JP4865965B2 - 紫外線による液体処理装置及び方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、220nm以下の短波長域紫外線と254nmの紫外線を共存放射する放電灯を使用して、液体中の有機物の分解などの処理を行う液体処理装置及び方法に関する。
【0002】
【従来技術】
220nm以下の短波長域の紫外線は強いエネルギーを有することから、有害物や有機物の分解など多岐にわたって利用されている。図10は、従来知られた閉鎖型の液体処理用紫外線照射装置の一例を示す。放電灯30を外管(保護管)20内に収納したものが、ステンレス製のシリンダー1内に収容され、被処理液体が該シリンダー1内に導入されて放電灯30から発光した紫外線が照射される。放電灯30としては、例えば185nmの短波長域紫外線と254nmの波長域の紫外線との両方を放射する低圧水銀蒸気放電灯が使用される。放電灯30の発光管バルブ10は紫外線透過性に優れた石英ガラスからできている。放電灯30は紫外線透過性の外管(保護管)20の内部に収納され、該放電灯30が被処理液体から液密に隔離される。かかる外管20も紫外線透過性に優れた石英ガラスでできている。シリンダー1の両端はフランジ1a,1bで閉じられており、入水口1cから取り入れられた被処理液体が、シリンダー1内を通過する過程で紫外線が照射され、出水口1dから排出される。被処理液体は、入水口1cから出水口1dに向かってシリンダー1内を流れることになるが、被処理液体がショートパスしないように、途中に複数枚(図では5枚)の還流板1e〜1iを配置した構造になっている。なお、便宜上、図10には放電灯30を1灯だけ搭載した装置を図示したが、実用的には多灯式の大容量装置が使用される場合が多い。放電灯30から発せられた紫外線は、外管20を透過し、被処理液体に照射される。照射された紫外線は、例えば水中に存在する有機物を次式のように無害なCO、CO2、H2Oに分解する作用を果たすことになる。
【0003】
H2O + hν(185nm)→ H + OHラジカル
Cn Hm Ok + OHラジカル → CO、CO2、H2O
(n,m,k, は 1,2,3,……)
【0004】
この有機物の分解は185nmの短波長域の紫外線の作用によるものであるが、短波長域の紫外線の過多は、過酸化水素(H2O2)を初めとして、意図しない種々の過酸化物が中間体として生成させる。こうした過酸化物を除去するために、紫外線照射処理の後段において紫外線照射処理済みの被処理液体をイオン交換樹脂に通す工程が設けられている。従って、これらの過酸化物は被処理液体がイオン交換樹脂を通った時に除去されるが、過剰の過酸化物はイオン交換樹脂の寿命劣化を招くことになる。
【0005】
【発明の解決しようとする課題】
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、過酸化物が生成されることをできるだけ抑制できるようにした液体処理が行える紫外線による液体処理装置及び方法を提供しようとするものである。またこれに伴い、紫外線照射処理の後段において使用されるイオン交換樹脂の寿命も延ばすことができるようにし、長寿命、省エネルギーかつ省メンテナンスの液体処理装置及び方法を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る紫外線による液体処理装置は、220nm以下の波長の紫外線と254nmの波長の紫外線とを共存発光する放電灯から放射される紫外線を処理対象液体に照射し、前記220nm以下の波長の紫外線により該処理対象液体の有機物分解処理を行う液体処理装置であって、前記220nm以下の波長の紫外線は処理対象液体中の水分子を解離してOHラジカルを生成し、該生成されたOHラジカルによって有機物を分解することに寄与し、前記254nmの波長の紫外線は、前記220nm以下の波長の紫外線による有機物分解過程で前記処理対象液体中に発生した中間体である過酸化物を分解するのに寄与し、前記放電灯は、内表面に金属酸化物の薄膜が形成された石英ガラス製発光管を備えており、該金属酸化物の薄膜によって当該放電灯の点灯中に生成される酸化水銀の当該発光管の内表面への吸着を防止し、もって、前記254nmの波長の紫外線の照度低下を防ぐようにしたものであり、前記放電灯の発光管の管体が、内径8ミリメートル乃至23ミリメートルの合成石英ガラスからなり、この発光管の管体の両端にLセンチメートルの間隔で一対のフィラメントを備え、該放電灯を0.4アンペア〜1.4アンペアのランプ電流で動作させ、点灯時のランプ電圧Vボルトと、ランプ電流Iアンペア、フィラメント間距離Lセンチメートル、放電路の内径Dミリメートルについて、次なる関係式を有することを特徴とする。
(V−Vf)/L=X/(√D・√I) かつ、
2.6 ≦ X ≦ 4.2。
