JP4825835B2 - 信号伝送構造 - Google Patents

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Description

本発明は、低温で動作する信号伝送デバイスを保持する低温環境と、室温環境との間を接続する信号伝送構造に関する。
近年、移動通信システムにおける高効率な電波の共同利用に向けた技術の開発が進められている。そのような技術開発の一貫として、超伝導送信フィルタや超伝導アンテナ回路など、低温で動作する高周波電力デバイスや回路の開発が行われている。超伝導材料としては、YBCO(Y-Ba-Cu-O系)、BSCCO(Bi-Sr-Ca-Cu-O)、BPSCCO(Bi-Pb-Sr-Ca-Cu-O)、BCCO(Ba-Ca-Cu-O)等、臨界温度(Tc)の比較的高い酸化物超伝導体の使用が有望視されている。YBCOのY元素を適当な希土類元素で置換することで、90K前後の臨界温度(Tc)が得られ、またビスマス系酸化物BSCCOは、臨界温度を100Kまで引き上げることができる。
このような酸化物超伝導材料で高周波電力を扱う超伝導高周波デバイスや超伝導高周波回路を動作させるためには、動作環境を数十K程度にまで冷却するシステムが必要である。また、冷却された超伝導高周波デバイス/回路と、室温環境との間で電力信号を伝送(入出力)させる信号伝送構成が必要である。
無線受信用など信号電力が小さい場合は、室温と低温(冷却環境)を結ぶケーブルとして、同軸ケーブルや平面回路型伝送線路が用いられる。そのような場合でも、より小型の冷凍機に超伝導デバイスや回路を搭載するために、低熱伝導と低損失を維持する必要がある。
ところが、同軸ケーブルで伝送損失を小さくするためには、電気良導体で信号線を構成し、ケーブル長を短く、ケーブル径を大きくする必要がある。これは、ケーブルの室温−低温間の熱伝導を増大させることになり、熱負荷を小さくすることと相反する。さらに、信号電力が増大するほど、ケーブルのジュール熱が増大し、熱負荷が増えるという課題もある。このため、室温−低温間を結ぶケーブルには、できるだけ高い断熱性(低い熱伝導性)と、できるだけ低い通過損失を兼ね備えることが望ましい。
上記課題を解決するために、同軸ケーブルを介した外部からの熱流入を抑制するために、被冷却デバイスの入力側と出力側の少なくとも一方に、マイクロストリップ型の熱遮断信号伝送ユニットを挿入する構成が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
また、高速ディジタル信号の伝送のために、光ファイバで室温−低温間を結ぶ方法も提案されている(たとえば、特許文献2参照)。
さらに、マイクロ波、ミリ波を室温側から極低温部へ導入するために、ステンレス鋼、Cu−Ni合金などの表面にAgなどの電気良導体をメッキした導波管を使用することが提案されている(たとえば、特許文献3参照)。
国際公開公報WO01/57886A1 特開2004−140532 特開2005−51331
しかし、提案されている従来方法では、数十ワット(W)の大電力を要する高周波デバイスや高周波回路、たとえば無線基地局の送信側の超伝導フィルタデバイスやアンテナ回路基板などに対して、室温環境から信号を入出力する場合に、高い断熱効果と低い通過損失の双方を充分に達成することができない。
そこで、実施形態では、低温動作のための冷却環境と、室温の外部環境の間で信号伝送する場合のように、温度差のある環境間で高周波電力信号を伝送する系において、熱伝導性をできるだけ排除し、かつ通過損失をできるだけ低減した信号伝送構造を提供する。
上記課題を解決するために、一つの側面では、信号伝送構造は、
信号伝送デバイスを実装する実装部を有する第1の導波管と、
前記第1の導波管を冷却する冷却部と、
