JP4817057B2 - 窒素含有水の回分処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は窒素含有水の回分処理方法に係り、特に窒素含有水を生物学的に脱窒する回分処理方法に関する。
アンモニアなどを含む窒素含有水を生物学的に脱窒処理する最も一般的な方法は、まず、アンモニアを硝化細菌による好気的な硝化反応によって亜硝酸や硝酸に酸化する。次いで亜硝酸や硝酸を脱窒菌による嫌気的な脱窒反応によって窒素ガスにする。脱窒菌は従属栄養性であるため脱窒反応には有機物が必要であり、通常、総窒素濃度に対して3倍程度の有機物を添加している。この従来方法は上記したように、硝化反応のために多量の酸素と、脱窒反応のために多量の有機物を必要とする点で、処理コストが高くなることが問題点として指摘されている。
最近では生物学的な脱窒処理を効率よく安価に行うために、嫌気性アンモニア酸化法が検討されている。この方法はアンモニアの一部を例えば化1に示した硝化反応によって亜硝酸に変換する。次に、残りのアンモニアと生成した亜硝酸とを嫌気性アンモニア酸化細菌により化2に示した脱窒反応(アナモックス反応)によって脱窒する。
Figure 0004817057
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この方法ではアンモニアの一部のみを亜硝酸にするので、硝化反応に必要な酸素量を大幅に低減できる。また、嫌気性アンモニア酸化細菌は独立栄養性であり、脱窒反応に際して有機物を必要としない。このため、アンモニア含有水を安価に脱窒処理できるといわれている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)。
しかしながら、上記の嫌気性アンモニア酸化法では、化2に示したように脱窒反応におけるアンモニアと亜硝酸の反応モル比が1:1.31である。したがって、この反応モル比が維持できないと、アンモニア又は亜硝酸のいずれか一方が過剰となり、反応後の処理水に残存して処理性能の低下を招く。前記特許文献1及び特許文献2にはこのような技術課題に対処するため方策が記載されているが、処理が複雑となる。
化1に示した硝化反応においてもアンモニアのすべてを均一に亜硝酸にすることは至難であり、現実の硝化反応槽では未反応のアンモニアや硝酸が硝化液中にかなりの割合で混入する。すなわち、未反応のアンモニアを少なくするために硝化処理を十分にすると硝化液中の硝酸が多くなる。逆に硝酸の生成を少なくするために硝化処理の程度を抑えると硝化液中のアンモニアが多くなる。このため、上記した反応モル比のバランスが不安定となり、嫌気性アンモニア酸化法の実用化を困難にしている。
また、嫌気性アンモニア酸化法は化2で明らかなように、反応後の処理液に硝酸が残る処理法である。このため、脱窒処理を十分に遂行するためには、従来の一般的な方法と同様に、反応後の処理液をさらに従属栄養性の脱窒菌によって脱窒しなければならないという問題点があった。
このような嫌気性アンモニア酸化法の問題点に対して、非特許文献1には硝酸還元型嫌気性アンモニア酸化法の可能性を検討した結果が報告されている。この方法では、前記した化1のようにアンモニアを酸化して亜硝酸を生成させるのではなく、硝酸を硝酸還元菌によって還元して亜硝酸を生成させる。硝酸還元菌としては従属栄養性の嫌気性微生物が知られており、最も代表的な硝酸還元菌としては周知の従属栄養性脱窒菌を挙げることができる。この硝酸還元型嫌気性アンモニア酸化法によれば、嫌気性アンモニア酸化細菌と硝酸還元菌を共存させた嫌気反応槽に、アンモニアと硝酸とを含有する被処理水を投入する。すると、硝酸還元菌による亜硝酸の生成反応と、化2で示した脱窒反応(アナモックス反応)が同時に進行し、安定かつ効率のよい脱窒処理を実現することができると考えられる。
一方、非特許文献2には、嫌気性アンモニア酸化法においてメタノールを添加した場合には、メタノールの毒性によって嫌気性アンモニア酸化細菌の活性が著しく低下するという結果が示されている。
