図1は、本発明に係る画像形成装置を含む画像形成システムの一構成例を示す図で、会議システムを示す構成図である。以下、本発明に係る画像形成システムとして、大型ディスプレイ1を備えた会議システムを例に挙げて説明するが、少なくとも画像形成装置(MFP3で例示)と電子ファイル(以下、単にファイルという)を編集できる情報処理装置(PCで例示)とが備えてあればよい。さらに画像形成対象の文書や画像データ等のファイルとして、議事録が記述されたPDF(Portable Document Format)ファイルを例に挙げて説明するが、どのような形式のファイルであってもまた記述された内容が如何なるものであっても、後述する属性情報の埋込が可能であれば適用できる。
図1で例示する会議システムは、議事録や会議資料等をPDFファイルとして生成/記録するためのPC2と、PC2に接続され、そのPDFファイルを含めた情報を表示して出席者に視認させるための大型ディスプレイ1と、PC2に接続され、そのファイルに対して印刷等の画像形成を施し必要に応じて出席者に議事録を配布するためのMFP3とで構成される。
PC2は、後述する属性埋込手段を備えるものとする。この実装は、属性埋込手段としてPC2を機能させるための属性埋込プログラム21を、PC2にインストールすることで可能である。また、PC2には、PDFファイルの作成・編集を可能とするための文書生成プログラム(ファイル作成ソフトウェア)20もインストールされ、属性埋込プログラム21がファイル作成ソフトウェア20に含まれるものとして説明する。
PC2は、汎用コンピュータであり、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置、作業領域としてのRAM(Random Access Memory)等、プログラム格納領域としてのROM(Read Only Memory)又は書き換え可能ROM等、データ記憶領域としてのHDD(ハードディスクドライブ)等のハードウェアを備え、ROMやHDD等に所定の制御プログラムを格納しておくとよい。これにより、CPUがROM等に格納された所定の制御プログラムをRAM上に読み出して実行することができる。この制御プログラムには、属性埋込プログラム21を含んだファイル作成ソフトウェア20も含まれるものとする。
図2は、図1におけるPCで実行される属性情報埋込処理の一例を説明するためのフロー図である。図2を参照して属性埋込手段による処理を説明する。属性埋込手段は、まず対象のPDFファイルを読み出し(ステップS1)、或る指定領域(エリア)をユーザに選択させる(ステップS2)。続いて、属性情報を、予め複数格納していた中から選択するなどしてユーザに入力させ、そのエリアにその属性情報を付加する(ステップS3)。エリア選択が終了したか否かをユーザが保存操作を実行したか否かにより判定し(ステップS4)、終了していればそのPDFファイルを保存し属性付加PDFファイルとする(ステップS5)。ここで、属性埋込手段により属性情報が埋め込まれたファイルを属性付加PDFファイルと呼ぶ。一方、終了していなければ、ステップS2へ戻る。
このように、属性埋込手段は、議事録を記述した処理対象のPDFファイル中の任意指定領域に対応させて、属性情報をそのファイル内に埋め込む手段である。属性埋込手段により、属性情報が指定領域毎に対応させてそのファイル内に記憶される。
属性情報は、PDFファイルの受取人に応じて、埋込先の指定領域毎に特定情報を付加するか否かの判定をMFP3で実行するための情報であり、これが付された属性付加PDFファイルがMFP3での処理対象となる。属性情報は、この判定に併せて、埋込先の指定領域に付加する特定情報の種類の判定を実行するための情報とすることが好ましい。
また、属性情報としては、受取人への送付を許可するカテゴリ(区分)を示す情報を採用することが好ましい。これにより、属性情報に記されたカテゴリに該当する受取人は、その属性情報が埋め込まれた指定領域に、特定情報を付加することなく元のまま閲覧することができる。逆に、属性情報として、受取人への送付を許可しないカテゴリを示す情報を採用してもよい。その場合、属性情報に記されたカテゴリに該当する受取人は、その属性情報が埋め込まれた指定領域に、特定情報を付加した状態で閲覧することとなる。いずれを採用した場合でも、後述する受取人情報と比較するため、属性情報は受取人情報に対するカテゴリを示す情報となる。
また、上述のカテゴリの具体例としては、セキュリティレベルのカテゴリ、職種のカテゴリ、部門のカテゴリ、会社名のカテゴリ、機密情報(保有機密情報)のカテゴリ、情報入手を受取人が希望した場合のカテゴリなどが挙げられ、これらのうち1又は複数種類のカテゴリを属性情報として埋め込んでもよい。複数種類の場合には、なるべくそのまま閲覧させることのないような判定を行うことがセキュリティ上、好ましい。
また、任意指定領域とは、議事録のPDFファイルの任意に定められた或る領域であればよい。例えば、PC2のユーザ(或いはPC2に接続されPC2を遠隔操作可能な他のPCのユーザ)が、MFP3で属性付加PDFファイルを或る受取人に対して印刷又は送信する際に、コピー禁止パターン等の特定情報を施すか否かを受取人に応じて分けることを目的として、指定した領域であればよい。
このように、PC2は、議事録・会議資料等のPDFファイルに対して領域設定を行って属性情報を埋め込む。その属性付加PDFファイルは、MFP3に直接又は記録媒体経由で送られる。属性付加PDFファイルを含めたデータのやり取りを行うために、PC2側には、ネットワークアダプタ等の通信インタフェース(I/F)又は記録媒体読取装置が設けられていればよい。
