JP4825806B2 - 低顔料濃度の両性分散顔料系インクのブラック−カラー間ブリード特性の改善 - Google Patents

低顔料濃度の両性分散顔料系インクのブラック−カラー間ブリード特性の改善 Download PDF

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Description

関連出願
本願は、2004年10月28日付けの出願第10/975,705号の部分継続であり、参照することでその出願の全てを本書に取り入れることとする。
オフィス及び家庭におけるインクジェット印刷システムの利用は、近年、劇的に進展した。その進展は、インクジェットプリンタの徹底的なコスト低減と、印刷解像度及び総合的な印刷品質の相当な改善によるものと考えてよい。急激に印刷品質は改善されたとはいえ、インクジェット画像の耐久性を他の印刷及び写真技術と一線上に揃えるべく研究開発努力が続けられている。インクジェット印刷における変わらぬ要件は、コスト効果を維持しつつ、高品質、高永続性、及び高耐久性を有する画像を作り出したいという要望となっている。
特に、ボンド紙、複写機用紙、及びその他の媒体上に互いに隣り合わせて異なる色のインクを印刷する際に、ブリード(にじみ)が生じる場合がある。ブリードは、印刷中の用紙表面上及び用紙中の両方で色が混じり合う際に生ずる。
インクジェット印刷においては、インクジェット画像は、印刷ヘッドとして知られている液滴発生装置から精密なドットパターンが射出される際に印刷媒体上に形成される。典型的なインクジェット印刷ヘッドは、ノズルプレート上に配置され且つインクジェット印刷ヘッドアレイに取り付けられている、精密に形成されたノズルアレイを有する。インクジェット印刷ヘッドアレイは、1つ又は複数のインク容器と流体連通しており、液体ビヒクルに顔料及び/又は染料を溶解若しくは分散させて成る液体インクを受容し、選択的に噴出する、射出チャンバアレイを備える。慣習的に、所望の性能を達成するべく、約4〜5%の顔料濃度が用いられる。一般に、濃度が低いほど信頼度が高くなり、またインクのコストが下がるが、1つ又は複数の特性に関しては性能低下も同時に起こる。
本システム及び方法の一態様では、顔料系インクには、5wt%未満の顔料濃度を有する酸性の顔料系インク調合物が含まれ、この場合、両性分散剤によって顔料は酸性の顔料系インク調合物に分散したまま維持され、前記両性分散剤は或る等電点を有し、且つ両性分散剤は、酸性の顔料系インク調合物のpHより高い等電点を有する。
他の実施形態では、顔料系インクを形成するための方法は、カーボン顔料を両性分散させること、両性分散されたカーボン顔料を酸性pHに維持すること、並びに両性分散されたカーボン顔料をインクビヒクル中に加えてインクを形成することを包含し、この場合、両性分散されたカーボン顔料は、インクの5wt%未満を構成する。
添付の図面は、本システム及び方法の種々の実施形態を例示するものであり、本明細書の一部である。図示する実施形態は、本システム及び方法の単なる例に過ぎず、従って、その範囲を制限するものではない。
図面全体にわたって、同一の符号は、必ずしも同一ではないが、類似の要素を示す。
本明細書は、改善されたブラック−カラー間ブリード性能を示す両性の顔料分散物を開示する。ここに開示する例示的な一実施形態によれば、十分な光学濃度及び良好なブラック−カラー間ブリード性能を呈する低顔料濃度のブラックインクを生成することによって信頼性を高めつつ、インクの相対コストが低減される。本願の両性顔料分散物、その調合方法、及びその使用法の詳細については、以下にさらに詳しく提示する。
本システム及び方法の具体的な実施形態を開示、説明するにあたり、本システム及び方法は幾分変更することができ、本書に開示する特定のプロセス及び材料に限定されないことを理解されたい。また、本書で用いる用語は、具体的実施形態を記述する目的でのみ用いられるものであって、限定の意のないことを理解されたい。本システム及び方法の範囲は、添付の特許請求の範囲及びその等価物によってのみ限定される。
本明細書及び添付の特許請求の範囲において用いるとき、用語「液体ビヒクル」は、顔料をはじめとする着色剤を、基材へと運ぶのに用い得る液体組成物を包含するものと定義される。液体ビヒクルは当分野でよく知られており、本願の例示的システム及び方法の実施形態に従って広範な液体ビヒクル成分を用いることができる。そのような液体ビヒクルは、限定はしないが、界面活性剤、共溶媒、緩衝剤、殺生物剤、粘度修正剤、金属イオン封鎖剤、安定化剤、及び水をはじめとする、種々の薬剤混合物から構成することができる。液体ビヒクルはまた、それ自体は液体ではないものの、ポリマー、UV硬化材、可塑剤、塩等の他の固形物も保持し得る。
また、本書及び添付の特許請求の範囲において用いるとき、用語「両性」とは、或るpH条件下では正に荷電し、異なるpH条件下では負に荷電し得る物質を指す。
また、本書及び添付の特許請求の範囲において用いるとき、用語「等電点」は、分子が実効電荷を何ら帯びないときのpHと解する。
