JP4846415B2 - マイクロカプセル及びその製造方法 - Google Patents
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Description
潜熱蓄熱材は、物質が固体から液体に相変化する時に熱を蓄え(蓄熱)、液体から固体に相変化する時に熱を放出(放熱)するという性質を利用し、蓄熱・放熱させるものである。
このような潜熱蓄熱材を各種材料に適用する場合、潜熱蓄熱材は融解時に液状化し漏れ出してしまうため、潜熱蓄熱材をそのまま用いることはできない。
さらに、カプセル壁に用いられているメラミンホルマリン樹脂は、硬い性質を有する反面、脆いという性質を有する。したがって、カプセルを混練・攪拌した場合、カプセル壁が破砕しやすく、潜熱蓄熱材が漏洩しやすいという問題もある。さらに、メラミンホルン樹脂の製造には、ホルムアルデヒド等の物質を使用するため、環境に対し好ましいものでもない。
しかし、アルキル基の炭素鎖が10以下のポリ(メタ)アクリレートを主成分とするカプセル壁は、潜熱蓄熱材によって可塑化され易く、マイクロカプセルを混錬・攪拌した場合、カプセル同士が凝集してしまい、水分散安定性が得られ難い。また、マイクロカプセルを固形の微粉末として回収する場合は、上記同様マイクロカプセル同士が凝集するため、回収が困難であり、また、回収できたとしても取扱い難いという問題があった。
1.(C)潜熱蓄熱材が40〜70重量%内包されたマイクロカプセルであり、
該カプセルのカプセル壁が、(A)ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレートから選ばれる1種以上の結晶性(メタ)アクリル酸エステル単量体を主成分とする重合体から形成され、カプセル壁の結晶化温度が40℃以上であり、平均粒子径0.01μm〜20μmであることを特徴とするマイクロカプセル。
2.(A)ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレートから選ばれる1種以上の結晶性(メタ)アクリル酸エステル単量体、
(B)油溶性重合開始剤、
(C)潜熱蓄熱材、
(D)界面活性剤、
(E)水、を混合して懸濁液を作製し、
該懸濁液中の液滴の平均粒子径が0.01μm〜20μmとなるように分散させ、
カプセル壁の結晶化温度よりも高い温度で懸濁重合し、重合後、該結晶化温度よりも低い温度まで冷却することを特徴とする1.に記載のマイクロカプセルの製造方法。
3.(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分、(E)成分に、さらに(F)架橋性単量体及び/または(G)高分子分散剤を加えて混合することを特徴とする2.に記載のマイクロカプセルの製造方法。
4.(F)架橋性単量体の含有量が、カプセル壁を構成する単量体全量に対して、0.1重量%以上30重量%以下であることを特徴とする3.に記載のマイクロカプセルの製造方法。
5.(G)高分子分散剤の含有量が、懸濁液全量に対して、0.1重量%以上30重量%以下であることを特徴とする3.または4.に記載のマイクロカプセルの製造方法。
また、本発明のマイクロカプセルの平均粒子径は、0.01〜20μm(好ましくは、0.1〜10μm)である。このような範囲であることにより、特に水等の溶媒に分散して用いる場合、マイクロカプセルの分散安定性に優れ、かつ、長期的な貯蔵安定性に優れ、取り扱いが容易である。
このような(F)架橋性単量体は、親水性が高く、カプセル粒子表面で効率良く架橋するため、得られたカプセルは優れた貯蔵安定性を示すことができる。疎水性が高い架橋性単量体を用いた場合、架橋性単量体がカプセル粒子内部に取りこまれた状態で架橋するため、貯蔵安定性を有するカプセルを得ることは、難しい場合がある。
このようなモノマーとしては、例えば、
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどの低級アルキル基含有(メタ)アクリルモノマー;
(メタ)アクリル酸などのカルボキシル基含有(メタ)アクリルモノマー;
アミノメチル(メタ)アクリレート、アミノエチル(メタ)アクリレート、アミノプロピル(メタ)アクリレート、アミノ−n−ブチル(メタ)アクリレート、ブチルビニルベンジルアミン、ビニルフェニルアミン、p−アミノスチレン、N−tブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等などのアミン含有(メタ)アクリルモノマー;
