JP4837851B2 - 製鉄用原料の造粒処理方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、製鉄用原料の造粒処理方法に関するものであり、より詳しくは、製鉄用原料となる焼結鉱の製造方法またはペレットの製造方法に関わり、製鉄用原料を造粒処理する際、特に製鉄用原料の水分を調節して造粒し擬似粒化またはペレット化するのに好適な方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
焼結鉱の製造においては、先ず焼結原料となる鉄鉱石、副原料、燃料等を混合し、ドラムミキサー、ペレタイザー、アイリッヒミキサー等の造粒機で水分を調節しながら造粒して擬似粒子を造る。擬似粒子とは、一般的に、0.5mm以下の微粒子が1〜3mmの核粒子に付着している粒子である。この際、造粒に求められる作用は、微粉粒子が核粒子の周りに付着する擬似粒化性を向上すること、擬似粒子が焼成過程における湿潤帯、乾燥帯等で崩壊し難いこと等である。焼結原料をこのように擬似粒子とすることで、焼結機上での焼結原料充填層(焼結ベッド)中の通気性を向上し、焼結機の生産性向上を図ることができる。
【0003】
焼結原料を焼結する焼結機は下方吸引式を採用しており、焼結原料の下側から吸引することによって焼結に必要な空気を流通させると共に、焼結原料の上側から下側へ向かって燃料を燃焼させることにより、焼結原料を焼結するようになっている。このため、焼結原料が微粉を多く含んでいると、目詰まりを起こす等して通気性が低下し、燃料であるコークスの燃焼速度が遅くなるので焼結機の生産効率が低下する。そこで、通気性を改善すべく、焼結原料を造粒(擬似粒化)する等の事前処理が必要である。該事前処理としては、例えば、焼結原料に少量の水を添加して攪拌する等の造粒操作が行われている。しかし、水だけを用いた造粒操作では、擬似粒化性を向上させる効果が乏しいため、焼結原料に含まれる微粉の量をあまり低減することができない。
【0004】
このために、従来から擬似粒化性を向上させる対策として、焼結原料中に粘結剤として種々の造粒添加剤を添加する方法が提案されている。造粒添加剤として用いられるものは、数多く知られている。例えば、ベントナイト、リグニン亜硫酸塩(パルプ廃液)、澱粉、砂糖、糖蜜、水ガラス、セメント、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース等が結合剤或いは増粘剤として、その使用が検討されている。これらは、焼結鉱の製造において、その添加量が比較的多くて高コストとなることや、使用する量の確保が困難である等の問題があり、工業的には使用されていない。
【0005】
現在実用化されている造粒添加剤としては、例えば、製鉄研究第288号(1976)9頁に開示されている生石灰が広く使われている。これによると、生石灰の効果は、次のように示されている。第一に、ミキサー内での擬似粒化の促進を図ることができる。第二に、擬似粒子よりなる焼結原料を特定の高さに充填し、焼結ベッドを形成した後に表層に点火した後の焼結過程において、乾燥、加熱する過程で擬似粒子が崩壊することを防止し、焼結層中の均一な風の流れを保つことができるとされている。
【0006】
一方、ペレットの製造においては、原料となる鉄鉱石、ダスト、炭材等を混合した後、ペレタイザー等の造粒機で水分を調節しながら造粒する。ペレットとは、一般的に、1.0mm以下の粒子が固まって6.0〜50mmの球状になった粒子を指す。この際、造粒に求められる作用は、乾燥する前の生ペレットの状態での強度が高いこと、乾燥工程中や輸送工程中に破壊されて粉化しないこと等である。そして、従来からペレットの強度を向上させるために、微粉状の原料に造粒添加剤としてベントナイトを1重量%以上加えて混練し、適量の水を散布しながら造粒操作を行い、ペレットを製造する方法が提案されている。尚、ここで述べるペレットとは、高炉原料、焼結原料、転炉原料等になるものであり、その製造方法等は、特に限定されるものではない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、焼結鉱の製造においては、生石灰や糖蜜等のバインダーの使用は、一般に高価であるために製造コストの上昇を招く。また、生石灰を用いた造粒化は実用化されてはいるものの、生石灰は吸湿し易く、このとき発熱するため、取り扱いに注意を要するという問題点を有している。また、現在使用されている生石灰は、使用量を比較的多くしないと充分な効果が得られないため、コストが高くなる。よって、その使用量を極力減少させて操業しているのが現状である。そして、生石灰を2重量%以上添加しても、その擬似粒化性の向上効果は頭打ちとなる傾向にある。さらに、最近では、優良塊鉱の枯渇化と共に、粉鉱石の劣質化も激しく、焼結原料の造粒性が以前よりも悪化している問題がある。このために、生石灰添加による造粒を実施しても、その効果が以前よりも小さくなっている。さらに、生石灰以外のバインダーは、焼結原料に含まれる微粉の量を低減させる効果が不充分であり、焼結ベッドの通気性を向上させて焼結時間を短縮する効果が小さく、かつ、得られる焼結鉱の焼結鉱強度が弱い。焼結鉱強度が弱い焼結鉱は、例えば焼結後の破砕時に微粉が発生し易くなるので、返鉱が多くなり成品歩留が低下し、その生産効率が低下する。このため、生石灰以外のバインダーを用いた造粒化は実用化されていない。
【0008】
また、生石灰を用いた製鉄用造粒処理方法による焼結原料に含まれる微粉の量を低減させる効果はまだ充分とは言えない状態である。
【0009】
一方、ペレットの製造において、ベントナイトを使用すると、膨潤性が大きいために造粒時に多量の水分を添加する必要がある。このため、生ペレットは柔らかいために変形し易く、乾燥工程時にガスの通気性が悪化し、充分な乾燥を行うのに長時間を要したり、強度が低下する問題がある。さらに、ベントナイト中にはシリコン等の不純物成分が多く含まれており、溶銑、溶鋼中のスラグの増大を招く等の問題がある。
