JP4852705B2 - 可変剛性機構及び該機構を備えたロボット用関節機構 - Google Patents

可変剛性機構及び該機構を備えたロボット用関節機構 Download PDF

Info

Publication number
JP4852705B2
JP4852705B2 JP2007040961A JP2007040961A JP4852705B2 JP 4852705 B2 JP4852705 B2 JP 4852705B2 JP 2007040961 A JP2007040961 A JP 2007040961A JP 2007040961 A JP2007040961 A JP 2007040961A JP 4852705 B2 JP4852705 B2 JP 4852705B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
main
link
joint
rigidity
variable
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007040961A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008200819A (ja
Inventor
昌史 岡田
晋太郎 紀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokyo Institute of Technology NUC
Original Assignee
Tokyo Institute of Technology NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokyo Institute of Technology NUC filed Critical Tokyo Institute of Technology NUC
Priority to JP2007040961A priority Critical patent/JP4852705B2/ja
Publication of JP2008200819A publication Critical patent/JP2008200819A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4852705B2 publication Critical patent/JP4852705B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Manipulator (AREA)

Description

本発明は、回転角に応じて剛性が変化する可変剛性機構及び該機構を備えたロボット用関節機構に関する。
二足歩行等の歩行運動を行うロボットの運動生成においては、従来はその運動の全てをコントローラによって制御していた。しかし生身の人間の場合、その運動の全てを脳が支配しているわけではなく、例えば歩行という運動について、環境や身体の状況変化等に基づいて運動が創り出されるという、いわゆる「運動の創発」がなされている。
ロボットにこのような運動の創発を行わせようとした場合、先ず微分方程式の解としての運動設計が必要であり、さらにロボット自身の機構の新たな設計(新設計)が必要となる。このような機構の新設計という観点から、これまでに特許文献1に開示されるような機構開発がなされている。特許文献1には、回動方向に隙間を有する2つの回動部材を有することにより、自由関節を実現するとともに高トルク伝達も可能にするバックラッシュクラッチ及びそれを備えたロボット用関節機構が開示されている。
特開2003−231082号
ロボットの膝関節や足首の関節を設計する場合、関節の動作性や制御性を良好に保つためには、関節機構の各部材を遊び等なくいわゆる「ガチガチ」に構成することが好ましい。しかし一方で、ロボットの実際の作動環境等によっては関節を構成する部材に不都合な衝撃等が加わることが多く、このような場合衝撃は関節の各部材に直接伝わってしまい、故障につながる虞がある。従って関節機構には、衝撃をある程度吸収できるように、ある程度の「柔軟性」を関節機構に付与するばね部材等を組み込む場合がある。
しかしばね部材等の一種の弾性体を有する関節機構は、実質剛体のみで構成された「ガチガチ」のものに比べ強度面で劣るという欠点がある。従って、衝撃等を吸収できるある種の柔軟性を有しつつ、実質剛体のみから構成可能な関節機構が望まれる。
そこで本発明は、零剛性から極高剛性まで剛性が変化する可変剛性機構、及びかかる可変剛性機構を備えたロボット用関節を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、主回転軸と、前記主回転軸について回転可能な主関節と、前記主回転軸に連結されて閉リンク系を形成する少なくとも1つのリンク機構とを有する可変剛性機構であって、前記リンク機構は、前記主回転軸から半径方向に所定距離離れた位置に固定されかつ前記主回転軸に平行な第1回転軸について回転可能な2つの第1関節と、前記2つの第1関節にそれぞれ連結され前記第1回転軸に略垂直な2つの第2回転軸について回転可能な2つの第2関節と、前記2つの第2関節に両端が連結されかつ前記主回転軸に略平行に延びるリンク部材とを有し、前記リンク部材は実質剛体の部材から作製されることを特徴とする、可変剛性機構を提供する。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の可変剛性機構において、前記リンク部材は切込みを有する柱状部材から作製される、可変剛性機構を提供する。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の可変剛性機構において、前記リンク機構を複数有し、各リンク機構の第1回転軸は前記主回転軸から等距離離れかつ前記主回転軸の回転角度方向について異なる位置にそれぞれ固定される、可変剛性機構を提供する。