JP4844500B2 - サスペンション - Google Patents

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Description

本発明は、車両のサスペンションに関する。
従来、車両の乗り心地を向上させるためのサスペンションとして、特許文献1に記載のサスペンションが知られている。このサスペンションは、トレーリングアーム式リアサスペンションにおいて、アクスルの瞬間回転中心をホイルセンターよりも前方且つ上方に位置させ、ばね下が上下にストロークした際のホイルセンター軌跡を後傾化させるように設定することで、タイヤから入力される前後力を低減させ、ブッシュの剛性を低くすることなくハーシュネスの低減を図っている。
特開2001−270313号公報
しかしながら、上記のサスペンションにおいて、ホイルセンター軌跡の後傾化だけでは、タイヤから入力される前後力の低減が十分ではないという問題があった。
そこで、本発明は、タイヤから入力される前後力をより効果的に低減することができるサスペンションを提供することを目的とする。
ここで、発明者らは、鋭意検討の結果、減衰器の配置等も、タイヤから入力される前後力の低減に影響があるとの知見に至り、この減衰器の配置等とタイヤから入力される前後力との関係を導き出すことに成功した。
そこで、本発明に係るサスペンションは、上記の発明者らによる知見に基づきなされたものであり、車両前後方向に延びて車体とスピンドル軸との間に配置されるアーム部材と、車両上下方向に延びて車体とスピンドル軸との間に配置される減衰器とを備えたサスペンションにおいて、ばね下が上下にストロークした際にタイヤから入力される車両前後方向の前後力が、ばね下が上下にストロークした際に前記アーム部材及び前記減衰器により発生し、前記アーム部材の剛性、前記スピンドル軸回りの剛性、前記減衰器の減衰係数、車両上下方向の線に対して前記減衰器がなす傾角及び車両前後方向の線に対して前記アーム部材の剛性が作用する方向の軸がなす反角に基づいて算出される車両前後方向の前後反力で相殺されるように、前記アーム部材の剛性、前記スピンドル軸回りの剛性、前記減衰器の減衰係数、車両上下方向の線に対して前記減衰器がなす傾角及び車両前後方向の線に対して前記アーム部材の剛性が作用する方向の軸がなす反角が設定されることを特徴とする。
このサスペンションによれば、減衰器の設定も加味して、タイヤから入力される前後力を相殺するようにサスペンションが設定されるため、タイヤから入力される前後力を効果的に低減することができ、ばね下の車両前後方向の振動を抑制して車両の乗心地を向上させることができる。
そして、タイヤから入力される前後力を相殺するように、アーム部材の剛性と、スピンドル軸回りの剛性と、減衰器の減衰係数と、車両上下方向の線に対して減衰器がなす傾角と、車両前後方向の線に対してアーム部材の剛性が作用する方向の軸がなす反角と、が設定される。このため、タイヤから入力される前後力をより高精度に低減することができ、ばね下の車両前後方向の振動を抑制して車両の乗心地を向上させることができる。
また、本発明に係るサスペンションは、上記の発明者らによる知見に基づきなされたものであり、車両前後方向に延びて車体とスピンドル軸との間に配置されるアーム部材と、車両上下方向に延びて車体とスピンドル軸との間に配置される減衰器とを備えたサスペンションにおいて、ばね下が上下にストロークした際にタイヤから入力される車両前後方向の前後力が、ばね下が上下にストロークした際に前記アーム部材により発生し、前記アーム部材の剛性、前記スピンドル軸回りの剛性、前記減衰器の減衰係数、車両上下方向の線に対して前記減衰器がなす傾角及び車両前後方向の線に対して前記アーム部材の剛性が作用する方向の軸がなす反角に基づいて算出される車両前後方向の前後力と、ばね下が上下にストロークした際に前記減衰器により発生し、前記アーム部材の剛性及び車両前後方向の線に対して前記アーム部材の剛性が作用する方向の軸がなす反角に基づいて算出される車両前後方向の前後力と、の合力である車両前後方向の前後反力で相殺されるように、前記アーム部材の剛性、前記スピンドル軸回りの剛性、前記減衰器の減衰係数、車両上下方向の線に対して前記減衰器がなす傾角及び車両前後方向の線に対して前記アーム部材の剛性が作用する方向の軸がなす反角が設定されることを特徴とする。
