JP4818247B2 - 酸化亜鉛膜の形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、透明導電膜として利用される酸化亜鉛膜の形成方法に関する。
透明導電膜として広く用いられているITO(Indium Tin Oxide)の代替材料として、酸化亜鉛(ZnO)が本命視されている(非特許文献1参照)。ZnOからなる透明導電膜の示す抵抗率は、膜の形成技術や形成条件により様々に変化する。ここで、ZnOは、酸素欠陥から生じる残留電子により、本質的にn型半導体である。従って、ZnOにおいては、結晶中の電子濃度と電子移動度とが、膜の抵抗率を決定する要因となる。
この中で、電子濃度は、結晶格子の酸素欠損、格子間のZn、下地基板との界面における縮退2次電子層などにより決定される。一方、電子移動度は、どの程度結晶格子が整然と配列されているか、及び結晶粒同士が滑らかに繋がっていて格子欠陥や粒界による電子の散乱が少ないかどうかなど、ZnO膜の結晶性に左右される。勿論、ZnO膜を透明導電膜として利用するためには、膜の可視域における透明性が十分に確保された上で、電子濃度が高く、同時に電子移動度が高いことが望ましい。なお、ZnO膜における電子濃度を増大させるために、通常、AlやGaを膜中にドープすることが行われている。
また、ZnO膜に関する問題として挙げられるものとして、高温多湿の雰囲気に長時間放置すると、空気中の水分の吸着により抵抗率が次第に増大するという現象がある。水分の吸着により特性の劣化したZnO膜の抵抗率を再度改善することは、ZnO膜を応用利用する上で重要な技術と成り得る。
また、現状では、安価に大量の膜が形成できるが、形成したZnO膜の抵抗率が、透明導電膜として使用するには高すぎるという問題を備える成膜方法もある。このような成膜方法により成膜されたZnO膜であっても、成膜後でZnO膜の抵抗率を低下させることができれば、透明導電膜への利用が可能になることが期待される。
形成されたZnO膜に対する処理技術として、ZnO膜に水素プラズマを照射する試みがなされている(非特許文献2参照)。例えば、RFプラズマ,マイクロ波プラズマ,及び誘導結合プラズマなどにより生成した水素プラズマをZnO膜に照射することで、ZnO膜の抵抗率を低下させることができる。水素プラズマの照射においては、プラズマ中に生成する原子状の水素がZnO膜の中に浸入し、浸入した原子状の水素が酸素と結合することによりZnO膜が還元するために、抵抗率が低下するものと考えられる。還元により酸素空乏が形成され、酸素空乏の形成により電子が余剰した状態となり、キャリア密度が増大して抵抗率が低下する。しかしながら、水素プラズマの照射は、金属状体のZnも生成するため、ZnO膜の可視域の透過率を低下させてしまうという問題があった。目視で黒くなることが確認できる状態にまで透過率が低下する。
J.B.Webb, et al.,"Transparent and highly conductive films of ZnO prepared by rf reactive magnetron sputtering", Appl. Phys. Lett., Vol.38, No.8, pp.640-642, 1981. N.Ohashi, et al.,"Effect of hydrogen doping on ultraviolet emission spectra of various types of ZnO", Appl. Phys. Lett., Vol.80, No.16, pp.2869-2871, 2002.
