JP4836708B2 - 緩衝器 - Google Patents

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Description

本発明は、衝突による衝撃を緩和するために用いられる緩衝器に関する。
従来より、例えば工作機械には、操作ミスや故障等に起因してアーム類が異常な動作をしたとしても、それとの衝突による破損を防止するための安全装置として、当該アーム類との衝突が予測される部位に発泡ウレタン製の緩衝器を取り付けている。このようなウレタン製の緩衝器(例えば特許文献1を参照)は、通常は円柱状乃至円錐台状とされ、その軸心の方向に圧縮されて変形し、衝突エネルギを吸収する。
そのようなウレタン製緩衝器の緩衝特性は、一例を図7のような変形量δと反力Pとの関係(グラフ)で見ると、衝突初期の反力Pの立ち上がりが緩やかで、所謂初期当たりの柔らかな特性となる一方で、軸心方向の圧縮に伴い拡径して断面積が増大することとウレタン本来の非線形特性とが相俟って、変形量δが或る程度以上、増大すると、反力Pが急上昇するものである。
ところで、一般に緩衝器の特性として望ましいのは、できるだけ反力の増大を抑えつつ、許容される変形量の範囲内で所要のエネルギ吸収を達成することであり、前記図7においてはグラフの下側の面積がエネルギ吸収量を表すから、破線で示すように反力Pが一定のときに最も効率が高くなると言える。この効率をηとすれば、エネルギ吸収量をE、反力Pの最大値をPmax、変形量δの最大値をδmaxとして、 η = E/Pmax/δmax と表すことができる(以下、ηを緩衝効率ともいう)。
この点、従来一般的なウレタン製の緩衝器は、前記したように初期の当たりが柔らかい点では好ましいが、その後も反力の立ち上がりが緩やかに過ぎるため、緩衝効率は高いとは言えない。それと同様の初期当たりの柔らかさを備えつつ、緩衝効率を高めるためには、図に仮想線で示すように、緩やかに立ち上がった反力が速やかに上昇した後、暫くの間はその上昇が抑えられる、という特性が求められる。
そのように変形の途中で一時的に反力の上昇が抑えられるような緩衝器としては、例えば特許文献2に示されるようなゴム製の防舷材が知られている。この防舷材は、先窄まりの円錐台状に形成されたゴム支承部(周壁部)の内部に、同様に先窄まりの円錐台状をなす中空部が形成されており、先端の受衝部に船舶の舷側(ふなべり)が衝突して軸心方向に圧縮されると、ゴム支承部が座屈して樽状に変形し、外方に膨出する部位に折れ曲がり(同文献には座屈周ラインと記載)を生じるようになっている。
そうしてゴム支承部が折れ曲がることによって、同文献の段落0002、0007や図6、7に示されているように、緩衝器の反力は極大点Aから一旦、低下することになり、その後、座屈周ラインを挟む支承部の内面同士が密着して(C点)、それらが互いに押圧し合うことにより、再び反力が上昇するようになる(C→B)。
特に同文献のものでは、座屈周ラインに隣接又は近接する領域に肉盛部を設けているので、同段落0008や図8に示されているように、座屈周ラインにてゴム支承部の一部が折れ曲がると、その内面同士(肉盛部)が速やかに密着するようになり、このことにより反力の落ち込みを抑えて、エネルギ吸収のロスを軽減できる、としている。
特開平10−141408号公報 特開平07−229129号公報
しかしながら、前記従来例(特許文献2)の防舷材は、座屈変形によってゴム支承部の一部が折れ曲がった後に、その部位(座屈周ライン)を挟んだ内面相互の密着を早めることによって、落ち込んだ反力を早めに回復させるようにしたものであり、そうして折れ曲がり始める初期の反力の落ち込みは阻止し得ない。よって、エネルギ吸収のロスをさらに軽減して、その緩衝効率を改善する余地が残されている。
