次に、本発明の最良の実施形態について図面と共に説明する。
(トナー表面への微粒子の供給方法)
本実施形態のトナーでは、トナーの表面形状の周期性及び均一性に注目し、それに適した表面処理方法を検討している。この表面処理方法は、トナー粒子表面に窒化珪素微粒子を付着させ、トナー粒子間力を制御することにより実現する。具体的には、同じ槽内で平均粒径10nm以上100nm以下の少なくとも窒化珪素を含む微粒子を作製し、その微粒子を作製後、少なくとも樹脂及び顔料を含むトナーの粒子表面に付着させ、表面処理を行なう。このような表面処理方法としては、蒸着法、スパッタリング法、及びCVD法などの方法があるが、トナー粒子のような温度に対して敏感な粒子への処理方法として、レーザブレーション法を採用することが好ましい。
図1は、本発明の実施形態におけるレーザブレーション法を用いたトナー表面処理装置の概略図である。
図1を参照するに、トナー表面処理装置10は大略すると、ガスレーザ光源11、レンズ12、ターゲット13、及び加振装置17からなる。
トナー粒子表面に付着させたい組成からなるターゲット14表面に、ガスレーザ光源11及びレンズ12によって形成されたレーザ13を照射することによりターゲット14表面を加熱する。この加熱により、ターゲット14表面の分子やクラスターを飛び出させ、その分子やクラスターからなる微粒子15をターゲット14表面から離れた位置にある、トナー粒子16表面に付着させる方法である。
このような作製法で作製した微粒子は、量子サイズ効果、並びに、表面及び界面の効果に起因する、バルクな微粒子とは異なる物理的及び化学的特性を示す。このレーザブレーション法によるトナー作製法は、以下に列挙する特徴を有する。
(1)組成ずれが生じにくい。(2)非常に高パワー密度の光を用いるため、光を吸収する材料であれば、高融点の材料でも容易にデポジションできる。(3)蒸気圧の影響が小さいため、雰囲気ガス圧を高くすることができる。(4)抵抗加熱方式でのフィラメントなどを用いることがないので、コンタミネーションが少ない。(5)プラズマなどを使用しないので、低温デポジションができる。
また、トナー及びシリカなどを混合し、微粒子をトナー表面に付着させる従来方法と比べて、レーザブレーション法の場合には、作製した微粒子がイオン化され、微粒子が綺麗な状態でトナー粒子表面に付着するため、微粒子のトナー粒子表面への均一、且つ確実な付着を実現することができる。
しかし、トナー粒子16表面が、常に同じ方向を向いているとその方向の表面にしか微粒子が付着しない。そこで、加振装置17を用いてトナー粒子16を容器ごと振動させ、トナー粒子がある周期で異なる方向を向くようにする。振動周波数は1Hz以上60Hz以下が適しており、振動周波数が1Hz未満では、トナー粒子表面への微粒子の付着分布にムラが生じ、振動周波数が60Hzより高くなると、トナー粒子間での付着状態の違いが大きくなる傾向を示すようになる。
レーザ13は、高出力のものが良いためガスレーザが適している。CO2ガスレーザ、YAGレーザ、Arガスレーザ、KrFエキシマレーザ、及びArFエキシマレーザなどを用いて行なうことが好ましい。本実施形態においては、Nd:YAGレーザ(波長:266nm)を用いて、Arガス雰囲気中でレーザブレーションを行い、平均粒径10nm以上100nm以下の少なくとも窒化珪素からなる微粒子を作製し、その微粒子を直接少なくとも樹脂及び顔料を含むトナーの粒子表面に付着させた。
微粒子の大きさは、トナーの粒子間力を制御するために、トナー粒子表面に微細な凹凸を作るために非常に重要な要因である。そのため、微粒子の平均粒径は、10nm以上100nm以下が好ましい。微粒子の平均粒径が10nm未満では、凹凸が小さすぎて粒子間力への効果的な影響が小さく、平均粒径が100nmより大きくなると、微粒子サイズの分布が広くなり、粒子間力のバラツキも大きくなり問題を生じる。
微粒子は、トナーの粒子間力を制御するのと同時に、トナー粒子を温度及び湿度などの環境影響から保護する役割を果たす。そのため、微粒子には水分などの影響を受けにくい安定な材料が適しており、窒化珪素を使用することが好ましい。本実施形態では、少なくとも窒化珪素からなる微粒子で、その中に酸化珪素が含まれていても良い。しかし、窒化珪素成分が多い方が、トナー粒子への保護機能を考慮すると適している。
レーザブレーションは、He、Ar、及びXeなどの不活性ガス雰囲気中で行なうが、Arを用いることがコスト的に好ましい。この不活性ガスの圧力は、1×10−2Pa以上1Pa以下であることが好ましい。不活性ガスの圧力が、1×10−2Pa未満の場合には微粒子の作製が困難となり、1Paより高い圧力の場合には、大きいサイズの微粒子の作製が行なわれ、トナー粒子の表面処理には適さなくなる。
レーザ出力は、10mJ/パルス以上500mJ/パルス以下が好ましい。レーザ出力を10mJ/パルス未満で表面処理した場合には、表面処理時間が非常に長くかかるという問題を生じる。このレーザ出力が、500mJ/パルスより大きい場合には、粒径の大きい微粒子が多く作製されてしまい、トナー粒子の表面処理条件には適さなくなる。
ターゲットは、出来るだけ純度の高い組成のもので、レーザがスキャンできる範囲以上の大きさのターゲットサイズのものを用いる。本実施形態では、Si3N4をターゲットとして用いる。ターゲット及びトナー試料の距離は、40mm以上60mm以下であることが好ましい。この距離が、40mm未満では狭い範囲のトナー粒子への表面処理しか出来ず、60mmより大きい場合にはトナー粒子への微粒子の表面付着効率が低下する。
(AFM法によるトナー粒子の流動性の評価)
微粒子によって処理されたトナー粒子の流動性の評価は、Atomic Force Microscope(AFM)法によって、トナー粒子間に働く力を直接測定することにより評価を行う。
AFM法は、先端の直径が10nmである探針を走査して、この探針及び試料表面の原子の間に働く原子間力を感知し、試料の表面形状などを測定する方法である。AFM法は、非常に分解能が高い測定が可能であり、探針の走査方向をX方向としたとき、Z方向の凹凸形状の測定をすることができる。
本実施形態では、まず上述の探針の先端にトナー粒子1個を付着させる。そして、この探針の先端のトナー粒子1個を、圧密させたトナー粉体相の表面の1個のトナー粒子に一度押し付けた後、引き離すように走査し、そのときの力変化を測定する。
図2は、本実施形態のトナー粒子を圧密させたトナー粉体相の表面に一度押し付けた後、引き離すように走査したときの力変化を示す特性図である。
図2を参照するに、縦軸は粒子間力(nN)、及び横軸はピエゾ変位量(nm)を示す。また、図中の実線は、探針上の本実施形態のトナー粒子を圧密させたトナー粉体相の表面に押し付けた際の力変化の特性を示し、図中の点線は、探針上の本実施形態のトナー粒子を圧密させたトナー粉体相の表面に押し付けた後に、トナー粉体相の表面から引き離した際の力変化の特性を示している。
この測定の結果、図中のような力特性になり、探針を近づけるときの特性と引き離すときの特性との差から、トナー粒子同士の粒子間力を求めることができる。
図3は、本実施形態のAFM装置の構成図である。
図3を参照するに、AFM装置30は大略すると、基板ステージ31、トナー粉体相32、トナー粒子33、探針34、ピエゾスキャナー35、レーザ光源36、ミラー38、及びレーザ検出器39からなる。
基板ステージ31の上に、圧密されたトナー粉体相32を設ける。トナー粉体相32表面に、1個のトナー粒子33が付いた探針34を、ピエゾスキャナー35を用いて近づけたり引き離したりする。このとき、ピエゾスキャナー35は、図中の矢印Aの方向に上下運動する。
上述の運動により探針34に発生する力変化は、レーザ光源36から発せられたレーザ37を探針34の裏側に照射し、そこで反射されたレーザ37の変化を検出する。具体的には、探針34の裏側により反射されたレーザ37は、ミラー38を介してレーザ検出部39によって検出され、上述の変化の検出を行なう。
AFM装置30を用いた測定の際には、探針34の先端又は周辺に付着させた1個のトナー粒子33に働くあらゆる力を高精度に検出する必要がある。そのため、探針34の先端又は周辺に付着させた1個のトナー粒子33を、同じ種類のトナー粒子からなるトナー粉体相32表面に近づける際の距離が重要になる。トナー粒子を測定材料とする場合、トナー粒子は摩擦帯電などの影響を受けやすい性質を持つため、お互いに離れた位置からの測定が必要となる。探針34の先端又は周辺に付着させたトナー粒子33からトナー粒子粉体相32中の1個のトナー粒子へ近づける際の好ましい距離は、好ましくは0.5μm以上2μm以下である。この0.5μm以上2μm以下の距離から1個のトナー粒子33を付着させた探針34をトナー粒子粉体相32表面に近づけ、この表面に一度押し付けた後に探針34を引き離すように操作することにより、トナー粒子間に働く力の測定を行う。この距離が0.5μmよりも短い場合には、探針34をトナー粒子粉体相32表面から引き離すことが出来ない場合などが生じるために、測定には適していない。また、この距離が2μmより長い場合には、測定精度が悪くなり、探針34が近づくときの特性と探針34を引き離すときの特性との差を正確に測定することが難しくなる。
また、探針34には、Si3N4及びSi単結晶などが用いられる。
