JP4841073B2 - アスファルト組成物、及びアスファルト改質用ブロック共重合体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定のビニル芳香族炭化水素とイソプレン及び1,3−ブタジエンからなるブロック共重合体、及びこのブロック共重合体を改質剤とする高温貯蔵安定性(相分離安定性)及び低温特性に優れたアスファルト組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、アスファルト組成物は、道路舗装、防水シート、遮音シート、ルーフィング等の用途に広く利用されている。その際、アスファルトに種々のポリマーを添加して、その性質を改良しようとする試みが多くなされている。
そのポリマーの具体例としては、エチレンー酢酸ビニル共重合体、エチレンーエチルアクリレート共重合体、ゴムラテックス、共役ジエンとビニル芳香族炭化水素とからなるブロック共重合体等が使用されている。
例えば、特公昭47−17319号公報にはビニル芳香族化合物と共役ジエン化合物のブロック共重合体を使用したアスファルト組成物が示されている。
【0003】
しかしながら、近年、道路通行車両の増大、或いは高速化といった事情に伴って、優れた強度、耐摩耗性のアスファルト混合物、さらに、強度、耐摩耗性を保持しつつ、こういった高速での排水性改良や騒音低減化を目的として、開粒度の高いアスファルト混合物の要求がますます高まっている。
このため、より高い軟化点や曲げ応力、骨材把握力などの機械的強度が必要とされ、例えば上記ブロック共重合体の分子量を上げることにより改良することが試みられているが、このような方法では高温貯蔵時貯蔵安定性が充分でなく、溶融粘度が高くなり、道路舗装時の施工性が劣るなどの問題があり、従来技術では未だに満足できる結果が得られていなかった。
一方、特開平3−259955号公報には、ビニル芳香族モノマーから成るブロックとイソプレンまたはイソプレンーブタジエン混合物から成るブロックより構成されるブロック共重合体とアスファルトからなる制振組成物が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
かかる状況下で、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンからなるブロック共重合体とアスファルトとの組成物において、高温貯蔵安定性及び低温特性に優れ、道路舗装用途、ルーフィング・防水シート用途、シーラント用途等に適した組成物を提供する方法が望まれていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、道路舗装用途、ルーフィング・防水シート用途、シーラント用途等の用途に利用される、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンからなるブロック共重合体とアスファルトとの組成物の特性改良について鋭意検討した結果、アスファルトとビニル芳香族炭化水素と共役ジエンからなるブロック共重合体からなるアスファルト組成物において、共役ジエンとしてイソプレンと1,3−ブタジエンを用い、しかもその比率を特定範囲にすると同時に特定のビニル結合量にすることにより、高温貯蔵安定性及び低温特性に優れたアスファルト組成物が得られることを見いだし、本発明を完成するに至ったものである。
【0006】
即ち、本発明は;
1.(1)ビニル芳香族炭化水素を主体とする少なくとも2つの重合体ブロックと、イソプレンと1,3−ブタジエンからなる少なくとも1つの共重合体ブロック及び/又はイソプレンと1,3−ブタジエンとビニル芳香族炭化水素からなる少なくとも1つの共重合体ブロックを有するブロック共重合体で、
(a)該ブロック共重合体のビニル芳香族炭化水素含有量が15〜45重量%、(b)イソプレンと1,3−ブタジエンを合わせた含有量が55〜85重量%で、(c)該ブロック共重合体中のイソプレンと1,3−ブタジエンの重量比が80/20〜25/75の範囲であり、(d)ビニル結合量が30〜10重量%であり、且つ(e)MFR(G条件)が1〜30g/10分であるブロック共重合体0.5〜50重量部と、
(2)アスファルト100重量部とからなることを特徴とする、アスファルト組成物に関する。また、
2.上記1に記載のアスファルト組成物において、道路舗装用途、ルーフィング・防水シート用途、シーラント用途のいずれかの用途に適したことを特徴とする、アスファルト組成物に関する。また、