一方、MFP3は、受信した属性付加PDFファイルに対して印刷用や送信用の画像形成を行うことが可能となっている。そのため、MFP3は、属性付加PDFファイルに特定情報を付加する特定情報付加手段30を備えるものとする。特定情報とは、コピー禁止パターンやコピー牽制パターン等を画像形成するためのコピー制限情報、白画像や間引き画像作成のためのパターン情報など、画像データとは異なる情報を指し、属性付加PDFファイルの画像データに合成されて出力される。
また、MFP3は、属性付加PDFファイル中の指定領域毎に埋め込まれた属性情報と比較して、特定情報を付加するか否かを判定するために、受取人情報(送信先情報)を保持しておく必要がある。受取人情報とは、その属性付加PDFファイル(実際には特定情報が付加されたPDFファイル又はその印刷物)を受け取る受取人(送信先)に関する情報である。そのため、MFP3は、その受取人情報を記憶する受取人情報記憶手段を備えるものとする。受取人情報記憶手段としては、HDDや各種メモリなどの記憶装置が利用できる。
また、受取人情報としては、受取人が送付を許可されているカテゴリ(すなわち、その受取人に対し、例えばMFP2の管理者等の情報管理者が送付を許可しているカテゴリ)を示す情報を採用することが好ましい。これにより、属性情報に記された許可(/不許可)カテゴリに該当するカテゴリに属する受取人は、その属性情報が埋め込まれた指定領域に、特定情報を付加することなく元のまま(/特定情報を付加した状態で)閲覧することができる。例えば、その受取人がMFP2等で通常送信できるファイルと同等以下の機密レベルをもつ、属性付加PDFファイル中の或る指定領域の内容は、特定情報を付加することなくそのまま閲覧することができ、それ以上の機密レベルをもつ指定領域の内容は特定情報を付加した状態で閲覧させることができる。例えば、機密文書を機密文書の機密部分の機密度や内容に応じた対応が可能である。
逆に、受取人情報として、受取人が送付を許可されていないカテゴリを示す情報を採用してもよい。その場合、属性情報に記された不許可(/許可)カテゴリに該当するカテゴリに属する受取人は、その属性情報が埋め込まれた指定領域に、特定情報を付加した状態で(/特定情報を付加することなく元のまま)閲覧することとなる。
また、受取人情報におけるカテゴリの具体例としては、受取人のセキュリティレベルのカテゴリ、受取人の職種のカテゴリ、受取人が属する部門のカテゴリ、受取人が属する会社名のカテゴリ、受取人が保有している機密情報(保有機密情報)のカテゴリ、情報入手を受取人が希望するカテゴリ、その他、受取人が情報を入手可能なカテゴリ、などが挙げられ、これらのうち1又は複数種類のカテゴリを受取人情報として埋め込んでもよい。複数種類の場合には、なるべくそのまま閲覧させることのないような判定を行うことがセキュリティ上、好ましい。
さらに、MFP3は、上述の判定を実行する判定手段を備えるものとする。MFP3では、この判定手段により、属性付加PDFファイルに対し、受取人情報に基づき特定情報の付加が決定されることとなる。受取人情報と属性情報とを使うことによって、受取人に応じた最適な印字又は送信ファイルの生成が可能となる。例えば、同じ属性情報の指定領域に対しても、受取人が異なれば、違う印字又は送信ファイルの生成が可能となる。なお、MFP3は、属性情報が埋め込まれていないファイルに対しては、通常通り印刷処理や送信処理を実行すればよいだけである。
図3は図1におけるMFPの一構成例を示す機能ブロック図である。図4は、図1におけるPCで生成されMFPに送信される属性付加PDFファイル、及びそのファイルを図3のMFPでコピーした結果の例を示す図である。また、図5は図3のMFPで実行されるコピー禁止パターン埋込(付加)処理の一例を説明するためのフロー図、図6は図3のMFPで実行されるコピー処理の一例を説明するためのフロー図である。
図3で例示するMFP3は、画像読取部31、コピー禁止パターン判定部32、コピー禁止領域指示部33、画像処理部34、付加情報指示部35、付加情報発生部36、画像合成部37、印刷部38、メモリ40、画像生成部41、及び各種I/F部42を備え、さらにそれらを制御するCPU等でなる主制御部39を備える。このうち、特定情報付加手段30は、主制御部39、付加情報発生部36、及び画像合成部37で例示している。また、上述の判定手段は主制御部39及び付加情報指示部35で、上述の受取人情報記憶手段は主制御部39及びメモリ40で、それぞれ例示している。
MFP3が、図4で例示するような属性付加PDFファイル10をPC2から取得するものとして、図3〜図5を参照しながらコピー禁止パターン等の特定情報の埋込処理について説明する。各種I/F部42として、ネットワークアダプタ等の通信I/Fを具備することでPC2から直接データを受信することができる。なお、可搬メモリ等の記録媒体からデータを読み出すI/Fを具備することで記録媒体からデータを受信することもできる。
まず、主制御部39が、各種I/F部42からPC2で作成した属性付加PDFファイル10を読み出す(ステップS11)。このファイルは複数のエリアが指定されており、各々のエリア1〜4には属性情報が付随されている。ネットワーク経由で送信された属性付加PDFファイルは、各種I/F部42を経て、文字や画像のデータについては主制御部39を経由して画像生成部41へ、属性情報については主制御部39を経由して付加情報指示部35へ送られる。また、画像生成部41は、文字や画像のデータから印刷用画像データを生成し、画像合成部37へ渡す。
