JP4826687B2 - エレベーター統合監視システム - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
この発明は複数のエレベーター群管理システムを監視するエレベーター統合監視システムに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来の技術として、エレベーターの制御装置と監視装置をネットワーク接続してエレベーターの運行状況を監視するエレベーター監視システムが提案されている。
【０００３】
例えば特開平１１−８８３５９号公報では、ビルネットワークとエレベーターネットワークとの間に情報接続器を接続したエレベーターの制御装置が掲載されている。図８に示すように、群管理制御装置５０１と複数のエレベーター制御装置５０６から構成されており、監視装置５０５は群管理制御装置５０１とネットワークＬ３を介して接続されている。
【０００４】
また、特開平１１−１００１７９号公報では、エレベーター監視制御用のエレベーターネットワークとＯＡネットワークとをルーターを介して接続し、利用者のパソコンとエレベーター監視制御システム間で情報を伝達するエレベーターの制御装置が掲載されている。
【０００５】
このような従来のエレベーター監視システムでは、エレベーター制御装置の機種毎にデータ形式やデーター伝送方式が異なっているため、監視しようとするエレベーター群管理システムに対応する機種毎に専用の監視装置を設置する必要があり、異なる機種の複数のエレベーター群管理システムを監視するためには、それぞれのエレベーター群管理システムの機種に対応した監視装置が必要だった。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来のエレベーター監視装置においては、機種の異なるエレベーター制御装置が混在する複数のエレベーター群管理システムが混在するビルでは、同一の監視装置ですべてのエレベーター群管理システムを監視制御できないという問題があった。
【０００７】
この発明は上記問題点を解消するためになされたもので、機種の異なるエレベーター制御装置が混在する複数のエレベーター群管理システムを同一の監視装置ですべてのエレベーター群管理システムを監視制御するエレベーター統合監視システムを提供することを目的とする。
【０００８】
この発明に係るエレベーターの統合監視システムは、
機種ごとにデータ形式やデータ伝送方式の異なる複数のエレベーターを一群として運行管理するエレベーター群管理システムを、エレベーター監視装置で監視制御するエレベーター監視システムにおいて、
エレベーター群管理システムを複数接続して制御情報を伝送するネットワークと、
ネットワークに接続して複数のエレベーター群管理システムの制御情報を受信するとともに、制御情報に含まれる複数のエレベーター群管理システムの運転パターンや運行モード、またはかごの走行状態のいずれかを、エレベーター監視装置へ伝送するエレベーター監視データ制御装置を備え、
エレベーター監視データ制御装置は、複数のエレベーター群管理システムの制御情報を受信するとともに、予め定められた監視データのデータ形式に変換するデータ変換手段と、
データ変換手段が変換した監視データを記憶するとともに、記憶した監視データをエレベーター監視装置に送信するエレベーター監視データ蓄積手段とを備えたものである。
【０００９】
また、データ変換手段は、エレベーターの運転状態を表す中間データを作成する１次データ変換手段と、
エレベーター監視装置の機種ごとに異なる監視データの種類にあわせて選択抽出しエレベーター監視装置が表示できる形式に変換する２次データ変換手段を備えたものである。
【００１０】
また、エレベーター監視データ蓄積手段は、エレベーター監視装置からの監視データ送信要求を受け付ける監視データ送信要求受付手段と、監視データ送信要求受付手段が受け付けた要求に基づいて、記憶した監視データから要求された監視データを収集する監視データ収集手段と、監視データ収集手段が収集した監視データを、要求したエレベーター監視装置に送信する監視データ送信手段とを備えたものである。
【００１１】
また、エレベーター監視データ蓄積手段は、エレベーター監視装置から監視データの送信を要求された場合に、監視データの送信を要求しているユーザーが、監視データの閲覧を認証されているかどうかを判断するユーザー認証手段を備えたものである。
【００１２】
また、エレベーター監視データ蓄積手段は、エレベーター監視装置からの制御データ送信要求を受け付ける制御データ送信要求受付手段と、制御データ送信要求受付手段が受け付けた要求に基づいて、制御データを指定されたエレベーター群管理システムに送信する制御データ送信手段とを備えたものである。
【００１３】
また、エレベーター監視データ蓄積手段は、エレベーター監視装置から制御データの送信を要求された場合に、制御データの送信を要求しているユーザーが、制御データの送信を認証されているかどうかを判断するユーザー認証手段を備えたものである。
【００１４】
【発明の実施の形態】
実施の形態１．
図１は実施の形態１におけるエレベーター統合監視システムを示すシステム構成図である。
図において、１ａ、１ｂは、エレベーターに呼びを割当てて群管理制御するエレベーター群管理制御装置であり、２ａ、２ｂ１、２ｂ２は、エレベーター群管理制御装置１ａ、１ｂの割当てに従って、エレベーターのかご（図示せず）を運転制御するエレベーター各台制御装置である。３ａ、３ｂは、エレベーター群管理制御装置１ａ、１ｂおよび各台制御装置２ａ、２ｂ１、２ｂ２を接続して、相互に制御データを伝送する第１の伝送路（以降はエレベーター制御システムネットワークと称する）である。
【００１５】
また、５ａ、５ｂは、エレベーター制御システムネットワーク３に接続されて、エレベーターの群管理制御装置１や各台制御装置２からエレベーターの制御情報を受信し、エレベーター群管理システムの運転パターンや運行モード、またはかごの走行状態などの監視データのデータ形式に変換するデータ変換手段、ここで、エレベーターの制御情報とは、例えば、エレベーターのサービス階床カット、アップピーク運転あるいはダウンピーク運転などの運転パターンや、省エネ運転あるいはＶＩＰ運転というような運行モードなどを表わす情報である。
【００１６】
さらに、６ａ、６ｃは、データ変換手段５でデータ形式を変換した、エレベーター群管理システムの運転パターンや運行モード、またはかごの走行状態などの監視データを記憶しておくエレベーター監視データ蓄積手段であり、７は、データ変換手段５とエレベーター監視データ蓄積手段６とを相互に接続する第２の伝送路（以降はエレベーター監視システムネットワークと称する）である。
【００１７】
さらにまた、８ａ、８ｂは、エレベーター群管理システムの運転パターンや運行モード、またはかごの走行状態を監視するエレベーター監視装置であり、例えば、汎用パソコンなどを使用しても良い。また、９はエレベーター監視データ蓄積手段６とエレベーター監視装置８とを相互に接続する第３の伝送路（以降はビルシステムネットワークと称する）である。ここで、エレベーター制御システムネットワーク３ａ、３ｂ、エレベーター監視システムネットワーク７、および、ビルシステムネットワーク９は、それぞれ物理的に切り離して独立したネットワークとして構成する。また、ビルシステムネットワーク９は一般のオフィス等で使用されている所謂ＯＡネットワークを共用しても良い。ここで、１１は、データ変換手段５ａ、５ｂとエレベーター監視データ蓄積手段６ａとで構成したエレベーター監視データ制御装置である。