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の可変剛性機構において、前記リンク部材が金属材料から作製される、可変剛性機構を提供する。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の可変剛性機構において、前記主回転軸、前記主関節及び前記リンク機構がいずれも実質剛体の部材から作製される、可変剛性機構を提供する。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の可変剛性機構において、前記リンク部材にプリテンションを加える手段をさらに有する、可変剛性機構を提供する。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6に記載の可変剛性機構を備えたロボット用関節機構を提供する。
本発明によれば、主関節の回転角に応じて零剛性から極めて高い剛性まで剛性が連続的に変化する可変剛性機構が得られる。従って、主関節を回転させる方向に外力がかかった場合、その外力を効率よく吸収することができる。
柱状のリンク部材に切込みを形成することにより、リンク部材自体のばね定数を適宜下げることができる。これにより、可変剛性機構全体としての剛性を下げ、代わりに主関節の許容回転角を増加させることができる。
可変剛性機構の剛性をさらに高めたい場合は、リンク機構を複数にすることにより容易に対応可能である。
リンク部材は具体的には、金属材料から作製されることが加工、コスト面から有利である。
本発明に係る可変剛性機構の主たる構成要素はいずれも、実質剛体から作製可能であり、板ばねのような比較的低強度の実質弾性体を含む必要がない。従って可変の剛性を達成しつつ、機構全体としての強度を高めることができる。
リンク部材にプリテンションをかけることにより、主関節の回転角がゼロのときの剛性を調整することが可能になり、可変剛性機構の応用範囲が広がる。
本発明に係る可変剛性機構をロボット用関節に適用することにより、外部からの衝撃を効率よく吸収可能なロボット用関節が得られる。
以下、図面を参照しながら本発明を詳細に説明する。図1は、本発明に係る可変剛性機構の基本構成を示す機構図である。可変剛性機構10は、主回転軸12について回転可能な主関節14と、主回転軸12に連結されて閉リンク系を形成する少なくとも1つのリンク機構16とを有する。またリンク機構16は、主回転軸12から半径方向に距離r離れた位置に固定されかつ主回転軸12に平行な第1回転軸18及び20について回転可能な2つの第1関節22及び24と、第1関節22及び24にそれぞれ連結され第1回転軸18及び20に略垂直な2つの第2回転軸26及び28について回転可能な2つの第2関節30及び32と、2つの第2関節30及び32に両端が連結されかつ主回転軸12に略平行に延びるリンク34とを有する。
上述の剛性機構10では、リンク部材34を含めて上述の構成要素全てをステンレス鋼(SUS304)等の「実質剛体」の部材から作製可能である。但し、現実には完全なる剛体なるものは存在しないので、ここでいう「実質剛体」とは、金属から作製されていても板ばねのように一般に「弾性体」とも称され得る部材は除外したものを意味する。
上述のように、金属等であっても広義には弾性体として定義することが可能である。その場合、上記機構は各要素の寸法や物性に基づいて定められる剛性係数(本明細書ではKφと定義する)を有し、また本発明はこの剛性係数が実質零から極めて高い値まで可変であるという顕著な特性を有することを特徴とする。以下、図1の可変剛性機構10の剛性係数Kφの導出について説明する。
先ず図1に示すように、関節22と30及び関節24と32との間の距離をl1及びl3とし、リンク34の長さすなわちリンク長をl2、さらに主回転軸12の長さをl4とすると、以下の式(1)が成立する。但し、l1及びl3は等しくてもよい。
Figure 0004852705
図1に示すように、本発明に係る可変剛性機構10は閉リンク系を構成しており、ここで、点Aから破線36に沿って点B、C及びDを経由して閉リンク系を1周して点A’まで戻った場合を考える。閉リンク系であることから点AとA’とは一致するので、絶対座標系からみた点A及び点A’での位置及び姿勢も一致していなければならない。これは閉リンク系の拘束条件であり、具体的には、以下の式(2)及び(3)で表される。なお式(2)は位置の拘束条件であり、式(3)は姿勢の拘束条件である。またθ1〜θ4はそれぞれ上述の関節22、30、32及び24の角度を示し、φは主関節14の角度を表すものとする。
Figure 0004852705
Figure 0004852705
詳細には、式(2)は位置の拘束条件であるから、各座標(例えばXYZ)についての3つの式から構成され、また姿勢の拘束条件である式(3)は各座標での回転についての3つの式から構成される。従って6つの拘束条件があることになる。ここで、関節22、30、32、24及び14がそれぞれ微小変位Δθi(i=1〜4)及びΔφだけ回転したとすると、式(2)の左辺は以下の式(4)で表される。
Figure 0004852705
ここで、式(4)の右辺第二項が零であれば、式(2)の拘束条件を満たしつつ、微小変位Δθi及びΔφに基づく各関節の回転が許容されることになる。式(3)についても同様のことが言えるので、具体的には以下の式(5)を満足するΔθi及びΔφが存在すれば、拘束条件を満たしつつΔθi及びΔφの回転が許容される。
Figure 0004852705
式(5)においてJは6×5の行列であるが、実際にΔθi及びΔφが全て零の場合におけるJのランクを求めると以下の式(6)となる。
Figure 0004852705