続いて、送信先の指定をユーザに要求し、メモリ40に格納された受取人情報のうちMFP3のユーザによって指定された送信先(受取人)に関する受取人情報を読み込む(ステップS12)。例えば、ユーザから指定された送付メールアドレス(又はFAX番号)に対応した受取人情報を読み込む。送信メールアドレスやFAX番号をMFP3に登録するときに、受取人情報も登録しておくとよい。なお、情報入手を希望するカテゴリは受取人側から登録可能とする。また、印刷部38で印刷させる場合にも、受取人を指定し、対応する受取人情報を読み込むとよい。
また、ステップS11,S12の代わりに次の手順を採用してもよい。PC2から属性情報付きのPDFである属性付加PDFファイルが送られ、図示しないHDD等に格納した状態で、MFP3のユーザがこのファイルを1又は複数の送信先(受取人)に送る操作を行うことで、その対象のファイルを主制御部39が読み出す制御を行う(ステップS11)。ステップS11の前後に、操作された送信先の受取人情報も読み出す(ステップS12)。
ステップS12に続き、主制御部39は、エリアのカウントnを初期値1に設定し(ステップS13)、後述のステップS14〜S16の処理を実行し、最後のエリアであるか否かを判定する(ステップS17)。最後のエリアでなければnをインクリメントし(ステップS18)、ステップS14に戻ってステップS14〜S16の処理を最後のエリアになるまで繰り返す。属性付加PDFファイル10の例では、n=4となるまで繰り返される。
属性付加PDFファイル10を受取人に対して印刷又は送信する際に実行される、ステップS14〜S16の処理を説明する。主制御部39は、印刷又は送信する属性付加PDFファイル10の埋込先の指定領域(エリア)毎の属性情報を読み取り(ステップS14)、ステップS12で読み出した受取人情報とそれぞれ比較して、コピー禁止パターン等の特定情報(付加情報ともいう)を付加するか否か、並びに付加する特定情報の種類(レベル)を判定し、特定情報を付加する部分を付加情報指示部35に設定する(ステップS15)。付加するコピー禁止パターン等の種類(レベル)については後述する。なお、付加する特定情報が予め決定されているシステムでは種類まで判定する必要はない。
次に、付加情報指示部35は、付加情報発生部36へ付加情報発生に必要なデータや制御信号を送り、付加情報指示部35での特定された部分に対し、付加情報発生部36でコピー禁止パターン等の特定情報を発生させ、それを画像合成部37へ送る(ステップS16)。ステップS16では、さらに、画像合成部37が、この特定情報と画像生成部41からの印刷用画像データとを合成することで、特定情報の付加処理を終了する。付加情報発生部36及び画像合成部37で例示する特定情報付加手段30は、このようにして、付加情報指示部35での判定結果に従って属性付加PDFファイルに特定情報の付加を行う。
そして、印刷する場合、画像合成部37は合成データを印刷部38に送って印刷を実行させる。これによりPC2のユーザが望むような、例えば図4の画像11〜14のごとく受取人に応じて異なる領域に特定情報が付加された印刷物が出力できる。MFP3のユーザは、各受取人に対しその人用の印刷物をそれぞれ配布すればよい。
一方、各種ネットワーク経由で、ファイル転送、インターネットFAX(ファクシミリ)送信、インターネットプロトコル(IP)を用いたFAXでの送信、電話回線でのFAX送信などを行う場合、画像合成部37は合成データを各種I/F部42へ送る。このとき各種I/F部42中のI/F(送信先)に応じて、換言すると合成データの外部への送信方式に応じて、必要なフォーマット化を行ってから、各種I/F部42を経由して合成データの送信がなされる。これによりPC2のユーザが望むような、例えば図4の画像11〜14のごとく受取人に応じて異なる領域に特定情報が付加されたPDFファイルが送信できる。なお、MFP3において合成データをファイルとして送信する場合には、一度画像データに変換しているため、元々埋め込まれていた属性情報自体はそのファイル(ここではPDFファイル)から無くなることとなる。
このように、予め情報発信者(送信者)は、議事録等資料作成に際してPC2を操作して任意の領域に対して属性情報を設定しておく。そして、MFP3において、配布時に受取人情報とその作成資料に埋め込まれた属性情報に基づき受取人毎に適した部分に特定情報の付加を行い配信する。受取人側は、それぞれに適した部分だけに特定情報の付加された情報を受け取ることができる。例えば、議事録のPDFファイルを印字するときに、予め機密情報を含んだ領域を指定領域として選んでおき(属性情報を埋め込んでおき)、受取人情報に応じてコピー禁止情報を付加して印字することもできる。
ここで、付加する特定情報の種類について説明する。この種類には、コピーを制限するためのコピー制限情報、特定色の画像を生成するためのパターン情報、間引き画像を生成するためのパターン情報(画像データの間引き情報や色の間引き情報)、のいずれかを少なくとも含むことが好ましい。このような付加する特定情報の種類まで判定することにより、指定領域毎に設定された機密情報の種類や機密のレベルによって、最適な印字ができる。特定色としては元の画像を上書きして消去できる白色が好ましいが、元のPDFファイルの対応する指定領域に上書きされるため、他の色であってもよい。
