JP4825307B2 - 感光性樹脂積層体 - Google Patents
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Description
現在、TFTの製造においては、例えば、液晶ディスプレイに用いる場合は、生産性が重視されるため、大面積のガラス基材にパネル数枚分を作成し量産する方法が一般に使用される。
したがって、TFTの製造において、ドライフィルムを用いることができれば、生産性の非常に高い製造工程を確立することができる。
[1] 少なくとも、支持層と、下記(a)〜(c):
(a)離型層、
(b)アルカリ可溶性樹脂層、
(c)水溶性樹脂層、
に示される層から選ばれる少なくとも一つの層と、感光性樹脂組成物よりなる感光性樹脂層とを順に積層してなる感光性樹脂積層体であって、該感光性樹脂組成物が、フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂20〜90質量%、光酸発生剤0.01〜5質量%、酸の作用により架橋する基を有する化合物1〜40質量%、可塑剤1〜40質量%を含有することを特徴とする前記感光性樹脂積層体。
本発明の感光性樹脂積層体は、支持層を有する。
支持層は、通常、ブロッキング防止のために滑剤を含む。ブロッキングとは、支持層や感光性樹脂積層体を引き出したり巻き取ったりする場合に、摩擦によって隙間や皺が入る現象をさす。滑剤としては、有機又は無機の滑剤を挙げることができる。有機滑剤としては、高級脂肪酸、高級アルコール、脂肪族炭化水素、脂肪族アミド、脂肪酸金属塩、脂肪酸エステルなどが挙げられるが、高級脂肪酸や高級アルコールが好ましい。高級脂肪酸の具体例としては、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸、セロプラスチン酸などが挙げられる。高級アルコールの具体例としては、ペンタノール、オクタノール、ドデカノール、ヘキサデカノール、ヘプタデカノール、オクタデカノール、ノナデカノール、エイコサノール、ドコサノール、テトラコサノール、ヘキサコサノール、ヘプタコサノール、オクタコサノール、トリアコンタノール、オレイルアルコール、リノレイルアルコール、リノレニルアルコールなどが挙げられる。無機滑剤としては、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、シリカ、カオリン、タルク、二酸化チタン、アルミナ、硫酸バリウム、フッ化カルシウム、フッ化リチウム、ゼオライト、硫化モリブデンなどの無機粒子が挙げられる。高度な透明性を得るためにはシリカ粒子が好ましい。このような滑剤は、平均粒径が0.01〜0.2μmであることが好ましい。塗布層からの粒子の脱落抑制の観点から、平均粒径は乾燥後の塗布層厚みの2倍以下が好ましい。易滑化及び巻き改良の効果の観点から、平均粒径は0.01μm以上が好ましい。
△L(%)=(L−L0)/L0×100 (1)
{式中、△Lは熱収縮率(%)であり、L0は加熱前の標点間距離(mm)であり、そしてLは加熱後の標点間距離(mm)である。}
によって算出し、その平均を求めることによって測定しうる。なお、熱収縮率の測定における他の条件は、JIS C2318−1997(5.3.4 寸法変化)に準拠する。
(a)離型層、
(b)アルカリ可溶性樹脂層、
(c)水溶性樹脂層。
(a)離型層とは、支持層との離型性を上げるために設けられる剥離剤(以下、離型剤ともいう。)からなる層で、支持層に離型層を設ける処理を離型処理ともいう。離型処理として、例えば、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、アルキド(又はアルキッドともいう)樹脂、長鎖アルキル系樹脂、アクリル系樹脂、及びポリオレフィン系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種の樹脂を含有する離型剤で表面を薄くコートし離型性を上げる化学処理が挙げられる。
シリコーン樹脂としては、両末端シラノールポリジメチルシロキサンとポリメチル水素シロキサン又はポリメチルメトキシシロキサンとを反応させた縮合反応型シリコーン樹脂や、ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体又はジメチルシロキサン・メチルヘキセニルシロキサン共重合体とポリメチル水素シロキサンとを反応させた付加反応型シリコーン樹脂や、アクリルシリコーンやエポキシ基含有シリコーンなどを紫外線や電子線で硬化させた紫外線硬化型又は電子線硬化型シリコーン樹脂や、変性シリコーン樹脂、例えば、エポキシ変性シリコーン樹脂(シリコーンエポキシ)、ポリエステル変性シリコーン樹脂(シリコーンポリエステル)、アクリル変性シリコーン樹脂(シリコーンアクリル)、フェノール変性シリコーン樹脂(シリコーンフェノール)、アルキッド変性シリコーン樹脂(シリコーンアルキッド)、メラミン変性シリコーン樹脂(シリコーンメラミン)などが挙げられる。