トナー粒子粉体相32は、100乃至900kg/cm2の圧力で圧縮された状態のものを用い、1個トナー粒子33を付着させた探針34が接触しても、トナー粒子粉体相32が崩れないように固定化したものである。しかし、この圧縮圧力が100kg/cm2より小さい場合には、部分的に十分に固定化されていないトナー粒子が存在するため、測定に適していない。また、圧縮圧力が900kg/cm2より大きい場合には、トナー粒子の変形が生じ、トナー粒子の構造が歪んだ状態になってしまう。このため、通常のトナー粒子とは異なる状態になり、粒子間力の測定には適していない。
この100kg/cm2以上900kg/cm2以下の圧力で圧縮された状態のトナー粒子粉体相32は、10mm(縦)×10mm(横)×5mm(厚さ)以下の平板状のサイズに成形されてから測定に用いた。測定の際には、この圧縮されたトナー粒子粉体相32を基板ステージ31に固定して測定する。そのとき、圧縮されたトナー粒子粉体相32が、基板ステージ31表面に密着して、出来るだけ水平になるように固定する。また、トナー粒子粉体相32として1個のトナー粒子をガラスなどの基板ステージ31表面上の接着層上にランダムに並べて固着させたものを用い、そのトナー粒子に1個のトナー粒子33を付着させた探針34を接触させて測定しても良い。
探針34の先端又は周辺に付着させた1個のトナー粒子33を、圧縮されたトナー粒子粉体相32へ近づけるときのピエゾのスキャン速度は、0.16Hz以上4.0Hz以下が好ましい。ピエゾのスキャン速度が0.16Hzより小さい場合には、ピエゾがゆっくり動作するためトナー粒子表面の吸着状態の影響を強く受け、バラツキの大きい値になり測定条件として適さない。ピエゾのスキャン速度が4.0Hzより大きい場合には、ピエゾが速く動作するために、トナー粒子同士の押し付け及び引き離しという動作が十分でなくなる。そのため、1個のトナー粒子33が付着した探針34を、トナー粒子粉体相32に近づけるときと引き離すときの力の差から求められるトナー粒子同士の粒子間力が、小さくなる傾向にあるため測定条件としては適さない。
探針34の先端に1個トナー粒子33を付着させる方法は、光学顕微鏡を用いて拡大像を見ながら、接着剤を塗布したワイヤを探針34に接触させ、探針34の先端に接着剤を付着させる。次に、トナー粒子を疎に付着させたワイヤを先端に接着剤を付着させた探針34に近づけ、トナー1個粒子33のみを探針34の先端に付着させる。次に、1個のトナー粒子33を付着させた探針34を室温にて24時間以上乾燥させるという手順で行なう。接着剤は、粒子間の力を正確に測定するため、硬化型接着剤が適している。また、硬化時間が調整可能な2液混合タイプが適している。2液混合硬化樹脂接着剤は、例えば、EP−330(セメダイン社製)などが挙げられる。
AFM装置30を用いたトナー粒子間力の測定は、10乃至50回繰返して測定し、その平均値を用いて評価する。この繰返しは、トナー粒子粉体相32上の同じ場所で繰返すのではなく、例えば、50nm程度の移動を行ないながら測定するのが好ましい。そのとき、粒子間力の分布を評価することも重要である。
トナー粒子の粒子間力は、トナー粒子表面状態及びトナー粒子形状により変化する。トナー粒子表面に細かい周期の凹凸がある場合の粒子間力を求めると、例えば、22nNであり、また、細かい凹凸のない平滑表面の場合のトナー粒子間力を求めると、例えば、127nNである。この結果から、トナー粒子表面に細かい凹凸が存在する場合には、粒子間力が小さくなることが分かる。これは、トナー粒子表面の凹凸によりトナー粒子同士の距離が離れたり、トナー粒子同士の接触面積が小さくなったりして、粒子同士の相互作用が小さくなるためである。
(トナーの形状)
トナー粒子の形状もまた、粒子間力に影響を与える。球に近いトナー粒子の形状は、測定のバラツキが小さいために、粒子間力の測定に適している。
トナーの形状は、円形度によって評価される。円形度の具体的な測定方法は、フロー式粒子像分析装置(FPIA−2000、シスメックス社製)を用いて測定を行なう。平均円形度は、好ましくは0.92以上0.99以下の範囲である。この範囲内のトナーは、流動性が良く、高画質を実現することができる。また、この範囲内では、1個のトナー粒子を探針の先端に付着させることから、トナー粒子のどの部分を探針の先端に付着させたとしても、ほぼ同じ形状の粒子表面が、トナー粒子粉体相に接触するようになる。そのため、粒子間力の測定バラツキを小さくすることができる。平均円形度が0.92より小さい場合には、粒子のコンタクト面がトナー粒子を付着させた探針を作る度に異なってしまい、粒子間力のバラツキが大きくなる。また、微粒子の添加処理は、微粒子を添加する前の粉体(トナー母体)の形状によって影響されるが、微粒子を添加する前の粉体(トナー母体)の平均円形度が0.92以上0.99以下である球形に近い場合には、微粒子の添加処理の効果に優れ、ドット再現性に優れた高画質化を実現することができる。
(トナーの粒径)
本実施形態のトナーは、高画質画像を実現するためには、重量平均粒径は4μm以上8μm以下であり、さらに好ましくは5μm以上7μm以下であることが好ましい。重量平均粒径が4μm未満では、長期間の使用でのトナー飛散による装置内の汚れ、低湿環境下での画像濃度低下、及び感光体クリーニング不良などの問題が生じやすく、人体への健康上の影響も懸念される。また、重量平均粒径が8μmを超える場合では、100μm以下の微小スポットの解像度が充分でなく、また、非画像部への飛び散りも多く画像品位が劣る傾向となる。
コールターカウンター法によるトナー粒子の粒度分布の測定装置としては、コールターカウンターTA−II及びコールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)が挙げられる。この測定装置を用いた測定方法について説明する。
電解水溶液100乃至150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはポリオキシエチレンアルキルエーテル:商品名ドライウェル)を0.1乃至5ml加える。ここで、電解液とは1級塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液を調製したもので、例えばISOTON−II(コールター社製)を使用することができる。ここで、更に測定試料を2乃至20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1乃至3分間分散処理を行ない、測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子のトナーの体積及び個数を測定することにより、体積分布及び個数分布を算出する。得られた体積分布及び個数分布から、トナーの重量平均粒径を求めることができる。
これらのトナーの粒径に関する解析では、粒径2.00μm以上乃至40.30μm未満のトナー粒子を対象とする。また、チャンネルとしては、2.00μm以上2.52μm未満、2.52μm以上3.17μm未満、3.17μm以上4.00μm未満、4.00μm以上5.04μm未満、5.04μm以上6.35μm未満、6.35μm以上8.00μm未満、8.00μm以上10.08μm未満、10.08μm以上12.70μm未満、12.70μm以上16.00μm未満、16.00μm以上20.20μm未満、20.20μm以上25.40μm未満、25.40μm以上32.00μm未満、及び32.00μm以上40.30μm未満の13チャンネルを使用する。
(樹脂)
本実施形態のトナーの樹脂としては、ポリスチレン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、スチレンアクリル樹脂、スチレンメタクリレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂、スチレンブタジエン樹脂、フェノール樹脂、ポリエチレン樹脂、シリコーン樹脂、ブチラール樹脂、テルペン樹脂、及びポリオール樹脂などを用いることができる。
ビニル樹脂としては、ポリスチレン、ポリ−p−クロロスチレン、及びポリビニルトルエンなどのスチレン、並びに、その置換体の単重合体である、スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロロメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、及びスチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体、並びに、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、及びポリ酢酸ビニルなどを用いることができる。
ポリエステル樹脂としては、以下のA群に示したような2価のアルコールと、B群に示したような二塩基酸塩とからなるものであり、さらにC群に示したような3価以上のアルコール又はカルボン酸を第三成分として加えてもよい。