3.(1)ビニル芳香族炭化水素を主体とする少なくとも2つの重合体ブロックと、イソプレンと1,3−ブタジエンからなる少なくとも1つの共重合体ブロック及び/又はイソプレンと1,3−ブタジエンとビニル芳香族炭化水素からなる少なくとも1つの共重合体ブロックを有するブロック共重合体で、
(a)該ブロック共重合体のビニル芳香族炭化水素含有量が15〜45重量%、(b)イソプレンと1,3−ブタジエンを合わせた含有量が55〜85重量%で、(c)該ブロック共重合体中のイソプレンと1,3−ブタジエンの重量比が80/20〜25/75の範囲であり、(d)ビニル結合量が30〜10重量%であり、且つ(e)MFR(G条件)が1〜30g/10分であることを特徴とする、アスファルト改質用ブロック共重合体に関する。また、
4.上記3記載のアスファルト改質用ブロック共重合体において、道路舗装用途、ルーフィング・防水シート用途、シーラント用途のいずれかの用途に適したことを特徴とする、アスファルト改質用ブロック共重合体に関する。
【0007】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で使用する成分(1) のブロック共重合体は、有機溶媒中に有機リチウム化合物を開始剤としてビニル芳香族炭化水素とイソプレン及び1,3−ブタジエンを重合することにより得られる。
ブロック共重合体の製造に用いる炭化水素溶媒としては、ブタン、ペンタン、ヘキサン、イソペンタン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素;或いはベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素等が挙げられ、これらは1種のみならず2種以上混合使用してもよい。
【0008】
ブロック共重合体に用いるビニル芳香族炭化水素としては、スチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、1,3−ジメチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、1,1−ジフェニルエチレンなどがあるが、特に一般的なものとしてはスチレンが挙げられる。これらは1種のみならず2種以上混合使用してもよい。
ブロック共重合体のビニル芳香族炭化水素含有量(a) は5重量%以上60重量%未満、好ましくは10〜50重量%、更に好ましくは15〜45重量%である。
イソプレンと1,3−ブタジエンを合わせた含有量 (b)は40重量%を超え95重量%以下、好ましくは50〜90重量%、更に好ましくは55〜85重量%である。
ビニル芳香族炭化水素の含有量 (b)が上記の範囲外の場合には、アスファルトの性能バランスが劣るため好ましくない。
【0009】
ブロック共重合体のイソプレンと1,3−ブタジエンの重量比(c) は90/10〜15/85、好ましくは85/15〜20/80、更に好ましくは80/20〜25/75である。
特に、低温特性に優れたアスファルト組成物を得る場合には、イソプレンと1,3−ブタジエンの重量比(c) は60/40〜15/85、好ましくは55/45〜20/80、更に好ましくは50/50〜25/75であることが推奨される。
ブロック共重合体のイソプレンと1,3−ブタジエンの重量比(c) が上記の範囲外の場合には、高温貯蔵安定性に劣り、アスファルト組成物を高温下で長時間貯蔵した場合上層部と下層部の軟化点の差が大きくなるため好ましくない。
本発明で使用するブロック共重合体のビニル結合量(d) は、40重量%未満、好ましくは35重量%以下、更に好ましくは30〜10重量%である。
ここに,ビニル結合量(d) とは、ブロック共重合体中に1,2−結合,3,4−結合及び1,4−結合の結合様式で組み込まれているブタジエン及びイソプレンのうち、1,2−結合及び3,4−結合で組み込まれているものの割合である。
ビニル結合量(d) が40重量%以上では、アスファルト組成物の低温特性が劣るため好ましくない。
【0010】
なお、本発明で使用するブロック共重合体は、該ブロック共重合体中のイソプレンと1,3−ブタジエンからなる共重合体ブロック及び/又は少なくとも1つのイソプレンと1,3−ブタジエンとビニル芳香族炭化水素からなる共重合体ブロックに基づく粘弾性測定により求められるtanδの主分散のピークが0℃未満、好ましくは−20℃未満、更に好ましくは−25℃未満であることが低温特性の良好なアスファルト組成物を得る上で推奨される。
本発明において、高温貯蔵安定性が更に優れたアスファルト組成物を得る場合、ブロック共重合体に組み込まれているビニル芳香族炭化水素重合体ブロックの割合(ビニル芳香族炭化水素のブロック率という)を50〜97重量%、好ましくは60〜95重量%、更に好ましくは70〜92重量%に調整することが推奨される。
