JP4852264B2 - 表面形状測定用触針式段差計及びその針圧補正方法 - Google Patents

表面形状測定用触針式段差計及びその針圧補正方法 Download PDF

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Description

本発明は、試料の表面形状を測定する触針式段差計及びその針圧補正方法に関するもので
ある。
本明細書において、用語“試料の表面形状”は試料の段差、膜厚、表面粗さの概念を包含して意味するものとする。
従来技術による触針式段差計の一例を添付図面の図12に示す。図12において、Aは探針で支点Bに揺動可能に取り付けられた支持体Cの一端に装着され、またこの一端に隣接して探針Aの垂直方向変位を検出する変位センサDが設けられている。変位センサDは探針Aの垂直方向変位に応じて電気信号を発生する差動トランスから成っている。一方、支持体Cの他端には探針Aに針圧を加える針圧発生装置Eが設けられている。針圧発生装置Eは、コイルFと、コイルFの中心から軸方向にずれた位置に配置された高透磁率材のコアGとを備え、コイルFに流す電流の大きさに応じて発生される、高透磁率材のコアGをコイルFの中心へ引き込む力より探針Aを試料に押し当てるように構成されている。そして試料または図8の検出系を走査することで探針Aは試料表面をなぞり、その表面形状に応じて、固定された支点Bのまわりに微小に回転運動し、その変位を差動トランスDで検出して試料の表面形状や段差が測定される。
また、測定試料の両面に、測定試料を挟んで二つの触針の先端を接触させ、二つの触針の先端を相互に直接接触させた場合との触針の移動距離の差により測定試料の膜厚を測定するようにした触針式膜厚測定技術は従来公知である(特許文献1参照)。
さらに、軸受けを中心として揺動自在のアームの端部に被測定物と接触する触針本体を設け、触針本体と被測定物との接触によって生じるアームの位置を検出して触針本体の変位量を求めるように構成した形状測定装置も公知である(特許文献2参照)。また、弾性ヒンジを介してアームをフレームに回動可能に支持し、アームの一端に触針を設け、アームの他端に可動プレートを設け、可動プレートを二枚の平行プレート間で移動できるようにし、これらのプレートでブリッジ電極を形成し、可動アームの回動によりブリッジのへ平衡が失われ、これにより触針の先端の変位量を測定するように構成した形状測定装置も公知である(特許文献3参照)。
特開平9−229663号 特許第3401444号 特表平8−502357号
ところで、この種の段差計においては、探針での力すなわち針圧の測定は次のようにして行なわれる。針圧発生装置のコイルに流す電流が0のときは、支点上の可動部の重量バランスにより、針は上に上がった状態になり、ストッパーに当たり静止している。針圧発生装置のコイルに適当な電流を流すと、発生した力により探針は下がる。そのときの針先変位の時間変化を測定し、時間で2階微分して加速度を求めることにより、針圧を求めることができる。力と加速度の関係は、例えば数10 mgfの領域では、電子天秤等で針先での力を測り、そのときのコイル電流と力の関係を得て、このコイル電流での加速度を測れば、力と加速度の関係が得られる。力と加速度は比例関係なので、比例定数が得られたことになり、任意の加速度の値からそれに対応する力の値を算出できる。この比例定数は、支点のまわりの慣性モーメントをI、支点から針先までの距離をrと表すと、I/r2 である。
このような表面形状測定装置で必要とされる力は0.05mgfから20mgf程度であるが、弱い力の安定で正確な発生が難しい。また0.05mgfよりもさらに小さい力が制御性よく出せれば、さらに軟らかい試料への用途が広がる。しかし、表面形状測定を繰り返すうちに力が0.05mgf程度変化する場合がある。これは支点用針先と支点受けの微細な接触状態の変化によるものと思われる。いずれにしても、測定を繰り返し続けるうちに0.05mgf程度の力での測定ができない場合が起こり得る。
