JP4861261B2 - 車車間通信システム - Google Patents

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本発明は、車車間通信システムに関するものである。
近年では、例えば特許文献1に示されるように、車両の安全運転を支援する目的で、複数台の車両が相互無線通信を通じて情報交換を行う車車間通信システムの開発が進められている。当該システムでは、自車両の周辺に形成される所定の通信エリア内にいる不特定多数の他車両との間で同時に情報を交換する構成が採用される。そして当該システムは、車車間通信を通じて自車両の近傍にいる他車両の位置、走行方向及び速度等の情報を取得し、これら取得した情報に基づき、運転席から見えにくい場所にいる他の車両の存在を運転者に報知して衝突事故の回避を促したり、道路状況を判定して渋滞の回避を促したりする。また、特許文献2に示されるように、車車間通信を通じてメッセージ情報の授受を行うとともに、受け取ったメッセージ情報を車室内に設けられた表示装置の画面に表示するようにしたものもある。
特開2005−10937号公報 特開2004−289377号公報
ところが、前記従来の車車間通信システムにおいては、次のような問題があった。すなわち、車車間通信システムの普及に伴い、当該通信を利用して知人や友人等の特定の車両との間でのみメッセージを交換したいという要望の高まりも想定される。しかし、前述したように、従前の車車間通信システムにあっては、不特定多数の車両との間における情報の授受を前提として構築されていることから、本来知人や友人等の特定の車両へ向けたメッセージ情報であれ、不特定多数の車両で受信される。このように、従前のシステム構成では、通信内容の秘匿性の確保は困難であった。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、特定の車両間において通信内容の秘匿性を確保することができる車車間通信システムを提供することにある。
請求項1に記載の発明は、 定多数の車両間での無線通信を通じて相互に情報交換を行う車車間通信システムであって、車車間通信を行う第1の通信手段と、ユーザに所持される携帯機と車両との間の通信を行う第2の通信手段と、を備え、前記第1の通信手段を通じた車車間通信を利用して特定車両間でのみ秘匿性を有する情報交換を行うべくこれら特定車両には固有の暗号鍵を設定する一方でこれら特定車両に対応する携帯機には対応する特定車両に固有の暗号鍵を格納し、一の携帯機に格納された暗号鍵を、前記第2の通信手段を通じて、当該一の携帯機に対応する特定車両の通信相手となる他の特定車両に送信することによって他の特定車両に登録し、前記一の携帯機に対応する特定車両から暗号鍵により暗号化されて発信される情報を、他の特定車両の暗号鍵により復号化することをその要旨とする。
本発明によれば、複数台の特定車両間でそれらに固有の暗号鍵を互いに共有することにより、車車間通信を利用して複数台の特定車両間で情報交換を行う際の通信内容の秘匿性を確保することができる。すなわち、特定車両のうちの一から他の特定車両へ情報を送信する際には、各特定車両間で共有する暗号鍵により情報が暗号化されて送信される。当該暗号化された情報を受け取る側の特定車両では、情報を送信してきた特定車両と共有する暗号鍵を使用して、送られてきた情報を復号化することにより情報の内容を知ることができる。暗号鍵を持たない車両にあっては、暗号化された情報を復号化することができないので、情報の内容を知ることはできない。このように、車車間通信を利用して、複数台の特定車両間でのみ秘匿性を有する情報交換を行うことができる。
また、本発明によれば、対応する特定車両に固有の暗号鍵が格納された携帯機と、当該携帯機に対応する特定車両の通信相手となる他の特定車両との間の無線通信を利用することにより、当該携帯機に対応する特定車両と当該特定車両の通信相手となる他の特定車両との間において、それらに固有の暗号鍵の受け渡しを簡単に行うことができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車車間通信システムにおいて、前記第2の通信手段は、前記携帯機に設けられて、対応する特定車両の通信相手となる他の特定車両から受ける電磁界により誘導される起電力により駆動するとともに、当該電磁界に応答して自身に格納された固有の暗号鍵を自身に対応する特定車両の通信相手となる他の特定車両に対して自動送信するトランスポンダを備えてなることをその要旨とする。
本発明によれば、携帯機のトランスポンダは、当該携帯機に対応する特定車両の通信相手となる他の特定車両から発せられる電磁界に応答して、自身に格納された暗号鍵を自動発信することにより当該暗号鍵を他の特定車両へ渡すことができる。このような通信を互いに秘匿性を有する情報交換を行う複数台の特定車両間で相互に行うことにより、暗号鍵の受け渡しを簡単に行うことができる。また、携帯機のトランスポンダは対応する特定車両との間で秘匿性を有する情報交換を行う他の特定車両から発せられる電磁界により誘起される起電力により駆動することから、バッテリ等の電源を携帯機に搭載する必要がない。このため、携帯機の構成の簡素化が図られる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の車車間通信システムにおいて、互いに秘匿性を有する情報交換を行う複数台の特定車両には、自車両以外の他の特定車両に固有の暗号鍵の登録を許容する登録モード及び自車両以外の他の特定車両に固有の暗号鍵の登録を禁止する非登録モードを設定するとともに、これら登録モードと非登録モードとを切り替えるべく操作される切替手段が設けられてなることをその要旨とする。
本発明によれば、切替手段の操作を通じて一の特定車両が非登録モードから登録モードに切り替えられることにより、当該一の特定車両は、通信相手となる他の特定車両に対応する携帯機との間の無線通信を通じて取得した当該他の特定車両に固有の暗号鍵を登録可能となる。このため、意図しない暗号鍵の登録を抑制することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の車車間通信システムにおいて、前記携帯機には、自身に格納された暗号鍵の送信を許容する送信モード及び自身に格納された暗号鍵の送信を禁止する非送信モードを設定するとともに、これら送信モードと非送信モードとを切り替えるべく操作される操作手段が設けられてなることをその要旨とする。
本発明によれば、携帯機に設けられた操作手段の操作を通じて非送信モードから送信モードへ切り替えられることにより、当該携帯機からの暗号鍵の送信が許容される。このため、所定の電磁界を受けた場合に常に暗号鍵を送信するようにした場合と異なり、例えば電磁ノイズによる暗号鍵の誤送信が抑制される。また近年では、電子部品の小型化及び高性能化に伴い車載機器のデジタル化が急速に進むなか、電磁ノイズによる問題が深刻化している。電磁ノイズは電子回路に流れる不必要な電気信号であることから、車載機器及び車載システムの誤作動等の障害を引き起こすおそれがある。このため、各種の電子機器においては、電磁ノイズを受けないと同時にノイズを出さないための対策が求められている。この点、本発明によれば、暗号鍵を特定車両に渡す際に操作手段が操作されたときにのみ当該暗号鍵を送信することから、前述したように電磁ノイズに起因する暗号鍵情報の誤送信が抑制される。また、当該誤送信された暗号鍵情報が車両又は携帯機の近傍に存在する電子機器に対し電磁ノイズとして作用することが抑制される。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の車車間通信システムにおいて、前記携帯機は、対応する特定車両との間の無線通信を通じて所定の車載制御対象を遠隔制御する電子キーとしての機能を備えて構成されることをその要旨とする。
