気弁のバルブ作用角の切り替え後における前記吸気弁の開弁時期が所定時期以上に遅角されても、燃料の蒸発特性が悪い場合には、前記吸気弁のバルブタイミングを前記吸気弁のバルブ作用角の切り替え前後で前記吸気弁の閉弁時期が略同一となるバルブタイミングに制御することを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の制御装置。
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