JP4827289B2 - Mel型バインダーレスゼオライト成型体、その製造方法およびその用途 - Google Patents

Mel型バインダーレスゼオライト成型体、その製造方法およびその用途 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、国際ゼオライト学会による構造を示すコードでいう「MEL」型バインダーレスゼオライト成型体、MEL型バインダーレスゼオライト成型体の製造方法および該成型体の用途に関する。
【0002】
【従来の技術】
MEL型ゼオライトは、米国特許3,709,979号明細書で初めて開示された結晶性アルミノシリケートに代表される結晶性メタロシリケートである。ゼオライト結晶骨格を構成する金属成分(以下、T原子と称することがある)が、ケイ素とアルミニウムとからなる結晶性アルミノシリケートは、主にその酸性質を制御する目的で結晶格子内Al3+カチオンを他の金属イオンで置換することが広く行われており、一般に、同構造のアルミニウムを含まないシリカライトやアルミニウムが他の金属イオンに置換された結晶性メタロシリケートを含めてMEL型ゼオライトといわれている。MEL型ゼオライトは、酸素10員環により形成される二種類の交差した細孔がどちらもストレートチャンネルであり、それらの細孔口が同一の楕円型をしている特徴を有する正方晶系ゼオライトである。
【0003】
MEL型メタロシリケートを合成する方法としては、従来、テンプレート剤としてテトラn−ブチルアンモニウムイオンを用いた水性反応スラリーを原料とした、いわゆる水熱反応法が知られている。たとえば、特公昭53−23280号公報などに開示されているように、仕込み水性スラリー中のSiO2濃度が10質量%程度の、均一な撹拌混合が可能な水性スラリーを調製し、それを水熱条件(100℃、自生圧)で23日間反応することによってMEL型結晶性メタロシリケートを結晶化していた。
【0004】
しかしながら、従来の水熱合成法では加熱時に原料成分の一部が水に溶解するため、結晶へ転化する成分の割合は必然的に低下し、そのため収率が低い。また、アルカリ成分が希釈されることから結晶化時間が非常に長くなり、このような緩慢な結晶化方法では、結晶が大型に成長し易い。しかも、ケイ素(Si)以外の異質な金属成分(M)は結晶格子外に排除されやすいため、水性スラリー中でのSi/M(Mは、ケイ素以外のT原子を表す)の原子比と、合成されたMEL型ゼオライトでのSi/Mの原子比とが必ずしも一致しないという問題点を生じる。さらに、工業的には水性スラリーを加熱することから生成結晶の質量に対して比較的大容量の密閉容器を必要とすること、高価なテンプレート剤を多量に用いる必要があること、廃液が多量に発生すること、ゼオライト粉体のろ過、焼成工程が煩雑であることなどの問題点を有している。
【0005】
また、従来ゼオライト成型体を製造する場合には、ゼオライト単独での成型性が悪いことから、最初に水熱合成法によってゼオライトを合成した後、無機バインダーを用いて成型する必要があった。この方法では、使用用途に悪影響を及ぼさないバインダーを選択する必要があり、また充分な強度を得るためには多量の無機バインダーを必要とすることから、成型体中のゼオライト含有率が低下するだけでなく、バインダー内に埋没したゼオライトの有効利用ができなくなるという問題点がある。
【0006】
さらに、無機成型体を用いて担持型ゼオライト成型体を製造する方法も提案されている。たとえば、特開平11−165074号明細書では、テトラエチルオルトシリケート、テトラエチルオルトチタネートおよび水酸化テトラプロピルアンモニウムからなる水性ゲルをシリカ担体に担持した後、加圧下において水蒸気処理することによってMFI型結晶性チタノシリケートを担体上に結晶化させる方法が記載されている。この方法では、担体に担持させるべく充分な流動性を備える低濃度の水性ゲルを用いる必要があることから、担体への担持量が極めて低いという問題点がある。
【0007】
そのため、実質的にバインダーを含まないアルミノシリケート成型体を製造する方法がいくつか提案されている。たとえば、特開昭59−162952(TSZ型アルミノシリケート)号公報、特開昭61−72620(MOR型アルミノシリケート)号公報や特開昭62−138320(FAU型アルミノシリケート)号公報などの、限られたいくつかの結晶型バインダーレスアルミノシリケート成型体が知られている。しかしながら、バインダーレスMEL型アルミノシリケート成型体については全く知られていなかった。
【0008】