また、アクリル系樹脂は、本分野において知られたいずれかのものであることができる。
離型処理された支持層として一般的に入手できるものとしては、例えば、リンテック(株)製、GS、1031、1020、1010、2010、C、2080、2090、2100、E、6040、6010、X、SK−1、AL−5が挙げられる。また、帝人デュポン(株)製、A−60、A−70、三菱ポリエステルフィルム(株)製、T−100Hといったものも挙げられる。
(b)アルカリ可溶性樹脂層は、現像性、解像度の観点から30μm以下の膜厚が好ましく、支持層との離型性を確保する観点から3μm以上が好ましい。
水溶性樹脂組成物は、ビニルアルコールを共重合単位として有する水溶性高分子を含むことが好ましい。ビニルアルコールを共重合単位として有する水溶性高分子としては、例えば、ポリビニルアルコール及びその誘導体並びにオレフィンを1〜20モル%共重合したポリビニルアルコールが挙げられる。
オレフィンを1〜20モル%共重合したポリビニルアルコールは、オレフィンと酢酸ビニルを共重合しこれをけん化して製造されるのが一般的である。オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ヘキセンなどが挙げられる。共重合性、アルカリ可溶性の観点からエチレンが好ましい。アルカリ可溶性の観点からオレフィンの共重合比率は20モル%以下である。このような、オレフィンを1〜20モル%共重合したポリビニルアルコールとしては、(株)クラレ製エバール(商品名)が挙げられる。
水溶性樹脂組成物は、支持層との離型性の観点から、水溶性可塑剤を含むことが好ましい。
水溶性可塑剤としては、例えば、ポリビニルピロリドン及びその誘導体、ヒドロキシエチルセルロースなどの水溶性セルロース誘導体、ポリエチレンオキシド、ポリエチレンオキシドのエステル化合物、ポリエチレンオキシドのエーテル化合物などのポリエチレンオキシド及びその誘導体、ビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体及びその水溶性塩類、カルボキシアルキル澱粉水溶性塩類、ポリアクリルアミド、ポリアミド、ポリアクリル酸水溶性塩類、ゼラチン、ポリプロピレングリコールなどが挙げられる。
ポリエチレンオキシド及びその誘導体の具体例としては、数平均分子量が200であるポリエチレングリコール(日本油脂株式会社製PEG200)、数平均分子量が300であるポリエチレングリコール(日本油脂株式会社製PEG300、数平均分子量が400であるポリエチレングリコール(日本油脂株式会社製PEG400)、数平均分子量が600であるポリエチレングリコール(日本油脂株式会社製PEG600)、数平均分子量が1000であるポリエチレングリコール(日本油脂株式会社製PEG1000)や数平均分子量400であるポリエチレングリコールモノメチルエーテル(日本油脂株式会社製のユニオックスM−400)、平均分子量550であるポリエチレングリコールモノメチルエーテル(日本油脂株式会社製ユニオックスM−550)、数平均分子量1000であるポリエチレングリコールモノメチルエーテル(日本油脂株式会社製ユニオックスM−1000)などが挙げられる。
水溶性樹脂層の膜厚は、離型性の観点から0.1μm以上が好ましく現像性の観点から10μm以下が好ましい。
フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂としては、例えば、ノボラック樹脂、ポリヒドロキシスチレン系樹脂が挙げられる。
