以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
図1は、本発明の一実施形態を示す超音波美容器具の正面図である。
この超音波美容器具は、使用者が手で掴む部分となる本体部1と、本体部1の先端(図1中で上端)に位置するヘッド基台部3と、ヘッド基台部3から左右に分岐するようにして突出する第1ヘッド5部及び第2ヘッド部7とを、それぞれ備えている。これら第1,第2各ヘッド部5,7は複数のヘッド部を構成しており、図1の正面視で示すように、本体部1の上端のヘッド基台部3から、やや斜め上方に指向しており、これにより本超音波美容器具は全体としてY字形状となるよう形成していることになる。
第1ヘッド部5は、その先端に設けてある導電性材料からなる第1プローブヘッド9(図6参照)と、その周囲を覆うようにして設けてあるアタッチメント11とにより、人の鼻部に直接接触させて超音波振動を与え、美肌効果を得る。一方、第2ヘッド部7は、その先端に設けてある導電性材料からなる第2プローブヘッド13により、人の顔部における頬などの主要となる部位に接触させて超音波振動を与え、美肌効果を得る。
図2は、図1の背面図であり、これら第1,第2各ヘッド部5,7を選択的に切り替えて動作させるためのスイッチ部を構成するスイッチ15を、本体部1の上部に設けている。スイッチ15の周囲には、スイッチパネル17を設けている。
図1に示すように、本体部1には、上記したスイッチ15による超音波美容器具の充電状態を示すLED19及び、その上部に第1,第2各ヘッド部5,7の動作状態を示すLED21,23,25をそれぞれ設けている。
上記した第1,第2各ヘッド部5,7には、図3に示すように、不使用時に装着するキャップ27,29を備えている。
図4は、超音波美容器具の分解斜視図で、図5は図2のA−A断面図である。本体部1のハウジング31内には、回路基台33を収容してあり、回路基台33の、前記したスイッチ15を設けた側と反対側には、本体回路基板35をリブ33aによって固定している。回路基台33は、その上部に設けてあるねじ孔33bに、ねじ37を挿入して後述するヘッド基台61に固定している。なお、図4中で符号36は、後述する第1超音波振動子75と第2超音波振動子107を同一の超音波周波数で超音波振動させるための同一の制御回路を備える振動子制御回路基板であり、本体回路基板35に配線接続される。
回路基台33の、スイッチ15を設けた側の下部には、充電池組立品39を収容しており、該充電池組立品39の図4中で下部には電池陽極金具41を、上部には電池陰極金具43を、それぞれ配置している。
また、前記したスイッチ15に対応して回路基台33には、スイッチ基板45を、ねじ47によりねじ孔33cを利用して取り付けている。スイッチ15は、前記したスイッチパネル17,スイッチ基板45,スイッチ押さえ板49,シール部材としてのスイッチゴム51とともに、スイッチ組立品を構成している。このうち、スイッチパネル17,スイッチ押さえ板49及びスイッチゴム51は、ハウジング31に超音波溶着により固定することで、スイッチ部を防水構造としているが、防水構造が確保可能であれば、係合突起と係合凹部からなる係止構造や、ねじなどの固定具を用いて固定してもよい。
上記した本体回路基板35や充電池組立品39などを収容しているハウジング31の下部開口には、端部カバーとしての下カバー53を防水ねじ55を用いて取り付けている。その際、ハウジング31と下カバー53との間には、シール部材としての下カバーOリング57を、防水ねじ55とねじ孔との間にはシール部材となるOリング59を、それぞれ介装している。以下、ねじとねじ孔との間にOリングを設けた構造のねじを、防水ねじと呼ぶ。
前記したヘッド基台部3は、三叉形状で中空のヘッド基台61を備えている。ヘッド基台61は、第1,第2各ヘッド部5,7にそれぞれ連結されるヘッド連結部61a,61bを備えるとともに、これら各ヘッド連結部61a,61b相互の接合部の下部には、ハウジング31に連結される本体連結部61cを備えている。
本体連結部61cは、図5に示すように、ハウジング31の上端部31a内に挿入固定され、これら相互間にはシール部材としての本体Oリング63を介装している。