さらに、付加する特定情報には複数のレベルを持たせることが好ましい。上述の種類をこのレベルに対応させればよく、種類の判定時に属性情報と受取人情報とからどのレベル(どの種類)の特定情報を付加するかを判定すればよい。例えば、或る指定領域の情報を何も閲覧させたくない受取人には、白データを上書きするような判定を行ってその部分を消去し、粗い状態で閲覧させてよい受取人には所定のパターン情報を上書きするような判定を行って、その部分のデータを見え難くする。このように特定情報のレベルとしては、PDFファイルの印刷物又は送信ファイルそのものを見え難くするレベルと、消去するレベルと、PDFファイルの画像にはほとんど影響を与えない小ささの規則的に配列した点群などにより印刷物又は送信ファイルのコピーを制限するレベルなどが採用できる。
以上、本発明によれば、同じファイルに対し、受取人に応じて特定情報の付加/非付加を分けて画像形成させることや、受取人に応じて異なる特定情報付加状態で画像形成させることが可能となる。受取人に応じて異なる特定情報付加状態とは、特定情報自体を受取人に応じて異ならしめた状態や、特定情報を付加する領域を受取人に応じて異ならしめた状態も含む。例えば、議事録等の資料を頁単位ではなく、細分化して任意の領域毎に属性情報が付されているため、その資料を受け取る受取人毎に最適な部分だけにコピー制限をかけた資料を配布することができる。このように配布された資料は、受取人がコピーする場合に、それぞれの受取人に適した部分だけにコピー制限が働き、コピー制限不要な部分はきれいなままコピーができる。このように、MFP3に登録された受取人情報に応じて指定領域毎に画像データにコピー制限パターンを付加することで、無駄な画像データの不正コピー防止処理を無くすことができる。
また、特定情報を一種類だけ使用する場合には特に、上述のコピー制限情報、すなわち印刷実行時等にコピーを制限するための情報を採用することが好ましい。コピー制限としては、コピー禁止、或いは「コピー禁止」や「秘」などの文字等によるコピー牽制などが挙げられる。また、コピー禁止情報としては、特定の配列に並んだ小さな点(視認不可能なものがより好ましい)を印字するための情報であることが好ましい。
実際、機密情報がある送信ファイルは、本人がプリントアウトしてみたり、そのプリントアウトしたものを本人が信頼できる人に渡すのは差し支えないが、プリントアウトしたものをもらった人がそれをFAX送信したり、コピーしたり、スキャン送信したりすると限りなく機密が広がってしまう。また、機密情報がある印刷物は、本人がコピーするのは差し支えないが、他人にそれを手渡し、スキャン送信、FAX送信などで渡すと限りなく機密が広がってしまう。特定情報としてコピー禁止パターンを付加して原稿を守るのは、このような二次流出を防ぐためである。
例えば、特定情報がコピー禁止情報であり、図4の画像11〜14のように1又は複数のエリアにこれに基づくコピー禁止パターンが印刷された印刷物を、受取人が受け取るとする。或いはコピー禁止パターンが付加された送信ファイルを受取人が印刷して印刷物にしたとする。その受取人が、このように機密情報を含んだ領域にコピー禁止パターンが印字された印刷物(プリントサンプル)を原稿にして、再度コピー、FAX送信、スキャナ送信(Scan_to_mail)、ドキュメントファイリング等を行うこともある。
この時の処理を図3及び図6を参照して説明する。まず、受取人がMFP3のユーザとなり、画像読取部31でこの原稿の読み取り操作を行う(ステップS21)。続いて、画像読取部31がこの原稿のスキャンを開始し(ステップS22)、コピー禁止パターン判定部32がスキャンデータからコピー禁止パターンが印字されている領域があるか否かを判定する(ステップS23)。コピー禁止パターンはエリア内一面に多数付加されていることがあるため、コピー禁止パターン判定部32は、付加されているコピー禁止パターンに規定された処理を判定する。その処理とは例えば、その部分の画像を塗りつぶして見えなくする、薄くしたり、モノクロにしたりする、「処理を停止し原稿をお確かめください」などの警告を表示する、後述するように属性付加PDFファイルの送信元にコピー禁止原稿がコピーされたことを知らせるメールを送信するなどが挙げられる。このような処理は、MFP3にパターンとの対応付けを格納しておくことで実行できる。ここでは、コピー禁止パターンの印字領域に対し、原稿画像を削除するという処理を判定するものとして説明する。
その判定結果を受けたコピー禁止領域指示部33は、禁止された領域に対し、その領域の画像を印字せず削除する処理を行った後、その画像データを、画像合成部37に渡す(ステップS24)。このような処理は、原稿画像のスキャンが終わるまで(ステップS25でYESとなるまで)繰り返される。エリア毎に違うレベルのコピー禁止パターンを付加されていた場合は、各々のコピー禁止パターンの種類によって上記処理を行う。一方で、画像読取部31で読み取られた画像データは画像処理部34で各種画像処理が施されて、画像合成部37に出力される。画像合成部37ではこれらの画像データを合成し、その合成データを出力部である各種I/F部42又は印刷部38に送る(ステップS26)。各種I/F部42が出力部となる場合、実際には、例えばネットワークスキャナ、FAX、リモートPCスキャナなど送信方式に応じたI/Fが出力部となる。最終的に、禁止された領域を削除した印刷物又は画像データが出力される。