式(6)からわかるように、Jのランクは6より小さいので、Jには補空間が存在し、その正規直交基底を求めると以下の式(7)及び(8)のようになる。
Figure 0004852705
Figure 0004852705
上記式(7)はリンク26が主回転軸12に平行な軸に沿って回転することを許容することを示し、また式(8)は主関節14が回転できることを示している。詳細には、式(8)はθi及びφが全て零の場合に主関節14が回転可能であることを意味しており、換言すればθi及びφが全て零の状態では主関節14回りの回転の剛性係数(ばね定数)が零であることを意味する。このことから、機構10は、金属等の高剛性材料のみから構成された場合であっても、Δθi及びΔφが全て零の状態では主関節14についていわゆる零剛性を実現できていることが理解される。
次に、主関節14回りの剛性係数Kφを以下の手順により求める。ここでは、リンク34がその長さ方向にばね定数KLを有する線形ばねであると仮定し、主関節14回りのトルクτを与えることにより主関節14がΔφだけ回転したとする。このときのリンク34の長さをl2+Δl2とすると、仕事量の関係から以下の式(9)が成り立つ。
Figure 0004852705
上式(9)の両辺をΔφで微分すれば、以下の式(10)が得られる。
Figure 0004852705
一方、幾何学的関係から以下の式(11)が成り立ち、式(11)を変形すれば式(12)が得られる。
Figure 0004852705
Figure 0004852705
上式(12)をΔφで微分すれば次式(13)となり、さらに式(13)及び式(10)から、Δφの関数としてのトルクτが以下の式(14)で表される。
Figure 0004852705
Figure 0004852705
ここで、主関節14がΔφだけ回転したときの剛性係数Kφを次式(15)のように定義すれば、最終的にKφは式(16)により求められる。
Figure 0004852705
Figure 0004852705
なお、本発明に係る可変剛性機構は、剛性が単に可変であるだけでなく、零剛性からの剛性変化が滑らかであるという有利な特徴を有する。このことについて以下に説明する。
零剛性からの剛性変化の滑らかさは、Kφ=0となるΔφにおいて、τのΔφによる何階微分値までがゼロになるかに依存する。そこで、式(14)をあるΔφ回りでテイラー展開すると、次式(17)が得られる。
Figure 0004852705
本発明に係る可変剛性機構では、Δφ=0において、τのΔφによる1階微分値が零となるだけでなく、次式(18)で表される2階微分値も零となる。これにより、より滑らかな剛性変化が実現される。
Figure 0004852705
次に、図1の機構を実現する具体例について説明する。図2は、図1に示す可変剛性機構10の第1の実施形態を示す斜視図であり、図3は図2のIII−III線に沿う断面図である。図2に示す実施形態は、ロボット用の関節機構110を示しており、また可変剛性機構10の各構成要素に相当する部材には、各構成要素の参照符号に100を付した参照符号を付して図示している。
図2に示すように、関節機構110はロボットの膝又は足首の関節等に適用可能であり、主回転軸112と、主回転軸112に固定された第1フランジ150と、主軸受114を介して主回転軸112に連結された第2フランジ152と、第1及び第2のフランジの間に設けられたリンク機構116とを有する。
図3によく示されるように、リンク機構116は、主回転軸112から半径方向に距離r離れたフランジ上の位置に固定されかつ主回転軸12に平行な第1回転軸118及び120をそれぞれ支持する第1軸受122及び124と、第1軸受122及び124にそれぞれブラケット154及び156等を介して連結され第1回転軸118及び120に略垂直な2つの第2回転軸126及び128をそれぞれ支持する2つの第2軸受130及び132と、2つの第2軸受130及び132に両端が連結されかつ主回転軸112に略平行に延びるリンク部材134とを有する。
図4の曲線Aは、関節機構110の具体的実施例における、2つのフランジ間の相対角度変位(すなわち主関節の回転角φ)と機構の剛性との関係を示すグラフである。なおリンク134としては、ステンレス鋼(SUS304)からなる断面寸法6mm×16mmの角柱を使用し、上述のl1、l2、l3及びrはそれぞれ30mm、16mm、30mm及び16mmとした。この場合、上述のばね定数KLは8.96×108[Nm]となる。また他の部材も、アルミニウムやステンレス鋼等の一般に高剛性材料とされる材料から作製されている。
図4に示すように、本発明に係る関節機構では、Δφ=0のときはKφ=0が実現されており、またΔφの増加に伴って剛性(Kφ)が連続的に上昇していることがわかる。実際には、Δl2の増加量がある値に達するとリンクの降伏点Y(0.1%歪)を超えるため、その部分についてはグラフを破線で示している。また降伏点YにおけるΔφ及びτ(Δφ)は、それぞれ4.81度及び19.2[Nm]であった。図示するように、降伏点Yにおける剛性係数Kφは700[Nm/rad]を超えており、これは極めて高い剛性である。このように、本発明によれば、高剛性材料のみから構成された場合であっても、零剛性から極高剛性までを実現可能な可変剛性機構が提供される。
次に、関節機構110の作用について説明する。第1フランジ150は、図示しない駆動機構に連結されて回転する駆動側フランジであり、一方第2フランジ152は、第1フランジ150の回転に伴って回転する従動フランジであり、第2フランジ152に設けられた作用部材158(図2参照)によって駆動機構の動力が作用部材に連結された他の部材に伝達されるものとする。