この点につき本願の発明者は、前記のように樽状に変形するゴム支承部の外方に膨出する部位には、その特に外周側で周方向に高い引っ張り応力が発生しており、これが変形に対する反力となることに着目して鋭意研究した結果、そうして外方に膨出する部位、特に折れ曲がる部位の厚みを、当該部位における外径に対して適切な寸法比率に設定すると、折れ曲がる際の反力の低下が殆どなくなることを見出した。
すなわち、前記従来例(特許文献2)においては、ゴム支承部の座屈変形をその縦断面において2次元的にとらえているが、実際には支承部の座屈変形は3次元的なものであり、前記したようにそれが樽状に変形して折れ曲がるときには、周方向に高い引っ張り応力を生じているから、この応力を高くすれば、折れ曲がりの初期においても反力の低下を阻止することができるのである。
そうして引っ張り応力を高めるためにはゴム支承部の厚みを大きくすればよいのは勿論であるが、厚みを無闇に大きくすると、緩衝器全体のばね剛性が高くなり過ぎて、反力の立ち上がりが過度に急峻なものになってしまう。一方、ゴム支承部の外径を小さくすれば、その周長が短くなるので、仮に厚みが同じで、座屈変形による外方への膨出量が同じであっても、周方向の歪みは大きくなるから、応力も高くなる。
よって、座屈変形の際にゴム支承部の一部が折れ曲がることによる反力の落ち込みを抑えるためには、当該ゴム支承部の厚み、特に折れ曲がる部位の厚みを、外径に対し適切な寸法比率とすればよいと言える。
斯かる新規な知見に基づいて、本発明は、ゴム材料により略円筒状に形成された緩衝器において、その周壁(支承部)が座屈変形して折れ曲がる際の反力の落ち込みを抑えて、エネルギ吸収のロスを従来より一層、軽減し、もって、緩衝効率を可及的に高めることを目的とする。
前記の目的を達成すべく、請求項1の発明では、ゴム材料により略円筒状に形成され、衝突荷重を受けて軸心方向に圧縮されるとともに、周壁の少なくとも一部が全周に亘って外方に膨出するよう座屈変形して、衝撃を緩和する緩衝器を対象として、軸心方向の一方の端に固定側への取付部が、また、他方の端には衝突荷重の受け部が、それぞれ設けられ、上記周壁は、その外径が前記一方の端から他方の端まで軸心方向に減少するように形成され、上記受け部は、上記周壁の他方の端部と一体成形された端壁部で構成されており、上記端壁部は、その厚さが上記周壁の厚さよりも薄く、且つ、半径方向外方に向かって徐々に厚みが増す傾斜面を有するように形成されており、前記座屈変形の際に周壁が折れ曲がっても圧縮反力が低下しないよう、その折れ曲がる部位における周壁の厚みの外径に対する比率を所定値以上に設定したものである。
すなわち、前記のような略円筒状のゴム製緩衝器は、その周壁の厚みの外径に対する比率が比較的低いときには、従来例の防舷材と同様に圧縮変形の途中で反力が一旦、落ち込むという特性を示すが(図3の破線のグラフを参照)、外径に対する厚みの比率を徐々に高くしていくと、これに応じて徐々に反力の立ち上がりが急になるとともに、その落ち込みが小さくなってゆく。
そして、その折れ曲がる部位における周壁の厚みの外径に対する比率を所定値(後述の実施形態では略1/4になると反力の落ち込みはなくなり、衝突初期に緩やかに立ち上がった反力が速やかに上昇した後、暫くの間は概ね一定の値を示す、という理想的な緩衝特性となることが分かった(図3の実線のグラフを参照)。このことから、前記構成のように周壁の厚みの外径に対する比率を所定値以上とすれば、それが座屈変形する途中の反力の落ち込みをなくして、エネルギ吸収ロスを減らすことができる。
尚、前記厚み/外径比率がさらに高くなると、徐々に緩衝器全体のばね剛性が高くなってゆき、緩衝効率は高いものの、反力の最大値が大きくなり過ぎる虞れがある(図3の仮想線のグラフを参照)。このことを考慮すれば、緩衝器の周壁の厚み/外径比率をあまり高くすることはできないが、これについては緩衝器に求められる特性に応じて適宜、設定すればよい