変性ポリヒドロキシスチレンとしては、ポリヒドロキシスチレンに、例えば、ベンゼンスルホニルクロリド誘導体、ナフタレンスルホニルクロリド誘導体、ベンゼンカルボニルクロリド誘導体、ナフタレンカルボニルクロリド誘導体などを、塩基性触媒の存在下に反応させたものなどが挙げられる。前記したスルホニルクロリド誘導体やカルボニルクロリド誘導体の具体例としては、p−アセトアミノベンゼンスルホニルクロリド、ベンゼンスルホニルクロリド、p−クロロベンゼンスルホニルクロリド、ナフチルベンゼンスルホニルクロリド、p−アセトアミノベンゼンカルボニルクロリド、ベンゼンカルボニルクロリド、p−クロロベンゼンカルボニルクロリド、ナフチルベンゼンカルボニルクロリドなどが挙げられる。この場合、ポリヒドロキシスチレン100重量部に対して、前記スルホニルクロリド誘導体や前記カルボニルクロリド誘導体は、通常10〜30重量部、好ましくは15〜25重量部の割合で用いられる。このような変性ポリヒドロキシスチレンは、重量平均分子量が3,000〜50,000、好ましくは5,000〜30,000の範囲であることができる。
現像後に得られるレジストパターンの表面状態の観点から、フェノール系水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂としては、ノボラック樹脂又はポリヒドロキシスチレン系樹脂をそれぞれ単独で用いることが好ましい。
現像後に得られるレジストパターンの断面形状の観点から、フェノール系水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂を適宜選択することができる。例えば、ノボラック樹脂を用いた場合には、断面形状がドーム状になる傾向があり、ポリヒドロキシスチレン系樹脂を用いた場合には、矩形状になる傾向がある。
ここで、芳香族性化合物基とは、芳香族化合物に特有な物理的・化学的性質を示す化合物の基を指し、例えば、フェニル基、ナフチル基などの芳香族炭化水素基や、フリル基、チエニル基などの芳香族性を有する複素環基が挙げられる。これらは環上に適当な置換基、例えば、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基などを1個以上有していていてもよい。また、R3は炭素数1〜4のアルキル基が特に好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が挙げられる。特に、式(II)の化合物において、R3が芳香族性化合物基であり、R4が低級アルキル基である化合物が好ましい。上記一般式(II)で表わされる光酸発生剤としては、n=1の時、R3がフェニル基、メチルフェニル基、メトキシフェニル基のいずれかであって、R4がメチル基である化合物、具体的にはα−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−フェニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−(p−メチルフェニル)アセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−(p−メトキシフェニル)アセトニトリルが挙げられる。
上記一般式(I)で表される化合物は、ビスフェノールAの両端にエチレンオキシド又はプロピレンオキシドを付加することにより合成される。m1+n1+m2+n2は、十分な感度、密着性を得るため30以下であり、感光性樹脂組成物中での相溶性、及び粘度の増加の観点から2以上である。m1+n1+m2+n2は解像性と密着性の観点から2〜20が好ましく、2〜10がより好ましい。さらに、解像性、密着性、凝集性、現象性の観点から、R3がエチレン基であり、R4がプロピレン基であり、m1+m2が0であり、かつ、n1+n2が2〜10である一般式(I)で表される化合物がより好ましい。
ニューポール(商標)BP−23P[R1:エチレン基、R2:プロピレン基、m1=m2=0、n1=n2=1]、ニューポール(商標)BP−3P[R1:エチレン基、R2:プロピレン基、m1=m2=0、n1=n2=1.5]、ニューポール(商標)BP−5P[R1:エチレン基、R2:プロピレン基、m1=m2=0、n1=n2=2.5]、ニューポール(商標)BPE−20T[R1=エチレン基、R2=プロピレン基、m1=m2=1、n1=n2=0]、ニューポール(商標)BPE−60[R1:エチレン基、R2:プロピレン基、m1=m2=3、n1=n2=0]、ニューポール(商標)BPE−100[R1:エチレン基、R2:プロピレン基、m1=m2=5、n1=n2=0]、ニューポール(商標)BPE−180[R1:エチレン基、R2:プロピレン基、m1=m2=9、n1=n2=0](以上三洋化成(株)製)、
