JP4822580B2 - ダニアレルゲン処理剤及びダニアレルゲン不活性化方法 - Google Patents

ダニアレルゲン処理剤及びダニアレルゲン不活性化方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハウスダストによって起こるアレルギー、アトピー性疾患、喘息などの予防技術に関し、特に、ハウスダスト中に含まれるダニアレルゲンを不活性化させるダニアレルゲン処理剤、及びダニアレルゲン不活性化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、喘息、鼻炎、湿疹、蕁麻疹などいわゆるアレルギー性疾患は、近年増加傾向にあるが、これらの疾患の大部分が家の中のホコリ、すなわち、ハウスダスト(室内塵)に含まれるアレルゲンによって発症することがわかってきた。
【0003】
ハウスダストは、さまざまな物質の混合物であり、その中のどの物質がアレルゲンとして重要なのかは、永らく不明であったが、その主原因がチリダニ科ヒョウヒダニ属(Dermatophagoides)のダニに由来することが判明し、今日ではハウスダスト中の最重要アレルゲンはヒョウヒダニ由来であることは常識となっている。
【0004】
ハウスダストによるアレルギー性疾患が、主にヒョウヒダニに起因することが明らかになるにつれ、殺ダニ剤やダニの誘引剤、忌避剤、防ダニ寝具、ホットカーペット、蒲団乾燥機などアレルギーの原因となるダニを殺したり、近づき難くする製品が市販されている。
【0005】
しかしながら、上記商品や技術は、ダニの増殖抑制には有効であるが、アレルゲンは生きたダニ本体にはほとんどなく、ダニの死骸や糞に多く含まれているため、単にダニを殺したり、忌避誘引することは、必ずしも環境中のダニアレルゲンの減少には寄与しないものである。
ダニアレルゲンを除去するには、掃除機や洗濯、クリーニングが有効であるが、例えば、掃除機をかけるにしても面倒な上、通常通りの操作ではアレルゲンを除去するのは困難である。また、洗濯やクリーニングには、コストがかかる上、手間も大きい。さらに、カーペットのように繊維製品の内部に入り込んだハウスダストは除去され難く、掃除後に歩く度に内部でダニアレルゲンが微細化し、空中に飛散するなど掃除の効果が発現されにくいものも多い点に課題があるものである。
【0006】
一方、近年、スギ、ヒノキを代表とする花粉による、春先の花粉症患者が増加している。この花粉もハウスダストに多く含まれ、アレルギーを引き起こす引き金の一つとなっているが、適切な不活性化処置は無く、蒲団や洗濯物を室外に干さない、マスクをして吸い込むのを防止するなど、日常生活に負荷をかけるような手段を用いているのが現状である。
従来より、ハウスダスト中で有害なアレルゲンの、抗体との反応部位を吸着や被覆などの効果で不活性化すれば、ハウスダストを無害化できると考えられており、このような不活性化剤としては、例えば、タンニン酸やその類似化合物が知られている(特開昭61―44821号公報、特開平6−279273号公報)。
【0007】
しかしながら、これらの公報に記載される化合物には、処理後に変色しやすく使用できる対象が限定されるという課題がある。従って、繊維製品に処理した場合に経時で処理物が変色することなく、繊維内部に容易に染み込み、アレルゲンに対して有効に不活性化できることが求められている
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来の課題等に鑑み、これを解消しようとするものであり、ハウスダスト中のダニアレルゲンを有効に不活性化させると共に、繊維製品などの被処理物を変色させることが少なく、繊維製品中のアレルゲンに作用しやすいダニアレルゲン処理剤、及びダニアレルゲン不活性化方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究した結果、特定の化合物からなるダニアレルゲン処理剤を用いることで、ハウスダスト中のダニアレルゲンを効果的に不活性化することを見い出すと共に、前記ハウスダストに含まれるダニアレルゲンとして、ダニなどを対象にすると著しい効果が発揮されることを見い出すことにより、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明は、次の(1)〜(5)に存する。
