JP4819147B2 - 水中軸受 - Google Patents

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Description

本発明は、ポンプの主軸を支持するための水中軸受に関する。
水中軸受とポンプの主軸との間の隙間に圧縮空気を供給してポンプケーシング内に流出させることで、水中軸受の摩耗や破損を診断することが知られている。例えば、特許文献1には、供給される空気流量と、空気供給圧とポンプの吐出圧との差圧に基づいて水中軸受の摩耗等を診断することが開示されている。また、特許文献2には、圧力タンク内の空気を水中軸受と主軸の隙間に供給し、圧力タンク内の圧力低下に要する時間から水中軸受の摩耗等を診断することが開示されている。さらに、非特許文献1には、空気が供給される水中軸受と主軸の隙間の上流にオリフィスを設け、空気マイクロメータの原理を利用して水中軸受の摩耗等を診断することが開示されている。
水中軸受が樹脂軸受等である場合、軸受孔の孔周壁に軸線方向に一端から他端まで貫通する複数の溝が周方向に間隔を開けて設けられている。これらの溝は主軸との摩擦低減によってポンプの気中運転時の軸受温度の上昇とそれに起因する焼き付け防止を目的としている。しかし、樹脂軸受と主軸の隙間に供給された診断用の圧縮空気は、これら軸線方向に貫通する複数の溝を通って抜け出てしまい、孔周壁の溝を設けていない部分(ランド部)と主軸の外周面と間を通過する圧縮空気の流量が著しく少なくなる現象(吹き抜け現象)が生じる。この吹き抜け現象のため、樹脂軸受のように軸受孔の孔周壁に溝を設けた水中軸受の場合、ポンプの主軸との間の隙間に空気することで高精度で摩耗や破損を診断することが困難である。
特許第3933586号明細書 特開2009−074530号公報
兼森、外1名、「ポンプ水中軸受外部診断装置の開発」、とりしまレビュー、株式会社酉島製作所、平成21年3月10日、通巻第22号
本発明は、ポンプの気中運転時の軸受温度の上昇を防止しつつ、ポンプの主軸との間の隙間に圧縮空気を供給することで摩耗や破損を高精度で診断可能とした水中軸受を提供することを課題とする。
本発明は、ポンプのケーシング内に配置されてポンプの主軸を支持する水中軸受であって、前記主軸を貫通する軸受孔を備える軸受体と、前記軸受体を前記ケーシングに保持すると共に、前記軸受体の前記軸受孔の孔周壁と前記主軸との間の隙間に診断用の空気を供給するための供給ポートが形成された保持体とを備え、前記軸受孔の前記孔周壁には、前記軸受孔の前記主軸の軸線方向に部分的に形成され、かつ前記主軸の周方向に互いに間隔を開けて配置された複数の第1の溝と、前記複数の第1の溝と隣接するように前記軸受孔の前記主軸の軸線方向に部分的に形成され、かつ前記主軸の周方向に互いに間隔を開けて配置された複数の第2の溝とが形成され、前記第1の溝と前記第2の溝は、前記主軸の軸線回りの回転角度位置を異ならせて互いに非連通としている、水中軸受を提供する。
第1及び第2の溝はいずれも軸受孔の主軸の軸線方向に部分的に形成されている。また、第1及び第2の溝は主軸の軸線回りの回転角度位置を異ならせて互いに非連通としている。そのため、保持体に形成された供給ポートから診断用の圧縮空気が第1及び第2溝を通って抜け出てしまい、孔周壁の第1の溝や第2の溝を設けていない部分(ランド部)と主軸の外周面と間を通過する圧縮空気の流量が著しく少なくなる現象(吹き抜け現象)は生じない。この吹き抜け現象の防止により、水中軸受の軸受体の摩耗や破損を高精度で診断できる。また、軸受体の孔周壁に第1及び第2の溝を設けたことにより、主軸との摩擦低減によってポンプの気中運転時の軸受温度の上昇とそれに起因する焼き付け防止できる。
