JP4846199B2 - テクネチウム−ジビリジン複合体、およびその使用法 - Google Patents

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Description

関連出願
本出願は、引用をもって内容全体を本出願に援用するものとする2002年3月11日に出願された米国特許仮出願第60/363,142号の優先権を主張する。
発明の背景
放射性医薬品は、構成放射性核種の物理学的な特性のために、診断用または治療用物質として使用してよい。従って、その用途はいずれのそれ自体の薬理学的作用にも基づいていない。この種の臨床的に使用されている薬物の大半は、ガンマ線放射核種を含む診断用物質であって、そのような物質は、それに協調的なリガンドの物理的、代謝的、生化学的特性のために、静脈注射後に特異的な臓器中に局在する。このようにして得られた画像は、臓器の構造または機能を反映することができる。このような画像は、放射性分子によって放出された電離放射線の分布を検出するガンマ線カメラの手法によって得られる。
放射線画像法では、放射性標識はガンマ線放出放射性核種であって、放射性追跡子の位置の特定にはガンマ線検出カメラを用いる(このプロセスは、ガンマシンチグラフィと呼ばれることが多い)。この画像化された部位は、放射性追跡子が病理部位に局在する(陽性造影とよばれる)ように選択されるか、または代替的には、放射性追跡子がそのような病理部位に特異的に局在しない(陰性造影と呼ばれる)ように選択されるために、検出可能となる。
放射線医学の分野において現在行われている多くの方法では、主要な器官および腫瘍における血流(灌流)の診断画像を提供する放射性医薬品が使われる。対象の器官の中に存在するこれら放射性医薬品の局所的吸収は、流量に比例する。流量の大きい領域は最高の放射性医薬品の濃度を示し、流量が小さいかまたはゼロの領域は比較的低濃度を示す。このような局所的な差を示す診断画像は、灌流の乏しい領域を同定するのに有用であるが、見かけ上灌流の乏しい領域内の組織の状態の代謝情報は提供しない。
腫瘍はその塊の中に低酸素性の領域を有することが多いことが知られている。腫瘍の急速な成長が腫瘍血管系の伸長と一致しない場合にそのような現象が生じる。Champman, "Measurement of Tumor Hypoxia by Invasive and Non-Invasive Procedures--A Review of Recent Clinical Studies", Radiother. Oncol., 20(S1), 13-19 (1991)に示唆されるとおり、低酸素状態の領域内に特異的に局在する放射性医薬品を用いて、腫瘍の診断及び治療法の管理に有用な画像を提供することができる。さらに、腫瘍の低酸素領域内に局在するが好適なαまたはβ線を放出する放射性核種で標識されている化合物を、腫瘍の内部放射線療法に使用することもできる。脳または心臓内では、一般に低酸素状態に続いて、たとえば動脈閉塞、または高需要と流量の不足の組み合わせによって虚血エピソードが生じる。
しかし、多くの放射性核種は臨床で日常的に使用するには理想的ではない。たとえば、陽子放出同位体(18Fなど)はサイクロトロンで生成するもので寿命が短く、したがって同位体生成、放射化学合成、および診断用の画像撮影を1施設または1領域で行う必要がある。陽子放出同位体を用いた方法にかかる費用は非常に高く、このような施設は世界でも非常に少数しかない。123I放射性医薬品は広く普及しているガンマ線カメラ画像撮影システムとともに用いることができるが、123Iの半減期は13時間で(この同位体を用いた放射性医薬品の普及を制限している)、生成には費用がかかる。3Hで標識されたニトロイミダゾールはin vivoの臨床画像撮影には好適ではなく、基礎研究にしか用いることができない。
ヒトにおける最適な放射線画像撮影のためには、数多くの要因を考慮しなければならない。検出の効率を最高にするために、100乃至200 keVの範囲内のガンマ線エネルギーを放出する放射性核種が好ましい。患者に吸収される放射線量を最少にするために、放射性核種の物理的な半減期は画像撮影方法が許容する限り短くなければならない。任意の日、および一日の任意の時間に検査を行うことができるように、放射性核種の供給源は常に臨床施設にあったほうが好都合である。
Ga-67、Tc-99m、In-111、I-123、およびI-131を含む、放射線画像撮影法に有用なさまざまな放射性核種が知られている。医療用画像撮影に用いる好ましい放射性同位体はTc-99mである。この同位体の140keVのガンマ線光子は、広く普及しているガンマ線カメラに用いるのに理想的である。半減期は短く(6時間)、患者の線量測定を考慮すると望ましい。Tc-99mは市販用に生成されている99Mo/Tc-99m生成システムによって、比較的低費用で容易に入手することができる。その結果、世界中で行われる放射性核種の画像撮影研究の80%以上がTc-99mを使用している。 一般的には、Reedijk J. “Medicinal Applications of heavy-metal compounds” Curr. Opin. Chem. Biol. (1999) 3(2): 236-240; and Hom, R. K., Katzenellenbogen, J. A. “Technetium-99m-labeled receptor-specific small-molecule radiopharmaceuticals: recent developments and encouraging results” Nuc. Med. and Biol. (1997) 24: 485-498を参照。.このような利点に、単光子放出コンピュータ断層撮影がTc-99mの140 keVのエネルギーに最適化されているという事実と組み合わせれば、Tc-99m標識造影剤の優位性が明らかに示される。
最近、新規のTc(I)標識システムが開発された。 Aberto, R., Schibli, R., Egli, A., Schubiger, A. P., Abram, U., Kaden, T. A. “A Novel Organometallic Aqua Complex of Technetium for the Labeling of Biomolecules: Synthesis of [99mTc(OH2)3(CO)3]+ from [99mTcO4]- in Aqueous Solution and Its Reaction with a Bifunctional Ligand” J. Am. Chem. Soc. (1998) 120: 7987-7988; およびAlberto, R., Schibli, R., Daniela, A., Schubiger, A. P., Abram, U., Abram, S., Kaden, T. A. “Application of technetium and rhenium carbonyl chemistry to nuclear medicine -- Preparation of [Net4]2[TcCl3(CO)3] from [NBu4][TcO4] and structure of [NEt4][Tc2(u-Cl)3(CO)6]; structures of the model complexes [NEt4][Re2(u-OEt)2(u-OAc)(CO)6] and [ReBr({-CH2S(CH2)2Cl}2(CO)3)” Transition Met. Chem. (1997) 22:597-601。 このシステムは有機金属Tc(I)カルボニル化学をうまく利用している。重要なのは、[99mTc(OH2)3(CO)3]+の化学は明らかになっており、方法がルーチン化され現在用いられているTc(V)化学の実用的な代替法を提供できるほど単純化されている点である。反応性の高いTc(V)-オキソ核は化学反応が予測不能なことがありラベルの除去ステップが含まれるが、それとは対照的に、Tc(I)法は魅力的な標識方法の代替法を提供する。しかし、Tc(V)-オキソ核と異なり、Tc(I)(CO)3 +核は、カルボニル基が3つ存在するため、Tcがとりうる配位幾何学の数が限られている。金属核のまわりにあるカルボニル配位子の表面的な配置も、結合可能な残りの3箇所に立体的な制約を課す。
さらに、[99mTc(OH2)3(CO)3]+複合体は、食塩水中、一酸化炭素(CO)1気圧下で容易に調製することができる。この、水と空気に安定なTc(I)複合体は、高度に不活性なTc(I)複合体の実用的な前駆体である。すでに指摘したように、有機金属トリス(水和)イオンの調製は簡単で、操作および生成物の形成が手軽である。不安定なH2O配位子の置換によって、Tc(CO)3 +核をそのまま残すことができることが示されている。この安定な核は、日常的に用いられるTc(V)-オキソシステムよりも小さく、極性も小さいというもう1つの利点を有する。この特性は、金属核の付加がその化合物のサイズ、形、および可能性のある生物学的活性に影響を及ぼす、生物学的に関連するシステムにおいて利点となりうる。
テクネチウムを結合する際に、現在さまざまなキレータが用いられているが、これらの追跡子にはすべて、理想の状態に欠ける1つ以上の欠点がある。HYNICは共配位子が必要であり、MAG3はTc(V)-オキソ種とともにしか使用できない。EDTA/DTPAは主にTc(V)-オキソと使用し、ラベルを維持する能力は乏しい。したがって、さらにテクネチウム-99mキレータが必要となる。迅速で効率的なラベリングを示し、共配位子を用いなくてもTc(V)-オキソおよびTc(I)-トリカルボニル核の両方に優れたラベルの持続を示す新規の放射標識したキレータは、生物学的に関連する分子への使用を考えることができるキレータとして臨床評価用の魅力的な候補物質である。
発明の概要
概して、本願発明は、たとえばピリジルおよびイミダゾリル配位子などのさまざまなヘテロ芳香族配位子を有するテクネチウム(Tc)の新規複合体、および各種の臨床診断用途および治療用途におけるそれらの放射性医薬品の使用に関連する。本願発明の別の局面は、前述の複合体の一部分を形成する新規ピリジル配位子に関連する。前記テクネチウム複合体を調製する方法も記述する。本願発明の別の局面は、固相合成法によって、小ペプチドに結合させるための誘導体化したリジン、アラニン、およびビスアミノ酸を用いた、新規ピリジル配位子に関連する。さらに、本願発明は、本願発明の複合体を用いて哺乳類の部位を画像化する方法に関連する。
発明の詳細な説明
本願発明者は、テクネチウムに結合の親和性があることが実証された化合物であるジ(ピリジンメチル)アミン(DMPA)の誘導体を用いた、新種のテクネチウムキレータを開発した。特に本願明細書は、Tc-99mへの高い結合親和性を示し、感染症から癌の診断にわたる各種の生物学的プロセスの評価に用いる生化学的なプローブとして誘導体化された、二官能性キレータとしての新規放射性ジメチルピリジン誘導体の合成、放射性同位体による標識、レニウムモデリング、およびテストについて説明する。本願発明者らは、高いラベル付加率、優れた持続性、およびTc(V)-オキソおよびTc(I)-トリカルボニル核の両方にラベルを付加できる汎用性を示す物質を開発するための、テクネチウム-99mで標識したキレートの構造的特徴を最適化した。本願発明のジピリジンメチルアミン複合体によって、共配位子を用いる必要なくラベル付加を行うことができる。共配位子の必要をなくすことによって、本願発明のラベル付加手順が劇的に簡素化される。
本願発明のある局面は、放射性核種の三座配位子としてのジ(ピリジンメチル)アミン(DPMA)の使用に関連する。当該配位子はTc(V)-オキソおよびTc(I)-トリカルボニル核の両方に迅速に結合する優れた能力を示す。特に、当該中性配位子は、3つすべての窒素を、金属核とキレート形成するドナーとして利用する。
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さらに、たとえばペプチドまたはDAT配位子などの生物学的に関連する分子は、DPMAリガンドの中央にある窒素に、放射性核種をキレートする配位子の能力を阻害せずに、共有結合することができる。下図はこの実施態様を示しており、Rは生物学的に関連する分子を表す。
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DPMAを用いたキレータは、Tc(V)-オキソおよびTc(I)-トリカルボニル核の両方に用いられる、中性すなわち非荷電、三座(N-N-N)ドナーとしてはたらく。しかし、たとえば、上述の構造の中心にある窒素に結合した化学基(R)の電荷によって、陽イオンまたは陰イオンの配位子を調製してもよい。さらに、以下に示す各種の配位子をTc(I)-トリカルボニル核とともに使用してもよい。
Figure 0004846199
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本願発明の別の局面は新規Tc-99m標識DPMA類似体の開発、および心筋血流造影剤としての可能性の評価に関連する。Tc-99m(DPMA) (1)およびTc-99m(DPMA エチルエステル) (6)複合体を、ラットの心臓造影剤の候補として調べた。これらの研究の理論的な根拠は、キレートは生理学的なpHのときは、小さく、脂肪親和性で陽イオンである可能性があるという点であって、これらの点はすべて効果的な血流剤としての特徴である。
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本願発明人らは、一連の新規のつり下げ型修飾誘導体を合成した。キレートTc-99m標識医薬品をデザインする際の主要な懸念は、担体分子中にTcリガンドを混合しても、その担体の生物学的なふるまいを大きく変化させてはならないという点である。したがって、本願発明人はいくつかのつり下げ式共役技術を検討した。 Hom, R. K., Katzenellenbogen, J. A. “Technetium-99m-labeled receptor-specific small-molecule radiopharmaceuticals: recent developments and encouraging results” Nuc. Med. and Biol.(1997) 24: 485-498。これらのラベル付加アプローチでは、キレートした放射性核種を、レセプタ結合部位から遠位のつり下げ鎖を介して生分子に結合させる。このデザインの利点には、つり下げ鎖の長さと位置を変化できる可能性と、キレート部分を変化できる可能性が含まれる。このようなアイデアを用いることによって、本願発明人らは各種の生物学的分子で官能化することができる、一連の多目的なキレータを迅速に合成することができた。スキーム1は各種DPMA誘導体の合成を示す。たとえば、実施例を参照のこと。
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この研究によって、アミノ酸から作製する二官能性キレータをデザインし、Tc(I)の有効な配位のためのドナーセット、およびペプチドユニットへの結合に用いるリンカー基を提供する。この配位子デザインの重要な点は、二官能性キレータを、従来の固相ペプチド合成(SPPS)に直接混合するための試薬として開発し、SPPSが提供する純度、コスト、スケール、およびデザインにおける相当な利点を利用することができる点である。
予備研究では、アラニン誘導体(NC5H4CH2)2NCH2CH2CO2H(ビス-2-ピリジルメチルアミノエチルカルボン酸、L3a)を、後述の方法で調製した。L3a [Tc(CO)3(L3a)](2) のTc(I)錯体をほぼ定量的な収率で調製し(図1)、それとともにレニウム(IV)三塩化物核[ReCl3(L3a-エチルエステル)](3) (図2)を示す珍しい物質を調製した。これらのモデル化合物の調製が容易なことから、単純なアミノ酸または二アミノ酸に由来し、配位子供給基の好適な操作によって中性、陽イオン性または陰イオン性Tc(I)錯体を提供することができる二官能性キレータのファミリーを生成することができるということが示唆された。
本願発明のある目標は、固相合成法によって小ペプチドに結合させるための、ピリジル及び/またはカルボキシラート誘導アミノ酸または二アミノ酸を用いた二官能性キレータのファミリーの開発である。この目標を達成するために、リジン、アラニン、アミノアラニン及び一連の二アミノ酸を修飾し、三座キレート形成末端(A)および固相合成を利用した小ペプチドへの結合用の末端(B)を組み込む。テザー(C)の最適なデザインも調べる(スキーム2)。
ある実施態様では、本願発明は、たとえばテクネチウムなどの放射性核種に共有結合した二官能性キレータを有する、たとえばαアミノ酸などのアミノ酸に関連する。たとえば、本願発明はAによって表される化合物であって、当該化合物においてR’はたとえばLysにおけるαアミノ酸のα炭素とR’’の間のブチレンリンカーなどの共有結合テザーを表し、R’’は放射性核種の二官能性キレータを表す、化合物に関連する。R’’で表される放射性核種のための二官能性キレータの例示的な構造も以下に示す。放射性核種用の二官能性キレータを有するAなどのアミノ酸は、自動化タンパク質合成の方法を含む、オリゴペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質合成法のいずれかにおける天然アミノ酸の代わりに用いてもよい。
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二官能性キレートのデザイン及び合成
Jaouenが開発した、標的特異的な生物分子の官能化および放射標識のための「有機金属アプローチ」は、近年、大きな注目を集めている。 Salmain, M.; Gunn, M.; Gorfe, A.; Top, S.; Jaouen, G. Bioconjugate Chem.1993, 4, 425. 特に、Tc(I)-およびRe(I)-トリカルボニル錯体は、サイズの小ささと動的不活性の点で、求レセプタ生物分子へのラベル付加に理想的な候補物質である。{M(CO)3}+1コアは、窒素及び酸素供与配位子に特別な親和性を示し、一般基型 [M(CO)3(NxO3-x)]であってNxO3-xが三座キレータである基型の三座N, O供与配位子を有する堅固な錯体を形成する。この観察結果は、ペプチドにラベル付加するための本願発明の二官能性キレートのデザインの概念的な出発点を提供する。