A群:エチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4ブテンジオール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2'−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3,3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2,0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、及びポリオキシプロピレン(2,0)−2,2'−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンなど。
B群:マレイン酸、フマル酸、メサコニン酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、マロン酸、リノレイン酸、及びこれらの酸無水物又は低級アルコールのエステルなど。
C群:グリセリン、トリメチロールプロパン、及びペンタエリスリトールなどの3価以上のアルコール、並びに、トリメリト酸、及びピロメリト酸などの3価以上のカルボン酸など。
ポリオール樹脂としては、エポキシ樹脂と2価フェノールとのアルキレンオキサイド付加物、又はそのグリシジルエーテルとエポキシ基とが反応する活性水素を分子中に1個有する化合物と、エポキシ樹脂と反応する活性水素を分子中に2個以上有する化合物を反応してなるものなどがある。
また、本実施形態のトナーの樹脂としては、結晶性ポリエステルを用いてもよい。好ましくは、結晶性を有し、分子量分布がシャープで、且つ、その低分子量分の絶対量を可能な限り多くした脂肪族系ポリエステルである。このポリエステル樹脂は、ガラス転移点において結晶転移を起こすと同時に、固体状態から急激に溶融粘度が低下し、紙への定着機能を発現する。この結晶性ポリエステル樹脂の使用により、樹脂のガラス転移点や分子量を下げ過ぎることなく低温定着化を達成することができる。そのため、ガラス転移点低下に伴う保存性の低下はない。また、低分子量化に伴う、過剰な光沢及び耐オフセット性の悪化も生じない。したがって、この結晶性ポリエステル樹脂の導入は、トナーの低温定着性の向上に非常に有効である。
本実施形態のトナーおいて、低温定着性を発現し、且つ、耐ホットオフセット性を確保するためには、トナー中の樹脂及び下述する離型剤の合計量に対して、結晶性ポリエステルの含有量が、1重量%以上50重量%以下であり、且つ、離型剤の含有量は、2重量%以上15重量%以下であることが好ましい。結晶性ポリエステルの含有量が1重量%未満の場合は、低温定着性に効果がなく、また、50重量%を超える場合は、ホットオフセット性が悪化する。離型剤含有量が2重量%未満の場合は、耐オフセット性に効果がない場合が生じ、また、20重量%を超える場合には、トナー流動性の低下が生じる。
結晶性ポリエステル樹脂には、従来からカラートナーに用いられているポリエステル樹脂、及び/又はポリオール樹脂などがある。ポリエステル樹脂及びポリオール樹脂は、従来多用されてきたスチレン−アクリル系樹脂よりも低温定着性に優れ、耐熱保存性も比較的良いため適している。しかし、ポリエステル樹脂及びポリオール樹脂は、スチレン−アクリル系樹脂に比べると、離型剤の分散性が悪い。分散性が悪いと、粉砕時に樹脂とワックスの界面に粉砕応力が集中し易いため、樹脂と離型剤との界面で粉砕され易く、粉砕されたトナーの表面には添加した離型剤の割合以上に離型剤が露出してしまい、トナーの流動性を悪化させていた。
結晶性ポリエステル樹脂の分子構造については、ポリエステル樹脂の結晶性及びガラス転移点の観点から、炭素数2以上6以下のジオール化合物、特に、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、及びこれらの誘導体を含有するアルコール成分、並びに、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、及びこれらの誘導体を含有する酸成分を用いて合成される下記一般式(1)で表される脂肪族系ポリエステルを含有することが好ましいが、これに限定されることはない。
m及びnは、繰り返し単位の数を示す。R1及びR2は、炭化水素基を示す。
また、ポリエステル樹脂の結晶性及びガラス転移点の観点から、非線状のポリエステルを合成するためにアルコール成分にグリセリンなどの3価以上の多価アルコールを追加し、酸成分に無水トリメリット酸などの3価以上の多価カルボン酸を追加して縮重合を行ってもよい。
結晶性ポリエステル樹脂のガラス転移点は、耐熱保存性が悪化しない範囲において、できるだけ低いことが望ましく、好ましくは、80℃以上130℃以下である。ガラス転移点が80℃以下の場合は、耐熱保存性が悪化し、現像装置内部の温度でブロッキングが発生しやすくなる。また、ガラス転移点が130℃の場合には、定着下限温度が高くなるために低温定着性が得られなくなる。
(ガラス転移点の測定)
本実施形態のガラス転移点の測定は、理学電機社製TG−DSCシステムTAS−100を使用した。まず、試料約10mgをアルミ製試料容器に入れ、それをホルダユニットにのせ、電気炉中にセットする。まず、室温から昇温速度10℃/分で150℃まで加熱した後、150℃で10分間放置、室温まで試料を冷却して10分放置、窒素雰囲気下で再度150℃まで昇温速度10℃/分で加熱してDSC測定を行った。結晶性ポリエステル樹脂のガラス転移点は、TAS−100システム中の解析システムを用いて、2回目の昇温時の吸熱ピーク温度から算出した。
(顔料)
本実施形態で用いる顔料としては、以下に挙げる顔料が用いられる。
黒色顔料としては、カーボンブラック、オイルファーネスブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、及びアニリンブラックなどのアジン系色素、金属塩アゾ色素、金属酸化物、並びに、複合金属酸化物が挙げられる。
黄色顔料としては、カドミウムイエロー、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、及びタートラジンレーキが挙げられる。
橙色顔料としては、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、及びインダンスレンブリリアントオレンジGKが挙げられる。
赤色顔料としては、ベンガラ、カドミウムレッド、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッドカルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、及びブリリアントカーミン3Bが挙げられる。
紫色顔料としては、ファストバイオレットB、及びメチルバイオレットレーキが挙げられる。
青色顔料としては、コバルトブルー、アルカリブルー、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、及びインダンスレンブルーBCが挙げられる。
緑色顔料としては、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、及びマラカイトグリーンレーキなどが挙げられる。
これらの顔料は、1種類単独、又は2種以上を併用して使用することができる。
特にカラートナーにおいては、良好な顔料の均一分散が必須となる。そのため、顔料を直接大量の樹脂中に投入するのではなく、一度高濃度に顔料を分散させたマスターバッチを作製し、それを希釈する形で投入する方式が用いられている。この場合、一般的には、分散性を助けるために溶剤が使用されていたが、廃液については昨今議論される環境問題を考慮し、本実施形態では水を使用して分散を行った。
(荷電制御剤)
本実施形態のトナーは、電荷制御剤をトナー粒子内部に配合(内添)している。また、トナー粒子と混合(外添)して用いても良い。電荷制御剤によって、現像システムに応じた最適の電荷量コントロールが可能となり、特に、本実施形態では、粒度分布及び電荷量のバランスをさらに安定したものとすることが可能である。
トナーを正電荷性に制御する荷電制御剤としては、ニグロシン、四級アンモニウム塩、トリフェニルメタン系染料、並びに、イミダゾール金属錯体及び塩類を、単独あるいは2種類以上組み合わせて用いることができる。
また、トナーを負電荷性に制御する荷電制御剤としては、サリチル酸金属錯体及び塩類、有機ホウ素塩類、並びに、カリックスアレン系化合物などが用いられる。
(離形剤)
本実施形態におけるトナーには、定着時のオフセット防止のために離型剤を内添することが可能である。
離型剤としては、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、及びライスワックスなどの天然ワックス、並びに、モンタンワックス及びその誘導体、並びに、パラフィンワックス及びその誘導体、並びに、ポリオレフィンワックス及びその誘導体、並びに、サゾールワックス、並びに、低分子量ポリエチレン、並びに、低分子量ポリプロピレン、並びに、アルキルリン酸エステルなどがある。
これら離型剤の融点は、65℃以上90℃以下であることが好ましい。この融点が65℃より低い場合には、トナーの保存時のブロッキングが発生しやすくなり、融点が90℃より高い場合には、定着ローラ温度が低い領域において、オフセットが発生しやすくなる場合がある。
離型剤などの分散性を向上させるなどの目的の為に、分散剤を加えても良い。