(1) 動的光散乱法により測定した平均粒子径が50〜3000nm、電気泳動光散乱法により測定したゼータ電位の絶対値が30mV以上、および粉末X線回析法により求められた純度が90%以上である、ベントナイト、モンモリロナイト、サポナイトから選ばれる水膨潤性粘土鉱物を含有する水溶液若しくは水分散液からなるダニアレルゲン処理剤であって、前記水溶液若しくは水分散液に、5cm×5cmの無蛍光綿金巾布を、20℃、10分間浸漬後、乾燥させた布を50℃恒温槽中で保存した場合に、ハンターLab表色系のb値において初期b値と1ヵ月後のb値の変化(Δb値)が0.4以下となことを特徴とするダニアレルゲン処理剤。
(2) ダニアレルゲン処理剤がエタノール又は界面活性剤を含有し、表面張力が50mN/cm以下である上記(1)に記載のダニアレルゲン処理剤。
(3) 動的光散乱法により測定した平均粒子径が50〜3000nm、電気泳動光散乱法により測定したゼータ電位の絶対値が30mV以上、および粉末X線回析法により求められた純度が90%以上である、ベントナイト、モンモリロナイト、サポナイトから選ばれる水膨潤性粘土鉱物、さらにエタノール又は界面活性剤を含有し、表面張力が50mN/cm以下である水溶液若しくは水分散液からなるカーペット用ダニアレルゲン処理剤であって、前記水溶液若しくは水分散液に、5cm×5cmの無蛍光綿金巾布を、20℃、10分間浸漬後、乾燥させた布を50℃恒温槽中で保存した場合に、ハンターLab表色系のb値において初期b値と1ヵ月後のb値の変化(Δb値)が0.4以下となることを特徴とするカーペット用ダニアレルゲン処理剤。
(4) 上記(3)記載のカーペット用ダニアレルゲン処理剤をトリガースプレー容器に収納してなることを特徴とする噴霧型のカーペット用ダニアレルゲン処理剤。
(5) 上記(1)又は(2)に記載のダニアレルゲン処理剤を対象物に噴霧、若しくは、一定空間内に揮散、または、布や不織布、紙、スポンジにしみこませ、対象物を拭く使用形態のいずれか一種類以上の使用方法により、ダニアレルゲンを処理することを特徴とするダニアレルゲン不活性化方法。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について詳しく説明する。
本発明のハウスダスト処理剤は、第1発明としてポリビニルアルコールを含有する溶液からなることを特徴とするものであり、また、第2発明として水膨潤性粘土鉱物及び/又は植物抽出物を含有する水溶液若しくは水分散液に、5cm×5cmの無蛍光綿金巾布を20℃、10分間浸漬後、乾燥させた布を50℃恒温槽中で保存した場合に、ハンターLab表色系のb値において初期b値と1ヵ月後のb値の変化(Δb値)が0.4以下となる水溶液又は水分散液からなることを特徴とするものである。
また、本発明のハウスダスト不活性化方法は、上記第1発明又は第2発明のハウスダスト処理剤を対象物に噴霧、若しくは、一定空間内に揮散、または、布や不織布、スポンジなどの掃除用具を用いて対象物を拭く使用形態のいずれか一種類以上の使用方法により、ハウスダストを処理することを特徴とするものである。
【0011】
本発明で用いるポリビニルアルコール(以下、「PVA」と略す)の重合度は特に限定されないが、好ましくは、200〜30000であり、300〜4000であればさらに好適である。重合度が200未満であると、十分なアレルゲン不活性化効果を発揮できないことがあり、また、重合度が30000を越えるものでは、溶液の粘度上昇や、配合が難しくなることがある。