ただし、Vfは点灯電源に依存する定数要因で、1kHZ以上の高周波電源で点灯した場合はVf=10とし、1kHZ未満の電源で点灯した場合はVf=50とする。
本発明によると、220nm以下の波長の紫外線は処理対象液体中の水分子を解離してOHラジカルを生成し、該生成されたOHラジカルによって有機物を分解することに寄与し、その一方で、254nmの波長の紫外線は該有機物分解過程で過剰なOHラジカルによって生成される過酸化物を分解するのに寄与するので、254nmの波長の紫外線も有用であるところ、放電灯の発光管の内表面に金属酸化物の薄膜を形成することで、放電灯の点灯中に生成される酸化水銀が発光管の内表面に吸着するのを防止でき、有用な254nmの波長の紫外線の照度低下を抑制することができる。
【0007】
220nm以下の紫外線と254nmの紫外線を共存発光する放電灯にあっては、220nm以下の波長域の紫外線が有機物の分解の光化学処理に関与する。一方、254nmの波長域の紫外線は、中間体である過酸化物の分解の重要な役割を担っており、紫外線照射処理の後段において使用されるイオン交換樹脂の負担を軽減している。ところで、放電灯の紫外線照度は使用時間経過に伴い低下するものだが、220nm以下の短波長域の紫外線と254nmの波長域の紫外線とでは、紫外線照度低下の原因を異にする。220nm以下の短波長域の紫外線照度低下は、放電灯の管体を成す石英ガラスが、紫外線を浴びて変質し紫外線透過率が低下することが原因である。他方、254nmの波長域の紫外線の照度低下は、放電灯の点灯中に管内に生じた酸素が水銀と反応し生成された酸化水銀が、石英ガラス内表面に吸着して、石英ガラスの紫外線透過率が低下することに因る。そのため、220nm以下の短波長域の紫外線と254nmの波長域の紫外線とでは、図9に例示するように、それぞれの紫外線照度維持特性が異なり、254nmの紫外線の方が照度低下の進行が早いので、図9における254nmの維持率が220nm以下(例えば、185nm)の紫外線照度維持率を下回るC点以降は、過酸化物の増大を招くと考えられる。これに対して、本発明によると、放電灯の発光管内表面に金属酸化物の薄膜を形成することで、放電灯の点灯中に生成される酸化水銀が発光管内表面に吸着するのを防止でき、254nmの紫外線の照度低下を抑制することができる。
【0008】
また、本発明は、上記の液体処理装置において、前記放電灯の発光管の管体が、天然の水晶もしくは珪砂を出発原料とし、ナトリウム、カリウム、チタニウムおよび鉄の4種からなる元素の総含有量が2.5ppm(ただし質量割合)以下であって、10ppm(ただし質量割合)以上のOH基を含む石英ガラスからなることを特徴とする。
【0009】
天然の水晶もしくは珪砂を出発原料とする石英ガラスにあっては、各種の物質が不純物として含まれている。これらの不純物の中でも、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、チタニウム(Ti)および鉄(Fe)の4種の元素が多く存在すると、石英ガラスの透過率低下をきたす原因となる。その一方で、OH基の存在が石英ガラスの変質を緩和させ得る。すなわち、石英ガラスの主成分である二酸化珪素(SiO2)の「Si−O」の結合が紫外線エネルギーによって分解されて透過率低下の原因となるフリーのSiが生成されるのを、OH基がフリーのSiと再結合して「Si−OH」になることで抑制することができる。発明者による実験・研究の結果、これらの4種の元素の総含有量が2.5ppm以下であって、10ppm以上のOH基を含むようにすると、短波長域紫外線による石英ガラスの経時劣化をかなり改善できることが判明した。よって、石英ガラスの材質をそのように選定若しくは設定することにより、220nm以下の短波長域紫外線の照度維持率を高めることができ、このように高性能な放電灯の発光管内表面に金属酸化物の薄膜を形成することで、254nmの紫外線の照度低下を抑制する効果が一層発揮される。
【0010】
また、本発明は、上記の液体処理装置において、前記放電灯の発光管の管体が、内径8ミリメートル乃至23ミリメートルの合成石英ガラスからなり、この発光管の管体の両端にLセンチメートルの間隔で一対のフィラメントを備え、該放電灯を0.4アンペア〜1.4アンペアのランプ電流で動作させ、点灯時のランプ電圧Vボルトと、ランプ電流Iアンペア、フィラメント間距離Lセンチメートル、放電路の内径Dミリメートルについて、次なる関係式を有することを特徴とする。
(V−Vf)/L=X/(√D・√I) かつ、
2.6 ≦ X ≦ 4.2。
ただし、Vfは点灯電源に依存する定数要因で、1kHZ以上の高周波電源で点灯した場合はVf=10とし、1kHZ未満の電源で点灯した場合はVf=50とする。詳細は後述するが、上記関係式のように条件設定することによって、220nm以下の短波長域の紫外線を効率よく放射させることができ、かかる高性能な放電灯の発光管内表面に金属酸化物の薄膜を形成することで、254nmの紫外線の照度低下を抑制する効果が一層発揮される。
