JP4817132B2 - 内圧防爆構造のロボットおよびそれを備えた内圧防爆システム - Google Patents
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Description
塗装ガン67の駆動にはエアが使用される。また、塗装ガン67の洗浄にはシンナーなどが使用される。よってロボット61では、これらの流体を塗装ガン67に供給するための配管を収納するチューブ68が、旋回ベース63から第2アーム65の基端側の側面へと配設されている。チューブ68に収納された配管は第2アーム65の基端側側面から第2アーム65の内部へ入るよう配設され、第2アーム65の内部を通って手首部66先端の塗装ガン67へと接続される。チューブ68は第1アーム64や第2アーム65の動作を阻害することなく、かつロボット61の外形から突出してロボット61の必要動作領域を広げることがないように適切に配設されなければならない。また、ロボットの各軸の関節部は気密室の気密性を保つために、外部の危険雰囲気との遮断を図る必要があり、チューブ68は第1アーム64の内部に配設するのは困難である。そこでロボット61の場合、図1(b)のように、チューブ68は第1軸71に対して第1アーム64の反対側に位置するよう空中をわたりながら配設され、ロボット61の幅寸法(図中X寸法)ができるだけ小さくなるように工夫されている。またチューブ68は、第1アーム64と第2アーム65が第3軸73にて相対的に揺動したときでもその動作を妨げないよう、図6(a)のように弛みをもつよう配設されている。
また、塗装用のロボットは限られたスペースの塗装場を効率的に使用するため、図6(d)のように、塗装場の天井に吊り下げられるように設置できることが求められるようになってきている。ところが、従来のロボット61のような構成ではロボットの幅寸法が広いため、天井にチューブ68や第1アーム64が干渉しないよう、天井から十分離して設置する必要がある。
そこで上記問題を解決するため、内圧防爆構造を有しながらも、また、塗装ガンなど手首部先端のエンドエフェクタに接続されるチューブを有しながらも、チューブが周囲の物に対して干渉するおそれが無く、また、ロボットの幅寸法が小さいロボットを提供して、ロボットの配置の自由度を向上させることを目的とする。
請求項1に記載の発明は、第1アームと、前記第1アームに対して回転する第2アームと、前記第1アームと前記第2アームのそれぞれの内部に形成される内圧防爆のための気密室と、前記第2アームの先端よりも先に設けられたエンドエフェクタと、前記第1アームから前記第2アームの先端側へと配線されて前記エンドエフェクタに接続されるチューブ類と、を少なくとも備え、危険雰囲気に設置されて作業する内圧防爆構造のロボットにおいて、前記第1アームと前記第2アームとが互いに相対回転する関節部が、モータが収容される前記第2アームの前記気密室を、前記第1アームの前記気密室へ連通させる連通部と、一端が前記危険雰囲気に開口し、前記第1アームの前記気密室内を通り、前記関節部の回転軸を含むよう前記第1アームに固定された第1パイプと、一端が前記第1パイプの他端と前記回転軸回りに相対回転可能に連結され、前記第2アームの前記気密室内を通り、他端が前記危険雰囲気に開口するよう前記第2アームに固定された第2パイプと、 前記連通部の外周をシールする第1シール部材と、前記第1パイプの他端と前記第2パイプの一端とが相対回転する部分をシールする第2シール部材と、を備え、前記チューブ類が前記第1及び第2パイプ部材を通って配線される、内圧防爆構造のロボットとするものである。
請求項2に記載の発明は、前記第2パイプが、前記第2アームの前記気密室内において前記第2アームに沿った方向へ湾曲され、前記第2パイプの他端が前記第2アームに沿った方向で前記危険雰囲気に開口する、請求項1記載の内圧防爆構造のロボットとするものである。
請求項3に記載の発明は、前記関節部において、減速機の中空部が前記関節部の前記回転軸を含むように配置され、前記減速機を回転させるモータが前記第1アーム或いは前記第2アームの前記気密室内に配置され、前記第1パイプ或いは前記第2パイプが、前記減速機の前記中空部を通るように配置された、請求項1または2記載の内圧防爆構造のロボットとするものである。
請求項4に記載の発明は、前記関節部において、減速機と前記減速機を回転させるモータとが一体となって構成されたアクチュエータの中空部が前記関節部の前記回転軸を含むように配置され、前記第1パイプ或いは前記第2パイプが、前記アクチュエータの前記中空部を通るように配置された、請求項1または2記載の内圧防爆構造のロボットとするものである。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の内圧防爆構造のロボットと、前記危険雰囲気の外に設置されて前記ロボットを制御するコントローラと、前記気密室に保護気体を給気する気体供給部と、前記気密室から出る前記保護気体を制御する気体排気部と、を備えた内圧防爆システムとするものである。
