JP4835485B2 - 強誘電性の積層体とその製造方法 - Google Patents

強誘電性の積層体とその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、常温でも作製可能な強誘電性の積層体とその製造方法に関する。
強誘電性薄膜は、記憶素子(メモリ)、圧電素子、熱センサ等のデバイス等に用いられており、I型の分子鎖の比率が大きいほうが、強誘電性に優れることが知られている。
たとえば、強誘電性薄膜を得るために、特許文献1〜3では、極低温まで冷却した基板上にフッ化ビニリデン系オリゴマーを真空中または乾燥気体中で蒸着または噴霧することで、作製時に結晶化度の向上のための熱処理が不要であり、容易に膜厚の薄い薄膜が得られ、かつ任意の基板等の上に形成することができる強誘電性薄膜が記載されている。
しかし、これらの文献では、たとえば、−160℃といった極低温まで低下させた状態で真空蒸着を行う必要があり、仮に室温で真空蒸着を行った場合、II型の分子鎖の比率が大きく、分子鎖の配列構造が乱れ、充分な強誘電性を示さないという問題点があった。
特開2004−76108号公報 特開2007−31812号公報 国際公開第2006/121336号パンフレット
本発明は、常温でもI型結晶構造を多く含む強誘電性の積層体とその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、フッ化ビニリデン系ポリマーを含むポリマー層の片面に、フッ化ビニリデン系オリゴマーを含むオリゴマー層が積層されてなる積層体に関する。
前記フッ化ビニリデン系ポリマーは、フッ化ビニリデン−トリフルオロエチレンコポリマーであることが好ましい。
前記フッ化ビニリデン系オリゴマーは、式(1):
1−(CF2CH2m−(CH2CF2n−R2
(式中、mは0〜10の整数;nは0〜40の整数;ただし、m+nは4〜50の整数;R1およびR2は同じかまたは異なり、いずれも水素原子、ハロゲン原子、またはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基;m個の−CF2CH2−とn個の−CH2CF2−はランダム構造でもブロック構造でもよい)
で示されることが好ましい。
前記積層体は、ポリマー層の自由表面側に、支持層が積層されてなることが好ましい。
前記支持層は、導電性無機化合物から形成されることが好ましい。
また、本発明は、フッ化ビニリデン系ポリマーを含むポリマー層の片面に、フッ化ビニリデン系オリゴマーを蒸着することによりオリゴマー層を積層する工程を含む積層体の製造方法に関する。
さらに、本発明は、支持層の片面に、フッ化ビニリデン系ポリマーを塗布することによりポリマー層を形成する工程、およびポリマー層の自由表面側に、フッ化ビニリデン系オリゴマーを蒸着することによりオリゴマー層を形成する工程を含む積層体の製造方法に関する。
前記製造方法において、フッ化ビニリデン系ポリマーは、フッ化ビニリデン−トリフルオロエチレンコポリマーであることが好ましい。
前記製造方法において、フッ化ビニリデン系オリゴマーは、式(1):
1−(CF2CH2m−(CH2CF2n−R2
(式中、mは0〜10の整数;nは0〜40の整数;ただし、m+nは4〜50の整数;R1およびR2は同じかまたは異なり、いずれも水素原子、ハロゲン原子、またはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基;m個の−CF2CH2−とn個の−CH2CF2−はランダム構造でもブロック構造でもよい)
で示されることが好ましい。
前記製造方法において、支持層は、導電性無機化合物から形成されることが好ましい。
本発明によれば、フッ化ビニリデン系ポリマー、アクリル系ポリマーおよびスチレン系ポリマーよりなる群から選ばれる少なくとも1種のポリマーを用いて形成されたポリマー層の片面に、フッ化ビニリデン系オリゴマーを用いて形成されたオリゴマー層を積層することで、常温でもI型結晶構造を多く含む強誘電性の積層体とその製造方法を提供することができる。
