JP4850017B2 - 近接場光ヘッドの製造方法 - Google Patents
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Description
大容量化・小型化の進む情報記録再生装置のため、より高い記録密度が得られる記録再生技術が求められている。近接場光記録再生技術は、近接場光ヘッドに形成した近接場光発生素子である光の波長以下サイズの光学的微小開口や微小突起の近傍に発生する近接場光を利用することで、光の回折限界を超える微小領域の光学情報を扱うことが出来る。そのため、従来の光による記録再生技術では到達し得ない、高い記録密度を得られると期待されている。
本発明の第3の態様は、前記第1の態様での近接場光ヘッドもしくは近接場光アシスト磁気記録ヘッドにおいて、前記光導波路の先端が凹レンズ型からなり、前記基板の屈折率が前記光導波路の屈折率より大きく、前記光導波路からの伝搬光が前記凹レンズで絞られ、前記近接場光発生素子に伝搬されることを特徴とするものにある。
本発明の第5の態様は、前記第4の態様での近接場光ヘッドもしくは近接場光アシスト磁気記録ヘッドにおいて、前記第1の面と反対側の第3の面に集光体が設けられ、更に前記集光体上に光反射体が設けられていて、前記光導波路からの伝搬光を集光し、更に反射させて、前記近接場光発生素子に伝搬させることを特徴とするものにある。
本発明の第6の態様は、前記第1の態様での近接場光ヘッドもしくは近接場光アシスト磁気記録ヘッドにおいて、前記第2の面と反対側の第4の面に光反射体が設けられていて、前記光導波路からの伝搬光を前記光反射体で反射させ、前記近接場光発生素子に伝搬させることを特徴とする近ものにある。
また、光導波路の先端をウエッジ型、コーン型、凸レンズ型のように尖せることで、基板との放電接合時、食い込ませやすくなり製造方法が容易になる。
以下、本発明に係る近接場光ヘッド及びそれを用いた記録装置の第1実施形態を、図1から図5を参照して説明する。本実施形態の記録装置1は、図1に示すように、近接場光ヘッド2と、ディスク面(記録媒体の表面)Dに平行な方向に移動可能とされ、ディスク面Dに平行で且つ互いに直交する2軸(X軸、Y軸とする)回りに回動自在な状態で近接場光ヘッド2を先端側で支持するサスペンションアーム3と、光導波路4の基端側から該光導波路4に対して光束を入射させる光信号コントローラー(光源)5と、サスペンションアーム3の基端側を支持すると共に、サスペンションアーム3をディスク面Dに平行なXY方向に向けてスキャン移動させるアクチュエーター6と、ディスクDを一定方向に回転させるスピンドルモーター(回転駆動部)7と、情報に応じて変調した電流を近接場光ヘッド2に対して供給すると共に、光信号コントローラー5の作動を制御する制御部(図示略)と、これら各構成品を内部に収容するハウジング8とを備えている。
光源(図示略)からの入射光ILは光ファイバー103にて伝搬され、近接場光発生素子102に導かれる。この光が微小開口104から発生する近接場光NLとなる。
近接場光ヘッド2の製造方法は、近接場光発生素子102と空気浮上面106をエッチングなどで加工した後、金属薄膜105を近接場光発生素子102の上部と近傍に形成し、最後に光学的微小開口104を形成することで基板101を作製する第1工程と、光ファイバーの先端が近接場光発生素子102を向かうように曲がっている光ファイバー103を作製する第2工程と、基板101の内部に光ファイバー103の先端一部を食い込ませ、光ファイバー103からの伝搬光と近接場光発生素子102との光軸合わせを行う第3工程からなる。
図7に本発明の実施の形態2における近接場光ヘッドの断面図を示す。実施の形態1の図3と4にて示した近接場光ヘッドとほぼ同一構造と製造方法を有して、透明な基板101は、近接場光発生素子102、光学的微小開口104、金属薄膜105、空気浮上面106からなる。透明な基板101の内部に基板101の一側面107から、基板101の下面108とほぼ水平方向に光ファイバー503の一部が食い込んでいる。一部食い込んでいる光ファイバー503の先端は、研磨によって加工したウエッジ(くさび)型からなり、ウエッジ型の先端は反射面506を有し反射面506上には光反射用金属膜507が形成されている。光反射用金属膜507は基板101より軟化点が高い金属材料を用いる。(以下、全てのヘッドにおいて、光反射用金属膜は基板より軟化点が高い金属材料を用いる。)前記金属膜はアルミニウムや金を用いると良く、スパッタ装置や真空蒸着装置を用いて形成することができる。また、その膜厚は数百nm である。