(1)本発明によると、ロボットの関節部の中心に塗装ガンなどエンドエフェクタ用のチューブを配置出来るので、ロボットの幅を狭くできる。このため、壁からの距離が最小に出来るのでブース幅を狭くできる。
(2)本発明によると、ロボットの関節部の中心に塗装ガンなどエンドエフェクタ用のチューブを配置出来るので、使用するチューブを最短に出来る。このため塗装ガンなどに使用する液体において無駄な廃液を最小にするとともに、色替え時の時間も短くできる。
(3)本発明によると、ロボットの関節部の中心に塗装ガンなどエンドエフェクタ用のチューブを配置出来るので、使用するチューブを最短に出来る。このためエンドエフェクタが塗装ガンならば塗装のON/OFFなどエア駆動部品の応答性を向上出来る。
一方、フィルタ31を通過した保護気体の三経路のうち更に一経路の保護気体は、圧力調整器34により電磁弁36を動作させることができる程度の圧力に調整され、電磁弁36と管路28を介して開放弁38に接続されている。開放弁38は、電磁弁36から送出されてくる保護気体によって空圧作動し、管路27から排出されてくる気密室37内部の気体を排出させるか、または封止することができる。
次に掃気動作について説明する。まず、コントローラ22の電源を供給すると、コントローラ22より電磁弁36の切り換え命令がだされ、圧力調整器33により通常運転時の圧力より更に高い圧力に調整された保護気体が、管路26を介して気密室37に導入される。このとき、コントローラ22内の図示しないタイマーは時間のカウントを開始する。また、このとき開放弁38は閉の状態である。管路26は気密室37内で保護気体を開放しており、さらに各々の気密室37a〜37dは連通しているので、気密室37内部空間の気体が確実に保護気体に置換される。そしてタイマーが所定の時間を計測し終わると、コントローラ22から電磁弁36に切り換え命令がだされ、開放弁38を開の状態にする。ここで、タイマーの計測する時間は、気密室の圧力が所定の圧力になるまでの時間であって、予め試験等で計測しておく。そして、開放弁38の開放と同時にフロースイッチ39により、気密室37から排出される気体の流量測定を開始する。所定量の流量が流出すると、フロースイッチ39の信号によってコントローラ22は電磁弁36へ切り換え命令を送出し、開放弁38が閉の状態になり、掃気動作が完了する。そして、モータ1への電源供給が可能となり、上述した通常運転状態としてロボット動作が可能となる。
なお、圧力検出器40は、これら掃気動作中においても、気密室37の圧力が危険雰囲気より若干高い圧力より低くなった場合を検知し、圧力調整弁41は、気密室の圧力が高くなりすぎた場合に圧力を開放する。フロースイッチ39が設けられない場合には、圧力検出器40の掃気動作時の圧力監視において、気密室37の圧力が危険雰囲気より若干高い圧力より低くならないことで代用する場合も有る。
図3は本発明のロボット21の外観図を示している。図3(a)は側面図、(b)は背面図、(c)は上面図を示している。図3ではロボット21を天井69に吊り下げた状態を示している。ロボット61はベース62によって天井69に固定されている。旋回ベース63はベース62に対して第1軸71で旋回自在に支持されている。第1アーム64は旋回ベース63に対して第2軸72で揺動自在に支持されている。この実施例の場合、第1軸71と第2軸72は直交関係にある。第2アーム65は第1アーム64に対して第3軸73で揺動自在に支持されている。第3軸73と第2軸72は平行な位置関係にある。第1アーム64は第2アーム65と旋回ベース63が第1アーム64の内側面(図3の場合、上側側面)で相対回転するように配置されている。第2アーム65の先端には手首部66が設けられている。手首部66は第4軸74と第5軸75と第6軸76の回転軸を有している。手首部66のさらに先端には塗装ガン67が固定される。塗装ガン67から塗料が噴射される。以上の計6軸は、図3では図示しない気密室37内に設置されるモータ1によって回転駆動される。
第1アーム64にはリング56の内側と減速機51との間に開口部50が形成されている。一方第2アーム65には開口部50と連通するように開口部46が設けられている。これら開口部50と46を通って制御ケーブル25が配線されている。従って、気密室37cと37dとはこれらの開口部50と46によって連通しているが、第1シール部材55とリング56の作用によって外部雰囲気からは気密性が保持されている。