(メタ)アクリルアミド、エチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−シクロプロピル(メタ)アクリルアミド、N−(メタ)アクロイルピロリジン、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−n−プロピル(メタ)アクリルアミドなどのアミド含有(メタ)アクリルモノマー;
アクリロニトリルなどのニトリル基含有(メタ)アクリルモノマー;
グリシジル(メタ)アクリレートなどのエポキシ基含有(メタ)アクリルモノマー;
ジアセトン(メタ)アクリレート、ジアセトンアクリルアミド、アクロレイン、ビニルメチルケトン、アセトニルアクリレート、ジアセトンメタクリルアミド、ビニルエチルケトン、ビニルイソブチルケトン、アクリルオキシアルキルプロパナール類、メタクリルオキシアルキルプロパナール類、2ーヒドロキシプロピルアクリレートアセチルアセテート、及びブタンジオールアクリレートアセチルアセテートなどのカルボニル基含有モノマー;
メタクリロイルイソシアネートなどのイソシアネート基含有モノマー;
プロピレン−1,3−ジヒドラジン及びブチレン−1,4−ジヒドラジンなどのヒドラジノ基含有モノマー;
2−ビニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン等のオキサゾリン基含有モノマー;
スチレン、メチルスチレン、クロロスチレン、ビニルトルエンなどの芳香族炭化水素系モノマー;
スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸などのスルホン酸含有モノマー;
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニルなどのビニルエステル等が挙げられる。
なお、結晶化温度は、示差走査熱量計(DSC220CU:セイコーインスツルメンツ株式会社製)にて、昇温速度10℃/分で測定した値である。
例えば、油溶性重合開始剤としては、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、オルソクロロ過酸化ベンゾイル、オルソメトキシ過酸化ベンゾイル、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキサイド等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシクロヘキサカルボニトリル、2、2'-アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩等のアゾ系開始剤等が挙げられる。
また、水溶性重合開始剤としては、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩開始剤等が挙げられる。
また、レドックス開始剤、光重合開始剤、反応性開始剤等を用いることができる。
例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウムなどのアルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンオレイルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレントリデシルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンイソデシル硫酸アンモニウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル、脂肪酸塩、ロジン酸塩、アルキル硫酸エステル、アルキルスルホコハク酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキル(アリール)硫酸エステル塩等のアニオン性乳化剤、
ラウリルトリアルキルアンモニウム塩、ステアリルトリアルキルアンモニウム塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩などの第4級アンモニウム塩、第1級〜第3級アミン塩、ラウリルピリジニウム塩、ベンザルコニウム塩、ベンゼトニウム塩、或は、ラウリルアミンアセテート等のカチオン性界面活性剤、
ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレントリステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等のノニオン系界面活性剤、
