以下、本発明をその一種であるパチンコ球(遊技球)を遊技媒体とするパチンコ式遊技機に具体化した一実施形態を図1〜図11に基づき説明する。以下の説明では、パチンコ球を遊技媒体とするパチンコ式遊技機を、単に「スロット遊技機」という。スロット遊技機は、「パチスロ機(回胴式遊技機)」と称される遊技機と同様のゲーム性を有し、遊技媒体としてメダルに代えてパチンコ球を用いるものである。なお、パチスロ機は、遊技者が賭数を設定した後、スタートレバーを操作して図柄変動ゲーム(以下、「ゲーム」と示す場合もある。)を開始させるとともにストップボタンの操作により図柄を停止させ、その停止した図柄の組み合わせが遊技媒体の払出条件を充足させる賞態様を形成した場合に遊技媒体であるメダルを遊技者に付与するゲーム性を有する。また、パチスロ機及び本実施形態のスロット遊技機は、図柄変動ゲームが開始してから賞として付与される遊技媒体の払出しが完了するまでを一遊技単位として図柄変動ゲームが行われる。また、以下の説明において「上」、「下」、「左」、「右」、「前(表)」、「後(裏)」は、特に断らない限り、遊技場に設置した状態のスロット遊技機を遊技者側から見た場合(図1の状態)の「上」、「下」、「左」、「右」、「前(表)」、「後(裏)」を示すものとする。
図1には、本実施形態のスロット遊技機10の機表側が略示されており、機体の外郭をなす外枠11の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットする縦長方形の中枠(内枠)12(図3及び図4参照)が開閉可能に組み付けられている。外枠11は、スロット遊技機10の外形を成している。また、中枠12の前面側には、前枠(前面扉)13が開閉可能に組み付けられている。前枠13の右方には、当該前枠13の裏面に設けられた施錠装置(図示しない)によって中枠12及び前枠13を開閉不能に施錠するための上ドアキー14が設けられている。中枠12は、上ドアキー14に挿入したキーを反時計回り方向に回動操作することにより開放できるようになっているとともに、前枠13は、上ドアキー14に挿入したキーを時計回り方向に回動操作することにより開放できるようになっている。また、前枠13の右方であって、上ドアキー14の下部には、異常状態解除手段としての下ドアキー15が設けられており、該下ドアキー15に挿入したキーを時計回り方向に回動操作することにより各種異常状態(エラー)の解除をすることができるようになっている。また、スロット遊技機10の左方側には、当該スロット遊技機10を遊技場の島設備に設置した際にカードユニット16が並設されるようになっている。カードユニット16は、遊技球の貸出しに利用される装置であって、プリペイドカードを挿入するカード挿入口16aが設けられている。
次に、前枠13の前面側の構成を図1にしたがって説明する。
前枠13の前面上部には、上部パネル17が設けられているとともに、当該上部パネル17には、賞態様を形成する図柄の組み合わせと当該図柄の組み合わせの入賞時に払出される賞球数などが表記されている。また、上部パネル17の下方には、遊技状態に応じた各種の演出表示を行う演出表示器18が設けられている。演出表示器18は、例えば、液晶ディスプレイで構成されている。また、演出表示器18の左右両側には、前枠13の裏面側に装着されるスピーカ19(図2に示す)から出力される各種の演出効果音を放音するためのスピーカ口20が設けられている。また、上部パネル17の左右及びスピーカ口20の左右には、各種の演出効果光を発する右上部ランプR1と、左上部ランプR2と、枠右ランプR3と、枠左ランプR4が設けられている。
前枠13の前面中央には、下部パネル21が設けられているとともに、当該下部パネル21には、中枠12に装着される図柄表示装置(可変表示装置)22を透視可能な透視窓23が設けられている。透視窓23は、ガラス板から構成されている。図柄表示装置22は、各種の図柄が印刷された投光性を有する帯状のリールシートが外周に巻装された左リール22Lと、中リール22Cと、右リール22Rとから構成されている(図1及び図3参照)。各リール22L,22C,22Rは、各々に対応して設けられたステッピングモータ(図示しない)により独立して縦方向に回転及び停止するように構成されており、各リール22L,22C,22Rが回転することによって透視窓23には各種図柄が連続的に変化しつつ表示されるようになっている。そして、各リール22L,22C,22Rの回転が停止した場合、透視窓23には、各リール22L,22C,22Rのリールシートに印刷された複数の図柄のうち、連続する3つの図柄が上段、中段、下段の位置に表示されるようになっている。このため、透視窓23は、各リール22L,22C,22Rにおいて3つの図柄が表示可能な大きさで形成されている。そして、スロット遊技機10には、透視窓23から透視可能な図柄の表示領域において、複数(本実施形態では5本)の入賞ラインL1,L2,L3,L4,L5が形成されている。また、各リール22L,22C,22Rには、該各リール22L,22C,22Rの回転位置を検出するためのリールセンサSE1,SE2,SE3(図6に示す)が各リール22L,22C,22Rにそれぞれ対応するように設けられている。
下部パネル21には、各種の遊技情報を表示(報知)する複数の表示用LEDが設けられている。具体的に言えば、透視窓23の左方には、デジタル表示用LED24と、賭数表示用LED25と、取込可能表示用LED26と、再遊技表示用LED27と、遊技開始表示用LED28と、ウェイト表示用LED29とが設けられている。また、透視窓23の右方には、取込不足表示用LED30aと、獲得球数表示用LED30bが設けられている。
デジタル表示用LED24は、7セグメントLEDで構成されており、ボーナスゲーム(ビッグボーナスやレギュラーボーナス)中の払出球数などを表示する。賭数表示用LED25は、3つのLEDから構成されており、図柄変動ゲームの賭数を設定するために機内に取り込んだ遊技球の球数に応じて1BET(本実施形態では5球)毎にLEDが1つ点灯する。取込可能表示用LED26は、図柄変動ゲームの賭数を設定可能な状態である時に点灯し、最大の賭数(MAXBET)が設定された場合や図柄変動ゲームが開始された場合に消灯する。再遊技表示用LED27は、図柄変動ゲームにおいてリプレイ役(賭数を設定せずに次回の図柄変動ゲームを開始させることができる状態を付与する役)が入賞した場合に点灯する。遊技開始表示用LED28は、図柄変動ゲームを開始させることが可能な状態である時に点灯し、図柄変動ゲームが開始された場合に消灯する。
ウェイト表示用LED29は、ウェイトタイム中にスタート操作が検出された場合に点灯し、ウェイトタイムが経過した後に消灯する。ウェイトタイムは、ゲームがあまり速く進行し過ぎてしまうことを規制するために設定された最短遊技時間であり、このウェイトタイム中にスタート操作が検出されると、ウェイトタイムが経過した後に各リール22L,22C,22Rが始動するように設定されている。したがって、十分な時間間隔を空けて図柄変動ゲームを進行する場合にはスタート操作時に図柄変動ゲームの進行が規制されることはないが、短時間で図柄変動ゲームを進行しようとする場合にはウェイトタイムによって図柄変動ゲームの進行が一時的に規制され、ウェイトタイムが経過するまでの間、リールの始動待ち状態となる。スロット遊技機10では、前回の図柄変動ゲームでリールの回転が開始した時点を基準として、例えば4.1秒の最短遊技時間が設定されており、前回の図柄変動ゲームでリールの回転が開始された時点から4.1秒が経過する前に、今回のスタート操作が検出された場合、最短遊技時間が経過した後にリールの回転が開始される。
取込不足表示用LED30aは、賭数を設定する際に、当該賭数に対応して機内に取り込むべき遊技球の個数が不足している場合に点滅する。獲得球数表示用LED30bは、7セグメントLEDで構成されており、図柄変動ゲーム中に入賞が発生した場合に、当該入賞に基づいて遊技者に付与される賞球数が表示される。また、獲得球数表示用LED30bは、不正に遊技球の取り込みが行われた時にはこれを報知するようになっている。
下部パネル21の右側下部には、度数表示用LED31と、球貸ボタン32と、返却ボタン33と、球貸可能表示用LED34とが設けられている。度数表示用LED31は、7セグメントLEDで構成されており、カードユニット16のカード挿入口16aに挿入されたプリペイドカードから読み出された度数を表示する。球貸ボタン32は、度数表示用LED31に表示された度数、すなわちカードユニット16に挿入されたプリペイドカードより読み出された遊技用有価価値としての度数を使用して遊技球の球貸しを行う際に押圧するボタンである。返却ボタン33は、カードユニット16に挿入中のプリペイドカードを返却する際に押圧するボタンである。球貸可能表示用LED34は、球貸しが可能な状態である時に点灯する。
前枠13の前面であって、下部パネル21の直下には、遊技球を貯留する上皿35が機前方に向かって突設されているとともに、上皿35の下方には、遊技球を貯留する下皿36が機前方に向かって突設されている。上皿35の左方には、遊技球を上皿35に払出すための上払出口37が設けられているとともに、下皿36の中央には、遊技球を下皿36に払出すための下払出口38が設けられている。
上皿35の上面35aの右側には、1BETボタン39が設けられているとともに、上面35aの左側には、MAXBETボタン40が設けられている。1BETボタン39は、上皿35に貯留されている遊技球から最小単位の賭数である1BET分(5球分)を図柄変動ゲームの賭数として賭ける際に押圧するボタンである。MAXBETボタン40は、上皿35に貯留されている遊技球から1回の図柄変動ゲームにおいて許容される賭数の最大数(本実施例では3BET分)を図柄変動ゲームの賭数として賭ける際に押圧するボタンである。また、1BETボタン39の内部には、1BETボタンLED41が内蔵されているとともに、MAXBETボタン40の内部には、MAXBETボタンLED42が内蔵されている。1BETボタンLED41及びMAXBETボタンLED42は、ボタンの操作が受付可能である場合に点灯し、受付不可である場合に消灯する。
上皿35の前面35bの左側には、図柄変動ゲームを開始する際に操作する開始操作手段としてのスタートレバー43が設けられている。そして、スロット遊技機10では、賭数の設定終了後(遊技開始表示用LED28の点灯後)にスタートレバー43を操作することにより、各リール22L,22C,22Rの回転が開始されるようになっている。
上皿35の前面35bの中央には、停止操作手段としてのストップボタン44L,44C,44Rが設けられている。ストップボタン44L、44C、44Rは、回転しているリールを停止させるためのボタンであり、各リール22L、22C、22Rに対応して3個のストップボタンがある。ストップボタン44Lの内部にはストップボタンLED45Lが内蔵されているとともに、ストップボタン44Cの内部にはストップボタンLED45Cが内蔵されており、さらにストップボタン44Rの内部にはストップボタンLED45Rが内蔵されている。ストップボタンLED45L,45C,45Rは、対応するストップボタン44L、44C、44Rの操作が受付可能である場合に青色に点灯し、操作が受付不可である場合に赤色に点灯する。
上皿35の前面35bの右側には、上皿35に貯留された遊技球(図2に示す取込装置100に入った遊技球を含む)を下皿36に排出するための上皿球抜きボタン46が設けられている。また、下皿36の前面36aには、下皿36に貯留された遊技球を外部に排出するための下皿球抜きレバー47が設けられている。また、前枠13の左側下部には、精算スイッチ48が設けられている。精算スイッチ48は、機内に取り込まれた遊技球が5球又は10球の場合に遊技球の払戻しをするときに使用するスイッチである。
次に、前枠13の後面側の構成を図2にしたがって説明する。
前枠13の後面上部には、サブ制御基板50と、演出表示制御基板51とが装着されている。サブ制御基板50は、スピーカ19の出力態様と、各ランプR1〜R4の発光態様を制御する。また、演出表示制御基板51は、サブ制御基板50に接続されており、演出表示器18の表示内容を制御する。また、前枠13の後面であって、透視窓23の下方(図2において左下方)には、球貸操作基板52が装着されている。球貸操作基板52には、度数表示用LED31と、球貸ボタン32と、返却ボタン33と、球貸可能表示用LED34とが実装されている。また、球貸操作基板52の下方には、機内に遊技球を取り込むための取込装置100が装着されている。
前枠13の後面であって、図2において右側には、上皿35に形成された上払出口37(図1に示す)と連通する遊技球払出口通路上54が形成されている。また、遊技球払出口通路上54の下方には、上皿35が満杯になることによって溢れた遊技球が下皿36に流下する際に通過する遊技球払出口通路下55が形成されている。また、前枠13の後面には、遊技球払出口通路下55と下皿36の下払出口38(図1に示す)とを連通する払出通路56が形成されている。遊技球払出口通路下55を通過した遊技球(上皿35の満杯時に溢れた遊技球)は、払出通路56を流下した後、下払出口38を介して下皿36に払出される。また、前枠13の後面であって、図2において左側(取込装置100の下方)には、取込装置100の動作により機内に取り込まれた遊技球を島設備に設置したアウト球タンクに排出するための遊技球内部排出通路57が形成されている。また、取込装置100の下方には、当該取込装置100の球抜き口100aと払出通路56とを連通する返却通路58が形成されている。上皿35の上皿球抜きボタン46(図1に示す)が操作された場合には、当該上皿35の遊技球が取込装置100の取込排出口を介して返却通路58に排出されるとともに当該返却通路58を流下し、払出通路56を介して下皿36に排出される。