本発明の積層体は、ポリマー層の片面に、オリゴマー層が積層されてなる。
ポリマー層の片面に、オリゴマー層が積層されることで、蒸着したオリゴマーの結晶系をよりI型構造に制御でき、ポリマー層の平面に対して、分子鎖が平行配向した構造を得ることができる。
前記ポリマー層は、フッ化ビニリデン系ポリマーを含む。
フッ化ビニリデン系ポリマーとしては、とくに限定されるわけではないが、たとえば、フッ化ビニリデン(VdF)のホモポリマーや、VdFと他のモノマーとを共重合したコポリマーを使用できる。VdFと共重合可能な他のモノマーとしては、たとえば、テトラフルオロエチレン(TFE)、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、トリフルオロエチレン(TrFE)、フッ化ビニル、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、ヘキサフルオロアセトン、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)、(パーフルオロブチル)エチレン、(パーフルオロオクチル)プロピレン、エチレン、プロピレン、イソブチレン、ビニレンカーボネート、エチルビニルエーテル、クロロエチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ピバリン酸ビニル、酢酸ビニル、安息香酸ビニル、Veova−9(商品名、シェル社製)、Veova−10(商品名、シェル社製)、エチルアリルエーテル、シクロヘキシルアリルエーテル、ノルボルナジエン、クロトン酸およびそのエステル、アクリル酸およびそのアルキルエステル、メタクリル酸およびそのアルキルエステルなどがあげられ、これらの1種以上をVdFと共重合させたコポリマーを使用できる。
なかでも、塗布工程における製膜性に優れ、塗布するだけで強誘電性を発現しうる結晶構造を有する点から、VdFと他のモノマーとを共重合したコポリマーが好ましく、VdF−TrFEコポリマーがより好ましい。
フッ化ビニリデン系ポリマーとして、VdFと他のモノマーとを共重合したコポリマーを使用する場合、フッ化ビニリデン系ポリマー中におけるVdFの繰り返し単位の含有比率は、その後蒸着するフッ化ビニリデン系オリゴマーのI型結晶構造形成に優れる点から、2〜98モル%が好ましく、20〜80モル%がより好ましい。
フッ化ビニリデン系ポリマーの数平均分子量は、使用するポリマーの種類にもよるが、塗布工程における製膜性や溶剤溶解性に優れる点から、10000〜1000000が好ましく、10000〜500000より好ましい。
ポリマー層は、フッ化ビニリデン系ポリマー以外にも、他のポリマーなどを含んでいてもよいが、その後蒸着するフッ化ビニリデン系オリゴマーのI型結晶構造形成に優れる点から、これらは実質的に含まないことが好ましい。なお、本発明の効果を損なわないためには、ポリマー層中のこれらの添加剤の含有量は、0〜30質量%であることが好ましい。
ポリマー層の厚さは、フッ化ビニリデン系オリゴマー層の強誘電特性に影響を与えない点から、1〜100000nmが好ましく、1〜1000nmがより好ましい。
前記オリゴマー層は、フッ化ビニリデン系オリゴマーを含む。
フッ化ビニリデン系オリゴマーとしては、製造しやすさの点から、式(1):
1−(CF2CH2m−(CH2CF2n−R2
(式中、mは0〜10の整数;nは0〜40の整数;ただし、m+nは4〜50の整数;R1およびR2は同じかまたは異なり、いずれも水素原子、ハロゲン原子、またはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基;m個の−CF2CH2−とn個の−CH2CF2−はランダム構造でもブロック構造でもよい)
で示されるものが好ましい。
なかでも、式(2):
CF3(CH2CF2k
(式中、kは4〜30の整数である)
または式(3):
CF3(CH2CF2l25
(式中、lは4〜30の整数である)
で示されるものが好ましい。