カルボキシベタイン型、スルホベタイン型、アミノカルボン酸型、イミダゾリン誘導体型等の両性界面活性剤等が挙げられる。
アルキレンオキサイド鎖を含有する化合物としては、上述した単量体の重合体や、ウレタン樹脂、アクリル樹脂等に、アルキレンオキサイド鎖を公知の方法で導入することにより得ることができ、例えば、特願2005−262361号公報、特開2006−21191号公報、特表2005−510600号公報、特開2005−118684号公報、特開2004−290839号公報、特開2004−175861号公報、特開2004−168937号公報、特開2003−313251号公報、特開2003−236360号公報、特開2003−236361号公報、特開2001−72703号公報、特開2001−72702号公報、特開2000−154227号公報、特開平9−132648号公報等の開示の高分子分散剤等が挙げられる。
本発明では、特に、ウレタン樹脂にアルキレンオキサイド鎖を導入した高分子分散剤が好ましい。
高分子分散剤としては、具体的には、SNシックナー612等のSNシックナーシリーズ(サンノプコ株式会社製)、アデカノールUH−540、アデカノールUH−752等のアデカノールUHシリーズ(旭電化工業株式会社製)、DSX3290(コグニクスジャパン株式会社製)、プライマルRM−2020NPR(ローム・アンド・ハース・カンパニー製)等が挙げられる。
例えば、(A)アルキル基の炭素数が18以上の結晶性(メタ)アクリル酸エステル単量体、(B)油溶性重合開始剤(以下、「(B)成分」ともいう。)、(C)潜熱蓄熱材、(D)界面活性剤(以下、「(D)成分」ともいう。)、(E)水を混合して懸濁液を作製し、該懸濁液中の液滴の平均粒子径が0.01μm〜20μm(好ましくは、0.1〜10μm)となるように分散させ、カプセル壁の結晶化温度よりも高い温度で懸濁重合し、重合後、該結晶化温度よりも低い温度まで冷却して製造することが好ましい。
なお、液滴の粒子径は、光学顕微鏡で測定した値である。
また、このような製造法で得られたマイクロカプセルの水分散体は、マイクロカプセルの平均粒子径が0.01〜20μm(好ましくは0.1〜10μm、さらに好ましくは0.5〜6μm)となり、長期的な貯蔵安定性にも優れる。
このような状態で懸濁重合することにより、カプセルの平均粒子径が0.01μm〜20μm(好ましくは、0.1〜10μm)の水分散安定性に優れたマイクロカプセルを形成することができる。平均粒子径が20μmより大きくなると、マイクロカプセルの水分散安定性が劣ってくる。
なお、マイクロカプセルの粒子径は、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置(日機装株式会社製:マイクロトラック粒度分析計UPA150)を用いて測定した値である。
(F)架橋性単量体を混合して、マイクロカプセルを製造することにより、カプセル壁に架橋ネットワークが形成され、カプセル壁がより強靭となり、混錬・攪拌による安定性に優れ、カプセル同士が凝集され難くなる。さらにカプセル壁の結晶化温度以上の領域における安定性を向上させることができる。
マイクロカプセルの水分散液体の固形分としては、20重量%以上80重量%以下、さらには30重量%以上70重量%以下であることが好ましい。
潜熱蓄熱材の内包量が40重量%以下の場合では、十分な蓄熱性を有するマイクロカプセルが得れらず、また、70重量%以上では、カプセル壁の結晶性が低下し、静置時および攪拌時にカプセル同士の凝集が見られ、長期的な貯蔵安定性が得られない。
通常2種以上の潜熱蓄熱材を混合すると、見かけ上融点は一つとなってしまい、より幅広い温度域での蓄熱性能を発揮することが、困難な場合がある。
本発明では、潜熱蓄熱材の融点が異なる2種以上のマイクロカプセルを混合することで、見かけ上融点が2つ以上の材料を簡便に得ることができる。
例えば、融点が5℃〜15℃付近の潜熱蓄熱材を含有するマイクロカプセルと、融点が16℃〜28℃付近の潜熱蓄熱材を含有するマイクロカプセルとを組み合わせることにより、見かけ上2つの融点を有し、一年を通してその蓄熱性能(夏期は冷熱蓄熱性能、冬期は温熱蓄熱性能)を発揮することができ、また、昼と夜の温度差に対しても、前記冷熱蓄熱性能、温熱蓄熱性能を発揮することができる。例えば、保温シート、結露防止シート等、また、衣類、カーテン、じゅうたん、寝具、日用雑貨等に適用することができる。