このサスペンションによれば、減衰器の設定も加味して、タイヤから入力される前後力を相殺するようにサスペンションが設定されるため、タイヤから入力される前後力を効果的に低減することができ、ばね下の車両前後方向の振動を抑制して車両の乗心地を向上させることができる。
そして、タイヤから入力される前後力を相殺するように、アーム部材の剛性と、スピンドル軸回りの剛性と、減衰器の減衰係数と、車両上下方向の線に対して減衰器がなす傾角と、車両前後方向の線に対してアーム部材の剛性が作用する方向の軸がなす反角と、が設定される。このため、タイヤから入力される前後力をより高精度に低減することができ、ばね下の車両前後方向の振動を抑制して車両の乗心地を向上させることができる。
そして、所定の車速条件及び乗車重量条件の下でタイヤから入力される車両前後方向の前記前後力が相殺されるように、前記アーム部材の剛性及び前記傾角が設定されることが好ましい。このサスペンションによれば、所定の車速条件及び乗車重量条件において、タイヤから入力される前後力を相殺することができ、例えば、所望の車速条件及び乗車重量条件として、使用頻度の高い車速条件及び乗車重量条件を用いることで、タイヤから入力される前後力をより効率的に低減することができる。

また、上記反角又は傾角の変化に伴いアーム部材の剛性を変更する剛性変更手段を更に備えることが好ましく、また、上記反角又は傾角の変化に伴い減衰器の減衰係数を変更する減衰係数変更手段を更に備えることが好ましい。車両の重量条件が変化すると、アーム部材の剛性が作用する方向の軸が車両前後方向の線に対してなす反角や、車両前後方向の線に対してアーム部材の剛性が作用する方向の軸がなす反角が変化すると共に、前後反力も変化する。そこで、この反角の変化に伴い、アーム部材の剛性を変化させ、また、減衰器の減衰係数を変化させることで、車両の重量条件の変化に応じてアーム部材及び減衰器により発生する前後反力を調整することができ、タイヤから入力される前後力をより効果的に低減することができる。
また、車速又は車両重量の変化に伴いアーム部材の剛性を変更する剛性変更手段を更に備えることが好ましく、また、車速又は車両重量の変化に伴い減衰器の減衰係数を変更する減衰係数変更手段を更に備えることが好ましい。車速や車両重量によりタイヤから入力される前後力が変化しても、この車速や車両重量の変化に伴いアーム部材の剛性や減衰器の減衰係数が変更されるため、タイヤから入力される前後力をより効果的に低減することができる。
本発明によれば、タイヤから入力される前後力をより効果的に低減することができ、車両の乗心地を向上させることができる。
以下、図面を参照して、本発明に係るサスペンションの実施形態について説明する。本実施形態は、本発明に係るサスペンションを、車両のリアサスペンションに適用したものである。なお、全図中、同一又は相当部分には同一符号を付すこととする。
[第1実施形態]
図1及び図2を参照して、第1の実施形態に係るサスペンション1について説明する。図1は、実施形態に係るサスペンションを適用した車両を模式的に示した図である。図2は、サスペンションの配置を説明するための図である。
車両2に適用されるサスペンション1は、リアタイヤ3から入力される振動を吸収すると共に、車体8を懸架するものであり、アーム4やアブソーバ6等を備える。なお、本実施の形態では、説明を容易にするため、サスペンションのアームは1本で構成される例を用いて説明する。
アーム4は、車体8とリアタイヤ3との間で連結されて、リアタイヤ3の動きをコントロールする部材である。アーム4は、スピンドル軸7を回動自在に支持するハブ(不図示)に連結されており、そこから僅かに車両上方に傾斜しながら車両前方に向けて延び、車体8に連結されている。