フッ化ビニリデン系オリゴマーの分子量は、使用するオリゴマーの種類にもよるが、蒸着時の蒸散しやすさの点から、450〜3500が好ましく、450〜2200がより好ましい。
オリゴマー層の厚さは、強誘電特性等の電気物性発現に優れる点から、1〜10000nmが好ましく、1〜1000nmがより好ましい。
本発明の積層体は、デバイス構築ができ、積層体全体の剛直性が向上する点から、さらに、前記ポリマー層の自由表面側に、支持層が積層されていることが好ましい。なお、キャパシタ構造を含むデバイスを作製することを考慮すると、オリゴマー層の自由表面側に支持層が積層されていてもよい。
支持層を形成する物質としては、とくに限定されるわけではないが、たとえば、アルミニウム、白金、金、銀、銅、タングステン、モリブデン、タンタル、ニッケル、クロムなどの金属や、これらの金属からなる合金などの導電性無機化合物、シリコン等の無機半導体や、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェンなどの導電性高分子、有機半導体高分子などを使用することができる。なかでも、キャパシタ構造を含むデバイス作製が簡便に行える点から、導電性無機化合物が好ましく、アルミニウム、金、ニクロム合金がより好ましい。
支持層の厚さは、デバイス構造作成、電気特性の発現のしやすさの点から、5nm〜1cmが好ましく、5nm〜100μmがより好ましい。
本発明の第一の態様における積層体の製造方法は、ポリマー層の片面に、オリゴマー層が積層されてなる積層体の製造方法であり、フッ化ビニリデン系ポリマーを含むポリマー層の片面に、フッ化ビニリデン系オリゴマーを蒸着することによりオリゴマー層を積層する工程を含む。
フッ化ビニリデン系ポリマーおよびフッ化ビニリデン系オリゴマーは、前記と同様のものを使用することができる。
本発明の第一の態様における製造方法では、均一で強誘電特性を示し、充分薄い薄膜を形成することができる点から、ポリマー層の片面に、フッ化ビニリデン系オリゴマーを蒸着する。
蒸着温度(オリゴマーの加熱温度)は、とくに制限はないが、80〜1000℃が好ましい。また、蒸着速度は、均一な膜質で、平滑な表面を持つ薄膜を作成できる点から、0.1〜500nm/minが好ましく、0.1〜50nm/minがより好ましい。
本発明の第二の態様における積層体の製造方法は、支持層/ポリマー層/オリゴマー層からなる積層体の製造方法であり、支持層の片面に、フッ化ビニリデン系ポリマーを塗布することによりポリマー層を形成する工程、およびポリマー層の自由表面側に、フッ化ビニリデン系オリゴマーを蒸着することによりオリゴマー層を形成する工程を含む。
フッ化ビニリデン系ポリマー、フッ化ビニリデン系オリゴマーおよび支持層は、前記と同様のものを使用することができる。また、蒸着についても、前記で説明したのと同様である。
本発明の第二の態様における製造方法では、蒸着したフッ化ビニリデン系オリゴマーの結晶系をよりI型構造に制御でき、ポリマー層の平面に対して、分子鎖が平行配向した構造を得ることができる点から、フッ化ビニリデン系ポリマーを溶剤に溶解させ、塗布することが好ましい。この際使用する溶剤としては、とくに制限されることはなく、たとえば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、アセチルアセトンなどのケトン系溶剤;酢酸エチル、セロソルブアセテート、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、メチルセロソルブアセテート、酢酸カルビトール、ジブチルフタレートなどのエステル系溶剤;ベンズアルデヒドなどのアルデヒド系溶剤;ジメチルアミン、ジブチルアミン、ジメチルアニリン、メチルアミン、ベンジルアミンなどのアミン系溶剤;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどのアミド系溶剤;無水酢酸などのカルボン酸無水物系溶剤;酢酸などのカルボン酸系溶剤;クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタンなどのハロゲン系溶剤;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル系溶剤;ジメチルスルホキシドなどのスルホンアミド系溶剤などを使用できる。