ユニオール(商標)DB−400[R1:エチレン基、R2:プロピレン基、m1=m2=0、n1=n2=1.5]、ユニオール(商標)DAB−800[R1:エチレン基、R2:プロピレン基、m1=m2=6、n1=n2=4.5、−(R1−O)−と−(R2−O)−はランダム]、ユニオール(商標)DA−350F[R1:エチレン基、R2:プロピレン基、m1=m2=1.1、n1=n2=0]、ユニオール(商標)DA−400[R1:エチレン基、R2:プロピレン基、m1=m2=2、n1=n2=0]、ユニオール(商標)DA−700[R1:エチレン基、R2:プロピレン基、m1=m2=5、n1=n2=0](以上日本油脂(株)製)、
BA−P4U[R1:エチレン基、R2:プロピレン基、m1=m2=0、n1=n2=2]グリコール、BA−P8[R1:エチレン基、R2:プロピレン基、m1=m2=0、n1=n2=4]グリコール(以上日本乳化剤(株)製)等が挙げられる。
可塑剤の重量平均分子量は、100〜5,000であることが好ましい。昇華性の観点から100以上であり、現像性の観点から5,000以下である。より好ましくは100〜3,000である。
まず、現像性の観点から、カルボキシル基を有するアルカリ可溶性高分子を含むことが好ましい。そのカルボキシル基の量は、酸当量で100〜600が好ましく、より好ましくは250〜450である。酸当量とは、その中に1当量のカルボキシル基を有するアルカリ可溶性高分子の質量をいう。
分子量は、日本分光(株)製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)(ポンプ:Gulliver、PU−1580型、カラム:昭和電工(株)製Shodex(登録商標)(KF−807、KF−806M、KF−806M、KF−802.5)4本直列、移動層溶媒:テトラヒドロフラン、ポリスチレン標準サンプル(昭和電工(株)製Shodex STANDARD SM−105)による検量線使用)により重量平均分子量(ポリスチレン換算)として求められる。
第一の単量体は、分子中に重合性不飽和基を一個有するカルボン酸又は酸無水物である。例えば、(メタ)アクリル酸、フマル酸、ケイ皮酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸無水物、マレイン酸半エステル等が挙げられる。
本発明において、(メタ)アクリルとは、アクリル及び/又はメタクリルを表す。
紫外線吸収剤を添加することによりレジストパターンの断面形状を制御することもできる。例えば、レジストパターンの断面形状がドーム状である場合には、p,p’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンなどの紫外線吸収剤を適宜添加して形状を矩形状に近づけることができる。
まず、フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂、光酸発生剤、酸の作用により架橋する基を有する化合物、及び可塑剤、並びに求められる性能に応じて適宜その他成分を配合し、感光性樹脂組成物を調合する。用いられる好適な溶媒としては、メチルエチルケトン(MEK)に代表されるケトン類、並びにメタノール、エタノール、及びイソプロピルアルコールなどのアルコール類が挙げられる。これを、支持層に、ブレードコーター、バーコーターやロールコーターなどを用いて塗布し、乾燥することで感光性樹脂層を作成する。長尺のものを作成する場合は、ダイコーターやグラビアコーターなどを用いることができる。ダイコーターを用いる場合は、粘度を25℃で500〜4,000mPa・secとなるように調整することが好ましい。グラビアコーターを用いる場合は、25℃で1〜200mPa・secとなるように粘度を調整することが好ましい。次に保護層をラミネートすることより感光性樹脂積層体を製造することができる。
(1)感光性樹脂層が基材と接するように基材にラミネートする工程
感光性樹脂積層体に保護層がある場合には、保護層を剥がしながら、感光性樹脂積層体の感光性樹脂層を、シリコンウエハー又はガラス上に、モリブデン、アルミニウム、ネオジウム、クロム、タングステン、タンタルなどの金属膜を積層した基材の上にホットロールラミネーターを用いて密着させる。
感光性樹脂積層体に、ガラスクロムマスクを通して所望の電極パターンを投影して、感光性樹脂積層体を露光する。活性光線源としては、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、紫外線蛍光灯、カ−ボンア−ク灯、キセノンランプなどが挙げられる。露光方式は、マスクを基材より数十μm浮かせてそのまま投影するプロキシミティ方式や、凹面鏡を用いるミラープロジェクションアライナ方式や、等倍より小さい縮小倍率でレンズを通して分割投影露光するステッパ方式などがある。あるいは、感光性樹脂積層体に、予めプログラムした電極パターンに従って活性光線を描画して、感光性樹脂積層体を露光してもよい。活性光線源としては、半導体レーザー、半導体固体レーザー、超高圧水銀灯などがある。光線の走査方式としては、ポリゴンミラー方式、デジタルミラーデバイス方式などがある。支持層は、露光工程の前に剥離してもよいし露光後に剥離してもよい。解像度の観点からは、支持層を剥離した後に感光性樹脂層を露光することが好ましい。一方、感度の観点からは、露光後に支持層を剥離することが好ましい。