本発明によれば、携帯機は、暗号鍵の送信機能と電子キーとしての機能とを併せて備えることにより、単一の機能を有する2つの携帯機を設けるようにした場合と異なり、ユーザは単一の携帯機を所持すればよい。このため、携帯性が確保される。
本発明によれば、各車両に固有の暗号鍵を特定の車両間で共有することにより、特定の車両間において通信内容の秘匿性を確保することができる。
<第1の実施の形態>
以下、本発明を車両の走行支援システムに適用した第1の実施の形態を図1〜図8に基づいて説明する。本実施の形態において、車車間通信を行う不特定多数の車両には、ユーザに所持される携帯機との間の無線通信を通じてドアの施解錠を制御する電子キーシステム及び不特定多数の車両間での無線通信を通じて相互に情報交換を行う車車間通信システムが搭載されている。以下に、電子キーシステム及び車車間通信システムの概要を説明する。
<電子キーシステム>
まず、電子キーシステムの概要を説明する。図1に示すように、電子キーシステム10は、車両Carに搭載される電子制御装置11及びユーザに所持される携帯機12を備えてなる。ユーザが車両Carに乗り込むべく携帯機12を携帯して当該車両Carに接近するに際して、電子制御装置11は、図示しない送信アンテナ及び受信アンテナを通じて携帯機12との間で相互無線通信を行い、当該通信を通じて当該携帯機12の妥当性を判断する。すなわち、電子制御装置11は、携帯機12に応答を要求する室外照合用の応答要求信号Sreqを生成するとともに、当該信号を所定の制御周期で前記送信アンテナを通じて車外に発信する。これにより、車両Carのドアの周辺には、図示しない室外照合用の検知領域が形成される。そして、ユーザが携帯機12を所持して施錠状態の車両Carに接近して前記外照合用の検知領域内に入ると、携帯機12は図示しない送受信アンテナを通じて前記応答要求信号Sreqを受信するとともに、当該送受信アンテナを通じて所定の識別コードを含む室外照合用の応答信号Srepを返信する。この返信された応答信号Srepが車両Car側の前記受信アンテナを通じて電子制御装置11に受信されると、当該電子制御装置11は、当該受信した応答信号Srepに含まれる所定の識別コードの妥当性を判断し、妥当である旨判断したときには、車両Carのドア13を解錠又は解錠を許可する。なお、前記識別コードの妥当性は、当該識別コードと車両Car(正確には、電子制御装置11)に登録された識別コードとが一致するかどうかにより判断される。
ドア13の解錠後、携帯機12を所持するユーザが車両Carに乗り込んだとき、電子制御装置11は、図示しないドアセンサによりこれを検出するとともに、車両Carに設けられた図示しない車室内通信用の送信機を通じて室内照合用の応答要求信号Sreqを発信する。これにより、車室内には、図示しない室内照合用の検知領域が形成される。携帯機12は、送受信アンテナを通じて室内照合用の応答要求信号Sreqを受信するとともに、識別コードを含む室内照合用の応答信号Srepを返信する。電子制御装置11は、この室内照合用の応答信号Srepを、前記受信アンテナを通じて受信すると、当該応答信号Srepに含まれる識別コードの妥当性を判断し、妥当である旨判断した場合には、エンジン14の始動を許可する。このエンジン14の始動が許可された状態で、車室内の運転席の近傍に配設された図示しない始動スイッチがユーザにより操作されたとき、電子制御装置11はエンジン14を始動させる。そして、ユーザが前記始動スイッチの操作を通じてエンジン14を停止するとともに、携帯機12を所持して解錠状態の車両Carから降車して、前記外照合用の検知領域の外に出ると、電子制御装置11は、これを携帯機12からの応答信号Srepが途絶えることにより検知して車両Carのドア13を施錠又は施錠を許可する。
携帯機12は、通常は内蔵された電池15を動作電源として作動するところ、当該電池15の消耗時に備えてトランスポンダ16が設けられてなる。トランスポンダ16は、図示しないコイルアンテナ及び制御IC等を備えるとともに、当該制御ICには前記室外照合時及び室内照合時に使用される識別コードとは異なる識別コード(トランスポンダコード)が予め記憶されている。トランスポンダ16は、車両側の前記始動スイッチの近傍に設けられたアンテナコイル等からなる磁界発生装置17から発せられる駆動電波(電磁界)を受けて前記コイルアンテナに誘起された起電力により駆動するとともに、制御ICに記憶された識別コードを含むID信号を自動送信する。この携帯機12からのID信号を受けて、車両Carの電子制御装置11は、当該ID信号に含まれる携帯機側の識別コードと自身に予め記録された車両側の識別コードとを照合し、両識別コードが一致したことを条件として車両Carの駆動源であるエンジンの始動を許可する。
ちなみに、電子制御装置11は、例えばエンジンが停止した状態でブレーキペダルの踏み込み等の特定操作が行われた場合に、前述した駆動電波を発生させるべく磁界発生装置17に対して駆動指令信号を出力する。そして、磁界発生装置17から発せられる駆動電波の到達範囲内に携帯機12を位置させることにより、当該携帯機12に内蔵されたトランスポンダ16は前述の通り起動する。
<車車間通信システムの概要>
次に、車車間通信システムの概要を説明する。図1に示されるように、車車間通信システム20は、不特定多数(図1では2台)の車両Carに搭載される車車間通信装置21を備えてなる。そして、各車車間通信装置21間での無線通信(車車間通信)を通じて相互に情報交換を行うことにより車両Carの走行を支援する。通信方式は、例えば自車両の位置情報等を車速に応じた時間間隔で同報送信する方式を採用することが可能である。車車間通信装置21の通信範囲は、当該車車間通信装置21を基準として例えば車両Carの進行方向に対する前方及び左右に200m(メートル)、後方に50m程度とされる。通信対象数としては、車両Carで200台程度とされている。すなわち、車車間通信装置21の通信範囲内に存在する最大200台程度の車両Carが同時に情報を交換することができる。
車車間通信装置21は自車両に関する情報を周期的に且つ通信相手を特定することなく送信する。そして受信側の他車両の車車間通信装置21は受信した情報に基づき当該他車両の運転者に事故の注意喚起等の情報提供を行う。車車間通信装置21から送信される情報には、自車両の現在位置、進行方向及び車速等の走行情報が含まれる。また、当該情報には、ヨーレート及び加速度等の各種の車両情報、並びに操舵角(ステアリングホイールの操作量)、スロットル開度(アクセルペダルの操作量)、ブレーキ圧、ウインカの作動の有無及びドアの開閉等の各種の操作情報を含めることも可能である。このような車車間通信システム20を利用することにより、例えば交差点での出会い頭事故、同じく対向車間の正面衝突事故、右左折事故、追突事故及び車線変更に伴う事故等の各種事故の発生を抑制するべく走行支援を行うことができる。
さらに、本実施の形態では、車車間通信装置21から送信される情報には、友人及び知人等が運転する特定の車両Carへ向けたメッセージ情報が含まれる。一般に、車車間通信システムにあっては、不特定多数の車両との間における情報の授受を前提として構築されていることから、本来知人や友人等の特定の車両へ向けたメッセージ情報であれ、不特定多数の車両で受信される。そこで、本実施の形態では、特定の車両Carとの間で車車間通信を通じて情報交換を行う際には、通信内容の秘匿性を確保するべく情報を暗号化して送る構成が採用されている。このような特定の車両Car間における暗号化通信を実現するべく携帯機12及び車車間通信装置21は次のような構成とされている。以下に、携帯機12及び車車間通信装置21の電気的な構成を説明する。