上述したように、従来では、ZnO膜の可視域の透過率を低下させることなく、ZnO膜の抵抗率を低下させる処理がないという問題があった。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、ZnO膜の可視域の透過率を低下させることなく、ZnO膜の抵抗率を低下させるようにする新たな処理(形成方法)を提供することを目的とする。
本発明に係る酸化亜鉛膜の形成方法は、基板の上にZnO膜が形成し、このZnO膜に、アルゴンもしくはキセノンからなる不活性ガスによる電子共鳴サイクロトロンプラズマを照射するようにしたものである。なお、電子共鳴サイクロトロンプラズマが照射されるZnO膜は、Gaがドープされているものである。また、基板の上に、GaがドープされたZnOからなるターゲットを用いたECRスパッタ法によりZnO膜が形成された状態とす
以上説明したように、本発明によれば、ZnO膜に、アルゴンもしくはキセノンからなる不活性ガスによる電子共鳴サイクロトロンプラズマを照射するようにしたので、ZnO膜の可視域の透過率を低下させることなく、ZnO膜の抵抗率を低下させることができるという優れた効果が得られる。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。図1(a)〜図1(d)は、本発明の実施の形態における酸化亜鉛膜の形成方法を説明するための工程図である。まず、図1(a)に示すように、ガラスなどから構成された基板101を用意し、用意した基板101を所定のECRスパッタ装置の処理室に搬入する。ECRスパッタ装置は、ZnOの焼結体からなるターゲット(ZnO焼結体ターゲット)を備える。また、このECRスパッタ装置は、基板101が載置される基板ホルダとZnO焼結体ターゲットとの間にシャッターを備え、ZnO焼結体ターゲットからスパッタリングされた原料の基板ホルダ側への到達を制御可能としている。なお、基板101は、例えば、ケイ酸アルカリ系ガラス、無アルカリガラス、石英ガラス等のガラスから構成されていればよい。また、基板101は、ガラスに限らず、プラスチックなど他の材料から構成されていても良い。
次に、上記シャッターが閉じられた状態とし、また、ECRスパッタ装置のプラズマ生成室内にECR(Electron Cyclotron Resonance:電子サイクロトロン共鳴)プラズマが生成された状態とする。例えば、まず、プラズマ生成室(処理室)の内部を10-4〜10-5Pa台の高真空状態の圧力に減圧する。後述するECRスパッタによるZnO膜の形成では、形成する膜の低抵抗化を考慮し、酸素を導入しない状態とした方がよく、このためには、上述したような高真空状態とする環境が重要となる。
次に、圧力が10-4〜10-5Pa台に設定されているプラズマ生成室の内部に、例えば希ガスであるアルゴン(Ar)ガスを流量8sccm程度で導入し、ECRスパッタ装置の内部圧力を10-3〜10-2Pa程度にする。この状態で、プラズマ生成室に、2.45GHzのマイクロ波(500W程度)と0.0875Tの磁場とを供給して電子サイクロトロン共鳴条件とすることで、プラズマ生成室内にArのプラズマ(ECRプラズマ)が生成された状態が得られる。磁場の供給は、電磁石に電流14Aを流すことで行う。なお、sccmは流量の単位あり、0℃・1気圧の流体が1分間に1cm3流れることを示す。また、T(テスラ)は、磁束密度の単位であり、1T=10000ガウスである。
上述したことにより生成されたECRプラズマは、ECRスパッタ装置の磁気コイルの発散磁場により、プラズマ生成室から、これに連通する処理室の側に放出される。この状態で、プラズマ生成室の出口に配置されたZnO焼結体ターゲットに、例えば13.56MHz・500Wの高周波電力(ターゲットバイアス)が供給(印加)された状態とする。このことにより、生成されているECRプラズマにより発生した粒子(Arイオン)が、ZnO焼結体ターゲットに衝突してスパッタリング現象が起こり、ZnO焼結体ターゲットを構成している粒子が飛び出す状態となる。