さらに、本書において用いるとき、「ブラック−カラー間ブリード」とは、ブラックインクをカラーインクに隣接して印刷する場合の状況を指すものとする。多くの場合、ブラックインクとカラーインクとの境界は、カラーインク領域中へと侵入したブラックインク顔料に起因して、ぎざぎざとなる。この、カラーインク領域中へのブラックインクの侵入をブラック−カラー間ブリードと呼ぶ。これは、単色のインクについていう、紙の繊維に起因して生じる「ブリード」を定義する、他の状況における用語「ブリード」の用法とは異なる。
本書では、濃度、量、及び他の数値データを範囲形式にて提示する場合がある。そのような範囲形式は、便利且つ簡潔なために用いるものであって、範囲の限界として明記した数値を含むだけでなく、各数値及び副範囲があたかも明記されているかのようにその範囲内に包含される個別の数値又は副範囲を全て包含するものと柔軟に解釈すべきことを理解されたい。例えば、約1wt%〜約20wt%という重量範囲は、1wt%〜約20wt%という明記された濃度限界を含むだけではなくて、2wt%、3wt%、4wt%のような個別濃度、及び5wt%〜15wt%、10wt%〜20wt%のような副範囲を含むものと解釈されるべきである。
以下の説明では、改善されたブラック−カラー間ブリード特性を示す両性顔料分散物を製造し、使用するための本発明のシステム及び方法の完全な理解をもたらすために、例示目的で、多数の具体例を説明する。しかしながら、本方法は、これらの具体例無しで実行し得ることは、当業者には明らかであろう。本明細書において「一実施形態」又は「実施形態」という場合、その実施形態に関連して説明する特定の特徴、構造、又は特性が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。本明細書に記載の「一実施形態において」とは、必ずしも、全て同一の実施形態を指すわけではない。
例示的な構造
図1は、例示的な一実施形態による、本願の顔料系インクジェットインク(160)をインク受容基材(170)に適用するのに用い得る例示的なシステム(100)を示している。図1に示すように、本システムは、コンピュータデバイス(110)を備えており、それは、サーボ機構(120)を介して、インクジェットディスペンサ(150)が配置された可動キャリッジ(140)に制御可能に接続されている。図示するように、多数の材料リザーバ(130,135)が、可動キャリッジ(140)、従ってインクジェット印刷ヘッド(150)に接続されている。インク受容基材(170)を選択的に位置決めするよう構成された多数のローラ(180)が、インクジェットディスペンサ(150)の近くに配置されている。以下、本願の例示的システム(100)の上述の構成要素について、さらに詳細に説明する。
図1に示すように、サーボ機構(120)に制御可能に接続されるコンピュータデバイス(110)は、インク受容基材(170)上へのインクジェットインク(160)の選択的な付着を制御する。ブラックとカラーの両要素から成る所望の画像又は文章の表示は、コンピュータデバイス(110)によってホストされるプログラムを用いて形成することができる。次いで、その表示は、プロセッサ読取り可能媒体(図示せず)に格納されるところの、サーボ命令へと変換される。コンピュータデバイス(110)によってアクセスされると、プロセッサ読取り可能媒体に格納された命令は、サーボ機構(120)並びに可動キャリッジ(140)及びインクジェットディスペンサ(150)を制御するために用いられる。図1記載のコンピュータデバイス(110)には、決して以下に限定されるものではないが、ワークステーション、パーソナルコンピュータ、ラップトップ、デジタルカメラ、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、又は他の任意のプロセッサ内臓デバイスを用い得る。
図1に示す本発明の印刷システム(100)の可動キャリッジ(140)は、インクジェットインク(160)を分配できるように構成された多数のインクジェット材料ディスペンサ(150)を含み得る可動材料ディスペンサである。可動キャリッジ(140)は、コンピュータデバイス(110)によって制御することができ、例えば、サーボ機構(120)を構成するシャフトシステム、ベルトシステム、チェーンシステム等によって、制御可能に移動させることができる。可動キャリッジ(140)が作動するとき、コンピュータデバイス(110)は、作動状態をユーザに通知すると共に、ユーザにユーザインタフェースを提供し得る。
図1はまた、インク受容基材(170)上への顔料系インクジェットインク(160)の受容を促進する、本システムの構成要素を示している。図1に示すように、多数の位置決めローラ(180)は、印刷運転時にインク受容基材(170)を搬送し及び/又は位置決めし得る。あるいはまた、当分野でよく知られているように、任意数のベルト、ローラ、基材、又はその他の搬送装置を用いて印刷運転時にインク受容基材(170)を搬送し及び/又は位置決めし得る。