【0011】
本発明の好ましい実施態様は、前記放電灯の発光管内表面に形成する金属酸化物の薄膜が、アルミニウム、ケイ素、カルシウム、マグネシウム、イットリウム、ジルコニウム及びハフニウムの中から選ばれた金属の少なくとも一種類以上の酸化物を主成分とすることである。これらの金属酸化物は、耐熱性に優れ科学的に安定であるため、酸化水銀の発光管内表面への吸着防止に有効に作用する。
【0012】
更に本発明に係る紫外線による液体処理方法は、上記のような発光管内表面に金属酸化物の薄膜を形成してなる放電灯を使用して、処理対象液体に対して紫外線を照射し、該液体の有機物分解処理等を行うことを特徴としている。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1に本発明に係る液体処理装置及び方法で使用する放電灯の一実施例を示す。まず、この放電灯31の基本的構造について説明すると、放電灯31は、220nm以下例えば185nmの短波長域紫外線と254nmの紫外線を共存発光するように構成されており、発光管バルブ11と、該発光管バルブ11内でその両端に配置された一対のフィラメント21a、21bと、該発光管バルブ11の両端に設けられたシール部2a、2bおよび口金部3a、3bとを含む。発光管バルブ11は、一例として内径13mm、肉厚1mmの合成石英ガラスからなり、ガラス内表面には金属酸化物の薄膜44が形成されている。薄膜44は、例えば酸化アルミニウムのような耐熱性に優れ化学的に安定した物質からなる。フィラメント21a、21bは、両フィラメント間が153cmの間隔で配置されている。
このフィラメント21a、21bは、例えば酸化バリウム系のエミッターを塗布してなり、シール部2a、2bから出ているインナーリード22a〜22dによってそれぞれ保持されている。口金部3a、3bはセラミック製であり、一方の口金部3aにおいて一対の電気端子31a、31bが備えられている。シール部2a,2bは、モリブデン箔24a〜24dによって気密性を保持しつつ、且つインナーリード22a〜22d、モリブデン箔24a〜24d、アウターリード25a、25bおよび26を介して、フィラメント21a、21bと電気端子31a、31dを電気的に接続する役割を担っている。発光管バルブ11内には20mg程度の水銀と約400Paの希ガスを封入してある。
なお、図の例では、一例として、放電灯31は2端子タイプの放電灯として構成されている。すなわち、一方のフィラメント21aの一端がインナーリード22b、モリブデン箔24b、アウターリード25aを介して一方の電気端子31aに接続され、他方のフィラメント21bの一端がインナーリード22c、モリブデン箔24c、アウターリード25b、26を介して他方の電気端子31bに接続されている。
【0014】
前述した通り、放電灯の紫外線照度は使用時間経過に伴い低下するものであり、254nmの波長域の紫外線照度の低下は、放電灯の点灯中に管内に生じた酸素が水銀と反応して生成される酸化水銀が、ガラス内表面に吸着して、石英ガラスの紫外線透過率が低下することに因る。これは、水銀の共鳴発光である254nmの紫外線が水銀の存在により自己吸収を起こすためであり、前記ガラス内表面に酸化水銀が吸着していると、254nmの紫外線透過率が選択的に低下する。この点に鑑みて、本発明で使用する放電灯は、発光管バルブ11のガラス内表面に金属酸化物(本実施例においては酸化アルミニウム)の薄膜44を形成することを特徴としており、この薄膜44によって、酸化水銀がガラス内表面に吸着するのを防止して、254nmの紫外線の照度低下を抑制することができる。なお、薄膜44は、フィラメントを封じる前に予め酸化アルミニウムの微粉末を結着剤と共に酢酸ブチルで懸濁した溶液をガラス素管内表面に塗布し乾燥後、酸化雰囲気で加熱処理することで容易に形成することができる。
【0015】
本発明の実施にあたっては、上記のような構成からなる放電灯31を、液体処理装置における紫外線発光源として使用する。液体処理装置それ自体の構成は、例えば図10に示したような閉鎖型の液体処理装置であってもよいし、開水路型の液体処理装置であってもよい。また、1つの液体処理装置で使用する放電灯31の数は1個に限らず複数であってよい。
【0016】
本実施例に係る放電灯31の発光管バルブ11の材質は、天然の水晶もしくは珪砂を出発原料とする溶融石英ガラスであってもよいし、あるいは合成石英ガラスであってもよい。