<携帯機の構成>
まず、携帯機12の電気的な構成を図2に基づき説明する。同図に示されるように、携帯機12のマイクロコンピュータ31には受信回路32及び送信回路33が接続されている。受信回路32は受信アンテナ32aを、また送信回路33は送信アンテナ33aを備えて構成されている。マイクロコンピュータ31にはEEPROM等の記憶装置34が設けられている。この記憶装置34には、前述した携帯機12に固有の識別コード、すなわち室外照合用及び室内照合用の2種類の識別コードが記憶されている。マイクロコンピュータ31、受信回路32及び送信回路33には前述した電池15から動作電力が供給される。
そして、マイクロコンピュータ31は、受信アンテナ32aを通じて車両Carから発せられる室外照合用の応答要求信号Sreqを受信した場合には、記憶装置34に格納されている室外照合用の識別コードを読み出し、この読み出した室外照合用の識別コードを含む室外照合用の応答信号Srepを、送信アンテナ33aを通じて送信する。また、マイクロコンピュータ31は、受信アンテナ32aを通じて車両Carから発せられる室内照合用の応答要求信号Sreqを受信した場合には、記憶装置34に格納されている室内照合用の識別コードを読み出し、この読み出した室内照合用の識別コードを含む室内照合用の応答信号Srepを、送信アンテナ33aを通じて送信する。
また、携帯機12を構成する前述したトランスポンダ16は、外部との通信を制御する制御IC35及び当該制御IC35に接続されたアンテナコイル36を備えてなる。これら制御IC35及びアンテナコイル36は図示しない単一のパッケージ(容器)の内部に配設されている。制御IC35には、情報の書き込み及び読み出しの双方が可能とされた不揮発性の記憶装置37が設けられている。この記憶装置37には、前述した室外照合時及び室内照合時に使用される識別コードとは異なる識別コード(トランスポンダコード)が記憶されている。また、記憶装置37には、携帯機12に対応する車両Carに固有の車車間通信用の暗号鍵が記憶されている。暗号鍵は、例えば、「1101101・・・」といった長さが数十ビットから1000ビット程度のデータ(ビット列)である。当該暗号鍵は、特定の車両Carとの間で秘匿性を有する情報の無線通信を行う場合に当該情報を暗号化するために使用される。トランスポンダ16は、外部(例えば、前述した磁界発生装置17)からの駆動電波を受けてアンテナコイル36に誘起された起電力により駆動する。そして、制御IC35は記憶装置37に格納された識別コード及び暗号鍵の双方を含むID信号Stを、アンテナコイル36を通じて自動的に送信する。
<車車間通信装置>
次に、車車間通信装置21の電気的な構成について説明する。図2に示すように、車車間通信装置21は、不特定多数の車両Carとの無線通信を制御する車車間通信制御装置41を備えてなる。この車車間通信制御装置41には送信回路42及び受信回路43が接続されている。受信回路43は、受信アンテナ43aを通じて他の車両Carから送られてくる車両情報を受信して当該受信した車両情報をパルス信号に復調して受信信号を生成するとともに、この生成した受信信号を車車間通信制御装置41へ出力する。送信回路42は、車車間通信制御装置41から出力される自身の車両情報(走行情報)を所定周波数の電波に変換し、送信アンテナ42aを通じて出力する。なお、車車間での無線通信で受け渡しされる前述の車両情報としては、例えば車両Carの現在位置を示す位置情報及び同じく進行方向を示す進行方向情報、並びに現在の車速を示す車速情報等がある。車車間通信制御装置41は、これらの車両情報を、自身に接続された情報検出装置44を通じて取得する。情報検出装置44は、図示しないGPSセンサ及び車速センサ等から構成される。GPSセンサは、人工衛星から発信される電波を受信して自車両の現在位置を検出し、当該検出信号を車車間通信制御装置41へ出力する。車速センサは、車両Carの走行速度を示す速度信号を車車間通信制御装置41へ出力する。
また、車車間通信制御装置41には、各種の情報を表示する表示装置45が接続されている。表示装置45は、車車間通信制御装置41からの表示指令信号に基づき各種の情報を表示する。当該表示される情報としては、例えば車車間の無線通信を通じて他の車両Carから送られてきたメッセージ情報、並びに他の車両Carの走行情報及び自車両の走行情報等に基づく警告情報等がある。また、車車間通信制御装置41には、車両Carの乗員に対して音声により各種の情報を提供するスピーカ46が接続されている。スピーカ46は、車車間通信制御装置41からの報知指令信号に基づき各種の情報を乗員の聴覚に訴えて報知する。当該報知される情報としては、前述した表示装置45に表示される情報と同じである。
車車間通信制御装置41には不揮発性メモリ(ROM)及び揮発性メモリ(RAM)からなる記憶装置47が設けられている。この記憶装置47の不揮発性メモリには、車車間での無線通信を制御するための通信制御プログラム、表示装置45の表示制御を行う表示制御プログラム及びスピーカ46の報知制御を行う報知制御プログラム等の各種のプログラムが記憶されている。同じく記憶装置47の不揮発性メモリには、車車間通信を行うための各種のデータが記憶されている。当該データには、車車間通信制御装置41が搭載される車両Carに固有の暗号鍵及び他の車両Carへ送信する定型のメッセージ情報が含まれている。この記憶装置47に格納される暗号鍵は、当該車両Carに対応する携帯機12に格納された暗号鍵と同じものである。
車車間通信制御装置41は、記憶装置47に格納された通信制御プログラムに従い、自身の車両情報を、送信回路42及び送信アンテナ42aを通じて周期的に送信する。また、車車間通信制御装置41は、受信アンテナ43a及び受信回路43を通じて他の車両Carの車両情報を受信する。そして、車車間通信制御装置41は、受信した他の車両Carの車両情報及び自車両の車両情報等に基づき運転に注意する必要があるかないかを判断し、運転に注意を要する旨判断した場合には、運転者に注意を喚起するべく表示装置45又はスピーカ46又はそれらの双方を動作させる。
さらに、車車間通信制御装置41には、前述した電子制御装置11が接続されている。電子制御装置11は磁界発生装置17を通じて取得した他の車両Carに対応する携帯機12からのID信号Stに含まれる暗号鍵情報を車車間通信制御装置41へ送る。そして、車車間通信制御装置41は電子制御装置11から送られてきた他の車両Carに固有の暗号鍵情報を記憶装置47に格納する。これにより、車車間通信制御装置41は、他の車両Carへ向けたメッセージ等の情報を、記憶装置47に格納した他の車両Carに固有の暗号鍵を使用して所定の暗号アルゴリズムにより暗号化して送信可能となる。他の車両Car側においては、自身に固有の暗号鍵により暗号化された情報を自身に固有の暗号鍵を使用して複合化して情報の内容を知ることができる。
<車車間通信システムの動作>
次に、前述のように構成した車車間通信システムの動作について説明する。当該システムによる車車間の無線通信には、不特定多数の他の車両との間で互いに通信相手を特定しない秘匿性の無い情報交換を行う公開された車車間通信と、特定の車両間において秘匿性を有する情報交換を行う非公開とされた車車間通信とがある。これら公開された車車間通信を行う場合の動作及び非公開とされた車車間通信を行う場合の動作を順に説明する。
<公開された車車間通信>
まず、公開された車車間通信を行う場合の車車間通信システムの動作を説明する。