さらにまた、周壁の軸心方向他方の端に連続させて、そこから内周側に延びる壁部を全周に亘って形成することから、衝突荷重が直接、作用する他方の端部の変形を適度に抑制することができるので、周壁を樽状に変形させる上で有利になる。
前記のような緩衝器は、一般的に、軸心方向の一方の端が衝突の予測される部位(固定側)に取り付けられ(取付部)、他方の端において衝突による荷重を受ける(受け部)ようになっているが、その周壁を樽状に座屈変形させて、狙い通り引っ張り応力を高くするために、周壁の外径乃至内径を前記一方の端から他方の端まで軸心方向に減少するように形成している
より具体的には、周壁の外周面乃至内周面の軸心に対する傾斜角度を、一方の端の付近では0〜5°の範囲内に設定するとともに、他方の端の付近では前記一方の端の付近以上とするのがよい(請求項)。こうして周壁を僅かに先窄まりの形状とし、さらに、僅かに樽状に形成すれば、衝突荷重により軸心方向に圧縮されたときに、その中間部が外方に膨出し易くなり、引っ張り応力を狙い通りに高めることができる。
但し、周壁全体の軸心に対する傾きが大きいと、衝突荷重を受けたときに周壁全体が内方に押し潰されるように変形することがあり、その中間部を狙い通り外方に膨出させることが難しくなる。この点、前記のように固定側である一方の端の付近で周壁の傾きを0〜5°と小さくすれば、そのような不具合は実質、生じない。
さらに、一方の端の付近では軸心方向に略一定の厚みとし、そこから上方に向けて徐々に厚みを減らすようにすることが好ましい(請求項)。こうすれば、周壁が座屈変形する際に相対的に薄肉の他方の端側において折れ曲がりを生じ易く、そうして折れ曲がった部位が外方へ大きく膨出しても固定側の取付部材と干渉することがない
以上のように、本発明に係る緩衝器によると、ゴム材料により略円筒状に形成した周壁が衝突荷重を受けて軸心方向に圧縮変形するときに、これを座屈させて樽状に変形させ、その一部を全周に亘り折り曲げて外方に膨出させることで、圧縮変形に対する反力の上昇を抑えることができるとともに、その際に反力が落ち込むことは阻止して、そのことによるエネルギ吸収のロスを可及的に軽減することができる。よって、緩衝器の効率を従来より一層、改善できる。
以下、本発明の実施形態を図面に基いて説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1は、本発明に係る緩衝器の一実施形態であるゴムバッファーAを示し、これは例えば工作機械等に取り付けられて、そのアーム類が操作ミスや故障等に起因して異常な動作をしたときでも、衝突による破損を防止するための安全装置として機能するものである。この実施形態ではゴムバッファーAを例えばクロロプレンゴム(CR)等のゴム材料により形成しており、より一般的な発泡ウレタン製のバッファーに比べて耐候性が高いので、屋外での使用にも適している。
図示の如くゴムバッファーAは略円筒状とされ、その周壁部1の軸心Z方向一方(図の下方であり、以下、便宜的に下方ともいう)の端には金属製のフランジ板2(取付部)が加硫接着により被着されており、前記工作機械等においてアーム類との衝突が予測される部位(固定側)に図示しないボルトによって締結されるようになっている。一方、周壁部1の他方(図の上方であり、以下、便宜的に上方ともいう)の端には端壁部3が一体成形されており、前記アーム類の衝突による荷重を受ける受け部となる。
この例では端壁部3の中心を軸心Zに沿って厚み方向に貫通する丸穴3aが設けられ、その丸穴3aの周縁から周壁部1に繋がる部位まで、半径方向外方に向かって徐々に端壁部3の厚みが増している。見方を変えると、周壁部1の上端から径方向内方に向かうように円環状の壁部(端壁部3)が全周に亘って形成されている、ということもできる。尚、端壁部3に丸穴3aを設けなくてもよい。