このように表面形状測定を繰り返すうちに力が0.05mgf程度変化する場合があり、小さい力での測定が正しくできない場合が起こり、その変化がいつ起きるか分からない。そのため、表面形状測定の前に力と針圧発生装置のコイルに流す電流との関係における較正曲線を毎回得る必要があるが、何点もコイル電流を変えながら力を測定していては時間がかかり過ぎるという問題がある。
そこで、本発明は、測定を繰り返し続けるうちに、例えば支点の微細な接触状態の変化などにより生じ得る力の微細な変動を簡単な仕方で補正して0.01mgf台の精度で探針の力すなわち針圧を発生できる表面形状測定用触針式段差計及びその針圧補正方法を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために、本発明の第1の発明によれば、支点に揺動可能に取り付けられた支持体の一端に探針を取付け、この一端に隣接して探針の垂直方向変位を検出する変位センサの磁性体コアを取付け、支持体の他端には探針に針圧を加える針圧発生装置の磁性体コアを取付け、探針が捉えた試料の表面形状を支持体の支点回りの回転運動により変位センサで測定する触針式段差計の針圧制御方法において、
表面形状測定をする際に、まず表面形状測定をしたい力y に対応する針圧発生装置のコイルに流す電流x を出力するため、コンピュータ装置に記録された定数cの値c を読み込み、針圧発生装置のコイルに流す電流と力の関係式y =ax +bx +c から電流x を算出し、算出した電流x を針圧発生装置のコイルに印加することで生じる探針の垂直方向の変位の時間変化を測定し、測定した変位を時間で2階微分することにより求められた探針の下ろし加速度から力y を求め、こうして求めた力y と表面形状測定をしたい力y との差をコンピュータ装置に記録された定数cの値c に加算して得た値c を定数cの最新の値としてコンピュータ装置に記録し、この最新の値c に基いて実際の測定のために針圧発生装置のコイルに流す電流を設定する こと
を特徴としている。
また、本発明の方法においては、表面形状測定をするに際して毎回その直前に、針圧発生装置のコイルに流す電流xと力yの関係式y=ax+bx+cにおいて定数cの値を更新することにより表面形状測定したい力と測定された力の差が補正され得る。
本発明の第2の発明によれば
支点に揺動可能に取り付けられた支持体の一端に探針を取付け、この一端に隣接して探針の垂直方向変位を検出する変位センサの磁性体コアを取付け、支持体の他端には探針に針圧を加える針圧発生装置の磁性体コアを取付け、探針が捉えた試料の表面形状を支持体の支点回りの回転運動により変位センサで測定する触針式段差計において、
被測定試料の表面に対して垂直方向に移動可能でしかも被測定試料の表面に沿って相対的に移動可能である探針と;
探針に被測定試料の表面に対して垂直方向に向う針圧を作用させる針圧発生装置と;
探針の垂直方向の変位を検出する変位センサと;
表面形状測定をする際に、まず表面形状測定をしたい力y に対応する針圧発生装置のコ
イルに流す電流x を出力するため、コンピュータ装置に記録された定数cの値c を読み込み、針圧発生装置のコイルに流す電流と力の関係式y =ax +bx +c から電流x を算出し、算出した電流x を針圧発生装置のコイルに印加することで生じる探針の垂直方向の変位の時間変化を測定し、測定した変位を時間で2階微分することにより求められた探針の下ろし加速度から力y を求め、こうして求めた力y と表面形状測定をしたい力y との差をコンピュータ装置に記録された定数cの値c に加算して得た値c を定数cの最新の値としてコンピュータ装置に記録し、この最新の値c に基いて実際の測定のために針圧発生装置のコイルに流す電流を設定する制御手段と;
を有することを特徴としている。
本発明による表面形状測定用触針式段差計においては、好ましくは、探針、変位センサの磁性体コア及び針圧発生装置の磁性体コアを含む可動部の重心位置の垂直方向成分が、支点の重心位置近くに位置するように構成され得る。
また、本発明による表面形状測定用触針式段差計においては、好ましくは、支点は曲率半径の小さな先端部を備え、また支点における摩擦力は小さくされ得る。
