JP4817950B2 - コンクリート擁壁と防護柵と車輪誘導柵の複合施設 - Google Patents

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Description

本発明は、コンクリート擁壁と防護柵と車輪誘導柵の複合施設に関する。
従来、コンクリート擁壁と、防護柵とは全く個別に研究されてきた。また、近年、防護柵に車輪誘導柵を設けることにより、防護柵性能を向上できる点が知られているが、これも個別に研究されてきた。
従来の車輪誘導柵の例を示すと、道路路側部に立設された俗称ガードレールと呼ばれる防護柵の道路内側に沿って、高さ20cm程度の歩道ブロック(図2の参照符号14参照)を設ける例がある。この歩道ブロックは乗用車程度の小型車両が進路を誤った場合、これを道路内側に誘導することを目的とするものであるが、車両が一度歩道ブロックに乗り上げてしまうと、前輪がガードレールの主ビームである波状鋼材の下側に突入して嵌合し、その時点で或いはタイヤが支柱に衝突し、前輪が車体からもぎ取られ、乗員に過大な重力加速度を与えて重大な事故を引き起こす等というケースがあった。
そこで、本発明者は、特開2005−201020号や意匠登録第1214878号で示されるように、衝突車両が防護柵の支柱に対して停止され、乗員に過大な重力加速度を与え、さらに支柱が大きく傾倒し、重大事故を誘発するのを防止できる車両誘導ブロックを提案した。これは、支柱の内側で道路の進行方向に沿って配置される変形性緩衝材により車両のタイヤないしホイルを受け、車両を道路の内側へ反射させることを特徴とするものである。この変曲性緩衝材は、通常のガードレールのビーム下方に位置させて、その両端を支柱に対して固定することを予定して作られている。意匠登録第1214878号公報には、ガードレールと組み合わされて用いる縁石ブロックの例が示されている。
コンクリート擁壁上に設置される防護柵と、一般の道路側帯の盛土中に設置される防護柵とは、防護柵支柱の設置基盤条件によって防護柵に車両等が衝突した場合に支柱が受ける荷重条件も大きく相違する。つまり、支柱がコンクリート中に固定された支柱には、擁壁上端の固定部分に衝突荷重が剪断力として瞬間的かつ集中的に作用する。一方、土中に埋設されてなる防護柵支柱が受ける衝突荷重は、土壌の緩衝効果に助けられ、瞬時の衝突荷重も比較的柔軟に受け止める傾向にある。
このようなことから、これまでは「支柱をコンクリートに埋め込む場合」と「支柱を土中に埋め込む場合」とに区分し、これを使い分けることで防護柵の安全性能は確保できるとしてきた。
しかし、発明者等は実際の衝突実験の結果から、この対応だけでは防護柵の安全性能が満足できない事実を突き止めた。
つまり、コンクリート擁壁の上にコンクリート設置型と規定される変形性防護柵を設置し、社団法人日本道路協会が防護柵設置基準及びその解説に定める車両用防護柵性能確認試験方法によって性能確認試験を実施した結果、これが定める性能基準を満足できない事実を発見したのである。
具体的には、従来提案の車輪誘導ブロックや縁石ブロックは、既存のガードレールに対して適用可能に設計されたものであるため、支柱間隔のずれに応じて適切寸法の車輪誘導ブロックを作らねばならず手間であったり、段差を生じたり、既存支柱の強度が不足したり、道路路側部によっては適用できない場合がある等の問題点があった。特に擁壁に沿って設置されたガードレールにあっては、擁壁構造がまちまちであるため、意匠的効果が現われないのみならず、支柱強度、ひいては擁壁強度に問題があり、車輪誘導ブロックを設置しづらかったり、設置しても強度不足で擁壁が破損し、又は支柱と共に崩れてしまう等、車輪誘導ブロックが十分に機能しない場合があった。
一方で、本願発明者は、木製防護柵の研究において、特開2002−322622号公報に示す所の数値諸元、特に木材ビームのビーム間隔は250mmを超えてはならないことを知得し、公表している。小型車両のタイヤ半径が50cm程度であることから、その半分(タイヤホイールの径に相当する)の250mmより広いとタイヤホールが潜り込み、木材ビームを引き裂くと共にタイヤを支柱に案内し、車両が支柱に激突するからである。