具体的には、前記軸受体は、前記孔周壁に前記第1の溝が形成された第1の部材と、前記孔周壁に前記第2の溝が形成された第2の部材とを備える。
この場合、前記第1の部材は前記第2の部材よりも前記主軸の軸線方向で前記保持体の外部側に位置し、前記第1の部材は前記第2の部材よりも耐摩耗性が高い材料からなり、前記第2の部材は第1の部材よりも摺動特性が良好な材料からなることが好ましい。
この構成により、軸受体の耐摩耗性と摺動特性の良好について良好な特性が得られる。
代案としては、前記軸受体は前記第1及び第2の溝が形成された単一の部材からなる。
前記軸受体の少なくとも一方の端部に配置された環状部をさらに備えてもよい。
この構成により、より効果的に吹き抜け現象を防止できる。
本発明の水中軸受は、軸受体の軸受孔の孔周壁にいずれも主軸の軸線方向に部分的に形成され、かつ主軸の軸線回りの回転角度位置を異ならせて互いに非連通とした第1及び第2の溝を備えるので、ポンプの気中運転時の軸受温度の上昇を防止しつつ、ポンプの主軸との間の隙間に圧縮空気を供給することで摩耗や破損を高精度で診断できる。
本発明の実施形態である水中軸受を備える先行待機型立軸ポンプを示す縦断面図。 図1の部分IIの模式的な部分拡大図。 本発明の第1実施形態の水中軸受の断面図。 本発明の第1実施形態の水中軸受のシェルと摺動体を軸線方向(上方)から見た図。 図4のV−V線での断面図。 軸受体における溝の配置を説明するための図。 本発明の第2実施形態の水中軸受の断面図。 本発明の第3実施形態の水中軸受の断面図。
次に、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の実施形態にかかる無注水水中軸受(以下、単に水中軸受という)を備える先行待機型立軸ポンプ(以下、単に立軸ポンプという)2を示す。
立軸ポンプ2は、図示しない流入側管路から排水ポンプ場の吸水槽3内に流入する雨水等の水を下流側に排水するためのものであり、鉛直方向に延びるケーシング4を備えている。ケーシング4は、直管状の揚水管4a,4b、揚水管4bの下端に連結されたインペラケーシング4c,4d、インペラケーシング4dの下端に連結された吸込ベル4e、揚水管4aの上端に連結されて鉛直方向から水平方向に湾曲した吐出ケーシング4fを備える。吐出ケーシング4fには、仕切弁5を設けた吐出管6が連結されている。インペラケーシング4d内にインペラ7が配設されている。
インペラ7が下端に固定されている主軸8は、鉛直方向に延びてケーシング4の外部に突出している。9は主軸8のスラスト軸受、10は軸封装置である。主軸8の上端側はモータ又は内燃機関、減速機構等からなるポンプ駆動機構(図示せず)に連結されている。
図1において、13A,13B,13Cはポンプ2のケーシング4内に配置されて主軸8のラジアル軸受として機能する水中軸受である。個々の水中軸受13A〜13Cには診断装置101の空気注入配管102A,102B,102Cの一端が接続されている。診断装置101は、コンプレッサ103から、エアタンク104、レギュレータ105、圧縮空気の供給圧力を測定する圧力計106、オリフィス107、及び流量計108等を介して空気注入配管102A,102B,102Cの他端に接続された供給配管109を備える。供給配管109から分岐した分岐管路110は吐出ケーシング4f内に接続されている。この分岐管路110には差圧計111が設けられている。