上述のように、本発明の第1の発明の方法によれば、表面形状測定を行いたい力の設定で探針の下ろし加速度を測定して実際の力を求め、求めた力と元の設定した力との差を、針圧発生装置のコイルに流す電流xと力yの関係式y=ax+bx+c(a、b、cは定数)におけるcの値に反映させて新たな関係式を求め、こうして求めた新たな関係式に基き針圧発生装置のコイルに流す電流を設定するので、時間の無駄はほとんどない。また表面形状測定の直前に毎回新たに較正されたコイル電流と力の関係式を用いるので、考え得る中で設定値に最も近い力を出すことができ、0.01mgfの精度で力を発生できる。
また、本発明の第1の発明による方法では、表面形状測定を行いたい力の設定で探針の下ろし加速度を測定して実際の力を求め、求めた力と元の設定した力との差を、針圧発生装置のコイルに流す電流xと力yの関係式y=ax+bx+c(a、b、cは定数)におけるcの値に反映させて新たな関係式を求め、こうして求めた新たな関係式に基き針圧発生装置のコイルに流す電流を設定する操作をコンピュータ手段で行うことにより、測定者に煩わしさを与えずに、かかる操作を自動的に行うことができる。
また、本発明の第2の発明による触針式段差計では、表面形状測定を行いたい力の設定で
探針の下ろし加速度を測定して実際の力を求め、求めた力と元の設定した力との差に基き、針圧発生装置のコイルに流す電流xと力yの関係式y=ax+bx+c(a、b、cは定数)における定数cの値を更新し、定数cの値を更新した新たな関係式に基き針圧発生装置のコイルに流す電流を設定する制御手段を設けているので、一連の操作を自動的に行うことができ、時間の無駄なしに、考え得る中で設定値に最も近い力を出すことができ、0.01mgfの精度で力を発生できるようになる。
以下、添付図面の図1〜図11を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1には、本発明が適用される触針式段差計の一形態を示し、1は固定支持台で、その上に支点要素2を介して揺動支持棒3が設けられ、この揺動支持棒3の一端には探針4が下向きに取り付けられている。探針4はその先端はダイヤモンドで構成され、また先端の半径は一般的には2.5μmであるが、それより大きくても小さくてもよい。また、揺動支持棒3の他端には探針4に垂直下方の力すなわち針圧を加える力を発生する針圧発生装置5が設けられている。この針圧発生装置5は、揺動支持棒3の他端から上方へのびる磁性体コアから成る作動子5aと作動子5aを受ける穴をもつコイル5bとで構成されている。揺動支持棒3の一端における探針4より支点要素2側において、探針4の垂直方向の変位を検出する変位センサ6が設けられ、この変位センサ6は揺動支持棒3に一端を固定した磁性体コアから成る測定子6aと測定子6aの他端すなわち自由端を受けるコイル6bとを備えた差動トランスで構成されている。
また、図1において7a、7bはそれぞれ揺動支持棒3の上下の動きを規制する上部ストッパー及び下部ストッパーであり、8は試料ホルダーで、その上に上下方向すなわち垂直方向(z方向)に移動できるステージ9a及び走査ステージ9bが設けられている。走査ステージ9bは探針4に対して予定の操作速度で移動できるように設けられ、この走査ステージ9b上には被測定試料10が取り付けられ得る。
図2には、支点要素2上の可動部を下から見た例を示す。揺動支持棒3に探針4、変位センサ6の磁性体コア、針圧発生装置5の磁性体が取り付けられ、二つの支点要素2で支えられている。変位センサ6と針圧発生装置5の支点要素2に対する位置関係は逆でもよい。
図3には、支点部分の構造を示す。先端を尖らせた支点要素2が固定支持台1に設けた支点要素受け1aで受けられ、それらの接点が支点となる。
力すなわち針圧の発生は、針圧発生装置5のコイル5bの中心から軸方向にずれた位置に高透磁率材のコア5aを配置し、コイル5bの中心へ引き込む力を利用しており、コイル5bに流す電流で力を決めている。こうして発生した力により探針4を被測定試料10に押し当てる。試料10又は図1の検出系を走査することで探針4は試料10の表面をなぞり、その表面形状に応じて、固定された支点のまわりに微小に回転運動し、その変位を差動トランス6が検出して試料10の表面形状や段差が測定される。針圧発生装置5及び探針4の垂直方向の変位を検出する変位センサ6は図4に示すような制御手段に接続され、この制御手段は検出系からの出力信号に基いて針圧発生装置5の動作を制御するように構成されている。