特開2002−322622号公報は木製防護柵についてのものであるが、この数値諸元は、波状鋼材を主ビームとする一般ガードレールに対しても適用可能である。
しかしながら、一般のガードレールに対して、単に250mmを超える間隔を設けないために横桟を追加した場合には、その強度を弱くすると無意味であり、横桟強度大とすると衝突時に屈曲せず、必ずしも所要の機能を具現できないという問題点があった。また、単に横桟を設けても既存支柱の強度が弱くては、支柱が大きく傾倒し、車両を車外逸脱させてしまう可能性があった。
特開2005−201020号公報、第1頁、図1 意匠登録第1214878号公報 特開2002−322622号公報、第1頁、図1
本発明は、上記背景技術に鑑みて、従来個別に製造され、組み合わされて使用されていたコンクリート擁壁と防護柵と車輪誘導柵とを一体化して設計することにより、小型車及び大型車に対して共に有効で、衝突車両の誘導機能を確実に向上することができるコンクリート擁壁と防護柵と車輪誘導柵の複合施設を提供することを目的とする。
また、縁石ブロックに代わる車輪誘導柵とビーム間隔250mm未満の思想を組み込み、小型車両が衝突してもそのタイヤがもぎ取られたり、支柱激突によって乗員が過大な重力加速度を受けて重大事故に繋がることのないコンクリート擁壁と防護柵と車両誘導柵の組合わせによる新規の複合施設を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明のコンクリート擁壁と防護柵と車輪誘導柵の複合施設(以下、単に複合施設と呼ぶ)は、その請求項1に記載のように、天部に支柱埋設用の孔部を備えると共に、前記孔部の底に連通した水抜き穴を備えたコンクリート擁壁と、前記孔部に立設される支柱と、前記支柱の道路内側に横架される主ビームと、前記主ビームの下方に配置される車輪誘導柵から成り、前記主ビームは、衝突車両を道路内側に反射させる強度を有し、前記車輪誘導柵は、その道路内側端部が前記主ビームの道路内側端部より突出しない態様で、前記主ビームの下方に位置し、その一端又は中央を前記支柱に拘束されると共に前記コンクリート擁壁の天部には拘束されず、衝突時には前記支柱の途中で折曲げられて前記主ビームの変形に連動して変形するように構成され、前記車輪誘導柵は、道路湾曲部で、前記主ビームが成す曲線に沿って配置されると共に、支柱中央位置で屈曲可能に中継ぎされ、前記コンクリート擁壁の天部と前記車輪誘導柵との間の間隔と、前記車両誘導柵と前記主ビーム下端との間の間隔を共に250mm以下とし、さらに前記コンクリート擁壁の天部に対する前記主ビームの最上端までの距離を650mm以上としたことを特徴とする。
請求項1に記載の複合施設は、車輪誘導柵が鋼材で構成される場合とコンクリートブロックで構成される場合とを含む。鋼材で構成される場合としては、鋼板材で構成される場合と、丸や角の鋼管類或いはワイヤーとの組合せで構成される場合がある。いずれの場合であっても、その道路内側端部が前記主ビームの道路内側端部より突出しない態様で、前記主ビームの下方に位置し、その一端又は中央を前記支柱に拘束されると共に前記コンクリート擁壁天部には拘束されず、衝突時には前記支柱の途中で折り曲げられて前記主ビームの変形に連動して変形することを条件とする。従って、高強度の鋼管をそのまま横桟として設置することはできず、衝突時には折れ曲り、主ビームに連動して変形することを要件とする。
コンクリートブロックで構成する場合(この車輪誘導柵については車輪誘導ブロックとも呼ぶ)は、車輪誘導ブロックの一端を支柱の回りで固定すると、車両衝突はタイヤに当接してその途中で折れ曲るのが普通であるので、特別の手立て、条件を追加することなく容易に実施できる。このように車輪誘導ブロック自体は当然に折れ曲るので、その折れ曲りを自由に行わせるべく、コンクリート擁壁の天部を滑動自在に構成することが必要である。