露光後の基材を、オーブンやホットプレートなどで加熱する。感度に合わせて温度や時間を調節することができる。露光された感光性樹脂層を十分に硬化させる観点から90℃以上が好ましい。解像度、加熱工程の時間制御の観点から130℃以下が好ましい。生産性の観点から加熱時間は10分以下が好ましく、解像度の安定性の観点から15秒以上が好ましい。
アルカリ現像液を用いて感光性樹脂層の未露光部分を溶解又は分散除去し、硬化レジストパターンを基材上に形成する。アルカリ現像液としては、半導体への影響を考慮する場合はテトラメチルアンモニウムヒドロキシドなどの有機アルカリ水溶液を用いることが好ましい。
ウエットエッチングでは、形成されたレジストパターン上からエッチング液を吹き付けレジストパターンによって覆われていない基材をエッチングする。基材が、モリブデン、アルミニウム、ニオジウムなどの場合、硝酸、リン酸、酢酸などを混合した混酸アルミ液等を用いることができる。基材が、アモルファスシリコン、ポリシリコン、窒化シリコンなどの場合には、ドライエッチング、リアクティブイオンエッチングなどでエッチングすることができる。
レジストパターンをアルカリ剥離液により基材から除去する。モノエタノールアミン、トリエタノールミンなどの有機アミンとグリコール、ジメチルスルホキシド、及び水などを混合した剥離液を用いることができる。
[実施例1〜7、実施例10、及び比較例1、2]
<1.感光性樹脂組成物の調製>
表1に示す化合物を混合し、感光性樹脂組成物を調製した。表1中の値は、固形分量である。
表中の記号は以下に示すとおりである。
A−1:クレゾールノボラック樹脂、重量平均分子量10000、分子量分布約10、m体:p体=6:4、(旭有機材(株)製、EP4020G(商品名))
A−2:メタクリル酸ベンジル80質量%、メタクリル酸20質量%を共重合した共重合体、重量平均分子量25,000
A−3:ポリパラヒドロキシスチレン、重量平均分子量20,000、(ケミウェイ(株)製、マルカリンカーM H−2P(商品名))
B−1:ヘキサメトキシメチル化メラミン樹脂、乾燥減量1質量%、単量体96質量%以上、(三和ケミカル(株)製MW−390(商品名))
C−1:2,4−トリクロロメチル(ピペロニル)−6−トリアジン(日本シーベルヘグナー社製、トリアジンPP(商品名))
C−2:p,p’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン
D−1:ビスフェノールAの両端に3モルずつのプロピレングリコールを有する化合物、(旭電化工業(株)製、ポリエーテルBPX−33(商品名))
D−2:ポリプロピレングリコール(分子量2000)
上記感光性樹脂組成物を溶媒(メチルエチルケトン)に溶解させて、表1に示すフィルム上にブレードコ−タ−を用いて均一に塗布し、95℃の乾燥機中で1分間乾燥して、5μm厚みの感光性樹脂層を形成した。表1に示すフィルムは以下のようにして製造した。
離型層を有するフィルム(a−1)は、市販のもの(リンテック(株)製PET25X)を用いた。
アルカリ可溶性樹脂層を有するフィルム(b−1)は、以下のように作製した。メタクリル酸メチル65質量%、メタクリル酸25質量%、アクリル酸ブチル10質量%の三元共重合体(重量平均分子量7万、酸当量344)を70質量%、B−1を15質量%、C−1を0.5質量%、D−1を15質量%混合し、メチルエチルケトンに溶解させ均一な組成物溶液を調製した。これを、厚さ16μmのポリエステルフィルム(東レ(株)製、16QS48(水準3))に、ブレードコーターを用いて均一に塗布し、95℃の乾燥機中で2分間乾燥して、20μm厚みのアルカリ可溶性樹脂層を作製した。
水溶性樹脂層を有するフィルム(c−1)は、以下のように作製した。ポリビニルアルコール((株)クラレ製、PVA−205)、90質量%、平均分子量550であるポリエチレングリコールモノメチルエーテル(日本油脂(株)製ユニオックスM−550)、10質量%を混合し、熱水で溶解して均一な水溶性樹脂溶液を作製した。これを厚さ16μmのポリエステルフィルム(東レ(株)製、16QS48(水準3))に、ブレードコ−タ−を用いて均一に塗布し、95℃の乾燥器内で2分間乾燥して、2μm厚みのアルカリ可溶性樹脂層を作製した。