【0011】
ブロック共重合体に組み込まれているビニル芳香族炭化水素のブロック率の測定は、ブロック共重合体を四酸化オスミウムを触媒としてターシャリーブチルハイドロパーオキサイドにより酸化分解する方法〔I.M.KOLTHOFF,etal.,J.Polym.Sci.1,429(1946)に記載の方法)により得たビニル芳香族炭化水素重合体ブロック成分(但し平均重合度が約30以下のビニル芳香族炭化水素重合体成分は除かれている〕を用いて、次の式(1) から求めることができる。
【数1】
【0012】
ビニル芳香族炭化水素のブロック率は、ブロック共重合体の製造時におけるビニル芳香族炭化水素とイソプレンと1,3−ブタジエンが共重合する過程でのビニル芳香族炭化水素とイソプレンと1,3−ブタジエンの重量、重量比、重合反応性比等を変えることによりコントロールすることができる。
具体的な方法としては、ビニル芳香族炭化水素とイソプレンと1,3−ブタジエンとの混合物を連続的に重合系に供給して重合する、及び/又は極性化合物或いはランダム化剤を使用してビニル芳香族炭化水素とイソプレンと1,3−ブタジエンを共重合する等の方法が採用できる。
極性化合物やランダム化剤としては、テトラヒドロフラン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等のエーテル類;トリエチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン等のアミン類;チオエーテル類、ホスフィン類、ホスホルアミド類、アルキルベンゼンスルホン酸塩、カリウムやナトリウムのアルコキシド等が挙げられる。
【0013】
本発明のブロック共重合体は少なくとも2つのビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックと、少なくとも1つのイソプレンと1,3−ブタジエンからなる共重合体ブロック及び/又は少なくとも1つのイソプレンと1,3−ブタジエンとビニル芳香族炭化水素からなる共重合体ブロックを有するブロック共重合体で、例えば下記の一般式(1) のものが挙げられる。
(イ) A−(B−A)n 、 (ロ) A−(B−A)n −B 、
(ハ) B−(A−B)n+1 ・・・(1)
で表される直鎖状ブロック共重合体、或いは一般式(2) ;
(ニ) [(A−B)k]m+1−X、 (ホ) [(A−B)k−A]m+1−X、
(ヘ) [(B−A)k]m+1−X、 (ト) [(B−A)k−B]m+1−X
・・・(2)
で表される直鎖状ブロック共重合体或いはラジアルブロック共重合体である。
(但し、上式(1) 、(2) において、Aはビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックを示し、Bはイソプレンと1,3−ブタジエンからなる共重合体ブロック及び/又はイソプレンと1,3−ブタジエンとビニル芳香族炭化水素からなる共重合体ブロックを示す。
Xは例えば四塩化ケイ素、四塩化スズ、エポキシ化大豆油、ポリハロゲン化炭化水素、カルボン酸エステル、ポリビニル化合物等のカップリング剤の残基又は多官能有機リチウム化合物等の開始剤の残基を示す。
n、k及びmは1以上の整数、一般的には1〜5である。)
【0014】
なお、上式(1) 、(2) において、ブロックAは、ビニル芳香族炭化水素を70重量%以上含有するビニル芳香族炭化水素単独重合体及び/又はビニル芳香族炭化水素と1,3−ブタジエン及び/又はイソプレンの共重合体ブロックであり、ブロックBはビニル芳香族炭化水素含有量が70重量%未満であるイソプレンと1,3−ブタジエンからなる共重合体ブロック及び/又はイソプレンと1,3−ブタジエンとビニル芳香族炭化水素からなる共重合体ブロックである。
本発明においては、Bブロックに1,3−ブタジエン単独重合体部分及び/又はイソプレン単独重合体部分が共存していても良い。
また、本発明で使用するブロック共重合体には、本発明で規定する少なくとも1つのイソプレンと1,3−ブタジエンからなる共重合体ブロック及び/又は少なくとも1つのイソプレンと1,3−ブタジエンとビニル芳香族炭化水素からなる共重合体ブロックを有し、かつブロック共重合体中のイソプレンと1,3−ブタジエンの重量比(d) が本発明の範囲を満足していれば、ブロック共重合体中に1,3−ブタジエン単独重合体ブロック及び/又はイソプレン単独重合体ブロックがBブロックとして共存していても良い。