道路湾曲部において、主ビームを曲面に沿って湾曲させて設けられる。この場合、コンクリートブロック等による車輪誘導柵を各種曲面に併せて製作するのは経済的に不利である。そこで、本発明では、主ビームに沿って配置するが、中央位置で屈曲可能に中継ぎすることとした。これにより、支柱中央で主ビームに沿って屈曲可能に構成できる。
ビーム間隔及び高さに関しては、コンクリート擁壁の天部と車輪誘導柵の下端との間の間隔と、車輪誘導柵と主ビーム下端との間の間隔を共に250mm以下とし、さらにコンクリート擁壁の天部に対する主ビームの最上端までの距離を650mm以上とするので、タイヤ直径1m級の大型車両及びタイヤ直径500〜600mmの小型車両に対応でき、ビーム間にタイヤを誘い込み、潜らせ、嵌め込むことがない。
一般にはよく知られていないが、タイヤがビーム間に潜り込むと、その場停止する場合と、進行方向に滑って支柱に激突する場合とがあり、いずれの場合も乗員に大きな重力加速度を与えてしまい重大事故に繋がる恐れがある。本発明では、これらが防止され、衝突車両を安全に誘導でき、道路内側へ反射させることができる。
乗員に過大な重力加速度を与えないことは、とりも直さず防護柵及びコンクリート擁壁にも瞬間的に過大な荷重を加えないことを意味し、コンクリート擁壁上に設置される防護柵の安全性の向上と擁壁等の下部構造物の保護を行うことができる。
支柱及びコンクリート擁壁は一体的に設計され、連体して組合わせる。従って、支柱強度及びコンクリート擁壁共に所要強度を持たせることができる。過大な力が加わらないので余計な強度設計をする必要がない。具体的には、コンクリート擁壁には土圧対応の鉄筋に加えて衝突対応の主鉄筋を加えるが、主鉄筋の量を必要最小限に抑えることができる。相隣り合うコンクリート擁壁との結合も完全に行う。支柱としては、例えば直径114.3mmの鋼管杭を用いるが、衝突実験によって所要度以上傾斜せず破損しない強度を維持させる。連体させるので、確実に設置規準を満足させることができる。
また、本発明の複合施設は、車輪誘導柵をコンクリート製とした場合、この車輪誘導ブロックは、その一端又は中央を前記支柱に拘束されると共に前記コンクリート擁壁の天部には拘束されず、衝突時には前記支柱の途中で折曲げられて前記コンクリート擁壁の天部を滑動しつつ前記主ビームの変形に連動して変形するように構成され、前記車輪誘導柵は、道路湾曲部で、前記主ビームが成す曲線に沿って配置されると共に、支柱中央位置で屈曲可能に中継ぎされ、前記車輪誘導ブロックの道路内側下端を前記コンクリート擁壁の天部の内側に位置させて滑動量を確保することにより前記滑動を円滑化する構成としたことを特徴とする。
既存のガードレールに本願発明に用いる車輪誘導ブロックを適用した場合、主ビーム下方の地盤が土であったりコンクリートであったり、或いはアスファルトであったり、その滑動性能が不安定であった。しかるに本発明では、コンクリート擁壁の天部で滑動させることとして、その諸元を適切に定めることができ、車両衝突時、車輪誘導ブロックの滑動を確実にすることができ、性能を満足して、衝突車両を安全に誘導できる。
道路湾曲部において、主ビームを曲面に沿って湾曲させて設けられる。この場合、コンクリートブロック等による車輪誘導柵を各種曲面に併せて製作するのは経済的に不利である。そこで、本発明では、主ビームに沿って配置するが、中央位置で屈曲可能に中継ぎすることとした。これにより、支柱中央で主ビームに沿って屈曲可能に構成できる。
前記車輪誘導ブロックは、その下が道路の内側端において前記コンクリート擁壁天部からはみ出すことのない位置にあり、その上端が前記位置より控えた位置で前記支柱の内側端より道路内側に一定寸法だけ張り出していることを特徴とする。これにより、尖鋭部分でタイヤをパンクさせず、意匠的にも綺麗にでき、衝突車両の主ビームに対し円滑に案内することができる。