表1中のフィルム(d)は、市販の19μm厚みのポリエステルフィルム(帝人デュポン(株)製G2)をそのまま支持層として用い、これに感光性樹脂層を塗工した。
基材:
基材として、5インチN型シリコンウエハーにMo膜を300Å積層した基材を用いた。
ラミネート:
保護層を剥離した感光性樹脂積層体を、ラミネーター(エムシーケー製MRR210(商品名))を用いて基板にラミネートした。その条件は、ラミネート速度:1.0m/分、ラミネートロール温度:120℃、シリンダ圧力:0.40MPaとした。
露光:
支持層を剥離し、クロムガラスフォトマスクを用いて、超高圧水銀ランプを有する露光機(プロジェクション露光装置UX2003SM−MS04:ウシオ電機株式会社製)により、30mJ/cm2 の露光量で評価基板を投影露光した。上記実施例1〜7、以下の実施例8及び9のいずれにおいても支持層は問題なく剥離できた。ここで露光された部分は、硬化レジストとなる。
露光後加熱:
露光後、基板を100℃のホットプレートで30秒加熱した。
現像:
得られた評価基板から支持層がある場合は支持層を除去し、2.38質量%テトオラメチルアンモニウム水溶液をアルカリ現像液として、温度30℃スプレー圧0.25MPaでスプレー現像することにより、感光性樹脂層の未露光部を除去し、水道水で水洗後乾燥してレジストパターンを得た。現像装置は、滝沢産業(株)製AD−1200スピン現像機を用いた。
エッチング:
レジストパターンが形成された基板を、和光純薬混酸アルミ液、40℃、30秒、ディップ法によりエッチングした。
剥離:
エッチング後の基板を、横浜油脂工業(株)製セミクリーンEP−10剥離液、65℃、20秒、ディップ法によりエッチングした。
以下の方法で評価基板を評価し、結果を以下の表1にまとめた。
保護フィルムへの樹脂付着性の評価:
感光性樹脂積層体を作製し、保護層としてポリエチレンフィルム(タマポリ(株)製GF−858(商品名))をハンドラミネートし、常温で3週間保存した。保護層を剥離したときに保護層表面に樹脂の付着を評価し、次のようにランク分けした。
○:樹脂の付着が見られない
△:一部に樹脂の付着が見られる
×:全体的に樹脂が付着している
感光性樹脂積層体がラミネートされた基板から支持層を剥離し現像した。現像を開始してから基材表面が露出するまでの時間を測定し、最小現像時間とした。最小現像時間を次ぎのようにランク分けした。
○:最小現像時間が60秒以内
△:最小現像時間が60秒を超え、3分以内
×:最小現像時間が3分以上
ラインとスペースが1:1であるパターンを有するクロムガラスフォトマスクを通して露光し、加熱し、現像した。解像する最小のレジストパターンに対応するマスク幅を解像度の値として評価した。
○:解像度が4μm以下
△:解像度が4μmを超え、8μm以下
×:解像度が8μmを超える
各種の幅の独立したラインからなるパターンを有するクロムガラスフォトマスクを通して露光し、加熱し、現像した。剥離せずに得られる独立した最小のレジストパタ−ンに対応するマスク幅を密着性の値として評価した。
○:密着性が4μm以下
△:密着性が4μmを超え、8μm以下
×:密着性が8μmを超える
解像度の評価で得られた評価基板をエッチングし、レジストパターンの剥がれがないかをSEMにて観察した。
○:レジストパターンの剥がれなし
×:レジストパターンが剥離し、基材表面が露出している
エッチング性の評価で得られた評価基板からレジストを剥離し、剥離後の基材表面にレジストの残渣が無いかをSEMにて確認した。
○:レジスト残渣がない
×:レジスト残渣が確認される
解像度の評価でえられた評価基板をSEMにて観察し、レジストパターンの頂部及び側面の平坦性を観察した。
○:レジスト頂部が均一
△:レジスト頂部および側面にわずかに凹凸が見られる
×:レジスト側面に凹凸が見られパターンの直線性が損なわれる
露光工程を、オルボテック社Paragon9000により出力8W、露光量30mJ/cm2で描画する以外は実施例1と同様にしてレジストパターンを作製した。解像度、密着性ともに6μmであった。エッチング後にレジストパターンの剥がれはなく、レジスト剥離後に残渣は見られなかった。
保護層を延伸ポリプロピレンフィルム(王子製紙(株)製アルファンE−200A(商品名))にする以外は実施例1と同様に感光性樹脂積層体を作製し、評価した。