ヘッド基台61には、その両側部(図1中で紙面の表裏両側)に対して一対のヘッドケース65,67が挟み込むようにして装着されている。これら各ヘッドケース65,67は、上端部相互が、図5に示すように、係合部69にて係合固定され、下部は、ハウジング31の上端部31aの外周側に位置して、該上端部31aを前記したヘッド基台61の本体連結部61cとの間で挟持した構造としている。
この状態で各ヘッドケース65,67は、一方のヘッドケース67のねじ挿入孔67aから挿入する防水ねじ71を、他方のヘッドケース65に設けたねじ孔65aにねじ込むことによって相互に固定される。このとき、図5に示すように、ヘッドケース67のねじ挿入孔67aを備えるボス部67bと、ヘッドケース65のねじ孔65aを備えるボス部65bとを、ヘッド基台61に設けた貫通孔61dに挿入して先端相互を突き合わせた構造とする。
また、この各ヘッドケース65,67と、ハウジング31の上端部31aにおける基端側の段部31bとの間に、アクセントリング72を設けている。さらに、各ヘッドケース65,67の第1,第2各ヘッド部5,7を取り付ける側の開口縁部の外周には、第1ヘッドリング73,第2ヘッドリング74を設けて各ヘッドケース65,67を固定している。
図6は第1ヘッド部5周辺の断面図、図7は第1ヘッド部5及びその周辺部品の分解斜視図、図8は第1ヘッド部5を、ヘッド基台61のヘッド連結部61aに連結した状態を示す断面図である。
第1ヘッド部5は、前述したように第1プローブヘッド9を備えており、第1プローブヘッド9の表面が人の肌に接触させる接触面9aとなり、この接触面9aと反対側の背面9bに第1超音波振動子75を取り付けている。第1超音波振動子75は、前記した本体部1における振動子制御回路基板36から駆動電圧が印加されることで超音波振動し、これに伴い第1プローブヘッド9も超音波振動する。
第1プローブヘッド9は、第1超音波振動子75を取り付けた側の外周縁に、接触面9aと反対側に突出する筒部9cを備え、筒部9cの先端(図6中で下端)には外側に屈曲して突出するフランジ9dを形成している。この筒部9cの内側が凹部9iとなる。
そして、この筒部9c及びフランジ9dを覆うように、ほぼ円筒形状のプローブカバー77を設けている。プローブカバー77は、先端にて内側に突出する屈曲部77aを第1プローブヘッド9の外周面に接触させ、屈曲部77aとフランジ9dとの間の空隙にシール部材としてのOリング79を設けている。
プローブカバー77のさらに外側には、これもほぼ円筒形状となるプローブスプリングカバー81をプローブカバー77に対して図6中で上下方向に移動可能に設けている。プローブスプリングカバー81は、先端側のプローブカバー77の外周面に摺接する摺動部81aを備えるとともに、その下端に摺動部81aよりも大径のカバー部81bを備えており、このカバー部81bの内側にプローブヘッドスプリング83を収容している。
なお、プローブヘッドスプリング83は、SWPA,SWPB,SUS304,SUS304WPBなどの弾性を持つ材質で製作してあり、その内径は22.0mm程度である。
このようなプローブヘッドスプリング83は、摺動部81aとカバー部81bとの間のスプリング受け部81cと、プローブカバー77の下端から外側に突出するスプリング受け部77bとの間にあって、プローブスプリングカバー81をアタッチメント11とともに図6中で上方に向けて押し付けている。
この際、プローブスプリングカバー81におけるカバー部81bの下端は、前記した第1ヘッドリング73内に挿入され、外側に突出する係止部81dが第1ヘッドリング73に係合してプローブスプリングカバー81の上方への抜け止めがなされる。
プローブスプリングカバー81の先端側(図6中で上方側)には、アタッチメント11を取り付けている。アタッチメント11は、先端側の開口が後端側の開口よりも小さく、かつ、先端側の外周縁の一部に切欠11aを形成している。
このようなアタッチメント11は、後端側の開口周縁の円周方向複数個所には係合片11bを下方に向けて突出して設けてあり、この係合片11bの内側に突出させて設けた係合突起11cを前記したプローブスプリングカバー81の外周に設けてある係合凹部81eに係合させてプローブスプリングカバー81に固定する。