前記第1の導波管に非接触で接続される第2の導波管と、
前記第2の導波管内に配置され、外部の同軸ケーブルを伝搬する信号と、前記第1の導波管へ又は前記第1の導波管から伝搬する信号の伝搬モードを相互変換する同軸−導波管変換部と、
を備える。
上記構成によって、室温環境から冷却部への熱伝導による熱流入を低減することができる。また、低温環境内で同軸ケーブルを用いる場合と比較して、大電力伝送時にジュール熱の発生を大幅に低減できる。
その結果、冷凍機の熱負荷を減らすことができ、消費電力の低減、冷凍機の小型化に貢献することができる。
以下で、添付図面を参照して、良好な実施形態を説明する。図1は、実施形態における信号伝送構造10の構成例を示す概略構成図である。図1の構成例において、信号伝送構造10は、室温環境と、真空断熱容器11内の極低温環境下で動作する信号伝送デバイス又は回路(以下、単に「信号伝送デバイス」と称する)30との間で、高周波信号を伝送する。
信号伝送構造10は、信号伝送デバイス30を実装する実装部14を有する第1の導波管16と、第1の導波管16を冷却するコールドプレート(冷却板)15と、第1の導波管16に非接触で接続される第2の導波管17A、17Bと、第2の導波管17A、17Bの内部に配置される同軸−導波管変換部20を含む。
第1の導波管16は、直接又はインジウムシート(不図示)などを介して、コールドプレート15と熱的にアンカー(接触)される。第1の導波管16を、便宜上、冷却側導波管16と称してもよい。第1の導波管(冷却側導波管)16の実装部14に、信号伝送デバイス30が、直接又はインジウムシート(不図示)を介して配置され、コールドプレート15と熱的にアンカー(接触)される。信号伝送デバイス30は、たとえば高周波信号を伝搬させる超伝導高周波フィルタや、超伝導高周波アンテナ回路基板などの高周波デバイスである。第1の導波管16は、両端に開口部26A、27Bを有する。
第1の導波管(冷却側導波管)16に対して非接触で配置される第2の導波管17A、17Bを、便宜上、高温側導波管と称してもよい。第2の導波管(高温側導波管)17A、17Bはそれぞれ、開口部27A、27Bを有する。第1の導波管16との非接触での嵌合を実現するために、第2の導波管17A、17Bの開口部27A、27Bのサイズは第1の導波管16の開口部26A、26Bのサイズよりもやや大きい。
好ましい例では、第1の導波管(冷却側導波管)16と、第2の導波管(高温側導波管)17A、17Bの非接触の嵌合長Lcは、伝送信号の実効波長λの1/4(λ/4)である。第1の導波管16と第2の導波管17A、17Bを非接触で嵌合させることで、信号伝送デバイス30を保持する実装部14への熱流入を遮断することができる。
第2の導波管17A、17Bの内部に、同軸−導波管変換部20が設けられる。同軸−導波管変換部20は、真空断熱容器11の外部の同軸ケーブル23を伝搬する信号と、第1の導波管16の開口26A、26B側を伝搬する信号の伝搬モードを相互変換する。同軸ケーブル23は、たとえばハーメチック同軸コネクタ19を介して、真空断熱容器11に接続されている。
同軸−導波管変換部20は、同軸コネクタ19に連結される導体ブロック(金属ブロック)18を含む。同軸ケーブル23を伝搬してきた信号電流が、金属ブロック18に流れることによって、金属ブロック18の周りに矢印のように電磁場が発生する。これによって、同軸モード(TEMモード)で同軸ケーブル23を伝搬してきた信号は、TEモード、TMモードなどの電磁場モードに変換され、開口部26A(入力側開口部とする)から第1の導波管16に入射する。
図1の例では、金属ブロック18は、同軸コネクタ19からの伝播信号の磁界を発生する、又は導波管内の伝播信号を受信するためのものであり、伝播信号の周波数帯域の伝送特性を調整するため階段状の形状になっているが、この形状に限定されず、伝播信号の実効波長をλとすると、伝搬方向に一定の長さ(λ/4)が確保できれば、周波数帯域の特性に応じた任意の形状とすることができる。