取込装置100には、遊技球を収容可能な遊技球収容部(図示しない)が備えられている。前記遊技球収容部には、上皿35から取込んだ遊技球を収容する収容部が2箇所形成されている。そして、取込装置100は、前記遊技球収容部により遊技球の取込と、遊技球の排出とを同時に行うことができるようになっている。また、遊技球は、取込装置100に取込まれた後、該取込装置100から排出されることでスロット遊技機10に投入されたこととなる。すなわち、遊技球は、取込装置100の前記遊技球収容部に収容されている状態において待機状態とされており、この状態においてスロット遊技機10内に取込まれていないことになる。そして、待機状態において上皿球抜きボタン46が操作されると、収容されている遊技球が球抜き口100aから下皿36に返却されるようになっている。
次に、中枠12の前面側の構成を図3にしたがって説明する。
中枠12の前面上部には、貸し球及び賞球の払出しを制御する払出制御基板59が装着されている。また、中枠12の中央には、左リール22Lと、中リール22Cと、右リール22Rとから構成される図柄表示装置22が装着されている。また、中枠12の左側には、前枠13の遊技球払出口通路上54(図2に示す)と連通する遊技球内部払出口上60と、前枠13の遊技球払出口通路下55(図2に示す)と連通する遊技球内部払出口下61とが設けられている。また、中枠12の下部には、前枠13の遊技球内部排出通路57(図2に示す)と連通する遊技球排出口62が当該中枠12の内部を貫通するように形成されている。
次に、中枠12の後面側の構成を図4にしたがって説明する。
中枠12の後面上部には、スロット遊技機10が設置される島設備から補給される遊技球が貯留される遊技球補給タンク63が設けられている。図4において遊技球補給タンク63の右側下方には、樋部材64が上下方向に延設されているとともに、当該樋部材64には遊技球補給タンク63に連設するように第1遊技球補給通路65と第2遊技球補給通路66が形成されている。第1遊技球補給通路65と第2遊技球補給通路66は、前後方向に2条形成されているとともに、遊技球補給タンク63からカーブを描く形状で、かつスロット遊技機10の下方に向かって延設されている。また、樋部材64には、第1遊技球補給通路65の下流端(下流側口)に連設するように払出手段としての第1払出装置67が設けられているとともに、第2遊技球補給通路66の下流端(下流側口)に連設するように払出手段としての第2払出装置68が設けられている。第1払出装置67及び第2払出装置68は、遊技球補給タンク63に貯留された遊技球を機外(上皿35又は下皿36)に払出す装置である。本実施形態のスロット遊技機10では、同一構成をなす2台(複数台)の払出装置(第1払出装置67と第2払出装置68)が設けられている。第1払出装置67と第2払出装置68は、中枠12の後面であって、図4において右側中段に、2台の払出装置が前後方向に並設されている。
また、第1遊技球補給通路65と第2遊技球補給通路66には、球抜きレバー69が設けられている。また、樋部材64には、球抜きレバー69の操作によって遊技球補給タンク63及び各遊技球補給通路65,66の一部に貯留された遊技球を島設備に設置されたアウト球タンクに排出する球抜き通路70が形成されている。球抜き通路70の下流側には、当該球抜き通路70を流下した遊技球を排出する樋排出口70aが形成されている。なお、本実施形態のスロット遊技機10では、1つの球抜きレバー69で各遊技球補給通路65,66を球抜きできるようになっている。また、第1遊技球補給通路65の上流側には、当該第1遊技球補給通路65における遊技球の有無を検出する第1球切れセンサ71が設けられているとともに、第2遊技球補給通路66の上流側には、当該第2遊技球補給通路66における遊技球の有無を検出する第2球切れセンサ72が設けられている。
また、樋部材64には、第1払出装置67及び第2払出装置68の下方に連設するように球排出通路73が設けられているとともに、当該球排出通路73の下方に連設するように遊技球内部払出口上60及び遊技球内部払出口下61を有する球受け部74が設けられている。また、球受け部74には、満杯センサ75が設けられている。満杯センサ75は、下皿36(払出通路56を含む)が遊技球で満杯になったか否かを検出する。
各払出装置(第1払出装置67及び第2払出装置68)は、それぞれ第1遊技球補給通路65及び第2遊技球補給通路66から流下供給される遊技球を1球ずつ整列状態で下流側の球排出通路73へ排出する球通路を備えている。前記球通路の途中には、該球通路の遊技球の存在を確認する上センサと各払出装置から排出される遊技球を検出する下センサとが所定間隔をおいてそれぞれの払出装置に配設されているとともに、上センサと下センサの間で前記球通路内に爪車式の球送りスプロケットが回転自在に支持されている。また、前記球送りスプロケットには、払出制御基板59からの制御信号を受けて励磁(ON)・消磁(OFF)作動する払出ソレノイドが配設されている。前記払出ソレノイドの励磁又は消磁により球送りスプロケットの回転又は回転規制を行う。前記球送りスプロケットが回転規制される場合には遊技球の払出しは行われないようになっている。一方、前記球送りスプロケットの回転される場合には遊技球の払出しが行われるようになっている。そして、前記球送りスプロケットが回転規制され、その回転規制が解除され再び回転規制されることにより、1球の遊技球の払出しが完了する。
遊技球補給タンク63内に貯留された遊技球は、第1遊技球補給通路65及び第2遊技球補給通路66において均一に2条に分流されるとともに、左右方向にカーブを描くように転動した後、第1払出装置67及び第2払出装置68に供給される。そして、第1払出装置67からは、球送りスプロケットの回転により送り出された遊技球が球排出通路73を介して球受け部74の遊技球内部払出口上60に向かって排出される。また、第2払出装置68からは、球送りスプロケットの回転により送り出された遊技球が球排出通路73を介して球受け部74に排出される。そして、球受け部74に払出された遊技球は、遊技球内部払出口上60から遊技球払出口通路上54(図2に示す)を通過し、上払出口37(図1に示す)をとおって上皿35に払出される。なお、貸し球としての遊技球及び賞球としての遊技球は、いずれも同じ経路を辿って上皿35に払出される。
また、上皿35が遊技球で満杯になった場合には、球受け部74に排出された遊技球が溢れ球となり、遊技球内部払出口下61に排出される。そして、溢れ球は、遊技球内部払出口下61から遊技球払出口通路下55(図2に示す)を通過し、払出通路56をとおって下払出口38(図1に示す)から下皿36に払出される。また、球抜きレバー69が操作された場合、遊技球は、球抜き通路70を流下し、樋排出口70aから島設備に設置されたアウト球タンクに排出される。
また、図4に示すように中枠12の後面上部であって、遊技球補給タンク63の下方には、スロット遊技機10全体を制御するメイン制御基板76が装着されている。また、中枠12の後面中央であって、図2において図柄表示装置22の右方には、スロット遊技機10の各種構成部材(各種基板や演出装置など)に電源を供給する電源基板77が装着されている。また、電源基板77の右方には、カードユニット16が接続されるカードユニット接続端子板78が装着されている。また、図柄表示装置22の下方には、遊技球排出口62(図3に示す)を有する遊技球排出通路79が形成されている。
次に、遊技者が遊技(ゲーム)を行うための操作や、この操作に伴う各種装置の作動状況を説明する。
遊技を開始させる場合は、対応するカードユニット16のカード挿入口16aにプリペイドカードを挿入する。これに基づき挿入されたプリペイドカードから読み出された度数が度数表示用LED31に表示される。この状態で球貸ボタン32を操作すると、プリペイドカードから読み出されて度数表示用LED31に表示されている度数のうち所定の貸出単位分(本実施例では2度)が減算され、その減算された度数に該当する球数(50球)の遊技球が第1払出装置67及び第2払出装置68によって上皿35に払出される。
賭数の設定が可能な状態においては、1BETボタンLED41及びMAXBETボタンLED42が点灯するようになっており、この状態において1BETボタン39及びMAXBETボタン40の操作が受付可能となる。そして、賭数を設定するには、1BETボタン39又はMAXBETボタン40を押圧する。1BETボタン39が押圧された場合には、上皿35に貯留された遊技球から、1BET分の球数(本実施例では5球)の遊技球が取込装置100の動作によって機内に取り込まれて1BET分の賭数(ベット数)が設定される。一方、MAXBETボタン40が押圧された場合には、上皿35に貯留された遊技球から、本実施形態で1回の図柄変動ゲームにおいて許容される賭数の最大数に該当する3BET分の球数(本実施例では15球)の遊技球が取込装置100の動作によって機内に取り込まれて3BET分の賭数が設定される。なお、1BETボタン39が2回操作された場合には、2BET分の賭数が設定される。
本実施形態のスロット遊技機10では、図1に示すように5本の入賞ラインL1,L2,L3,L4,L5を定めている。そして、遊技者により1BETボタン39が押圧されると、賭数が1BETに設定されるとともに中段の横1列の入賞ラインL1が有効とされ、この入賞ラインL1が有効となった旨を示す賭数表示用LED25が左から1個点灯する。入賞ラインが有効になるとは、当該入賞ライン上に表示された図柄の組み合わせが有効となることで、有効な入賞ライン上に表示された図柄の組み合わせが予め定めた賞態様を形成する場合に賞球が払出される。また、遊技者により1BETボタン39が続けて押圧されると、賭数が2BETに設定されるとともに上段、中段及び下段の横3列の入賞ラインL1,L2,L3が有効とされ、これらの入賞ラインL1〜L3が有効となった旨を示す賭数表示用LED25が左から2個まで点灯する。さらに、遊技者により1BETボタン39が続けて押圧されるか、又はMAXBETボタン40が押圧されると、賭数が3BETに設定されるとともに上段、中段及び下段の横3列の入賞ラインL1〜L3に加えて斜め対角線上の2つの入賞ラインL4,L5が有効とされる。そして、これらの入賞ラインL1〜L5が有効となった場合、その旨を示す賭数表示用LED25が全部点灯する。なお、賭数が最大数である3BETに設定された場合には、それを越える賭数を設定することはできないため、取込可能表示用LED26、1BETボタンLED41及びMAXBETボタンLED42は消灯する。
上記のように少なくとも最小数である1BETの賭数が設定された時点でスタートレバー43の操作が受付可能な状態、すなわち、図柄変動ゲームが開始可能な状態となる。また、スタートレバー43の操作が受付可能な状態になった旨を示す遊技開始表示用LED28が点灯する。そして、遊技開始表示用LED28が点灯している状態、すなわち賭数が1BET以上設定されており、図柄変動ゲームを開始可能な状態でスタートレバー43を操作すれば、図柄表示装置22の各リール22L、22C、22Rが回転し、透視窓23には複数種類の図柄が連続的に変化するように表示される。その後、各リール22L、22C、22Rの回転が開始されてから所定時間が経過すると、各ストップボタン44L,44C,44Rの操作が受付可能になり、これら各ストップボタン44L,44C,44Rの操作が受付可能になった旨を示す各ストップボタンLED45L,45C,45Rが青色に点灯する。そして、各ストップボタンLED45L,45C,45Rが青色に点灯している状態で遊技者がいずれかのストップボタン44L,44C,44Rを押圧すれば、対応するストップボタンLED45L,45C,45Rが赤色に点灯する。そして、ストップボタン44L,44C,44Rに対応するリール22L、22C、22Rの回転が停止され、透視窓23からは対応する列の上段、中段及び下段に図柄が表示される。なお、遊技者がストップボタン44L,44C,44Rを押圧しない場合には、予め定めた時間(例えば30秒)が経過した時点で各リール22L,22C,22Rが自動的に順次停止する。
そして、全てのリール22L、22C、22Rが停止された時点で、賭数に応じて有効化されたいずれかの入賞ラインL1〜L5上に予め定めた賞態様を形成する図柄の組み合わせが表示された場合は入賞となり、入賞した賞態様に応じた個数の遊技球が遊技者に対して付与される。賞球は、第1払出装置67及び第2払出装置68の作動により、機内から払出される。また、付与された賞球数は、獲得球数表示用LED30bに表示される。また、特に予め定められた図柄の組み合わせが表示されて大当り入賞した場合等にあっては、一般遊技とは異なり、遊技者にとって有利な、すなわち大量の賞球を獲得できる特別遊技状態が発生し、ビッグボーナスゲームやレギュラーボーナスゲームが遊技者に対して遊技価値として付与される。
本実施形態のスロット遊技機10では、スタートレバー43の操作を開始契機として1回のゲーム(図柄組み合わせゲーム)が開始し、ストップボタン44L,44C,44Rの操作又は所定の時間の経過により図柄組み合わせが停止(停止表示)される。前記図柄組み合わせが停止表示されると、該図柄組み合わせに応じて賞球が払出される(賞球を付与することが定められていない場合には零球の賞球が払出される)ことを終了契機として1回のゲームが終了する。本実施形態では、ビッグボーナスゲーム中及びレギュラーボーナスゲーム中も、前記開始契機をゲームの開始とし、前記終了契機を以ってゲームを終了させる1回のゲームが行われるようになっている。
本実施形態のスロット遊技機10において、入賞ラインL1〜L5上に停止する図柄組み合わせについて図5に基づき説明する。
