JP4845020B2 - バンパ構造体およびその製造方法 - Google Patents

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Description

この発明は、車両の前方又は後方に取り付けて用いられるバンパ構造体およびその製造方法に関するものである。
トラックやダンプなどに用いられるバンパでは、例えば衝突した乗用車がトラックなどの下にもぐり込むのを防ぐために、衝突時に圧潰や変形が生じにくい高強度特性が求められている。このバンパには、アンダランプロテクタと称されるものも含まれる。該バンパは、最近では、燃費や運動性能を向上させるために軽量化が望まれており、この軽量化のニーズに応えるため、アルミニウム合金押し出し材を用いた中空形状のバンパが採用されている。該バンパ30は、例えば図7に示すように、車両側のステー1に取り付けられる。具体的には、車両側内面に長手方向に沿って内側に向けた係止突条31、31を所定の間隔で形成しておく。該係止突条31は、押し出し成形に際し、形状付与することができる。この係止突条31、31間に、ナット33、33を設けたナットプレート32を挿入・係止し、前記ステー1に固定された取り付け板2を挟んでボルト3、3を前記ナット33、33に螺合することでバンパ30を車両に固定している。
しかし、アルミニウム合金製のバンパは鉄製バンパに比べて強度が劣り、衝突時には特に車両側への取り付け部分に大きな負荷がかかるため、前記取り付け部分を補強材で補強することで軽量化と高強度化を図ったものが提案されている(特許文献1、2参照)。
補強材により補強した上記バンパを図8に基づいて説明する。断面矩形の中空押し出し材からなる長尺バンパ材40は、走行中の引っ掛け防止などのために、両端部に車体方向に曲げる曲がり部41が設けられており、該曲がり部41の内側で取り付け板2を介して車体側のステー1に取り付けられている。また長尺バンパ材40内には、曲がり部41の内側で断面矩形の中空の補強材42が略隙間なく内装されており、該補強材42は前記取り付け板2への取り付け部分を覆うように配置されている。上記バンパの製造では、例えば、長尺バンパ40内の所定位置に補強材42を内装しておき、該長尺バンパ40端部内に前記曲がり部41に沿った型前面を有する中子(図示しない)を挿入、配置する。この状態で前記型前面に沿って長尺バンパ材40の端部を曲げ加工して前記曲がり部41を形成する。曲げ加工後には、長尺バンパ40内から前記中子を取り出し、その後、取り付け板2を介してボルト3、ナット4により車両側のステー1に固定される。
特開2006−1449号 特開2003−276536号
しかし、図8に示すように車両側への取り付け部分を補強したバンパでも、他部、特に曲がり部の補強がなされておらず、この曲がり部外側にオフセット衝突などによって衝撃が加わると、小さな荷重でも曲がり部が容易に座屈変形してしまうという問題がある。特許文献1で示されるバンパ(図2参照)では、この曲がり部外側での取り付け、補強がなされているため、オフセット衝突に対する強度を高めることができるが、正面からの衝突においてバンパが十分な強度を示さないという問題がある。
さらに、バンパの取り付け部分は、バンパに衝撃が加わった際に該バンパを支持する部分となるため、曲がり部側に衝撃が加わると補強材を介して伝わる応力が外側にある補強材有無境界やステー取り付け部に集中しやすく、バンパの耐荷重性を低下させるという問題がある。
また、バンパ製造に際しては前記のように中子を用いた曲げ加工を行うため、長尺バンパ材内への中子の挿入、配置、曲げ加工後の抜き取りが必要となり、工程が煩雑になり作業効率が悪いという問題がある。しかし、中子を用いることなく曲げ加工を行うと、曲げ加工部付近の凸面が内側にしなる「引け」現象が発生し、この現象により凸面の強度が低下して、衝撃に対する強度特性が低下するため中子の使用は不可欠となっている。
