JP4840238B2 - フランジ付き部材の製造方法およびこれに用いられるワーク部材 - Google Patents

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Description

本発明は、底付きの円筒部が形成されると共に該円筒部の外周にフランジ部が形成されてなるフランジ付き部材を冷間鍛造を用いて製造するフランジ付き部材の製造方法およびこれに用いられるワーク部材に関する。
従来より、底付の円筒部が形成されると共にこの円筒部の外周にフランジ部が形成されたフランジ付き部材が様々な場面で使用されている。その一例として、入力軸が接続されたプライマリープーリと出力軸が接続されたセカンダリープーリとに金属製のベルトが巻き架けられたベルト式の無段変速機(CVT)に用いられるプーリのシーブを挙げることができる(例えば、特許文献1参照)。この無段変速機では、プライマリープーリは入力軸が接続された固定シーブと固定シーブに対して軸方向に移動可能な可動シーブとから形成され、セカンダリープーリもプライマリープーリと同様に出力軸に接続された固定シーブと可動シーブとにより形成されており、アクチュエータにより可動シーブを駆動して固定シーブと可動シーブとの間隔を変更することにより、入力軸に入力された動力を変速比を無段階に変更して出力軸に出力する。
特開昭58−94663号公報
こうした無段変速機に用いられるシーブなどのフランジ付き部材の製造は、冷間鍛造を用いて行なうことができる。ここで、冷間鍛造は、熱間鍛造に比して成形精度を良好なものとすることができるものの、その成形荷重は熱間鍛造に比べて数倍となるため、通常はワーク部材には冷間鍛造が適切に行なわれるよう潤滑処理などの前処理が施される。このとき、ワーク部材に余分な油やカスが付着していると、ワーク部材の形状や油やカスの付着場所によってはプレス加工の際に欠肉となって現われる場合が生じるから、これに対して適切な対策を施すことが求められる。
本発明のフランジ付き部材の製造方法およびこれに用いられるワーク部材は、ワーク部材から冷間鍛造を用いて製造されるフランジ付き部材の成形不良の発生を抑制することを主目的とする。
本発明のフランジ付き部材の製造方法およびこれに用いられるワーク部材は、上述した主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明のフランジ付き部材の製造方法は、
底付きの円筒部が形成されると共に該円筒部の外周にフランジ部が形成されてなるフランジ付き部材を冷間鍛造を用いて製造するフランジ付き部材の製造方法であって、
(a)円柱端面の中心に形成された第1凹部と該第1凹部の底部に形成された第2凹部とを有する円柱状のワーク部材を形成し、
(b)前記ワーク部材の第1凹部に嵌合して該第1凹部の底部を押圧可能な凸部と該凸部の外周を囲むよう該凸部の外径よりも大きい径の内径をもって該凸部との間で環状の空間を形成し該ワーク部材の円柱端面を押圧可能な凹部とを有する金型を用いて該金型を該ワーク部材の円柱端面に押し当てることにより前記円筒部と前記フランジ部とを形成する
ことを要旨とする。
この本発明のフランジ付き部材の製造方法によれば、ワーク部材を円柱端面の中心に形成された第1凹部と該第1凹部の底部に形成された第2凹部とを有する円柱状の部材として形成し、ワーク部材の第1凹部に嵌合して第1凹部の底部を押圧可能な凸部とこの凸部の外周を囲むよう凸部の外径よりも大きい径の内径をもって凸部との間で環状の空間を形成しワーク部材の円柱端面を押圧可能な凹部とを有する金型を用いて金型をワーク部材の円柱端面に押し当てることにより円筒部とフランジ部とを形成する。したがって、工程プロセス中にワーク部材に第1凹部内に余分なカスや油などが付着している場合、第1凹部に金型の凸部が嵌合してプレス加工されたときに第1凹部の底部に形成された第2凹部をカス溜まりとして機能させることができる。この結果、第1凹部に付着した余分な油やカスなどに起因する欠肉などの発生を抑制することができ、フランジ付き部材の成形不良の発生を抑制することができる。