そして、アーム4とハブとの連結点は、ばね下の重心位置よりも距離Hだけ車両下方にずれた位置に配置されている。なお、本実施形態では、ばね下の重心位置は、リアタイヤ3のスピンドル軸7にあることとする。
ところで、サスペンション1のある点に略車両前後方向の力を加えると、この力を加えた方向とサスペンション1が動く方向とが一致する点があり、この点が通る仮想的な軸を、前後弾性主軸Aという。なお、本実施形態では、アームが1本で構成されているため、アーム4及びハブが連結される点とアーム4及び車体8が連結される点とを結ぶ線、つまり、アーム4の中心を通る軸が、前後弾性主軸Aとなる。また、車両前後方向の線である水平線Dに対して前後弾性主軸Aが上方に傾斜する角を、前後弾性主軸上反角βという。
また、アーム4には、車体8との連結部分に、コンプライアンスブッシュ5が嵌め込まれている。このコンプライアンスブッシュ5は、車体8とアーム4とを弾力的に連結すると共に、車両前後方向の振動を吸収する部材である。このため、アーム4の剛性、つまり前後弾性主軸Aの前後弾性主軸剛性Kは、コンプライアンスブッシュ5のばね定数により決まる。
アブソーバ6は、車体8とリアタイヤ3との間で連結されて、リアタイヤ3から(ばね下に)入力される力を、車両上下方向にストロークしながら減衰させる部材である。アブソーバ6は、スピンドル軸7を回動自在に支持するハブに連結されており、そこから車両前方に傾斜しながら車両上方に向けて延び、車体8に連結されている。そして、アーム4とハブとの連結点は、ばね下の重心位置(スピンドル軸7)よりも距離Lだけ車両後方にずれた位置に配置されている。なお、アブソーバ6には、コイルスプリング(不図示)が組み込まれて構成されている。
ここで、アブソーバ6の減衰力が作用する方向の軸を、減衰主軸Bという。なお、本実施形態では、アブソーバ6及びハブが連結される点とアブソーバ6及び車体8が連結される点とを結ぶ線、つまり、アブソーバ6の中心を通る軸が、減衰主軸Bとなる。また、車両上下方向の線である鉛直線Eに対してアブソーバ6(減衰主軸B)が前方に傾斜する角を、減衰主軸前傾角αという。
次に、サスペンション1の設定方法について説明する。
まず、ばね下が上下にストロークした際に、リアタイヤ3から入力される車両前後方向の力(以下「前後力」という)をFtv(v)とする。そして、サスペンション1の各諸元を下記とすると、リアタイヤ3から入力される前後力Ftv(v)は、式(1)により表される。なお、式(1)において、Ftv(s)及びZ(s)は、それぞれ、Ftv(v)及びZをラプラス変換したものであり、sはラプラス演算子である。また、図2の矢印方向を正方向として表している。
C:アブソーバの減衰係数
tz:タイヤの車両上下方向剛性
tx:タイヤの車両前後方向剛性
:ドライビングスティフネス
Z:ばね下重心位置の上下変位
X:ばね下重心位置の前後変位
W:垂直荷重
m:ばね下重量
:タイヤとホイールの慣性モーメント
:タイヤ動荷重半径
ε:[動荷重半径(タイヤ撓み)変動量]/[静加重半径(タイヤ撓み)変動量]
:車速
Figure 0004844500
一方、ばね下が上下にストロークした際に、アブソーバ6(減衰主軸B)が発生する前後力をFkzとする。そして、サスペンション1の各諸元を下記とすると、アブソーバ6(減衰主軸B)が発生する前後力Fkzは、式(2)で表される。なお、式(2)において、Fkzは、Fkz(s)をラプラス変換したものである。
C:アブソーバの減衰係数
α:減衰主軸前傾角(車両側面視において、鉛直線Eに対してアブソーバ6(減衰主軸B)が車両前方に傾く角度)
β:前後弾性主軸上反角(車両側面視において、水平線Dに対して前後弾性主軸Aが車両上方に傾く角度)
θ:ワインドアップ剛性(アクスルキャリア(不図示)がスピンドル軸回りに回転する際の剛性)
:前後弾性主軸剛性
H:ばね下重心位置と前後弾性主軸Aとの車両上下方向のずれ量
L:ばね下重心位置と減衰主軸Bとの車両前後方向のずれ量
Figure 0004844500