また、端壁部3の上面には、丸穴3aの上端開口を囲むようにして複数の突部3b,3b,…が形成されている。これらの突部3b,3b,…は、それぞれが扇形の断面形状を有し、荷重のかからない状態では周方向に互いに離間しているが、上方からの衝突荷重を受けると軸心Z方向に押し潰されて周方向及び半径方向に拡大し、隣り合う突部3b,3b同士が接触するようになる。
そうして上端に衝突荷重が作用すると、ゴムバッファーAの周壁部1はその軸心Zの方向(上下方向)に圧縮され、上下の中間部が径方向外方に膨出するように(即ち樽状に)座屈変形して、衝突のエネルギを吸収することになる。この衝突の際に荷重が直接、作用する部位に前記の端壁部3が一体成形されていることは、その部位の局所的は変形を抑えて、周壁部1全体を前記の如く樽状に変形させる上で好ましいと言える。
図の例では、ゴムバッファーAの周壁部1の高さH(軸心Z方向の長さ)はその下端における外径Dと略同じになっている。また、周壁部1の外径は上方に向かって徐々に減少するように形成されており、より詳しくは、周壁部1の外周面の軸心Zに対する傾斜角度αは下端付近では略0〜1°であり、そこから上方に向かって少しずつ増加して上端付近では約5°になっている。言い換えると、周壁部1の外形状は僅かに上窄まりとなっていて、同図(b)に示す縦断面においては外方に凸の緩やかな曲線によって構成されている。
また、図の例では周壁部1の内径も上方に向かって徐々に減少しているが、その内周面の軸心Zに対する傾斜角度は下端から上端まで略一定であり(例えば略0〜1°)、図示の縦断面において周壁部1の内形状は略直線状になっている。このため周壁部1の厚みは、その外周面の傾斜角度αが小さな下端側の部位(図の例では下端から高さHの1/3くらいまでの範囲)では略一定であり、そこから上方に向かい外周面の傾斜角度αが徐々に大きくなるに連れて、厚みも徐々に減少している。
そして、本発明の特徴として、この実施形態のゴムバッファーAでは、前記の如く形成された周壁部1の厚みtが、その下端から高さHの2/3くらいまでの範囲において、言い換えると、周壁部1を上部、中部及び下部に略3等分した場合の中部及び下部に相当する部位において、当該周壁部1の下端外径Dの1/4以上とされている。このことは、前記中部及び下部の任意の部位において周壁部1の厚みtが外径の1/4以上であることを意味する。
そして、上述したように、ゴムバッファーAに衝突荷重が作用し、周壁部1が座屈して樽状に変形するときには、その中部において全周に亘り折れ曲がりを生じることになるから(図2を参照)、この実施形態のゴムバッファーAは、周壁部1の座屈変形の際に折れ曲がる部位における厚みが外径の1/4以上であると言える。そして、このことによりゴムバッファーAは、衝突荷重により圧縮されて、周壁部1が座屈変形するときに、初期には緩やかに立ち上がった圧縮反力が或る値で概ね一定に維持される、という理想的な緩衝特性を備えるようになる。
より詳しくは、前記のように上方から衝突荷重が作用すると、ゴムバッファーAの周壁部1は、図2に示すように上下に潰れて、その中間部が全周に亘り径方向外方に膨出するように(即ち樽状に)座屈変形するのであるが、この際、まず同図(a)に示すように周壁部1の全体が軸心Z方向に圧縮されつつ湾曲し始め(座屈の始まり)、これに応じて圧縮の反力Pが、図3に実線のグラフにて示すように緩やかに立ち上がる。
それから図2(b)のように周壁部1の中間部位(前記上部、中部及び下部の中部に相当)が全周に亘って折れ曲がり始め、特にこの折れ曲がる部位における半径方向外方への膨出量が増大する。こうして周壁部1が折れ曲がることによって、図示の如く2次元的に見ればゴムバッファーAの圧縮反力Pは低下するはずだが、そうして折れ曲がった部位が前記の如く半径方向外方へ大きく膨出し、周方向の高い引っ張り応力が発生することから、反力Pは低下することなく、図3の実線のグラフに示すように概ね一定の値に維持されるようになる。