請求項1に記載の発明によれば、コンクリート擁壁と、支柱と、主ビームと、車輪誘導柵とを連体化して複合し、車輪誘導柵を主ビームの道路内側端部より突出しない態様で主ビームの下方に位置させ、その一端又は中央を前記支柱に拘束されると共に前記コンクリート擁壁天部に拘束されず、衝突時には前記支柱の途中で折り曲げられて前記主ビームの変形に連動して変形するように構成したので、各部材の機能を十分に発揮して、かつ相互に有機的に支援され、特に車輪誘導柵の機能を阻害することなく全ての必要条件を満足させることができる。車両に過大な動力加速度を与えないので支柱への反力も少なくなり、擁壁破壊も防止することができる。
また、コンクリート擁壁の天部と車輪誘導柵との間の間隔に、車輪誘導柵と主ビーム下端との間の間隔を共に250mm以下にすると共に、天部の最上端の高さを650mm以上とするので、車輪誘導柵及びビーム間に小型車両(大型車両は当然)のタイヤないしホイルを潜らせるようなことがなく、前記の車輪誘導柵の機能と相埃って衝突車両を安全に誘導、反射させることができる。
請求項2に記載の複合施設では、車輪誘導柵は、その一端又は中央を前記支柱に拘束すると共にコンクリート擁壁の天部には拘束せず、衝突時には支柱の中間で折り曲げられて主ビームの変形に連動して変形するように構成され、コンクリート擁壁の天部で滑動するようにしたので、滑動を確実に行わせることができ、車輪誘導ブロックの機能を十分に発揮させることができる。
車輪誘導ブロック及びコンクリート擁壁共にコンクリート製であるので、両者を一体化しての設計が可能であり、共に最適設計を行って機能向上を図ることができる。車輪誘導ブロックの内側下端をコンクリート擁壁の天部の内側に位置させると共に、その上端を主ビームの道路内側位置より前記コンクリート擁壁の天部内側位置へ控えた偏心スタイルとすれば、意匠的に良好であるのみならず、タイヤを主ビームに対して円滑に案内できる。
請求項1又は2に記載の複合施設において、道路湾曲部では、前記車輪誘導柵(車輪誘導ブロック含む)を、前記主ビームが成す曲線に沿って配置し、支柱中央位置で屈曲可能に中継ぎすることができる。屈曲可能に中継ぎするので、衝突対応し、主ビームの変形に応じて屈曲させ、衝突車両を円滑に誘導できる。
以下添付図面を参照して本発明を実施するための最良の形態を説明する。図1は本発明の一実施形態に係る複合施設の側面説明図、図2は図1に示す複合施設の要部を部分的に拡大して示す側面断面図、図3は車輪誘導柵(ブロック)の支柱への固定方式を示す説明図で、(a)図は道路内側から見た正面図、(b)図はその平面図、(c)図は(a)図の背面図である。
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る複合施設1は、道路2の路側部に沿って設けられる施設であって、天部3に支柱4埋設用の孔部5を備えたコンクリート擁壁6と、前記孔部5に立設される支柱4と、前記支柱4の道路2内側に横架される鋼板製の主ビーム7と、前記主ビーム7の下方に配置される車輪誘導ブロック8を備えて成る。
道路2上には、小型車両のタイヤTR1と大型車両のタイヤTR2を併せて示してある。図には、タイヤ直径を示すことだけを目的として、主ビーム7に対して正面衝突する形で示しているが、実際には車両は図において紙面表面から裏面方向にかけて進行し、斜め方向から衝突する。
図2を用いて詳細を示す。L型コンクリート擁壁6は、その天部3を道路2の路面高さに合わせて設置される。L型コンクリート擁壁6には、土圧対応の鉄筋9と衝突対応の鉄筋10とが設けられる。衝突対応とは、車両11が主ビーム7に衝突したとき、支柱4が荷重Fを受けて、コンクリート擁壁6自体が破損せず支柱4を支持し続けることである。荷重Fについては、支柱4をコンクリート中に埋め込む場合、小型車両が受ける重力加速度を120m/s/10msと規定されている(平成16年3月、防護柵設置基準、16頁)。耐久性を向上させるためには、L型コンクリート擁壁6同士の結合を確実に行う。天部3については滑らかに仕上げる。天部3の幅は、車輪誘導ブロック8を載置するのみでなく、それが道路外側方向(図において左方)に滑動することを予定して滑動量SL(図3(b)参照)を置く。