また、ばね下が上下にストロークした際に、前後弾性主軸Aが発生する前後力をFkxとすると、この前後力Fkxは、式(3)で表される。なお、式(3)において、Fkx(s)は、Fkxをラプラス変換したものである。
Figure 0004844500
そして、リアタイヤ3から入力される前後力Ftv(v)が、アブソーバ6(減衰主軸B)が発生する前後力Fkzと前後弾性主軸Aが発生する前後力Fkxとの合力である前後反力Fxs(Fkz+Fkx)により相殺されるように、サスペンション1を設定する。つまり、式(1)及び式(4)を満たす、減衰主軸前傾角α、前後弾性主軸上反角β、ワインドアップ剛性Kθ、前後弾性主軸剛性K、アブソーバの減衰係数C、ばね下重心位置と前後弾性主軸Aとの車両上下方向のずれ量H、及び、ばね下重心位置と減衰主軸Bとの車両前後方向のずれ量Lを求め、この求めた各諸元により、サスペンション1を設定する。
Figure 0004844500
ところでリアタイヤ3から入力される前後力Ftv(v)は、車速(v)により変化する関数であり、車速、ばね下重量、タイヤ諸元等が決まれば略一義的に定まる値となる。そこで、使用頻度が高い車速条件と、使用頻度が高い乗車重量条件とを用いて、上記式(1)及び式(4)を満たす前後弾性主軸剛性Kと減衰主軸前傾角αとを求め、サスペンション1を設定するようにしても良い。
このように、第1の実施形態に係るサスペンション1によれば、ばね下が上下にストロークする際にリアタイヤ3から入力される前後力Ftv(v)が、アーム4及びコンプライアンスブッシュ5で構成されるアーム部材とアブソーバ6とにより発生する前後反力Fxs(Fkz+Fkx)によって相殺されるように、前後弾性主軸剛性K、ワインドアップ剛性Kθ、減衰係数C、前後弾性主軸上反角β、減衰主軸前傾角α、ばね下重心位置と前後弾性主軸Aとの車両上下方向のずれ量H、及び、ばね下重心位置と減衰主軸Bとの車両前後方向のずれ量Lが設定されるため、リアタイヤ3から入力される前後力Ftv(v)を効果的に低減することができる。しかも、アブソーバ6の配置、剛性、及び減衰係数も加味してサスペンションが設定されるため、リアタイヤ3から入力される前後力Ftv(v)をより高精度に低減することができ、ばね下の車両前後方向の振動を抑制して車両2の乗心地を向上させることができる。
そして、使用頻度が高い車速条件と使用頻度が高い乗車重量条件とを用いて、前後弾性主軸剛性Kと減衰主軸前傾角αとを求め、サスペンション1を設定することで、リアタイヤ3から入力される前後力Ftv(v)をより効率的に低減することができる。
[第2実施形態]
次に、図3及び図4をも参照して、第2の実施形態に係るサスペンション11について説明する。図3は、第2の実施形態に係るサスペンションの一部をブロック構成で示した図、図4は、コンプライアンスブッシュとアームの関係を示した図である。
サスペンション11は、第1の実施形態に係るサスペンション1と同様のアーム4と、減衰係数が変更可能な電子制御アブソーバ12と、前後弾性主軸上反角βを検出する前後弾性主軸上反角検出センサ13と、車体8に対して回転可能に取り付けられたコンプライアンスブッシュ14と、コンプライアンスブッシュ14を回転させて前後弾性主軸剛性Kを変更する前後弾性主軸剛性変更装置15と、電子制御アブソーバ12の減衰係数を変更する減衰係数変更装置16と、前後弾性主軸上反角検出センサ13で検出した前後弾性主軸上反角βに基づき、前後弾性主軸剛性変更装置15及び減衰係数変更装置16を制御するECU17と、を備えている。
電子制御アブソーバ12は、減衰係数変更装置16により、減衰係数が変更可能となっている。この減衰係数変更装置16は、例えば、電子制御アブソーバ12内に充填されている作動流体の流動抵抗を変更することで、電子制御アブソーバ12の減衰力を変更して減衰係数Cを変更するものである。
