JP4833646B2 - 吸収性物品 - Google Patents
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多孔性の表面シートと、不透液性の裏面シートと、前記表面シートと前記裏面シートとの間に腹側部から背側部にかけて介装されて体液を吸収する吸収体とが備えられ、前記腹側部と前記背側部の間に設けられる股下部における前記吸収体の幅方向両端側に、前記腹側部から前記背側部にかけてギャザーシートが備えられる吸収性物品において、
前記ギャザーシートの基端部側は前記裏面シートに固着されて、その先端部側が前記吸収体の幅方向の端部から立設されるとともに、前記表面シートの両端部が前記吸収体の幅方向の内側から立設されて前記ギャザーシートの先端側に固着されることによって、前記吸収体の表面と、前記ギャザーシートと、前記表面シートとによって囲まれる空間部が形成されており、
前記吸収体は、その幅方向の左右両端部分と中央部分とが分離された形状の吸収体本体をクレープ紙で覆ってなり、
前記吸収体における前記空間部側の面には、前記吸収体本体が分離された部分における前記クレープ紙が当該吸収体の厚み方向に窪んでなり当該吸収体の長手方向に沿う凹部が形成されていることを特徴とする。
前記ギャザーシートの前記空間部側の面には、不透液性フィルム材が備えられており、
前記ギャザーシートは前記不透液性フィルム材を介して前記裏面シートに固着されていることを特徴とする。
前記ギャザーシートにおける前記不透液性フィルム材の先端部は、前記表面シートの両端部より、前記吸収体表面から離間した位置に配置されることを特徴とする。
つまり、吸収性物品におけるギャザーシート部分に空間領域を有する空間部が形成されているので、吸収性物品の着用時に、表面シート上に軟便などが***された場合、その軟便などの体液が表面シートの孔を通じて空間部に流れ込み、空間部に一旦貯留された後、その体液成分が吸収性物品の吸収体に吸収されるようになっている。
よって、吸収性物品は軟便などの体液を空間部に貯留するようにして、体液成分を吸収体に吸収することができるので、この吸収性物品は、体液、特に軟便の漏れを低減することができる。
また、吸収体における空間部側の面には、凹部が形成されているので、吸収性物品の空間部に貯留される体液成分がその凹部に溜まりやすくなり、より体液成分を空間部に貯留することが可能になる。また、吸収体の凹部に溜まった体液成分をより効率的に吸収体に吸収することが可能になる。
従って、この吸収性物品は、体液漏れをより低減することができる吸収性物品であるといえる。
よって、吸収性物品は、体液漏れをより低減することが可能になる。
よって、吸収性物品は、体液漏れをより低減することが可能になる。
本実施の形態では、吸収性物品として、特に、成人用の使い捨て紙おむつを一例として、以下で説明する。
図1〜図4に示すように、吸収性物品である使い捨て紙おむつ(以下、紙おむつという。)1は、紙おむつ本体10と、この紙おむつ本体10を人体に装着するための止着部としてのサイドフラップ20、20と、サイドフラップ20を係止させるための被着部30とを備えている。
ここで、内側とは、紙おむつ10の幅方向の中央側をいい、外側とは、紙おむつ10の幅方向の中央から離れる側をいう。
貫通孔hは、例えば、略楕円形状を呈する細孔であり、その楕円形状のサイズは、例えば、長径が3mm〜5mm、短径が2mm〜3mmである。
特に、胴周りを形成する部分として、腹側部15において股下部17よりも両外側に延出した腹側延出部152、152と、背側部16において股下部17よりも両外側に延出した背側延出部162、162と、が形成されている。
また、背側部16の長手方向の縁部164の中央部には、糸ゴム等の弾性部材164aが幅方向に沿って設けられ、この弾性部材164aにより平面ギャザー165が形成され、着用者の胴周りにフィットするように伸縮自在な構成となっている。
また、腹側部15の端部151における裏面シート11には、被着部30が設けられている。
そして、この4つのファスニングテープ23、23、23、23が、腹側部15の裏面シート11上に備えられているメス材の係止要素である被着部30に係止するようになっていて、背側端部側の第1ファスナ21a、21bは胴周りを締め付け、股下部17側の第2ファスナ22a、22bは脚周りを締め付け可能な構造となっている。
この吸収体12は、腹側部15から背側部16に亘る長さに形成されている。また、吸収体12の幅方向の長さは、股下部17の形状に合わせて中央部12aが狭く、長手方向の腹側端部12b、背側端部12cは、腹側部15の腹側延出部152、背側部16の背側延出部162の形状に合わせて、中央部12aよりも幅が広く形成されている。
このギャザーシート13、13の幅方向外側の部分は、図4に示すように、裏面シート11の表面シート10a側の面(バック不透液フィルム11b)に固着されている。そして、このギャザーシート13の幅方向内側の部分は、表面シート10aや裏面シート11に固定されておらず、立設された自由部131となっている。