以下のスキーム3に図示されるように、ある新規二官能性キレートはリジン、アラニン、アミノアラニンまたはビスアミノ酸に由来する。供与基の本体およびアミノ酸骨格の両方を容易に修飾することができるため、キレーターおよびリンカー末端を、それぞれ99mTcの配位およびペプチドの結合のために最適化することもできる。さらに、キレート形成供与基の本体を修飾することによって、一般基型[M(CO)3(L1a)]、[M(CO)3(L1b)]-および[M(CO)3(L1c)]+の中性、陰イオン性、および陽イオン性錯体はさまざまな用途に調製することもできる。L1c-BocおよびL2d-Bocの代表的な配位子合成を、直接的及び容易な方法論を描写しながら以下に説明する。
Figure 0004846199
この段階では、従来の固相合成を用いてペプチド複合体を調製することができる。 Bodansky, M., Principles of Peptide Synthesis, Springer-Verlag: Berlin, 1984; and Bodansky, M.; Bodansky, A., The Practice of Peptide Synthesis, Springer-Verlag: Berlin, 1984. このペプチド鎖は、FMOCプロトコルを用いて作製し、BOC保護基でキャップすることができる。そこで、二官能性キレータ(BFC)を導入して、つり下げ型ペプチドBFCデザインを提供することもできる。または、当該ビスアミノ酸に基づいたBFCをペプチド配列に組み込んで、統合されたデザインコンセプトの1種を提供することもできる(スキーム4)。
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二官能性配位子L1a-L2d、L3a、L4aおよびL5aが調製されており、L1a-L2dのfor-MLFおよびfor-NlcFNlcYペプチド複合体が現在研究されている。
構造的な特徴付けのためのレニウム類似体の合成
第VII族金属のテクネチウム及びレニウムの性質の多くは、類似している。当該金属が類似する反応化学を示し、これら2種類の金属のチオール、窒素、ホスフィン、およびオキソ化学の場合にそのような反応化学が示されることが多いということは理解されよう。同様に、過レニウム酸および過テクネチウム酸も反応のふるまいが非常によく似ている。 Rose, D. J., Maresca, K. P., Nicholson, T., Davison, A., Jones, A. G., Babich, J., Fischman, A., Graham, W., DeBord, J. R. D., Zubieta, J. “Synthesis and Characterization of Organohydrazine Complexes of Technetium, Rhenium, and Molybdenum with the {M(? 1-HxNNR)(? 2-HyNNR)} Core and Their Relationship to Radiolabeled Organohydrazine-Derivatized Chemotactic Peptides with Diagnostic Applications” Inorg. Chem. (1998) 37:2701-2716. SnCl2によるM(VII)オキソ種の類似する還元によって、医薬として有用なテクネチウム99mのモデルとしての非放射性レニウムの置換を容易にできた。通常、スズ還元99mTcを用いる。レニウムジピリジンメチルアミン錯体を合成することによって、その生成物を構造的に特徴付けするための容易な経路が得られた。特徴付けされた生成物によって、レニウムのデータで観察された構造的な特徴の有無に基づいて、新規のTc-DPMA誘導体を開発することができる。Tc とReの間の周期的な関連性は、Tc-99mの放射性医薬品を類似するレニウム錯体でモデル化することによってデザインすることができることを示している。 Nicholson, T., Cook, J., Davison, A., Rose, D. J., Maresca K. P., Zubieta, J. A., Jones, A. G. “The synthesis and characterization of [MCl3(N=NC5H4NH)(HN=NC5H4N)] from [MO4]- (where M = Re, Tc) organodiazenido, organodiazene-chelate complexes” Inorg. Chim. Acta (1996) 252:421-426. {Re(CO)3(H2O)3}+の配位化学によって、図3に示されるモデル化合物[Re(CO)3(L1a-gly)] (4)を含む、多数の誘導体が生成されている。
Re(V)オキソ核
安定で中性のレニウム-オキソ錯体を形成する場合、レニウム類似体の合成は、N2S2システムの確立された化学に従った。 Davison A, Jones AG, Orvig C, et al: “A new class of oxotechnetium (5+) chelate complexes containing a TcON2S2 core” Inorg. Chem. 20: 1629-1631, 1981; Kung HF, Guo Y-Z, Mach RH, et al: “New Tc-99 complexes based on N2S2 ligands” J. Nucl. Med. 27: 1051, 1986 (abstr.); Kung HF, Molnar M, Billings J, et al: “Synthesis and biodistribution of neutral lipid-soluble Tc-99m complexes that cross the blood-brain barrier” J. Nucl. Med. 25: 326-332, 1984; and Kung HF, Yu CC, Billings J, et al: “Synthesis of new bis(aminoethanethiol) (BAT) derivatives: Possible ligands for 99mTc brain imaging agents” J. Med. Chem. 28:1280-1284, 1985. 本願発明のN3システムは3つの窒素ドナーを有し、合計の正味電荷が0の予測可能な金属錯体を形成する。Re(III)錯体の合成は、10 mL のメタノールと3当量のNEt3 のベース中で、[TBA][ReOBr4(OPPh3)]を適切な配位子と1:1.2の割合で反応させることによって行われた。この反応物を約30分間還流させた。冷却後、その反応生成物を、Spiesらによって確立された方法を用い、小さいカラムを用いて精製した。 Spies, H., Fietz, T., Glaser, M., Pietzsch, H.-J., Johannsen, B. In “Technetium and Rhenium in Chemistry and Nuclear Medicine 3”, Nicollini, M., Bandoli, G., Mazzi, U., eds., Padova, Italy, 1995, 4, 243. または、レニウム(V)開始物質[ReOCl3(PPh3)2]を、レニウム開始物質の候補として利用することもできる。この多用途の物質は、過去に、窒素及び硫黄ドナー原子を処理するために利用できることが証明されている。 Maresca, K. P., Femia, F. J., Bonavia, G. H., Babich, J. W., Zubieta, J. “Cationic comples of the ‘3+1’ oxorhenium-thiolate complexes” Inorganic Chemistry Acta (2000) 297: 98-105; and Maresca, K. P., Rose, D. J., Zubieta, J. “Synthesis and charaterization of a binuclear rhenium nitropyrazole” Inorganica Chimica Acta (1997) 260:83-88. 合成されたレニウムDPMA錯体を、テクネチウム錯体用に記述された方法に従って、分離及び精製のためにHPLCカラムにかけた。次いで、その錯体を元素分析法、赤外分光法、質量分光法およびNMR分光法によって分析した。
Re(I)(CO)3+核
Re(I)(CO)3+システムはTc-99mトリカルボニル核に似た反応化学を示す。[NEt4]2[ReBr3(CO)3]を開始物質として使用すると、fac-Re(CO)3(L)3核を容易に形成することができる。[NEt4]2[ReBr3(CO)3]は[ReBr(CO)5]から容易に誘導される。Re(I)錯体の合成は、10 mL の水と3当量のNEt3 のベース中で、[NEt4]2[ReBr3(CO)3]を適切なDPMA配位子と1:1.2の割合で反応させることによって行われている。この反応物質を80℃で4時間加熱した。冷却後、その反応生成物を、Albertoらによって確立された方法を用い、小さいカラムを用いて精製した。 Spies, H., Fietz, T., Glaser, M., Pietzsch, H.-J., Johannsen, B. In “Technetium and Rhenium in Chemistry and Nuclear Medicine 3”, Nicollini, M., Bandoli, G., Mazzi, U., eds., Padova, Italy, 1995, 4, 243. この多用途の物質は、過去に、窒素及び酸素ドナー原子を処理するために利用できることが証明されている。合成されたレニウムDPMA錯体を、テクネチウム錯体用に予め記述された方法に従って、分離及び精製のためにHPLCカラムにかけた。次いで、その錯体を元素分析法、赤外分光法、質量分光法およびNMR分光法によって分析した。
テクネチウム-ジ(ピリジン)錯体の安定性及び堅牢性を、遊離システインおよびヒスチジンによる攻撃誘発によって評価した。特に、この実験は[99mTc(CO)3(dipyridinemethylamine)]+1を用いて行われた。その複合体は、これらのアミノ酸が比較的高濃度なのにもかかわらず、安定であることが明らかになった。たとえば、この錯体の水溶液をpH 7.4、37℃で18時間、システインとインキュベートした場合、HPLC分析では成分に大きな変化は認められなかった。

保護された、および保護されていない[? -{N,N-ジ(ピリジル-2-メチル)}? -(fmoc)リジン] (Fmoc-DpK)の、たとえばReおよびTcトリカルボニルなどの金属トリカルボニルのリガンドとしての合成及び使用を広範囲に調べた。単一のアミノ酸キレートを調べるために三座DpKを選択したのは、優れたRCPおよびRCY、ならびに放射性医薬キットを調製しうる可能性に基づいている。ピリジン-2-メチルアミンを容易にアミノ酸に誘導体化した。得られた体内分布から、[99mTc(CO)3(DpK)]の血液クリアランスが5分経過時点の%ID/g = 0.6 乃至30分経過後の%ID/g = 0.07 と迅速であることが明らかになった。
このアプローチによって、{M(CO)3}1+ 核を含むライブラリの作製が可能になる。本願発明者らは、99mTc- dipyridine錯体の生物学的な運命の特徴付けを開始しており、これにより今後現れうる一連の三座類似体を比較することが可能になる。このジピリジンラベル付加は高い収率で進行し、過剰のヒスチジン及びシステインによる攻撃誘発に対して18時間超安定だった。体内分布の研究では、腎臓及び肝臓への主な蓄積は、初期の時点でしか生じないことが明らかになった。活性は、すべての組織で時間の関数で減少したが、消化管では時間とともに増加した。これらの実験から、ジピリジンは重要な生分子のラベル付加を可能にする技術の候補であることが示唆される。
定義
便宜上、本願明細書、実施例、および添付される特許請求の範囲に用いられる特定の用語をここにまとめる。
本願明細書に記載の「ヘテロ原子」という用語は、炭素または水素以外の任意の元素を意味する。好ましいヘテロ原子は、ホウ素、窒素、酸素、リン、硫黄、およびセレニウムである。
「電子吸引基」という用語は、当業で認識されており、置換基が隣接する原子から荷電子を引き付ける置換基の傾向を意味する。電子吸引力の定量化は、ハメットシグマ(?)定数による。この有名な定数は、たとえばJ. March, Advanced Organic Chemistry, McGraw Hill Book Company, New York, (1977 edition) pp251-259など、多くの参考文献に記述されている。. このハメット定数の値は、一般に電子供与基ではマイナス(?[P] = - 0.66 for NH2)、および電子吸引基ではプラス(?[P] = 0.78 for a nitro group)であって、?[P]はパラ置換を示す。例示的な電子吸引基には、ニトロ、アシル、ホルミル、スルホニル、トリフルオロメチル、シアノ、およびクロリドなどが含まれる。例示的な電子供与基には、アミノ、およびメトキシなどが含まれる。

「アルキル」という用語は、直鎖アルキル基、分岐鎖アルキル基、シクロアルキル(脂環式)基、アルキル置換シクロアルキル基、およびシクロアルキル置換アルキル基を含む、飽和脂肪族基のラジカルを意味する。好ましい実施態様では、直鎖または分岐鎖アルキルは、その骨格に30個以下の炭素原子(たとえば直鎖の場合C1乃至C30、分岐鎖の場合はC3乃至C30)、好ましくは20個以下の炭素原子を有する。同様に、好ましいシクロアルキルはその環構造に3乃至10個の炭素原子を有し、より好ましくは5、6、または7個の炭素をその環構造に有する。
炭素数に他に指定がない限り、本願明細書に用いられる「低級アルキル」は上述のアルキル基を意味するが、その骨格構造に1乃至10個の炭素を有し、より好ましくは1乃至6個の炭素原子を有する。同様に、「低級アルケニル」および「低級アルキニル」は類似する鎖長を有する。好ましいアルキル基は低級アルキルである。好ましい実施態様では、本願明細書でアルキルと指定する置換基は低級アルキルである。
本願明細書で用いられる「アラルキル」という用語は、アリール基で置換されたアルキル基(たとえば、芳香族基またはヘテロ芳香族基)を意味する。
「アルケニル」および「アルキニル」という用語は、上述のアルキルと長さおよび可能な置換が類似する非飽和脂肪族基であるが、少なくとも1つの二重結合または三重結合をそれぞれ含む、非飽和脂肪族基を意味する。
本願明細書に用いられる「アリール」という用語には、0乃至4個のヘテロ原子を含んでもよい5、6、および7員単環芳香族基が含まれ、たとえば、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、ピレン、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、トリアゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジンおよびピリミジンなどが含まれる。環構造にヘテロ原子を有する当該アリール基はまた、「アリールヘテロ環」または「ヘテロ芳香族」ともよばれることがある。当該芳香族環は、たとえば、ハロゲン、アジド、アルキル、アラルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヒドロキシル、アルコキシル、アミノ、ニトロ、スルフヒドリル、イミノ、アミド、ホスホナート、ホスフィナート、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、アルキルチオ、スルホニル、スルホンアミド、ケトン、アルデヒド、エステル、ヘテロシクリル、芳香族基もしくはヘテロ芳香族基、-CF3、または-CNなどの置換基と環上の1つ以上の位置が置換されていてよい。「アリール」という用語にはまた、2つの隣接する環が2つ以上の炭素を共有する2つ以上の環を有する(当該環は「融合環」である)、多環系であって、当該多環系において少なくとも1つの環は芳香族であって、たとえば他の環がシクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、及び/またはヘテロシクリルであってよい、多環系も含まれる。
オルソ、メタ、およびパラ(ortho、meta およびpara)という用語は、それぞれ1,2-、1,3- および1,4-二置換ベンゼンに用いられる。たとえば、1,2-ジメチルベンゼンおよびortho-ジメチルベンゼンは同義である。
「ヘテロシクリル」または「ヘテロ環基」という用語は、3乃至10員環、さらに好ましくは3乃至7員環構造を意味し、当該環構造は、1乃至4ヘテロ原子を含む。ヘテロ環はまた、多環であってよい。ヘテロシクリル基には、たとえば、アゼチジン、アゼピン、チオフェン、チアントレン、フラン、ピラン、イソベンゾフラン、クロメン、キサンテン、フェノキサチイン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、イソチアゾール、イソキサゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インドリジン、イソインドール、インドール、インダゾール、プリン、キノリジン、イソキノリン、キノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、プテリジン、カルバゾール、カルボリン、フェナントリジン、アクリジン、ピリミジン、フェナントロリン、フェナジン、フェナルサジン、フェノチアジン、フラザン、フェノキサジン、ピロリジン、オキソラン、チオラン、オキサゾール、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、ラクトン、アゼチジノン及びピロリジノンなどのラクタム、スルタム、およびスルトンなどが含まれる。当該ヘテロ環は、たとえば、ハロゲン、アルキル、アラルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヒドロキシル、アミノ、ニトロ、スルフヒドリル、イミノ、アミド、ホスホナート、ホスフィナート、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、アルキルチオ、スルホニル、スルホンアミド、ケトン、アルデヒド、エステル、ヘテロシクリル、芳香族基もしくはヘテロ芳香族基、-CF3、または-CNなどの、上述の置換基と環上の1つ以上の位置が置換されていてよい。
「ポリシクリル」または「多環基」という用語は、2つ以上の環であって(たとえばシクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、及び/またはヘテロシクリル)、2つの隣接する環が2つ以上の炭素を共有し、たとえば当該環が「融合環」である、2つ以上の環を意味する。隣接しない原子を介して結合している環は「架橋」環とよばれる。多環の各環は、たとえば、ハロゲン、アルキル、アラルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヒドロキシル、アミノ、ニトロ、スルフヒドリル、イミノ、アミド、ホスホナート、ホスフィナート、カルボニル、カルボキシル、シリル、エーテル、アルキルチオ、スルホニル、スルホンアミド、ケトン、アルデヒド、エステル、ヘテロシクリル、芳香族基もしくはヘテロ芳香族基、-CF3、または-CNなどの、上述の置換基と置換されていてよい。