【００１８】
図１ではエレベーター監視装置として＃１号機８ａと＃２号機８ｂをビルシステムネットワーク９に接続して、２台のエレベーター監視装置８ａ、８ｂによりエレベーターを監視するように構成している。ここで、データ変換手段５は、エレベーター制御システムネットワーク３と、エレベーター監視システムネットワーク７の両方に接続し、双方の伝送路を中継して接続するように構成する。さらに、エレベーター監視データ蓄積手段６は、エレベーター監視システムネットワーク７と、ビルシステムネットワーク９の両方に接続し、双方の伝送路を中継して接続するように構成する。
【００１９】
また、２１は、エレベーター監視システムネットワーク７に接続して、利用者にエレベーターの運行状況などを報知するインフォメーション機器であり、２２は、同じくエレベーター監視システムネットワーク７に接続して、エレベーター乗場などを監視するための映像を撮影するエレベーター監視カメラ装置である。
【００２０】
ところで、３１ａ、３１ｂは、複数のエレベーターを一群として管理するエレベーター群管理システムを表わし、たとえばビルの建築棟毎にエレベーター群管理システムを構成する。図１では例えば、Ａ群はビルのオフィス棟のエレベーター群管理システム３１ａ、Ｂ群はホテル棟のエレベーター群管理システム３１ｂ、Ｃ群は管理棟のエレベーター群管理システム３１ｃを示す。
【００２１】
そして、エレベーター制御システムネットワーク３はこのエレベーター群管理システム毎に設置する。すなわち、オフィス棟のエレベーター群管理システム３１ａではエレベーター制御システムネットワーク３ａを設置して、エレベーター群管理制御装置１ａとエレベーター各台制御装置２ａおよびデータ変換手段５ａとを接続している。また、ホテル棟のエレベーター群管理システム３１ｂではエレベーター制御システムネットワーク３ｂを設置して、エレベーター群管理制御装置１ｂとエレベーター各台制御装置２ｂ１、２ｂ２およびデータ変換手段５ｂとを接続している。
【００２２】
さらに、図１では、オフィス棟のデータ変換手段５ａとホテル棟のデータ変換手段５ｂ、およびエレベーター監視データ蓄積手段６ａとを同一のエレベーター監視システムネットワーク７に接続している。また、インフォメーション機器２１とエレベーター監視カメラ装置２２とを同じエレベーター監視システムネットワーク７に接続している。
【００２３】
以上のように構成することで、エレベーター群管理システムの運転パターンや運行モード、またはかごの走行状態などの監視データをエレベーター監視データ蓄積手段６に蓄積して、複数のエレベーター監視装置８で共有して監視することができる。つまり、エレベーター監視データ蓄積手段６は、エレベーター監視装置８のデータサーバーとして機能する。また、エレベーター監視データ蓄積手段６として、汎用パソコンあるいはワークステーションを用いても良い。
【００２４】
次に、データ変換手段の機能構成を説明する。
図２は実施の形態１におけるデータ変換手段の詳細を示す機能構成図である。図において、５０１は、エレベーター群管理システムの運転パターンや運行モード、またはかごの走行状態などを表わす中間データ５０を記憶する中間データ記憶部であり、中間データ５０はデータ変換手段がエレベーター群管理制御装置１や各台制御装置２と通信して取得した、制御装置の機種毎に異なる形式のエレベーターの運転状態データを、エレベーターの号機毎の運転状態を表現する予め定められた形式に変換したデータである。
【００２５】
また、データ変換手段５は制御装置の機種により表現形式の異なるエレベーターの状態データが存在する場合には、それらの状態データをエレベーター監視システム内で統一した中間データに変換する。例えば、かごの上昇走行指令を表現するデータが、制御装置Ａでは「１１」であるが制御装置Ｂでは「２１」である場合に、中間データでは「０１」をかごの上昇走行を表わすデータとする。さらに、例えば、制御データの戸開指令および戸閉指令は戸動作中という運転状態を表わす中間データに変換する。
【００２６】
ここで、５１は、エレベーター群管理制御装置１や各台制御装置２が接続されたエレベーター制御システムネットワーク３を介して、適切なプロトコルに従ってエレベーター群管理制御装置１や各台制御装置２と制御情報を通信する制御データ通信手段であり、５２は、制御データ通信手段５１がエレベーター群管理制御装置１や各台制御装置２と通信して取得した制御情報を、各エレベーターの群管理システム毎に予め定められた変換ルールに従って、エレベーターの運転状態を表わす中間データ５０に変換する１次データ変換手段である。
【００２７】
また、５０３は、１次データ変換手段５２が状態データをエレベーターの運転状態を表わす中間データ５０に変換する場合に参照する、変換ルールを記録した１次データ変換テーブル記憶部である。１次データ変換テーブル記憶部５０３は、エレベーター群管理制御装置１とエレベーター各台制御装置２の機種毎に異なる変換ルールを予め定められた領域に記憶してある。
【００２８】
また、５４は、中間データ５０を入力して予め定められた変換ルールに従って予め定められたデータを選択し、エレベーター監視装置８へ表示する監視データ形式に変換する、２次データ変換手段であり、５０５は、２次データ変換手段５４が中間データ５０を、エレベーター監視装置８へ表示する監視データ形式に変換する場合に参照する、変換ルール（以下第２の変換ルールと称する）を記録した２次データ変換テーブル記憶部である。２次データ変換テーブル記憶部５０５には、エレベーター監視装置８の機種毎に異なる変換ルールを予め定められた領域に記憶してある。
【００２９】
さらに、５６は、エレベーター監視装置８が接続されたエレベーター監視システムネットワーク７を介して、適切なプロトコルに従ってエレベーター監視データ蓄積手段６へ監視データを送信する監視データ通信手段である。
【００３０】
次に、５７は、データ変換手段５の電源の立ち上がりを検出する電源立上検出手段であり、５８は、電源立上検出手段５７が電源の立ち上がりを検出した場合に、エレベーター監視データ蓄積手段６に予め記憶しておいた変換テーブル記憶部６０２の中から、対象となる制御装置と監視装置の機種毎に変換ルールが記述されている予め定められた変換テーブルを、１次データ変換テーブル５０３および２次データ変換テーブル５０５の予め定められた領域にダウンロードする、変換テーブルダウンロード手段である。
【００３１】
また、５０２は、変換テーブルダウンロード手段５８が変換テーブルをダウンロードする場合に、変換対象となるエレベーター群管理制御装置１、エレベーター各台制御装置２およびエレベーター監視装置８の機種を判別するための情報を記憶した機種情報テーブル記憶部である。
【００３２】
次に、エレベーター監視データ蓄積手段６の機能構成を説明する。
図３は実施の形態１におけるエレベーター監視データ蓄積手段の詳細を示す機能構成図である。
図において、６０１は監視データを記憶する監視データ記憶部であり、エレベーター監視装置８の機種毎にデータ形式が異なる監視データを予め定められた領域に記憶しておくものである。ここで、６１はデータ変換手段５から送られるエレベーターの監視データを受信する監視データ受信手段であり、６２は監視データ受信手段６１が受信した監視データを監視データ記憶部６０１の予め定められた領域に記録する監視データ記憶手段である。
【００３３】