車両Carの走行中において、車車間通信制御装置41は、情報検出装置44を通じて自車両の現在位置情報及び車速情報等の走行情報を取得し、この取得した走行情報を送信回路42及び送信アンテナ42aを通じて送信する。当該走行情報の送信は所定の制御周期で実行される。一方、受信アンテナ43a及び受信回路43を通じて自車両の通信範囲内に存在する他車両からの走行情報を受信した場合には、当該受信した他車両の走行情報を、記憶装置47を構成する前記揮発性メモリに一時的に格納する。この揮発性メモリに格納された他車両の走行情報は所定時間だけ経過したあとに削除される。
そして次に、車車間通信制御装置41は、情報検出装置44を通じて取得される自車両の走行情報及び受信した他車両の走行情報に基づき自車両と他車両との例えば衝突可能性を判定し、他車両との衝突の可能性がある旨判定した場合は、その旨表示装置45又はスピーカ46を通じて運転者に報知する。例えば図3に示されるように、自車両及び他車両が交差点に進入しつつある場合に、自車両において他車両との衝突の可能性が肯定されたときには、自車両側では例えば「左前方から車両が接近しています。注意してください。」等の報知を行う。
また、車両Carの走行中には、他車両に対して何らかのメッセージを送りたい場合が想定される。この場合、運転者又は乗員は、車室内に設けられる図示しない入力装置を通じて所望のメッセージを作成又は記憶装置47に格納された定型のメッセージ情報の中から所望のメッセージを選択し、この作成又は選択したメッセージを送信する。
例えば図4(a)に示されるように、T字路において、本線の他車両の列に自車両を割り込ませてほしい旨お願いする場合には、「割り込ませてください。」といったメッセージを送信する。そして、図4(b)に示されるように、他車両が自車両を自動車列に割り込ませてくれた状況にあっては、自車両のユーザは割り込ませてくれた他車両へ向けて「ありがとう。」等の謝意を示すメッセージを送信する。また、図示はしないものの、交差点で右折しようとしている対向車両に対してそれを促したい場合には、例えば「どうぞ。」といったメッセージを、また自車両の前方を低速走行している他車両に対して追い越しをさせてくれるよう頼みたい場合には、例えば「先に行かせてください。」といったメッセージを送信する。このような各種のメッセージ情報は自車両の周辺に存在する不特定多数の車両に受信されるものの、これらメッセージを受け取った車両側で取捨選択される。
<非公開とされた車車間通信>
次に、特定の車両間において非公開とされた車車間通信を行う場合の車車間通信システムの動作を説明する。この場合、前述したように、情報の授受は暗号化通信を通じて行われる。このため、秘匿性を有する情報交換を行う特定の車両間において、まずは互いの暗号鍵を交換して登録する必要がある。このため、まずは秘匿性を有する情報交換を行うための前提となる暗号鍵の登録方法について説明し、次いで車車間での暗号化通信について説明する。なお、ここでは2台の第1及び第2の特定車両Car1,Car2間において、秘匿性を有する情報交換を行う場合を想定する。
<初期状態>
秘匿性を有する情報交換を行う相手側の車両に固有の暗号鍵が登録されていない初期状態においては、図5に示されるように、第1及び第2の特定車両Car1,Car2にはそれぞれに固有の識別コードID1,ID2及び車車間通信用の暗号鍵KEY1,KEY2のみが記憶されている。またこれら第1及び第2の特定車両Car1,Car2に対応する携帯機12、正確にはこれらのトランスポンダ16の記憶装置37には、対応する第1及び第2の特定車両Car1,Car2に固有の識別コードID1,ID2及び暗号鍵KEY1,KEY2が記憶されている。
<走行前:暗号鍵の登録方法>
さて、図6に示されるように、走行前においては、秘匿性を有する情報交換を行う第1及び第2の特定車両Car1,Car2間において、互いの暗号鍵KEY1,KEY2を交換して登録する。すなわち、第1の特定車両Car1に対応する携帯機12を第2の特定車両Car2の磁界発生装置17の近傍に位置させる。すると、第1の特定車両Car1に対応する携帯機12は、第2の特定車両Car2の磁界発生装置17から発せられる駆動電波を受けて識別コードID1及び暗号鍵KEY1を含むID信号Stを送信する。当該ID信号Stを受けて、第2の特定車両Car2の電子制御装置11は、当該ID信号Stに含まれる第1の特定車両Car1に固有の暗号鍵KEY1を車車間通信制御装置41へ送る。当該車車間通信制御装置41は、電子制御装置11から送られてきた第1の特定車両Car1に固有の暗号鍵KEY1を記憶する。
なお、第2の特定車両Car2の電子制御装置11は、自身に記憶されている識別コードID2と、第1の特定車両Car1に対応する携帯機12から送られてきたID信号Stに含まれる識別コードID1との照合を行うものの、ここでは他車両に対応する識別コードであることから照合は当然に不一致となる。したがって、第2の特定車両Car2の駆動源であるエンジン14は始動非許可状態に保持される。また、前述と同様にして、第2の特定車両Car2に対応する携帯機12と第1の特定車両Car1との無線通信を通じて、第1の特定車両Car1の電子制御装置11には、第2の特定車両Car2に固有の暗号鍵KEY2が記憶される。このようにして2台の第1及び第2の特定車両Car1,Car2の間で互いの暗号鍵KEY1,KEY2の共有化が図られる。
<走行中:暗号化通信>
次に、図7に示されるように、第1及び第2の特定車両Car1,Car2の走行中において、例えば第1の特定車両Car1から第2の特定車両Car2へ何らかのメッセージを送る場合には、第1の特定車両Car1の車車間通信制御装置41は、共有する第2の特定車両Car2に固有の暗号鍵KEY2により当該メッセージを暗号化して送信する。
第2の特定車両Car2の車車間通信制御装置41は、第1の特定車両Car1から送られてきた暗号化情報を自身の暗号鍵KEY2により復号化するとともに、当該復号情報に基づきメッセージの内容を表示装置45に表示したり、スピーカ46を通じて音声で報知したりする。第2の特定車両Car2の乗員は、視覚又は聴覚を通じて第1の特定車両Car1からのメッセージの内容を知ることができる。
第2の特定車両Car2から第1の特定車両Car1へ何らかのメッセージを送る場合についても、前述と同様である。すなわち、第2の特定車両Car2の車車間通信制御装置41は、共有する第1の特定車両Car1に固有の暗号鍵KEY1により当該メッセージを暗号化して送信する。第1の特定車両Car1の車車間通信制御装置41は、第2の特定車両Car2から送られてきた暗号化情報を自身の暗号鍵KEY1により復号化することにより、第2の特定車両Car2からのメッセージの内容を知ることができる。
ここで、同図に示されるように、第1の特定車両Car1から送られた暗号化情報又は第2の特定車両Car2から送られた暗号化情報は、当該第1の特定車両Car1又は第2の特定車両Car2の通信範囲内に存在する他の車両Car3(例えば識別コードID3、暗号鍵KEY3を有する。)においても受信される。しかし、2台の第1及び第2の特定車両Car1,Car2以外の他の車両Car3は、暗号鍵KEY1,KEY2を持たないので暗号化情報を復号化することはできない。このため、他の車両Car3においては、第1の特定車両Car1から第2の特定車両Car2へ送られたメッセージの内容又は第2の特定車両Car2から第1の特定車両Car1へ送られたメッセージの内容を知ることはできない。このように、2台の第1及び第2の特定車両Car1,Car2間における情報交換の秘匿性が確保される。
なお、ここでは2台の第1及び第2の特定車両Car1,Car2間においてメッセージの暗号化通信を行う場合を想定して説明したが、3台、4台又はそれ以上の台数の車両Car間においても同様にしてメッセージの暗号化通信を行うことが可能である。この場合には、各携帯機12と各携帯機12に対応する車両Carの通信相手となる他の車両Carとの間の無線通信を通じて互いの暗号鍵を交換することにより、各車両Car間で互いの暗号鍵を共有化すればよい。
