JP4817795B2 - 低温誘導性プロモーター - Google Patents

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本発明は、アスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)由来の低温誘導性プロモーターに関する。
近年の遺伝子組換え技術の発展とともに、ヒトの有用タンパク質を大腸菌や酵母等を用いて生産できるようになってきた。しかし大腸菌を宿主としてヒトなどの真核生物由来の遺伝子を発現させる場合は、正常なプロセッシングが行われない、糖鎖が付与しないなどの難点がある。また酵母に異種タンパク質を分泌生産させる場合は、糖鎖は結合されるものの、その分泌量が非常に少ない。
そこで、高いタンパク質分泌能を持つ糸状菌が、真核生物のタンパク質発現の宿主として注目されている。中でも黄麹菌アスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)は、清酒や味噌など醸造産業において長く使用されてきた実績から、異種遺伝子発現に積極的に利用されている。
タンパク質生産において重要となるのは、プロモーターの選択と、培養条件のコントロールであり、この双方を適切にすることにより、タンパク質の生産効率を向上させることができる。我々は、これまでに、糸状菌の液体培養でタンパク質を高発現させることができるプロモーターとして、sodM、melO、catBなどを取得した。また、糸状菌の固体培養でタンパク質を高発現させることができるプロモーターとして、glaBプロモーターを取得した。
しかし、これらの高発現プロモーターを用いても、全ての目的タンパク質を高発現させることはできない。タンパク質の種類によっては、翻訳後のフォールディングが正常に行われなかったり、プロテアーゼによりタンパク質が分解されたりすることが原因と考えられる。
本発明者らは、低温下で目的遺伝子を高発現させることができるプロモーターを用いて、低温培養により糸状菌に目的タンパク質を生産させれば、プロテアーゼによる分解やフォールディング不良が抑制されて、多くのタンパク質を効率よく製造できると考えた。
そこで、本発明は、糸状菌内で低温下で目的遺伝子を高度に発現させることができるプロモーター、このプロモーターを含むベクター及び形質転換体、並びに、このプロモーターを用いて目的タンパク質を効率よく製造できる方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために本発明者は研究を重ね、アスペルギルス・オリゼから2種の低温誘導性プロモーターを単離した。また、これらのプロモーターが、30℃より低い温度、例えば15℃下で、非常に高効率で目的遺伝子を発現させることを見出した。
本発明は上記知見に基づき完成されたものであり、下記の低温誘導性プロモーター、及びタンパク質の製造方法を提供する。
項1. 以下の(1)、(2)、又は(3)のDNAからなる低温誘導性プロモーター。
(1) 配列番号1の塩基配列からなるDNA
(2) 配列番号1の塩基配列の一部からなるDNA
(3) 配列番号1の塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ低温誘導性プロモーター活性を有するDNA
項2. 以下の(4)、(5)、又は(6)のDNAからなる低温誘導性プロモーター。
(4) 配列番号2の塩基配列からなるDNA
(5) 配列番号2の塩基配列の一部からなるDNA
(6) 配列番号2の塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ低温誘導性プロモーター活性を有するDNA
項3. 項1又は2に記載の低温誘導性プロモーターを含むベクター。
項4. 低温誘導性プロモーターにより発現できるように目的遺伝子を連結した項3に記載のベクターで形質転換した糸状菌。
項5. 項4に記載の糸状菌を10〜30℃で培養する第1工程と、培養物から目的タンパク質を回収する第2工程とを含む目的タンパク質の製造方法。
項6. 第1工程において、固体培養を行う項5に記載の方法。