こうした本発明のフランジ付き部材の製造方法において、前記金型は、前記円筒部の底が前記フランジ部における該円筒部の開口側の面(フランジ面)よりも深くなるよう形成されてなるものとすることもできる。円柱端面に第1凹部を設けたワーク部材を用いてフランジ部とフランジ面よりも深い底の円筒部とを形成するから、円柱端面に第1凹部を設けないワーク部材を用いるものに比して大きな変形を付与して円筒部を成形することができ、フランジ面よりも深い底の円筒部を比較的高く伸ばすことができる。
また、本発明のフランジ付き部材の製造方法において、前記工程(b)は、冷間鍛造により前記円筒部の内壁に回転軸を接続するための歯形溝を形成する工程(b1)を備えるものとすることもできる。円筒部に欠肉などの不具合が発生していると、円筒部に歯形溝を形成したときに不具合の影響が歯形溝にも現われ、この歯形溝に回転軸が接続されて回転軸が駆動されると破損などが生じる場合があるが、本発明では、第1凹部の底部に第2凹部を設けたワーク部材を用いてフランジ付き部材を形成することにより円筒部に欠肉などの不具合が発生するのを抑制するから、円筒部に歯形溝を形成したときに歯形溝に不具合が生じるのを抑制することができる。この結果、歯形溝に接続される回転軸からの回転トルク負荷に対する強度低下を抑制することができる。
さらに、本発明のフランジ付き部材の製造方法において、前記工程(b)は、前記円筒部の底部に潤滑用の油路を形成する工程(b2)を備えるものとすることもできる。こうすれば、第2凹部が形成されたワーク部材がフランジ付き部材として形成されたときに第2凹部は除去され製品形状として残らないので、第2凹部がフランジ付き部材の機能に影響を与えることがない。
また、本発明のフランジ付き部材の製造方法において、前記工程(b)は、前記ワーク部材の前記第1凹部が形成された円柱端面を上向きにして載置した状態で前記金型によって該円柱端面を押圧することにより前記円筒部と前記フランジ部とを形成する工程であるものとすることもできる。こうすれば、第1凹部にカスや油などが付着しやすくなるから、本発明の効果がより顕著なものとなる。
また、本発明のフランジ付き部材の製造方法において、前記フランジ付き部材は、前記円筒部の開口側とは反対側に延伸された軸部を備える軸部材であるものとすることもできる。この場合、前記工程(a)は、前記第1凹部と前記第2凹部とを形成可能な金型を用いて前方押し出し成形により前記軸部を形成するものとすることもできる。こうすれば、軸部を比較的容易に形成することができ、材料歩留まりが高く、低コストでワーク部材を成形することができる。
また、本発明のフランジ付き部材の製造方法において、前記フランジ付き部材は、無段変速機に用いられるシーブであるものとすることもできる。無段変速機のシーブとして用いるためにフランジ付き部材の円筒部の内壁に歯形溝を形成して相手部品としての回転軸を連結するものとすれば、円筒部に欠肉などの不具合の発生を抑制することができる結果、連結部に不具合を生じさせることなく回転軸からの回転トルク負荷をより適切に伝達することができる。なお、フランジ付き部材としては、無段変速機に用いられるシーブとするものに限られず、底付きの円筒部が形成されると共に該円筒部の外周にフランジ部が形成されてなる如何なるものとしても構わない。
本発明のワーク部材は、
底付きの円筒部が形成されると共に該円筒部の外周にフランジ部が形成されてなるフランジ付き部材を冷間鍛造を用いて製造する際に用いられる円柱状のワーク部材であって、