また、秘匿性を有する情報交換を行う2台の第1及び第2の特定車両Car1,Car2において、暗号鍵KEY2又は暗号鍵KEY1により暗号化された情報(メッセージ情報)のみを受信するようにしてもよい。このようにすれば、不要なメッセージを受信することが回避される。走行中における自車両の走行情報の送信及び他車両の走行情報の受信は行う。
さらに、次のようにすることも可能である。すなわち、第1の特定車両Car1から第2の特定車両Car2へメッセージを送る場合において、第1の特定車両Car1の車車間通信制御装置41は、自身に固有の暗号鍵KEY1により当該メッセージを暗号化して送信する。そして、第2の特定車両Car2においては第1の特定車両Car1からの暗号化情報を、共有する当該第1の特定車両Car1に固有の暗号鍵KEY1により復号化する。同様に、第2の特定車両Car2から第1の特定車両Car1へメッセージを送る場合において、第2の特定車両Car2の車車間通信制御装置41は、自身に固有の暗号鍵KEY2により当該メッセージを暗号化して送信する。そして、第1の特定車両Car1においては第2の特定車両Car2からの暗号化情報を、共有する当該第2の特定車両Car2に固有の暗号鍵KEY2により復号化する。
<実施の形態の効果>
従って、本実施の形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)第1及び第2の特定車両Car1,Car2間でそれらに固有の暗号鍵KEY1,KEY2を互いに共有することにより、第1及び第2の特定車両Car1,Car2間で車車間通信を利用して情報交換を行う際の通信内容の秘匿性を確保することができる。すなわち、第1の特定車両Car1から第2の特定車両Car2へ情報を送信する際には、通信相手である第2の特定車両Car2との間で共有する暗号鍵KEY2により情報が暗号化されて送信される。当該暗号化された情報を受け取る側の第2の特定車両Car2では、自身に固有の暗号鍵KEY2を使用して送られてきた情報を復号化することにより情報の内容を知ることができる。暗号鍵を持たない他の車両Car3にあっては、暗号化された情報を復号化することができないので、情報の内容を知ることはできない。このように、車車間通信を利用して、第1及び第2の特定車両Car1,Car2間でのみ秘匿性を有する情報交換を行うことができる。
(2)第1の特定車両Car1と、第2の特定車両Car2に対応する携帯機12との間の無線通信、並びに第2の特定車両Car2と、第1の特定車両Car1に対応する携帯機12との間の無線通信を利用することにより、固有の暗号鍵KEY1,KEY2の交換(受け渡し)を簡単に行うことができる。
(3)第1の特定車両Car1に対応する携帯機12のトランスポンダ16は、当該第1の特定車両Car1の通信相手となる第2の特定車両Car2の磁界発生装置17から発せられる電磁界に応答して、自身に格納された暗号鍵KEY1を自動発信することにより当該暗号鍵KEY1を第2の特定車両Car2へ渡すようにした。第2の特定車両Car2に固有の暗号鍵KEY2を当該第2の特定車両Car2の通信相手となる第1の特定車両Car1に渡す場合についても同様に行われる。携帯機12を磁界発生装置17から発せられる磁界内に位置させるだけでよいので、第1及び第2の特定車両Car1,Car2間において、暗号鍵KEY1,KEY2の受け渡しを簡単に行うことができる。また、トランスポンダ16は、磁界発生装置17から発せられる電磁界により誘起される起電力により起動することから、電池15の消耗が抑制される。
(4)対応する車両Carとの間の無線通信を通じてドア13の施解錠を行う電子キーとしての携帯機12を利用して、暗号鍵の交換を行うようにした。すなわち、携帯機12は、暗号鍵の送信機能と電子キーとしての機能とを備えて構成した。このため、単一の機能を有する2つの携帯機を別々に設けるようにした場合と異なり、ユーザは単一の携帯機12を所持すればよい。このため、携帯性が損なわれることはない。
<第2の実施の形態>
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態の走行支援システムは、基本的には先の図1及び図2に示されるシステムと同様の構成とされており、秘匿性を有する情報交換を行う特定の車両間における暗号鍵の受け渡し方法の点で前記第1の実施の形態と異なる。したがって、前記第1の実施の形態と同一の部材構成については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
さて、本実施の形態において、走行前における暗号鍵の登録方法は次の通りである。すなわち、図8に示されるように、まず、第2の特定車両Car2に対応する携帯機12を第1の特定車両Car1の磁界発生装置17の近傍に位置させる。すると、第2の特定車両Car2に対応する携帯機12は、第1の特定車両Car1の磁界発生装置17から発せられる駆動電波を受けて識別コードID2及び暗号鍵KEY2を含むID信号Stを送信する。第1の特定車両Car1の電子制御装置11は、第2の特定車両Car2に対応する携帯機12からのID信号Stに含まれる第2の特定車両Car2に固有の暗号鍵KEY2を記憶する。
このようにして、第2の特定車両Car2に固有の暗号鍵KEY2を第1の特定車両Car1に登録した後は、第1の特定車両Car1の車車間通信制御装置41は、自身に固有の暗号鍵KEY1を記憶装置47に格納されている第2の特定車両Car2に固有の暗号鍵KEY2を使用して暗号化する。そして車車間通信制御装置41は、この暗号化情報を送信回路42及び送信アンテナ42aを通じて送信する。第2の特定車両Car2は、受信アンテナ43a及び受信回路43を通じて、第1の特定車両Car1から送信された暗号化情報を受信し、当該暗号化情報に含まれる第1の特定車両Car1に固有の暗号鍵KEY1を自身の記憶装置47に格納する。このようにして2台の第1及び第2の特定車両Car1,Car2の間で互いの暗号鍵KEY1,KEY2の共有化が図られる。
したがって、本実施の形態によれば、次のような効果を得ることができる。すなわち、前述したように、まず第2の特定車両Car2に対応する携帯機12と第1の特定車両Car1の磁界発生装置17との無線通信を通じて、第2の特定車両Car2に固有の暗号鍵KEY2を第1の特定車両Car1に記憶する。そしてこの後、当該第1の特定車両Car1から自身に固有の暗号鍵KEY1を、車車間通信を通じて第2の特定車両Car2に送信するようにした。このため、第1及び第2の特定車両Car1,Car2間において、互いの磁界発生装置17を通じて暗号鍵KEY1,KEY2を交換する場合と異なり、携帯機12を磁界発生装置17に近接させる作業が少なくなる。ひいては、第1及び第2の特定車両Car1,Car2間の暗号鍵KEY1,KEY2の受け渡し作業がより簡単なものになる。
なお、本実施の形態において、秘匿性を有する情報交換を行う車両Carが3台、4台又はそれ以上の台数である場合、一の車両Carに固有の暗号鍵を受け取った他の車両Carは、当該受け取った一の車両Carに固有の暗号鍵の情報を、車車間通信を利用して他の複数台の車両Carに対して一斉に送信するようにしてもよい。そしてこれを、秘匿性を有する情報交換を行う特定の車両Carの台数と同じ回数だけ繰り返す。このようにすれば、各車両Car間における暗号鍵の登録作業が簡単になる。
<第3の実施の形態>