図4には図1に示す触針式段差計の制御手段の構成の一例を示している。図4において、11はコンピュータ装置で、このコンピュータ装置11はアナログ入出力ボード12を介して、針圧発生装置5におけるコイル5bに接続された針圧発生装置用電源13及び走査ステージ9bの駆動装置14にそれぞれ接続されている。また、コンピュータ装置11は、汎用インターフェースボード15を介してデジタルロックイン増幅器及び発振器を備えた検出回路16に接続され、この検出回路16は変位センサ6を成す差動トランスの一次コイル及び二次コイルに接続されている。
図4に示す制御手段において、針圧発生装置5のコイル電流と力の関係を予め設定しておき、力をコンピュータ装置11上で指定するとそれに応じた電流を針圧発生装置5のコイルに流すようにしている。
探針4での力すなわち針圧は、探針4の針先が空中にある状態で針先変位の時間変化を測定し、それを時間で2階微分し加速度を求め、比例定数をかけて求める。その比例定数は、予め電子天秤で力を測定し、そのときの加速度で割り求めておく。この比例定数は、支点のまわりの慣性モーメントをI、支点から針先までの距離をrと表すと、I/r2 である。
コイル電流と、加速度測定から求めた力の関係を図5に示す。コイル電流xと力yの関係は
y=ax+bx+c(a、b、cは定数)
で表すことができ、この関係式を用いて、入力した力の設定値から電流を計算して出力する。図5では下向きの力を負としている。コイル電流が0では力は上向きで、探針4は上方に上がり、図1に示した上部ストッパー7aに当たり静止する。
針圧発生装置5のコイル5bに流す電流を0Aから1.6×10−2Aにした後の、探針4の針先変位の時間変化の測定例を図6に示す。隣り合う10点ごとに移動平均を行い、ノイズを小さくしている。可動部の揺動支持棒3は−1mm相当にある下部ストッパー7bに当たり跳ね返っている。この測定結果のz=+0.15から−0.15mmの範囲(図6の時間が750ms辺り)のデータを時間で微分した結果を図7に示す。なお、図7の時間の原点は特に意味がない。図7で傾き、即ち加速度を求めて力に換算しており、その結果は−0.055mgfである。図7から言えることは、0.05mgfの非常に弱い力でも精度よく測定できるということである。
図8には、同じコイル電流値での、加速度測定からの力の算出を繰返し行った結果を示す。平均値‐0.0583mgf、標準偏差0.0025mgfと非常に弱い力が繰り返しに対して精度よく安定に出ていることが分かる。
しかし、上述のように、表面形状測定を繰り返すうちに力が0.05mgf程度変化する場合があり、0.05mgf程度の力での測定ができない場合が生じ得る。
本発明においては、表面形状測定前に必ず行う探針4を下ろす動作の際に、形状測定を行いたい力の設定で探針4を下ろし加速度を測定して実際の力を求める。その測定した力と元の設定した力との差を、コイル電流xと力yの関係式 y=ax+bx+c (a、b、cは定数)におけるcの値に反映させて新たな関係式を得、それを用いてコイル電流を出力する。それをコンピュータ装置11で制御して行う。
そのためには、図7のグラフで示すように高精度で加速度を求める必要がある。すなわち、データ取り込み装置のバッファ等を用いて短い時間間隔で探針4の垂直方向変位zの時間変化を測定し、移動平均処理等によりzのノイズを除去し、時間で微分した後のdz/dtのノイズを低減する。そのようなノイズの少ないdz/dtの時間変化から加速度が精密に求まる。この場合に、支点上の可動部の重心位置のz成分が支点のそれに近いことが必要である。支点上の可動部の重心位置のz成分が支点のそれに近くないと、力が探針4の先のzに依存し、図7のような直線(力が一定)が得られない。また、支点要素2の針先の曲率半径が小さく、支点要素2の針先と固定支持台1に設けた支点要素受け1aとの間の摩擦力が小さいことも重要である。該摩擦力が大きいと、本来のコイル電流による力以外の力が加わるので正しい測定ができない。