本願明細書に用いられる「炭素環」という用語は、環の各原子が炭素である芳香族または非芳香族環を意味する。
本願明細書に用いられる「ニトロ」という用語は-NO2を意味し、「ハロゲン」という用語は-F、-Cl、-Brまたは-Iを意味し、「スルフヒドリル」という用語は-SHを意味し、「ヒドロキシル」という用語は-OHを意味し、「スルホニル」という用語は-SO2-を意味する。
「アミン」および「アミノ」という用語は当業に認識されており、たとえば、一般式
Figure 0004846199
であって、当該化学式においてR9、R10、およびR’10はそれぞれ独立に原子価の規則によって許可される化学基を表す、一般式によって表すことができる化学基などの、非置換および置換アミンの両方を意味する。
「アシルアミノ」という用語は当業に認識されており、一般式
Figure 0004846199
であって、当該化学式に置いてR9は上に定義されたとおりであって、R’11は水素、アルキル、アルケニル、または(CH2)m-R8であって、mおよびR8は上に定義されたとおりである、一般式によって表すことができる化学基を意味する。
「アミド」という用語はアミノ置換カルボニルとして当業に認識されており、一般式
Figure 0004846199
であって、当該一般式においてR9、R10が上に定義されたとおりである、一般式によって表すことができる化学式が含まれる。当該アミドの好ましい実施態様には、不安定かもしれないイミドは含まれないだろう。
「アルキルチオ」という用語は、硫黄ラジカルが結合した、上に定義されたとおりのアルキル基を意味する。好ましい実施態様では、当該「アルキルチオ」基は、mおよびR8が上に定義されたとおりの、-S-アルキル、-S-アルケニル、-S-アルキニル、および-S-(CH2)m-R8 の1つによって表される。代表的なアルキルチオ基には、メチルチオ、およびエチルチオなどがある。
「カルボニル」という用語は当業に認識されており、一般式
Figure 0004846199
であって、当該化学式において、Xは結合であるかまたは酸素もしくは硫黄を表し、R11は水素、アルキル、アルケニル、-(CH2)m-R8、または薬学的に許容な塩を表し、R’11は水素、アルキル、アルケニルまたは-(CH2)m-R8を表し、ここでmおよびR8は上に定義された通りである、一般式によって表すことができる化学基が含まれる。Xは酸素であって、R11またはR’11は水素ではない場合、当該一般式は「エステル」を表す。Xが酸素であって、R11が上に定義されたとおりの場合、当該化学基は本願明細書においてカルボキシル基であって、特にR11が水素の場合、当該一般式は「カルボン酸」を表す。Xが酸素であってR11が水素である場合、当該一般式は「ギ酸」を表す。一般に、上式の酸素原子が硫黄で置換されると、当該式は「チオールカルボニル」基を表す。Xは硫黄であって、R11またはR’11は水素ではない場合、当該一般式は「チオエステル」を表す。Xが硫黄であってR11が水素である場合、当該一般式は「チオールカルボン酸」を表す。Xが硫黄であってR11が水素である場合、当該一般式は「チオールギ酸」を表す。一方で、Xが結合であってR11が水素ではない場合、上式は「ケトン」基を表す。Xが結合であってR11が水素である場合、上式は「アルデヒド」基を表す。
本願明細書に用いられる「アルコキシル」または「アルコキシ」という用語は、酸素ラジカルが結合した、上に定義されたとおりのアルキル基を意味する。代表的なアルコキシル基には、メトキシ、エトキシ、プロピロキシ、およびtert-ブトキシなどが含まれる。「エーテル」は、2つの炭化水素が酸素によって共有結合したものである。したがって、アルキルをエステル化するアルキル基の置換基は、-O-アルキル、-O-アルケニル、-O-アルキニル、-O-(CH2)m-R8であってmまたはR8が上述の通りである化学基の1つによって表すことができるようなアルコキシルであるか、またはそのようなアルコキシルに似ている。
「スルホナート」という用語は当業に認識されており、一般式
Figure 0004846199
であって、当該式においてR41は電子対、水素、アルキル、シクロアルキル、またはアリールである、一般式によって表すことができる化学式が含まれる。
トリフリル、トシル、メシル、およびノナフリルという用語は当業に認識されており、それぞれトリフルオロメタンスルホニル、p-トルエンスルホニル、メタンスルホニル、およびノナフルオロブタンスルホニル基を意味する。トリフラート、トシラート、メシラート、およびノナフラートという用語は当業に認識されており、それぞれトリフルオロメタンスルホン酸エステル、p-トルエンスルホン酸エステル、メタンスルホン酸エステル、およびノナフルオロブタンスルホン酸エステル官能基および、前記化学基を含む分子を意味する。
Me、Et、Ph、Tf、Nf、Ts、Msという略語は、それぞれメチル、エチル、フェニル、トリフルオロメタンスルホニル、ノナフルオロブタンスルホニル、p-トルエンスルホニル、おおびメタンスルホニルを表す。当業の有機化学者が利用する略語のさらに包括的なリストは、Journal of Organic Chemistryの各巻の第1号に記載されており、このリストは典型的にはStandard List of Abbreviationsという表題の表に記載されている。前記リストに含まれる略語、および当業の有機化学者が用いるすべての略語は、本願明細書に引用をもって援用される。
「スルファート」という用語は当業に認識されており、一般式
Figure 0004846199
であって、当該式においてR41が上に定義されたとおりである、一般式によって表すことができる化学式が含まれる。
「スルホニルアミノ」という用語は当業に認識されており、以下の一般式で表すことができる化学基が含まれる。
Figure 0004846199
「スルファモイル」という用語は当業に認識されており、以下の一般式で表すことができる化学基が含まれる。
Figure 0004846199
本願明細書に用いられる「スルホニル」という用語は、一般式
Figure 0004846199
であって、R44は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールからなるグループから選択される一般式によって表すことができる化学基を意味する。
本願明細書に用いられる「スルホキシド」という用語は、一般式
Figure 0004846199
であって、R44は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アラルキルまたはアリールからなるグループから選択される一般式によって表すことができる化学基を意味する。
「セレノアルキル」は、アルキル基であって、当該アルキル基に結合する置換セレノ基を有する、アルキル基を意味する。当該アルキル上で置換される可能性がある例示的な「セレノエーテル」は、-Se-アルキル、-Se-アルケニル、-Se-アルキニル、および-Se-(CH2)m-R7であって、mおよびR7が上に定義されたとおりである、化学基から選択される。
類似する置換をアルケニル及びアルキニル基に施して、たとえばアミノアルケニル、アミノアルキニル、アミドアルケニル、アミドアルキニル、イミノアルケニル、イミノアルキニル、チオアルケニル、チオアルキニル、カルボニル置換アルケニルまたはアルキニルを生成することができる。
本願明細書において、たとえばアルキル、m、nなどの各表現が任意の構造に1回以上現れる場合、その定義は、同一の構造の他の箇所に現れる場合にはその定義とは独立であることを意図する。
「置換」または「〜と置換した」という文言には、そのような置換は置換された原子および置換基の許容された原子価に従っており、この置換によって再編成、環化、脱離などの転換を自然発生的に生じない安定化合物が得られる、という暗黙の条件が含まれる。
本願明細書で用いられる「置換された」という文言には、すべての許容しうる有機化合物の置換基が含まれることを意図する。広い局面では、前記の許容しうる置換基には、有機化合物の非環式および環式、分岐および非分岐、炭素環およびヘテロ間、芳香族および非芳香族置換基が含まれる。具体的な置換基には、たとえば上述の置換基が含まれる。前記の許容しうる置換基は、1つ以上の、同一のまたは異なる適切な有機化合物であってよい。本願発明の目的のために、窒素などのヘテロ原子は水素置換基および/またはヘテロ原子の原子価を満たす本願明細書に記載の有機化合物の任意の許容しうる置換基を有していてもよい。本願発明は、いかなる形でも、有機化合物の許容しうる置換基によって限定されることを意図しない。
本願明細書に記載の「保護基」という用語は、反応性を有する可能性がある官能基を望ましくない化学転換から保護する一時的な置換基を意味する。そのような保護基の例には、カルボン酸のエステル、アルコールのシリルエーテル、ならびにアルデヒドのアセタールおよびケトンのケタールが含まれる。保護基化学の分野は概説されている(Greene, T.W.; Wuts, P.G.M. Protective Groups in Organic Synthesis, 2nd ed.; Wiley: New York, 1991)。
本願発明のある化合物は、特定の幾何学的または立体異性形状で存在していてよい。本願発明は、シス-およびトランス-異性体、R-およびS-鏡像異性体、ジアステレオマー、(D)-鏡像異性体、(L)-鏡像異性体、それらのラセミ混合物、およびその他のそれらの混合物を含むすべての化合物が、本願発明の範囲内に入ることを意図する。アルキル基などの置換基には、さらなる非対称炭素原子が存在する。そのようなすべての鏡像異性体、およびその混合物は本願発明に含まれることを意図する。
たとえば、本願発明の化合物のある鏡像異性体が望ましい場合、非対称合成によって調製してもよく、キラルクロマトグラフィ法またはキラル補助基を用いた誘導によって分離してもよく、その場合、得られたジアステレオマー混合物を分離して補助基を切断し、純粋な望ましい鏡像異性体を得る。または、分子がアミノ基などの塩基性官能基、またはカルボキシル基などの酸性官能基を含む場合、適切な光学活性酸または塩基を用いてジアステレオマー塩を形成し、その後、当業に公知の分別再結晶法またはクロマトグラフィ法によって形成させたジアステレオマーを分割してから、純粋な鏡像異性体を回収する。
意図される上述の化合物の等価物には、他の点でそれに対応する化合物、およびそれと同一の一般的な性質(たとえば鎮痛作用などの機能)を有する化合物であって、当該化合物において置換基の1種類以上の単純な変種であって、オピオイド受容体への結合にあたって化合物の有効性に有害な影響がない変種がつくられる、化合物が含まれる。一般に、本願発明の化合物は、たとえば後述のような一般反応スキームに具体化される方法、またはそれを改良した方法によって、容易に入手できる開始物質、試薬、および従来の合成方法を用いて調製してもよい。これらの反応では、それ自体は知られているが本願明細書には記載していない変種を利用することも可能である。
本願発明の目的のために、化学元素はPeriodic Table of the Elements, CAS version, Handbook of Chemistry and Physics, 67th Ed., 1986-87の内表紙に従って同定される。
本願発明の化合物
ある実施態様では、本願発明の化合物はAによって表され、
Figure 0004846199
当該化学式において、
RはH、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、チオアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、アシル、アミノアシル、ヒドロキシアシル、チオアシル、-CO2H、-(CH2)d-R80、またはアミノ酸ラジカルであって、
R’は存在しないか、または1乃至4回存在するかであって、
R”は存在しないか、または1乃至4回存在するかであって、
R’またはR”の各場合は、独立に、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシル、アルコキシル、アシル、アシルオキシ、アシルアミノ、シリルオキシ、アミノ、ニトロ、スルフヒドリル、アルキルチオ、イミノ、アミド、ホスホリル、ホスホナート、ホスフィン、カルボニル、カルボキシル、カルボキサミド、無水物、シリル、チオアルキル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、セレノアルキル、ケトン、アルデヒド、エステル、ヘテロアルキル、シアノ、グアニジン、アミジン、アセタール、ケタール、酸化アミン、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、アジド、アジリジン、カルバモイル、エポキシド、ヒドロキサミン酸、イミド、オキシム、スルホンアミド、チオアミド、チオカルバメート、尿素、チオ尿素、および-(CH2)d-R80からなるグループから選択され、
R80はそれぞれ独立に、カルボキシアルデヒド、カルボキシラート、カルボキサミド、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アンモニウム、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリル、ポリシクリル、アミノ酸、ペプチド、糖、リボ核酸、(デオキシ)リボ核酸またはGタンパク結合受容体のリガンドを表し、
dは0乃至12の範囲内の整数を表し、
mは0乃至6の範囲内の整数を表し、
nは0乃至6の範囲内の整数を表す、
化学式によって表される。
ある実施態様では、本願発明の化合物はAおよび付随する定義であって、当該Aおよび付随する定義において、前記化合物が放射性核種と錯体形成している、Aおよび付随する定義で表される。
ある実施態様では、本願発明の化合物はAおよび付随する定義であって、当該Aおよび付随する定義において、前記化合物が放射性核種と錯体形成しており、当該放射性核種がテクネチウムまたはレニウムである、Aおよび付随する定義によって表される。
ある実施態様では、本願発明の化合物はAおよび付随する定義であって、当該Aおよび付随する定義において、mが1である、Aおよび付随する定義で表される。
ある実施態様では、本願発明の化合物はAおよび付随する定義であって、当該Aおよび付随する定義において、nが1である、Aおよび付随する定義で表される。
ある実施態様では、本願発明の化合物はAおよび付随する定義であって、当該Aおよび付随する定義において、mが1であって、nが1である、Aおよび付随する定義で表される。
ある実施態様では、本願発明の化合物はAおよび付随する定義であって、当該Aおよび付随する定義において、R’が存在しない、Aおよび付随する定義で表される。
ある実施態様では、本願発明の化合物はAおよび付随する定義であって、当該Aおよび付随する定義において、R’’が存在しない、Aおよび付随する定義で表される。
ある実施態様では、本願発明の化合物はAおよび付随する定義であって、当該Aおよび付随する定義において、R’が存在せず、R’’が存在しない、Aおよび付随する定義で表される。
ある実施態様では、本願発明の化合物はAおよび付随する定義であって、当該Aおよび付随する定義において、mが1であって、nが1であって、R’が存在せず、R’’が存在しない、Aおよび付随する定義で表される。
ある実施態様では、本願発明の化合物はAおよび付随する定義であって、当該Aおよび付随する定義において、Rが-(CH2)d -R80である、Aおよび付随する定義で表される。
ある実施態様では、本願発明の化合物はAおよび付随する定義であって、当該Aおよび付随する定義において、mが1であって、nが1であって、R’が存在せず、R’’が存在せず、Rが-(CH2)d-R80である、Aおよび付随する定義で表される。
ある実施態様では、本願発明の化合物はAおよび付随する定義であって、当該Aおよび付随する定義においてmが1であって、nが1であって、R’が存在せず、R’’が存在せず、Rが-(CH2)d-R80であって、当該化合物が放射性核種と錯体結合している、Aおよび付随する定義で表される。
ある実施態様では、本願発明の化合物はAおよび付随する定義であって、当該Aおよび付随する定義において、mが1であって、nが1であって、R’が存在せず、R’’が存在せず、Rが-(CH2)d-R80であって、当該化合物が放射性核種と錯体結合しており、当該放射性核種がテクネチウムまたはレニウムである、Aおよび付随する定義で表される。
ある実施態様では、本願発明の化合物はAおよび付随する定義であって、当該Aおよび付随する定義において、Rがアミノ酸ラジカルである、Aおよび付随する定義で表される。
ある実施態様では、本願発明の化合物はAおよび付随する定義であって、当該Aおよび付随する定義において、Rがアミノ酸ラジカルであって、mが1であって、nが1である、Aおよび付随する定義で表される。
ある実施態様では、本願発明の化合物はAおよび付随する定義であって、当該Aおよび付随する定義において、Rがアミノ酸ラジカルであって、mが1であって、nが1であって、R’が存在せず、R’’が存在しない、Aおよび付随する定義で表される。
ある実施態様では、本願発明の化合物はAおよび付随する定義であって、当該Aおよび付随する定義において、Rがアミノ酸ラジカルであって、mが1であって、nが1であって、R’が存在せず、R’’が存在せず、当該化合物が放射性核種と錯体形成している、Aおよび付随する定義で表される。
ある実施態様では、本願発明の化合物はAおよび付随する定義であって、当該Aおよび付随する定義において、Rがアミノ酸ラジカルであって、mが1であって、nが1であって、R’が存在せず、R’’が存在せず、当該化合物が放射性核種と錯体形成しており、当該放射性核種がテクネチウムまたはレニウムである、Aおよび付随する定義で表される。
ある実施態様では、本願発明の化合物はBによって表され、
Figure 0004846199
当該化学式において、
Zはチオアルキル、カルボキシラート、2-(カルボキシ)アリール、2-(カルボキシ)ヘテロアリール、2-(ヒドロキシ)アリール、2-(ヒドロキシ)ヘテロアリール、2-(チオール)アリール、または2-(チオール)ヘテロアリールを表し、
RはH、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、チオアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、アシル、アミノアシル、ヒドロキシアシル、チオアシル、-CO2H、-(CH2)d-R80、またはアミノ酸ラジカルであって、