また、融点が−15〜0℃付近の潜熱蓄熱材を含有するマイクロカプセルと、融点が0℃〜5℃付近の潜熱蓄熱材を含有するマイクロカプセルとを組み合わせることにより、冷蔵庫やクーラーボックス等に適用することができる。
また、マイクロカプセルと結合剤等を混練したスラリーを材料に塗付積層する方法や、マイクロカプセルと結合剤等を混練したスラリーや、マイクロカプセルの水分散液をケースに流し込みケーシングする方法等によりマイクロカプセルを固定化することができる。
本発明のマイクロカプセルは、混練・攪拌したとしてもカプセル壁が破砕し難くいため、潜熱蓄熱材が漏れ出すことがなく、簡便に固定化することができる。
また得られたスラリーは、刷毛、ローラー、こて、スプレー等で塗付積層すればよい。この際にも、マイクロカプセルには、せん断応力等の力が加えられるが、カプセル壁が破砕し難く、潜熱蓄熱材が漏れ出すことはない。
有機結合剤としては、アクリル樹脂、シリコン樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、アミノ樹脂、ポリカーボネート樹脂、フッ素樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル・酢酸ビニル樹脂、アクリル・ウレタン樹脂、アクリル・シリコン樹脂、シリコン変性アクリル樹脂、エチレン・酢酸ビニル・バーサチック酸ビニルエステル樹脂、エチレン・酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、ABS樹脂、AS樹脂等の溶剤可溶型樹脂、NAD型樹脂、水可溶型樹脂、水分散型樹脂、無溶剤型樹脂等、クロロプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリルニトリル−ブタジエンゴム、メタクリル酸メチル−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム等の合成ゴム等、また、無機結合剤としては、ポルトランドセメント、高炉セメント、シリカセメント、フライアッシュセメント、白色セメント、焼石膏、コロイダルシリカ、水溶性珪酸アルカリ金属塩等が挙げられ、これらの1種または2種以上を使用することができる。
具体的には、重質炭酸カルシウム、軽微性炭酸カルシウム、寒水石、カオリン、クレー、陶土、チャイナクレー、珪藻土、含水微粉珪酸、タルク、バライト粉、硫酸バリウム、沈降性硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、シリカ粉、水酸化アルミニウム、大理石、御影石、蛇紋岩、花崗岩、蛍石、寒水石、長石、石灰石、珪石、珪砂、砕石、雲母、珪質頁岩、砂利、及びこれらの粉砕物、陶磁器粉砕物、セラミック粉砕物、ガラス粉砕物、ガラスビーズ、樹脂粉砕物、樹脂ビーズ、ゴム粒、金属粒等が挙げられ、これらの1種または2種以上を使用することができる。また、貝殻、珊瑚、木材、炭、活性炭、コンクリート、モルタル、プラスチック、ゴム等の粉砕物を使用することもできる。これらに着色を施したものも使用することができる。骨材の粒子径は通常0.5μm〜5mm(好ましくは1μm〜3mm)とすればよい。
着色顔料、骨材等の混合比率は、特に限定されないが、着色顔料は、結合剤(固形分)100重量部に対し、10重量部〜1000重量部、好ましくは30〜800重量部である。骨材は、結合剤(固形分)100重量部に対し、50重量部〜4000重量部、好ましくは100〜2000重量部である。
アルミニウム、銅、クロム、タングステン、チタン、マンガン、鉄、ニッケル、銀、金等からなる金属板、金属箔等の金属材料、
アクリル樹脂、シリコン樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、アミノ樹脂、ポリカーボネート樹脂、フッ素樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル・酢酸ビニル樹脂、アクリル・ウレタン樹脂、アクリル・シリコン樹脂、シリコン変性アクリル樹脂、エチレン・酢酸ビニル・バーサチック酸ビニルエステル樹脂、エチレン・酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、クロロプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリルニトリル−ブタジエンゴム、メタクリル酸メチル−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム等の合成ゴム等の有機材料、