【0010】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、製鉄用原料を造粒処理するのに好適に用いられる造粒処理方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本願発明者等は、上記目的を達成すべく製鉄用原料の造粒処理に際し製鉄用原料の造粒効果に優れた製鉄用造粒処理剤についてまず検討した結果、アルカリ可溶性エマルションを含む製鉄用造粒処理剤が、製鉄用原料の擬似粒化性の向上効果に優れ、製鉄用原料の造粒効果に優れることを見出した。また、本願発明者等は、酸基含有モノマーを例えば(メタ)アクリル酸エステルと共重合してなる共重合体を含む製鉄用造粒処理剤が、製鉄用原料の造粒効果に特に優れることを見出した。しかしながら、製鉄用原料を造粒処理するためには、製鉄用造粒処理剤をバインダーとして、造粒処理に用いられる水に溶解させる必要がある。このため、これら製鉄用造粒処理剤に用いられるポリマーは、水溶液重合により予めポリマー水溶液の形態で形成されるか、あるいは、乳化重合により得られたエマルションを、例えば塩基性の中和剤を用いて中和することによって水に溶解させてポリマー水溶液の形態としてから用いている。
【0012】
しかしながら、このように製鉄用造粒処理剤を水溶液の状態とした場合、濃度にもよるが、粘度が高くなる。そして、このように粘度が高い製鉄用造粒処理剤を用いた場合、粘度が高くなるほど、該製鉄用造粒処理剤と製鉄用原料とを均一に混合することが困難となる傾向にある。特に、分子量が高いポリマーを用いた製鉄用造粒処理剤ほど、低濃度でも高粘度となり、上記傾向が強くなる。
【0013】
そこで、本願発明者等は、さらに検討を重ねた結果、アルカリ可溶性エマルションを含む製鉄用造粒処理剤を、エマルションの状態のままで上記製鉄用原料に添加、混合し、その後で上記製鉄用造粒処理剤(エマルション)を水溶液の状態とすることで、該アルカリ可溶性エマルションを含む製鉄用造粒処理剤を予め水溶液の状態で添加しなくても擬似粒化性を向上させることができることを見出すと共に、アルカリ可溶性エマルションを含む製鉄用造粒処理剤を、エマルションの状態のままで上記製鉄用原料に添加して混合することで、該アルカリ可溶性エマルションを含む製鉄用造粒処理剤が、水溶液とした場合に粘度が高くなるような化合物であっても、製鉄用造粒処理剤と製鉄用原料とを均一に混合することができ、擬似粒化性を向上させる効果に優れ、焼結機の生産効率を向上させることができ、この結果、安価に製鉄用原料の造粒処理を行なうことができることを見出して本発明を完成させるに至った。
【0014】
つまり、本発明によれば、水溶液重合により、あるいは、塩基性の中和剤を用いてエマルションを水に溶解させることにより製鉄用造粒処理剤を水溶液の状態としてから製鉄用原料に混合するのではなく、アルカリ可溶性エマルションを製造し、該アルカリ可溶性エマルションを含むエマルション状の製鉄用造粒処理剤を、エマルション状態のままで製鉄用原料に混合し、該エマルションを添加する前、同時、後の何れかのタイミングで塩基性の中和剤を別途添加することにより、該エマルション、つまり、上記製鉄用造粒処理剤を水に溶解させることで、微粉の鉄鉱石を含む製鉄用原料を造粒処理する際に、製鉄用造粒処理剤と製鉄用原料とを均一に混合することができ、擬似粒化により微粉の量を低減させることができ、焼結機の生産効率をより一層向上させることができる。
【0015】
すなわち、本発明の製鉄用原料の造粒処理方法は、上記の課題を解決するために、微粉の鉄鉱石を含む製鉄用原料を造粒処理する方法において、アルカリ可溶性エマルションを含む製鉄用造粒処理剤を、エマルションの状態のままで上記製鉄用原料に添加することを特徴としている。
【0016】
また、本発明の製鉄用原料の造粒処理方法は、上記の課題を解決するために、上記製鉄用造粒処理剤とは別に、上記製鉄用原料にアルカリ性物質を添加することを特徴としている。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明にかかる製鉄用原料の造粒処理方法は、製鉄用原料(焼結原料またはペレット原料)を混合、調湿等して造粒処理(擬似粒化またはペレット化)する方法において、アルカリ可溶性エマルションを含む製鉄用造粒処理剤を、エマルションの状態のままで上記製鉄用原料に添加する方法である。また、本発明にかかる製鉄用原料の造粒処理方法は、上記製鉄用造粒処理剤とは別に、上記製鉄用原料にアルカリ性物質を添加する方法である。
【0018】
本発明においてアルカリ可溶性エマルションとは、アルカリ性物質との混合により、エマルション状態から水溶性状態となる特徴を有するエマルションを示す。つまり、本発明にかかるアルカリ可溶性エマルションとは、水に粒子として分散安定化しているポリマーエマルションが、アルカリ性物質の添加により、ポリマー粒子が水に溶解することで水溶性樹脂となるものである。さらに詳しくは、上記アルカリ可溶性エマルションにおいて粒子を構成するポリマーは、少なくとも酸基含有モノマーを含むモノマー成分を重合(共重合)したものであり、酸基含有モノマーを単独で、あるいは、該酸基含有モノマーと共重合可能なその他のモノマーと(共)重合することにより得ることができる。上記ポリマーは、エマルションを形成すべく、一般的に、乳化重合によって合成される。
【0019】
上記酸基含モノマーとしては、具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸等のカルボキシル基含有単量体;ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、スルホエチル(メタ)アクリレート等のスルホ基含有単量体;2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルアシッドホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシ−3−クロロプロピルアシッドホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニルホスフェート等の酸性リン酸エステル基含有単量体;ビニルフェノール等の石炭酸系単量体;等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これら酸基含有モノマーは、必要に応じて、一種類を用いてもよく、また、二種類以上を用いてもよい。
【0020】