R’は存在しないか、または1乃至4回存在するかであって、
R’の各場合は、独立に、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシル、アルコキシル、アシル、アシルオキシ、アシルアミノ、シリルオキシ、アミノ、ニトロ、スルフヒドリル、アルキルチオ、イミノ、アミド、ホスホリル、ホスホナート、ホスフィン、カルボニル、カルボキシル、カルボキサミド、無水物、シリル、チオアルキル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、セレノアルキル、ケトン、アルデヒド、エステル、ヘテロアルキル、シアノ、グアニジン、アミジン、アセタール、ケタール、酸化アミン、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、アジド、アジリジン、カルバモイル、エポキシド、ヒドロキサミン酸、イミド、オキシム、スルホンアミド、チオアミド、チオカルバメート、尿素、チオ尿素、および-(CH2)d-R80からなるグループから選択され、
R80はそれぞれ独立に、カルボキシアルデヒド、カルボキシラート、カルボキサミド、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アンモニウム、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリル、ポリシクリル、アミノ酸、ペプチド、糖、リボ核酸、(デオキシ)リボ核酸またはGタンパク結合受容体のリガンドを表し、
dは0乃至12の範囲内の整数を表し、
mは0乃至6の範囲内の整数を表し、
nは0乃至6の範囲内の整数を表す、
化学式によって表される。
ある実施態様では、本願発明の化合物はBおよび付随する定義であって、当該Bおよび付随する定義において、前記化合物が放射性核種と錯体形成している、Bおよび付随する定義で表される。
ある実施態様では、本願発明の化合物はBおよび付随する定義であって、当該Bおよび付随する定義において、前記化合物が放射性核種と錯体形成しており、当該放射性核種がテクネチウムまたはレニウムである、Bおよび付随する定義によって表される。
ある実施態様では、本願発明の化合物はBおよび付随する定義であって、当該Bおよび付随する定義において、Zがカルボキシラートである、Bおよび付随する定義で表される。
ある実施態様では、本願発明の化合物はBおよび付随する定義であって、当該Aおよび付随する定義において、mが1である、Bおよび付随する定義で表される。
ある実施態様では、本願発明の化合物はBおよび付随する定義であって、当該Bおよび付随する定義において、nが1である、Bおよび付随する定義で表される。
ある実施態様では、本願発明の化合物はBおよび付随する定義であって、当該Bおよび付随する定義において、mが1であって、nが1である、Bおよび付随する定義で表される。
ある実施態様では、本願発明の化合物はBおよび付随する定義であって、当該Bおよび付随する定義において、Zがカルボキシラートであって、mが1であって、nが1である、Bおよび付随する定義で表される。
ある実施態様では、本願発明の化合物はBおよび付随する定義であって、当該Bおよび付随する定義において、R’が存在しない、Bおよび付随する定義で表される。
ある実施態様では、本願発明の化合物はBおよび付随する定義であって、当該Bおよび付随する定義において、Zがカルボキシラートであって、mが1であって、nが1であって、R’が存在しない、Bおよび付随する定義で表される。
ある実施態様では、本願発明の化合物はBおよび付随する定義であって、当該Bおよび付随する定義において、Rが-(CH2)d-R80である、Bおよび付随する定義で表される。
ある実施態様では、本願発明の化合物はBおよび付随する定義であって、当該Bおよび付随する定義において、Zがカルボキシラートであって、mが1であって、nが1であって、R’が存在せず、Rが -(CH2)d-R80である、Bおよび付随する定義で表される。
ある実施態様では、本願発明の化合物はBおよび付随する定義であって、当該Bおよび付随する定義において、Zがカルボキシラートであって、mが1であって、nが1であって、R’が存在せず、Rが-(CH2)d-R80であって、当該化合物が放射性核種と錯体結合している、Bおよび付随する定義で表される。
ある実施態様では、本願発明の化合物はBおよび付随する定義であって、当該Bおよび付随する定義において、Zがカルボキシラートであって、mが1であって、nが1であって、R’が存在せず、Rが-(CH2)d-R80であって、当該化合物が放射性核種と錯体結合しており、当該放射性核種がテクネチウムまたはレニウムである、Bおよび付随する定義で表される。
ある実施態様では、本願発明の化合物はBおよび付随する定義であって、当該Bおよび付随する定義において、Rがアミノ酸ラジカルである、Bおよび付随する定義で表される。
ある実施態様では、本願発明の化合物はBおよび付随する定義であって、当該Bおよび付随する定義において、Rがアミノ酸ラジカルであって、mが1であって、nが1である、Bおよび付随する定義で表される。
ある実施態様では、本願発明の化合物はBおよび付随する定義であって、当該Bおよび付随する定義において、Rがアミノ酸ラジカルであって、mが1であって、nが1であって、R’が存在しない、Bおよび付随する定義で表される。
ある実施態様では、本願発明の化合物はBおよび付随する定義であって、当該Bおよび付随する定義において、Rがアミノ酸ラジカルであって、mが1であって、nが1であって、R’が存在せず、当該化合物が放射性核種と錯体形成している、Bおよび付随する定義で表される。
ある実施態様では、本願発明の化合物はBおよび付随する定義であって、当該Bおよび付随する定義において、Rがアミノ酸ラジカルであって、mが1であって、nが1であって、R’が存在せず、当該化合物が放射性核種と錯体形成しており、当該放射性核種がテクネチウムまたはレニウムである、Bおよび付随する定義で表される。
ある実施態様では、本願発明の化合物はCによって表され、
Figure 0004846199
当該化学式において、
LおよびL’は、それぞれの場合独立に、2-メチレンピリジル、メチレンカルボキシラート、アルキル、アリール、またはアラルキルであって、LまたはL’の少なくとも1つがメチレンカルボキシラートまたは2-メチレンピリジルであって、当該2-メチレンピリジルは環上で置換されていなくてもよくまたは1乃至4個のR’が置換されていてもよく、
R’の各場合は、独立に、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシル、アルコキシル、アシル、アシルオキシ、アシルアミノ、シリルオキシ、アミノ、ニトロ、スルフヒドリル、アルキルチオ、イミノ、アミド、ホスホリル、ホスホナート、ホスフィン、カルボニル、カルボキシル、カルボキサミド、無水物、シリル、チオアルキル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、セレノアルキル、ケトン、アルデヒド、エステル、ヘテロアルキル、シアノ、グアニジン、アミジン、アセタール、ケタール、酸化アミン、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、アジド、アジリジン、カルバモイル、エポキシド、ヒドロキサミン酸、イミド、オキシム、スルホンアミド、チオアミド、チオカルバメート、尿素、チオ尿素、および-(CH2)d-R80からなるグループから選択され、
R80はそれぞれ独立に、カルボキシアルデヒド、カルボキシラート、カルボキサミド、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アンモニウム、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリル、ポリシクリル、アミノ酸、ペプチド、糖、リボ核酸、(デオキシ)リボ核酸またはGタンパク結合受容体のリガンドを表し、
dは0乃至12の範囲内の整数を表し、
mは0乃至6の範囲内の整数を表し、
nは0乃至6の範囲内の整数を表す、
化学式によって表される。
ある実施態様では、本願発明の化合物はCおよび付随する定義であって、当該Cおよび付随する定義において、前記化合物が放射性核種と錯体形成している、Cおよび付随する定義で表される。
ある実施態様では、本願発明の化合物はCおよび付随する定義であって、当該Cおよび付随する定義において、前記化合物が放射性核種と錯体形成しており、当該放射性核種がテクネチウムまたはレニウムである、Cおよび付随する定義によって表される。
ある実施態様では、本願発明の化合物はCおよび付随する定義であって、当該Cおよび付随する定義において、Lがメチレンカルボキシラートであって、L’がアルキルである、Cおよび付随する定義で表される。
ある実施態様では、本願発明の化合物はCおよび付随する定義であって、当該Cおよび付随する定義において、Lが2-メチレンピリジルであって、L’がアルキルである、Cおよび付随する定義で表される。
ある実施態様では、本願発明の化合物はCおよび付随する定義であって、当該Cおよび付随する定義において、Lがアルキルであって、L’が2-メチレンピリジルである、Cおよび付随する定義で表される。
ある実施態様では、本願発明は、A、BまたはCおよび付随する定義によって表される化合物、および薬学的に許容な賦形剤を含む調製物に関連する。
上述の新規配位子を、放射線画像撮影造影剤として用いられる放射性核種錯体に組み込んでもよい。さらに、これらの配位子または錯体は、たとえば抗体、酵素、ペプチド、ペプチド模倣体、およびホルモンなどの生物学的に活性な担体分子に共有結合または非共有結合させることができる。本願発明の錯体は、放射性核種錯体を形成する反応条件下において、上述の配位子と、溶液を含む放射性核種を反応させることによって調製する。特に、テクネチウム剤が望ましい場合には、当該反応はテクネチウム99m錯体を形成する反応条件下において過テクネチウム酸溶液と反応させる。次いで、蒸発などの任意の適切な手段によって前記溶媒を除去してもよい。それから、前記錯体を薬学的に許容な賦形剤に溶解または懸濁させて、患者への投与用に調製する。
本願発明はまた、画像撮影に十分な量の上述の放射性核種錯体を含む造影剤および薬学的に許容な放射性賦形剤にも関連する。前記放射性賦形剤は、ヒト血清アルブミン、たとえばトリス(ヒドロメチル)アミノメタン(およびその塩)、リン酸塩、重炭酸塩などのバッファ水溶液、滅菌水、生理食塩水、および塩素およびもしくは重炭酸塩またはカルシウム、カリウム、ナトリウムおよびマグネシウムなどの正常血漿陽イオンを含有する平衡イオン溶液など、注射または吸引に好適であるべきである。
前記放射性賦形剤の中の本願発明にしたがった造影剤の濃度は、満足な画像を選るのに十分であるべきであって、たとえば水溶液を用いる場合、その線量は約1.0乃至50ミリキュリーである。前記造影剤は、約1乃至3時間患者の体内に留まるように投与されるべきであるが、その時間よりも長くても短くても許容される。したがって、1乃至10 mLの水溶液を含む簡便なアンプルを調製してもよい。
画像撮影は、たとえば適切な画像撮影を行うのに十分量の造影組成物を注射してから、ガンマ線カメラなどの好適な機器でスキャンするなど、通常の方法で行ってよい。ある実施態様では、本願発明は患者におけるある領域の画像撮影を行う方法であって、放射性核種と錯体形成させた本願発明の化合物を診断上有効な量患者に投与するステップと、前記患者の領域を放射線に曝露するステップと、前記患者の前記領域の画像を選るステップとを含む、方法に関連する。患者の領域を画像撮影する方法のある実施態様では、前記患者の前記領域は頭部または胸部である。
薬学的製剤
別の局面では、本願発明は、治療上有効な量の1つ以上の上述の化合物を、1つ以上の薬学的に許容な担体(添加物)および/または希釈剤とともに調合したものを含む、薬学的に許容な組成物を提供する。後述の通り、本願発明の薬学的組成物は、(1)たとえば水薬(水溶性および非水溶性溶液または懸濁液)、たとえば口腔内、舌下、および全身吸収などを狙った錠剤、ボーラス、粉末、顆粒、舌への塗布用のペーストなどの、経口投与、(2)たとえば皮下、筋肉内、静脈内、または硬膜外注射による、滅菌溶液もしくは懸濁液、または徐放製剤としての非経口投与、(3)たとえばのクリーム、軟膏、または皮膚への塗布用の制御放出パッチもしくはスプレーなどの局所投与、(4)たとえばペッサリー、クリームまたはフォームなどの膣内または直腸内、(5)舌下、(6)眼内、(7)経皮、または(8)経鼻、などに用いられる、固体状または液体状の投与用に特に調製することもできる。
本願明細書に記載の「治療上有効な量」という文言は、少なくとも動物の細胞の亜集団に、任意の医学的治療に適用できる妥当なベネフィット/リスク比で、いくらかの望ましい治療効果を生じるのに有効な、本願発明の化合物を含む、化合物、物質、または組成物の量を意味する。
「薬学的に許容な」という文言は、本願明細書では、適切な医学的判断の範囲内で、過剰な毒性、刺激、アレルギー反応、またはその他の問題もしくは合併症のない、妥当なベネフィット/リスク比に見合った、ヒトおよび動物の組織との接触に用いるのに好適な、化合物、物質、組成物および/または投与剤形を意味するために用いられる。
本願明細書に用いられる「薬学的に許容な担体」という文言は、当該化合物をある臓器または体の部分から別の臓器または体の部分へと運搬または輸送することに関与する、液体または固体充填剤、希釈剤、賦形剤、または物質を封入している溶媒などの、薬学的に許容な物質、組成物または賦形剤を意味する。各担体は、製剤の他の成分と適合性があるという意味において許容でなければならない。薬学的に許容な担体として用いることができる物質のいくつかの例には、(1)ラクトース、グルコース、およびスクロースなどの糖類、(2)トウモロコシデンプンおよびバレイショデンプンなどのデンプン、(3)カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、および酢酸セルロースなどのセルロースおよびその誘導体、(4)粉末状トラガカント、(5)モルト、(6)ゼラチン、(7)タルク、(8)カカオバター、および座剤用ロウなどの賦形剤、(9)ピーナツ油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、および大豆油などの油、(10)プロピレングリコールなどのグリコール、(11)グリセリン、ソルビトール、マンニトール、およびポリエチレングリコールなどのポリオール、(12)オレイン酸エチルおよびラウリル酸エチルなどのエステル、(13)寒天、(14)水酸化マグネシウム、および水酸化アルミニウムなどの緩衝剤、(15)アルギン酸、(16)発熱物質を含まない水、(17)等張生理食塩水、(18)リンガー溶液、(19)エチルアルコール、(20)pH緩衝溶液、(21)ポリカルボン酸エステルおよび/またはポリ無水物などのエステル、および(22)薬学的製剤に用いられるその他の無毒性適合性物質、が含まれる。
本願発明の製剤は、部分的にリポソームを用いてもよい。リポソームはリン脂質二重層からなり、水性の核の周りにシェルを形成する。患者に投与するリポソームを調製する方法は当業に公知で、たとえば米国特許第4,798,734に生物学的物質をリポソームに封入する方法が記述されている。当該生物学的物質は、水溶液に溶解されており、適切なリン脂質および脂質を、必要であれば表面活性剤とともに加える。それから、当該物質を、必要に応じて透析または超音波分解する。すでに知られている方法についての総説は、G. Gregoriadis, Chapter 14 ("Liposomes"), in Drug Carriers in Biology and Medicine, pp287-341 (Academic Press, 1979)に記載されている。
本願発明の製剤は、部分的にポリマー微粒子を用いてもよい。ポリマーまたはタンパク質で形成されているマイクロスフェアも当業者に公知であり、たとえば米国特許第4,906,474、4,925,673、および 3,625,214号に記述されているように、消化管通過のためにオーダーメードすることができる。マイクロスフェアの調製には、溶媒蒸発およびコアセルべーション/相分離を含む、有名な方法が多数ある。生分解性マイクロスフェアの調製は、たとえば、その教示を本願明細書に援用する、Mathiowitz et al., J. Appl. Polymer Sci.35, 755-774(1988), and P. Deasy, in Microencapsulation and Related Drug Processes, pp.61-193, (Dekker, 1984)に記述されている薬物送達用マイクロスフェアのために開発された任意の方法を用いて行うことができる。方法の選択は、たとえば、その教示を本願明細書に援用する、Benita et al., J. Pharm. Sci. 73, 1721-1724 (1984), Jalil and Nixon, J. Microencapsulation, 7, 297-325(1990), and Mathiowitz et al., Scanning Microscopy 4, 329-340(1990)によって検討されている、薬物の特性およびポリマーの選択、とともに、望ましいサイズ、外観の形態学、および結晶化度に依存する。
たとえばMathiowitz et al., (1990), Benita, and U.S. Pat. No. 4,272,398 to Jaffeに記載の溶媒蒸発の場合、当該ポリマーを揮発性有機溶媒に溶解する。可溶状または粒子状のいずれかの形状である薬物を、当該ポリマー溶液に加え、その混合物を、ポリ(ビニルアルコール)などの表面活性剤を含有する水相に懸濁させる。得られた乳濁液を撹拌し、有機溶媒がほとんど蒸発させて固体状マイクロスフェアを残す。この方法で、種サイズ(1-1000ミクロン)のマイクロスフェアおよび形態を得てもよい。この方法は安定なポリマーにも有用である。
コアセルべーション/相分離技術は、固体および液体コア物質の両方を、各種ポリマーコーティングで封入するために用いられている。例えば、Green及びSchleichterのU.S. Pat. No. 2,730,456、2,730,457、2,800,457では、ゼラチンおよびゼラチン−アカシア(アラビアガム)コーティング系について記述する。単純コアセルべーションは、単一コロイド(たとえばゼラチン水溶液)を用い、アルコールおよび塩など高い親水性の物質によって、分散したコロイドのまわりに付随する水を除去する。複合コアセルべーションは、1つ以上のコロイドを用い、その分離は脱水ではなく反対の電極をもつコロイドの電荷中和によって主に行われる。コアセルべーションはまた、たとえばNakano et al., Int. J. Pharm, 4, 29-298(1980)などに記載される非水溶性賦形剤を用いて誘導してもよい。