このように、議事録のPDFファイルを印字して配ることは可能であるが、その配られた議事録を原稿にして再度FAX送信、コピー、スキャン送信、ドキュメントファイリングを行うことを禁止することができ、機密情報の二次流出を防止することができる。また、二次流出の防止のために、画像データの不正コピー防止処理を無駄に実行することを無くすことができる。
また、PC2において、PDFファイルには、送信元を示す送信元情報も例えばプロパティなどで付加しておくことが好ましい。そして、MFP3は、属性付加ファイルに送信元を示す送信元情報が付加されている場合に、そのファイルが外部に送信された場合に、送信元情報に含まれる送信元に通知する通知手段を設けるとよい。この通知は、送信元情報が示す宛先に電子メールやインターネットFAX送信などで送信すればよい。このようなセキュリティ機能を有効にする場合、この送信元情報を、送信元のメールアドレスやインターネットFAX番号を登録するときに同時に登録を行うこともできる。送信元としては、PC2又はそのユーザか、或いはMFP3に届くように指定するとよい。
また、外部送信又は印刷が実行されたことは、受取人が得た送信ファイルをMFP3に記憶しておき、そのMFP3を使って送信したことが検知できる。また、受取人が得た印刷物に対しては、特にこのような通知が必要となるPDFファイルは機密性が高いものであってコピー禁止パターンを付していることが多く、またそのパターンは予め定められているため、その印刷物をスキャンしたときにそのコピー禁止パターンを検知することで、外部送信又は印刷が実行されたことが検知できる。
次に、属性情報と受取人情報の好ましい具体例を、図4、図7、及び図8を参照しながら説明する。図7は図1におけるPCでPDFファイルに付される属性情報の例を示す図、図8は図3のMFPに格納された受取人情報の例を示す図である。なお、ここでは1頁の属性付加PDFファイル10を挙げて説明するが、複数頁であっても同様にエリア別の処理が実行できる。
属性付加PDFファイル10において各エリア1〜4に埋め込まれた属性情報が次のような場合を想定する。すなわち、エリア1は高速カラーデジタル複合機(高速カラー機という)に関する機密度レベルが3(数字が大きいほど高い)で、且つ中速カラーデジタル複合機(中速カラー機という)に関する機密度レベルが3の技術情報である。この属性情報としては、図7の属性情報22で示すように、対象が高速カラー機の場合にはレベル3まで送付可能で、対象が中速カラー機の場合にはレベル3まで送付可能であるという情報が、エリア1に埋め込まれている。エリア1に対する属性情報のように、同じ指定領域で2つの機密度レベル(ここでは2種類の対象の機密度レベル)を指定しておいてもよい。また、エリア2は中速カラー機に関する機密度レベルが2、エリア3は中速モノクロデジタル複合機に関する機密度レベルが2、エリア4はデジタル複合機一般に関する機密度レベル1の技術情報であり、それに対応する属性情報がそれぞれのエリアに埋め込まれているものとする。
このような属性情報に対し、MFP3には図8(A)〜(C)のような受取人情報40a〜40cが格納されているものとする。なお、これらのうち1つ又は2つの受取人情報が格納されているだけでもよい。図8(A)で例示する受取人情報40aは、職種のカテゴリであって、受取人が送付を許可されているカテゴリ又は許可されていないカテゴリを示す情報である。前者の例としては、受取人が「技術者」の場合に高速カラー機に対する技術情報ランク1まで送付可能となっており、後者の例としては、受取人が「総務」の場合に高速カラー機に対する技術情報ランク2以上は送付不可能となっている。
同様に、図8(B)で示す受取人情報40bは、部門のカテゴリであって、受取人が送付を許可されているカテゴリ又は許可されていないカテゴリを示す情報である。図8(C)で示す受取人情報40cは、会社名のカテゴリであって、受取人が送付を許可されているカテゴリ又は許可されていないカテゴリを示す情報である。会社名としては、同業他社、中速カラー機の協力会社A、高速カラー機の協力会社Bを例示しており、協力している複合機の技術情報が送付可能となっていることが分かる。
この例では、属性情報と受取人情報40a〜40cとを比較するに際し、同じ受取人の受取人情報が複数のカテゴリをもつ場合がある。例えば、受取人Aが職種が「庶務」であり、部門が「第1技術部」である場合などには、高速カラー機の技術情報ランク1が送付不可で且つ中速カラー機の技術情報ランク1が送付不可で、さらに高速カラー機の技術ランク2が送付可能で且つ中速カラー機の技術情報が送付不可となっている。このような場合、「不可」と「可能」とでは「不可」を優先させるなどすればよい。これにより、受取人Aが部門が第1技術部でも庶務の場合、且つ図7の属性情報22のように送付可能レベルが3の場合、高速カラー機の技術情報は入手できない。また、送付可能ランクを複数所有していた場合はランクが高い方を優先すればよい。例えば、受取人Bが部門が「研究開発部」で職種が「技術者」の場合、後者が優先され高速カラー機の技術情報が全て送付可能となり、「高速カラー機のレベル3」という高速カラー機の開発者に対応したカテゴリの属性情報が埋め込まれたエリアでも入手可能となる。
図7の属性情報22のように、同じ指定領域で2種類の対象の機密度レベルを指定している場合についての判定及び特定情報付加処理について説明する。属性情報22のように、同じ機密情報であっても対象が異なる機密情報は別種類として取り扱ってもよく、この場合、「高速カラー機」と「中速カラー機」とは別カテゴリとなる。そして、受取人情報との比較時には同じ対象の機密情報に関連するカテゴリが受取人情報になかった場合には、一律、特定情報を付加するとよい(或いは付加しないとよい)。