また、これらの方法では、あらかじめ合成した結晶性アルミノシリケート粉体を二次原料とし、粘土系鉱物、シリカアルミナゾルなどの無機バインダーを用いて成型したものを、アルカリ溶液と接触させることによりバインダーを結晶性アルミノシリケートに転化させるため、実質的に二度の水熱合成を必要とする。したがって、製造工程が長くなる点や、廃液量が増大するなどの点で問題がある。
【0009】
さらに、該結晶骨格を構成する金属成分が実質的にケイ素だけからなるバインダーレスシリカライト成型体や、アルミニウム以外のT原子からなるバインダーレス結晶性メタロシリケート成型体を合成する方法は知られていなかった。
【0010】
以上のように、実質的にバインダーを含まないMEL型バインダーレスゼオライト成型体およびその簡便で効率的な製法は未だ知られていなかった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の目的は、以上の問題点に鑑みてなされたものであり、無機バインダーを含有することなく、実質的にゼオライト結晶だけからなるMEL型バインダーレスゼオライト成型体を提供することにある。
【0012】
また、本発明の他の目的は、バインダーを用いないMEL型ゼオライト成型体の簡便で効率的な製造方法を提供することにある。
【0013】
さらに、本発明の目的は、MEL型バインダーレスゼオライト成型体の用途を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者らはMEL型バインダーレスゼオライト成型体について鋭意検討した結果、例えばシリカ成型体にテトラブチルアンモニウム成分、アルカリ金属成分および他の金属成分をあわせて担持させた後に、特定の条件下で飽和水蒸気と接触させる方法により、シリカ成型体の形状を保ったまま、シリカ成分の全量を結晶化させると同時に、該金属成分をT原子として取り込んだ、本質的にバインダーを含有しないMEL型バインダーレスゼオライト成型体を簡便かつ高収率で製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0015】
すなわち、本発明の目的は、バインダーレスゼオライト成型体であって、該ゼオライトがMEL型、またはMFI型/MEL型の複合体の結晶構造を有するメタロシリケートであるバインダーレスゼオライト成型体、によって達成される。
【0016】
また、本発明の目的は、下記式(1)
Si1(TBA)x1 y2 z (1)
(ただし、式中、TBAはテトラブチルアンモニウム、M1はアルカリ金属、M2はメタロシリケート結晶骨格に組み込まれる金属元素を表し、xは0.001〜1、yは0.0001〜1、zは0〜0.4の範囲を表す。)
で表されるゼオライト前駆体を、飽和水蒸気と接触させることを特徴とするMEL型バインダーレスゼオライト成型体の製造方法、によって達成される。
【0017】
さらに、本発明の目的は、請求項1〜3のいずれか1項に記載のバインダーレスゼオライト成型体を含むことを特徴とするアミノ化反応用触媒、によって達成される。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の詳細について説明する。
【0019】
本発明のMEL型バインダーレスゼオライト成型体における、MEL型とはMEL型、およびMEL型とMFI型との複合体を含むものをいう。
【0020】
本発明のMEL型バインダーレスゼオライト成型体の製造方法に用いられるゼオライト前駆体は、下記式(1)
Si1(TBA)x1 y2 z (1)
(ただし、式中、TBAはテトラブチルアンモニウム、M1はアルカリ金属、M2はメタロシリケート結晶骨格に組み込まれる金属元素を表し、xは0.001〜1、yは0.0001〜1、zは0〜0.4の範囲を表す。)
で表される組成であれば特に限定されない。前記式(1)においてxが0.002〜1、yが0.0001〜1、zが0〜0.3の範囲である組成であることが好ましく、さらにxが0.003〜0.8、yが0.0002〜0.5、zが0〜0.2の範囲である組成であることがさらに望ましい。
【0021】
前記ゼオライト前駆体の調製方法としては特に限定されないが、テトラブチルアンモニウム成分とアルカリ金属成分と、所望に応じて担持するメタロシリケート結晶骨格に組み込まれる1以上の金属成分を含む原料物質を、シリカ成型体に担持する方法が好適である。
【0022】
前記シリカ成型体に、前記テトラブチルアンモニウム成分とアルカリ金属成分を担持した場合には、ケイ素のみのT原子からなるバインダーレスMEL型シリカライト成型体を製造することができ、該二つの成分に加えて、ホウ素、アルミニウム、チタン、クロム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、インジウムよりなる群から選ばれる1以上の成分を担持した場合には、これがT原子として取り込まれたMEL型バインダーレス結晶性メタロシリケート成型体を製造することができる。