まず、発光管バルブ11の材質を溶融石英ガラスで構成した一例について説明する。例えば、発光管バルブ11の石英ガラスは、天然の水晶もしくは珪砂を出発原料とするものであって、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、チタニウム(Ti)および鉄(Fe)の4種類からなる元素の総含有量が2.5ppm以下であって、10ppm以上のOH基を含むガス溶融石英ガラスからなっている。このように、放電灯31の発光管バルブ11の材質を構成する石英ガラスにおいて、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、チタニウム(Ti)および鉄(Fe)上のOH基を含むようにしたことにより、該放電灯31によって発光される短波長域紫外線による発光管バルブ11の石英ガラスの経時劣化をかなり改善できる。
【0017】
図2は、石英ガラスの組成として、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、チタニウム(Ti)、鉄(Fe)の総含有量およびOH基の含有量をパラメータとして製作した各種の放電灯を長期間にわたって点灯実験することに得られた紫外線強度維持率曲線である。放電灯の形状・寸法はいずれも同じで、横軸は点灯時間、たて軸は本発明による放電灯の強度の初期値を100%とした時の185nm波長の紫外線強度である。各曲線A,B,C,Dに対応する各放電灯における石英ガラスの組成条件は下記表の通りである。
【0018】
[表1]
曲線 Na,K,Ti,Feの総含有量 OH基の含有量
A 2.5ppm以下 100ppm
B 4.2ppm 100ppm
C 4.5ppm 10ppm未満
D 6.4ppm 10ppm未満
【0019】
曲線Aが、本実施例で定義するナトリウム(Na)、カリウム(K)、チタニウム(Ti)および鉄(Fe)の4種類からなる元素の総含有量が2.5ppm以下であって、10ppm以上のOH基を含む、という条件を満たすものであり、曲線B,C,Dはこの条件を満たさないものである。図2において、曲線Aが一番良い結果を示していることから明らかなように、石英ガラス中の不純物であるナトリウム(Na)、カリウム(K)、チタニウム(Ti)、鉄(Fe)の4種の元素の総含有量およびOH基の含有量を本発明に従って設定することで、経時的な短波長域の紫外線照度維持率を大きく向上させることができる。なお、図2の実験に際しては、大気中での紫外線に対する反応によりオゾンが発生し、その発生したオゾンが放電灯と紫外線強度計の間に介在すると測定値がばらつくので、紫外線強度計を放電灯外面に直付けして測定した。
【0020】
本発明が適用される紫外線を用いた有機物分解処理等の技術分野にあっては、放電灯の入力密度の大小にかかわらず、一般に1年間使用後の紫外線維持率を70%とみなして装置を設計するので、その観点に立つと、図2の曲線Aの結果をもたらす組成の石英ガラスが有効であり、曲線B,C,Dの結果をもたらす組成の石英ガラスは明らかに有効ではないことがわかる。このように、石英ガラスの不純物であるナトリウム(Na)、カリウム(K)、チタニウム(Ti)、鉄(Fe)の4種の元素の総含有量が「2.5ppm以下」であれば、1年間使用後の紫外線維持率を70%以上に確保することができる。なお、OH基の含有量に関して注釈するならば、10ppm未満はSi−OHの再結合効果に対して不十分である。
【0021】
なお、上述の素材からなる石英ガラスは、放電灯それ自体の発光管バルブに限らず、220nm以下の波長域の紫外線に晒されて使用される如何なる部分・部品・装置においても使用することができる。例えば、図4に示されたような外管(保護管)20における紫外線透過性ガラス壁の材質として本発明に係る石英ガラスを使用することができる。このような放電灯収納用の外管(保護管)つまり容器の形状は、円筒形に限らず、どのような形状であってもよい。
勿論、本実施例に係る放電灯31の発光管バルブ11を構成する溶融石英ガラスのタイプは、上述のガス溶融タイプのものに限らず、例えば電気溶融タイプのものであってもよい。
【0022】
更に、本実施例に係る放電灯31の別の実施形態においては、発光管バルブ11を合成石英ガラスで構成し、その場合に、波長185nmの紫外線を効率よく発光しうるような所定の条件で該放電灯31のディメンション(バルブ内径やフィラメント間距離などの諸サイズ)を決定したことを特徴としている。詳しくは後述するが、これにより、放電灯の短波長域紫外線の照度維持率を高め、かつ、短波長域紫外線の照射効率の向上を図ることができる。このような高性能の放電灯であって、254nmの紫外線の照度低下を抑制したものを、液体処理用紫外線照射装置に使用した場合、処理能力の向上及び装置寿命の飛躍的増大が図れるので、極めて有意義である。
【0023】