図5には、図柄表示装置22のリール22Lを「第1リール」、リール22Cを「第2リール」、リール22Rを「第3リール」と示し、各入賞ライン上に停止表示される図柄組み合わせを示している。
本実施形態では、賞球の付与(払出し)が行われる役として、「ベル役」、「プラム役」、「チェリー役」が設けられている。そして、「ベル」を示す図柄が有効とされた入賞ラインL1〜L5上の直線状に三つ停止表示された場合、ベル役に定める75球の賞球が遊技者に付与される。また、「プラム」を示す図柄が有効とされた入賞ラインL1〜L5上の直線状に三つ停止表示された場合、プラム役に定める40球の賞球が遊技者に付与される。また、「チェリー」を示す図柄がリール22Lの有効とされた入賞ラインL1上(中段)に停止表示された場合、チェリー役に定める10球の賞球が遊技者に付与される。また、「チェリー」を示す図柄がリール22Lの有効とされる入賞ラインL2上及び入賞ラインL4上(上段)、又は入賞ラインL3上及び入賞ラインL5上(下段)に停止表示された場合、チェリー役に定める2倍に相当する20球の賞球が遊技者に付与される。なお、チェリー役では、リール22C及びリール22Rに停止表示される図柄はいずれの図柄であっても良い。
また、次のゲームを遊技球の投入なし(賭数をベットしない)で行うことができる役として、「リプレイ役(再遊技役)」が設けられている。そして、「リプレイ」を示す図柄が有効とされる入賞ラインL1〜L5上の直線状に三つ停止表示された場合、再遊技役が停止したゲームが行われた賭数と同じ賭数で次のゲームを行うことができる遊技が遊技者に付与される。例えば、賭数に1BETが設定されたゲームで再遊技役が停止表示された場合、賭数に1BETが設定されるゲームが保証される。また、賭数に3BETが設定されたゲームで再遊技役が停止表示された場合、賭数に3BETが設定されるゲームが保証される。以下、ベル役、プラム役、チェリー役及び再遊技役を「小役」と示す。
また、通常遊技状態とは異なり、遊技者にとって有利な、すなわち大量の賞球を獲得できる特別遊技状態を発生させる契機となる役として、「セブン役」と、「バー役」が設けられている。そして、「セブン」を示す図柄が有効とされる入賞ラインL1〜L5上の直線状に三つ停止表示された場合、「ビッグボーナスゲーム」が遊技者に付与されるとともに75球の賞球が付与される。また、「バー」を示す図柄が有効とされる入賞ラインL1〜L5上の直線状に三つ停止表示された場合、「レギュラーボーナスゲーム」が遊技者に付与されるとともに75球の賞球が付与される。すなわち、セブン役(「セブン」を示す図柄)は、ビッグボーナスゲームを作動(開始)させる契機となる役であり、バー役(「バー」を示す図柄)は、レギュラーボーナスゲームを作動(開始)させる契機となる役である。
ビッグボーナスゲームが開始されると、バー役(レギュラーボーナスゲーム)の当選確率が一般遊技に比べて上昇されるようになっている。一般遊技とはビッグボーナスゲーム及びレギュラーボーナスゲーム以外のゲームのことである。そして、ビッグボーナスゲームは、セブン役が入賞することを契機とし、遊技者が消費(投入)した遊技球の数に拘わらず予め定めた上限数(本実施形態では1800球)の賞球が遊技者に付与される(払出される)ことを終了契機としている。また、レギュラーボーナスゲームが開始されると、小役に当選する確率(当選確率)が一般遊技に比べて上昇されるようになっている。レギュラーボーナスゲームは、バー役が成立することを開始契機とし、予め定めた回数(本実施形態では8回の小役に当選する又は12回)のゲームを行うことを終了契機としている。そして、遊技者は、ビッグボーナスゲーム及びレギュラーボーナスゲームに当選することを目的にゲームを行っている。以下、セブン役及びバー役を「特定遊技役」と示し、ビッグボーナスゲーム及びレギュラーボーナスゲームを「ボーナスゲーム」と示す。
また、再遊技役の当選確率が低確率である再遊技低確率状態から、再遊技役の当選確率が高確率である再遊技高確率状態へと移行させる契機となる役として、「ミカン役(再遊技高確率状態役)」が設けられている。そして、「ミカン」を示す図柄が有効とされる入賞ラインL1〜L5上の直線状に三つ停止表示された場合、再遊技低確率状態から再遊技高確率状態へと移行するとともに75球の賞球が遊技者に付与される。本実施形態のスロット遊技機10には、再遊技役の当選確率が低確率(本実施形態では、7.3分の1)である再遊技低確率状態から、再遊技役の当選確率が高確率(本実施形態では、1.6分の1)である再遊技高確率状態に遊技状態を移行させるリプレイタイム機能が備えられている。すなわち、前記ミカン役は、リプレイタイム機能を作動させる契機となる役である。
そして、リプレイタイム機能により再遊技高確率状態が遊技者に付与された場合、遊技者は、再遊技役に当選し易くなり、再遊技役に多く当選することで再遊技役に当選する分だけ遊技者の保有する遊技球の消費(投入)を減少させることができるようになっている。したがって、一般遊技中に再遊技高確率状態に移行する場合、遊技者には遊技球の減少を抑えてビッグボーナスゲーム及びレギュラーボーナスゲームの抽選を受けることができるチャンスが付与されるようになっている。また、再遊技高確率状態は、該再遊技高確率状態が開始されたゲームから所定回数(本実施形態では100回)のゲームが行われることのみを終了条件として終了されるようになっている。このため、一旦、再遊技高確率状態に移行すると、所定回数のゲームが行われるまでの間は、該再遊技高確率状態が終了されることなく継続されるようになっている。したがって、本実施形態の一般遊技には、再遊技低確率状態の一般遊技と再遊技高確率状態の一般遊技とが存在するようになっている。また、本実施形態のボーナスゲームには、再遊技低確率状態のボーナスゲームと、再遊技高確率状態のボーナスゲームとが存在するようになっている。
また、内部的な当選役と遊技者のストップボタン44L,44C,44Rの操作に基づきリール22L,22C,22Rの停止制御が行われる第1の停止制御から、遊技者のストップボタン44L,44C,44Rの操作に基づきリール22L,22C,22Rの停止制御が行われる第2の停止制御へ移行する契機となる役として、「チャレンジタイム役」が設けられている。そして、「ANY・バー・セブン」を示す図柄が有効とされる入賞ラインL1〜L5上に「ANY・バー・セブン」の順に直線状に停止した場合、リール22L,22C,22Rの停止制御が第1の停止制御から第2の停止制御に移行する。「ANY」とは、リール22Lのチェリー図柄(リール22Lに図柄が停止することのみで遊技球の払出しがある役)以外の何れの図柄でもいいことを示している。本実施形態のスロット遊技機10には、リール22L,22C,22Rの停止制御を第1の停止制御から第2の停止制御に制御状態を移行させるチャレンジタイム機能が備えられている。すなわち、チャレンジタイム役(「ANY・バー・セブン」からなる図柄組み合わせ)は、チャレンジタイム機能を作動させる契機となる役である。
そして、チャレンジタイム機能により第2の停止制御でリール22L,22C,22Rが制御される場合、遊技者は、該遊技者自身で図柄表示装置22に停止させたい図柄を狙ってストップボタン44L,44C,44Rの操作を行うことができるようになる。このため、第2の停止制御において遊技者は、図柄表示装置22に停止表示させたい図柄が通過するタイミングを計ってストップボタン44Lを操作することによりリール22Lを停止させることができる。この結果、遊技者が停止表示させたい図柄が図柄表示装置22のリール22Lにおいて停止表示される状態となる。続いて、遊技者は、前記タイミングを計ってストップボタン44C及びストップボタン44Rを操作することによりリール22C及びリール22Rを停止させることができる。この結果、遊技者が停止表示させたい図柄が図柄表示装置22のリール22L,22C,22Rにおいて停止表示されるとともに、遊技者が停止表示させたい図柄組み合わせが停止表示される状態となる。また、第2の停止制御でのゲームは、該第2の停止制御でのゲームが開始されたゲームのみに(1回のゲームのみに)有効となるようになっている。第2の停止制御でのゲームは、チャレンジタイム役が入賞した次のゲームの開始契機で開始され、該ゲームの終了契機を終了条件として終了されるようになっている。また、チャンレンジタイム機能は、遊技者の技量(タイミングを計って各ストップボタンを操作する力)の差によって遊技者が獲得することのできる遊技球の数が変化する機能であるとも言える。なお、チャンレンジタイム機能の作動中(チャレンジタイム中)は、セブン役(ビッグボーナスゲーム)及びバー役(レギュラーボーナスゲーム)の抽選は行われないようになっている。
また、図5に示される小役、特定遊技役及びリプレイタイム機能や、チャレンジタイム機能の作動契機となる役(賞態様)を示す図柄組み合わせが有効とされる入賞ラインL1〜L5のいずれにも停止表示されていない場合、賞球が遊技者に付与されない(零球の賞球が付与される)はずれ役(はずれ役に当選)とするようになっている。なお、遊技者に賞球が付与されないとは、内部抽選ではずれ役に当選している場合、及び内部抽選で賞態様となる役に当選しているが該賞態様の図柄組み合わせが停止表示していない場合(取りこぼし)である。
次に、スロット遊技機10の制御構成を図6に基づき説明する。
スロット遊技機10の機裏側には、遊技機全体を制御するメイン制御基板76が装着されている。メイン制御基板76は、遊技機全体を制御するための各種処理を実行し、該処理結果に応じて各種の制御信号(制御コマンド)を演算処理し、該制御信号を出力する。また、機裏側には、遊技状態に応じた演出制御等を実行するサブ制御基板50が装着されている。また、機裏側には、球貸し及び賞球の発生による遊技球の払出制御を実行する払出制御基板59が装着されている。そして、サブ制御基板50、払出制御基板59は、メイン制御基板76が出力した各種の制御信号を入力し、該制御信号に基づき所定の制御を実行する。また、電源基板77には、スロット遊技機10の外部から電源が供給される。そして、電源基板77には、サブ制御基板50、払出制御基板59、メイン制御基板76及びカードユニット接続端子板78が接続されており、これらの各基板50,59,76,78は電源基板77を介して電源が供給されるようになっている。
メイン制御基板76には、図柄表示装置22を構成する各リール22L,22C,22R、リールセンサSE1〜SE3、サブ制御基板50、払出制御基板59が接続されている。また、メイン制御基板76には、下部パネル21に設けられた各種表示用LED24〜29,30a,30bが接続されている。また、メイン制御基板76には、1BETボタン39と、MAXBETボタン40と、スタートレバー43と、各ストップボタン44L,44C,44Rと、精算スイッチ48とが接続されている。また、メイン制御基板76には、取込装置100が接続されている。
サブ制御基板50には、演出表示制御基板51を介して演出表示器18が接続されている。また、サブ制御基板50には、スピーカ19や、各種ランプR1〜R4が接続されている。
払出制御基板59には、第1払出装置67と、第2払出装置68と、第1球切れセンサ71と、第2球切れセンサ72と、満杯センサ75とが接続されている。また、払出制御基板59には、カードユニット接続端子板78が接続されているとともに、該カードユニット接続端子板78には、球貸操作基板52(度数表示用LED31、球貸ボタン32、返却ボタン33、球貸可能表示用LED34)が接続されている。また、カードユニット接続端子板78には、スロット遊技機10に並設されるカードユニット16が信号ケーブルを介して各種信号を送受信可能に接続されるようになっている。
以下、メイン制御基板76について説明する。メイン制御基板76は、メインCPU76aを備えており、該メインCPU76aには、ROM76b及びRAM76cが接続されている。メインCPU76aは、当選役決定乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に順次更新し、更新後の値をRAM76cの設定領域に設定して更新前の値を書き換えている。当選役決定乱数は、メインCPU76aが当選役決定テーブルに従い役を決定する際に使用する乱数である。
また、メインCPU76aには、接続されるリールセンサSE1〜SE3から透視窓23で表示されている図柄(各リール22L,22C,22Rの回転位置)に応じて第1〜第3の位置信号が入力されるようになっている。第1の位置信号にはリール22Lが対応し、第2の位置信号にはリール22Cが対応し、第3の位置信号にはリール22Rが対応するようになっている。そして、メインCPU76aは、第1〜第3の位置信号により各リール22L,22C,22Rの回転位置及び停止位置を把握し、該第1〜第3の位置信号に基づき各リール22L,22C,22Rの回転及び停止制御を行う。
また、メインCPU76aには、接続される1BETボタン39、MAXBETボタン40、スタートレバー43、ストップボタン44L,44C,44R及び精算スイッチ48が操作されると、各ボタンが操作されたことを示す各種操作信号が入力されるようになっている。そして、メインCPU76aは、各種操作信号を入力すると、各種操作信号に定める所定の制御を実行する。また、メインCPU76aは、各種操作信号の入力により、表示用LED24〜29,30a,30bの表示制御をその都度実行する。