コンプライアンスブッシュ14は、アーム4と車体8とを弾性的に連結する部材である。図4に示すように、コンプライアンスブッシュ14は、略圧肉円筒状に形成されており、車体8の下部に設けられたブッシュ取り付け穴21に圧入されている。コンプライアンスブッシュ14は、車体8に固定されてゴムなどの弾性材で形成される弾性部22と、弾性部22の半径方向内側に位置してアーム4を軸回り方向に揺動自在に取り付けるアーム取り付け部23とを備えている。そして、弾性部22とアーム取り付け部23とは、コンプライアンスブッシュ14の軸周りに回転するベアリング(不図示)を介して連結されており、車体8に取り付けられた前後弾性主軸剛性変更装置15により、回転されるように構成されている。この前後弾性主軸剛性変更装置15は、モータなどを用いて、コンプライアンスブッシュ14を回転させ、コンプライアンスブッシュ14における前後弾性主軸Aの方向のばね定数を変更させて、前後弾性主軸剛性Kを変更するものである。
また、コンプライアンスブッシュ14の弾性部22には、すぐり(弾性部22に設けられる穴)24が形成されている。このすぐり24は、アーム取り付け部23を挟んで車両上下方向に1箇所ずつ形成されている。
図4(a)は、乗車重量が小さく車体が沈み込んでおらず、前後弾性主軸上反角βが比較的大きくなっている場合を示しており、図4(b)は、乗車重量が小さく車体が沈み込んでおり、前後弾性主軸上反角βが比較的小さくなっている場合を示している。
図4(a)に示すように、車両側面視において、アーム4とすぐり24の一部が重なっていると、すぐり24の空間によって、前後弾性主軸A方向における弾性部22の密度が小さくなる。このため、前後弾性主軸A方向におけるコンプライアンスブッシュ14のばね定数が小さくなり、前後弾性主軸剛性Kが小さくなる。一方、図4(b)に示すように、車両側面視において、アーム4とすぐり24が重なっていないと、前後弾性主軸A方向におけるコンプライアンスブッシュ14のばね定数はすぐり24の影響を殆ど受けにくくなるため、前後弾性主軸剛性Kxが大きくなる。
このように、前後弾性主軸上反角βが変動すると、すぐり24に対するアーム4の位置に応じてコンプライアンスブッシュ14における前後弾性主軸A方向のばね定数が変動し、前後弾性主軸剛性Kが変動する。
ECU17は、上記式(4)を満たすように、前後弾性主軸上反角βと前後弾性主軸剛性Kとが対応付けられた前後弾性主軸剛性テーブルと、上記式(4)を満たすように、前後弾性主軸上反角βとアブソーバの減衰係数Cとが対応付けられた減衰係数テーブルとを保有している。そして、ECU17は、この前後弾性主軸剛性テーブル及び減衰係数テーブルを参照して、前後弾性主軸上反角検出センサ13で検出した前後弾性主軸上反角βに基づき、前後弾性主軸剛性変更装置15及び減衰係数変更装置16を制御する。
次に、図5を参照しながら、サスペンション11の設定動作について説明する。図5は、サスペンションの設定動作を示したフローチャートである。
始めに、第1の実施形態に係るサスペンション1と同様に、式(4)を満たすような、減衰主軸前傾角α、前後弾性主軸上反角β、ワインドアップ剛性Kθ、前後弾性主軸剛性K、アブソーバの減衰係数C、ばね下重心位置と前後弾性主軸Aとの車両上下方向のずれ量H、及び、ばね下重心位置と減衰主軸Bとの車両前後方向のずれ量Lにより、サスペンション11を設定する。
その後、イグニションがONにされると、イグニションがOFFにされるまでの間、下記の処理が繰り返される。まず、ECU17は、前後弾性主軸上反角検出センサ13が検出した前後弾性主軸上反角βを取得する(ステップS1)。
そして、ECU17は、前後弾性主軸剛性テーブルから、ステップS1において取得した前後弾性主軸上反角βに対応付けられた前後弾性主軸剛性Kを取得する。そして、前後弾性主軸Aの前後弾性主軸剛性Kが、前後弾性主軸剛性テーブルから取得した前後弾性主軸剛性Kとなるように、前後弾性主軸剛性変更装置15を制御して、前後弾性主軸剛性Kを設定変更する(ステップS2)。なお、ステップS2において、前後弾性主軸剛性変更装置15は、コンプライアンスブッシュ14を回転させることで前後弾性主軸Aの前後弾性主軸剛性Kを設定変更する。