次に、本発明の第3の実施の形態を説明する。本実施の形態の走行支援システムは、基本的には先の図1及び図2に示されるシステムと同様の構成とされており、秘匿性を有する情報交換を行う特定の車両間における暗号鍵の受け渡し方法の点で前記第1の実施の形態と異なる。したがって、前記第1の実施の形態と同一の部材構成については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。なお、本実施の形態は、前記第2の実施の形態にも適用可能である。
本実施の形態の電子制御装置11は、その動作モードとして、非登録モード及び登録モードが設定されてなる。非登録モードは、自車両以外の他の車両Carに固有の暗号鍵の登録を許容するモードである。登録モードは、自車両以外の他の車両Carに固有の暗号鍵の登録を禁止するとともに、トランスポンダ16に格納されている識別コードの妥当性の判断を行わないモードである。そして、図9に示されるように、電子制御装置11には、これら登録モードと非登録モードとを切り替えるべく操作される切替手段としてスイッチ51が接続されている。このスイッチ51は、例えば車両Carのインストルメントパネルにおける運転席の近傍に配設される。
電子制御装置11は、非登録モードに切り替えられているときには、前述したように他の車両Carに固有の暗号鍵の登録を禁止するものの、エンジン14が停止した状態でブレーキペダルの踏み込み等の特定操作が行われたときには、磁界発生装置17に駆動電波を発生させるべく当該磁界発生装置17を制御する。これにより、携帯機12の電池15が消耗したときのエンジン14の始動が許容される。また、電子制御装置11は、非登録モードから登録モードに切り替えられたときには、磁界発生装置17に駆動電波を発生させるべく当該磁界発生装置17を制御する。そして、電子制御装置11は、登録モードに切り替えられているときには、前述したように前記ID信号Stに含まれる識別コードの妥当性の判断を行うことなく、同じくID信号Stに含まれる他車両の暗号鍵の登録のみを許容する。すなわち、電子制御装置11はID信号Stに含まれる暗号鍵情報を車車間通信制御装置41へ送る。通常、電子制御装置11は、非登録モードに保持されている。
さて、第2の特定車両Car2に対応する携帯機12に格納された暗号鍵KEY2を、第1の特定車両Car1の磁界発生装置17との無線通信を通じて登録する際には、まず第1の特定車両Car1のスイッチ51の操作を通じて電子制御装置11の動作モードを非登録モードから登録モードへ切り替える。これにより、第1の特定車両Car1において、第2の特定車両Car2に固有の暗号鍵の登録が許容される。この状態で、例えば第2の特定車両Car2に対応する携帯機12を第1の特定車両Car1の磁界発生装置17の近傍に位置させると、第2の特定車両Car2に対応する携帯機12は、第1の特定車両Car1の磁界発生装置17から発せられる駆動電波を受けて識別コードID2及び暗号鍵KEY2を含むID信号Stを送信する。第1の特定車両Car1の電子制御装置11は、第2の特定車両Car2に対応する携帯機12から送られてきたID信号Stに含まれる第2の特定車両Car2に固有の暗号鍵KEY2を車車間通信制御装置41へ送る。そして車車間通信制御装置41は電子制御装置11から送られてきた暗号鍵KEY2を記憶装置47に記憶する。このとき、第1の特定車両Car1の電子制御装置11は識別コードの照合は行わない。これは、スイッチ51の操作を通じて登録モードに切り替えられることにより、電子制御装置11は、暗号鍵の登録を行うことを予め認識することができるからである。
なお、図示しないナビゲーション装置の操作スイッチ又は入力部に、登録モードと非登録モードとを切り替えるスイッチ51としての機能を割り当てることも可能である。この場合、スイッチ51は省略可能となる。このため、スイッチ51を車両Carのインストルメントパネル等に配設するようにした場合と異なり、スイッチ類を増大させることなく電子制御装置11の動作モードの切り替えを行うことができる。
したがって、本実施の形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)電子制御装置11の動作モードが登録モードに切り替えられた場合には、当該電子制御装置11は、他の車両Carに対応する携帯機12、正確には、トランスポンダ16に格納されている識別コードの妥当性の判断を無駄に行わないようにした。このため、当該識別コードの妥当性の判断に際して消費される電力を節約することができる。近年では、車両の電子化の拡大に伴い消費電力も増大の一途を辿っている。こうした実状にあって、車両の消費電力の節約は重大な課題となっているところ、本実施の形態によれば、こうした車両に好適に適用することができる。
(2)また、スイッチ51の操作を通じて車両Carが非登録モードから登録モードに切り替えられることにより、自車両以外の他の車両Carに対応する携帯機12に対して駆動電波を発生させるべく磁界発生装置17を制御するようにした。このため、スイッチ51の操作及び前述の特定操作(例えばブレーキペダルの踏込操作)の二つの操作を行って初めて駆動電波が出力されるようにした場合と異なり、他の車両Carに固有の暗号鍵の登録操作が簡素なものとなる。
(3)さらに、スイッチ51の操作を通じて第1の特定車両Car1が非登録モードから登録モードに切り替えられることにより、当該第1の特定車両Car1は、通信相手となる第2の特定車両Car2に対応する携帯機12との間の無線通信を通じて取得した当該第2の特定車両Car2に固有の暗号鍵KEY2を登録可能となる。このため、意図しない暗号鍵の登録を抑制することができる。
<第4の実施の形態>
次に、本発明の第4の実施の形態を説明する。本実施の形態の走行支援システムは、基本的には先の図1及び図2に示されるシステムと同様の構成とされており、秘匿性を有する情報交換を行う特定の車両間における暗号鍵の受け渡し方法の点で前記第1の実施の形態と異なる。したがって、前記第1の実施の形態と同一の部材構成については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。なお、本実施の形態は、前記第2及び第3の実施の形態に適用することも可能である。
図10に示すように、携帯機12には、施錠ボタン61及び解錠ボタン62が設けられている。施錠ボタン61が操作されると、マイクロコンピュータ31は、車両Carのドアの解錠を要求する旨示す情報及び固有の識別コードを含む解錠要求信号を送信回路33及び送信アンテナ33aを通じて送信する。解錠ボタン62が操作されると、マイクロコンピュータ31は、車両Carのドアの施錠を要求する旨示す情報及び固有の識別コードを含む施錠要求信号を送信回路33及び送信アンテナ33aを通じて送信する。車両Carの電子制御装置11は、これら解錠要求信号及び施錠要求信号を受信すると、これら信号に含まれる識別コードの妥当性を判定し、妥当である旨判定した場合には、ドア13を解錠又は施錠する。
このような携帯機12の構成を前提として、本実施の形態では、携帯機12は、その動作モードとして、送信モード及び非送信モードが設定されてなる。送信モードは、自身に格納された暗号鍵の送信を許容するモードである。非送信モードは、自身に格納された暗号鍵の送信を禁止するモードである。通常、携帯機12は、非送信モードに保持されている。そして、本実施の形態では、ドア13が解錠された状態で、施錠ボタン61を操作している間だけ携帯機12は、非送信モードから送信モードに切り替えられた状態に保持される。なお、解錠ボタン62を操作している間だけ携帯機12は送信モードに保持されるようにしてもよいし、施錠ボタン61及び解錠ボタン62の双方を操作している間だけ携帯機12は送信モードに保持されるようにしてもよい。