ガラス繊維、パルプ繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ビニロン繊維、テトロン繊維、ポリエステル繊維、セルロース繊維、ナイロン繊維等の合成繊維、綿、木綿、石綿、麻、ヤシ、コルク、ケナフ等の天然繊維等の繊維材料、
松、ラワン、ブナ、ヒノキ、合板等の木質材料、その他、紙、合成紙、セラミックペーパー、あるいはこれらの複合材料等が挙げられ、これらの1種または2種以上を使用することができる。
例えば、マイクロカプセルを上記の方法等で固形化した蓄熱体を断熱材と組み合わせることによって、断熱効果の高い材料を得ることができ、このような材料を住宅等の建築物の壁材、天井材、床材等として用いることにより、省エネ効果を向上させることができる。また、発熱体と組み合わせることにより、より熱効率の高い床暖房システムや、融雪屋根材等に使用することができる。
さらに、本発明のマイクロカプセルは、車輌等の内装材、機械・機器等の工業製品、熱電変換システム、冷蔵・冷凍庫、浴槽・浴室、クーラーボックス、保温シート、結露防止シート、電気製品、OA機器、プラント、タンク、衣類、カーテン、じゅうたん、寝具、日用雑貨等に用いる材料としても適用できる。
ステアリルアクリレート100重量部、n−ヘキサデカン(融点:18℃)150重量部、ベンゾイルパーオキサイド2.5重量部を均一に混合し、さらに、ポリオキシエチレンオレイルエーテルアンモニウム塩4重量部、ポリオキシエチレンステアリルエーテル2重量部、ベンゾイルパーオキサイド2.5重量部、イオン交換水250重量部を加え、ホモジナイザー(Heidoph製:ホモジナイザーDIAX900)を用いて攪拌速度15000rpmで攪拌を行い、懸濁液を作製した。
この懸濁液の平均粒子径を電子顕微鏡により観察した結果、平均粒子径は5.5μmであった。
作製した懸濁液を、脱気、窒素雰囲気下にした重合槽に投入し、80℃で3時間懸濁重合を行い、マイクロカプセルの水分散体(平均粒子径:6.1μm、固形分50重量%)を得た。
マイクロカプセルの水分散体を、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置(日機装株式会社製:マイクロトラック粒度分析計UPA150)を用いて平均粒子径を測定した。結果は表1に示す。
マイクロカプセルの水分散体0.8リットルを、1リットル容器に入れ、温度23℃、相対湿度50%下において1ヶ月間静置させた。分離したマイクロカプセルの体積(リットル)を測定し、下記の式により、分離率を算出することにより評価した。評価は下記に示す。結果は表1に示す。
分離率(%)=分離したマイクロカプセルの体積(リットル)×100/0.8(リットル)
◎:分離率0.5%未満
○:分離率0.5%以上1%未満
△:分離率1%以上5%未満
×:分離率5%以上
マイクロカプセルの水分散体を卓上攪拌機(IKA社製:RW20.n)を用いて、温度23℃、相対湿度50%下において、攪拌速度2400rpmで30分間攪拌を行い、
攪拌前後の粘度より、以下の基準より評価を行った。結果は表1に示す。
◎:攪拌前後の粘度変化が、5%未満
○:攪拌前後の粘度変化が、10%未満
△:攪拌前後の粘度変化が、50%未満
×:攪拌前後の粘度変化が、50%以上
マイクロカプセルの水分散体を雰囲気温度5℃下に設定した恒温槽内に24時間静置させ、静置前後の粘度より、以下の基準より評価を行った。結果は表1に示す。
◎:静置前後の粘度変化が、5%未満
○:静置前後の粘度変化が、10%未満
△:静置前後の粘度変化が、50%未満
×:静置前後の粘度変化が、50%以上
DSC220CU(セイコーインスツルメンツ株式会社製)を用いて、示差走査熱量測定(DSC測定)により、得られたマイクロカプセルの物性値(カプセル壁の結晶化温度、潜熱量)を測定した。測定条件としては、アルミニウムをリファレンスとし、昇温温度10℃/min、−20〜60℃の温度領域で測定した。
表1に示すように、ステアリルアクリレート100重量部を、ベヘニルアクリレート100重量部に替えた以外は、実施例1と同様の方法で、マイクロカプセルの水分散体(平均粒子径:5.8μm、固形分50重量%)を得た。
得られたマイクロカプセルの水分散体について、実施例1と同様の評価を行った。結果は表1に示す。
表1に示すように、ベンゾイルパーオキサイド2.5重量部を、2−2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)2.5重量部に替えた以外は、実施例1と同様の方法で、マイクロカプセルの水分散体(平均粒子径:6.5μm、固形分50重量%)を得た。