また、ROM76bには、スロット遊技機10を制御するためのメイン制御プログラムに加えて、各遊技状態(一般遊技、ボーナスゲーム)別に入賞図柄の組み合わせ、獲得賞球数の球数、対応する内部当選フラグ等が定められた入賞判定テーブルが記憶されている。また、ROM76bには、各遊技状態(一般遊技、ボーナスゲーム)別並びに各入賞役別の内部当選確率が内部抽選処理において読み込んだ当選役決定乱数値の割り当て範囲として定められた複数の当選役決定テーブル(図7及び図8参照)と、ビッグボーナスゲームやレギュラーボーナスゲームの終了契機(作動終了条件)が記憶されている。また、ROM76bには、各役に対する図柄組み合わせの停止テーブルが予め定められている。停止テーブルとは、ストップボタン44L,44C,44Rの操作タイミングによって何れの図柄が停止するかを定めたものである。具体的に停止テーブルには、例えば、ベル役が当選役として抽選で決定されている場合には、各リール22L,22C,22Rの停止位置(図柄組み合わせ)が定められている。そして、停止テーブルは各役毎に用意されており、メインCPU76aは、該停止テーブルに従い各リール22L,22C,22Rの停止制御を行うようになっている。本実施形態では、複数の当選役が振分けられた当選役決定テーブルを記憶するROM76bが記憶手段として機能する。
また、RAM76cには、スロット遊技機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報が記憶(設定)されるようになっている。具体的には、RAM76cには、メインCPU76aによって当選役決定乱数に基づき、はずれ役以外の役に当選した場合、その当選を示す情報(当選フラグなど)が役毎に設定されるようになっている。また、RAM76cには、経過回数Kが記憶(設定)されるようになっている。経過回数Kは、再遊技高確率状態によるゲームの残りゲーム回数を示すものである。また、RAM76cには、遊技状態に係る情報(フラグなど)がメインCPU76aにより記憶(設定)されるようになっている。また、RAM76cには、ビッグボーナスゲームで遊技者が獲得した(遊技者に払出された)賞球の数や、レギュラーボーナスゲームで行われたゲーム回数及び小役に当選した回数がメインCPU76aによりカウントされ、随時記憶(設定)されるようになっている。
次に、ROM76bに記憶される当選役決定テーブルについて、図7及び図8に基づき説明する。
各当選役決定テーブルには、当選役決定乱数の取り得る値(本実施形態では「0〜49999(全50000通りの整数)」)が各役に振り分けられており、当選役決定テーブルに振り分けられる乱数の個数に従い各役の当選確率が定められている。そして、メインCPU76aは、抽出する当選役決定乱数と、当選役決定テーブルを参照し、その参照結果に基づき役の種類を決定する役抽選を行う。
図7及び図8には、各遊技状態(一般遊技、ボーナスゲーム)の各役に振り分けられる乱数値(乱数の個数)及び各役の当選確率が定められた当選役決定テーブルT1〜T6が示されている。なお、図7及び図8に示す当選確率は、分母の少数点以下第2位の数字を四捨五入した数値で示されている。
図7(a)に示すように、当選役決定テーブルT1は、再遊技低確率状態の一般遊技で用いられるテーブルである。当選役決定テーブルT1では、ビッグボーナスゲームの作動契機となるセブン役に0〜210の乱数値(211個の乱数)が振り分けられ、その当選確率が211/50000(1/237.0)とされている。また、レギュラーボーナスゲームの作動契機となるバー役に211〜384の乱数値(174個の乱数)が振り分けられ、その当選確率が174/50000(1/287.4)とされている。また、チャンレンジタイム機能の作動契機となるチャレンジタイム役に385〜434の乱数値(50個の乱数)が振り分けられ、その当選確率が50/50000(1/1000)とされている。また、リプレイタイム機能の作動契機となるミカン役に435〜439の乱数値(5個の乱数)が振り分けられ、その当選確率が5/50000(1/10000)とされている。また、ベル役に440〜629の乱数値(190個の乱数)が振り分けられ、その当選確率が190/50000(1/263.2)とされている。また、チェリー役に630〜812の乱数値(183個の乱数)が振り分けられ、その当選確率が183/50000(1/273.2)とされている。また、プラム役に813〜6262の乱数値(5450個の乱数)が振り分けられ、その当選確率が5450/50000(1/9.2)とされている。また、再遊技役に6263〜13117の乱数値(6855個の乱数)が振り分けられ、その当選確率が6855/50000(1/7.3)とされている。また、はずれ役に13118〜49999の乱数値(36882個の乱数)が振り分けられ、その当選確率が36882/50000(1/1.4)とされている。当選役決定テーブルT1に基づき役抽選が行われる場合、遊技者は、セブン役、バー役を出現させる(セブン役、バー役に当選する)ことを第1の目的として遊技を行うことになる。
図7(b)に示すように、当選役決定テーブルT2は、再遊技低確率状態のビッグボーナスゲームで用いられるテーブルである。当選役決定テーブルT2では、バー役に0〜12728の乱数値(12729個の乱数)が振り分けられ、その当選確率が12729/50000(1/3.9)とされている。また、ミカン役に12729〜12733の乱数値(5個の乱数)が振り分けられ、その当選確率が5/50000(1/10000)とされている。また、ベル役に12734〜12923の乱数値(190個の乱数)が振り分けられ、その当選確率が190/50000(1/263.2)とされている。また、チェリー役に12924〜13106の乱数値(183個の乱数)が振り分けられ、その当選確率が183/50000(1/273.2)とされている。また、プラム役に13107〜18556の乱数値(5450個の乱数)が振り分けられ、その当選確率が5450/50000(1/9.2)とされている。また、再遊技役に18557〜25411の乱数値(6855個の乱数)が振り分けられ、その当選確率が6855/50000(1/7.3)とされている。また、はずれ役に25412〜49999の乱数値(24588個の乱数)が振り分けられ、その当選確率が24588/50000(1/2.0)とされている。当選役決定テーブルT2に基づき役抽選が行われる場合、遊技者は、バー役を出現させる(バー役に当選する)ことを第1の目的として遊技を行うことになる。
図7(c)に示すように、当選役決定テーブルT3は、再遊技低確率状態のレギュラーボーナスゲームで用いられるテーブルである。当選役決定テーブルT3では、ミカン役に0〜4の乱数値(5個の乱数)が振り分けられ、その当選確率が5/50000(1/10000)とされている。また、ベル役に5〜12923の乱数値(12919個の乱数)が振り分けられ、その当選確率が12919/50000(1/3.9)とされている。また、チェリー役に12924〜13106の乱数値(183個の乱数)が振り分けられ、その当選確率が183/50000(1/273.2)とされている。また、プラム役に13107〜18556の乱数値(5450個の乱数)が振り分けられ、その当選確率が5450/50000(1/9.2)とされている。また、再遊技役に18557〜25411の乱数値(6855個の乱数)が振り分けられ、その当選確率が6855/50000(1/7.3)とされている。また、はずれ役に25412〜49999の乱数値(24588個の乱数)が振り分けられ、その当選確率が24588/50000(1/2.0)とされている。当選役決定テーブルT3に基づき役抽選が行われる場合、遊技者は、賞球数が75球と最も多いベル役を出現させる(ベル役に当選する)ことを第1の目的として遊技を行うことになる。
図8(a)に示すように、当選役決定テーブルT4は、再遊技高確率状態の一般遊技で用いられるテーブルである。当選役決定テーブルT4では、セブン役に0〜210の乱数値(211個の乱数)が振り分けられ、その当選確率が211/50000(1/237.0)とされている。また、バー役に211〜384の乱数値(174個の乱数)が振り分けられ、その当選確率が174/50000(1/287.4)とされている。また、チャレンジタイム役に385〜434の乱数値(50個の乱数)が振り分けられ、その当選確率が50/50000(1/1000)とされている。また、ミカン役に435〜439の乱数値(5個の乱数)が振り分けられ、その当選確率が5/50000(1/10000)とされている。また、ベル役に440〜629の乱数値(190個の乱数)が振り分けられ、その当選確率が190/50000(1/263.2)とされている。また、チェリー役に630〜812の乱数値(183個の乱数)が振り分けられ、その当選確率が183/50000(1/273.2)とされている。また、プラム役に813〜6262の乱数値(5450個の乱数)が振り分けられ、その当選確率が5450/50000(1/9.2)とされている。また、再遊技役に6263〜37705の乱数値(31443個の乱数)が振り分けられ、その当選確率が31443/50000(1/1.6)とされている。また、はずれ役に37706〜49999の乱数値(12294個の乱数)が振り分けられ、その当選確率が12294/50000(1/4.1)とされている。当選役決定テーブルT4に基づき役抽選が行われる場合、遊技者は、セブン役、バー役を出現させる(セブン役、バー役に当選する)ことを第1の目的として遊技を行うことになる。
図8(b)に示すように、当選役決定テーブルT5は、再遊技高確率状態のビッグボーナスゲームで用いられるテーブルである。当選役決定テーブルT5では、バー役に0〜12728の乱数値(12729個の乱数)が振り分けられ、その当選確率が12729/50000(1/3.9)とされている。また、ミカン役に12729〜12733の乱数値(5個の乱数)が振り分けられ、その当選確率が5/50000(1/10000)とされている。また、ベル役に12734〜12923の乱数値(190個の乱数)が振り分けられ、その当選確率が190/50000(1/263.2)とされている。また、チェリー役に12924〜13106の乱数値(183個の乱数)が振り分けられ、その当選確率が183/50000(1/273.2)とされている。また、プラム役に13107〜18556の乱数値(5450個の乱数)が振り分けられ、その当選確率が5450/50000(1/9.2)とされている。また、再遊技役に18557〜49999の乱数値(31443個の乱数)が振り分けられ、その当選確率が31443/50000(1/1.6)とされている。当選役決定テーブルT5に基づき役抽選が行われる場合、遊技者は、バー役を出現させる(バー役に当選する)ことを第1の目的として遊技を行うことになる。
図8(c)に示すように、当選役決定テーブルT6は、再遊技高確率状態のレギュラーボーナスゲームで用いられるテーブルである。当選役決定テーブルT6では、ミカン役に0〜4の乱数値(5個の乱数)が振り分けられ、その当選確率が5/50000(1/10000)とされている。また、ベル役に5〜12923の乱数値(12919個の乱数)が振り分けられ、その当選確率が12919/50000(1/3.9)とされている。また、チェリー役に12924〜13106の乱数値(183個の乱数)が振り分けられ、その当選確率が183/50000(1/273.2)とされている。また、プラム役に13107〜18556の乱数値(5450個の乱数)が振り分けられ、その当選確率が5450/50000(1/9.2)とされている。また、再遊技役に18557〜49999の乱数値(31443個の乱数)が振り分けられ、その当選確率が31443/50000(1/1.6)とされている。当選役決定テーブルT6に基づき役抽選が行われる場合、遊技者は、賞球数が75球と最も多いベル役を出現させる(ベル役に当選する)ことを第1の目的として遊技を行うことになる。
図7及び図8に示すように、リプレイタイム機能の作動契機となるミカン役の当選確率は、当選役決定テーブルT1〜T6のいずれにおいても最も当選確率が低く振り分けられている。このため、一般遊技及びボーナスゲームにおいて、ミカン役に当選する(リプレイタイム機能を作動させる)ことは他の役に当選することに比較して困難であり(当選し難く)、役抽選によりミカン役へは、ほぼ当選が見込めないように設定されている。したがって、本実施形態のスロット遊技機10において、当選役決定テーブルT1〜T6に基づくゲームでは、再遊技高確率状態へ突入し難い(困難な)仕様となっている。
次に、図7及び図8に示した各当選役決定テーブルを各役の当選比率を模式的に示した図9に従い、一般遊技、ビッグボーナスゲーム及びレギュラーボーナスゲームの遊技状態について、再遊技低確率状態中と再遊技高確率状態中とを比較して説明する。
図9(a)は当選役決定テーブルT1、図9(b)は当選役決定テーブルT2、図9(c)は当選役決定テーブルT3、図9(d)は当選役決定テーブルT4、図9(e)は当選役決定テーブルT5、図9(f)は当選役決定テーブルT6の各役の当選比率を示している。
図9(a)に示すように、当選役決定テーブルT1に基づく遊技状態は、再遊技低確率状態であるため再遊技役の当選確率は低確率とされ、はずれ役に当選する確率が他の役に比べて高く、遊技者にとって遊技球の保有数を増加させる(獲得する)ことが困難な再遊技低確率状態の一般遊技である。ここで、遊技者が賭数に3BETを設定して遊技を行う場合には、はずれ役に当選することで遊技者が保有する遊技球の数が15球減少することになる(純増球数がマイナス15球)。このため、当選役決定テーブルT1に基づく遊技状態は、当選役の中ではずれ役に当選する当選確率が最も高く振り分けられており、遊技者にとって保有する遊技球の数を減少させる可能性が高い遊技状態である。