これら酸基含有モノマーを(共)重合することによって、これら酸基含有モノマー由来の単位を、得られるポリマー中に導入することができる。すなわち、これら酸基含有モノマー由来の単位は、一種類のみが含まれていてもよく、また、二種類以上が含まれていてもよい。上記例示の酸基含有モノマー由来の単位のうち、カルボキシル基含有単量体を重合することによって得られるものがより好ましく、(メタ)アクリル酸を重合することによって得られるものがさらに好ましい。
【0021】
また、上記酸基含有モノマーと共重合可能なその他のモノマーとしては、具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸エステル;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、エチルビニルベンゼン、クロロメチルスチレン、等のスチレンおよびその誘導体;(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、等の(メタ)アクリルアミドおよびその誘導体;酢酸ビニル;(メタ)アクリロニトリル;N−ビニル−2−ピロリドン;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール等の塩基含有単量体;N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等の、架橋性を有する(メタ)アクリルアミド系単量体;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、アリルトリエトキシシラン等の、加水分解性を有する基がケイ素原子に直結しているシラン系単量体;グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルエーテル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有単量体;2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−2−オキサゾリン等のオキサゾリン基含有単量体;2−アジリジニルエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルアジリジン等のアジリジン基含有単量体;フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン基含有単量体;(メタ)アクリル酸と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等の多価アルコールとのエステル化物等の、分子内に不飽和基を複数有する多官能(メタ)アクリル酸エステル;メチレンビス(メタ)アクリルアミド等の、分子内に不飽和基を複数有する多官能(メタ)アクリルアミド;ジアリルフタレート、ジアリルマレエート、ジアリルフマレート等の、分子内に不飽和基を複数有する多官能アリル化合物;アリル(メタ)アクリレート;ジビニルベンゼン;等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これらモノマーは、必要に応じて、一種類を用いてもよく、また、二種類以上を用いてもよい。これらモノマーのなかでも、(メタ)アクリル酸エステルが特に好ましい。
【0022】
本発明において用いられる上記アルカリ可溶性エマルションにおいて粒子を構成する上記ポリマーのなかでも、酸基含有モノマー由来の単位と(メタ)アクリル酸エステル由来の単位とを含む共重合体が、重量平均分子量の大きい共重合体を高濃度で得ることができ、微粉の鉄鉱石を含む製鉄用原料を造粒処理する際に、微粉粒子を核粒子の周りに付着させる効果に優れている。該共重合体は、酸基含有モノマーと(メタ)アクリル酸エステルとを含むモノマー組成物(モノマー成分)を乳化重合することにより、容易に得ることができる。
【0023】
上記(メタ)アクリル酸エステルとしては、具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル等の、(メタ)アクリル酸と炭素数1〜18の一価アルコールとのエステル化物である(メタ)アクリル酸アルキルエステル;シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸とポリプロピレングリコールとのモノエステル化物、等のヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル;ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート;等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これら(メタ)アクリル酸エステルは、必要に応じて、一種類を用いてもよく、また、二種類以上を用いてもよい。
【0024】
これら(メタ)アクリル酸エステルを酸基含有モノマーと共重合することにより、これら(メタ)アクリル酸エステル由来の単位を、得られるポリマー中に導入することができる。上記例示の(メタ)アクリル酸エステル由来の単位のなかでも、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチルを重合することによって得られるものがより好ましく、アクリル酸メチルを重合することによって得られるものがさらに好ましい。従って、上記共重合体は、カルボキシル基含有単量体とアクリル酸メチルとを共重合することによって得られるものを含んでいることが特に好ましい。
【0025】
また、上記モノマー成分としては、さらに、これらモノマーの他に、分子量の調節を目的として、連鎖移動剤を用いることもできる。該連鎖移動剤としては、具体的には、例えば、メルカプトエタノール、メルカプトプロピオン酸、t−ドデシルメルカプタン等のメルカプト基含有化合物;四塩化炭素;イソプロピルアルコール;トルエン;等の連鎖移動係数の高い化合物が挙げられる。
【0026】
上記ポリマーに占める酸基含有モノマー由来の単位の割合は、特に限定されるものではないが、下限値が好ましくは10重量%であり、さらに好ましくは20重量%であり、上限値が好ましくは90重量%であり、さらに好ましくは80重量%である。
【0027】