関節機構110をロボットの膝関節や足首の関節に適用した場合、通常は、駆動側フランジの回転に伴って従動側フランジ152が概ね同期して回転する。しかし、ロボットの動作環境等によっては、作用部材158が意図しない衝撃等を受ける場合がある。仮に第1及び第2フランジの双方が主回転軸に固定された単純な構造である場合は、関節機構は全体としていかなる場合も実質剛体として作用するので、このような衝撃は直接駆動機構に対する負荷となり、故障の原因となりやすい。
また図示していないが、第1及び第2フランジを板ばね等の弾性部材で連結する構成も周知である。しかしこのような構成は、関節機構全体として両フランジの相対位置関係に依らず一定の剛性となるため、本願発明のように可変の剛性は得られない。
それに対し本発明に係る関節機構では、2つのフランジの相対角度変位(回転角φ)が零の場合は上述のように剛性が零となるので、外力又は衝撃を受けた場合先ず2つのフランジが主回転軸の回転方向に相対変位する。両フランジ間の相対角度変位が大きくなると、それに従い関節機構としての剛性が徐々に上昇するので、剛性と外力とが釣り合ったところで2つのフランジの相対変位は停止し、以降は実質剛体として機能する。従って、本機構をロボット関節に適用した場合、予期しない相当な衝撃を受けた場合であっても、その衝撃をロボットの他の部位へ直接波及させることなく効率よく吸収することができる。また板ばねのような一般に弾性体とされる部材を含む必要がないので、機構全体としての機械強度も優れている。
図5は、第2の実施形態すなわち第1の実施形態の好適な変形例を示す図である。第1の実施形態と異なる点は、図5に示すように、リンク機構116aが有するリンク部材134aの適所に切込み136が形成されていることであり、これによりリンク部材134aのばね定数(KL)を下げることができる。他の部分は第1の実施形態と同様でよいので説明は省略する。このような構成によれば、零剛性から極高剛性を実現できるとともに、第1の実施形態に比べ同一の回転角φにおける剛性係数を下げ、代わりに降伏点に達するまでの回転角φを大きくすることができる。具体的には、第2の実施形態における剛性係数は図4の曲線Bに示すような変化を呈する。従って第2の実施形態は、第1の実施形態ほど高い剛性は必要ではないが、両フランジの許容相対変位(回転角φ)を大きくしたい場合に適している。なお図示例ではリンク部材134aは角柱形状を有するが、円柱等の他の柱状部材でももちろんよい。
図6は、第3の実施形態すなわち第1の実施形態の他の好適な変形例を示す図である。第1の実施形態と異なる点は、複数(図示例では3つ)のリンク機構116b、116c及び116dを有し、各リンク機構についての第1回転軸120b、120c及び120dと主回転軸112との距離rb、rc及びrdが互いに等しいことである。なお各リンク機構は、第1の実施形態のリンク機構116と同様でもよいし異なっていてもよい。他の部分は第1の実施形態と同様でよいので説明は省略する。また図示例では第1回転軸120b、120c及び120dは主回転軸112の回転方向について互いに120度離れて等間隔に配置されているが、等間隔でなくとも同等の機能が発揮される。このような構成によれば、零剛性から極高剛性を実現できるとともに、第1の実施形態に比べ同一の回転角φにおける剛性係数を高めることができる。具体的には、各リンク機構が第1の実施形態のリンク機構116と同一であれば、第3の実施形態の剛性係数は図4の曲線Aを縦軸方向に3倍に拡張したグラフ(曲線C)となる。従って第3の実施形態は、第1の実施形態よりさらに高い剛性が要求される場合に好適である。また図示していないが、第3の実施形態のリンク部材に、第2の実施形態で説明したような切込みを形成することももちろん可能である。
これまで説明した実施形態は、主関節の回転角Δφが零のときに零剛性を実現するものであった。しかし、リンク部材にプリテンションをかけることにより、Δφ=0のときの剛性係数を零以外の所望の値に設定することができる。このことについて以下に説明する。
図7は、図3に示した第1回転軸120周りの構成を変更し、リンク部材134にプリテンションを加えられるようにした例を示す部分図である。図7の構成が図3のものと異なる点は、第1回転軸120′が第2フランジ152に螺着しており、第1回転軸120′の回転によってブラケット156を介してリンク部材134を上方に付勢できることである。このような構成によれば、リンク部材134にプリテンションをかけることができるので、Δφ=0での剛性を零以外に調整することができる。この理由について以下に説明する。
上述のような手段によりリンク部材にプリテンションTが加えられた場合、上述の式(14)は次式(19)のようになり、さらに式(19)のΔφによる1階微分値は式(20)となる。
Figure 0004852705
Figure 0004852705
式(20)からわかるように、剛性係数KφはΔφ=0において零とはならず、具体的には図4の曲線A′で示すような原点を通らない特性を有する。また明らかなように、プリテンションTを変化させる(図7の例で言えば第1回転軸120′の回転量を変化させる)ことにより、Δφ=0での剛性係数Kφを調整することができる。従って、本発明の可変剛性機構はより幅広い用途に適用することができるようになる。
本発明に係る可変剛性機構の基本構成を示す機構図である。 本発明に係る可変剛性機構の第1の実施形態を示す斜視図である。 図2のIII−III線に沿う断面図である。 本発明の実施形態における、主関節の回転角と剛性係数との関係を示すグラフである。 本発明に係る可変剛性機構の第2の実施形態を示す斜視図である。 本発明に係る可変剛性機構の第3の実施形態を示す斜視図である。 図3の一部に類似する図であって、リンク部材にプリテンションを加える機構を説明する図である。
符号の説明
10 可変剛性機構
12 主回転軸
14 主関節
16 リンク機構
18、20 第1回転軸
22、24 第1関節
26、28 第2回転軸
30、32 第2関節
34 リンク部材