そして、さらに圧縮が進んで変形量が大きくなると、図2(c)のように、折れ曲がった部位を挟んで周壁部1の内面同士が密着するようになる。そうなると、周壁部1はそれ以上は殆ど曲げ変形しなくなり、ゴムの圧縮変形のみとなることから、図3に示すように、ゴムバッファーAの圧縮変形量δの増大に対応して、反力Pが再び上昇するようになる。
ここで、前記のように周壁部1に生じる周方向の引っ張り応力を高めて、反力の低下を抑えるためには、少なくとも、そうして折れ曲がる部位の厚みを大きくすればよいことは勿論であるが、その厚みを無闇に大きくすると、周壁部1全体のばね剛性が高くなり過ぎるきらいがある。一方、周壁部1の外径を小さくすれば、その周長が短くなるので、仮に折れ曲がる部位の厚みが同じであり、その外方への膨出量が同じであっても、周方向の引っ張り歪みは大きくなるから、引っ張り応力を高めることができる。
つまり、曲げ変形時の反力に大きな影響を与える周壁部1の引っ張り応力は、該周壁部1の特に折れ曲がる部位における厚みと外径とによって調整することができ、両者のいずれか一方のみではなく、それらの比率を適切に設定することで、ばね剛性の過度の増大といった弊害を招くことなく、反力Pの落ち込みのない好ましい緩衝特性が得られるのである。
より具体的に図4には、ゴムバッファーAの周壁部1の厚みt、その下端外径D及び高さHそそれぞれ変更して、これに伴う緩衝特性(圧縮変形量δとこれに対する反力Pとの関係)の変化を調べたシミュレーション結果の一例を示す。図示の実線のグラフa〜cは、いずれも、周壁部1の高さH=100mm、下端外径D=125mmとし、その厚みtは25mm、31.5mm、50mmと変化させたものである。
図示の如く、周壁部1の厚みt=25mmのグラフaには、非常に小さいものの反力Pの落ち込みが存在する一方、厚みt=31.5mm、50mmのグラフb、cには、いずれも反力Pの落ち込みは存在しない。グラフbでは変形量30〜40mmの範囲で反力Pの上昇がよく抑えられているが、グラフcでは衝突初期から反力Pが直線的に立ち上がっており、その上昇を抑制できていないので、最大反力が過大になる虞れがある。
同様に、高さHを125mmとした場合の破線のグラフd〜fについても、周壁部1の厚みt=25mmのグラフdには反力Pの落ち込みが見られ、一方、厚みt=31.5mm、42.5mmの2つのグラフe、fには反力Pの落ち込みは見られない。特にグラフeは、反力Pが衝突初期には緩やかに立ち上がり、その後、概ね一定に維持されるという理想的な緩衝特性を示している。
さらに、周壁部1の高さHやその下端外径Dの他、その軸心Zに対する傾斜や厚みtの変化の仕方など、ゴムバッファーAの寸法や形状を種々、変更して、前記と同様の実験を行った結果、得られたのが前記図3に模式的に示した特性変化図であり、周壁部1の厚みと外径との比率t/Dの値を変えることによって、その緩衝特性が変化する様子が表れている。尚、同図において実線、破線、仮想線にてそれぞれ示す緩衝特性のグラフは、その下側の面積、即ち吸収するエネルギの総量が同じになるようにして描いている。
同図において破線で示すグラフは、周壁部1の厚みtの外径(図の例では下端外径D)に対する比率t/Dが1/4未満(t/D<0.25)のものであり、この場合は、公知の防舷材(例えば特許文献2参照)と同様に、圧縮変形の途中で反力Pが大きく落ち込む、という特性になっている。そして、その落ち込みの度合いは、比率t/Dが低いほど、大きくなっており、こうして反力Pが落ち込む分だけエネルギの吸収効率が低くなることから、反力P及び変形量δの双方共に最大値が大きくなってしまう。