また、図8のように弱い力をある程度安定して出せることが必要である。ある程度とは例えば10回連続程度であり、本発明により可能になるのは理論上は無限回連続での安定性である。ある程度の安定性を得るには、やはり支点要素2の針先の曲率半径が小さく、可動部が支点のまわりをスムースに回転できる必要がある。
以下詳細に説明すると、微弱な力の変化は、支点要素2の針先の摩耗や位置の変化などによる、支点の接触具合の微細な変化によると考えられる。同じコイル電流で力が変わったということは、支点上可動部の重心と支点のx成分との差が変わったということであり、つまりはコイル電流によらない一定の力の分だけ変化したということである。従って、コイル電流xと力yの関係式y=ax+bx+cにおいてcの値が変化したと考えることができ、その値を求め直せばよい。
表面形状測定時の動作は一般に次のとおりである。
1. コイル電流0で探針4が上に上がっている。すなわち揺動支持棒3が上部ストッ パー7aの位置で静止している。
2. コイル電流を流して探針4を下に下ろす。すなわち揺動支持棒3が下部ストッパー7bの位置で静止する。
3. ステージ9aを動かし、探針4が試料10に乗った状態で探針4の針先の変位を0にする。
4. 表面形状測定をしたい力yに対応するコイル電流を出力する。
5. 走査ステージ9bを走査して形状測定を行う。
以下図9を参照して測定時の動作について説明する。
測定者はまずコンピュータ装置11のモニター上で表面形状測定をしたい力yを指定し、測定開始のボタンを押す。それによりコンピュータ装置11においては定数cの値cが記録ファイルから読み込まれる。コイル電流xと力yとの関係y=ax +bx+cから針圧発生装置5のコイル5bに流す電流xが算出され、出力される。その結果、針圧発生装置5のコイル5bは電流xで励磁され、探針4を下降させる。探針4が下りる際の加速度を測定し、力を算出する。こうして算出した力をyとする。
力y−力yはずれ量なので、
= c + ( y − y
が最新の正しいcの値となる。そして、cの値が書かれているコンピュータ装置11におけるファイルにcを上書きし、コンピュータ装置11において力の較正操作が完了する。
こうして、表面形状測定をしたい力yに対応するコイル電流を出力する段階へ移行する。
コンピュータ装置11において定数cの値としてcが記録ファイルから読み込まれる。この場合、探針の4の振動を早く抑えるために1mgf台の力が発生される。こうして探針4が試料10上に乗り、変位がゼロになるようにステージ9aを垂直方向に動かす。
一方、関係式y=ax +bx+cから針圧発生装置5のコイル5bに表面形状測定のために流す電流xが算出され、出力される。その結果、針圧発生装置5のコイル5bは電流xで励磁され、考え得る中で最も設定値yに近い力が発生する。この発生した力の下で、走査ステージ9bを走査しながら試料10の表面形状が測定される。
ところで本発明においては表面形状測定の度にcの値が最新の値に更新されていくので、支点部の大きな摩耗、破壊等が起きるまでは正しい力を出し続ける。図10に較正前後での探針4に加える力とコイル電流の関係を示す。
以上の説明では、表面形状測定の直前に、コイル電流と力の関係を1点の測定で再較正している。1点のみの測定で精度よく較正式を得るためには、その1点の測定値の測定精度を高くする必要があり、そのために上述のような変位測定値を移動平均処理すること、支点要素2の先端の曲率半径が小さいこと、支点要素2の受け面が滑らかであること、支点と可動部重心の位置のz成分が近いことなどが必要となる。
本発明においては、力の測定と表面形状測定は厳密には同時に行っていないので、その間にもごく僅かではあるが力が変化している可能性がある。その変化が十分小さいことを保証するには、針を下ろす動作を繰り返したときに、力の変化が十分に小さければよい。このことは図8に示した「ある程度の安定性」であり、そのためには支点要素2の先端の曲率半径が小さいこと、支点要素2の受け面が滑らかであることなどが重要である。
以下、本発明の実施例について例示する。
