JP4830063B2 - Renillareniformis蛍光タンパク質、その蛍光タンパク質をコードする核酸、および診断、ハイスループットスクリーニングおよび新規アイテムにおけるその使用 - Google Patents

Renillareniformis蛍光タンパク質、その蛍光タンパク質をコードする核酸、および診断、ハイスループットスクリーニングおよび新規アイテムにおけるその使用 Download PDF

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Description

【0001】
(関連出願)
本出願は、“Renilla reniformis蛍光タンパク質、その蛍光タンパク質をコードする核酸、および診断、ハイスループットスクリーニングおよび新規アイテム(items)におけるその使用”と題し、Bryan および Prolume, LTDにより2000年3月15日に出願された米国仮出願第60/189,691に基づく優先権を主張するものである。
【0002】
本出願は、“ルシフェラーゼ、蛍光タンパク質、ルシフェラーゼおよび蛍光タンパク質をコードする核酸および、診断、ハイスループットスクリーニングおよび新規アイテムにおけるその使用”と題し、Bruce Bryan および Christopher Szent-Gyorgyiにより1999年3月26日に出願された許可米国出願第09/277,716に関する。本願はまた、“ルシフェラーゼ、蛍光タンパク質、ルシフェラーゼおよび蛍光タンパク質をコードする核酸および、診断、ハイスループットスクリーニングおよび新規アイテムにおけるその使用”と題し、Bruce Bryan および Prolume, LTDにより出願された国際特許出願第WO99/49019に関する。
【0003】
本出願はまた、“生物発光新規アイテム”と題し、Bruce Bryanにより1996年11月25日に出願された米国出願第08/757,046であって、1999年3月2日に発行された米国特許第5,876,995の内容、および“生物発光新規アイテム”と題し、Bruce Bryanにより1996年2月6日に出願された米国出願第08/597,274の内容に関する。本出願はまた、“新生物組織または他の組織の検出および視覚化”と題し、Bruce Bryanにより1997年8月8日に出願された米国出願第08/908,909に関する。本出願はまた、“感染因子を検出および同定する装置および方法”と題し、Bruce Bryanにより1997年12月12日に出願された米国出願第08/990,103に関する。
【0004】
可能ならば、上記米国出願および特許の各々の内容はすべて、出典明示により本明細書の一部とする。
【0005】
(発明の分野)
本発明は、Renilla reniformisから単離、精製された核酸およびコードされた蛍光タンパク質ならびにその使用を提供する。
【0006】
(発明の背景)
発光は、エネルギーが分子に特異に集中して、励起状態を引き起こす現象である。低エネルギー状態へ戻るには、光子(hν)の放出が伴う。発光(luminescence)には、蛍光(fluorescence)、リン光(phosphorescence)、化学発光(chemiluminescence)および生物発光(bioluminescence)が含まれる。生物発光は、生物が他の生物に見える光を放射するプロセスである。発光は次のように表される:
A+B→X+Y
→X+hν
式中、Xは、電子的に励起された分子であり、hνはXが低エネルギー状態に戻るときの光放射を表す。発光が生物発光である場合、励起状態の発生は酵素触媒反応から誘発される。生物発光(または化学発光または他の発光)反応において放射される光の色は、励起された分子に特徴的であって、励起源および温度とは関係がない。
【0007】
生物発光の必須条件は、ルシフェラーゼの存在下において結合または遊離している分子状酸素を使用することである。ルシフェラーゼはオキシゲナーゼであり、分子状酸素の存在下で基質であるルシフェリンに作用し、基質を励起状態に変える。低エネルギーレベルへ戻ると、エネルギーは光の形態で放出される(例えば、McElroy et al. (1966) in Molecular Architecture in Cell Physiology, Hayashi et al., eds., Prentice-Hall, Inc., Englewood Cliffs, NJ, pp.63-80; Ward et al., Chapter 7 in Chemi-and Bioluminescence, Burr, ed., Marcel Dekker, Inc. NY, pp.321-358; Hastings, J.W. in (1995) Cell Physiology: Source Book, N. Sperelakis(ed.), Academic Press, pp665-681; Luminescence, Narcosis and Life in the Deep Sea, Johnson, Vantage Press, NY, see, esp. pp.50-56参照)。
【0008】
全体的には稀であるが、生物発光は陸生生物より海洋生物においてより一般的である。生物発光は30もの進化論的に異なる起源から進化し、そのため、異なる生物においては生物発光の要因となる生化学的および生理学的メカニズムが異なるような様々な方法で生物発光は見られる。生物発光種は多くの属におよび、細菌(ビブリオ種を含む原始海洋細菌)、真菌類、藻類および渦鞭毛虫類などの微生物、節足動物、軟体動物、棘皮動物および脊椎動物を含む海洋生物および環形動物の虫および昆虫を含む陸生動物までを含む。
【0009】
生物発光を使用するアッセイ
過去20年間、研究および医学界において採用される高感度の生化学アッセイは、放射性同位元素よりも発光および蛍光を使用するものが増加してきた。この変化は、部分的には放射性同位元素の処理費用の上昇により、および部分的には迅速かつ便利なアッセイ方法を発見する必要性によるものである。最近では、生細胞および全動物においてイン シトゥで生化学アッセイを行う必要性が、研究者タンパク質に基づく発光および蛍光に向けて動かしている。ATPアッセイのためにホタルルシフェラーゼ、カルシウムレポータとしてエクオリンおよびオベリン(obelin)、神経生理学的指示薬としてVargulaルシフェラーゼおよび、プロテイントレーサーおよびpH指示薬としてAequorea緑色蛍光タンパク質を使用することは、研究所における生物発光に基づく方法の可能性を示すものである。
【0010】
生物発光はまた、医学および生物工学に直接影響を与え始めている;例えば、Aequorea 緑色蛍光タンパク質(GFP)は、マウスモデルにおける細胞を標識するのに用いられたり、ハイスループットドラッグスクリーニングのレポータとして用いられたりする。Renillaルシフェラーゼは、診断基準において使用するために開発中である。
【0011】
生物発光を発生する
生物発光は、他のタイプの化学発光と同様に、生物学および医学において特異的な物質の定量に使用される。例えば、ルシフェラーゼ遺伝子は、多くの目的のために、多数のアッセイにおいてレポータ遺伝子としてクローン化され、活用されてきた。異なるルシフェラーゼは異なる特異的な必要条件を有するので、種々の物質を検出および定量するために使用され得る。市販の生物発光の用の大部分は、ホタル(Photinus pyralis)ルシフェラーゼに基づいている。最初の、そしてなお広範に使用されるアッセイの一つは、ATPの存在を検出するためのホタルルシフェラーゼの使用を含む。また、ホタルルシフェラーゼは、反応における他の物質または補助因子を検出および定量するのにも使用される。NAD(H)、NADP(H)または長鎖アルデヒドを産生または利用するいかなる反応も、直接または間接的に、細菌性ルシフェラーゼの光放射反応に結び付き得る。
【0012】
分析目的で商業的に使用される別のルシフェラーゼは、エクオリンである。精製クラゲフォトプロテインであるエクオリンは、細胞内Ca2+および種々の実験条件下でのその変化を検出および定量するのに使用される。エクオリンフォトプロテインは、比較的小さく(〜20kDa)、非毒性で、広い濃度範囲(3×10-7から10-4M)にわたりカルシウムを検出するのに適切な量で細胞に注入され得る。
【0013】
その分析における有用性のため、ルシフェラーゼおよび基質は研究され、充分に特徴付けられ、市販されている(例えば、ホタルルシフェラーゼはSigma, St. Louis, MOおよびBoehringer Mannheim Biochemicals, Indianapolis, INから入手可能であり;組換えにより産生されたホタルルシフェラーゼおよびこの遺伝子に基づいた他の試薬またはこのタンパク質とともに使用するための他の試薬はPromega Corporation, Madison, WIから入手可能であり;クラゲからのエクオリンフォトプロテインルシフェラーゼおよびRenillaからのルシフェラーゼは、Sealite Sciences, Bogart, GAから入手可能であり;これらのルシフェラーゼのための天然基質であるセレンテラジンは、Molecular Probes, Eugene, ORから入手可能である)。これらのルシフェラーゼおよび関連の試薬は、診断、品質管理、環境試験および他のこのような分析のための試薬として使用される。
【0014】
分析における試薬としてルシフェラーゼが有用であり、ハイスループットスクリーニング系における使用に可能性があるので、現在入手可能なものと比較して改良されたスペクトル特性または異なるスペクトル特性を有する様々なルシフェラーゼを同定し、単離する必要がある。これらすべての理由のため、Gaussiaおよび入手可能な様々なRenilla種など、様々な種からのルシフェラーゼを有することは好都合である。
【0015】
蛍光タンパク質
ポーター遺伝子は、目的の遺伝子と共にレシピエント細胞に同時形質移入され、形質移入および他の事象を検出する手段を提供する。蛍光タンパク質をコードするものはポーター遺伝子の中にある。本明細書に記載の生物発光を発生するは、レポータ遺伝子として使用するものの中にある。感度を上げるために、生物発光を発生するは蛍光化合物およびタンパク質、例えば天然蛍光フィコビリンタンパク質などと併用してきた。また、様々な海洋無脊椎動物に存在する蛍光タンパク質、例えば緑色蛍光タンパク質および青色蛍光タンパク質、特にAequorea victoriaの緑色蛍光タンパク質(GFP)を目的とする。
【0016】
緑色蛍光タンパク質(GFP)は、特定の生物発光腔腸動物の間でしか見られないある種類の色素タンパク質を構成する。これらの補助タンパク質は蛍光であり、酵素結合した励起状態のオキシルシフェリン(oxyluciferin)からのエネルギーを受け入れることにより、これらの生物において最終的に生物発光体として機能する(参照、例えばWard et al. (1979) J. Biol. Chem. 254:781-788; Ward et al. (1978) Photochem. Photobiol. 27:389-396; Ward et al. (1982) Biochemistry 21:4535-4540)。
【0017】
最も特徴付けされているGFPは、クラゲ種Aequorea、特にAequorea victoria (A. victoria)およびAequorea forskaleaから単離されたものである(Ward et al. (1982) Biochemistry 21:4535-4540; Prendergast et al. (1978) Biochemistry 17:3448-3453)。精製A.victoria GFPは、約27kDaの単量体タンパク質であり、395nmの最大励起波長と470nmの小さいピークを有する青い光を吸収し、約510nmの放射波長と540nm近くの最小ピークを有する緑色蛍光を放射する(Ward et al. (1979) Photochem. Photobiol. Rev 4:1-57)。このGFPには一定の限度がある。野生型GFPの最大励起は、標準的フルオレセイン検出光学の波長範囲内にない。
【0018】
緑色蛍光の検出は、いかなる外因性の基質または補助因子をも必要としない。代わりに、高レベルの蛍光は、タンパク質固有の発色団に起因する。発色団には、ポリペプチド鎖内の修飾アミノ酸残基が含まれる。例えば、A.victoria GFPの蛍光発色団は、アミノ酸残基64-69を包含するヘキサペプチド配列、FSYGVQによりコードされる。発色団は、残基Ser65およびGly67でのポリペプチドバックボーンの分子内環化および残基Tyr66のα-β結合の酸化により形成される(参照、例えばCody et al. (1993) Biochemistry 32:1212-1218; Shimomura (1978) FEBS Letters 104:220-222; Ward et al. (1989) Photochem. Photobiol. 49:62S参照)。中性pHで単離された発色団および変性したタンパク質の放射スペクトルは、天然タンパク質のスペクトルに合わず、発色団の形成が翻訳後に生じていることを示唆している(例えばCody et al. (1993) Biochemistry 32:1212-1218参照)。
【0019】
さらに、精製A. victoria GFPの結晶構造が特定された(例えばOrmoe (1996) Science 273:1392-1395参照)。タンパク質の優な構造的特徴は、修飾p-ヒドロキシベンジイマダキソリジノン発色団を含有する単一の中央α螺旋を包むほぼ完全な円柱を形成する11-鎖状βバレルである。発色団はバレル構造内の中央に位置し、バルク溶媒への露出から完全に保護されている。
【0020】
A. victoria GFPのアイソタイプをコードするDNAは単離され、そのヌクレオチド配列が特定された(例えばPrasher (1992) Gene 111:229-233参照)。A. victoria CDNAは、26,888Daの計算Mrを有する238アミノ酸ポリペプチドをコードする714ヌクレオチド読み取り枠を含有する。組換えにより発現されたA. victoria GFPは、細菌(例えばChalfie et al. (1994) Science 263:802-805; Miller et al. (1997) Gene 191:149-153参照)、イースト菌および真菌類(Fey et al. (1995) Gene 165:127-130; Straight et al. (1996) Curr. Biol. 6:1599-1608; Cormack et al. (1997) Microbiology 143: 303-311)、ショウジョウバエ属(例えばWang et al. (1994) Nature 369:400-403; Plautz (1996) Gene 173:83-87参照)、植物(Heinlein et al. (1995); Casper et al. (1996) Gene 173:69-73)、魚類(Amsterdam et al. (1995))および哺乳動物(Ikawa et al. (1995))を含む非常に様々な生物においてインビボで蛍光する能力を保持する。Aequorea GFPベクターおよび単離されたAequorea GFPタンパク質は、遺伝子発現、細胞遊走および細胞局在化、微小管の形成および機能的イオンチャネルの集合を測定するためのマーカーとして使用されてきた(例えばTerry et al. (1995) Biochem. Biophys. Res. Commun. 217:21-27; Kain et al. (1995) Biotechniques 19: 650-655参照)。しかしながら、A. victoria GFPは、分析および診断方法における使用に理想的ではない。結果として、GFP変異体は、赤色に変化する単一励起スペクトルピークを有する変異体を同定する希望をもって選択された。
【0021】
実際、このような変異体の作成において決められた目的は、A. victoria GFPをRenillaからのGFPのようにするために試みられているが、分析ツールとして使用するのにそれをさらに理想的にする特性を有する。多くの実際の適用について、Renilla GFPのスペクトルは、Aequorea GFPのスペクトルより好ましい。なぜなら、成分スペクトルが低く、広いというより高く、狭い場合、異なる発蛍光団の間の波長識別および共鳴エネルギー移動の検出が容易だからである(米国特許番号5,625,048参照)。さらに、Renilla GFPの長い波長励起ピーク(475nm)は、フルオレセインフィルターセットにほぼ理想的であり、光脱色に耐性であるが、395nmの短い波長ピークより低い振幅を有し、光脱色により敏感である(Chalfie et al. (1994) Science 263:802-805)。
【0022】
将来の開発のために蓄積されている、系統発生的多様性を有しおよび充分に調査されていない生物フォトプロテインの範囲(repertoire)が存在する。これらの理由により、様々な新規ルシフェラーゼおよび蛍光タンパク質、特にA.victoria GFPの変異体を使用するよりも利用可能なRenilla reniformis GFPを有することが望ましい。公開の国際PCT出願番号WO99/49019(また許可米国出願番号09/277,716参照)は、Renilla種由来のものを含む種々のGFPを提供する。特定の適用のためのを効果的にし、現在の方法を改善するために利用可能な種々のGFPおよびルシフェラーゼを有することも望ましい。従って、本明細書における目的は、Renilla reniformis GFPをコードする単離された核酸とそれによりコードされるタンパク質を提供することである。本明細書の目的はまた、ルシフェラーゼ、ルシフェリンを含み、Renilla reniformis GFPをも含む生物発光を発生するを提供することである。
【0023】
(発明の要旨)
本発明は、Renilla reniformis蛍光タンパク質をコードする単離の核酸を提供する。これから誘導される核酸プローブおよびプライマーも提供する。本発明は、機能的に等価の核酸、例えば、開示の分子に高緊縮条件下でハイブリダイズする核酸および高い配列同一性を有する核酸も意図する。核酸分子およびコードされるタンパク質を配列番号23-27に開示し、典型的なムテインを配列番号33に開示する。また、配列番号27に開示のタンパク質をコードする核酸分子も意図する。
【0024】
本発明は、細菌、酵母および哺乳宿主細胞を含む宿主細胞、およびRenilla reniformis緑色蛍光タンパク質(GFP)をコードする核酸の発現のためのプラスミドも提供する。ルシフェラーゼとRenilla reniformis GFPの組合せもまた提供する。
【0025】
これらの遺伝子は、ヒトおよび他の哺乳類のような選択された宿主細胞または宿主における発現を最適化するコドンで置換されて修飾され得る。スペクトル特性を変化する変異もまた意図する。
【0026】
その変異は、各コドンをアラニンのような他のアミノ酸をコードするものと置換し、得られたタンパク質のスペクトル特性における効果を決定することにより同定され得る。目的の特定領域は、スペクトル特性が変化したタンパク質を産生するために、Aequoraのような、他のGFP中で変異された対応部位を変化させたものである。
【0027】
Renilla reniformis GFPは、当業者に既知のものおよび同時継続の許可米国出願第09/277,716(また、公開された国際特許出願番号WO99/49019参照)に記載されるもののようなルシフェラーゼをコードする核酸と組合せて使用し得る。
【0028】
Renilla reniformis GFP、またはRenilla reniformis GFPおよびルシフェラーゼとの組合せを含む組成物を提供する。当該組成物は、その使用目的に応じて多数の形態の何れかとなり得る。ある実施態様において、例えば、組成物は、Gaussia ルシフェラーゼ、Gaussia ルシフェラーゼペプチドまたは Gaussia ルシフェラーゼ融合タンパク質を含み、発光新規アイテム、免疫アッセイ、FET(蛍光エネルギー移行)アッセイ、FRET(蛍光共鳴エネルギー移行)アッセイ、HTRF(同種性時間分解蛍光)アッセイでの使用のために調製され、または本明細書記載のような総合光検出剤を含むマルチウェルアッセイ装置とともに使用される。
【0029】
生物発光発生には、ルシフェラーゼに加えて、Renilla reniformis GFPまたはその変異型が含まれる。これらの組成物は、例えば、新形成組織および他の組織のインビボ検出のための診断系に関連して含まれるもの、例えば本明細書で記載のもののような種々の方法または系で使用され得る。
【0030】
Renilla reniformis GFPと新規アイテムを作成する製造品と組合せて提供する。この新規アイテムは、娯楽や気晴らし、アミューズメント用に設計され、限定でないが、次のものを含む:玩具、特に、水鉄砲、玩具のシガレット、玩具のハロウィーン卵、フットバッグ、ボード/カードゲーム;フィンガー・ペイントおよび他のペイント、粘液性物質玩具;織物、特に衣類、例えば、シャツ、帽子、スポーツ用衣服、糸、織糸;泡を作る玩具における泡、泡をつくる他の玩具;風船;小像;個人用品、例えば、化粧品、入浴剤、ボディ用のローション、ゲル、ボディ・パウダー、ボディクリーム、爪光沢剤、メーキャップ用品、練り歯磨きおよび他の歯磨き、石鹸、ボディペイント、泡立て溶剤;インクや紙などの物品;ゼラチン、アイシング、フロスティングなどの食品;ルシフェリンおよびトランスジェニック魚を含有する魚食品、特にルシフェラーゼを発現するトランスジェニック魚;ルシフェリンまたはルシフェラーゼを含有する植物食品、特にルシフェラーゼを発現するトランスジェニック植物と用いるルシフェリン;飲物、例えば、ビール、ワイン、シャンペン、ソフトドリンク、角氷および他の形状の氷;噴出物、例えば、液体花火、ジェット、スプレー、エアゾルなどの組成物(溶液、混合液、懸濁液、粉末、ペースト、粒状物などの適当な形態にある)。当該組成物は、所望により、生物発光発生を含む。当該生物発光発生は、2つの組成物:ルシフェラーゼを含む第一組成物および生物発光発生の1以上の付加成分を含む第二組成物として提供され得る。
【0031】
本発明で提供される生物発光発生系と組み合わせることができ、それにより、ロゴや商標と結びつけた宣伝用物および/または宣伝行為などのためのようなレリエーションやアトラクション用の物品の使用を含む、娯楽や気晴らし、アミューズメントを提供する製造品を意図する。このような使用は、これらの物品の通常または普通の使用に付加して、その使用と共に、またはその使用に置き換わって、なされる。組合せの結果、物品は輝くかまたは生産され、例えば、水鉄砲や噴出物の場合では液体または粒状物の輝く流体またはスプレーを作り出す。新規物品の新規性はその生物発光に由来する。
【0032】
GFP
Renilla reniformis 由来の GFP をコードする単離核酸を提供する。さらに、生物発光発生成分および緑色蛍光タンパク質( GFP)をコードする単離および精製された核酸を提供する(配列番号23-27参照)。特に、Renilla reniformis 緑色蛍光タンパク質(GFP)をコードする核酸分子および核酸プローブおよびそれらから得られるプライマーを提供する。Renilla reniformis GFPをコードする核酸分子を提供する(配列番号23-26参照)。
【0033】
配列番号23-26の何れか由来の14、16、30、100またはそれ以上の連続ヌクレオチドを含む核酸プローブおよびプライマーを提供する。核酸プローブは、必要ならば、検出のため、少なくとも約14、好ましくは少なくとも16、または必要ならば20または30またはそれ以上の、Renilla reniformis GFPをコードするヌクレオチドの配列の連続ヌクレオチドを含めて標識され得る。
【0034】
Renilla reniformisのGFPをコードするDNAの単離およびクローニングのためプローブを使用する方法も提供する。Renilla reniformis GFPをコードするDNAを含むベクターもまた提供する。特に、Renilla reniformisをコードするDNA含む発現ベクターまたはRenilla reniformisの構成的または誘導性発現を可能にするプロモーターエレメントと実施可能なように連結されている発現ベクターを提供する。
【0035】
当該ベクターは、広範囲の宿主細胞中でRenilla reniformis GFPを発現し得る。プロモーターエレメント、およびRenilla reniformis GFPをコードするDNAの上流または下流に位置するマルチクローニングサイトを含む、キメラRenilla reniformis GFP/ルシフェラーゼ融合タンパク質および/または多シストロン性mRNAを生ずるベクターも提供する。
【0036】
Renilla reniformis GFPをコードする異種性核酸を含む組換え細胞も提供する。精製Renilla reniformis GFPペプチドおよびRenilla reniformis GFPおよびGFPペプチド単独または少なくとも1つのRenillaルシフェラーゼのような生物発光発生系の成分と組合せて含む組成物を提供する。Renilla GFPおよびGFPペプチド組成物を使用して、例えば、新規アイテムの蛍光発光を提供できまたは腫瘍性組織およびその他の組織の検や視覚化をするための、マルチウェルアッセイ装置を用いる同種性免疫アッセイのような免疫アッセイおよびインビトロ蛍光に基づくスクリーニングアッセイ使用した感染性製剤の検出のための方法に使用でき、または上記方法の何れかを行うためのキットにおいて使用できる。特に、これらのタンパク質は、FP(蛍光極性化)アッセイ、FET(蛍光エネルギー移行)アッセイ、FRET(蛍光共鳴エネルギー移行)アッセイ、HTRF(均質時間分解蛍光)アッセイ、さらにBRETアッセイおよび本明細書で提供するセンサーで使用され得る。
【0037】
FET、FRET、FP、HTRF アッセイなどの非放射性エネルギー移行反応は、供与発光標識と受容標識との間に起きるエネルギー移行に基づく同種性発光アッセイである(例えば、Cardullo et al. (1988) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 85: 8790-8794; Peerce et al. (1986) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 83: 8092-8096; 米国特許 4,777,128、米国特許 5,162,508、米国特許 4,927,923; 米国特許 5,279,943、国際PCT出願 WO 92/01225参照)。GFPを使用する非放射性エネルギー移行反応は開発されている(国際PCT出願 WO 98/02571 および W0 97/28261参照)。本発明は、ルシフェラーゼおよびその同族GFP(またはその多量体)などのGFPおよびルシフェラーゼを融合タンパク質などで用いる非放射性エネルギー移行反応を意図する。
【0038】
本発明は、本発明の核酸と実質的な配列同一性を有する核酸を意図する。これらは、保存アミノ酸をコードするコドンの置換によりられる核酸およびまた少なくとも約80%、好ましくは90-95%の配列同一性を示す核酸である。配列同一性とは、製造業者が提供するような、デフォルトのギャップ・ペナルティおよび他のデフォルトを有する標準法を用いて測定した同一性である。
【0039】
この核酸は、ルシフェラーゼ/ルシフェリンおよび GFP が利用されるすべての分野において好都合な適用があるルシフェラーゼおよびGFPをつくる機会をもたらす。この核酸は、保存領域に対応する本明細書記載のプローブを使用して、GFPおよび他、特にRenilla 種からの GFP をつくるのに用い得る。これらの GFP は、ルシフェラーゼ/ルシフェリンおよび GFP が利用されるすべての分野において好都合な適用がある。例えば、GFP は、生物発光発生のアウトプット信号を増幅する手段を提供する。Renilla GFP は、青色光(および約498nm)に単一励起吸収ピークおよび約510nm(540近辺に小さい肩を有うする)に顕著な単一放射ピークを有する。このスペクトルは、GFPが青色光を吸収し、緑色光に効率的に変える手段を提供する。その結果、アウトプットが増幅する。AequoreaやRenilla、Vargula(Cypridina)などの青色光を出す生物発光発生と共に用いると、診断適用を含む任意の適用のためのアウトプット信号が増幅される。さらに、この緑色光は、蛍光極性化アッセイ、FET(蛍光エネルギー移行)アッセイ、FRET(蛍光共鳴エネルギー移行)アッセイ、HTRF(均質時間分解蛍光)アッセイなどの蛍光によるアッセイにおいてエネルギー供与体として働く。本明細書では、BRET(エネルギーがルシフェラーゼの生物発光発生反応から蛍光タンパク質に移行される生物発光共鳴エネルギー移行アッセイ)とぶ特定のアッセイを提供する。
【0040】
FET、FRET、FP、HTRF アッセイなどの非放射性エネルギー移行反応は、供与発光標識と受容標識との間に起きるエネルギー移行に基づく均質発光アッセイである(例えば、Cardullo et al. (1988) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 85: 8790-8794; Peerce et al. (1986) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 83: 8092-8096; 米国特許 4,777,128、米国特許 5,162,508、米国特許 4,927,923; 米国特許 5,279,943、および国際PCT出願 WO 92/01225参照)。GFPを使用する非放射性エネルギー移行反応は開発されている(国際PCT出願 WO 98/02571 および W0 97/28261参照)。
【0041】
本発明は、GFPの変異誘発を含む。特に、赤色シフト励起および放射スペクトルを有する修飾GFPをもたらす変異誘発を含む。得た系は、非変異誘発形に比べて高いアウトプットを有する。これらの GFP の選択は、変更スペクトルのあるGFPについてのランダム変異誘発および選択によって、またはGFPの発色団領域の選択的変異誘発によってできる。
【0042】
DNAは直鎖状DNA分子(フラグメント)として導入され得るか、コーディングDNAの安定または一過性発現のための発現ベクターに導入され得る。ある実施態様において、Renilla GFPをコードするDNAまたはRNAを含む細胞はまた、組換え体Renilla GFPまたはポリペプチドを発現する。好ましくは、細胞の選択を、蛍光能を保持し、宿主に毒性のない機能的GFPを発現するように行う。ある実施態様において、細胞は、生物発光発生の成分、好ましくはフォトプロテインやルシフェラーゼをコードする異種性核酸も含み得る。好ましい実施態様において、生物発光発生成分をコードする核酸は、Aequorea、Vargula、Pleuromamma、Ptilosarcusma または Renilla種 から単離する。さらに好ましい実施態様において、生物発光発生成分は、配列番号18に開示のアミノ酸配列を含むRenilla reniformisルシフェラーゼまたはmulleriまたは配列番号28に開示のPleuromammaルシフェラーゼ、または配列番号19に開示のGaussiaルシフェラーゼである。
【0043】
本発明の GFP は、適当な生物発光発生と組み合せて使用できるが、好ましくは、Renilla または Aequorea、Pleuromamma または Gaussia のルシフェラーゼと組合せて使用する。
【0044】
精製Renilla GFP、特にRenilla reniformis GFPペプチドを提供する。現在、本明細書の組成物での使用に好ましいRenilla GFPは、上記または配列表で開示のアミノ酸を含むRenilla reniformis GFPである。
【0045】
Renilla GFPをコードする核酸、特にDNAとルシフェラーゼをコードするDNAとの融合もまた本明細書で提供する。
【0046】
当該細胞は、機能的なルシフェラーゼおよび/またはGFPを発現し、それは、本発明に記載のような、細胞を基にしたアッセイおよびスクリーニング法において単独か、または生物発光発生と組み合わせて使用し得る。
【0047】
現在、GFPおよびルシフェラーゼの発現に好ましい宿主細胞は、細菌、酵母、真菌、植物細胞、昆虫細胞および動物細胞である。
【0048】
ルシフェラーゼおよびGFPまたはそれらを発現する細胞はまた、細菌汚染をスクリーニングする方法および金属汚染をスクリーニングする方法に使用し得る。細菌汚染をスクリーニングするためには、ルシフェラーゼおよび/またはGFPを発現する細菌細胞を、オートクレーブ中か、または試験を目的とする他のエリアに置く。当該エリアの処置または使用の後、当該エリアを光る細菌の存在について試験する。その細菌の存在は、他の細菌の死滅失敗を示す。発現が、特定重金属または汚染に依存するに連結するならば、重金属および他の環境汚染のスクリーニングもまた、本明細書で提供される核酸を含む細胞を用い行われ得る。
【0049】
本明細書で提供するおよび細胞は、ハイスループットスクリーニングプロトコール、細胞内アッセイ、医療診断アッセイ、上水道中の細菌の追跡のような環境試験に、病院のオートクレーブ、食物および産業オートクレーブを試験するために胞子に関して、重金属を検出する酵素と組合せて使用し得る。当該を含む非病原性細菌は、動物性産物および肉の細菌汚染を検出するため、動物の食物中に含まれ得る。
【0050】
Renilla GFPを含む組成物を提供する。当該組成物は、その使用の目的方法に依存して、任意の多数の形態をとり得る。特定の実施態様では、例えば、当該組成物は、Renilla GFPまたはGFPペプチド、好ましくは、Renilla mulleri GFPまたはRenilla reniformis GFPペプチドを含み、発光新規アイテム、免疫アッセイ、FET(蛍光エネルギー移行)アッセイ、FRET(蛍光共鳴エネルギー移行)アッセイ、HTRF(同種性時間分解蛍光)アッセイにおける使用のために調製され、または本明細書記載のような総合光検出剤を含有するマルチウェルアッセイ装置と組合せて使用される。他の例では、GFPは、飲料、食物または化粧に使用される。
【0051】
Renilla reniformis GFPまたはGFPペプチドを含む組成物、および生物発光発生の少なくとも1つの成分、好ましくはルシフェラーゼやルシフェリン、あるいはルシフェラーゼおよびルシフェリンを含む組成物を提供する。好ましい実施態様において、ルシフェラーゼ/ルシフェリン生物発光発生は、以下のものから単離した系から選択する:昆虫系、腔腸動物系、クラゲ系、細菌系、軟体動物系、甲殻類動物系、魚類系、環形動物系およびミミズ系である。生物発光発生は、Renilla、AequoreaおよびVargula、GaussiaおよびPleuromammaからの単離した系を含む。
【0052】