また、MFP3と同等の別の第1MFPと第2MFPとがPC2に接続されているとする。第1MFPで設定・記憶されている受取人情報が、高速カラー機のみに対する技術情報ランクであり、且つ、第2MFPで設定・記憶されている受取人情報が、中速カラー機のみに対する技術情報ランクであるとする。この場合にも、MFP3、第1MFP、第2MFPで、同じ属性情報22が埋め込まれた属性付加PDFファイル10をPC2から得るだけで、属性情報22と各MFPの受取人情報とが比較できるため、判定及び特定情報付加処理が可能となる。
図7及び図8で説明した属性情報22及び受取人情報40a〜40cのごとき情報を比較することにより、各エリアに対して特定情報を付加するか否か、並びに付加の種類が判定でき、その結果として特定情報の付加が可能となる。
例えば、技術情報ランク1送付可能を示す受取人情報に対しては、属性付加PDFファイル10の全体(全エリア)にコピー禁止がなされ、画像11のようなコピー結果が得られる。このように全面にコピー禁止情報によるコピー禁止パターンを付加する場合でも、いくつかのパターンが採用できる。例えば、技術情報送付ランク(機密度ランク又は機密許容ランク)が低い同業他社に送付する場合では、属性付加PDFファイル10の画像そのものをわかりにくくし、機密度ランクが同業他社より高い協力会社に送付する場合は、属性付加PDFファイル10そのものの印字はできるが、印字サンプルを再コピーできないような特定配列の小さな点からなるコピー禁止パターンを付加するなど付加パターンを変えることができる。
また、機密度ランク1以下の情報を入手可能な受取人(又は部門)を示す受取人情報に対し、属性付加PDFファイル10のうちエリア1〜3にコピー禁止がなされ、画像12のように、エリア4のみが機密度レベルが1以下でありそのまま表示される。つまり、エリア4のみ、機密度レベルが低いのでコピー禁止パターンを付加せず、他のエリア1〜3は高いので付加する。
また、モノクロデジタル複合機に対しては機密度ランク2(但しこのような受取人情報の例は図示せず)、カラーデジタル複合機に関しては機密度ランク1の受取人や部門に、属性付加PDFファイル10を送信すると、属性付加PDFファイル10のうちエリア1,2にコピー禁止がなされ、画像13のような結果となる。実際、機密情報保護のために機密情報を含んだ会議の資料などは送付されないことが多いが、この例では、モノクロデジタル複合機という自分の関連のある部分の情報を入手することができる。このように、機密情報以外の部分はコピーでき、また、機密情報の部分でも興味のあるカテゴリを登録することで入手できる可能性もあり、有用である。
また、中速カラー機の技術情報が許可されている受取人に対してこの属性付加PDFファイル10を送った場合、エリア1のみが高速カラー機の技術情報であるので、属性付加PDFファイル10のうちエリア1のみにコピー禁止パターンが付加され、画像14のような結果となる。
図9は、図1におけるMFPのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図9において、5はMFP3等の画像形成装置である。画像形成装置5は、演算によって情報処理を行うCPU51を備え、CPU51には、CPU51に対するデータの入出力を行うシステムコントローラ52が接続されている。システムコントローラ52には、CPU51が行う処理に伴うデータを一時的に記憶するRAM53及びPCI(Peripheral Component Interconnect)バス50が接続されている。PCIバス50には、PCIバス50に対するデータの入出力を行うI/O(入出力)コントローラ54及びイメージコントローラ58が接続されている。
イメージコントローラ58には、原稿に記録された画像を読み取る画像読取部61と、画像データをページ単位で記憶するページメモリ57と、画像データを処理する画像処理LSI(Large Scale Integrated Circuit)59と、画像データから画像を形成して出力する画像形成部60とが接続されている。I/Oコントローラ54には、外部装置との間でデータを入出力するUSB(Universal Serial Bus)やLAN(Local Area Network)等の外部インタフェース56と、データを記憶するHDD55a,55b(1つのHDDでもよい)が接続されている。I/Oコントローラ54には、HDD55a,55bを制御するHDDコントローラ54aが含まれる。
画像形成装置5において、特定情報の付加処理、並びにコピー時にその特定情報を検出する処理は、例えばイメージコントローラ58で実行するようにしておくとよい。例えば、イメージコントローラ58内のCPU等の演算処理装置に特定情報付加処理及び検出処理を実行させるためのプログラムを、イメージコントローラ58内のROM等に格納しておき、演算処理装置がイメージコントローラ58内のRAM等にこのプログラムを読み出して実行するとよい。なお、一つの指定領域内に、コピー禁止パターンを原稿にM+N個以上付加した場合には、実際に検知するときに、その特定パターンをN個検出することでコピー禁止原稿を識別するようにすればよい。
図10は、本発明に係る画像形成装置の一例であるデジタル複合機の構成例を説明するためのブロック図で、図中、100はデジタル複合機である。デジタル複合機100は、図1のMFP3の一例であり、複写機、プリンタ装置、FAX装置、及びスキャナ装置の機能を有するものとする。