分散剤としては、スチレンアクリル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、スチレンメタクリレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂、スチレンブタジエン樹脂、フェノール樹脂、ブチラール樹脂、テルペン樹脂、及びポリオール樹脂等などあり、それぞれの樹脂を2種以上混合した物でも良い。
分散剤の添加量としては、樹脂100質量部に対して10質量部以下が適している。10質量部より多くしても、離形剤の分酸性の効果は見られず、逆に定着性や画像再現性が悪化する。
(トナーの製造方法)
本実施形態のトナーを作製する方法としては、所謂、粉砕法及び重合法(懸濁重合、乳化重合分散重合、乳化凝集、及び乳化会合などを用いた方法)などがあるが、これらの作製法に限るものではない。
粉砕法の一例としては、まず、上述した樹脂、着色剤としての顔料又は染料、電荷制御剤、離型剤、及び添加剤などを、例えば、ヘンシェルミキサーのような混合機により充分に混合する。混合後、バッチ式の2本ロール、バンバリーミキサー、連続式の2軸押出し機、及び連続式の1軸混練機などの熱混練機を用いて構成材料をよく混練し、圧延冷却後、切断を行なう。切断後のトナー混練物は、ハンマーミルなどを用いて粗粉砕し、更にジェット気流を用いた微粉砕機及び機械式粉砕機により微粉砕し、旋回気流を用いた分級機及びコアンダ効果を用いた分級機により所定の粒度に分級する。その後、上述のArガス雰囲気中によるレーザブレーション処理により、平均粒径10nm以上100nm以下の、少なくとも窒化珪素からなる微粒子を作製する。そして、その微粒子を、少なくとも樹脂及び顔料からなるトナーの粒子表面に直接付着させる。この表面処理後、所定の粒子間力になっているか否かを評価するために、トナー粒子1個を上述のAFM装置の探針の先端周辺に付着させ、圧縮されたトナー粒子粉体相を作製し、上述の本実施形態の方法により評価を行う。
評価の結果、その数値が上述の所定の設定範囲に入っていた場合、風篩工程へ回し、250メッシュ以上の篩を通過させ、粗大粒子、凝集粒子を除去した後、試料を充填工程へ回し、本実施形態のトナーを得る。
AFM法を用いた本評価法の特徴は、以下のようになり、抜取り試料をそのまま用い、個人差の無い、精度の高い測定が出来ることにある。また、製造ラインにおける計測も可能であり、製造工程の中での各工程間に設置して、工程途中での品質評価を行うことができる。
図4は、本実施形態のトナー評価装置の構成図である。
図4を参照するに、トナー評価装置は大略すると、トナー抜取り手段51、抜取弁52、容器53、及びAFM装置54からなる。
例えば、混合工程を経た後、次工程へ粉体のトナー試料を搬送する経路(図4中の矢印B)の途中に、トナー抜取り手段51を設ける。あるタイミングで抜取弁52を開閉することにより、一定量のトナー試料を測定部へ搬送する。その測定部の先端部はSUSなどでできた容器になっており、そのまま本評価方法にて測定することができる。または、図4に示すように、抜き取ったトナーを収めた容器53を近くの別の場所にあるAFM装置54へ持っていき、本評価方法にて測定することができる。
AFM装置による評価の結果、その数値が予め定めた設定範囲を外れていた場合、試料を次工程へ搬送する経路(図4中の矢印C)には回さず、トナーの再処理工程へ搬送する経路(図4中の矢印X)へと回す。これらの仕組みは、表面処理工程前の工程である粉砕・分級工程後の検査、表面処理工程の後にある風篩工程後の検査、充填前の検査などに適用することができる。
本実施形態のトナーを作製する方法としては、粉砕法以外の方法が考えられ、重合法の一例としては、モノマーに着色剤及び電荷制御剤などを添加したモノマー組成物を水系の媒体中で懸濁し重合させることでトナー粒子を得る。造粒法は特に限定されない。
例えば、本実施形態のトナーは、有機溶媒中に少なくとも、イソシアネート基を含有するポリエステル系プレポリマーが溶解し、顔料系着色剤が分散し、離型剤が溶解ないし分散している油性分散液を水系媒体中に無機微粒子及び/又はポリマー微粒子の存在下で分散させるとともに、この分散液中で該プレポリマーをポリアミン及び/又は活性水素含有基を有するモノアミンと反応させてウレア基を有するウレア変性ポリエステル系樹脂を形成させ、このウレア変性ポリエステル系樹脂を含む分散液からそれに含まれる液状媒体を除去することにより得られる。
ウレア変性ポリエステル系樹脂において、そのガラス転移点は40℃以上65℃以下であり、好ましくは45℃以上60℃以下である。その数平均分子量(Mn)は、2500以上5万以下であり、好ましくは2500以上3万以下である。その重量平均分子量(Mw)は、1万以上50万以下、好ましくは3万以上10万以下である。
このトナーは、このプレポリマー及びこのアミンの反応によって高分子量化されたウレア結合を有するウレア変性ポリエステル系樹脂をバインダー樹脂として含む。そして、そのバインダー樹脂中には着色剤が高分散している。
得られた乾燥後のトナーの粉体を風力分級し、Arガス雰囲気中にて、レーザブレーション法により、平均粒径10nm以上100nm以下の少なくとも窒化珪素からなる微粒子を作製し、その微粒子を直接少なくとも樹脂及び顔料からなるトナーの粒子表面に付着させる。
この表面処理工程後、所定の粒子構造になっているかどうか評価するために、トナー粒子の粒子間力を用いて評価する。
評価の結果、その数値が予め定めた設定範囲に入っていた場合、風篩工程へ回し、250メッシュ以上の篩を通過させ、粗大粒子及び凝集粒子を除去した後、試料を充填工程へ回し、本実施形態のトナーを得る。
また、AFM法を用いた本評価は、粉砕法により製造されるトナー同様に、造粒後の検査、風力分級後の検査、表面処理工程後の検査、表面処理工程の後にある風篩工程後の検査、及び充填前の検査などに適用することができる。
(1成分現像剤)
本実施形態のトナーは、接触又は非接触現像方式に使用される1成分現像剤として用いる。接触又は非接触現像方式としては、様々な公知の現像方法が使用される。例えば,アルミスリーブを用いた接触現像法、導電性ゴムベルトを用いた接触現像法、及びアルミ素管の表面にカーボンブラックなどを含む導電性樹脂層を形成した現像スリーブを用いる非接触現像法などがある。
また、本実施形態のトナーは、現像時にACバイアス電圧成分を用いて現像する場合に、流動性に優れているため、電界に従って忠実に振動し、細かい潜像に対しての忠実な現像が出来、ドット再現性の良い現像が可能となる。現像時にACバイアス電圧成分を用いて現像する方法については、下述する。
図5は、本実施形態における1成分現像剤を用いた現像方式を説明する図である。
図5を参照するに、トナー補給用ホッパー71から供給されたトナーは、拡散羽根72を経て、供給ローラ73上の全面に供給される。供給ローラ73は、現像ローラ74と接触しており、供給ローラ73上のトナーは、現像ローラ74に供給される。現像ローラ74は、図中の矢印Eの方向に回転するため、トナーが供給された現像ローラ74上の領域は、ドクターローラ75に接する。ドクターローラ75は、現像ローラ74上に供給されたトナーを均一な層となるように整形するローラ状のブレードである。現像ローラ74上で均一となったトナー層は、次いで矢印Fの方向に回転する感光体76と接触し、感光体76上の電子潜像をトナー現像する。
本実施形態のトナーは、図5に示したドクターローラ75を有するような現像方式に用いることができる。
また、本実施形態のトナーは、図5に示したドクターローラ75に加えて、供給ローラ73を用いる現像方式に採用しても良い。しかしながら、通常、このような方式の場合には、感光体76へのフィルミングだけではなく、ドクターローラ75や供給ローラ73へのフィルミングが発生する。このため、トナー層が均一に形成できないばかりか、トナー帯電が不均一となり、トナー電荷量も小さくなってしまうために、結果として現像不良が生じる。本実施形態のトナーを用いると、ドクターローラ75及び供給ローラ73へのフィルミングは発生せず、安定した現像が行なわれ、且つ、耐久特性に優れた現像方式とすることができる。
また、磁性トナーとする場合には、トナー粒子の中に磁性体の微粒子を内添すれば良い。磁性体としては、フェライト、マグネタイト、鉄、ニッケル、コバルト、それらの合金などの強磁性体等が考えられる。磁性体の平均粒径は0.1μm以上1μm以下が好ましい。磁性体の含有量はトナー100重量部に対して、10から70重量部であることが好ましい。
(2成分現像剤)
さらに、2成分現像剤として使用する場合は、トナー粒子及び下述する磁性キャリアを所定の混合比率にて混合することにより、2成分現像剤とする。
2成分現像剤に使用されるキャリアとしては、公知のものが使用可能であり、例えば、鉄粉、フェライト粉、ニッケル粉、及びマグネタイト粉などの磁性粒子、並びに、これら磁性粒子の表面をフッ素系樹脂、ビニル系樹脂、及びシリコーン系樹脂などで処理したもの、並びに、磁性粒子が樹脂中に分散されている磁性粒子分散樹脂粒子などが挙げられる。これら磁性キャリアの平均粒径は、20μm以上70μm以下であることが好ましい。さらに好ましくは、25μm以上65μm以下である。キャリアの平均粒径が、20μm以上70μm以下の範囲にあると、現像機内部のトナー濃度が2重量%以上10重量%以下の範囲内において、トナーの帯電量をより均一にすることができる。キャリアの平均粒径が20μmより小さくなると、キャリア粒子の感光体上への付着などが生じやすくなり、さらにトナーとの撹拌効率が悪くなりトナーの均一な帯電量が得られにくくなる。逆に、キャリアの平均粒径が70μmを超える場合では、細かい画像再現性が悪くなり、高画質画像は得られなくなる。