本発明のプロモーターは、糸状菌の通常の培養温度である30℃より低い温度下、例えば麹菌の生育限界温度である10℃程度の温度下でも、目的遺伝子を高発現させることができる。第1のプロモーターであるCPase遺伝子プロモーター(カルボキシペプチダーゼ類似遺伝子プロモーター)による目的遺伝子の発現量は、15℃下では30℃下の約2.1倍であった。また、第2のプロモーターであるopdAプロモーター(O−ピロカテキュエートデカルボキシラーゼ類似遺伝子プロモーター)による目的遺伝子発現量は、15℃下では30℃下の約3.4倍であった。
これらのプロモーターを用いて低温培養により目的タンパク質を生産すれば、プロテアーゼによる分解やフォールディング不良が起こり難いことから、従来の糸状菌用プロモーターでは高発現させることができなかった遺伝子でも高発現させることができると考えられる。
また、これらのプロモーターの遺伝子発現量は、糸状菌の公知の高発現プロモーターによる30℃下での遺伝子発現量よりも多い。
以下、本発明を詳細に説明する。
(I)低温誘導性プロモーター
本発明の第1のプロモーターは、アスペルギルス・オリゼのCPaseP遺伝子プロモーターであり、配列番号1の塩基配列からなるDNAである。本発明の第2のプロモーターは、アスペルギルス・オリゼのopdA遺伝子プロモーターであり、配列番号2の塩基配列からなるDNAである。
前述したように、これらのプロモーターは、低温で遺伝子の発現を高度に誘導するため、通常の培養温度では発現させることができないような遺伝子でも高発現させることができる。また、低温で遺伝子発現を誘導し、糸状菌の通常の培養温度、例えば30℃に戻すと遺伝子発現量が低下する性質を有することから、温度による生育制御や遺伝子発現制御を行うことができる。
本発明の第1のプロモーター(CPasePプロモーター)は、液体培養より固体培養において目的遺伝子を一層高発現させる。また、本発明の第2のプロモーター(opdA)は、通常、固体培養で目的遺伝子を高発現させる。
本発明のプロモーターは、糸状菌内で機能するが、アスペルギルス属糸状菌内でより高度に遺伝子発現させることができ、アスペルギルス・オリゼ内で一層高度に遺伝子発現させることができる。
また、配列番号1及び2の各塩基配列の一部からなるDNAであっても、低温誘導性プロモーター活性を有するものは本発明のプロモーターの範囲に含まれる。
また、配列番号1及び2の各塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAも、低温誘導性プロモーター活性を有する限り本発明のプロモーターの範囲に含まれる。
本発明において、ストリンジェントな条件としては、例えば、1×SSC(standard saline citrate; 1×SSC=0.15M NaCl,0.015M sodium citrate)中60℃一晩の条件下、又はホルムアミドを含む4×SSC中37℃一晩の条件下においてハイブリダイズし、2×SSC中55℃での30分間の洗浄によりそのDNAから脱離しない条件が挙げられる。
配列番号1の塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAは、通常、配列番号1の塩基配列において、1個又は数個のヌクレオチドが付加、欠失、又は置換されたDNAであり、例えば、アスペルギルス・オリゼ以外のアスペルギルス属糸状菌のCPaseP遺伝子プロモーターがこれに含まれる。また、配列番号2の塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAは、通常、配列番号2の塩基配列において、1個又は数個のヌクレオチドが付加、欠失、又は置換されたDNAであり、例えば、アスペルギルス・オリゼ以外のアスペルギルス属糸状菌のopdA遺伝子プロモーターがこれに含まれる。
本発明において、「低温誘導性」とは、プロモーターによる遺伝子の発現が宿主の至適培養温度より低い温度で誘導されることをいう。具体的には、実施例に記載の方法でそのプロモーターによるGUS(β−グルクロニダーゼ)遺伝子の発現を測定する場合に、至適温度より低い温度で培養する方が、至適温度(例えば30℃)で培養するより、明らかに強く検出できることをいう。
(II)ベクター