さて、第2の特定車両Car2に対応する携帯機12に格納された暗号鍵KEY2を、第1の特定車両Car1の磁界発生装置17との無線通信を通じて登録する際には、次のようにする。すなわち、前述したように当該第2の特定車両Car2に対応する携帯機12の施錠ボタン61を操作した状態を保ちつつ、当該携帯機12を第1の特定車両Car1の磁界発生装置17の近傍に位置させる。すると、第2の特定車両Car2に対応する携帯機12は、第1の特定車両Car1の磁界発生装置17から発せられる駆動電波を受けて識別コードID2及び暗号鍵KEY2を含むID信号Stを送信する。第1の特定車両Car1の電子制御装置11は、第2の特定車両Car2に対応する携帯機12から送られてきたID信号Stに含まれる第2の特定車両Car2に固有の暗号鍵KEY2を車車間通信制御装置41へ送る。そして車車間通信制御装置41は電子制御装置11から送られてきた暗号鍵KEY2を記憶装置47に記憶する。
なお、本実施の形態を前記第3の実施の形態に適用する場合には、携帯機12の暗号鍵の登録に際して、まずスイッチ51を操作することにより第1の特定車両Car1に対応する磁界発生装置17から駆動電波を発生させておく。
したがって、本実施の形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)携帯機12に設けられた操作手段としての施錠ボタン61の操作を通じて非送信モードから送信モードへ切り替えられることにより、当該携帯機12からの暗号鍵の送信が許容される。このため、所定の電磁界を受けた場合に常に暗号鍵を送信するようにした場合と異なり、例えば電磁ノイズによる暗号鍵の誤送信が抑制される。近年では、電子部品の小型化及び高性能化に伴い機器のデジタル化が急速に進むなか、電磁ノイズ問題が深刻化している。電磁ノイズは電子回路に流れる不必要な電気信号であることから、車載機器及び車載システムの誤作動等の障害を引き起こす可能性がある。このため、各種の電子機器においては、電磁ノイズを受けないと同時にノイズを出さないための対策が求められている。この点、本実施の形態によれば、暗号鍵を特定の車両Carに渡す際に施錠ボタン61が操作されたときにのみ当該暗号鍵を送信することから、電磁ノイズに起因する暗号鍵情報の誤送信が抑制される。また、当該誤送信された暗号鍵情報が車両Car又は携帯機12の近傍に存在する電子機器に対しノイズとして作用することが抑制される。
(2)また、施錠ボタン61が操作されている間だけ暗号鍵の送信が可能となることから、電磁ノイズによる暗号鍵の誤送信が好適に抑制される。
(3)さらに、携帯機12の動作モードを切り替える操作手段として、施錠ボタン61を兼用したことにより、別途モード切替ボタンを設けるようにした場合と異なり、携帯機12の構成の複雑化が回避される。なお、これは、別途モード切替ボタンを設けることを除外するものではない。図10に二点鎖線で示されるように、携帯機12の送信モードと非送信モードとを切り替えるべく操作される操作手段としてモード切替ボタン63を別途設けるようにしてもよい。このモード切替ボタン63が操作されたとき、又は操作されている間だけ携帯機12の動作モードが送信モードに保持される。
<他の実施の形態>
なお、前記各実施の形態は、次のように変更して実施してもよい。
・第1〜第4の実施の形態において、エンジン14の始動を条件として、暗号鍵の登録を許容するようにしてもよい。このようにすれば、第三者による意図しない暗号鍵の登録等が抑制される。すなわち、第三者は正規の携帯機12を所持していないことから、エンジン14を始動させることができない。このため、エンジン14の始動を暗号鍵の登録の条件の一とすることにより前述した第三者による意図しない暗号鍵の登録を好適に抑制することができる。
・第1〜第4の実施の形態では、暗号鍵の交換に際して、通信相手となる他車両側でブレーキペダルの踏込等の特定操作を通じて磁界発生装置17から駆動電波を発生させて当該駆動電波の到達範囲内に自車両に対応する携帯機12を位置させるようにしたが、次のようにすることも可能である。例えば、自車両に対応する携帯機12から暗号鍵の登録要求信号を他車両へ送信し、当該携帯機12からの登録要求信号を受けて磁界発生装置17から駆動電波を発生させる。
・第1〜第4の実施の形態では、電子制御装置11と車車間通信制御装置41とを別にして構成したが、これら電子制御装置11及び車車間通信制御装置41を統合して単一の電子制御装置として構成することも可能である。
・第1〜第4の実施の形態において、携帯機12と磁界発生装置17との無線通信を暗号化するようにしてもよい。このようにすれば、暗号鍵の秘匿性を確保しつつ当該暗号鍵の共有化が図られる。
・第1〜第4の実施の形態では、携帯機12と車両Carとの間の相互無線通信を通じてドア13の施解錠及びエンジン14の始動許可を行う電子キーシステムを搭載した車両を前提としたが、次のような車両Carにも適用可能である。例えば携帯機12に設けられた施錠ボタン及び解錠ボタンの操作を通じてドア13の施錠又は解錠を行う電子キーシステムを搭載した車両Carに適用する。
・第1〜第4の実施の形態では、第1及び第2の特定車両Car1,Car2に対応する携帯機12,12と、これら携帯機12,12に対応する第1及び第2の特定車両Car1,Car2の通信相手となる第2及び第1の特定車両Car2,Car1との無線通信を通じて暗号鍵KEY1,KEY2を互いに共有化するようにした。しかし、次のようにすることも可能である。すなわち、秘匿性を有する情報交換を行う特定の車両Carが予め決まっているような場合には、車両Carの販売業者等において暗号鍵の共有化作業を行うようにしてもよい。この場合、販売業者等がユーザの所持する携帯機12を使用して暗号鍵の共有化作業をしてもよいし、各車両Carの車車間通信制御装置41の記憶装置47に暗号鍵を直接的に書き込むようにしてもよい。
・第1〜第4の実施の形態では、電子キーとしての携帯機12に暗号鍵の送信機能を持たせるようにしたが、暗号鍵を交換するための専用の携帯機を別途設けるようにしてもよい。この場合、当該専用の携帯機にはトランスポンダ16のみを備えて構成すればよい。また、専用の携帯機を別途設けるのではなく、トランスポンダ16を携帯電話及び腕時計等の常時携帯するものに内蔵するようにしてもよい。
・第1〜第4の実施の形態では、携帯機12のトランスポンダ16と、当該携帯機12に対応する車両Carの通信相手となる車両Carに搭載された磁界発生装置17との間の無線通信を通じて暗号鍵の交換を行うようにしたが、次のようにすることも可能である。すなわち、携帯機12の記憶装置34に暗号鍵を格納する。そして、記憶装置34に格納された暗号鍵を、送信回路33及び送信アンテナ33aを通じて通信相手となる特定の車両Carへ送信する。通信相手となる特定の車両Carは、送られてきた暗号鍵を車車間通信制御装置41の記憶装置47に格納する。このように、携帯機12と車両Carとの間におけるドア13の施解錠のための無線通信を利用して暗号鍵の交換を行うことにより、当該暗号鍵の交換作業がいっそう簡単になる。これは、磁界発生装置17と携帯機12との無線通信を利用する場合と異なり、暗号鍵の交換作業の際にドア13を解錠して車室内に入る必要がないからである。なお、この場合には、車両Carにその動作モードとして他の車両Carに固有の暗号鍵の登録を許容する登録モード及び同じく登録を禁止する非登録モードを設定し、当該登録モードに切り替えられたときにのみ通信相手となる他の車両Carの暗号鍵の登録を可能とする。車両Carの動作モードの切り替えは、例えば当該車両Carに対応する携帯機12にモード切替スイッチを設け、当該スイッチの操作を通じて動作モードの切り替えを遠隔で行う。
・第1〜第4の実施の形態において、車室内でのID照合用の磁界発生装置17とは別に、暗号鍵交換用の専用の磁界発生装置17を設けるようにしてもよい。この場合、当該専用の磁界発生装置17は、車室内に別途設けてもよいし、ドア13又は図示しないドアミラー等に設けるようにしてもよい。専用の磁界発生装置17をドア13又はドアミラーに設ける場合には、車室外へ駆動電波を送信可能となるように設ける。