キャリア表面の被覆材料としては、アミノ系樹脂、例えば、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂、及びエポキシ樹脂などが挙げられる。また、ポリビニル系及びポリビニリデン系樹脂(例えば、アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、及びポリスチレン樹脂)、スチレンアクリル共重合樹脂などのポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニルなどのハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂及びポリブチレンテレフタレート樹脂などのポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリフッ化ビニル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、フッ化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、フッ化ビニリデンとフッ化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンと非フッ化単量体とのターポリマーなどのフルオロターポリマー、並びにシリコーン樹脂などが使用できる。
また、必要に応じて、導電粉などを被覆樹脂中に含有させてもよい。導電粉としては、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、及び酸化亜鉛などが使用できる。これらの導電性微粒子は、平均粒子径1μm以下であることが好ましい。平均粒子径が1μmよりも大きくなると、電気抵抗の制御が困難になるという問題が生じる。
また、本実施形態の現像剤には、出力画像に悪影響を与えない範囲内で他の添加剤、テフロン(登録商標)粉末、ステアリン酸亜鉛粉末、及びポリフッ化ビニリデン粉末などの滑剤粉末、並びに、酸化セリウム粉末、炭化珪素粉末、及びチタン酸ストロンチウム粉末などの研磨剤、並びに、カーボンブラック粉末、酸化亜鉛粉末、及び酸化スズ粉末などの導電性付与剤を現像性向上剤として少量を用いてもよい。
(プロセスカートリッジ)
本実施形態のプロセスカートリッジは、静電潜像を担持する静電潜像担持体と、この静電潜像担持体上に担持された静電潜像を、トナーを含む現像剤を用いて現像し可視像を形成する現像手段とを少なくとも有してなり、さらに必要に応じて適宜選択したその他の手段を有してなる。
図6は、本実施形態におけるプロセスカートリッジの構成図である。
図6を参照するに、プロセスカードリッジ99は大略すると、静電潜像担持体である感光体110、静電潜像形成手段である帯電器121、同じく静電潜像形成手段である露光装置130、現像手段である現像機140、クリーニング手段であるクリーニング装置160、除電手段である除電ランプ170、及び転写手段である転写ローラ180からなる。
上述したプロセスカードリッジ99の構成各部については、下述する画像形成装置の項にて詳細な説明を行う。
本実施形態のプロセスカートリッジは、各種電子写真装置などに自在に備えさせることができ、下述する本実施形態の画像形成装置に着脱自在に備えさせるのが好ましい。また、着脱自在であることは、下述する画像形成装置のメンテナンスを可能とすることができる。
(画像形成装置)
本実施形態の画像形成装置は、静電潜像担持体、静電潜像形成手段、現像手段、転写手段、及び定着手段を少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、除電手段、クリーニング手段、リサイクル手段、及び制御手段などを有してなる。
感光体とも称される静電潜像担持体としては、その材質、形状、構造、及び大きさなどについて特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができる。静電潜像担持体の形状としては、ドラム状が好適に挙げられる。静電潜像担持体の材質としては、例えばアモルファスシリコン及びセレンなどの無機感光体、並びに、ポリシラン及びフタロポリメチンなどの有機感光体などが挙げられる。これらの中でも、長寿命である点から、アモルファスシリコンなどが好ましい。アモルファスシリコンを材質とした感光体については、詳しく下述する。
静電潜像の形成は、上述の静電潜像担持体の表面を一様に帯電させた後、上述の静電潜像形成手段により像様に露光することにより行うことができる。
静電潜像形成手段は、例えば、上述の静電潜像担持体の表面を一様に帯電させる帯電手段、及びこの静電潜像担持体の表面を像様に露光する露光手段を少なくとも備える。
帯電は、帯電器を用いて静電潜像担持体の表面に電圧を印加することにより行うことができる。
帯電手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、導電性又は半導電性のロール、ブラシ、フィルム、及びゴムブレードなどを備えたそれ自体公知の接触帯電器、並びに、コロトロン、及びスコロトロンなどのコロナ放電を利用した非接触帯電器などが挙げられる。
なお、本実施形態においては、静電潜像担持体表面に直接接触し、電圧を印加することにより、静電潜像担持体表面を均一に帯電する帯電手段を用いることが好適である。このような帯電手段を用いることは、装置内におけるオゾンの発生を抑えることができる点で好適である。
露光は、上述の露光器を用いて静電潜像担持体の表面を像様に露光することにより行うことができる。
露光器手段としては、上述の帯電器により帯電された静電潜像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザ光学系、及び液晶シャッタ光学系などの各種露光器が挙げられる。
なお、本実施形態においては、静電潜像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
次に、現像手段について説明する。
現像手段は、上述の静電潜像を本実施形態のトナーを含む現像剤を用いて現像して、可視像を形成する。
可視像の形成は、現像手段により、静電潜像を本実施形態のトナーを含む現像剤を用いて現像することにより行うことができる。
現像手段は、本実施形態のトナーを含む現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができる。例えば、本実施形態のトナーを含む現像剤を収容し、静電潜像に現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適に挙げられる。本実施形態のトナー入り容器を備えた現像器などがより好ましい。
現像手段は、単色用現像器であってもよいし、多色用現像器であってもよい。例えば、トナー入りの現像剤を摩擦攪拌させて帯電させる攪拌器、及び回転可能なマグネットローラを有してなるものなどが好適に挙げられる。
現像手段内では、トナー及びキャリアが混合攪拌され、その際の摩擦によりトナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。マグネットローラは、上述の静電潜像担持体(感光体)近傍に配置されているため、マグネットローラの表面に形成された磁気ブラシを構成するトナーの一部は、電気的な吸引力によって静電潜像担持体(感光体)の表面に移動する。その結果、静電潜像がトナーにより現像されて静電潜像担持体(感光体)の表面にトナーによる可視像が形成される。
また、本実施形態では、交互電界を印加する現像方法を用いて現像工程を行うことが特に好ましい。交互電界を印加する現像方法については詳しく下述する。
現像器に収容させる現像剤は、本実施形態のトナーを含む現像剤であるが、現像剤としては1成分現像剤であってもよいし、2成分現像剤であってもよい。また、これらの現像剤に含まれるトナーは、本実施形態のトナーである。
次に、転写手段について説明する。
転写手段は、可視像を記録媒体に転写する手段である。転写手段は、中間転写体を用い、この中間転写体上に可視像を一次転写した後、この可視像を記録媒体上に二次転写する態様が好ましい。また、転写手段は、トナーとして2色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを含む態様がより好ましい。
なお、中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルトなどが好適に挙げられる。
第一次転写手段及び第二次転写手段は、静電潜像担持体(感光体)上に形成された可視像を記録媒体側へ剥離帯電させる転写器を少なくとも有するのが好ましい。転写手段は、1つであってもよいし、2以上であってもよい。
転写手段としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、及び粘着転写器などが挙げられる。