さらに、画像又は文章をインク受容基材(170)上に印刷する際、コンピュータデバイス(110)は、可動キャリッジ(140)を制御可能に位置決めし且つインクディスペンサ(群)(150)の1つ又は複数に命令して、インクジェットインクをデジタル的にアドレス指定された液滴としてインク受容基材(170)上の所定の位置に選択的に分配し、それによって所望の画像又は文章を形成することができる。本印刷システム(100)で用いられるインクジェット材料ディスペンサ(150)は、以下に限定されるものではないが、熱作動型インクジェットディスペンサ、機械作動型インクジェットディスペンサ、静電気作動型インクジェットディスペンサ、磁気作動型インクジェットディスペンサ、圧電作動型インクジェットディスペンサ、連続インクジェットディスペンサ等をはじめとする、本発明の方法を実施できるように構成された任意の種類のインクジェットディスペンサー(群)であり得る。
インクジェット材料ディスペンサ(群)(150)に流体連通している材料リザーバ(130、135)は、種々のインクジェットインク(160)を格納し且つそれをインクジェット材料ディスペンサ(群)(150)に供給する。材料リザーバは、印刷に先立って顔料系インクジェットインク(160)を気密密封できるよう構成された任意の容器であり得る。例示的な一実施形態によれば、第1の材料リザーバ(130)は、酸性の両性分散されたブラック顔料インクを収容する。さらに、例示的な一実施形態によれば、第2の材料リザーバ(135)は、陰イオン性のカラーインクを収容する。図1は、第1の材料リザーバ(130)及び第2の材料リザーバ(135)の両方が同一のインクジェット材料ディスペンサ(150)にインクを供給することを示しているが、例示的な一実施形態によれば、材料リザーバ(130、135)の各々は、別々のインクジェット材料ディスペンサに個々独立してインクを供給することができる。酸性の両性分散されたブラック顔料インク及びそれと関連する陰イオン性のカラーインクの調合及び用法についての詳細を、以下に提供する。
例示的な組成物
両性分散された顔料インク
例示的な一実施形態によれば、本発明の例示的なシステム及び方法における酸性の両性分散されたブラック顔料インクは、限定はしないが、両性分散剤によって顔料が分散されている顔料系インクを含み得る。例示的な一実施形態によれば、両性顔料インクは、酸性である(分散剤上に実効正電荷を有する)。また、例示的な一実施形態によれば、両性分散された顔料インクは、ビヒクル、溶媒、塩、緩衝剤、殺生物剤、界面活性剤、及び/又はそれらの組合せを含むことができる。以下、上述の各成分について、さらに詳細に説明する。
上述のように、両性分散顔料インク調合物は、限定はしないが、両性分散剤で分散された顔料を含有する顔料系インクを含む。例示的な一実施形態によれば、両性分散顔料インク調合物の顔料には、限定はしないが、自己分散型のブラック顔料が含まれ得る。
より詳細には、自己分散型ブラック顔料のベースカーボンには、許容し得る光学濃度及び印刷特性をもたらす任意の市販カーボン顔料を用い得る。本システム及び方法における使用に適するベースカーボン顔料としては、限定はしないが、カーボンブラック、黒鉛、ガラス状カーボン、木炭、及びそれらの組合せが挙げられる。本システム及び方法の一態様では、カーボン顔料は、カーボンブラック顔料である。そのようなカーボンブラック顔料は、チャネル法、コンタクト法、ファーネス法、アセチレン法、又は熱的方法のような様々な既知の方法によって製造することができ、Cabot Corporation、Columbian Chemicals Company、Degussa AG、及びE.I.DuPont de Nemours and Companyのような発売元から市販されている。適切なカーボンブラック顔料としては、限定はしないが、MONARCH 1400、MONARCH 1300、MONARCH 1100、MONARCH 1000、MONARCH 900、MONARCH 880、MONARCH 800、MONARCH 700のようなCabot社の顔料;RAVEN 7000、RAVEN 5750、RAVEN 5250、RAVEN 5000、及びRAVEN 3500のようなColumbian社の顔料;Color Black FW200、RAVEN FW2、RAVEN FW2V、RAVEN FW1、RAVEN FW18、RAVEN S160、RAVEN FW S170、Special Black 6、Special Black 5、Special Black 4A、Special Black 4、PRINTEX U、PRINTEX 140U、PRINTEX V、及びPRINTEX 140VのようなDegussa社の顔料;及びDuPontから入手できるTIPURE R−101が挙げられる。
例示的な一実施形態によれば、自己分散型ブラック顔料インク並びに官能基を結合させる方法は、米国特許第5、707,432号、第5、630,868号、第5、571,311号、第5、554,739号、及び第6、723,783号に記載されており、参照することでその全てを本書に取り入れることとする。特に、例を示すと、当該ブラック顔料としては、限定はしないが、Cabotからの顔料:Monarch(登録商標)1400、Monarch(登録商標)1300、Monarch(登録商標)1100、Monarch(登録商標)1000、Monarch(登録商標)900、Monarch(登録商標)880、Monarch(登録商標)800、及びMonarch(登録商標)700を挙げることができる。例示的な一実施形態によれば、顔料系インクは、極めて低い濃度の顔料を含み得る。より詳細には、例示的な一実施形態によれば、本発明の顔料系インクは、顔料系インク調合物の約0.5〜5wt%の範囲の量の顔料を含み得る。より詳細には、例示的な一実施形態によれば、本発明の顔料系インクは、顕著な光学濃度の劣化を経験することなく且つカラーブリード性能を改善して、約2〜3wt%の顔料を含み得る。