本発明のベクターは、上記の第1の低温誘導性プロモーター又は第2の低温誘導性プロモーターを含むベクターである。
本発明のベクターは、その他、通常ベクターが備える形質転換用マーカー遺伝子、制限酵素切断部位、ターミネーターなどを備えていればよい。
本発明の低温誘導性プロモーターと組み合わせて用いるターミネーターの種類は特に限定されない。ターミネーターは、DNAの高次構造により転写されたmRNAをDNA鎖から脱離させるものであるから、糸状菌、特にアスペルギルス属糸状菌で機能するターミネーターであれば、制限無く使用することができる。このようなターミネーターとして、例えば、グルコアミラーゼglaBターミネーター(Gene. 207, 127-134,(1998))等が挙げられる。
形質転換用マーカーは糸状菌内、特にアスペルギルス属糸状菌内で発現できるものであればよい。例えばアスペルギルス属糸状菌由来のniaD(Biosci.Biotechnol.Biochem.,59,1795-1797(1995))、argB (Enzyme Microbiol Technol, 6, 386-389, (1984)), sC (Gene, 84, 329-334, (1989))、ptrA (Biosci Biotechnol Biochem, 64, 1416-1421, (2000))、pyrG (Biochem Biophys Res Commun, 112, 284-289, (1983)), amdS (Gene, 26, 205-221, (1983))、オーレオバシジン耐性遺伝子 (Mol Gen Genet, 261, 290-296, (1999))、ベノミル耐性遺伝子 (Proc Natl Acad Sci USA, 83, 4869-4873, (1986))及びハイグロマイシン耐性遺伝子 (Gene, 57, 21-26, (1987))等を使用できる。中でも、niaDが好ましい。
(III)形質転換体
本発明の形質転換体は、本発明の低温誘導性プロモーターを含むベクターであってこのプロモーターにより発現できるように目的遺伝子を連結した組み換えベクターで糸状菌を形質転換したものである。
宿主は糸状菌であればよいが、高いプロモーター活性を発現させるためには、特に、アスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、アスペルギルス・アワモリ(Aspergillus awamori)、アスペルギルス・カワチ(Aspergillus kawachii)、アスペルギルス・ウサミ(Aspergillus usamii)、アスペルギルス・ソーヤ(Aspergillus sojae)、アスペルギルス・ニドランス(Aspergillus nidulans)等のアスペルギルス属糸状菌が好ましい。これらの中では、アスペルギルス・オリゼ、アスペルギルス・ニガー、アスペルギルス・カワチ、アスペルギルス・ウサミ、アスペルギルス・ソーヤなどが食品産業において有用な菌種である。高いタンパク質生産能及び醸造微生物としての安全性の点で、特にアスペルギルス・オリゼを宿主とすることが好ましい。
(IV)タンパク質の製造方法
本発明の目的タンパク質の製造方法は、前述した本発明の糸状菌形質転換体を10〜30℃で培養する第1工程と、培養物から目的タンパク質を回収する第2工程とを含む方法である。
第1工程において、培養温度は、15℃以上が好ましく、また、20℃以下が好ましい。上記温度であれば、糸状菌が十分に生育ないしは増殖するためにタンパク質の発現量が高くなる。また、上記範囲であれば十分に低温であり、本発明のプロモーターにより高度に遺伝子発現を誘導できる。また、上記低温での培養は2日間〜3週間程度行えばよい。
また、10〜30℃での低温培養に先立ち、本発明の形質転換体を30〜37℃程度の宿主糸状菌の生育に適した温度で、20〜30時間程度、前培養して菌体を増やした後に、低温にシフトして遺伝子発現を誘導することにより、一層効率的にタンパク質を製造することができる。