図1の例では、低温冷却環境は、真空断熱容器11と、コールドプレート15が接続される冷凍機(不図示)とを組み合わせたクライオスタットの構造内に形成される。真空断熱容器11は、容器本体11aと、上蓋11bを有する。容器本体11aと上蓋11bは真空シール用Oリンク13で密着封止され、フランジ用ネジ12で固定されている。図示の簡略化のために、真空維持のための詳細な構成は省略されている。
図2は、図1の信号伝送構造10で用いられる第1の導波管(冷却側導波管)16の一例を示す概略図である。この例では、第1の導波管16は、信号伝送デバイス30を配置する実装部(実装空間)14の両側から下方に折れるコの字型の導波管であり、開口部26A、26Bは、実装部14に対して下方に開口する。開口部26A、26Bの外寸(l×w)は、5HGz帯に合わせて38mm×18mmとする。実装部14での信号伝搬方向に垂直な断面の外寸も、38mm×18mmとするが、これ以外のサイズ、たとえば20mm×10mmでもよい。後者の場合は、第1の導波管16は、実装部14への入出力部分がくびれた形状になる。
図2(b)に示すように、第1の導波管16は、導波管本体16aと、導波管上蓋16bを有する。高周波デバイス(信号伝送デバイス)30を実装部14に実装する場合は、導波管上蓋16bを開けて、実装部14に高周波デバイス30を固定する。その後、導波管上蓋16bを閉めて、たとえばネジ16cにより導波管本体16aをコールドプレート15にネジ止めする。
図3は、第1の導波管16の実装部14に実装される被冷却体としての信号伝送デバイス30の一例を示す図である。図3(a)は側面図、図3(b)は上面図であり、図3(c)は、図3(a)のサークルAの部分の拡大断面図である。
図3(a)及び図3(b)に示すように、信号伝送デバイス30は、たとえば無線基地局の送信側で用いられる超伝導高周波フィルタデバイスである。この高周波フィルタデバイスは、誘電体基板31と、誘電体基板31の表面に形成される共振器パターン33と、誘電体基板31の裏面に形成されるグランドベタ膜32とを有する。共振器パターン33は、たとえば、ディスク型の共振器33a、33bを2段に配置したTM11モード共振用パターンである。誘電体基板31は、0.5mm厚のMgO(100)結晶の基板、又はLaAlO3(100)結晶の基板である。
共振器パターン33とグランドベタ膜32は、YBCO(YBa2Cu3x,x=6.90〜6.99)等の酸化物超伝導膜で形成されている。YBCO膜は、誘電体基板31に対して垂直方向に強くc軸結晶配向したエピタキシャル膜を用いている。共振器パターン33、誘電体基板31、グランドベタ膜32で、マイクロストリップ線路を構成する。なお、MgO基板を用い、上記の組成のYBCO膜で共振パターン33を形成し、使用周波数が5GHzであるときは、共振器33a、33bの直径は約1.1mmである。
共振器パターン33の近傍には、共振器パターン33へ、又は共振器パターン33から電磁界的結合により信号を供給/出力する入出力フィーダ35a、35bが、YBCO等の酸化物超伝導膜で形成されている。入出力フィーダ35a、35bは、信号伝送デバイス30に対する入出力ポートとして機能する。
図3(c)に示すように、入出力フィーダ35a、35bの各々には、モノポールアンテナ34が接続されている。モノポールアンテナ34は、円板状の底部34bを有し、入出力フィーダ35aに形成された接続層36に固定されている。接続層36は、たとえば、Ag(500nm)/Pd(100nm)/Cr(50nm)の積層である。モノポールアンテナ34の底部34bは、たとえばインジウム(Ir)等の接合材38で接続層36に固定される。なお、アンテナ34は、モノポールに限定されず、パッチ、誘電体、ループ、ダイポールなど、任意の構成とすることができる。いずれの場合も、被冷却体である信号伝送デバイス30の入出力ポートに設置される。