本発明は、Renilla mulleri GFPまたはPtilosarcus GFPあるいはそれらの混合物を含有する第1組成物と、生物発光発生を含有する第2組成物を含み、無生物による新規物品製造に使用される組成物の組合わせを提供する。これらの新規物品は製品として、気晴らしやアミューズメント、娯楽用に設計され、限定ではないが、次の物品を含む:玩具、特に水鉄砲、玩具のシガレット、玩具のハロウィーン卵、フットバッグ、ボード/カードゲーム;フィンガー・ペイントおよび他のペイント、粘液性玩具;織物、特に衣類、例えば、シャツ、帽子、スポーツ用衣服、糸、織糸;泡を作る玩具における泡および泡をつくる他の玩具、風船;小像;個人用品、例えば、入浴剤、ボディ用のローション、ゲル、パウダーおよびクリーム、爪光沢剤、メーキャップ用品を含む化粧品、練り歯磨きおよび他の歯磨き、石鹸、化粧品、ボディペイント、泡立て溶剤および非合成泡立て溶剤、特に、アルブミンその他の無毒性タンパク質を原料とする泡立て溶剤疑似餌および光るトランスジェニック蠕虫、特に、これらは、蛍光タンパク質および/または生物発光発生組成物含有の架橋ポリアクリルアミドであり、水中で発光する;インクや紙などの物品;ゼラチン、アイシング、フロスティングなどの食品;ルシフェリンおよびトランスジェニック魚のようなトランスジェニック動物を含む釣りエサ、ルシフェラーゼおよび/またはRenilla reniformis GFPを発現する、蠕虫、サル、齧歯類、有蹄類、ヒツジ、反芻動物および他のもの;Renilla reniformis GFPを発現し、釣りエサとして使用するトランスジェニック蠕虫;ルシフェリンまたはルシフェラーゼを含有する植物食品、好ましくは、ルシフェラーゼおよびRenilla reniformis GFPを発現するトランスジェニック植物と共に用いるルシフェリン、Renilla reniformis GFPを発現するトランスジェニック植物、特にラン、バラおよび他の装飾用花のような鑑賞用植物;Renilla reniformis GFPが他の遺伝子の導入を追跡するためのマーカーであるトランスジェニック植物および動物;および飲み物、例えば、ビール、ワイン、シャンペン、ソフトドリンク、角氷および立体状などの形態のアイス;噴出物、例えば、液体花火、ジェット、スプレー、エアゾルなどの組成物(これらは溶液、混合液、懸濁液、粉末、ペースト、粒状物などの適当な形態を呈する)。
【0053】
本発明で提供された生物発光発生系およびRenilla reniformis GFPと共に、またはRenilla reniformis GFPのみと組み合わせることができ、それにより、ロゴや商標と結びつけた宣伝用物品および/または宣伝行為などのレクリエーションやアトラクション用のアイテムの使用を含む、娯楽や気晴らしおよび/またはアミューズメントを提供する製造品を意図する。それらの用途は、そのような物品の通常の用途に対して追加的、関連的、あるいは代替的使用といえる。組合わせの結果、アイテムは、例えば、水鉄砲や噴出物の場合のように、液体や粒状物の輝く流体またはスプレーを作り出す。
【0054】
本発明は、本発明が提供するRenilla reniformis GFPおよび/またはRenilla reniformisもしくはmulleriルシフェラーゼ含有組成物、あるいはその他のルシフェラーゼおよび/またはGFP含有組成物を使用して、組織をインビボまたはインシトゥで検出や視覚化する方法を提供する。例えば、インシトゥ組織視覚化にあたって、生物発光に依存する診断系に関連して、Renilla reniformis GFPタンパク質を使用できる。この系は、例えば非侵襲および侵襲工程において、腫瘍性組織および特殊組織の視覚化や検出のために特に有用である。この系には、標的の薬剤に結合した組織特異的、殊に腫瘍特異的ターゲッティング剤、Renilla reniformis GFP、ルシフェラーゼまたはルシフェリンを含む共役体含有の組成物が含まれる。この系にはまた、生物発光発生反応物の残余成分および/またはRenilla reniformis GFPを含有する第2組成物も含まれる。ある実施態様において、インシトゥで提供されるか、あるいは身体または組織に存在するアクチベーターは別にして、すべての成分が単一の組成物に含まれる。
【0055】
本発明は、Gaussiaルシフェラーゼ含有組成物を使用して、組織をインビボまたはインシトゥで検出や視覚化する方法を提供する。例えば、インシトゥ組織視覚化にあたって、生物発光に依存する診断系に関連して、GaussiaルシフェラーゼまたはGaussiaルシフェラーゼペプチドを使用できる。この系は、例えば非侵襲および侵襲工程において、腫瘍性組織や特殊組織の視覚化および検出のために特に有用である。この系には、標的の薬剤と結合した組織特異的、殊に腫瘍特異的ターゲッティング剤、Gaussiaルシフェラーゼ、GFPまたはルシフェリンが含まれる。この系にはまた、生物発光発生反応物および/またはGaussiaルシフェラーゼの残余成分含有の第二組成物も含まれる。ある実施態様において、インシトゥで提供されるか、あるいは身体または組織に存在するアクチベーターは別にして、すべての成分が単一の組成物に含まれる。
【0056】
診断系は、とりわけ2つの組成物を含む。本発明は、好ましい実施態様において、生物発光発生反応成分、ルシフェラーゼまたはルシフェリン、好ましくはルシフェラーゼと共役する腫瘍抗原に対する抗体を含む共役体を含む第1組成物を提供する。ある実施態様において、腫瘍特異的ターゲッティング剤を含有する共役体は、ルシフェラーゼまたはルシフェリンと連結している。別の実施態様において、腫瘍特異的ターゲッティング剤は、好ましくは2以上の生物発光発生成分、好ましくは2以上のルシフェラーゼ分子と結合したマイクロキャリアと連結している。
【0057】
第二組成物は、典型的には、ルシフェリンまたはルシフェラーゼの基質である生物発光発生の残余成分を含む。ある実施態様において、それらの成分、特にルシフェリンは、血清アルブミンのようなタンパク質または他の運搬体タンパク質と連結する。運搬体および時間的放射剤形によって、全身的に投与された成分が、ルシフェリンまたはルシフェラーゼを不活性化するヘモグロビンのような血液細胞成分に妨げられずに、標的組織に到達し得る。
【0058】
本発明は、チップ法(例えば、継続中の米国特許出願 No.08/990,103参照)によって、ルシフェラーゼ/ルシフェリン生物発光発生およびGFPを使用した疾患の診断、特に感染症の診断方法を提供する。とりわけ、このチップは、生物発光発生が放射する光子を検出する統合的光検出器を含み、特に、本発明の核酸がコードするルシフェラーゼおよび/またはRenilla reniformis GFPを使用する。
【0059】
1つの実施態様において、このチップは、X-Yアレイのようなアレイを有する光検出器の集積回路を使用してる。この回路の表面を処理して、例えば、抗体のような連結分子の誘導化によりチップ意図され、適応させる診断アッセイの条件に対し表面が不活性化であるようにする。細菌抗原に特異的な抗体のような選択抗体または抗体パネルを、光検出器の上にあるチップの表面に固定する。そのチップを、サンプルと接触させた後に、Renilla GFPと連結した二次抗体、キメラ抗体-Renilla GFP融合タンパク質、あるいはルシフェラーゼまたはルシフェリンのような抗原に特異的である生物発光発生成分と連結した抗体と接触させる。生物発光発生反応の残余成分を加え、生物発光発生の成分と連結した抗体がチップ上にあれば、光が発生し、光検出器で探知される。光検出器をコンピュータに操作的に繋げ、連結抗体を同定する情報をプログラム化し、事象を記録し、それによって試験サンプル中に存在する抗原を同定する。
【0060】
本発明は、キメラ GFP融合タンパク質生成の方法を提供する。その方法には、所望の遺伝子またはその一部分をコードするDNAを、それと同一の翻訳読み枠におけるGFPコード領域をコードするDNAに連結することが含まれる。所望のコード領域は、GFPのアミノ末端またはカルボキシル末端と枠内で連結する。次いで、キメラ・タンパク質をコードする DNAを、適当な発現ベクターのプロモーター・エレメントと操作的連結で結合させる。あるいは、プロモーターエレメントを、所望の標的遺伝子、およびキメラGFPタンパク質またはRenilla reniformis GFPおよびルシフェラーゼ、好ましくはRenillaルシフェラーゼ、より好ましくはRenilla reniformisルシフェラーゼをコードする多シストロン性mRNAをつくるGFPコード配列の上流と連結したプロモーター含有断片から直接的に得ることができる。
【0061】
本発明は、所望の遺伝子のプロモーターエレメントの制御の下にRenilla reniformis GFPをコードする異種DNAを発現する遺伝子組換え細胞を使用して、化合物の同定方法を提供する。遺伝子組換え細胞は、Renilla reniformis GFP媒介蛍光度を測定することによって、所望のプロモーターからの転写のレベルを調節する新規の化合物またはリガンドを同定するために使用できる。キメラRenilla reniformis GFPおよびRenilla reniformisおよびルシフェラーゼをコードする多シストロン性mRNAを発現する遺伝子組換え細胞は、また、遺伝子組換え細胞の内でのGFP媒介蛍光の局所化領域の同定によって、遺伝子発現またはタンパク質トラフィッキングのモニタリング、または、標的タンパク質の細胞内局在化の決定のために使用し得る。
【0062】
本発明は、GFPおよび/またはルシフェラーゼを使用した別のアッセイを意図す。Aequora GFPおよび/または他のルシフェラーゼを採用して当業者に使用される既知の任意のアッセイまたは診断方法も意図する。
【0063】
本発明は、本明細書中で記述している方法も含む方法で使用されるGFP含有するキットを提供する。1つの実施態様において、製造品および生物発光を生成させるような適当な試薬を含むキットを提供する。本発明は、ルシフェラーゼ、ルシフェリンおよびGFPを含む、好ましくは中程度のpH(5〜8の間)および生物発光発生試薬を含有する石鹸組成物などを含有するキットを提供する。これらのキットは、例えば、泡を吹いたり、泡を作り出す玩具に使用できる。これらのキットはまた、詰換えあるいは交換用カートリッジを備え、または食物といっしょに使用できる。
【0064】
別の実施態様において、これらのキットは、腫瘍性組織およびその他の組織の検定や視覚化に使用され、第1組成物として、GFPおよび生物発光発生の少なくとも1つの成分を有し、第2組成物として、生物発光発生の残余成分および必要な活性化剤をすべて有する。
【0065】
かくして、これらのキットは、典型的に2つの組成物を含む。すなわち、第1組成物として、全身的投与(または、ある実施態様においては、局所的または皮膚的適用)のための GFPを含み、第2組成物として、生物発光発生の成分または残余成分を含み、適にしたがって、全身的、局所的または皮膚的投与用に調整される。投与に関する説明も含む。
【0066】
別の実施態様において、このキットは、マルチウェルアッセイ機器を用いる、疾患、特に感染疾患の検出および同定に使用され、複数のウルを有する多ウエルアッセイ機器を含む。各ウルは、1つ以上の感染因子(infection reagent)に特異的な抗体もしくは抗体パネルが付加された総合光検出器、および感染試薬に特異的な抗体などの第2抗体を含有する組成物を含む。この感染試薬は、Renilla reniformis GFP タンパク質、キメラ抗体-Renilla reniformis GFP融合タンパク質、または、F(Ab)2抗体断片-Renilla reniformis GFP融合タンパク質に連結するものである。Renilla reniformisを励起するために、RenillaまたはAequorea種のようなRenilla mulleri GFPの励起範囲内において一定の波長の光を発する生物発光発生を含む第2組成物が光を発し、それを機器の光検出器が感知し、試薬の存在を表す。
【0067】
上述の通り、本発明は、本発明が提供するルシフェラーゼおよび/または GFPをコードする核酸と別のルシフェラーゼおよびGFPとの融合を提供する。RenillaルシフェラーゼおよびRenilla GFP(またはRenilla GFPのホモ二量体あるいは別の複合体)のような一対のルシフェラーゼとGFPとをコードする融合が特に関心をひく。ルシフェラーゼとGFPとは、結合して蛍光を生じる。その発光は、ルシフェリンが存在する場合、GFPの存在しない場合のルシフェラーゼと比較して、赤色にシフトする。これらの融合は、GFPおよびルシフェラーゼがペプチドなどの標的によって連結されており、リンカーとの相互作用のすべてを検査する手段として使用できる。
【0068】
本発明は、GFPおよびルシフェラーゼのムテインを提供する。特に関心をひくのは、感熱ムテインのような、GFPおよびルシフェラーゼのムテインで、例えば、RenillaルシフェラーゼおよびRenilla GFPにおける変が臨界温度で相互作用の変異を示すような相互作用が変化したムテインである。
【0069】
本発明は、本発明が提供する核酸でコードされた任意のタンパク質と特異的に結合する抗体、ポリクローナルおよびモノクローナルの抗体も提供する。これらのポリクローナルまたはモノクローナルの抗体は、当業者に既知の標準的技法を採用して製造できる。本発明は特に、本発明が提供するルシフェラーゼまたは GFPまたはそのエピトープ含有断片の実質的に純粋な製造物でもって免疫化した動物の血清から得た免疫グロブリンまたは抗体を提供する。本発明はまた、モノクローナル抗体も提供する。生成された免疫グロブリンは、それが有するいろいろな特性のなかで、GFPまたはルシフェラーゼ、特にRenilla またはPtsilocarpus のGFPまたは Pleuromamma、GaussiaまたはRenilla mulleriのルシフェラーゼと特異的または優先的に結合し、および/または免疫沈降反応を起す力を有する。この免疫沈降反応物は生物学的サンプルまたはそのような生物学的サンプル由来の溶液中に存在し得る。
【0070】
(図面の簡単な説明)
図1は、花虫綱GFPにおける系統発生の関係を示す。
図2A-Dは、生物発光共鳴エネルギー転移(Bioluminescent Resonance Energy Transfer)(BRET)の基礎となる原理およびセンサーとしてのその使用を示す:A)単離において、ルシフェラーゼ、好ましくは花虫綱ルシフェラーゼが、セレンテラジン誘導クロモホアから青色光を放射する;B)単離において、ルシフェラーゼに結合するGFP、好ましくは花虫綱GFP(青-緑色の光で励起される)は、その組み入れられたペプチドに基づくフルオロホアから緑色光を放射する;C)ルシフェラーゼとGFPがインビボまたはインビトロで複合体として結合するとき、ルシフェラーゼが反応エネルギーをGFPフルオロホアに非放射活性的に転移させ、次いで緑色光を放射する;D)ルシフェラーゼ-GFP複合体を崩壊する任意の分子相互作用は、緑色光から青色光へのスペクトルシフトを観察することにより定量的にモニターできる。
図3は、典型的なBRETセンサー構造体を示す。
図4は、Ptilosarcus、Renilla mulleriおよびRenilla reniformis GFPのバックグラウンドへの変更フルオロホアの置換を示す(アンダーライン領域は、配列番号27 Renilla reniformis GFPのアミノ酸56-75に;配列番号16 Renilla mulleri GFPのアミノ酸59-78に;およびPtilosarcus GFPの配列番号32のアミノ酸59-78に相当する)。
図5は、結晶構造が存在する3つの花虫綱蛍光タンパク質を示す;他は、dsRed(Discosoma striata由来;このアライメントとしてdrFP583としても知られている)としてClontechから商業的に利用可能である;暗灰色のバックグラウンドは、アミノ酸保存を示し、明灰色のバックグラウンドは、シェア(shared)された物理化学特性を示す。
図6は、種々のGFPの配列を比較し、多量体化を減少する変異部位を同定している;略語は以下の通りである:Amemonia majonaはamFP486である;Zoanthus sp.はzFP506およびzFP538である;Discosoma sp. "red"はdrFP583である;Clavularia sp.はcFP484である;および花虫綱A. sulcata由来のGFPはFP595と称する。
【0071】
(発明の詳細の説明)
A.定義
B.蛍光タンパク質
1.緑および青色蛍光タンパク質
2.Renilla reniformis GFP
C.生物発光発生系および成分
1.一般的説明
a.ルシフェラーゼ
b.ルシフェリン
c.活性化物質
d.反応
2.Renilla系
3.有櫛動物系
4.エクオリン系
a.エクオリンおよび関連のフォトプロテイン
b.ルシフェリン
5.甲殻類、特にCypidina系
a.Vargulaルシフェラーゼ
(1)Cypidinaからの精製
(2)組換え方法による調製
b.Vargulaルシフェリン
c.反応
6.ホタル、コメツキムシおよび他の昆虫系を含む昆虫の生物発光発生
a.ルシフェラーゼ
b.ルシフェリン
c.反応
7.他の系
a.細菌
(1)ルシフェラーゼ
(2)ルシフェリン
(3)反応
b.渦鞭毛虫生物発光発生
D.ルシフェラーゼおよびGFPをコードする核酸の単離および同定
1.Renilla属試料の単離
2.RenillacDNA発現ライブラリーの調製
a.RNAの単離およびcDNA合成
b.cDNA発現ライブラリーの構築
3.Renilla reniformis緑色蛍光タンパク質のクローニング
4.Renilla mulleri GFPをコードするDNAの単離および同定
5.Renilla mulleriルシフェラーゼをコードするDNAの単離および同定
E.タンパク質の組換体発
1.Renillaタンパク質をコードするDNA
2.Renilla reniformisおよび他のタンパク質の組換体を産生するためのDNA構成物
3.Renillaタンパク質の組換産生ための宿主生
4.Renillaタンパク質の組換生法
5.ルシフェラーゼおよびGFPをコードする異種性核酸を発現する組換え細胞
F.組成物および結合体
1.Renilla GFP組成物
2.Renlliaのルシフェラーゼ組成物
3.コンジュゲート
a.リンカー
b.ターゲッティング剤
c.抗腫瘍抗原抗体
d.コンジュゲートの調製
4.診断において使用するための組成物の調製
a.第1の組成物:コンジュゲートの調製
b.第2の組成物
c.ターゲッティング剤と組み合反応の実施
G.組合せ
H.Renilla reniformis GFPおよびコード化核酸分子の典型的な使用
1.腫瘍および他の組織の診断法
2.疾患の断法
3.Renilla reniformis GFPとのRenilla mulleriルシフェラーゼ、PleuromammaルシフェラーゼおよびGaussiaルシフェラーゼ融合タンパク質の生成方法
4.化合物を同定するための細胞に基づくアッセイ
I.キット
J.ムテイン
1.多量体化を破壊するGFP表面の変異
2.置換フルオロホアを有する有利なGFP表面の使用
K.トランスジェニック植物および動物
L.生物発光共鳴エネルギー転移(BRET)
1.BRETに基づくセンサーの設計
2.BRETセンサー構造
3.BRETセンサーの利
【0072】
A.定義
特記しない限り、ここで用いる全ての専門的および科学的用語はこの発明の属する分野の当業者により一般的に理解されるものと同じ意味を有する。ここで参照される全ての特許および刊行物はそのままで参照文献により組み入れられている。
【0073】
ここで用いる限りでは、化学発光とは、エネルギーを分子に特異的に運んで電気的に励起させ続いて光子を放射することにより可視光線を放射するところの化学反応をいう。温度はここで運ばれるエネルギーには寄与しない。よって、化学発光は化学エネルギーの光エネルギーへの直接変換を伴う。
【0074】
ここで用いる限りでは、発光(ルミネセンス)とは、高エネルギー化学過程の励起生成物が光の放射を伴って基底状態に戻るときに生成する検出可能なEM放射線、一般的には、紫外、赤外、可視のEM放射線をいう。化学発光は化学反応に起因する発光である。生物発光は、生物分子(またはその合成物または類似体)を基質および/または酵素として用いる化学反応に起因する化学発光である。
【0075】
ここで用いる限りでは、化学発光の一つのタイプである生物発光は生物分子、特にタンパク質による光の放射をいう。生物発光の必須条件は、基質であるルシフェリンに作用するところのオキシゲナーゼであるルシフェラーゼの存在下で結合または遊離している分子状酸素である。生物発光は、分子状酸素の存在下で基質ルシフェリン(生物発光基質)に作用し、そして、その基質を励起状態に転換し、それがより低いエネルギーレベルに戻る際に光の形でエネルギーを放出するオキシゲナーゼであるところの酵素または他のタンパク質(ルシフェラーゼ)により発生される。
【0076】
ここで用いる限りでは、生物発光を生成する基質および酵素とは、各々、ルシフェリンおよびルシフェラーゼを一般名的にいう。それらの特定の種をいうときには、明確にするために、それが得られる生物体の名称に一般名用語を付けて、例えば、細菌ルシフェリンまたはホタルルシフェラーゼのように、用いる。
【0077】
ここで用いる限りでは、ルシフェラーゼとは、光放射反応を触媒するオキシゲナーゼをいう。例えば、細菌ルシフェラーゼは、光を生成する反応であるところのフラビンモノヌクレオシド(FMN)および脂肪族アルデヒドの酸化反応を触媒する。海の節足動物中に見出される他のクラスのルシフェラーゼはCypridina (Vargula)ルシフェリンの酸化反応を触媒し、そして他のクラスのルシフェラーゼはColeopteraルシフェリンの酸化反応を触媒する。
【0078】
よって、ルシフェラーゼとは、生物発光発生反応(生物発光を生成する反応)を触媒する酵素または光タンパク質をいう。ホタルおよびGaussiaおよびRenillaルシフェラーゼのようなルシフェラーゼは、触媒的に作用して生物発光発生反応の間には変化しない酵素である。ルシフェリンが非共有的に結合しているエクオリンフォトプロテインのようなルシフェラーゼフォトプロテインは、例えばルシフェリンの放出により、生物発光発生反応の間に変化する。ルシフェラーゼは、生物体またはその変異体または突然変異体、例えば、突然変異誘導により生成し、天然に存在するタンパク質と異なる耐熱性のような性質を一つまたはそれ以上有する変異体中で天然に存在するタンパク質である。ルシフェラーゼおよびその修飾された突然変異体または変異体形はよく知られている。ここでの目的のために、ルシフェラーゼというときには、フォトプロテインまたはルシフェラーゼをいう。
【0079】
よって、例えば、“Gaussiaルシフェラーゼ”というのは、Gaussia属のメンバーから単離される酵素または他の関連するとう脚類のような他の起源から得られるかまたは合成的に作成される同等の分子を意味する。これは、活性を実質的に変えない保存アミノ酸置換を持つGaussiaルシフェラーゼを包括することを意図している。適切な保存アミノ酸置換は当業者に公知であり、且つ、得られる分子の生物活性を変えることなく一般的に作成できる。当業者は、一般的には、ポリペプチドの非必須領域における単一のアミノ酸置換は生物活性を実質的に変えないことを認識している(例えば、Watson et al. Molecular Biology of the Gene, 4th Edition, 1987, The Bejacmin/Cummings Pub. Co., p. 224を参照)。
【0080】
“Renilla GFP”とは、Renilla属およびそれの突然変異体または変異体からのGFPを意味する。これは、活性、ならびに放射スペクトルおよび生物発光発生のスペクトル出力をシフトする能力のような生理的特性を実質的に変えることなく保存アミノ酸置換を持つRenilla GFPを包括することを意図している。
【0081】
そのような置換は下記の表1に表記する置換に従って行うのが好ましい。
【表1】
Figure 0004830063
他の置換もまた許容され、そして経験的にまたは公知の保存置換に従って決定され得る。
【0082】
ルシフェラーゼおよびルシフェリンならびにそれらのアクチベーターとは、生物発光を発生させる試薬または成分をいう。典型的には、これらの試薬のサブセット提供されるかまたは製造用品と結合されるであろう。この結合物に残りの試薬を接触させると生物発光が生成されるであろう。よって、ここで用いる限りでは、成分のルシフェラーゼ、ルシフェリンおよびO2、Mg2+、Ca2+の如き他の因子は、また生物発光を発生させる試薬(または試剤または成分)という。
【0083】
ここで用いる限りでは、Renilla reniformis 緑色蛍光タンパク質(GFP)とは、配列番号27のタンパク質をコードするヌクレオチド配列によりコードされる蛍光タンパク質をいうか、またはRenilla reniformis 由来の緑色蛍光タンパク質と少なくとも80%、90%または95%またはそれ以上の配列同一性を有するタンパク質をいう;または配列番号23-25の何れかに開示のヌクレオチドの配列のコーディング部分の全長に沿って、高緊縮条件下ハイブリダイズするヌクレオチド配列によりコードされるものをいう。Renilla reniformis GFPは、蛍光性があり、Renilla reniformis 中で産生されるタンパク質である。
【0084】
ここで用いる限りでは、生物発光基質とは、ルシフェラーゼおよびどれか必要なアクチベーターの存在下に酸化されて光を発生する化合物をいう。これらの基質は、ここではルシフェリンといい、生物発光発生反応において酸化を受ける基質である。これらの生物発光基質は、任意のルシフェリンまたはその類似体若しくはルシフェラーゼがそれと相互に作用して光を発生する任意の合成化合物を含む。好ましい基質は、光発生反応においてルシフェラーゼまたはタンパク質の存在下に酸化されるものである。生物発光基質は、よって、当業者がルシフェリンと認める化合物を含む。ルシフェリンは、例えば、ホタルルシフェリン、Cypridina(Vargulaとしても知られている)ルシフェリン(コエレンテラジン(coelenterazine))、細菌ルシフェリン並びにこれらの基質の合成類似体または生物発光を生ずる反応においてルシフェラーゼの存在下に酸化される他の化合物を含む。
【0085】
ここで用いる限りでは、生物発光基質に変換し得るとは、生物発光基質を生成する、酸化または還元の如き、化学反応を受けやすいことを意味する。例えば、生物発光細菌の発光生成反応は、フラビンモノヌクレオチド基(FMN)をフラビンレダクターゼ酵素により還元されたフラビンモノヌクレオチド(FMNH2)にする還元を伴う。この還元されたフラビンモノヌクレオチド(基質)はそれから酸素(アクチベーター)および細菌ルシフェラーゼと反応して中間体の過酸化フラビンを生成し、これは長鎖アルデヒドの存在下にさらに反応を受けて光を発生する。この反応に関しては、還元されたフラビンおよび長鎖アルデヒドが基質である。
【0086】
ここで用いる限りでは、生物発光発生とは、生物発光発生反応を行うために必要な一組の試薬をいう。よって、特異的なルシフェラーゼ、ルシフェリンおよび他の基質、溶媒および生物発光発生反応を終了させるために必要となるかも知れない他の試薬が生物発光発生を形成する。よって、生物発光発生とは、適当な反応条件下において、生物発光をもたらす試薬の一つのセットをいう。適当な反応条件とは、pH、塩濃度および温度の如く、生物発光発生反応を起すのに必要な条件をいう。一般的には、生物発光発生は、生物発光基質、ルシフェリン、酵素ルシフェラーゼおよびフォトプロテインを含むルシフェラーゼ、並びに一つまたはそれ以上のアクチベーターを含む。特異的生物発光発生は、それからルシフェラーゼが得られる特定の生体と対比することにより同定されるであろう;例えば、Vargula(Cypridinaとも呼ぶ) 生物発光発生(またはVargula)は、貝虫類のVargulaから単離されるかまたはこれらのルシフェラーゼから組換え手段や修飾を用いて製造するルシフェラーゼの如きVargulaルシフェラーゼを含む。このはまた、酸素の如く生物発光発生反応を終了させるのに必要な特定アクチベーターおよびルシフェラーゼが酸素の存在下に基質と反応して光を生成する当該基質も含むであろう。
【0087】
ここで供給されるルシフェラーゼは、生物発光発生に取り入れられて、そして、ここで供給されるGFPまたは他のGFPと共に適宜使用し得る。同様に、ここで供給されるGFPは公知の生物発光発生と共に使用し得る。
【0088】
ここで用いる限りでは、ここで現れる種々のアミノ酸配列で見られるアミノ酸は、よく知られた三文字または一文字の略字に従って同定する。種々のDNA分子に見られるヌクレオチドは、この技術分野で日常的に用いられる標準的な単一の文字名称をもって命名される。
【0089】
ここで用いる限りでは、蛍光タンパク質とは、蛍光を放つ能力を有する(例えば、一つの波長でエネルギーを吸収し、他の波長でエネルギーを放出する)タンパク質をいう。これらのタンパク質は、蛍光ラベルまたはマーカーとして用いることができるが更に、このようなラベルが用いられる幾らかの応用、例えば、イムノアッセイ、CRET、FRETおよびFETアッセイに、且つ、ここでBRETアッセイと名付けているアッセイに用いることができる。例えば、緑色蛍光タンパク質とは、約510nmで発光スペクトルのピークを持つポリペプチドをいう。
【0090】
ここで用いる限りでは、この用語BRET(Bioluminescence Resonance Energy Transfer)とは、非放射性のルシフェラーゼからFTへのエネルギー移動をいう。これは化学蛍光体間のエネルギー移動をいう蛍光共鳴エネルギー移動(Fluorescence Resonance Energy Transfer)とは異なる。
【0091】
ここで用いる限りでは、BRETとは、共鳴エネルギー移動のためのFP、ここではRenilla reniformis GFPとルシフェラーゼとの結合体をいう。BRETとは、ルシフェラーゼルシフェリンと反応させて光を発生させ、それが続いて非放射性にFPへと変換するのに用いられる任意の方法をいう。このエネルギーはFP、特にGFP、に移動し、これはエネルギーを集中させシフトさせて、別の波長でそれを放出する。好ましい形態においては、BRETは、生物発光発生およびRenilla reniformis GFPを含む。生物発光発生は、好ましくはRenillaである。好ましい一対はRenillaルシフェラーゼとRenilla GFPであり、これらは特異的に相互に作用する。結合における変更は、ルシフェラーゼにより生成する光の発光スペクトルの変化に反映されるであろう。その結果、この一対は外部イベントのセンサーとして機能し得る。
【0092】
ここで用いる限りでは、バイオセンサー(またはセンサー)とは、BRETを用いるインビトロまたはインビボの環境における変化を検出するために使用するBRETをいう。
【0093】
BRETに関するモジュレーターとは、他の分子との相互作用に応答して配座変化させ、それにより、BRETにおけるGFPおよびルシフェラーゼの近辺および/または配向に影響を与える分子または分子群をいう。モジュレーターには、以下に限らないが、プロテアーゼ部位、二次メッセンジャー結合部位、イオン結合分子、レセプター、オリゴマー、酵素基質、リガンド、または他のそのような結合分子が含まれる。GFPおよびルシフェラーゼがそれぞれモジュレーターに連結するならば、配座の変化は、GFPとルシフェラーゼとの特別な関係を変える。モジュレーターは、ルシフェラーゼおよびGFPの一方または両方に共有結合する単一部分(entity)であり得る;ルシフェラーゼまたはGFPの何れかにそれぞれ連結する2つに分離した部分であり得る。モジュレーター、GFPおよびルシフェラーゼは、単一融合タンパク質、または少なくとも2つの部分の融合タンパク質であり得る。構成部分(component)は、本明細書に提供するリンカーを用い、例えばチオールまたはジスルフィド連結を介し、化学的に連結し得る。GFPおよびルシフェラーゼは、直接結合またはリンカーを介して連結し得、それは、化学連結であり得る。
【0094】
ここで用いる限りでは、“厳格には触媒的でなく”とは、フォトプロテインは触媒として作用して基質の酸化を促進するが、この反応中に結合した基質は酸化され、結合した分子状酸素は使われるために、このタンパク質が反応で変化することを意味する。このようなフォトプロテインは、当業者に公知の適当な条件下で基質および分子状酸素の添加により再生される。
【0095】
ここで用いる限りでは、“核酸”とは、少なくとも2つの共有結合したヌクレオチドまたはヌクレオチド類似体サブユニットを含むポリヌクレオチドをいう。核酸は、デオキシリボ核酸(DNA)、リボ核酸(RNA)、またはDNAもしくはRNAの類似体であり得る。ヌクレオチド類似体は、商業的に利用可能であり、そのヌクレオチド類似体を含むポリヌクレオチドを調製する方法が知られている(Lin et al., (1994) Nucl. Acids Res. 22: 5220-5234; Jellinek et al., (1995) Biochemistry 34: 11363-11372; Pagratis et al., (1997) Nature Biotechnol. 15: 68-73)。核酸は、一本鎖、二本鎖、またはその混合物であり得る。ここでの目的のため、特記しない限り、核酸は二本鎖であり、またはそれは、文脈より明らかである。
【0096】
ここで用いる限りでは、二次メッセンジャーには、以下に限らないが、cAMP、cGMP、IP2およびIP3のようなイノシトールリン酸、NO(一酸化窒素)、Ca2+、セラミド;DAGおよびアラキドン酸が含まれる。
【0097】
ここで、“核酸”なる語は、デオキシリボ核酸(DNA)およびリボ核酸(RNA)、ならびにRNAまたはDNAの類似体または誘導体のような一本鎖および/または二本鎖ポリヌクレオチドをいう。また、“核酸”なる語には、ペプチド核酸(PNA)のような核酸の類似体、ホスホロチオエートDNA、および他の類似体および誘導体である。
【0098】
ここで用いる限りでは、“核酸分子”および“核酸フラグメント”なる語は、取り換えて使用される。
【0099】
ここで用いる限りでは、DNAは、cDNA、プラスミドおよび修飾ヌクレオチドおよびヌクレオチド類似体を含むDNAを含むすべての型および大きさのDNA分子を意味する。
【0100】
ここで用いる限りでは、ヌクレオチドには、ヌクレオシドモノ-、ジ-およびトリホスフェートが含まれる。ヌクレオチドはまた、以下に限らないが、ホスホロチオエートヌクレオチドおよびデアザプリンヌクレオチドのような修飾ヌクレオチドおよび他のヌクレオチド類似体を含む。
【0101】
ここで用いる限りでは、核酸プローブは、一本鎖のDNAまたはRNAであり、これは、配列番号23-25のどれかおよび本明細書に表示されている14またはそれ以上の連続した塩基(またはその補体)と同じである少なくとも14の連続した塩基、好ましくは少なくとも16の連続した塩基、典型的には約30、を含むヌクレオチド配列を有する。それからプローブを構築する好ましい領域は、5’および/または3’コーディング配列を含み、これらの配列はRenilla属の中で保存されている領域をコード化すると予測されるものである。Renilla属GFPの中で保存されている領域からのプローブは、RenillaライブラリーからGFPコード化核酸を単離するためにある。
【0102】
好ましい態様では、核酸プローブは少なくとも14のヌクレオチド、好ましくは16から30のヌクレオチドの縮重プローブである。
【0103】
好ましい態様では、核酸プローブは少なくとも14のヌクレオチド、好ましくは16から30のヌクレオチドの縮重プローブであり、それは、上記開示のRenilla reniformisのアミノ酸に基づいている。
【0104】
ここで用いる限りでは、ベクター(またはプラスミド)とは、異種のDNAをその発現または複製のどちらかのために細胞中に導入するために用いられる別個のエレメントをいう。このような伝達体の選択と使用は専門家の技能に十分含まれる。発現ベクターは、プロモーター領域の如く、そのようなDNA分子を発現させることが可能な制御配列と操作的に連結したDNAを発現することが可能であるベクターを含む。よって、発現ベクターとは、プラスミド、ファージ、組換えウイルスまたは他のベクターの如き組換えDNAまたはRNA構成物をいい、これを適当な宿主細胞に導入するとクローン化したDNAの発現をもたらす。適切な発現ベクターは当業者によく知られており、真核細胞および/または原核細胞中で複製可能であるものおよびエピソームを残すものまたは宿主細胞中に組込まれるものを含む。Gaussiaルシフェラーゼ、Renilla reniformis GFPおよびルシフェラーゼの発現のために現在好ましいプラスミドは、細菌および酵母中で発現するここで記載されているようなものである。
【0105】