例示的な一実施形態によれば、両性分散剤は、上述のブラック顔料に結合している。一般に、両性顔料は、限定はしないが、プロトン化し得る基と、イオン化し得る酸性基とを含む化合物などの化合物を含む。プロトン化可能基及びイオン化可能酸性基の適切な選択及びそれらの基の比は、所望の分散剤特性が得られるように選択することができる。例示的な一実施形態によれば、両性分散剤は、酸性の顔料系インク調合物のpHよりも高い等電点に寄与するイオン化可能酸性基を含む。本書で用いるとき、等電点は、分散剤の1つの特性であり、分散剤上のプロトン化可能基及び/又はイオン化可能酸性基の基と比によって決定される。アミノ酸は分散剤として使用し得る化合物の1つの典型的な種類である。詳細には、適切なアミノ酸としては、限定はしないが、アルギニン、並びにポリエチレンイミン(PEI)と無水コハク酸の反応物が挙げられる。また、プロトン化可能基(群)を含有する化合物と、イオン化可能酸性基(群)を含有する化合物とを適切な比率にて別個に用いることで、顔料を分散させることもできる。
例示的な一実施形態によれば、両性分散顔料は、本発明の例示的な顔料系インク調合物中に、顔料系インク調合物の約0.5〜5wt%、顔料系インク調合物の約1〜5wt%、及び顔料系インク調合物の約2〜4wt%の量にて存在し得る。
前述のように、本発明の顔料系インク調合物は、約3〜6.5のpHで酸性である。より詳細には、例示的な一実施形態によれば、本発明の顔料系インク調合物のpHは、約4〜6の酸性pHに維持される。加えて、例示的な一実施形態によれば、両性分散剤は、顔料系インクの酸性pHより高い等電点を有し、それによって、本発明の自己分散型顔料系インクは安定化される。
さらに、例示的な一実施形態によれば、顔料系インク調合物はビヒクルを含む。例示的な一実施形態によれば、当該ビヒクルは両性分散剤と相容性であり、且つ良好なインクジェット特性を与えると共に顔料系インク調合物の成分を可溶化又は分散させることで所望の機能と特性を満足させるるために、少なくとも十分量のビヒクルが用いられる。当該ビヒクルは、限定はしないが、水、有機溶媒、及びそれらの組合せから構成することができる。
より詳細には、例示的な一実施形態によれば、当該有機溶媒としては、限定はしないが、炭素数30以下の第一脂肪族アルコール、炭素数30以下の第一芳香族アルコール、炭素数30以下の第二脂肪族アルコール、炭素数30以下の第二芳香族アルコール、炭素数30以下の1,2−ジオール、炭素数30以下の1,3−ジオール、炭素数30以下の1,5−ジオール、エチレングリコールアルキルエーテル、プロピレングリコールアルキルエーテル、ポリ(エチレングリコール)アルキルエーテル、ポリ(エチレングリコール)アルキルエーテルの高次の同族体、ポリ(プロピレングリコール)アルキルエーテル、ポリ(プロピレングリコール)アルキルエーテルの高次の同族体、ラクタム、置換ホルムアミド、未置換ホルムアミド、置換アセトアミド、及び未置換アセトアミドを挙げることができる。
詳細には、当該溶媒としては、限定はしないが、エトキシル化グリセロール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−ピロリドン、1−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリジノン、2−エチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコール、3−メトキシブタノール、及び1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンを挙げることができる。当溶媒にはまた、限定はしないが、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、2,5−ジメチル−3−ヘキシン−2,5−ジオール、トリメチロールプロパン、3−ヘキシン−2,5−ジオール、スルホラン、3−ピリジルカルビノール、及びその他のピリジン誘導体も含まれ得る。加えて、当該溶媒は、本発明の顔料系インクに所望の特性を付与することができる。より詳細には、当該溶媒を添加することによって、インクジェット時の水の蒸発速度が低下し詰まりが最小限となったり、又は粘度、pH、表面張力、光学濃度、及び印刷品質のようなインクのその他の諸性質を変更し得る。
さらに、望ましくない微生物の成長を阻害するために種々の殺生物剤を本発明のブラック顔料インクに用いることができる。例示的な一実施形態によれば、このブラック顔料インクに使用される殺生物剤は、酸性条件下で当該分散物と適合するように選択される。