また、図9(d)に示すように、当選役決定テーブルT4に基づく遊技状態は、再遊技高確率状態であるため再遊技役の当選確率は高確率とされ、再遊技役に当選する確率が他の役に比べて高く、遊技者にとって再遊技役に当選することで遊技球の保有数の減少を抑えることができる再遊技高確率状態の一般遊技である。また、当選役決定テーブルT4は、当選役決定テーブルT1のはずれ役の一部(本実施形態では約3分の2)が再遊技役に置き換えられており、当選役決定テーブルT1のはずれ役であった部分が、当選役決定テーブルT4では再遊技役に振り分けられるようになっている。ここで、遊技者が賭数に3BETを設定して遊技を行う場合には、再遊技役に当選することで遊技者が保有する遊技球の数が変動しないことになる(純増球数がプラスマイナス0球)。このため、当選役決定テーブルT4に基づく遊技状態は、当選役決定テーブルT1に比べてはずれ役の当選確率が低く、又は再遊技役の当選確率が高く振り分けられており、再遊技役の当選確率が高い分だけ遊技者にとって保有する遊技球の数を減少させる可能性が低い遊技状態である。
また、図9(b)に示すように、当選役決定テーブルT2に基づく遊技状態は、再遊技低確率状態であるため再遊技役の当選確率は低確率とされ、はずれ役に当選することで遊技者の保有する遊技球の数を減少させてしまう場合もあるビッグボーナスゲームである。一方、当選役決定テーブルT2に基づく遊技状態は、バー役に当選することで遊技者の保有する遊技球の数を増加させるチャンスがあるビッグボーナスゲームである。ここで、遊技者が賭数に3BETを設定して遊技を行う場合には、はずれ役に当選することで遊技者が保有する遊技球の数が15球減少することになる(純増球数がマイナス15球)。このため、当選役決定テーブルT2に基づく遊技状態は、遊技者の保有する遊技球の数を増加させるチャンスであるが、はずれ役にも一定の当選確率で当選するため、遊技者にとって保有する遊技球の数を減少させる可能性もある遊技状態である。
また、図9(e)に示すように、当選役決定テーブルT5に基づく遊技状態は、再遊技高確率状態であるため再遊技役の当選確率は高確率とされ、再遊技役に当選する確率が他の役に比べて高く、再遊技役に当選することで遊技球の保有数の減少を抑えつつ保有する遊技球の数を増加させるチャンスが付与されている再遊技高確率状態のビッグボーナスゲームである。さらに、当選役決定テーブルT5は、当選役決定テーブルT2のはずれ役の全てが再遊技役に振り分けられるようになっている。ここで、遊技者が賭数に3BETを設定して遊技を行う場合には、再遊技役に当選することで遊技者が保有する遊技球の数が変動しないことになる(純増球数がプラスマイナス0球)。また、ビッグボーナスが行われる場合には、賞球の払出しが行われる役(チェリー役、プラム役、ベル役など)に当選する毎に賞球を獲得することができる遊技状態である。このため、当選役決定テーブルT5に基づく遊技状態では、再遊技役に当選して遊技者の保有する遊技球の数が変動しない、又は賞球の払出しが行われる役(チェリー役、プラム役、ベル役など)に当選して遊技者の保有する遊技球の数が増加する遊技状態である。
また、図9(c)に示すように、当選役決定テーブルT3に基づく遊技状態は、再遊技低確率状態であるため再遊技役の当選確率は低確率とされ、はずれ役に当選することで遊技者の保有する遊技球の数を減少させてしまう場合もあるレギュラーボーナスゲームである。一方、当選役決定テーブルT3に基づく遊技状態は、ベル役に当選することで遊技者の保有する遊技球の数を増加させるチャンスがあるレギュラーボーナスゲームである。ここで、遊技者が賭数に1BETを設定して遊技を行う場合には、はずれ役に当選することで遊技者が保有する遊技球の数が5球減少することになる(純増球数がマイナス5球)遊技球の獲得球数(純増球数)が5球減少することになる。このため、当選役決定テーブルT3に基づく遊技状態は、遊技者の保有する遊技球の数を増加させるチャンスであるが、はずれ役にも一定の当選確率で当選するため、遊技者にとって保有する遊技球の数を減少させる可能性もある遊技状態である。
また、図9(f)に示すように、当選役決定テーブルT6に基づく遊技状態は、再遊技高確率状態であるため再遊技役の当選確率は高確率とされ、再遊技役に当選する確率が他の役に比べて高く、再遊技役に当選することで遊技球の保有数の減少を抑えつつ保有する遊技球の数を増加させるチャンスが付与されている再遊技高確率状態のレギュラーボーナスゲームである。さらに、当選役決定テーブルT6は、当選役決定テーブルT3のはずれ役の全てが再遊技役に振り分けられるようになっている。ここで、遊技者が賭数に1BETを設定して遊技を行う場合には、再遊技役に当選することで遊技者が保有する遊技球の数が変動しないことになる(純増球数がプラスマイナス0球)。また、レギュラーボーナスゲームが行われる場合には、賞球の払出しが行われる役(チェリー役、プラム役、ベル役など)に当選する毎に賞球を獲得することができる遊技状態である。このため、当選役決定テーブルT6に基づく遊技状態では、再遊技役に当選して遊技者の保有する遊技球の数が変動しない、又は賞球の払出しが行われる役(チェリー役、プラム役、ベル役など)に当選して遊技者の保有する遊技球の数が増加する遊技状態である。
本実施形態のスロット遊技機10では、同じタイミングで抽選されるボーナスゲーム(ビッグボーナスゲーム及びレギュラーボーナスゲーム)でも、開始時の遊技状態(再遊技高確率状態であるか否か)によってボーナスゲームで遊技者が増加させること(獲得すること)ができる遊技球の数に差を生じさせ、該ゲームの態様を異ならせるようになっている。特に、ビッグボーナスゲームにおいては、ゲームにおいて払出される賞球の上限数が定められているため、該ゲーム中に消費(減少)した遊技球の数により遊技者の遊技球の獲得球数(純増枚数)が変化する。このため、再遊技高確率状態とビッグボーナスゲームが同時に行われるか否かにより、ビッグボーナスゲームでの遊技者が増加させることができる遊技球に差を生じさせ、ボーナスゲームの態様を異ならせるようにしている。
以下、サブ制御基板50について説明する。
サブ制御基板50は、サブCPU50aを備えており、該サブCPU50aにはROM50b及びRAM50cが接続されている。ROM50bには、各種遊技演出を行うためのサブ制御プログラムが記憶されている。また、ROM50bには、演出表示器18の表示演出態様が示される表示演出パターンや、スピーカ19の音声出力態様が示される音声演出パターンや、各種ランプR1〜R4の発光態様が示される発光演出パターンが記憶されている。また、RAM50cには、スロット遊技機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報が記憶(設定)されるようになっている。
以下、払出制御基板59について説明する。
払出制御基板59は、払出CPU59aを備えており、該払出CPU59aにはROM59b及びRAM59cが接続されている。また、ROM59bには、賞球の払出しや貸し球の払出しを制御するための払出し制御プログラムが記憶されている。また、ROM59bには、各払出し時に払出す遊技球の数を定めた払出しテーブルが記憶されている。また、RAM59cには、スロット遊技機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報が記憶(設定)されるようになっている。
以下、本実施形態のスロット遊技機10において、メインCPU76aがメイン制御プログラムに基づき実行するゲームに係る処理について説明する。
メインCPU76aは、1BETボタン39又はMAXBETボタン40が操作されることにより指定される賭数を設定する。そして、メインCPU76aは、設定された賭数に応じて取込装置100により機内部に賭数に応じた遊技球を取込む取込制御を行うとともに、賭数表示用LED25の点灯制御を行う。続いて、メインCPU76aは、ゲーム開始可能な状態においてスタートレバー43が操作されると、役抽選を行う。役抽選において、メインCPU76aは、当選役決定乱数をRAM76cから取得し、該乱数を参照するための当選役決定テーブルを決定する。メインCPU76aは、遊技状態に応じて役抽選で参照する当選役決定テーブルを、複数の当選役決定テーブルT1〜T6の中から1つ選択する。
本実施形態において、メインCPU76aは、遊技状態が再遊技低確率状態の一般遊技である場合には、当選役決定テーブルT1を選択し、再遊技低確率状態のビッグボーナスゲームの場合には、当選役決定テーブルT2を選択する。また、メインCPU76aは、再遊技低確率状態のレギュラーボーナスゲームの場合には、当選役決定テーブルT3を選択し、再遊技高確率状態の一般遊技の場合には、当選役決定テーブルT4を選択する。また、メインCPU76aは、再遊技高確率状態でビッグボーナスゲームの場合には、当選役決定テーブルT5を選択し、再遊技高確率状態でレギュラーボーナスゲームの場合には、当選役決定テーブルT6を選択する。メインCPU76aは、RAM76cにフラグなどを設定することで遊技状態を把握している。また、セブン役及びバー役の特定遊技役が内部的に決定されているにも拘わらず、当該特定遊技役を示す図柄がゲームにて有効とされる入賞ラインL1〜L5のいずれにも停止表示されていない場合(所謂、役持ち越し状態時)、メインCPU76aは、該特定遊技役の抽選を行わず図示しない当選役決定テーブルにより当選役の役抽選を行う。
続いて、当選役決定テーブルを選択したメインCPU76aは、取得した当選役決定乱数と選択した当選役決定テーブルを参照することで当選役を決定するとともに、決定した当選役を示す情報(フラグなど)をRAM76cに記憶(設定)する。そして、メインCPU76aは、前回のゲームが終了してから又は電源が投入されてゲーム開始状態からウェイトタイムが経過している場合、各リール22L,22C,22Rを回転動作させる。また、メインCPU76aは、略同時にゲーム開始を指示するとともに、役抽選の結果及びゲームが行われる遊技状態(一般遊技、ボーナスゲーム、リプレイタイム機能作動中、チャレンジタイム機能作動中)を示したゲーム開始コマンドをサブ制御基板50に出力する。一方、メインCPU76aは、役抽選により当選役を決定した後、ウェイトタイムが経過していない場合には、各リール22L,22C,22Rの始動待ち状態とする。そして、メインCPU76aは、前記待ち状態の解除後(前記ウェイトタイムの経過後)に各リール22L,22C,22Rを回転動作させ、ゲーム開始コマンドをサブ制御基板50に出力する。続いて、メインCPU76aは、ストップボタン44L,44C,44Rが操作された場合(遊技者により停止指示がされた場合)、操作された各ストップボタン44L,44C,44Rに対応する各リール22L,22C,22Rを停止させる停止制御を行う。なお、メインCPU76aは、各リール22L,22C,22Rの回転動作を開始させ、所定時間が経過後(所定時間の経過による停止指示がされる場合)にも各リール22L,22C,22Rの停止制御を行う。
本実施形態のスロット遊技機10において、メインCPU76aは、各リール22L,22C,22Rの停止制御を第1の停止制御及び第2の停止制御のいずれかで停止制御を行うようになっている。
次に、第1の停止制御におけるメインCPU76aの制御内容を説明する。
第1の停止制御において、メインCPU76aは、取得した当選役決定乱数と選択した当選役決定テーブルを参照することで特定遊技役に当選しているか否かを判定する。この判定結果が肯定の場合、メインCPU76aは、当選役として特定遊技役を決定するとともに、特定遊技役を決定したことを示す情報(フラグなど)をRAM76cに記憶(設定)する。一方、メインCPU76aは、前記判定結果が否定の場合(特定遊技役を当選役として決定しない場合)、前記取得した当選役決定乱数と前記選択した当選役決定テーブルを参照することで、当選役として特定遊技役以外の役を決定するとともに、決定した当選役の情報(フラグなど)をRAM76cに記憶(設定)する。そして、メインCPU76aは、決定した当選役に基づき遊技者の各ストップボタン44L,44C,44Rの操作による停止指示のタイミングから所定の範囲内(最大で4図柄分)で強制的に各リール22L,22C,22Rの停止を制御し、任意の図柄組み合わせを停止表示させるようにしている。メインCPU76aは、回転中の各リール22L,22C,22Rを停止させる場合、当選役の種類からROM76bに記憶される停止テーブルを参照し、該停止テーブルに定める図柄組み合わせを形成するように停止制御を行う。そして、メインCPU76aは、停止指示時の各リール22L,22C,22Rが停止テーブルに定める図柄でない場合、強制的に停止制御を行う。このため、各リール22L,22C,22Rは、遊技者の停止指示のタイミングで停止するとは限らず、遊技者の停止指示と各リール22L,22C,22Rの停止タイミングが一致しない場合(所謂、「すべり」)がある。したがって、メインCPU76aは、第1の停止制御において最大4図柄のすべりを伴う制御を実行する。
また、本実施形態では、各リール22L,22R,22Rには、図示しないが以下のように図柄が配列され、停止制御が行われるようになっている。そして、ベル役、プラム役及び再遊技役に対応する停止テーブル(図柄組み合わせ)を停止指示がどのタイミングで行われた場合でも停止可能(透視窓23に停止表示可能)とするように図柄が配列されている。また、リール22C(図5の第2リール)には「バー」図柄、リール22R(図5の第3リール)には「セブン」図柄は、それぞれ停止指示がどのタイミングで行われた場合でも停止可能(透視窓23に停止表示可能)とする配列とされている。そして、メインCPU76aは、役抽選でベル役、プラム役及び再遊技役を決定する場合、有効とされる入賞ラインL1〜L5のいずれかに各役を示す図柄組み合わせ(「ベル」、「プラム」、「リプレイ」)を停止させる。また、メインCPU76aは、役抽選でチャレンジタイム役を決定する場合、有効とされる入賞ラインL1〜L5のいずれかに「ANY・バー・セブン」を停止させる。