ここで、ギャザーシート13が裏面シート11と固定される部分を固定部132といい、固定部132と自由部131との境目を基端部133とする。
特に、ギャザーシート13の基端部133に相当する不透液性フィルム材14は、吸収体12の幅方向端部のクレープ紙121に接着されている。
そして、ギャザーシート13の自由部131には、ギャザーシート13の長手方向に沿って、複数の糸ゴム(弾性部材)13cが略平行に備えられている。本実施の形態では、図4に示すように、自由端部134側で折り返されたギャザーシート13の間に3本の糸ゴム13cが設けられている。この糸ゴム13cにより立体ギャザーシート13は、着用者の体型に合わせて伸縮自在に変形し、着用者にフィットしやすい構造となっている。
また、自由端部134側で折り返されたギャザーシート13の間に、不透液性フィルム材14の先端部14aが挟み込まれて固着されている。
なお、表面シート10aの両端部10bは、ギャザーシート13の不透液性フィルム材14に対して接着されている。そして、表面シート10aの両端部10bは、不透液性フィルム材14の先端部14aよりその基端部133側である、吸収体12に対して近い位置に固着されている。つまり、それぞれ立設された、不透液性フィルム材14の先端部14aと、表面シート10aの両端部10bとの位置関係は、不透液性フィルム材14の先端部14aの方が吸収体12の表面からより高い位置であって、吸収体12の表面から離間した位置に配置されるようになっている。
具体的には、空間部111は、吸収体12の表面のクレープ紙121と、吸収体12の幅方向端部から自由端部134が立設されたギャザーシート13における不透液性フィルム材14と、吸収体12の幅方向内側の所定位置からギャザーシート13の先端側に向けて立設された表面シート10aとによって囲まれた断面視略三角形状を呈する空間領域である。
なお、吸収体12における空間部111側の面には、吸収体12の長手方向に沿って形成されている凹部12dが備えられている。この凹部12dは、吸収体12の表面にエンボスを施すことなどによって形成することができる。
そして、吸収体12の表面に凹部12dが形成されていることによって、その凹部12dに軟便が溜まり易いので、空間部111において***された軟便を好適に貯留しつつ、体液成分を吸収体12に吸収することができる。
また、空間部111における外側は、裏面シート11のバック不透液フィルム11bと、ギャザーシート13の不透液性フィルム材14とが固着されているので、その貼り合わせ部分から体液が染み出して漏れることが軽減されている。
また、不透液性フィルム材14の先端部14aは、表面シート10aの両端部10bよりも、吸収体12の表面から高い位置に配置されているので、空間部111に貯留された体液が不透液性フィルム材14を越えて染み出して漏れることが軽減されている。
特に、空間部111を形成する吸収体12と、ギャザーシート13及び不透液性フィルム材14と、表面シート10aとによって、断面視略三角形状を呈する堤防様のギャザーを構成することができるので、紙おむつ1内に多量の軟便が***された際に、軟便の重さや勢いなどによってギャザーシート13が外側に倒れてしまうことを防止することができ、それによって体液や軟便がギャザーシート13から漏れ出てしまうことを低減することができる。具体的には、ギャザーシート13が外側に向かって押し倒されるような作用力が加わった場合、ギャザーシート13の先端側に固着されている表面シート10aが、ギャザーシート13が立設した状態を維持するように保持することができるので、ギャザーシート13は外側に倒れ難くなっており、体液漏れを低減することが可能になっている。
これにより、着用者の脚周りに伸縮自在にフィットし、横漏れを防止するようになっている。この平面ギャザー137、137の長さは、例えば、300〜600mmとなっている。尚、本実施の形態では、図3、図4に示すように、弾性部材13dとしての糸ゴムが、左右それぞれ3本ずつ備えられている。
また、バックギャザーシート19の長手方向腹側端部19dは、固定されておらず、表面シート10a上を一部覆う様に延出しており、その先端部分に糸ゴムが幅方向に沿って設けられ、伸縮可能に形成されている。そして、このバックギャザーシート19と、表面シート10aとの間の隙間に、後ポケット部200が形成されることとなって、後漏れを防止する機能を果たしている。
特に、ギャザーシート13が外側に向かって押し倒されるような作用力が加わった場合、ギャザーシート13の先端側に固着されている表面シート10aが、ギャザーシート13が立設した状態を維持するように保持することができるので、ギャザーシート13は外側に倒れ難くなっており、体液漏れを低減することが可能になっている
よって、紙おむつ1は、体液、特に軟便の漏れを低減することができる。