ここで用いる限りでは、プロモーター領域またはプロモーターエレメントとは、それと実施可能なように連結されているDNAまたはRNAの転写を調節するDNAまたはRNAのセグメントをいう。このプロモーター領域は、RNAポリメラーゼ認識、結合および転写開始に十分な特異的配列を含む。プロモーター領域のこの部分をプロモーターという。更に、このプロモーター領域は、RNAポリメラーゼの認識、結合および転写開始のこの活性をモジュレートする配列を含む。これらの配列はシス作用性であってもよくトランス作用性ファクターに反応的であってもよい。プロモーターは、調節の本質次第で、構成的であっても調節されていてもよい。原核生物で用いるように意図された代表的なプロモーターはバクテリオファージT7およびT3プロモーター等を含む。
【0106】
ここで用いる限りでは、実施可能なように連結した(operatively linked or operatively associated)とは、DNAとプロモーター、エンハンサー、転写および翻訳の停止部位、および他のシグナル配列の如きヌクレオチドの調節およびエフェクター配列との機能的関係をいう。例えば、DNAのプロモーターへの実施可能な連結とは、DNAとプロモーターの間の物理的および機能的関係をいうが、そこではDNAの転写は、DNAを特異的に認識し、結合しそして転写するRNAポリメラーゼによりプロモーターから開始される。発現および/またはインビトロ転写を最適化するためには、転写または翻訳のどちらかのレベルにおいて発現を邪魔するか減少させる可能性のあるところの過剰な、潜在的な不適切な代わりの翻訳開始(例えば、出発)コドンまたは他の配列を除去するために、5’未翻訳部分を取り除き、加えまたは変化させることが必要になるかもしれない。その代わりに、共通のリボソーム結合部位(例えば、Kozak (1991) J. Biol. Chem. 266: 19867-19870を参照)を出発コドンの直ぐ隣の5’に挿入し、発現を強化させることができる。そのような修飾の望ましさ(必要性)は経験的に決定できる。
【0107】
ここで用いる限りでは、ルシフェラーゼのような目標試剤を目標に向けることとは、その試剤をそのような試剤に結合させることにより選択した受容体または他の細胞表面タンパク質を発現させる細胞に向けてそれを導くことを意味する。受容体または細胞表面タンパク質への結合または相互作用で、目標試剤は適当な基質および活性化試剤と反応することができるので、生物発光の光が生成しそして腫瘍性組織または細胞が非腫瘍性組織から区別される。
【0108】
ここで用いる限りでは、特定の病気を治療するための化合物の有効量は、その病気に関連した症状を改善するかまたは何らかの方法で軽減させるのに十分な量である。そのような量は、有効である限りにおいて、単回投与量として投与してもよくまたは投薬計画に従って投与してもよい。その量は病気を治療するかもしれないが、典型的には、その病気の症状を改善するために投与される。症状を望みどおりに改善するためには繰り返し投与が必要になるかもしれない。
【0109】
ここで用いる限りでは、病気を診断するための複合体の有効量は検出可能な組織に帰するであろう量である。この組織は、人間の眼よりも更に敏感な検出器の助け無しかまたは何らかの蛍光性生成物励起する光源を使用するかのどちらかにより視覚化させて検出する。
【0110】
ここで用いる限りでは、視覚化とは、正常な手術条件または、必要により、特にやや薄暗い光の下における手術の間に、眼により検出可能なことを意味する。
【0111】
ここで用いる限りでは、複合体の製薬的に許容される塩、エステルまたは他の誘導体は、当業者がそのような誘導体化に公知の方法を用いて容易に作成することができるところの、そして実質的な毒性作用無しに動物または人間に投与し得る化合物を製造するところの、且つ、どちらも製薬的に活性であるかまたは前駆薬剤であるところの全ての塩、エステルまたは誘導体を含む。
【0112】
ここで用いる限りでは、処置とは、状態、障害または疾患の症状を改善するかまたは、他の方法で、有益に変える方法を意味する。処置はここでの組成物の薬的使用もまた包括する。
【0113】
ここで用いる限りでは、特定の医薬組成物の投与によ特定の障害の症状改善とは、その組成物の投与寄与するか関与し得るところの、永久的または一時的であっても、継続しまたは一過性であっても軽減することをいう。
【0114】
ここで用いる限りでは、実質的に純粋とは、純度を評価するために当業者により使用される薄層クロマトグラフィー(TLC)、ゲル電気泳動および高速液体クロマトグラフィー(HPLC)のような標準的分析方法によって測定するときに容易に検出可能な不純物が無いように見えるように十分均一であるか、若しくは、その物質の酵素的および生物的活性の如き、物理的および化学的性質が更に精製しても検出されるほどには変化しないように十分純粋であることを意味する。実質的に化学的に純粋な化合物を製造するための化合物の精製方法は当業者に公知である。実質的に化学的に純粋な化合物は、然しながら、立体異性体または異性体の混合物であってもよい。そのような例においては、更に精製すると化合物の比活性を増加させるかも知れない。
【0115】
ここで用いる限りでは、前駆薬剤は、インビボ投与において、この化合物の生物的に、製薬的にまたは治療的に活性な形に代謝されるか、他の方法で、変換される化合物である。前駆薬剤を製造するためには、製薬的に活性な化合物を修飾してその活性な化合物が代謝過程によって再生されるようにする。前駆薬剤は、薬剤の代謝安定性または伝達特性を変えるように、副作用または毒性をマスクするように、薬剤の匂いを改善するように、若しくは、薬剤の他の特性または性質を変えるようにデザインしてもよい。インビボにおける薬動学的な過程および薬剤代謝の知識のお陰で、当業者は、一旦製薬的に活性な化合物が公知になると、その化合物の前駆薬剤をデザインすることができる(例えば、Nogrady (1985) Medicinal Chemistry A Biochemical Approach, Oxford University Press, New York, pages 388-392を参照)。
【0116】
ここで用いる限りでは、生物活性とは、化合物のインビボ活性または化合物、組成物または他の混合物のインビボ投与によってもたらされる生理的応答をいう。生物活性は、よって、そんな化合物、組成物または混合物の治療効果および製薬的活性を包括する。生物活性はそんな活性を試験するか使用するようにデザインしたインビボにおいて観察できる。よって、ここでの目的のためには、ルシフェラーゼの生物活性は、そのオキシゲナーゼ活性であり、これにより基質を酸化すると光を生成する。
【0117】
ここで用いる限りでは、目標試剤(TA)とは、結合した目標試剤、ルシフェリンまたはルシフェラーゼ、を腫瘍性の細胞または組織に向けて特異的にまたは優先的に目標を定める試剤をいう。
【0118】
ここで用いる限りでは、腫瘍抗原とは、腫瘍細胞の表面に発現するか位置する細胞表面タンパク質をいう。
【0119】
ここで用いる限りでは、腫瘍性の細胞とは、任意の型の形質変換したまたは変化した細胞を含むが、それは接触阻害の欠如および腫瘍特異的抗原の獲得などの形質変換した細胞に典型的な特性を示す。そのような細胞は白血病の細胞または腫瘍に由来する細胞を含むがこれらに限定するものではない。
【0120】
ここで用いる限りでは、腫瘍性疾患は、腫瘍性の細胞がこの病気を患っているヒトに存在する疾患である。このような病気はガンとして特徴付けられるあらゆる病気を含む。
【0121】
ここで用いる限りでは、転移性の腫瘍とは、一つの部位に局所化しない腫瘍をいう。
【0122】
ここで用いる限りでは、特殊組織とは、場所に関する情報が望まれる非腫瘍性の組織をいう。そんな組織は、例えば、子宮内膜組織、異所性妊娠、ある障および筋障害に関与する組織または病理を含む。
【0123】
ここで用いる限りでは、受容体とは、ある配位子に親和性を有する分子をいう。受容体は天然に存在するかまたは合成の分子でもよい。受容体はこの技術分野においては抗配位子としてもよい。ここで用いる限りでは、受容体および抗配位子とは互換性がある。受容体は、そのままの状態または他の種類のものとの凝集体として使用し得る。受容体は、直接的にまたは間接的に、特異的結合物質またはリンカーを経由して、共有的にまたは非共有的に、若しくは物理的接触で、結合メンバーに接着し得る。受容体の例として以下のものを含むが、これらに限定するものではない:抗体、細胞膜受容体、表面受容体および内在化受容体、特異的抗原決定因子(例えば、ウイルス、細胞または他の物質上での)と反応性のモノクローナル抗体および抗血清、薬剤、ポリヌクレオチド、核酸、ペプチド、補因子、レクチン、糖、多糖、細胞、細胞膜および細胞小器官。
【0124】
受容体およびそのような受容体を使用する適用の例として以下のものを含むが、これらに限定するものではない:
a)酵素:微生物の生存に必須な特異的輸送タンパク質または酵素で、これらは輸送抗生物質(リガンド)選択用の目標として役立つことができよう;
b)抗体:目的の抗原性エピトープに結合する抗体分子上におけるリガンド結合部位の確認が調査できる;抗原性エピトープを模擬する配列の決定は、その免疫原が一つまたはそれ以上のそんな配列に基づくワクチンの開発に至るか、若しくは、自己免疫疾患に対するような治療で有用な関連の診断薬または化合物の開発に至るであろう;
c)核酸:タンパク質またはRNAのようなリガンドの結合部位の確認;
d)触媒性ポリペプチド:高分子、好ましくはポリペプチドで、これらは一つまたはそれ以上の反応物の一つまたはそれ以上の生成物への変換を伴う化学反応を促進することを可能にする;そのようなポリペプチドは、少なくとも一つの反応物または反応中間体に対して特異的な結合部位並びに機能が結合した反応物を化学的に修飾することを可能にする結合部位に隣接した活性機能を一般的に含む(例えば、米国特許番号5,215,899を参照);
e)ホルモン受容体:高い親和性で受容体に結合するリガンドの決定はホルモン補充療法の開発に有用である;例えば、そのような受容体に結合するリガンドの確認は血圧を調節する薬剤の開発に至るであろう;並びに
f)オピエート受容体:脳中でオピエート受容体に結合するリガンドの決定はモルヒネおよび関連薬に対する低中毒性の置換薬の開発に有用である。
【0125】
ここで用いる限りでは、抗体はFab断片のような抗体断片を含み、それらは軽鎖および重鎖の可変領域から成っている。
【0126】
ここで用いる限りでは、抗体複合体とは、目標試剤が抗体であるところの複合体をいう。
【0127】
ここで用いる限りでは、抗体活性化とは活性化された抗体が生産される過程をいう。抗体は、異質二元機能性試薬のようなリンカーと反応して活性化される。
【0128】
ここで用いる限りでは、外科的対面とは、動物の体内で開腹を行う操作をいう。そのような操作は、腹腔鏡検査法および関節鏡検査操作等の慣習的な手術および診断的操作を含む。
【0129】
ここで用いる限りでは、ヒト化抗体とは、ヒトへの投与が免疫反応を引き起こさないように、アミノ酸の“ヒト”配列を含むように修飾した抗体をいう。そのような抗体の調製方法は公知である。例えば、モノクローナル抗体を発現するハイブリドーマは、非可変領域のアミノ酸構成がヒトの抗体に基づくところの抗体を発現するように組換えDNA技術によって変えられる。そのような領域を同定するコンピュータープログラムがデザインされている。
【0130】
ここで用いる限りでは、ATP、AMP、NAD+およびNADHとは、それぞれ、アデノシン三リン酸、アデノシン一リン酸、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(酸化型)およびニコチンアミドアデニンヌクレオチド(還元型)をいう。
【0131】
ここで用いる限りでは、組換えDNA方法を用いる組換え手段による生産とは、クローン化したDNAでコード化したタンパク質を発現するために分子生物学のよく知られた方法を使用することを意味する。
【0132】
ここで用いる限りでは、生成物に実質的に同一とは、関心のある性質が十分に未変化であるように十分類似していることをいい、そのために実質的に同一な生成物はこの生成物の代わりに用いることができる。
【0133】
ここで用いる限りでは、核酸の二つの配列を言うとき、同等とは、問題の二つの配列がアミノ酸または同等なタンパク質の同じ配列をコード化することを意味する。“同等”が二つのタンパク質またはペプチドを指して使われるときには、これは、二つのタンパク質またはペプチドが、タンパク質またはペプチドの活性および機能を実質的に変えない保存アミノ酸置換(例えば、上の表1を参照)だけを持つ実質的に同じアミノ酸配列を有することを意味する。“同等”が性質をいうときには、その性質が同じ程度に存在することは必要ではないが(例えば、二つのペプチドは同じタイプの酵素活性を異なる速度で表すことができる)、その活性は好ましくは実質的に同一である。“相補的”とは、二つのヌクレオチド配列を指すときには、ヌクレオチドの二つの配列が向かい合ったヌクレオチドの間で、好ましくは25%以下で、更に好ましくは15%以下で、より更に好ましくは5%以下で、最も好ましくは何も無いミスマッチをもってハイブリッド形成を可能にすることを意味する。好ましくは、二つの分子は高度な緊縮性の条件下でハイブリッド形成するであろう。
【0134】
ここで用いる限りでは、ミスマッチの百分率を決める際のハイブリッド形成の緊縮性は以下のようである:
1)高度の緊縮性:0.1×SSPE、0.1%SDS、65℃
2)中程度の緊縮性:0.2×SSPE、0.1%SDS、50℃
3)低度の緊縮性:1.0×SSPE、0.1%SDS、50℃
同等の緊縮性は代わりの緩衝剤、塩および温度を用いて実現され得ると理解される。
【0135】
“実質的に”同一または相同または同様の用語は、関連の当業者により理解される通り文脈で変わり、一般的には、少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%、更に好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%の同一性を意味する。“相同性”および“同一性”なる語は、しばしば取り換えて使用される。一般的に、配列は、最も高いオーダーのマッチが得られるようにアライメントされる(例えば、Computational Molecular Biology, Lesk, A.M., ed., Oxford University Press, New York, 1988; Biocomputing: Informatics and Genome Projects, Smith, D.W., ed., Academic Press, New York, 1993; Comuter Analysis of Sequence Data, Part I, Griffin, A.M., and Griffin, H.G., eds., Humana Press, New Jersey, 1994; Sequence Analysis in molecular Biology, von Heinje, G., Academic Press, 1987; and Sequence Analysis Primer, Gribskov, M. and Devereux, J., eds., M Stockton Press, New York, 1991; Carillo et al. (1988) SIAM J Applied Math 48: 1073)。配列同一性により、多数の保存アミノ酸は、標準的アライメントアルゴリズムプログラムにより決定され、各サプライアーにより設定されるデフォルトのギャップペナルティと共に使用される。実質的に相同性のある核酸分子は、典型的には修飾緊縮条件で、または目的核酸の長さによって高緊縮条件でハイブリダイズする。ハイブリダイズする核酸分子中のコドンの代わりに縮重コドンを含む核酸分子もまた意図する。
【0136】
任意の2つの核酸分子が、少なくとも、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%“同一”であるヌクレオチド配列を有するかは、例えば、Person et al.,(1988) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 85: 2444(他のプログラムは、GCGプログラムパッケージを含む(Deverux, J. et al., Nucleic Acid Research 12 (1): 387 (1984))のような欠陥パラメーターを用いる“FAST A”プログラム、BLASTP、BLASTN、FASTA(Atschul, S.F., J Molec Biol 215: 403 (1990); Guide to Huge Computers Martin J. Bishop, ed., Academic Press, SanDiego, 1994, およびCarillo et al.,(1988) SIAM J Applied Math 48: 1073)のような既知コンピューターアルゴリズムを用い、決定し得る。例えば、National Center for Biotechnology Information データベースのBLAST機能は、同一性の決定に使用し得る。他の商業的にまたは公に利用可能なプログラムには、DNAStar“MegAlign”プログラム(Madison, WI)およびthe University of Wisconsin Genetics Computer Group(UWG)の“Gap”プログラム(Madison WI))が含まれる。タンパク質および/または核酸分子の相同性または同一性の割合は、例えば、GAPコンピュータープログラムを用い配列情報を比較することにより決定され得る(例えば、Smith and Waterman (1981) Adv. Appl. Math. 2: 482により改定されたNeedleman et al.,(1970) J. Mol. Biol. 48: 443)。端的には、GAPプログラムは、類似する整列シンボル(aligned symbol)(すなわち、ヌクレオチドまたはアミノ酸)を、より短い2つの配列におけるシンボルの総数で割った数として類似性を決定する。GAPプログラムのデフォルトのパラメータには、(1)単一の比較マトリクス(同一の場合には値1、非同一の場合には値0を含む)およびSchwartz and Dayhoff, eds., ATLAS OF PROTEIN SEQUENCE AND STRUCTURE, National Biomedical Research Foundation, pp. 353-358(1979)により述べられているようなGribskov et al., (1986) Nucl. Acids Res. 14: 6745の加重比較マトリクス;(2)各ギャップではペナルティー3.0、および各ギャップにおける各シンボルでは更なるペナルティー0.10;および(3)エンドギャップ(end gap)ではペナルティーなしが含まれる。
【0137】
そのため、ここで用いる限りでは、“同一性”なる語は、テスト(test)と参照ポリペプチドまたはポリヌクレオチドとの比較を示す。例えば、テストポリペプチドは、任意のポリペプチドが参照ポリペプチドと90%以上の同一性を有するとして決定され得る。ここで用いる限りでは、少なくとも“90%同一である”なる用語は、参照ポリペプチドと比較した場合、90から99.99%同一であることをいう。90%以上のレベルの同一性は、例示目的としてテストと100アミノ酸の参照ポリヌクレオチドの長さを比較するという事実を示す。テストポリペプチド中の10%以上(すなわち、10から100)のアミノ酸は、参照ポリペプチドのものとは異なる。類似比較はテストと参照ポリヌクレオチドとの間で行い得る。その相違は、アミノ酸配列全長にわたりランダムに分布する点変異として表され得るか、またはそれは、許容される最大値までの変化する長さの1以上の位置でクラスターとなり得、例えば、10/100アミノ酸の相違(約90%同一性)である。相違は、核酸またはアミノ酸置換、または欠失として決定される。約85-90%を超える相同性または同一性のレベルにおいて、結果は、プログラムおよびギャップパラメーターセットとは無関係となる;その高レベルの同一性では、しばしばソフトウェアに頼ることなく容易に評価し得る。
【0138】
ここで用いる限りでは、プライマーとは、プライマー伸張産物の合成が開始され得る、2以上の、好ましくは3を超えるデオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドをいう。合成に資する実験条件には、ヌクレオシドトリホスフェートおよびDNAポリメラーゼのような多量体化および伸張用試薬、および適当な緩衝液、温度およびpHが含まれる。
【0139】
ここで用いる限りでは、組成物とは任意の混合物をいう。溶液、懸濁液、液体、粉末、ペースト、それらの水性、非水性または任意の組み合わせでもよい。
【0140】
ここで用いる限りでは、結合体とは二つの間またはより多くのアイテムの間における任意の結合をいう。
【0141】
ここで用いる限りでは、流体とは、流れることができる任意の組成物をいう。よって、流体は、半固体、ペースト、溶液、水性混合物、ゲル、ローション、クリームおよび他のそんな組成物の形にある組成物を包括する。
【0142】
受容体およびそのような受容体を使用する適用の例として以下のものを含むが、これらに限定するものではない:
a)酵素:微生物の生存に必須な特異的輸送タンパク質または酵素で、これらは輸送抗生物質(リガンド)選択用の目標として役立つことができよう;
b)抗体:目的の抗原性エピトープに結合する抗体分子上におけるリガンド-結合部位の確認が調査できる;抗原のエピトープを模擬する配列の決定は、その免疫原が一つまたはそれ以上のそんな配列に基づくワクチンの開発に至るか、若しくは、自己免疫病に対するような治療で有用な関連の診断薬または化合物の開発に至るであろう;
c)核酸:タンパク質またはRNAのようなリガンドの結合部位の確認;
d)触媒性ポリペプチド:高分子、好ましくはポリペプチド、で、これらは一つまたはそれ以上の反応物の一つまたはそれ以上の生成物への変換を伴う化学反応を促進することを可能にする;そのようなポリペプチドは、少なくとも一つの反応物または反応中間体に対して特異的な結合部位並びに機能が結合した反応物を化学的に修飾することを可能にする結合部位に隣接した活性機能を一般的に含む(例えば、米国特許番号5,215,899を参照);
e)ホルモン受容体:高い親和性で受容体に結合するリガンドの決定はホルモン補充療法の開発に有用である;例えば、そのような受容体に結合するリガンドの確認は血圧を調節する薬剤の開発に至るであろう;並びに
f)オピエート受容体:脳中でオピエート受容体に結合するリガンドの決定はモルヒネおよび関連薬に対する低中毒性の置換薬の開発に有用である。
【0143】
ここで用いる限りでは、相補的とは、相互作用するリガンド分子表面とその受容体の一緒のトポロジー的適合性または整合をいう。よって、受容体およびそのリガンドは相補的と記述することができ、更に、接触表面特性はお互いに相補的である。
【0144】
ここで用いる限りでは、リガンド-受容体対または複合体は、二つの巨大分子が分子認識を通じて結合して複合体を生成するときに形成される。
【0145】
ここで用いる限りでは、基とは、化学合成、アッセイおよび他のそんな方法のための固体担体として直接にまたは適切な誘導化の後で使用される任意のマトリクスをいう。ここでの好ましい基は、シリコン基またはシリコン化基であり、これらは、抗リガンドおよびリガンド並びに蛍光タンパク質、フィコビリンタンパク質および他の放射シフターを含む他の巨大分子との連鎖を意図して表面上で誘導化される。
【0146】
ここで用いる限りでは、マトリクスとは任意の固体または半固体または不溶性担体を言い、その上で、目的の分子、典型的には生物分子、巨大分子、有機分子または生体特異的リガンドが連結または接触される。典型的には、マトリクスは硬いかやや硬い表面を持つ基材である。多くの態様において、基の少なくとも一つの表面は実質的に平らであろうが、或る態様においては、種々の高分子に対する合成領域を、例えば、穴、浮き出し表面、エッチングした溝またはその他の位相でもって物理的に分離することが望ましいかもしれない。マトリクス材は、化学的および生物的分子の合成および分析のためのアフィニティーマトリクスまたは担体を含み、下記に限定することなく例示される:ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ナイロン、ガラス、デキストラン、キチン、砂、軽石、ポリテトラフルオロエチレン、アガロース、多糖、デントリマー、バックボール、ポリアクリルアミド、珪藻土-ポリアクリルアミド非共有性複合体、ポリスチレン-ポリアクリルアミド共有性複合体、ポリスチレン-PEG(ポリエチレングリコール)複合体、シリコン、ゴムおよび固相合成、アフィニティー分離および精製、ハイブリッド形成反応、イムノアッセイおよび他のそんな応用のための担体として使用されるその他の材料。
【0147】
ここで用いる限りでは、連結層とは、それに分子が連結されるチップ装置の表面をいう。典型的には、このチップは半導体装置で、分子を連結するために適切なようにその表面の少なくとも一部分が皮膜され、そして装置が曝されるどんな反応にも不活性である。分子は直接的にまたは間接的に表面に連結されるが、共有結合、イオン性相互作用またはどれかの他の相互作用による吸収または吸着によって連結を達成することができる。必要に応じて、この連結層は、例えば、分子を連結させるための誘導化により改造される。
【0148】
B.蛍光タンパク質
Aequorea由来GFPおよびウミシイタケRenillaのものは同じ発色団を共有し、また、エクオレア(Aequorea)GFPは395nmおよび475nmの2つの吸収ピークを有するが、Renilla GFPは、498nmの単一の吸収ピークを有し、エクオレアタンパク質の主要395nmピークよりも約5.5倍大きな単量体の消衰係数である(Ward, W. W. in Biohtminescence and Chemiluminescence (eds. DeLuca, M. A. & McElroy, W. D.) 235-242 (Academic Press, New York, 1981))。中性pHでの単離発色団および変性タンパク質のスペクトルは、何れかの天然タンパク質とも一致しない(Cody, C. W. et al. (1993) Biochemistry 32:1212-1218)。
【0149】
(1)緑および青蛍光タンパク質
本明細書に記載のように、青色の光は、Ca2+およびコエレンテラジンルシフェリンまたはその類似体の存在下、RenillaルシフェラーゼまたはAequoreaフォトプロテインを用い、生ずる。この光は、緑色蛍光タンパク質(GFP)を反応に加えるならば、緑の光に変換され得る。精製され(例えば、Prasher et al. (1992) Gene 111:229-233参照)、またクローニングされた(例えば、米国出願番号08/119,678および米国特許出願番号 08/192,274を基礎とする国際PCT出願番号WO 95/07463、それらは引用によりこの文書に加える)緑色蛍光タンパク質を、刺胞動物によるエネルギー転移アクセプターとして使用する。GFPは、ルシフェラーゼオキシルシフェリン励起状態複合体またはCa2+活性化フォトプロテインから得られるエネルギーを受けてインビトロで蛍光を発する。発色団をポリペプチドのアミノ酸残基に修飾する。最も特徴的なGFPは、Aequorea および Renilla のものである(例えば、Prasher et al. (1992) Gene 111:229-233; Hart, et al. (1979)Biochemistry 18:2204-2210参照)。例えば、Aequorea victoria由来の緑色蛍光タンパク質(GFP)は、238アミノ酸を含み、青色の光を吸収し、そして緑色の光を放射する。そのため、このタンパク質が、コエレンテラジンおよび酸素により電荷を帯びたエクオリンフォトプロテインを含む組成物中に含まれると、カルシウム存在下、緑色の光を生ずる。そのため、GFPは、生ずる生物発光の色を促進または変化させるため、エクオリンまたはRenillaルシフェラーゼまたは他の適当なルシフェラーゼを用いる、生物発光を生ずる反応に含まれ得ることが意図される
【0150】
2.Renilla reniformis GFP
精製Renilla reniformis GFPおよびそのムテインを提供する。現在、本明細書の組成物での使用に好ましいRenilla GFPは、配列番号27に開示のアミノ酸の配列を有するRenilla reniformis GFPである。Renilla GFPおよびGFPペプチドは、天然の源から単離し得るか、または配列番号23-25に開示のヌクレオチドの配列をコードするような、Renilla GFPおよび/またはGFPペプチドをコードする核酸でトランスフェクトされた原核生物または真核生物から単離され得る。
【0151】
コードする核酸分子を提供する。好ましくは、アミノ酸の配列(配列番号27)を有するタンパク質をコードするものである:
【化1】
Figure 0004830063
【0152】
および好ましくは配列番号26に開示の配列である。
【0153】
特に、以下の任意の配列を有するRenilla reniformis GFPをコードする核酸分子を提供する(配列番号23-25参照):
【化2】
Figure 0004830063
【化3】
Figure 0004830063
【化4】
Figure 0004830063
【0154】
典型的なムテインは、配列番号33に開示し、ヒト化コドンは、配列番号26に開示する。
【0155】
適度または高い緊縮条件下、特に本明細書で提供するプローブを用い、上記開示のヌクレオチドの配列にハイブリダイズするヌクレオチドの配列のコーディング部分もまた意図する。任意のRenilla reniformis種からGFPを単離するための本明細書で提供する方法において使用し得るこの核酸から得られるプローブを提供する。典型的な実施態様では、Renilla reniformis GFPをコードする核酸を提供する。この核酸は、上記開示のアミノ酸の配列をコードする。
【0156】
本明細書で提供するRenilla reniformisタンパク質を含むGFPは、青色の光により活性化され緑色の光を放出し、そのため、ルシフェラーゼ非存在下で、腫瘍診断のため(同時継続の許可米国出願第08/908,909)、新規アイテムによる外部光源と関連して(米国特許番号5,876,995、6,152,358および6,113,886)、および新規アイテムの生物発光発生系と関連して(米国特許番号5,876,995、6152,358および6,113,886)、およびバイオチップ(国際特許出願番号WO98/26277として公開された米国特許出願番号08/990,103)において使用され得る。
【0157】
Renilla reniformis GFPは、飲料、グリーティングカードおよび泡形成玩具、特に泡形成組成物または混合物を含む玩具のような、任意の新規アイテムおよび組合せにおける使用を目的とする。また特定の目的には、化粧、特に顔料(face paint)または化粧品、髪の毛の染料または髪の毛のコンディショナー、ムースまたは他の製品および皮膚クリーム中でのこれらタンパク質の使用がある。そのは、ルシフェラーゼがフォトプロテインの活性化に必要ではなく、当該タンパク質に毒性がなく、安全に皮膚、髪、目に適用でき、摂取できるため、特に興味が惹かれる。これら蛍光タンパク質がまた、生物発光を生ずるに加えて、使用され、種々の色のアレイを促進するか、または作成する。Renilla reniformis GFPをコードする核酸を発現するトランスジェニック動物および植物もまた提供する。その動物および植物には、トラスジェニック魚、例えば魚つりのルアーとして使用するトラスジェニック蠕虫;マーカー遺伝子を用いる研究用のサル類および齧歯類のようなトランスジェニック動物、および新規アイテムとしてのおよびハム、卵、トリおよび他の肉のような光る食料(glowing food)を生産するトランスジェニック動物;Renilla reniformisがマーカーであるトランスジェニック植物、ならびにまた新規アイテムであるトランスジェニック植物、好ましくは、光を発するラン、バラや他の鑑賞用の植物のような観葉植物が含まれる。
【0158】
Renilla reniformis GFPは、単独でまたは生物発光を生ずると組合せて使用され、色のアレイが作成される。それらは、例えば飲料の色が経時的に変化するか、または種々の色の層を含むため、組合せで使用される。Renilla reniformis GFPのクローニングおよび発現およびその使用を以下に記載する。
【0159】
C.生物発光発生および成分
生物発光発生およびその成分の記述を以下に示す。本明細書で提供するRenilla reniformis GFPは、多様な適用のために単独で、および適合する生物発光発生と共に使用し得る。
【0160】
生物発光発生とは生物発光を発生させるために必要で十分である成分をいう。これらはルシフェラーゼ、ルシフェリンおよび任意の必要な補因子または条件を含む。当業者に公知である実際上どんな生物発光発生でも、ここで供給される装置、、組合せおよび方法において容易に使用できるであろう。生物発光発生を選択する際に考慮すべき要素は次のものを含むがこれらに限定されない:生物発光と組み合わせて使用するターゲッティング剤;反応を行う培地;温度またはpH感受性のような成分の安定性;成分の有効期限;一定または間欠的であれ、光放射の継続性;成分の入手の容易さ;要求される光強度;光の色;および他のそのような要素。その生物発光発生は既知である(米国特許番号5,876,995、6152,358および6,113,886の記載を参照)。
【0161】
a.一般的説明
一般的には、生物発光とは、エネルギーを発生する化学反応をいい、ここでは特異的化学基質であるルシフェリンが酵素であるルシフェラーゼを触媒とする酸化反応を受ける。生物発光発生反応を維持するのは容易で、反応を継続しまたは回復するためには、消費したルシフェリンまたは他の基質または補因子または他のタンパク質を補充することが単に必要である。生物発光発生反応は当業者によく知られていて、どんなそのような反応もここに記述する製造物品と組み合わせて使用し易くすることができる。
【0162】
生物発光発生の生物体および供給源は数多くあって、生物発光を現わす幾らかの代表的な属および種を以下の表に表示する(部分的にHastings in (1995) Cell Physiology: Source Book, N. Sperelakis (ed.). Academic Press, pp 665-681から転記):
【表2】
Figure 0004830063
【表3】
Figure 0004830063
【表4】
Figure 0004830063
【0163】
ここでの使用を意図する他の生物発光生物体はGonadostomias、Gaussia(とう脚類)、Watensia、Halisturia、吸血イカ、Glyphus、ハダカイワシ(魚)、Vinciguerria、Howella、Florenciella、Chaudiodus、Melanocostusおよびウミエラである。
【0164】
生物発光発生は上の表にあるものの如き天然起源から単離してもよくまたは合成的に製造してもよいと理解される。これに加えて、ここで使用するためには、これらの成分は、適当な反応条件下において、これらの混合物が外科的操作の間に細胞および組織が目視できるように光を生成するに足るだけの純度であればよい。
【0165】
よって、幾らかの態様においては、粗抽出物または単に生物体をすり潰すだけでも適切なこともあり得る。一般的には、しかし、実質的に純粋な成分が使用される。又、成分は天然起源から単離されてはいない合成成分であってもよい。DNAをコード化するルシフェラーゼが入手可能であり(例えば、配列番号1-13を参照)、且つ修飾されていて (例えば、配列番号3および10-13を参照)、そして合成で代替の基質が創られている。ここでリストされたDNAは、入手可能なDNAをコード化するルシフェラーゼを単に代表するにすぎない。
【0166】
表2やここの何処かに表示されまたは当業者に公知である生物発光発生は、合成であれまたは天然起源からの単離であれ、ここで提供される組合せ、および方法においての使用を意図している。オキシゲナーゼ(ルシフェラーゼ)に頼らない化学発光発生それ自体はここでは包括されない。