診断装置101が備える制御装置112は、コンプレッサ103で生成してエアタンク104に貯めた圧縮空気を供給配管109から空気注入配管102A〜102Cを介して水中軸受13A〜13C(より詳しくは後述する軸受体41A,41B)と主軸8の外周面との隙間に供給することで、水中軸受13A〜13C(軸受体41A,41B)の摩耗や破損を診断する。例えば、制御装置111は以下の方法で水中軸受13A〜13Cの摩耗等を診断できる。まず、特許文献1に記載されているように、水中軸受13A〜13Cと主軸8の隙間に供給される圧縮空気の流量(流量計108で測定される)と、圧縮空気の供給圧とポンプ2の吐出圧との差圧(差圧計111で測定される)に基づいて水中軸受13A〜13Cの摩耗等を診断できる。また、特許文献2に記載されているように、エアタンク104内の圧縮空気を水中軸受13A〜13Cと主軸8の隙間に供給し、エアタンク104内の圧力低下に要する時間から水中軸受13A〜13Cの摩耗等を診断できる。さらに、非特許文献1に記載されているように、エアタンク104内の圧縮空気を水中軸受13A〜13Cと主軸8の隙間に供給し、オリフィス107の前後の圧縮空気の圧力を測定することで、空気マイクロメータの原理を利用して水中軸受13A〜13Cの摩耗等を診断できる。
3個の水中軸受13A〜13Cは同様の構造を有するので、以下、水中軸受13Aについて説明する。図2から図5を参照すると、軸受13Aは両端開口の筒状の軸受ホルダ31を備える。この軸受ホルダ31の上端には外向きに突出するフランジ部31aが設けられている。このフランジ部31aがケーシング4(揚水管4b)の内面から突出するリブ32にボルト33で固定されている。また、軸受ホルダ31の上端には両端開口の押さえ部材34がボルト35により固定されている。軸受ホルダ31内には両端開口のシェル36が収容されている。シェル36はボルト37により軸受ホルダ31内に対して固定されている。シェル36の外面には上下一対の段部36a,36bが形成されている。これらの段部36a,36に配置されたクッションリング38とパッキン39が、シェル36と軸受ホルダ31及び押さえ部材34との間にそれぞれ介在している。軸受ホルダ31とシェル36には、それぞれ貫通孔からなる供給ポート31b,36cが設けられている。これらの供給ポート31b,36cは対向して設けられており、互いに連通している。空気供給配管102Aの一端が軸受ホルダ31の供給ポート31bに接続されている。軸受ホルダ31、蓋部材34、及びシェル36は本発明における保持体を構成する。
シェル36内には上下方向に配置された2個の軸受体41A,41Bが収容されている。シェル36内に2個の軸受体41A,41Bの間には、空気供給空間42が設けられている。この空気供給空間42は供給ポート36cと連通している。
下側の軸受体41Bは、その姿勢が天地逆となっている点を除いて。上側の軸受体41Aと同一構造である。以下、上側の軸受体41Aについて詳細に説明する。軸受体41Aは、いずれも両端開口の一体構造の筒状体である内側軸受部品(第2の部品)43Aと外側軸受部品(第1の部品)43Bとを備える。内側軸受部品43Aはシェル36内の主軸8の軸線L方向で内側(空気供給空間42側)に配置され、外側軸受部品43Bはシェル36内の主軸8の軸線L方向で外側(シェル36の開口側)に配置されている。内側軸受部品43Aの上端面と外側軸受部品43Bの下端面とが互いに密接している。内側軸受部品43Aと外側軸受部品43Bの貫通孔は同軸に配置されており、軸受孔44を構成する。
内側軸受部品43Aと外側軸受部品43Bの材質は、PBI(ポリベンゾイミダゾール)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)等の樹脂が好ましいが、必要な摺動性や耐摩耗性が確保できる限り、ゴム等の他の材料であってもよい。
内側軸受部品43Aの内周壁面(軸受孔44の孔周壁)には、主軸8の軸線L方向に貫通する一定幅の複数の溝45が周方向に一定の間隔をあけて形成されている。つまり、内側軸受部品43Aの内周壁面には、溝45と溝45がない部分(ランド部46)が交互に配置されている。内側軸受部品43の溝45は、主軸8の軸線L方向の内側の端部が空気供給空間42に連通し、主軸8の軸線L方向の外側の端部が外側軸受部品43の下端面に達している。軸受体41A全体としてみると、複数の溝45は、軸受体41Aの孔周壁44の図において上端から主軸8の軸線L方向で内側に向けて部分的にも設けられた同一長さの溝である。
