JP4840094B2 - エンジン - Google Patents

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Description

本発明は、廃熱から機械的エネルギーを回収し得るように構成されたエンジンに関する。
この種のエンジンとして、例えば、特開平6−88623号公報、特開2000−73753号公報、特開2000−345835号公報に記載されたものが知られている。これらのエンジンは、燃焼熱や摩擦熱等の廃熱によって冷却水(冷却媒体)から蒸気を発生させ、この蒸気の膨張によって機械的エネルギーを回収し得るように構成されている。
これらのエンジンは、一般に、シリンダブロックと、供給ポンプと、流入路と、流出路と、加熱器(過熱器)と、エキスパンダ(タービン)と、コンデンサと、を備えている。
前記シリンダブロックには、冷却水循環経路の一部を構成するウォータージャケットが設けられている。前記供給ポンプは、前記流入路を介して、前記ウォータージャケットに前記冷却水を供給するように構成されている。
前記流出路は、前記加熱器に連通している。この加熱器は、排気ガスの熱を熱源として、前記ウォータージャケットから流出した蒸気をさらに加熱(過熱)するように構成されている。
前記エキスパンダは、過熱蒸気の膨張エネルギーを機械的エネルギーに変換するように構成されている。前記コンデンサは、エネルギーを失って低圧となった蒸気を冷却することで液体に凝縮するように構成されている。
かかる構成においては、前記冷却水が、前記流入路から前記ウォータージャケットに供給される。このウォータージャケット内にて、前記冷却水から蒸気が発生する。この蒸気が、前記加熱器により、排気ガスとの熱交換でさらに加熱(過熱)される。
そして、前記エキスパンダにて、加熱(過熱)された蒸気が膨張する。これにより、機械的エネルギーが回収される。その後、エネルギーを失った低圧蒸気は、前記コンデンサに流入し、凝縮されて液体(前記冷却水)となる。このコンデンサにて凝縮された前記冷却水は、再び前記供給ポンプによって前記ウォータージャケットに供給される。
特開平6−88623号公報 特開2000−73753号公報 特開2000−345835号公報
この種のエンジンにおいては、前記冷却媒体は、(1)オーバーヒート防止のためのエンジンの冷却、及び(2)廃熱の吸収及び膨張による機械的エネルギーの回収、という、2つの機能を有する。この点、従来のこの種のエンジンにおいては、前記冷却媒体の供給状態に改良の余地があった。
例えば、特開平6−88623号公報、特開2000−73753号公報、特開2000−345835号公報に記載された構成においては、前記ウォータージャケット内に流入した前記冷却媒体が、当該ウォータージャケットの壁面と接触することによって、前記シリンダブロックや前記シリンダヘッドの冷却、及び前記冷却媒体の蒸発(蒸気の発生)が行われていた。
かかる構成においては、前記ウォータージャケットの壁面にて、前記冷却媒体の膜沸騰現象が生じることが多い。この膜沸騰現象により、前記ウォータージャケットの壁面と前記冷却媒体との間に、前記冷却媒体の蒸気による薄層が生じる。この気体の薄層は断熱層として作用するため、前記シリンダブロックや前記シリンダヘッドの冷却効率が低下し、同時に前記冷却媒体の吸熱効率も低下する。この吸熱効率が低下すると、機械的エネルギーの回収効率もまた低下する。
すなわち、従来のこの種のエンジンにおいては、前記ウォータージャケットの壁面における膜沸騰現象により、(1)オーバーヒート防止のためのエンジンの冷却、及び(2)廃熱の吸収及び膨張による機械的エネルギーの回収、という、2つの機能のいずれについても、充分な効果が得られていなかった。
本発明は、冷却効率及びエネルギー回収効率のいずれについても優れたエンジンを提供するものである。
課題を解決するための手段及び発明の効果
本発明のエンジンは、エンジンブロックと、冷却媒体噴射部と、蒸気導出路と、蒸気加熱器と、膨張器(expander)と、凝縮器(condenser)と、を備えている。
前記エンジンブロックには、シリンダと、吸気通路と、排気通路と、が形成されている。前記吸気通路及び前記排気通路は、前記シリンダと連通している。
前記冷却媒体噴射部は、液体状の冷却媒体を前記エンジンブロックに向けて噴射するように構成されている。1つ以上の前記冷却媒体噴射部が、各気筒ごとに設けられ得る。前記冷却媒体噴射部は、例えば、前記エンジンブロックに装着された液体噴射装置から構成され得る。あるいは、前記冷却媒体噴射部は、前記エンジンブロックに設けられた前記冷却媒体の通路の末端の、小径のノズルから構成され得る。
前記冷却媒体噴射部は、前記冷却媒体を液滴状にして前記エンジンブロックに向けて噴射するように構成され得る。
また、前記冷却媒体噴射部は、前記エンジンブロックのうちの、最も高温になる部位(燃焼室や前記排気通路の近辺)に対して液体状の前記冷却媒体を噴射するように構成され得る。
前記蒸気導出路は、前記冷却媒体噴射部によって噴射された後に気化した前記冷却媒体の蒸気を、前記エンジンブロックの外に導出するように構成されている。
前記蒸気加熱器は、前記蒸気導出路に介装されている。この蒸気加熱器は、前記排気通路内を通過する前記排気ガスと前記蒸気との熱交換によって、当該蒸気を加熱するように構成されている。
前記膨張器は、前記蒸気導出路に介装されている。この膨張器は、前記蒸気加熱器を経た前記蒸気から機械的エネルギーを回収するように構成されている。この膨張器としては、タービンが用いられ得る。あるいは、前記膨張器として、ピストンを備えた構成等が用いられ得る。
前記凝縮器は、前記膨張器を経た前記蒸気を凝縮するように構成されている。
ここで、前記エンジンブロックは、シリンダヘッドと、シリンダブロックと、を備え、このシリンダヘッドは、以下のように構成され得る。
前記シリンダヘッドには、前記吸気通路及び前記排気通路が形成されている。前記シリンダブロックには、前記シリンダと、ウォータージャケットと、が形成されている。
前記ウォータージャケットは、前記シリンダを囲むように設けられている。このウォータージャケットは、前記シリンダヘッドにおける、前記冷却媒体噴射部によって前記冷却媒体が噴射される空間と連通するように形成されている。この空間における上部が、前記蒸気導出路と接続されている。
前記シリンダヘッドには、排気弁ステムガイド孔が形成されている。この排気弁ステムガイド孔は、排気弁ステムが貫通される孔である。この排気弁ステムは、排気弁が下端に設けられた棒状の部材である。この排気弁は、前記シリンダ側から前記排気通路を閉鎖し得るように構成されている。
前記シリンダヘッドには、ステムシール部材が装着されている。このステムシール部材は、前記排気弁ステムガイド孔と前記排気弁ステムとの隙間をシールするように構成されている。
本発明のエンジンにおいては、前記冷却媒体噴射部によって、液体状の前記冷却媒体が、前記エンジンブロックに噴射される。これにより、当該エンジンブロックが冷却される。また、当該エンジンブロックの冷却に伴い、前記冷却媒体が吸熱する。これにより、前記冷却媒体の蒸気が発生する。
前記蒸気は、前記蒸気導出路を介して前記エンジンブロックから導出され、前記蒸気加熱器に達する。この蒸気加熱器において、前記蒸気は、前記排気通路内を通過する前記排気ガスと前記蒸気との熱交換によって加熱(過熱)される。
加熱された前記蒸気は、前記膨張器にて膨張する。これにより、前記蒸気から機械的エネルギーが回収される。この膨張器を経た前記蒸気は、前記凝縮器に達する。この凝縮器にて、前記蒸気が凝縮される。すなわち、当該凝縮器にて、前記冷却媒体が液体となる。液体となった前記冷却媒体は、再度前記冷却媒体噴射部に供給され得る。