車輪誘導ブロック8の道路内側端は、天部3からはみ出さないようにする。孔部5の下方に示す穴12は、凍結防止用の水抜き穴である。寒冷地では、孔部5に水が溜り、ひび割れを生ぜしめて鉄筋9、10を錆びさせ、寿命を短くするが、水抜き穴12により水を抜くので凍結によるひび割れ防止し、耐久性を向上できる。尚、図2において、道路2の内側に示した参考矢印13は、従来の車輪誘導ブロック14の配置位置である。
支柱4は、例えば直径114.3mmの鋼管であり、内部にモルタルを高圧充填することにより、高強度化したものを用いている。コンクリート擁壁6の天部3に設けた孔部5に挿入し、回りをモルタル或いはアスファルト等コーキング材で充填して固定している。
主ビーム7は、ブラケット14Aを介して、所要のブロックアウトBK(例えば83mm)を持たせて設置してある。車輪誘導ブロック8の高さH1は250mmであり、その上に250mm以下の空間距離H2を置いて、その上に配置する。従って、その全高は、主ビーム7の幅を350mmとすれば850mmとなる。空間距離H2を250mmとするのは、小型車両TR1のタイヤ半径に相当し、タイヤを車輪誘導ブロック8と主ビーム7との間に絶対潜り込ませないための条件である。
ここで、従来の車輪誘導ブロック14について評価すると、斜め前方から進行してきた小型車両TR1が車輪誘導ブロック14を乗り越えると、タイヤTR1、TR2がブロック14及び支柱4との間に嵌り、タイヤを支柱4に案内し、タイヤがもぎ取られる等の重大事故に繋がっていたのである。
ここに、本発明では、車輪誘導ブロック8が、ブロック8の下端で道路2の内側端において天部3からはみ出すことのない位置Pにあり、その上端点は前記P点より控えた位置で支柱4の内側端より道路内側に寸法n(n>0)だけ張り出された位置としている。また、その最外側端は支柱4より外に少し張り出し、天部3との間で滑動距離SLを残している。車輪誘導ブロック8のコンクリート内には、当然に所要量の鉄筋を組み込んでいる。
図3に示すように、車輪誘導ブロック8は、その両端を支柱4に係合させるため、道路2の外側に開口した形の半U字状の掌握部15を有し、この掌握部15を道路内側から一対の支柱4に対して押し当て、その裏側(道路外側)から相隣り合う車輪誘導ブロック8同士を接合板16を用いてボルト17で掌握している。図3の(b)図には、衝突時に車輪誘導ブロック8の中間が折れ曲り、天部3上で距離SLだけ滑動している状況を破線で示している。破線7は主ビーム7の衝突による曲がりを示している。従って、車輪誘導ブロック8は主ビーム7に対して連動して屈曲することができる。
図4は、道路曲線部についての連結方式を示す。主ビーム7が為す曲線に沿って分割形の車輪誘導ブロック8Hを配置し、ブロック8Hの中間を継ぎ板18を用いてボルトで結合している。車両衝突時のコンクリート擁壁6の下部構造が比較的小半径の曲線をなす時は中央付近に支柱4を囲むスペースを備えた誘導ブロックを用い、誘導ブロックの連結は支柱4の中間付近に配置すれば防護柵の主ビーム7の曲線に同調した線形を得ることができる。エッジ部19は適当に破壊する。
以上、図1〜図4に示した構成において、本発明の複合施設1の作用説明する。
まず、図1、図2において、景観よく複合施設1が設置されている。空間部H2を設けているので視認性も良好である。そこで、車両TR1、TR2が、防護柵設置基準で定める速度(たとえば小型車両の場合60km)、進入角度15°で衝突してきたとする。車両のボディーは板金構成されているので、バンパー部分を含めて車両前方が凹み、タイヤTR1、TR2が直接的に車輪誘導ブロック8及び主ビーム7に当る。
本発明の複合施設1によれば、図1、図2に示した構成であるので、衝突タイヤTR1、TR2は、主ビーム7及び車輪誘導ブロック8に対し、略同時的に当たる。また、ブロック8の上端点を、下端点Pに対して控えながらも支柱4より内側へ距離nだけ張り出しているので、車輪誘導ブロック8の前面が、タイヤTR1、TR2に対して、全体的に当る。