また、上記ポリマーとして、酸基含有モノマー由来の単位と(メタ)アクリル酸エステル由来の単位とを含む共重合体を得る場合、該共重合体に占める酸基含有モノマー由来の単位の割合は、特に限定されるものではないが、下限値が好ましくは10重量%であり、さらに好ましくは20重量%であり、上限値が好ましくは90重量%であり、さらに好ましくは80重量%である。一方、共重合体に占める(メタ)アクリル酸エステル由来の単位の割合は、特に限定されるものではないが、下限値が好ましくは10重量%であり、さらに好ましくは20重量%であり、上限値が好ましくは90重量%であり、さらに好ましくは80重量%である。ただし、これらモノマー由来の単位の合計は100重量%とする。
【0028】
上記の酸基含有モノマーを少なくとも含むモノマー成分を乳化重合することにより、本発明にかかるアルカリ可溶性エマルションが得られる。なお、上記モノマー成分を乳化重合するに際しては、例えば、水中油型乳化重合法、油中水型乳化重合法等、従来公知の乳化重合法(エマルション重合)を採用することができる。
【0029】
上記の重合法に用いられる重合開始剤は、熱または酸化還元反応によって分解し、ラジカル分子を発生させる化合物であればよいが、そのなかでも、水溶性を備えた重合開始剤が好ましい。該重合開始剤としては、具体的には、例えば、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩類;2,2’−アゾビス−(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、4,4’−アゾビス−(4−シアノペンタン酸)等の水溶性アゾ化合物;過酸化水素等の熱分解性開始剤;過酸化水素およびアスコルビン酸、t−ブチルハイドロパーオキサイドおよびロンガリット、過硫酸カリウムおよび金属塩、過硫酸アンモニウムおよび亜硫酸水素ナトリウム、等の組み合わせからなるレドックス系重合開始剤;等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これら重合開始剤は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を併用してもよい。尚、重合開始剤の使用量は、モノマー成分の組成や重合条件等に応じて適宜設定すればよい。
【0030】
また、上記重合を行なうに際して用いられる乳化剤としては、例えば、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤、高分子界面活性剤、或いはこれらの反応性界面活性剤等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これら乳化剤は、必要に応じて、一種類を用いてもよく、また、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。尚、乳化剤を用いることなく、乳化重合を行うこともできる。
【0031】
アニオン系界面活性剤としては、具体的には、例えば、ナトリウムドデシルサルフェート、カリウムドデシルサルフェート、アンモニウムアルキルサルフェート等のアルキルサルフェート塩;ナトリウムドデシルポリグリコールエーテルサルフェート;ナトリウムスルホリシノエート;スルホン化パラフィン塩、ナトリウムドデシルベンゼンスルホネート、アルカリフェノールヒドロキシエチレンのアルカリ金属サルフェート、等のアルキルスルホネート;長鎖アルキルナフタレンスルホン酸塩;ナフタレンスルホン酸とホルムアルデヒドとの縮合物;ラウリル酸ナトリウム、オレイン酸トリエタノールアミン、アビエチン酸トリエタノールアミン等の不飽和脂肪酸塩;ポリオキシアルキルエーテル硫酸エステル塩;ポリオキシエチレンカルボン酸エステル硫酸エステル塩;ポリオキシエチレンフェニルエーテル硫酸エステル塩;コハク酸ジアルキルエステルスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールサルフェート塩等の、不飽和基を有する反応性アニオン乳化剤;等が挙げられる。これらアニオン系界面活性剤は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を併用してもよい。
【0032】
ノニオン系界面活性剤としては、具体的には、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル;ソルビタン脂肪族エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪族エステル;グリセリンのモノラウレート等の、脂肪族モノグリセライド;ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体;エチレンオキシドと、脂肪族アミン、アミドまたは酸との縮合物;等が挙げられる。これらノニオン系界面活性剤は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を併用してもよい。
【0033】
高分子界面活性剤としては、具体的には、例えば、ポリビニルアルコールおよびその変性物;(メタ)アクリル酸系水溶性高分子、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート系水溶性高分子、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート系水溶性高分子(但し、本発明にかかる共重合体とは異なる高分子);ポリビニルピロリドン;等が挙げられる。これら高分子界面活性剤は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を併用してもよい。
【0034】
反応温度や反応時間等の重合条件は、モノマー成分の組成や重合開始剤の種類等に応じて適宜設定すればよいが、反応温度は0〜100℃の範囲内であることがより好ましく、40〜95℃の範囲内であることがさらに好ましい。また、反応時間は3〜15時間程度が好適である。本発明におけるモノマー成分の反応系への供給方法としては、例えば、一括添加法、分割添加法、成分滴下法、プレエマルション法、パワーフィード法、シード法、多段滴下法等を行うことができるが、特に限定されるものではない。
【0035】