本発明の顔料インク調合物に含有させ得る非イオン界面活性剤としては、限定はしないが、アルキルフェノールエトキシラート、ポリオキシエチレナート(polyoxyethylenate)、直鎖アルコールエトキシラート、ポリオキシエチレン化ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレン化メルカプタン、長鎖カルボン酸エステル、天然及び脂肪酸のグリセリル及びポリグリセリルエステル、プロピレングリコール、ソルビトール及びポリオキシエチレン化ソルビトールエステル、ポリオキシエチレングリコールエステル及びポリオキシエチレン化脂肪酸、アルカノールアミン縮合物、アルカノールアミド、第三級アセチレングリコール、ポリオキシエチレン化シリコーン、N−アルキルピロリドン、及びアルキルポリグリコシドを挙げることができる。
界面活性剤、殺生物剤、緩衝剤、及びその他の添加物のような当該ビヒクルの全てのイオン成分は、選択されたpH範囲で、それらが着色剤のそれと類似の電荷を帯びるように選択される。さもないと、望ましくない相互作用に起因する不安定なインクに帰着する。
図2は、例示的な一実施形態による、両性分散されたブラック顔料インクを形成し且つ使用する方法を示している。図2に示すように、例示的な調合方法は、まず、上述の顔料を両性分散させることによって始まる(ステップ200)。上述のような両性分散剤は、官能基を顔料に結合させるための多くの既知の方法によって上述のブラック顔料に結合させることができる。
顔料を両性分散させたら(ステップ200)、顔料を酸性pHに維持する(ステップ210)。例示的な一実施形態によれば、顔料分散物は、限定はしないが、硝酸、塩酸、及び硫酸をはじめとする酸性pH調節剤を付加することで、酸性pHに維持され得る。
酸性の両性分散されたブラック顔料を形成したら、低顔料濃度のブラックインクを調合するべく多数の他の材料とそれらを組み合わせる(ステップ220)。前述のように、低顔料濃度のブラックインクは、ビヒクル、溶媒、塩、緩衝剤、殺生物剤、界面活性剤、及び/又はそれらの組合せから構成することができる。加えて、酸性の両性分散されたブラック顔料は、得られるインク中に比較的低濃度で存在し得る。例えば、例示的な一実施形態では、当該顔料は、得られるインクの約0.5〜3.5wt%の濃度にて存在し得る。
上述の材料に加えて、約1wt%未満の陽イオン樹脂もブラックインクに含有させることができる(ステップ230)。例示的な一実施形態によれば、陽イオン樹脂としては、限定はしないが、エチレンイミンポリマー、ジアリルアミンポリマー等を挙げることができる。詳細には、例示的な一実施形態によれば、顔料ブラックインクに含まれる陽イオン樹脂として、ポリエチレンイミン(PEI)を挙げることができる。
陽イオン樹脂に加えて、酸性pHを維持するために上述の酸性pH調節剤をブラックインクに付加し得る(ステップ240)。例示的な一実施形態によれば、ブラックインクのpHは、両性分散顔料が溶液内で安定に分散されたままであることを保証するために、酸性状態に維持され得る。
酸性の両性分散されたブラック顔料系インクを形成したら、次いで、そのインクを陰イオン性のカラーインクと共に印刷する(ステップ250)。陰イオン性カラーインクの例示的調合物を以下に詳細に記述する。
陰イオン性カラーインク
上述のように、第2の材料リザーバ(135)は、限定はしないが、陰イオン染料系インク及び/又は陰イオン顔料系インクを収容し得る。一般に、インクジェット印刷に供される染料系インク及び顔料系インクは、本発明の例示的システム及び方法の実施において採用することができる。カラーインクは、多数の水溶性の酸性及び直接染料を含み得る。例示目的であり限定の意はないが、この目的に適する幾つかの例示的な着色剤を以下に説明する。陰イオン性カラーインク調合物の色は、限定はしないが、ブルー、ブラック、ブラウン、シアン、グリーン、ホワイト、バイオレット、マゼンタ、レッド、オレンジ、イエロー、並びにそれらの混合とし得る。
例示的な一実施形態によれば、カラーインク調合物に含有させ得る顔料としては、限定はしないが、BASFからの顔料である、Paliogen(登録商標)Orange、Heliogen(登録商標)Blue L 6901F、Heliogen(登録商標)Blue NBD 7010、Heliogen(登録商標)Blue K 7090、Heliogen(登録商標)Blue L 7101F、Paliogen(登録商標)Blue L 6470、Heliogen(登録商標)Green K 8683、及びHeliogen(登録商標)Green L 9140;Ciba−Geigyからの顔料である、Chromophtal(登録商標)Yellow 3G、Chromophtal(登録商標)Yellow GR、Chromophtal(登録商標)Yellow 8G、Irgrazin(登録商標)Yellow 5GT、Irgralite(登録商標)Rubine 4BL、Monastral(登録商標)Magenta、Monastral(登録商標)Scarlet、Monastral(登録商標)Violet R、Monastral(登録商標)Red B、及びMonastral(登録商標)Violet Maroon B;Degussaからの顔料である、Printex U、Printex V、Printex 140U、及びPrintex 