得られたマイクロカプセルの水分散体について、実施例1と同様の評価を行った。結果は表1に示す。
表1に示すように、架橋性単量体として、ポリエチレングリコールジメタクリレート(エチレンオキサイドの付加数9)5重量部を加えた以外は実施例1と同様の方法で、マイクロカプセルの水分散体(平均粒子径:6.8μm、固形分50重量%)を得た。得られたマイクロカプセルの水分散体について、実施例1と同様の評価を行った。結果は表1に示す。
表1に示すように、高分子分散剤として、アデカノールUH−540(旭電化工業株式会社製)3重量部を加えた以外は実施例4と同様の方法で、マイクロカプセルの水分散体(平均粒子径:2.5μm、固形分50重量%)を得た。得られたマイクロカプセルの水分散体について、実施例1と同様の評価を行った。結果は表1に示す。
表1に示すように、メタクリレート1.0重量部を加えた以外は実施例1と同様の方法で、マイクロカプセルの水分散体(平均粒子径:5.8μm、固形分50重量%)を得た。得られたマイクロカプセルの水分散体について、実施例1と同様の評価を行った。結果は表1に示す。
表1に示すように、メタクリレート1.0重量部、高分子分散剤として、アデカノールUH−540(旭電化工業株式会社製)3重量部を加えた以外は実施例1と同様の方法で、マイクロカプセルの水分散体(平均粒子径:2.5μm、固形分50重量%)を得た。得られたマイクロカプセルの水分散体について、実施例1と同様の評価を行った。結果は表1に示す。
表1に示すように、ステアリルアクリレート100重量部を、ドデシルアクリレート100重量部に替えた以外は、実施例1と同様の方法で、マイクロカプセルの水分散体(平均粒子径:7.3μm、固形分50重量%)を得た。
得られたマイクロカプセルの水分散体について、実施例1と同様の評価を行った。結果は表2に示す。
表1に示すように、懸濁液作製時の攪拌速度を15000rpmから3000rpmに替えた以外は、実施例1と同様の方法で、マイクロカプセルの水分散体(平均粒子径:25.6μm、固形分50重量%)を得た。
この際、懸濁液の平均粒子径は23.0μmであった。
表1に示すように、n−ヘキサデカン150重量部をn−ヘキサデカン400重量部、イオン交換水250重量部をイオン交換水500重量部に替えた以外は、実施例1と同様の方法で、マイクロカプセルの水分散体(平均粒子径:8.0μm、固形分50重量%)を得た。
得られたマイクロカプセルの水分散体について、実施例1と同様の評価を行った。結果は表2に示す。
Claims (5)
- (C)潜熱蓄熱材が40〜70重量%内包されたマイクロカプセルであり、
該カプセルのカプセル壁が、(A)ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレートから選ばれる1種以上の結晶性(メタ)アクリル酸エステル単量体を主成分とする重合体から形成され、カプセル壁の結晶化温度が40℃以上であり、平均粒子径0.01μm〜20μmであることを特徴とするマイクロカプセル。 - (A)ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレートから選ばれる1種以上の結晶性(メタ)アクリル酸エステル単量体、
(B)油溶性重合開始剤、
(C)潜熱蓄熱材、
(D)界面活性剤、
(E)水、を混合して懸濁液を作製し、
該懸濁液中の液滴の平均粒子径が0.01μm〜20μmとなるように分散させ、
カプセル壁の結晶化温度よりも高い温度で懸濁重合し、重合後、該結晶化温度よりも低い温度まで冷却することを特徴とする請求項1に記載のマイクロカプセルの製造方法。 - (A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分、(E)成分に、さらに(F)架橋性単量体及び/または(G)高分子分散剤を加えて混合することを特徴とする請求項2に記載のマイクロカプセルの製造方法。
- (F)架橋性単量体の含有量が、カプセル壁を構成する単量体全量に対して、0.1重量%以上30重量%以下であることを特徴とする請求項3に記載のマイクロカプセルの製造方法。
- (G)高分子分散剤の含有量が、懸濁液全量に対して、0.1重量%以上30重量%以下であることを特徴とする請求項3または請求項4に記載のマイクロカプセルの製造方法。
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