入力ポート(たとえば入力フィーダ35a側)に位置するアンテナ34は、同軸−導波管変換部20で電磁場モードに変換されて第1の導波管16に入射した伝搬信号を受信する。そして、マイクロストリップ線路を構成する入出力フィーダ35a、35b及び共振器パターン33を流れる電流の伝搬モードに変換する。マイクロストリップ線路がTEMモードで近似される伝送線路のときは、受信信号をTEMモードに変換する。出力ポート(たとえば出力フィーダ35b側)に位置するアンテナ34は、TEMモードで近似される伝送線路(共振器パターン33及び出力フィーダ35b)を伝搬し、フィルタリングされた信号を、TEモード、TMモードなどの導波管の電磁場モードに変換して、第1の導波管16の反対側のポートに放射する。
放射された信号は、図1に示すように、第1の導波管16の開口部26Bから、非接触嵌合の第2の導波管17Bへと伝搬し、同軸−導波管変換部20で、同軸ケーブル23での伝搬用に同軸モード(TEMモード)に変換される。
図4〜図7は、伝送特性の測定、評価に用いた信号伝送構造モデルの概略図である。図4は、図1に示す実施例1に対応するモデル1であり、図2のように屈曲した第1の導波管16と、第1の導波管16に対して非接触で嵌合する第2の導波管17A、17Bを用いている。第1の導波管16と、第2の導波管17A、17Bとの非接触嵌合長Lcはλ/4である。伝送信号は、電力10W、5GHzの連続波(CW信号)とし、被冷却体である信号伝送デバイス30として、5GHz帯のバンドパスフィルタを実装部14に実装し、コールドプレート15で70Kに冷却した。実装部14を含む冷却側での伝搬長は10cmである。
また、図4(a)のC−C’断面における第1の導波管16の開口部26(26A、26Bを総称する)の外寸は、38mm×18mmである。図4(a)のD−D’断面における第2の導波管17A、17Bの開口部27(27A、27Bを総称する)の内寸は、40mm×20mmである。
図5は、実施例2に対応するモデル2の概略図である。モデル2は、コの字型に代えて直線型の第1の導波管(冷却側導波管)36を用いる。開口26A、26Bのサイズはモデル1と同様に、外寸が38mm×18mmであるが、実装部14に対して側方に開口する点でモデル1と異なる。冷却側の伝搬長は10cmである。その他の構成はモデル1と同様であり、同軸−導波管変換部20を収容する第2の導波管17A、17Bは、非接触で直線型の第1の導波管36に嵌合する。第2の導波管17A、17Bの開口サイズも、モデル1と同様に内寸が40mm×20mmである。第1の導波管36は、導波管の外側(たとえば上面側から)コールドプレート15にネジ止め(不図示)されている。
伝送信号は、電力10W、5GHzの連続波(CW)信号である。実装される被冷却体は、5GHz帯のバンドパスフィルタである。
図6は、比較例として、同軸ケーブル102で被冷却体まで信号を伝送する従来方式のモデル3を示す。被冷却体としての5GHz帯バンドパスフィルタは金属パッケージ101内に収容され、金属パッケージ101ごとコールドプレート15で冷却される。同軸ケーブル102は、真空断熱容器の内壁及び外壁に取り付けられた同軸コネクタ49C〜49Fを介して、真空断熱容器11内へ導入され、金属パッケージ101の同軸コネクタ49Aと49Bにそれぞれ接続される。
同軸ケーブル102としては、2.2mm径、真空断熱容器11内部でのケーブル長が12.5cmの銅(Cu)セミリジッドケーブルを用いる例(モデル3A)と、1.2mm径、真空断熱容器11内部でのケーブル長が10cmのCu−Ni合金セミリジッドケーブルを用いる例(モデル3B)の2通りで測定、評価した。