本発明は、上記事情を背景としてなされたものであり、軽量で正面およびオフセット衝突に対しても十分な強度を示し、さらに効率的な製造が可能となるバンパ構造体およびその製造方法を提供することを目的とする。
すなわち、本発明のバンパ構造体のうち、請求項1記載の発明は、車両の前後の少なくとも一方に取り付けられるバンパ構造体であって、中空形状の長尺バンパ材を有し、該長尺バンパ材は長手方向両端部側に取り付け時車両側に曲がる曲がり部を有しており、該曲がり部を挟んで長手方向に沿った補強材が内装されており、該補強材は前記長尺バンパ材の前記曲がり部を含む衝突想定側内面に沿った衝突想定側補強板と、前記曲がり部の長手方向内側で取り付け時車両側内面に沿い、かつ長手方向端部側で取り付け時車両側内面から離隔する取り付け時車両側補強板と、これら補強板に連なって補強板同士を支持する連結部とを有していることを特徴とする。
上記記載の発明によれば、車両に取り付けられた後、バンパに対し、車幅方向端部へのオフセット衝突などが発生した場合、バンパの曲がり部周辺では衝突想定面側から車両側へ向かう応力を受けるが、該曲がり部周辺は、取り付け時車両側補強板に連結されて支持される衝突想定側補強板により補強されており、曲がり部の外側への衝突に対しても小さな荷重で容易に変形、座屈することなく高い強度特性を示す。衝突想定面側に加わった応力は、衝突想定側補強板から連結部、取り付け時車両側補強板へと伝達される。取り付け時車両側補強板は、前記曲がり部の内側で取り付け時車両側内面に沿い、端部側では取り付け時車両側内面から離隔するように位置しているので、衝突による応力は、車幅方向端部側では長尺バンパ材の車両側の壁面に加わらず、曲がり部の内側で長尺バンパ材の車両側の壁面に伝わるので、長尺バンパ材において補強材有無境界やステー取り付け部に応力が集中することがなく、バンパの耐荷重性が低下するのを防止する。
なお、補強材は、上記衝突想定側補強板と、取り付け時車両側内面と、これら補強板に連なって補強板同士を支持する連結部とを有していることが必要であるが、特定の形状に限定されるものではなく、断面形状は矩形形状、C字形状、H字形状等適宜の形状を選択することができる。また、補強材の長手方向の長さは、少なくとも曲がり部を挟んで長手方向両側に伸張するものであればよく、特に限定されるものではない。ただし、曲がり部の車幅方向内側に車両への取り付け部分が位置している場合、該取り付け部分を超えて内側にまで伸張しているのが望ましい。
請求項2記載のバンパ構造体の発明は、前記補強材が、前記曲がり部の前記長手方向内側において、前記衝突想定側補強板が前記衝突想定側内面に密接し、前記取り付け時車両側補強板が前記取り付け時車両側内面に密接していることを特徴とする。
上記記載の発明によれば、前記曲がり部の長手方向内側において補強材の衝突想定側補強板と取り付け時車両側補強板とがそれぞれ長尺バンパ材の内面に密着していることによって、衝撃や変形を受けた際に補強材が確実に長尺バンパ材で支持され、高い強度特性を示す。
請求項3記載のバンパ構造体の発明は、前記補強材は、前記取り付け時車両側補強板および前記衝突想定側補強板のいずれかまたは両方に前記長手方向に沿って長手方向の一部または全部で帯状に切り欠きが形成されていることを特徴とする。
上記記載の発明によれば、補強材の一部を切り欠くことによって応力の吸収が可能となり、バンパに応力が加わった際に補強材が長尺バンパ材に損傷を与えるのを防止する。また、特にバンパ材質よりも高強度な材質を用いた補強材を中子として曲げ加工する際にも、補強材が長尺バンパ材に与える損傷を極力小さくすることができる。
請求項4記載のバンパ構造体の発明は、前記長尺バンパ材がアルミニウム合金で構成され、前記補強材が鋼で構成されていること特徴とする。