Claims (7)

  1. 主回転軸と、前記主回転軸について回転可能な主関節と、前記主回転軸に連結されて閉リンク系を形成する少なくとも1つのリンク機構とを有する可変剛性機構であって、
    前記リンク機構は、前記主回転軸から半径方向に所定距離離れた位置に固定されかつ前記主回転軸に平行な第1回転軸について回転可能な2つの第1関節と、前記2つの第1関節にそれぞれ連結され前記第1回転軸に略垂直な2つの第2回転軸について回転可能な2つの第2関節と、前記2つの第2関節に両端が連結されかつ前記主回転軸に略平行に延びるリンク部材とを有し、前記リンク部材は実質剛体の部材から作製されることを特徴とする、可変剛性機構。
  2. 前記リンク部材は切込みを有する柱状部材から作製される、請求項1に記載の可変剛性機構。
  3. 前記リンク機構を複数有し、各リンク機構の第1回転軸は前記主回転軸から等距離離れかつ前記主回転軸の回転角度方向について異なる位置にそれぞれ固定される、請求項1又は2に記載の可変剛性機構。
  4. 前記リンク部材が金属材料から作製される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の可変剛性機構。
  5. 前記主回転軸、前記主関節及び前記リンク機構がいずれも実質剛体の部材から作製される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の可変剛性機構。
  6. 前記リンク部材にプリテンションを加える手段をさらに有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の可変剛性機構。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の可変剛性機構を有するロボット関節。
JP2007040961A 2007-02-21 2007-02-21 可変剛性機構及び該機構を備えたロボット用関節機構 Active JP4852705B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007040961A JP4852705B2 (ja) 2007-02-21 2007-02-21 可変剛性機構及び該機構を備えたロボット用関節機構