D−1:ビスフェノールAの両端に3モルずつのプロピレングリコールを有する化合物(旭電化工業(株)製、ポリエーテルBPX−33(商品名))に代えてD−2:ポリプロピレングリコール(分子量2000)を使用した以外は、実施例1と同様に感光性樹脂積層体を作製し、評価した。
実施例11、12によりレジストパターンの断面形状を観察した(以下、表2を参照のこと)。実施例11ではA−3を単独で用いることにより矩形状のレジストパターンが得られた。実施例12ではC−2を添加することにより矩形状のレジストパターンが得られた。
基材として、ガラスにCVD法によりアモルファスシリコン1500Åを積層したa−Si基板を用い実施例11と同様にレジストパターンを作製した(実施例13)。基材として、ガラスにCVD法により窒化シリコン3000Åを積層したSiN基板を用い実施例11と同様にレジストパターンを作製した(実施例14)。いずれもMo基材を用いた場合と同じ解像度と密着性が得られた(以下、表3を参照のこと)。
実施例1で用いた感光性樹脂積層体を用いて予めガラス基板上に高さ3.5μm、幅30μm、長さ1.5mm、ピッチ300μmで並んだ直線状の段差を形成した。この基材上に、実施例1で用いた感光性樹脂積層体を直線状の段差に沿ってラミネートし、エアーボイドの発生を観察した。さらに直線状の段差に直行するように直線状のパターンを露光現像し、パターンの断線を観察した(実施例15)。同様の実験を実施例2で用いた感光性樹脂積層体により実施した(実施例16)。実施例15では段差の脇にエアーボイドの発生が見られ、形成されたパターンには断線が見られた。実施例16では段差脇にエアーボイドは無く、パターンの断線も見られなかった。
実施例1で用いた感光性樹脂組成物を直接スピンコートにより基材に塗布した。基材は、実施例1で使用したものと同じものを用いた。実施例1の感光性樹脂積層体を用いて基材にラミネートした場合、ラミネートに要する時間は約10秒であった。一方、スピンコートにより感光性樹脂組成物を塗布し、乾燥するには約5分を要した。スピンコート中や乾燥中は、揮発した溶剤を排気する必要があった。また、基板端部に沿って感光性樹脂組成物が盛り上がり、ムラが見られた。回転中心部からも放射状のムラや、基板を吸着(チャック)した部分のムラも見られた。
Claims (10)
- 少なくとも、支持層と、下記(a)〜(c):
(a)離型層、
(b)アルカリ可溶性樹脂層、
(c)水溶性樹脂層、
に示される層から選ばれる少なくとも一つの層と、感光性樹脂組成物よりなる感光性樹脂層とを順に積層してなる感光性樹脂積層体であって、該感光性樹脂組成物が、フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂20〜90質量%、光酸発生剤0.01〜5質量%、酸の作用により架橋する基を有する化合物1〜40質量%、可塑剤1〜40質量%を含有し、該可塑剤が、下記一般式(I):
- 前記感光性樹脂組成物が、カルボキシル基を有するアルカリ可溶性高分子をさらに含む、請求項1に記載の感光性樹脂積層体。
- 請求項1又は2に記載の感光性樹脂積層体を、前記感光性樹脂層が基材と接するように該基材にラミネートする工程、該感光性樹脂層を露光する工程、露光した感光性樹脂層を加熱する工程、及び加熱した感光性樹脂層を現像する工程を含むことを特徴とするレジストパターンの製造方法。
- 前記感光性樹脂層を露光する工程が、活性光線を描画する方式である、請求項3に記載のレジストパターンの製造方法。
- 請求項3に記載の方法で製造されたレジストパターンで覆われていない、基材の部分をウエットエッチングする工程を含むことを特徴とする電極パターンの製造方法。
- 請求項3に記載の方法で製造されたレジストパターンで覆われていない、基材の部分をドライエッチングする工程を含むことを特徴とする半導体パターンの製造方法。
- 前記感光性樹脂層と接する前記基材の表面がモリブデンである、請求項3又は4に記載のレジストパターン製造方法。
- 前記感光性樹脂層と接する前記基材の表面がモリブデンである、請求項5に記載の電極パターン製造方法。
- 前記感光性樹脂層と接する前記基材の表面がアモルファスシリコンである、請求項3又は4に記載のレジストパターンの製造方法。
- 前記感光性樹脂層と接する前記基材の表面が窒化シリコンである、請求項3又は4に記載のレジストパターンの製造方法。
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