【0015】
本発明で使用するブロック共重合体の分子量は、GPCによる測定において、ピーク分子量が標準ポリスチレン換算で3万〜100万、好ましくは5万〜80万、更に好ましくは7万〜50万である。
分子量が3万未満の場合アスファルト組成物の軟化点や機械的強度が劣り、100万を超えるとアスファルトへの溶解性が劣るため好ましくない。
特に、アスファルトへの溶解性と高温貯蔵安定性の点で、ブロック共重合体のMFR(G条件:温度200℃、荷重5Kg)(e) は成形加工性及び成型品外観の点から0.1〜100g/10分、好ましくは0.5〜50g/10分、更に好ましくは1〜30g/10分である。
また、本発明で使用するブロック共重合体は、必要により水添されていても良い。
【0016】
本発明のアスファルト組成物において、ブロック共重合体として、
(1−A)1個のビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックと、1個のイソプレンと1,3−ブタジエンからなる共重合体ブロック及び/又は1個のイソプレンと1,3−ブタジエンとビニル芳香族炭化水素からなる共重合体ブロックを有するブロック共重合体10〜90重量%、好ましくは20〜80重量%
(1−B)少なくとも2個のビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックと、少なくとも1つのイソプレンと1,3−ブタジエンからなる共重合体ブロック及び/又は少なくとも1つのイソプレンと1,3−ブタジエンとビニル芳香族炭化水素からなる共重合体ブロックを有するブロック共重合体90〜10重量%、好ましくは80〜20重量%からなるブロック共重合体を使用することが、軟化点と高温貯蔵安定性のバランス性能に更に優れたアスファルト組成物を得る上で推奨される。
【0017】
本発明のブロック共重合体には、安定剤として、2−〔1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル〕−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレート、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2,4−ビス〔(オクチルチオ)メチル〕−o−クレゾールから選ばれる少なくとも1種の安定剤をブロック共重合体100重量部に対して0.05〜3重量部、好ましくは0.1〜2重量部添加することによって、高温での溶解、貯蔵、施工時においてより一層の熱安定性効果を得ることができる。
本発明のブロック共重合体には、n−オクタデシル3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン等のフェノール系安定剤の少なくとも1種をブロック共重合体100重量部に対して0.05〜3重量部;及び
トリス−(ノニルフェニル)フォスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、2−〔〔2,4,8,10−テトラキス(1,1−ジメチルエチル)ジベンゾ[d、f][1,3,2]ジオキサフォスフェフィン−6−イル〕オキシ〕−N,N−ビス〔2−〔〔2,4,8,10−テトラキス(1,1−ジメチルエチル)ジベンゾ[d、f][1,3,2]ジオキサフォスフェフィン−6−イル〕オキシ〕−エチル〕−エタンアミン、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト等の有機ホスフェート系、有機ホスファイト系安定剤の少なくとも1種をブロック共重合体100重量部に対して0.05〜3重量部添加することができる。
【0018】
次に本発明に使用される成分(2)のアスファルトは、石油精製の際の副産物(石油アスファルト)、または天然の産出物(天然アスファルト)として得られるもの、もしくはこれらと石油類を混合したものなどを挙げることができ、その主成分は瀝青(ビチューメン)と呼ばれるものである。
具体的には、ストレートアスファルト、セミブローンアスファルト、ブローンアスファルト、タール、ピッチ、オイルを添加したカットバックアスファルト、アスファルト乳剤などを使用することができる。これらは混合して使用しても良い。
本発明において好ましいアスファルトは、針入度が30〜300,好ましくは40〜200、更に好ましくは45〜150のストレートアスファルトである。
【0019】
本発明のアスファルト組成物において、ブロック共重合体の配合割合はアスファルト100重量部に対して0.5〜50重量部、好ましくは1〜30重量部、更に好ましくは3〜20重量部である。