前記ワーク部材は、円柱端面の中心に形成された第1凹部と該第1凹部の底部に形成された第2凹部とを有する部材であり、
前記ワーク部材の第1凹部に嵌合して該第1凹部の底部を押圧可能な凸部と該凸部の外周を囲むよう該凸部の外径よりも大きい径の内径をもって該凸部との間で環状の空間を形成し該ワーク部材の円柱端面を押圧可能な凹部とを有する金型を用いて該金型が該ワーク部材の円柱端面に押し当てられることにより前記円筒部と前記フランジ部とが形成される
ことを要旨とする。
この本発明のワーク部材では、ワーク部材を円柱端面の中心に形成された第1凹部と該第1凹部の底部に形成された第2凹部とを有する円柱状の部材として形成し、ワーク部材の第1凹部に嵌合して第1凹部の底部を押圧可能な凸部とこの凸部の外周を囲むよう凸部の外径よりも大きい径の内径をもって凸部との間で環状の空間を形成しワーク部材の円柱端面を押圧可能な凹部とを有する金型を用いて金型がワーク部材の円柱端面に押し当てられることにより円筒部とフランジ部とが形成される。したがって、工程プロセス中にワーク部材に第1凹部内に余分なカスや油などが付着している場合、第1凹部に金型の凸部が嵌合してプレス加工されたときに第1凹部の底部に形成された第2凹部をカス溜まりとして機能させることができる。この結果、第1凹部に付着した余分な油やカスなどに起因する欠肉などの発生を抑制することができ、フランジ付き部材の成形不良の発生を抑制することができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
図1は本発明の一実施例としてのフランジ付き部材の製造方法によって製造されたシーブ20の外観を示す外観図であり、図2は図1のシーブ20のA−A断面を示す断面図であり、図3は無段変速機10の構成の概略を示す構成図である。無段変速機10は、図3に示すように、回転軸11が接続された固定シーブとしてのシーブ20とシーブ20に対して軸方向に移動可能な可動シーブとからなるプライマリープーリ12と、回転軸13に接続された固定シーブとこの固定シーブに対して軸方向に移動可能な可動シーブとからなるセカンダリープーリ14と、プライマリープーリ12とセカンダリープーリ14とに架け渡されたベルト16とを備えるベルト式の無段変速機として構成されている。この無段変速機10に用いられるシーブ(図3中のプライマリープーリ12の固定シーブ)20は、図1および図2に示すように、回転軸11が接続される円筒状のボス部22と、ボス部22の外周に形成されたフランジ部24と、フランジ部24におけるボス部22とは反対の面に形成された軸部26とからなっている。なお、図2に示すように、シーブ20のボス部22や軸部26は、無段変速機10として組み込んだときにシーブ20や他の機械部分を潤滑するための油路29が形成されている。以下、このシーブ20を製造する製造工程について説明する。
図4は、シーブ20を製造する工程の一例を示す製造工程図である。シーブ20は、図示するように、まず、粗材20Aに対して所定の前処理を施す(工程S100)。図5に粗材20Aの外観を示す外観図を示す。粗材20Aは、図示するように、円柱状の部材として形成されており、低炭素鋼や低炭素合金鋼,アルミニウム,アルミニウム合金,銅,銅合金などの冷間鍛造が可能な材料が用いられている。この粗材20Aに対して施す所定の前処理は、後工程で冷間鍛造を適切に行なうための処理であり、軟化焼鈍やショットブラスト、ボンデ処理など挙げることができる。なお、ショットブラストは、無数の砥粒を高速噴射して材料表面のスケールの除去や表面研掃を行なう処理である。また、ボンデ処理は、材料表面の摩擦係数を小さくするための潤滑処理であり、例えば、材料の表面に化成皮膜(例えば、燐酸塩皮膜など)を形成すると共にこの化成皮膜の表面を金属石けんなどによりコーティングすることにより行なわれる。