本発明のエンジンによれば、液体状の前記冷却媒体が前記エンジンブロックに噴射される。これにより、当該エンジンブロックの前記冷却媒体が噴射された壁面における、膜沸騰現象の発生が、緩和又は抑制され得る。
よって、前記エンジンブロックの冷却が効率的に行われ得る。また、これと同時に、前記エンジンブロックから前記冷却媒体への熱の伝達、すなわち、前記冷却媒体の吸熱が、効率的に行われ得る。したがって、高エネルギーの前記蒸気が、効率的に発生し得る。
このように、本発明によれば、前記エンジンブロックの冷却効率、及び前記エンジンブロックにて発生する廃熱からのエネルギー回収効率が、いずれも、より高くされ得る。
・前記冷却媒体噴射部に前記冷却媒体を供給する冷却媒体供給路が、前記ステムシール部材の近傍を通るように、前記シリンダヘッドに形成されていてもよい。
かかる構成においては、前記冷却媒体噴射部によって、液体状の前記冷却媒体が、前記エンジンブロックに噴射される。このとき、前記冷却媒体噴射部に供給される前記冷却媒体は、前記シリンダヘッドにおける前記ステムシール部材の近傍の部分を通る。すると、当該部分が、液体状の前記冷却媒体によって冷却される。
かかる構成によれば、熱による前記ステムシール部材の劣化が抑制され得る。
・前記冷却媒体噴射部は、前記ステムシール部材の近傍に前記冷却媒体を噴射するように構成されていてもよい。
かかる構成においては、前記冷却媒体噴射部によって、液体状の前記冷却媒体が、前記シリンダヘッドにおける前記ステムシール部材の近傍に噴射される。すると、前記シリンダヘッドにおける前記ステムシール部材の近傍が、液体状の前記冷却媒体によって冷却される。
かかる構成によれば、熱による前記ステムシール部材の劣化が抑制され得る。
・前記エンジンが、冷却媒体貯留部と、冷却媒体送出ポンプと、をさらに備えていてもよい。ここで、前記冷却媒体貯留部は、前記凝縮器にて凝縮された液体状の前記冷却媒体を貯留するように構成されている。また、前記冷却媒体送出ポンプは、前記冷却媒体貯留部から前記冷却媒体噴射部に向けて、液体状の前記冷却媒体を送出するように構成されている。
かかる構成においては、前記凝縮器にて凝縮された液体状の前記冷却媒体が、前記冷却媒体貯留部に貯留される。この冷却媒体貯留部に貯留された液体状の前記冷却媒体は、前記冷却媒体送出ポンプによって、前記冷却媒体噴射部に向けて送出される。
かかる構成によれば、充分な量の液体状の前記冷却媒体を、前記冷却媒体貯留部に貯留することで、前記冷却媒体噴射部への液体状の前記冷却媒体の供給が安定的に行われ得る。
・前記冷却媒体送出ポンプとしての、供給ポンプ及び循環ポンプが、前記エンジンに設けられていてもよい。ここで、前記供給ポンプは、前記冷却媒体貯留部から前記ウォータージャケットに前記冷却媒体を送出するように構成されている。また、前記循環ポンプは、前記ウォータージャケットの底部から前記冷却媒体噴射部に前記冷却媒体を送出するように構成されている。
かかる構成においては、液体状の前記冷却媒体が、前記供給ポンプによって、前記冷却媒体貯留部から前記ウォータージャケットに送出される。また、液体状の前記冷却媒体が、前記循環ポンプによって、前記ウォータージャケットの底部から前記冷却媒体噴射部に送出される。
ここで、前記循環ポンプによって前記冷却媒体噴射部に送出される液体状の前記冷却媒体には、前記冷却媒体噴射部によって噴射されたもののうちの気化しなかった(蒸気にならなかった)ものと、前記供給ポンプによって前記冷却媒体貯留部から送出されたものと、が含まれ得る。
すなわち、ある程度昇温された状態の、液体状の前記冷却媒体が、前記循環ポンプによって前記冷却媒体噴射部に送出され、前記冷却媒体噴射部によって前記エンジンブロックに噴射される。
かかる構成によれば、前記エンジンブロックの過度の冷却が防止され得る。したがって、フリクションロスの発生が効果的に抑制され得る。また、蒸気の温度もより高温にされ得る。したがって、前記エンジンブロックにて発生する廃熱からのエネルギー回収効率が、より高くされ得る。
なお、前記ウォータージャケット内の液体状の前記冷却媒体及び前記蒸気から、液体状のものだけが前記循環ポンプに供給されるように、前記ウォータージャケットの底部と前記循環ポンプとの接続状態が設定されていることが好適である。
すなわち、液体と蒸気との混合物から液体のみを抽出して前記冷却媒体噴射部に供給し得るように、前記ウォータージャケット及び前記循環ポンプが構成されることが好適である。例えば、前記ウォータージャケットの最低部に、前記循環ポンプへと向かう液体状の前記冷却媒体の排出路が形成され得る。
これにより、前記冷却媒体噴射部による液体状の前記冷却媒体の確実な噴射、及び前記エンジンブロックの適切かつ確実な冷却が達成され得る。
前記循環ポンプと接続された前記冷却媒体噴射部の他に、前記供給ポンプと接続された前記冷却媒体噴射部が備えられていてもよい。すなわち、前記供給ポンプは、もう1つの前記冷却媒体噴射部を介して前記エンジンブロックに液体状の前記冷却媒体を噴射することで、前記ウォータージャケットに前記冷却媒体を供給するように構成されていてもよい。
かかる構成においては、前記循環ポンプから供給された液体状の前記冷却媒体が、前記冷却媒体噴射部によって前記エンジンブロックに噴射される。
また、前記供給ポンプから供給された液体状の前記冷却媒体が、もう一つの前記冷却媒体噴射部によって前記エンジンブロックに噴射される。そして、噴射されたもののうちの気化しなかった(蒸気にならなかった)ものが、前記ウォータージャケットの底部に供給され、前記循環ポンプに供給される。
かかる構成によれば、液体状の前記冷却媒体の前記エンジンブロックへの確実な噴射、及び前記エンジンブロックの適切かつ確実な冷却が達成され得る。
・前記循環ポンプは、所定の加温対象を加温するように構成されたヒータにも前記冷却媒体を送出するように構成されていてもよい。
かかる構成においては、液体状の前記冷却媒体が、前記循環ポンプによって、前記ウォータージャケットの底部から、前記冷却媒体噴射部及び前記ヒータに送出される。すなわち、ある程度昇温された状態の、液体状の前記冷却媒体が、前記循環ポンプによって、前記冷却媒体噴射部及び前記ヒータに送出される。そして、このヒータによって、所定の加温対象(運転室内の空気等)が加温される。
かかる構成によれば、ヒータのウォーミングアップが早期に行われ得る。
・前記冷却媒体噴射部は、前記エンジンブロックと前記蒸気導出路とを接続する蒸気排出路に向けて、前記冷却媒体を噴射するように構成されていてもよい。
この場合、前記エンジンが、以下のように構成されていてもよい:前記エンジンブロックは、鉛直方向に対して第1の側に傾斜するように配置されている。また、前記冷却媒体噴射部は、前記エンジンブロックの上部であって、前記第1の側に設けられている。さらに、前記蒸気排出路は、前記エンジンブロックの上部であって、前記第1の側と反対の第2の側に設けられている。
かかる構成においては、前記冷却媒体噴射部によって、液体状の前記冷却媒体が、前記エンジンブロックに噴射される。そして、前記エンジンブロックから熱を吸収することで発生した前記冷却媒体の蒸気が、前記蒸気排出路を介して、前記蒸気導出路に流入する。
このとき、液体状の前記冷却媒体は、前記冷却媒体噴射部により、前記蒸気排出路に向けて噴射される。これにより、前記冷却媒体噴射部から前記蒸気排出路に向かって、空気の流れが形成される。この流れによって、前記蒸気が、前記蒸気排出路を介して、前記蒸気導出路に導入される。