本発明のアスファルト組成物には必要に応じて種々の添加剤を配合することができる。
これらの添加剤には、例えば、炭酸カルシウム,炭酸マグネシウム、タルク、シリカ、アルミナ、酸化チタン、ガラス繊維、ガラスビーズ等の無機充填剤;有機繊維、クマロンインデン樹脂等の有機補強剤;有機パーオキサイド、無機パーオキサイド等の架橋剤;チタン白、カーボンブラック、酸化鉄等の顔料;染料、難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイル、パラフィン、有機ポリシロキサン,ミネラルオイル等の軟化剤・可塑剤;クマロンインデン樹脂、テルペン樹脂などの粘着付与樹脂;アタクチックポリプロピレン、エチレン−エチルアクリレート共重合体などのポリオレフィン系樹脂;低分子量のビニル芳香族系熱可塑性樹脂、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、エチレン−プロピレンゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム、イソプレン−イソブチレンゴム、及び本発明以外のスチレン−ブタジエン系ブロック共重合体、スチレン−イソプレン系ブロック共重合体等の合成ゴム;イオウ等の加硫剤、加硫助剤、その他の増量剤あるいはこれらの混合物が挙げられる。
特に、本発明のアスファルト組成物が道路舗装用として用いられる場合には、通常鉱物質の砕石、砂、スラグなどの骨材と混合して使用される。
【0020】
本発明のアスファルト組成物を混合する方法は特に限定されるものではなく、所望により前記の各種添加剤と共に、例えば熱溶融釜、ニーダー、バンバリーミキサー、押出機などにより加熱溶融混練することにより調製することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施例を説明するが、これらは本発明の範囲を制限するものではない。
なお、表1に実施例、比較例に使用したブロック共重合体を示した。
ブロック共重合体は、シクロヘキサン溶媒中でn−ブチルリチウムを開始剤に用い、表2のポリマー構造欄に記載されている順序、量のモノマーを添加して重合した。
また、ビニル結合量は、テトラメチルエチレンジアミンの使用量を変えて調整した。
重合終了後、メタノールを添加して重合反応を停止した後、表1の注釈欄に示した安定剤量を添加し、溶剤を留去してブロック共重合体を回収した。
【0022】
また、ブロック共重合体の特性の測定及びアスファルト組成物の特性は、次のようにして行った。
▲1▼ ブロック共重合体の特性
(i) スチレン含有量
紫外線分光光度計(日立UV200)を用いて、262nmの吸収強度より算出した。
(ii) ビニル結合量
赤外線分光光度計(パーキングエルマー製モデル1710)を用いて測定し、ハンプトン法により算出した。
(iii) MFR
G条件:温度200℃、荷重5Kgで測定した。
【0023】
▲2▼ アスファルト組成物の特性
(i) 軟化点(リング&ボール法)
JIS−K 2207に準じ、規定の環に試料を充填し、グリセリン液中に水平に支え、試料の中央に3.5gの球を置き、液温を5℃/分の速度で上昇させたとき、球の重さで試料が環台の底板に触れた時の温度を測定した。
(ii) 溶融粘度
180℃でブルックフィールド型粘度計により測定した。
(iii) 針入度
JIS−K 2207に準じ、恒温水浴槽で25℃に保った試料に規定の針が5秒間に進入する長さを測定した。
(iv) 伸度
JIS−K 2207に準じ、試料を形枠に流し込み、規定の形状にした後、恒温水浴内で4℃に保ち、次に試料を5cm/分の速度で引張ったとき、試料が切れるまでに伸びた距離を測定した。
(v) 高温貯蔵安定性(分離特性)
アスファルト組成物作製直後、内径50mm、高さ130mmのアルミ缶にアスファルト組成物をアルミ缶の上限まで流し込み、180℃のオーブン中に入れ、24時間後取り出し自然冷却させた。
次に、室温まで下がったアスファルト組成物を下端から4cm、上端から4cmのアスファルト組成物を採取し、それぞれ上層部と下層部の軟化点を測定し、その軟化点差を高温貯蔵安定性の尺度とした。
【0024】
【実施例1、2及び比較例1〜4】
表2に示した配合処方に従い以下の試験を行った。
750ミリリットルの金属缶にストレートアスファルト60−80〔日本石油(株)製〕を400g投入し、180℃のオイルバスに金属缶を充分に浸す。次に、溶融状態のアスファルトの中に所定量のブロック共重合体を攪拌しながら少量づつ投入する。完全投入後5000rpmの回転速度で90分間攪拌してアスファルト組成物を調整した。その特性を表2に示した。