以上のようにして、本発明において用いられるアルカリ可溶性エマルションが得られる。該アルカリ可溶性エマルションにおいて、粒子を構成する上記ポリマーの重量平均分子量は、2000以上、500万以下であることが好ましい。また、その下限値(重量平均分子量)は、3000であることがより好ましく、5000であることが特に好ましい。その上限値(重量平均分子量)は、400万であることがより好ましく、300万であることが特に好ましい。
【0036】
また、このようにして得られたエマルション、すなわち、アルカリ可溶性エマルション中に含まれる、上記ポリマーを含む不揮発分の濃度は、60重量%以下であることがより好ましい。不揮発分の濃度が60重量%を越えるエマルションは、粘度が高くなり過ぎると共に、分散安定性を保つことができずに凝集を生じるおそれがある。
【0037】
また、このようにして得られたエマルション中に含まれる粒子(すなわち、粒子を構成する上記ポリマー)の平均粒径は、30nm以上、100μm以下の範囲内であることがより好ましく、50nm以上、50μm以下の範囲内であることがさらに好ましい。粒子の平均粒径が30nm未満であるエマルションは、粘度が高くなり過ぎると共に、分散安定性を保つことができずに凝集を生じるおそれがある。
【0038】
上記のアルカリ可溶性エマルションは、前記したように、アルカリ性物質との混合により、その少なくとも一部が、該アルカリ性物質により中和され、水に溶解する。これにより、上記のアルカリ可溶性エマルション、つまり、本発明において製鉄用造粒処理剤として用いられるアルカリ可溶性エマルションは、少量の使用で以て充分な性能(効果)を発揮することができる。
【0039】
つまり、上記のアルカリ可溶性エマルションは、製鉄用原料の造粒処理に際し、水に溶解させることにより、その効果を発揮する。しかしながら、このように上記のアルカリ可溶性エマルションを水溶液の状態とした場合、該アルカリ可溶性エマルション中に含まれるポリマーの濃度にもよるが、粘度が高くなる傾向にある。特に、分子量が高いポリマーほど、水溶液の状態とした場合、低濃度でも高粘度となる傾向にあり、製鉄用原料と均一に混合することが困難となる傾向にある。また、ポリマーの種類や分子量によっては、粘度が高くなりすぎ、例えば噴霧装置を用いた噴霧が困難となる等、添加方法が制限されたり、高粘度水溶液を貯蔵、添加する大がかりな設備が必要であったり、作業に支障をきたすおそれがある。この結果、作業性が低下したり、生産効率の向上効果が十分に発揮されないおそれがある。
【0040】
本発明では、このような造粒処理をより効率よく行うために、アルカリ可溶性エマルションを含む製鉄用造粒処理剤(つまり、少なくとも一部をアルカリ性物質で中和することにより水に溶解するポリマー(酸基含有モノマーに由来する構造単位を有するポリマー)を含むエマルション)を、エマルションの状態のままで上記製鉄用原料に添加する工程と、上記製鉄用造粒処理剤とは別に、上記製鉄用原料にアルカリ性物質を添加する工程とを有している。
【0041】
本発明において、アルカリ可溶性エマルションを含む製鉄用造粒処理剤を、エマルションの状態のままで上記製鉄用原料に添加するとは、該アルカリ可溶性エマルションを含む製鉄用造粒処理剤が、該アルカリ可溶性エマルション中に含まれるポリマーが溶解せず、ポリマー粒子として液体中に分散している状態を維持したまま上記製鉄用原料に添加されることを示す。つまり、アルカリ可溶性エマルションを含む製鉄用造粒処理剤を、エマルションの状態のままで上記製鉄用原料に添加するとは、該アルカリ可溶性エマルションを含む製鉄用造粒処理剤の、上記製鉄用原料への添加時に、上記アルカリ可溶性エマルションが、造粒処理に用いられる水やその他の成分等と予め混合されているかあるいは添加時に混合されたとしても、上記アルカリ可溶性エマルション中に含まれるポリマーが、ポリマー粒子として液体中に分散している状態にあることを示し、より具体的には、該アルカリ可溶性エマルションを含む製鉄用造粒処理剤を水溶液とせずにエマルション状態のままで上記製鉄用原料に添加することを示す。
【0042】
上記アルカリ可溶性エマルションを含む製鉄用造粒処理剤を水溶液としないことで、該製鉄用造粒処理剤の粘度を容易に所望の粘度に調整することが可能である。このため、このように、上記アルカリ可溶性エマルションを含む製鉄用造粒処理剤を、エマルションの状態のままで上記製鉄用原料に添加することで、上記製鉄用造粒処理剤の粘度を、上記製鉄用原料への該製鉄用造粒処理剤の添加、混合に支障をきたさない粘度、好適には、上記製鉄用原料と上記製鉄用造粒処理剤との混合が短時間でスムーズに進行する粘度、具体的には、200mPa・s以下の粘度に調整して上記製鉄用原料と上記製鉄用造粒処理剤との混合を行なうことができる。この結果、上記製鉄用原料と上記製鉄用造粒処理剤(エマルション)とを均一かつ短時間で作業効率良く、混合することができる。
【0043】
製鉄用原料への上記アルカリ可溶性エマルション(製鉄用造粒処理剤)の添加方法は、特に限定されるものではなく、例えば、該アルカリ可溶性エマルション(製鉄用造粒処理剤)を造粒機の添加水に混合する方法、または、攪拌されている製鉄用原料に噴霧する方法が簡便であり、均一に添加することができるので特に好ましい。
【0044】
上記アルカリ可溶性エマルションにおいて粒子を構成する上記のポリマーの中和、すなわち、上記アルカリ可溶性エマルションを水溶液とするために用いられる上記のアルカリ性物質としては、具体的には、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム等の塩基性炭酸塩;アンモニア水、モノエタノールアミン等の窒素含有塩基;等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
【0045】
上記アルカリ性物質の添加は、アルカリ可溶性エマルションとは別に行なわれればよく、具体的には、例えば、粉体で予め鉄鉱石とブレンドしておく方法、アルカリ性物質を水溶液として、上記アルカリ可溶性エマルション(上記製鉄用造粒処理剤)を添加する前、あるいは同時、あるいは後で添加(例えば噴霧)する方法等を用いることができる。
【0046】