かかる構成によれば、発生した前記蒸気が、前記加熱部に効率的に導入され得る。
以下、本発明の実施形態(本願の出願時点において取り敢えず出願人が最良と考えている実施形態)について図面を参照しつつ説明する。
<エンジンブロックの構成>
図1は、本発明の一実施形態に係るエンジン100の概略構成図である。本実施形態におけるエンジン100は、直列多気筒型のガソリンエンジンとして構成されている。
図1を参照すると、エンジン100は、エンジンブロック110を備えている。このエンジンブロック110は、エンジン100の本体部を構成する部材である。図1には、エンジンブロック110の、気筒配列方向と垂直な側断面図が示されている。
<<シリンダブロックの構成>>
エンジンブロック110は、シリンダブロック120を備えている。シリンダブロック120には、略円筒形状の貫通孔であるシリンダ121が形成されている。シリンダ121内には、ピストン122が、シリンダ121の高さ方向(図中上下方向)に沿って往復運動可能に収容されている。
すなわち、図1には、1つのシリンダ121の軸中心を通る平面による、エンジンブロック110の側断面図が示されている。そして、本実施形態のエンジン100においては、すべてのシリンダ121に対応して、以下に説明する構成が備えられているものとする。
シリンダブロック120には、本発明のウォータージャケットとしての、ロアジャケット123が形成されている。ロアジャケット123は、シリンダ121を囲むように設けられている。ロアジャケット123は、平面視にて略リング状の空間である。このロアジャケット123は、その内部を冷却水及びその蒸気が通過し得るように構成されている。
ロアジャケット123の最低部には、冷却水排出路124が設けられている。冷却水排出路124は、ロアジャケット123の底部に貯留された液体状の冷却水を、外部に排出し得るように構成されている。すなわち、冷却水排出路124は、ロアジャケット123内の冷却水のうちの、底部の液体状のものだけを、外部に排出し得るように構成されている。
ロアジャケット123の底部には、冷却水注入路125が設けられている。冷却水注入路125は、ロアジャケット123の底部に液体状の冷却水を注入し得るように構成されている。この冷却水注入路125は、ロアジャケット123内に所定量の冷却水が貯留され得るように、冷却水排出路124よりも上方に設けられている。
<<シリンダヘッドの構成>>
エンジンブロック110は、シリンダヘッド130を備えている。シリンダヘッド130の下端面は、シリンダブロック120の上端面と接合されている。
シリンダヘッド130には、本発明の吸気通路を構成する吸気ポート131と、本発明の排気通路を構成する排気ポート132と、が形成されている。吸気ポート131及び排気ポート132は、シリンダ121の上端部と連通するように設けられている。
本実施形態においては、吸気ポート131は、気筒配列方向に沿って2つ設けられている。そして、一対の吸気ポート131は、シリンダ121の軸中心を通る平面を挟んで、ほぼ対称に形成されている。同様に、排気ポート132も、気筒配列方向に沿って2つ設けられている。
吸気ポート131と排気ポート132との間には、点火プラグ133が設けられている。点火プラグ133は、シリンダ121の軸中心付近に配置されている。
図2Aは、図1に示されているシリンダヘッド130の拡大図である。この図2Aは、図1に示されているシリンダヘッド130の、シリンダ121の軸中心を通り気筒配列方向と垂直な平面による側断面図である。図2Bは、図1に示されているシリンダヘッド130の、図2Aとは異なる平面による側断面図である。すなわち、図2Bは、図1に示されているシリンダヘッド130の、吸気ポート131及び排気ポート132の下端部における中心を通る平面による側断面図である。
図1、図2A、及び図2Bを参照すると、シリンダヘッド130には、吸気部134が設けられている。吸気部134は、シリンダ121内(燃焼室内)に、燃焼前のガスを導入し得るように、以下のように構成されている。
吸気部134は、吸気弁134aを備えている。吸気弁134aは、吸気ポート131をシリンダ121側から(ピストン122側から)閉鎖し得るように構成されている。
吸気弁134aは、吸気弁ステム134bの下端に設けられている。この吸気弁ステム134bは、棒状部材であって、吸気弁134aと一体に成形されている。
吸気弁ステム134bは、吸気弁ステムガイド孔134cを貫通するように配置されている。吸気弁ステムガイド孔134cは、シリンダヘッド130に形成された貫通孔である。この吸気弁ステムガイド孔134cは、吸気弁ステム134bの上下動をガイドし得るように構成されている。
吸気弁ステム134bと吸気弁ステムガイド孔134cとの隙間に対応する位置には、吸気弁ステムシール部材134dが装着されている。吸気弁ステムシール部材134dは、上述の隙間をシールするように構成されている。
シリンダヘッド130には、排気部135が設けられている。排気部135は、シリンダ121の軸中心を通り気筒配列方向と平行な平面を挟んで、吸気部134とほぼ対称の位置に設けられている。この排気部135は、シリンダ121内(燃焼室内)の燃焼済みのガスを、シリンダ121外に排出し得るように構成されている。この排気部135は、吸気部134と同様の構造を有していて、以下のように構成されている。
排気弁135aは、排気ポート132をシリンダ121側から(ピストン122側から)閉鎖し得るように構成されている。この排気弁135aは、棒状の排気弁ステム135bの下端に設けられている。排気弁ステム135bは、排気弁135aと一体に成形されている。
また、排気弁ステム135bは、排気弁ステムガイド孔135cを貫通するように配置されている。排気弁ステムガイド孔135cは、シリンダヘッド130に形成された貫通孔である。この排気弁ステムガイド孔135cは、排気弁ステム135bの上下動をガイドし得るように構成されている。
さらに、排気弁ステム135bと排気弁ステムガイド孔135cとの隙間に対応する位置には、排気弁ステムシール部材135dが装着されている。排気弁ステムシール部材135dは、耐熱性を有する合成樹脂によって形成されている。この排気弁ステムシール部材135dは、上述の隙間をシールするように構成されている。
<<<冷却水噴射部の周辺の構成>>>
シリンダヘッド130の内部かつ下部には、アッパージャケット136が形成されている。アッパージャケット136は、その内部を、液体状の冷却水及びその蒸気が通過し得るように構成された空間である。このアッパージャケット136は、一対の吸気ポート131の間、一対の排気ポート132の間、及び吸気ポート131と排気ポート132との間、に設けられている。
アッパージャケット136は、ロアジャケット123の上端部と連通するように設けられている。すなわち、液体状の冷却水が、重力の作用で、アッパージャケット136からロアジャケット123に流れ落ち得るようになっている。また、ロアジャケット123にて発生した冷却水の蒸気が、その上方のアッパージャケット136に流入し得るようになっている。
一対の排気ポート132の間に設けられたアッパージャケット136に対応する位置には、冷却水噴射部137が設けられている。冷却水噴射部137は、液体状の冷却水を、シリンダヘッド130の内壁面に向けて噴射し得るように、構成及び配置されている。
具体的には、本実施形態においては、冷却水噴射部137は、アッパージャケット136の内壁面であって排気弁135aの近傍の位置に向けて噴射し得るように、構成及び配置されている。この冷却水噴射部137は、燃料噴射用ノズルと同様の構造を有していて、冷却水を細かい液滴状にして勢いよく噴射し得るように構成されている。