なお、この係合突起11cと係合凹部81eとの係合は、使用者が容易に外せるような構造としている。
上記した係合固定状態でアタッチメント11は、後端側の開口周縁の下端11eがプローブスプリングカバー81におけるカバー部81bの外周上部に設けてある段部81fに当接した状態となる。
以上より、上記したアタッチメント11は、前記したプローブヘッドスプリング83によってプローブスプリングカバー81を介して図6中で上方に押し付けられた状態にあり、図6の状態でアタッチメント11を下方に向けて押し付けることで、図9のようにプローブヘッドスプリング83を圧縮しつつ移動することになる。
この際、プローブスプリングカバー81は、特に図示していないが、第1ヘッドリング73に対して回転しないようにするための回転規制部を設けてあるものとする。また、第1ヘッドリング73は、図8に示してあるヘッド基台61のヘッド連結部61aにねじ込むように固定されてヘッド基台61に対して回転規制されている。
したがってアタッチメント11は装着時において、図1,図2,図8に示すように、切欠11aが下方の本体部1側に位置した状態を維持している。
前記したプローブカバー77の基端側となる下端のスプリング受け部77bの外周側には外周筒部77cを備え、そのアタッチメント11側の端部は第1ヘッドリング73に当接している。また、外周筒部77cの外周面にはシール部材としてのOリング89を、本体部側に相当するヘッド基台61のヘッド連結部61aとの間をシールするよう設けている。
前記した第1超音波振動子75の下部にはプローブ基台91を配置している。プローブ基台91は、図6中で下部が開放したカップ形状を呈し、上部外周の段部91aに第1プローブヘッド9の筒部9cの下端を載せ、プローブカバー77とで第1プローブヘッド9を挟み込むようにして支持している。
図10は、アタッチメント11を取り外した状態の第1ヘッド部5の正面図,図11は、図6に対し第1ヘッドリング73,プローブスプリングカバー81,プローブヘッドスプリング83及びアタッチメント11を省略した状態の正面図、図12は同正面断面図である。図12に示すように、プローブ基台91の下端部は外方に突出するフランジ91bを有し、このフランジ91bの下部からねじ93を挿入してプローブカバー77とプローブ基台91とを締結固定する。この際、前記図6に示すように、プローブカバー77側の係合ピン77dを、プローブ基台91の係合孔91cに挿入している。
上記したプローブ基台91の上部壁91dには、第1超音波振動子75の背面に接触する陽極となる接続金具95と、第1プローブヘッド9のフランジ9dの下面、すなわち第1プローブヘッド9の外側部分の端面9d1に接触する陰極となる接続金具97を、それぞれ装着している。
図13は、図12のB−B断面図で、図14は図13におけるプローブ基台91の平面図、図15は図13におけるプローブ基台91の底面図である。
接続金具95は、プローブ基台91の上部壁91dの外周側に設けた取付孔91eに挿入固定し、上部に突出させた接触片95aを、図12のように第1超音波振動子75の背面に弾性的に圧接させる一方、接触片95aに対して90度屈曲させて下方に突出させた接続片95bにリード線99の一端を接続する。
一方、接続金具97は、プローブ基台91の上部壁91dのほぼ中央に設けた取付孔91fに挿入固定し、上部に突出させた接触片97aを、図13のように第1プローブヘッド9におけるフランジ9dの下面に弾性的に圧接させる一方、下方に突出させた接続片97bにリード線101の一端を接続する。
上記した各リード線99,101のそれぞれの他端は、本体回路基板35に接続する。
また、上部壁91dの下面には、図15に示すように十字形状の絶縁リブ91gを設けて接続金具95と接続金具97との接触(短絡)を回避するようにしている。すなわち、絶縁リブ91gは、一方のリブ片91g1の図15中の上方の端部を接続金具95に近接させるとともに、他方のリブ片91g2の図15中で右側の端部を接続金具97に近接させた状態とすることで、これら各接続金具95,97の互いの接近移動を規制している。