【0023】
前記シリカ成型体としては、特に限定されるものではないが、市販品を用いることができる。シリカ成型体は比表面積の比較的大きい成型体が好適に用いられ、通常、BET法により窒素吸着測定から求めた比表面積が、例えば5〜1000m2/g、好ましくは20〜800m2/gの範囲のものが用いられる。比表面積が小さすぎると結晶化に長時間を必要とし、また結晶化度が悪くなる場合があるからである。
【0024】
また、前記シリカ成型体は、例えば水銀圧入法により求めた細孔径が4nm以上の細孔を有し、該細孔による表面積と細孔容積は、それぞれ5〜1000m2/g、0.10〜1.5ml/gであり、好ましくは20〜800m2/g、0.15〜1.3ml/gの範囲である。
【0025】
また、前記テトラブチルアンモニウム成分としては、テトラn−ブチルアンモニウムのハロゲン化物、水酸化物などを例示することができるが、通常は水酸化テトラn−ブチルアンモニウムを用いることにより、MEL型ゼオライトを効率よく合成することができる。
【0026】
前記アルカリ金属成分としてはリチウム、ナトリウム、カリウムなどを例示できるが、それらの水酸化物やハロゲン化物あるいは、シリカ成型体および/または金属塩化合物中のアルカリ金属成分を用いることもできる。
【0027】
MEL型バインダーレス結晶性メタロシリケート成型体を合成する場合には、シリカ成型体上に前記テトラブチルアルキルアンモニウム成分および前記アルカリ金属成分とあわせて,同時にT原子となる金属の塩を担持する。これら金属塩としては、ホウ素、アルミニウム、チタン、クロム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、インジウムなど、好ましくはホウ素、アルミニウム、クロム、鉄、亜鉛、ガリウムの硝酸塩、硫酸塩、ハロゲン化物、オキソ酸塩、水酸化物などを例示することができ、これらの水溶液の形で用いることが好ましい。また、前記金属塩は、ホウ素、アルミニウム、クロム、鉄、亜鉛およびガリウムよりなる群から選ばれた少なくとも一つの金属、好ましくはホウ素、アルミニウム、鉄、ガリウムよりなる群から選ばれた少なくとも一つ金属の金属塩を用いた場合には結晶化時間を大幅に短縮化できる点で好ましい。これらの金属成分は、結晶化の際にゼオライト骨格に取り込まれることによってバインダーレスメタロシリケートに転化する。
【0028】
結晶骨格内に組み込まれるT原子となる金属成分は、シリカ成型体に担持されていればいかなる形態でもよく、例えばシリカ成型体中に含まれる前記金属の酸化物を用いることもできる。
【0029】
通常は、担持する金属塩としては水溶性の塩が好適に用いられるが、金属塩の水溶液を含浸、乾燥後、焼成することにより金属酸化物として担持した前駆体を用いることもできる。この場合には、T原子となる金属成分および/またはアルカリ金属成分をシリカ成型体に担持、焼成した後に、テトラブチルアンモニウム成分および/またはアルカリ金属成分を担持、乾燥することによって、ゼオライト前駆体を得る。これにより、得られるゼオライト成型体の強度を高めることができる場合がある。
【0030】
前記シリカ成型体に、テトラブチルアンモニウム成分とアルカリ金属成分と、所望に応じて担持するメタロシリケート結晶骨格に組み込まれる一以上の金属成分とを含む原料物質を担持する方法は、特に限定されるものではないが、シリカ成型体内に前記原料物質を均質に担持することが望ましいため、通常、水溶液を含浸した後に乾燥することによってなされる。一例を挙げれば、所定量の各成分を均一な水溶液とし、シリカ成型体の吸水量に見合う水溶液量となるように調製して含浸する。このとき、各成分は同時に担持してもよく、成分毎あるいは均一な混合溶液を数回に分割して担持してもよく、分割して担持する場合には、担持する順序は生成物に何ら影響を与えない。
【0031】
また、水溶液を含浸した後の乾燥温度は特に限定されないが、テトラブチルアンモニウム塩の分解が少なく、効率的で含水量が抑えられる点で、好ましくは20〜120℃、より好ましくは50〜110℃で実施される。前記前駆体の含水量としては、結晶化の際に担持成分が溶出せず、収率が高い点で、30%以下、さらには20〜0.1%の範囲が好ましい。
【0032】
また、乾燥する方法は特に限定されず、減圧、常圧いずれの条件でも実施することができる。常圧での空気気流下で乾燥することが簡便なために好ましい。