表2より明らかなように、本発明のアスファルト組成物は優れた高温貯蔵安定性及び低温特性を示した。
【0025】
【実施例3及び4】
ポリマー7を用い、その配合量を5重量部にする以外は実施例1と同様の方法でアスファルト組成物を調製した(実施例3)。
また、ポリマー8を用い、その配合量を10重量部にする以外は実施例1と同様の方法でアスファルト組成物を調製した(実施例4)。
実施例3及び4のアスファルト組成物はそれぞれ高温貯蔵安定性及び低温特性に優れ、物性バランスの良好なアスファルト組成物であった。
【0026】
【表1】
【0027】
(注1)カップリング剤は下記の化合物を使用した。
ポリマー1〜6:ジブロムメタン、
ポリマー7 :安息香酸エチル。
(注2)各ポリマーには下記の安定剤を添加した。なお、安定剤の添加量は、ブロック共重合体100重量部に対する添加量である。
ポリマー1〜6:A/D/E=0.5/0.2/0.1
ポリマー7:A/B/C=0.1/0.4/0.1
ポリマー8:A/C/F=0.3/0.3/0.5
<安定剤の種類 >
安定剤A:2−〔1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル〕−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレート
安定剤B:2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート
安定剤C:2,4−ビス〔(オクチルチオ)メチル〕−o−クレゾール
安定剤D:n−オクタデシル3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート
安定剤E:テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン
安定剤F:トリス−(ノニルフェニル)フォスファイト
【0028】
【表2】
【0029】
【発明の効果】
本発明は、高温貯蔵安定性、低温特性に優れ、各アスファルト特性バランスの良好なアスファルト組成物を提供するものである。
本発明のアスファルト組成物は、道路舗装用途、ルーフィング・防水シート用途、シーラント用途等の用途に利用することができる。
Claims (4)
- (1)ビニル芳香族炭化水素を主体とする少なくとも2つの重合体ブロックと、イソプレンと1,3−ブタジエンからなる少なくとも1つの共重合体ブロック及び/又はイソプレンと1,3−ブタジエンとビニル芳香族炭化水素からなる少なくとも1つの共重合体ブロックを有するブロック共重合体で、
(a)該ブロック共重合体のビニル芳香族炭化水素含有量が15〜45重量%、(b)イソプレンと1,3−ブタジエンを合わせた含有量が55〜85重量%で、(c)該ブロック共重合体中のイソプレンと1,3−ブタジエンの重量比が80/20〜25/75の範囲であり、(d)ビニル結合量が30〜10重量%であり、且つ(e)MFR(G条件)が1〜30g/10分であるブロック共重合体0.5〜50重量部と、
(2)アスファルト100重量部とからなることを特徴とする、アスファルト組成物。 - 請求項1に記載のアスファルト組成物において、道路舗装用途、ルーフィング・防水シート用途、シーラント用途のいずれかの用途に適したことを特徴とする、アスファルト組成物。
- (1)ビニル芳香族炭化水素を主体とする少なくとも2つの重合体ブロックと、イソプレンと1,3−ブタジエンからなる少なくとも1つの共重合体ブロック及び/又はイソプレンと1,3−ブタジエンとビニル芳香族炭化水素からなる少なくとも1つの共重合体ブロックを有するブロック共重合体で、
(a)該ブロック共重合体のビニル芳香族炭化水素含有量が15〜45重量%、(b)イソプレンと1,3−ブタジエンを合わせた含有量が55〜85重量%で、(c)該ブロック共重合体中のイソプレンと1,3−ブタジエンの重量比が80/20〜25/75の範囲であり、(d)ビニル結合量が30〜10重量%であり、且つ(e)MFR(G条件)が1〜30g/10分であることを特徴とする、アスファルト改質用ブロック共重合体。 - 請求項3記載のアスファルト改質用ブロック共重合体において、道路舗装用途、ルーフィング・防水シート用途、シーラント用途のいずれかの用途に適したことを特徴とする、アスファルト改質用ブロック共重合体。
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