培地は、固体培地が好ましい。固体培地は、糸状菌の培養に使用される公知の固体培地を制限無く使用できる。固体培地とはその固形の支持担体が栄養源を含むか、又は固形の支持担体に栄養源が添加されものであり、そこに糸状菌が生育できる固形培地を指し示す。このような固体培地として主に、フスマ(小麦・米などの穀類由来)、デンプン粉末、米・小麦・大豆の生あるいは蒸したもの、Cz−DOXやポテトデキストロースやその他栄養源を含む寒天培地、更にはメンブレンや多孔質の人工物(例えば園芸に使われるバーミキュライト)等に栄養源を添加したもの等が挙げられる。特にフスマやデンプン粉末、米・小麦・大豆の生あるいは蒸したものが好ましい。
第2工程では、目的遺伝子が分泌タンパク質の遺伝子である場合は、培養上清を回収すればよい。固体培地の場合も培養上清としての固体培地を回収すればよい。また、目的遺伝子が細胞内にタンパク質を生産するものである場合は、濾紙、ガラスフィルターなどで集菌し、通常は、液体窒素で凍結して粉砕したり、海砂Bですり潰したり、ポリトロンやホモジナイザー等を用いて菌体を破砕すればよい。破砕物に適切な抽出緩衝液(例えば20mMリン酸緩衝液pH7.0)を添加し、得られた破砕液を5000〜12000×g程度で5〜20分間程度遠心分離し、上清を回収すればよい。これにより目的タンパク質を回収できる。
さらに、これらの上清を、公知のタンパク質精製方法、例えばイオン交換、疎水、ゲルろ過、アフィニティなどの各種クロマトグラフィーに供することにより目的タンパク質を精製してもよい。
実施例
以下、実施例を示して本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例には限定されない。
実施例1
麹菌A. oryzae O-1013株(FERM-P16528)のフスマ培養cDNAライブラリーの構築
麹菌A. oryzae O-1013株を、オートクレーブにて加熱殺菌した小麦フスマを用いて25℃にて48時間培養を行った。その培養物から常法であるAGPC法(Chomczynski, P. et al., An al. Biochem. 162, 156-159(1987))にて全RNAを抽出した。得られた全RNAからoligotex-dt30<super>mRNA purification kit(タカラ社)を用いてmRNAを精製した。得られた1μgのmRNAを用いてSMART cDNA library construction kit(クロンテック社)を用いてλTriplEx2ファージcDNAライブラリーを構築した。

実施例2
プロモーターライブラリーの作成
Genome Walker(クロンテック社)を用いて、プロモーター断片取得用のテンプレートDNAライブラリーを構築した。まず、A. oryzae O-1013株(FERM-P16528)のゲノムDNAを5種類の制限酵素(DraI, EcoRV, PvuII, ScaI, StuI)で切断し、PCR増幅用のゲノムテンプレートとした。次に、フスマ培養cDNAライブラリーから得られた塩基配列情報からアンチセンスプライマーを、Genome Walker(クロンテック社)のアダプターからプライマーをそれぞれ設計した。両プライマーを用いて、先に作成したゲノムテンプレートライブラリーに対してPCR反応を行った。反応条件の一例は次の通りである。
<PCR条件>
95℃(1分)、1サイクル
94℃(5秒)、72℃(3分)、7サイクル
94℃(5秒)、67℃(3分)、70℃(3分)、32サイクル
67℃(7分)、1サイクル
5種類のテンプレートそれぞれについてPCR反応後、2-3kbpのDNA断片が増幅されたものについて、電気泳動装置を用いて単離した。これらの断片の塩基配列を決定し、ブラストサーチを用いた相同性検索の結果から推定された開始コドンの上流をプロモーター部分と推定した。

実施例3
プロモーター活性の測定方法
まず目的とするプロモーターの配列を、SalIサイトを付与したプライマーを用いてPCR反応にて増幅させ、次にこの断片を、GUS(uidA)遺伝子を含むプロモーター活性測定用プラスミドのSalIサイトに挿入した。挿入プロモーターの方向がGUS(uidA)遺伝子と正の方向にサブクローニングしたものを選択した。この解析用プラスミドpNGUS(図1)を含む大腸菌(Escherichia coli)IN113株は、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターにFERM P-18254として寄託されている。