支点要素2の針先の角度は40°で機械加工により製作し、先端部の曲率半径を小さくするため先端部を90°に手動で研磨した。支点要素受け1aの底の角度は140°で製作し、底面はやはり研磨した。それらにより支点まわりの回転がスムースになり、加速度測定時の精度が向上し、また、探針先での力の再現性が増した。また支点要素2と支点要素受け1aは共にSUS304で製作した。
探針先の変位zの時間変化を測定した例が図6である。計測器の測定時定数3msで、1ms間隔で測定し、10点ごとに移動平均した結果である。この結果を時間で2階微分し上述の比例定数をかけて力を求めると、z=+2mmで−0.15mgf、z=−1mmで0.0mgfになっている。これは上述のように可動部重心位置と支点位置のz成分の違いによるものである。それらが異なるために、探針4の針先変位が変化して可動部が支点のまわりに回転したときに、可動部重心位置のx成分が変化し、支点に対しての前後(図1のx方向)のバランスが変化して探針4の針先での力が変化する。このセンサヘッドは探針4の針先変位が±0.15mm以内での表面形状測定を対象にしているので、上記程度の「力の探針先変位への依存」は問題にならない。これはバランス用重りを動かして、可動部重心位置のz成分を支点のそれに近づけた結果である。それにより、図7に示したように針先の速度の時間変化が直線になり、加速度、即ち力を精密に測定できるようになった。
図6では上部と下部ストッパー7a、7bの位置により+2.1mmから‐1mmまでの広い範囲を動くので、探針4が下りるまでに1秒程度かかっているが、例えばストッパーの位置を変え、探針4の針先の範囲を±0.5mmに狭めれば、探針4が下りるまでの時間は0.5秒程度に短縮され、時間の無駄はほとんどない。下端に達した後は1mgf程度の力を出せば、その後の振動は速く収まる。
図9に示した手段、手順で行った表面形状測定の結果を図11に示す。計測器の測定時定数は3ms、走査ステージ9bの走査速度は27μm/sである。実線は0.01mgf、点線は0.5mgfと設定し測定した結果である(負の符号は省略した)。0.01mgf設定では段差上昇時に探針4がとんでしばらく振動している(1700ms及び2000から2400ms辺り)。このとんでいるときの加速度から力を求めれば、表面形状測定時の実際の力が分かる。1700ms辺りのとびから求めた力は0.0124mgfとなった(負の符号省略)。これにより、0.01mgfという非常に小さい力を制御性よく発生できていることが実証された。
これに関連して、0.00mgf設定での測定も何度か行った。その結果は、走査開始直後に探針4が上昇し、1秒程度後に試料10上に戻り、そこで跳ね再び上昇した。或いは、走査開始直後に針が上昇したまま測定中の3秒の間には戻らなかった。従って、0.01mgfより十分に小さい値だったと言える。このことからもセンサヘッド及び制御系が0.01mgfの制御性を持つことが分かる。
探針4が跳んだときに達する高さhは運動方程式から h = Iv 2 / 2 r2 Fと書ける。Iは可動部の支点まわりの慣性モーメント、vは跳びだすときのz方向の初速度、rは支点と探針4との間の距離、Fは探針での力である。vは走査速度と同程度と考えられる。1700ms辺りのとびに関して、zの時間微分からvを求めると2×10−5 mm/msとなる。この値は、測定時定数の問題で少し小さ目に出ていると考えられる。走査速度は2.7×10−5 mm/msである。このセンサヘッドのI=742 g mm2、 r=60 mmを用い、仮にv=2.7×10−5 mm/ms 、F=0.0124mgfを用いると、h=0.60μmとなり、図11とほぼ一致する。このことから図11の測定結果には物理的に矛盾がなく、0.01mgfの制御性の実証結果が支持されることがわかる。
ところで、上述の実施形態では、電流で制御しているが、代わりに電流で制御することもでき、その場合にはコイルの抵抗値は約50Ωであるので、それから換算すれば電流との関係も求まる。本発明では特に電流の関数とする必要はない。
本発明を実施している触針式段差計の構成を概略部分断面図。 支点上の可動部を下から見た概略図。 支点部の構成を例を示す拡大断面図。 計測、制御系の構成を示すブロック線図。 針圧発生装置のコイル電流と針圧との関係を示すグラフ。 探針の針先の変位の時間変化を示すグラフ。 探針の針先の速度の時間変化を示すグラフ。 コイル電流を一定にして、力を連続測定した結果を例示するグラフ。 コンピュータ装置による測定時の動作の流れを示すフロー線図。 較正前後での力とコイル電流との関係を示すグラフ。 0.01mgfでの表面形状測定例を示すグラフ。 探針式段差計の従来例を示す概略図。