次に、粗材20Aに対して冷間鍛造による軸絞り加工を施してワーク部材20Bを形成する(工程S110)。図6は軸絞り成形に用いられるプレス機30の構成の概略を示す構成図であり、図7はプレス機30によって形成されるワーク部材20Bの外観を示す外観図であり、図8は図7のワーク部材20BのB−B断面を示す断面図である。軸絞り成形によって得られるワーク部材20Bは、図7および図8に示すように、粗材20Aの断面と略同一の断面を有する円柱状の頭部22Bと、頭部22Bの断面積よりも小さな断面積に絞られている円柱状の軸部24Bとにより形成されている。頭部22Bの頂面(円柱端面)の中心には、断面が円状の穴部26Bが形成されており、穴部26Bの底には穴部26Bよりも小さな断面が円状の凹部28Bが形成されている。この凹部28Bを形成する理由については後述する。こうしたワーク部材20を形成するプレス機30は、図6に示すように、固定盤31に固定されたボルスタ32と、図示しないスライド駆動部の駆動によりボルスタ32に対して上下動可能なスライド34と、ボルスタ32に固定され粗材20Aの断面形状と略同一の断面形状の空間が形成されて粗材20Aを遊びがない状態で収容可能な収容部36aとこの収容部36aの下部に形成され下方に進むほど断面積が徐々に小さくなる空間が形成された徐変部36bとこの徐変部36bの下部に形成され収容部36aの断面積(径D)よりも小さな断面積(径d)の円柱状の空間が形成された軸絞り部36cとを有する下型36と、スライド34に固定され粗材20Aの円柱端面と略同一の断面形状を有し中央に断面が円状の突起38aが形成されると共に突起38aの先端に断面が円状の凸部38bが形成されたパンチ38cを有する上型38とを備え、粗材20Aを下型36の収容部36aに収容した状態でスライド駆動部によってスライド34を駆動してパンチ38cを粗材20Aに押し当てることによりワーク部材20Bを形成する。こうした加工は、下型36に粗材20Aを密閉し、パンチ38cの進む方向に粗材20Aの材料を流動させて、下型36の軸絞り部36cを通して材料の断面積を減少させるものであるから、前方押し出し加工と考えることができる。
こうしてワーク部材20Bを形成すると、ワーク部材20Bに対して冷間鍛造による据え込み加工を施してフランジ付き部材20Cを形成する(工程S120)。図9は据え込み加工に用いられるプレス機40の構成の概略を示す構成図であり、図10はプレス機40によって形成されるフランジ付き部材20Cの外観を示す外観図であり、図11は図10のフランジ付き部材20CのC−C断面を示す断面図である。据え込み加工によって得られるフランジ付き部材20Cは、図10および図11に示すように、底付きの円筒部22Cと、円筒部22Cの外周に形成されたフランジ部24Cと、円筒部22Cの軸中心と同軸でフランジ部24Cにおける円筒部22Cとは反対側に延伸された軸部26とにより形成されている。こうしたフランジ付き部材20Cを形成するプレス機40は、図示するように、固定盤41に固定されたボルスタ42と、図示しないスライド駆動部の駆動によりボルスタ42に対して上下動可能なスライド44と、ボルスタ42に固定されワーク部材20Bの軸部24Bの断面形状と略同一の断面形状の空間が形成されてワーク部材20Bの軸部24Bを遊びがない状態で収容可能な収容部46aとこの収容部46aの下部に形成され収容部46aの断面積よりも小さな断面積の円柱状の空間が形成された軸絞り部46bとワーク部材20Bを頭部22Bの底面から押圧可能な押圧面46cとを有する下型44と、スライド44に固定されワーク部材20Bの穴部26Bに嵌合可能な凸部48aと凸部48aの外周に環状の溝48cを形成する凹部が形成された押圧面48bとを有する上型48とを備え、ワーク部材20Bを下型46の収容部46aに収容した状態でスライド駆動部によってスライド44を駆動して凸部48aと押圧面48bとをワーク部材20Bに押し当てることによりフランジ付き部材20Cを形成する。プレス機40は、図11に示すように、フランジ付き部材20Cを円筒部22Cの底面がフランジ部24Cの上面よりも深くなるよう形成する。こうした加工を行なう必要から、実施例では、ワーク部材20Bの頭部22Bの頂面に穴部26Bを設けている。