また、本発明で用いるPVAのけん化度は、特に限定されないが、好ましくは60〜99.9モル%であり、更に好ましくは70〜99.5モル%であることが望ましい。けん化度が60モル%未満の場合、水への溶解性が低下することが懸念される。
【0012】
本発明に用いるPVAの濃度は、特に限定されないが、好ましくは、0.0001〜20質量%(以下、単に「%」と表記する)、更に好ましくは、0.001〜10%であれば好適である。PVAの濃度が0.0001%未満である場合、十分な効果が期待できず、また、20%を越えると、噴霧後の対象物の風合いに影響を及ぼすことが懸念される。
【0013】
本発明で用いる水膨潤性粘土鉱物は、特に限定されないが、動的光散乱法により測定した平均粒子経が、好ましくは、1〜5000nm、更に好ましくは50〜3000nmの範囲であるものが望ましい。
上記粘土鉱物の平均粒子経が5000nmを越えるものであると、粘土鉱物単位重量あたりの表面積が小さく微細なハウスダストとの有効接触面積が小さくなってしまい、さらに水溶液にした場合に分散しにくく沈殿しやすくなる。
また、電気泳動光散乱法により測定したゼータ電位の絶対値が30mV以上であり、更に、粉末X線回折法により求められた純度が90%以上であることが好ましい。
ゼータ電位の絶対値が30mV未満であると、粘土粒子が凝縮しやすくなり、製剤中で凝集物の沈殿が生じたりして分散安定化が低下することとなる。
【0014】
また、本発明で用いる水膨潤性粘土鉱物は、一般に、粘土鉱物、特に天然から採取したものには、カルサイト、トリジマイト、クリストパライト、石英、各種無機物などの非膨潤性の夾雑物が含まれているため、純度が90%以下ではこれらの夾雑物の影響で上記効果が不充分となることがある。
本発明で配合する水膨潤性粘土鉱物の具体例としては、例えば、天然または合成スメクタイト粘土が好ましく、ベントナイト、モンモリロナイト、パイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スチーブンサイトなどが挙げられ、膨潤性の雲母なども使用できる。これらの中ではベントナイト、モンモリナイト、サポナイトが好ましい。
【0015】
本発明で用いる植物抽出物としては、例えば、柿(実、葉、木)抽出物の他、イチョウ、カシワ、シイ、ヌルデ、カシ、ナラ、マツ、モミ、ツバキ、ヒノキ、ヒイラギ、モクセイ、ライラック、キリ、レンギョウ、クスノキ、ヒバ、竹、くま笹、シダ、アロエ、イラクサ、またたび、よもぎ、ホップ(葉、実)、南天、クチナシ実、クコ、茶、コーヒー、シソ、ローズマリー、セージ、オレガノ、タイム、カカオ、クローブ、シナモン、ルイボスティー、グアバ葉、ユーカリ、ペパーミント、小豆、ザクロ、クワ(樹皮、枝)、ビワ(葉、実)、ニンジン、キビなどの抽出物が挙げられ、特に、柿抽出物はハウスダスト処理剤の更なる有効成分として望ましい。
この柿抽出物としては、例えば、カキノキDiospyros kaki Thunberg(Ebenaceae)の果実より得られた柿抽出物で未熟果実の圧搾汁自体、または該搾汁液から糖分を除去した無糖搾汁液、またはこれらの脱水濃縮物に酸化防止剤、pH緩衝剤、キレート剤などの製剤用補助剤を添加してなる基剤が挙げられる。
また、この柿抽出液などの植物抽出物に、無機塩、多糖類、アミノ酸、有機物を必要に応じて加えてもよい。これらの添加成分により脱・消臭基剤の変色や、被処理物に処理した後の黄変、褐変を防止することができる。また、柿抽出物の精製度を高めることにより褐変を低下することも可能である。
【0016】
本発明において、上記水膨潤性粘土鉱物及び/又は植物抽出物を含有する水溶液若しくは水分散液からなるハウスダスト処理剤では、この水溶液若しくは水分散液に、5cm×5cmの無蛍光綿金巾布を20℃、10分間に含浸させた後、該乾燥させた布を50℃恒温槽中で保存した場合に、ハンターLab表色系のb値において初期b値と1ヵ月後のb値の変化(Δb値)が0.4以下になることが必要である。