シリンダヘッド130の内部には、冷却水供給路138が設けられている。冷却水供給路138は、冷却水噴射部137へ液体状の冷却水を供給し得るように構成されている。この冷却水供給路138は、内部通路138aと、接続通路138bと、から構成されている。
内部通路138aは、シリンダヘッド130の本体を構成する壁材の内部に形成された冷却水路である。この内部通路138aは、排気弁ステムシール部材135dの近傍を通るように設けられている。接続通路138bは、内部通路138aの末端と冷却水噴射部137とを接続する配管部材から構成されている。
シリンダヘッド130の上部には、蒸気排出路139が形成されている。具体的には、蒸気排出路139は、アッパージャケット136の最上部から斜め上方に延びるように設けられている。蒸気排出路139は、アッパージャケット136の最上部と接続されている。この蒸気排出路139は、アッパージャケット136内の蒸気を、当該アッパージャケット136外に排出し得るように構成されている。
<廃熱回収部の構成>
再び図1を参照すると、エンジン100は、廃熱回収部140を備えている。廃熱回収部140は、エンジンブロック110にて発生した廃熱から機械的エネルギーを回収し得るように、以下のように構成されている。
蒸気排出路139には、蒸気導出路141が接続されている。蒸気導出路141は、冷却水噴射部137によって噴射された後に気化した冷却水の蒸気を、エンジンブロック110の外に導出し得るように構成されている。すなわち、アッパージャケット136の最上部が、蒸気排出路139を介して、蒸気導出路141と接続されている。
蒸気導出路141には、過熱器142、タービン143、及びコンデンサ144が介装されている。
本発明の蒸気加熱器としての過熱器142は、排気ポート132から排出された排気ガスの通路である排気通路と接続されている。この過熱器142は、排気ガスと蒸気との熱交換によって、蒸気を加熱し得るように構成されている。すなわち、過熱器142は、蒸気排出路139から排出された蒸気を排気ガスで加熱することで、過熱蒸気を生成し得るように構成されている。
本発明の膨張器としてのタービン143は、過熱器142を経て生成された過熱蒸気から、機械的エネルギーを回収し得るように構成されている。すなわち、タービン143は、回転羽根を備えていて、過熱器142から導入された過熱蒸気の膨張によって当該回転羽根が回転するように構成されている。
コンデンサ144は、タービン143を経た蒸気を、外気との熱交換によって冷却することで、凝縮し得るように構成されている。このコンデンサ144は、ラジエータと同様の構造に構成されている。
コンデンサ144は、本発明の冷却媒体貯留部としてのキャッチタンク145と接続されている。キャッチタンク145は、ロアジャケット123及びアッパージャケット136の双方を満たし得る程度の量の冷却水を貯留し得るように構成されている。
キャッチタンク145の上端部には、冷却水入口としての冷却水回収口145aが設けられている。冷却水回収口145aは、コンデンサ144によって得られた液体状の冷却水を、キャッチタンク145に導入し得るように構成されている。また、キャッチタンク145には、冷却水出口としての、ロア冷却水供給口145b及びアッパー冷却水供給口145cが設けられている。
ロア冷却水供給口145bは、キャッチタンク145の最低部から冷却水を外部に排出し得るように構成されている。アッパー冷却水供給口145cは、キャッチタンク145の上部であって、冷却水回収口145aよりも下方に設けられている。このアッパー冷却水供給口145cは、キャッチタンク145の上部から冷却水を外部に排出し得るように構成されている。
ロア冷却水供給口145b及びアッパー冷却水供給口145cは、三方向弁からなる制御バルブ146の第1及び第2の流入側ポートと、それぞれ接続されている。制御バルブ146の流出側ポートは、供給ポンプ147と接続されている。
本発明の冷却媒体送出ポンプとしての供給ポンプ147は、ロアジャケット123の底部に設けられた冷却水注入路125と接続されている。この供給ポンプ147は、キャッチタンク145からロアジャケット123の底部に液体状の冷却水を送出し得るように構成されている。
<温水循環部の構成>
エンジン100は、温水循環部150を備えている。温水循環部150は、ロアジャケット123を基点として、(比較的高温の)冷却水の循環路を形成するように、以下のように構成されている。
温水循環部150は、本発明の冷却媒体送出ポンプとしての循環ポンプ151を備えている。循環ポンプ151の流入側ポートは、冷却水排出路124と接続されている。また、循環ポンプ151の流出側ポートは、冷却水通路であるウォータージェット循環路152を介して、冷却水供給路138における内部通路138aと接続されている。
すなわち、ロアジャケット123の底部から、循環ポンプ151、ウォータージェット循環路152、冷却水供給路138、冷却水噴射部137、及びアッパージャケット136を経て、ロアジャケット123の底部に還流する、液体状の冷却水の循環路が形成されている。
ウォータージェット循環路152から分岐する冷却水通路であるヒータ循環路153には、ヒータ154が介装されている。ヒータ循環路153は、ヒータ154よりも下流側にて、冷却水排出路124と合流するように設けられている。本実施形態におけるヒータ154は、自動車の室内の空気を加温し得るように構成されている。
すなわち、本実施形態においては、循環ポンプ151は、ロアジャケット123の最低部から、冷却水噴射部137及びヒータ154に、液体状の冷却水を送出するように構成されている。
<実施形態のエンジンの動作>
以下、上述の構成を有する本実施形態のエンジン100の動作について、各図を参照しつつ説明する。
図1を参照すると、エンジン100の始動時点においては、ロアジャケット123の底部に、比較的少量(ロアジャケット123の容量よりもはるかに少量)の液体状の冷却水が貯留されている。
エンジン100が始動された後、循環ポンプ151が起動される。すると、ロアジャケット123の底部の、液体状の冷却水は、ウォータージェット循環路152及びヒータ循環路153に送出される。
ウォータージェット循環路152に送出された、液体状の冷却水は、冷却水供給路138における内部通路138aを通過する。これにより、シリンダヘッド130における、排気弁ステムシール部材135dの近傍の部分が冷却される。換言すれば、シリンダヘッド130における、排気弁ステムシール部材135dの近傍の部分によって、液体状の冷却水が加温される。
そして、冷却水供給路138における内部通路138aを経た液体状の冷却水は、冷却水噴射部137に達する。そして、冷却水噴射部137によって、この液体状の冷却水が、シリンダヘッド130の内壁面に向けて、勢いよく噴射される。すなわち、アッパージャケット136の内壁面であって排気弁135aの近傍の位置に、液滴状の冷却水が噴射される。これにより、アッパージャケット136が冷却される。換言すれば、アッパージャケット136からの吸熱により、液滴状の冷却水がさらに加温される。
この加温された液滴状の冷却水の一部は飽和蒸気となり、アッパージャケット136から蒸気排出路139を介して蒸気導出路141に導出される。蒸気とならずに液体のまま昇温した冷却水は、下方のロアジャケット123に向けて還流する。なお、アッパージャケット136からロアジャケット123の底部に向かう途中でも、液体状の冷却水は、シリンダブロック120からの吸熱により、蒸気に相変態し得る。この蒸気は、上方のアッパージャケット136に達し、蒸気導出路141に導出される。