【0167】
(a)ルシフェラーゼ
ルシフェラーゼとは、必要なアクチベーターの存在下において、遊離のまたは結合した分子状酸素の存在で、生物発光基質(ルシフェリン)を低エネルギー状態から高エネルギー状態へ酸化する反応を触媒する任意の化合物をいうが、それでその基質は、低エネルギー状態に戻る際に光を放射する。ここでの目的には、ルシフェラーゼは、基質の酸化により光を発生させるために触媒的に作用する酵素、並びに、厳密的には触媒的でないが(そのタンパク質が反応で消費されるので)、酸素の存在下で基質と連携して光を発生させるように作用する、エクオリンのような、フォトプロテインを包括するように広く使用される。エクオリンのようなフォトプロテインを含むこれらのルシフェラーゼはここではまたルシフェラーゼの中に含まれる。これらの試薬に含まれるものは、天然に存在するルシフェラーゼ(フォトプロテインを含む)、組換えDNAによって生産されるタンパク質、および、適当な基質、補因子およびアクチベーターの存在下において光を発生する能力を保持するところのそれらの突然変異化または修飾化された変異型、若しくは、基質を酸化するための触媒として作用して光を生成するようなその他のタンパク質である。
【0168】
般的には、生物発光発生反応を触媒するか開始するタンパク質はルシフェラーゼといわれ、且つ、酸化され得る基質はルシフェリンと言われる。酸化された反応生成物はオキシルシフェリンと命名され、そして或るルシフェリンの前駆物質はエチオルシフェリンと命名される。よって、ここでの目的のためには、生物発光は、生体タンパク質または類似体、その誘導体または突然変異体によって触媒されるか(酵素的に作用するルシフェラーゼの場合)若しくは開始される(反応で再生されないエクオリンのようなフォトプロテインの場合)ところの反応により生成される光を包括する。
【0169】
ここで明確にすると、これらの触媒的タンパク質はルシフェラーゼといわれそして光を放射してオキシルシフェリンを放出するルシフェリンの酸化を触媒するルシフェラーゼのような酵素を含む。またルシフェラーゼの中に含まれるのはフォトプロテインであり、これはルシフェリンを酸化して光を放射するが、反応中に変化し再び使用するには再生しなければならない。ルシフェラーゼは天然に存在してもよく又或る性質を改良したり変化させたりするために遺伝子工学等で修飾してもよい。ここで得られる分子が生物発光発生反応を触媒する能力を保持する限り、それはここで包括される。
【0170】
ルシフェラーゼ活性を持つ任意のタンパク質(ここで定義するように、光を生成するために分子状酸素の存在下に基質を酸化する反応を触媒するタンパク質)をここでは使用できる。好ましいルシフェラーゼはここで記載されたものまたは軽度の配列変異型を有するものである。限定的ではないが、そのような軽度の配列変異型に含まれるのは、軽度の対立遺伝子的または種の変異型および残基、特にシステイン残基の挿入または欠失である。アミノ酸の適切な保存置換は当業者に公知であり、又、ここで得られる分子の生物的活性を変えることなく一般的に実施される。そのような置換は、好ましくは、上述の表1に表示されているものに従って行われる。
【0171】
ルシフェラーゼは商業的に得たり、天然起源から単離したり、ルシフェラーゼをコードするDNAを用いて宿主細胞中に発現させたりまたは当業者に公知の任意の様式で得たりすることができる。ここでの目的のためには、選択した起源の生物体をすり潰して得られる粗抽出物で十分である。大量のルシフェラーゼが望まれるので、宿主細胞からのルシフェラーゼの単離が好ましい。そのような目的のためのDNAはその修飾型として広く入手可能である。
【0172】
これらに限定するものではないが、ルシフェラーゼの実例にはctenophores(有櫛動物)である Mnemiopsis(ムネミオプシン)および Beroe ovata(ベロビン)から単離したもの、coelenterate(腔腸動物)である Aequorea(エクオリン)、Obelia(オベリン)、Pelagia から単離したもの、Renilla ルシフェラーゼ、mollusca(軟体動物)である Pholas(フォラシン)から単離したルシフェラーゼ、えば Aristostomias、Pachystomias、および Poricthys のような魚類から単離したルシフェラーゼ、えば Cypridina(別名 Vargula)のようなostracod(貝虫類)から単離したルシフェラーゼも包含する。本発明で使用するために好適なルシフェラーゼはエクオリンタンパク質、Renilla ルシフェラーゼおよび Cypridina(別名Vargula)ルシフェラーゼである(えば配列番号1、2および4〜13を参照)。また、反応によって赤色および/または近赤外の光を発するルシフェラーゼは好適である。これにはえば A. scintillans、Pachystomias、M. niger などのMalacosteusのような Aristostomia 種に存在するルシフェラーゼも包含する。
【0173】
(b)ルシフェリン類
本結合体における反応または結合のための基質にはルシフェラーゼと反応して発光するものであればいかなる分子をも包含する。このような分子には天然起源の基質、その修飾体、および合成的基質を包含する(えば米国特許第5374534号および米国特許第5098828号参照)。ルシフェリンの例には本明細書に記載するものならびにその誘導体、類似体、えばジオキセタン類のような合成基質を包含する(えば米国特許第5004565号および米国特許第5455357号参照)および発光反応中にルシフェラーゼによって酸化される他の化合物を包含する(えば米国特許第5374534号、米国特許第5098828号および米国特許第4950588号参照)。このような基質はまた生物発光発生反応中に酸化される化合物を選択することによって実験的に同定してもよい。
【0174】
(c)活性化物質
生物発光を発生する系はまた本明細書で検討するものおよび当技術分野における熟練者に知られている他の成分を必要とする。生物発光発生反応は全て溶解酸素または結合酸素の型の分子状酸素を必要とする。そこで、水に溶解した、または空気中の、またはフォトプロテインに結合した、分子状酸素は生物発光発生反応に対する活性化剤である。これらに限定されるものではないが、その他の活性化剤には反応の構成の型に依存して次のようなものを包含する:ATP(ホタル)、FMNからFMNH2を再生するフラビン還元酵素(細菌系)、およびCa2+またはその他の適当な金属イオン(エクオリン)。
【0175】
本明細書が提供する系の殆どはルシフェラーゼとルシフェリンとを混合して空気または水と接触させる時に発光する。しかしながら、えばエクオリンのように酸素を結合するフォトプロテインを利用する系ではCa2+(またはその他の適当な金属イオン)との接触が必要で、これはカルシウム塩の水性組成物の形で供給することもできる。このような例ではルシフェラーゼ(エクオリン)とルシフェリン(セレンテラジンのような)との混合物へのCa2+(またはその他の適当な金属イオン)の添加が発光をもたらす。Renilla 系およびその他のAnthozoa(花虫類)系でもCa2+(またはその他の適当な金属イオン)が必要である。
【0176】
えば摩砕Cypridina(小エビ)または摩砕ホタルのような粗製の調製物を使用する時には水を添加することだけが必要なこともある。ホタル(またはホタルまたは昆虫のルシフェラーゼ)を利用する例では反応にはATPの添加のみが必要なこともある。当技術分野の熟練者には本明細書の開示を参照すれば詳しい構成成分は明白となるか、または実験で容易に決定されるものである。
【0177】
これらの混合物は進行させるべき反応に必要な、いかなる追加的な塩または緩衝液またはイオンを含有ること理解される。これらの反応の特性はよく決定されているので、当技術分野の熟練者は正確な比率と必須な成分とを決定することができる。この成分の選択は装置、製造技術およびルシフェラーゼに依存することとなる。本明細書には様々な態様が記載され、例示されている。これらの記載によればその他の態様も明白となる。
【0178】
(d)反応
全ての態様ではルシフェラーゼかルシフェリンかのどちらか一成分を除いて、生物発光発生の全構成成分は混合し、または包装してもよく、または他の方法で組み合わせてもよい。達成すべき結果は裸眼で見える発光であって、定量的でなくて定性的な診断が目的であるから生物発光発生反応の構成成分の正確な比率および量は厳密に測定したり、調整したりする必要はない。これは発光をするために十分でなければならない。一般的には可視的発光を生じるために十分な量のルシフェリンとルシフェラーゼとの量を使用する。この量は実験によって容易に決定できるが、選択した系と選択した利用目的に依存する。定量的測定が必要な場合には、精度の向上が必要となろう。
【0179】
本明細書に記載する目的のためにはこの量は好ましくは少なくとも当技術分野の熟練者が分析的目的のために用いる濃度および比率である。発光の強さが十分でなければ濃度を高める。あるいは、シグナルの発生を増加させるためには複数個のルシフェラーゼ分子を結合させたターゲッティング剤を結合したマイクロキャリアーに結合させてもよい。また、反応に使用する条件は実験室条件ではなく各成分貯蔵の対象となり得るため、高濃度を用いてどんな活性の低下を克服してもよい。典型的にはこの量は反応混合物1リットルについてルシフェラーゼ1mg、好ましくは10mg、さらに好ましくは100mgであるか、または1mg、好ましくは10mg、さらに好ましくは100mgである。組成物には少なくとも約0.01mg/L、典型的には0.1mg/L、1mg/L、10mg/Lまたはそれ以上の各成分をそのアイテムに含有してもよい。ルシフェリンの量も約0.01mg/Lと100mg/Lとの間、好ましくは0.1mg/Lと10mg/Lとの間であって、反応持続のためには多くの反応物の場合にルシフェリンを追加することができる。ルシフェラーゼが触媒的に働いて再生する必要がない態様では利用するルシフェラーゼの量を減少させることもできる。反応の間に変化させる場合には追加でき、典型的には高い濃度を選択することになる。リットル当り各成分の濃度範囲(または基質をコーティングする量、組成物と接触する結果)は0.1mgから20mg、好ましくは0.1mgから10mg、さらに好ましくは約1mgと10mgの間であれば十分となろう。本明細書に記載するようにコーティングされた基質を製造する時には、高濃度のルシフェラーゼまたはルシフェリンを含む多量のコーティング組成物を使用してもよい。
【0180】
そこで、例えばカルシウム存在下、えばセレンテラジンのようなルシフェリン5mgを水1Lにかし、えばエクオリンフォトプロテインルシフェラーゼまたは Renilla からのルシフェラーゼのようなルシフェラーゼ約10mgを添加すれば水温に依存して少なくとも10分から20分間明るく発光するものである。ルシフェラーゼ濃度を例えば100mg/Lまで増加させれば特に明るく輝いた光を放つ。
【0181】
使用する濃度と量とは選択した生物発光発生系に依存することは理解されるがこれは実験的に容易に決定できる。特に実験的測定を開始するような時に用いる比率は分析的目的に一般に使用されるもので、その量または濃度は少なくとも分析的目的に使用されるものであって、持続的で明るい発光を所望する時には量を増加できる。
【0182】
本発明の目的として、発生する光のスペクトルをシフトさせるため、Renilla reniformis GFPを反応に加える。
【0183】
2.Renilla 系
ソフトコラル・ウミシイタケとも呼ばれる Renilla は腔腸動物 花虫綱に属し、これにはえば Cavarnularia、Ptilosarcus、Stylatula、Acanthoptilum および Parazoanthus のように他の生物発光をする属を包含する。花虫綱属で生物発光をするものはルシフェラーゼとルシフェリンを有し、それらは構造的に類似している(えばCormier et al.(1973) J. Cell Physiol. 81:291-298参照;また、Ward et al.(1975) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 72:2530-2534参照)。これら花虫綱属の各生物から得られるルシフェラーゼとルシフェリンは相互に交差反応を起こして特徴的な青い冷光を発する。
【0184】
Renilla のルシフェラーゼとその他の腔腸動物および有櫛動物のルシフェラーゼ、えばエクオリンフォトプロテインのようなものではイミダゾピラジン基質、特に一般にセレンテラジンと呼ばれる基質を利用する(下記C.4.bの式(I)と(III)を参照)。セレンテラジンを利用するルシフェラーゼを含有するその他の属には:Chiroteuthis、Eucleoteuthis、Onychoteuthis、Watasenia、コウイカおよび Sepiolina のようなイカ;Oplophorus、Acanthophyra、Sergestesおよび Gnathophausia のようなエビ;Argyropelecus、Yarella、Diaphus、Gonado-stomiasおよび Neoscopelus のような深海魚;を包含する。
【0185】
しかしながら、Renilla のルシフェラーゼは結合酸素を持たないので、適当なルシフェリン基質存在下に発光するには溶解酸素を必要とする。Renilla のルシフェラーゼは真正酵素(すなわち、再使用するために再構築する必要がない)として作用するので得られる冷光は飽和濃度のルシフェリンが存在すれば長時間持続する。また、Renilla のルシフェラーゼは熱に対して比較的安定である。
【0186】
Renilla のルシフェラーゼ、Renilla reniformis のルシフェラーゼをコード するDNA、および組換えルシフェラーゼを産生するためのRenilla reniformis DNAの使用法、ならびに他の腔腸動物のルシフェラーゼをコードするDNAはよく知られており、入手可能である(えば配列番号1、米国特許第5418155号および米国特許第5292658号参照;また、Prasher et al.(1985) Biochem. Biophys. Res. Commun. 126:1259-1268;叢書「Bioluminescense and Chemiluminescense」中、225-233のCormier (1981) 「Renilla and Aequorea bioluminescense」;Charbonneau et al.(1979) J. Biol. Chem. 254:769-780;Ward et al.(1979) J. Biol. Chem. 254:781-788;Lorenz et al. (1981) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 88:4438-4442;Hori et al.(1977) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 74:4285-4287;Hori et al.(1975) Biochemistry 14:2371-2376;Hori et al.(1977) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 74:4285-4287;Inouye et al.(1977) Jap. Soc. Chem. Lett. 141-144;およびMatthews et al.(1979) Biochemistry 16:85-91参照)。Renilla reniformis のルシフェラーゼをコードするDNAおよびこのDNAを有する宿主細胞はえば当技術分野の熟練者に知られているもの(えば Renilla reniformis ルシフェラーゼの組換え産生法を開示する米国特許第5418155号および米国特許第5292658号参照)のように多量の Renilla reniformis 酵素を製造するために便利な手段を提供する。
【0187】
本明細書で使用する Renilla ルシフェラーゼは凍結乾燥形にまとめ、それ自体でまたはルシフェリン基質と組合せて担体中にカプセル化することもできる。使用前にこの混合物を水性組成物、好ましくは燐酸緩衝食塩水pH7〜8と接触させる;溶解O2酸素が反応を活性化する。発光している混合物中のルシフェラーゼ最終濃度は0.01から1mg/Lまたはそれ以上のオーダーになると思われる。ルシフェリン濃度は少なくとも約10-8Mであるが、長時間持続する生物発光をさせるためにはその1〜100桁多くすべきである。
【0188】
本発明の態様のあるものでは、約1mgから10mg、または好ましくは2〜5mg、さらに好ましくは約3mgのセレンテラジンをRenillaルシフェラーゼ約100mgとともに使用することになろう。もちろん正確な量は実験的に決定でき、また究極的な濃度と利用にある程度は依存するものである。特に、適当な検定用緩衝液100mLにRenillaを発現する細菌から得られる粗製抽出物約0.25mLを添加するなら、約0.005μgは可視的で持続的な輝きを発光するために十分である(Renilla reniformis ルシフェラーゼの組換え製造を開示する米国特許第5418155号および米国特許第5292658号参照)。
【0189】
凍結乾燥混合物および Renilla ルシフェラーゼを含む組成物も提供する。ルシフェラーゼまたはルシフェラーゼとルシフェリンとの混合物もえばリポソーム、硝子粒、毛細管、薬剤送達媒体、ゼラチン、時間放出コーティングまたはその他の材料のような適当な送達媒体中にカプセル化してもよい。このルシフェラーゼはえば生物に適合性のある材質のような基質に結合しておいてもよい。
【0190】
3.有櫛動物系
えば Mnemiopsis(ムネミオプシン)およびBeroe ovata(ベロビン)のような有櫛動物およびえば Aequorea(エクオリン)、Obelia(オベリン)および Pelagia のような腔腸動物は同様な化学反応を利用して生物発光する「えば Stephenson et al.(1981) Biochimica et Biophysica Acta 678:65-75;Hart et al.(1979) Biochemistry 18:2204-2210;米国特許出願第08/017116号、米国特許第5486455号に基づく国際PCT出願 WO 94/18342 号および本明細書に引用するその他の参考文献および特許文献参照」。Aequorin および Renilla 系は代表的なものであって本明細書には例示としておよび現時点での好適な系のものとして詳記する。Aequorin および Renilla 系は同じルシフェリンを使用でき、同じ化学反応を利用して発光するが、それぞれのルシフェラーゼは違っている。Aequorin ルシフェラーゼエクオリン、ならびに、例えばルシフェラーゼであるムネミオプシンおよびベロビンは結合酸素および結合ルシフェリンを含有し、反応開始のためにCa+2(または他の適当な金属イオン)を必要とし、再利用のためには再生が必要なフォトプロテインである。一方では Renilla ルシフェラーゼは真正酵素として作用する。何故なら反応中に変化がなく、溶解した分子状酸素を必要とするからである。
【0191】
4.エクオリン系
エクオリン系についてはよく知られている(えば、Tsuji et al.(1986) 「Site-specific mutagenesis of the calcium-binding photoprotein aequorin」 Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 83:8107-8111;Prasher et al.(1985) 「Cloning and Expression of the cDNA coding for Aequorin, a Bioluminescent Calcium-Binding Protein」、Biochemical and Biophysical Research Communications 126:1259-1268;Prasher et al.(1986) Methods in Enzymology 133:288-297;Prasher et al.(1987) 「Sequence Comparisons of cDNA Encoding for Aequorin Isotypes」、Biochemistry 26:1326-1332;Charbonneau et al.(1985) 「Amino Acid Sequence of the Calcium-Dependent Photoprotein Aequorin」、Biochemistry 24:6762-6771;Shimomura et al. (1981) 「Resistivity to denaturation of the apoprotein of aequorin and reconstitution of the luminescent photoprotein from the partially denatured apoprotein」、Biochem. J. 199:825-828;Inouye et al.(1989) J. Biochem. 105:473-477;Inouye et al. (1986) 「Expression of Apoaequorin Complementary DNA in Escherichia coli」、Biochemistry 25:8425-8429;Inouye et al.(1986) 「Cloning and sequence analysis of cDNA for the luminescent protein aequorin」、Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 82:3154-3158;Prendergast et al.(1978) 「Chemical and Physical Properties of Aequorin and the Green Fluorescent Protein Isolated from Aequorea forskalea」、J. Am. Chem. Soc. 17:3448-3453;欧州特許出願第0540064A1;欧州特許出願第0226979A2;欧州特許出願第0245093A1;および欧州特許出願第0245093B1;米国特許第5093240号;米国特許第5360728号;米国特許第5139937号;米国特許第5422266号;米国特許第5023181号;米国特許第5162227号;およびアポタンパク質をコードするDNAを示す配列番号5〜13;および米国特許第5162227号に記載の型、欧州特許出願第0540064A1参照。また、Sealite Sciences Technical Report 3号(1994)にはAQUALITEの名前でジョージア州ボガートのSealite Sciencesから購入できるものを記載している)。
【0192】
この系は本発明で利用する好適な系の一つである。明らかとなるようにエクオリンフォトプロテインには非共有結合ルシフェリンおよび分子状酸素が含まれるのでこの形で貯蔵するには凍結乾燥粉末とするか、選択された送達ビヒクルでカプセル化するのが適当である。この系はえばリポソームまたはその他の送達ビヒクルのようなペレットにカプセル化することができる。使用する時にはビヒクルとCa2+(またはその他の適当な金属イオン)を含有する組成物(これは水道水であってもよい)とを接触させれば発光混合物が製造される。
【0193】
a.エクオリンおよび関連のフォトプロテイン
フォトプロテインであるエクオリンはクラゲであるAequoreaから単離されたものでCa2+またはその他の適当な金属イオンを添加すると光を放射する。エクオリンフォトプロテインは結合ルシフェリンおよびCa2+によって放出される結合酸素を含有し、溶解酸素を必要としない。冷光放射はカルシウムによって触発されるが、それは酸素とルシフェリン基質を放出してアポエクオリンを生成する。
【0194】
生物発光フォトプロテインであるエクオリンは多種のクラゲ Aequorea から単離される。これは分子量22キロダルトン(kD)の複合ペプタイドである(えば、Shimomura et al.(1962) J.Cellular and Comp. Physiol. 59:233-238;Shimomura et al.(1969) Biochemistry 8:3991-3997;Kohama et al. (1971) Biochemistry 10:4149-4152;およびShimomura et al.(1972) Biochemistry 11:1602-1608参照)。天然のタンパク質はこれと非共有結合的に結合している酸素とヘテロ環状化合物であってルシフェリンの一種であるセレンテラジンとを含有する(下記参照)。このタンパク質はカルシウム結合部位3箇所を有する。痕跡量のCa2+(またはえばストロンチウムのようなその他の適当な金属イオン)をフォトプロテインに添加すると立体配座が変化し、これがタンパク質に結合している酸素を利用して結合セレンテラジンの酸化を触媒する。この酸化のエレルギーは469nmに中心を持つ青色光のフラッシュとして放射される。カルシウムイオンの濃度は10-6Mまでの低さであってもこの酸化反応を触発するためには十分である。
【0195】
天然起源アポエクオリンは単一化合物ではなく、ミクロヘテロジニアスな分子種の混合物である。クラゲAequoreaの抽出物には12種もの変種タンパク質を含有する(えば、Prasher et al.(187) Biochemistry 26:1326-1332;Blinks et al.(1975) Fed. Proc. 34:474参照)。多数の型をコードするDNAが分離されている(えば、配列番号5〜9および13を参照)。
【0196】
このフォトプロテインえば E. coli 中で組換え的に産生されたタンパク質のようなアポタンパク質とえば合成セレンテラジンのようなセレンテラジンと酸素およびえば2-メルカプトエタノールのような還元剤(えば、Shimomura et al.(1975) Nature 256:236-238;Shimomura et al. (1981) Biochemistry J. 199:825-828参照)の存在下にCa2+と結合して所望の時点まで酸化反応が触発されるのを予防するためのEDTAまたはEGTA(本発明に利用するには約5から約100mMまたはそれ以上の濃度)を混合することによって再構築できる(えば米国特許第5023181号参照)。再構築のために2-メルカプトエタノールを必要としないアポタンパク質の修正型をコードするDNAも利用可能である(えば米国特許号、第米国特許第5093240号参照)。この再構築フォトプロテインは購入可能である(えば米国特許第5162227号に開示され、AQUALITE(商標)の名前で販売されている)。
【0197】
この光反応はキレート化剤の効果を克服し、10-6M濃度を達成するために十分な濃度でCa2+を添加することによって触発される。このように低濃度なCa2+でもこの反応を触発できるので、本発明方法における使用のためにはこのフォトプロテイン組成物には高濃度のキレート化剤を添加してもよい。そうすると、カルシウム塩の形での添加すべきCa2+は高濃度が必要になろう。正確な量は実験的に決定してもよい。本発明で使用するには濃縮組成物または凍結乾燥型または粉末の形で提供されるフォトプロテインに単に水を添加するのみで十分なこともある。そこで、本発明の目的では燐酸緩衝食塩水(PBS)またはその他の適当な緩衝液または組成物を接触させるべき組織表面の湿気などの中に存在する少量なCa2+を添加することが生物発光発生反応を触発することになる。
【0198】
エクオリンアポタンパク質のアイソフォルム数同定され、分離されている。これらのタンパク質をコードするDNAはクローニングされ、このタンパク質およびその修正型は適当な宿主細胞を利用して産生されている(えば米国特許第5162227号、米国特許第5360728号、米国特許第5093240号;Prasher et al.(1985) Biochem. Biophys. Res. Commun. 126:1259-1268;Inouye et al.(1986) Biochemistry 25:8425-8429;米国特許第5093240号;米国特許第5360728号;米国特許第5139937号;米国特許第5288623号;米国特許第5422266号;米国特許第5162227号;およびアポタンパク質をコードするDNAを示す配列番号5〜13;参照。またその一型はAQUALITEの名前でジョージア州ボガートの Sealite Sciences 社から購入できる)。アポエクオリンまたはその変種をコードするDNAは多量のアポタンパク質を組換え生産するために有用である。このフォトプロテインはルシフェルリン、好ましくは硫酸塩誘導体であるセレンテラジンまたはその類似体、および分子状酸素を添加して再構築される(えば米国特許第5023181号参照)。このアポタンパク質およびその他のフォトプロテインおよび生物発光発生反応の構成成分は適当な条件下にフォトプロテインを再生し、同時にフォトプロテインを発光させるために混合することができる。再構築にはえばメルカプトエタノールのような還元剤の存在が必要であるが、以下に検討する通りに還元剤が不要なように設計された修正型ではこの点は当てはまらない(えば米国特許第5093240号参照)。
【0199】
本発明で使用するためにはエクオリンは、えば配列番号5〜13に示し、当技術分野の熟練者に知られているようなDNAまたはその修飾型のようなものを利用して製造するのが好ましい。エクオリンをコードするDNAはえば E. coli のような宿主細胞中で発現し、分離し、再構築され、フォトプロテインを生ずる(えば、米国特許第5418155号、米国特許第5292658号、米国特許第5360728号、米国特許第5422266号、米国特許第5162227号参照)。
【0200】
本発明で注目されるものは非修飾アポエクオリンよりも生物発光活性が高くなるように修飾された型のアポタンパク質である(えば、米国特許第5360728号、配列番号10〜12参照)。非修飾アポエクオリンよりも高い生物発光活性を示すように修飾された型にはアスパラギン酸124をセリンに、グルタミン酸135をセリンに、およびグリシン129をアラニンにおのおの置換した配列番号10〜12に示す配列を含むタンパク質を包含する。生物発光活性が増大したその他の修飾型も入手可能である。
【0201】
本発明のある態様で利用するためにはエクオリン生物発光発生系のアポタンパク質およびその他の構成成分は包装するかまたは混合物として提供され、所望な時にはアポタンパク質、ルシフェリンおよび酸素からフォトプロテインが再構築される条件に付す(えば、米国特許第5023181号、および米国特許第5093240号参照)。再構築のためにはえば2-メルカプトエタノールのような還元剤を必要としない型のアポタンパク質は特に好適である。例えば米国特許第5093240号に記載されているこれらの型は例えばシステイン残基3個の1個またはそれ以上、好ましくは全部をセリンで置換することによって修飾されている(Tsuji et al.(1986) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 83:8107-8111 も参照)。置換はえば配列番号5に示すようなエクオリンアポタンパク質をコードするDNAの修飾により、およびシステインコドンをセリンで置換することによって行ってもよい。
【0202】
えばObeliaのような関連する種からのフォトプロテインおよびルシフェラーゼも本発明での利用が意図されている。ヒドロポリプである Obelia longissima から得られるCa2+-活性化フォトプロテインであるオベリンをコードするDNAは知られており、入手可能である(えば、Illarionov et al.(1995) Gene 153:273-274およびBondar et al.(1995) Biochim. Biophys. Acta 1231:29-32参照)。このフォトプロテインはMn2+によっても活性化できる(えばVysotski et al.(1995) Arch. Bioch. Biophys. 316:92-93;Vysotski et al.(1993) J. Biolumin. Chemilumin. 8:301-305参照)。
【0203】
本発明に利用するためには一般に生物発光の構成成分は反応を触発させるためには不十分な量の触発性金属イオンが存在するように包装するかまたは提供する。利用する時には痕跡量の金属イオン、殊にCa2+を他の構成成分と接触させる。さらに持続的な発光のためにはエクオリンを連続的に再構築するか、または添加するか、または大過剰に提供する、ことができる。
【0204】
b.ルシフェリン
エクオリンルシフェリンは、コエレンテラジンおよびその類似体であり、構造(式(I))を含む分子を含む:
【化5】
Figure 0004830063
(式中、R1は、CH2C6H5またはCH3であり、R2は、C6H5であり、そしてR3は、p-C6H4OHもしくはCH3 である)またはその活性を有する類似体である。好ましいコエレンテラジンは、R1がp-CH2C6H4OHであり、R2がC6H5であり、そしてR3が既知の方法(例えば、Inouye et al., (1975) Jap. Chem. Soc., Chemistry Lttrs. pp 141-144;およびHart et al., (1979) Biochemistry 18: 2204-2210)により調製され得るp-C6H4OHである構造を有する。好ましい類似体は、修飾されたものであり、それにより、得られた光のスペクトル周波数が他の周波数に変換する。
【0205】
好ましいコエレンテラジンは、構造(式(II)):
【化6】
Figure 0004830063
およびその硫酸類似体を有する。
【0206】
他のコエレンテラジンは、式(V):
【化7】
Figure 0004830063
を有する(Hart et al., (1979) Biochemistry 18: 2204-2210参照)。ルシフェラーゼ存在下、この誘導体を用いると、すべての光は、ピーク390nmの紫外線内に含まれる。GFPの添加において、すべての放射光は、放射光が200倍増加するピーク509nmの可視範囲内に含まれる。470nmカットオフフィルターを用い、GFP非存在下の光生成では、約0であると観察され、GFP存在下では、検出することができる。これにより、実施例に記述の免疫アッセイの基礎が提供される。
【0207】
結合酸素によりエクオリンフォトプロテインに結合するとき、およびCa2+存在下、コエレンテラジンの反応は、以下のように示される:
【化8】
Figure 0004830063

【0208】
フォトプロテインエクオリン(それは、コエレンテレートルシフェリン分子に結合するアポエクオリンを含む)およびRenillaルシフェラーゼは、以下に考察するように、同じコエレンテレートルシフェリンを使用し得る。エクオリンフォトプロテインは、コエレンテレートルシフェリン(コエレンテラジン)をオキシルシフェリン(コエレンテラミド)に、青色(λmax=469nm)の発光を伴う、酸化するのを触媒する。
【0209】
重要なことに、コエレンテレートルシフェリンの硫酸誘導体(ラウリルルシフェリン)は、特に水に安定であり、そのため、コエレンテレート様-生物発光性に用いられる。このでは、アデノシン二リン酸(ADP)およびサルファキナーゼを用い、コエレンテラジンを硫酸型に変換する。次いで、スルファターゼを用い、ラウリルルシフェリンを天然コエレンテラジンに再変換する。そのため、更に安定なラウリルルシフェリンを照射すべきアイテムに用い、スルファターゼを合せたルシフェラーゼを、照射を望むときに、ルシフェリン混合物に加える。
【0210】
そのため、Aequoreaの生物発光性は、特に本明細書中の方法の使用に適する。特定の量および成分が提供される方法は、視覚化される腫瘍形成または特定組織の型に依存する。このは、凍結乾燥され、Ca2+の添加により光り出す(glow)。マイクロビーズのような微小担体に結合させ、溶液または懸濁液のような組成物として、好ましくは反応の誘発を防ぐ十分なキレート化剤の存在下、カプセル化し得る。エクオリンフォトプロテインの濃度は変化し、経験的に決定される。典型的濃度、少なくとも0.1mg/l、より好ましくは少なくとも1mg/lおよびそれ以上、を選択する。ある実施態様では、ルシフェラーゼ100mgあたり1-10mgルシフェリンを、選択した体積で使用し、望ましい濃度で用いる。