上記記載の発明によれば、大型の部品である長尺バンパ材をアルミニウム合金製とすることで、全ての部品を高強度鋼板で構成する場合に比べて軽量化できる。また、アルミニウム材は成形性がよく、金型代が安くなる。さらにアルミニウム材は、溶接性がよく、溶接による熱歪が少ない。一方、弱化部位に限定して補強材を強度のある鋼で構成することで、少ない重量増加でバンパを補強することができる。
請求項5記載のバンパ構造体の発明は、前記補強材が、前記取り付け時車両側補強板に、車体側のボルトに螺合される雌ねじ部が設けられていることを特徴とする。
上記記載の発明によれば、ナットプレートなどの長尺バンパ材とは別個の接合部品および、この接合部品を長尺バンパ材内に担持する係止部分が不要となり、コストダウンが可能となる。係止部分を押出しにより付与形成する場合、高い寸法精度が要求されるため、長尺バンパ材に用いられる材料には優れた押出性を有する6000系などのアルミニウム合金に限られる。しかし該係止部分を廃することで、材料選択の制約が小さくなり、比較的押出性に劣るものの高強度特性を有する7000系のアルミニウム合金を長尺バンパ材の材料として使用することが容易となる。
次に、請求項6記載のバンパ構造体の製造方法の発明は、長手方向両端側に取り付け時車両側に曲がる曲がり部を有する中空形状の長尺バンパ材内に、補強材が内装されたバンパ構造体を製造する方法において、前記長尺バンパ内に、該長尺バンパの長手方向内面に沿った型裏面を有し、かつ該長尺バンパの曲げ加工面に合わせた型面を前面に有し、前記型裏面と型面とが連結部で連結された中子型を内挿し、前記型面に沿って前記長尺バンパを曲げ加工し、前記中子型を前記補強材として前記長尺バンパ内に残置することを特徴とする。
上記記載の発明によれば、曲げ加工前の長尺バンパ材に補強材となる中子型を入れることで、衝突想定側の内面と取り付け時車両側内面に沿う面を有する補強材が設置される。この状態で曲げ加工を行うと、中子型の型面は長尺バンパ材の曲げ加工面に沿っているため、加工をガイドする作用が働き、長尺バンパ材に引けが発生するのを防止でき、また曲げ形状の寸法安定性、曲がり部の角度(加工)精度が向上する。曲げ加工後は、上記中子型は補強材として残置されるため、抜き工程を省略することができ、作業効率が向上する。
以上説明したように、本発明のバンパ構造体は、車両の前後の少なくとも一方に取り付けられるバンパ構造体であって、中空形状の長尺バンパ材を有し、該長尺バンパ材は長手方向両端部側に取り付け時車両側に曲がる曲がり部を有しており、該曲がり部を挟んで長手方向に沿った補強材が内装されており、該補強材は前記長尺バンパ材の前記曲がり部を含む衝突想定側内面に沿った衝突想定側補強板と、前記曲がり部の長手方向内側で取り付け時車両側内面に沿い、かつ長手方向端部側で取り付け時車両側内面から離隔する取り付け時車両側補強板と、これら補強板に連なって補強板同士を支持する連結部とを有しているので、オフセット衝突等で曲がり部へ応力を受けた場合にも、応力集中を生じることなく確実に補強作用が得られ、軽量で高強度特性を有するバンパが得られる効果がある。
また、長手方向両端側に取り付け時車両側に曲がる曲がり部を有する中空形状の長尺バンパ材内に、補強材が内装されたバンパ構造体を製造する方法において、前記長尺バンパ内に、該長尺バンパの長手方向内面に沿った型裏面を有し、かつ該長尺バンパの曲げ加工面に合わせた型面を前面に有し、前記型裏面と型面とが連結部で連結された中子型を内挿し、前記型面に沿って前記長尺バンパを曲げ加工し、前記中子型を前記補強材として前記長尺バンパ内に残置するので、曲げ加工時に精度良く、また引けを発生することなく曲げ加工を行うことができ、さらには中子型の抜き取り作業を要することなく効率よくバンパを製造することができる。得られたバンパは、上記発明と同じく、軽量で優れた高強度特性を有している。
以下に、本発明のバンパ構造体の一実施形態を図1、2に基づいて説明する。