アッパージャケット136からシリンダヘッド130の外部へと導出された蒸気は、過熱器142にて、排気ガスとの熱交換によって加熱され、過熱蒸気となる。過熱器142にて発生した過熱蒸気は、タービン143にて、膨張により、前記回転羽根を回転させる。これにより、過熱蒸気の有する熱エネルギーが、タービン143の前記回転羽根の運動(回転)のエネルギーに変換される。すなわち、過熱蒸気から機械的エネルギーが回収される。
タービン143を経て低エネルギーとなった蒸気は、コンデンサ144にて冷却されることで、凝縮される。コンデンサ144にて液体状となった冷却水は、冷却水回収口145aを経て、キャッチタンク145の上部に回収される。
一方、循環ポンプ151によってヒータ循環路153に送出された、液体状の冷却水は、ヒータ154を経て、循環ポンプ151に再度還流する。
ロアジャケット123の底部には、液体状の冷却水が、供給ポンプ147によって、キャッチタンク145から供給される。
ここで、低負荷及び中程度の負荷の運転時においては、制御バルブ146により、アッパー冷却水供給口145cと供給ポンプ147とが接続され、ロア冷却水供給口145bと供給ポンプ147との接続が遮断される。これにより、キャッチタンク145の上部の比較的高温の冷却水が、ロアジャケット123に供給される。また、ロアジャケット123への液体状の冷却水の供給量が制限される。よって、エンジンブロック110を過度に冷却することが効果的に防止され得る。
一方、高負荷運転時においては、制御バルブ146により、ロア冷却水供給口145bと供給ポンプ147とが接続され、アッパー冷却水供給口145cと供給ポンプ147との接続が遮断される。これにより、キャッチタンク145の底部の比較的低温の冷却水が、ロアジャケット123に供給される。また、ロアジャケット123に比較的多量の液体状の冷却水が供給される。よって、エンジンブロック110の冷却が良好に行われる。
<実施形態の構成による効果>
以下、上述のような本実施形態の構成による効果について説明する。
・本実施形態の構成においては、液体状の冷却水が、冷却水噴射部137によって、エンジンブロック110の内壁面、すなわち、アッパージャケット136の内壁面に、勢いよく噴射される。すなわち、アッパージャケット136の内壁面に対して、液体状の冷却水が、勢いよく衝突する。
これにより、アッパージャケット136の内壁面に付着している、冷却水の蒸気による気泡が、良好に弾き飛ばされる。よって、高負荷運転等により、シリンダヘッド130(特に排気ポート132付近)が高温になって、アッパージャケット136の内壁面にて大量の気泡が発生した場合であっても、膜沸騰現象の発生が、緩和又は抑制され得る。
したがって、かかる構成によれば、シリンダヘッド130(特に排気ポート132付近)の冷却が、良好に行われる。
また、シリンダヘッド130にて発生している廃熱による冷却水の昇温が、効率的に行われる。よって、廃熱からの機械的エネルギーの回収効率が良好となる。
・本実施形態においては、エンジンブロック110のうちの最も高温になる部位である、燃焼室や排気ポート132の近辺に対して、液体状の冷却水が噴射される。
かかる構成によれば、前記部位の冷却が良好に行われることで、エンジンブロック110の冷却が効率的に行われ得る。また、より高温の蒸気が得られることで、廃熱からのエネルギー回収効率が向上され得る。
・本実施形態の構成においては、冷却水噴射部137によって、細かい液滴状の冷却水が、アッパージャケット136の内壁面に噴射される。
これにより、アッパージャケット136の内壁面における、冷却効率、及び冷却水の気化効率が、向上し得る。よって、シリンダヘッド130(特に排気ポート132付近)の冷却が、良好に行われる。また、廃熱回収のための蒸気の発生が、安定的に行われ得る。
・本実施形態の構成においては、エンジン100の始動時には、ロアジャケット123の底部に比較的少量(ロアジャケット123の容量よりもはるかに少量)の冷却水が貯留されていて、ロアジャケット123の上側の大部分は冷却水がない状態となっている。
これにより、エンジンブロック110(特にシリンダブロック120)の暖機性が良好となる。したがって、エンジンブロック110(特にシリンダブロック120)におけるフリクションロスが、効果的に低減され得る。
・本実施形態の構成においては、シリンダ121を囲むように設けられたロアジャケット123の上端部と、アッパージャケット136(シリンダヘッド130における、冷却水噴射部137によって液体状の冷却水が噴射される空間)の下端部とが連通する。また、蒸気排出路139は、アッパージャケット136の最上部から蒸気を外部に排出し得るように設けられている。
よって、冷却水の蒸気は、アッパージャケット136の最上部に設けられた蒸気排出路139から、過熱器142及びタービン143に向けて送出される。また、下方のロアジャケット123にて発生した蒸気も、上方のアッパージャケット136に流入し、蒸気排出路139から、過熱器142及びタービン143に向けて送出され得る。
一方、上方のアッパージャケット136にて噴射された液体状の冷却水のうちの、気化しなかった(蒸気とならなかった)ものは、下方のロアジャケット123に流れ落ち得る。
このように、本実施形態の構成によれば、アッパージャケット136における、蒸気と液体との分離が良好に行われる。よって、過熱器142及びタービン143への液体状の冷却水の流入が効果的に抑制され得る。したがって、廃熱回収部140の作動効率の低下が可及的に抑制され得る。
・本実施形態の構成においては、ロアジャケット123の最低部から、液体状の冷却水が、冷却水排出路124を介して導出され、冷却水噴射部137に供給される。すなわち、本実施形態においては、ロアジャケット123の最低部に設けられた冷却水排出路124によって、液体状の冷却水と蒸気とが分離される。そして、分離された液体状の冷却水が、冷却水噴射部137に供給される。
これにより、冷却水噴射部137による液体状の冷却水の確実な噴射、及びエンジンブロック110の適切かつ確実な冷却が達成され得る。
・本実施形態の構成においては、冷却水噴射部137に液体状の冷却水を供給するための内部通路138aが、排気弁ステムシール部材135dの近傍を通っている。
これにより、シリンダヘッド130における排気弁ステムシール部材135dの近傍の部分が、液体状の冷却水によって、良好に冷却される。よって、熱による排気弁ステムシール部材135dの劣化が抑制され得る。
・本実施形態の構成においては、コンデンサ144によって凝縮された液体状の冷却水が、キャッチタンク145に貯留される。また、充分多量の液体状の冷却水を貯留しているキャッチタンク145から、液体状の冷却水が、供給ポンプ147によって、ロアジャケット123の底部に送出される。そして、ロアジャケット123の底部に一旦貯留された液体状の冷却水が、循環ポンプ151によって、冷却水噴射部137及びヒータ154に送られる。
これにより、冷却水噴射部137への液体状の冷却水の供給が、安定的に行われ得る。
ここで、ロアジャケット123の底部の冷却水は、エンジンブロック110からの吸熱によって、ある程度昇温されている。
よって、エンジンブロック110の過度の冷却が防止され得る。また、アッパージャケット136にて発生する蒸気の温度も比較的高温にされ得る。これにより、廃熱からのエネルギー回収効率がいっそう向上し得る。さらに、比較的高温の冷却水がヒータ154に早期に供給される。これにより、ヒータ154の暖機性が向上する。