ここで、接続金具95は、図12に示すように、接続片95bの上下方向ほぼ中央に設けた係止片95cが、プローブ基台91の内周面に設けてある係止リブ91hの下端に係止して固定される。一方、接続金具97は、図12,13に示すように、接続片97bの上下方向ほぼ中央に設けた係止片97cが、上記したリブ片91g2の下端に係止して固定される。
なお、上記した接続金具95,97を取り付けるプローブ基台91の上壁部91dは、図13に示すように、接続金具97を取り付ける部分を、接続金具95を取り付ける部分より下方としてこれら各取り付け部分相互間に段差を設けている。
ここで、各接続金具95及び97の第1超音波振動子75及び第1プローブヘッド9に対する押し付け荷重は、0.5N以上とされるが、好ましくは1.0N以上であることが望ましい。また、各接触片95a,97aの撓み量は、0.5mm以上、好ましくは1.0mm以上であることが望ましい。
なお、上記した十字形状の絶縁リブ91gに代えて、四角形の中空もしくは中実のリブとしてもよく、また絶縁リブを別部材として、ねじまたはフックなどにより取り付けてもよい。
図16は、図13に対応する別の例を示す断面図である。この例は、図13における接続金具97に代わる接続金具97Aを、プローブカバー77の内面に取り付けている。
すなわち、この接続金具97Aは、下部の接続片97Abをプローブカバー77の内面に固定し、上方に延びる接触片97Aaを第1プローブヘッド9のフランジ9dの外側部分の外側面9d2に弾性的に接触させている。接続片97Abに一端を接続するリード線101は、プローブ基台91に設けた貫通孔91iを通して下方に延ばしている。
図17は、上記した接続金具95,97に代えて陽極コイルばね103,陰極コイルばね105を設けた例を示す、前記図12に対応する断面図である。
すなわち、この例は、図12のプローブ基台91に相当するプローブ基台910の上面に形成した環状の凹部910aに陽極コイルばね103を収容してその上端を第1超音波振動子75の背面に接触させる。また、プローブ基台910の上部外周に形成した環状の段部910bに、陽極コイルばね103よりも大径の陰極コイルばね105を収容してその上端を第1プローブヘッド9のフランジ9dの下面に接触させる。
そして、これら各陽極コイルばね103,陰極コイルばね105には、リード線99,101をそれぞれ接続する。
上記図17の例のおけるその他の構成は、図6のものと同様である。この例においては、図15に示したような十字形状の絶縁リブ91gが不要であり、簡素化した構造とすることができる。
なお、上記した接続金具やコイルスプリングを設けずに、リード線99及び101を、第1超音波振動子75及び第1プローブヘッド9にそれぞれ直付けしてもよい。
図18は第2ヘッド部7の断面図、図19は第2ヘッド部7の分解斜視図、図20は第2ヘッド部7を、ヘッド基台61のヘッド連結部61bに連結した状態を示す断面図、図21は第2ヘッド部7を、ヘッド基台61のヘッド連結部61bに連結した状態を示す外観図である。
第2ヘッド部7は、前述したように第2プローブヘッド13を備えており、第2プローブヘッド13の表面が人の肌に接触させる接触面13aとなり、接触面13aと反対側の背面13bに第2超音波振動子107を取り付けている。第2超音波振動子107は、前記した本体部1における振動子制御回路基板36から駆動電圧が印加されることで超音波振動し、これに伴い第2プローブヘッド13も超音波振動する。
ここで第2プローブヘッド13の接触面13aの面積は、第1プローブヘッド9の接触面9aの面積より大きく形成している。
第2プローブヘッド13は、第2超音波振動子107を取り付けた側の外周縁に、外側に向けて突出するフランジ13cを設けている。
そして、このフランジ13cを覆うように、ほぼ円筒形状のヘッドカバー109を設けている。ヘッドカバー109は、先端にて内側に突出する屈曲部109aを第2プローブヘッド13の外周面に接触させ、屈曲部109aとフランジ13cとの間の空隙にシール部材としてのOリング111を設けている。
ヘッドカバー109は、上部が開口したヘッドベース113の上端が挿入された状態で、ヘッドベース113の係止突起113aが係止凹部109bに係止されてヘッドベース113に固定され、これら相互間にはシール部材としてのOリング115を介装している。