アルギン酸塩、ポリホスファゼン、またはその他のジカルボン酸ポリマーなどのゲルタイプポリマーからできているヒドロゲルマイクロスフェアは、そのポリマーを水溶液に溶解し、その物質をその物質に混合して懸濁させ、そのポリマー混合物を窒素ガスジェットを装着した微小液滴形成装置で押し出すことによって調製することができる。得られたマイクロスフェアを、たとえばその教示が本願明細書に援用されるSalib, et al., Pharmazeutische Industrie 40-11A, 1230(1978)によって説明されている、ゆっくり撹拌したイオン性硬化バスに入れる。このシステムの利点は、たとえばLim et al, J. Pharm Sci. 70, 351-354(1981)によって記載されるとおり、成型後に当該マイクロスフェアの表面をポリ陽性ポリマー(たとえばポリリジン)でコーティングすることによってさらに修飾することができる点である。当該マイクロスフェア粒子サイズは、押出装置のサイズとともに、ポリマーおよびガスのフロー速度に依存する。
使用可能なポリマーの例には、ポリアミド、ポリカルボン酸エステル、ポリアルキレン、およびポリアルキレングリコール、酸化ポリアルキレン、ポリアルキレンテレフタラート、ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリ(メタクリル酸エチル)、ポリ(メタクリル酸ブチル)、ポリ(メタクリル酸イソブチル)、ポリ(メタクリル酸ヘキシル)、ポリ(メタクリル酸イソデシル)、ポリ(メタクリル酸ラウリル)、ポリ(メタクリル酸フェニル)、ポリ(アクリル酸メチル)、ポリ(アクリル酸イソプロピル)、ポリ(アクリル酸イソブチル)、およびポリ(アクリル酸オクタデシル)を含む、アクリル酸およびメタクリル酸エステルポリマーを含むその誘導体、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリビニルエステル、ハロゲン化ポリビニル、ポリ(酢酸ビニル)およびポリビニルピロリドンを含むポリビニルポリマー、ポリグリコライド、ポリシロキサン、ポリウレタン、およびそのコポリマー、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、ニトロセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、酢酸フタル酸セルロース、カルボキシルエチルセルロース、三酢酸セルロース、および硫酸セルロースナトリウム塩を含むセルロース、ポリプロピレン、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(酸化エチレン)およびポリ(テレフタル酸エチル)を含むポリエチレン、ならびにポリスチレンが含まれてよい。
生分解性ポリマーの例には、乳酸およびグリコール酸のポリマー、ポリ無水物、ポリ(オルト)エステル、ポリウレタン、ポリ(ブト酸)、ポリ(吉草酸)、およびポリ(ラクチド-コカプロラクトン)などの合成ポリマー、ならびにアルギン酸エステルおよびデキストランおよびセルロースを含むその他の多糖、コラーゲン、その化学誘導体(たとえばアルキル、アルキレン、ヒドロキシル化、酸化、およびその他の当業者が普段用いる修飾などの化学基の置換、付加)、アルブミンおよびその他の親水性タンパク質、ザインおよびその他のプロラミンおよび疎水性タンパク質、コポリマー並びにその混合物を含む天然ポリマーが含まれる。一般的には、これらの物質は酵素的加水分解かまたは表面またはバルクの浸食によるin vivoにおける水との接触のいずれかによって分解する。
特定の目的の生接着性ポリマーには、その教示が本願明細書に援用されるH. S. Sawhney, C. P. Pathak and J. A. Hubbell in Macromolecules, 1993, 26, 581-587に記述される生浸食性ハイドロゲル、ポリヒアルロン酸、カゼイン、ゼラチン、グルテン、ポリ無水物、ポリアクリル酸、アルギン酸エステル、キトサン、ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリ(メタクリル酸エチル)、ポリ(メタクリル酸ブチル)、ポリ(メタクリル酸イソブチル)、ポリ(メタクリル酸ヘキシル)、ポリ(メタクリル酸イソデシル)、ポリ(メタクリル酸ラウリル)、ポリ(メタクリル酸フェニル)、ポリ(アクリル酸メチル)、ポリ(アクリル酸イソプロピル)、ポリ(アクリル酸イソブチル)、およびポリ(アクリル酸オクタデシル)が含まれる。
本願発明の組成物に用いられる希釈剤は、望ましい質量になるように活性化の主成分を高濃度化することができる1種類以上の化合物であってよい。好ましい希釈剤は、リン酸カルシウムなどの鉱物リン酸塩、水和または無水ラクトースまたはマンニトールなどの糖、およびセルロース、またはたとえば微結晶性セルロース、デンプン、トウモロコシデンプンもしくはアルファ化デンプンなどのセルロース誘導体である。特に好ましい希釈剤は、ラクトース一水和物、マンニトール、微結晶性セルロース、およびトウモロコシデンプンを、そのまままたは混合したものであって、たとえば、ラクトース一水和物およびトウモロコシデンプンの混合物、またはラクトース一水和物、トウモロコシデンプン、および微結晶性セルロースの混合物などである。
本願発明の組成物に用いられる結合剤は、化学式(I)の化合物を高密度化し、フロー特性がよりよい、より粗く密度の高い粒子に変換することができる1種類以上の化合物であってよい。好ましい結合剤は、アルギン酸またはアルギン酸ナトリウム、セルロースおよびカルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、またはメチルセルロースなどのセルロース誘導体、ゼラチン、アクリル酸ポリマー、ならびにたとえばポビドンK-30などのポビドンであって、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびポビドンK-30は特に好ましい結合剤である。
本願発明の組成物に用いられる崩壊剤は、水性溶媒中に置くと製剤の崩壊が容易になる1種類以上の化合物であってよい。好ましい崩壊剤は、セルロースもしくはカルボキシメチルセルロースナトリウム、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、微結晶性セルロース、セルロース粉末、クロスポビドンなどのセルロース誘導体、アルファ化デンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、カルボキシメチルデンプンナトリウム、またはデンプンである。クロスポビドン、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、およびカルボキシメチルデンプンナトリウムは好ましい崩壊剤である。
本願発明の組成物に用いられる抗接着剤は、当該製剤の粘着性をたとえば金属表面への接着を防止するなどによって減少させることが可能な、1種類以上の化合物であってよい。好ましい抗接着剤は、たとえばシリカまたはタルカムなどのシリコンを含有する化合物である。
本願発明の組成物に用いられるフロー促進剤は、調製された製剤の流れを促進することが可能な1種類以上の化合物であってよい。好ましいフロー促進剤は、たとえば無水コロイド性シリカまたは沈殿シリカなどのシリコンを含む化合物である。
本願発明の組成物に用いられる潤滑剤は、圧縮または充填中に装置に生じる、粘着および/または固着問題を防ぐことができる1種類以上の化合物であってよい。好ましい潤滑剤は、脂肪酸またはステアリン酸カルシウム、モノステアリン酸グリセリル、パルミトステアリン酸グリセリル、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、ステアリン酸亜鉛、もしくはステアリン酸などの脂肪酸誘導体、たとえば水素化ヒマシ油などの水素化植物油、ポリアルキレングリコールもしくはポリエチレングリコール、ベンゼン酸ナトリウムまたはタルカムである。ステアリン酸マグネシウムまたはステアリルフマル酸ナトリウムは本願発明によると好ましい。
本願発明の製剤に用いられる色素は、調製された製剤に望ましい色を着けることができる1つ以上の化合物であってよい。色素の添加は、たとえば、さまざまな1回投与量の活性化主成分を含む製剤を区別するために有用である。好ましい色素は酸化鉄である。
上述の通り、本願化合物のある実施態様は、アミノまたはアルキルアミノなどの塩基性官能基を含んでもよく、したがって、薬学的に許容な酸で薬学的に許容な塩を形成することができる。この場合の「薬学的に許容な塩」という用語は、本願発明の化合物の比較的無毒な無機および有機酸付加塩を意味する。これらの塩は、投与賦形剤に入れてin situで調製するか、もしくは投与剤形製造プロセスで調製されるか、または遊離塩基の状態の本願発明の精製された化合物を好適な有機又は無機酸と別々に反応させてから、得られた塩を分離、精製することによって調製することができる。代表的な塩には、臭化水素酸塩、臭化塩素酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、酢酸塩、吉草酸塩、オレイン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、ラウリル酸塩、ベンゼン酸塩、乳酸園、リン酸塩、トシル酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、ナフチル酸塩、メシル酸塩、グルコヘプトン酸塩、ラクトビオン酸塩、およびラウリルスルホン酸塩などが含まれる。(たとえば、Berge et al.(1977) "Pharmaceutical Salts", J. Pharm. Sci. 66:1-19参照)。
本願発明の化合物の薬学的に許容な塩には、たとえば無毒性有機もしくは無機酸などの、当該化合物の従来の無毒性塩または第4アンモニウム塩が含まれる。たとえば、そのような従来の無毒性塩には、塩化水素酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、および硝酸などの無機から誘導された塩、ならびに酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パルミチン酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、ベンゼン酸、サリシクリル酸、スルファニル酸、2-アセトキシベンゼン酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、オキサル酸、およびイソチオン酸などの有機酸から調製された塩が含まれる。
他の場合には、本願発明の化合物は、1つ以上の酸性官能基を含んでよく、薬学的に許容な塩基で薬学的に許容な塩を形成することができる。この場合の「薬学的に許容な塩」という用語は、本願発明の化合物の比較的無毒な無機および有機塩基付加塩を意味する。これらの塩は、投与賦形剤に入れてin situで調製するか、もしくは投与剤形製造プロセスで調製されるか、または遊離酸の状態の本願発明の精製された化合物を、薬学的に許容な金属カチオンの水酸塩、カルボン酸塩、もしくは二カルボン酸塩などの好適な塩基、アンモニア、または薬学的に許容な有機第1、第2もしくは第3アミンと別々に反応させて調製することができる。代表的なアルカリまたはアルカリ土類塩には、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムおよびアルミニウム塩などが含まれる。塩基付加塩の形成に有用な代表的な有機アミンには、エチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、およびピペラジンが含まれる。(たとえば、Berge et al., supra参照)。
ラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウムなどの湿潤剤、乳化剤、および潤滑剤、ならびに着色剤、剥離剤、コーティング剤、甘味料、香味料および香料、保存料および抗酸化剤もまた、当該組成物に存在してよい。
薬学的に許容な抗酸化剤の例には、(1)アスコルビン酸、塩酸システイン、二硫化ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、および亜硫酸ナトリウムなどの水溶性抗酸化剤、(2)パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、レシチン、没食子酸プロピル、およびアルファトコフェロールなど、(3)クエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ソルビトール、酒石酸、およびリン酸などが含まれる。
本願発明の製剤には、経口、経鼻、局所(口内および舌下)、直腸内、経膣および/又は非経口投与に好適なものが含まれる。当該製剤は、便利のいいように単回投与剤形になっていてよく、薬学の当業に公知の任意の方法で調製されてよい。単回投与剤形をつくるために担体物質と混合することができる活性成分の量は、治療対象のホスト、特定の治療形態によって変化するだろう。単回投与剤形をつくるために担体物質と混合することができる活性成分の量は、一般に、治療効果を生じる化合物の量であろう。一般に、100%のうち、この量は活性成分の約1乃至約99%であって、好ましくは約5乃至約70%であって、最も好ましくは約10乃至約30%の範囲内であろう。
ある実施態様では、本願発明の製剤は、シクロデキストリン、リポソーム、たとえば胆汁酸などのミセル形成物質、たとえばポリエステルおよびポリ無水物などのポリマー担体、ならびに本願発明の化合物からなるグループから選択される賦形剤を含む。ある実施態様では、上述の製剤を本願発明の化合物を経口的に生物が利用できるようにする。
これらの製剤または組成物の調製の方法には、本願発明の化合物を当該担体および任意で1種類以上の副成分と合わせるステップを含む。一般に、当該製剤は、本願発明の化合物を液体担体もしくは細かく分断した固体担体、またはその両方と均一によく合わせるステップと、必要であればその生成物を形成するステップによって調製する。
経口投与に適する本発明の製剤の形状は、カプセル(capsule)、カプセル(cachet)、丸剤、錠剤、トローチ剤(通常はスクロースおよびアカシアまたはトラガカントなどの着香基剤を用いる)、粉剤、顆粒、または水性液もしくは非水性液を用いた溶液もしくは懸濁液、または水中油もしくは油中水液体状乳剤、またはエリキシル剤もしくはシロップ剤、またはトローチ(ゼラチンおよびグリセリン、またはスクロースおよびアカシアなどの不活性基剤を用いる)、および/または洗口剤などでよく、それぞれ本願発明の化合物を活性成分としてあらかじめ定めた量含有する。本願発明の化合物はまた、ボーラス、舐剤、またはペーストとして投与してもよい。
経口投与用の本願発明の固体状投与剤形(カプセル、錠剤、丸剤、糖衣錠、粉剤、顆粒など)の場合、活性成分を、クエン酸ナトリウムまたはリン酸二カルシウムなどの薬学的に許容な担体、および/または以下に記載するもの、(1)デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、および/またはケイ酸などの充填剤または増量剤、(2)たとえばカルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロースおよび/またはアカシアなどの結合剤、(3)グリセロールなどの保湿剤、(4)寒天、炭酸カルシウム、バレイショまたはタピオカデンプン、アルギン酸、特定のケイ酸塩、炭酸ナトリウムなどの崩壊剤、(5)パラフィンなどの液体緩染剤、(6)第4級アンモニウム化合物などの吸収促進剤、(7)たとえばセチルアルコールおよびモノステアリン酸グリセロールなどの湿潤剤、(8)カオリンおよびベントナイトクレイなどの吸収剤、(9)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体状ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、およびそれらの混合物などの潤滑剤、並びに(10)着色剤のいずれかと混合する。カプセル、錠剤、および丸剤の場合、薬学的組成物はまた、緩衝剤も含んでもよい。同様の種類の固体状組成物はまた、ラクトースまたは乳糖、および高分子ポリエチレングリコールなどの賦形剤を用いて、軟ゼラチンカプセルおよび硬ゼラチンカプセルの充填剤として用いてもよい。
錠剤は、任意の1種類以上の副成分と共に、圧縮または成形によって作製してもよい。圧縮錠剤は、結合剤(たとえばゼラチン、またはヒドロキシプロピルメチルセルロース)、潤滑剤、不活性希釈剤、保存剤、錠剤分解物質(たとえばデンプングリコール酸ナトリウム、または架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム)、表面活性剤または分散剤を用いて調製してよい。成形錠剤は、不活性液体状希釈剤で湿潤させた粉末状の化合物の混合物を、好適な機械で成形して作製してよい。
本願発明の薬学的組成物の錠剤、およびたとえば糖衣錠、カプセル、丸剤および顆粒などのそのほかの固体状剤形には、任意に刻印してもよく、腸溶コーティングおよび製剤業者に公知のそのほかのコーティングなど、コーティングおよびシェルで調製してもよい。それらはまた、たとえば望ましい放出プロフィールを提供するための様々な割合のヒドロキシプロピルメチルセルロース、そのほかのポリマー基質、リポソームおよび/またはマイクロスフェアなどを用いて、活性成分の持続放出または制御放出を提供できるように調剤してもよい。それらは、たとえば凍結乾燥など、迅速な放出のために調剤してもよい。それらは、たとえば細菌保持性フィルターで濾過するか、または滅菌水に溶解することができる滅菌個体組成物状の滅菌剤を組み入れるか、もしくはそのほかの滅菌注射可能溶媒を使用直前に組み入れることによって、滅菌してもよい。これらの組成物はまた、選択的に不透明化剤を含有してもよく、選択的に徐放的に消化管の特定の部分のみにまたは優先的に、活性成分のみを放出する組成物であってよい。使用可能な埋包組成物の例には、高分子物質およびロウが含まれる。活性成分はまた、適宜、1種類以上の上記賦形剤を用いたマイクロカプセル封入剤形であってもよい。