同様に、外側軸受部品43Bの内周壁面(軸受孔44の孔周壁)には、主軸8の軸線L方向に貫通する複数の溝45’が周方向に一定の間隔をあけて形成されている。つまり、外側軸受部品43Bの内周壁面にも、溝45’と溝45’がない部分(ランド部46’)が交互に配置されている。外側軸受部品43Bの溝45’は、主軸8の軸線L方向の内側の端部が内側軸受部品43Aの上端面に達し、主軸8の軸線L方向の外側の端部がシェル36の外側に開口している。外側軸受部品43Bの溝45’の幅は概ね一定であるが主軸8の軸線L方向の最も外側の部分は円弧状に形成されている。軸受体41A全体としてみると、複数の溝45’は、軸受体41Aの孔周壁44の図において下端から主軸8の軸線L方向で内側に向けて部分的に設けられた長さ同一の溝である。
前述のように内側軸受部品43Aの上端面と外側軸受部品43Bの下端面とが互いに密接しており、内側軸受部品43Aの溝45と外側軸受部品43Bの溝45’は主軸8の軸線L方向に互いに隣接している。しかし、図6に最も明瞭に示すように、内側軸受部品43Aの溝45と外側軸受部品43Bの溝45’とは主軸8の軸線L回りの回転角度位置を異ならせて千鳥状に配置することで、互いに非連通としている。具体的には、内側軸受部品43Aの1個の溝45と主軸8の軸線L方向に対向しているのは、外側軸受部品43Bの溝45ではなくランド部45’である。また、外側軸受部品43Bの1個の溝45’と主軸8の軸線L方向に対向しているのは、内側軸受部品43Aの溝45ではなくランド部46である。図6では理解を容易にするために、溝45,45’にハッチングを付している。
図2に示すように、主軸8はシェル36の軸受体41A,41Bの軸受孔44を貫通しており、主軸8のスリーブ47を取り付けた部分が軸受体41A,41Bの軸受孔44の孔周壁と隙間30を隔てて対向している。また、蓋部材34の上方には、主軸8と軸受体41A,41Bの軸受孔44の孔周壁との隙間30に塵等が進入するのを防止する防塵カバー51が配置されている。この防塵カバー51は主軸8に固定されており、主軸8と共に回転する。
ポンプ2が通常の揚水運転中、ケーシング4内、水中軸受13Aの軸受体41A,41Bの軸受孔44の孔周壁と主軸8との隙間30、及び防塵カバー47の内部はいずれも水が充満している。この通常の揚水運転中に診断装置101により空気供給配管102Aから圧縮空気が供給される。空気供給配管102Aからの圧縮空気は、供給ポート31b,36cを介して介してシェル36内の空気供給空間42に進入し、この空気供給空間42から上下の軸受体41A,41Bの軸受孔44の孔周壁と主軸8との隙間30を通ってケーシング4内に流出する(図2の矢印参照)。この際、軸受体41A,41Bのいずれについても内側軸受部品43Aと外側軸受部品43Bの溝45,45’は主軸8の軸線L回りの回転角度位置を異ならせて互いに非連通としているので、主軸8の軸線L方向に沿って直線的に流れるのではなく、図3に矢印Aで示すように蛇行及び分岐しつつ流れる。その結果、診断用の圧縮空気が溝45,45’を通って抜け出てしまい、ランド部46,46’と主軸8の外周面と間を通過する圧縮空気の流量が著しく少なくなる現象(吹き抜け現象)は生じない。この吹き抜け現象の防止により、水中軸受13Aの軸受体41A,41Bの摩耗や破損を高精度で診断できる。
また、軸受体41A,41Bのいずれについても、内側軸受部品43A及び外側軸受部品43Bの孔周壁に溝45,45’を設けたことにより、主軸8との摩擦低減によってポンプ2の気中運転時の水中軸受13Aの温度の上昇とそれに起因する焼き付け防止できる。