塗布する方法としては、とくに制限されるものではないが、スピンコート法、ディップコート法、スプレーコート法、ロールコート法、グラビアコート法などがあげられる。
以上のように、本発明で得られた積層体は、FE−RAM、赤外線センサー、マイクロホン、スピーカー、音声付ポスター、ヘッドホン、電子楽器、人工触覚、脈拍計、補聴器、血圧計、心音計、超音波診断装置、超音波顕微鏡、超音波ハイパーサーミア、サーモグラフィー、微小地震計、土砂崩予知計、近接警報(距離計)侵入者検出装置、キーボードスイッチ、水中通信バイモルフ型表示器、ソナー、光シャッター、光ファイバー電圧計、ハイドロホン、超音波光変調偏向装置、超音波遅延線、超音波カメラ、POSFET、加速度計、工具異常センサ、AE検出、ロボット用センサ、衝撃センサ、流量計、振動計、超音波探傷、超音波厚み計、火災報知器、侵入者検出、焦電ビジコン、複写機、タッチパネル、吸発熱反応検出装置、光強度変調素子、光位相変調素子、光回路切換素子などの圧電性、焦電性、電気光学効果または非線形光学効果を利用したデバイスに利用可能である。
次に、本発明を実施例をあげて説明するが、本発明はかかる例のみに限定されるものではない。
まず、本発明の説明で使用するパラメーターの測定法について説明する。
(1)IR分析
(1−1)測定条件
FT−IR−RAS(フーリエ変換赤外高感度反射スペクトル)法。作製した積層体を測定装置内に固定し、室温にて測定する。
(1−2)測定装置
分光器:PERKIN ELMER社製 FT−IR spectrometer
光学装置:PERKIN ELMER社製 正反射装置
(2)膜厚測定
(2−1)測定方法
(2−1−1)フッ化ビニリデンオリゴマー層の膜厚測定
フッ化ビニリデンオリゴマーの蒸着時に、一部マスクをしておき、蒸着されない領域を確保しておく。蒸着後、フッ化ビニリデンオリゴマーが蒸着されている領域とされていない領域の段差からフッ化ビニリデンオリゴマー層の膜厚を測定した。
(2−1−2)ポリマー層の膜厚測定
溶融石英基板上に塗布したポリマーを、先端の鋭利な金属棒(ピンセットや針など)で削り取った。その後それによって生じた段差の部分からポリマー下地層の膜厚を測定した。
(2−2)測定装置
触針式の膜厚測定装置である「段差・表面あらさ・微細形状測定装置 P−15 (KLA−Tencor社製)」を用いて測定した。
実施例1
3cm角の溶融石英板を、100ml容の樹脂容器内にてアセトン中に浸し、超音波洗浄装置にて60秒間、溶融石英板の表面を洗浄した。ただちに溶融石英板の表面のアセトンをエアースプレーで吹き飛ばした。
洗浄した溶融石英板の片面上に真空蒸着法により、下部電極(支持層)となる厚さ60nmのアルミニウム薄膜を作製した。なお、真空蒸着は、つぎの条件と装置で行った。
(1)蒸着条件
基板温度:25℃
(2)蒸着装置
(株)真空デバイス製 TMP排気真空蒸着装置
次に、作製したアルミニウム電極(支持層)上(自由表面側)に、数平均分子量が120000のVdF−TrFEコポリマー(VdFの含有比率:75モル%)の0.5質量%のメチルエチルケトン溶液をキャストした。ついで、スピンコート法により、厚さ60nmのVdF−TrFEコポリマーからなるポリマー層を形成した。なお、スピンコートは、次の条件と装置で行った。
(1)塗布条件
600rpmで3秒間スピンした後、2000rpmで30秒間スピンする。
(2)装置
ミカサ(株)製 MIKASA SPINCOATER 1H−D7
作製した基板をホットプレート上において、加熱処理を施した。なお、加熱処理は、次の条件と装置で行った。
(1)加熱条件
温度:135℃
保持時間:4分間
(2)装置
アズワン(株)製 デジタルホットプレート 722A−1IUC