次に、６３は、エレベーター監視装置８から監視データを要求された場合に、予め許可されたユーザーだけに記憶した監視データを送信するため、例えばパスワードやユーザーＩＤなどによりユーザーを認識照合するユーザー認証手段である。また、６４はエレベーター監視装置８から送られる監視データ送信要求を受け付ける監視データ送信要求受付手段であり、６５は、監視データ送信要求受付手段６４が受け付けた監視データ送信要求に従って、監視データ記憶部６０１に記録された監視データを収集する監視データ収集手段である。さらに、６６は監視データ収集手段６５が収集した監視データを要求したエレベーター監視装置８へ送信する監視データ送信手段である。
【００３４】
次に、６７はデータ変換手段５から送られる変換テーブルのダウンロード要求を受け付けるダウンロード要求受付手段である。また、６０２は、上述のようにデータ変換手段５で使用される第１および第２の変換ルールを記録した変換テーブルを制御装置および監視装置の使用される機種毎に記憶しておく、第１および第２の変換テーブル記憶部である。さらに、６９は、ダウンロード要求受付手段６７が受け付けた変換テーブルのダウンロード要求に従って要求された機種の変換ルールを記録した変換テーブルをデータ変換手段５へ送信する、変換テーブル送信手段である。
【００３５】
次に動作について述べる。
図４は実施の形態１によるデータ変換手段の動作フロー説明図である。
図において、データ変換手段５に電源が供給されるとステップＳ５００で電源の立上げを検出する。次に電源の立上がりが検出されると、ステップＳ５０１で、変換テーブルダウンロード手段５８が、機種情報テーブル５０２に登録された、エレベーター群管理制御装置１とエレベーター各台制御装置２、およびエレベーター監視装置８の機種情報を読み出して、データ変換に必要な第１および第２の変換ルールを記録した変換テーブルを選択する。
【００３６】
次に、ステップＳ５０２では、変換テーブルダウンロード手段５８が、ステップＳ５０１で選択した第１および第２の変換ルールを記録した変換テーブルを、エレベーター監視データ蓄積手段６の変換テーブル記憶部６０２から、１次データ変換テーブル記憶部５０３と２次データ変換テーブル記憶部５０５に順次ダウンロードする。変換に必要な全ての変換テーブルのダウンロードが完了すると次のステップＳ５０３へ進む。
【００３７】
ここで、ステップＳ５０３では、状態データ通信手段５１が、エレベーター群管理制御装置１および各台制御装置２から、かご位置や走行方向などのエレベーター運転状態データを、エレベーター制御システムネットワーク３を介して予め定められたプロトコルに従って受信し、そのエレベーター運転状態データ送信元の制御装置種別とともに１次データ変換手段５２に送出する。
【００３８】
次に、ステップＳ５０４では、１次データ変換手段５２が、状態データ通信手段５１から入力された制御装置機種を判別し、１次データ変換テーブル記憶部５０３に記憶された第１の変換ルールに従い、エレベーター運転状態データをエレベーターの運転状態を表わす中間データ５０に変換する。そして、ステップＳ５０５で、１次データ変換手段５２が変換された中間データ５０を中間データ記憶部５０１に記憶する。
【００３９】
次に、ステップＳ５０６で、２次データ変換手段５４が、２次データ変換テーブル記憶部５０５に記憶された第２の変換ルールに従って、エレベーター監視装置８の機種毎に異なる監視データの種類に合わせて、必要な中間データ５０を選択抽出しエレベーター監視装置８が表示できる監視データ形式に変換する。
【００４０】
次に、ステップＳ５０７で、監視データー通信手段５６が、２次データ変換手段５４により変換されたエレベーター群管理システムの運転パターンや運行モード、またはかごの走行状態などの監視データをエレベーター監視装置８の機種毎のデータ形式にまとめて、エレベーター監視データ蓄積手段６へ、エレベーター監視システムネットワーク７を介して予め定められたプロトコルに従って送出する。
ここで、ステップＳ５０３からステップＳ５０７までの処理を予め定められた周期で繰り返して動作させる。
【００４１】
次に、エレベーター監視データ蓄積手段の動作を説明する。
データ変換手段５の監視データ通信手段５６が送出した、エレベーター監視装置８の機種毎の監視データを、エレベーター監視データ蓄積手段６の監視データ受信手段６１が受信し、監視データ記憶手段６２がエレベーター監視装置８の機種毎に監視データ記憶部６０１の予め定められた領域に記録する。
【００４２】
図５は実施の形態１による監視データ送信処理の動作フロー説明図である。
図において、エレベーター監視装置８が監視データを表示するために、監視データ蓄積手段６に監視データを要求すると、まずステップＳ６４１で、監視データ送信要求受付手段６４が送信要求を受け付ける。次にステップＳ６４２で、監視データを要求してきたユーザーが予め許可されたユーザーかどうかをユーザー認証手段６３により判別する。そして、許可されたユーザーであればステップＳ６４３へ進み、許可されたユーザーでなければステップＳ６４５へ進む。
【００４３】
次に、ステップＳ６４３では、監視データ収集手段６５が要求されたエレベーター監視装置８の機種毎に監視データを収集し、次のステップＳ６４４で、監視データ送信手段６６が要求した監視装置８へ監視データを送信する。そして、エレベーター監視装置８は送られてきた監視データを表示する。また、ステップＳ６４５では、監視データを要求してきたユーザーに対してデータ要求拒否を応答する。
【００４４】
このように、接続されているエレベーター群管理制御装置１、各台制御装置２およびエレベーター監視装置８の機種を判別し、それぞれの機種に応じたデータ変換を行うため、異なった機種の制御装置およびエレベーター監視装置８が接続された場合でも、エレベーター監視装置８で詳細な監視データを表示することができる。従って、機種の異なるエレベーター制御装置が混在する複数のエレベーター群管理システムの運転パターンや運行モード、またはかごの走行状態などを監視制御することができる。また、エレベーター監視装置から監視データを要求された場合に、ユーザーを認識照合して認証されたユーザーに対して監視データを出力するため、同一の監視装置を使用して、閲覧を許可されたユーザーだけが監視情報を閲覧することができる。
【００４５】
実施の形態２．
ここでは、エレベーター監視装置８にエレベーターの制御機能を設けて、例えば、ビルの交通状態に応じてアップピーク運転やダウンピーク運転などのエレベーターの運転パターンや運転モードを設定したり、運転時刻予約などのエレベーターの運行に関する設定を行う場合の実施例を示す。
【００４６】
図６は実施の形態２におけるエレベーター監視データ蓄積手段６の詳細を示す機能構成図である。図において、７１はエレベーター監視装置８から出力された制御データの送信要求を受け付ける制御データ送信要求受付手段であり、７２は、エレベーター監視装置８から制御データの送信を要求された場合に、予め許可されたユーザーの制御データだけを出力するため、例えばパスワードやユーザーＩＤなどによりユーザーを認識照合するユーザー認証手段である。そして、７３は制御データをデータ変換手段に出力する制御データ送信手段である。
【００４７】
図７は実施の形態２による制御データ送信処理の動作フロー説明図である。
図において、エレベーター監視装置８が制御データを出力するために、監視データ蓄積手段６に制御データを出力すると、まずステップＳ７０１で、制御データ送信要求受付手段７１が送信要求を受け付ける。次にステップＳ７０２で、監視データを要求してきたユーザーが予め許可されたユーザーかどうかをユーザー認証手段７２により判別する。そして、許可されたユーザーであればステップＳ７０３へ進み、許可されたユーザーでなければステップＳ７０４へ進む。