このように構成することによって、チューブ68が第1アーム64の外側の面を這うように配設でき、また第1と第2のパイプ内部は外部雰囲気と同じであるので、チューブ68をそのままパイプ内に挿入することができる。よって従来のようにチューブ68を空中に配線する必要がないのでロボットの幅を従来よりも小さくすることができる。またチューブ68は第3軸73を含むように配設されることになるので、第1アーム64と第2アーム65とが相対回転したときにチューブ68が大きく動くことは無く、チューブ68に余計な撓みを持たせる必要が無い。さらにチューブ68は第2パイプ59がL字状に形成されることによって、第2アーム65に沿う方向に出て手首部66側へと配線されるようになるので、ロボットの幅を大きくするようなこともない。
従って本発明によれば、内圧防爆構造を有しながらも、また、塗装ガンなど手首部先端のエンドエフェクタに接続されるチューブを有しながらも、ロボットの幅寸法が小さいロボットとすることができる。
21 ロボット
22 コントローラ
23 気体供給部
24 気体排気部
25 制御ケーブル
26 管路
27 管路
28 管路
29 通信ケーブル
30 管路接続部
31 フィルタ
32 圧力調整器
33 圧力調整器
34 圧力調整器
35 電磁弁
36 電磁弁
37 気密室
38 開放弁
39 フロースイッチ
40 圧力検出器
41 圧力調整弁
42 開放位置
43 管路
46 開口部
50 開口部
51 減速機
52 第3パイプ
53 ギヤ
54 ギヤ
55 第1シール部材
56 リング
57 第1パイプ
58 第2シール部材
59 第2パイプ2
60 シール部材
61 ロボット
62 ベース
63 旋回ベース
64 第1アーム
65 第2アーム
66 手首部
67 塗装ガン
68 チューブ
69 天井
71 第1軸
72 第2軸
73 第3軸
74 第4軸
75 第5軸
76 第6軸
Claims (5)
- 第1アームと、前記第1アームに対して回転する第2アームと、前記第1アームと前記第2アームのそれぞれの内部に形成される内圧防爆のための気密室と、前記第2アームの先端よりも先に設けられたエンドエフェクタと、前記第1アームから前記第2アームの先端側へと配線されて前記エンドエフェクタに接続されるチューブ類と、を少なくとも備え、危険雰囲気に設置されて作業する内圧防爆構造のロボットにおいて、
前記第1アームと前記第2アームとが互いに相対回転する関節部が、
モータが収容される前記第2アームの前記気密室を、前記第1アームの前記気密室へ連通させる連通部と、
一端が前記危険雰囲気に開口し、前記第1アームの前記気密室内を通り、前記関節部の回転軸を含むよう前記第1アームに固定された第1パイプと、
一端が前記第1パイプの他端と前記回転軸回りに相対回転可能に連結され、前記第2アームの前記気密室内を通り、他端が前記危険雰囲気に開口するよう前記第2アームに固定された第2パイプと、
前記連通部の外周をシールする第1シール部材と、
前記第1パイプの他端と前記第2パイプの一端とが相対回転する部分をシールする第2シール部材と、
を備え、
前記チューブ類が前記第1及び第2パイプ部材を通って配線される、
内圧防爆構造のロボット。 - 前記第2パイプが、
前記第2アームの前記気密室内において前記第2アームに沿った方向へ湾曲され、前記第2パイプの他端が前記第2アームに沿った方向で前記危険雰囲気に開口する、
請求項1記載の内圧防爆構造のロボット。 - 前記関節部において、減速機の中空部が前記関節部の前記回転軸を含むように配置され、前記減速機を回転させるモータが前記第1アーム或いは前記第2アームの前記気密室内に配置され、前記第1パイプ或いは前記第2パイプが、前記減速機の前記中空部を通るように配置された、
請求項1または2記載の内圧防爆構造のロボット。 - 前記関節部において、減速機と前記減速機を回転させるモータとが一体となって構成されたアクチュエータの中空部が前記関節部の前記回転軸を含むように配置され、前記第1パイプ或いは前記第2パイプが、前記アクチュエータの前記中空部を通るように配置された、
請求項1または2記載の内圧防爆構造のロボット。 - 請求項1乃至4のいずれかに記載の内圧防爆構造のロボットと、
前記危険雰囲気の外に設置されて前記ロボットを制御するコントローラと、
前記気密室に保護気体を給気する気体供給部と、
前記気密室から出る前記保護気体を制御する気体排気部と、
を備えた内圧防爆システム。
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