ついで、基板をホットプレートから降ろし、室温で放冷した。
その後、作製した基板のVdF−TrFEコポリマー(ポリマー層)上(自由表面側)に、CF3(CH2CF29Iからなる厚さ60nmのオリゴマー層を真空蒸着法により形成し、本発明の積層体を作製した。なお、真空蒸着は、つぎの条件と装置で行った。
(1)蒸着条件
基板温度:25℃
印加電流:18A
蒸着源から基板までの距離:12cm
蒸着源のフッ化ビニリデン系オリゴマーの重量:20mg
(2)装置
(株)日立製作所製 真空蒸着装置 HUS−5
得られた積層体において、オリゴマー層を、FT−IR RAS法によって分析したところ、たとえば、「武野ら、高分子論文集、VOL48,No.7,PP405−410,1991」(以下、非特許文献1ともいう)に記載されているようなI型結晶構造に特有のピーク(1280cm-1付近)が観測され、かつ電極基板に対してVdF重合体の主鎖が平行に配向した構造に特有の1400cm-1付近のピークの強度低下がみられた。
実施例2
フッ化ビニリデン系オリゴマーとして、CF3(CH2CF215Iを使用したこと以外は実施例1と同様に、本発明の積層体を作製した。
得られた積層体において、オリゴマー層を、FT−IR RAS法によって分析したところ、たとえば、「武野ら、高分子論文集、VOL48,No.7,PP405−410,1991」(以下、非特許文献1ともいう)に記載されているようなI型結晶構造に特有のピーク(1280cm-1付近)が観測され、かつ電極基板に対してVdF重合体の主鎖が平行に配向した構造に特有の1400cm-1付近のピークの強度低下がみられた。
実施例3
フッ化ビニリデン系オリゴマーとして、CF3(CH2CF222Iを使用したこと以外は実施例1と同様に、本発明の積層体を作製した。
得られた積層体において、オリゴマー層を、FT−IR RAS法によって分析したところ、たとえば、「武野ら、高分子論文集、VOL48,No.7,PP405−410,1991」(以下、非特許文献1ともいう)に記載されているようなI型結晶構造に特有のピーク(1280cm-1付近)が観測され、かつ電極基板に対してVdF重合体の主鎖が平行に配向した構造に特有の1400cm-1付近のピークの強度低下がみられた。
実施例4
フッ化ビニリデン系オリゴマーとして、CF3(CH2CF229Iを使用したこと以外は実施例1と同様に、本発明の積層体を作製した。
得られた積層体において、オリゴマー層を、FT−IR RAS法によって分析したところ、たとえば、「武野ら、高分子論文集、VOL48,No.7,PP405−410,1991」(以下、非特許文献1ともいう)に記載されているようなI型結晶構造に特有のピーク(1280cm-1付近)が観測され、かつ電極基板に対してVdF重合体の主鎖が平行に配向した構造に特有の1400cm-1付近のピークの強度低下がみられた。
実施例5
フッ化ビニリデン系オリゴマーとして、CF3(CH2CF2525を使用したこと以外は実施例1と同様に、本発明の積層体を作製した。
得られた積層体において、オリゴマー層を、FT−IR RAS法によって分析したところ、たとえば、「武野ら、高分子論文集、VOL48,No.7,PP405−410,1991」(以下、非特許文献1ともいう)に記載されているようなI型結晶構造に特有のピーク(1280cm-1付近)が観測され、かつ電極基板に対してVdF重合体の主鎖が平行に配向した構造に特有の1400cm-1付近のピークの強度低下がみられた。
実施例6
フッ化ビニリデン系オリゴマーとして、CF3(CH2CF21525を使用したこと以外は実施例1と同様に、本発明の積層体を作製した。
得られた積層体において、オリゴマー層を、FT−IR RAS法によって分析したところ、たとえば、「武野ら、高分子論文集、VOL48,No.7,PP405−410,1991」(以下、非特許文献1ともいう)に記載されているようなI型結晶構造に特有のピーク(1280cm-1付近)が観測され、かつ電極基板に対してVdF重合体の主鎖が平行に配向した構造に特有の1400cm-1付近のピークの強度低下がみられた。