このΔb値が0.4を越えるようなハウスダスト処理剤では、このハウスダスト処理剤をカーペットや衣類などに使用した場合、経日で対象物の着色や変色を起こしやすく、品質上、好ましくないものとなる。
【0017】
本発明のハウスダスト処理剤において、前記水膨潤性粘土鉱物の配合量は、処理剤全量に対して、好ましくは、0.001〜10%、その効果を十分に発揮させる点から、0.01〜1%が更に好ましい。この配合量が10%を超えると、分散安定性が悪くなりやすく、0.001%未満では、十分なアレルゲン不活性化効果が得られない可能性がある。
また、植物抽出物の配合量は、処理剤全量に対して、好ましくは、0.001〜20%、その効果を発揮させる点から、0.01〜10%が更に好ましい。植物抽出物の配合量が0.001%未満であると、十分な効果が期待できず、また、20%を超えると、噴霧後の対象物の風合に影響を及ぼすことが懸念される。
【0018】
本発明のハウスダスト処理剤において、ポリビニルアルコールを含有する溶液、若しくは、水膨潤性粘土鉱物及び/又は植物抽出物を含有する水溶液または水分散液の表面張力(20℃)は、75mN/cm以下であることが好ましく、更に好ましくは、50mN/cm以下であれば好適であるが、これに限定されるものではない。
表面張力を低下させる手段としては、水の表面張力を低下させることができれば特に規定しないが、溶媒としてはエタノールが挙げられ、水溶液の場合の溶質としては、界面活性剤等を添加する手段を挙げることができる。このような水溶液を用いることにより繊維製品に処理した場合のハウスダストの不活性化作用を格段に高めることができる。
また、本発明のハウスダスト処理剤のpHは、特に限定されないが、pHは4.0〜10.0のものが好ましい。
【0019】
本発明のハウスダスト処理剤には、上記第1発明、第2発明の有効成分の他に、本発明の効果を損なわない範囲で、通常製剤に用いられる配合剤、例えば、香料・精油成分、界面活性剤、油分、アルコール類、保湿剤、増粘剤、防腐剤、酸化防止剤、キレート剤、pH調整剤、色素、紫外線吸収・散乱剤、ビタミン類、アミノ酸類、生薬、植物エキス、消臭剤、抗菌抗カビ剤、除菌剤、洗浄剤、殺ダニ剤、ダニ忌避剤等の任意成分を配合することができる。なお、これらの任意成分は、これらに限定されることがないのはもちろんである。
【0020】
本発明のハウスダスト処理剤の対象となる製品は、雑貨、化粧品、医薬部外品、医薬品のいずれでもよく、また、身体、住居、車、ペット、繊維製品、空間、家具など住環境のあらゆる場面で使用できる。
ハウスダスト処理剤の使用形態としては、特に限定されるものでないが、ハウスダスト処理剤を対象物に噴霧、若しくは、一定空間内に揮散、または、布や不織布、スポンジ等の掃除用具を用いて対象物を拭く使用形態のいずれか一種類以上の使用方法により、ハウスダストを処理することによりハウスダストの不活性化を発揮せしめることができる。
具体的には、上記ハウスダスト処理剤をエアゾール、ディスペンサー容器に詰めたスプレー剤、上記ハウスダスト処理剤を不織布、紙、織物、布製品、シート、綿棒にしみこませた剤、モップなどの掃除用具に染み込ませた剤、ゲル、柔軟剤、消臭剤、抗菌・抗カビ剤、お掃除液、殺虫剤、ダニ忌避剤、殺ダニ剤、除湿剤、空中散布剤、芳香剤に配合したもの等が挙げられる。
【0021】
このように構成される本発明では、ハウスダスト中のアレルゲンを有効に不活性化させると共に、繊維製品などの被処理物を変色させることが少なく、繊維製品中のアレルゲンに作用しやすいハウスダスト処理剤及びハウスダスト不活性化方法が実現できることとなる。
【0022】
【実施例】
次に、実施例及び比較例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。
【0023】
〔実施例1〜5及び比較例4〕