いま、工程S100の前処理や工程110の軸絞り加工によって金属滓やボンデ滓,加工油などがワーク部材20Bの穴部26Bに付着している場合を考える。図12に穴部26Bの底部に凹部28Bを設けたワーク部材20Bを用いてプレス機40により据え込み加工してフランジ付き部材20Cを形成する様子を示し、図13に穴部26Bの底部に凹部28Bを設けないワーク部材を用いてプレス機40により据え込み加工してフランジ付き部材を形成する様子を示す。穴部26Bの底部に凹部28Bを設けたワーク部材20Bを用いる場合には、図12に示すように、前工程で生じた金属滓やボンデ滓,加工油などが穴部26Bに付着しているときであっても、プレス機40の凸部48aが穴部26Bに嵌合して穴部26Bの底部が押し付けられたときに凹部28Bは滓溜まりとして機能し、金属滓やボンデ滓,加工油などは凹部28Bに保持される。一方、穴部26Bの底部に凹部28Bを設けないワーク部材を用いる場合には、図13に示すように、穴部26Bに金属滓やボンデ滓,加工油などが付着していると、プレス機40の凸部48aが穴部26Bに嵌合して穴部26Bの底部が押し付けられたときに滓や油は逃げ場をなくし、場合によっては凸部48cの押圧が進んだときに欠肉となって現われる。工程S120でワーク部材20Bを形成する際に穴部26Bの底部に凹部28Bを設けるのは、こうした理由に基づく。
こうしてフランジ付き部材20Cが形成されると、プレス機50を用いてフランジ付き部材20Cの円筒部22Cの内壁にスプライン成形を施す(工程S130)。図14はスプライン成形に用いられるプレス機50の構成の概略を示す構成図であり、図15はプレス機50によってスプライン成形が施されたフランジ付き部材20Dの外観を示す外観図であり、図16は図15のフランジ付き部材20DのD−D断面を示す断面図である。フランジ付き部材20Dは、図15および図16に示すように、図10のフランジ付き部材20Cの円筒部22Cの内壁に長さ方向に歯形溝28Dが形成されたものであり、同様の歯形溝が外壁に長さ方向に形成された回転軸(シャフト)を嵌挿できるようになっている。こうしたスプライン成形を行なうプレス機50は、図14に示すように、固定盤51に固定されたボルスタ52と、図示しないスライド駆動部の駆動によりボルスタ52に対して上下動可能なスライド54と、ボルスタ52に固定されフランジ付き部材20Cの軸部26Cを遊びがない状態で収容すると共にフランジ付き部材20Cが移動しないよう支持する収容部56aを有する下型56と、フランジ付き部材20Cの円筒部22Cに嵌合可能で外周面に長さ方向に歯形の刃部58aが形成されたパンチ58bを有する上型58とを備え、フランジ付き部材20Cを下型56の収容部56aに収容した状態でスライド駆動部によってスライド54を駆動してパンチ58bをフランジ付き部材20Cの円筒部22Cに押し当てることによりスプライン成形を施したフランジ付き部材20Dを形成する。