ヘッドベース113の内側には金具取付用リブ113bを形成し、この金具取付用リブ113bに陽極の接続金具117を取り付けるとともに、陰極の接続金具119を、接続金具117の外周側に位置する状態で取り付ける。接続金具117は、その先端の接触片117aが、第2超音波振動子107の背面に弾性的に押し付けられて接触し、後端の接続片117bにはリード線121の一端を接続する。
一方、接続金具119は、その先端の接触片119aが、第2超音波振動子107より大径の第2プローブヘッド13の背面13bに弾性的に押し付けられて接触し、後端の接続片119bにはリード線123の一端を接続する。これら各リード線121,123の他端は、後述の図23に示すように、ボス部113d,後述するゴムカバー129及びヘッドストッパ131を貫通させて下方に延ばし、前述した本体回路基板35に接続する。
上記した接続金具119は、図19に示すように、ほぼ環状に形成してその周縁に沿って前記した接触片119aを3個設けている。一方接続金具117は、接続金具119の内側に位置してほぼ半円弧形状を呈し、接触片117aを1個設けている。
ヘッドベース113は、中心に位置するボス部113dの下端を、スプリングベース127の中心に設けてある貫通孔127aに移動可能に挿入し、ボス部113dの下端面には、弾性体としてのゴムカバー129を、ヘッドストッパ131の板状部分131aを介してねじ133により固定する。なお、上記したスプリングベース127の外周面には、シール部材としてのOリング130を、ヘッド基台61のヘッド連結部61bとの間をシールするよう設けている。また、第2ヘッドリング74は、図8に示してあるヘッド基台61のヘッド連結部61bにねじ込むようにして固定されている。
ゴムカバー129の外周縁部付近には屈曲した環状の弾性変形部129aを設け、弾性変形部129aのさらに外側を、環状のゴムカバー押さえ135とスプリングベース127とで挟持した状態とし、この状態でねじ137により固定する。なお、ねじ137は、図19に示してあるように、ゴムカバー129の外周側にて周方向複数箇所(ここでは4箇所)にて下方に突出する凸部135aを利用して締結する。
このとき、ヘッドストッパ131はゴムカバー押さえ135内に位置し、ボス部113dの下端面はスプリングベース127の貫通孔127a下縁とほぼ同一位置となっている。
スプリングベース127の内周側の上部には、ヘッドベース113のボス部113dが挿入される筒状のスプリングカバー139を設け、スプリングカバー139とボス部113dとの間に弾性手段としてのヘッドスプリング141を介装する。このヘッドスプリング141は、スプリングベース127に対しヘッドベース113を図18中で上方に向けて押し付けている。
なお、スプリングカバー139の下端は、スプリングベース127の貫通孔127aに挿入され、この挿入状態でボス部113dとの間に隙間140を形成している。
以上の構成から、第2ヘッド部7は、該第2ヘッド部7が取り付けられるベース部であるスプリングベース127に対して直角方向(図18中で上下方向)に移動可能かつ、この直角方向の中心軸に対して揺動可能である。
この揺動動作が容易となるように、ヘッドベース113の下面は凸曲面113eに形成し、これに対応して第2ヘッドリング74のヘッドベース113に対向する面を凹曲面74aとしている。
なお、スプリングカバー139及びゴムカバー129の材質は、EPDM,NBRまたはシリコンゴムである。また、ヘッドスプリング141は、前記したプローブヘッドスプリング83と同様に、SWPA,SWPB,SUS304,SUS304WPBなどの弾性を持つ材質で製作してあり、その内径は16.0mm程度である。
また、第2プローブヘッド13の接触面13aを肌に密着させたときのヘッドスプリング141の荷重は、5.0N程度でよいが、好ましくは2.0〜4.0N、さらに好ましくは2.5N〜3.0Nであることが望ましい。ヘッドスプリング141の取付荷重は、0.5N〜2.0N程度でよいが、好ましくは1.0N〜1.5Nであることが望ましい。さらに、第2プローブヘッド13を肌に押し付けたときの移動量(フロート量)については,1.0mm〜7.0mm程度でよいが、好ましくは2.0mm〜6.0mm、さらに好ましくは3.0mm〜5.0mmであることが望ましい。