発光管バルブ11を合成石英ガラスで構成した場合において、放電灯31のディメンション(バルブ内径やフィラメント間距離などの諸サイズ)の設定条件の一例について説明する。本実施例に係る放電灯31は、波長185nmの紫外線を効率よく発光しうるように、合成石英ガラスからなる発光管バルブ11の内径D(単位はmm)のサイズは8mm以上とし、フィラメント21a,21bの間隔をL(単位はcm)、点灯時のランプ電圧をV(単位はV(ボルト))、ランプ電流をI(単位はA(アンペア))とするとき、各値の関係が次の関係式を有するように、設定することを特徴としている。
(V−Vf)/L=X/(√D・√I) ただし、2.6≦X≦4.2
ここで、Vfは陽極降下電圧であり、点灯電源によって一義的に決まるファクター(定数要因)であり、1kHz以上の高周波電源で点灯した場合はVf=10であり、1kHz未満の電源で点灯した場合はVf=50であるとする。
【0024】
次に、波長185nmの紫外線を効率よく発光しうるようにする条件として上記のような関係式を導き出した根拠について説明する。
本発明者らは、基本構造が図1に示す放電灯31と同様な放電灯を各種のサイズで複数用意し、これらを対象にして種々の実験を行い、放電灯の電気特性と185nm紫外線強度の関係を評価した。具体的には、この実験において用いた各放電灯のサイズは、内径8mm、13mm、18mm、23mmのそれぞれの管径で、肉厚1mm、管長100〜160cmの合成石英ガラス管を用い、フィラメント間距離L(cm)を95〜153cmに設定してなるものである。実験にあたっては、中央部に185nm紫外線強度測定用の枝管を付けてT字形に構成したガラス管内に、実験対象たる放電灯を挿入し、該ガラス管内を窒素雰囲気で満たすと共に外側には冷却水を流した。また、点灯電源には、約40kHzの電子バラスト(安定器)と商用周波数の電磁バラスト(安定器)の2種を用意し、点灯時のランプ電流を、0.4 A、0.6 A、0.8 A、1.0 A、1.4 A(アンペア)の5段階とした。なお、185nm紫外線強度の測定には株式会社オーク製作所の紫外線照度計UV−185(商品名)を使用した。
【0025】
上述の条件下で、電流をほぼ一定に保持しつつ、冷却水の温度を変化させながら各種電気特性即ちランプ電圧V、ランプ電流I、ランプ電力と、185nm紫外線強度とを測定した。冷却水の温度を変化させる理由は水銀蒸気圧を変化させることにある。つまり、185nm紫外線放射効率や電気特性は水銀蒸気圧に依存すると考えられることからその関係を明確にするためである。冷却水の温度を変化させることで余剰の水銀が滞留する最冷部の温度を変化させ、水銀の蒸気圧を変化させたことになる。ちなみに、ランプ電圧Vはランプ内の水銀蒸気圧すなわち蒸発量に依存するため、最冷部の温度を変化させることで、ランプ電圧Vが可変設定されることになる。或る物理的サイズからなる放電灯においては、ランプ電流Iもバラストによって決まる定数要因なので、185nm紫外線強度を左右できる要因は主としてランプ電圧Vである。そこで、冷却水の温度を変化させることで結果的にランプ電圧Vの値を種々に変化させ、該ランプ電圧Vの値を測定すると共にその都度の185nm紫外線強度を測定することにより、当該物理的サイズかつ所定のランプ電流Iからなる条件下における、185nm紫外線強度とランプ電圧Vとの相関性が判明する。よって、そのようにして測定を行う。
【0026】
この測定結果に基づいて、185nm紫外線強度については、「消費電力当たりの紫外線強度」という観点から、測定した185nm紫外線強度の値を測定したランプ電力で除算して、その商を「放射効率」の指標(すなわち「185nm紫外線放射効率」)とした。また、ランプ電圧については、「単位長さ当たりの電圧」という観点から、測定したランプ電圧の値V(V)から陽極降下電圧(Vf)という固定的な値Vf(V)を差し引き、その解「V−Vf」をフィラメント間距離Lで除し、その商を「電位傾度」(つまり、フィラメント間距離の単位長さ当たりのランプ電圧)とした。すなわち、測定した「185nm紫外線強度」と「ランプ電圧V」とを、それぞれ「185nm紫外線放射効率」と「電位傾度」(フィラメント間距離の単位長さ当たりのランプ電圧)に換算することにより、「電位傾度」の各値に対する「185nm紫外線放射効率」の値を対比することができ、放射効率のよい条件がどのあたりにあるかを把握することができる。なお、陽極降下電圧Vfは、前述の通り、1kHz以上の高周波電源で点灯した場合はVf=10とし、1kHz未満の電源で点灯した場合はVf=50であるとした。
【0027】