断面矩形で中空の長尺バンパ材10は、アルミニウム合金製からなり、望ましくは7000系アルミニウム合金(引張強度:250〜420MPa)が用いられる。該長尺バンパ材10は、取り付けられる車両の車幅に合わせて長さを定め、好適には押出成形によって得られる。該長尺バンパ材10は、車両取り付け時に車両側に向いて曲がった状態になる曲がり部15が両端部に設けられており、該曲がり部15は、曲げ加工などによって成形することができる。また、長尺バンパ材1内には、上記曲がり部15を挟んで高強度鋼製(例えば引張強度:590〜1200MPa)の補強材20が内装されている。
該補強材20は、前記曲がり部15の長手方向外側および内側で長尺バンパ材10の衝突想定側内面11に密着している衝突想定側補強板21と、前記曲がり部15の長手方向内側で長尺バンパ材1の取り付け時車両側内面12に密着し、曲がり部15からその外側にかけて直進し、前記取り付け時車両側内面12から外側にいくに従い次第に離隔する取り付け時車両側補強板22とを備えている。したがって上記衝突想定側補強板21と取り付け時車両側補強板22とは、曲がり部15の外側において次第に互いの間の距離が小さくなっている。さらに、上記衝突想定側補強板21と取り付け時車両側補強板22とは、長尺バンパ材10の衝突想定側と取り付け時車両側の間にある両側壁内面に沿った連結板23、23によって連結されており、連結板23、23は、曲がり部15の外側では、上記衝突想定側補強板21と取り付け時車両側補強板22との距離に合わせて次第に板幅が小さくなっている。上記衝突想定側補強板21と取り付け時車両側補強板22と連結板23、23によって補強材20が構成されており、連結板23、23が本発明の連結部に相当する。上記のように補強材20は断面矩形に形成され、曲がり部15の内側では断面積が略一定で、曲がり部15からその外側にかけて断面積が次第に小さくなっている。
上記により構成されるバンパ構造体は、上記曲がり部15の長手方向内側で、車両に設けられているステー1、1に、取り付け板2、2を介してボルト3、ナット24により固定されている。なお、ナット24、24は、長尺バンパ10への内装前に予め補強材20の取り付け時車両側補強板22の内面に溶接などにより取り付けられたものであり、本発明でいう雌ねじ部に相当する。補強材20にナット24を設けたことにより、車体との取り付けに用いるナットプレート32やナットプレート保持用のフック31を省略することができる。そして補強材20は、上記取り付け板2、2を覆ってさらにその内側に伸張している。
なお、この実施形態では、補強材20を断面矩形状のものとしたが、衝突想定側補強板と取り付け時車両側補強板の間に一枚の連結板を連結部として設けることにより断面が略I型をなすものを用いることもできる。
次に、上記バンパ構造体の作用について説明する。
長尺バンパ材10の長手方向端部側へのオフセット衝突などが発生した場合、曲がり部15では車両側に向けて曲げ応力を受けるが、曲がり部15周辺の衝突想定側内面11は、取り付け時車両側補強板22および連結板23で支持された衝突想定側補強板21が密着して補強されており、容易に変形、座屈することがない。この際に、衝突想定側補強板21と取り付け時車両側補強板22は、曲がり部15の内側でそれぞれ長尺バンパ材10の内面に密着しているため、補強材20は確実に支持され、より高い強度特性を示す。
また、衝突想定側補強板21に加わった応力は、連結板23を介して取り付け時車両側補強板22に伝わるが、取り付け時車両側補強板22は、曲がり部15の外側では取り付け時車両側内面12とは接触することなく離隔しているため、該応力は、曲がり部15の外側では長尺バンパ材10の車両側の壁面には伝わらない。これにより、従来、ステー取り付け部や補強材有無境界で生じていた応力集中が発生することはなく、バンパ構造体は優れた耐荷重特性を示す。なお、取り付け時車両側補強板22は、上記したように曲がり部15の内側で長尺バンパ材10の内面に密着して確実かつ強固に支持がなされており、上記応力に対し、高い強度特性を示す。