なお、記録媒体としては、特に制限はなく、公知の記録媒体(記録紙)の中から適宜選択することができる。
定着手段は、記録媒体に転写された可視像を定着装置によって定着させる手段であり、各色のトナーに対し記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
定着手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好適である。この加熱加圧手段としては、加熱ローラ及び加圧ローラの組合せ、並びに加熱ローラ、加圧ローラ及び無端ベルトとの組合せなどが挙げられる。
加熱加圧手段における加熱は、通常80℃以上200℃以下が好ましい。
なお、本実施形態においては、目的に応じて定着工程及び定着手段と共にあるいはこれらに代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
また、本実施形態では、サーフ定着装置を定着装置として用いることが特に好ましい。サーフ定着装置については詳しく下述する。
除電手段は、静電潜像担持体(感光体)に対し除電バイアスを印加して除電を行う手段である。除電手段としては、特に制限はなく、静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができる。例えば、除電ランプなどが好適に挙げられる。
クリーニング手段は、静電潜像担持体上に残留する電子写真トナーを除去する手段である。
クリーニング手段としては、特に制限はなく、静電潜像担持体上に残留するトナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができる。例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、及びウエブクリーナなどが好適に挙げられる。
リサイクル手段は、上述のクリーニング手段により除去した電子写真用カラートナーを現像手段にリサイクルさせる手段である。
リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段などが挙げられる。
制御手段は、上述の各工程を制御する工程であり、制御手段により好適に行うことができる。
制御手段としては、上述の各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、シークエンサー及びコンピュータなどの機器が挙げられる。
本実施形態の画像形成装置の1つの態様について説明する。
図7は、本実施形態における画像形成装置の構成図である。
図7を参照するに、画像形成装置100は、静電潜像担持体としての感光体110、帯電手段としての帯電ローラ120、露光手段としての露光装置130、現像手段としての現像装置140、中間転写体150、クリーニングブレードを有するクリーニング手段としてのクリーニング装置160、除電手段としての除電ランプ170からなる。
中間転写体150は、無端ベルトであり、その内側に配置されこれを張架する3個のローラ151によって、矢印方向に移動可能に設計されている。3個のローラ151の一部は、中間転写体150へ所定の転写バイアス(一次転写バイアス)を印加可能な転写バイアスローラとしても機能する。中間転写体150には、その近傍にクリーニングブレードを有するクリーニング装置190が配置されており、また、最終転写材としての転写紙195に現像像(トナー像)を転写(二次転写)するための転写バイアスを印加可能な転写手段としての転写ローラ180が対向して配置されている。中間転写体150の周囲には、中間転写体150上のトナー像に電荷を付与するためのコロナ帯電器158が、中間転写体50の回転方向において、感光体110と中間転写体150との接触部と、中間転写体150と転写紙195との接触部との間に配置されている。
現像装置140は、現像剤担持体としての現像ベルト141と、現像ベルト141の周囲に併設したブラック現像ユニット145K、イエロー現像ユニット145Y、マゼンタ現像ユニット145M及びシアン現像ユニット145Cとから構成されている。なお、ブラック現像ユニット145Kは、現像剤収容部142Kと現像剤供給ローラ143Kと現像ローラ144Kとを備えており、イエロー現像ユニット145Yは、現像剤収容部142Yと現像剤供給ローラ143Yと現像ローラ144Yとを備えており、マゼンタ現像ユニット145Mは、現像剤収容部142Mと現像剤供給ローラ143Mと現像ローラ144Mとを備えており、シアン現像ユニット145Cは、現像剤収容部142Cと現像剤供給ローラ143Cと現像ローラ144Cとを備えている。また、現像ベルト141は、無端ベルトであり、複数のベルトローラに回転可能に張架され、一部が感光体110と接触している。
現像ベルト141の表層材料及び表層は、弾性材料による感光体への汚染防止と、転写ベルト表面への表面摩擦抵抗を低減させてトナーの付着力を小さくして、クリーニング性及び2次転写性を高めるものが要求される。例えば、ポリウレタン、ポリエステル、及びエポキシ樹脂などの1種類又は2種類以上を使用する。また、表面エネルギーを小さくし潤滑性を高める材料、例えば、フッ素樹脂、フッ素化合物、フッ化炭素、二酸化チタン、及びシリコンカーバイトなどの粉体若しくは粒子を1種類若しくは2種類以上、又は、粒径を異ならしたものを分散させ使用することができる。また、フッ素系ゴム材料のように、熱処理を行うことで表面にフッ素リッチな層を形成させ、表面エネルギーを小さくさせたものも使用することができる。
画像形成装置100において、例えば、帯電ローラ120が感光体110を一様に帯電させる。露光装置130が感光体110上に像様に露光を行い、静電潜像を形成する。感光体110上に形成された静電潜像を、現像装置140からトナーを供給して現像して可視像(トナー像)を形成する。この可視像(トナー像)が、ローラ151から印加された電圧により中間転写体150上に転写(一次転写)され、更に転写ローラ180によって転写紙195上に転写(二次転写)される。その結果、転写紙195上には転写像が形成される。なお、感光体110上の残存トナーは、クリーニング装置160により除去され、感光体110における帯電は除電ランプ170により除去される。同様に、中間転写体150上の残存トナーは、クリーニング装置190により除去される。
(交互電界を印加する現像方法)
図8は、本実施形態の交互電界を印加する現像方法を説明する模式図である。
図8を参照するに、本実施形態の感光体701に対する現像器702において、現像時、現像ローラ703には、交流電源及び直流電源からなる電源704により現像バイアスとして、直流電圧に交流電圧を重畳した振動バイアス電圧が印加される。背景部電位と画像部電位は、上記振動バイアス電位の最大値と最小値の間に位置している。これによって現像部705に向きが交互に変化する交互電界が形成される。この交互電界中で現像剤のトナーとキャリアが激しく振動し、トナーが現像ローラ703及び現像剤中のキャリアへの静電的拘束力を振り切って感光体701に飛翔し、感光体701の潜像に対応して付着する。
振動バイアス電圧の最大値と最小値との差(ピーク間電圧)は、0.5KV以上5KV以下が好ましく、周波数は1KHz以上10KHz以下が好ましい。振動バイアス電圧の波形は、矩形波、サイン波、及び三角波などが使用できる。振動バイアスの直流電圧成分は、上述したように背景部電位と画像部電位の間の値であるが、画像部電位よりも背景部電位に近い値である方が、背景部電位領域へのかぶりトナーの付着を防止する上で好ましい。
振動バイアス電圧の波形が矩形波の場合、デューティ比を50%以下とすることが望ましい。ここでデューティ比とは、振動バイアスの1周期中でトナーが感光体に向かおうとする時間の割合である。このようにすることにより、トナーが感光体に向かおうとするピーク値とバイアスの時間平均値との差を大きくすることができるので、トナーの運動がさらに活発化し、トナーが潜像面の電位分布に忠実に付着してざらつき感や解像力を向上させることができる。またトナーとは逆極性の電荷を有するキャリアが感光体に向かおうとするピーク値とバイアスの時間平均値との差を小さくすることができるので、キャリアの運動を沈静化し、潜像の背景部にキャリアが付着する確率を大幅に低減することができる。
(サーフ定着装置)
図9は、本実施形態のサーフ定着装置の構成図である。
図9を参照するに、定着装置800は、定着フィルム801を図中の矢印の方向に回転させて定着する、いわゆるサーフ定着装置である。以下詳説すると、定着フィルム801はエンドレスベルト状耐熱フィルムであり、このフィルムの支持回転体である駆動ローラ802と、従動ローラ803と、この両ローラ間の図中下方に設けた加熱体804とに懸回張設している。
従動ローラ802は、定着フィルム801のテンションローラを兼ね、定着フィルム801は駆動ローラ802の図中矢印方向の回転駆動によって、図中矢印方向に向かって回転駆動される。この回転駆動速度は、加圧ローラ805と定着フィルム801が接する定着ニップ領域Lにおいて転写材806と定着フィルム801の速度が等しくなる速度に調節される。
ここで、加圧ローラ805はシリコンゴムなどの離型性のよいゴム弾性層を有するローラであり、図中の矢印方向に回転しつつ、定着ニップ領域Lに対して総圧4kg以上10kg以下の当接圧をもって圧接させてある。