図7は、比較例として、直線導波管126で被冷却体まで信号を伝送する従来方式のモデル4を示す。モデル4では、被冷却体である5GHz帯のバンドパスフィルタ(不図示)を、コールドプレート15上の実装部14に実装するが、実装部14の入力ポート側、出力ポート側で断熱されていない。同軸−導波管変換部20を配置した部分以外の導波管の伝搬長は約10cmである。
図8は、上述したモデル1、2、3A、3B、4について、5GHzバンドパスフィルタを実装し、10W、5GHzのCW信号を伝送したときの、各伝送線路の熱負荷を測定、評価した結果を示す表である。熱負荷の算出において、伝送路(真空断熱容器11と外部ケーブルとの接続部からコールドプレート15までの)の熱伝導による実装部14への熱流入量(W)(ファクタA)と、10Wの電力信号入力時の伝送線路部分の自己発熱(W)(ファクタB)を計算し、ファクタAとファクタBの合計を伝送線路の熱負荷とした。評価結果を表わすシンボルは、マル印が良好、三角が許容範囲内、×印が悪い結果、二重の×印が非常に悪い結果を意味する。
ファクタA(熱伝導による熱流量)に関し、実施例1、2のモデル1、2では、冷却側の第1の導波管16、36が、室温側の第2の導波管17A、17Bに対して被接触で配置されているので、熱伝導に起因する熱流入量はほとんどない。これに対し、Cuセミリジッドケーブルを用いたモデル3Aでは、冷却温度65Kで0.6Wの熱流入がある。径の小さいCu−Ni合金セミリジッドケーブルを用いたモデル3Bでは、65Kでの熱流入量は0、03W以下に低減できる。断熱手段のない従来の直線導波管を用いたモデル4では、65Kでの熱流入は110〜130Wにも達する(評価[××])。
ファクタB(自己発熱)に関し、実施例1、2に対応するモデル1、2や、従来の直線導波管のモデル4では、0.01W未満である。これに対し、同軸ケーブルを用いた場合の自己発熱は、Cuセミリジッドケーブルを用いたモデル3Aで、0.88Wとなり、径の小さいCu−Ni合金セミリジッドケーブルを用いたモデル3Bでは、2.06Wになる。
ファクタAとファクタBを加算すると、実施例のモデル1,モデル2では、断熱効果により熱負荷が非常に小さいが、同軸ケーブルを用いた従来モデル3A、3Bでは、熱負荷が増え、直線導波管の従来モデル4では、熱負荷が非常に大きくなる。
図9は、上述したモデル1、2、3A、3B、4について、5GHzバンドパスフィルタを実装し、10W、5GHzのCW信号を伝送したときの、通過伝送損失(dB)を測定、評価した結果を示す表である。
真空断熱容器11内で導波管伝送を採用したモデル1、2、4では、伝送損失は0.1〜0.2dBと小さく、損失のほとんどは同軸−導波管変換部20で生じたものである。これに対し、Cuセミリジッドケーブルで実装部14へ信号伝送したモデル3Aでは、伝送損失が0.4dBとなり、径の小さいCu−Ni合金のセミリジッドケーブルを用いたモデル3Bでは、伝送損失が0.95〜1.15dBにもなる。
図8及び図9の結果から、伝送損失を低減するには導波管を用いるのが有効であるが、断熱手段のない従来構成の導波管では、外部からの熱流入が非常に大きくなるので、熱負荷低減の観点からは、望ましくない。一方、同軸ケーブルを真空断熱容器11内に導入すると、熱流入は比較的小さいが、ケーブルの自己発熱により伝送線路の熱負荷が増大してします。また、導波管と比較して伝送損失が大きいという問題がある。
これに対し、実施例1、2のように被接触で配置した場合、特に、非接触でλ/4の長さ分をオーバラップさせて嵌合させた場合は、断熱効果が大きく、捏伝導による熱流入を効果的に抑制できる。これにより、冷凍機の熱負荷を減らすことができ、消費電力の低減や冷凍機の小型化を実現できる。また、伝送損失も小さい。