図3は、一例として、肉厚1mmの合成石英ガラス管を使用した放電灯のサイズが、内径13mm、管長154cm、フィラメント間距離147cmの物理的条件下で、電気的条件としてはランプ電流Iが1A(アンペア)で、約40kHzの電子バラストを使用する(つまりVf=10)の場合における、「電位傾度」と「185nm紫外線放射効率」の測定結果を示すもので、「電位傾度」の値を横軸にとり、それに対応する「185nm紫外線放射効率」の値を縦軸にとり、測定結果をプロットしたものである。ランプ電圧Vは、前述の通り冷却水の温度を変化させることで変化させた。図2によれば、「電位傾度」が約0.88(V/cm)のとき、「185nm紫外線放射効率」が最も高い値(約「6」)を示すことが判る。ここから判ることは、「185nm紫外線放射効率」がその最高値つまりピーク値(図2の例では約「6」)を含む適宜の許容範囲内に収まるように、物理的及び電気的諸条件を設定しさえすれば、185nm紫外線を効率よく放射できる放電灯および紫外線照射装置を提供することができる、ということである。この許容範囲としては、実際の紫外線照射状態を観察することにより、ピーク値の「185nm紫外線放射効率」の約6〜7割程度までは、許容範囲に含めることが適当であることが判明した。例えば、図3の例では、「185nm紫外線放射効率」の値が最低でも約3.6以上であれば、効率よい放射が得られているとみなせる。その場合、「電位傾度」が約0.72〜1.16程度の範囲内に収まるように諸条件が設定されればよいことが図から判明する。
【0028】
更に別の実測結果について説明する。図3と同様の管径13mm、管長154cm、フィラメント間距離147cmのサイズの放電灯において、ランプ電流Iを種々に異ならせて、各ランプ電流値における「185nm紫外線放射効率」がピーク値となる最適な電位傾度を探索した。その結果得られた各ランプ電流値(たて軸)における最適「電位傾度」(横軸)をプロットした図が、図4である。この図4から、最適「電位傾度」はほぼランプ電流値(I)の平方根(√I)に反比例していることが判る。
【0029】
以下同様にして、本実験に用いた上述した全てのサイズの放電灯について、「185nm紫外線放射効率」がピーク値となる最適な「電位傾度」を探索した結果、いずれの管径でも最適「電位傾度」はほぼ電流値(I)の平方根(√I)に反比例することを見出した。また、管径(D)をパラメータとして最適「電位傾度」をプロットした結果、図5に示すようにいずれの電流においても概ね管径(D)の平方根(√D)にも反比例することが判明した。即ち、内径(D)が8〜23mmの放電灯において、ランプ電流0.4 〜1.4 Aの範囲で動作させた場合に、最大の185nmの放射効率を得るための最適「電位傾度」は、管径(D)と電流(I)の平方根(√D及び√I)に反比例することを見出した。これは、高周波の電子バラストと商用周波数の電磁バラストのいずれであっても点灯電流のファクターを考慮しさえすれば、包含される結果となった。
【0030】
上記より、最適な「電位傾度」にあっては、「電位傾度」つまり「(V−Vf)/L」は、管径Dの平方根(√D)及びランプ電流Iの平方根(√I)に反比例する関係にあり、その比例定数をXとすると、下記のような関係式で表わせることになる。
(V−Vf)/L=X/(√D・√I)
前記図3の例の場合、内径D=13mm、ランプ電流I=1Aであったから、(√D・√I)は約3.605であり、「電位傾度」が上述した約0.72〜1.16程度の許容範囲内に収まるためには、比例定数Xは、ほぼ「2.6≦X≦4.2」の範囲の値をとればよいことになる。
【0031】
以上のような実験結果を考慮して、図1に示すような合成石英ガラスで構成した発光管バルブ11を用いた放電灯31において、合成石英ガラスからなる発光管バルブ11の内径D(単位はmm)のサイズは8mm以上とし、フィラメント21a,21bの間隔をL(単位はcm)、点灯時のランプ電圧をV(単位はV(ボルト))、ランプ電流をI(単位はA(アンペア))とするとき、各値の関係が次の関係式を有するように設定することが、185nm紫外線を効率良く放射するための条件とするのがよい、との結論に至った。
(V−Vf)/L=X/(√D・√I) ただし、2.6≦X≦4.2
ここで、前述の通り、点灯電源によって一義的に決まるファクターである陽極降下電圧Vfは、1kHz以上の高周波電源で点灯した場合はVf=10であり、1kHz未満の電源で点灯した場合はVf=50であるとする。
【0032】
このように、上述の実施例に係る放電灯31は、前記条件に基づき一例として、発光管バルブの内径13mm、フィラメント間距離153cmとして、発光管バルブ11の材質を合成石英ガラスにより構成した上で、図1に示されるように、前記発光管バルブ11内表面に金属酸化物(本実施例においては一例として、酸化アルミニウム)の薄膜44を形成したものである。
【0033】
次に、この放電灯31を長期間にわたって点灯実験して得られた紫外線照度維持率の測定結果について図6を参照して説明する。図において、横軸は点灯時間、たて軸は本発明による放電灯の照度の初期値を100%とした時の185nmと254nm波長の紫外線照度である。発光管バルブ11内表面に薄膜44を施した結果、254nmの波長域の紫外線照度の低下が殆ど見られず、前述の図9に示した従来の放電灯と比べて、照度維持率が飛躍的に向上しているのが判る。また、185nmの波長域の紫外線照度維持率も格段に向上しているのが判る。