以上のようにしてECRプラズマを生成してスパッタ状態とした後、シャッターを開け、スパッタされている粒子が基板の上に堆積する状態とする。この堆積状態を所定時間継続した後、シャッターを閉じた状態とする。このことにより、図1(b)に示すように、基板101の上にZnO膜102が形成された状態が得られる。例えば、膜厚25〜400nmの範囲に、ZnO膜102が形成された状態とすればよい。なお、ZnO膜102の形成においては、ヒータなどによる基板101は行わない。ただし、後述するように、ECRスパッタにおいては、ECRプラズマが基板101に照射され、このことにより基板101は80℃程度に加熱された状態になるものと考えられる。
次に、ターゲットに対するターゲットバイアスの印加を停止した状態で、前述同様に、ECRプラズマを生成させた状態とし、この状態でシャッターを開ける。このことにより、図1(c)に示すように、ZnO膜102にArプラズマ103が照射された状態とする。Arプラズマ103の照射を所定時間継続し、この後、シャッターを閉じ、プラズマ生成室に対するマイクロ波と磁場との供給を停止してプラズマ生成を停止し、また、ターゲットバイアス印加を停止するなどにより、ECRスパッタ装置の動作を停止する。
この後、ECRスパッタ装置(処理室)の内部圧力が大気圧程度にまで上昇した後、処理室より基板101を搬出する。このことにより、図1(d)に示すように、基板101の上に、処理前に比較して可視域の透過率が低下することなく抵抗率が低下した状態に膜が改質された改質ZnO膜104が、基板101の上に形成された状態が得られる。
次に、上述したECRスパッタ装置について、図2の概略的な断面図を用いて説明する。図2に示すECRスパッタ装置は、まず、処理室201とこれに連通するプラズマ生成室202とを備えている。処理室201は、図示していない真空排気装置に連通し、真空排気装置によりプラズマ生成室202とともに内部が真空排気される。
処理室201には、膜形成対象の基板101が固定される基板ホルダ204が設けられている。基板ホルダ204は、図示しない回転機構により所望の角度に傾斜し、かつ回転可能とされている。基板ホルダ204を傾斜して回転させることで、堆積させる材料による膜の面内均一性と段差被覆性とを向上させることが可能となる。
また、処理室201内のプラズマ生成室202からのプラズマが導入される開口領域において、開口領域を取り巻くようにリング状のZnO焼結体ターゲット205が備えられている。ZnO焼結体ターゲット205は、上面から見た状態で、円形状だけでなく、多角形状態であっても良い。ZnO焼結体ターゲット205は、絶縁体からなる容器205a内に載置され、内側の面が処理室201内に露出している。また、ZnO焼結体ターゲット205には、高周波電源221が接続され、例えば、12.56MHzの高周波(RF)が印加可能とされている。
また、処理対象の基板とZnO焼結体ターゲット205との間には、シャッター215が設けられ、ZnO焼結体ターゲット205からスパッタリングされた原料の基板101に対する到達を制御可能としている。シャッター215を開放状態とすることで、ZnO焼結体ターゲット205からスパッタリングされた原料が基板101に到達して堆積される状態となる。これに対し、シャッター215を閉じた状態とすることで、ZnO焼結体ターゲット205からこの構成粒子がスパッタリングされていても、飛散した粒子が基板101に到達しない状態となる。また、シャッター215を閉じた状態とすることで、プラズマ生成室202から引き出されたECRプラズマも、基板101に到達することが抑制される。
また、プラズマ生成室202は、真空導波管206に連通し、真空導波管206は、石英窓207を介して導波管208に接続されている。導波管208は、図示していないマイクロ波発生部に連通している。また、プラズマ生成室202の周囲及びプラズマ生成室202の上部には、磁気コイル(磁場形成手段)210が備えられている。これら、マイクロ波発生部、導波管208,石英窓207,真空導波管206により、マイクロ波供給手段が構成されている。なお、導波管208の途中に、モード変換器を設けるようにする構成もある。