デジタル複合機100は、演算を行うCPU及び演算に伴う一時的な情報を記憶するRAM等からなる機器制御部114を備えている。機器制御部114には、デジタル複合機100を制御するための制御プログラムを記憶しているROMが含まれる。また、機器制御部114には、デジタル複合機100が行う処理を管理するための管理情報(受取人情報117a等の各種の制御情報)を記憶するメモリである管理部117が接続されている。また、機器制御部114には、記録用紙に記録された画像を読み取って画像データを生成する画像読取部111が接続される。この画像読取部111には、原稿画像を画像データとして取り込むためのCCD111aと、原稿の有無を検知する原稿検知センサ111bとが設けられる。
また、機器制御部114には、記録用紙上に画像データを形成する画像形成部113が接続される。この画像形成部113には、画像データを一時的に記憶するメモリ113aと、メモリ113aが記憶した画像データから画像を形成して記録用紙に記録する印字部(LSU)113bと、印字部113bで画像形成するための給紙用のトレイ113c,113dとが設けられる。そして、デジタル複合機100は、画像読取部111が生成した画像データをメモリ113aに一旦記憶させた後、印字部113bで画像を形成することができる。このようにして、デジタル複合機100は複写機として機能する。
また、図10で例示する機器制御部114には、FAX通信を行うFAXモデム118が接続されており、FAXモデム118は公衆回線網N3に接続されている。デジタル複合機100は、画像読取部111が生成した画像データを、FAXモデム118に接続された公衆回線網N3を介して他のFAX装置104へFAX通信にて送信することができる。また、デジタル複合機100は、公衆回線網N3を介して他のFAX装置104から送信された画像データをFAXモデム118で受信し、受信した画像データから画像形成部113で画像を形成することができる。このようにして、デジタル複合機100はFAX装置として機能する。
また、機器制御部114には、デジタル複合機100が外部と情報を送受信するための通信部(送受信手段)115が接続されている。通信部115は、社内LAN等の通信ネットワークN1に接続可能であり、通信ネットワークN1には1又は複数のPC105が接続可能である。デジタル複合機100が単独で動作している通常の状態では、通信部115は通信ネットワークN1に接続されており、通信ネットワークN1を介してPC105との間で情報を交換する。このPC105のいずれかが図1のPC2に相当し、属性付加PDFファイルの生成及びデジタル複合機100への送信が可能となっている。
デジタル複合機100は、画像読取部111が生成した画像データを通信部115からPC105へ送信することができる。このようにして、デジタル複合機100はスキャナ装置として機能する。また、デジタル複合機100は、PC105から送信された画像データを通信部115で受信し、受信した画像データから画像形成部113で画像を形成することができる。このようにして、デジタル複合機100はプリンタ装置として機能する。
通信ネットワークN1は、更にインターネット等の広域通信ネットワークN2に接続されている。通信部115は、電子メールに画像データを添付して送信するなどの方法により、広域通信ネットワークN2に接続されたインターネットFAX装置102や外部PC103との間で、通信ネットワークN1及び広域通信ネットワークN2を介して画像データを受信することができる。このようにして、デジタル複合機100はインターネットFAX装置として機能する。また、外部PC103も図1のPC2に相当するよう構成でき、広域通信ネットワークN2などを経由したとしても、属性付加PDFファイルの生成及びデジタル複合機100への送信を可能にすることができる。
また、機器制御部114には、ユーザからの操作を受け付ける操作部112が接続されている。操作部112は、ユーザの操作により制御命令などの情報が入力されるタッチパネル又はテンキー等の入力部112aと、操作のために必要な情報を表示する液晶パネル等の表示部112bとからなっている。操作部112には、このデジタル複合機100の管理者やユーザ(すなわち操作者)を認証するための認証コードが入力される。また、認証コードは、FAXモデム118や通信部115を介して外部機器から入力する場合もある。
機器制御部114には、HDD116が接続されている。HDD116は、画像読取部111が生成した画像データ等の画像処理に係る画像データを記憶する。また、機器制御部114には消去部119が接続される。消去部119は、機器制御部114による制御に従って、HDD116に記録保持されているデータを消去する。
さらに、機器制御部114には、本発明に関わる判定処理、特定情報を付加する処理及び特定情報を検出する処理を実現する画像処理部120が接続される。また、画像処理部120には、上述した判定手段に相当する判定手段120c、上述した特定情報付加手段30に相当する特定情報付加手段120b、及び特定情報の検出に関する特定情報検出手段120aを備える。
また、デジタル複合機100では、上述した認証コードでユーザを認証して、属性情報が埋め込まれた属性付加PDFファイルを読み出し可能とし、そのユーザに応じた画像形成を実行してもよい。これにより管理者などがデジタル複合機100を用いて各受取人に一斉に送信させる処理などを、実行しなくても、必要と感じる受取人自身がその属性付加PDFファイルから送信ファイル又は印刷物を取得することができる。また、このような一斉送信は、属性付加PDFファイルの受信をトリガとして、受取人情報117aを参照しながら実行してもよいし、さらに受取人情報の中の例えば特定の部門にのみ一斉送信するようにしてもよい。