【0034】
本発明に係る紫外線による液体処理装置つまり紫外線照射装置は、例えば半導体製造工程で使用される超純水の精製に利用されるもので、その場合、1年〜3年の長期連続運転に耐えるものでなければならない。本発明による放電灯を用いれば、TOC(Total Organic Carbon:全有機体炭素)分解処理能力の向上と、イオン交換樹脂の負担軽減との相乗効果を図ることができる。従って、本発明は半導体製造工程等で使用される超純水精製処理に最適である。もちろん、本発明に係る紫外線による液体処理装置は、半導体製造工程に限らず、飲料製造、食品製造、医療、水処理等、有機物の分解処理・殺菌・消毒等のために液体処理を施す汎ゆる分野で利用可能である。図7は、従来技術による放電灯を搭載した紫外線照射装置Bと本発明の実施例に述べた放電灯を搭載した紫外線照射装置Aについて、TOC濃度10ppbの原水を1ppb以下にできる処理能力を単位消費電力量当たりの流量で比較した実測データを示す図である。図は従来装置Bの初期値を100%として表示してある。従来装置Bと本発明装置Aとでは、まず初期において大きな性能差があり、使用時間が進むにつれて性能差が更に大きくなるのが判る。このTOC処理能力の向上は、185nmの紫外線放射効率及び維持率の向上によるものであるが、短波長域の紫外線の過多は、前述の通り、過剰な過酸化物を生成し、イオン交換樹脂の寿命劣化を招くことになるが、本発明にかかる放電灯を用いれば、254nmの紫外線の照度低下を抑制することで、イオン交換樹脂の負担を軽減することができる。
【0035】
図8は、従来技術による紫外線照射装置Bと本発明の実施例に述べた放電灯を使用した紫外線照射装置Aにおける、処理水の比抵抗値を、後段のイオン交換樹脂工程の出口で測定した結果である。図において、縦軸に比抵抗値を示し、横軸に点灯時間を示す。比抵抗値は過酸化物の濃度に依存しており、過酸化物の濃度が高いほど比抵抗値は低くなる。つまり、イオン交換樹脂の劣化により過酸化物漏洩が増すと、比抵抗値が低下するので、イオン交換樹脂出口における比抵抗値の推移は、イオン交換樹脂劣化のレベル指標となる。装置使用初期における比抵抗値は、従来装置B、本発明装置Aのいずれにおいても18MΩ強であったが、装置使用開始から一年後の時点で、従来装置Bの比抵抗値は、イオン交換樹脂更新の目安とされる16MΩ程度にまで低下した。これに対して、本発明装置Aにおいては、使用期間経過後も比抵抗値の低下は、極僅かであり、イオン交換樹脂への負担が軽減しているのが判る。これは、254nmの波長域の紫外線照度維持率の飛躍的向上により、過酸化物処理能力が維持されているためである。
【0036】
以上述べたように、本発明は、220nm以下の短波長域と254nmの紫外線を共存発光する放電灯において、発光管の内表面に金属酸化物の薄膜を形成し、254nmの紫外線照度維持率を高め、該放電灯からの紫外線によって処理対象液体の有機物分解等の処理を行うことで、意図しない中間生成物の分解を促進させるようにした発明である。上記実施例では、発光管を合成石英ガラスで構成し、波長185nmの紫外線を効率よく発光しうるような所定の条件でディメンションを決定した放電灯について説明したが、この場合は、特に絶大な作用効果を得ることができるのであるが、本発明の実施態様はこれに限らず、例えば、前記発光管の素材として通常の(天然)石英ガラスを用いた場合も同様の作用効果を得ることができる。また、放電灯のガラス内面に形成する薄膜として用いる金属酸化物は、一例として酸化アルミニウムを使用した例を説明したが、これに限らず、アルミニウム、ケイ素、カルシウム、マグネシウム、イットリウム、ジルコニウム及びハフニウムの中から選ばれた金属の少なくとも一種類以上の酸化物を主成分とするものであれば有効である。なお、放電灯の形態は、220nm以下の波長域と254nmの紫外線を共存発光する放電灯であれば、水銀と他の金属のアマルガムを封入したタイプの放電灯、フィラメントを常時加熱するコンテニュアスヒーティングタイプあるいはフィラメントとアノードの併設したタイプ等々、いずれの形態であっても本発明を適用することができ、同様の作用効果を得ることができる。
【0037】
【発明の効果】
以上の通り、本発明によれば、220nm以下の波長域と254nmの紫外線を共存発光する放電灯における254nmの紫外線照射維持率を著しく高め、同時に、220nm以下の紫外線の放射効率を向上し、照射維持率を高めることで、該放電灯を使用した液体処理装置及び方法において各設備機器の長寿命並びに省エネルギー・省メンテナンス効果を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る紫外線による液体処理装置で使用する放電灯の一実施例を示す側面断面略図。