ハウスダスト処理剤として、実施例1〜5では下記表1に示す特性のPVA、比較例1〜4では下記表1に示すエチレングリコール、グリセリン、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルピロリドンを用いた。
なお、PVAは、実施例1〜4では株式会社クラレ製の各品番のポバール、実施例5では試薬(関東化学(株)製)を用いた。
これらのハウスダスト処理剤について、下記方法により試験管内でのハウスダスト中のアレルゲン不活化効果を評価した。これらの結果を下記表1に示す。
【0024】
〔ハウスダストの不活性化効果の評価法〕
家庭の電気掃除機より採取したハウスダスト(100メッシュパス品)0.2gに下記表1の水溶液20gを加え、20℃で1時間放置した後、抗Derf−1モノクローナル抗体及びHRP結合抗Derf−1モノクローナル抗体を用いたサンドイッチ法により、ELISAを行ってアレルゲン活性を測定し、下記判定基準により評価した。
Figure 0004822580
【0025】
【表1】
Figure 0004822580
【0026】
上記表1の結果から明らかなように、本発明範囲となる実施例1〜5は、本発明の範囲外となる比較例1〜4に較べて、ハウスダスト不活性化効果に優れていることが判明した。
【0027】
〔実施例6〜9及び比較例5〜11〕
実施例6〜9、比較例5〜11について、ベントナイト、モンモリロナイト、サポナイトは0.5%水分散液とし、柿抽出物、没食子酸、局方タンニン酸は2%水溶液として使用し、上記試験管内でのハウスダストの不活性化効果の評価法と同様にしてアレルゲン不活化効果を評価した。
また、下記評価法によりΔb値を測定した。なお、柿抽出物としては、リリース科学社製パンシルCOS−6を使用した。これらの結果と、実施例6〜8、比較例5〜7の各水膨潤性粘土鉱物の平均粒径(nm)、ゼータ電位絶対値(mv)、純度(%)、水膨潤性(○:膨潤性が十分、×:膨潤性が不充分)の測定値を下記表2に示す。
【0028】
〔Δb値の測定方法〕
Δb値は、JISLの染色堅牢度試験に用いる綿金巾添付白布5cm×5cm5枚をサンプル液100mlに20℃、10分浸漬したものを、ロ紙に挟んで低温でアイロンをかけてしわを伸ばし、20℃の恒温槽内に1日コンディショニングした後、5枚の布を重ねて測定し、ハンターLab系のb値を測定した。この布を50℃の恒温槽で1ヵ月保管した後、再度b値を測定し、その差をΔb値として下記判定基準で評価した。
Figure 0004822580
【0029】
【表2】
Figure 0004822580
【0030】
上記表2の結果から明かなように、本発明範囲となる実施例6〜9は、本発明の範囲外となる比較例5〜11に較べて、ハウスダスト不活性化効果が優れており、かつΔb値が低く良好であることが判明した。
【0031】
〔実施例10〜19及び比較例12〜16〕
下記表3(実施例10〜19、比較例12〜16)の組成に従い、液の表面張力を低下させるため界面活性剤またはエタノールを添加したハウスダスト処理剤を作製し、これらについて上記評価法によりΔb値を、また、下記評価法により、表面張力低下能を評価すると共に、ハウスダストを播いたカーペットにスプレーした場合のハウスダスト不活性化効果とカーペットの変色の有無を評価した。
なお、PVAとしては関東化学(株)製、けん化度80%、重合度2000のものを、柿抽出物としてはリリース科学社製パンシルCOS−6を、界面活性剤としてはポリオキシエチレン2級アルキルエーテル(エチレンオキサイド平均付加モル数:9モル)を使用した。
これらの結果を下記表3に示す。
【0032】
〔表面張力、表面張力低下能〕
デュヌーイの表面張力計により20℃における試料の表面張力を測定した。また、以下の判定基準により表面張力低下能を判定した。
Figure 0004822580
【0033】
〔カーペット上のハウスダスト不活性化効果〕