【0033】
本発明の製法は、前記ゼオライト前駆体を、飽和水蒸気と接触させることを特徴とする。
【0034】
前記飽和水蒸気の温度は、特に限定されず、結晶化速度が速く、含有するテトラブチルアンモニウム成分の分解が少なくて結晶化度の高いMEL型バインダーレスゼオライト成型体が得られる点で、80〜260℃の範囲が好ましく、100〜230℃がさらに好ましい。結晶化温度が高すぎると、他の鉱物との混晶が生成する場合がある。
【0035】
MFI型ゼオライトとMEL型ゼオライトは、結晶内で接合(インターグロース)しやすいために、複合体を形成する場合があることも知られている。本発明のMEL型バインダーレスゼオライト成型体も、特定の調製条件により該複合体を形成させることができる。たとえば、前駆体中のアルカリ金属成分の量、結晶化温度などによって、MEL型とMFI型との複合比率を任意に制御することができる。MFI型ゼオライトの複合率は、MEL型を1として、3以下であり、好ましくは1以下、さらに好ましくは0.2以下である。
【0036】
前記飽和水蒸気との接触時間は短時間でよく、通常は2〜100時間、好ましくは3〜72時間の範囲である。結晶化時間が短すぎると結晶化度が低下し、長すぎると他の鉱物との混晶になる場合がある。
【0037】
前記ゼオライト前駆体を飽和水蒸気と接触させて加熱する方法および装置は特に限定されるものではない。たとえば、耐圧容器の中空に前駆体を設置し、容器下部に反応温度と容器の容積によって定まる飽和水蒸気量に相当する水を封入した後、恒温槽で加熱することによって実施することができるが、実施態様はこれに限定されない。この前駆体を容器内に入れ、その外側に水を入れた密閉容器を用いてもよいし、前駆体を飽和水蒸気と接触させる固定床反応器、あるいは移動床式反応器によって連続的に合成することもできる。
【0038】
本発明の製造法を用いることにより、前記ゼオライト前駆体を、水中に分散させて水熱反応させることなく、飽和水蒸気と接触させることによって結晶化を行うことができ、ほぼ全量のシリカと必要に応じて担持された前記金属成分とをT原子とするMEL型ゼオライトに転化させることができる。これにより、原料であるシリカ成型体が、その形状を保ったまま全量がゼオライトに転化するため、生成するゼオライトには本質的にバインダーが含まれず、簡便にMEL型バインダーレスゼオライト成型体が製造できると推察される。
【0039】
本発明の製法では、バインダーを用いないため、本発明による製法で合成されたMEL型ゼオライト成型体は、ゼオライトの含有率がほぼ100%の極めて高い結晶化度を有している。適当な前駆体の組成比、結晶化温度ならびに結晶化時間を前記条件内から選択することによって、成型体結晶化度を制御することができ、例えば95%以上、好ましくは98%以上である。結晶化度によって圧壊強度を制御することができる。
【0040】
また本発明の製法では、シリカ成型体を常法により、球状、シリンダー型、リング型、ハニカム状などの任意の形状に成型した後、本発明による方法でゼオライトに転化することにより、球状、シリンダー型、リング型、ハニカム状などの任意の形状のバインダーレスゼオライト成型体を製造することができる。原料としたシリカ担体自体がゼオライトにそのままの形状で転化するため、シリカ成型体の形状を保ったままバインダーレスゼオライト成型体が得られるのである。
【0041】
また本発明の製法では、原料シリカ成型体の外観を保持しているだけでなく、圧壊強度やマクロ細孔分布なども反映する。このため、原料に用いるシリカ成型体の物性を常法により制御することによって、容易にバインダーレスゼオライト成型体の物性を制御することができる。
【0042】
また本発明のバインダーレスゼオライト成型体は、
(1)ゼオライトがMEL型結晶構造を有すること、および
(2)ゼオライト結晶構造を構成するケイ素と前記金属との組成比(原子比)が、ケイ素1に対して、前記金属が0〜0.4の範囲であることを特徴とする。
【0043】
本発明の成型体中のゼオライトは、MEL型結晶構造を有する。これは、粉末X線回折測定などで確認できる。MEL型ゼオライトの構造は、T原子を中心として4個の酸素原子が頂点に配位したTO4四面体が、3次元的に結合することによりゼオライト結晶骨格を形成している。このため、T原子がケイ素のみからなるシリカライトは電気的に中性であるため固体酸性は発現しない。Si4+を他の原子価金属に置換すると、TO4陰イオンを電気的に中和するために結晶内にプロトンなどの陽イオンが存在し、これにより固体酸性が発現することがよく知られている。これら陽イオンは通常の操作によって容易にイオン交換することができる。また、T原子として導入する元素の量と種類によって、発現する固体酸性の酸量および酸強度を制御することができる。固体酸性は、アンモニアの昇温脱離(TPD)法などにより評価することができる。