その後、0.数秒の間に車両TR1、TR2は進行し、主ビーム7の最も弱い点、即ち中間点にのめり込もうとする。このときの状態を図3(b)に示した。主ビーム7は道路2の外方へ押し出され、これに連れて車輪誘導ブロック8の中央が折れ曲り、車両がさらに押し出そうと作用する。この時点において、車両TR1、TR2と、車輪誘導ブロック8及び主ビーム7とが押し比べをしている状態となる。しかし、この瞬間時点において、空間部H2の寸法を250mm以下としているので、タイヤTR1、TR2、特に小型車両のタイヤTR1が空間部H2に対して潜り込むことは不可能である。結局、車両TR1、TR2は押し比べに負けて道路2の内側へ反射される。
以上の衝突において、車輪誘導ブロック8は、図3(b)に示したように折れ曲るが、その端部が支柱4から外れてしまうことはない。相隣り合う車輪誘導ブロック8の端部は支柱4に支持されており、接合板16で接合されているからである。道路内側で接合しなかったのは、中間部での折れ曲りを自由に行わせるためである。
上記実施例では、主ビーム7の中央が数cm〜10cm大きく凹む例を示したが、衝突車両TR1、TR2が、支柱4部分に当り、そのまま反射されることもある。実験例によると、衝突車両は衝突速度60%以上で円滑に離脱しており、車輪誘導ブロック8及び主ビーム7に夫々衝突痕が残るが、防護柵の更新まで余裕があった。比較実験では、車輪誘導ブロック8を設けていない場合、いずれもタイヤがもぎ取られたり、支柱を倒したりであり、顕著な作用、効果の相違があった。乗員に与える重力加速度も90m/s/10ms以下で、いずれも基準をクリアできた。衝撃が少ないので、支柱4の設定点への曲がりが少なく、かつコンクリート擁壁に損傷を与えることがない。これらの作用、効果を確実に得ることができるのが本発明の最大の特徴である。
図4の曲線部では、車輪誘導ブロック8Hを主ビーム7に沿って配置しており、中央に荷重Fが加わると主ビーム7に追従して継ぎ板18が折れ曲り、ブロック下面をコンクリート擁壁上で滑動できる。
以上の説明では車輪誘導柵をコンクリートブロックで構成した例を示したが、鉄材で構成することもできる。ただし、車輪誘導柵は、主ビームの屈曲に連れて屈曲する特性を必要とする。このためには、衝突により破損しないだけの適切な強度を持たせて、支柱固定部分で適切な伸びを示す設計にしなければならない。この例としては、例えば1本又は2本の伸張性のあるワイヤーを張り、その表面に波状部材を張り付けたものの例がある。1本のワイヤーでは車両側に線状の張力を与えてしまう。この場合でも、車輪誘導柵の設置は路面から主ビーム7下端までの間に25cmを超える空間が生じない位置とする。また、ブロックアウト量は支柱4面よりも後退しない位置であって、且つビーム7前面よりもはみ出さない位置関係とする。やむを得ない事情で車輪誘導柵を支柱4の表面から通路側に突出させる場合であっても、その量は5cm以下程度が望ましく、10cmを超えるものは好ましくない。また、通行帯の幅員の関係で、通路から後退して設置する場合でも、車輪誘導柵の面が支柱4表面よりも後退してはならない。即ち、n>0である。
図5は、車輪誘導ブロック8Aの他の構成例を示す斜視図である。図示の車輪誘導ブロック8Aは、支柱間隔4mスパンのものに適用するものの例である。道路側の縁20の下幅D1を150mm、上幅D2を80mmとして板状に構成したものである。上端でのブロック厚みD3は120mmである。タイヤTR1やTR2の移動を阻止する形態を除いて、表面に様々なデザインを施すことはよい。
図6にさらに他の車輪誘導ブロック8Bの例を示す。この例は、路面排水口21と、デザイン窓22と、上面にフラワーポット23を設けた例である。正面に浅い凹溝24を設けたのは、少しでも道路側への専有部分を除去するための配慮である。車両からの視認性を高めるため、デザイン窓22のような開口部はできるだけ広く取った方が良い。このようなデザインを施すことにより、単調な道路景観に潤いを与えることもできる。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜の設計的変更を与えることができ、各種態様で実施できる。