図2のECRスパッタ装置の動作例について説明すると、まず、処理室201及びプラズマ生成室202内を真空排気した後、不活性ガス導入部211より不活性ガスであるArガス又はXeガスを導入し、プラズマ生成室202内を例えば10-5〜10-4Pa程度の圧力にする。この状態で、磁気コイル210よりプラズマ生成室202内に0.0875T(テスラ)の磁場を発生させた後、導波管208,石英窓207,及び真空導波管206を介してプラズマ生成室202内に2.45GHzのマイクロ波を導入すれば、導入されている不活性ガスの電子サイクロトロン共鳴(ECR)プラズマが発生する。この状態では、磁場を印加されたプラズマ中の電子が、ECR条件を満たす円軌道を描いて運動しており、高密度なプラズマが安定して生成された状態となる。
ECRプラズマは、磁気コイル210からの発散磁場により、基板ホルダ204の方向にプラズマ流を形成する。生成されたECRプラズマのうち、電子は磁気コイル210で形成される発散磁場によりZnO焼結体ターゲット205の中を貫通して基板101の側に引き出される。この状態で、ZnO焼結体ターゲット205に、所定のターゲットバイアス(高周波電力)が印加されると、ZnO焼結体ターゲット205にArイオンが衝突してスパッタリング現象が起こる。
このスパッタリング現象が起きている状態で、シャッター215が開放していれば、引き出されたECRプラズマと共にスパッタリングにより飛び出したZnO焼結体ターゲット205を構成している粒子(亜鉛及び酸素)が、基板101の表面に照射される。この結果、基板101の上には、ZnO焼結体ターゲット205を構成してた粒子が堆積することになる。この照射において、同時に、ECRプラズマ中のプラスイオンが、電子による負電荷を中和するように、すなわち、電界を弱めるように基板101の側に引き出され、成膜している層の表面に照射される。このように各粒子が照射される間に、プラスイオンの一部は電子と結合して中性粒子となる。また、上述したECRプラズマの照射により、基板101は、80℃程度にまで温度が上昇するものと考えられる。
なお、図2の薄膜形成装置では、図示していないマイクロ波発生部より供給されたマイクロ波電力を、導波管208において一旦分岐し、プラズマ生成室202上部の真空導波管206に、プラズマ生成室202の側方から石英窓207を介して結合させている。このようにすることで、石英窓207に対するZnO焼結体ターゲット205からの飛散粒子の付着が、防げるようになり、ランニングタイムを大幅に改善できるようになる。なお、本実施の形態における酸化亜鉛膜の形成方法は、上述したECRスパッタ装置に限らず、ターゲットに印加されているバイアスの中心電圧が測定可能とされていれば、他の形態のよく知られたECRスパッタ装置であっても用いることが可能である。
以上に説明した本実施の形態における酸化亜鉛膜の形成方法は、スパッタ法などにより形成したZnO膜に、ArガスのECRプラズマを照射することに特徴がある。前述したように、プラズマの照射により、基板の温度を上昇させることができる。しかしながら、ECRプラズマは、高密度プラズマであり、電子温度が高いため、基板の温度を上昇させること以上に、照射領域を電気的な励起状態とするプラズマ効果が得られるものと考えられる。以下に、ArのECRプラズマ照射について、より詳細に説明する。
まず、ZnO膜に対する不活性ガスのECRプラズマ照射時間と、照射により改質されたZnO膜の特性との関係を調査した結果について説明する。この特性の調査では、次にようにして、試料基板の作製と測定とを行う。前述したECRスパッタ装置を用いて前述したECRスパッタ法によりZnO膜を形成する。この後、試料基板を一旦装置外に取り出し、よく知られた4端子測定,ホール(Hall)測定,及び透過率の測定を行う。この照射前の測定の後、試料基板をECRスパッタ装置内に搬入し、前述同様に、ZnO膜にECRプラズマを照射し、再度上記電気的特性と透過率とを測定する。また、ECRプラズマ照射を1時間行う毎に、照射を中断して試料基板を装置外に取り出し、上記測定を行う。