なお、上記実施形態では、断面矩形状の補強材を用いているが、該補強材の補強板にバンパ幅方向に沿って帯状の切り欠きを設けることができる。
図3に示す補強材25は、前記実施形態と同様に、衝突想定側補強板26と取り付け時車両側補強板27と連結板28とによって構成されており、全体形状は、前記補強材20と同様である。この実施形態では、衝突想定側補強板26において、長尺バンパ材の曲がり部に当たる部分を挟んで長手方向に沿って一部区間に亘って帯状に切り欠き29が形成されている。この補強材25を用いたバンパ構造体では、衝突応力が加わった際に、該切り欠き29によって応力の緩和作用が得られるため、補強材25から長尺バンパ材に伝わる応力によって長尺バンパ材が損傷するのを防止することができる。また、後述するように該補強材を中子型として用いる場合、上記切り欠きは、曲げ加工に際し曲げ応力が長尺バンパ材に伝わって該長尺バンパが損傷するのを防止する効果もある。
なお、上記説明では、切り欠きを衝突想定側補強板の一部区間に設けるものとしたが、長手方向全体に亘って設けることもでき、取り付け時車両側補強板と衝突想定側補強板のいずれかまたは両方に切り欠きを設けることも可能である。
次に、本発明のバンパ構造体の製造方法を図4に基づいて説明する。
先ず、図4(a)に示すように、中空押し出し材からなる長尺バンパ材10内に、長尺バンパ材10の内寸法よりもわずかに外寸法を小さくした補強材20を中子型として挿入配置する。補強材20は、前記したように、長尺バンパ材10の衝突想定側内面11に沿った平面部と後述する曲げ加工面に沿った曲がり面とを有する衝突想定側補強板21を有しており、該衝突想定側補強板21の外面が曲げ加工面となる。また、補強材20は、前記衝突想定側補強板21に対向して平面状の取り付け時車両側補強板22を有しており、該取り付け時車両側補強板が長尺バンパ10の取り付け時車両側内面12に沿う型裏面となる。
補強材20は、長尺バンパ材10内で予め補強材として設置すべき位置に位置決めした後、図4(b)に示すように、長尺バンパ材10の外側に曲げ応力を加えて長尺バンパ材10の両端側を衝突想定側補強板21の曲がり面に沿って曲げ加工する。これにより長尺バンパ材10は、衝突想定側補強板21の外面形状に従って加工精度良く曲がり部15が形成され、衝突想定側補強板21全体が、長尺バンパ材10の衝突想定側内面11に密着する。また、曲げ加工の際に、衝突想定側補強板21の外面形状に従って長尺バンパ材10が変形するので長尺バンパ材10に引けが生じることもない。曲がり部15の形成によって、長尺バンパ材10の取り付け時車両側では、曲がり部15から曲がり部の外側にかけて、取り付け時車両側内面12が取り付け時車両側補強板22から離隔する。そして、曲がり部15の内側で取り付け時車両側補強板22は取り付け時車両側内面12に密着している。
上記曲げ加工後は、図4(c)に示すように、補強材20を長尺バンパ材10内に残置させたままバンパ構造体として使用する。
上記製造方法では、専用の中子型の設計、製造が不要であり、曲げ加工後も中子型を抜き取る作用が不要となるので、製造コストの低減、作業効率の向上という効果が得られる。
以上、本発明について、上記実施形態に基づいて説明を行ったが、本発明は、上記実施形態で説明された内容に限定するものではなく、本発明の範囲を逸脱しない範囲で適宜の変更が可能である。
次に、本発明の実施例を比較例と比較しつつ説明する。
JIS 7000系アルミニウム合金製の長尺バンパ材10内に、厚み2mmのスチール製780MPa強度材の補強材20を内装し、前記実施形態で示すバンパ構造体を得た。このバンパ構造体をステーに見立てた台座50に取り付けて曲がり部外側に荷重を加えることでオフセット衝突を想定した負荷試験を行った。また、比較のため、長尺バンパ材40の曲がり部の内側にのみ補強材42を内装させたバンパ構造体を用意し、同じく負荷試験を行った。