図22は、図18に対し、第2プローブヘッド13を肌に押し付けることでヘッドスプリング141が撓んで第2ヘッド部7がスプリングベース127に接近した状態を示し、図23は、図18に対し、第2ヘッド部7がスプリングベース127に対して揺動して傾いた状態を示している。但し図23は、図18とは別の角度から見た断面図である。
前記したヘッドストッパ131は、その板状部分131aの下面に、振動モータ143を取り付けるモータ取付部131bを設けてあり、このモータ取付部131bに、ねじ145により基板125を取り付けている。この際、振動モータ143は、下部に配置した基板125と、モータ取付部131bに形成してある、振動モータ143の外形に合わせた凹状の円弧部131cとに挟持された状態となる。
上記した基板125には、振動モータ143に一端を接続しているモータリード線147の他端を接続する。さらに、この基板125と前記した本体回路基板35とをリード線151で接続する。
振動モータ143は、偏芯バランサ153を備えており、第2ヘッド部7全体に対してバイブレーションを発生させる機能を備えている。この振動モータ143の適正回転数は、好ましくは4400rpm〜7000rpm、さらに好ましくは5700rpm程度であることが望ましい。
図24は、上記したヘッドスプリング141に代わる弾性手段として例えば弾性をもつウレタンなどの樹脂からなる中空リング155を設けた例を示す、前記図18に対応する断面図である。
すなわち、この例は、ヘッドスプリング141及びプリングカバー139に代えて円筒形状の中空リング155を設けており、その他の構成は図18のものと同様である。そのほか、ヘッドスプリング141に代わる弾性手段としてエアサスペンションも使用できる。
中空リング155を用いた場合には、ヘッドスプリング141を用いた場合に比較して部品点数を削減でき、簡素化した構造とすることができる。なお、中空リング155の材質は、ゴムカバー129と同様に、EPDM,NBRまたはシリコンゴムである。
また、前記図18に示したスプリングカバー139を廃止して、ヘッドベース113の凸曲面113eと第2ヘッドリング74の凹曲面74aとの少なくともいずれか一方に対し、ゴムやエストラマなどの弾性体を取り付けるか、あるいは樹脂などの弾性体を一体成形、もしくはゴム塗装やウレタン塗装を実施してもよい。
次に、上記のように構成した超音波美容器具の動作モードについて説明する。まず、図2に示すスイッチ15を1回押すと、本体電源が投入されたことを示すようにLED21が点灯し、鼻部のケアが可能な第1ヘッド部5の第1超音波振動子75が超音波振動して、この振動を第1プロープヘッド9に伝達する。
スイッチ15を1回押した後、5分が経過した場合には、本体電源が自動的にOFFとなるが、5分以内にもう一度スイッチ15を押すと、今まで動作していた第1プロープヘッド9の超音波振動が停止し、顔部のケアが可能な第2ヘッド部7の第2超音波振動子107が超音波振動して、この振動を第2プロープヘッド13に伝達し、同時に振動モータ143も駆動する。このときLED23が点灯する一方、LED21は消灯する。
この状態で6分が経過した場合には、本体電源が自動的にOFFとなるが、6分以内にもう一度スイッチ15を押すと、振動モータ143が停止し、第2超音波振動子107のみが動作して第2プロープヘッド13の超音波振動を継続させる。このとき、LED25が点灯する一方、LED23は消灯する。
この状態でさらにスイッチ15を一度押すか、または第2プロープヘッド13を2分30秒間肌に対して移動負荷を与えない状態でいる、あるいは10分間第2プロープヘッド13を肌に押し付けて肌ケアを行うと、本体電源がオフとなってLED25が消灯する。
このように本超音波美容器具では、本体部1に設けたスイッチ15の操作によって第1ヘッド部5と第2ヘッド部7とを選択的に動作させることが可能となる。
また、本実施形態においては、第1プローブヘッド9または第2プローブヘッド13を作動させるときに、振動子制御回路基板36における同一の制御回路から同一の超音波周波数を供給する構成としているので、器具全体の小型化を達成することができる。