上述したECRプラズマ照射及び電気的特性の測定を、膜厚198nmに形成したZnO膜に対して行ったところ、図3に示すように、まず、黒丸で示すキャリア(電子)密度n(1019cm-3)は、照射時間とともに増加し、白四角で示す抵抗率ρ(mΩcm)は、照射時間とともに低下する。抵抗率ρは、照射6時間により、照射前の初期値に比較して半分程度にまで低下した。また、白丸で示す電子の移動度μ(cm2/Vs)は、照射時間とともにわずかに増大する。抵抗率ρの低下は、主に電子密度nの増大によりもたらされていることがわかる。図3に示す傾向は、典型的な輸送特性の改善を示している。
次に、上述したECRプラズマ照射及び電気的特性の測定を、膜厚98nmに形成したZnO膜に対して行ったところ、図4に示すように、まず、黒丸で示す電子密度n(1019cm-3)は、照射時間とともに大きく増加し、白四角で示す抵抗率ρ(mΩcm)は、照射時間とともに低下する。また、白丸で示す電子の移動度μ(cm2/Vs)も、照射時間とともに大きく増大する。膜厚98nmと薄いZnO膜では、結晶性があまりよくない状態となっている。これに対し、移動度が向上することから、本実施の形態におけるECRプラズマ照射により結晶性が向上することが示唆されている。
次に、上述したECRプラズマ照射及び電気的特性の測定を、成膜時の温度を200℃として膜厚98nmに形成したZnO膜に対して行ったところ、図5に示すように、まず、黒丸で示す電子密度n(1019cm-3)は、照射時間とともに徐々に増加し、白四角で示す抵抗率ρ(mΩcm)は、照射の初期に大きく低下し、この後、徐々に低下する。また、白丸で示す電子の移動度μ(cm2/Vs)は、照射の初期に大きく増大し、この後、大きな変化はない。
プラズマ照射のによる温度上昇に加え、他の基板加熱機構により基板を加熱することで、基板が200℃程度に加熱された状態で、前述したようにECRスパッタ法によりZnO膜を形成すると、堆積しているZnO膜のZnO格子内へ酸素が十分取り込まれた状態となる。このため、基板温度を200℃として形成したZnO膜は、加熱していない場合に比較して、電子密度が低くなり、抵抗率は高くなる。この状態に対し、不活性ガスのECRプラズマを照射すると、図5から明らかなように、照射1時間程度で、移動度が約2倍に増大し、電子密度も約3倍に増大し、抵抗率は減少する。1時間を超えて照射を継続すると、移動度はほぼ飽和するが、電子密度は照射時間に対応して増大する。
上述した図3〜図5の結果から明らかなように、プラズマ照射前の状態が高抵抗なZnO膜であるほど、プラズマ照射による改質の効果が大きい。ただし、いずれの成膜条件においても、プラズマ照射を6時間程度行うと、同様の抵抗率となる。
ところで、上述した調査においては、プラズマを照射することで、結果として基板は80℃程度にまで加熱されていることになる。ここで、上述した電気的な特性の変化が加熱によるものではないことを確認するために、加熱のみを処理として行った場合の、電気的な特性変化について説明する。この特性の調査では、次にようにして、試料基板の作製と測定とを行う。前述したECRスパッタ装置を用いて前述したECRスパッタ法によりZnO膜を形成する。この後、よく知られた4端子測定,ホール測定,及び透過率の測定を行う。この初期測定の後、試料基板を100℃及び300℃の条件で加熱し、再度上記電気的特性と透過率とを測定する。また、加熱処理時間として、20分,40分,1時間,及び2時間後に、各々加熱を中断して上記測定を行う。