【0044】
本発明の成型体は、該成型体中のゼオライト結晶構造を構成する金属成分の組成比(原子比)が、ケイ素1に対して0〜0.4の範囲、好ましくは0.0005〜0.2の範囲であることを特徴とする。
【0045】
また、本発明の成型体は、例えばBET法による窒素吸着測定から求めた比表面積は250〜550m2/gであり、好ましくは270〜525m2/gの範囲である。
【0046】
また本発明の成型体は、例えば水銀圧入法により求めた細孔径が4nm以上の二次細孔を有し、該細孔による表面積と細孔容積は、それぞれ2〜150m2/g、0.10〜1.5ml/gであり、好ましくは3〜130m2/g、0.13〜1.3ml/gの範囲である。
【0047】
本発明の成型体は、例えば前記のバインダーレスゼオライト成型体の製造方法により、簡便に効率よく製造できる。本発明の成型体の形状としては、球状、シリンダー型、リング型、ハニカム状などを例示することができるが、特に制限されない。
【0048】
本発明のバインダーレスゼオライト成型体の大きさは、用いるシリカ成型体の大きさに依存するが、通常、球状、シリンダー型、リング型などの場合には、0.1〜30mm、好ましくは0.2〜20mmの範囲である。ハニカム状の形態の場合には、特に制限はされない。
【0049】
本発明のバインダーレスゼオライト成型体は、形状や大きさ、マクロ細孔分布などを容易に制御可能なため、種々の化学プロセスにおいて、吸着剤や化学反応用に触媒、あるいは触媒担体として利用でき、アミノ化反応触媒、アルキル化反応触媒、異性化反応触媒、クラッキング反応触媒、ベックマン転位反応触媒、水和反応触媒、アルコール付加反応触媒などに好適に用いられる。
【0050】
従来の無機バインダーを用いたゼオライト成型体を触媒として用いた場合には、触媒活性が本来のゼオライト触媒よりも低下する点、触媒成型体の強度が弱い点、様々な不純物が副生する点などの問題点があるが、本発明のバインダーレスゼオライト成型体は、これらの問題を有さず、ゼオライト本来の触媒性能が発現できるため優れている。さらに、種々のアミノ化反応は無機バインダーの悪影響が大きいため本発明のバインダーレスゼオライト成型体を触媒として用いることが好ましい。前記アミノ化反応としては、アンモニアとアルキレンオキシドとのアミノ化によるアルカノールアミン類の合成反応、オレフィンへのアンモニア付加反応、メチルアミン類合成に代表されるアルコールによるN−アルキル化反応、エタノールアミン類の環化脱水反応、モノエタノールアミンとアンモニアからのエチレンジアミン合成反応などを例示できる。
【0051】
前記アルカノールアミン合成反応においては、例えばエチレンオキシドとアンモニアによるエタノールアミン類製造プロセスが挙げられるが、通常、無機バインダーを用いて成型したゼオライト触媒を用いると、触媒活性の低下、ジグリコールアミン類などの不純物の生成、成型体強度が弱い点、ジエタノールアミン選択性の低下などの問題点がある。これは無機バインダーの添加による触媒成分の希釈効果や無機バインダーの化学的性質に起因することから、無機バインダーを含まず、充分な強度を有する本発明のバインダーレスゼオライト成型体を触媒あるいは触媒担体として用いることが特に好ましい。また、この場合、ゼオライトの結晶構造としてはMEL型あるいはMFI型とMEL型の複合体であることが、高い反応活性およびジエタノールアミン選択性を示す点で好ましい。
【0052】
【実施例】
以下の実施例により、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
【0053】
(実施例1)
アルミン酸ナトリウム0.26gを蒸留水に溶解させて12mlとした。120℃で1昼夜乾燥させたシリカビーズ(富士シリシア化学製「キャリアクトQ−10」、10〜20メッシュ)8.25gを、前記の水溶液全量に1時間含浸させた後、80℃湯浴上で乾燥させてシリカビーズ上にアルミン酸ナトリウムを担持した。さらに、120℃で1昼夜乾燥させた後、40質量%濃度の水酸化テトラブチルアンモニウム(TBAと略記する)水溶液8.91gを蒸留水で薄めて12mlとした水溶液中に、前記のアルミン酸ナトリウム担持シリカビーズ全量を1時間含浸させた。引き続いて、80℃湯浴上で乾燥させて、シリカビーズ上にアルミン酸ナトリウムとTBAを担持した。組成比は、Si1TBA0.100Na0.026Al0.020である。