本発明の一実施形態に係る複合施設の側面説明図である。 図1に示す複合施設の要部を部分的に拡大して示す側面断面図である。 車輪誘導ブロックの支柱への固定方式を示す説明図で、(a)図は道路内側から見た正面図、(b)図は平面図、(c)図は背面図である。 車輪誘導ブロックの曲線部における接続方式を示す平面図である。 車輪誘導ブロックの他の実施形態を示す斜視図である。 車輪誘導ブロックのさらに他の実施形態を示す斜視図である。
符号の説明
1 複合施設
2 道路
3 天部
4 支柱
5 孔部
6 コンクリート擁壁
7 主ビーム
8、8H、8A、8B 車輪誘導柵(車輪誘導ブロック)
9、10 鉄筋 11 車両
12 水抜き
13 従来品設置位置を示す参考矢印
14 従来ブロック
15 掌握部
16 接合板
17 ボルト
18 継ぎ板
19 エッジ部
20 道路側の縁
21 排水口
22 デザイン窓
23 フラワーポット
24 浅い凹溝
TR1 小型車両(そのタイヤ)
TR2 大型車両(そのタイヤ)
SL 滑動量

Claims (3)

  1. 天部に支柱埋設用の孔部を備えると共に、前記孔部の底に連通した水抜き穴を備えたコンクリート擁壁と、前記孔部に立設される支柱と、前記支柱の道路内側に横架される主ビームと、前記主ビームの下方に配置される車輪誘導柵から成り、
    前記主ビームは、衝突車両を道路内側に反射させる強度を有し、
    前記車輪誘導柵は、その道路内側端部が前記主ビームの道路内側端部より突出しない態様で、前記主ビームの下方に位置し、その一端又は中央を前記支柱に拘束されると共に前記コンクリート擁壁の天部には拘束されず、衝突時には前記支柱の途中で折曲げられて前記主ビームの変形に連動して変形するように構成され、
    前記車輪誘導柵は、道路湾曲部で、前記主ビームが成す曲線に沿って配置されると共に、支柱中央位置で屈曲可能に中継ぎされ、
    前記コンクリート擁壁の天部と前記車輪誘導柵との間の間隔と、前記車両誘導柵と前記主ビーム下端との間の間隔を共に250mm以下とし、さらに前記コンクリート擁壁の天部に対する前記主ビームの最上端までの距離を650mm以上とした
    ことを特徴とするコンクリート擁壁と防護柵と車輪誘導柵の複合施設。
  2. 天部に支柱埋設用の孔部を備えると共に、前記孔部の底に連通した水抜き穴を備えたコンクリート擁壁と、前記孔部に立設される支柱と、前記支柱の道路内側に横架される主ビームと、前記主ビームの下方で前記コンクリート擁壁天部に配置される車輪誘導柵から成り、
    前記主ビームは、衝突車両を道路内側に反射させる強度を有し、
    前記車輪誘導柵は、その一端又は中央を前記支柱に拘束されると共に前記コンクリート擁壁の天部には拘束されず、衝突時には前記支柱の途中で折曲げられて前記コンクリート擁壁の天部を滑動しつつ前記主ビームの変形に連動して変形するように構成され、
    前記車輪誘導柵は、道路湾曲部で、前記主ビームが成す曲線に沿って配置されると共に、支柱中央位置で屈曲可能に中継ぎされ、
    前記車輪誘導柵の道路内側下端を前記コンクリート擁壁の天部の内側に位置させて滑動量を確保することにより前記滑動を円滑化する構成とした
    ことを特徴とするコンクリート擁壁と防護柵と車輪誘導柵の複合施設。
  3. 請求項2に記載のコンクリート擁壁と防護柵と車輪誘導柵の複合施設であって、
    前記車輪誘導柵は、その下が道路の内側端において前記コンクリート擁壁の天部からはみ出すことのない位置にあり、その上端が前記位置より控えた位置で前記支柱の内側端より道路内側に一定寸法だけ張り出している、
    ことを特徴とするコンクリート擁壁と防護柵と車輪誘導柵の複合施設。
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