上述した加熱処理(100℃)及び電気的特性の測定を、膜厚198nmに形成したZnO膜に対して行ったところ、図6に示すように、まず、黒丸で示す電子密度n(1019cm-3)は、加熱時間によらずほぼ一定であり、白四角で示す抵抗率ρ(mΩcm)は、加熱時間とともに増加する。また、白丸で示す電子の移動度μ(cm2/Vs)は、加熱時間とともにわずかに低下する。
次に、上述した加熱処理(300℃)及び電気的特性の測定を、膜厚198nmに形成したZnO膜に対して行ったところ、図7に示すように、まず、黒丸で示す電子密度n(1019cm-3)は、加熱時間とともに低下し、白四角で示す抵抗率ρ(mΩcm)は、加熱時間とともに増加する。これらは、加熱処理時間が20分で、大きな変化をしている。また、白丸で示す電子の移動度μ(cm2/Vs)は、加熱時間とともにわずかに低下する。
これらの加熱による特性の変化は、前述したECRプラズマ照射の結果とは異なる(逆の)傾向であり、前述した電気的特性が向上(抵抗率が増大)する効果は、加熱ではなく、ECRプラズマの照射により得られるものであることがわかる。このことより、電気的特性の向上は、電子励起的なものによると考えられる。
上述した本実施の形態におけるECRプラズマ照射によるZnO膜の抵抗率の改善効果は、結晶化の状態があまり良くない、結晶化の段階が低いZnO膜に対してより効果が大きいものと考えられる。例えば、電子ビームプラズマ蒸着法やRFスパッタ法により形成されたZnO膜は、強いc軸配向性を有する柱状構造の結晶ドメインにより構成されたものとなる。この状態では、ドメイン間の粒界散乱により、形成された膜の表面に平行な方向への電子の移動度は高くない。
これに対し、ECRスパッタ法により形成したZnO膜の結晶性はそれほど高くないが、粒界が目立たず、キャリアとなる電子を散乱させる要因が少ない。このようなECRスパッタ法により形成したZnO膜には、電子を散乱させる構成を抑制した状態で、結晶性を改善する余地が残っているものといえる。
ここで、前述したECRプラズマ照射の試料における、X線回折の(006)ピーク強度の変化を、図8に示す。図8において、黒丸が膜厚98nmの試料の結果を示し、白丸が膜厚196nmの試料の結果を示す。図8より、いずれに試料においても、照射の時間の経過とともに、ピーク強度が徐々に増大していることがわかる。このピーク強度は、結晶領域の割合,結晶子(ドメイン)のサイズ,及び結晶の配光性などに影響されるが、図8の結果は、照射時間とともにおおよそ結晶性が良くなっていることを示している。前述したい移動度の増大に比較し、照射時間によるX線回折が示す結晶性の向上は小さいが、これがわずかであっても、移動度へ与える影響は大きい可能性はあるものと考えられる。
次に、ZnO膜の光学的な特性の評価(測定結果)について、図9〜図11を用いて説明する。透過率の測定は、波長190〜3000nmの範囲で行う。また、透過率の測定は、ZnO膜の形成直後、及び、ZnO膜にECRプラズマを照射した後に行い、ECRプラズマ照射の後の測定は、照射を1時間行う毎に、照射を中断して試料基板を装置外に取り出して行う。図9〜図11において、「A」の側から「B」の側にかけて、より多くの時間のECRプラズマ照射を行った場合の結果であり、「A」に最も近い結果(グラフ線)は、ECRプラズマ照射を行っていない成膜直後の状態である。
図9〜図11の全体において、ZnOのバンドギャップは3.4eV(365nm)であり、バンドギャップエネルギーに対応する波長よりも短い波長は吸収するため、透過率は急激に低下する。ただし、測定対象のZnO膜が薄い(49〜393nm)ため、透過率は0にはなっていない。また、グラフ線(透過率曲線)に見られる波打ち状態は、ガラスからなる基板とZnO膜との界面における光学干渉によるものである。また、長波長の赤外側では、透過率の絶対量だけが情報を与えている。