140V;DuPontからの顔料である、Tipure(登録商標)R−101;Heubachからの顔料である、Dalamar(登録商標)Yellow YT−858−D及びHeucophthal(登録商標)Blue G XBT−583D;Hoechstからの顔料である、Permanent Yellow GR、Permanent Yellow G、Permanent Yellow DHG、Permanent Yellow NCG−71、Permanent Yellow GG、Hansa Yellow RA、Hansa Brilliant Yellow 5GX−02、Hansa Yellow X、Novoperm(登録商標)Yellow HR、Novoperm(登録商標)Yellow FGL、Hansa Brilliant Yellow 10GX、Permanent Yellow G3R−01、Hostaperm.RTM、Yellow H4G、Hostaperm(登録商標)Yellow H3G、Hostaperm(登録商標)Orange GR、Hostaperm(登録商標)Scarlet GO、及びPermanent Rubine F6B;Mobayからの顔料である、Quindo(登録商標)Magenta、Indofast(登録商標)Brilliant Scarlet、Quindo(登録商標)Red R6700、Quindo(登録商標)Red R6713、及びIndofast(登録商標)Violet;Sun Chem.からの顔料である、L74−1357 Yellow、L75−1331 Yellow、及びL75−2577 Yellowが挙げられる。
同様に、第2の材料リザーバ(135、図1)に水性カラー染料を含有させる場合、その水性カラー染料としては、限定はしないが、スルホン酸塩とカルボン酸塩の染料、特に、インクジェット印刷に通常採用されるもの、を挙げることができる。具体例としては、限定はしないが、Sulforhodamine B(スルホン酸塩)、Acid Blue 113(スルホン酸塩)、Acid Blue 29(スルホン酸塩)、Acid Red 4(スルホン酸塩)、Rose Bengal(カルボン酸塩)、Acid Yellow 17(スルホン酸塩)、Acid Yellow 29(スルホン酸塩)、Acid Yellow 42(スルホン酸塩)、Acridine Yellow G(スルホン酸塩)、Nitro Blue Tetrazolium Chloride Monohydrate又はNitro BT、Rhodamine 6G、Rhodamine 123、Rhodamine B、Rhodamine B イソシアナート、Safranine O、Azure B、Azure B Eosinate、Basic Blue 47、Basic Blue 66、Thioflacin T(Basic Yellow 1)、及びAuramine 0(Basic Yellow 2) が挙げられ、それらは全てAldrich Chemical Companyから入手可能である。
さらに、第2の材料リザーバ(135、図1)に収容されるカラーインクは、ビヒクル、溶媒、塩、緩衝剤、殺生物剤、界面活性剤、及び/又はその組合せを含み得る。ここで用いるとき、陰イオン性カラーインクに含有される溶媒は、限定はしないが、水溶性有機溶媒を含み得る。水溶性有機溶媒としては、限定はしないが、脂肪族アルコール、芳香族アルコール、ジオール、グリコールエーテル、ポリ(グリコール)エーテル、ラクタム、ホルムアミド、アセトアミド、長鎖アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、ジプロピレングリコール、グリコールブチルエーテル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、アミド、エーテル、カルボン酸、エステル、オルガノスルフィド、オルガノスルホキシド、スルホン、アルコール誘導体、カルビトール、ブチルカルビトール、セロソルブ、エーテル誘導体、アミノアルコール、及びケトンを挙げることができる。
例示的な一実施形態によれば、当該溶媒には、限定はしないが、炭素数30以下の第一脂肪族アルコール、炭素数30以下の第一芳香族アルコール、炭素数30以下の第二脂肪族アルコール、炭素数30以下の第二芳香族アルコール、炭素数30以下の1,2−ジオール、炭素数30以下の1,3−ジオール、炭素数30以下の1,5−ジオール、エチレングリコールアルキルエーテル、プロピレングリコールアルキルエーテル、ポリ(エチレングリコール)アルキルエーテル、ポリ(エチレングリコール)アルキルエーテルの高次の同族体、ポリ(プロピレングリコール)アルキルエーテル、ポリ(プロピレングリコール)アルキルエーテルの高次の同族体、ラクタム、置換ホルムアミド、未置換ホルムアミド、置換アセトアミド、及び未置換アセトアミドが含まれ得る。