本願発明の化合物の経口投与用の液体状剤形には、薬学的に許容な乳剤、マイクロエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップ剤、およびエリキシル剤が含まれる。液体状剤形は、活性成分に加えて、たとえば水またはそのほかの溶媒、たとえばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、油(特に綿実油、ラッカセイ油、コーン油、胚種油、オリーブ油、ヒマシ油、およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフリルアルコール、ポリエチレングリコール、およびソルビタン脂肪酸エステル、並びにそれらの混合物などの可溶化剤または乳化剤など、当業で一般に用いられる不活性希釈剤を含有してよい。
経口組成物はまた、不活性希釈剤の他に、湿潤剤、乳化剤、懸濁剤、甘味剤、着香剤、着色剤、芳香剤、および保存剤などのアジュバントを含んでもよい。
懸濁液は、活性化合物に加えて、たとえばエトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、微結晶セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天およびトラガカント、並びにそれらの混合物を含有してよい。
直腸内投与または膣内投与用の本願発明の薬学的組成物の製剤は、本願発明の1種類以上の化合物と、たとえばカカオバター、ポリエチレングリコール、坐剤用ロウ、またはサリチル酸塩などを含む、1種類以上の好適で刺激性のない賦形剤または担体を混合して調製されていてもよい坐剤であって、室温では固体状だが体温では液体状であって、直腸または膣内で溶解して活性化合物を放出する坐剤であってもよい。
膣内投与に適切な本願発明の製剤にはまた、好適であることが当業に公知である担体を含有するペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、フォーム、またはスプレー製剤も含まれる。
本願発明の化合物の局所または経皮投与用の剤形には、粉末、スプレー、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、溶液、パッチ、および吸入剤が含まれる。滅菌条件下で、薬学的に許容な担体、および保存剤、緩衝剤、または必要であれば高圧ガスと混合してよい。
軟膏、ペースト、クリームおよびゲルは、本願発明の活性化合物に加えて、動物性および植物性脂肪、油、ロウ、パラフィン、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、タルクおよび酸化亜鉛、ならびにそれらの混合物などの賦形剤を含有してよい。
粉末およびスプレーは、本願発明の化合物に加えて、ラクトース、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム、およびポリアミド粉末、またはそれらの物質の混合物などの賦形剤を含んでもよい。スプレーはさらに、クロロフルオロ炭化水素、およびブタンおよびプロパンなどの揮発性非置換炭化水素など、通例の高圧ガスを含んでもよい。
経皮パッチには、本願発明の化合物を体内に制御送達するというもう一つの利点がある。このような剤形は、適切な溶媒中に当該化合物を溶解または分散させてつくることができる。吸収促進剤も、化合物の皮膚への流動を増加させるために用いることができる。このような流動の速度は、速度制御膜を備えるか、またはポリマー基質またはゲル中に活性化合物を分散させることによって制御することができる。
眼製剤、眼軟膏、粉末、溶液なども、本願発明の範囲内であることを意図する。
非経口投与に好適な本願発明の薬学的組成物は、糖、アルコール、抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤、対象のレシピエントの血液と等張にするための溶質、または懸濁剤もしくは増粘剤を含んでよい、1種類以上の薬学的に許容な滅菌等張水溶液もしくは非水溶液、分散液、懸濁液もしくは乳剤、または使用直前に注射可能な滅菌溶液もしくは分散液に再構築してよい滅菌粉末と混合した、本願発明の1種類以上の化合物を含む。
本願発明の薬学的組成物に用いてよい好適な水性担体および非水性担体の例には、水、エタノール、ポリオール(グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)、およびそれらの適切な混合物、オリーブ油などの植物油、およびオレイン酸エチルなどの注射可能な有機エステルが含まれる。 適切な流動性は、たとえばレシチンなどのコーティング剤の使用、分散液の場合は所要の粒子サイズの維持、および表面活性剤の使用などによって維持することができる。
このような組成物は、保存剤、湿潤剤、乳化剤および分散剤などのアジュバントを含んでもよい。微生物の活動を確実に防ぐために、たとえばパラベン、クロロブタノール、フェノールソルビン酸などの各種抗菌剤および抗真菌剤を含んでもよい。さらに、糖、塩化ナトリウムなどの等張剤を組成物に含ませることが望ましい。さらに、注射可能な剤形の吸収を持続させるために、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンなどの吸収遅延剤を含んでもよい。
あるケースでは、薬物の効果を持続させるために、皮下または筋肉内注射からの薬物の吸収を遅延させることが望ましい。これは、水への溶解度が低い結晶またはアモルファス物質の液体状懸濁液を使用することで実現してもよい。薬物の吸収速度は溶解速度に依存し、したがって結晶サイズおよび結晶の形状に依存することがある。代替的には、非経口投与剤形の吸収は、薬物を油状賦形剤に溶解または懸濁させると遅延させることができる。
注射可能なデポー剤形を作製するには、ポリラクチド-ポリグリコリドなどの生分解性ポリマーに入っている対象化合物のマイクロカプセル封入基質を形成する。薬物対ポリマーの比、および使用した特定のポリマーの性質によって、薬物の放出速度を制御することができる。そのほかの生分解性ポリマーの例には、ポリ(オルトエステル)およびポリ(無水物)が含まれる。注射可能なデポー製剤はまた、体組織に適合するリポソームまたはマイクロエマルジョンの中に薬物を封入して調製する。
本願発明の化合物を医薬品としてヒトおよび動物に投与する場合、そのまま投与してもよく、たとえば0.1乃至99.5% (より好ましくは0.5 乃至90%)の活性成分を薬学的に許容な担体と合わせて含有する薬学的な組成物として投与してもよい。
本願発明の製剤は、経口、非経口、局所、または直腸内に投与してよい。もちろん、各投与経路に好適な剤形で投与される。たとえば、それらは錠剤またはカプセル剤形にしたり、注射、吸入、眼ローション、軟膏、坐剤など、注射、点滴、または吸入による投与、ローションまたは軟膏による局所投与、坐剤による直腸投与によって投与する。経口投与が好ましい。
本願明細書に記載の「非経口投与」および「非経口に投与した」という文言は、経腸および局所投与をのぞく投与形態で通常は注射による投与を意味し、静脈内、筋肉内、動脈内、鞘内、眼窩内、嚢内、心臓内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節内、被膜内、クモ膜下、脊髄内、および胸骨内注射および輸液が、それらに限定されずに含まれる。
本願明細書に用いられる「全身投与」、「全身に投与した」、「末梢投与」および「末梢に投与した」という文言は、中枢神経への直接投与ではない、化合物、薬物、またはそのほかの物質の投与方法であって、その化合物、薬物、またはそのほかの物質が患者の全身に入り、代謝およびたとえば皮下投与などそのほかの同様のプロセスを経るような投与を意味する。
これらの化合物は治療のために、経口、たとえばスプレーなどによる経鼻、直腸、膣内、非経口、嚢内および局所を含む適切な投与経路によって、粉末剤、軟膏または口腔内および舌下を含むドロップ剤として、ヒトおよびそのほかの動物に投与してもよい。
選択された投与経路にかかわらず、好適な水和状で用いることもできる本願発明の化合物、および/または本願発明の薬学的組成物は、当業者に公知の従来の方法によって薬学的に許容の剤形に調製される。
本願発明の薬学的組成物の活性成分の実際の用量レベルは、特定の患者、組成物、および投与形態に望ましい治療応答を達成するために有効でありながら、その患者に有毒ではないような活性成分量を得られるように、変化させてよい。
選択された用量レベルは、本願発明に用いられる特定の化合物またはそのエステル、塩、もしくはアミド、投与経路、投与時間、使用された特定の化合物の排出速度、治療の持続時間、特定の化合物とともに用いたそのほかの薬物、化合物、および/または物質、治療対象患者の年齢、性別、体重、症状、健康状態、および既往歴を含む各種要因、ならびに医療関連業者に公知の同様の各種要因に依存するだろう。
当業の医師または獣医師は、有効量の所要の薬学的組成物を容易に決定し処方することができる。たとえば、医師または獣医師は、望ましい治療上の効果を達成するために、薬学的組成物に用いられる本願発明の組成物の投与量を所要レベルよりも少量から開始し、望ましい効果が得られるまで投与量を徐々に増加させることができる。
一般に、本願発明の化合物の好適な一日投与量は、治療上の効果を生ずるために有効な最低投与量の化合物の量であろう。このように有効な投与量は、一般に、上述の要因に依存するであろう。一般に、患者への本願発明の化合物の静脈、脳室内、および皮下投与量は、望ましい鎮痛効果のために使用する場合、1日当たり体重1kg当たり約0.0001乃至約100mgであろう。
望ましいようであれば、当該活性化合物の有効な一日投与量を、一日に適切な間隔をおいて2、3、4、5、または6回以上のサブ投与量に分けて、選択的に単回投与剤形で投与することもできる。
本願発明の化合物は単体で投与することも可能であるが、当該化合物は薬学的製剤(組成物)として投与することが好ましい。
別の局面では、本願発明は、治療上有効な量の1つ以上の上述の対象となる化合物を、1つ以上の薬学的に許容な担体(添加物)および/または希釈剤とともに調合したものを含む、薬学的に許容な組成物を提供する。後述の通り、本願発明の薬学的組成物は、(1)たとえば水薬(水溶性および非水溶性溶液または懸濁液)、錠剤、ボーラス、粉末、顆粒、舌への塗布用のペーストなどの、経口投与、(2)たとえば皮下、筋肉内、または静脈内注射による、滅菌溶液もしくは懸濁液、または徐放製剤としての非経口投与、(3)たとえばのクリーム、軟膏、または皮膚、肺もしくは口腔内への塗布用のスプレーなどの局所投与、(4)たとえばペッサリー、クリームまたはフォームなどの膣内または直腸内、(5)舌下、(6)眼内、(7)経皮、または(8)経鼻、などに用いられる、固体状または液体状の投与用に特に調製することもできる。
本願発明の化合物は、他の医薬品から類推される、ヒトまたは動物用医薬品に利用するための任意の使いやすい方法で投与するために調製してよい。
「治療」という用語は、予防、療法、および治療も包含することを意図する。
この治療を受ける患者は、霊長類、特にヒト、ならびにウマ、ウシ、ブタ、ヒツジなどのその他の哺乳動物、ならびに家禽類および一般的なペットなどを含む、任意の治療を必要とする動物である。
本願発明の化合物は、そのまま、または薬学的に許容な担体と混合して投与することができ、ペニシリン、セファロスポリン、アミノグリコシド、およびグリコペプチドなどの抗菌剤とともに投与することもできる。したがって、接合療法(conjunctive therapy)には、第1の投与物質の治療効果が完全に消える前に次の投与を行うような、活性化合物の連続、同時、および個別投与が含まれる。
コンビナトリアルライブラリ
本願発明の化合物によって、薬学的、農芸化学的、もしくはそのほかの生物学的、または医療に関連した活性、または物質に関連した品質をスクリーニングするためのコンビナトリアルライブラリを容易に作製することができる。本願発明の目的のためのコンビナトリアルライブラリは、化学的に関連する化合物の混合であって、望ましい特性を全体的にスクリーニングすることも可能であり、前記ライブラリは溶液中にあっても固体支持体に共有結合していてもよい。1段階の反応で関連する化合物を多数調製することにより、必要なスクリーニング過程の数が大きく減少、および簡略化される。適切な生物学的、薬学的、農芸化学的、または物理的特性のスクリーニングは、従来の方法で行ってよい。
ライブラリの多様性は、多様な異なるレベルで作製してよい。たとえば、コンビナトリアルなアプローチに用いられる基質アリール基は、核のアリール基に関して、たとえば環構造に関する多様性など、多様であってよく、および/または別の置換基に関してたようであってもよい。
有機小分子のコンビナトリアルライブラリを作製するにあたっては、当業で実施可能なさまざまな技術がある。たとえば、Blondelle et al. (1995) Trends Anal. Chem. 14:83、Affymax の米国特許第5,359,115 号および5,362,899号、Ellman の米国特許第5,288,514号、Still et al. PCT 公報第WO 94/08051号、Chen et al. (1994) JACS 116:2661、Kerr et al. (1993) JACS 115:252、PCT 公報第 WO92/10092号, WO93/09668号およびWO91/07087号、ならびにthe Lerner et al. PCT 公報第WO93/20242号を参照)。したがって、約16乃至1,000,000種以上のダイバーソマーを有する多様なライブラリを合成し、特定の活性または特性についてスクリーニングすることができる。
例示的な実施態様では、置換されたダイバーソマーのライブラリを、たとえば基質の1箇所に位置する加水分解または光分解可能な基によってポリマービーズに結合させるなど、Still et al. PCT 公報第WO 94/08051号に記載の技術に適応させた本願発明の反応を用いて合成することができる。Still et al.の技術によると、ライブラリをビーズのセットに結合し、各ビーズにはそのビーズ上にある特定のダイバーソマーが認識できるタグのセットが含まれている。酵素阻害物質の発見に特に適しているある実施態様では、前記ビーズを透過膜の表面に分散させ、前記ダイバーソマーをビーズのリンカーを溶解して前記ビーズから切り離すことができる。各ビーズから遊離したダイバーソマーは、膜を通ってアッセイ領域に拡散し、酵素アッセイと相互作用するだろう。多数のコンビナトリアルな方法に関する詳細は、以下に記載する。
(A) 直接的な特徴付け
コンビナトリアルケミストリの分野では、例えばフェムトモル未満の量の化合物を特徴づけることができる質量分析法(MS)等の技術の感度を利用し、コンビナトリアルライブラリから選択された化合物の化学的構成を直接決定するのが主流になりつつある。例えば、ライブラリが不溶性支持マトリックス上にある場合、初めに個別の化合物群を支持体から遊離させて、MSで特徴づけることができる。ほかの実施態様では、特に化合物をマトリックスに連結するために不安定な結合が最初に使用される場合、化合物をマトリックスから遊離させるためにMS試料調製技術の一部としてMALDIなどのMS技術を使うこともできる。ほかの実施態様では、特に化合物をマトリックスに連結するために不安定な結合が最初に使用される場合、化合物をマトリックスから遊離させるためにMS試料調製技術の一部としてMALDIなどのMS技術を使うこともできる。
(B) マルチピン合成
本方法のライブラリはマルチピンライブラリの形式を取ることができる。簡単に説明すると、Geysenら(Geysen et al. (1984) PNAS 81:3998-4002) が導入した方法で、マイクロタイタープレートのフォーマットにポリアクリル酸をつけたポリエチレンピンを並べ、そのピン上で並行合成することによって化合物ライブラリを作製する方法である。Geysenの技術を使うと、マルチピン法を使って1週間に何千種もの化合物を合成しスクリーニングすることができ、つなぎ止められた化合物を多くのアッセイに再利用することもできる。適切なリンカー部分をピンに付け、合成後に化合物を支持体から切り離し、純度の評価やさらなる評価に用いることもできる(Bray et al. (1990) Tetrahedron Lett 31:5811-5814、Valerio et al. (1991) Anal Biochem 197:168-177、Bray et al. (1991) Tetrahedron Lett 32:6163-6166を参照)。
(C)ディバイド-カップル-リコンバイン(divide-couple-recombine)
さらに別の実施態様では、ディバイド-カップル-リコンバイン戦略を用いて1セットのビーズ上に多様な化合物ライブラリを提供することができる(例えばHoughten (1985) PNAS 82:5131-5135、及び 米国特許第 4,631,211号、5,440,016号、5,480,971号を参照)。簡単に説明すると、その名が示すとおり、ライブラリに縮重が導入されている各合成ステップで、ライブラリの特定の位置において、付加される置換基の種類と等しい数のグループにビーズを分割(divide)し、異なる置換基をそれぞれ別々の反応で結合(couple)させ、そのビーズを次の繰り返しのために1つのプールに合わせ戻す(recombine)。
ある実施態様では、ディバイド-カップル-リコンバイン戦略は、「ティーバッグ」法と呼ばれる類似の方法を用いて行うこともできる。これは最初にHoughtenが開発した方法で、化合物の合成は孔の空いたポリプロピレンのバッグの中に密封された樹脂上で行われる(Houghten et al. (1986) PNAS 82:5131-5135)。そのバッグを適切な反応液中に入れて化合物が付いている樹脂に置換基を結合させるが、樹脂の洗浄や脱保護などの通常のステップはすべて、1つの容器中で同時に行う。合成が終わると、各バッグには1つの化合物が入っている。
(D)光誘導、空間指定可能並行化学合成によるコンビナトリアルライブラリ
空間指定可能合成とは、合成基質上の位置によって化合物の特性が特定されるコンビナトリアル合成のスキームである。ある実施態様では、固体支持体上の特定の位置への化学試薬の付加を制御することによって、コンビナトリアルプロセスを行う(Dower et al. (1991) Annu Rep Med Chem 26:271-280; Fodor, S.P.A. (1991) Science 251:767; Pirrung et al. (1992) 米国特許第 5,143,854号; Jacobs et al. (1994) Trends Biotechnol 12:19-26)。光リソグラフィの空間分解能によって小型化が可能である。この技術は光感受性保護基を用いた保護/脱保護反応を用いて行うことができる。