【0211】
5.甲殻類、特にCyrpidina
Vargula serratta, hilgendorfiiおよびnoctilucaのような、甲皮類は、小さな海洋甲殻類であり、時折、海のホタルと呼ばれる。これら海のホタルは、日本の海岸から離れた海域で見られ、ルシフェリンおよびルシフェラーゼを水中に噴出することにより、光を放ち、明るい青色の夜光雲を生ずる反応が起こる。当該反応は、ルシフェリン、ルシフェラーゼおよび分子状酸素のみを含み、そのため、本明細書の適用に非常に適する。
【0212】
Vargula生物発光性のような、は、特に本明細書において好ましい。当該成分は、乾燥し、粉末状となっても室温で安定であり、そして汚染されているときでさえも、反応は継続する。更に、生物発光性反応は、進行するのに1:40ppbから1:100ppbぐらい低い濃度のルシフェリン/ルシフェラーゼ成分、水および分子状酸素のみを必要とする消費された系はルシフェリンの添加により回復する。
【0213】
a.Vargulaルシフェラーゼ
Vargulaルシフェラーゼは、水溶性であり、本明細書の方法における使用に好ましいものである。Vargulaルシフェラーゼは、555アミノ酸ポリペプチドからなり、Vargulaから単離され、また、組換え技術を用い、適当な細菌および哺乳類宿主細胞でDNAを発現させることにより、作成する(例えば、Thompson et al. (1989) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 86:6567-6571; Inouye et al. (1992) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 89:9584-9587; Johnson et al. (1978) Methods in Enzymology LVII:331-349; Tsuji et al. (1978) Methods Enzymol. 57:364-72; Tsuji (1974) Biochemistry 13:5204-5209; Japanese Patent Application No. JP 3-30678 Osaka; および欧州特許出願番号 EP 0 387 355 A1)。
【0214】
(1)Cypridinaからの精製
Vargula (Cypridina)ルシフェラーゼを精製する方法は既知である。例えば、活性を有する粗抽出物は、Vargulaエビジャコを磨り潰すか、または破砕することにより容易に調製され得る。他の実施態様では、Cypridina hilgendorfiルシフェラーゼの製剤は、抽出用に0.5-5.0M塩、好ましくは0.5-2.0M塩化ナトリウムまたは塩化カリウム、硫酸アンモニウムを含む蒸留水中に、0-30℃、好ましくは0-10℃で、1-48時間、好ましくは10-24時間、保存した凍結C. hilgendorfiを浸し、その後、疎水性クロマトグラフィーし、次いでイオン交換またはアフィニティークロマトグラフィーを行い、調製され得る(TORAY IND INC, 1993年9月14日付け日本国特許出願番号 JP 4258288; また他の方法としてTsuji et al. (1978) Methods Enzymol. 57:364-72参照)。
【0215】
(2)組換え方法による調製
ルシフェラーゼは、ルシフェラーゼをコード化するクローン化DNA(欧州特許出願番号 0 387 355 A1; 国際PCT出願番号 WO 95/001542; また日本国特許出願番号 JP 3-30678 に記載の配列番号5およびThompson et al. (1989) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 86:6567-6571参照)を発現し、ルシフェラーゼまたはその変異体をコードするDNAを、適当なベクターを用いE. coliに導入し、標準的な方法を用い単離することにより製造する
【0216】
b.Vargulaルシフェリン
天然のルシフェリンは、式(III):
【化9】
Figure 0004830063
の化合物のような置換イミダゾピラジン核である。
【0217】
ルシフェリンは、抽出物を加熱し、ルシフェラーゼを破壊し、ルシフェリンは未処理のまま残すことにより、磨り潰した乾燥Vargulaから単離し得る(例えば、米国特許番号4,853,327参照)。
【0218】
光を生ずる反応においてルシフェラーゼと反応する、その類似体および他の化合物もまた使用し得る。
【0219】
Vargulaルシフェリンと反応し得るルシフェラーゼを有する他の生物発光性生物には、Apogon, Parapriacanthus および Porichthys属が含まれる。
【0220】
c.反応
酸素との反応におけるルシフェリンは、ジオキセタノン中間体(ホタル環状ペルオキシド分子中間体に類似する環状ペルオキシドを含む)を形成する。生物発光性反応の最終段階では、ペルオキシドは、崩壊し、CO2および励起カルボニルを生ずる。次いで、励起分子は、青色から青-緑の光を発する。
【0221】
反応の最適pHは、約7である。本明細書の目的のために、反応が生ずる任意のpHを使用し得る。試薬の濃度は、通常分析反応に使用する濃度またはそれよりも高い濃度である(例えば、Thompson et al. (1990) Gene 96:257-262参照)。典型的なルシフェラーゼの濃度0.1と10mg/lの間、好ましくは0.5から2.5mg/lを用いる。同様の濃度のルシフェリンおよびより高い濃度のルシフェリンを用い得る。
【0222】
6.ホタル、コメツキムシおよび他の昆虫を含む昆虫生物発光発生系
ホタル生物発光の生化学は、特徴付けされた最初の生物発光性であり(例えば、Wienhausen et al. (1985) Photochemistry and Photobiology 42:609-611; McElroy et al. (1966) in Molecular Architecture in cell Physiology, Hayashi et al., eds. Prentice Hall, Inc., Englewood Cliffs, NJ, pp. 63-80参照)、それは、商業的に利用できる(例えば、Promega Corporation, Madison, WI、例えば、Leach et al. (1986) Methods in Enzymology 133:51-70, esp. Table 1参照)。異なる種のホタルのルシフェラーゼは、抗原的に類似する。これらの種には、Photinus, Photurins および Luciola属のメンバーが含まれる。更に、生物発光発生反応は、20℃よりも30℃でより光を生じ、ルシフェラーゼは、少量のウシアルブミン血清により安定化し、当該反応は、トリシンにより緩衝され得る。
【0223】
a.ルシフェラーゼ
種々の昆虫からのルシフェラーゼをコードするDNAクローンおよび当該コード化ルシフェラーゼを生ずる使用は、既知である。例えば、Photinus pyralis、Luciola cruciata からのルシフェラーゼ(例えば de Wet et al. (1985) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 82:7870-7873; de We et al. (1986) Methods in Enzymology 133:3; U.S. Patent No. 4,968,613参照、また配列番号3参照)をコードするDNAクローンが利用できる。当該DNAはまた、Saccharomyces (例えば、1988年12月26日発行の日本国出願番号 JP 63317079、KIKKOMAN CORP)およびタバコ中で発現する。
【0224】
野生型ルシフェラーゼに加えて、修飾した昆虫ルシフェラーゼが調製された。例えば、ルシフェラーゼを生ずる熱安定性ルシフェラーゼ変異体、DNAコード化変異体、ベクターおよび形質転換細胞が利用できる。Photinus pyralis、Luciola mingrelica、L. cruciata または L. lateralisからのルシフェラーゼと60%アミノ酸配列相同性を有し、ルシフェラーゼ活性を有するタンパク質が利用される(例えば、国際PCT出願番号WO 95/25798参照)。それは、30℃を超える温度で、天然で生ずる昆虫ルシフェラーゼよりも安定であり、また37℃またはそれ以上で、高い収量で、産生できる。
【0225】
修飾されたルシフェラーゼは、種々の波長の光を生じ(天然のルシフェラーゼと比較したとき)、そのため、その色彩を生ずる特性について選択され得る。例えば、野生型ルシフェラーゼとは異なる波長の生物発光を生ずる合成的変異体甲虫ルシフェラーゼ、およびそのようなルシフェラーゼをコードするDNAが知られている(Promega Corp、国際PCT出願番号 WO 95/18853、それは、米国出願番号08/177,081に基く)。変異体甲虫ルシフェラーゼは、1つまたは2つの位置での置換により、相当する野生型Luciola cruciata (例えば、米国特許番号 5,182,202、5,219,737、5,352,598参照、また配列番号3参照)とは異なるアミノ酸配列を有する。変異体ルシフェラーゼは、野生型ルシフェラーゼにより生ずる場合とは少なくとも1nm異なるピーク度の波長を有する生物発光を生ずる。
【0226】
他の変異体ルシフェラーゼを作成し得る。野生型ルシフェラーゼのアミノ酸配列を有すると共に、アミノ酸番号233でバリンがイソロイシンに置換し、239でバリンがイソロイシンで置換し、286でセリンがアスパラギンに置換し、326でグリシンがセリンに置換し、433でヒスチジンがチロシンに置換し、452でプロリンがセリンに置換した少なくとも1つの変異を有する変異体ルシフェラーゼが知られる(例えば、米国特許番号 5,219,737および 5,330,906参照)。ルシフェラーゼは、E. coli中に各変異体ルシフェラーゼをコードするDNAを発現し、タンパク質を単離することにより生ずる。これらルシフェラーゼは野生型とは異なる色の光を発する。変異体ルシフェラーゼは、ルシフェリンを触媒し、赤色(λ609nmおよび612nm)、橙色(λ595および607nm)または緑(λ558nm)の光を生ずる。変異体ルシフェラーゼの他の物理的または化学的性質は、天然の野生型ルシフェラーゼと実質的に同一である。変異体ルシフェラーゼは、Ser 286をAsnで置換し、Gly 326をSerで置換し、His 433をTyrで置換し、またはPro 452をSerで置換する中から選択される置換(alernation)を有するLuciola cruciataルシフェラーゼのアミノ酸配列を有する。熱安定性ルシフェラーゼもまた利用される(例えば、米国特許番号 5,229,285参照; 354位のグルタミン酸をリシンで置換したPhotinus ルシフェラーゼおよび356のグルタミン酸をリシンで置換したLuciola ルシフェラーゼを提供する国際PCT出願番号 WO 95/25798も参照)。
【0227】
これらルシフェラーゼおよび野生型ルシフェラーゼを、特に、例えば、種々の色彩が望まれるとき、または高温での安定性が望まれるとき、本明細書のGFPと組合せて用いることができる。
【0228】
b.ルシフェリン
ホタルのルシフェリンはベンゾチアゾールである:
【化10】
Figure 0004830063

【0229】
このルシフェリンの類似体および合成ホタルルシフェリンは、当業者に既知である(例えば、米国特許番号5,374,534 および 5,098,828参照)。これらには、式(IV)の化合物が含まれる(米国特許番号5,098,828参照):
Figure 0004830063
(式中、R1は、ヒドロキシ、アミノ、直鎖状または分枝状C1-C20アルコキシ、C2-C20アルキレンオキシ、α-アミノ基を介し結合するL-アミノ酸残基、末端単位のα-アミノ基を介し連結する10までのL-アミノ酸単位を伴うオリゴペプチド基であり、
R2は、水素、H2PO3、HSO3、非置換またはフェニル置換直鎖状または分枝状C1-C20アルキルまたはC2-C20アルケニル、6から18の炭素原子を含むアリール、R3-C(O)-であり、そして、
R3は、非置換またはフェニル置換直鎖状または分枝状C1-C20ある基るまたはC2-C20アルケニル、6から18までの炭素原子を含むアリール、1から3のリン酸基を有するヌクレオチド基、またはグリコシド化的に結合したモノ-またはジサッカライドである。ただし、式(IV)がD-ルシフェリンまたはD-ルシフェリンメチルエステルのときである。)
【0230】
修飾して、周波数が変化した光を生ずる修飾ルシフェリンは当業者に既知である。
【0231】
c.反応
ホタルルシフェラーゼおよび関連の昆虫のルシフェラーゼにより触媒される反応には、ATP、Mg2+および分子状酸素が必要とされる。ルシフェリンを外来的に添加しなければならない。ホタルルシフェラーゼは、ホタルルシフェリン活性化および励起産物が生ずるその後の段階を触媒する。ルシフェリンは、ATPと反応し、アデニル酸ルシフェリル中間体を形成する。次いで、この中間体を酸素と反応させ、コエレンテレート中間体環状ペルオキシドに類似する環状ルシフェリルペルオキシ種を形成させる。それは、崩壊すると、CO2および励起状態のカルボニル産物を生成する。次いで、励起分子は、黄色の光を放射するが、その色は、pHの機能である。pHが低いとき、生物発光の色は、黄-緑色から赤色に変化する。
【0232】
様々な種のホタルが、様々な色の生物発光を放射し、当該反応の色は、ルシフェラーゼが得られる種に依存する。加えて、当該反応は、pH7.8で最適化される。
【0233】
ATPおよびルシフェリンを、消費された反応に添加することにより、更なる光の放射が生ずる。そのため、一旦消費されると、当該は、比較的、容易に維持される。そのため、発光の維持が望まれる本明細書の実施態様での使用に相当適する。
【0234】
7.他の
多くの他のが既知であり、例えば、米国特許番号5,876,995、6,152,358および6,113,886に詳細に記載されている。
【0235】
a.細菌
発光性の細菌は、典型的に継続的に光を放射し、通常、青-緑色である。強力に発現するとき、単一の細菌は、秒あたり104から105の光子を放射し得る。細菌性生物発光発生には、他に、Photobacterium、Vibrio および Xenorhabdus属の生物発光性種において見られるが含まれる。これらのはよく知られており、十分特徴付けられている(例えば、Baldwin et al. (1984) Biochemistry 23:3663-3667; Nicoli et al. (1974) J. Biol. Chem. 249:2393-2396; Welches et al. (1981) Biochemistry 20:512-517; Engebrecht et al. (1986) Methods in Enzymology 133:83-99; Frackman et al. (1990) J. of Bacteriology 172:5767-5773; Miyamoto et al. (1986) Methods in Enzymology 133:70; 米国特許番号 4,581,335参照)。
【0236】
(1)ルシフェラーゼ
Vibrio harveyi (EC 1.14.14.3、アルカノール還元FMN酸素オキシドレダクターゼ1-ヒドロキシル化、ルミネシング)から誘導されるルシフェラーゼにより例示されるように、細菌性ルシフェラーゼは、混合機能オキシダーゼであり、2種のタンパク質サブユニットαおよびβの会合により形成される。α-サブユニットは、約42,000kDの見かけの分子量を有し、β-サブユニットは、約37,000kDの見かけの分子量を有する(例えば、Cohn et al. (1989) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 90:102-123参照)。これらのサブユニットは会合し、2-鎖複合ルシフェラーゼ酵素を形成し、Vibrio harveyi (米国特許番号 4,581,335; Belas et al. (1982) Science 218:791-793)、Vibrio fischeri (Engebrecht et al. (1983) Cell 32:773-781; Engebrecht et al. (1984) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 81:4154-4158)および他の海洋性細菌のような生物発光性細菌の光放射反応を触媒する。
【0237】
細菌性ルシフェラーゼ遺伝子はクローニングされている(例えば、米国特許番号 5,221,623; 米国特許番号 4,581,335; 欧州特許出願番号 EP 386 691 A)。Vibrio harveyiのような、細菌性ルシフェラーゼを発現するプラスミドには、pFIT001 (NRRL B-18080)、pPALE001 (NRRL B-18082)が含まれ、pMR19 (NRRL B-18081))が知られる。例えば、Vibiro fisheriの全luxレギュロンの配列が決定された(Baldwin et al. (1984), Biochemistry 23:3663-3667; Baldwin et al. (1981) Biochem. 20: 512-517; Baldwin et al. (1984) Biochem. 233663-3667; また、例えば、米国特許番号 5,196,318, 5,221,623、および 4,581,335参照)。このレギュロンには、オートインデューサー合成に必要なタンパク質をコードする(例えば、Engebrecht et al. (1984) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 81:4154-4158参照)luxI遺伝子、アルデヒド基質をルシフェラーゼに提供する酵素をコードするluxC、luxD および luxE遺伝子、ならびにルシフェラーゼのαおよびβサブユニットをコードするluxA および luxB 遺伝子が含まれる。
【0238】
他の細菌由来のlux遺伝子もまたクローニングされており、利用できる(例えば、Vibrio harveyi 由来のluxA および luxB 遺伝子の融合を提供するCohn et al. (1985) J. Biol. Chem. 260:6139-6146参照)。そのため、ルシフェラーゼαおよびβサブユニットをコードするDNAを提供し、ルシフェラーゼの生成に使用し得る。α(1065bp)およびβ(984bp)サブユニットをコードするDNA、2124bpのルシフェラーゼ遺伝子をコードするDNA、αおよびβサブユニットをコードするDNA、両方のサブユニットをコードするDNAを含む組換え体ベクターならびにコード化ルシフェラーゼの産生および発ための形質転換体E. coliおよび他の細菌性宿主が利用可能である。加えて、細菌性ルシフェラーゼは商業的に利用可能である。
【0239】
(2)ルシフェリン
細菌性ルシフェリンには、
【化11】
Figure 0004830063
が含まれる(式中、還元フラビンモノヌクレオチドを伴うテトラデカーナルがルシフェリンとみなされる。両方が光放射反応の間に酸化されるからである)。
【0240】
(3)反応
還元フラビンに加えて、細菌は、生物発光性反応の完了には5つのポリペプチドを必要とする:細菌性ルシフェリンの2つのサブユニット、αおよびβおよび3ユニットの脂肪酸レダクターゼ複合体、それらにより、テトラデカーナルアルデヒドを提供する。本明細書で提供する装置および方法に有用な細菌性生物発光発生の例には、Vibrio fisheri および Vibrio harveyiから誘導されるものも含まれる。このの1つの利点は、低温での操作能である;ある外科的手法が体を低温にして行われる。
【0241】
細菌性ルシフェラーゼは、長鎖のアルデヒドのフラビン仲介加水分解を触媒し、カルボン酸および励起フラビンを生ずる;フラビンは、青緑色の光の付随放射を伴う基準状態に減衰する(λmax=490nm;例えば、Legocki et al. (1986) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 81:9080参照;米国特許番号 5,196,524参照)。
【化12】
Figure 0004830063
【0242】
当該反応は、還元フラビンモノヌクレオチド(FMNH2)を、細菌性ルシフェラーゼ、酸素および長鎖アルデヒド、通常n-デシルアルデヒドの混合物と接触させることにより開始し得る。
【0243】
蛍光性細菌Alteromonas hanedai 由来のルシフェラーゼをコードするDNAが知られている(CHISSO CORP;また、1995年8月22日発行の日本国特許出願番号JP 7222590)。還元フラビンモノヌクレオチド(FMNH2;ルシフェリン)を、細菌性ルシフェラーゼの存在下、酸素と反応させ、中間体ペルオキシフラビンを生成する。この中間体は、長鎖アルデヒド(テトラデカナール)と反応し、酸および励起状態のルシフェラーゼ結合ヒドロキシフラビンを形成する。次いで、当該励起ルシフェラーゼ結合ヒドロキシフラビンは、光を放射し、酸化フラビンモノヌクレオチド(FMN)としてルシフェラーゼおよび水から解離される。インビトロFMNは再び還元され、再利用され、アルデヒドが酸からされる。
【0244】
フラビンレダクターゼをクローニングした(例えば、米国特許番号5,484,723; この特許の典型的配列の配列番号14参照)。これらおよびNAD(P)Hは、反応に含まれ、細菌性ルシフェラーゼおよび長鎖アルデヒドによる反応用のFMNH2を再度生ずる反応に含まれる。フラビンレダクターゼは、ルシフェラーゼ反応であるFMNによるFMNH2への反応を触媒し、そのため、ルシフェラーゼおよびレダクターゼが当該反応に含まれるならば、生物発光性反応を維持することができる。すなわち、細菌性ルシフェラーゼが何度も回るため、長鎖アルデヒドが反応中に存在する限り生物発光は続く。
【0245】
生物発光性細菌により生ずる光の色は、生物発光発生反応におけるタンパク質青-蛍光タンパク質(BFP)の関係の結果でもある。よく知られたこのタンパク質(例えば、Lee et al. (1978) Methods in Enzymology LVII:226-234参照)はまた、色彩のシフトの要因となるため、細菌性生物発光性反応に加えられる。
【0246】
b.渦鞭毛生物発光発生
渦鞭毛類では、生物発光は、シンチロン(scintillon)と名付けられたオルガネラで生ずる。これらオルガネラ、細胞質から細胞液胞中へ膨出である。シンチロンは、渦鞭毛類のルシフェラーゼおよびルシフェリン(その結合タンパク質を伴う)、何らかの方法で放出される他の細胞質成分のみを含む。渦鞭毛類のルシフェリンは、クロロフィル:
【化13】
Figure 0004830063
またはその類似体に関係するテトラピロールである。
【0247】
ルシフェラーゼは、pH6.5で活性があるが、pH8では不活性である135kD単一鎖タンパク質である(例えば、Hastings (1981) Bioluminescence and Chemiluminescence, DeLuca et al., eds. Academic Press, NY, pp.343-360参照)。発光活性は、pH8で生成した抽出物において、pHを8から6に単にシフトすることにより、得られる。これは、可溶化中および微粒子画分中で生ずる。未処理シンチロン内では、発光性のフラッシュは、〜100ミリ秒生じ、これはインビボでのフラッシュ時間である。溶液中では、その動力学は、全ての酵素性反応と同様、希釈に依存する。pH8では、ルシフェリンは、ルシフェリンとルシフェラーゼとの反応を防止するタンパク質(ルシフェリン結合タンパク質)に結合する。しかし、pH6では、ルシフェリンは、放出され、自由に酵素と反応する。
【0248】
D.ルシフェラーゼおよびGFPをコードする核酸の単離および同定
生物フォトプロテインをコードする核酸を提供する。好ましくは、Renilla reniformis GFPをコードする核酸を提供する。
1.Renilla属試料の単離
Renillaの試料は、メキシコ湾、太平洋および大西洋を含む世界の大洋から容易に入手できる。Renillaは、約30ないし100フィートの深さの大洋底部に典型的に生活し、掃海により容易に採集することができる。例えば、R.kollikeriの試料は、カリフォルニア、またはバハ、メキシコの海岸から得ることができる。別法として、Renillaの生きた試料は、商業的供給業者(えば、Gulf Marine Incorporated, panacea, Fla)から購入してもよい。捕獲または受領後、試料は充分洗浄し、発光組織を濃厚化するため切断してもよい。ついで生物体全部または切断した組織を急速冷凍し、液体窒素中に保存する。
【0249】
下記の実施例に詳述するように、Renilla mulleriGFPおよびルシフェラーゼ(例えば、それぞれ配列番号15および配列番号17参照)をコードしている核酸の単離源としては、凍結組織を使用した。
【0250】
2.RenillaのcDNA発現ライブラリーの調製
RenillaのcDNA発現ライブラリーは、本書中に記載した方法にしたがって、またはその他の当業者に既知の方法(例えば、Sambrook et al. (1989) Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbar, N.Y.; U.S.Patent No. 5,292,658参照)により、インタクトなRNAから調製することができる。
【0251】
典型的には、cDNAライブラリーの調製は、選択した生物体からのポリアデニル化RNAの単離と、次いで逆転写酵素を使用した1本鎖DNAの合成、DNA/RNAハイブリッド中のRNA鎖の消化、続いて1本鎖DNAから2本鎖cDNAへの変換を含む。
【0252】
a.RNAの単離およびcDNA合
RenillaのcDNA調製のための総細胞質RNA源として、Renilla全体または切断したRenilla組織を使用することができる。総インタクトRNAは、例えば、当業者に一般的に知られた改良法(例えば、Chirgwin et al. (1970) Biochemistry 18:5294-5299参照)を用いて、破砕したRenillaの組織から単離することができる。総細胞RNAを単離後、ポリアデニル化RNA分子種は、オリゴデオキシチミジレートセルロースカラム上のアフィニティクロマトグラフィーを用いて(例えば、Aviv et al., (1972) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 69: 1408記載のように)容易に非ポリアデニル化分子種から分離される。
【0253】
次いで、精製したRenilla polyA-mRNAをcDNA合成反応に付して総polyA-mRNAからcDNAライブラリーを生成させる。要約すると、逆転写酵素を使用して、アニールしたpolydTプライマーを伸張しRNA/DNA2本鎖を生成させる。次いでRNアーゼ、例えばRNアーゼHを用いてRNA鎖を消化し、第2鎖合成後、cDNA分子をS1ヌクレアーゼまたはその他の適当なヌクレアーゼで平滑末端化する。得られる2本鎖cDNA断片は適当な発現ベクターに直接ライゲートすることができ、また別法として、制限エンドヌクレアーゼ部位をコードしているオリゴヌクレオチドリンカーをcDNA分子の5’-末端にライゲートしてcDNA断片のクローニングを容易にすることができる。
【0254】
b.cDNA発現ライブラリーの構築
cDNA発現ライブラリー構築のための最良の確認ベクターはラムダベクター類である。ラムダベースのベクターは約12kbのcDNAインサート類を許容し、標準的プラスミドベクター類に比較してライブラリーのスクリーニング、増幅および保存により大きな便宜をもたらす。RenillaのcDNA発現ライブラリーの調製に現在好ましいベクターは、当業者に既知(例えば、U.S.Pat.No. 5,128,256参照)で市販(Stratagene, La Jolla, CA)されているLambda、Uni-Zap、Lambda-Zap IIまたはLambda-ZAP Express/EcoRI/XhoIベクター類である。
【0255】
一般に、Lambda-ZAPベクター類は、バクテリオファージラムダベクター系の高い効率とプラスミド系の融通性を結びつけている。これらのベクター類中にクローンされた断片は、ヘルパーファージを用いて自動的に切断され再環状化されてサブクローンをpBK由来ファージミド中に生成する。pBKファージミドは、細菌中での選択用ネオマイシン耐性遺伝子および真核細胞中での選択用G418を担持し、またβ-ラクタマーゼ耐性遺伝子を含んでいてもよい。組換えポリペプチドの発現は、細菌のlacZプロモーターおよび真核生物のCMVプロモーターに制御されている。
【0256】
さらに具体的に述べると、これらのラムダベースベクター類は、プラスミド系、例えばバクテリオファージラムダの右および左アームにより一括されたpBKブルースクリプト誘導体(Stratagene, San Diego)を含有するイニシエーター・ターミネーターカセットから構成される。ラムダのアームは、複製したDNAの効率的なパッケージングを可能にし、他方切断できるイニシエーター・ターミネーターカセットは、cDNA断片の容易なクローニングおよびプラスミドライブラリー生成を、追加的なサブクローニングなしで可能とする。
【0257】
本書中で使用する場合、cDNA断片類は、Lambda-Zapベクターのイニシエーター・ターミネーターカセットに含まれるマルチクローニングサイトに挿入されて1セットのcDNA発現ベクターを作り出す。cDNA発現ベクターのセットは、適当なE. coli細胞に感染させ、次いで糸状ヘルパーファージを同時感染させる。細胞内では、ヘルパーファージによりコードされたトランスに作用するタンパク質、例えばM13の遺伝子IIタンパク質が、ベクターのラムダアーム内に位置する2個の別のドメインを認識し、イニシエーター・ターミネーターカセットに隣接する1本鎖ニックを導入する。続くDNA合成期後、存在するニック鎖を置換する新規なDNA鎖が合成され、イニシエーター・ターミネーターカセットを遊離させる。置換された鎖は次いで環状化され、ヘルパータンパク質により糸状ファージとしてパッケージされ、細胞から排出される。cDNAを含有するBKプラスミドは、E. coliのF’株に感染させ、感染した細胞をpBK含有細胞選択用カナマイシン補足固体培地で培養することにより回収される。
【0258】
RenillaのcDNA発現ライブラリーは、当業者に知られた種々の方法を用いてスクリーニングされる。例えば、Renilla GFPの同定は、青色光を使用し、緑色の蛍光について肉眼でコロニーを観察すること、または一種もしくはそれ以上の帯域通過フィルターを用いて発光を観察することにより、機能的スクリーニング法によって達成できる。
【0259】
3.Renilla reniformis緑色蛍光タンパク質のクローニング
Renilla reniformis GFPは、ルシフェラーゼ-GFP生物発光発生Renilla mulleri、Ptilosarcus およびAequorea Victoriaを含む動物由来のGFPと比較して、233アミノ酸を有する。他のそのようなGFPは、238アミノ酸を有する。アミノ酸レベルでは、Renilla reniformisは、これらの動物由来のGFPに対しそれぞれ53%、51%および19%の同一性がある。半ダースのクローン化花虫綱珊瑚GFPに対するRenilla reniformis GFPの同一性の程度(それは、結合ルシフェラーゼを含まない)は、32から38%の範囲となる。これらGFPにおける全体的な同一性は、共通祖先から発達したタンパク質の場合、驚くことに低くなる。これらの関係は、系統樹として示している(図1)。
【0260】
最も驚くべきことは、Renilla reniformis GFPが、Renilla reniformis GFP(53%同一性)との関係よりもPtilosarcus GFP(77%同一性)とのほうがより近い関係にあるという発見である。これら3つのGFPの配列関係が、なぜ伝統的分類法に従わないのか不明である。アミノ酸レベルで配列相違を考えると、コーディングDNA配列は、驚くことに十分保存されている。Renilla reniformis GFP DNAはRenilla mulleriおよびPtilosarcus GFPに56%および59%の同一性がある。
【0261】
そのため、Renilla reniformis GFPクローンのクローニングは、なぜ多くのグループが伝統的方法によこの遺伝子のクローン化の試みに失敗するのかを暗示する。エドマン分解による全タンパク質の配列決定の試みは、GFPが殆どの特異的タンパク質分解の試みに耐えることから、初めから困難であった。80%を超えるタンパク質が、結局、厳密に配列決定されているが、30アミノ酸領域(配列番号27の110-139)が、まだ配列決定していない(アミノ酸41-43、65-71、配列番号27を含む他の領域)。この30アミノ酸領域は、明らかに、使用されるタンパク質分解法により崩壊され、単離および配列決定に困難である非常に小さなフラグメントとなる;配列決定したフラグメントの適当な順序付けもまた困難であった
【0262】
このクローン化DNAフラグメントは、E. coliのような細菌細胞中で複製可能である。好ましいDNAフラグメントはまた、細菌の複製起点を含み、細菌の世代から世代へDNAフラグメントを維持する。この方法では、多量のDNAフラグメントが細菌中で複製により生じ得る。好ましい細菌の複製起点には、f1-oriおよびcol E1複製起点が含まれるが、これらに限らない。好ましい宿主には、lacUVプロモーターのような誘導プロモーターに実施可能なように連結したT7RNAポリメラーゼをコードするDNAの染色体コピーを含む(米国特許番号4,952,496参照)。その宿主には、溶原菌E. coli 株 HMS174(DE3)pLysS、BL21(DE3)pLysS、HMS174(DE3)およびBL21(DE3)が含まれるが、これらに限らない。株BL21(DE3)が好ましい。pLys株は、低レベルのT7リソチーム、天然のT7RNAポリメラーゼインヒビターを提供する。
【0263】
温度感受性ムテインのようなムテイン(mutuein)の発現および調製のため、真核性細胞、とりわけSaccharomycesのような酵母細胞が好ましい。
【0264】
ルシフェラーゼおよびGFPの融合タンパク質をコードする核酸も提供する。その結果の融合タンパク質も提供する。多シストロン性mRNAとしてルシフェラーゼおよびGFPをコードするか、または分離プロモーターの調節下にコードする核酸をも提供する。その使用方法も提供する。
【0265】
RenillaからクローニングしたGFPは、非常に有用となるスペクトル特性を有する。これらの特性には、非常に高い量子効率、高いモル吸収および一般に利用可能な蛍光フィルターの効果的な使用が含まれる(例えば、Chromaにより販売されているEndo GFPフィルターセット)。Renilla reniformis GFPは、モル濃度に基づくと、野生型のAequorea GFPよりも6倍明るく、最も明るい変異体よりも3倍から4倍明るいことが知られている。
【0266】
本明細書で提供される核酸クローンによりコードされるRenilla mulerei GFPは、同様の機能特性を有し、当該スペクトルは、天然のreniformis GFP由来のものと同一であると思われる。Aequorea victoria、Renilla mullereiおよびPtilosarcusから単離したGFP類間の配列の比較から、R. mullereiおよびPtilisarcusの染色体配列は同一であり、A. victoriaからのものと異なっていることが明らかになる。これらの配列の相違は、基本的蛍光特性に影響を与えることなく修飾されるタンパク質部位を指示するとともに、これらの特性を変える残基を同定する手段を提供する。