その場合、紙おむつ1の表面シート10aの幅方向中央側に面ファスナなどの係止部材によって固定されたインナーパッドによって体液の吸収が行われることとなる。そして、そのインナーパッドによって吸収し切れずに溢れた体液を、紙おむつ1、特に、紙おむつ1の幅方向外側に位置するギャザーシート13側で吸収することとなる。このギャザーシート13の近傍に空間部111が形成されているので、体液成分を好適に吸収することができる。
この吸収体本体120aをクレープ紙121により覆うことによって、その分離された部分におけるクレープ紙121が吸収体12の厚み方向に窪んで凹部12eが形成されるようになっている。
そして、紙おむつ1aにおいて空間部111に一旦貯留される体液が、凹部12eに溜まるようにして、吸収体12における吸収体本体120aの幅方向の左右両端部分と中央部分とにそれぞれ吸収されることにより、紙おむつ1aは、体液を好適に吸収することが可能になっている。
なお、この吸収体本体120aにおいて、幅方向の左右両端部分と中央部分とは、吸収体本体120aの長手方向の全域に沿って分離されていなくてもよく、股下部17に相当する部分が分離されて、腹側部15や背側部16に相当する部分では一体に繋がっている形状であってもよい。
なお、表面シート10aの両端部10bが、自由端部134側で折り返されたギャザーシート13の上に接着され、表面シート10aと不透液性フィルム材14とによって、ギャザーシート13の端部を挟み込んでしまうと、表面シート10aと不透液性フィルム材14との貼り合わせ部分から体液が染み出しやすくなってしまうとともに、表面シート10aの両端部10bのエッヂが人体の肌に触れることによる不快感がもたらされてしまうことがあるので、そのような状態は好ましくない。
また、図7に示すように、表面シート10aは、吸収体12の凹部12dの内側の縁部から立設し、ギャザーシート13における不透液性フィルム材14は、吸収体12の凹部12dの外側の縁部から立設していることが好ましい。つまり、断面視略三角形状を呈する空間部111の三角形の底辺に相当する長さと、吸収体12の凹部12dの幅方向の長さが同一、或いはほぼ同一であることが好ましい。それによって、空間部111に貯留される体液が凹部12d内に良好に溜まりやすくなるので、体液を好適に吸収体12に吸収させて漏れ難くすることができる。
なお、凹部12dの窪みに表面シート10aや不透液性フィルム材14が入り込んでしまうと、凹部12dの容積が狭くなり減ってしまうので、そのような状態は好ましくない。
これによって、空間部111に貯留された体液が、表面シート10aと不透液性フィルム材14との貼り合わせ部分からより染み出し難くなる。
10 紙おむつ本体
10a 表面シート
10b 両端部
11 裏面シート
11a バック不織布
11b バック不透液フィルム
12 吸収体
120、120a 吸収体本体
121 クレープ紙
12d、12e 凹部
13 ギャザーシート
131 自由部
132 固定部
133 基端部
134 自由端部(先端部)
14 不透液性フィルム材
15 腹側部
16 背側部
17 股下部
20 サイドフラップ
23 ファスニングテープ
30 被着部
111 空間部
h 貫通孔
Claims (3)
- 多孔性の表面シートと、不透液性の裏面シートと、前記表面シートと前記裏面シートとの間に腹側部から背側部にかけて介装されて体液を吸収する吸収体とが備えられ、前記腹側部と前記背側部の間に設けられる股下部における前記吸収体の幅方向両端側に、前記腹側部から前記背側部にかけてギャザーシートが備えられる吸収性物品において、
前記ギャザーシートの基端部側は前記裏面シートに固着されて、その先端部側が前記吸収体の幅方向の端部から立設されるとともに、前記表面シートの両端部が前記吸収体の幅方向の内側から立設されて前記ギャザーシートの先端側に固着されることによって、前記吸収体の表面と、前記ギャザーシートと、前記表面シートとによって囲まれる空間部が形成されており、
前記吸収体は、その幅方向の左右両端部分と中央部分とが分離された形状の吸収体本体をクレープ紙で覆ってなり、
前記吸収体における前記空間部側の面には、前記吸収体本体が分離された部分における前記クレープ紙が当該吸収体の厚み方向に窪んでなり当該吸収体の長手方向に沿う凹部が形成されていることを特徴とする吸収性物品。 - 前記ギャザーシートの前記空間部側の面には、不透液性フィルム材が備えられており、
前記ギャザーシートは前記不透液性フィルム材を介して前記裏面シートに固着されていることを特徴とする請求項1に記載の吸収性物品。 - 前記ギャザーシートにおける前記不透液性フィルム材の先端部は、前記表面シートの両端部より、前記吸収体表面から離間した位置に配置されることを特徴とする請求項2に記載の吸収性物品。
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