【0054】
得られた前駆体をステンレス製の網で作成した籠に入れ、容積100mlのジャケット付テフロンルツボの中空に設置した。ルツボの底に1gの蒸留水を入れて密封し、170℃で30時間加熱した。ルツボを室温まで冷却した後、取り出した生成物を空気気流中550℃で6時間焼成してTBA由来の有機成分を除くことにより、白色の生成物8.30gを得た。これを生成物Aとする。
【0055】
生成物Aの形状は、原料として用いたシリカビーズの外観を保持して10〜20メッシュサイズのビーズであった。生成物Aを粉砕した後に粉末X線回折測定した結果、図1および図2に示すとおり、MEL型結晶性アルミノシリケートであった。図2に示される2θ=44.86°における回折がシングレットであることから、生成物AはMFI型ではなくMEL型であることがわかる。
【0056】
77Kにおける窒素のBET3点法(P/P0=0.01、0.05、0.10)により算出された比表面積は476m2/gであった。また、水銀圧入法で細孔分布を測定した結果、図3に示される細孔分布曲線を与え、4nm以上の全マクロ細孔容積は0.64ml/gであり、同マクロ細孔容積は40m2/gであった。細孔径30〜100nm(平均細孔径50nm)の範囲にある細孔容積が0.38ml/gであり、4nm以上の全マクロ細孔容積の約60%を占めるシャープな細孔分布を有することがわかる。
【0057】
(実施例2)
アルミン酸ナトリウム6.68gを蒸留水に溶解させて140mlとした。120℃で1昼夜乾燥させたシリカビーズ(富士シリシア化学製「キャリアクトQ−10」、10〜20メッシュ)100gを、前記水溶液全量に2時間含浸させた後、ロータリーエバポレーターを用いて窒素気流中80℃で乾燥させてシリカビーズ上にアルミン酸ナトリウムを担持した。さらに、120℃で1昼夜乾燥させた後、40質量%濃度の水酸化テトラブチルアンモニウム水溶液107.97gを蒸留水で薄めて140mlとした水溶液中に、前記のアルミン酸ナトリウム担持シリカビーズ全量を2時間含浸させた。同様な方法で、80℃で乾燥させて、シリカビーズ上にアルミン酸ナトリウムとTBAを担持した。組成比は、Si1TBA0.100Na0.053Al0.042である。
【0058】
得られた前駆体をステンレス製の網で作成した籠に入れ、容積3300mlのステンレス製オートクレーブの中空に設置した。オートクレーブの底に30gの蒸留水を入れ、170℃で32時間加熱した。オートクレーブを室温まで冷却した後、取り出した生成物を空気気流中550℃で6時間焼成してTBA由来の有機成分を除くことにより、白色の生成物106gを得た。これを生成物Bとする。
【0059】
生成物Bの形状は、原料として用いたシリカビーズの外観を保持して10〜20メッシュサイズのビーズであった。生成物Bを粉砕した後に粉末X線回折測定した結果、本質的に生成物Aと同一の回折パターンを与え、MEL型結晶性アルミノシリケートであった。
【0060】
77Kにおける窒素のBET3点法(P/P=0.02、0.06、0.10)により算出された比表面積は376m2/gであった。また、水銀圧入法で細孔分布を測定した結果、図4に示す細孔分布曲線を与え、4nm以上の全マクロ細孔容積は0.45ml/gであり、同マクロ細孔の比表面積は44m2/gであった。
【0061】
以下に続く実施例は、主としてエチレンオキシドとアンモニアからのエタノールアミン類の製造例を示す。実施例は、本発明の説明目的に意図されるものであり、それにより本発明が限定されるものではない。
【0062】
また、LHSV、エチレンオキシド転化率およびジエタノールアミンの選択率は次のように定義する。なお、エタノールアミン類以外の生成物はほとんど生成せず、従ってエチレンオキシドの転化率(モル%)は、エチレンオキシド基準の(モノ、ジ、トリ)エタノールアミンの総合収率(モル%)にほぼ等しい。
【0063】
LHSV=A1/B1
A1:毎時反応器を通過する液状原料の体積(cm3/Hr)、
B1:反応容器中の触媒体積(cm3)。
【0064】
エチレンオキシドの転化率(モル%)=(A2/B2)x100
A2:反応で消費されたエチレンオキシドのモル数、
B2:反応に供したエチレンオキシドのモル数。
【0065】
ジエタノールアミンの選択率(質量%)=(A3/B3)x100
A3:生成物中のジエタノールアミンの質量、
B3:生成物中の総エタノールアミンの質量。
【0066】
(実施例3)