【0267】
4.Renilla mulleri GFPをコードするDNAの単離および同定
GFPを同定する方法およびRenilla由来GFPをクローニングする方法は、述べられている(公開されたPCT出願番号WO99/49019、および認可された仮米国出願番号09/277,716)。Renilla mulleriをコードする核酸が単離された。端的には、R. mulleri λ Uni-ZapのcDNA発現プラスミドライブラリーを調製し、コンピーテントなE. coli細胞に形質転換し、バックグラウンド蛍光を吸収するようにカーボンブラックを含有する改良L-ブロスプレートで培養した。形質転換体にIPTG含有溶液を噴霧して異種cDNAからの組換えRenilla GFPの発現を誘導した。GFP発現クローンを同定するため、形質転換体を青色光、好ましくは470ないし490nmの光中に置き、緑色の蛍光を発光するコロニーを単離し、純粋培養として成長させた。
【0268】
緑色蛍光をもつ形質転換体のcDNAインサートのヌクレオチド配列を決定した(例えば、配列番号15)。1,079cDNAインサートは、A.victoriaのGFPと僅か23.5%が同一であるアミノ酸238個のポリペプチドをコードしている。組換えタンパク質は、生きたRenilla種で報告されたのと類似する励起および発光スペクトルを示す。
【0269】
5.Renilla mulleriルシフェラーゼをコードするDNAの単離および同定
上記したR. mulleriのcDNA発現ライブラリーを、RenillaルシフェラーゼをコードしているDNAのクローニングにも使用した。基本的に上記のようにして、単一コロニーの形質転換体をカーボンブラック含有改良L-ブロスプレート上で増殖させ、異種DNAからの発現をIPTGで誘導した。発現時間経過後、形質転換体にコエレンテラジンを噴霧し、青色光を発光するコロニーをスクリーニングした。発光コロニーを単離し、純粋培養として成育させた。
【0270】
発光形質転換体に含有されるcDNAインサートのヌクレオチド配列を決定した。1,217cDNAインサートはアミノ酸311個のポリペプチドをコードしている。組換えタンパク質は、生きたRenilla種で報告されたのと類似する励起および発光スペクトルを示す。
【0271】
E.タンパク質の組換え体発現
1.Renillaタンパク質をコードするDNA
上記のように、RenillaのGFPまたはRenillaのルシフェラーゼをコードするDNAは、天然源から単離すること、本書中に記載したRenilla配列に基づいて合成すること、または本明細書に記載のように単離することができる。
【0272】
好ましい実施態様において、Renilla GFPをコードしているDNA断片は、配列番号27に示したアミノ酸配列を有し、配列番号23-26および27に開示のもののような核酸をコードする。
【0273】
RenillaルシフェラーゼをコードするDNA分子は、配列番号18に開示のアミノ酸の配列を有する。より好ましい実施態様において、当該DNA断片は、配列番号17に開示のヌクレオチド配列のヌクレオチド31-963をコードするアミノ酸配列をコードする。
【0274】
2.Renilla reniformis GFPおよび他のタンパク質の組換体を産生するためのDNA構成物
DNAを、所望の宿主中の発現用プラスミドに導入する。好ましい実施態様において、宿主は細菌性宿主である。プロモーターおよびオペレーターのような調節領域であるプラスミド中のヌクレオチド配列は、Renilla GFPまたはルシフェラーゼをコードしているヌクレオチド配列の転写のために、互いに実施可能なように結合する。また、FGFムテインをコードしているヌクレオチド配列は、分泌シグナルをコードしているDNAを含み、それにより生成するペプチドがRenilla GFPの前駆体となる。
【0275】
好ましい具体例では、DNAプラスミドには転写ターミネーター配列もまた含まれる。プロモーター領域および転写ターミネーターは各々独立に同一または異なる遺伝子から選択される。
【0276】
異種タンパク質の発現に好適な広範な多目的ベクターが当業者に公知であり、商業的に入手可能である。調節領域に連結している誘導プロモーターまたは構成プロモーターを含む発現ベクターが好ましい。かかるプロモーターとしては、限定されるものではないが、T3、T5およびSP6プロモーターのようなT7ファージプロモーターならびにその他のT7様ファージプロモーター、大腸菌(E. coli)由来のlacUV5のようなtrp、lpp、tetおよびlacプロモーター;SV40プロモーター;バキュロウイルス/昆虫細胞発現系のP10または多角体遺伝子プロモーター、レトロウイルスの長い末端反復配列および他の真核生物発現系由来の誘導プロモーターが挙げられる。
【0277】
原核生物のRenilla mulleriの組換え発現に特に好ましいベクターとしては、十分に公知なBluescriptベクターのようなlac-およびT7プロモーターに基づくベクターがあり、それらは商業的に入手可能である(Stratagene, La, Jolla, CA)。
【0278】
3.Renillaタンパク質の組換え産生のための宿主生物
宿主生物としては異種タンパク質の組換え産生が行われている生物、限定されるものではないが、細菌(例えば、大腸菌)、酵母(例えば、Saccharomyces cerevisiaeおよびPichia pastoria)、真菌類、バキュロウイルス/昆虫系、両生類細胞、哺乳類細胞、植物細胞および昆虫細胞などが挙げられる。現在のところ好ましい宿主生物は細菌または酵母株である。最も好ましい宿主生物は大腸菌またはSaccharomyces cerevisiae株である。
【0279】
4.Renillaタンパク質の組換え産生法
Renilla GFPまたはRenilla mulleriルシフェラーゼをコードするDNAを、選択された宿主生物のポリペプチド発現のための適当なプロモーターへ実施可能なように連結でプラスミドへ導入する。Renilla GFPまたはルシフェラーゼをコードするDNA断片にはタンパク質分泌シグナルも含まれ、それが選択された宿主において成熟ポリペプチドをペリプラズムまたは培地へ向けるよう機能する。得られたRenilla GFPまたはルシフェラーゼは、下記実施例で記載される方法をはじめとする当技術分野で通常使用される方法によって精製できる。
【0280】
好適な宿主細胞、好ましくは細菌細胞、およびさらに好ましくは大腸菌細胞を形質転換する方法、ならびに異種タンパク質をコードする遺伝子を含む該細胞の培養に適用できる方法は一般的に当技術分野では公知である。例えば、Sambrook et al. (1989) Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NYを参照。
【0281】
一度RenillaがコードするDNA断片宿主細胞へ導入されれば、宿主細胞を、プロモーターが誘導され、それによって実施可能なように連結されたDNAが転写される条件に曝すことによって所望のRenilla GFPが産生される。タンパク質を含む溶解細胞の細胞抽出物を調製してもよく、得られた「清澄溶解物」を組換えRenilla GFPまたはRenilla mulleriルシフェラーゼ源として使用した。あるいは、該溶解物をさらなる精製工程(例えば、イオン交換クロマトグラフィーまたはイムノアフィニティークロマトグラフィー)に付してさらに溶解物を濃縮してもよいし、または同種起源の精製酵素を提供してもよい(例えば、米国特許第5,292,658号および第5,418,155号を参照)。
【0282】
5.Renilla GFPをコードする異種性核酸を発現する組換え細
これらの細胞、ベクターおよび方法をRenillaについて示す。同細胞、ベクターおよび方法をPleuromammaおよびPtilosarcusタンパク質の発現に使用してもよい。
【0283】
Renilla reniformis GFPをコードする異種核酸を含む組換え細胞を提供する。好ましい具体例では、組換え細胞は細胞に対して機能的かつ無毒のコードされたRenilla GFPルシフェラーゼを発現する。
【0284】
ある具体例では、組換え細胞は生物発光発生の成分、好ましくは蛍光タンパク質またはルシフェラーゼをコードする異種核酸を含んでもよい。好ましい具体例では、生物発光発生成分をコードする核酸はAequorea、VargulaまたはRenilla種から単離される。さらに好ましい具体例では、さらなる生物発光発生成分は、配列番号18に開示のアミノ酸配列を有するRenilla mulleriルシフェラーゼである。
【0285】
Renilla mulleriルシフェラーゼをコードする異種性核酸を含む組換え体縮主細胞をも提供する。好ましい実施態様では、当該異種性核酸は、配列番号18に開示のアミノ酸の配列をコードする。より好ましい実施態様では、異種性核酸は、配列番号17に開示のヌクレオチドの配列をコードする。
【0286】
細胞の例としては、細菌(例えば、大腸菌)、植物細胞、哺乳類起源の細胞(例えば、COS細胞、マウスL細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、ヒト胎児腎臓(HEK)細胞、アフリカミドリザル細胞および当業者に公知な他のかかる細胞)、両生類細胞(例えば、Xenopus laevis卵母細胞)、酵母細胞(例えば、Saccharomyces cerevisiae 、Pichia pastoria)などが挙げられる。注入したRNA転写物を発現するための細胞の例としては、Xenopus laevis卵母細胞が挙げられる。DNAのトランスフェクションに好ましい真核細胞は当業者に公知であり、あるいは経験的に同定することがき、HEK293(受託番号#CRL1573としてATCCから入手可能);Ltk-細胞(受託番号#CCL1.3としてATCCから入手可能);COS-7細胞(受託番号#CRL1651としてATCCから入手可能)およびDG44細胞(dhfr- CHO細胞;例えば、Urlaub et al., (1986) Cell. Molec. Genet. 12: 555を参照)が挙げられる。現在のところ好ましい細胞としては細菌および酵母株が挙げられる。
【0287】
Renilla GFPをコードする異種DNAを含む組換え細胞は、Renilla GFPをコードするDNAによるトランスフェクションによるか、または当業者に十分に公知な方法を用いてRenillaタンパク質をコードするDNAのRNA転写物を導入することにより作出される。DNAは直鎖DNA断片として導入してもよいし、またはコーディングDNAの安定発現または一時発現のための発現ベクターに含まれてもよい。Renilla reniformis GFPについて本明細書で開示の配列が今のところ好ましい(配列番号23-25参照、およびヒトに最適なコドンを開示する配列番号26もまた参照)。
【0288】
異種DNAは、エピソームエレメントとして細胞内で維持してもよく、または細胞の染色体DNAへ組み込んでもよい。次いで得られた組換え細胞は、かかる培養物またはその二次培養物から培養または二次培養(または哺乳類細胞の場合には継代)してもよい。またDNAを細胞に安定的に組み込んでもよいし、当技術分野で公知の方法を用いて一時的に発現させてもよい。
【0289】
該組換え細胞は、野生型または改変A. victoria GFPもしくはGFP融合タンパク質を発現する細胞について記載された方法など(例えば、米国特許第5,625,048号;国際特許出願公報第WO95/21191号;第WO96/23810号;第WO96/27675号;第WO97/26333号;第WO97/28261号;第WO97/41228号;および第WO98/02571号参照)、細胞に基づいた広範なアッセイ法に使用できる。
【0290】
F.組成物および結合体
前記のようにRenillaタンパク質ならびに核酸について組成物およびコンジュゲートならびに使用法が記載されている。同組成物ならびにその調製および使用法はPleuromammaおよびPtilosarcusタンパク質ならびに核酸を伴う使用を意図したものである。
【0291】
1.Renilla GFP組成物
Renilla GFPまたはGFPペプチドを含有する組成物を提供する。該組成物はそのために意図される使用法に応じていくつかの形態のいずれをってもよい。ある具体例では、該組成物は、発光新規アイテム、イムノアッセイまたはFRETおよびFETアッセイに使用するために調製される、Renilla GFPまたはGFPペプチド、好ましくはRenilla mulleri GFPまたはRenilla reniformis GFPペプチドを含む。該組成物は、本明細書に記載のような光検出器内蔵のマルチウェルアッセイ装置と組み合わせて使用してもよい。
【0292】
Renilla mulleri GFPまたはGFPペプチド、および生物発光発生の少なくとも1つの成分、好ましくはルシフェラーゼ、ルシフェリンまたはルシフェラーゼとルシフェリンを含む組成物を提供する。好ましい具体例では、ルシフェラーゼ/ルシフェリン生物発光発生は、昆虫系、腔腸動物系、有櫛動物系、細菌系、軟体動物系、甲殻類系、魚類系、環形動物系、およびミミズ系から単離されるものから選択される。現在のところ好ましい生物発光発生はRenilla、Aequorea、Vargulaから単離されるものである。
【0293】
さらに好ましい具体例では、生物発光発生成分は配列番号18で示されるアミノ酸配列を有するRenilla mulleriルシフェラーゼまたはRenilla reniformisルシフェラーゼである。これらの組成物は、以下に詳細に記載される方法のような、腫瘍性組織および他の組織のインビボ検出のための診断系と組み合わせて含む、種々の方法および系において使用できる。
【0294】
これらの方法および産物にはルシフェラーゼが使用される当業者に公知のいずれのものも含まれ、限定されるものではないが、米国出願番号08/757,046、08/597,274および08/990,103、米国特許第5,625,048号;国際特許出願公報第WO95/21191号;第WO96/23810号;第WO96/27675号;第WO97/26333号;第WO97/28261号;第WO97/41228号;および第WO98/02571号が含まれる。
【0295】
2.Renillaルシフェラーゼ組成物
Renilla mulleriルシフェラーゼまたはRenilla reniformisルシフェラーゼをコードするDNAを用いて、コードされるルシフェラーゼを産生させるが、これは本明細書に記載される生物発光発生の成分として使用されるとともに、飲料において、腫瘍形成の診断法および本明細書に記載される診断チップにおいてなど、診断における用途を有する。これらの方法および産物にはルシフェラーゼが使用される当業者に公知のいずれのものも含まれ、限定されるものではないが、米国出願番号08/757,046、08/597,274および08/990,103、米国特許第5,625,048号;国際特許出願公報第WO95/21191号;第WO96/23810号;第WO96/27675号;第WO97/26333号;第WO97/28261号;第WO97/41228号;および第WO98/02571号が含まれる。
【0296】
その他の具体例では、Renilla mulleriルシフェラーゼと残りの成分は個別の組成物として包装してもよく、混合時に発光する。例えば、Renilla mulleriルシフェラーゼを含有する組成物を、生物発光基質および生物発光アクチベーターを含有する個別の組成物とは別にではあるがともに使用するために提供してもよい。もう1つの例では、ルシフェラーゼおよびルシフェリン組成物を個別提供し、生物発光アクチベーターを他の2つの組成物の混合後、または混合と同時に加えてもよい。
【0297】
3.コンジュゲート
本明細書ではコンジュゲートは種々の使用に提供される。それらには、外科手術の間に、好ましくはイン シトゥにて腫瘍組織を視覚化するための腫瘍を標的とするものがある。これらコンジュゲートおよびその使用の一般的記載は、許可米国特許出願番号08/908,909に記載されている。実施において、外科的手順より以前に、当該コンジュゲートは、任意の適当な経路を介し投与され、それにより、ターゲッティング剤は、組織特異的細胞表面タンパク質との特異的相互作用の利点により標的組織に結合する。外科手術の間、当該組織は、典型的に領域へのスプレーまたは局所注射により残りの成分と接触し、コンジュゲートが結合する任意の組織が光る。その光は、暗い光の下、または必要ならば暗がりにおいて、十分に見ることができる。
【0298】
本明細書で提供されるコンジュゲートは、直接、またはターゲッティング剤、Renilla GFP、RenillaまたはGaussia ルシフェラーゼおよび他のルシフェラーゼ(フォトプロテインまたはルシフェラーゼ酵素を含む)またはルシフェリンに対するリンカーを介するか、いずれかで連結した、組織特異的または腫瘍特異的モノクローナル抗体またはそのフラグメントのようなターゲッティング剤を含む。当該ターゲッティング剤は、マイクロキャリアーに結合し得る。当該結合は、ターゲッティング剤がタンパク質であるとき融合タンパク質の組換え体発現により、および化学的および組換え体発現の組合せにより、何れか化学的に生ずる。当該結合剤は、腫瘍細胞表面抗原または他の組織特異的抗原のような選択組織または細胞型に優先的に結合するものである。
【0299】
コンジュゲートの調製法は当業者に公知である。例えば、コンジュゲート形成用に設計されたエクオリンおよびかかるエクオリンを含有するコンジュゲートが製造されている(例えば、国際PCT出願第WO94/18342を参照;またSmith et al. (1995) in American Biotechnology Laboratoryも参照)。エクオリンはスルフヒドリル反応結合剤によって抗体分子と結合させた(Stultz et al. (1992) Use of Recombinant Biotinylated Apoaequorin from Escherichia coli. Biochemistry 31, 1433-1442)。かかる方法は本明細書における使用のために改変し、ターゲッティング剤として有用なタンパク質または他のかかる分子と結合したエクオリンを製造してもよい。またVargulaルシフェラーゼも他の分子と結合させた(例えば、日本出願第JP5064583、1993年3月19日を参照)。かかる方法は本明細書における使用のために改変し、ターゲッティング剤として有用な分子と結合したルシフェラーゼを製造してもよい。
【0300】
コンジュゲートを使用し、生物発光発生反応による発光との直接的相関によって生物学的サンプル中の特定の抗原の存在を検出または定量した。
【0301】
別法として、選択された基質との結合に特に好適なアミノ酸残基の付加によるなど、生物発光発生の成分を結合するために改変してもよい。これはDNAを改変し、かかる改変DNAを発現させることによって容易に達成され、NまたはC末端に付加残基を有するルシフェラーゼを得ることができる。
【0302】
コンジュゲートの調製法は当業者に公知である。例えば、コンジュゲート形成用に設計されたエクオリンおよびかかるエクオリンを含有するコンジュゲートが製造されている(例えば、国際PCT出願第WO94/18342を参照;またSmith et al. (1995) in American Biotechnology Laboratoryも参照)。エクオリンはスルフヒドリル反応結合剤によって抗体分子と結合させた(Stultz et al. (1992) Use of Recombinant Biotinylated Apoaequorin from Escherichia coli. Biochemistry 31, 1433-1442)。かかる方法は本明細書における使用のために改変し、ターゲッティング剤として有用なタンパク質または他のかかる分子と結合したエクオリンを製造してもよい。またVargulaルシフェラーゼも他の分子と結合させた(例えば、日本出願第JP5064583、1993年3月19日を参照)。かかる方法は本明細書における使用のために改変し、ターゲッティング剤として有用なタンパク質または他のかかる分子と結合したエクオリンを製造してもよい。生物発光発生反応は、本明細書で提供するRenilla reniformis GFPと共に使用する。
【0303】
a.リンカー
本明細書においては当業者に公知のいずれのリンカーを使用してもよい。その他のリンカーも化学的に製造するコンジュゲートへの組み込みに好適である。化学的に結合するコンジュゲートに好適なリンカーとしては、ジスルフィド結合、チオエーテル結合、ヒンダードジスルフィド結合、ならびにアミンおよびチオール基のような遊離反応性基間の共有結合が挙げられる。これらの結合はヘテロ二官能価試薬を用いてポリペプチドの一方または両方に反応性チオール基を生じさせ、次いで一方のポリペプチドのチオール基が、他方で反応性マレイミド基またはチオール基が結合し得る反応性チオール基またはアミン基と反応することによってなされる。その他のリンカーとしては、ビスマレイミデオトキシプロパン、酸に不安定なトランスフェリンコンジュゲートおよびアジピン酸ジヒドラジドのような酸切断可能リンカー(これらはより酸性の細胞内コンパートメントにおいて切断される);UVまたは可視光への暴露によって切断される架橋剤および種々のドメイン(ヒトIgG1の不変領域由来のCH1、CH2およびCH3など)のようなリンカー(Batra et al. (1993) Molecular Immunol. 30: 379-386を参照)が挙げられる。いくつかの具体例では、それぞれのリンカーの所望の特性を利用するよう数種のリンカーが挙げられている。
【0304】
化学的リンカーおよびペプチドリンカーをリンカーとTAおよび標的化された物質に共有結合することによって挿入してもよい。下記のヘテロ二官能価剤を使用してかかる共有結合を達成してもよい。またペプチドリンカーを、融合タンパク質としてリンカーおよびTA、リンカーおよび標的化物質、またはリンカー、標的化物質およびTAをコードするDNAを発現することによって結合してもよい。
【0305】
可変リンカーおよびコンジュゲートの溶解性を高めるリンカーについての使用も意図され、本明細書では単独または他のリンカーとの併用のいずれかが考えられる。
【0306】
アミノ基およびチオール基間に共有結合を形成して、チオール基をタンパク質に導入するために使用されるいくつかのヘテロ二官能価架橋試薬は当業者に公知である(例えば、PIERCE CATALOG, ImmunoTechnology Catalog & Handbook, 1992-1993を参照、これにはかかる試薬の調製および使用法が記載され、かかる試薬の市販元が示されている;また例えば、Cumberら (1992) Bioconjugate Chem. 3: 397-401; Thorpe et al. (1987) Cancer Res. 47: 5924-5931; Gordon et al. (1987) Proc. Natl. Acad. Sci. 84: 308-312; Walden et al. (1986) J. Mol. Cell Immunol. 2: 191-197; Carlsson et al. (1978) Biochem. J. 173: 723-737; Mahan et al. (1987) Anal. Biochem. 162: 163-170; Wawryznaczak et al. (1992) Br. J. Cancer 66: 361-366; Fattom et al. (1992) Infection & Immun. 60: 584-589も参照)。これらの試薬を使用してTAおよび標的化物質間に共有結合を形成してもよい。これらの試薬としては、限定されるものではないが、N-スクシンイミジル-3-(2-ピリジルジチオ)プロピオネート(SPDP;ジスルフェートリンカー);スルホスクシンイミジル6-(3-(2-ピリジルジチオ)プロピオンアミド)ヘキサノエート(スルホ-LC-SPDP);チオ硫酸スクシンイミジルオキシカルボニル-α-メチルベンジル(SMBT、ヒンダードジスルフィドリンカー);スクシンイミジル6-(3-(2-ピリジルジチオ)プロピオンアミド)ヘキサノエート(LC-SPDP);スルホスクシンイミジル4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボキシレート(スルホ-SMCC);スクシンイミジル3-(2-ピリジルジチオ)ブチレート(SPDE;ヒンダードジスルフィド結合リンカー);スルホスクシンイミジル2-(7-アジド-4-メチルクマリン-3-アセトアミド)エチル-1,3’-ジチオプロピオネート(SAED);スルホスクシンイミジル7-アジド-4-メチルクマリン-3-アセテート(SAMCA);スルホスクシンイミジル6-(α-メチル-α-(2-ピリジルジチオ)トルアミド)ヘキサノエート(スルホ-LC-SMPT); 1,4-ジ-(3’-(2’-ピリジルジチオ)プロピオンアミド)ブタン(DPDPB);4-スクシンイミジルオキシカルボニル-α-メチル-α-(2-ピリジルチオ)トルエン(SMPT、ヒンダードジスルフェートリンカー);スルホスクシンイミジル6-(α-メチル-α-(2-ピリジルジチオ)トルアミド)ヘキサノエート(スルホ-LC-SMPT);m-マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(MBS)m-マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスルホスクシンイミドエステル(スルホ-MBS);N-スクシンイミジル(4-ヨードアセチル)アミノベンゾエート(SIAB;チオエーテルリンカー);スルホスクシンイミジル(4-ヨードアセチル)アミノベンゾエート(スルホ-SIAB);スクシンイミジル4-(p-マレイミドフェニル)ブチレート(SMPB);スルホスクシンイミジル4-(p-マレイミドフェニル)ブチレート(スルホ-SMPB);アジドベンゾイルヒドラジド(ABH)が挙げられる。
【0307】
特に標的化された物質がより容易に反応しやすくなるよう切断する必要がある場合には酸切断可能リンカー、光切断可能および熱感受性リンカーを使用してもよい。
【0308】
酸切断可能リンカーとしては、限定されるものではないが、ビスマレイミデオトキシプロパン;およびアジピン酸ジヒドラジドリンカー(例えば、Fattom et al. (1992) Infection & Immun. 60: 584-589を参照)、ならびにトランスフェリンの十分な部分を含んでおり、細胞内トランスフェリン循環経路へ入ることが許される酸に不安定なトランスフェリンコンジュゲート(例えば、Welhoner et al. (1991) J. Biol. Chem. 266: 4309-4314を参照)が挙げられる。
【0309】
光切断可能リンカーは露光によって切断されるリンカーであり(例えば、Goldmacher et al. (1992) Bioconj. Chem. 3: 104-107、このリンカーは参照することにより本明細書に組み入れられる、を参照)、それにより露光時に標的化された物質を遊離する。露光によって切断される光切断可能リンカーは公知であり(例えば、Hazum et al. (1981) in Pept. Proc. Eur. Pept. Symp., 16th, Brunfeldt, K (Ed), pp. 105-110、これにはシステインの光切断可能保護基としてのニトロベンジル基の使用について記載されている; Yen et al. (1989) Makromol. Chem 190: 69-82、これにはヒドロキシプロピルメタクリルアミド共重合体、グリシン共重合体、フルオレセイン共重合体およびメチルローダミン共重合体を含む水溶性光切断可能な共重合体について記載されている; Goldmacher et al. (1992) Bioconj. Chem. 3: 104-107、これには近紫外線(350nm)への暴露時に光分解される架橋剤および試薬について記載されている;およびSenter et al. (1985) Photochem. Photobiol 42: 231-237、これには光切断可能結合をもたらす塩化ニトロベンジルオキシカルボニル架橋試薬について記載されている、を参照)、それにより露光時に標的化された物質を遊離する。かかるリンカーは光ファイバーを用いて露光し得る皮膚病または眼病の治療において特に有用である。該コンジュゲートの投与後、眼または皮膚もしくは他の身体の部分を露光することができ、その結果該コンジュゲートから標的化成分が遊離する。かかる光切断可能リンカーは動物の身体からの迅速に浄化すべきターゲッティング剤の除去が望ましい診断プロトコールに関して有用である。
【0310】
b.ターゲッティング剤
ターゲッティング剤には、標的化物質を腫瘍または特異化組織(標的化された組織)の細胞と相互作用し、局在化させる物質のいずれもが含まれる。かかる薬剤には、標的化された組織において十分に高濃度または高い含量で存在する細胞表面タンパク質または受容体と特異的に相互作用する物質のいずれもが含まれ、それによって適当な生物発光発生試薬およびアクチベーターと接触した際に光を発する。これらの物質には、限定されるものではないが、取り込まれないよう選択的に改変された成長因子、メトトレキセートおよび抗体、特に腫瘍特異的抗原に対して生じた抗体が挙げられる。いくつかのヒト腫瘍から多くの腫瘍特異的抗原が確認されている。
【0311】
c.抗腫瘍抗原抗体
ポリクローナルおよびモノクローナル抗体を選択された抗原に対して製造してもよい。あるいは、かかる多くの抗体は現在入手可能である。抗体およびそれぞれが目的とする腫瘍抗原例の一覧は米国出願番号08/908,909に示されており、これは参照することにより本明細書にそのまま組み入れられる。挙げられた抗体のいずれもが本明細書にて提供された方法に従って、生物発光発生成分と結合すると考えられる。
【0312】
好ましい抗体のうち、本明細書の方法における使用にはヒト起源のもの、またはさらに好ましくはヒト化されたモノクローナル抗体である。これらはヒトの診断に好ましい。
【0313】
d.コンジュゲートの調製
腫瘍診断方法に使用するコンジュゲートの調製方法を融合タンパク質の調製に使用することができ、下記BRETに使用のタンパク質とコンジュゲートすることができる。タンパク質結合法としてはいずれの方法を使用してもよい。例えば、ルシフェラーゼを抗体と結合させる方法については米国特許第5,486,455号に記載されている。前記のように、ターゲッティング剤およびルシフェリンまたはルシフェラーゼを共有結合、すなわちスルフィドリル結合または他の好適な結合によるなどして直接結合させてもよいし、またはリンカーによって結合させてもよい。ターゲッティング剤当たり1を超えるルシフェラーゼまたはルシフェリン、またはルシフェラーゼまたはルシフェリン当たり1を超えるターゲッティング剤があってもよい。
【0314】
あるいは、抗体、またはそのF(Ab)2抗原結合断片もしくは他のタンパク質ターゲッティング剤を組換えDNA手法を用いてルシフェラーゼと(直接または結合ペプチドを介して)融合してもよい。例えば、表3の抗腫瘍抗体のいずれかをコードするDNAを同一翻訳読み取り枠において、前記ルシフェラーゼ、例えば、配列番号1〜14のいずれかをコードするDNAと結合させ、発現ベクターへ挿入してもよい。発現のためには、組換え抗体ルシフェラーゼ融合物をコードするDNAを細菌または酵母のような適当な宿主へ導入してもよい。
【0315】
4.診断系において使用するための組成物の調製
多くの具体例では、本明細書にて提供されるRenilla ルシフェラーゼのようなRenilla GFPおよび診断系の成分は2つの組成物:コンジュゲートを含有する第1の組成物;および生物発光発生の残りの成分を含有する第2の組成物に処方する。該組成物は動物、特に哺乳類、さらに特にはヒトへの投与に好適ないずれかの方法で処方する。かかる製剤には局所、局部、腸、非経口、膀胱内、皮内、硝子体内(intravitreal)、皮下、筋肉内または静脈内投与に好適なものが含まれる。
【0316】
例えば、好ましい具体例においてルシフェラーゼ(またはフォトプロテイン)と結合したターゲッティング剤であるコンジュゲートを全身または局部投与用に処方する。残りの成分は別の局所または局部用の第2の組成物に処方する。第2の組成物は典型的には反応に加わるスペクトルシフーのような他の物質のいずれもが含まれる。第2の組成物の成分は徐放型または分解および/または血液成分との相互作用を妨げるいくつか別の様式に処方することが好ましい。
【0317】
a.第1の組成物:コンジュゲートの処方
前記のように、コンジュゲートにはルシフェラーゼまたはルシフェリンのいずれかとターゲッティング剤が含まれる。好ましいコンジュゲートはターゲッティング剤とルシフェラーゼ、特にGaussia、Renilla mulleriまたはPleuromammaルシフェラーゼ間で処方される。該コンジュゲートは局所、局部、静脈内および全身適用に好適な医薬組成物に処方してもよい。有効濃度の1以上のコンジュゲートを好適な医薬担体またはビヒクルと混合する。有効なコンジュゲートの濃度または量には投与した際に一定量の送達が必要であり、その結果、標的化された細胞または組織と結合した標的化部分は十分量となり、それにより手術処置中に細胞または組織が視覚化できる。典型的には、組成物は単用量投与用に処方される。有効な濃度および量はコンジュゲートを、本明細書にて記載されるもののような公知のインビトロおよびインビボ系において試験することによって経験的に決定すればよく、次ぎにヒトまたは他の動物に対する用量そこから推定してよい。
【0318】
コンジュゲートとビヒクルの混合または添加の際に得られる混合物は溶液、懸濁液、またはエマルションなどであってよい。得られる混合物の形態は意図した投与様式および選択された担体またはビヒクルにおけるコンジュゲートの溶解性をはじめとするいくつかの因子による。有効濃度は注目される部位に十分量の標的化物質を標的化し、それにより、残りの試薬と混合すると手術処置中に該部位が光を放つに十分なものである。かかる濃度または量は、マウス異種移植腫瘍モデルまたはウサギ眼病モデルからのデータのようなインビトロおよび/またはインビボデータに基づいて決定してよい。要すれば、コンジュゲートの医薬上許容される塩または他の誘導体を調製してもよい。
【0319】
本明細書にて提供されるコンジュゲートの投与に好適な医薬担体またはビヒクルには、特定の投与様式に好適な当業者に公知のかかる担体のいずれもが含まれる。さらに、該コンジュゲートは組成物中の唯一の医薬上成分として処方してもよいし、または他の有効成分と組み合わせてもよい。
【0320】
該コンジュゲートは適当な経路、例えば、経口、非経口、静脈内、皮内、皮下、または局所のいずれかによって、液体、半液体、または固体形態で投与でき、各投与経路に好適な形で処方される。現在のところ、静脈内または局部投与が好ましい。典型的には、腫瘍および血管増殖疾患は全身、皮内、または筋肉内投与様式によって視覚化される。
【0321】
該コンジュゲートは医薬上許容される担体に、検出可能な組織を作り、患者または動物に望ましくない副作用を生じないよう十分な量で含まれる。副作用の数および程度はコンジュゲートが投与される条件によることが理解される。例えば、腫瘍のような生命を脅かす疾病を診断しようとする場合には、ある有毒で望ましくない副作用が許容されるが、あまり重大でない疾患を診断する際には許容されないであろう。
【0322】
組成物中のコンジュゲートの濃度はその吸収、不活性化および***速度、投与計画および投与量、ならびに当業者に公知なその他の因子によるであろう。典型的には有効用量は有効成分の血清濃度において約0.1ng/mlないし約50〜1000μg/ml、好ましくは50μg/mlとなるべきである。典型的には該医薬組成物は選択されたコンジュゲートによって、1日当たり体重キログラム当たりコンジュゲート約0.01mgないし約100〜2000mgの用量を供すべきである。典型的には静脈内投与には、約0.05ないし1mg/kgの用量が十分であろう。眼病組織の視覚化または関節への局部注入などについての局部使用では、単用量投与当たり約1ngないし1000μgまで、好ましくは約1μgないし約100μgを提供すべきである。投与する量は選択されるコンジュゲート、兆候、および許容される可能性のある副作用の関数であると理解される。用量は認められたモデルを用い、経験的に決定できる。