【図2】 石英ガラスの組成として、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、タとして製作した各種の放電灯を長期間にわたって点灯実験することで得られた紫外線強度維持率曲線を示すグラフ。
チタニウム(Ti)、鉄(Fe)の総含有量およびOH基の含有量をパラメー
【図3】 本発明で使用する放電灯の一実施例による実験結果に基づく「電位傾度」と「185nm紫外線放射効率」の関係を例示するグラフ。
【図4】 本発明で使用する放電灯の一実施例による実験結果に基づく「ランプ電流」と最適「電位傾度」との関係を例示するグラフ。
【図5】 本発明で使用する放電灯の一実施例による実験結果に基づくガラス管の内径と最適「電位傾度」との関係を、「ランプ電流」の各値に対応して、例示するグラフ。
【図6】 本発明で使用する放電灯の185nmと254nmの紫外線照射維持率の一例を示すグラフ。
【図7】 本発明に係る液体処理装置すなわち紫外線照射装置における時間経過に伴うTOC分解処理能力の変化の実験結果を、従来装置と比較して例示するグラフ。
【図8】 本発明に係る液体処理装置すなわち紫外線照射装置における時間経過に伴う、イオン交換樹脂出口での比抵抗値の推移を、従来装置と比較して例示するグラフ。
【図9】 従来技術の放電灯における185nmと254nmの紫外線照射維持率の一例を示すグラフ。
【図10】 従来の放電灯を使用した紫外線照射装置の一例を示す側面断面略図。
【符号の説明】
31 放電灯
11 発光管バルブ
21a,21b フィラメント
2a,2b シール部
3a,3b 口金部
22a〜22d インナーリード
31a,31b 電気端子
Claims (4)
- 220nm以下の波長の紫外線と254nmの波長の紫外線とを共存発光する放電灯から放射される紫外線を処理対象液体に照射し、前記220nm以下の波長の紫外線により該処理対象液体の有機物分解処理を行う液体処理装置であって、
前記220nm以下の波長の紫外線は処理対象液体中の水分子を解離してOHラジカルを生成し、該生成されたOHラジカルによって有機物を分解することに寄与し、前記254nmの波長の紫外線は、前記220nm以下の波長の紫外線による有機物分解過程で前記処理対象液体中に発生した中間体である過酸化物を分解するのに寄与し、
前記放電灯は、内表面に金属酸化物の薄膜が形成された石英ガラス製発光管を備えており、該金属酸化物の薄膜によって当該放電灯の点灯中に生成される酸化水銀の当該発光管の内表面への吸着を防止し、もって、前記254nmの波長の紫外線の照度低下を防ぐようにしたものであり、
前記放電灯の発光管の管体が、内径8ミリメートル乃至23ミリメートルの合成石英ガラスからなり、この発光管の管体の両端にLセンチメートルの間隔で一対のフィラメントを備え、該放電灯を0.4アンペア〜1.4アンペアのランプ電流で動作させ、点灯時のランプ電圧Vボルトと、ランプ電流Iアンペア、フィラメント間距離Lセンチメートル、放電路の内径Dミリメートルについて、次なる関係式を有することを特徴とする液体処理装置。
(V−Vf)/L=X/(√D・√I) かつ、
2.6 ≦ X ≦ 4.2。
ただし、Vfは点灯電源に依存する定数要因で、1kHZ以上の高周波電源で点灯した場合はVf=10とし、1kHZ未満の電源で点灯した場合はVf=50とする。 - 前記放電灯の発光管の管体が、前記合成石英ガラスに代えて、天然の水晶もしくは珪砂を出発原料とし、ナトリウム、カリウム、チタニウムおよび鉄の4種からなる元素の総含有量が2.5ppm(ただし質量割合)以下であって、10ppm(ただし質量割合)以上のOH基を含む石英ガラスからなることを特徴とする請求項1に記載の液体処理装置。
- 前記放電灯の発光管の管体の内表面に形成する金属酸化物の薄膜は、アルミニウム、ケイ素、カルシウム、マグネシウム、イットリウム、ジルコニウム及びハフニウムの中から選ばれた金属の少なくとも一種類以上の酸化物を主成分とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の液体処理装置。
- 請求項1乃至3のいずれかに記載の液体処理装置を使用して行う紫外線液体処理方法であって、
前記液体処理装置を使用して、処理対象である水の中に含まれる有機物を分解処理する第1工程と、
前記第1工程で処理された前記水を、前記紫外線液体処理装置の後段に設けられたイオン交換樹脂にて処理する第2工程と
を具備し、不純物の極めて少ない超純水を製造することを特徴とする紫外線液体処理方法。
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