これに対し周壁部1の厚み/外径比率t/Dが1/4以上であれば(t/D≧0.25)、図に実線及び仮想線のグラフにて示すように反力Pの落ち込みがなくなり、エネルギの吸収効率が高くなる。すなわち、t/D≒0.25のときには反力Pの最大値が最も小さくなり、しかも、変形量δの最大値も適度な値になっている。一方、t/D>0.25では、上述したように周壁部1のばね剛性が高くなって、反力Pの立ち上がりが急になっていくが、その分、変形量δは小さくなり、効率はあまり低下しない。
ここで、ゴムバッファーAにより吸収するエネルギの総量をE、最大反力をPmax、最大変形量をδmaxとして、エネルギの吸収効率を表す評価値η = E/Pmax/δmax を求めると(これを緩衝効率という)、図5に示すように、周壁部1の厚みtと下端外径Dとの比率t/Dが0.25〜0.34の範囲において緩衝効率ηが高止まりしており、この範囲においてゴムバッファーAのエネルギ吸収効率が高いことが分かる。
以上より、前記のようなゴムバッファーAの周壁部1において、少なくとも座屈変形の際に折れ曲がる部位の厚みtを、外径に対する比率が1/4以上になるように設定すれば、そうして折れ曲がる際に周壁部1に生じる周方向の引っ張り応力が高くなることで、圧縮反力Pの落ち込みをなくすことができ、エネルギ吸収のロスが軽減されて、緩衝効率ηが高くなることが分かった。
但し、前記したように周壁部1の厚み/外径比率t/Dが1/4を越えて高くなると、反力Pの立ち上がりが急になっていき、その最大値が過大なものとなる虞れがあるので、t/Dの上限についてはゴムバッファーAに求められる特性に応じて適宜、設定する必要がある。この点は、求められる吸収エネルギの総量と高さHとによっても影響を受けるが、一例を挙げれば、t/D=0.25〜0.3くらいが好ましいと考えられる。
図6は、ゴムバッファーAの周壁部1の形状(窄まり具合)と緩衝効率との関係を調べた結果を示しており、周壁部1の上端外径dの下端外径Dに対する比率d/Dをパラメータとすると、図示の如くd/Dは1に近い方が緩衝効率ηが高いことが分かる、これは、周壁部1の傾斜が小さいほど、圧縮変形時に折れ曲がった際の半径方向外方への膨出量が大きくなり易いことによるものと考えられる。
すなわち、周壁部1の傾きが大きい(d/Dが小さい)と、圧縮変形の際に周壁部1の全体が内方に押し潰されるように変形することがあり、そうなると、前記のように周壁部1に折れ曲がりを生じても、その外方への膨出量はあまり大きくはならないから、狙い通りに周方向の引っ張り応力を高めることができないのである。
但し、仮にd/D=1とした場合、荷重の衝突する向きによってはゴムバッファーAがその軸心Zに対し斜めに押し潰される虞れがあり、上述したようにその周壁部1を全周に亘って半径方向外方に膨出させて、樽状に変形させることはできない可能性もあるので、実際にはd/D=0.8〜0.9くらいが好ましいと考えられる。
この点につきこの実施形態のゴムバッファーAでは、上述したが、周壁部1の外形状を僅かに上窄まりで且つ僅かに中凸状の曲面によって構成しているので、上方からの衝突荷重を受けて圧縮変形するときに、狙い通り樽状に変形させ易い。
また、周壁部1の内形状を下端から上端まで略直線状としており、その厚みが下部では略一定であり、中部及び上部では上方に向かって徐々に減少するようになっているので、この周壁部1は通常、中部にて折れ曲がることになり、こうして折れ曲がった部位が外方へ大きく膨出しても、これがフランジ板2を締結するボルトと干渉する虞れはない。