プロモーターを挿入し、新たに構築したプラスミドを麹菌に挿入することにより、挿入したプロモーターの支配下でレポーター遺伝子であるGUS(uidA)遺伝子が発現し、プロモーターの発現能をGUS活性で測定することが出来る。
このプラスミドでA. oryzae O-1013株のniaD変異株(Aspergillus oryzae 1013-niaD:FERM P-17707)を形質転換し、プラスミドがゲノムのniaD locusに1コピーのみ導入された形質転換体を選択した。この形質転換体を20℃で2日間フスマ培養を行い、GUS活性を測定した。このように、プロモーター解析用プラスミドpNGUSと低温フスマ培養を行うことにより、目的とするプロモーターを選択、取得することが可能になり、本発明を容易に実施することが出来る。

実施例4
(単離プロモーター遺伝子の低温フスマ培養における発現能の検討)
30のプロモーター候補のうち、20℃のフスマ培養でGUS活性の高いものであった、CPaseP遺伝子プロモーター(Carboxypeptidase類似遺伝子)、opdA遺伝子プロモーター(O-pyrocatechuate decarboxylase類似遺伝子)を挿入したpNGUSを利用して、各種の培養条件下でGUSタンパク質の生産を行い、GUS活性を測定した。
<GUS活性の測定方法>
GUS活性の測定方法は、Jeffersonらの方法(Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 83, 8447-8451 (1986) )に従って行った。

培養条件(a)
培地:フスマ培地
温度:30℃または15℃
培養日数:2日間
結果を以下の表1に示す。
Figure 0004817795
培養条件(b)
培地:DPY液体培地(2%デキストリン、1%ポリペプトン、0.5%酵母エキス、0.1%KHPO、0.05%MgSO・7HO:pH6.0)
温度:30℃または15℃
培養日数:2日間
結果を以下の表2に示す。
Figure 0004817795
培養条件(c)
培地:フスマ培地
温度:15℃
培養日数:1〜21日
結果を以下の表3に示す。
Figure 0004817795
培養条件(d)
培地:フスマ培地
温度:5〜30℃
培養日数:4日間
結果を以下の表4に示す。
Figure 0004817795
表1及び表2から、CPasePプロモーター及びopdAプロモーターは、固体培養において、麹菌の至適培養温度である30℃よりも低温で発現能が高まることが分かる。また、表3から、長期に亘って培養してもその発現能は低下しないことが分かる。さらに表4から、麹菌の生育限界に近い10℃においてもGUS高活性が観察され、プロモーターが有効に機能していることが示された。
図1は、実施例において使用したプロモーター活性解析用プラスミドpNGUSの構成を示す図である。

Claims (6)

  1. 以下の(1)、又は(3)のDNAからなる低温誘導性プロモーター。
    (1) 配列番号1の塩基配列からなるDN
    3) 配列番号1の塩基配列において、1個又は数個のヌクレオチドが付加、欠失、又は置換されたDNAであり、かつ低温誘導性プロモーター活性を有するDNA
  2. 以下の(4)、又は(6)のDNAからなる低温誘導性プロモーター。
    (4) 配列番号2の塩基配列からなるDN
    6) 配列番号2の塩基配列において、1個又は数個のヌクレオチドが付加、欠失、又は置換されたDNAであり、かつ低温誘導性プロモーター活性を有するDNA
  3. 請求項1又は2に記載の低温誘導性プロモーターを含むベクター。
  4. 低温誘導性プロモーターにより発現できるように目的遺伝子を連結した請求項3に記載のベクターで形質転換した糸状菌。
  5. 請求項4に記載の糸状菌を10〜30℃で培養する第1工程と、培養物から目的タンパク質を回収する第2工程とを含む目的タンパク質の製造方法。
  6. 第1工程において、固体培養を行う請求項5に記載の方法。
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