<変形例の例示列挙>
なお、上述の実施形態は、上述した通り、出願人が取り敢えず本願の出願時点において最良であると考えた本発明の代表的な実施形態を単に例示したものにすぎない。よって、本発明はもとより上述の実施形態に何ら限定されるものではない。したがって、本発明の本質的部分を変更しない範囲内において、上述の実施形態に対して種々の変形が施され得ることは、当然である。
以下、代表的な変形例について、幾つか例示する。以下の変形例の説明において、上述の実施形態にて説明されているものと同様の構成及び機能を有する部材に対しては、上述の実施形態と同様の符号が付されているものとする。また、技術的に矛盾しない範囲内において、上述の実施形態における説明が援用され得るものとする。
もっとも、言うまでもなく、変形例とて、以下に列挙されたもの限定されるものではない。また、複数の変形例が、技術的に矛盾しない範囲内において、適宜、複合的に適用され得る。
本発明(特に、本発明の課題を解決するための手段を構成する各構成要素における、作用的・機能的に表現されているもの)は、上述の実施形態や、下記変形例の記載に基づいて限定解釈されてはならない。このような限定解釈は、(先願主義の下で出願を急ぐ)出願人の利益を不当に害する反面、模倣者を不当に利するものであって、許されない。
(A)本発明の適用対象は、直列型エンジンに限定されない。例えば、本発明は、V型、W型、水平対向型のいずれにも好適に適用され得る。
また、本発明の適用対象は、ガソリンエンジンに限定されない。例えば、本発明は、ディーゼルエンジンにも適用され得る。
(B)本発明において、バルブ数に限定はない。すなわち、吸気ポート131及び排気ポート132の数に限定はない。
(C)点火プラグ133に代えて、燃料噴射弁が設けられ得る。この場合、ガソリンエンジン及びディーゼルエンジンのいずれの場合もあり得る。
(D)タービン143に備えられた前記回転羽根の回転エネルギーは、電気に変換されてもよいし、他の回転駆動系の動力源として用いられてもよい。
また、タービン143に代えて、ピストンを備えた機構を用いてもよい。
(E)供給ポンプ147の駆動方式に限定はない。
例えば、供給ポンプ147は、エンジン100の出力軸にて発生した駆動力を、動力伝達機構を介して受け取るように構成されていてもよい。
あるいは、供給ポンプ147は、タービン143の前記回転羽根にて発生した駆動力を、動力伝達機構を介して受け取るように構成されていてもよい。
あるいは、供給ポンプ147は、電動モータによって回転駆動されるように構成されていてもよい。この電動モータの駆動電源は、タービン143を介して回収された電気エネルギーであってもよいことはいうまでもない。
(F)ヒータ循環路153は、ヒータ154を経て、ロアジャケット123に還流するように設けられてもよい。
(G)図3は、図1に示されているエンジン100の一つの変形例の概略構成図である。
図3に示されているように、キャッチタンク145とは別に、液体状の冷却水を貯留し得る冷却水タンク155が設けられていてもよい。冷却水タンク155は、ウォータージェット循環路152によって、循環ポンプ151の循環ポンプ151の流入側ポートと接続されている。また、冷却水タンク155は、ヒータ循環路153の末端と接続されている。また、冷却水タンク155は、供給ポンプ147の流出側ポートと接続されている。
かかる変形例においては、キャッチタンク145内に貯留された液体状の冷却水が、供給ポンプ147によって、キャッチタンク145から冷却水タンク155に供給される。
また、ロアジャケット123の底部から、液体状の冷却水が、冷却水タンク155に流入する。このロアジャケット123の底部から冷却水タンク155に流入する冷却水には、エンジン100の始動時からロアジャケット123の底部に貯留されていたものと、冷却水噴射部137によって噴射された冷却水のうちの気化しなかったものと、が含まれ得る。
かかる構成によれば、冷却水噴射部137への液体状の冷却水の供給が、よりいっそう安定的に行われ得る。
(H)図4は、図1に示されているシリンダヘッド130の一つの変形例の構成を示す側断面図である。
図4に示されているように、この変形例における冷却水噴射部137は、シリンダヘッド130の本体を構成する壁材の内部に形成された冷却水路の末端の、小径のノズルから構成されている。また、接続通路138bも、内部通路138aと同様に、前記壁材の内部に形成された冷却水路として形成されている。これらの冷却水噴射部137及び接続通路138bも、排気弁ステムシール部材135dの近傍を通るように設けられている。
かかる構成によれば、シリンダヘッド130における排気弁ステムシール部材135dの近傍の部分が、液体状の冷却水によって、より良好に冷却される。したがって、熱による排気弁ステムシール部材135dの劣化が抑制され得る。
(I)図5は、図1に示されているシリンダヘッド130の他の変形例の構成を示す側断面図である。
図5に示されているように、この変形例の構成においては、冷却水噴射部137は、排気弁ステムシール部材135dの近傍、及び排気ポート132の始端部の近傍に冷却水を噴射するように構成されている。
かかる構成においては、液体状の冷却水が、シリンダヘッド130における排気弁ステムシール部材135dの近傍の部分に噴射される。これにより、当該部分が、液体状の冷却水によって良好に冷却される。
よって、熱による排気弁ステムシール部材135dの劣化が抑制され得る。また、より高温の蒸気が得られることで、廃熱からのエネルギー回収効率がいっそう向上され得る。
(J)図6は、図1に示されているエンジン100の他の変形例の概略構成図である。
図6を参照すると、この変形例においては、循環ポンプ151と接続された冷却水噴射部137の他に、もう1つの冷却水噴射部137’が備えられている。
冷却水噴射部137は、上述の実施形態と同様に、燃料噴射用ノズルと同様の構造を有している。この冷却水噴射部137は、アッパージャケット136の内壁面であって、吸気ポート131の末端部及び排気ポート132の始端部の近傍(すなわち燃焼室の近傍)の位置に、液体状の冷却水を噴射するように構成及び配置されている。
一方、冷却水噴射部137’は、上述の変形例と同様に、シリンダヘッド130の本体を構成する壁材の内部に形成された冷却水路の末端の、小径のノズルから構成されている。この冷却水噴射部137’は、シリンダヘッド130における排気弁ステムシール部材135dの近傍の部分に、液体状の冷却水を噴射するように構成及び配置されている。すなわち、供給ポンプ147は、冷却水噴射部137’を介してシリンダヘッド130に液体状の冷却水を噴射することで、ロアジャケット123に冷却水を供給するように構成されている。
そして、供給ポンプ147の流出側ポートは、冷却水噴射部137’と接続されている。すなわち、この変形例においては、供給ポンプ147は、冷却水噴射部137’に対して液体状の冷却水を供給するように構成されている。
かかる構成においては、循環ポンプ151から供給された液体状の冷却水が、冷却水噴射部137によって、アッパージャケット136の内壁面に噴射される。これにより、シリンダヘッド130における最も高温となる部位が良好に冷却されるとともに、高温の蒸気が発生する。
また、供給ポンプ147から供給された液体状の冷却水が、冷却水噴射部137’によって、シリンダヘッド130における排気弁ステムシール部材135dの近傍の部分に噴射される。これにより、当該部分が良好に冷却されるとともに、高温の蒸気が発生する。