硝酸アルミニウム9水和物8.08gを蒸留水に溶解させて全量を38mlとした。120℃で1昼夜乾燥させたシリカビーズ(富士シリシア化学社製「キャリアクトQ−6 」、16〜32メッシュ)31.04gに、前記水溶液を室温で1時間含浸させ、引き続いて100℃湯浴上で乾燥させた。これを空気気流下550℃で3時間焼成して、シリカビーズ上に酸化アルミニウムとして担持した。冷却後、4モル/リットル濃度の水酸化ナトリウム水溶液7.6mlと40質量%濃度の水酸化テトラブチルアンモニウム水溶液33.5gを混合し、蒸留水で全量を38mlとした溶液に1時間含浸させ、引き続いて100℃湯浴上で乾燥させ、さらに80℃オーブンで窒素気流下5時間乾燥させた。組成比は、Si1Al0.042Na0.063TBA0.10であった。
【0067】
得られた前駆体をテフロンカップに入れ、容積3300mlのステンレス製オートクレーブの中空に設置した。オートクレーブ容器の底に30gの蒸留水を入れ、170℃で32時間加熱して結晶化させた。室温まで冷却した後、取り出した生成物をジャケット付きカラムに充填し、60℃、0.4ml/minの流量で、1モル/リットル濃度の硝酸アンモニウム水溶液を24時間流通させてイオン交換を行った。蒸留水500mlで水洗後、120℃で5時間乾燥し、空気気流下550℃で6時間焼成して過剰の有機成分を除くことにより、白色の生成物29gを得た。これを生成物Cとする。
【0068】
生成物Cの形状は、原料として用いたシリカビーズの外観を保持して16〜32メッシュサイズのビーズであった。生成物Cを粉砕した後に粉末X線回折測定した結果、図1および図2と本質的に同じであり、MEL型ゼオライトであった。
【0069】
77Kにおける窒素のBET3点法(P/P=0.02、0.06、0.10)により算出された比表面積は410m2/gであった。また、水銀圧入法で細孔分布を測定した結果、図4に示す細孔分布曲線を与え、4nm以上の全マクロ細孔容積は0.6ml/gであった。
【0070】
(触媒調製例1)
硝酸ランタン6水和物0.8383gを蒸留水に溶解させて38mlとした溶液に、実施例3で調製したMEL型ゼオライトビーズ(プロトン型、16〜32メッシュ)29gを室温で1時間含浸させ、引き続いて100℃湯浴上で乾燥させた。これを空気気流下550℃で3時間焼成して、ランタン含有MEL型ゼオライトビーズ触媒を得た。これを触媒Aとする。
【0071】
(触媒調製例2)(比較例)
米国特許第3,709,979号明細書の実施例8記載の方法で調製したMEL型ゼオライト(Si/Al原子比39、プロトン型)100gを、2.50gの硝酸ランタン6水和物を250mlの蒸留水に溶解させて調製した溶液に1時間含浸した。引き続き、100℃の湯浴上で乾燥した。これを空気気中下において550℃3時間焼成して、ランタン含有MEL型ゼオライトを得た。
【0072】
このようにして得られたランタン含有MEL型ゼオライト70gとアルミナゾル(日産化学社製アルミナゾル520、アルミナ含量20.7質量%)145g(アルミナとして30g)を混練し、スラリーを濃縮した。水分量40質量%に調製した後、0.7mm直径で押出して成形した。これを空気気流中で650℃3時間焼成することによって、アルミナバインダーで成型されたランタン含有MEL型触媒を得た。これを触媒Bとする。
【0073】
(実施例4)
触媒調製例1で得た触媒Aを用いて、エチレンオキシドとアンモニアとからエタノールアミン類を合成する反応を行った。図5に示す装置を用い、反応管1は内径10mm、長さ400mmのステンレス製チューブに放熱を補償するヒーターを巻いて保温した。反応器内部には触媒層の温度プロファイルを測定するために熱電対を挿入できる保護管を設けた。この反応器に触媒A20mlを充填し、予熱器2で70℃に加熱した原料(アンモニア/エチレンオキシドモル比15)をLHSV 10hr-1で流通させて反応した。
【0074】
反応容器内に一定速度でアンモニアおよびエチレンオキシドを高圧ポンプを用いて送り込み、反応圧は14MPaに維持した。反応液を捕集し、ガスクロマトグラフにより分析した。反応開始から24時間経過時の反応結果を表1に示す。
【0075】
なお、ガスクロマトグラフィーでの分析には、溶融シリカキャピラリーカラム(Fused Silica キャピラリーカラム、30m、0.53mm、0.5μm film thickness)を用い、FID検出器での面積比より、エタノールアミン類の定量分析を行った(アンモニアフラッシュ後の反応液を0.25質量%に希釈し、10μlを分析機器に注入した)。
【0076】
本分析からは、エタノールアミン類以外の不純物は検出されなかった。
【0077】
(比較例1)