また定着フィルム801は、耐熱性、離型性、及び耐久性に優れたものが好ましく、総厚100μm以下、好ましくは40μm以下の薄肉のものを使用する。例えば、ポリイミド、ポリエーテルイミド、PES(ポリエーテルサルファイド)、及びPFA(4フッ化エチレンバーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂)などの耐熱樹脂の単層フィルム、並びに、複合層フィルム、例えば、20μm厚フィルムの少なくとも画像当接面側にPTFE(4フッ化エチレン樹脂)及びPFAなどのフッ素樹脂に導電材を添加した離型性コート層を10μm厚に施したものや、フッ素ゴム及びシリコンゴムなどの弾性層を施したものである。
加熱体804は、平面基板807及び定着ヒータ808から構成されており、平面基板807は、アルミナなどの高熱伝導度且つ高電気抵抗率を有する材料からなっており、定着フィルム801と接触する表面には抵抗発熱体で構成した定着ヒータ808を長手方向に設置してある。定着ヒータ808は、例えばAg/Pd、Ta2Nなどの電気抵抗材料を、スクリーン印刷などにより線状又は帯状に塗工したものである。また、定着ヒータ808の両端部には、図示しない電極が形成され、この電極間に通電することで抵抗発熱体が発熱する。さらに、基板の定着ヒータ808が具備させてある面と逆の面にはサーミスタによって構成した定着温度センサ809が設けられている。
定着温度センサ809によって検出された基板の温度情報は、図示しない制御手段に送られ、かかる制御手段により定着ヒータに供給される電力量が制御され、加熱体804は所定の温度に制御される。
以下、実施形態について実施例によってさらに詳細に説明する。なお、以下の実施例及び比較例中にて示す部数は、全て重量部を示している。
本実施例では、トナー組成及びトナー粒子表面への表面処理条件をそれぞれ変化させたトナーを作製した。トナー粒子の粒子間力は、1個トナー粒子を探針の先端または周辺に付着させ、圧縮されたトナー粒子粉体相を作製し、その探針に付いているトナー粒子を圧密させたトナー粉体相の表面の1個粒子に一度押し付けた後引き離すように走査し、そのときの力変化から測定する上述のAEM法により評価を行った。トナー粒子粉体相の圧縮圧力は320kg/cm2で作製した。
[実施例1]
(トナーの作製)
樹脂としてポリエステル樹脂(ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物テレフタル酸、及びコハク酸誘導体から合成されたポリエステル)100部、着色剤として銅フタロシアニンブルー顔料(C.I.ピグメントブルー15:3、Lionol Blue FG−7351、東洋インキ社製)3.5部、帯電制御剤としてサルチル酸亜鉛塩(ボントロンE84、オリエント化学)5部、及び離型剤として低分子量ポリエチレン5部を原材料として、ミキサーで十分に混合した。この混合物を、2軸押出し機によりバレル温度110℃及び混練機回転数120回転/分の条件にて溶融混練した。この混練物を圧延冷却後カッターミルで粗粉砕し、ジェット気流を用いた微粉砕機で粉砕後、旋回式風力分級装置を用いて、平均粒径が6.0μmの粒度分布に分級し、母体着色粒子を得た。さらに、母体着色粒子100部に対して、以下の表面処理条件にて少なくとも窒化珪素からなる微粒子を作製し、トナー粒子表面に固着させ、トナーを作製した。実施例1で作製したトナーをトナー1とする。
(表面処理条件)
表面処理方法は、レーザブレーション法を用いた。ターゲットは、Si3N4とした。レーザは、波長266nmのNd:YAGレーザを用いた。レーザ出力は、100mJ/パルスとした。雰囲気ガスは、Arとした。このガス圧は、5×10−2Paとした。ターゲット−試料間距離は、50mmとした。粉体振動条件は、周波数30Hzとした。
[実施例2]
(トナーの作製)
実施例1と同様の原材料及び作製方法にて、混練及び粉砕を行ない、平均粒径が6.0μmの粒度分布に分級し、母体着色粒子を得た。この母体着色粒子100部に対して、以下の表面処理条件にて少なくとも窒化珪素からなる微粒子を作製し、トナー粒子表面に固着させ、トナーを作製した。実施例2で作製したトナーをトナー2とする。
(表面処理条件)
表面処理方法は、レーザブレーション法を用いた。ターゲットは、Si3N4とした。レーザは、波長266nmのNd:YAGレーザを用いた。レーザ出力は、200mJ/パルスとした。雰囲気ガスは、Arとした。このガス圧は、5×10−2Paとした。ターゲット−試料間距離は、50mmとした。粉体振動条件は、周波数30Hzとした。
[実施例3]
(トナーの作製)
実施例1と同様の原材料及び作製方法にて、混練及び粉砕を行ない、平均粒径が6.1μmの粒度分布に分級し、母体着色粒子を得た。この母体着色粒子100部に対して、以下の表面処理条件にて少なくとも窒化珪素からなる微粒子を作製し、トナー粒子表面に固着させ、トナーを作製した。実施例3で作製したトナーをトナー3とする。
(表面処理条件)
表面処理方法は、レーザブレーション法を用いた。ターゲットは、Si3N4とした。レーザは、波長266nmのNd:YAGレーザを用いた。レーザ出力は、300mJ/パルスとした。雰囲気ガスは、Arとした。このガス圧は、5×10−2Paとした。ターゲット−試料間距離は、50mmとした。粉体振動条件は、周波数30Hzとした。
[実施例4]
(トナーの作製)
実施例1と同様の原材料及び作製方法にて、混練及び粉砕を行ない、平均粒径が6.0μmの粒度分布に分級し、母体着色粒子を得た。この母体着色粒子100部に対して、以下の表面処理条件にて少なくとも窒化珪素からなる微粒子を作製し、トナー粒子表面に固着させ、トナーを作製した。実施例4で作製したトナーをトナー4とする。
(表面処理条件)
表面処理方法は、レーザブレーション法を用いた。ターゲットは、Si3N4とした。レーザは、波長266nmのNd:YAGレーザを用いた。レーザ出力は、100mJ/パルスとした。雰囲気ガスは、Arとした。このガス圧は、0.1Paとした。ターゲット−試料間距離は、50mmとした。粉体振動条件は、周波数30Hzとした。
[実施例5]
(トナーの作製)
実施例1と同様の原材料及び作製方法にて、混練及び粉砕を行ない、平均粒径が6.0μmの粒度分布に分級し、母体着色粒子を得た。この母体着色粒子100部に対して、以下の表面処理条件にて少なくとも窒化珪素からなる微粒子を作製し、トナー粒子表面に固着させ、トナーを作製した。実施例5で作製したトナーをトナー5とする。
(表面処理条件)
表面処理方法は、レーザブレーション法を用いた。ターゲットは、Si3N4とした。レーザは、波長266nmのNd:YAGレーザを用いた。レーザ出力は、100mJ/パルスとした。雰囲気ガスは、Arとした。このガス圧は、1×10−2Paとした。ターゲット−試料間距離は、50mmとした。粉体振動条件は、周波数30Hzとした。
[実施例6]
(バインダー樹脂の合成)
冷却管、攪拌機、及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物724部、イソフタル酸276部、及びジブチルチンオキサイド2部を入れた。これらを常圧、230℃で8時間反応させ、さらに1.3×103乃至2.0×103Paの減圧で5時間反応させた後、160℃にまで冷却して、これに32部の無水フタル酸を加えて2時間反応させた。次いで、さらに80℃まで冷却し、酢酸エチル中にてイソフォロンジイソシアネート188部と共に2時間反応を行い、イソシアネート含有プレポリマーIを得た。
プレポリマーI 267部及びイソホロンジアミン14部を、50℃で2時間反応させ、重量平均分子量64000のウレア変性ポリエステルIを得た。
冷却管、攪拌機、及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物724部及びテレフタル酸276部を常圧下、230℃で8時間重縮合し、次いで1.3×103乃至2.0×103Paの減圧で5時間反応して、ピーク分子量5000の変性されていないポリエステルAを得た。ウレア変性ポリエステルI 200部、及び変性されていないポリエステルA800部を酢酸エチル/MEK(1/1)混合溶剤2000部に溶解及び混合し、トナーバインダーIの酢酸エチル/MEK溶液を得た。トナーバインダーIの酢酸エチル/MEK溶液を減圧乾燥し、トナーバインダーIを単離した。トナーバインダーIのガラス転移点は、62℃であった。ガラス転移点は、上述の方法で測定した。
(トナーの作製)
トナーバインダーIの酢酸エチル/MEK溶液240部、ペンタエリスリトールテトラベヘネート(溶融粘度25cps)20部、及び銅フタロシアニンブルー顔料(C.I.ピグメントブルー15:3、LionolBlue FG−7351、東洋インキ社製)4部を原材料として、60℃のビーカー内で、TK式ホモミキサーで12000回転/分にて攪拌し、均一に溶解、分散させてトナー材料溶液を作製した。