この技術の主要な点は、Gallop et al. (1994) J Med Chem 37:1233-1251に解説されている。合成基質は、光感受性ニトロベラトリルオキシカルボニル(NVOC)保護アミノリンカーまたはその他の光感受性リンカーの共有結合によるカップリングのために、調製する。カップリング用の合成支持体の特定の領域を選択的に活性化するために、光を使う。光で光感受性保護基を除去(脱保護)すると、選択した領域が活性化される。活性化後、光感受性保護基をアミノ末端にそれぞれ有する最初の1セットのアミノ酸類似体が表面全体に露出される。カップリングは、前の段階で光が指定した領域のみに生じる。反応を止め、プレートを洗浄し、第二のマスクを通してその基質に再び光を照射し、第二の保護ビルディングブロックとの反応のために異なる領域を活性化させる。マスクのパターンと反応物質の配列によって生成物とその位置が決定する。このプロセスには光リソグラフィを利用するため、合成できる化合物の数が合成部位の数のみに制限され、適切な分解能で指定することができる。各化合物の位置は正確にわかっており、ほかの分子との相互作用を直接評価することができる。
光誘導化学合成では、照射のパターンと反応物質の付加の順序に依存して生成物が異なる。リソグラフィのパターンを変化させることによって、様々なテスト化合物のセットを同時に数多く合成することができ、この特性が数多くの様々なマスキング戦略を作り出している。
E) コード化されたコンビナトリアルライブラリ
さらに別の実施態様では、本願方法はコード化されたタギングシステムによって提供された化合物ライブラリを利用する。コンビナトリアルライブラリからの活性化合物の識別における最近の改善点には、特定のビーズの反応ステップとそのビーズに付いていると推測される構造を固有にコードするタグを用いる化学指標システムを利用している。理論上は、この方法はファージディスプレイライブラリを模倣しており、活性は発現したペプチドに由来しているが、活性ペプチドの構造は対応するゲノムDNA配列から推測する。合成コンビナトリアルライブラリをコードするために、最初はDNAをコードとして利用した。コード化にはほかに様々な方法が報告されており、配列決定可能なバイオオリゴマー(例えばオリゴヌクレオチド及びペプチド)を用いたコード法、及び配列決定可能ではないタグを加えた二進法コード法などがある。
1)配列決定可能なバイオオリゴマーを用いたタギング
オリゴヌクレオチドを用いてコンビナトリアル合成ライブラリをコードする原理は1992年に報告されており(Brenner et al. (1992) PNAS 89:5381-5383)、その翌年にはこのようなライブラリの例が報告された(Needles et al. (1993) PNAS 90:10700-10704)。特定のジヌクレオチド(それぞれTA、TC、CT、AT、TT、CA及びAC)でコードされているArg、Gln、Phe、Lys、Val、D-Val 及び Thr(3文字アミノ酸コード)のすべての組み合わせからなる77(=823,543)種のペプチドのコンビナトリアルライブラリを、固体支持体上でのペプチドとオリゴヌクレオチド合成を交互に連続して行って調製する。この作業では、ビーズをオリゴ糖合成用の保護OH基とペプチド合成用のNH2基を生成するための試薬に同時に予めインキュベートさせて、ビーズのアミン結合官能性をペプチド合成用かオリゴヌクレオチド合成用のいずれかに区別した(ここでは1:20の比率)。完了後、各タグは14ユニットがコードを有する69量体で構成された。ビーズ結合ライブラリを蛍光標識した抗体とインキュベートし、強力な蛍光を発する結合抗体を有するビーズを蛍光表示式細胞分取器(FACS)で収集した。DNAタグをPCRで増幅して配列を決定し、予想どおりのペプチドを合成した。このような技術の後で、化合物ライブラリを本願方法に用いることも可能で、その場合、タグのオリゴヌクレオチド配列によって特定のビーズが経た一連のコンビナトリアル反応を同定し、ビーズ上の化合物を識別する。
オリゴヌクレオチドタグを利用すると、きわめて高感度のタグ分析が可能になる。そうであっても、この方法は、タグとライブラリメンバーの共合成を交互に行うのに必要な保護基のオルトゴナルセットを慎重に選択しなければならない。さらに、タグの化学不安定性、特にホスファート(リン酸エステル)と糖のアノマー位結合のために、非オリゴマーライブラリの合成に用いることができる試薬と条件の選択が制限される。好ましい実施態様では、このライブラリには、アッセイ用のテスト化合物ライブラリメンバーを選択的に切断することが可能なリンカーを利用する。
コンビナトリアルライブラリにはタグ用分子としてペプチドも利用されている。2つの例示的な方法が当業で報告されており、どちらもコード用とリガンド用のストランドが交互に取り付けられた固相への分枝リンカーを用いている。1つ目の方法(Kerr JM et al. (1993) J Am Chem Soc 115:2529-2531) では、コード用ストランドに酸感受性保護を用い、化合物ストランドには塩基感受性保護を用いることで合成のオルトゴナリティを達成した。
代替的な方法(Nikolaiev et al. (1993) Pept Res 6:161-170)では、分枝リンカーを用い、コードユニットとテスト化合物を両方とも樹脂上の同一の官能基に結合させることができる。ある実施態様では、切断可能なリンカーを、切断するとコードと化合物の両方を有する分子を遊離するように、分枝点とビーズの間に配置することができる(Ptek et al. (1991) Tetrahedron Lett 32:3891-3894) 。別の実施態様では、解離可能なリンカーを、テスト化合物を選択的にビーズから分離してコードを残すように配置することができる。この最後の構造体は特に貴重で、なぜなら考えられるコード基の妨害なくテスト化合物をスクリーニングすることができるからである。ペプチドライブラリメンバーとそれに対応するタグの独立した解離及び配列決定の当業における例で、ペプチドの構造をタグから正確に予測できることが確認されている。
2) 配列決定可能ではない(non-sequenceable)タギング:二進法コード化
テスト化合物ライブラリをコード化する代替的な形式は、配列決定可能ではない電子含有(electrophoric)タグ用分子のセットを二進法コードとして用いる (Ohlmeyer et al. (1993) PNAS 90:10922-10926)。例示的なタグはハロ芳香族アルキルエーテルで、電子捕捉ガスクロマトグラフィ(ECGC)でフェムトモル未満のレベルでトリメチルシリルエーテルとして検出することができる。アルキル鎖の長さと芳香族ハロゲン化物置換基の性質や位置を変化させると、このようなタグを40種類以上合成することが可能で、原理的には240(1012超)種の分子をコードすることができる。最初の報告(Ohlmeyer et al., 同上) では、タグが光解離性o-ニトロベンジルリンカーを介して結合したのは、ペプチドライブラリの利用可能なアミン基の約1%だった。この方法は、ペプチド様またはその他のアミン含有分子のコンビナトリアルライブラリを調製する場合には便利である。しかし、さらに多様性に富んだシステムが開発されており、どのようなコンビナトリアルライブラリも基本的にはコードすることができる。ここでは、その化合物は光解離性リンカーを介して固体支持体に結合しており、タグはカルベン挿入によるカテコールエーテルリンカーを介してビーズマトリックスに結合している(Nestler et al. (1994) J Org Chem 59:4723-4724)。このオルトゴナル結合戦略では、アッセイのために溶液中で選択的にライブラリメンバーを切り離し、引き続いてタグセットの酸化分離後にECGCによってデコードすることができる。
当業のアミド結合ライブラリのいくつかは、アミン基に結合させた電子含有タグを用いた二進法コード化を用いているが、ビーズマトリックスにこれらのタグを直接結合させると、コード化コンビナトリアルライブラリで調製することができる構造の多様性がはるかに増える。このように結合させると、タグとそのリンカーはビーズマトリックス自体とほぼ同じ程度に反応性がなくなる。電子含有タグを固相に直接結合させた2つの二進法コード化したコンビナトリアルライブラリが報告されており(Ohlmeyer et al. (1995) PNAS 92:6027-6031)、本化合物ライブラリの作製法の指針となっている。いずれのライブラリも、ライブラリのメンバーを光感受性リンカーで固体支持体に結合させるオルトゴナルな結合戦略を用いて作製されており、タグは強力な酸化によってのみ解離できるリンカーで結合されていた。ライブラリメンバーは部分的に固体支持体から繰り返し光溶離することができ、ライブラリメンバーを多くのアッセイに用いることができる。連続的な光溶離は超高速反復スクリーニング戦略をも可能にする。まず、複数のビーズを96穴マイクロタイタープレートに置く。2番目に化合物を部分的に切り離し、アッセイプレートに移す。3番目に金属結合アッセイによって活性ウエルを特定する。4番目に対応するビーズを新しいマイクロタイタープレートに1列に並べ直す。5番目に1種類の活性化合物を特定する。6番目に構造をデコードする。
本願発明はここまででは一般的に記述されているが、以下の例を参照することによってより容易に理解されるであろう。以下の例は、本願発明のある局面および実施態様を説明する目的のためだけに含まれているものであり、本願発明を制限することは意図しない。
例1
(C5H4NCH2)2NHの合成
100 mLの丸底フラスコに2-アミノメチルピリジン(2.50 g、0.023モル)を入れた。このシステムを窒素下においた。この固体を20mLのアセトニトリルに溶解してから、7 mLのトリエチルアミンを加えた。次に、2-ブロモメチルピリジン臭化水素酸塩(5.80 g, 0.023 mol)を加えた。この反応混合物を0.5時間55℃で撹拌し、その後、当該反応物を減圧吸引して残留物を得た。この混合物を大型のシリカカラム(10%メタノール/塩化メチレン)を用いて精製した。 1H NMR (CDCl3, ppm): 2.97 (s, H), 3.98 (s, 4H), 7.15 (m, 2H), 7.28 (m, 2H), 7.65 (m, 2H), 8.55 (m, 2H)。質量分光法により、この分子の分子量は199であることがわかった。
例2
(C5H4NCH2)3Nの合成
100 mLの丸底フラスコに2-アミノメチルピリジン(2.50 g、0.023モル)を入れた。このシステムを窒素下においた。この固体を20mLのアセトニトリルに溶解してから、7 mLのトリエチルアミンを加えた。次に、2-ブロモメチルピリジン臭化水素酸塩(5.80 g, 0.023 moles)を加えた。この反応混合物を0.5時間55℃で撹拌し、その後、当該反応物を減圧吸引して残留物を得た。この混合物を大型のシリカカラム(10%メタノール/塩化メチレン)を用いて精製した。 1H NMR (CDCl3, ppm): 3.98 (s, 4H), 7.15 (m, 2H), 7.55 (m, 2H), 7.65 (m, 2H), 8.55 (m, 2H).質量分光法により、この分子の分子量は291(M+1)であることがわかった。
例3
(C5H4NCH2)2NCH3の合成
100 mLの丸底フラスコにジピリジンメチルアミンDPMA(1.00 g、5.03mmol)を入れた。この固体を10mLのアセトニトリルに溶解してから、2 mLのジメチルホルムアミドを加えた。次に、ヨウ化メチル (0.637 g, 4.52 moles)を加えた。この反応混合物を0.5時間室温で撹拌し、その後、当該反応物を減圧吸引して残留物を得た。この混合物を大型のシリカカラム(10%メタノール/塩化メチレン)を用いて精製した。 1H NMR (CDCl3, ppm): 2.19 (s, 3H), 3.85 (s, 4H), 7.15 (m, 2H), 7.50 (d, 2H), 7.65 (m, 2H), 8.55 (d, 2H)。質量分光法により、この分子の分子量は214(M+1)であることがわかった。
例4
(C5H4NCH2NCH2COOH){(CH2CH2CH2N(CH3)3)の合成
100 mLの丸底フラスコにジピリジンメチルアミン一酢酸(PAMA)(0.30 g、1.55 mmol)を入れた。この固体を10mLのアセトニトリルに溶解してから、5 mLのジメチルホルムアミドを加えた。次に、1-クロロプロピルトリメチルアミン(0.815 g、3.10 mmol)のヨウ素塩2当量を加えた。最後に、カルボン酸カリウム (0.10 g, 0.724 mol)を加えた。この反応混合物を130℃で3時間加熱し、その後、当該反応物を減圧吸引して残留物を得た。この混合物を逆相C18カラム(99% H2O/1% CH3CN)を用いて精製した。 1H NMR (CDCl3, ppm): 2.20 (s, 2H), 3.05 (s, 2H), 3.14 7 (s, 9H), 3.34 (m, 2H), 4.28 (s, 2H), 7.60 (d, 2H), 7.70 (d, 2H), 8.1 (d, 2H), 8.65 (d, 2H).
例5
(C5H4NCH2NCH2COOH)(CH2(CH2)10COOH)の合成
この化合物を、(C5H4NCH2NCH2COOH){(CH2CH2CH2N(CH3)3)の合成法と同様の合成プロトコルを用いて調製した。例4を参照。 1H NMR (CDCl3, ppm): 1.25 (m, 10H), 1.45 (s, 2H), 1.60 (s, 2H), 1.75 (m, 2H), 2.3 (m, 2H), 2.55 (m, 2H), 3.63 (s, 3H), 3.80 (s, 2H), 7.05 (dd, 2H), 7.55 (d, 2H), 7.65 (dd, 2H), 8.53 (d, 2H).
例6
(C5H4NCH2)2N(CH2COOCH2CH3)の合成
この化合物を、(C5H4NCH2NCH2COOH){(CH2CH2CH2N(CH3)3)の合成法と同様の合成プロトコルを用いて調製した。例4を参照。しかし、DPMAをPAMAのかわりに用いた。 1H NMR (CDCl3, ppm): 1.25 (t, 3H), 3.45 (s, 2H), 3.95 (s, 4H), 4.15 (q, 2H), 7.1 (m, 2H), 7.55 (m, 4H), 8.53 (s, 2H).
例7
(ビス(2-ピリジルメチル)アミノ)酢酸
2-クロロメチルピリジン塩化水素物(9.2 g, 8.53 mmol)およびグリジン(2 g, 26.6 mmol)を水(30 mL)に溶解して、室温で5日間撹拌し、5 mol NaOH水溶液をpHを8乃至10に保てるような間隔で加えた。得られた暗赤色の溶液を酢酸エチルで抽出し、HClで中和して濃縮した。残留物をジクロロメタンで溶解して、不溶性塩化ナトリウムをろ過した。ろ過液から形成された薄黄色結晶を、収集して減圧乾燥させた。収量(2.87 g) (11.2 mmol, 42%)。 1H NMR (CDCl3), 300 MHz): 3.39 (s, 2H), 3.98 (s, 4H), 7.06 (t, 2H), 7.30 (d, 2h), 7.56 (t, 2H), 8.36 (d, 2H). 13C NMR (CD3OD, 300 MHz): 57.36 (C, CH2), 59.77 (2C, PyCH2), 124.77 (2CH, Py), 125.15 (2CH, Py), 139.00 (C, CH2), 149.76 (2CH, Py), 156.10 (2C, Py), 173.05 (C, CO2H).
例8
(ビス(2-ピリジルメチル)アミノ)プロピオン酸
この化合物は、上述の手順と似た手順で合成するが、グリジンの代わりに3-アミノプロピオン酸を用いた。その生成物をジクロロメタンから収集したところ、薄赤色結晶だった。収量(2.74 g, 10.1 mmol, 45%)。 1H NMR (CDCl3), 300 MHz): 2.64 (t, 2H), 3.03 (t, 2H), 3.95 (s, 4H), 7.21 (t, 2H), 7.38 (d, 2H), 8.55 (t, 2H), 8.66 (d, 2H). 13C NMR (CD3OD, 300 MHz): 33.15 (C, CH2), 51.90 (C, NCH2), 60.22 (2C, PyCH2), 124.37 (2CH, Py), 125.29 (2CH, Py), 138.98 (2C, Py), 149.72 (2CH, Py), 158.50 (2C, Py), 176.79 (C, CO2H).
例9
エチル(ビス(2-ピリジルメチル)アミノ)アセタート
(ビス(2-ピリジルメチル)アミノ)酢酸(1 g、3.89 mmol)を飽和エタノールHCl(20 mL)に入れ、3時間還流した。この反応混合物をトリエチルアミンで失活させ、濃縮した。その残留物をジクロロメタンで溶解して、水で洗浄し、乾燥させて(Na2SO4)、濃縮した。その残留物を、メタノール:クロロホルム(3:97)を用いてシリカゲルクロマトグラフィで精製したところ、粘性液体状のエチル-(ビス(2-ピリジルメチル)アミノ)アセタートを得た。収量(0.910 g, 3.19 mmol, 82%)。 1H NMR (CDCl3), 300 MHz): 1.22 (t, 2H), 3.42 (s, 2H), 3.97 (s, 4H), 4.12 (q, 2H), 7.12 (t, 2H), 7.53 (d, 2H), 7.62 (t, 2H), 8.49 (d, 2H). 13C NMR (CD3OD, 300 MHz): 13.99 (C, CH3), 54.67 (C, CH2), 59.70 (2C, PyCH2), 60.21 (2C, OCH2), 121.88 (2CH, Py), 122.93 (2CH, Py), 136.32 (2CH, Py), 148.80 (2CH, Py), 158.80 (2C, Py), 171.05 (C, CO2H).
例10
エチル(ビス(2-ピリジルメチル)アミノ)プロピオナート
この化合物は、上述の手順と似た手順で合成するが、(ビス(2-ピリジルメチル)アミノ)酢酸の代わりに(ビス(2-ピリジルメチル)アミノ)プロピオン酸を用いた。その粘性液状の生成物を収集した。収量(1.37 g, 4.59 mmol, 83%)。 1H NMR (CDCl3), 300 MHz): 1.09 (t, 3H), 2.45 (t, 2H), 2.84 (t, 2H), 3.74 (s, 4H), 3.98 (q, 2H), 7.03 (t, 2H), 7.39 (d, 2H), 7.51 (t, 2H), 8.48 (d, 2H). 13C NMR (CD3OD, 300 MHz): 13.70 (C, CH3), 32.22 (C, CH2) 49.39 (C, NCH2), 59.45 (2C, PyCH2), 59.55 (C, OCH2), 121.47 (2CH, Py), 122.42 (2CH, Py), 135.82 (2CH, Py), 148.40 (2CH, Py), 158.91 (2C, Py), 171.74 (C, CO2H).