図9に実施の形態3に係る近接場光ヘッド2′とサスペンションアーム3、光導波路4からつながる光ファイバー1003の断面図を示す。近接場光ヘッド2´の基本構造と製造方法は実施の形態1で示した図2の近接場光ヘッド2とほぼ同様であるが、図9での第1工程において、透明な基板1001の側面1007の反対側に反射面1009を設ける点が異なる。透明な基板1001は近接場光発生素子1002をその下面に有し、ディスク面Dと対向する面に前記近接場光発生素子1002が設けられている。
光源(図示略)からの入射光ILは光ファイバー1003にて伝搬され、反射面1009で反射される。この光が近接場光発生素子1002に導かれと、微小開口104から発生する近接場光NLとなる。
本発明の実施の形態1と2と3での光ファイバーを基板内部に食い込ませる第3工程において、図11は、透明な基板4001の一側面4007の面上から基板4001の内部に所定の長さのホール4010を開けた後、光ファイバー4003をホール4010の中に一部挿入し、実施の形態1と2と3で用いた放電接合で、更に基板4001の内部に光ファイバー4003を食い込ませる方法を示す。図11(a)はヘッドの断面図、図11(b)は側面図である。
また、前記ホール2010を開ける加工方法として、機械ドリリングもしくはエッチングいずれを用いても効率よくホール2010を開けることができる。
本発明の実施の形態1から4までの光ファイバーを基板内部に食い込ませる第3工程において、図12は、光源M1からの入射光L1が、光ファイバー5003で伝搬され(光L2)、近接場光発生素子5002に導かれ、次に、微小開口5004から透過された出射光L3はレンズM2で集光されると、光透過率測定器M3が光L4の強度を検出すると共に入射光L1に対する検出光L4の透過率Rを計算し、コントローラーM4に与え、光ファイバー5003の基板5001内での最良の位置が、光ファイバー5003の位置決めアクチュエーターM5により制御される仕組みを示している。基板5001と光ファイバー5003との放電接合の終了時まで、検出光L4と光ファイバー5003の位置をフィードバックしながら、入射光L1に対し最大の検出光L4が検出された時点で、前記放電接合を終了する。前記の光フィードバック放電接合方法を用いると、放電接合の際光ファイバーからの伝搬光L2と近接場光発生素子5002との光軸合わせ(集光点合わせ)度合をモニタリングすることができるため、更に定量的に精度かつ効率よく前記放電接合を行うことができる。また大量生産にも適している。
実施の形態1から5まで示した近接場光ヘッドにおいて、前記ヘッドの基板の底面または側面のいずれかに、磁気記録用のコイル、主磁極磁性膜、副磁極磁性膜、電気回路などを、微細加工技術を用い形成させことができる。図13は、図2での近接場光のヘッド2の底面108上の近接場光発素子102の近傍に、磁気記録用のコイル114、主磁極磁性膜115、副磁極磁性膜116、電気回路117を設けた構造の一例を示す。近接場光発生素子からの近接場光で磁気記録媒体表面Dの微小な領域を加熱しながら、前記磁極を用い磁気記録を行うことで、前記近接場光ヘッドの近接場光アシスト磁気記録ヘッドとしての使用も可能になる。また、前記近接場光アシスト磁気記録ヘッドでも、実施の形態1から5まで説明した、多様な先端型を有する光ファイバーと放電接合方法で光ファイバーが基板内に食い込まれた基板を用いることで、実施の形態1から5まで説明した近接場光ヘッドの持つ効果と同様な効果を得ることができる。
2、2´ 近接場光ヘッド
3 サスペンションアーム
4 光導波路
5 光信号コントローラー(光源)
6 アクチュエーター
7 スピンドルモーター(回転駆動部)
8 ハウジング
9 軸受
10 キャリッジ
101、1001、4001、5001 基板
102、1002、4002 5002 近接場光発生素子
103 203、303、403、503、603、1003、2003、3003、4003、5003 光ファイバー
104、1004、5004 微小開口
105 1005 金属遮光膜
106 1006 空気浮上面
107 109 110 1007 4007 基板側面
108 1008 基板底面
111 1011 基板上面
112 212 512 612 1012 クラッド
113 213 513 613 1013 コア