実施例7
フッ化ビニリデン系オリゴマーとして、CF3(CH2CF22225を使用したこと以外は実施例1と同様に、本発明の積層体を作製した。
得られた積層体において、オリゴマー層を、FT−IR RAS法によって分析したところ、たとえば、「武野ら、高分子論文集、VOL48,No.7,PP405−410,1991」(以下、非特許文献1ともいう)に記載されているようなI型結晶構造に特有のピーク(1280cm-1付近)が観測され、かつ電極基板に対してVdF重合体の主鎖が平行に配向した構造に特有の1400cm-1付近のピークの強度低下がみられた。
比較例1
作製したアルミニウム電極(支持層)上(自由表面側)に、数平均分子量が120万のポリスチレンの0.5質量%のメチルエチルケトン溶液をキャストした。ついで、スピンコート法により、厚さ40nmのポリスチレンからなるポリマー層を形成し、フッ化ビニリデン系オリゴマーとして、CF3(CH2CF222Iを使用し、実施例1〜7と同様に、積層体を作製した。
得られた積層体において、オリゴマー層を、FT−IR RAS法によって分析したところ、I型結晶構造に特有のピーク(1280cm-1付近)が消失し、II型結晶構造に特有のピーク(1210cm-1付近)が観測され、かつ電極基板に対してフッ化ビニリデン重合体の主鎖が垂直に配向した構造に特有の1400cm-1付近のピークの強度の増大がみられた。

Claims (10)

  1. フッ化ビニリデン系ポリマーを含むポリマー層の片面に、フッ化ビニリデン系オリゴマーを含むオリゴマー層が積層されてなる積層体。
  2. フッ化ビニリデン系ポリマーが、フッ化ビニリデン−トリフルオロエチレンコポリマーである請求項1記載の積層体。
  3. フッ化ビニリデン系オリゴマーが、式(1):
    1−(CF2CH2m−(CH2CF2n−R2
    (式中、mは0〜10の整数;nは0〜40の整数;ただし、m+nは4〜50の整数;R1およびR2は同じかまたは異なり、いずれも水素原子、ハロゲン原子、またはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基;m個の−CF2CH2−とn個の−CH2CF2−はランダム構造でもブロック構造でもよい)
    で示される請求項1または2記載の積層体。
  4. ポリマー層の自由表面側に、支持層が積層されてなる請求項1〜3のいずれかに記載の積層体。
  5. 支持層が、導電性無機化合物から形成される請求項4記載の積層体。
  6. フッ化ビニリデン系ポリマーを含むポリマー層の片面に、フッ化ビニリデン系オリゴマーを蒸着することによりオリゴマー層を積層する工程
    を含む積層体の製造方法。
  7. 支持層の片面に、フッ化ビニリデン系ポリマーを塗布することによりポリマー層を形成する工程、および
    ポリマー層の自由表面側に、フッ化ビニリデン系オリゴマーを蒸着することによりオリゴマー層を形成する工程
    を含む積層体の製造方法。
  8. フッ化ビニリデン系ポリマーが、フッ化ビニリデン−トリフルオロエチレンコポリマーである請求項6または7記載の積層体の製造方法。
  9. フッ化ビニリデン系オリゴマーが、式(1):
    1−(CF2CH2m−(CH2CF2n−R2
    (式中、mは0〜10の整数;nは0〜40の整数;ただし、m+nは4〜50の整数;R1およびR2は同じかまたは異なり、いずれも水素原子、ハロゲン原子、またはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基;m個の−CF2CH2−とn個の−CH2CF2−はランダム構造でもブロック構造でもよい)
    で示される請求項6〜8のいずれかに記載の積層体の製造方法。
  10. 支持層が、導電性無機化合物から形成される請求項7〜9のいずれかに記載の積層体の製造方法。
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