フランジ付き部材20Dを形成すると、シーブ20として無段変速機10に組み込んだときにシーブ20や他の機械部分を潤滑するための油路(図1の油路29を参照)を図示しない切削加工装置によって切削加工し(工程S140)、フランジ付き部材20Dにコーティングされている潤滑剤を除去する洗浄処理などの所定の後処理を行なって(工程S150)、シーブ20が完成する。前述したように、工程S130でワーク部材20Bの穴部26Bに余分な金属滓やボンデ滓,加工油などが付着している状態でプレス機40によってプレス加工されたときには、ワーク部材20Bの穴部22Bの底部に形成された凹部28Bは滓溜まりとして機能する。このため、フランジ付き部材20Cとして形成されたときに円筒部22Cの底部に金属滓やボンデ滓,加工油,凹部28Bの跡が残っている場合が考えられる。実施例では、凹部28Bが形成される部位(ワーク部材20Bの穴部26Bの底部)は、工程S140で切削加工によって油路29が形成される部位となるから、ワーク部材20Bの穴部22Bの底部に形成された凹部28Bによって完成品が影響を受けることはない。
以上説明した実施例のフランジ付き部材の製造方法によれば、円柱状の粗材20Aから円柱端面の中心に穴部26Bが設けられると共に穴部26Bの底部に凹部28Bが設けられたワーク部材20Bを形成し、このワーク部材20Bに対してプレス機40により冷間鍛造によるプレス加工を行なうから、工程プロセスの途中でワーク部材20Bの穴部26Bに金属滓やボンデ滓,加工油などが付着した場合であっても、プレス機40の凸部48aによって穴部26Bの底部が押し付けられたときに凹部28Bを滓溜まりとして機能させることができる。この結果、金属滓やボンデ滓,加工油などに起因する欠肉などの不良の発生を抑制することができる。しかも、凹部28Bが形成される部位(ワーク部材20Bの穴部26Bの底部)を、後工程で切削加工によって油路29が形成される部位としているから、ワーク部材20Bの穴部26Bの底部に形成された凹部28Bによって完成品が影響を受けるのを抑制することができる。
実施例のフランジ付き部材の製造方法では、シーブ20に潤滑オイルを供給するための油路をボス部22の底部に形成するものとしたが、ボス部22の底部には形成しないものとしても構わない。
実施例のフランジ付き部材の製造方法では、シーブ20に軸部26を形成するものとしたが、軸部を形成しないものとしても構わない。
実施例のフランジ付き部材の製造方法では、ベルト式の無段変速機10に用いられるシーブ20の製造に適用して説明するものとしたが、底付きの円筒部とこの円筒部の外周にフランジ部とを備えるものであれば、如何なるフランジ付き部材の製造に適用するものとしても構わない。
実施例では、フランジ付き部材の製造方法の形態として説明したが、こうしたフランジ付き部材の製造方法に用いられるワーク部材の形態とするものとしても構わない。
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、自動車産業などに利用可能である。
本発明の一実施例としてのフランジ付き部材の製造方法によって製造されたシーブ20の外観を示す外観図である。 図1のシーブ20のA−A断面を示す断面図である。 無段変速機10の構成の概略を示す構成図である。 シーブ20を製造する工程の一例を示す製造工程図である。 粗材20Aの外観を示す外観図である。 プレス機30の構成の概略を示す構成図である。 プレス機30によって形成されるワーク部材20Bの外観を示す外観図である。 図7のワーク部材20BのB−B断面を示す断面図である。 プレス機40の構成の概略を示す構成図である。 プレス機40によって形成されるフランジ付き部材20Cの外観を示す外観図である。 図10のフランジ付き部材20CのC−C断面を示す断面図である。 凹部28Bが形成されたワーク部材20Bをプレス機40によりプレス加工してフランジ付き部材20Cを形成する様子を示す説明図である。 凹部28Bが形成されていないワーク部材をプレス機40によりプレス加工してフランジ付き部材を形成する様子を示す説明図である。 プレス機50の構成の概略を示す構成図である。 プレス機50によってスプラインが施されたフランジ付き部材20Dの外観を示す外観図である。 図15のフランジ付き部材20DのD−D断面を示す断面図である。
符号の説明