詳細には、当該溶媒としては、限定はしないが、エトキシル化グリセロール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−ピロリドン、1−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリジノン、2−エチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコール、3−メトキシブタノール、及び1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンを挙げることができる。当該溶媒としてはまた、限定はしないが、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、2,5−ジメチル−3−ヘキシン−2,5−ジオール、トリメチロールプロパン、3−ヘキシン−2,5−ジオール、スルホラン、3−ピリジルカルビノール、及びその他のピリジン誘導体を挙げることができる。当該溶媒を用いることで、インクジェット時の水の蒸発速度が低下し詰まりが最小限となったり、又は粘度、pH、表面張力、光学濃度、及び印刷品質のようなインクのその他の諸性質を変更し得る。
また、殺生物剤を陰イオン性カラーインクに添加する場合、その殺生物剤としては、限定はしないが、安息香酸塩の塩、ソルビン酸塩の塩、NUOSEPT(Nudex,Inc.Huls Americaの1部門)、UCARCIDE(Union Carbide)、VANCIDE(RT Vanderbilt Co.)、PROXEL(ICI Americas)のような市販品、及びその他の殺生物剤を挙げることができる。
同様に、非イオン界面活性剤としては、限定はしないが、アルキルフェノールエトキシラート、ポリオキシエチレナート(polyoxyethylenate)、直鎖アルコールエトキシラート、ポリオキシエチレン化ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレン化メルカプタン、長鎖カルボン酸エステル、天然及び脂肪酸のグリセリル及びポリグリセリルエステル、プロピレングリコール、ソルビトール及びポリオキシエチレン化ソルビトールエステル、ポリオキシエチレングリコールエステル及びポリオキシエチレン化脂肪酸、アルカノールアミン凝縮物、アルカノールアミド、第三級アセチレングリコール、ポリオキシエチレン化シリコーン、N−アルキルピロリドン及びアルキルポリグリコシドを挙げることができる。
界面活性剤、殺生物剤、緩衝剤、及びその他の添加物のようなビヒクルのイオン成分は、選択されたpH範囲で、それらが陰イオン着色剤のそれと同じ電荷を帯びるように選択することを理解されたい。さもないと、望ましくない相互作用に起因した不安定なインクに帰着する。
前述のように、第2のインクリザーバ(135)に収容されるカラーインクは、例示的な一実施形態によれば、塩基性pHを有する。この例示的な実施形態によれば、カラーインクは、約7.5〜10、及び約7.5〜9のpHのアルカリ性である。
再度、図2に戻って、酸性の両性分散ブラック顔料系インクは、陰イオン性のカラーインクに対して印刷することができる(ステップ250)。より詳細には、陰イオン性のカラーインクに対して印刷する際、酸性の顔料系インク調合物は、陰イオン性カラーインクとは逆のpHである。従って、2つの調合物が互いに隣接して配置されると、両性分散剤は、それらの逆電荷に起因して、境界で他のインク調合物の着色剤に引き付けられる。2つの調合物が引き付けられるとき、両性分散剤は反応するか又はその等電点に近づくかのどちらかである。即ち、2つの調合物が集まるとき、その境界でのpHは、両性分散剤の等電点に近い中間pHに近づく。両性分散剤の等電点に近づくと(例えば、等電点まで約1pH単位)、両性分散剤で分散されたブラック顔料は不安定になり、「クラッシュアウト」として知られるように、溶液から析出する。顔料がクラッシュアウトするか又はもはや溶液中で安定化された状態で帯電しないとき、それは最初に分散されたときほど動きやすくない。こうして、2つのインク間でブラック−カラー間ブリードが阻止される。
上述のブラック−カラー間ブリードの阻止メカニズムに加えて、両性分散剤を有する顔料系インク調合物を使用する場合は、両性分散剤を使用しない調合物に較べて、高い光学濃度を達成することができる。詳細には、上述のように、顔料の量を減らしたインク調合物は、比較的高い顔料量の調合物の光学濃度に比較して、光学濃度の低下をほとんど又は全く示さなかった。結果として、両性分散顔料系インク調合物は、在来の分散剤顔料インク調合物よりも比較的少ない量の顔料を含むことができ、よって、インクの製造コストを低減し、且つ印刷ヘッドの信頼性を高めることができる。例示的な一実施形態によれば、当該顔料は、光学濃度の低下を呈することなく、顔料系インクの約2wt%にまで低くし得る。
実施例
第一の例示的実施形態によれば、約3.5%の顔料濃度の2つのインクを構成するように両性分散物を調合した。加えて、本発明の例示的なシステム及び方法の教示に従い、試験分散物を酸性pHに維持して、分散物が陽イオンになるようにした。試験時、比較対照インクは等電点を有する両性分散剤を含まず、一方、試験インクは、等電点を有する両性分散剤として機能するポリエチレンイミン(PEI)を約0.1〜2wt%の濃度にて含有した。