以上、特定の構成例に基づいて実施形態を説明したが、本発明はこれらの例に限定されない。第1の導波管(冷却側導波管)の開口サイズは、伝送する信号の帯域に応じて適切に選択することができ、第2の導波管(室温側導波管)の開口サイズも、第1の導波管に非接触で嵌合する適切なサイズに設定することができる。
同軸−導波管変換部20の金属ブロックは、階段型に限定されず、電流と電磁場との間を相互変換できる任意の形状をとることができる。被冷却体である信号伝送デバイスの入出力ポートに設けられるアンテナ構成は、電磁波を送受信できる任意のタイプを用いることができる。
このような信号伝送構造により、低温動作する送信側の大電力デバイスに対しても、熱負荷や伝送損失を増大させることなく、室温環境との間で信号の入出力を行うことができる。
以上の記載に対し、以下の付記を提示する。
(付記1)
信号伝送デバイスを実装する実装部を有する第1の導波管と、
前記第1の導波管を冷却する冷却部と、
前記第1の導波管に非接触で接続される第2の導波管と、
前記第2の導波管内に配置され、外部の同軸ケーブルを伝搬する信号と、前記第1の導波管へ又は前記第1の導波管から伝搬する信号の伝搬モードを相互変換する同軸−導波管変換部と、
を備える信号伝送構造。
(付記2)
前記第1の導波管と、前記第2の導波管は、伝送信号の実効波長の1/4に相当する嵌合長で、非接触で嵌合することを特徴とする付記1に記載の信号伝送構造。
(付記3)
前記第1の導波管は、その両端に第1の開口部と第2の開口部を有し、
第1の開口部と第2の開口部のうち、前記第2の導波管側と勘合される開口部が、前記第2の導波管の一端に設けられた開口部の内側に挿入されている
ことを特徴とする付記1又は2に記載の信号伝送構造。
(付記4)
前記第1の導波管は、その両端が折れ曲がったコの字型を有する
ことを特徴とする付記1〜3のいずれかに記載の信号伝送構造。
(付記5)
前記同軸−導波管変換部は、前記同軸ケーブルを流れる電流から電磁場を発生させ、及び/又は前記第1の導波管から発生する磁界から誘導電流を生じさせる導体ブロックを含むことを特徴とする付記1〜4のいずれかに記載の信号伝送構造。
(付記6)
前記第1及び第2の導波管、前記冷却部、及び前記同軸−導波管変換部を収容する真空断熱容器、
をさらに含み、
前記同軸ケーブルは、同軸コネクタを介して前記真空断熱容器に接続され、
前記同軸−導波管変換部は、前記同軸コネクタの少なくとも一部を含むことを特徴とする付記1〜5のいずれかに記載の信号伝送構造。
(付記7)
前記信号伝送デバイスに対する入出力ポートに位置し、前記第1の導波管から又は前記第1の導波管へ伝搬する信号を送受信して、前記信号伝送デバイスから又は前記信号伝送デバイスへ信号を伝搬させるアンテナ構造、
をさらに含むことを特徴とする、付記1〜6のいずれかに記載の信号伝送構造。
(付記8)
前記信号伝送デバイスは、マイクロストリップ線路を有し、
前記アンテナ構造は、前記マイクロストリップ線路に電気的に接続される
ことを特徴とする付記7に記載の信号伝送構造。
(付記9)
前記信号伝送デバイスは、低温で動作する超伝導高周波デバイスであることを特徴とする付記1〜8のいずれかに記載の信号伝送構造。
(付記10)
前記冷却部は、前記第1の導波管と熱的に接触するコールドプレートを有し、
前記真空断熱容器の外部から、前記コールドプレートを経由して前記第1の導波管を冷却する
ことを特徴とする付記1〜9のいずれかに記載の信号伝送構造。
(付記11)
前記第1の導波管は、分離可能な上蓋を有する
ことを特徴とする付記1〜10のいずれかに記載の信号伝送構造。