【0323】
該有効成分は一度に投与してもよいし、またはいくつかの少用量に分けて時間をおいて投与してもよい。投与についての正確な用量および時間は診断される病状の関数であり、公知の試験プロトコールを用いるか、またはインビトロまたはインビボ試験データからの推定により経験的に決定してよいものと理解される。また濃度および用量値は緩和しようとする病状の重篤度によって変わることにも注意すべきである。さらに特定の患者いずれに対しても、個々の必要性および投与するまたは組成物の投与を管理する者の専門的判断によって経時的に特異な用量計画を調整すべきこと、および本明細書で示された濃度範囲は単に例示的なものであり、請求される組成物の範囲または実施を限定するものではないと理解される。
【0324】
非経口、皮内、皮下、または局所適用に使用される溶剤または懸濁液には次のいずれの成分:注入用の水、塩水、固定油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、または他の合成溶剤のような無菌希釈剤;ベンジルアルコールおよびメチルパラベンのような抗微生物剤;アスコルビン酸および重亜硫酸ナトリウムのような抗酸化剤;エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)のようなキレート化剤;酢酸塩、クエン酸塩およびリン酸塩のようなバッファー;ならびに塩化ナトリウムまたはブドウ糖のような浸透圧調整剤を含んでもよい。親製剤をガラス、プラスチックまたはその他の好適な材料で作製されたアンプル、使い捨てシリンジまたは多用量バイアルに封入してもよい。
【0325】
静脈内投与する場合、好適な担体としては生理的食塩水、リン酸緩衝塩水(PBS)およびグルコース、ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコール、ならびにその混合物のような増粘剤および可溶化剤を含む溶液が挙げられる。またリポソーム懸濁液も医薬上許容される担体として好適である。これらは当業者に公知な方法に従って調製され得る。
【0326】
該コンジュゲートは徐放性製剤またはコーティング剤のように身体からの急速な排出を防ぐ担体とともに調製してもよい。かかる担体としては、限定されるものではないが、インプラントおよびマイクロカプセル封入送達系のような制御放出製剤、および酢酸エチレンビニル、ポリ無水物、ポリグリコール酸、ポリオルトエステル、ポリ酢酸およびその他のもののような生分解性、生体適合性ポリマーが挙げられる。
【0327】
該コンジュゲートはゲル剤、クリーム剤およびローション剤の形で皮膚および眼などの粘膜への局部塗布のような局所または局部適用に、および眼への適用に、または大槽内または髄腔内適用に処方してもよい。かかる水剤、特に眼病用途のものは適当な塩を用いて0.01%ないし10%等張溶液、pH約5ないし7として処方してもよい。また眼病用組成物にはヒアルロン酸のようなさらなる成分を含めてもよい。該コンジュゲートは局部適用のエアゾル剤として処方してもよい(例えば、米国特許第4,044,126号、第4,414,209号、および第4,364,923号を参照)。
【0328】
また手術処置中にインビボで該コンジュゲートを活性化するための組成物もエアゾル剤として処方してもよい。これらの組成物にはアクチベーターおよびルシフェリン(コンジュゲートがルシフェラーゼを標的化する場合)またはルシフェラーゼ(コンジュゲートがコエレンテラジンのようなルシフェリンを標的化する場合)のような残りの生物発光剤も含まれる。
【0329】
経口投与が所望されるならば、該コンジュゲートを胃の酸性環境から保護する組成物で提供すべきである。例えば、該組成物は胃内ではそれを完全に保持し、腸内で有効な化合物を放出する腸溶性コーティングにて処方できる。一般に経口組成物に不活性希釈剤または可食担体を含めて打錠するか、またはゼラチンカプセルに封入してもよい。経口投与の目的のためには、該有効化合物または化合物群に賦形剤を配合し、錠剤、カプセル剤、またはトローチ剤の形で使用できる。医薬上適合する結合剤およびアジュバント物質を組成物の一部として含めてもよい。
【0330】
錠剤、ピル、カプセル剤、トローチ剤などは以下の成分、または類似した性質を持つ化合物のいずれを含んでもよい:微晶質セルロース、トランガカントゴムおよびゼラチンのような結合剤;スターチおよびラクトースのような賦形剤、限定されるものではないが、アルギン酸およびコーンスターチのような分散剤;限定されるものではないが、ステアリン酸マグネシウムのような滑沢剤;限定されるものではないが、コロイド二酸化珪素のような滑剤;スクロースまたはサッカリンのような甘味剤;およびペパーミント、サリチル酸メチルおよび果物香味のような香味剤。
【0331】
単位投与形がカプセルである場合、それは前記タイプの物質に加えて、脂肪油のような液体担体を含んでもよい。また単位用量形は投与単位の物理形態を改変する他の種々の物質、例えば、糖またはその他の腸溶性薬剤のコーティングを含んでもよい。また該コンジュゲートはエリキシル剤、懸濁剤、シロップ、ウエハース、チューインガムなどの成分として投与してもよい。シロップには活性化合物とともに、甘味剤としてのスクロース、およびある種の防腐剤、染料ならびに着染料および香味料を含んでもよい。
【0332】
また該有効物質は、所望の作用を損なうことのない他の有効物質と、または腫瘍の治療のためのシスプラチンのような所望の作用を補う物質と混合してもよい。
【0333】
最後に、該化合物は、包装材料、包装材料内の本明細書で提供された1以上のコンジュゲートまたは化合物、および該コンジュゲートが提供される適応症を示すラベルを含んだ製品として包装してもよい。
【0334】
b.第2の組成物
第2の組成物には生物発光発生反応の残りの成分が含まれる。これらの成分が全身投与されるという好ましい具体例では、残りの成分にはルシフェリンまたは基質、および所望によりスペクトルシフターのような添加剤、特に本明細書にて提供されるGFPが含まれる。ルシフェリンのようなこれらの成分は、コンジュゲートについての前記したように処方することができる。いくつかの具体例においてこの組成物中のルシフェリンまたはルシフェラーゼはタンパク質担体または他の担体と結合し、血液細胞または他の細胞成分への分解または溶解が妨げられる。
【0335】
第2の組成物が局所または局部的に用いられる具体例では、それをスプレー剤またはエアゾル剤もしくは局所または局部使用に好適な他の手段に処方できる。
【0336】
本明細書に記載されるある具体例では、組織に対して標的化した徐放性製剤としてカプセル封入するなど、アクチベーターを除く全ての成分を一緒に処方する。放出される際、該組成物は所望の部位に局在化し、光を放ち始める。
【0337】
実施上、2種類の組成物は同時投与しても、連続投与してもよい。典型的には、コンジュゲートを含む第1の組成物を最初に、一般には手術の1または2時間前に投与し、次いで第2の組成物を術前または手術中のいずれかに投与する。
【0338】
本明細書にて提供されるコンジュゲートには直接、または標的化される物質、ルシフェラーゼ(フォトプロテインまたはルシフェラーゼ酵素を含む)またはルシフェリンへのリンカーにより結合する組織特異的または腫瘍特異的モノクローナル抗体もしくはその断片などのターゲッティング剤が含まれる。標的化される物質は微粒子担体と組み合わせてもよい。該結合は、化学的に、標的化される物質がタンパク質である場合には融合タンパク質の組換え発現による、また化学的および組換え発現の組合せによるなどいずれかにより達成される。ターゲッティング剤は腫瘍細胞表面抗原または他の組織特異的抗原のような選択された組織または細胞種と優先的に結合するものである。
【0339】
コンジュゲートの調製法は当業者に公知である。例えば、コンジュゲート形成のために設計されたエクオリンおよびかかるエクオリンを含有するコンジュゲートが製造されている(例えば、国際PCT出願第WO94/18342を参照;またSmith et al. (1995) in American Biotechnology Laboratoryも参照)。エクオリンはスルフヒドリル反応結合剤によって抗体分子と結合させた(Stultz et al. (1992) Use of Recombinant Biotinylated Apoaequorin from Escherichia coli. Biochemistry 31, 1433-1442)。かかる方法を本明細書における使用のために改変し、ターゲッティング剤として有用なタンパク質または他のかかる分子と結合したエクオリン製造してもよい。またVargulaルシフェラーゼも他の分子と結合させた(例えば、日本出願第JP5064583、1993年3月19日を参照)。かかる方法を本明細書における使用のために改変し、ターゲッティング剤として有用なタンパク質または他のかかる分子と結合したエクオリンを製造してもよい。
【0340】
エクオリン抗体コンジュゲートを使用し、生物発光発生反応による発光との直接手的相関によって生物学的サンプル中の特定の抗原の存在を検出または定量した。
【0341】
別法として、選択された基質との結合に特に好適なアミノ酸残基の付加によるなど、Renilla GFPまたはRenilla mulleriもしくはGaussiaルシフェラーゼまたは生物発光発生の成分を結合するために改変してもよい。これはDNAを改変し、かかる改変DNAを発現させることによって容易に達成され、NまたはC末端に付加残基を有するルシフェラーゼを得ることができる。
【0342】
系の選択は所望の色および所望の生物発光持続時間、ならびに特定のアイテムのような因子による。ターゲッティング剤の選択については主として視覚化しようとする腫瘍または組織のタイプおよび特徴、ならびに視覚化を行う設定による。
【0343】
Renilla reniformis GFPは、スペクトルシフター(spectral shifter)として作用する一方または両方の組成物に添加される。
【0344】
c.ターゲッティング剤と組み合わせた反応の実施
各生物発光発生と選択されたターゲッティング剤が併用される特定の方法は薬剤および視覚化しようとする試薬および腫瘍または組織の関数となる。しかしながら、一般には反応物のルシフェリン、Renilla GFP、Renilla mulleri、PleuromammaもしくはGaussiaルシフェラーゼまたは他のルシフェラーゼとターゲッティング剤とを結合し、術前に動物へ投与する。手術中に、目的の組織を生物発光発生の残りの成分と接触させる。ターゲッティング剤が作用するいずれの組織も光を放つであろう。
【0345】
生物発光発生によって生じたいずれの色の可視光も本明細書の方法における使用について考えられる。可視光は様々な強度および波長をもつ青、緑および/または赤色光の組合せであることが好ましい。近赤外光の波長約700ないし1300nmが柔組織および骨質を透過することが知られているため、哺乳類組織または組織に深く埋め込まれた腫瘍を通して腫瘍または特異化組織を視覚化するには、より長い波長の可視光、すなわち赤色および近赤外光が好ましい(例えば、米国特許第4,281,645号を参照)。
【0346】
他の具体例では、手術中に組織一面に無菌溶液を噴霧し、次いで残りの成分を塗布することによるなどして該コンジュゲートを組織に塗布してもよい。標的化された抗原を発現する組織が光を放つ。
【0347】
懸濁液、散剤、ペースト剤または他の好適な無菌形態のいずれかのような組成物において試薬を提供することができる。それらをスプレー剤、エアゾル剤、またはいずれの好適な形態で提供してもよい。該試薬をマトリックス、特にインビボ使用に好適であり、かつそれらが毛細管を通過するサイズを有するマイクロビーズに結合させてもよい。典型的には反応に必要な成分の1種以上を除くすべて、好ましくは1種を除くずべてが混合され、ともに提供され、Ca2+、レダクターゼを有するFMN、FMNNH2、ATP、空気または酸素の添加によるなど、合せた成分を残りの成分と接触させて反応を誘発する。
【0348】
好ましい具体例では、ルシフェラーゼまたはルシフェラーゼ/ルシフェリンを患者への投与の前にターゲッティング剤と組み合わせて提供する。次いでターゲッティング剤コンジュゲートを残りの成分とインビボで接触させる。本明細書にて明らかとなるように、各系を選択されたターゲッティング剤と組み合わせる数多くの方法がある。
【0349】
G.組合せ
さらに、Renilla reniformis GFPを製品と組み合わせて使用して新規アイテムを製造する。Renilla reniformis GFPは生物発光発生と共に使用され得る。かかるアイテムおよび調製法は米国出願番号5,876,995、6,152,358および6,113,886に詳細に記載されている。製品である新規アイテムは、エンターテインメント、レクリエーションおよび娯楽用に設計されている。これらには限定されるものではないが、玩具、特に水鉄砲、玩具のシガレット、玩具の「ハロウィーン」卵、フットバッグおよびボード/カードゲーム;フィンガーペイントおよび他のペイント、粘液性玩具;布地、特にシャツ、帽子およびスポーツ用具服のような衣類、糸および織糸;泡作製玩具および泡を発生させる他の玩具における泡;風船;小像;入浴剤、ボディローション、ゲル、パウダーおよびクリーム、ネイルエナメル、化粧品(メーキャップ用品、練り歯磨きおよび他の磨歯剤を含む)、石鹸、ボディペイント、および泡立て溶剤のような個人用品疑似餌、インク、紙のような製品;ゼラチン、アイシングおよびフロスティングのような食品;ルシフェリンおよびトランスジェニック魚類、特にルシフェラーゼを発現するトランスジェニック魚類を含む魚料理;ルシフェリンまたはルシフェラーゼ、好ましくはルシフェラーゼを発現するトランスジェニック植物を使用するためのルシフェリンを含む植物食;およびビール、ワイン、シャンパン、ソフトドリンクのような飲料、および角氷ならびに他の形態の氷;液体「花火」および液剤、混合物、懸濁液、粉剤、ペースト剤、粒剤または他の適当な形の組成物の他のかかる噴射剤、スプレー剤またはエアゾル剤を含む噴水器が挙げられる。
【0350】
本明細書で提供される生物発光発生と組み合わすことができ、それにより、ロゴまたは商標と結びつけた宣伝用物および/または宣伝行為などのためのようなレクリエーションやアトラクション用の物品の使用を含む、娯楽や気晴らし、アミューズメントを提供する製造品が、本明細書で意図される。かかる使用は、かかるアイテムの通常または標準使用に加えて、またはそれとともに、もしくはその代わりにというものである。組合せの結果として、水鉄砲および噴水器の場合のようにそのアイテムは光を放ち、発光液もしくは液体または粒子のスプレーを生じる。
【0351】
H.Renilla reniformis GFPおよびコード化核酸分子の典型的な使
1.腫瘍および他の組織の診断法
Renilla mulleriもしくはPtilosarcusGFPおよび/またはRenilla mulleri、PleuromammaもしくはGaussiaルシフェラーゼを含む組成物を使用して、インビボまたはイン シトゥにて組織を、好ましくは腫瘍組織を診断および視覚化する方法を提供する。例えば、Renilla mulleriGFPタンパク質を、同時係属出願の出願番号08/908,909に記載されるもののようなイン シトゥにおける組織の視覚化を生物発光による診断系と併用することができる。該系は非観血的および侵観血的手法中などの腫瘍組織および特異組織を視覚化および検出するのに特に有用である。該系にはRenilla reniformis GFP、ルシフェラーゼまたはルシフェリンのような標的化される物質と結合した組織特異的、特に腫瘍特異的ターゲッティング剤を含むコンジュゲートを含有する組成物が含まれる。また該系には生物発光発生反応の残りの成分および/またはGFPを含む第2の組成物も含まれる。いくつかの具体例においてアクチベーターを除くすべての成分はイン シトゥにて提供されるか、または身体もしくは組織に存在し、単一の組成物に含まれている。
【0352】
特に診断系には2つの組成が含まれる。好ましい具体例では、生物発光発生反応の成分と結合した腫瘍抗原に対して向けられた抗体、ルシフェラーゼまたはルシフェリン、好ましくはルシフェラーゼを含むコンジュゲートを含む第1の組成物を提供する。ある具体例では、腫瘍特異的ターゲッティング剤含むコンジュゲートをルシフェラーゼまたはルシフェリンと結合させる。他の具体例では、腫瘍特異的ターゲッティング剤を好ましくは1以上の生物発光発生成分と、好ましくは1以上のルシフェラーゼ分子と結合した微粒子担体と結合させる。
【0353】
第2の組成物は生物発光発生の残りの成分、典型的にはルシフェリンまたはルシフェラーゼ基質を含む。いくつかの具体例では、これらの成分、特にルシフェリンを血清アルブミンのようなタンパク質、または他のタンパク質担体と結合させる。全身投与された成分は担体および徐放性処方によってルシフェリンまたはルシフェラーゼを失活させるヘモグロビンのような血液細胞成分と相互作用することなく標的化された組織まで移動できる。
【0354】
2.疾患の診断法
チップ方法論、Gaussia、PleuromammaもしくはRenilla mulleriルシフェラーゼとRenilla reniformis GFPを含むルシフェラーゼ/ルシフェリン生物発光発生を使用して、疾患、特に感染症の診断法を提供する。特に該チップには、GFPによりシフトするような生物発光発生によって放射される光子を検出する内蔵光検出器が含まれる。同時継続の米国特許出願番号08/990,103に記載され、国際特許出願番号WO98/26277として公開された、このチップ装置には、生物発光発生により放射される光子を検出する内蔵光検出器が含まれる。この方法は、生物発光発生により生ずる光子の検出のため、本明細書に記載のように修飾される自己アドレス指定可能および非自己アドレス指定可能フォーマットを含む任意の適当なチップ装置を用い実施し得る。本明細書で提供する当該チップは、生物学的種属における感染剤の検出および同定のためのアレイフォーマットの使用に適用される。
【0355】
チップを調製するため、チップ生成のための適当なマトリクスが選択され、当該チップは、高分子の連結のためマトリクスを適当に生ずること、および光産物を測定するため;生物学的分子または抗リガンド、例えば抗体のようなレセプターを、チップに、好ましくはその所定位置に結合するため、光ダイオード、光電子増倍管CCD(電荷結合素子)または他の適当な検出器の結合を含むことによりにより作成される。光ダイオードは、現在、好ましい検出器、および本明細書で特定されたものである。しかし、他の適当な検出器がそれに置換され得ると理解できる。
【0356】
ある具体例では、該チップは同時係属出願の米国出願番号08/990,103に記載されたもののように光検出器のX-Yアレイのようなアレイを有する集積回路を使用して作製される。回路の表面を処理して、それをチップが向けられる目的の診断アッセイの病状に対して不活性にし、抗体のような結合分子の誘導体化によるなどして改変する。特に細菌抗原に特異的な抗体のような選択された抗体または抗体のパネルを各光検出器上のチップ表面に付着させる。チップを試験サンプルと接触させた後、チップをRenilla GFPのようなGFPと結合した二次抗体と接触させて、Pleuromamma、GaussiaもしくはR.mulleriルシフェラーゼのような生物発光発生の成分と結合したキメラ抗体-GFP融合タンパク質または抗体を形成する。抗体は抗原に特異的である。生物発光発生反応の残りの成分を加えて、もし生物発光発生の成分と結合するいずれかの抗体がチップ上に存在するならば、光を発生させ、近接する光検出器によって検出される。光検出器は機能しうる形でコンピュータに連結され、結合された抗体を確認する情報によってプログラムが作成され、発生を記録し、それによって試験サンプル内に存在する抗原を同定する。
【0357】
3.Renilla reniformis GFPとのRenilla mulleriルシフェラーゼ、PleuromammaルシフェラーゼおよびGaussiaルシフェラーゼ融合タンパク質の生成方法
GFPおよびルシフェラーゼ融合タンパク質の生成方法を提供する。方法には注目される遺伝子をコードするDNAまたはその一部と、Renilla reniformis GFPおよびルシフェラーゼをコードするDNAとの同一翻訳読み取り枠での結合が含まれる。注目されるコードされたタンパク質はフレーム内でGFPまたはルシフェラーゼのアミノまたはカルボキシ末端と結合し得る。次いでキメラタンパク質をコードするDNAを好適な発現ベクターのプロモーターエレメントと実施可能なように連結させる。あるいは、該プロモーターエレメントは、注目される標的化遺伝子およびGFPまたはルシフェラーゼコード配列から上流に結合したプロモーター含有断片から直接得られ、キメラGFPタンパク質が産生され得る。
【0358】
例えば、ルシフェラーゼ、好ましくはRenillaルシフェラーゼ、より好ましくはRenilla reniformisルシフェラーゼ、およびセルロース結合ドメインのN末端部分に結合したDNAをコードするRenilla reniformis GFPを含むキメラ融合体が提供される。
【0359】
4.化合物を同定するための細胞に基づくアッセイ
注目される遺伝子のプロモーターエレメントの制御下でRenilla reniformis GFPをコードする異種DNAを発現する組換え細胞を使用して、化合物を同定するため方法を提供する。組換え細胞を使用して、GFPが介在する蛍光性を測定することによって目的のプロモーターからの転写レベルを変調させる化合物またはリガンドを同定することができる。またキメラGFPを発現する組換え細胞を使用し、組換え細胞内におけるGFP介在蛍光の分布領域を確認することによって遺伝子発現またはタンパク質の流れをモニターするか、または標的タンパク質の細胞分布を決定してもよい。
【0360】
I.キット
診断およびイムノアッセイ法に使用するための生物発光発生の成分を伴うかまたは伴わずに、および本明細書で記載されるものを含む新規アイテムを伴って、Renilla reniformis GFPまたはコーディングアミノ酸分子(配列番号23-26参照)を含むキットを製造してもよい。
【0361】
ある具体例では、該キットには製品と組み合わせた適当な試薬と生物発光のための製品が含まれる。例えば、これらのキットは泡吹き込みまたは発生玩具とともに、または水鉄砲とともに使用することができる。またこれらのキットは再装填または投入カートリッジを含んでもよい。
【0362】
もう1つの具体例では、該キットを腫瘍組織および他の組織を検出し視覚化するために使用することもでき、それには、Renilla reniformis GFPおよびRenilla mulleri、Renilla reniformisまたはGaussiaルシフェラーゼのような選択ルシフェラーゼを含む第1の組成物と生物発光発生の残りの成分と必要な活性化剤のいずれもを含んだ活性組成物を含むの第2の組成物が含まれる。
【0363】
他の具体例では、該キットをマルチウェルアッセイ装置の使用により疾患、特に感染病を検出し確認するために使用し、それにはそれぞれが内蔵光検出器を有し、1以上の感染原因物質に特異的な抗体または抗体のパネルを付着させる複数のウェルと、例えば、Renilla mulleriGFPタンパク質、キメラ抗体-Renilla reniformis GFP融合タンパク質、F(Ab)2抗体断片-Renilla reniformis GFP融合タンパク質と、または例えば、GaussiaもしくはRenilla mulleriまたはreniformisルシフェラーゼを含むかかるコンジュゲートと結合する感染原因物質に特異的な抗体のような第2の抗体を含む組成物が入ったマルチウェルアッセイ装置が含まれる。第2の組成物は、Renillaルシフェラーゼを励起させ、装置の光検出器によって検出される緑色光を放射させて試薬の存在を示すためのRenillaまたはAequorea種のようなGFPの励起範囲内の波長光を放射する系などの生物発光発生の残りの成分を含む。
【0364】
さらなる具体例では、該キットは診断系の成分を含む。該キットはコンジュゲート含有組成物、好ましくはRenilla GFPまたはGaussia、またはPleuromammaもしくはRenilla mulleriルシフェラーゼおよび残りの生物発光発生成分を含んでなる。典型的には該キットの第1の組成物にはGFPまたはルシフェラーゼと結合したターゲッティング剤が含まれる。第2の組成物には少なくともルシフェリン(基質)および/またはルシフェラーゼが含まれる。両組成物は動物への全身、局所または局部使用用に処方される。もう1つの具体例では、第1の組成物にはターゲッティング剤と結合したルシフェリンが含まれ、第2の組成物にはルシフェラーゼもしくはルシフェラーゼとGFPが含まれる。
【0365】
一般に包装材はそこに入れられた組成物とは反応性がなく、要すれば発光反応の進行にその物質が必要とされる程度まで水および/または空気を排除すべきである。
【0366】
診断への適用は、特別な包装を必要とする。生物発光発生試薬は、ペレットで提供され、マイクロカプセルもしくはマクロカプセルにカプセル化し、マトリックス、好ましくは生物適合性、より好ましくは生物分解性マトリックスに結合させ、そして、製造品中もしくは製造品上に入れ、または、製造品内部の小室または他の何らかの形態中の混合物として含有させることができる。例えば、ルシフェラーゼコンジュゲートを含有する組成物は、生物発光基質および生物発光活性化因子を含有する別個の組成物とは別々に、且つそれらと共に使用するために、提供されるであろう。
【0367】
同様に、Renilla reniformis GFPおよびPleuromamma、Renilla mulleriまたはGaussiaのルシフェラーゼまたはルシフェリンのような選択ルシフェラーゼおよび/またはルシフェリンは、残りの成分と別個に、または組み合わせて、但し活性化成分の不在下に、混合物、懸濁液、溶液、粉末、ペーストである組成物またはその他の適当な組成物の状態で提供することができる。選択された組織を標的とするコンジュゲートをこの組成物と接触させると、反応が開始し、組織が発光する。好ましい態様において、この組織は、510nm付近の光を放射し緑に発光する。ルシフェラーゼ、GFPおよび生物発光基質は、例えば、水および/または空気、生物発光活性化因子を排除して包装する。投与および標的部位での放出の際、当該部位における塩類またはその他の因子(外科的手段の場合は空気を包含する)との反応が、因子を活性化するであろう。ある実施態様では、少なくともGFPまたはマトリクスサブストレートに連結され次いで局所的にまたは全身的に投与され得る生物発光発生の一成分を望ましくは提供する。
【0368】
適当な分配および包装装置およびマトリクス物質は、当業者に既知であり、好ましくは、米国特許番号5,876,995、6,152,358および6,113,886に記載の装置すべてを含む。
【0369】
J.ムテイン
Renilla reniformis GFPのムテインを本明細書で提供する。Renillaルシフェラーゼ/基質反応により生ずるエネルギーのアクセプターとして作用する能力を変化せずに保存アミノ酸を変えるムテインを提供する。スペクトル特性を変えるムテイン、二量体化を含む多量体化を減少する表面特性を変えるムテインを含む、特性を変えるムテインも提供する。
【0370】
1.多量体化を破壊するGFP表面の変異
図5は、結晶構造が存在し、他にdsRedのようなClontech(このアライメントとしてdrFP583としても知られている)(Wall et al. (2000); Nature Struct. Biol. 7:1133-1138; Yarbrough et al., (2001) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 98: 462-467)から商業的に利用可能である3つの花虫綱蛍光タンパク質を示す。暗灰色バックグラウンドは、アミノ酸保存を示し、明灰色バックグラウンドは、シェアされた物理化学的性質を示す。この結晶構造および生物化学的特性(Baird et al.,(2000) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 97: 11984-11989)は、インビトロで必須の四量体としてdsRedが存在することを示す。dsRedが生体細胞を多量体化するという証明も存在する(Baird et al., (2000) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 97: 11984-11989)。セディメンテーションおよびネイティブゲル電気泳動の研究は、PtilosarcusおよびRenilla mulleri GFPがまたインビトロで四量体およびインビボで多量体を形成することも示す。PtilosarcusおよびRenilla mulleri GFPは、dsRed由来のアミノ酸配列で強力に分岐する(それぞれ39%および38%同一性)。コンピュータ操作ポリペプチドスレッディングアルゴリズムは、これらのGFPは本質的にdsRed、またより配列分岐したAequorea victoria GFPと同じ構造にフォールドされることが予想される。Renilla reniformis GFPは、dsRed、PtilosarcusおよびRenilla mulleri GFPの配列に対し類似して関連し(それぞれ、37%、51%および53%同一性)、そのため、非常に類似の多量体を形成するようである。多量体化は、キメラタンパク質融合のレポーティング部分としてGFPを使用する多くの応用に望ましくない。それゆえ、多量体化するキャパシティーが減少するムテインを提供する。そのため、GFP多量体の形成を崩壊するRenilla reniformis GFPの変異を提供する。その変異はまた、PtilosarcusおよびRenilla mulleriおよび他のGFPに効果を有し得る(図6参照)。
【0371】
dsRed四量体内の2つの相互作用、1つの本来的な疎水性(Xでマークした残基)および1つの本来的な親水性(Oでマークした残基)が述べられている(Wall et al.,(2000); Nature Struct. Biol. 7: 1133-1138)。一般的に、アミノ酸の物理化学的性質がしばしば保存されるが、対応残基は、複合的方法で4つのGFP間で相当変化する。全体の同一性が77%を維持しつつ、特にPtilosarcusとRenilla mulleri GFPとの間で保存残基のクラスターが僅かに存在する。
【0372】
破壊に関し本明細書で提供するスキームは、当該表面が親水性特性を獲得または維持するため、表面アミノ酸側鎖を変えることに焦点が当てられおり、その立体化学もまた変化する(側鎖の大きさが変化する)。これらのGFP表面領域は、GFPβ-バレル三次構造を含むβ-シート二次構造に対しおおよそ位置付ける。そのため、本質的に、任意の表面変異体において二次構造が維持され、それによって、アミノ酸側鎖置換の選択はこの考慮を適用する。
【0373】
電荷を変える変異を導入することも望ましい。例えば、その変異は、R、HおよびK残基がDにより置換されたものであり、それによって、疎水性および親水性表面はそれぞれ3変異残基を含む(配列番号33;アミノ酸108、127および226のLysをAspへ;アミノ酸131および199のArgをAspへ;アミノ酸172のHisをAspへ)。
【0374】
サイト・ダイレクト突然変異技術を用い、水性溶媒和物の影響を受け易いアミノ酸側鎖を導入し、表面立体化学を有意に変化させる。表面相互作用の破壊には、機能変異誘発の喪失(loss-of-function)を含む。そのため、数残基のみ、あるいは1残基のみを変化させることが重要であることが予想される。
【0375】
2.置換フルオロホアを有する有利なGFP表面の使用
GFPの他の表面は、生体系でレポータとしてGFP有用性のキーデターミナント(key determinant)となり得る。GFP表面は、付随的に、生命の細胞性コンポーネントと相互作用し、それにより、GFP誘導性細胞毒性の原因となり得る。生物発光ルシフェラーゼ-GFP由来の花虫綱GFPは、サンゴおよびイソギンチャク由来の花虫綱GFPよりも根本的に異なる生物学的機能の役割を担う。Renilla reniformis GFPは、少量で存在し、驚いた動物が発行するのを可能とする機能的神経ネットワークに応答する共鳴エネルギーアクセプターとして機能する。サンゴGFP様タンパク質は、多量で存在し、主にパッシブ色素(passive pigment)として明らかに使用される;恐らく感受細胞性機械と動力学的に相互作用するためには進化していない。そのため、これら2つのクラスの花虫綱蛍光タンパク質は、顕著に異なる生物学的特性を有する表面を有し得る。
【0376】
図4は、Ptilosarcus、Renilla mulleriおよびRenilla reniformis GFPのバックグラウンドにフルホロホアを挿入するための置換部位を示す。特に、任意の他の花虫綱GFP由来の対応20アミノ酸領域を有する2つの高度に保存されたプリン間で存在する20アミノ酸領域(アンダーライン領域が配列番号27Renilla reniformis GFPのアミノ酸56-75;配列番号16Renilla mulleri GFPのアミノ酸59-78;およびPtilosarcus GFPの場合には配列番号32のアミノ酸59-78に相当する)が、置換されるかまたは修飾される。これらの20アミノ酸残基は、花虫綱GFPの特徴であるβ-バラレル構造の内部に沿ってつなぐポリペプチド領域のバルク(Wall et al.,(2000) Nature Struct. Biol. 7: 1133-1138; Yarbrough et al.,(2001) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 98:462-467)を含む;置換または修飾はスペクトル特性を変化させる。
【0377】
K.トランスジェニック植物および動物
上記考察のように、Renilla reniformis GFPをコードする核酸を含むトランスジェニック動物および植物を提供する。GFPを発現するトランスジェニック植物および動物を生ずる方法が既知である(米国特許番号6,020,538参照)。
【0378】
トランスジェニック植物および動物の間では、蛍光を発する目または指の爪または牙または髪を有する動物のような新規アイテムであるものである。ニワトリおよびウシおよびブタのようなトランスジェニック食料動物も意図され、それにより光を発する肉および卵(緑色の卵およびハム)が得られる;光を発する蠕虫は魚つりのルアーとなる。加えて、Renilla reniformisは、GFP遺伝子に連結する異種遺伝子が動物ゲノム中へ組込まれるか、または幾つかもしくはすべての細胞中のゲノムの部分となることを検出するレポータとなり得る。Renilla reniformisは、遺伝子治療にレポータとして同様に使用され得る。GFPは、植物中に導入され、ランおよびバラや他の鑑賞用の植物のような光を発するトランスジェニック観葉植物を作成する。また、GFPは、例えば、シグナルトランスダクションを評価する二次メッセージに応答するFosのようなプロモーターに連結することにより、植物においてマーカーとして使用され得る。GFPは、アデニルシクラーゼ変化のレベルとして異なるスペクトル周波数を放射する植物の要因となるアデニルシクラーゼに連結し得る。
【0379】
L.生物発光共鳴エネルギー転移(BRET)