したがって、この実施形態に係るゴムバッファーA(緩衝器)によると、その上端に衝突荷重を受けて周壁部1が上下(軸心Z方向)に圧縮されるときに、これを座屈させて樽状に変形させ、その一部を全周に亘り折り曲げて外方に膨出させることにより、圧縮に対する反力の上昇を抑えることができるとともに、そうして折れ曲がる部位を含めた所定の範囲(上、中、下の中部)における周壁部1の厚みtを、その外径に対する比率が1/4以上となるように設定したので、前記のように折れ曲がって外方に膨出する部位に生じる周方向の引っ張り応力を十分に高くして、反力の落ち込みなくすことができる。よって、エネルギ吸収のロスを従来より一層、減らして、ゴムバッファーAの緩衝効率ηを可及的に高めることができる。
尚、本発明に係る緩衝器の寸法、形状は、前記実施形態のゴムバッファーAに限定されるものではなく、例えばその周壁部1の高さH(軸心Z方向の長さ)を下端外周Dとは異なる値にすることもできる。また、周壁部1の外形状や内形状も種々変更可能であり、端壁部3についても同様である。さらに、ゴムバッファーAの材料はCR以外に、例えばNRやEPDM等、種々のゴム材料が使用可能である。
以上、説明したように、本発明のゴムバッファーは、一般的なウレタン製のバッファーと同様の初期当たりの柔らかさを備えつつ、エネルギの吸収効率が高く、許容される変形量の範囲内で反力の増大を抑えることができる上に、耐候性も高いので、万一の衝突に対する安全装置として工作機械等に用いて非常に好ましい。
実施形態のゴムバッファーについての(a)外形を示す斜視図、及び(b)縦断面図である。 同ゴムバッファーの周壁部の座屈変形する様子を示す説明図である。 周壁部の厚み/外径比率を変えたときの緩衝特性の変化を示す説明図である。 同ゴムバッファーの緩衝特性を示す実験結果のグラフ図である。 周壁部の厚み/外径比率と緩衝効率との関係を示すグラフ図である。 周壁部の窄まり具合と緩衝効率との関係を示すグラフ図である。 一般的な緩衝器の特性を示す図3相当図である。
A ゴムバッファー(緩衝器)
Z 軸心
1 周壁部
2 フランジ板(固定側への取付部)
3 端壁部(衝突荷重の受け部)

Claims (4)

  1. ゴム材料により略円筒状に形成され、衝突荷重を受けて軸心方向に圧縮されるとともに周壁の少なくとも一部が全周に亘って外方に膨出するよう座屈変形して、衝撃を緩和する緩衝器であって、
    軸心方向の一方の端に固定側への取付部が、また、他方の端には衝突荷重の受け部が、それぞれ設けられ、
    上記周壁は、その外径及び内径が前記一方の端から他方の端まで軸心方向に減少するように、且つ、その厚みが前記一方の端から他方の端まで軸心方向に略一定か或いは減少するように形成されており、
    上記受け部は、上記周壁の他方の端部と一体成形された端壁部で構成されており、
    上記端壁部は、その厚さが上記周壁の厚さよりも薄く、且つ、半径方向外方に向かって徐々に厚みが増す傾斜面を有するように形成されており、
    前記座屈変形の際に周壁が折れ曲がっても圧縮反力が低下しないよう、その折れ曲がる部位における周壁の厚みの外径に対する比率を所定値以上に設定したことを特徴とする緩衝器。
  2. 周壁の外周面の軸心に対する傾斜角度は、一方の端の付近では0〜5°の範囲内にあり、他方の端の付近では前記一方の端の付近以上であることを特徴とする請求項に記載の緩衝器。
  3. 周壁の内周面の軸心に対する傾斜角度は、一方の端の付近では0〜5°の範囲内にあり、他方の端の付近では前記一方の端の付近以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の緩衝器。
  4. 周壁の厚みは、一方の端の付近では軸心方向に略一定であり、そこから上方に向けて徐々に減少していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の緩衝器。
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