触媒Aの代わりに、触媒Bを用いた以外は、実施例4と同様にして反応した。ガスクロマトグラフィー分析により、ジグリコールアミン(DGAと略記する)、ジエタノールアミン末端水酸基へのエチレンオキシド1モル付加物(DEA+EOと略記する)、トリエタノールアミン末端水酸基へのエチレンオキシド1モル付加物(TEA+EOと略記する)などの不純物が検出された。
【0078】
反応開始後24時間経過時の反応結果を表1に示す。
【0079】
【表1】
Figure 0004827289
【0080】
【発明の効果】
本発明のMEL型バインダーレスゼオライト成型体は、本質的にバインダーを含有しないため成型体中のゼオライト含有率が極めて高く、なおかつ無機バインダー内にゼオライトが埋没することがない。このためゼオライトを効率的に利用でき、また無機バインダーなどの不純物に起因する悪影響がない特徴がある。
【0081】
本発明の方法によれば、結晶化に要する時間が短時間であり、なおかつ原料成分が水中に溶出することがないので、金属成分が結晶格子内に効率よく取り込まれ、原料仕込み組成とほぼ一致した組成を持つMEL型結晶性メタロシリケートを高収率で製造することができる。
【0082】
また、本発明の方法によれば、製造されるMEL型バインダーレスゼオライト成型体は、原料シリカ成型体の性質をそのまま反映するため、二次細孔構造などの物性を制御しやすい。また、高価なテトラアルキルアンモニウムの使用量を低減でき、さらに廃液がほとんど発生しないため、回収、廃液処理の必要がなく経済的である。
【0083】
本発明のバインダーレスゼオライト成型体はアミノ化反応用触媒、特にアンモニアでアルキレンオキシドをアミノ化する場合に、バインダーを含む触媒と比較して、選択性に優れるとともに不純物の生成が少なく好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】生成物AのCuKαX線回折図(2θ=5〜60°)を示す図面である。
【図2】生成物AのCuKαX線回折図(2θ=40〜50°)を示す図面である。
【図3】水銀圧入法による生成物Aの細孔分布曲線を示す図面である。
【図4】水銀圧入法による生成物Bの細孔分布曲線を示す図面である。
【図5】実施例5で用いられた反応装置の模式図である。
【符号の説明】
1…反応管
2…予熱器
3、4、5、…高圧ポンプ
6…圧力制御弁
7…アンモニアフラッシュ塔
8…回収アンモニアタンク
9…熱交換器
10、11…原料タンク(10:エチレンオキシド、11:アンモニア)

Claims (7)

  1. テトラブチルアンモニウム成分と、アルカリ金属成分と、所望により、金属元素成分とを含む原料物質を、シリカ成型体に担持してなるゼオライト前駆体は、下記式(1):
    Si(TBA) (1)
    (ただし、式中、TBAはテトラブチルアンモニウム、Mはアルカリ金属、Mはメタロシリケート結晶骨格に組み込まれる金属元素を表し、xは0.001〜1、yは0.0001〜1、zは0〜0.4の範囲を表す。)で表され、
    前記ゼオライト前駆体を飽和水蒸気と接触させることにより、前記シリカ成型体がその形状を保ったまま転化することを特徴とするMEL型、およびMFI型/MEL型の複合体の結晶構造を有するバインダーレスゼオライト成型体の製造方法。
  2. BET法により窒素吸着測定から求めた前記シリカ成型体の比表面積が5〜1000m /gである、請求項1記載の成型体の製造方法。
  3. 前記シリカ成型体は、水銀圧入法により求めた細孔径が4nm以上の細孔を有し、該細孔の表面積が5m /g〜1000m /gであって、かつ、前記細孔容積が0.10ml/g〜1.5ml/gである、請求項1記載の成型体の製造方法。
  4. バインダーレスゼオライト成型体であって、該ゼオライトがMEL型、またはMFI型/MEL型の複合体の結晶構造を有するメタロシリケートであるバインダーレスゼオライト成型体を含むことを特徴とするアミノ化反応用触媒。
  5. BET法による窒素吸着測定から求めた前記バインダーレスゼオライト成型体の比表面積が250m /g〜550m /gである、請求項4に記載のアミノ化反応用触媒。
  6. 前記バインダーレスゼオライト成型体は、水銀圧入法により求めた細孔径が4nm以上の細孔を有し、該細孔の表面積が2m /g〜150m /gであって、かつ、前記細孔容積が0.10ml/g〜1.5ml/gである、請求項4または5に記載のアミノ化反応用触媒。
  7. 請求項4〜6のいずれか1項に記載の触媒を用いて、アンモニアでアルキレンオキシドをアミノ化することを特徴とするアルカノールアミンの製造方法。
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