特定情報付加手段120bは、特定の画像であることを意味する特定情報(特定画像情報)を画像データに対して付加する。なお、特定情報は、画像記録処理でいうと、特定の画像が記録された記録物であることを意味する情報である。
特定情報付加手段120b及び特定情報検出手段120aについて補足的に説明する。特定情報付加手段120bは、画像データに付加すべき特定情報を予め保持しておき(若しくは他のアクセス可能なメモリに保持させておき)、機器制御部114による特定情報の付加に関する制御に従って特定情報を画像データに付加し、メモリ113aに保持させる。画像処理部120で処理された画像データは、印字部113bで最終的に出力される形態の印刷データとなる。特定情報は、上述のように複写を禁止する(或いは複写禁止であることをユーザに認知させて牽制を行う)ために使用されるものであり、例えばカラー複合機であれば黄色の特定情報を視認できないように付加する。また、モノクロ複合機であれば(或いはカラー複合機であってもモノクロ出力の場合には)濃度調整した黒(グレー)を視認できないように付加する。
また、画像処理部120は、特定情報の色及び/又は数(実際には付加する領域が決まっているため密度に相当する)を設定する特定情報設定手段を備えることが好ましい。特定情報設定手段は、機器制御部114による設定制御に従って特定情報の色や数を設定しておき、特定情報付加手段120bは、画像データに付加すべき予め保持した特定情報に対し、特定情報設定手段で設定された色や数に基づいて特定情報を画像データに付加する。
上述のような構成を有するデジタル複合機100は、画像読取部111で読み取った画像データや、属性付加PDFファイルから得た送信ファイルなどに対して、印字部113bで画像形成する際に特定情報を付加する。
一方で、特定情報検出手段120aは、画像読取部111で読み取られてメモリ113aに保存された画像データに特定情報が含まれるか否かを検出する。特定情報検出手段120aでの検出結果、画像データに特定情報が含まれていれば、機器制御部114は、その画像データの複写を禁止する(画像形成部113における画像形成を無効にする)制御を行う。
このように、画像処理部120には、出力禁止手段(画像無効化手段)を備えることが好ましい。換言すると、この出力禁止手段は、特定パターン検出手段(特定情報検出手段120a)で特定パターンが検出された場合、或いは所定数以上検出された場合に入力画像の出力を禁止する手段である。すなわち、この手段により、特定情報検出手段120aで特定情報が存在すると判定されたときには、画像読取部111で読み取った画像情報を無効にすることが可能となる。
以上、図1〜図10を参照しながら、本発明のシステムについて各実施形態を説明してきたが、その処理の流れを説明したように、本発明はこのような画像形成装置及び情報処理装置を用いた画像形成方法としての形態も採り得る。具体的には、この画像形成方法は、情報処理装置で生成されたファイルを、情報処理装置から直接或いは記録媒体などを介して画像形成装置で受信し、そのファイルに対し画像形成を行う。
まず、情報処理装置が、対象のファイルに対し、ファイル中の任意指定領域に属性情報を埋め込んで属性付加ファイルとする。次に、画像形成装置が、属性付加ファイルを受取人に対して印刷又は送信する際に、埋込先の指定領域毎に、属性情報と受取人に関する予め記憶された受取人情報とを比較することで、特定情報を付加するか否かを判定する。続いて画像形成装置が、その判定結果に従って属性付加ファイルに特定情報の付加を行う。その他の応用例は、上述した通りでありその説明を省略する。
また、本発明は、MFP3で例示した画像形成装置における主制御部39及び付加情報指示部35(或いは図9のCPU51、或いは図10の機器制御部114)等を含む制御部に組み込むプログラムとしての形態や、PC2で例示した情報処理装置に組み込むプログラムとしての形態も採り得る。前者のプログラムは画像形成装置における制御部の制御プログラム(ファームウェア)を指し、後者のプログラムは情報処理装置における制御部のアプリケーションプログラム(アプリケーションソフトウェア)を指す。そして、このようなプログラムは、それを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体としての配布することやネットワーク経由で配信することができ、対応する機器に実行可能に組み込むことができる。
以上、本発明の画像形成システムが、少なくとも画像形成装置と情報処理装置とを備えていればよいとしたが、情報処理装置を画像形成装置に組み込んでも、逆に画像形成装置の受取人情報記憶手段と判定手段と付加手段とを情報処理装置に組み込んでもよい。後者の場合、印刷自体はできないが、印刷用の画像データをプリンタに送信するなどの処理は可能である。
1…大型のディスプレイ、2…PC、3…画像形成装置(MFP)、20…ファイル作成ソフトウェア、21…属性埋込プログラム、30…特定情報付加手段、31…画像読取部、32…コピー禁止パターン判定部、33…コピー禁止場所指示部、34…画像処理部、35…付加情報指示部、36…付加情報発生部、37…画像合成部、38…印刷部、39…主制御部、40…メモリ、41…画像生成部、42…各種I/F部。