10 無段変速機、11 回転軸、12 プライマリープーリ、13 回転軸、14 セカンダリープーリ、16 ベルト、20 シーブ、20A 粗材、20B,ワーク部材、20C,20D フランジ付き部材、22 ボス部、22a 歯形溝、22B 頭部、22C,22D 円筒部、24,24C,24D フランジ部、24B 軸部、26,26C,26D 軸部、26B 穴部、28B 凹部、28D 歯形溝、29 油路、30,40,50 プレス機、31,41,51 固定盤、32,42,52 ボルスタ、34,44,54 スライド、36,46,56 下型、38,48,58 上型、36a,46a,56a 収容部、36b 徐変部、36c 軸絞り部、38a 突起、38b 凸部、38c パンチ、46b 軸絞り部、46c 押圧部、48a 凸部 48b 押圧部、48c 溝、58a 刃部、58b パンチ。

Claims (9)

  1. 底付きの円筒部が形成されると共に該円筒部の外周にフランジ部が形成されてなるフランジ付き部材を冷間鍛造を用いて製造するフランジ付き部材の製造方法であって、
    (a)円柱端面の中心に形成された第1凹部と該第1凹部の底部に形成された第2凹部とを有する円柱状のワーク部材を形成し、
    (b)前記ワーク部材の第1凹部に嵌合して該第1凹部の底部を押圧可能な凸部と該凸部の外周を囲むよう該凸部の外径よりも大きい径の内径をもって該凸部との間で環状の空間を形成し該ワーク部材の円柱端面を押圧可能な凹部とを有する金型を用いて該金型を該ワーク部材の円柱端面に押し当てることにより前記円筒部と前記フランジ部とを形成する
    フランジ付き部材の製造方法。
  2. 前記金型は、前記円筒部の底が前記フランジ部における該円筒部の開口側の面よりも深くなるよう形成されてなる請求項1記載のフランジ付き部材の製造方法。
  3. 前記工程(b)は、冷間鍛造により前記円筒部の内壁に回転軸を接続するための歯形溝を形成する工程(b1)を備える請求項1または2記載のフランジ付き部材の製造方法。
  4. 前記工程(b)は、前記円筒部の底部に潤滑用の油路を形成する工程(b2)を備える請求項1ないし3いずれか記載のフランジ付き部材の製造方法。
  5. 前記工程(b)は、前記ワーク部材の前記第1凹部が形成された円柱端面を上向きにして載置した状態で前記金型によって該円柱端面を押圧することにより前記円筒部と前記フランジ部とを形成する工程である請求項1ないし4いずれか記載のフランジ付き部材の製造方法。
  6. 前記フランジ付き部材は、前記円筒部の開口側とは反対側に延伸された軸部を備える軸部材である請求項1ないし5いずれか記載のフランジ付き部材の製造方法。
  7. 前記工程(a)は、前記第1凹部と前記第2凹部とを形成可能な金型を用いて前方押し出し成形により前記軸部を形成する請求項6記載のフランジ付き部材の製造方法。
  8. 前記フランジ付き部材は、無段変速機に用いられるシーブである請求項1ないし7いずれか記載のフランジ付き部材の製造方法。
  9. 底付きの円筒部が形成されると共に該円筒部の外周にフランジ部が形成されてなるフランジ付き部材を冷間鍛造を用いて製造する際に用いられる円柱状のワーク部材であって、
    前記ワーク部材は、円柱端面の中心に形成された第1凹部と該第1凹部の底部に形成された第2凹部とを有する部材であり、
    前記ワーク部材の第1凹部に嵌合して該第1凹部の底部を押圧可能な凸部と該凸部の外周を囲むよう該凸部の外径よりも大きい径の内径をもって該凸部との間で環状の空間を形成し該ワーク部材の円柱端面を押圧可能な凹部とを有する金型を用いて該金型が該ワーク部材の円柱端面に押し当てられることにより前記円筒部と前記フランジ部とが形成される
    ワーク部材。
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