つまり、本発明において上記製鉄用造粒処理剤とは別に、上記製鉄用原料にアルカリ性物質を添加するとは、上記アルカリ性物質を、上記アルカリ可溶性エマルション、あるいは該アルカリ可溶性エマルションを含む製鉄用造粒処理剤と予め混合することなく(つまり、上記アルカリ可溶性エマルションを予め水溶液の状態とすることなく)、上記製鉄用原料に添加することを示し、上記製鉄用原料への上記アルカリ可溶性エマルションの添加とは独立して上記製鉄用原料にアルカリ性物質を添加することを示す。
【0047】
これにより、上記製鉄用原料と上記アルカリ可溶性エマルション(製鉄用造粒処理剤)との混合とは時間差をおいて上記のポリマーを水に溶解、増粘させることができる。この結果、比較的粘度の低いエマルションが製鉄用原料と速やか、かつ、均一に混ざり、次いで、アルカリ性物質によりエマルションが溶解し、水溶性ポリマーとなるため、効率的にポリマーが働き、造粒性を向上することができる。
【0048】
なお、上記のポリマーは、上記アルカリ性物質による中和によって、一瞬にして水に溶解するわけではないため、上記アルカリ可溶性エマルション(上記製鉄用造粒処理剤)の添加の前、あるいは同時に上記アルカリ性物質を添加しても構わない。ただし、できるだけ上記アルカリ可溶性エマルション(上記製鉄用造粒処理剤)が製鉄用原料と均一に混合された後で上記アルカリ可溶性エマルションを水溶液の状態とすることが好ましく、このためには、上記アルカリ性物質を、粉体で予め鉄鉱石とブレンドしておくか、あるいは、アルカリ性物質を、上記アルカリ可溶性エマルション(上記製鉄用造粒処理剤)の添加後(好適には混合後)に添加することが好ましく、効率面から、上記アルカリ性物質を水溶液にして、上記アルカリ可溶性エマルション(上記製鉄用造粒処理剤)の添加後に添加することがより好ましい。
【0049】
本発明によれば、上記アルカリ可溶性エマルション(製鉄用造粒処理剤)を予め水溶液の状態で添加しなくても擬似粒化性を向上させることができると共に、アルカリ可溶性エマルションを含む製鉄用造粒処理剤を、エマルションの状態のままで上記製鉄用原料に添加して混合することで、該アルカリ可溶性エマルションを含む製鉄用造粒処理剤が、水溶液とした場合に粘度が高くなるような化合物であっても、製鉄用造粒処理剤と製鉄用原料とを均一に混合することができ、擬似粒化性を向上させる効果に優れ、焼結機の生産効率を向上させることができ、この結果、安価に製鉄用原料の造粒処理を行なうことができる。本発明にかかる製鉄用原料の造粒処理方法は、水溶液としたときに、その粘度が200mPa・s以上、さらには500mPa・s以上となるアルカリ可溶性エマルションに特に好適である。
【0050】
焼結原料(鉄鉱石、副原料、燃料等)に対する、有効成分、つまり、上記アルカリ可溶性エマルションにおいて粒子を構成する上記ポリマーの添加量は、特に限定されるものではないが、下限値が好ましくは0.001重量%であり、さらに好ましくは0.005重量%であり、上限値が好ましくは5.0重量%であり、さらに好ましくは1.0重量%である。上記ポリマーの添加量が5.0重量%を越える量のアルカリ可溶性エマルションを添加すると、造粒過多となって焼結原料の固まりができてしまい、該焼結原料の固まり内部への通気が阻害され、焼結されなくなる等の悪影響が出てしまう。また、上記ポリマーの添加量の下限値は、焼結原料の鉱石の造粒性や、水分添加量、使用する造粒機等によって左右されるが、できるだけ少量となるように設計することが望ましい。
【0051】
ペレット原料(鉄鉱石、ダスト、炭材等)に対する、有効成分、つまり、上記アルカリ可溶性エマルションにおいて粒子を構成する上記ポリマーの添加量は、特に限定されるものではないが、下限値が好ましくは0.01重量%であり、さらに好ましくは0.05重量%であり、上限値が好ましくは5.0重量%であり、さらに好ましくは1.0重量%である。上記ポリマーの添加量が5.0重量%を越える量のアルカリ可溶性エマルションを添加すると、造粒過多となってペレット原料の大きな固まりができてしまい、該ペレット原料の粒径のバラツキが大きくなる等の悪影響が出てしまう。また、上記ポリマーの添加量の下限値は、ペレット原料の造粒性や、水分添加量、使用する造粒機等によって左右されるが、できるだけ少量となるように設計することが望ましい。
【0052】
また、上記アルカリ可溶性エマルションに対する上記アルカリ性物質の添加量は、上記アルカリ可溶性エマルションにおける上記ポリマーを構成する酸基含有単量体の種類や組成、上記アルカリ性物質の種類等に応じて、上記アルカリ可溶性エマルションの少なくとも一部を中和することで上記アルカリ可溶性エマルションを水溶液の状態とすることができる量であれば特に限定されるものではないが、上記アルカリ可溶性エマルションにおける上記ポリマー中の酸基の量に対し、20モル%以上、120モル%以下の範囲内で添加することが好ましく、75モル%以上、100モル%以下の範囲内で添加することがさらに好ましい。上記アルカリ性物質の添加量が120モル%以上であればアルカリ性物質の量が過剰となり、不経済な上、擬似粒子性の向上効果が低下する場合がある。上記アルカリ性物質の添加量が20モル%以下であればエマルション粒子が溶解しないため、擬似粒子性の向上効果を得ることができないので好ましくない。
【0053】
上記アルカリ可溶性エマルション、特に酸基含有モノマーを例えば(メタ)アクリル酸エステルと共重合してなる共重合体を上記ポリマーとして含むアルカリ可溶性エマルションは、製鉄用原料を造粒(擬似粒化またはペレット化)するバインダーとして作用し、その使用量がかなり少なくても製鉄用原料を造粒する際に、擬似粒化性を向上させる効果に優れ、焼結機の生産効率を向上させることができる。
【0054】
このため、上記アルカリ可溶性エマルション、特に酸基含有モノマーを例えば(メタ)アクリル酸エステルと共重合してなる共重合体を上記ポリマーとして含むアルカリ可溶性エマルションを本発明の造粒処理方法にかかる製鉄用造粒処理剤として用いることで、擬似粒化性を向上させる効果に優れ、焼結機の生産効率を向上させることができ、この結果、安価に製鉄用原料の造粒処理を行なうことができる。
【0055】
このため、上記アルカリ可溶性エマルションは、そのまま製鉄用造粒処理剤として用いることができるが、例えばその効果を助長若しくは安定化させることを目的として、上記アルカリ可溶性エマルションが有する性能を阻害しない範囲内で、必要に応じて、他の成分を含んでいてもよく、上記アルカリ可溶性エマルション以外の成分として、例えば生石灰等の従来公知の他の造粒添加剤等を併用しても構わない。