符号の説明
1:固定支持台
1a:支点要素受け
2:支点要素
3:揺動支持棒
4:探針
5:針圧発生装置
6:変位センサ
7a:上部ストッパー
7b:下部ストッパー
8:試料ホルダー
9a:ステージ
9b:走査ステージ
10:被測定試料
11:コンピュータ装置
12:アナログ入出力ボード
13:針圧発生装置用電源
14:駆動装置
15:汎用インターフェースボード
16:検出回路

Claims (4)

  1. 支点に揺動可能に取り付けられた支持体の一端に探針を取付け、この一端に隣接して探針の垂直方向変位を検出する変位センサの磁性体コアを取付け、支持体の他端には探針に針圧を加える針圧発生装置の磁性体コアを取付け、探針が捉えた試料の表面形状を支持体の支点回りの回転運動により変位センサで測定する触針式段差計の針圧制御方法において、
    表面形状測定をする際に、まず表面形状測定をしたい力y に対応する針圧発生装置のコイルに流す電流x を出力するため、コンピュータ装置に記録された定数cの値c を読み込み、針圧発生装置のコイルに流す電流と力の関係式y =ax +bx +c から電流x を算出し、算出した電流x を針圧発生装置のコイルに印加することで生じる探針の垂直方向の変位の時間変化を測定し、測定した変位を時間で2階微分することにより求められた探針の下ろし加速度から力y を求め、こうして求めた力y と表面形状測定をしたい力y との差をコンピュータ装置に記録された定数cの値c に加算して得た値c を定数cの最新の値としてコンピュータ装置に記録し、この最新の値c に基いて実際の測定のために針圧発生装置のコイルに流す電流を設定する こと
    を特徴とする触針式段差計の針圧補正方法。
  2. 表面形状測定をするに際して毎回その直前に、針圧発生装置のコイルに流す電流xと力yの関係式y=ax+bx+cにおいて定数cの値を更新することにより表面形状測定したい力と測定された力の差を補正することを特徴とする請求項1に記載の触針式段差計の針圧補正方法。
  3. 支点に揺動可能に取り付けられた支持体の一端に探針を取付け、この一端に隣接して探針の垂直方向変位を検出する変位センサの磁性体コアを取付け、支持体の他端には探針に針圧を加える針圧発生装置の磁性体コアを取付け、探針が捉えた試料の表面形状を支持体の支点回りの回転運動により変位センサで測定する触針式段差計において、
    被測定試料の表面に対して垂直方向に移動可能でしかも被測定試料の表面に沿って相対的に移動可能である探針と;
    探針に被測定試料の表面に対して垂直方向に向う針圧を作用させる針圧発生装置と;
    探針の垂直方向の変位を検出する変位センサと;
    表面形状測定をする際に、まず表面形状測定をしたい力y に対応する針圧発生装置のコイルに流す電流x を出力するため、コンピュータ装置に記録された定数cの値c を読み込み、針圧発生装置のコイルに流す電流と力の関係式y =ax +bx +c から電流x を算出し、算出した電流x を針圧発生装置のコイルに印加することで生じる探針の垂直方向の変位の時間変化を測定し、測定した変位を時間で2階微分することにより求められた探針の下ろし加速度から力y を求め、こうして求めた力y と表面形状測定をしたい力y との差をコンピュータ装置に記録された定数cの値c に加算して得た値c を定数cの最新の値としてコンピュータ装置に記録し、この最新の値c に基いて実際の測定のために針圧発生装置のコイルに流す電流を設定する制御手段と;
    を有することを特徴とする触針式段差計。
  4. 探針、変位センサの磁性体コア及び針圧発生装置の磁性体コアを含む可動部の重心位置の垂直方向成分が、支点の重心位置近くに位置するように構成したことを特徴とする請求項3に記載の触針式段差計。
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