【００４８】
次に、ステップＳ７０３では、制御データ送信手段７３がデータ変換手段５へ制御データを送信する。そして、データ変換手段５は送られてきた制御データをそれぞれのエレベーター群管理制御装置１あるいはエレベーター各台制御装置２へ出力する。また、ステップＳ７０４では、制御データの出力を要求してきたユーザーに対してデータ出力要求拒否を応答する。
【００４９】
このように、エレベーター監視装置から制御データの出力を要求された場合に、ユーザーを認識照合して認証されたユーザーからの出力要求に対して制御データを出力するため、同一の監視装置を使用して複数のユーザーがそれぞれ必要な制御情報を出力することができる。
【００５０】
【発明の効果】
この発明は以上説明したように構成されているので、以下に示すような効果がある。
【００５１】
この発明に係るエレベーター統合監視システムは、複数のエレベーターを一群として運行管理するエレベーター群管理システムを、エレベーター監視装置で監視制御するエレベーター監視システムにおいて、複数のエレベーター群管理システムを接続して制御情報を伝送するネットワークと、ネットワークに接続して複数のエレベーター群管理システムの制御情報を受信するとともに、制御情報に含まれる複数のエレベーター群管理システムの運転パターンや運行モード、またはかごの走行状態などのいずれかを、エレベーター監視装置へ送信するエレベーター監視データ制御装置とを備えたことにより、機種の異なるエレベーター制御装置が混在する複数のエレベーター群管理システムを監視制御することができるエレベーター統合監視システムを提供できる。
【００５２】
また、エレベーター監視データ制御装置は、複数のエレベーター群管理システムの制御情報を受信するとともに、予め定められた監視データのデータ形式に変換するデータ変換手段と、データ変換手段が変換した監視データを記憶するとともに、記憶した監視データをエレベーター監視装置へ送信するエレベーター監視データ蓄積手段とを備えたことにより、機種の異なるエレベーター制御装置が混在する複数のエレベーター群管理システムの運転情報、または、かごの走行状態や動作状態などを監視制御できるエレベーター統合監視システムを提供できる。
【００５３】
また、エレベーター監視データ蓄積手段は、エレベーター監視装置からの監視データ送信要求を受け付ける監視データ送信要求受付手段と、監視データ送信要求受付手段が受け付けた要求に基づいて、記憶した監視データから要求された監視データを収集する監視データ収集手段と、監視データ収集手段が収集した監視データを、要求したエレベーター監視装置に送信する監視データ送信手段とを備えたことにより、機種が異なる制御装置から受信した制御情報のデータ形式が異なっても、エレベーター監視装置は自身が容易に理解できるデータ形式で、必要な監視情報を得ることができるエレベーター統合監視システムを提供できる。
【００５４】
また、エレベーター監視データ蓄積手段は、エレベーター監視装置から監視データの送信を要求された場合に、監視データの送信を要求しているユーザーが、監視データの閲覧を認証されているかどうかを判断するユーザー認証手段を備えたことにより、同一の監視装置を使用して複数のユーザーがそれぞれ必要な監視情報を得ることができるエレベーター統合監視システムを提供できる。
【００５５】
また、エレベーター監視データ蓄積手段は、エレベーター監視装置からの制御データ送信要求を受け付ける制御データ送信要求受付手段と、制御データ送信要求受付手段が受け付けた要求に基づいて、制御データを指定されたエレベーター群管理システムに送信する制御データ送信手段とを備えたことにより、同一の監視装置を使用して複数のエレベーター群管理システムに制御情報を出力することができるエレベーター統合監視システムを提供できる。
【００５６】
また、エレベーター監視データ蓄積手段は、エレベーター監視装置から制御データの送信を要求された場合に、制御データの送信を要求しているユーザーが、制御データの送信を認証されているかどうかを判断するユーザー認証手段を備えたことにより、同一の監視装置を使用して複数のユーザーが制御情報を出力することができるエレベーター統合監視システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 実施の形態１におけるエレベーター統合監視システムを示すシステム構成図。
【図２】 実施の形態１におけるデータ変換手段の詳細を示す機能構成図。
【図３】 実施の形態１におけるエレベーター監視データ蓄積手段の詳細を示す機能構成図。
【図４】 実施の形態１によるデータ変換手段の動作フロー説明図。
【図５】 実施の形態１による監視データ送信処理の動作フロー説明図。
【図６】 実施の形態２におけるエレベーター監視データ蓄積手段の詳細を示す機能構成図。
【図７】 実施の形態２による制御データ送信処理の動作フロー説明図。
【図８】 従来のエレベーター監視装置の全体システム構成ブロック図。
【符号の説明】
１ エレベーター群管理制御装置、２ エレベーター各台制御装置、３ エレベーター制御システムネットワーク、５ データ変換手段、６ エレベーター監視データ蓄積手段、７ エレベーター監視システムネットワーク、８ エレベータ監視装置、９ ビルシステムネットワーク、１１ エレベーター監視データ制御装置、２１ インフォメーション機器、２２ エレベーター監視カメラ装置、３１ エレベーター群管理システム、５１ 制御データ通信手段、５２ １次データ変換手段、５４ ２次データ変換手段、５６ 監視データ通信手段、５７ 電源立上検出手段、５８ 変換テーブルダウンロード手段、６１ 監視データ受信手段、６２ 監視データ記憶手段、６３ ユーザー認証手段、６４ 監視データ送信要求受付手段、６５ 監視データ収集手段、６６ 監視データ送信手段、６７ ダウンロード要求受付手段、６９ 変換テーブル送信手段、７１ 制御データ送信要求受付手段、７２ ユーザー認証手段、７３ 制御データ送信手段。
【発明の属する技術分野】
この発明は複数のエレベーター群管理システムを監視するエレベーター統合監視システムに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来の技術として、エレベーターの制御装置と監視装置をネットワーク接続してエレベーターの運行状況を監視するエレベーター監視システムが提案されている。
【０００３】
例えば特開平１１−８８３５９号公報では、ビルネットワークとエレベーターネットワークとの間に情報接続器を接続したエレベーターの制御装置が掲載されている。図８に示すように、群管理制御装置５０１と複数のエレベーター制御装置５０６から構成されており、監視装置５０５は群管理制御装置５０１とネットワークＬ３を介して接続されている。
【０００４】
また、特開平１１−１００１７９号公報では、エレベーター監視制御用のエレベーターネットワークとＯＡネットワークとをルーターを介して接続し、利用者のパソコンとエレベーター監視制御システム間で情報を伝達するエレベーターの制御装置が掲載されている。
【０００５】
このような従来のエレベーター監視システムでは、エレベーター制御装置の機種毎にデータ形式やデーター伝送方式が異なっているため、監視しようとするエレベーター群管理システムに対応する機種毎に専用の監視装置を設置する必要があり、異なる機種の複数のエレベーター群管理システムを監視するためには、それぞれのエレベーター群管理システムの機種に対応した監視装置が必要だった。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来のエレベーター監視装置においては、機種の異なるエレベーター制御装置が混在する複数のエレベーター群管理システムが混在するビルでは、同一の監視装置ですべてのエレベーター群管理システムを監視制御できないという問題があった。