【0056】
上記アルカリ可溶性エマルション、特に酸基含有モノマーを例えば(メタ)アクリル酸エステルと共重合してなる共重合体を上記ポリマーとして含むアルカリ可溶性エマルションは、多価金属イオンの影響を受け難いことから、造粒効果の低下が起こり難く、生石灰と併用しても、製鉄用原料に含まれる微粉の量を十分に低減させることができるが、生石灰は、コストが高く、また、取り扱いにも注意を要することから、生石灰の非存在下で造粒処理を行うことが好ましく、生石灰を全く添加しないか、添加しても、極力添加量を少なくすることが好ましい。また、従来、製鉄用原料の造粒には、生石灰を使用することが一般的であり、生石灰以外のバインダーを用いる場合でも生石灰とを併用するという考え方があるが、上記製鉄用造粒処理剤は、生石灰を含まない、あるいは、生石灰と併用しないこと(すなわち、生石灰の非存在下で造粒を行なうこと)が、上記製鉄用原料の造粒における擬似粒化性を向上させる上で、より効果的である。このため、上記製鉄用造粒処理剤が生石灰を含むか、あるいは上記製鉄用造粒処理剤を生石灰と併用する場合、該製鉄用造粒処理剤中の生石灰の割合、あるいは、上記製鉄用造粒処理剤に対する生石灰の添加量は、該製鉄用造粒処理剤を製鉄用原料に添加する際における製鉄用原料に対する生石灰の割合、特に、鉄鉱石に対する生石灰の割合が極力少なくなるように設定されていることが好ましい。
【0057】
また、本発明にかかる上記製鉄用造粒処理剤は、前記したように、最終的に水溶液とする必要があり、造粒処理時に、該造粒処理に用いる水を、該製鉄用造粒処理剤とは別に添加するか、あるいは、予め上記製鉄用造粒処理剤を水で希釈した状態で添加することができる。すなわち、上記製鉄用造粒処理剤は、例えば粘度調整(希釈)等を目的として、上記乳化重合により得られたアルカリ可溶性エマルションの他に、さらに水を含んでいてもよく、所定の濃度あるいは所定の粘度となるように希釈されていてもよい。この場合に用いられる水の量、例えば、上記製鉄用造粒処理剤中の水の量としては、造粒処理時に用いられる水の総量あるいはそれ以下となるように適宜設定すればよく、特に限定されない。
【0058】
何れの場合においても、製鉄用原料に対する、本発明にかかる製鉄用造粒処理剤の添加量(割合)は、該製鉄用造粒処理剤中に含まれる上記アルカリ可溶性エマルションにおいて粒子を構成する上記ポリマーが、造粒処理される製鉄用原料に対して0.001重量%以上、5.0重量%以下の範囲内、具体的には、前述した割合となるように設定すればよい。
【0059】
本発明によれば、造粒処理される製鉄用原料に対する上記製鉄用造粒処理剤中の上記ポリマーの添加量(使用量)が0.1重量%以下、特に、造粒処理される鉄鉱石に対する上記製鉄用造粒処理剤中の上記ポリマーの添加量(使用量)が0.1重量%以下でも、造粒後の粒径が0.25mm以下の擬似粒子のGI指数が85%以上となる。
【0060】
なお、造粒された擬似粒子のGI指数とは、核粒子の周りに付着する微粉粒子の割合を示す値であり、この値が大きいものほど造粒性が良好で、焼結時の通気性が向上し、焼結鉱の通気性が向上し、焼結鉱の生産効率が高くなる。GI指数の測定については、後述する。
【0061】
また、本発明によれば、副原料や燃料等を含む製鉄用原料の各銘柄の粒度分布、造粒性、組成等に応じて、製鉄用原料の一部を混合・混練・造粒した後、これを残りの製鉄用原料に混合・混練して造粒する処理方法についても、本発明にかかる造粒処理方法を用いて上記製鉄用造粒処理剤を上記製鉄用原料に添加することにより、擬似粒化することができる。例えば、製鉄用原料の一部が難造粒性を示す場合には、この難造粒性の製鉄用原料に上記製鉄用造粒処理剤を添加することにより、擬似粒化することができる。従って、少量の製鉄用造粒処理剤で製鉄用原料を効率的に造粒することができる。
【0062】
本発明によれば、製鉄用原料や造粒機、各成分を添加するタイミングや場所等の組み合わせを自由に選択することができ、従ってその組み合わせは、特に限定されるものではない。つまり、複数の処理工程を有し、上記製鉄用造粒処理剤と各処理方法とを組み合わせる造粒処理方法についても、本発明にかかる造粒処理方法を適用して上記製鉄用造粒処理剤を製鉄用原料に添加することにより、擬似粒化することができる。
【0063】
【実施例】
以下、実施例および比較例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。実施例および比較例における平均粒径およびGI指数は、下記方法により測定した。尚、実施例および比較例に記載の「部」は「重量部」を示し、「%」は「重量%」を示す。
【0064】
(平均粒径、GI指数)
造粒操作を行って得られた擬似粒子をふるいを用いて分級することにより、その粒度(擬似粒度)並びに平均粒径を求めた。造粒された擬似粒子のGI指数とは、製鉄研究第288号(1976)9頁に開示されている評価方法の一つであり、前記したように核粒子の周りに付着する微粉粒子の割合を示す。
【0065】
以下に記載の実施例および比較例における焼結原料並びにペレット原料は、全て、絶乾状態のものを使用した。
【0066】
〔実施例1〕
滴下ロート、攪拌装置、窒素ガス導入管、温度計、および還流冷却器を取り付けたフラスコに、イオン交換水199.1部と、乳化剤(日本乳化剤株式会社製、商品名;ニューコール707SF)9.8部と、酸基含有単量体としてのスチレンスルホン酸ナトリウム11.7部とを仕込んだ。次いで、75℃で攪拌することにより、乳化剤を完全に溶解させると共に、フラスコ内を窒索ガス置換した。一方、酸基含有単量体としてのメタクリル酸164.3部と、(メタ)アクリル酸エステルとしてのアクリル酸メチル117.4部とからなるモノマー組成物(モノマー成分)を、乳化剤(同上)9.8部およびイオン交換水460.5部に添加し、激しく攪拌することによりプレエマルションを調製した。そして、該プレエマルションを滴下ロートに仕込んだ。
【0067】