次に、ECRプラズマ照射による変化について説明する。ECRプラズマ照射による変化は、まず、バンド端のエキシトン(励起子)ピークが、照射時間に伴い強くなることである。膜厚49nmのZnO膜の場合、図9に示すように、照射前はバンド端のピークがつぶれていて見えないが、照射10時間後(A側より11本目の透過率曲線)には、ピークがはっきりと確認できる。結果として、可視域の透過率は、ECRプラズマ照射により増大している。この様子は、目視(肉眼)によっても確かめることができる。また、測定波長2000以上の赤外側の透過率は、ECRプラズマ照射により低下しており、このことより、ZnO膜の電子密度が増大している傾向がわかる。
また、膜厚98nmのZnO膜の場合、図10に示すように、初期状態よりバンド端ピークが確認できるが、ECRプラズマ照射によりピーク強度は増大し、また、ピーク位置は400nmから580nmへと長波長側にシフトしている。また、上述した膜厚49nmの場合と同様に、測定波長2000以上の赤外側の透過率は、ECRプラズマ照射により低下しており、このことより、ZnO膜の電子密度が増大している傾向がわかる。
実用上は、可視域の透明性が問題となるが、上述したように、ECRプラズマ照射により可視域の透明化とともに抵抗率の低下(電子密度の増大)が同時に進行することは、いずれの面においても特性が向上することを示している。これらに加え、バンド端のエキシトンピークが強くなっていることを考えると、ECRプラズマ照射により、電子散乱に寄与するような構造や状態が消失し、キャリア(電子)の高移動度を示す整った格子へと変化するものと推測される。
次に、膜厚196nmのZnO膜の場合、図11に示すように、バンド端ピークの増大と長波長シフトが、図10の場合と同様に見られる。しかしながら、この度合いは小さくなっている。このことは、膜厚の薄いZnO膜の場合においてECRプラズマ照射の効果が顕著に表れるという、輸送特性の結果と合致している。さらに、膜厚393nmのZnO膜の場合、図12に示すように、照射時間に伴う透過率曲線の変化は、上述したより薄い膜の場合に比較して目立たない程度にとどまっている。
上述した透過率の測定に関する結果をまとめると、ECRプラズマ照射は、既に抵抗率が低いZnO膜に対してはあまり効果がないものと考えられる。よく知られているように、ZnO膜は、膜厚が薄くなると急激に抵抗率が増大するが、抵抗率が低くない厚い膜厚の396nmの場合、ECRプラズマ照射の効果があまり見られていない。この傾向は、AlやGaをドープすることで低抵抗化をしたZnO膜に対しても同様である。
例えば、10-4Ωcm台の抵抗率が、GaをドープしたZnO膜では得られるが、Gaを6atomic%ドープしたZnO膜の抵抗率は、ECRプラズマ照射することで図13示すように変化する。図13において、白丸は膜厚84nmの場合を示し、黒丸は膜厚168nmの場合を示している。図13から明らかなように、ECRプラズマ照射により、照射時間とともに抵抗率は低下しているが、低下の割合は大きくない。これらのことにより、ECRプラズマ照射による効果がより大きく期待できるのは、主に10-3Ωcm台より高抵抗なZnO膜の場合であるものとすることができる。
次に、上述した本実施の形態におけるECRプラズマ照射によるZnO膜の特性改善効果と、水素プラズマの照射による効果との違いについて説明する。水素プラズマ照射においては、ZnO膜中の酸素原子が水素原子と結合して引き抜かれる。処理前のZnO膜が高抵抗(数Ωcm以上)の場合には、上記水素プラズマ処理によって何桁にも渡って抵抗率が低下するが、到達点は、10-3Ωcmの中ごろが限界である。また、水素プラズマの照射によりこの程度にまで低抵抗化をした場合、ZnO膜の外観が黒くなり、可視域の透過率が70%程度にまで悪化することが知られている。
上述した水素プラズマ照射に対し、本実施の形態におけるECRプラズマ照射では、図9〜図12を用いて説明したように、可視域の透過率は低下せずに増大している。このような、本実施の形態におけるECRプラズマ照射による現象は、水素プラズマ照射とは異なる特有のものである。