軸受体41A,41Bの内側軸受部品43Aと外側軸受部品43Bの材質は同一である必要はない。軸受体41A,41Bの摩耗性に対する影響は内側軸受部品43Aより外側軸受部品43Bの方が大きいので、外側軸受部品43Bは内側軸受部品43Aよりも耐摩耗性が高い材料からなることが好ましい。逆に、軸受体41A,41Bの摺動性に対する影響は外側軸受部品43Bよりも内側摺動部品43Aの方が大きいので、内側軸受部品43Bは外側軸受部品43Bより摺動性の良好な材料からなることが好ましい。内側軸受部品43Aと外側軸受部品43BがPBI、PEEK等の樹脂製である場合、カーボングラファィト、ボロン等の添加物の量を調整することで、内側軸受部品43Aは摺動性は良好であるが耐摩耗性は比較的高くない材質とし、外側軸受部品43Bは耐摩耗性は高いが摺動性は比較的良好ではない材質とできる。
図4を参照すると、軸受ホルダ31とシェル36の供給ポート31b,36cの孔径は、内視鏡を通過させて内側軸受部品43Aの軸受孔44の孔周壁を観察できるように設定することが好ましい。溝45の初期の深さSは加工寸法として既知である。内側軸受部品43Aの軸受孔44の孔周壁が主軸8の外周面と摩擦により摩耗すると深さSが減少する。従って、内視鏡を利用して溝45の深さSを測定することで、軸受孔44の孔周壁と主軸8の外周面との間の隙間30の距離Cを間接的に測定できる。
(第2実施形態)
図7に示す本発明の第2実施形態では、軸受体41A,41Bはいずれも単一の両端開口の一体構造の筒状体からなる。軸受体41A,41Bの軸受孔44の孔周壁には、主軸8の軸線L方向でシェル36の内側の位置に複数の溝45が周方向に間隔をあけて形成されている。隣接する溝45間にはランド部46が存在する。また、これらの溝45と主軸8の軸線L方向でシェル36の外側の位置に隣接して複数の溝45’が周方向に間隔をあけて形成されている。隣接する溝45’間にはランド部46’が存在する。内側の溝45と外側の溝45’とは主軸8の軸線L回りの回転角度位置を異ならせて千鳥状に配置することで、互いに非連通としている。
ポンプ2が通常の揚水運転中、診断装置101により供給されて供給ポート36cから空気供給空間42に進入した圧縮空気は、上下の軸受体41A,41Bの軸受孔44の孔周壁と主軸8との隙間30を通ってケーシング4内に流出する。この際、軸受体41A,41Bのいずれについても溝45,45’は主軸8の軸線L回りの回転角度位置を異ならせて互いに非連通としているので、診断用の圧縮空気が溝45,45’を通って抜け出てしまい、ランド部46,46’と主軸8の外周面と間を通過する圧縮空気の流量が著しく少なくなる吹き抜け現象は生じない。この吹き抜け現象の防止により、軸受体41A,41Bの摩耗や破損を高精度で診断できる。また、軸受体41A,41Bの孔周壁に溝45,45’を設けたことにより、主軸8との摩擦低減によってポンプ2の気中運転時の水中軸受13Aの温度の上昇とそれに起因する焼き付け防止できる。
第2実施形態のその他の構成及び作用は第1実施形態と同様であるので、同一の要素には同一の符号を付して説明を省略する。
(第3実施形態)