次いで、フラスコ内の水溶液に、上記滴下ロートからプレエマルション52.6部を滴下し、75℃で5分間攪拌した。続いて、重合開始剤としての過硫酸アンモニウム5%水溶液13.7部をフラスコに投入し、75℃で20分間攪拌することにより、初期重合を行った。その後、反応温度を75℃に保ちながら、滴下ロートから残りのプレエマルション699.3部を2時間かけて滴下した。滴下終了から30分経過後、このフラスコ内の水溶液に、還元剤として0.5%亜硫酸水素ナトリウム水溶液13.8部を添加し、さらに1時間重合させた後、得られた反応液を冷卸して、共重合を終了した。
【0068】
これにより、共重合体としてアクリル酸系ポリマーを含む不揮発分の濃度が29.9%であるアルカリ水可溶性エマルションを得た。GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用いて測定した、上記共重合体の重量平均分子量は、約140万であった。そして、得られたエマルション122.6部を水5377.4部に添加してよく攪拌、希釈することにより、本発明にかかる製鉄用造粒処理剤としてのエマルション(1)5500部を得た。一方、表1に示す組成を有する焼結原料(製鉄用原料)を調製した。
【0069】
【表1】
Figure 0004837851
【0070】
上記の焼結原料70000部およびアルカリ性物質(中和剤)としての炭酸ナトリウム9部をドラムミキサーに投入し、回転速度24min-1で1分間、予備攪拌した。その後、同回転速度で攪拌しながら、該焼結原料に、予め調製した上記エマルション(1)5250部を霧吹きを用いて約1.5分間かけて噴霧した。焼結原料に対する上記共重合体の割合は0.05%であった。噴霧後、さらに同回転速度で3分間攪拌することにより、造粒操作を行った。
【0071】
得られた擬似粒子に含まれる水分を測定すると共に、該擬似粒子をふるいを用いて分級することにより、平均粒径、並びに、造粒後の粒径が0.25mm以下の擬似粒子のGI指数を求めた。この結果を、上記製鉄用造粒処理剤中における有効成分の添加量、すなわち、用いたエマルション(1)中における上記共重合体の添加量と併せて表2に示す。
【0072】
〔実施例2〕
実施例1にて得られたエマルション121.9部を水4878.1部に添加してよく攪拌、希釈することにより、本発明にかかる製鉄用造粒処理剤としてのエマルション(2)5500部を得た。一方、実施例1と同じ焼結原料70000部をドラムミキサーに投入し、回転速度24min-1で1分間、予備攪拌した。その後、同回転速度で攪拌しながら、該焼結原料に、予め調製した上記エマルション(2)4800部を霧吹きを用いて約1分問かけて噴霧し、これに5%炭酸ナトリウム水溶液450部を霧吹きを用いて約30秒間かけて噴霧した。焼結原料に対する上記共重合体の割合は0.05%であった。噴霧後、さらに同回転速度で3分間攪拌することにより、造粒操作を行った。得られた擬似粒子に含まれる水分を測定すると共に、該疑似粒子を80℃のオーブンを用いて1時間乾燥した後、ふるいを用いて分級することにより、平均粒径、並びに、造粒後の粒径が0.25mm以下の擬似粒子のGI指数を求めた。この結果を、上記製鉄用造粒処理剤中における有効成分の添加量、すなわち、用いたエマルション(1)中における上記共重合体の添加量と併せて表2に示す。
【0073】
〔比較例1〕
実施例1と同じ焼結原料70000部に水5250部を添加することにより、造粒操作を行った。得られた擬似粒子に含まれる水分を測定すると共に、該擬似粒子をふるいを用いて分級することにより、平均粒径、並びに、造粒後の粒径が0.25mm以下の擬似粒子のGI指数を求めた。この結果をまとめて表2に示す。
【0074】
〔比較例2〕
実施例1と同じ焼結原料70000部をドラムミキサーに投入すると共に、該焼結原料に、該焼結原料に対する割合が1.5%となるように生石灰1050部を添加し、回転速度24min-1で1分間、予備攪拌した。その後、同回転速度で攪拌しながら、該焼結原料に水5600部をスプレーを用いて約1.5分間かけて噴霧した。噴霧後、さらに同回転速度で3分間攪拌することにより、造粒操作を行った。得られた擬似粒子に含まれる水分を測定すると共に、該擬似粒子をふるいを用いて分級することにより、平均粒径、並びに、造粒後の粒径が0.25mm以下の擬似粒子のGI指数を求めた。この結果を、用いた生石灰の添加量と併せて表2に示す。
【0075】
【表2】
Figure 0004837851
【0076】
表2に示す結果から明らかなように、本発明にかかる製鉄用造粒処理剤を少量用いることにより、擬似粒子の平均粒径、GI指数を大きく増加させることができることが判った。この結果から、本発明にかかる製鉄用造粒処理剤が焼結原料を擬似粒化するのに優れた効果を発揮することが判ると共に、本発明にかかる製鉄用造粒処理剤を少量用いることにより、擬似粒子を焼結してなる焼結鉱の生産率を向上させることが判る。
【0077】
【発明の効果】
本発明にかかる製鉄用原料の造粒処理方法は、以上のように、アルカリ可溶性エマルションを含む製鉄用造粒処理剤を、エマルションの状態のままで上記製鉄用原料に添加する構成である。
【0078】
また、本発明にかかる製鉄用原料の造粒処理方法は、以上のように、上記製鉄用造粒処理剤とは別に、上記製鉄用原料にアルカリ性物質を添加する構成である。
【0079】
これにより、焼結鉱を得るべく微粉の鉄鉱石を含む製鉄用原料(焼結原料またはペレット原料)を造粒処理(擬似粒化またはペレット化)するのに好適な造粒処理方法を提供することができるという効果を奏する。上記の造粒処理方法によれば、微粉の鉄鉱石を含む製鉄用原料(焼結原料またはペレット原料)を造粒処理(擬似粒化またはペレット化)する際に、微粉粒子を核粒子の周りに付着させる効果に優れ、焼結機の生産効率を向上させることができ、それゆえ、製鉄用造粒処理剤を安価に提供することができる。

Claims (2)

  1. 微粉の鉄鉱石を含む製鉄用原料を造粒処理する方法において、
    アルカリ可溶性エマルションを含む製鉄用造粒処理剤を、エマルションの状態のままで上記製鉄用原料に添加し、
    上記製鉄用造粒処理剤とは別に、上記製鉄用原料にアルカリ性物質を添加することを特徴とする製鉄用原料の造粒処理方法。
  2. 上記アルカリ性物質を、上記製鉄用造粒処理剤の添加後に添加することを特徴とする請求項1記載の製鉄用原料の造粒処理方法。
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