また、ECU17は、減衰係数テーブルから、ステップS1において取得した減衰主軸前傾角αに対応付けられた減衰係数Cを取得する。そして、電子制御アブソーバ12の減衰係数Cが、減衰係数テーブルから取得した減衰係数Cとなるように、減衰係数変更装置16を制御して、減衰係数Cを設定変更する(ステップS3)。
このように、第2の実施形態に係るサスペンション11によれば、前後弾性主軸上反角βの変化に伴い前後弾性主軸剛性Kを変化させ、また、減衰主軸前傾角αの変化に伴い減衰係数Cを変化させることで、車両2の重量条件の変化に応じて前後反力Fxs(Fkz+Fkx)を調整することができ、リアタイヤ3から入力される前後力Ftv(v)をより効果的に低減することができる。
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されることなく様々な形態で実施される。
例えば、上記実施形態では、サスペンションは1本のアームで構成されるものとして説明したが、特にアームの本数や、サスペンションの形式に限定されるものではなく、例えばダブルウィッシュボーン式サスペンションやマルチリンク式サスペンションなどのサスペンション形式であっても良い。
また、上記実施形態では、各諸元は独立して設定するものとして説明したが、サスペンションの形式によっては、1つの諸元を変更すると、他の諸元も連動して変更される場合がある。具体的には、例えば、マルチリンク式のサスペンションを考えた場合、前後弾性主軸剛性Kやばね下重心位置と前後弾性主軸Aを変更すると、前後弾性主軸上反角βも連動して変更される。このため、本発明は、各諸元における互いの連動、関係を総合的に考慮して、上記式(4)を満たすようにサスペンションを設定するのが好ましい。
また、上記実施形態では、前後弾性主軸剛性変更装置15を制御することで、前後弾性主軸上反角βに基づき前後弾性主軸剛性Kを変更するように説明したが、例えば、前後弾性主軸上反角βが変化しても、前後弾性主軸剛性Kが上記式(4)を満たすように、コンプライアンスブッシュに形成されるすぐりの位置及び形状を設定するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、前後弾性主軸剛性テーブル及び減衰係数テーブルを用いて、前後弾性主軸上反角β及び前後弾性主軸上反角βの変化に伴い前後弾性主軸剛性K及び減衰係数Cを変化させるように説明したが、車速又は車両重量と前後弾性主軸剛性Kとが互いに対応付けられたテーブル、及び、車速又は車両重量と減衰係数Cとが互いに対応付けられたテーブルを用いて、車速又は車両重量の変化に伴い前後弾性主軸剛性K及び減衰係数Cを変化させるようにしてもよい。このようにすることで、車速や車両重量によりタイヤから入力される前後力が変化しても、この車速や車両重量の変化に伴いアーム部材の剛性や減衰器の減衰係数が変更されるため、タイヤから入力される前後力をより効果的に低減することができる。
また、第2の実施形態では、前後弾性主軸上反角βの変化に伴い前後弾性主軸剛性Kを変化させ、減衰主軸前傾角αの変化に伴い減衰係数Cを変化させるように説明したが、前後弾性主軸上反角β及び減衰主軸前傾角αの何れか一方又は双方の変化に伴い、前後弾性主軸剛性K及び減衰係数Cの何れか一方又は双方を変化させるようにしてもよい。この場合であっても、上述した実施形態と同様の作用効果を奏するものである。
実施形態に係るサスペンションを適用した車両を模式的に示した図である。 サスペンションの配置を説明するための図である。 第2の実施形態に係るサスペンションの一部のブロック構成を示した図である。 コンプライアンスブッシュとアームの関係を示した図であり、(a)はアームの傾斜角が大きい場合を示し、(b)はアームの傾斜角が小さい場合を示している。 サスペンションの設定動作を示したフローチャートである。
符号の説明