一実施形態による信号伝送構造の構成例を示す概略図である。 図1の信号伝送構造で用いられる第1の導波管(冷却側導波管)の構成例を示す模式図である。 図1の信号伝送構造に被冷却体として実装される信号伝送デバイスの構成例を示す概略図である。 熱負荷及び伝送損失評価のためのモデル1(実施例1に対応)の概略図である。 熱負荷及び伝送損失評価のためのモデル2(実施例2に対応)の概略図である。 熱負荷及び伝送損失評価のためのモデル3(同軸ケーブルを用いた従来構成)の概略図である。 熱負荷及び伝送損失評価のためのモデル4(断熱手段なしの導波管を用いた従来構成)の概略図である。 図4〜図7のモデルを用いた熱負荷の測定、評価結果を示す表である。 図4〜図7のモデルを用いた伝送損失の則手、評価結果を示す表である。
符号の説明
10 信号伝送構造
11 真空断熱容器
14 実装部
15 コールドプレート(冷却部)
16 第1の導波管(冷却側導波管)
17、17A,17B 第2の導波管(高温側導波管)
18 金属ブロック(導体ブロック)
19 同軸コネクタ
20 同軸−導波管変換部
23 同軸ケーブル
26,26A、26B 第1の導波管の開口部
27,27A、27B 第2の導波管の開口部
30 信号伝送デバイス(被冷却体)
33 共振パターン
34 アンテナ(アンテナ構造)
Lc 被接触の嵌合長

Claims (8)

  1. 信号伝送デバイスを実装する実装部を有する第1の導波管と、
    前記第1の導波管を冷却する冷却部と、
    前記第1の導波管に非接触で接続される第2の導波管と、
    前記第2の導波管内に配置され、外部の同軸ケーブルを伝搬する信号と、前記第1の導波管を伝搬する信号の伝搬モードを相互変換する同軸−導波管変換部と、
    を備える信号伝送構造。
  2. 前記第1の導波管と、前記第2の導波管は、伝送信号の実効波長の1/4に相当する嵌合長で、非接触で嵌合することを特徴とする請求項1に記載の信号伝送構造。
  3. 前記第1の導波管は、その両端に第1の開口部と第2の開口部を有し、
    第1の開口部と第2の開口部のうち、前記第2の導波管側と勘合される開口部が、前記第2の導波管の一端に設けられた開口部の内側に挿入されている
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の信号伝送構造。
  4. 前記第1の導波管は、その両端が折れ曲がったコの字型を有する
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の信号伝送構造。
  5. 前記同軸−導波管変換部は、前記同軸ケーブルを流れる電流から電磁場を発生させ、及び/又は前記第1の導波管から発生する磁界から誘導電流を生じさせる導体ブロックを含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の信号伝送構造。
  6. 前記第1及び第2の導波管、前記冷却部、及び前記同軸−導波管変換部を収容する真空断熱容器、
    をさらに含み、
    前記同軸ケーブルは、同軸コネクタを介して前記真空断熱容器に接続され、
    前記同軸−導波管変換部は、前記同軸コネクタの少なくとも一部を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の信号伝送構造。
  7. 前記信号伝送デバイスに対する入出力ポートに位置し、前記第1の導波管から又は前記第1の導波管へ伝搬する信号を送受信して、前記信号伝送デバイスから又は前記信号伝送デバイスへ信号を伝搬させるアンテナ構造、
    をさらに含むことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の信号伝送構造。
  8. 前記信号伝送デバイスは、マイクロストリップ線路を有し、
    前記アンテナ構造は、前記マイクロストリップ線路に電気的に接続される
    ことを特徴とする請求項7に記載の信号伝送構造。
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