なお、上述では、ArのECRプラズマを照射するようにしたが、キセノン(Xe)のECRプラズマを照射することによっても、Arの場合と同様に、ZnO膜の特性を改善させることができる。また、前述したECRスパッタ装置によるZnO膜の形成において、AlがドープされたZnOやGaがドープされたZnOをターゲットとして用いれば、AlがドープされたZnO膜やGaがドープされたZnO膜が形成可能であり、これらに対してECRプラズマを照射すれば、前述したように膜の特性を改善することができる。なお、ECRプラズマに限らず、RFプラズマなど他の手法により生成したプラズマを照射しても、同様の効果が得られるものと考えられる。
以上に説明したように、ECRプラズマを照射することで、ZnO系の透明導電膜の抵抗率を、透過率を低下させることなく下げることができるようになり、透過率においては、照射によりより向上させることもできる。例えば、GaなどがドープされていないアンドープのZnO膜であっても、2×10-3Ωcm程度の低抵抗率の状態を容易に実現することができる。十分に低い抵抗率の透明導電膜が必要とされるフラットパネルディスプレイにおいては、ITO膜が標準的に用いられているが、これほどまでは低抵抗である必要が無く、より安価であることが優先される場合、例えば、太陽電池などへの応用に対しては適用が可能である。また、ZnO膜に対してオーミックコンタクトをとる金属材料を形成する場合に、金属材料の形成前に、予めECRプラズマを照射して低抵抗化をしておくことにより、良好な電流電圧特性を備えたコンタクト状態を得ることができるようになる。
本発明の実施の形態における酸化亜鉛膜の形成方法を説明するための工程図である ECRスパッタ装置の概略的な構成例を示す断面図である。 ECRプラズマの照射に伴うZnO膜のキャリア密度(黒丸),移動度(白丸),及び抵抗率(白四角)の時間変化を示す特性図である。 ECRプラズマの照射に伴うZnO膜のキャリア密度(黒丸),移動度(白丸),及び抵抗率(白四角)の時間変化を示す特性図である。 ECRプラズマの照射に伴うZnO膜のキャリア密度(黒丸),移動度(白丸),及び抵抗率(白四角)の時間変化を示す特性図である。 加熱に伴うZnO膜のキャリア密度(黒丸),移動度(白丸),及び抵抗率(白四角)の時間変化を示す特性図である。 加熱に伴うZnO膜のキャリア密度(黒丸),移動度(白丸),及び抵抗率(白四角)の時間変化を示す特性図である。 ECRプラズマを照射したZnO膜の(006)開設ピーク強度の時間変化を示す特性図である。 ECRプラズマの照射に伴うZnO膜の透過率の状態を示す特性図である。 ECRプラズマの照射に伴うZnO膜の透過率の状態を示す特性図である。 ECRプラズマの照射に伴うZnO膜の透過率の状態を示す特性図である。 ECRプラズマの照射に伴うZnO膜の透過率の状態を示す特性図である。 GaをドープしたZnO膜に対してECRプラズマを照射したときの抵抗率の時間変化を示す特性図である。
符号の説明
101…基板、102…ZnO膜、103…Arプラズマ、104…改質ZnO膜。

Claims (2)

  1. GaがドープされたZnOからなるターゲットを用い、酸素を導入しない状態としたECRスパッタ法により、基板の上にGaがドープされたZnO膜が形成された状態とする第1の工程と、
    前記ZnO膜に、アルゴンもしくはキセノンからなる不活性ガスによる電子共鳴サイクロトロンプラズマを照射する第2の工程と
    を少なくとも備えることを特徴とする酸化亜鉛膜の形成方法。
  2. 請求項1記載の酸化亜鉛膜の形成方法において、
    前記第1および第2の工程で同一のECRスパッタ装置を用い、
    前記第1の工程では、前記ターゲットに高周波電力が印加された状態で、電子共鳴サイクロトロンプラズマを生成させて前記ZnO膜を形成し、
    前記第2の工程では、前記ターゲットに対する前記高周波電力の印加を停止した状態で、電子共鳴サイクロトロンプラズマを照射する
    ことを特徴とする酸化亜鉛膜の形成方法。
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