・第1〜第4の実施の形態において、例えば車車間通信制御装置41は、路側機から送信される交通情報等を受信アンテナ43a及び受信回路43を介して受信して、この受信した交通情報等を表示装置45及びスピーカ46を通じて乗員に報知するようにしてもよい。
<他の技術的思想>
次に、前記実施の形態より把握できる技術的思想について以下に記載する。
(イ)請求項1に記載の車車間通信システムにおいて、互いに秘匿性を有する情報交換を行う複数台の特定車両には、各特定車両に対応し且つユーザに所持される携帯機との間の無線通信を通じて所定の制御対象を遠隔制御する遠隔制御システムを搭載し、前記携帯機は、内蔵された電源によって駆動するとともに、前記制御対象の一つとして、対応する特定車両のドアを解錠又は施錠するべく当該特定車両から受ける応答要求信号に応答して当該携帯機に固有の第1の識別情報を自動送信する第1の通信手段と、対応する特定車両から受ける電磁界により誘導された起電力により駆動するとともに、前記制御対象の一つとして、当該特定車両の駆動源を始動するべく当該電磁界に応答して前記第1の識別情報とは異なる第2の識別情報を自動送信する第2の通信手段とを備え、前記携帯機の第2の通信手段とこれに対応する特定車両との間で秘匿性を有する情報交換を行う他の特定車両との間の無線通信機能を利用して、当該第2の通信手段に格納された固有の暗号鍵を前記他の特定車両に対して自動送信することにより、当該第2の通信手段に格納された固有の暗号鍵を当該携帯機に対応する特定車両と当該特定車両と秘匿性を有する情報交換を行う他の特定車両との間において互いに共有するようにした車車間通信システム。
この技術的な思想によれば、携帯機の第2の通信手段は、当該携帯機に対応する特定車両との間で秘匿性を有する情報交換を行う他の特定車両から発せられる電磁界に応答して、自身に格納された暗号鍵を自動発信することにより当該暗号鍵を他の特定車両へ渡すことができる。このような通信を互いに秘匿性を有する情報交換を行う複数台の特定車両との間で相互に行うことにより、暗号鍵の受け渡しを簡単に行うことができる。また、携帯機の通信手段は対応する特定車両との間で秘匿性を有する情報交換を行う他の特定車両から発せられる電磁界により誘起される起電力により駆動することから、バッテリ等の電源を携帯機に搭載する必要がない。このため、携帯機の構成の簡素化が図られる。
(ロ)請求項4に記載の車車間通信システムにおいて、前記操作手段が操作されている間だけ、前記携帯機は送信モードに保持されるようにした車車間通信システム。
本技術的な思想によれば、操作手段が操作されている間だけ暗号鍵の送信が可能となることから、電磁ノイズによる暗号鍵の誤送信がいっそう好適に抑制される。
(ハ)請求項4又は前記思想(ロ)に記載の車車間通信システムにおいて、前記携帯機は、対応する特定車両との間の無線通信を通じてドアの施錠又は解錠を行う電子キーとしての機能を備えて構成し、前記操作手段は、対応する特定車両のドアを解錠するべく操作される解錠スイッチ及び同じくドアを施錠するべく操作される施錠スイッチの少なくとも一方を含み、解錠スイッチもしくは施錠スイッチ又はそれらの双方が操作されることにより前記携帯機は非送信モードから送信モードへ切り替えられるようにした車車間通信システム。
本技術的な思想によれば、送信モードと非送信モードとの切り替えを行う操作手段が、車両のドアを遠隔操作により施錠する施錠スイッチ及び同じく解錠する解錠スイッチの少なくとも一方と兼用される。このため、送信モードと非送信モードとを切り替える操作手段を施錠スイッチ及び解錠スイッチと別に設けるようにした場合と異なり、携帯機の構成の簡素化が図られる。
第1の実施の形態の車両システムの概略的な構成を示すブロック図。 同じく車車間通信システムの概略的な構成を示すブロック図。 同じく車車間通信を通じて運転支援が行われる交通状況の一例を示す模式図。 (a),(b)は、同じく車車間通信を通じて情報交換が行われる交通状況の一例を示す模式図。 同じく暗号鍵を交換する前の車両の初期状態を示す模式図。 同じく暗号鍵の交換を示す車両及び携帯機の模式図。 同じく車車間通信を通じて行われる秘匿性を有する情報交換の状況を示す車両の模式図。 第2の実施の形態における暗号鍵の交換を示す車両及び携帯機の模式図。 第3の実施の形態における車車間通信装置の概略的な構成を示すブロック図。 第4の実施の形態における携帯機の概略的な構成を示すブロック図。
符号の説明
12…携帯機、13…ドア、16…第2の通信手段を構成するトランスポンダ、17…第2の通信手段を構成する磁界発生装置、20…車車間通信システム、21…車車間通信装置(第1の通信手段)、51…スイッチ(切替手段)、61…操作手段を構成する施錠スイッチ、62…操作手段を構成する解錠スイッチ、63…モード切替ボタン(操作手段)、Car…車両、Car1…第1の特定車両、Car2…第2の特定車両、KEY1,KEY2…暗号鍵。

Claims (5)

  1. 定多数の車両間での無線通信を通じて相互に情報交換を行う車車間通信システムであって、
    車車間通信を行う第1の通信手段と、ユーザに所持される携帯機と車両との間の通信を行う第2の通信手段と、を備え、
    前記第1の通信手段を通じた車車間通信を利用して特定車両間でのみ秘匿性を有する情報交換を行うべくこれら特定車両には固有の暗号鍵を設定する一方でこれら特定車両に対応する携帯機には対応する特定車両に固有の暗号鍵を格納し、
    一の携帯機に格納された暗号鍵を、前記第2の通信手段を通じて、当該一の携帯機に対応する特定車両の通信相手となる他の特定車両に送信することによって他の特定車両に登録し、
    前記一の携帯機に対応する特定車両から暗号鍵により暗号化されて発信される情報を、他の特定車両の暗号鍵により復号化する車車間通信システム。
  2. 請求項1に記載の車車間通信システムにおいて、
    前記第2の通信手段は、前記携帯機に設けられて、対応する特定車両の通信相手となる他の特定車両から受ける電磁界により誘導される起電力により駆動するとともに、当該電磁界に応答して自身に格納された固有の暗号鍵を自身に対応する特定車両の通信相手となる他の特定車両に対して自動送信するトランスポンダを備えてなる車車間通信システム。
  3. 請求項1または請求項2に記載の車車間通信システムにおいて、
    互いに秘匿性を有する情報交換を行う複数台の特定車両には、自車両以外の他の特定車両に固有の暗号鍵の登録を許容する登録モード及び自車両以外の他の特定車両に固有の暗号鍵の登録を禁止する非登録モードを設定するとともに、これら登録モードと非登録モードとを切り替えるべく操作される切替手段が設けられてなる車車間通信システム。
  4. 請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の車車間通信システムにおいて、
    前記携帯機には、自身に格納された暗号鍵の送信を許容する送信モード及び自身に格納された暗号鍵の送信を禁止する非送信モードを設定するとともに、これら送信モードと非送信モードとを切り替えるべく操作される操作手段が設けられてなる車車間通信システム。
  5. 請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の車車間通信システムにおいて、
    前記携帯機は、対応する特定車両との間の無線通信を通じて所定の車載制御対象を遠隔制御する電子キーとしての機能を備えて構成される車車間通信システム。
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