例11
N-α-(tert-ブトキシカルボニル)-N-ω-ビス(2-ピリジルメチル)-L-リジン(L1c-Boc)の合成
2-クロロメチルピリジン塩化水素物(1.4g, 8.53 mmol)およびN-α-(tert-ブトキシカルボニル)-L-リジン (1g, 4.06 mmol)を水に溶解して、室温で5日間撹拌し、5 mol dm-3 NaOH水溶液をpHを8乃至10に保てるような間隔で加えた。得られた暗赤色の溶液を酢酸エチルで抽出してから、1 mol dm-3 HClでpH3乃至4になるまで水相を酸化させて、クロロホルムで抽出して濃縮した。この残留物を10%クロロホルムメタノール溶液を用いてカラムクロマトグラフィで精製し、N-α-(tert-ブトキシカルボニル)-N-ω-ビス(2-ピリジルメチル)-L-リジン (950 mg, 55%)を得た。 1H NMR (CDCl3), 300 MHz): 1.41 (s, 9H), 1.26-1.62 (m, 6 H), 2.58 (t, 2H), 3.84 (s, 4H), 4.24 (t, H), 7.15 (m, 2H), 7.48 (d, 2H), 7.65 (m, 2H), 8.53 (d, 2H). 13C NMR (CD3OD, 300 MHz): 24.31 (C, CH2), 26.66 (C, CH2), 28.93 (3C, t-Bu), 33.15 (C, CH2), 55.50 (C, NCH2), 60.12 (2C, PyCH2), 80.06 (C, NCH) 124.34 (2C, Py), 125.11 (2CH, Py), 138.93 (2CH, Py), 149.72 (2CH, Py), 157.71 (2C, Py), 177.49 (C, CO2H)。
例12
N-α-(ピリジルメチル)-N-ω-ビス(tert-ブトキシカルボニル)-L-リジン(L2c-Boc)の合成
2-クロロメチルピリジン塩化水素物(730mg, 4.46mmol)およびN-α-(tert-ブトキシカルボニル)-L-リジン (1g, 4.06 mmol)を水に溶解して、室温で2日間撹拌し、5 mol dm-3 NaOH水溶液をpHを8乃至10に保てるような間隔で加えた。得られた暗赤色の溶液を酢酸エチルで抽出してから、1 mol dm-3 HClでpH6になるまで水相を酸化させて、クロロホルムで処理したところ必要な生成物が析出したので、減圧下でろ過、乾燥させた(670mg, 49%)。
例13
Tc(V)-オキソおよびTc(I)(CO)3L3 コアを用いたラベル付加方法を用いたTc-99mによるDPMA類似体へのラベル付加
Tc(V)オキソ核
Tc-99m標識DPMA誘導体の調製は、DPMA誘導体の0.9%食塩水溶液(200 mg/3 mL)に10 mCiのTcO4 -を加えて行った。この反応物質を80℃で30分間加熱した。生物学的なリガンドによって、当該溶液を必要に応じて用いるか、または当該混合物を酢酸エチルで抽出し(1 mLポーション3つ)、硫酸ナトリウムで乾燥させて、N2下で乾燥させた。その残留物をエタノール(400 uL)に再溶解して、バイダックC18 (5 mm、25 cm)カラムによるHPLCでメタノールを用いて当該反応生成物を溶出し、純度をチェックした。
Tc (I)(CO)3+核
Tc(I)カルボニル化学は、安定な99mTc-DPMA錯体を形成するための代替的な経路を可能にする。このラベル付加法を調べるために、本願発明者らはまず、Na2CO3 (0.004 g、0.038 mmol)、 NaBH4 (0.005 g, 0.13 mmol)、およびDPMA 2 mgをバイアルの中に入れた。次に、そのバイアルを密封して、COを10分間通気した。そのバイアルに、Na99mTcO4 -食塩水1 mLを加えた。最後に、この溶液を100℃で30分間加熱した。冷却後、その反応物をバイダックC18 (5 mm、25 cm)カラムによるHPLCでメタノールを用いて当該反応生成物を溶出し、純度を調べた。
代替的には、「2ポット」合成法を行うこともでき、その場合、[99mTc(OH2)3(CO)3]+の形成後、DPMA誘導体を加えた。冷却後、1 M PBS溶液 0.3 mLを加え(pH 7.4)、[99mTc(OH2)3(CO)3]+を安定して形成させた。このTc(I)トリカルボニル種を、DPMA誘導体とともに75℃で30分間加熱し、99mTc-DPMA錯体を形成した。その反応物をバイダックC18 (5 mm、25 cm)カラムによるHPLCでメタノールを用いて当該反応生成物を溶出し、純度を調べた。当該反応の多様性により、各種の感受性の生物学的DPMA誘導体化リガンドの反応を理想化された条件下に保つことができる。
例14
ReCl3{(C5H4NCH2)2N(CH2COOCH2CH3)}の合成
[ReOCl3(PPh3)2] (0.0822 g、0.0986 mmol)を1mLのクロロホルムに溶解した溶液に、過剰のジピリジンメチルアミンエチルアセタートを1mLのクロロホルムに溶解した溶液に滴下して加えた。この溶液は薄緑色になったが、トリエチルアミン(0.08 mL, 0.574 mmol)を加えたところ、ただちに薄緑色から深緑色に変化し、生成物が沈殿した。この溶液をさらに30分間撹拌して、蒸発乾燥させた。X-線質の結晶を、ペンタンを当該化合物の塩化メチレン溶液にゆっくり拡散させて成長させた。 1H NMR (CDCl3, ppm): 1.25 (t, 3H), 3.45 (s, 2H), 3.95 (s, 4H), 4.15 (q, 2H), 7.1 (m, 2H), 7.55 (m, 4H), 8.53 (s, 2H).
例15
ReCO2{(C5H4NCH2)2NH2}Br}の合成
[NEt4]2[ReBr3(CO)3]を開始物質として使用すると、fac-Re(CO)3(L)3核を容易に形成することができる。[NEt4]2[ReBr3(CO)3]は[ReBr(CO)5]から容易に誘導された。Re(I)錯体の合成は、10 mL の水の中で、[NEt4]2[ReBr3(CO)3]を適切なピリジン-2-メチルアミンと1:2の割合で反応させることによって行った。この反応物質を80℃で3時間加熱した。冷却後、その反応生成物を、小さいカラムを用いて、95%の塩化メチレン5%メタノールで精製した。X-線質の結晶を、ペンタンを当該化合物の塩化メチレン溶液にゆっくり拡散させて成長させた。
例16
[Re(CO)3{(2-C5H4NCH2)2}N-CH3]の合成
Re(I)錯体の合成は、10 mL のH2Oの中で、[NEt4]2[ReBr3(CO)3]を適切なピリジン-2-メチルアミンと1:2の割合で反応させることによって行った。この反応物質を80℃で3時間加熱した。冷却後、その反応生成物を、小さいカラムを用いて、塩化メチレン(95%)/メタノール(5%)で精製した。 ESMS m/z = 484 (測定値)。
例17
[{N,N-di(pyridyl-2-methyl)}N-ブチル-フタルイミド]の合成およびそのTc-99mラベル付加
ジピリジンメチルアミン(0.5 g、2.51 mmol)およびN-(4-ブロモブチル)-フタルイミド (0.85 g、3.02 mmol)をDMF 2 mL を入れた 100 mL圧力管の中で混合した。 カルボン酸カリウム(0.05 g)を当該溶液に加えた。この混合物を120℃で1時間加熱した。この反応混合物を吸引して、残留物を得た。この残留物を、メタノール-塩化エチレンを用いてシリカゲルパッドで精製し、収率41%で生成物を得た。 1H NMR(CDCl3): 1.57 (m), 2.54 (m), 2.85 (s), 2.93 (s), 3.58 (m), 3.76 (s), 7.09 (m), 7.52 (d), 7.61 (m), 7.68 (m), 7.80 (m), 7.99 (d), 8.44 (d).
[99mTc(CO)3(H2O)3]+を、[{N,N-ジ(ピリジル-2-メチル)}N-ブチル-フタルイミドの0.5mLメタノール溶液(1 mg/mL)とともに、100℃で60分間加熱した。純度をC18 HPLCで分析したところ、>99% RCYであることがわかった。この生成物をメタノールで20.8分溶出した。HPLC解析を、2 cm のガードを装着した25cm x 4.6mm カラム (孔径5? m)のSupelco C18カラムを用い、溶媒A=0.05 Mリン酸トリエチルアンモニウムバッファ pH 2.5 および溶媒B=メタノールを用いて行った。ここで用いた方法では、勾配は5-95% B、1mL/分で30分間だった。この勾配の傾斜は5乃至95で3乃至20分だった。攻撃誘発の実験では、HPLCで精製した生成物は、10mMシステインまたはヒスチジンのいずれかのPBS溶液pH7.2 の中で37℃で20時間、分解しなかった。
例18
[? -{N,N-ジ(ピリジル-2-メチル)}? -(fmoc)リジン] (Fmoc-DpK)のReおよびTcトリカルボニル錯体の合成
[? -{N,N-ジ(ピリジル-2-メチル)}? -(fmoc)リジン] (Fmoc-DpK)
Figure 0004846199
Fmoc-リジン、2-ピリジンカルボキサルデヒドおよびトリアセトキシホウ水素化ナトリウムを1,2-ジクロロエタン中で混合した。この懸濁液をアルゴン雰囲気下で1時間、室温で撹拌した。この反応混合物をクロロホルムと水で分割した。この残留物を、メタノール-クロロホルムを用いてシリカゲルパッドで精製し、収率85 %で生成物を得た。Fmoc-脱保護を用いて4-メチルアミノピリジンのDMF/メタノールを25℃で12時間撹拌した。構造の確認は、1H および 13C NMRで行った。 1H NMR (? (ppm), CDCl3): 10.85 (bs, 1H, CO2H), 8.50 (d, J = 5.10 Hz, 2H, PyH), 7.70 (d, J = 7.24 Hz, 2H, FlH), 7.55 (m, 4H, PyH, FlH), 7.46 (d, J =7.24, 2H, FlH), 7.32 (t, J =7.72, 2H, Py), 7.22(t, J =7.52, 2H, Py), 7.09 (t, J =6.20, 2H, FlH), 6.0 (d, J =9.31, 1H, NH), 4.29 (m, 3H, OCH2 , NCHCO2), 4.17 (t, J =6.20,1H, CH), 3.86 (s, 4H, PyCH2), 2.57 (t, 2H, NCH2), 1.90-1.20 (m, 6H, CH2). 13C NMR ((? (ppm), CDCl3): 175.96 (C, CO2H), 157.74 (2C, Py), 156.15 (C, CONH), 148.29 (2CH, Py), 144.12 (2C, Fl), 141.27(2C, Fl), 137.38 (2CH, Py), 127.68 (2CH, Py), 127.08 (2CH, Py), 125.26(2CH, Fl), 123.92(2CH, Fl), 122.64(2CH, Fl), 119.96(2CH, Fl), 66.81(1C, OCH2), 59.03 (2C, PyCH2), 54.48 (C, NCHCO2), 53.87 (C, NCH2), 47.24 (C, Fl), 32.54 (C, CH2), 26.04(C, CH2), 22.86(C, CH2).
[Re(CO)3{? 3-? -[(N,N-ジ(ピリジル-2-メチル))? (fmoc) リジン]}[Br]
撹拌した[NEt4]2[Re(CO)3Br3] (1.12 g、1.45 mmol)のメタノール(20 mL)溶液に、[? -{N,N-ジ(ピリジル-2-メチル)}? -(fmoc)リジン] (0.8 g、1.45 mmol)の2mLメタノール溶液を加え、当該溶液を5時間還流および濃縮した。その残留物をクロロホルムで溶解して、水で洗浄し、乾燥(NaSO4)、および蒸発させて乾燥させたところ、無色の生成物を得た(1.04 g、80%)。 1H NMR (? (ppm), MeOH-d4): 8.88(d, J =5.29, 2H), 8.02-7.37 (m, 14H),5.05 (d, J = 17.64 Hz, 2H, PyCH2), 4.82 (d, J = 17.64 Hz, 2H, PyCH2), 4.44-4.35 (m, 4H), 3.88 (m, 2H), 2.20-1.50 (m, 6H, CH2). 13C NMR (? (ppm), MeOH-d4): 197.47, 196.44 (fac-Re-CO3), 175.42 (C, CO2H), 161.82 (2C, Py), 158.30(C, CONH),152.87 (2CH, Py), 145.13 (2C, FlH),142.29 (2C, FlH), 141.48 (2CH, Py), 129.07 (2CH, Py), 128.46 (2CH, Py), 126.94 (2CH, FlH), 126.58(2CH, FlH), 124.83(2CH, FlH), 121.23(2CH, FlH), 71.66 (NCH2), 68.72 (2C, PyCH2), 67.70 (C, OCH2), 55.27(NCHCO2), 32.15(C, CH2), 25.71 (2C,CH2), 24.39(C, CH2).
Tc-99mラベル付加
[99mTc(CO)3(H2O)3]+を、[? -{N,N-ジ(ピリジル-2-メチル)}? -(fmoc)リジン] (DpK)の0.5mLメタノール溶液(1 mg/mL)とともに、100℃で30分間加熱した。純度をC18 HPLCで分析したところ、>99% RCYであることがわかった。攻撃誘発の実験では、HPLCで精製した生成物は、100 mMシステインまたはヒスチジンのいずれかのPBS溶液pH7.2 の中で37℃で18時間、分解しなかった。2 ? g / mLでも、ラベル付加収率> 50% RCYを達成した。
Figure 0004846199
例19
Fmoc-DpKの銅錯体の合成
[CuCl{? 3-? -[(N,N-ジ(ピリジル-2-メチル))? (fmoc) リジン]}
CuCl2の10 mLメタノール溶液に、過剰なFmocで保護したジピリジンリジン(Fmoc-DpK)を加えた。この溶液を150℃で3時間、100mLの密閉圧力管で加熱した。完了後、この溶液を冷却して吸引し、残留物を得た。この残留物を塩化メチレンに溶解し、エーテルで層にした。12時間後、暗緑青色の油状物が形成された。この油状物をES/MSにかけたところ、観測された質量は648乃至650で、[CuCl(DpK)]錯体に相当する。この油状生成物を10%エタノール/H2Oを充填したWaters C18 sep pakを用いて洗浄した。精製された生成物の重さは60mgで、収率は81%だった。1H NMR (CDCl3, 300 mhz, ppm)を行った。 1.23(m), 3.71(d), 3.83 (m), 4.19 (m), 4.35 (s), 7.13 (m), 7.26 (m), 7.35 (m), 7.46 (m), 7.51 (m), 7.61 (m), 7.72(m), 8.51(s).HPLC解析を、2 cm のガードを装着した25cm x 4.6mm カラム (孔径5? m)のバイダックC18カラムを用い、溶媒A= H2O + 0.1% TFA、B= CH3CN + 0.1% TFAを用いて行った。ここで用いた方法では、勾配は15-80% B、1mL/分で30分間だった。この勾配の傾斜は15乃至80で3乃至22分だった。この生成物を抽出したところ、19.3および19.6分に2本のピーク(DpK錯体のラセミ混合物)が得られた。
[64CuCl{? 3-? -[(N,N-ジ(ピリジル-2-メチル))? (fmoc) リジン]}
64CuCl2を、Fmocで保護されたジピリジンリジン(Fmoc-DpK)の0.5mLメタノール溶液(1 mg/mL)とともに、70℃で20分間加熱した。純度をC18 HPLCで分析したところ、>85% RCYであることがわかった。この生成物は19.8分で溶出した。
例20
動物研究
Tc-DPMAの生体分布の概要
Figure 0004846199
Tc-99m-DpKの生体分布
Tc-99m-DpKの生体分布をオスラットで調べた(Sprague Dawley, n = 5 / タイムポイント、 〜180 g)。この化合物を、食塩水溶液(10 ? Ci / 100 ? l)にして尾部静脈から注射した。動物の屠殺は5、30、60 および120分p.i.で行った。結果は、下記の表に示す。
Figure 0004846199
例21
Tc-99m(DPMA) (1)およびTc-99m(DPMA エチルエステル) (6)の両方を、ラットの1群において心臓造影剤の候補として調べた。この研究プロジェクトの脊椎動物を用いて、新規テクネチウム-DPMA錯体の生体分布および薬物動態を調べ、心臓への取り込みを決定した。ラット(Sprague Dawley、オス、各80乃至100g)を、全身の生体分布研究に用いた。この化合物を、2タイムポイント、つまり5および60分経過時点において、各タイムポイントにつき4匹において評価した。この数の動物を使った結果、クリアランス速度の測定において正確な統計を得ることができ、種内変異を説明できた。予備結果を以下の表に示す。
Figure 0004846199
参照による援用
本願明細書に引用されるすべての特許および公報は、参照により本願明細書に援用する。
等価物
当業者であれば、ごく普通の実験を用いるのみで、ここに説明した本願発明の特定の実施態様の等価物を数多く認識し、または確認できることであろう。このような等価物は、添付の請求の範囲の包含するところである。
[Tc(CO)3(L3a)]の構造を示す。 [ReCl3(L3a-エチルエステル)]の構造を示す。 [Re(CO)3(L1a-gly)]の構造を示す。

Claims (11)

  1. 下記の式A:
    Figure 0004846199
    〔式中、Rが、H、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、チオアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、アシル、アミノアシル、ヒドロキシアシル、チオアシル、-(CH2)d-R80、又はアミノ酸ラジカルであり、
    R80が、それぞれ独立に、カルボキシアルデヒド、カルボキシラート、カルボキサミド、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アンモニウム、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリル、ポリシクリル、アミノ酸、又はペプチドであり、及び
    dが0乃至12の範囲内の整数である。〕で表される化合物と錯体を形成した、テクネチウム又はレニウムから選択される放射性核種を含む錯体。
  2. Rが-(CH2)d-R80である、請求項1に記載の錯体。
  3. Rがアミノ酸ラジカルである、請求項1に記載の錯体。
  4. 前記アミノ酸ラジカルが-CH2CH2CH2CH2CH(NH2)CO2Hである、請求項1に記載の錯体。
  5. 前記アミノ酸ラジカルが-CH(CO2H)CH2CH2CH2CH2NH2である、請求項1に記載の錯体。
  6. Rが-CH2CH2CO2Hである、請求項1に記載の錯体。
  7. 前記アミノ酸ラジカルが-CH(CO2H)(CH2)xCH(NH2)CO2Hであり、かつxが3乃至9の整数である、請求項1に記載の錯体。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載の錯体、および薬学的に許容な賦形剤を含む、製剤。
  9. 請求項1に記載の錯体の診断上有効な量を含む、診断剤。
  10. 患者の診断領域が頭部又は胸部である、請求項9に記載の診断剤。
  11. 請求項3に記載の錯体を組み込んだペプチド複合体を調製する方法であって、前記ペプチド複合体が固相合成技術を用いて調製される、方法。
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