さらに、本超音波美容器具によれば、図1に示すように、全体をY字形状とすることで、使用者が本体部1を自然に把持した状態で、第1,第2ヘッド部5,7の先端に設けた第1,第2プローブヘッド9,13の接触面9a,13aを肌表面に接触させやすくなり、T字形状とした場合に比較して使い勝手が向上する。
次に、図6に示す第1ヘッド部5を使用して鼻部のケアを行う動作について説明する。本体部1を手に持って、前述したようにスイッチ15を1回押すことで、第1プローブヘッド9が超音波振動する。この状態で第1ヘッド部5を鼻の上部(眉間の直下)に接近させ押し付ける。この際アタッチメント11の切欠11aが下部に位置しており、この状態で一定以上の押し付け荷重をアタッチメント11を介して付与すると、アタッチメント11がプローブヘッドスプリング83の弾性力に抗しながら後退する。
ここでアタッチメント11の肌接触部11aの内径は17.0mm、外径は20.0mmである。一例としてアタッチメント11が1.5mm後退したときの断面図を図9に示す。アタッチメント11及び超音波振動が付与されている第1プローブヘッド9が肌に接触し図9のような状態にあるときに、第1プローブヘッド9の超音波振動により角栓や毛穴の汚れ成分が軟化し、これらを肌表面に押し出すことができる。
この状態で、本器具を鼻の先端側に向けて徐々にスライド移動させることで、上記押し出されて軟化した角栓や毛穴の汚れ成分をアタッチメント11の内周縁によって剥ぎ取るようにして除去する。この際アタッチメント11には進行方向前方側に切欠11aがあり、切欠11aと反対側の鼻に接触する内周縁をR形状としているので、肌への傷つきを軽減した状態で鼻のケアを行うことができ、同時に、超音波振動により除去後の毛穴の引き締め効果も得られる。
また、アタッチメント11は円形としているので、移動方向を変化させても問題ない。このようなアタッチメント11は、取り外しが可能なので、取り外した状態で単体での水洗いができ、掃除性が向上して常に清潔な状態で使用することができる。
なお、このアタッチメント11の押し付け時の後退量(フロート量)としては、最大で2.0mm程度が好ましく、その最大後退時には、プローブカバー77の先端にアタッチメント11の内面が当接部Pにて当接するものとする。また、使用時における超音波振動子9の接触面9aからの突出量αは、0.3mm以上、好ましくは0.5mmであることが望ましい。
フロート量が2.0mmを超える場合には、肌に押し付けるときのストロークが大きくなって使い勝手が悪くなり、また使用時での突出量αが0.5mmを超える場合には、第1超音波振動子9が肌に接触しにくくなる。
また、アタッチメント11の押し付け荷重としては、好ましくは0.686N〜1.078N、さらに好ましくは、0.784N〜0.98Nが望ましい。
また、上記したアタッチメント11は、プローブヘッドスプリング83によってフロート可能な構造としているが、固定構造としてもよく、また円形に限らず板状のものでもよい。
次に、図18に示す第2ヘッド部7を使用して顔部のケアを行う動作について説明する。前述したように第1ヘッド部5が作動している状態で、スイッチ15をもう1回押すことで、第2プローブヘッド13が超音波振動するとともに、振動モータ143が作動してバイブレーション機能が発生する。この状態で第2ヘッド部7を顔部の例えば頬に接近させ押し付ける。
上記した第2プローブヘッド13の超音波振動と、振動モータ143のバイブレーション機能により、毛穴に張りを与えて血行を促進させ、コラーゲンの生成を促進し、肌に張りが出ることで、毛穴を目立たなくなるようにする。
ここで第2プローブヘッド13を肌に対して一定以上の押し付け荷重を付与すると、図22に一例を示すように、ヘッドスプリング141が撓み第2プローブヘッド13が後退する。このとき、ヘッドベース113も一体となって後退し、そのボス部113dがゴムカバー129を撓ませ、さらにヘッドストッパ131や振動モータ143も一体となって後退する。
また、本器具を肌表面に沿って移動させる際などには、図23に示すように、上記一体となって後退した部分全体が傾くことで、第2プローブヘッド13の接触面13aを肌表面に常に自然な状態で接触させることができる。