負荷試験は、バンパ構造体端部側の所定位置に負荷を所定の時間連続的に加えた。試験に際し、バンパ構造体に加わる荷重をLivermore Software Technology社製LS−DYNA ver.970型にて解析し、各部分の衝突における荷重分布を図5、6に示した。該図では、大きな荷重が加わるほど黒点が密になるように表示されている。
上記負荷試験の結果、本発明のバンパ構造体では、曲がり部の周辺の広い領域に荷重点が分散しているのに対し、比較例のバンパ構造体では、取り付け部の外側近傍に荷重点が集中しており、応力集中が生じていることが分かる。
本発明の一実施形態のバンパ構造体を示す断面図である。 同じく、バンパ構造体を示す斜視図である。 同じく、補強材の変更例を示す斜視図である。 本発明の一実施形態のバンパ構造体の製造工程を示す図である。 実施例における発明材の負荷試験結果を示す応力分布図である。 同じく比較例の負荷試験結果を示す応力分布図である。 従来のバンパ構造体を示す断面図である。 従来の他のバンパ構造体を示す図である。
符号の説明
10 長尺バンパ材
11 衝突想定側内面
12 取り付け時車両側内面
15 曲がり部
20 補強材
21 衝突想定側補強板
22 取り付け時車両側補強板
23 連結板
25 補強材
26 衝突想定側補強板
27 取り付け時車両側補強板
28 連結板
29 切り欠き

Claims (6)

  1. 車両の前後の少なくとも一方に取り付けられるバンパ構造体であって、中空形状の長尺バンパ材を有し、該長尺バンパ材は長手方向両端部側に取り付け時車両側に曲がる曲がり部を有しており、該曲がり部を挟んで長手方向に沿った補強材が内装されており、該補強材は前記長尺バンパ材の前記曲がり部を含む衝突想定側内面に沿った衝突想定側補強板と、前記曲がり部の長手方向内側で取り付け時車両側内面に沿い、かつ長手方向端部側で取り付け時車両側内面から離隔する取り付け時車両側補強板と、これら補強板に連なって補強板同士を支持する連結部とを有していることを特徴とするバンパ構造体。
  2. 前記補強材は、前記曲がり部の前記長手方向内側において、前記衝突想定側補強板が前記衝突想定側内面に密接し、前記取り付け時車両側補強板が前記取り付け時車両側内面に密接していることを特徴とする請求項1記載のバンパ構造体。
  3. 前記補強材は、前記取り付け時車両側補強板および前記衝突想定側補強板のいずれかまたは両方に前記長手方向に沿って長手方向の一部または全部で帯状に切り欠きが形成されていることを特徴とする請求項1または2記載のバンパ構造体。
  4. 前記長尺バンパ材がアルミニウム合金で構成され、前記補強材が鋼で構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のバンパ構造体。
  5. 前記補強材は、前記取り付け時車両側補強板に車両側のボルトが螺合される雌ねじ部が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のバンパ構造体。
  6. 長手方向両端側に取り付け時車両側に曲がる曲がり部を有する中空形状の長尺バンパ材内に、補強材が内装されたバンパ構造体を製造する方法において、前記長尺バンパ内に、該長尺バンパの長手方向内面に沿った型裏面を有し、かつ該長尺バンパの曲げ加工面に合わせた型面を前面に有し、前記型裏面と型面とが連結部で連結された中子型を内挿し、前記型面に沿って前記長尺バンパを曲げ加工し、前記中子型を前記補強材として前記長尺バンパ内に残置することを特徴とするバンパ構造体の製造方法。
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