【０００７】
この発明は上記問題点を解消するためになされたもので、機種の異なるエレベーター制御装置が混在する複数のエレベーター群管理システムを同一の監視装置ですべてのエレベーター群管理システムを監視制御するエレベーター統合監視システムを提供することを目的とする。
【０００８】
この発明に係るエレベーターの統合監視システムは、
機種ごとにデータ形式やデータ伝送方式の異なる複数のエレベーターを一群として運行管理するエレベーター群管理システムを、エレベーター監視装置で監視制御するエレベーター監視システムにおいて、
エレベーター群管理システムを複数接続して制御情報を伝送するネットワークと、
ネットワークに接続して複数のエレベーター群管理システムの制御情報を受信するとともに、制御情報に含まれる複数のエレベーター群管理システムの運転パターンや運行モード、またはかごの走行状態のいずれかを、エレベーター監視装置へ伝送するエレベーター監視データ制御装置を備え、
エレベーター監視データ制御装置は、複数のエレベーター群管理システムの制御情報を受信するとともに、予め定められた監視データのデータ形式に変換するデータ変換手段と、
データ変換手段が変換した監視データを記憶するとともに、記憶した監視データをエレベーター監視装置に送信するエレベーター監視データ蓄積手段とを備えたものである。
【０００９】
また、データ変換手段は、エレベーターの運転状態を表す中間データを作成する１次データ変換手段と、
エレベーター監視装置の機種ごとに異なる監視データの種類にあわせて選択抽出しエレベーター監視装置が表示できる形式に変換する２次データ変換手段を備えたものである。
【００１０】
また、エレベーター監視データ蓄積手段は、エレベーター監視装置からの監視データ送信要求を受け付ける監視データ送信要求受付手段と、監視データ送信要求受付手段が受け付けた要求に基づいて、記憶した監視データから要求された監視データを収集する監視データ収集手段と、監視データ収集手段が収集した監視データを、要求したエレベーター監視装置に送信する監視データ送信手段とを備えたものである。
【００１１】
また、エレベーター監視データ蓄積手段は、エレベーター監視装置から監視データの送信を要求された場合に、監視データの送信を要求しているユーザーが、監視データの閲覧を認証されているかどうかを判断するユーザー認証手段を備えたものである。
【００１２】
また、エレベーター監視データ蓄積手段は、エレベーター監視装置からの制御データ送信要求を受け付ける制御データ送信要求受付手段と、制御データ送信要求受付手段が受け付けた要求に基づいて、制御データを指定されたエレベーター群管理システムに送信する制御データ送信手段とを備えたものである。
【００１３】
また、エレベーター監視データ蓄積手段は、エレベーター監視装置から制御データの送信を要求された場合に、制御データの送信を要求しているユーザーが、制御データの送信を認証されているかどうかを判断するユーザー認証手段を備えたものである。
【００１４】
【発明の実施の形態】
実施の形態１．
図１は実施の形態１におけるエレベーター統合監視システムを示すシステム構成図である。
図において、１ａ、１ｂは、エレベーターに呼びを割当てて群管理制御するエレベーター群管理制御装置であり、２ａ、２ｂ１、２ｂ２は、エレベーター群管理制御装置１ａ、１ｂの割当てに従って、エレベーターのかご（図示せず）を運転制御するエレベーター各台制御装置である。３ａ、３ｂは、エレベーター群管理制御装置１ａ、１ｂおよび各台制御装置２ａ、２ｂ１、２ｂ２を接続して、相互に制御データを伝送する第１の伝送路（以降はエレベーター制御システムネットワークと称する）である。
【００１５】
また、５ａ、５ｂは、エレベーター制御システムネットワーク３に接続されて、エレベーターの群管理制御装置１や各台制御装置２からエレベーターの制御情報を受信し、エレベーター群管理システムの運転パターンや運行モード、またはかごの走行状態などの監視データのデータ形式に変換するデータ変換手段、ここで、エレベーターの制御情報とは、例えば、エレベーターのサービス階床カット、アップピーク運転あるいはダウンピーク運転などの運転パターンや、省エネ運転あるいはＶＩＰ運転というような運行モードなどを表わす情報である。
【００１６】
さらに、６ａ、６ｃは、データ変換手段５でデータ形式を変換した、エレベーター群管理システムの運転パターンや運行モード、またはかごの走行状態などの監視データを記憶しておくエレベーター監視データ蓄積手段であり、７は、データ変換手段５とエレベーター監視データ蓄積手段６とを相互に接続する第２の伝送路（以降はエレベーター監視システムネットワークと称する）である。
【００１７】
さらにまた、８ａ、８ｂは、エレベーター群管理システムの運転パターンや運行モード、またはかごの走行状態を監視するエレベーター監視装置であり、例えば、汎用パソコンなどを使用しても良い。また、９はエレベーター監視データ蓄積手段６とエレベーター監視装置８とを相互に接続する第３の伝送路（以降はビルシステムネットワークと称する）である。ここで、エレベーター制御システムネットワーク３ａ、３ｂ、エレベーター監視システムネットワーク７、および、ビルシステムネットワーク９は、それぞれ物理的に切り離して独立したネットワークとして構成する。また、ビルシステムネットワーク９は一般のオフィス等で使用されている所謂ＯＡネットワークを共用しても良い。ここで、１１は、データ変換手段５ａ、５ｂとエレベーター監視データ蓄積手段６ａとで構成したエレベーター監視データ制御装置である。
【００１８】
図１ではエレベーター監視装置として＃１号機８ａと＃２号機８ｂをビルシステムネットワーク９に接続して、２台のエレベーター監視装置８ａ、８ｂによりエレベーターを監視するように構成している。ここで、データ変換手段５は、エレベーター制御システムネットワーク３と、エレベーター監視システムネットワーク７の両方に接続し、双方の伝送路を中継して接続するように構成する。さらに、エレベーター監視データ蓄積手段６は、エレベーター監視システムネットワーク７と、ビルシステムネットワーク９の両方に接続し、双方の伝送路を中継して接続するように構成する。
【００１９】
また、２１は、エレベーター監視システムネットワーク７に接続して、利用者にエレベーターの運行状況などを報知するインフォメーション機器であり、２２は、同じくエレベーター監視システムネットワーク７に接続して、エレベーター乗場などを監視するための映像を撮影するエレベーター監視カメラ装置である。
【００２０】
ところで、３１ａ、３１ｂは、複数のエレベーターを一群として管理するエレベーター群管理システムを表わし、たとえばビルの建築棟毎にエレベーター群管理システムを構成する。図１では例えば、Ａ群はビルのオフィス棟のエレベーター群管理システム３１ａ、Ｂ群はホテル棟のエレベーター群管理システム３１ｂ、Ｃ群は管理棟のエレベーター群管理システム３１ｃを示す。
【００２１】