また、各リール22L,22C,22Rには、チェリー役、ミカン役(リプレイタイム機能の作動契機となる役)及び特定遊技役に対応する停止テーブルを停止指示が予め定められたタイミングで行われない場合には停止可能でない(透視窓23に停止表示不可能)とする図柄の配列となっている。このため、各リール22L,22C,22Rの図柄の配列は、停止指示が予め定めるタイミングで行われない場合には、役抽選に当選したものの入賞に至らない取りこぼしが発生する配列となっている。そして、予め定められたタイミングとして、停止表示させたい図柄の少なくとも4図柄前(メインCPU76aが停止制御を行える所定範囲内)に停止指示がされることである。このため、チェリー役、ミカン役及び特定遊技役を入賞させるには、予め定めたタイミングで停止指示がされる必要がある。そして、取りこぼしが発生する場合、メインCPU76aにより、取りこぼし用の図柄組み合わせ(所謂、リーチ目など)が停止表示されるようになっている。
また、メインCPU76aは、はずれ役を決定する場合、有効とされる入賞ラインL1〜L5のいずれにも、はずれ役以外の役(役を形成する図柄組み合わせ)を停止させないように各リール22L,22C,22Rの停止制御を行う。例えば、メインCPU76aは、リール22L及びリール22Cが停止され、有効とされる入賞ライン上にベル図柄が2個停止すると、リール22Rの該入賞ライン上にベル図柄が停止しないように制御する。
次に、第2の停止制御におけるメインCPU76aの制御内容を説明する。
第2の停止制御において、メインCPU76aは、取得した当選役決定乱数に拘らず特定遊技役を当選役として決定せず、当選役としてベル役、プラム役、チェリー役、再遊技役及びミカン役の全てを決定し、これらの役を当選役と示す情報(フラグなど)をRAM76cに設定する。すなわち、メインCPU76aは、内部抽選を行わないとともに第1の停止制御で用いる当選役決定テーブルを用いないで、当選役としてベル役、プラム役、チェリー役、再遊技役及びミカン役を決定する。なお、本実施形態のように第2の停止制御中の当選役としてベル役、プラム役、チェリー役、再遊技役及びミカン役を強制的に決定することは、これらの4つの役を複合役(複数の役を同時に成立させる役)として位置付け、前記複合役の当選確率を100%に設定した内部抽選を行うことと同じである。
そして、メインCPU76aは、停止指示が行われるタイミングと略同じタイミングで各リール22L,22R,22Rの停止制御を行うようになっている。すなわち、メインCPU76aは、第1の停止制御のような最大4図柄のすべりを伴う制御を実行せずに、停止指示が行われるタイミングのみに基づいて図柄を停止させるようになっている。そして、メインCPU76aは、ベル役、プラム役、再遊技役、ミカン役及びチェリー役の何れの役でも停止表示可能な状態となり、停止指示のタイミングで停止表示される図柄組み合わせが決定されるようになっている。このため、第2の停止制御中、遊技者は自分の意思で停止させたい図柄組み合わせを停止させることができるようになっている。また、第2の停止制御中は、停止指示が行われるタイミングと略同じタイミングで停止制御が行われるため、遊技者には停止指示のタイミングを適切に行う技術(所謂、「目押し」)が要求されることとなる。ただし、メインCPU76aは、第2の停止制御中は、「セブン」の図柄及び「バー」の図柄が表示されるタイミングで停止指示が行われたとしても、これらの図柄を停止表示させないように停止制御を行う。
本実施形態のスロット遊技機10において、メインCPU76aは、停止制御を第1の停止制御及び第2の停止制御のいずれで行うかを示す情報(フラグなど)をRAM76cに記憶しており、当該RAM76cに基づき各リール22L,22C,22Rの停止制御を行うようになっている。
続いて、メインCPU76aは、各リール22L,22C,22Rの全てが停止したことを契機に、入賞判定を行う。入賞判定において、メインCPU76aは、ROM76bに記憶される入賞判定テーブルに基づき役抽選によって内部的に決定した当選役と、有効とされる入賞ラインL1〜L5に表示されている図柄組み合わせとが一致しているか否かを判定する。すなわち、メインCPU76aは、役抽選で当選した役と、有効とされる入賞ラインL1〜L5に停止されている図柄組み合わせ(透視窓23に最終的に表示された図柄組み合わせ)が示す役とが一致する場合に入賞判定の判定結果を肯定とし、役の入賞を決定する。役が入賞するとは、ゲームの結果、役による特典(賞球、再遊技、ビッグボーナスゲーム、レギュラーボーナスゲーム、再遊技高確率状態、チャレンジタイム)が遊技者に付与されることである。一方、メインCPU76aは、役抽選で当選した役と、有効とされる入賞ラインL1〜L5に表示されている図柄組み合わせ(透視窓23に停止された図柄組み合わせ)が示す役とが一致しない場合に入賞判定の判定結果を否定とし、役の入賞を決定せず当選役による特典を遊技者に付与しないようになっている。
続いて、メインCPU76aは、前記入賞判定において、小役(ベル役、プラム役、チェリー役、再遊技役)の入賞を決定した場合、各小役に応じた数の賞球及び特典を遊技者に付与する。そして、メインCPU76aは、賞球を遊技者に付与する場合には、払出制御基板59に払出コマンドを出力し第1払出装置67及び第2払出装置68に賞球を払出させる。また、メインCPU76aは、再遊技を遊技者に付与する場合には、自動的に再遊技役に応じた賭数(今回のゲームと同等の賭数)を設定する。
また、メインCPU76aは、前記入賞判定において、ミカン役の入賞を決定した場合、リプレイタイム機能を作動させ再遊技高確率状態への突入を決定する。さらに、メインCPU76aは、ミカン役の入賞を決定した場合、ミカン役に応じた数の賞球を遊技者に付与するため、払出制御基板59に払出コマンドを出力し第1払出装置67及び第2払出装置68に賞球を払出させる。そして、メインCPU76aは、再遊技高確率状態を開始させるため、再遊技高確率状態に突入したことを示す情報(フラグなど)をRAM76cに設定する。メインCPU76aは、再遊技高確率状態を開始させる情報として、遊技状態が再遊技高確率状態であることと、再遊技高確率状態でのゲーム数をカウントするため経過回数Kに「100」を設定する。そして、メインCPU76aは、ゲーム毎に経過回数Kを「−1」し、「0(零)」になるまでの間カウントを継続する。
また、メインCPU76aは、前記入賞判定において、チャレンジタイム役の入賞を決定した場合、チャレンジタイム機能を作動させ第2の停止制御によるゲームを行うチャレンジタイムへの突入を決定する。そして、メインCPU76aは、第2の停止制御によりゲームを行うことを示す情報(フラグなど)をRAM76cに設定する。
また、メインCPU76aは、再遊技低確率状態の一般遊技中にミカン役が入賞した場合には、次のゲームから当選役決定テーブルT1に代わって当選役決定テーブルT4により役抽選を行う。また、メインCPU76aは、再遊技低確率状態のビッグボーナスゲーム中にミカン役が入賞した場合には、次のゲームから当選役決定テーブルT2に代わって当選役決定テーブルT5により役抽選を行う。また、メインCPU76aは、再遊技低確率状態のレギュラーボーナスゲーム中にミカン役が入賞した場合には、次のゲームから当選役決定テーブルT3に代わって当選役決定テーブルT6により役抽選を行う。また、メインCPU76aは、再遊技高確率状態中のゲームにおいてミカン役が入賞した場合には、新たに次のゲームからリプレイタイム機能の作動を決定し、該ゲームから100回のゲームに亘って再遊技高確率状態によるゲームを行う。
そして、1回のゲーム終了時、メインCPU76aは、当選役などを記憶した情報をクリアし、次の遊技の処理に移行する。また、メインCPU76aは、1回のゲーム終了時、RAM76cに設定される経過回数Kを確認し、該経過回数が「0(零)」の場合、再遊技高確率状態から再遊技低確率状態に状態を移行させるため、リプレイタイム機能を停止させ再遊技高確率状態を示す情報をRAM76cからクリアし再遊技高確率状態を終了させる。一方、メインCPU76aは、1回のゲーム終了時、RAM76cに設定される経過回数Kが「0(零)」以外の場合、再遊技高確率状態を示す情報を継続して維持する。また、メインCPU76aは、第2の停止制御で1回のゲームを行った場合、チャレンジタイム機能を停止させ該ゲームの終了時にRAM76cに設定されるチャレンジタイムを示す情報をクリアしチャレンジタイムを終了させる。
また、ゲームにおいてメインCPU76aは、セブン役を入賞させ、ビッグボーナスゲームを開始させた場合、セブン役入賞の次ゲーム(ビッグボーナスゲーム開始後、1回目のゲーム)からカウント数Cのカウントを開始する。さらに、メインCPU76aは、セブン役の入賞を決定した場合、セブン役に応じた数の賞球を遊技者に付与するため、払出制御基板59に払出コマンドを出力し第1払出装置67及び第2払出装置68に賞球を払出させる。また、メインCPU76aは、図7(b)及び図8(b)の当選役決定テーブルT2及び当選役決定テーブルT5において、当選役を決定した場合、その1回のゲームの終了時に遊技者に払出した賞球の数をカウント数Cに加算していく。そして、メインCPU76aは、遊技者に払出した賞球の数が1800球になるまで、カウントを継続し、遊技者に払出した賞球の数が1800球を超えるゲームの終了を以ってビッグボーナスゲームを終了させる。また、メインCPU76aは、ビッグボーナスゲーム中にレギュラーボーナスゲームが決定され、当該レギュラーボーナスゲームを入賞させた場合には、図7(c)及び図8(c)に示す当選役決定テーブルT3及び当選役決定テーブルT6において、当選役を決定し、レギュラーボーナスゲーム時に行う処理と同時にカウント数Cのカウントを行う。ビッグボーナスゲームの終了時、メインCPU76aは、ビッグボーナス開始時に設定した情報をクリアする。
また、ゲームにおいて、メインCPU76aは、バー役を入賞させ、レギュラーボーナスゲームを開始させた場合、バー役入賞の次ゲーム(レギュラーボーナスゲーム開始後、1回目のゲーム)からゲームの回数及び小役に当選した回数のカウントを開始する。さらに、メインCPU76aは、バー役の入賞を決定した場合、バー役に応じた数の賞球を遊技者に付与するため、払出制御基板59に払出コマンドを出力し第1払出装置67及び第2払出装置68に賞球を払出させる。また、メインCPU76aは、図7(c)及び図8(c)の当選役決定テーブルT3及び当選役決定テーブルT6において、当選役を決定した場合、その1回のゲームの終了時にゲームの回数及び小役に当選した回数を更新する。そして、メインCPU76aは、ゲームの回数が12回又は小役の当選回数が8回になるまで、カウントを継続し、ゲームの回数が12回又は小役の当選回数が8回となるゲームの終了を以ってレギュラーボーナスゲームを終了させる。レギュラーボーナスゲームの終了時、メインCPU76aは、レギュラーボーナス開始時に設定した情報をクリアする。
本実施形態のスロット遊技機10において、第2の停止制御のゲームでは、遊技者の停止指示のタイミングとほぼ同時に各ストップボタン44L,44C,44Rに応じた各リール22L,22C,22Rが停止されるようになっている。このため、第2の停止制御において遊技者は、当選役決定テーブルT1〜T6に基づくゲームでは入賞させることが困難であるミカン役を入賞させることが可能となる。このため、一般遊技において再遊技高確率状態への突入契機は、ミカン役に当選してミカン役を入賞させることと、チャレンジタイム役に当選してミカン役を入賞させることの2通りが存在する。このため、チャレンジタイム役を設けない場合に比較して、遊技者の再遊技高確率状態へ突入する機会(契機となる種類)を増加させることができる。したがって、遊技者にとってチャレンジタイム中は、再遊技高確率状態への突入契機を獲得するチャンスとなっている。本実施形態では、当選役を決定するとともに、決定した当選役に基づき再遊技高確率状態の開始及び終了を制御するメインCPU76aが当選役決定手段及び状態制御手段として機能する。また、各リール22L,22C,22Rを第1の停止制御又は第2の停止制御で制御するとともに、第1の停止制御と第2の停止制御を移行するメインCPU76aが停止制御実行手段として機能する。
次に、本実施形態のスロット遊技機10において、サブCPU50aがサブ制御プログラムに基づき実行するゲームに係る処理について説明する。
サブCPU50aは、ゲーム開始コマンドを入力すると、該コマンドに指定される当選役、遊技状態に基づき各種演出を実行させるように制御する。そして、サブCPU50aは、ROM50bに記憶される表示演出パターンに基づき、演出表示器18に表示演出を行わせるように演出表示制御基板50を制御する。また、サブCPU50aは、ROM50bに記憶される音声演出パターンに基づき、スピーカ19に音声演出を行わせるように制御する。また、サブCPU50aは、ROM50bに記憶される発光演出パターンに基づき、各種ランプR1〜R4に発光演出を行わせるように制御する。サブCPU50aは、ゲーム開始コマンドが入力される毎に各種演出に係る制御を行うようになっている。
次に、本実施形態のスロット遊技機10において、払出CPU59aが払出制御プログラムに基づき実行する遊技球の払出しに係る処理について説明する。