自然界では、コエレンテラジンを使用するルシフェラーゼは、広域バンドの青緑色光を放射する(最大〜480nm)。生物発光共鳴エネルギー移動(BRET)は、ヒドロ虫類のObeliaの研究から最初に推論された自然現象であり(Morin & Hastings (1971) J.Cell Physiol. 77:313-18)、これにより、インビボで観察される緑色の生物発光の放射が、ルシフェラーゼが非放射的にエネルギーを副次的緑色蛍光タンパク質(GFP)に移動させる結果であることが示された。BRETは、その後まもなく、ヒドロ虫類Aequorea victoriaおよび花虫綱Renilla reniformsで観察された。精製されたルシフェラーゼおよびGFPとの間のインビトロでのエネルギー移動は、Aequorea(Morise et al.(1974) Biochemistry 13:2656-62)およびRenilla(Ward & Cormier(1976) J.Phys.Chem. 80:2289-91)系で立証されたが、重要な相違は、溶液中において有効な無放射エネルギー移動は、明らかに、1個のルシフェラーゼ分子と1個のGFPホモ二量体とのプレ結合により、Renillaでのみ起こるということである(Ward & Cormier(1978) Photochem. Photobiol. 27:389-96) 。Renillaルシフェラーゼの青色(486nm)蛍光の放射は、適切な量のRenilla GFPを添加すると、狭いバンドの緑色の放射(508nm)へと完全に変換することができる(Ward & Cormier(1976) J.Phys.Chem. 80:2289-91)。GFPは、励起状態のルシフェラーゼ-基質複合体からエネルギーを受け取り、この光を狭域バンドの緑色光(〜510nm)として再放射する。この非放射エネルギー移動により、ルシフェラーゼの量子収量が増加する。
【0380】
ルシフェラーゼおよび蛍光タンパク質は、タンパク質タグおよび転写レポータとして、数多くの良く開発され且つ貴重な用途を持っている;BRETは、これらの適用の感度および範囲を増大させる。GFPは、量子収量を上げることにより、ルシフェラーゼレポータの感度を増大させる。幾つかのスペクトル上別個のGFPに融合させた(化学的に結合させた)単一のルシフェラーゼは、単一のルシフェリンの添加により活性化された多数のルシフェラーゼレポータの同時使用を提供する。同一のルシフェラーゼに融合させた異なる放射波長を有するGFPをそれぞれ含有する、2種の融合タンパク質(または化学的コンジュゲート)を製造することにより、2またはそれ以上のレポータを、単一の基質の添加と共に使用することができる。したがって、単一の試薬の添加を用いて、多数の事象を監視、または多数の検定を実行することができる。ルシフェリンの分布が均一または再生産可能であるならば、このようなレポータ系は、自己供給性である。
【0381】
細胞内の幾つかの高分子的事象を簡便に同時監視できるという事は、現行の生物発光技術に優る、大きな改善である。さらにBRETは、ルシフェラーゼおよび蛍光タンパク質の結合または方向の変化を利用することにより、全く新しいレポーティングのやり方を可能にする。融合タンパク質を製造することにより、ルシフェラーゼ-GFP受容体の対が生成し、融合部分の結合またはコンホメーションの変化に応答し、これによりセンサーとして働く。
【0382】
生理学的レポータとしての二つの蛍光タンパク質の間のエネルギー移動(FRET)が報告されており(Miyawaki et al. (1997) Nature 388:882-7)、ここでは、2つの異なるGFPをカルモジュリンのカルボキシおよびアミノ末端に融合させた。カルシウムイオン濃度の変化がカルモジュリンに充分なコンホメーションの変化を惹起し、GFP部分の間のエネルギー移動のレベルを変化させた。供与体の放射において観察された変化は、~10%であり、変化の割合は~1.8であった。
【0383】
同時継続の許可米国出願第09/277,716から再作成した図2は、GFPおよびルシフェラーゼ、好ましくは同起源ルシフェラーゼを使用する生物発光共鳴エネルギー転移(BRET)の基礎原理、およびセンサーとしてのその使用を示している:A)分離の際、ルシフェラーゼ、好ましくは花虫綱ルシフェラーゼは、コエレンテラジン由来の発色団から青色光を放射する;B)分離の際、青緑色光で励起されているGFP、好ましくはルシフェラーゼと結合する花虫綱GFPは、その固有ペプチドに基づく発蛍光団から緑色光を放射する;C)ルシフェラーゼおよびGFPがインビボまたはインビトロで複合体として結合する時、ルシフェラーゼはその反応エネルギーをGFP発蛍光団に非放射的に移動させ、これが次に緑色を放射する;D)ルシフェラーゼ-GFP複合体を破壊するいかなる分子相互作用も、緑色光から青色光へのスペクトルのシフトを観測することにより、定量的に監視することができる。それゆえ、その相互作用または破壊はセンサーとなる。
【0384】
基質ルシフェリン存在下でのルシフェラーゼ-GFP対の同様な用途は、重要な利点を有する。第一に、一次励起光からの受容体のバックグラウンドおよび励起が無い。第二に、ルシフェラーゼの量子収量はGFPへの非放射的移動により大きく増強されるため、供与体の放射からのバックグラウンドはより小さく、そして受容体からのシグナルは相対的により大きくなる。第三に、ルシフェラーゼのピーク放射(~480nm)からGFPのピーク放射(典型的には508-510nm)への波長シフトが大きく、シグナルの重複を最小限とする。これら全ての因子が結びついてシグナル-ノイズ比を大きくする。GFP受容体の濃度は蛍光を用いて個別に確認できる。
【0385】
幾つかの適用のためには、インビトロ架橋された、またはそれ以外にインビトロ修飾された天然タンパク質が意図される。遺伝的にコード化された融合タンパク質は多くの優れた利点を有する:A)インビボの用途-化学に基づくルミネセンスまたは放射性に基づく検定と異なり、融合タンパク質は生体細胞または生体全体の中に遺伝的に組み込むことができる。この事は、適用の可能性の範囲を著しく増大させる;B)可撓性のある且つ正確な修飾-多数の異なる応答修飾要素を、与えられたルシフェラーゼ-GFP対の中に再生産的且つ定量的に組み込むことができる;C)単純な精製-精製には一つの試薬が必要であるに過ぎず、その精製は蛍光タンパク質部分を介して監視することができる。リガンド結合モチーフを組み込んで、親和精製法を容易にすることができる。
【0386】
1.BRETに基づくセンサーの設計
二つの発色団の間の共鳴エネルギーの移動は、供与体および受容体発色団の間の距離およびそれらの空間における相対的方向に、極めて鋭敏である(Wu & Brand (1984) Anal. Biochem. 218:1-13)。エネルギー移動の効率は、発色団の間隙の6倍に逆比例する。実際には、有用な距離範囲は約10ないし100Åであって、これにより、共鳴エネルギー移動が、生物学的高分子の相互作用を研究するための非常に有用な技術となった。様々な蛍光に基づくFRETバイオセンサーが組み立てられており、当初はタンパク質または膜性分にコンジュゲートさせた化学的蛍光体を使用していたが、近年は、スペクトル上別個のGFP変異体の対を使用している(Giuliano & Taylor (1998) Trends Biotech. 16:99-146;Tsien (1988) Annu. Rev. Biochem. 67:509-44)。
【0387】
これらの遺伝的にコード化されたGFP生物発光に基づくバイオセンサーは、より簡便性の低い且つより正確性の低い化学的コンジュゲートに基づくバイオセンサーに優る利点を持っているが、これらは全て設計に制限がある:発色団が最も近接した位置関係にある場合、エネルギー移動が定量的なバイオセンサーを組み立てることは一般に困難である。コンジュゲート化したまたは内在する発色団が最小の間隔且つ最適な向きに安定に位置するよう、タンパク質の複雑な立体化学を自由に操作することは殆ど不可能である。係るバイオセンサーの有効性はまた、しばしば共鳴エネルギー供与体および受容体の間の化学量論的不均衡によっても制限される;供与体および受容体である高分子は、複合体形成していない発色団から放射されるバックグラウンドシグナルを回避するよう、定量的に複合体化されねばならない。一般的設計におけるこれらの制限は、バイオセンサーが、丈夫であり、簡便であり且つ安価でなければならない場合、重要となる。候補薬物のための高スループットスクリーニング(高スループットスクリーニング(HTS)プロトコルを使用)、バイオチップおよび環境監視は、微量の標的のシグナルの「ヒット」(例えば、二つのポリペプチド間の複合体形成)が、大過剰の「非ヒット」と明確に(統計学的に)識別可能である、モジュラー様式のバイオセンサーから、多大な利益を得るであろう。現在の遺伝的にコード化されたFRETおよび生物発光に基づくバイオセンサーは、非常にしばしば、非ヒットシグナルの二倍未満、良くて数倍の大きさのヒットシグナルを示すに過ぎない(Xu et al. (1999) Proc.Natl.Acad.Sci USA 96:151-156;Miyawaki et al. (1997) Nature 388:882-7)。
【0388】
これらの問題を解決するために、本発明において提供される花虫綱のGFP、例えばRenilla GFPを、それらと同起源のルシフェラーゼと組み合わせて使用することができる。花虫綱ルシフェラーゼ-GFP複合体は、与えられたバイオセンサーに特異的な生物学的性質を付与するタンパク質ドメインがそこに結合する時、「骨格」を提供する。この骨格を基礎とする多くの有用な二成分バイオセンサーを組み立てることができるが、本発明において企図されるバイオセンサーでは、互いに複合体形成する可能性のある独立したタンパク質ドメインが、それぞれルシフェラーゼおよびGFPと融合する。
【0389】
このテーマでは多くの可能な変化がある。例えば、3つのコンポーネントでは、ルシフェラーゼまたはGFPの何れかが、目的のタンパク質または他の標的ペプチドまたは目的の他の部分由来のリガンド結合ドメインに融合し得る。融合タンパク質の設計が正しいならば、小分子またはタンパク質リガンドの結合はルシフェラーゼGFP結合を妨げる。得られたエレメントの組合せは、BRETに基づくバイオセンサーである;リガンドの存在下および非存在下のスペクトル特性の変化はセンサーの役割をする。より複雑なタンパク質融合が設計され得、多数の使用のための2つのコンポーネントおよび単一のコンポーネントBRETバイオセンサーを作成する。
【0390】
本発明に係る核酸、ならびに構成物およびプラスミドは、このRenilla reniformisの場合、好ましくはRenillaルシフェラーゼと共に、より好ましくはRenilla reniformisルシフェラーゼと共に、花虫綱GFPを含む融合タンパク質の様々なコンフィギュレーションの製造を可能にする。GFPをコード化している核酸は、ルシフェラーゼをコード化している核酸と隣接させて、または例えば目的タンパク質のリガンド結合ドメインをコード化している核酸の挿入により、その核酸と離して融合させることができる。GFPおよびルシフェラーゼは結合するであろう。リガンド結合ドメインと被験化合物またはその他の部分との相互作用の際、GFPおよびルシフェラーゼの相互作用が変化し、それにより該複合体の放射シグナルが変化する。必要ならば、GFPおよびルシフェラーゼを、この相互作用を微調整するために修飾し、これをコンホメーションの変化または温度もしくはその他のパラメータに対してさらに鋭敏にすることができる。
【0391】
2.BRETセンサー構造物
図3は、幾つかの典型的なBRETセンサー構造物を示す。上段左のパネルは、ルシフェラーゼGFP骨格を示し、典型的なBRETセンサー構造物の基本をここに示した。示した単一ペプチド融合構成物をポリペプチド末端にルシフェラーゼおよびGFPを置き、それは、選択の相互作用タンパク質ドメインを括弧に入れている。他に、ルシフェラーゼおよびGFPは、相互作用するタンパク質ドメインの間のポリペプチド内の中心に位置し得る(示さず)。他の整列は、可能性あるタンパク質標的をコードするcDNAフラグメントを構成物の一端にライゲートし得る、1ステップタンパク質相互作用に基づくクローニングスキームに利点がある。
【0392】
タンパク質標的内の配座変化またはタンパク質標的の結合-解離を検出する単一ポリペプチドセンサーは、標的のリン酸化または他の修飾が仲介するもののような生理学的シグナルの検出、またはホルモンのような標的に対する調節リガンドの結合による生理学的シグナルの検出に十分に適合する。インタフェアレンスに基づくセンサーは、任意の調節コンテキストに無関係の小分子またはタンパク質の存在の評価に最も適する。糖およびアレルゲンのような代謝産物の定量アッセイは、意図されるものの1つである。
【0393】
インビボおよびインビトロのGFPに対するルシフェラーゼエネルギー転移は、100%近くの効率となり得、ルシフェラーゼとGFP間の結合相互作用は、ドナーとアクセプター発色団間の最適空間関係を十分に確立しなければならない。ルシフェラーゼGFPエネルギー転移モジュールの最適化は、効果的BRETセンサーの構成に重要となる。単一ポリペプチドセンサーにおいて、ルシフェラーゼ-GFP相互作用が、標的ドメイン間の相互作用に比較して弱いことが重要であり、そのため、最適化エネルギー転移モジュールを必要とする。実施において、ルシフェラーゼまたはGFP表面の何れかが、ランダムに変異誘発され得、次いで、最近のロボットを用い2つ近くの生理的温度(温度終点選択)で青色または緑色の何れかを放射しスクリーニングすることにより最適化ルシフェラーゼGFP骨格が選択される。BRETのこの崩壊は、機能喪失の変異体(脆弱化したルシフェラーゼGFP結合)では機能獲得変異体よりも数桁高い頻度となるため、容易に達成し得る。
【0394】
制御の最適化エネルギー転移骨格を用い、温度終点選択(thermal endpoint selection)を、必要ならば用い得、センサー中へ組み込まれる標的ドメイン間の相互作用を最適化する。この第二ラウンドの温度終点選択は、インタフェアレンスを認識する生理的温度に近い温度でそのセンサーが“開きおよび閉じる”ことができることが本質であるため、インタフェアレンスセンサーの構成に本質的に重要となり得る。温度終点選択をまた用い、インタフェアレンスセンサーに対するアナライトの結合親和性が弱くなり、それにより、当該アナライトを温めて洗浄し、センサーをリンスすることができ、バイオチップに基づく適用に非常に有利となる。
【0395】
3.BRETセンサーの利点
本発明において提供されるBRETセンサーには数多くの利点がある。例えば、BRETセンサーは自己供給性である。レポータおよび標的は一つのポリペプチドに統合される。この事により、ルシフェラーゼ、GFPおよび標的の間の1:1:1の化学量論が保証される(または、1以上、典型的にはホモ二量体のGFPがルシフェラーゼに結合できるならば、1:N:1の化学量論)。GFPの蛍光はセンサーの絶対定量を可能とする。零の状態は、センサーの機能性を立証するシグナルを与える。定量可能な零状態は、BRET破壊センサー(DBRET)を促進する。BRETセンサーは、GFP FRETセンサーより、雑音に対すルシグナルの比が良好である。何故なら、細胞の自己蛍光が無く、一次励起光からの受容体の励起が無く、ルシフェラーゼの量子収量が、GFPへの非放射的エネルギー移動により極めて増強され、そして、ルシフェラーゼの放射とGFPの放射の間のシグナル重複が最小限であるためである。さらに、花虫綱のGFPは、AequoreaのGFPよりも6倍高い吸光係数を持っている。
【0396】
BRETセンサーは、培養細胞および組織ならびに動物を包含する、インビトロまたはインビボまたはインシトゥのスクリーニング検定において、ヒットの同定および下流評価のために使用することができる。BRETセンサーは熱による終点選択によって作り出すことができ、それは、DBRET(BRETの破壊)に適しており、標的の3D構造および機能動力学についての知識の必要性を減じる。存在するスクリーニングロボットを用い、バイオセンサーを最適化する。甚大な遺伝的多様性のある花虫綱由来のBRETセンサーの利点によって、効率的なルシフェラーゼ-GFPエネルギー移動系が案出されており、その構成成分は混合し適合させることができる。効率の高い異種性ルシフェラーゼを、より活性の低いルシフェラーゼに代えて使用することができる。例えば、橈脚類ルシフェラーゼの活性部位を、花虫綱ルシフェラーゼGFP結合ドメインに融合させることができる。多岐にわたる数多くのコエレンテラジン使用ルシフェラーゼがある。
【0397】
BRETセンサーは、最適化したセンサーの骨組みを異なる標的と共に使用できるような、モジュラーである。また、BRET受容体は、シフトした放射を与えるよう、多様であってよく、複数情報の同時読み出しを容易にする。例えばエクオリン(Ca++により活性化された)フォトプロテイン、または条件付き活性化を起こさせるための蛍ルシフェラーゼ(ATPおよび蛍ルシフェリンを必要とする)を使用することにより、花虫綱GFPは突然変異させることができ、GFPまたはその他のタンパク質は相異なる化学的蛍光体で修飾することができ、高スループットスクリーニング(HTS)蛍光体修飾FRET受容体は適合させることができ、BRET供与体(ルシフェラーゼ)は多様化させることができる。センサーの骨格は、試薬の容量を減らすことのできる自由フォーマットプレート、再使用可能なマイクロタイタープレート、微小カラムおよびバイオチップを包含する、様々な固定化モチーフに組み入れることができる。最後に、BRETセンサーは、標準化されたタンパク質生成により生成でき、精製タグ組み込むことができるため、安価で再生産可能な試薬である。遺伝的にコード化されたレポータは、化学的に修飾されたレポータよりさらに再生産可能である。BRETモジュールの直線状翻訳はセンサーの完全性を確実とする。
【0398】
以下の実施例は説明目的のためにのみ記載するものであり、本発明の範囲を限定する意図はない。
【0399】
実施例
ウミシイタケRenilla reniformisの試料をジョージア州沿岸の海水から回収した。mRNAの単離にウミシイタケを準備するため、一度に約25個ばかりをドライアイスの大きなベッド上に置いた。それらは凍結を防止するためスパチュラでひっくり返した。不思議なことに、ドライアイスと接触すると動全体が発光した。最も明るく、最も緑色のものを選別し、バッグ中に置き、2時間約65-70℃の海水に戻した。この、ドライアイス、選別および海水処理の工程を6時間に渡り3回繰り返した。加えて、その工程は夜行った。それらを最終工程で消耗させた後、選別動物を凍結させ固体とした。cDNAライブラリーを凍結動物から調製した。
【0400】
これらの方法により選択した動物を液体窒素中で凍結させ、Stratagene, Inc.(La Jolla, Ca)(ライブラリー調製契約の下、cDNAライブラリーの注文構築を事業としている)に輸送た。精製ポリA-mRNAを調製し、cDNA合成反応を行い、cDNAに3'XhoI部位および5'EcoRI制限酵素部位を付加した。cDNAを、Uni-ZAPλファージcDNAクローニングベクターのEcoRIおよびXhoI部位間のライゲーションにより挿入した。
【0401】
当該得られた非増幅ライブラリーは、おおよそ1.6×106のプライマープラークを含み、増幅後には3.5-7.5 pfb(plaque forming units)/mlの力価が得られ。挿入サイズは0.9から3.0kbの範囲であり、平均サイズは約1.5kbであった。2つの部分(mass)を切除し、cDNA挿入物を含むpBluescriptファージミドを得た;約8×10プラークの各切除は、約4.8×109cfu(colony forming units)/mlとなった。ファージミドはE. coliのSOLR株へトランスフェクトした。
【0402】
スクリーニングは、約200,000コロニーを(artist's airbrushを用い)、バックグラウンドの蛍光を吸収させるため0.4%カーボンブラックを入れたLB寒天培地を含む40のカフェテリアトレイにプレートすることにより行った。加湿インキュベーター中で30℃で24時間増殖させ、GFP発現コロニーを、EGFP帯域励起フィルター(Chroma)を装着した250ワット石英ハロゲンファイバーオプティックス光(Cuda Products Corp)を用いプレートを照射すること、およびGFP帯域放射フィルターを介しコロニーを見ることにより同定した。おおよそ10蛍光コロニーをピックし、DNAをミニプレップで単離し、当該DNAをXL-10 Gold E. coli株(Stratagene)に形質転換した。制限酵素消化による分析により、挿入物の3つの識別可能サイズに分解した。DNAは各サイズのクラスのクローンから調製し、配列決定のためSeqWright LLB(Houston, TX)に送った。配列決定データは1999年1月24日にProlumeに報告された。
【0403】
Renilla reniformis GFPの3つの独立cDNAクローンを単離した(配列番号23-25)。各cDNAは同一の5'末端により判断して全長であり、それぞれは、233アミノ酸(配列番号27)の同一タンパク質をコードしている。最初のクローン(クローン1)と比較すると、クローン2のコーディング配列は4つのサイレント変異により区別される。クローン2および3はまた、cDNAの5'および3'非翻訳領域とは少し相違する。この核酸は、発現ベクター中に挿入され、コードされたタンパク質を産生する。
【0404】
修飾が当業者に明らかであるため、本発明は添付の特許請求の範囲によってのみ限定されることを意図する
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、花虫綱GFPにおける系統発生の関係を示す。
【図2】 図2A-Dは、生物発光共鳴エネルギー転移(BRET)の基礎となる原理およびセンサーとしてのその使用を示す。
【図3】 図3は、典型的なBRETセンサー構造体を示す。
【図4】 図4は、Ptilosarcus、Renilla mulleriおよびRenilla reniformis GFPのバックグラウンドへの変更フルオロホアの置換を示す。
【図5】 図5は、結晶構造が存在する3つの花虫綱蛍光タンパク質を示す。
【図6】 図6は、種々のGFPの配列を比較し、多量体化を減少する変異部位を同定している。
【配列表】
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Claims (69)

  1. 配列番号27のタンパク質をコードするヌクレオチドの配列またはその配列と少なくとも90%の同一性を有するRenilla reniformisがコードする緑色蛍光タンパク質を含む、Renilla reniformis緑色蛍光タンパク質をコードする単離核酸分子。
  2. (a)配列番号23-25の何れかに開示のヌクレオチド配列のコーディング部分;
    (b)(a)のヌクレオチドの配列に高緊縮条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列;および
    (c)(a)または(b)の縮合コドンを含むヌクレオチド配列
    からなる群から選択されるヌクレオチド配列を含む、請求項1の単離核酸分子。
  3. 核酸がDNAである、請求項1の単離核酸分子。
  4. 核酸がRNAである、請求項1の単離核酸分子。
  5. 請求項1のヌクレオチドセットの配列から選択される少なくとも16連続ヌクレオチドを含む核酸プローブまたはプライマー。
  6. 少なくとも30連続ヌクレオチドを含む請求項5のプローブまたはプライマー。
  7. 請求項1のヌクレオチド配列を含むプラスミド。
  8. プロモーターエレメント;
    核酸挿入のためのクローニング部位;および
    選択可能マーカー
    を含む発現ベクターである請求項7のプラスミドであって、
    クローニング部位をコードする核酸が、プロモーターエレメントをコードする核酸と緑色蛍光タンパク質との間に位置し、緑色蛍光タンパク質をコードする核酸が、実施可能なようにプロモーターエレメントに連結する、
    当該プラスミド。
  9. ルシフェラーゼをコードするヌクレオチド配列を更に含む、請求項7のプラスミド。
  10. 請求項7のプラスミドを含む、組換え宿主細胞。
  11. 当該細胞が、細菌細胞、酵母細胞、真菌細胞、植物細胞、昆虫細胞および動物細胞からなる群より選択される、請求項10の細胞。
  12. 請求項1の核酸分子によりコードされる、単離された実質的に精製されたRenilla reniformis緑色蛍光タンパク質(GFP)。
  13. 請求項12の緑色蛍光タンパク質および生物発光発生系の少なくとも1つのコンポーネントを含む、組成物。
  14. 生物発光発生系が、昆虫系、腔腸動物系、クラゲ系、細菌系、軟体動物系、甲殻類動物系、魚類系、環形動物系およびミミズ系から単離されるものから選択される、請求項13の組成物。
  15. 生物発光発生系が、ホタル、Mnemiopsis、Beroe ovata、Aequorea、Obelia、Vargula、Pelagia、Renilla、Pholas Aristostomias、Pachystomias、Poricthys、Cypridina、Aristostomias、Pachystomias、Malacosteus、Gonadostomias、Gaussia、Watensia、Halisturia、吸血イカ、Glyphus、ハダカイワシ、Vinciguerria、Howella、Florenciella、Chaudiodus、Melanocostus、ウミエラ、Chiroteuthis、Eucleoteuthis、Onychoteuthis、Watasenia、コウイカ、Sepiolina、Oplophorus、Acanthophyra、Sergestes、Gnathophausia、Argyropelecus、Yarella、Diaphus、GonadostomiasおよびNeoscopelusから単離されるものから選択される、請求項13の組成物。
  16. 請求項1の核酸を含む、レポーター遺伝子構成物。
  17. 製品;および
    請求項1の核酸分子によりコードされるRenilla reniformis緑色蛍光タンパク質(GFP)
    を含む組合せであって、
    前記製品が、玩具、噴水器、個人ケアアイテム(personal care item)、フェアリーダスト(fairy dust)、食物、織物、トランスジェニック観葉植物および紙製品から選択される、組合せ
  18. 生物発光発生系の少なくとも1つのコンポーネントを更に含み、それにより、その組合せが新規アイテムである、請求項17の組合せ。
  19. 生物発光発生系のコンポーネントにルシフェラーゼを含む、請求項18の組合せ。
  20. 生物発光発生系のコンポーネントにルシフェリンを含む、請求項18の組合せ。
  21. 製品が、玩具の鉄砲、空気銃、グリーティングカード、フィンガー・ペイント、フットバッグ、粘液性物質玩具、衣類、泡をつくる玩具およびその泡、バルーン、入浴剤、ボディ・ローション、ゲル、ボディ・パウダー、ボディ・クリーム、歯磨き、口内洗浄剤、石鹸、ボディ・ペイント、泡立て溶剤、ボードゲームの玩具、疑似餌、卵形玩具、玩具のシガレット、人形、花火、魔法の杖の玩具、包装紙、ゼラチン、アイシング、フロスティング、フェアリーダスト、ビール、観葉トランスジェニック植物、ワイン、シャンペン、ミルク、角氷、氷、ドライアイス、石鹸、ボディ・ペイントおよび泡立て溶剤から選択される、請求項17の組合せ。
  22. トランスジェニック観葉植物である、請求項21の組合せ。
  23. 玩具である、請求項21の組合せ。
  24. 食物である、請求項21の組合せ。
  25. 化粧品である、請求項21の組合せ。
  26. 飲料である、請求項21の組合せ。
  27. 製品が、玩具の鉄砲、空気銃、グリーティングカード、フィンガーペイント、フットバッグ、粘着性物質玩具、衣類、泡をつくる玩具およびその泡、バルーン、入浴剤、ボディ・ローション、ゲル、ボディ・パウダー、ボディ・クリーム、歯磨き、口内洗浄剤、石鹸、ボディペイント、泡立て溶剤、ボードゲームの玩具、疑似餌、卵形玩具、玩具のシガレット、人形、花火、魔法の杖の玩具、包装紙、ゼラチン、アイシング、フロスティング、フェアリーダスト、ビール、ワイン、シャンペン、ソフトドリンク、角氷、氷、ドライアイス、石鹸、ボディペイントおよび泡立て溶剤から選択される、請求項18の組合せ。
  28. 請求項12のRenilla reniformis緑色蛍光タンパク質(GFP)に特異的に結合する抗体、またはその結合ドメインを含む抗体の分子または誘導
  29. モノクローナル抗体である、請求項28の抗体。
  30. ルシフェラーゼをコードするヌクレオチド配列およびRenilla reniformis蛍光タンパク質(GFP)をコードする請求項1のヌクレオチド配列を含む、核酸構成物。
  31. ルシフェラーゼが、Renilla mulleriルシフェラーゼ、Gaussia ルシフェラーゼまたはPleuromammaルシフェラーゼである、請求項30の核酸構成物。
  32. Gaussia ルシフェラーゼが、Gaussia princeps ルシフェラーゼである、請求項31の核酸構成物。
  33. 当該ルシフェラーゼが、
    配列番号17、配列番号19または配列番号28に開示のヌクレオチド配列;
    配列番号18、配列番号20または配列番号29に開示のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列;および
    配列番号17、配列番号19または配列番号28に開示のヌクレオチド配列に高緊縮条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列
    によりコードされる、請求項30の核酸構成物。
  34. DNAである、請求項30の核酸構成物。
  35. RNAである、請求項30の核酸構成物。
  36. 請求項30の核酸構成物を含む、プラスミド。
  37. プロモーターエレメント;
    選択可能マーカー;
    をコードするヌクレオチド配列を更に含む請求項36のプラスミドであって、
    ルシフェラーゼおよびGFPをコードするヌクレオチド配列を実施可能なようにプロモーターエレメントに連結し、それにより、ルシフェラーゼおよびGFPを発現する、
    当該プラスミド。
  38. ルシフェラーゼおよびGFPが多シストロン性メッセージによりコードされる、請求項30の構成物。
  39. コード化ルシフェラーゼおよび蛍光タンパク質が融合タンパク質を含む、請求項30の構成物。
  40. ルシフェラーゼが、Renilla reniformisルシフェラーゼである、請求項30の構成物。
  41. 請求項36のプラスミドを含む、組換え宿主細胞。
  42. 当該細胞が、細菌細胞、酵母細胞、真菌細胞、植物細胞、昆虫細胞および動物細胞からなる群より選択される、請求項41の細胞。
  43. GFPがRenilla reniformis GFPであり、融合タンパク質が、請求項39の核酸構成物によりコードされる、単離された実質的に精製されたルシフェラーゼおよびGFP融合タンパク質。
  44. ルシフェラーゼがRenillaルシフェラーゼである、請求項43の融合タンパク質。
  45. ルシフェラーゼがRenilla reniformisルシフェラーゼである、請求項43の融合タンパク質。
  46. 請求項43の融合タンパク質を含む、組成物。
  47. 生物発光発生系の少なくとも1つのコンポーネントを更に含む、請求項46の組成物。
  48. 生物発光発生系のコンポーネントがルシフェリンである、請求項47の組成物。
  49. ルシフェラーゼおよびGFPをコードするヌクレオチド配列が連続していない、請求項39の核酸構成物。
  50. 標的タンパク質のリガンド結合ドメインをコードするヌクレオチド配列を含む、請求項49の核酸構成物。
  51. 請求項1の核酸分子およびルシフェラーゼによりコードされるGFPタンパク質を含む、バイオセンサー。
  52. ルシフェラーゼがRenillaルシフェラーゼである、請求項51のバイオセンサー。
  53. モジュレーターを更に含む、請求項51のバイオセンサー。
  54. 請求項43の融合タンパク質を含む、バイオセンサー。
  55. 融合タンパク質中のGFPおよびルシフェラーゼが連続していない、請求項54のバイオセンサー。
  56. (a)請求項1の核酸分子によりコードされるGFP;
    (b)GFPとルシフェラーゼが結合するときにGFPがエネルギーを受け取るルシフェラーゼ;および
    (c)ルシフェリンまたはルシフェラーゼの他の基質
    を含む、生物発光共鳴エネルギー転移(BRET)系。
  57. 1以上のモジュレーターを更に含む、請求項56のBRET系。
  58. GFPおよびルシフェラーゼが異なるモジュレーターにそれぞれ結合するか、またはそれぞれが同じモジュレーターに結合する、請求項57のBRET系。
  59. モジュレーターの配座変化がその近辺でルシフェラーゼおよびGFPを増大させる、請求項57のBRET系。
  60. モジュレーターの配座変化がその近辺でルシフェラーゼおよびGFPを減少させる、請求項57のBRET系。
  61. ルシフェラーゼがRenilla reniformisルシフェラーゼである、請求項57のBRET系。

  62. 当該基において定義される多数のマイクロ位置(micro-location)(各マイクロ位置が高分子を連結するためにある);
    各マイクロ位置かまたはそれに近接して内蔵され、所望により、各マイクロ位置に結合する独立の光検出器(各光検出器は、光放射化学反応がそのマイクロ位置で生ずるとき対応マイクロ位置で放射する光の光子に応答する感受性シグナルを生ずるように形成され、各光検出器は、他のマイクロ位置に光学的に結合する光検出器から独立している);および各光検出器に結合し、そして各光検出器により生ずる感度シグナルが読めて、光放射化学反応により各ミクロ位置で放射する光を示す出力データシグナルを生じるように形成した電子回路(それにより装置は光放射化学反応により放射する光の光子を検出する);
    を含み、この場合、
    各ミクロ位置が表面の一部により定義され、そして
    上に定義されるミクロ位置は請求項1の生物発光発生系および緑色蛍光タンパク質のコンポーネントをそれぞれ含み、それにより、光の光子が、反応がミクロ位置で生じたときに放射する、
    マイクロエレクトロニック装置。
  63. ミクロ位置がアレイとして提供される、請求項62の装置。
  64. 生物発光発生系がRenillaルシフェラーゼを含む、請求項62の装置。
  65. 生物発光発生系がRenilla reniformisルシフェラーゼを含む、請求項63の装置。
  66. 請求項62のミクロエレクトロニック装置を提供すること;
    高分子または多数の異なる高分子を、当該装置の各ミクロ位置で表面に結合させること(高分子が、生物学的サンプルに存在し得る選択されたアナライトとの結合に特異的である);
    当該サンプルをミクロエレクトロニック装置の表面に接触させ、それによりサンプルに存在する任意の選択されたアナライトが、各ミクロ位置の表面に結合する高分子に結合していること;
    ミクロエレクトロニック装置の表面を、各ミクロ位置で第一の高分子に既に結合している選択されたアナライトに結合した第二の高分子または多数の第二の高分子にさらすこと(第二の高分子は、生物発光発生反応のコンポーネントを含む);
    装置の表面を、生物発光発生反応の残りのコンポーネントと接触させることにより生物発光発生反応を開始すること(生じた光の波長はRenilla reniformis GFPによりシフトする);および
    各ミクロ位置に所望により結合した光検出器を用いGFPにより放射する光の光子を検出すること(各光検出器は、各ミクロ位置での生物発光発生を示す感度シグナルを生ずる)、
    を含む、生物学的サンプル中のアナライトを検出および同定する方法。
  67. 請求項1のRenilla reniformis 核酸を発現するトランスジェニック非ヒト動物または植物。
  68. 魚、蠕虫、サル、齧歯動物、ヤギ、ブタ、ウシ、ヒツジ、ウマ、鑑賞用植物、観葉植物から選択される、請求項67のトランスジェニック非ヒト動物または植物。
  69. ランである請求項67のトランスジェニック非ヒト動物または植物。
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