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007040961A JP4852705B2 (ja) 2007-02-21 2007-02-21 可変剛性機構及び該機構を備えたロボット用関節機構

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008200819A JP2008200819A (ja) 2008-09-04
JP4852705B2 true JP4852705B2 (ja) 2012-01-11

Family

ID=39778820

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007040961A Active JP4852705B2 (ja) 2007-02-21 2007-02-21 可変剛性機構及び該機構を備えたロボット用関節機構

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4852705B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7421795B2 (ja) * 2020-02-28 2024-01-25 国立大学法人東京工業大学 衝撃緩和機構

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63150177A (ja) * 1986-12-15 1988-06-22 工業技術院長 可変コンプライアンスパラレルリンクア−ム
KR0133995B1 (ko) * 1994-08-19 1998-04-23 주상완 가변 원격탄성중심기기(vrcc)
JP2004255475A (ja) * 2003-02-24 2004-09-16 Oki Electric Ind Co Ltd サーボ装置
JP2005351379A (ja) * 2004-06-10 2005-12-22 Ntn Corp リンク作動装置
JP4758119B2 (ja) * 2005-03-11 2011-08-24 学校法人東海大学 非線形弾性機構及びロボット用関節機構
JP4415325B2 (ja) * 2005-08-04 2010-02-17 村田機械株式会社 可変弾性機素とこれを用いた関節、車両、及び動的吸振装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008200819A (ja) 2008-09-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2989345B1 (en) Variable stiffness actuator with large range of stiffness
JP5576912B2 (ja) 追加アクチュエータが受動リンクに配置されたパラレルリンクロボット
JP5951224B2 (ja) リンク作動装置の原点位置初期設定方法およびリンク作動装置
JPWO2012017722A1 (ja) パラレル機構
JP6502115B2 (ja) リンク作動装置を用いた多関節ロボット
US9556920B1 (en) Planar flexure members and actuators using them
US8996170B2 (en) Actuating apparatus
JP6293033B2 (ja) 環状バネ及びそれを用いたロボット関節機構
JP6105024B2 (ja) ロボットにおける回転駆動機構
EP2998081B1 (en) Link actuation device
US10364858B2 (en) Planar flexure members and actuators using them
JP4852705B2 (ja) 可変剛性機構及び該機構を備えたロボット用関節機構
JP5419050B2 (ja) サーボモータ
EP1637433A1 (en) Motor vehicle steering device
JP7022053B2 (ja) パラレルリンクロボット
JP6396078B2 (ja) パラレルリンク機構およびリンク作動装置
JP2013242007A (ja) リンク作動装置
WO2013176075A1 (ja) リンク作動装置
JP6352054B2 (ja) パラレルリンク機構およびリンク作動装置
ES2797550B2 (es) Dispositivo elastico con rigidez variable, actuador con rigidez variable y acoplamiento con rigidez variable
WO2019150812A1 (ja) 駆動装置並びにロボット装置
JP5798006B2 (ja) リンク作動装置
JP2006231973A (ja) ステアリング操作装置
ES2785676B2 (es) Dispositivo elastico con rigidez variable, actuador con rigidez variable y acoplamiento con rigidez variable
WO2022209984A1 (ja) 関節機構、多関節装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100106

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110228

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110927

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150