冷却水噴射部137及び137’によって噴射された液体状の冷却水のうちの、気化しなかった(蒸気にならなかった)ものが、下方のロアジャケット123の底部に供給され、循環ポンプ151に再度供給される。
かかる構成によれば、液体状の冷却水のエンジンブロック110への確実な噴射、及びエンジンブロック110の適切かつ確実な冷却が達成され得る。
(K)図6における冷却水噴射部137と、冷却水噴射部137’とは、同一の構造を有するように構成されていてもよい。すなわち、冷却水噴射部137及び137’は、燃料噴射用ノズルと同様の構造に構成され得る。あるいは、冷却水噴射部137及び137’は、シリンダヘッド130の本体を構成する壁材の内部に形成された冷却水路の末端の、小径のノズルから構成され得る。
(L)図6に示されている構成において、図3に示されている冷却水タンク155が設けられていてもよい。この場合、供給ポンプ147の下流側に三方向弁を設けて、供給ポンプ147による液体状の冷却水の供給先を、冷却水噴射部137’と冷却水タンク155とのいずれかに切り替え可能としてもよい。
(M)図7は、図1に示されているエンジン100の他の変形例の概略構成図である。
図7を参照すると、この変形例においては、図6における温水循環部150、及び当該温水循環部150に介装された冷却水噴射部137が省略されている。
すなわち、この変形例においては、キャッチタンク145内に貯留された液体状の冷却水が、供給ポンプ147を介して直接に冷却水噴射部137’に供給されるようになっている。
この場合、図7に示されているように、筒状のフェルト部材161が、ロアジャケット123のシリンダ121に近い側の内壁面と接触するように設けられていることが好適である。このフェルト部材161は、グラスファイバ等の繊維からなり、液体状の冷却水を表面張力(毛管現象)によって上方に向けて移動させ得るように構成されている。
かかる構成においては、冷却水噴射部137’によって噴射された液体状の冷却水のうちの、気化しなかった(蒸気にならなかった)ものが、下方のロアジャケット123に流れ落ちる。このロアジャケット123に流入した液体状の冷却水は、フェルト部材161に浸透し、上方のアッパージャケット136に向けて上昇する。そして、シリンダ121における最も高温となる箇所である、(燃焼室付近の)上端部にて、冷却水が蒸気となり得る。この蒸気は、アッパージャケット136に流入し、アッパージャケット136にて発生した蒸気とともに、蒸気排出路139を介して外部に導出され、過熱器142やタービン143へと導入される。
かかる構成によれば、ロアジャケット123に流入した液体状の冷却水により、シリンダブロック120が適切に冷却される。また、ロアジャケット123に流入した液体状の冷却水から、蒸気が効率的に生成され得る。
(N)図8は、図1に示されているエンジンブロック110の他の変形例の概略構成図である。
図8を参照すると、エンジンブロック110は、鉛直方向に対して第1の側(図中左側)に傾斜するように配置されている。冷却水噴射部137及び137”は、エンジンブロック110の上部であって、前記第1の側に設けられている。蒸気排出路139は、シリンダヘッド130の上部であって、前記第1の側と反対の第2の側(図中右側)に設けられている。
冷却水噴射部137は、シリンダヘッド130に装着されている。この冷却水噴射部137は、排気ポート132の始端部に向けて液体状の冷却水を噴射し得るように構成及び配置されている。
シリンダブロック120には、内部噴射通路126が形成されている。内部噴射通路126は、シリンダブロック120の上部における前記第1の側から蒸気排出路139に向かう冷却水通路である。この内部噴射通路126は、斜め上方に延びるように、気筒配列方向と垂直に設けられている。
シリンダブロック120とシリンダヘッド130とは、ガスケット170を介して接合されている。
図9は、図8に示されているガスケット170の平面図である。図10は、図8に示されている変形例のエンジンブロック110を上方から見た概略構成図である。
図9を参照すると、ガスケット170には、連通孔171と、噴射孔172と、が形成されている。
図8及び図9を参照すると、連通孔171は、シリンダ121に対応する位置に設けられている。この連通孔171は、アッパージャケット136とロアジャケット123とを(斜め)上下方向に沿って連通させるように形成されている。
噴射孔172は、隣り合うシリンダ121の間であって、内部噴射通路126の末端に対応する位置に設けられている。そして、図8を参照すると、内部噴射通路126は、その末端がアッパージャケット136の底部にて開口するように設けられている。
図8を参照すると、内部噴射通路126の前記第1の側の端部には、冷却水噴射部137”が装着されている。この冷却水噴射部137”は、蒸気排出路139に向けて冷却水を噴射し得るように構成されている。
かかる構成においては、冷却水噴射部137及び冷却水噴射部137”によって、液体状の冷却水が、エンジンブロック110の内壁面に噴射される。そして、エンジンブロック110から熱を吸収することで発生した冷却水の蒸気は、蒸気排出路139を介して、蒸気導出路141に流入する。
このとき、液体状の冷却水が、冷却水噴射部137及び冷却水噴射部137”によって、蒸気排出路139に向かう方向に噴射される。これにより、冷却水噴射部137及び冷却水噴射部137”から蒸気排出路139に向かって、空気の流れが形成される。エンジンブロック110内にて発生した冷却水の蒸気は、この空気の流れに乗ることで、蒸気導出路141に効率的に導出される。
(O)その他、本発明の課題を解決するための手段を構成する各要素における、作用・機能的に表現されている要素は、上述の実施形態や変形例にて開示されている具体的構造の他、当該作用・機能を実現可能な、いかなる構造をも含む。
本発明の一実施形態に係るエンジンの概略構成図である。 図1に示されているシリンダヘッドの拡大図であって、シリンダの軸中心を通り気筒配列方向と垂直な平面による側断面図である。 図1に示されているシリンダヘッドの、図2Aとは異なる平面による側断面図であって、吸気ポート及び排気ポートの下端部における中心を通る平面による側断面図である。 図1に示されているエンジンの一つの変形例の概略構成図である。 図1に示されているシリンダヘッドの一つの変形例の構成を示す側断面図である。 図1に示されているシリンダヘッドの他の変形例の構成を示す側断面図である。 図1に示されているエンジンの他の変形例の概略構成図である。 図1に示されているエンジンの他の変形例の概略構成図である。 図1に示されているエンジンブロックの他の変形例の概略構成図である。 図8に示されているガスケットの平面図である。 図8に示されている変形例のエンジンブロックを上方から見た概略構成図である。
符号の説明
100…エンジン 110…エンジンブロック 120…シリンダブロック
121…シリンダ 123…ロアジャケット(ウォータージャケット)
124…冷却水排出路 125…冷却水注入路 126…内部噴射通路
130…シリンダヘッド 131…吸気ポート(吸気通路)
132…排気ポート(排気通路) 134…吸気部
135…排気部 135a…排気弁 135b…排気弁ステム
135c…排気弁ステムガイド孔 135d…排気弁ステムシール部材
136…アッパージャケット 137…冷却水噴射部
137’…冷却水噴射部 137”…冷却水噴射部 138…冷却水供給路
138a…内部通路 138b…接続通路 139…蒸気排出路
140…廃熱回収部 141…蒸気導出路 142…過熱器(蒸気加熱器)