図8に示す本発明の第3実施形態では、軸受体41A,41Bのいずれについても、外側軸受部品43Bのさらに外側(シェル36の両端)に円環状板48A,48Bが配置されている。円環状板48A,48Bはボルト49でシェル36に固定されている。円環状板48A,48Bの内径D1はランド部46’の部分(溝45’がない部分)での外側軸受部品43Bの軸受孔44の孔径D2と同一に設定されている。これらの円環状部48A,48Bは外側の溝45’から軸受体41A,41Bの外部に圧縮空気が流出する際に流体抵抗となる。つまり、円環状部48A,48Bは、軸受体41A,41Bの軸受孔44の孔周壁と主軸8との隙間30での圧縮空気の滞在時間を延ばす機能を有する。従って、円環状部48A,48Bを設けることにより、より確実に吹き抜け現象を防止できる。円環状板48A,48Bのうちの一方のみを設けても圧縮空気の滞在時間を延ばす効果がある程度得られる。また、内側と外側の溝45,45’を千鳥状に配置させずに互いに連通させた場合でも、円環状部48A,48Bを設けることで、吹き抜け現象を防止する効果がある程度は得られる。
第3実施形態のその他の構成及び作用は第1実施形態と同様であるので、同一の要素には同一の符号を付して説明を省略する。
先行待機型立軸ポンプの水中軸受を例に本発明を説明したが、本発明は横軸ポンプを含むの他の形式のポンプの水中軸受にも適用できる。
2 先行待機型立軸ポンプ
3 吸水槽
4 ケーシング
4a,4b 揚水管
4c,4d インペラケーシング
4e 吸込ベル
4f 吐出ケーシング
5 仕切弁
6 吐出管
7 インペラ
8 主軸
9 スラスト軸受
10 軸封装置
13A,13B,13C 水中軸受
30 隙間
31 軸受ホルダ
31a フランジ部
31b 供給ポート
32 リブ
33 ボルト
34 押さえ部材
35 ボルト
36 シェル
36a,36b 段部
36c 供給ポート
37 ボルト
38 クッションリング
39 パッキン
41A,41B 軸受体
42 空気供給空間
43A 内側軸受部品
43B 外側軸受部品
44 軸受孔
45,45’ 溝
46,46’ ランド部
47 スリーブ
48A,48B 円環状板
101 診断装置
102A,102B,102C 空気供給配管
103 コンプレッサ
104 エアタンク
105 レギュレータ
106 圧力計
107 オリフィス
108 流量計
109 供給配管
110 分岐管路
111 差圧計
112 制御装置

Claims (5)

  1. ポンプのケーシング内に配置されてポンプの主軸を支持する水中軸受であって、
    前記主軸を貫通する軸受孔を備える軸受体と、
    前記軸受体を前記ケーシングに保持すると共に、前記軸受体の前記軸受孔の孔周壁と前記主軸との間の隙間に診断用の空気を供給するための供給ポートが形成された保持体とを備え、
    前記軸受孔の前記孔周壁には、
    前記軸受孔の前記主軸の軸線方向に部分的に形成され、かつ前記主軸の周方向に互いに間隔を開けて配置された複数の第1の溝と、
    前記複数の第1の溝と隣接するように前記軸受孔の前記主軸の軸線方向に部分的に形成され、かつ前記主軸の周方向に互いに間隔を開けて配置された複数の第2の溝と
    が形成され、
    前記第1の溝と前記第2の溝は、前記主軸の軸線回りの回転角度位置を異ならせて互いに非連通としている、水中軸受。
  2. 前記軸受体は、前記孔周壁に前記第1の溝が形成された第1の部材と、前記孔周壁に前記第2の溝が形成された第2の部材とを備える、請求項1に記載の水中軸受。
  3. 前記第1の部材は前記第2の部材よりも前記主軸の軸線方向で前記保持体の外部側に位置し、
    前記第1の部材は前記第2の部材よりも耐摩耗性が高い材料からなり、前記第2の部材は第1の部材よりも摺動特性が良好な材料からなる、請求項2に記載の水中軸受。
  4. 前記軸受体は前記第1及び第2の溝が形成された単一の部材からなる、請求項1に記載の水中軸受。
  5. 前記軸受体の少なくとも一方の端部に配置された環状部をさらに備える、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の水中軸受。
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