この際、EPDMなどの弾性体で構成してあるスプリングカバー139を設けているので、ヘッドベース113とスプリングベース127とが干渉しても、振動モータ143による横方向振動をスプリングカバー139が吸収し、異音発生を防止することができる。したがって、耳障りな音などによる不快感なく肌ケアを行うことができる。
また、前述した第1ヘッド部5は、図6に示すように、接続金具95,97を取り付けたプローブ基台91上に第1プローブヘッド9を配置し、この組立部品にプローブカバー77を被せ、プローブ基台91とプローブカバー77とをねじ93により固定することで、第1プローブヘッド9がプローブ基台91に押し付けられ、これにより接続金具95,97の各接触片95a,97aが撓んで第1プローブヘッド9のフランジ9dの下面及び第2超音波振動子75にそれぞれ接触する。このため、この接触状態が良好に保たれ、本体回路基板35からの電気信号を第1超音波振動子75に安定して伝達させることができる。
また、これら各接続金具95,97は、図15に示すように十字形状の絶縁リブ91gによって隔離され、互いの接触を確実に回避することができ、接続金具95,97同士の短絡を防止して制御回路の破損などの不具合を防止することができる。
さらに、図13に示すように、接続金具97の接触片97aを、第1プローブヘッド9の外側部分の端面9d1に接触させており、第1プローブヘッド9の内側の狭い空間にて第1プローブヘッド9に接触させていないので、接触状態が安定化し、かつ一方の接続端子である接続金具95と他方の接続端子である接続金具97との短絡を回避することができる。
したがって、本実施形態においては、接続金具95及び接続金具97を、これら相互の短絡を回避しつつ、第1超音波振動子75及び第1プローブヘッド9に安定した状態で接触させることができ、本体制御回路から送られてくる電気信号を安定化させることができる。
上記図13に対して別の例である図16の構造においても、他方の接続端子となる接続金具97Aの接触片97Aaを、第1プローブヘッド9の内側の狭い空間にて第1プローブヘッド9に接触させずに、第1プローブヘッド9の外側部分の外側面9d2に接触させているので、上記と同様の効果を得ることができる。
上記した第1ヘッド部5において、ジェルなどの液体を用いて肌ケアを行うときには、この液体が第1プローブヘッド9やアタッチメント11を伝わって内部に侵入しようとするが、Oリング79,89が、この侵入を阻止して良好な使用状態を確保することができる。また、このような防水構造を備えているので、第1プローブヘッド9やそれに取り巻く部品に付着した液体や固体を水洗いすることができ、また本体制御回路の破損を防止することができる。
一方、第2ヘッド部7においても、ジェルなどの液体を用いて肌ケアを行うときには、この液体が第2プローブヘッド13やヘッドカバー109を伝わって内部に侵入しようとするが、Oリング111,115,ゴムカバー129及びOリング130がこの侵入を阻止して良好な使用状態を確保することができる。また、このような防水構造を備えているので、第2プローブヘッド13やそれに取り巻く部品に付着した液体や固体を水洗いすることができ、また本体制御回路の破損を防止することができる。
さらに、本器具を用いてジェルなどの液体を用いて肌ケアを行うときには、この液体が、図5に示すヘッドケース65,67やハウジング31を伝わって本体内部に侵入しようとするが、本体Oリング63,スイッチゴム51,下カバーOリング57により、この侵入を阻止して良好な使用状態を確保することができる。
したがって、この場合にも本体部1に取り巻く部品に付着した液体や固体を水洗いすることができ、また本体制御回路の破損を防止することができる。
また、図18に示す第2ヘッド部7においては、ヘッドベース113のボス部113dに、振動モータ143及び基板125を取り付けるヘッドストッパ131を固定し、これらが一体となってスプリングベース127に対して前後移動や揺動するので、振動モータ143と基板125とを接続する、比較的細く形成してあるモータリード線147の破断を防止することができる。
なお、上記振動モータ143と基板125と接続するモータリード線147に代えて、振動モータ143と基板125にそれぞれ設けた接続金具同士の接触や、振動モータ143に設けた接続金具を基板125側のメッキされた接点に接触させる構成でも構わない。