払出CPU59aは、払出コマンドを入力すると、該コマンドに基づきROM59bの払出しテーブルを参照し、対応する数の遊技球を払出させるように第1払出装置67及び第2払出装置68を制御する。また、カードユニット接続端子板78を介して球貸操作基板52から遊技球の貸し出しが要求される(球貸ボタン32が操作される)場合には、該要求に基づき所定の数の遊技球を貸し出すように第1払出装置67及び第2払出装置68を制御する。払出CPU59aは、前記払出コマンドを入力する、又は球貸操作基板52から遊技球の貸し出しが要求される毎に第1払出装置67及び第2払出装置68を制御するようになっている。
次に、本実施形態のスロット遊技機10における再遊技高確率状態の開始及び終了のタイミングと、ビッグボーナスゲームの開始及び終了のタイミングに関わり、当選役決定テーブルが移行される態様と、各リール22L,22C,22Rの停止制御の状態が移行される態様について図10及び図11に基づき説明する。
図10及び図11には、当選役決定テーブルT1を「T1」、当選役決定テーブルT2を「T2」、当選役決定テーブルT3を「T3」、当選役決定テーブルT4を「T4」、当選役決定テーブルT5を「T5」、当選役決定テーブルT6を「T6」と示している。また、図10及び図11には、チャレンジタイムを「CT」と示している。また、各リール22L,22C,22Rの停止制御が第1の停止制御を「S1」、第2の停止制御を「S2」と示している。また、ビッグボーナスゲーム(レギュラーボーナスゲーム)の行われる態様を「遊技状態1」で示し、再遊技高確率状態(リプレイタイム)及びチャンレンジタイムの行われる態様を「遊技状態2」で示す。
図10(a)には、一般遊技中にチャレンジタイムに突入し、該チャレンジタイム中に再遊技高確率状態に突入する場合を示している。そして、再遊技高確率状態中にビッグボーナスゲームに突入し、再遊技高確率状態とビッグボーナスゲームが同時に行われる場合を示している。この場合、再遊技低確率状態である一般遊技中は、当選役決定テーブルT1に基づき役抽選が行われる。また、遊技者には、第1の停止制御によるゲームが付与されている遊技状態となる。そして、チャレンジタイム機能が作動することで、遊技者には第2の停止制御によるゲームが付与される遊技状態となる(時点A)。そして、チャレンジタイム機能作動中に遊技者がミカン役を入賞させることで、遊技者には再遊技高確率状態での一般遊技が行われる遊技状態が付与され、当選役決定テーブルT4に基づき役抽選が行われる(時点B)。なお、遊技者には、時点Bから第1の停止制御によるゲームが再び付与される。
続いて、再遊技高確率状態中にビッグボーナスゲームが開始されると(時点C)、当選役決定テーブルT5に基づき役抽選が行われ、遊技者には、ビッグボーナスゲームと再遊技高確率状態とが同時に付与されている遊技状態となる。また、ビッグボーナスゲーム中にレギュラーボーナスゲームが開始されると、(時点Cから時点Dの間)、当選役決定テーブルT6に基づき役抽選が行われ、遊技者には、レギュラーボーナスゲームと再遊技高確率状態とが同時に付与されている遊技状態となる。ビッグボーナスゲームが終了すると(時点D)、当選役決定テーブルT4に基づき役抽選が行われる。そして、再遊技高確率状態が終了されると(時点E)、当選役決定テーブルT1に基づき役抽選が行われる。
図10(b)には、再遊技高確率状態の一般遊技中にビッグボーナスゲームに突入し、再遊技高確率状態のビッグボーナスゲーム中に該再遊技高確率状態が終了される場合を示している。この場合、再遊技高確率状態である一般遊技中は、当選役決定テーブルT4に基づき役抽選が行われる。そして、再遊技高確率状態中にビッグボーナスゲームが開始されると(時点F)、当選役決定テーブルT5に基づき役抽選が行われ、遊技者には、ビッグボーナスゲームと再遊技高確率状態とが同時に付与されている遊技状態となる。また、ビッグボーナスゲーム中にレギュラーボーナスゲームが開始されると(時点F〜時点Gの間)、当選役決定テーブルT6に基づき役抽選が行われ、遊技者には、レギュラーボーナスゲームと再遊技高確率状態とが同時に付与されている遊技状態となる。続いて、ビッグボーナスゲームの途中で再遊技高確率状態が終了すると(時点G)、当選役決定テーブルT2に基づき役抽選が行われ、遊技者には、再遊技低確率状態でのビッグボーナスゲームが付与されている遊技状態となる。また、ビッグボーナスゲーム中にレギュラーボーナスゲームが開始されると(時点G〜時点Hの間)、当選役決定テーブルT3に基づき役抽選が行われ、遊技者には、再遊技低確率状態のレギュラーボーナスゲームが付与されている遊技状態となる。そして、ビッグボーナスゲームが終了すると(時点H)、当選役決定テーブルT1に基づき役抽選が行われる。なお、図10(b)では、チャレンジタイム機能が作動していないため、第1の停止制御により各リール22L,22C,22Rの停止制御が行われている。
また、図11(a)には、ビッグボーナスゲーム中に再遊技高確率状態に突入する場合を示している。この場合、再遊技低確率状態である一般遊技中は、当選役決定テーブルT1に基づき役抽選が行われる。そして、ビッグボーナスゲームが開始されると(時点I)、当選役決定テーブルT2に基づき役抽選が行われる。また、ビッグボーナスゲーム中にレギュラーボーナスゲームが開始されると(時点I〜時点Jの間)、当選役決定テーブルT3に基づき役抽選が行われ、遊技者には、再遊技低確率状態のレギュラーボーナスゲームが付与されている遊技状態となる。
続いて、ビッグボーナスゲーム中にリプレイタイム機能が作動することで、遊技者には、再遊技高確率状態でビッグボーナスゲームが行われる遊技状態が付与され、当選役決定テーブルT5に基づき役抽選が行われる(時点J)。また、ビッグボーナスゲーム中にレギュラーボーナスゲームが開始されると(時点J〜時点Kの間)、当選役決定テーブルT6に基づき役抽選が行われ、遊技者には、レギュラーボーナスゲームと再遊技高確率状態とが同時に付与されている遊技状態となる。ビッグボーナスゲームが終了すると(時点K)、当選役決定テーブルT4に基づき役抽選が行われる。なお、図11(a)では、チャレンジタイム機能が作動していないため、第1の停止制御により各リール22L,22C,22Rの停止制御が行われている。
また、図11(b)には、再遊技低確率状態でビッグボーナスゲームが行われる場合を示している。この場合、再遊技低確率状態である一般遊技中は当選役決定テーブルT1に基づき役抽選が行われる。そして、ビッグボーナスゲームが開始されると(時点L)、当選役決定テーブルT2に基づき役抽選が行われる。また、ビッグボーナスゲーム中にレギュラーボーナスゲームが開始されると(時点L〜時点Mの間)、当選役決定テーブルT3に基づき役抽選が行われる。続いて、ビッグボーナスゲームが終了すると(時点M)、当選役決定テーブルT1に基づき役抽選が行われる。なお、図11(b)では、チャレンジタイム機能が作動していないため、第1の停止制御により各リール22L,22C,22Rの停止制御が行われている。
本実施形態のスロット遊技機10では、図10(a)に示すように、チャレンジタイムを経由して再遊技高確率状態に突入する場合と、図10(b)、図11(a)に示すように、チャレンジタイムを経由せず再遊技高確率状態に突入する場合がある。そして、図10(a),(b)及び図11(a)のように、ビッグボーナスゲームと再遊技高確率状態が同時に遊技者に付与されるパターンと、図11(b)のようにビッグボーナスゲームと再遊技低確率状態が付与されるパターンがある。図10(a),(b)及び図11(a)に示すパターンでは、図11(b)に示すパターンに比べて、遊技者に遊技球の保有数を増加させる(多数の賞球を獲得する)チャンスを与えることができる。特に、図10(a)に示すビッグボーナスゲームが付与されている間に亘って再遊技高確率状態が継続されるパターンでは、遊技者には、最も再遊技高確率状態による利益を受けることができるチャンスが付与されている。
また、図10(b)に示すパターンでは、ビッグボーナスゲームの途中から再遊技高確率状態に突入するため、再遊技高確率状態へ突入するチャンスが常に与えられており、再遊技高確率状態での利益を受けるチャンスが遊技者に常に付与されている。一方、図11(a)に示すように、ビッグボーナスゲームの途中で再遊技高確率状態が終了するパターンもあり、途中から再遊技高確率状態による利益を受けることができるチャンスが終了される場合もある。このため、再遊技高確率状態のゲームが開始されるタイミングと、ビッグボーナスゲームの開始されるタイミングにより、遊技者に与えられる再遊技高確率状態の利益が変化するようになっている。したがって、図10(a)に示すパターンでは、図10(b)及び図11(a)、(b)に示すパターンの中で遊技者の獲得する遊技球の数が最も多くなるようになっている。また、図10(b)及び図11(a)に示すパターンでは、ビッグボーナスゲームの一部分において再遊技高確率状態(再遊技低確率状態)で行われるため、図11(b)に示すパターンに比較して遊技者の獲得する遊技球の数が多くなるようになっている。そして、図11(b)に示すパターンでは、最も遊技者の獲得する遊技球の数が少なくなるビッグボーナスとなっている。
また、本実施形態のスロット遊技機10では、レギュラーボーナスゲームの間、レギュラーボーナスゲームとリプレイタイムが同時に付与されるパターン、レギュラーボーナスゲーム中にリプレイタイムが開始されるパターン、又はリプレイタイムが終了されるパターンも生じることになる。なお、図10(a),(b)に示すように、ビッグボーナスゲームと再遊技高確率状態のゲームが並存する場合の再遊技高確率状態は、チャレンジタイムを経由して付与されるときとチャレンジタイムを経由せずに付与されるときがある。チャレンジタイムを経由するとはチャレンジタイム中にミカン役に対応する図柄組み合わせを停止表示させた時であり、チャレンジタイムを経由しないとは再遊技低確率状態中にミカン役に対応する図柄組み合わせを停止表示させた時である。
したがって、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)各リール22L,22C,22Rの停止制御が第2の停止制御である場合、遊技者のストップボタン44L,44C,44Rの操作のみに基づき図柄を図柄表示装置22に停止させる状態が遊技者に付与されるようになっている。すなわち、第2の停止制御で行われるゲームで遊技者は、自分の意思で停止表示させる図柄を選択することができる。このような構成においては、第2の停止制御時に「ミカン」の図柄組み合わせが図柄表示装置22に停止表示されることにより、再遊技高確率状態を開始させることが可能となる。このため、第2の停止制御において、遊技者に「ミカン」の図柄を狙ってストップボタン44L,44C,44Rの停止操作をするという技術介入性を取り入れた遊技を実現することができる。また、再遊技高確率状態は、特定遊技役に当選しても予め定めた終了条件(100回のゲームが消化される)が成立するまでの間継続されるようにした。この場合、再遊技高確率状態中とボーナスゲームが並行して同時に行われる。再遊技高確率状態では、再遊技役に当選する確率が再遊技低確率状態に比して上昇するため、再遊技役に多く当選する分だけ遊技者の遊技球の消費を減少させることができる。この結果、再遊技高確率状態とボーナスゲームが同時に行われる場合には、再遊技低確率状態でボーナスゲームが行われる場合に比べて、ボーナスゲーム中の遊技球の増加態様に変化を生じさせることができる。したがって、ボーナスゲームと再遊技高確率状態とを共存させることによってボーナスゲーム中の遊技に変化を与え、再遊技高確率状態がもたらす利益によってボーナスゲーム中に獲得し得る遊技球の数に変化を生じさせ、ボーナスゲームのバリエーションを増加させることができる。
(2)特定遊技役を示す図柄を停止表示させることは、遊技者の遊技の本来の目的である。しかし、第2の停止制御では、遊技者のストップボタン44L,44C,44Rの操作のみに基づき停止制御が行われるとともに、特定遊技役を当選役として決定しないため、特定遊技役以外で有利な特典が付与される再遊技高確率状態の開始契機となる「ミカン」図柄(ミカン役に対応する図柄組み合わせ)を遊技者に狙わせることができる。そして、ミカン役に入賞し再遊技高確率状態が付与される場合に遊技者は、遊技球を減少させることなく特定遊技役の抽選を受けることができるようになる。したがって、ボーナスゲームが付与されることとは異なる目的を遊技者に与えることで新しい遊技性を付加することができる。
(3)ボーナスゲーム中でもミカン役に対応する図柄組み合わせが図柄表示装置22に停止表示されることによって、再遊技高確率状態が開始されるようにした。このため、ボーナスゲームが付与される場合には、開始時点で再遊技高確率状態でなくても(再遊技低確率状態であっても)ボーナスゲーム中に該再遊技高確率状態に突入するチャンスを遊技者に与えることができる。すなわち、遊技状態に拘らず遊技者に再遊技高確率状態の突入のチャンスを与えることができる。
(4)第1の停止制御では、リプレイタイム機能の作動契機となる「ミカン」の図柄組み合わせが停止表示される可能性は、他の当選役を示す図柄組み合わせが停止表示される場合に比較して困難となるようにした。そして、第1の停止制御中の当選役決定テーブルT1〜T3において、ミカン役の当選確率を役の中で最も低確率又は0(零)に近い確率に設定した。一方、第2の停止制御において、遊技者は、「ミカン」の図柄を狙うことで「ミカン」の図柄組み合わせを停止表示させることができる。このため、毎ゲームにおいて遊技者に対し、第2の停止制御への移行契機(チャレンジタイム機能の作動契機)である「ANY・バー・セブン」が停止表示されることを期待させることができる。例えば、「ANY・バー・セブン」の停止表示後は、図10(a)に示すパターンのように、チャレンジタイム突入→ミカン役の入賞→再遊技高確率状態突入→特定遊技役に当選という状態の変遷へ遊技者に期待を抱かせることができる。したがって、遊技者に状態(遊技状態及び制御状態)の変遷に関心を持たせることができる。