そして、エレベーター制御システムネットワーク３はこのエレベーター群管理システム毎に設置する。すなわち、オフィス棟のエレベーター群管理システム３１ａではエレベーター制御システムネットワーク３ａを設置して、エレベーター群管理制御装置１ａとエレベーター各台制御装置２ａおよびデータ変換手段５ａとを接続している。また、ホテル棟のエレベーター群管理システム３１ｂではエレベーター制御システムネットワーク３ｂを設置して、エレベーター群管理制御装置１ｂとエレベーター各台制御装置２ｂ１、２ｂ２およびデータ変換手段５ｂとを接続している。
【００２２】
さらに、図１では、オフィス棟のデータ変換手段５ａとホテル棟のデータ変換手段５ｂ、およびエレベーター監視データ蓄積手段６ａとを同一のエレベーター監視システムネットワーク７に接続している。また、インフォメーション機器２１とエレベーター監視カメラ装置２２とを同じエレベーター監視システムネットワーク７に接続している。
【００２３】
以上のように構成することで、エレベーター群管理システムの運転パターンや運行モード、またはかごの走行状態などの監視データをエレベーター監視データ蓄積手段６に蓄積して、複数のエレベーター監視装置８で共有して監視することができる。つまり、エレベーター監視データ蓄積手段６は、エレベーター監視装置８のデータサーバーとして機能する。また、エレベーター監視データ蓄積手段６として、汎用パソコンあるいはワークステーションを用いても良い。
【００２４】
次に、データ変換手段の機能構成を説明する。
図２は実施の形態１におけるデータ変換手段の詳細を示す機能構成図である。図において、５０１は、エレベーター群管理システムの運転パターンや運行モード、またはかごの走行状態などを表わす中間データ５０を記憶する中間データ記憶部であり、中間データ５０はデータ変換手段がエレベーター群管理制御装置１や各台制御装置２と通信して取得した、制御装置の機種毎に異なる形式のエレベーターの運転状態データを、エレベーターの号機毎の運転状態を表現する予め定められた形式に変換したデータである。
【００２５】
また、データ変換手段５は制御装置の機種により表現形式の異なるエレベーターの状態データが存在する場合には、それらの状態データをエレベーター監視システム内で統一した中間データに変換する。例えば、かごの上昇走行指令を表現するデータが、制御装置Ａでは「１１」であるが制御装置Ｂでは「２１」である場合に、中間データでは「０１」をかごの上昇走行を表わすデータとする。さらに、例えば、制御データの戸開指令および戸閉指令は戸動作中という運転状態を表わす中間データに変換する。
【００２６】
ここで、５１は、エレベーター群管理制御装置１や各台制御装置２が接続されたエレベーター制御システムネットワーク３を介して、適切なプロトコルに従ってエレベーター群管理制御装置１や各台制御装置２と制御情報を通信する制御データ通信手段であり、５２は、制御データ通信手段５１がエレベーター群管理制御装置１や各台制御装置２と通信して取得した制御情報を、各エレベーターの群管理システム毎に予め定められた変換ルールに従って、エレベーターの運転状態を表わす中間データ５０に変換する１次データ変換手段である。
【００２７】
また、５０３は、１次データ変換手段５２が状態データをエレベーターの運転状態を表わす中間データ５０に変換する場合に参照する、変換ルールを記録した１次データ変換テーブル記憶部である。１次データ変換テーブル記憶部５０３は、エレベーター群管理制御装置１とエレベーター各台制御装置２の機種毎に異なる変換ルールを予め定められた領域に記憶してある。
【００２８】
また、５４は、中間データ５０を入力して予め定められた変換ルールに従って予め定められたデータを選択し、エレベーター監視装置８へ表示する監視データ形式に変換する、２次データ変換手段であり、５０５は、２次データ変換手段５４が中間データ５０を、エレベーター監視装置８へ表示する監視データ形式に変換する場合に参照する、変換ルール（以下第２の変換ルールと称する）を記録した２次データ変換テーブル記憶部である。２次データ変換テーブル記憶部５０５には、エレベーター監視装置８の機種毎に異なる変換ルールを予め定められた領域に記憶してある。
【００２９】
さらに、５６は、エレベーター監視装置８が接続されたエレベーター監視システムネットワーク７を介して、適切なプロトコルに従ってエレベーター監視データ蓄積手段６へ監視データを送信する監視データ通信手段である。
【００３０】
次に、５７は、データ変換手段５の電源の立ち上がりを検出する電源立上検出手段であり、５８は、電源立上検出手段５７が電源の立ち上がりを検出した場合に、エレベーター監視データ蓄積手段６に予め記憶しておいた変換テーブル記憶部６０２の中から、対象となる制御装置と監視装置の機種毎に変換ルールが記述されている予め定められた変換テーブルを、１次データ変換テーブル５０３および２次データ変換テーブル５０５の予め定められた領域にダウンロードする、変換テーブルダウンロード手段である。
【００３１】
また、５０２は、変換テーブルダウンロード手段５８が変換テーブルをダウンロードする場合に、変換対象となるエレベーター群管理制御装置１、エレベーター各台制御装置２およびエレベーター監視装置８の機種を判別するための情報を記憶した機種情報テーブル記憶部である。
【００３２】
次に、エレベーター監視データ蓄積手段６の機能構成を説明する。
図３は実施の形態１におけるエレベーター監視データ蓄積手段の詳細を示す機能構成図である。
図において、６０１は監視データを記憶する監視データ記憶部であり、エレベーター監視装置８の機種毎にデータ形式が異なる監視データを予め定められた領域に記憶しておくものである。ここで、６１はデータ変換手段５から送られるエレベーターの監視データを受信する監視データ受信手段であり、６２は監視データ受信手段６１が受信した監視データを監視データ記憶部６０１の予め定められた領域に記録する監視データ記憶手段である。
【００３３】
次に、６３は、エレベーター監視装置８から監視データを要求された場合に、予め許可されたユーザーだけに記憶した監視データを送信するため、例えばパスワードやユーザーＩＤなどによりユーザーを認識照合するユーザー認証手段である。また、６４はエレベーター監視装置８から送られる監視データ送信要求を受け付ける監視データ送信要求受付手段であり、６５は、監視データ送信要求受付手段６４が受け付けた監視データ送信要求に従って、監視データ記憶部６０１に記録された監視データを収集する監視データ収集手段である。さらに、６６は監視データ収集手段６５が収集した監視データを要求したエレベーター監視装置８へ送信する監視データ送信手段である。
【００３４】
次に、６７はデータ変換手段５から送られる変換テーブルのダウンロード要求を受け付けるダウンロード要求受付手段である。また、６０２は、上述のようにデータ変換手段５で使用される第１および第２の変換ルールを記録した変換テーブルを制御装置および監視装置の使用される機種毎に記憶しておく、第１および第２の変換テーブル記憶部である。さらに、６９は、ダウンロード要求受付手段６７が受け付けた変換テーブルのダウンロード要求に従って要求された機種の変換ルールを記録した変換テーブルをデータ変換手段５へ送信する、変換テーブル送信手段である。
【００３５】
次に動作について述べる。
図４は実施の形態１によるデータ変換手段の動作フロー説明図である。
図において、データ変換手段５に電源が供給されるとステップＳ５００で電源の立上げを検出する。次に電源の立上がりが検出されると、ステップＳ５０１で、変換テーブルダウンロード手段５８が、機種情報テーブル５０２に登録された、エレベーター群管理制御装置１とエレベーター各台制御装置２、およびエレベーター監視装置８の機種情報を読み出して、データ変換に必要な第１および第２の変換ルールを記録した変換テーブルを選択する。