114 磁気記録用のコイル
115 主磁極磁性膜
116 副磁極磁性膜
117 電気回路
304 2005 凸レンズ
305 2004 コーン型
404 凹レンズ
405 エッチング方向
506 606 1009 反射面
507 607 609 1010 金属反射体
608 集光体
4010 ホール
D 記録媒体の表面
IL L2 伝搬光
NL 近接場光
L1 入射光
L3 出射光
L4 検出光
M1 光源
M2 集光レンズ
M3 光透過効率測定器
M4 コントローラー
M5 アクチュエーター
R 光透過効率
Claims (9)
- 記録媒体に対向する下面と該下面に接する側面とを有する略直方体形状の基板と、光源からの伝搬光が導入される一端部と前記基板に前記伝搬光を供給する他端部とを有する光導波路とを備えた近接場光ヘッドの製造方法であって、
前記基板は、前記光導波路より軟化点が低い材質からなり、前記下面に前記伝搬光を近接場光に変換する近接場光発生素子を有し、
前記光導波路は、前記他端部が前記側面から前記基板内部に食い込まれ、前記他端部の先端が、前記近接場光発生素子の近傍で前記近接場光発生素子に向けて曲げられ、前記伝搬光を前記下面に対して垂直方向に前記近接場光発生素子に伝搬させるものであり、
前記基板を用意する第1の工程と、
前記光導波路を用意する第2の工程と、
前記基板に前記光導波路の前記他端部の一部を食い込ませる第3の工程と
を有することを特徴とする近接場光ヘッドの製造方法。 - 請求項1に記載した近接場光ヘッドの製造方法において、
前記他端部の先端が凸レンズの形状を有し、前記基板の屈折率が前記他端部の屈折率より小さく、前記伝搬光が前記凸レンズで絞られ、前記近接場光発生素子に伝搬されるものであることを特徴とする近接場光ヘッドの製造方法。 - 請求項1に記載した近接場光ヘッドの製造方法において、
前記他端部の先端が凹レンズの形状を有し、前記基板の屈折率が前記他端部の屈折率より大きく、前記伝搬光が前記凹レンズで絞られ、前記近接場光発生素子に伝搬されるものであることを特徴とする近接場光ヘッドの製造方法。 - 記録媒体に対向する下面と該下面に接する側面とを有する略直方体形状の基板と、光源からの伝搬光が導入される一端部と前記基板に前記伝搬光を供給する他端部とを有する光導波路とを備えた近接場光ヘッドの製造方法であって、
前記基板は、前記光導波路より軟化点が低い材質からなり、前記下面に前記伝搬光を近接場光に変換する近接場光発生素子を有し、
前記光導波路は、前記他端部が前記側面から前記基板内部に食い込まれ、
前記他端部の先端が、前記近接場光発生素子の上方において前記伝搬光の伝搬方向に対して傾斜する傾斜面と、前記傾斜面上に前記伝搬光を前記基板の前記下面とは反対側の上面に向けて反射させる第1の光反射体とを備え、
前記上面は、前記第1の光反射体からの前記伝搬光を集光する集光体と、前記集光体によって集光された前記伝搬光を前記近接場光発生素子に向けて反射させる第2の光反射体とを備えるものであり、
前記基板を用意する第1の工程と、
前記光導波路を用意する第2の工程と、
前記基板に前記光導波路の前記他端部の一部を食い込ませる第3の工程と
を有することを特徴とする近接場光ヘッドの製造方法。 - 請求項1から4の何れかに記載した近接場光ヘッドの製造方法において、
前記第2の工程では、前記他端部の先端形状は、研磨及びプラズマによって加工されることを特徴とする近接場光ヘッドの製造方法。 - 請求項1から4の何れかに記載した近接場光ヘッドの製造方法において、
前記第2の工程では、前記他端部の先端形状は、エッチングによって加工されることを特徴とする近接場光ヘッドの製造方法。 - 請求項1から4の何れかに記載した近接場光ヘッドの製造方法において、
前記第3の工程は、放電接合を用いることを特徴とする近接場光ヘッドの製造方法。 - 請求項1から4、あるいは7の何れかに記載した近接場光ヘッドの製造方法において、
前記第3の工程は、前記側面から前記基板内部に向けてホールを開け、前記他端部を前記ホールの中に挿入し、挿入された前記他端部を前記放電接合により前記基板内部に食い込ませることを特徴とする近接場光ヘッドの製造方法。 - 請求項8に記載した近接場光ヘッドの製造方法において、
前記ホールは、機械ドリリングもしくはエッチングにより開けられることを特徴とする近接場光ヘッドの製造方法。
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