143…タービン(膨張器) 144…コンデンサ(凝縮器)
145…キャッチタンク(冷却媒体貯留部) 147…供給ポンプ
150…温水循環部 151…循環ポンプ
152…ウォータージェット循環路 153…ヒータ循環路
154…ヒータ 155…冷却水タンク 161…フェルト部材
170…ガスケット 171…連通孔 172…噴射孔

Claims (9)

  1. 廃熱から機械的エネルギーを回収し得るように構成されたエンジンにおいて、
    シリンダと、前記シリンダと連通する吸気通路及び排気通路と、が形成されたエンジンブロックと、
    液体状の冷却媒体を前記エンジンブロックに向けて噴射するように構成された、冷却媒体噴射部と、
    前記冷却媒体噴射部によって噴射された後に気化した前記冷却媒体の蒸気を、前記エンジンブロックの外に導出するように構成された、蒸気導出路と、
    前記蒸気導出路に介装されていて、前記排気通路内を通過する前記排気ガスと前記蒸気との熱交換によって当該蒸気を加熱するように構成された、蒸気加熱器と、
    前記蒸気導出路に介装されていて、前記蒸気加熱器を経た前記蒸気から機械的エネルギーを回収するように構成された、膨張器と、
    前記膨張器を経た前記蒸気を凝縮するように構成された、凝縮器と、
    を備え、
    前記エンジンブロックは、
    前記吸気通路及び前記排気通路が形成された、シリンダヘッドと、
    前記シリンダと、当該シリンダを囲むウォータージャケットと、が形成された、シリンダブロックと、
    を備え、
    前記ウォータージャケットは、前記シリンダヘッドにおける、前記冷却媒体噴射部によって前記冷却媒体が噴射される空間と連通するように形成され、
    前記シリンダヘッドの前記空間における上部が、前記蒸気導出路と接続され、
    前記シリンダ側から前記排気通路を閉鎖し得る排気弁が下端に設けられた棒状の部材である排気弁ステムが貫通される排気弁ステムガイド孔が、前記シリンダヘッドに形成され、
    前記排気弁ステムガイド孔と前記排気弁ステムとの隙間をシールするためのステムシール部材が、前記シリンダヘッドに装着され、
    前記冷却媒体噴射部に前記冷却媒体を供給する冷却媒体供給路が、前記ステムシール部材の近傍を通るように、前記シリンダヘッドに形成されていることを特徴とするエンジン。
  2. 廃熱から機械的エネルギーを回収し得るように構成されたエンジンにおいて、
    シリンダと、前記シリンダと連通する吸気通路及び排気通路と、が形成されたエンジンブロックと、
    液体状の冷却媒体を前記エンジンブロックに向けて噴射するように構成された、冷却媒体噴射部と、
    前記冷却媒体噴射部によって噴射された後に気化した前記冷却媒体の蒸気を、前記エンジンブロックの外に導出するように構成された、蒸気導出路と、
    前記蒸気導出路に介装されていて、前記排気通路内を通過する前記排気ガスと前記蒸気との熱交換によって当該蒸気を加熱するように構成された、蒸気加熱器と、
    前記蒸気導出路に介装されていて、前記蒸気加熱器を経た前記蒸気から機械的エネルギーを回収するように構成された、膨張器と、
    前記膨張器を経た前記蒸気を凝縮するように構成された、凝縮器と、
    を備え、
    前記エンジンブロックは、
    前記吸気通路及び前記排気通路が形成された、シリンダヘッドと、
    前記シリンダと、当該シリンダを囲むウォータージャケットと、が形成された、シリンダブロックと、
    を備え、
    前記ウォータージャケットは、前記シリンダヘッドにおける、前記冷却媒体噴射部によって前記冷却媒体が噴射される空間と連通するように形成され、
    前記シリンダヘッドの前記空間における上部が、前記蒸気導出路と接続され、
    前記シリンダ側から前記排気通路を閉鎖し得る排気弁が下端に設けられた棒状の部材である排気弁ステムが貫通される排気弁ステムガイド孔が、前記シリンダヘッドに形成され、
    前記排気弁ステムガイド孔と前記排気弁ステムとの隙間をシールするためのステムシール部材が、前記シリンダヘッドに装着され、
    前記冷却媒体噴射部は、前記ステムシール部材の近傍に前記冷却媒体を噴射するように構成されたことを特徴とするエンジン。
  3. 請求項2に記載のエンジンであって、
    前記冷却媒体噴射部に前記冷却媒体を供給する冷却媒体供給路が、前記ステムシール部材の近傍を通るように、前記シリンダヘッドに形成されていることを特徴とするエンジン。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のエンジンにおいて、
    前記凝縮器にて凝縮された液体状の前記冷却媒体を貯留するように構成された、冷却媒体貯留部と、
    前記冷却媒体貯留部から前記冷却媒体噴射部に向けて、液体状の前記冷却媒体を送出するように構成された、冷却媒体送出ポンプと、
    を、さらに備えたことを特徴とするエンジン。
  5. 請求項4に記載のエンジンであって、
    前記冷却媒体送出ポンプは、
    前記冷却媒体貯留部から前記ウォータージャケットに前記冷却媒体を送出するように構成された、供給ポンプと、
    前記ウォータージャケットの底部から前記冷却媒体噴射部に前記冷却媒体を送出するように構成された、循環ポンプと、
    を備えたことを特徴とするエンジン。
  6. 請求項5に記載のエンジンであって、
    前記循環ポンプは、所定の加温対象を加温するように構成されたヒータにも前記冷却媒体を送出するように構成されたことを特徴とするエンジン。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のエンジンであって、
    前記冷却媒体噴射部は、前記エンジンブロックと前記蒸気導出路とを接続する蒸気排出路に向けて、前記冷却媒体を噴射するように構成されたことを特徴とするエンジン。
  8. 廃熱から機械的エネルギーを回収し得るように構成されたエンジンにおいて、
    シリンダと、前記シリンダと連通する吸気通路及び排気通路と、が形成されたエンジンブロックと、
    液体状の冷却媒体を前記エンジンブロックに向けて噴射するように構成された、冷却媒体噴射部と、
    前記冷却媒体噴射部によって噴射された後に気化した前記冷却媒体の蒸気を、前記エンジンブロックの外に導出するように構成された、蒸気導出路と、
    前記蒸気導出路に介装されていて、前記排気通路内を通過する前記排気ガスと前記蒸気との熱交換によって当該蒸気を加熱するように構成された、蒸気加熱器と、
    前記蒸気導出路に介装されていて、前記蒸気加熱器を経た前記蒸気から機械的エネルギーを回収するように構成された、膨張器と、
    前記膨張器を経た前記蒸気を凝縮するように構成された、凝縮器と、
    を備え、
    前記冷却媒体噴射部は、前記エンジンブロックと前記蒸気導出路とを接続する蒸気排出路に向けて、前記冷却媒体を噴射するように構成されたことを特徴とするエンジン。
  9. 請求項7又は請求項8に記載のエンジンであって、
    前記エンジンブロックは、鉛直方向に対して第1の側に傾斜するように配置されていて、
    前記冷却媒体噴射部は、前記エンジンブロックの上部であって、前記第1の側に設けられ、
    前記蒸気排出路は、前記エンジンブロックの上部であって、前記第1の側と反対の第2の側に設けられたことを特徴とするエンジン。
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