【００３６】
次に、ステップＳ５０２では、変換テーブルダウンロード手段５８が、ステップＳ５０１で選択した第１および第２の変換ルールを記録した変換テーブルを、エレベーター監視データ蓄積手段６の変換テーブル記憶部６０２から、１次データ変換テーブル記憶部５０３と２次データ変換テーブル記憶部５０５に順次ダウンロードする。変換に必要な全ての変換テーブルのダウンロードが完了すると次のステップＳ５０３へ進む。
【００３７】
ここで、ステップＳ５０３では、状態データ通信手段５１が、エレベーター群管理制御装置１および各台制御装置２から、かご位置や走行方向などのエレベーター運転状態データを、エレベーター制御システムネットワーク３を介して予め定められたプロトコルに従って受信し、そのエレベーター運転状態データ送信元の制御装置種別とともに１次データ変換手段５２に送出する。
【００３８】
次に、ステップＳ５０４では、１次データ変換手段５２が、状態データ通信手段５１から入力された制御装置機種を判別し、１次データ変換テーブル記憶部５０３に記憶された第１の変換ルールに従い、エレベーター運転状態データをエレベーターの運転状態を表わす中間データ５０に変換する。そして、ステップＳ５０５で、１次データ変換手段５２が変換された中間データ５０を中間データ記憶部５０１に記憶する。
【００３９】
次に、ステップＳ５０６で、２次データ変換手段５４が、２次データ変換テーブル記憶部５０５に記憶された第２の変換ルールに従って、エレベーター監視装置８の機種毎に異なる監視データの種類に合わせて、必要な中間データ５０を選択抽出しエレベーター監視装置８が表示できる監視データ形式に変換する。
【００４０】
次に、ステップＳ５０７で、監視データー通信手段５６が、２次データ変換手段５４により変換されたエレベーター群管理システムの運転パターンや運行モード、またはかごの走行状態などの監視データをエレベーター監視装置８の機種毎のデータ形式にまとめて、エレベーター監視データ蓄積手段６へ、エレベーター監視システムネットワーク７を介して予め定められたプロトコルに従って送出する。
ここで、ステップＳ５０３からステップＳ５０７までの処理を予め定められた周期で繰り返して動作させる。
【００４１】
次に、エレベーター監視データ蓄積手段の動作を説明する。
データ変換手段５の監視データ通信手段５６が送出した、エレベーター監視装置８の機種毎の監視データを、エレベーター監視データ蓄積手段６の監視データ受信手段６１が受信し、監視データ記憶手段６２がエレベーター監視装置８の機種毎に監視データ記憶部６０１の予め定められた領域に記録する。
【００４２】
図５は実施の形態１による監視データ送信処理の動作フロー説明図である。
図において、エレベーター監視装置８が監視データを表示するために、監視データ蓄積手段６に監視データを要求すると、まずステップＳ６４１で、監視データ送信要求受付手段６４が送信要求を受け付ける。次にステップＳ６４２で、監視データを要求してきたユーザーが予め許可されたユーザーかどうかをユーザー認証手段６３により判別する。そして、許可されたユーザーであればステップＳ６４３へ進み、許可されたユーザーでなければステップＳ６４５へ進む。
【００４３】
次に、ステップＳ６４３では、監視データ収集手段６５が要求されたエレベーター監視装置８の機種毎に監視データを収集し、次のステップＳ６４４で、監視データ送信手段６６が要求した監視装置８へ監視データを送信する。そして、エレベーター監視装置８は送られてきた監視データを表示する。また、ステップＳ６４５では、監視データを要求してきたユーザーに対してデータ要求拒否を応答する。
【００４４】
このように、接続されているエレベーター群管理制御装置１、各台制御装置２およびエレベーター監視装置８の機種を判別し、それぞれの機種に応じたデータ変換を行うため、異なった機種の制御装置およびエレベーター監視装置８が接続された場合でも、エレベーター監視装置８で詳細な監視データを表示することができる。従って、機種の異なるエレベーター制御装置が混在する複数のエレベーター群管理システムの運転パターンや運行モード、またはかごの走行状態などを監視制御することができる。また、エレベーター監視装置から監視データを要求された場合に、ユーザーを認識照合して認証されたユーザーに対して監視データを出力するため、同一の監視装置を使用して、閲覧を許可されたユーザーだけが監視情報を閲覧することができる。
【００４５】
実施の形態２．
ここでは、エレベーター監視装置８にエレベーターの制御機能を設けて、例えば、ビルの交通状態に応じてアップピーク運転やダウンピーク運転などのエレベーターの運転パターンや運転モードを設定したり、運転時刻予約などのエレベーターの運行に関する設定を行う場合の実施例を示す。
【００４６】
図６は実施の形態２におけるエレベーター監視データ蓄積手段６の詳細を示す機能構成図である。図において、７１はエレベーター監視装置８から出力された制御データの送信要求を受け付ける制御データ送信要求受付手段であり、７２は、エレベーター監視装置８から制御データの送信を要求された場合に、予め許可されたユーザーの制御データだけを出力するため、例えばパスワードやユーザーＩＤなどによりユーザーを認識照合するユーザー認証手段である。そして、７３は制御データをデータ変換手段に出力する制御データ送信手段である。
【００４７】
図７は実施の形態２による制御データ送信処理の動作フロー説明図である。
図において、エレベーター監視装置８が制御データを出力するために、監視データ蓄積手段６に制御データを出力すると、まずステップＳ７０１で、制御データ送信要求受付手段７１が送信要求を受け付ける。次にステップＳ７０２で、監視データを要求してきたユーザーが予め許可されたユーザーかどうかをユーザー認証手段７２により判別する。そして、許可されたユーザーであればステップＳ７０３へ進み、許可されたユーザーでなければステップＳ７０４へ進む。
【００４８】
次に、ステップＳ７０３では、制御データ送信手段７３がデータ変換手段５へ制御データを送信する。そして、データ変換手段５は送られてきた制御データをそれぞれのエレベーター群管理制御装置１あるいはエレベーター各台制御装置２へ出力する。また、ステップＳ７０４では、制御データの出力を要求してきたユーザーに対してデータ出力要求拒否を応答する。
【００４９】
このように、エレベーター監視装置から制御データの出力を要求された場合に、ユーザーを認識照合して認証されたユーザーからの出力要求に対して制御データを出力するため、同一の監視装置を使用して複数のユーザーがそれぞれ必要な制御情報を出力することができる。
【００５０】
【発明の効果】
この発明は以上説明したように構成されているので、以下に示すような効果がある。
【００５１】
この発明に係るエレベーター統合監視システムは、複数のエレベーターを一群として運行管理するエレベーター群管理システムを、エレベーター監視装置で監視制御するエレベーター監視システムにおいて、複数のエレベーター群管理システムを接続して制御情報を伝送するネットワークと、ネットワークに接続して複数のエレベーター群管理システムの制御情報を受信するとともに、制御情報に含まれる複数のエレベーター群管理システムの運転パターンや運行モード、またはかごの走行状態などのいずれかを、エレベーター監視装置へ送信するエレベーター監視データ制御装置とを備えたことにより、機種の異なるエレベーター制御装置が混在する複数のエレベーター群管理システムを監視制御することができるエレベーター統合監視システムを提供できる。