クリーム色アクリル製タフデットカットのカーペット(50cm×50cm)上に、家庭の電気掃除機より採取したハウスダスト(100メッシュパス品)0.2gを均一に振りまき、下記表3に示す各サンプル液をトリガースプレー容器に入れて20gスプレーした後、室温で2日間乾燥させ、540W電気掃除機で吸引して回収し、10gりん酸緩衝液で抽出後、ハウスダストの抗原量を上記評価法と同様の判定基準で評価した。
【0034】
〔カーペットの変色の評価法〕
上記処理後のカーペットを室温で6ヵ月放置した後カーペットの変色の有無を下記評価基準で目視評価した。
Figure 0004822580
【0035】
【表3】
Figure 0004822580
【0036】
上記表3の結果から、本発明範囲となる実施例10〜19のPVA、水膨潤性粘土鉱物、植物抽出物は繊維製品上でもハウスダスト不活化効果があることが確認できた。また、表面張力を50mN/cm以下に低下した実施例10〜12、14、15、17、18などは、更に不活性化作用が高まっていることが判明した。
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、ハウスダスト中のダニアレルゲンを有効に不活性化させるとともに、繊維製品などの被処理物を変色させることが少なく、繊維製品中のダニアレルゲンに作用しやすいダニアレルゲン処理剤及びダニアレルゲン不活性化方法が提供される。
更にダニアレルゲン処理剤の表面張力を、特に表面張力を50mN/cm以下とした水溶液を用いると、更に繊維製品に処理した場合のダニアレルゲンの不活性化作用を格段に高めることができる。

Claims (5)

  1. 動的光散乱法により測定した平均粒子径が50〜3000nm、電気泳動光散乱法により測定したゼータ電位の絶対値が30mV以上、および粉末X線回析法により求められた純度が90%以上である、ベントナイト、モンモリロナイト、サポナイトから選ばれる水膨潤性粘土鉱物を含有する水溶液若しくは水分散液からなるダニアレルゲン処理剤であって、前記水溶液若しくは水分散液に、5cm×5cmの無蛍光綿金巾布を、20℃、10分間浸漬後、乾燥させた布を50℃恒温槽中で保存した場合に、ハンターLab表色系のb値において初期b値と1ヵ月後のb値の変化(Δb値)が0.4以下となことを特徴とするダニアレルゲン処理剤。
  2. ダニアレルゲン処理剤がエタノール又は界面活性剤を含有し、表面張力が50mN/cm以下である請求項1に記載のダニアレルゲン処理剤。
  3. 動的光散乱法により測定した平均粒子径が50〜3000nm、電気泳動光散乱法により測定したゼータ電位の絶対値が30mV以上、および粉末X線回析法により求められた純度が90%以上である、ベントナイト、モンモリロナイト、サポナイトから選ばれる水膨潤性粘土鉱物、さらにエタノール又は界面活性剤を含有し、表面張力が50mN/cm以下である水溶液若しくは水分散液からなるカーペット用ダニアレルゲン処理剤であって、前記水溶液若しくは水分散液に、5cm×5cmの無蛍光綿金巾布を、20℃、10分間浸漬後、乾燥させた布を50℃恒温槽中で保存した場合に、ハンターLab表色系のb値において初期b値と1ヵ月後のb値の変化(Δb値)が0.4以下となることを特徴とするカーペット用ダニアレルゲン処理剤。
  4. 請求項3記載のカーペット用ダニアレルゲン処理剤をトリガースプレー容器に収納してなることを特徴とする噴霧型のカーペット用ダニアレルゲン処理剤。
  5. 請求項1又は2に記載のダニアレルゲン処理剤を対象物に噴霧、若しくは、一定空間内に揮散、または、布や不織布、紙、スポンジにしみこませ、対象物を拭く使用形態のいずれか一種類以上の使用方法により、ダニアレルゲンを処理することを特徴とするダニアレルゲン不活性化方法。
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