1,11…サスペンション、2…車両、3…リアタイヤ、4…アーム(アーム部材)、5,14…コンプライアンスブッシュ(アーム部材)、6,12…アブソーバ(減衰器)、7…スピンドル軸、8…車体、15…前後弾性主軸剛性変更装置(剛性変更手段)、16…減衰係数変更装置(減衰係数変更手段)、C…減衰係数、K…前後弾性主軸剛性(アーム部材の剛性)、Kθ…ワインドアップ剛性(軸回りにおける減衰器の剛性)、α…減衰主軸前傾角(車両上下方向の線に対して減衰器がなす傾角)、β…前後弾性主軸上反角(車両前後方向の線に対してアーム部材の剛性が作用する方向の軸がなす反角)。

Claims (7)

  1. 車両前後方向に延びて車体とスピンドル軸との間に配置されるアーム部材と、車両上下方向に延びて車体とスピンドル軸との間に配置される減衰器とを備えたサスペンションにおいて、
    ばね下が上下にストロークした際にタイヤから入力される車両前後方向の前後力が、ばね下が上下にストロークした際に前記アーム部材及び前記減衰器により発生し、前記アーム部材の剛性、前記スピンドル軸回りの剛性、前記減衰器の減衰係数、車両上下方向の線に対して前記減衰器がなす傾角及び車両前後方向の線に対して前記アーム部材の剛性が作用する方向の軸がなす反角に基づいて算出される車両前後方向の前後反力で相殺されるように、前記アーム部材の剛性、前記スピンドル軸回りの剛性、前記減衰器の減衰係数、車両上下方向の線に対して前記減衰器がなす傾角及び車両前後方向の線に対して前記アーム部材の剛性が作用する方向の軸がなす反角が設定されることを特徴とするサスペンション。
  2. 車両前後方向に延びて車体とスピンドル軸との間に配置されるアーム部材と、車両上下方向に延びて車体とスピンドル軸との間に配置される減衰器とを備えたサスペンションにおいて、
    ばね下が上下にストロークした際にタイヤから入力される車両前後方向の前後力が、ばね下が上下にストロークした際に前記アーム部材により発生し、前記アーム部材の剛性、前記スピンドル軸回りの剛性、前記減衰器の減衰係数、車両上下方向の線に対して前記減衰器がなす傾角及び車両前後方向の線に対して前記アーム部材の剛性が作用する方向の軸がなす反角に基づいて算出される車両前後方向の前後力と、ばね下が上下にストロークした際に前記減衰器により発生し、前記アーム部材の剛性及び車両前後方向の線に対して前記アーム部材の剛性が作用する方向の軸がなす反角に基づいて算出される車両前後方向の前後力と、の合力である車両前後方向の前後反力で相殺されるように、前記アーム部材の剛性、前記スピンドル軸回りの剛性、前記減衰器の減衰係数、車両上下方向の線に対して前記減衰器がなす傾角及び車両前後方向の線に対して前記アーム部材の剛性が作用する方向の軸がなす反角が設定されることを特徴とするサスペンション。
  3. 所定の車速条件及び乗車重量条件の下でタイヤから入力される車両前後方向の前記前後力が相殺されるように、前記アーム部材の剛性及び前記傾角が設定されることを特徴とする請求項1又は2に記載のサスペンション。
  4. 前記反角又は前記傾角の変化に伴い前記アーム部材の剛性を変更する剛性変更手段を更に備えることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のサスペンション。
  5. 車速又は車両重量の変化に伴い前記アーム部材の剛性を変更する剛性変更手段を更に備えることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のサスペンション。
  6. 前記反角又は前記傾角の変化に伴い前記減衰器の減衰係数を変更する減衰係数変更手段を更に備えることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のサスペンション。
  7. 車速又は車両重量の変化に伴い前記減衰器の減衰係数を変更する減衰係数変更手段を更に備えることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のサスペンション。
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