【００５２】
また、エレベーター監視データ制御装置は、複数のエレベーター群管理システムの制御情報を受信するとともに、予め定められた監視データのデータ形式に変換するデータ変換手段と、データ変換手段が変換した監視データを記憶するとともに、記憶した監視データをエレベーター監視装置へ送信するエレベーター監視データ蓄積手段とを備えたことにより、機種の異なるエレベーター制御装置が混在する複数のエレベーター群管理システムの運転情報、または、かごの走行状態や動作状態などを監視制御できるエレベーター統合監視システムを提供できる。
【００５３】
また、エレベーター監視データ蓄積手段は、エレベーター監視装置からの監視データ送信要求を受け付ける監視データ送信要求受付手段と、監視データ送信要求受付手段が受け付けた要求に基づいて、記憶した監視データから要求された監視データを収集する監視データ収集手段と、監視データ収集手段が収集した監視データを、要求したエレベーター監視装置に送信する監視データ送信手段とを備えたことにより、機種が異なる制御装置から受信した制御情報のデータ形式が異なっても、エレベーター監視装置は自身が容易に理解できるデータ形式で、必要な監視情報を得ることができるエレベーター統合監視システムを提供できる。
【００５４】
また、エレベーター監視データ蓄積手段は、エレベーター監視装置から監視データの送信を要求された場合に、監視データの送信を要求しているユーザーが、監視データの閲覧を認証されているかどうかを判断するユーザー認証手段を備えたことにより、同一の監視装置を使用して複数のユーザーがそれぞれ必要な監視情報を得ることができるエレベーター統合監視システムを提供できる。
【００５５】
また、エレベーター監視データ蓄積手段は、エレベーター監視装置からの制御データ送信要求を受け付ける制御データ送信要求受付手段と、制御データ送信要求受付手段が受け付けた要求に基づいて、制御データを指定されたエレベーター群管理システムに送信する制御データ送信手段とを備えたことにより、同一の監視装置を使用して複数のエレベーター群管理システムに制御情報を出力することができるエレベーター統合監視システムを提供できる。
【００５６】
また、エレベーター監視データ蓄積手段は、エレベーター監視装置から制御データの送信を要求された場合に、制御データの送信を要求しているユーザーが、制御データの送信を認証されているかどうかを判断するユーザー認証手段を備えたことにより、同一の監視装置を使用して複数のユーザーが制御情報を出力することができるエレベーター統合監視システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 実施の形態１におけるエレベーター統合監視システムを示すシステム構成図。
【図２】 実施の形態１におけるデータ変換手段の詳細を示す機能構成図。
【図３】 実施の形態１におけるエレベーター監視データ蓄積手段の詳細を示す機能構成図。
【図４】 実施の形態１によるデータ変換手段の動作フロー説明図。
【図５】 実施の形態１による監視データ送信処理の動作フロー説明図。
【図６】 実施の形態２におけるエレベーター監視データ蓄積手段の詳細を示す機能構成図。
【図７】 実施の形態２による制御データ送信処理の動作フロー説明図。
【図８】 従来のエレベーター監視装置の全体システム構成ブロック図。
【符号の説明】
１ エレベーター群管理制御装置、２ エレベーター各台制御装置、３ エレベーター制御システムネットワーク、５ データ変換手段、６ エレベーター監視データ蓄積手段、７ エレベーター監視システムネットワーク、８ エレベータ監視装置、９ ビルシステムネットワーク、１１ エレベーター監視データ制御装置、２１ インフォメーション機器、２２ エレベーター監視カメラ装置、３１ エレベーター群管理システム、５１ 制御データ通信手段、５２ １次データ変換手段、５４ ２次データ変換手段、５６ 監視データ通信手段、５７ 電源立上検出手段、５８ 変換テーブルダウンロード手段、６１ 監視データ受信手段、６２ 監視データ記憶手段、６３ ユーザー認証手段、６４ 監視データ送信要求受付手段、６５ 監視データ収集手段、６６ 監視データ送信手段、６７ ダウンロード要求受付手段、６９ 変換テーブル送信手段、７１ 制御データ送信要求受付手段、７２ ユーザー認証手段、７３ 制御データ送信手段。
Claims (6)
- 機種ごとにデータ形式やデータ伝送方式の異なる複数のエレベーターを一群として運行管理するエレベーター群管理システムを、エレベーター監視装置で監視制御するエレベーター監視システムにおいて、
前記エレベーター群管理システムを複数接続して制御情報を伝送するネットワークと、
前記ネットワークに接続して前記複数のエレベーター群管理システムの制御情報を受信するとともに、前記制御情報に含まれる前記複数のエレベーター群管理システムの運転パターンや運行モード、またはかごの走行状態のいずれかを、エレベーター監視装置へ伝送するエレベーター監視データ制御装置を備え、
前記エレベーター監視データ制御装置は、前記複数のエレベーター群管理システムの制御情報を受信するとともに、予め定められた監視データのデータ形式に変換するデータ変換手段と、
前記データ変換手段が変換した監視データを記憶するとともに、記憶した監視データを前記エレベーター監視装置に送信するエレベーター監視データ蓄積手段とを備えたことを特徴とするエレベーター統合監視システム。 - 前記データ変換手段は、エレベーターの運転状態を表す中間データを作成する１次データ変換手段と、
前記エレベーター監視装置の機種ごとに異なる監視データの種類にあわせて選択抽出し前記エレベーター監視装置が表示できる形式に変換する２次データ変換手段を備えたことを特徴とする請求項１記載のエレベーター統合監視システム。 - 前記エレベーター監視データ蓄積手段は、前記エレベーター監視装置からの監視データ送信要求を受け付ける監視データ送信要求受付手段と、
前記監視データ要求受付手段が受け付けた要求に基づいて、記憶した監視データから要求された監視データを収集する監視データ収集手段と、
前記監視データ収集手段が収集した監視データを、要求した前記エレベーター監視装置に送信する監視データ送信手段とを備えたことを特徴とする請求項１または請求項２いずれかに記載のエレベーター統合監視システム。 - 前記エレベーター監視データ蓄積手段は、前記エレベーター監視装置から監視データの送信を要求された場合に、前記監視データの送信を要求しているユーザが、前記監視データの閲覧を認証されているかどうかを判断するユーザ認証手段を備えたことを特徴とする請求項３に記載のエレベーター統合監視システム。
- 前記エレベーター監視データ蓄積手段は、前記エレベーター監視装置からの制御データ送信要求を受け付ける制御データ送信要求受付手段と、
前記制御データ送信要求受付手段が受け付けた要求に基づいて、制御データを指定された前記エレベーター群管理システムに送信する制御データ送信手段とを備えたことを特徴とする請求項１または請求項２いずれかに記載のエレベーター統合監視システム。 - 前記エレベーター監視データ蓄積手段は、前記エレベーター監視装置からの制御データの送信を要求された場合に、前記制御データの送信を要求しているユーザが、前記制御データの送信を認証エレベーター統合監視システされているかどうかを判断するユーザ認証手段を備えたことを特徴とする請求項５に記載のエレベーター統合監視システム。
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