生成したら、2つの染料系カラーインク(KR6及びKR8)に対してブリード試験を行った。ブリード試験では、15〜30の範囲の無単位線形スケールでブリードを定量化した(スコア30は不十分なブリード耐性を、スコア25は十分なブリード耐性を、スコア20は極めて十分なブリード耐性を、そしてスコア15は非常に優れたブリード耐性を示す)。2つの染料系カラーインクに対して印刷した際の、試験インク及び比較対照インクのブリードスコアを下表1に提示する。
Figure 0004825806
上の表1に示すように、等電点を有する両性分散剤を含有する試験インクは、2つの染料系カラーインクKR6及びKR8の各々に対して印刷した際、極めて十分な及び非常に優れたブリード耐性を示した。また、等電点を有する両性分散剤を含有する試験インクは、比較対照インクより著しく良好なブリード性能を明示した。
結論として、上述の実施例は、例示的な一実施形態による本発明の例示的システム及び方法によって実現され得る多数の利益を実証するものである。さらに詳細には、開示したブラック顔料系インク調合物及び方法によって、ブラック−カラー間ブリード性能が改善され、ブラックインク中の顔料量の低減がもたらされ、且つ光学濃度品質が維持される。
これまでの説明は、本発明のシステム及び方法の例示的な実施形態を説明、記述するためにのみ提示した。本発明のシステム及び方法を開示した通りの形態に限定する意はない。上述の教示に鑑み、多くの修正及び変更形態が可能である。本システム及び方法は、添付の特許請求の範囲によって限定されるものとする。
例示的な一実施形態による、インクジェット材料分配システムを示す簡略ブロック図 例示的な一実施形態による、本発明の顔料系ブラックインクを生成し、それを染料系インクに対して印刷する方法を示すフローチャート

Claims (8)

  1. インクジェットインクセットであって:
    酸性の顔料系ブラックインク(160)調合物であって、前記顔料系ブラックインク(160)の0.5〜5.0wt%の濃度のブラック顔料と、前記ブラック顔料に結合しており且つ或る等電点を有する両性分散剤とを含有する、酸性の顔料系ブラックインク(160)調合物;及び
    アルカリ性のカラーインク調合物、
    を含んで成り、前記両性分散剤の前記等電点が、前記酸性顔料系ブラックインクのpHと前記アルカリ性カラーインクのpHとの間にある、インクジェットインクセット。
  2. 前記両性分散剤が、プロトン化可能基及びイオン化可能酸性基を有する化合物から選択される、請求項1に記載のインクジェットインクセット。
  3. 水及び有機溶媒から選択されるビヒクルをさらに含む、請求項1に記載のインクジェットインクセット。
  4. 前記酸性の顔料系ブラックインク(160)調合物が、自己分散型ブラック顔料を含む、請求項1に記載のインクジェットインクセット。
  5. 前記アルカリ性のカラーインク調合物が、顔料系インク(160)及び染料系インクから選択されたインクを含む、請求項1に記載のインクジェットインクセット。
  6. 前記顔料系ブラックインク(160)調合物が、4wt%より高い顔料濃度を有する顔料系ブラックインク(160)と等しい光学濃度をもたらすように構成されている、請求項1に記載のインクジェットインクセット。
  7. 酸性の顔料系ブラックインク(160)調合物であって、前記顔料系ブラックインク(160)の0.5〜5.0wt%の濃度のブラック顔料と、前記ブラック顔料に結合しており且つ或る等電点を有する両性分散剤とを含む、酸性の顔料系ブラックインク(160)調合物;及び
    アルカリ性のカラーインク調合物、
    を含んで成るインクジェットインクセットを設けることであって、前記両性分散剤の前記等電点が、前記酸性顔料系ブラックインクのpHと前記アルカリ性カラーインクのpHとの間にある、設けること;
    インク受容媒体(170)上に前記アルカリ性カラーインク調合物を分配すること;
    分配された前記アルカリ性カラーインク調合物に隣接して、前記酸性顔料系ブラックインク調合物を分配すること、
    を包含し、
    前記酸性顔料系ブラックインク調合物が、4wt%より高い顔料濃度を有する顔料系ブラックインク(160)と等しい光学濃度をもたらすように構成され、且つ
    前記酸性顔料系ブラックインク調合物と前記アルカリ性カラーインク調合物との間のインクブリードが抑止される、印刷方法。
  8. プリンタシステムであって:
    インクジェット材料ディスペンサ(150);
    前記インクジェット材料ディスペンサ(150)に液体連通しており、酸性の顔料系ブラックインク調合物を収容する第1のインクリザーバ(130)であって、前記顔料系ブラックインク調合物が、前記顔料系ブラックインク調合物の0.5〜5.0wt%の濃度のブラック顔料と、前記ブラック顔料に結合しており且つ或る等電点を有する両性分散剤とを含む、第1のインクリザーバ(130);及び
    前記インクジェット材料ディスペンサ(150)に液体連通しており、アルカリ性カラーインク調合物を収容する第2のインクリザーバ(135)、
    を具備し、前記両性分散剤の前記等電点が、前記酸性顔料系ブラックインクのpHと前記アルカリ性カラーインクのpHとの間にある、プリンタシステム。
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