(5)ビッグボーナスゲームは、ボーナス終了条件の成立(ビッグボーナスゲームの場合には1800球の遊技球が払出される)をもって終了されるようにした。この場合、ビッグボーナスゲームでは、遊技者に付与された(払出された)遊技球の数は同じとなる。このため、ビッグボーナスゲーム中に遊技者が消費した遊技球の数に従い、該ビッグボーナスゲームで増加させる遊技者の遊技球の数に差が生じることとなる。すなわち、再遊技高確率状態でビッグボーナスゲームが行われる場合には、遊技者が消費する遊技球の数を抑制させることで、好適に遊技球を遊技者に獲得させることができる。したがって、ビッグボーナスゲームが開始された場合、再遊技高確率状態であるか否かにより、遊技者の利益に差を生じさせることができる。
(6)再遊技高確率状態では、賞が付与されないはずれ役の一部、又は該はずれ役の全部を再遊技役に置き換えるようにした。すなわち、再遊技高確率状態中は、再遊技低確率状態に比較して、はずれ役の当選確率が低下又は零となる。このため、再遊技高確率状態において、遊技者は、再遊技役に当選することにより遊技球の消費を抑制して遊技を行うことができる。すなわち、再遊技役に多く当選することにより遊技者に同じ数の遊技球でより多くのゲームを行わせることができる。したがって、再遊技高確率状態中は、遊技者の遊技球の減少を抑えることができるチャンスであり、遊技者にとって有利な遊技状態とすることができる。
(7)また、特に、はずれ役の出る確率が零になる場合には、再遊技役に当選することで遊技者に遊技球を投入させることなく遊技を行わせることができる。すなわち、遊技者は、賞球が付与される毎に遊技球を確実に増加させることができる。したがって、再遊技高確率状態をより遊技者に有利な遊技状態とすることができる。
(8)また、一般遊技には、一般遊技と再遊技高確率状態が同時に行われる場合と、そうでない場合が存在する。また、ボーナスゲームには、ボーナスゲームと再遊技高確率状態が同時に行われる場合と、そうでない場合が存在する。このため、遊技状態毎に複数種類の態様を持たせることができ、遊技のバリエーションを増加させることができる。したがって、遊技状態に変化を持たせることで遊技者の遊技に対するマンネリ化を防止することができる。
(9)また、1種類のビッグボーナスゲームで当該ビッグボーナスゲームに異なる態様を持たせることができる。このため、ビッグボーナスゲームに複数種類の態様を予め設ける場合に比べて、ビッグボーナスゲームに対するスロット遊技機10に係る制御負担の軽減に貢献することができる。
(10)再遊技高確率状態が開始されると、所定回数(本実施形態では100回)のゲームが消化されることを終了条件とし、当該終了条件が成立するまでの間再遊技高確率状態は継続される。このため、遊技者に再遊技高確率状態が何時まで継続するのかを把握させることができる。したがって、ゲーム性を遊技者にわかり易くし遊技の興趣を向上することができる。
(11)また、ボーナスゲーム中にも再遊技高確率状態が終了する(図10(b)参照)可能性があるため、遊技者にボーナスゲームを楽しませつつ、再遊技高確率状態の継続に対して遊技者に関心を持たせることができる。したがって、ボーナスゲームのバリエーションの増加に寄与するとともに、ボーナスゲームの興趣を向上させることができる。
(12)また、再遊技高確率状態中にボーナスゲームが開始される場合(図10(b)参照)には、当該ボーナスゲーム中に再遊技高確率状態が終了する可能性もある。このため、遊技者は、再遊技高確率状態が継続されている間(終了するまで)にボーナスゲームを消化することで、再遊技高確率状態がボーナスゲーム中の途中で終了される場合に比べて、賞球を獲得する(遊技球の保有数をより多く増加させる)ことができる。したがって、特に、再遊技高確率状態のボーナスゲーム中には、遊技者をボーナスゲームに集中させボーナスゲーム中の興趣を向上することができる。
(13)図柄表示装置22に所定の図柄(本実施形態ではミカン役に対応する図柄組み合わせ)が停止表示されたことを契機に再遊技高確率状態が開始されるようにした。図柄表示装置22では、当該図柄表示装置22に停止表示される図柄組み合わせで役が付与されるか否か(賞球が払い出されるか否か)を遊技者に報知している。また、役が付与される(賞球が払い出される)場合には、役の種類(払い出される賞球の数)を遊技者に報知している。このため、ゲーム中に遊技者は、図柄表示装置22に最も注目している。すなわち、図柄表示装置22で再遊技高確率状態の突入契機を遊技者に報知することで、遊技者に当該突入契機を容易に把握させることができる。したがって、内部的に再遊技高確率状態の突入を決定し突然再遊技高確率状態が開始される場合に比較して、リプレイタイム機能による遊技性を遊技者にわかり易くさせるとともに、遊技方法の複雑化を抑制することができる。
(14)また、再遊技高確率状態の一般遊技においても、再遊技役により多く当選する分だけ、再遊技低確率状態の一般遊技に比べて遊技者の保有する遊技球の消費(投入)を減少させることができる。このため、一般遊技でも再遊技高確率状態を付与することにより、遊技者に有利な遊技状態とすることができる。
(15)チャレンジタイム機能の作動契機となる「ANY・バー・セブン」の図柄組み合わせが停止表示され、第2の停止制御に移行した場合、該第2の停止制御で行われるゲームは1回で終了されるようにした。このため、遊技者が自分の意思で図柄を選択することができるチャンスは、チャレンジタイム機能の作動後の1回のゲームしか存在しない。したがって、前記1回のゲームでは、遊技者に他のゲームとは異なる緊張感を与えることができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更しても良い。
・本実施形態において、チャレンジタイム機能は、50回、100回のように複数回の図柄変動ゲームを対象に作動する(第2の停止制御でのゲームが行われる)ようにしても良い。この構成によれば、ミカン役を入賞させるチャンスを増加させることができる。したがって、目押し力(狙った図柄を有効とされる入賞ラインL1〜L5上に停止表示させる技術)に自信のない遊技者であっても多くチャンスを付与することで、再遊技高確率状態へ突入させることができるようになる。
・本実施形態において、チャレンジタイム機能は、第2の停止制御に移行する場合、予め定めた個数の遊技球が遊技者に払出されたこと(遊技球の純増枚数が予め定めた個数に達したこと)を条件に停止されるようにしても良い。
・本実施形態において、再遊技高確率状態時に選択される当選役決定テーブルは、どの当選役決定テーブルにおいてもはずれ役の当選確率を零にするようにしても良い。こうすることで、再遊技高確率状態によるゲームをより有利な遊技状態とすることができる。また、再遊技高確率状態時に選択される当選役決定テーブルは、その当選役決定テーブルにおいてもはずれ役の一部を再遊技役に置き換えるようにしても良い。この場合、はずれ役には、再遊技高確率状態時であっても当選することとなる。
・本実施形態において、特定遊技状態であるビッグボーナスゲームは、予め定めた規定回数のゲームを行うことを契機に終了されるようにしても良い。このような遊技機においても、再遊技高確率状態ではずれ役の一部又は全部を再遊技役に置き換えることにより、ビッグボーナスゲームでのはずれ役に当選する可能性を低下させることができる。このため、はずれ役に当選することで遊技者の消費する遊技球の数を減少させることができ、再遊技高確率状態であるか否かにより遊技球の増加態様に変化を与えることができる。
・本実施形態は、第1の停止制御においてミカン役当選確率を0(零)に設定することで第1の停止制御中にミカン役に当選及びミカン役を入賞させることは不可能なようにしても良い。すなわち、ミカン役は、第2の停止制御でのみ当選及び入賞が可能となる。この場合、各当選役決定テーブルT1〜T6には、ミカン役として0(零)の当選確率が定められていることとなる。そして、第2の停止制御でのみ当選役としてミカン役が設定されるようにする。
・本実施形態において、各当選役決定テーブルT1〜T6に定められるミカン役の当選確率は、任意に変更しても良い。例えば、ミカン役の当選確率をチャレンジタイム役の当選確率と同じにする場合には、ミカン役を入賞させることのできる確率は、当選役決定テーブルT1に基づく当選確率の2倍(1/1000+1/1000=2/1000(1/500))となる。したがって、各当選役決定テーブルT1〜T6のミカン役の当選確率を変更したとしても、チャレンジタイム役の当選確率分だけミカン役を入賞させることができる確率を上昇させることができる。また、ミカン役の当選確率をチャレンジタイム役に比較して高く設定することにより、再遊技高確率状態の開始契機は、第2の停止制御よりも第1の停止制御から開始される場合を増加させることができる。このため、遊技者の目押しによる技術介入性を低下させることもできる。したがって、ミカン役とチャレンジタイム役の当選確率の振分け態様により、遊技者の目押しによる技術介入性を適宜調節可能な遊技機を設計することができる。
・本実施形態において、第2の停止制御においても特定遊技役の当選を決定する(特定遊技役の抽選を行う)ようにしても良い。この場合、第2の停止制御において、メインCPU76aは、当選役決定乱数をRAM76cから取得し、その取得した乱数に基づき当選役決定テーブルを参照し、特定遊技役であるセブン役及びバー役、又はバー役に当選しているか否かを判定する。そして、その判定結果が肯定の場合、メインCPU76aは、決定した特定遊技役が当選役として設定し、該特定遊技役を入賞可能な状態にする。一方、前記判定結果が否定の場合、メインCPU76aは、本実施形態のように当選役としてベル役、プラム役、チェリー役及びミカン役を設定する。
・本実施形態において、レギュラーボーナスゲームは、賭数として3BET又は2BETを設定して行うようにしても良い。例えば、賭数に遊技者が3BETを設定してレギュラーボーナスゲームを行う場合、再遊技低確率状態ではずれ役に当選することで15球の遊技球を減少させる一方で、再遊技高確率状態では再遊技役に当選することで遊技球を変動させないようになる。このため、レギュラーボーナスゲームにおける賞球の増加態様に対しより大きな変化を与えることができる。
・本実施形態において、再遊技高確率状態中に再びミカン役が入賞する場合には、該入賞時点の経過回数Kに100を加算し、ミカン役入賞の特典を上乗せするようにしても良い。また、再遊技高確率状態中に再びミカン役が入賞する場合には、賞球として75球のみ遊技者に与えるようにしても良い。この場合、再遊技高確率状態中においてメインCPU76aは、ミカン役が入賞しないように各リール22L,22C,22Rの停止制御を行うようにしても良い。
・本実施形態は、遊技媒体としてメダルを使用するパチスロ機に実現しても良い。
・本実施形態において、所定の図柄は、リプレイタイム機能の作動契機となる専用の図柄であっても良い。この場合、前記専用の図柄の入賞に対し、賞球の払出しが定められていなくても良い。
・本実施形態において、セブン役及びバー役の入賞に対し、賞球の払出しを定めなくても良い。この場合、セブン役及びバー役の入賞による特典は、ビッグボーナスゲームの開始及びレギュラーボーナスゲームの開始となる。また、チャレンジタイム機能の作動契機となる「ANY・バー・セブン」の図柄組み合わせの入賞に対しては、例えば75球の賞球の払出しを定めても良い。
・本実施形態において、リプレイタイム機能の作動契機となる図柄は複数種類用意しても良い。この場合、複数種類の図柄毎に再遊技高確率状態の継続回数が異なるようにしても良い。例えば、再遊技高確率状態の継続回数が50回用の図柄、再遊技高確率状態の継続回数が100回用の図柄、再遊技高確率状態の継続回数が200回用の図柄を用意する。また、チャレンジタイム機能の作動契機となる図柄も複数種類用意しても良い。この場合も、複数種類の図柄毎に第2の停止制御で行われるゲームの回数が異なるようにしても良い。例えば、第2の停止制御で行われるゲームの回数を3回、第2の停止制御で行われるゲームの回数を2回とする図柄、第2の停止制御で行われるゲームの回数を1回とする図柄を用意する。こうすることで、遊技者にミカン役を入賞させるチャンスを多く付与することができる。したがって、目押し力(狙った図柄を有効とされる入賞ラインL1〜L5上に停止表示させる技術)に自信のない遊技者であっても多くチャンスを付与することで、再遊技高確率状態へ突入させ易くすることができる。
・本実施形態において、リプレイタイム機能又はチャンレンジタイム機能の終了契機は、例えば、終了契機を示す専用の図柄が有効とされる入賞ラインL1〜L5に入賞することとしても良い。また、前記終了契機は、当選役の中に定める役(但し、特定遊技役以外)に当選又は入賞した場合としても良い。例えば、チェリー役に当選することを前記終了契機としても良いし、チェリー役の入賞を前記終了契機としても良い。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)前記変動ゲームは、前記開始操作手段の操作により開始し、前記可変表示装置に停止表示された前記図柄に基づき前記払出手段により遊技媒体が払い出されることにより終了するまでを1回として行われ、前記停止制御実行手段は、前記第2の停止制御を実行した前記1回の変動ゲームの終了を契機に前記第2の停止制御から前記第1の停止制御に移行することを特徴とする遊技機。
T1〜T6…当選役決定テーブル、10…スロット遊技機、22…図柄表示装置、22L,22C,22R…リール、43…スタートレバー、44L,44C,44R…ストップボタン、67…第1払出装置、68…第2払出装置、76…メイン制御手段、76a…メインCPU、76b…ROM。