トナー材料溶液とは別個に、イオン交換水706部、ハイドロキシアパタイト10%懸濁液(日本化学工業(株)製スーパタイト10)294部、及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2部を原材料として、ビーカー内で、60℃にてTK式ホモミキサーで12000回転/分に攪拌しながら、上述のトナー材料溶液を投入し10分間攪拌した。次いで、この混合液を攪拌棒及び温度計付のフラスコに移し、30℃まで昇温して減圧下で溶剤を除去し、濾別、洗浄、及び乾燥した後、風力分級することによりトナー粒子を得た。体積平均粒径は6.3μmであった。体積平均粒径は、上述の方法により測定した。さらに、母体着色粒子100部に対して、以下の表面処理条件にて少なくとも窒化珪素からなる微粒子を作製し、トナー粒子表面に固着させることによりトナーを作製した。実施例6で作製したトナーをトナー6とする。
(表面処理条件)
表面処理方法は、レーザブレーション法を用いた。ターゲットは、Si3N4とした。レーザは、波長266nmのNd:YAGレーザを用いた。レーザ出力は、100mJ/パルスとした。雰囲気ガスは、Arとした。このガス圧は、5×10−2Paとした。ターゲット−試料間距離は、50mmとした。粉体振動条件は、周波数30Hzとした。
[実施例7]
(トナーの作製)
実施例6と同様の原材料及び作製方法にて、粉体の作製及び分級を行ない、平均粒径が6.3μmの粒度分布に分級し、母体着色粒子を得た。この母体着色粒子100部に対して、以下の表面処理条件にて少なくとも窒化珪素からなる微粒子を作製し、トナー粒子表面に固着させ、トナーを作製した。実施例7で作製したトナーをトナー7とする。
(表面処理条件)
表面処理方法は、レーザブレーション法を用いた。ターゲットは、Si3N4とした。レーザは、波長266nmのNd:YAGレーザを用いた。レーザ出力は、200mJ/パルスとした。雰囲気ガスは、Arとした。このガス圧は、5×10−2Paとした。ターゲット−試料間距離は、50mmとした。粉体振動条件は、周波数30Hzとした。
[実施例8]
(トナーの作製)
実施例6と同様の原材料及び作製方法にて、粉体の作製及び分級を行ない、平均粒径が6.3μmの粒度分布に分級し、母体着色粒子を得た。この母体着色粒子100部に対して、以下の表面処理条件にて少なくとも窒化珪素からなる微粒子を作製し、トナー粒子表面に固着させ、トナーを作製した。実施例8で作製したトナーをトナー8とする。
(表面処理条件)
表面処理方法は、レーザブレーション法を用いた。ターゲットは、Si3N4とした。レーザは、波長266nmのNd:YAGレーザを用いた。レーザ出力は、300mJ/パルスとした。雰囲気ガスは、Arとした。このガス圧は、5×10−2Paとした。ターゲット−試料間距離は、50mmとした。粉体振動条件は、周波数30Hzとした。
[実施例9]
(トナーの作製)
樹脂としてポリエステル樹脂(ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物テレフタル酸、及びコハク酸誘導体から合成されたポリエステル)100部、着色剤としてマゼンタ顔料(C.I.ピグメントブルー122、HostapermPink E;クラリアント社製)3.5部、及び帯電制御剤としてサルチル酸亜鉛塩(ボントロンE84、オリエント化学)5部を原材料として、ミキサーで十分に混合した。この混合物を、2軸押出し機によりバレル温度100℃及び混練機回転数110回転/分の条件にて溶融混練した。この混練物を圧延冷却後カッターミルで粗粉砕し、ジェット気流を用いた微粉砕機で粉砕後、旋回式風力分級装置を用いて、平均粒径が6.7μmの粒度分布に分級し、母体着色粒子を得た。さらに、母体着色粒子100部に対して、以下の表面処理条件にて少なくとも窒化珪素からなる微粒子を作製し、トナー粒子表面に固着させ、トナーを作製した。実施例9で作製したトナーをトナー9とする。
(表面処理条件)
表面処理方法は、レーザブレーション法を用いた。ターゲットは、Si3N4とした。レーザは、波長266nmのNd:YAGレーザを用いた。レーザ出力は、100mJ/パルスとした。雰囲気ガスは、Arとした。このガス圧は、5×10−2Paとした。ターゲット−試料間距離は、50mmとした。粉体振動条件は、周波数30Hzとした。
[実施例10]
(トナーの作製)
実施例9と同様の原材料及び作製方法にて、粉体の作製及び分級を行ない、平均粒径が6.7μmの粒度分布に分級し、母体着色粒子を得た。この母体着色粒子100部に対して、以下の表面処理条件にて少なくとも窒化珪素からなる微粒子を作製し、トナー粒子表面に固着させ、トナーを作製した。実施例10で作製したトナーをトナー10とする。
(表面処理条件)
表面処理方法は、レーザブレーション法を用いた。ターゲットは、Si3N4とした。レーザは、波長266nmのNd:YAGレーザを用いた。レーザ出力は、200mJ/パルスとした。雰囲気ガスは、Arとした。このガス圧は、5×10−2Paとした。ターゲット−試料間距離は、50mmとした。粉体振動条件は、周波数30Hzとした。
[実施例11]
(トナーの作製)
実施例9と同様の原材料及び作製方法にて、粉体の作製及び分級を行ない、平均粒径が6.7μmの粒度分布に分級し、母体着色粒子を得た。この母体着色粒子100部に対して、以下の表面処理条件にて少なくとも窒化珪素からなる微粒子を作製し、トナー粒子表面に固着させ、トナーを作製した。実施例11で作製したトナーをトナー11とする。
(表面処理条件)
表面処理方法は、レーザブレーション法を用いた。ターゲットは、Si3N4とした。レーザは、波長266nmのNd:YAGレーザを用いた。レーザ出力は、300mJ/パルスとした。雰囲気ガスは、Arとした。このガス圧は、5×10−2Paとした。ターゲット−試料間距離は、50mmとした。粉体振動条件は、周波数30Hzとした。
[比較例1]
(トナーの作製)
実施例1と同様の原材料及び作製方法にて、混練及び粉砕を行ない、平均粒径が6.0μmの粒度分布に分級し、母体着色粒子を得た。この母体着色粒子100部に対して、以下の混合条件にて添加剤を混合し、トナーを作製した。比較例1で作製したトナーをトナー12とする。
(添加剤の混合)
母体着色粒子100部、及び添加剤としてシリカ微粉末(R972、日本アエロジル社製)1.5部を、スーパーミキサー混合機により、混合回転数800回転/分及び120秒間の条件で混合を行った。
[比較例2]
(トナーの作製)
実施例9と同様の原材料及び作製方法にて、混練及び粉砕を行ない、平均粒径が6.7μmの粒度分布に分級し、母体着色粒子を得た。この母体着色粒子100部に対して、以下の混合条件にて添加剤を混合し、トナーを作製した。比較例2で作製したトナーをトナー13とする。
(添加剤の混合)
母体着色粒子100部、並びに、添加剤としてシリカ微粉末(R972、日本アエロジル社製)1部、及び酸化チタン微粉末(MT−150A;テイカ社製)0.5部を、スーパーミキサー混合機により、混合回転数800回転/分及び150秒間の条件で混合を行った。
(AFMによる測定)
AFMでの測定は、探針の走査距離を1000nm、ピエゾのスキャン速度を2.0Hz、そして測定回数30回の条件で行ない、粒子間力の平均値、及びバラツキを求めた。
(画像評価)
本実施例のトナーを用いたときの出力画像のドット再現性を、画像のザラツキ感として、ランク1を悪い、ランク5を良いとする5段階で評価を行った。
さらに、2万枚印刷を行うことによるランニング耐久試験を、OPCを用いた複写機にて行った。現像部におけるブロッキングなどのトナー搬送性の不具合を評価した。不具合点の無かった場合を○、不具合点のあった場合を×として評価した。
トナーの流動性は、円錐ロータ評価装置を用いて圧密状態にして空間率を測定した後、円錐ロータがトナー粉体相表面から20mm侵入したときのトルクの値を測定した。円錐ロータの評価条件は、トナー相の空間率を0.53、円錐ロータの頂角を60度、円錐ロータの回転数を1回転/分、そして円錐ロータの侵入速度:5mm/分とした。なお、トルクの値は、小さいほど流動性が良い。
(円形度の測定)
また、添加剤で処理する前の粉体(母体)の円形度は、フロー式粒子像分析装置FPIA−1000(東亜医用電子株式会社製)により平均円形度として計測した。
実施例1乃至11及び比較例1及び2で得られたトナー1乃至13のトナーの表面処理条件及び粉体特性を表1に示す。
図10は、本実施例及び比較例における粒子間力の変化を示す散布図である。
図1を参照するに、表1に示す粒子間力の平均値(nN)、及びバラツキを示すσn−1(nN)をそれぞれ横軸及び縦軸にブロットしたものである。丸印は実施例を、四角印は比較例の結果をそれぞれ示す。
窒化珪素からなる微粒子によって表面処理された実施例のトナーは、シリカ微粉末及び/又はチタン微粉末によって表面処理された比較例のトナーに比べて、2万枚ランニング時のトナー搬送性が優れていた。
また、トナー粒子間力をAFMにより10乃至50回繰返して測定し、その平均値が5nN以上70nN以下の場合のトナーの流動性は、それぞれ良好な値を示した。これらの良好な値を示したトナーは、出力画像のドット再現性が良好であり、細かい画質の再現性が良くなった。
上述の実施形態及び実施例によれば、画像形成時におけるトナー搬送性に優れ、且つ、ドット再現性が良く、高画質な出力画像を得ることができるトナーの製造方法及び該方法により製造されたトナーを提供することが可能となる。
以上、本発明の好ましい実施形態及び実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。