特開2001−170684号公報 特開2004−275997号公報 角野立夫、他4名、硝酸還元型アナモックス反応の可能性について、平成17年9月25日発行、平成17年度日本生物工学会大会講演要旨集、81頁 Guven D.et.al.、Propionate 0xidation by and Methanol Inhibition of Anaerobic ammonium-oxidizing Bacteria、2005、Appled and Environmental Microbiology、71、1066-1071
上述のとおり、非特許文献1に記載の硝酸還元型嫌気性アンモニア酸化法は窒素含有水の脱窒処理法として有望な方法であるが、従属栄養性の硝酸還元菌による亜硝酸生成反応を促進させるためには、有機物(水素供与体)を添加する必要がある。水素供与体としては安価で反応性のよいメタノールが一般的に使用される。しかしながら、硝酸還元型嫌気性アンモニア酸化法においてメタノールを添加した場合には、非特許文献2に記載されているように嫌気性アンモニア酸化細菌の活性がメタノールの毒性によって低下し、良好な処理を行うことができない可能性がある。このため、水素供与体として酢酸ナトリウムなどメタノール以外の高価な有機物を使用しなければならず、処理コストの増大を招くという問題点があった。
本発明の目的は、前記従来技術の問題点を改善し、硝酸還元型嫌気性アンモニア酸化法を採用する際に、水素供与体としてメタノールを使用することが可能な窒素含有水の回分処理方法を提供することにある。
本発明者は、嫌気性アンモニア酸化細菌群の脱窒速度に及ぼす基質濃度特性と、嫌気性アンモニア酸化細菌に対するメタノール阻害の状況を究明することによって、水素供与体としてメタノールを使用した硝酸還元型嫌気性アンモニア酸化法を実現したものである。
図1は集積培養した嫌気性アンモニア酸化細菌を用いて各種アンモニア濃度における脱窒速度を測定したデータである。嫌気性アンモニア酸化細菌はアンモニア濃度が高いほど脱窒速度が向上し、Michaelis・Menten型の反応特性を示す。
図2は各種濃度のメタノールを添加した場合における嫌気性アンモニア酸化反応の脱窒活性比を測定したデータである。図中、グラフaは嫌気性アンモニア酸化細菌をポリエチレングリコールで包括固定化した包括固定化担体を用いた場合、グラフbは嫌気性アンモニア酸化細菌を浮遊状態で用いた場合を示す。いずれの場合でもメタノールが100mg/L以上で脱窒活性比が低下し、メタノール阻害が大きくなる。また、包括固定化担体を用いた方が浮遊状態よりも脱窒活性比が相対的に大きくなり、メタノールに対する耐性が大きいことを見いだした。
表1は集積培養した嫌気性アンモニア酸化細菌を保持した担体を用いて各種基質濃度における脱窒速度を測定したデータである。メタノール濃度は一定の100mg/Lとし、付着担体と包括固定化担体について測定し、測定結果はメタノールを添加しない場合との相対活性値で示した。アンモニア濃度が80mg/L以下の時には顕著なメタノール阻害が認められ、アンモニア濃度が高くなるに従ってメタノール阻害が少なくなる傾向がある。このような傾向を示す理由は、嫌気性アンモニア酸化細菌に対してメタノールがアンモニアに拮抗して阻害しているためと考えられる。また、付着担体に比べて包括固定化担体の方がメタノール阻害が少なく、メタノールに対する耐性が大きいことを見いだした。
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図3は模擬廃水の回分処理結果を示すデータである。模擬廃水はアンモニア性窒素濃度が500mg/L、硝酸性窒素濃度が700mg/Lの無機廃水を使用した。従属栄養性の硝酸還元菌である嫌気性脱窒菌と嫌気性アンモニア酸化細菌とを共存させた包括固定化担体を作成し、この包括固定化担体を充填率30%で投入した反応槽に上記模擬廃水を張り込み、メタノール初期濃度を変化させてトータル窒素(T−N)除去率を調べた。メタノール初期濃度が500mg/L以下では高いT−N除去率を示したが、500mg/Lを超えるとT−N除去率が急激に低下した。
本発明はかかる知見に基づいてなされたものであり、上記目的を達成するための本発明に係る窒素含有水の回分処理方法は、嫌気性アンモニア酸化細菌と従属栄養性の硝酸還元菌とを共存させた反応槽内にアンモニアと硝酸を含有する被処理水を張り込み、該被処理水を前記嫌気性アンモニア酸化細菌及び硝酸還元菌と接触させることによって回分式に脱窒処理する窒素含有水の回分処理方法において、前記反応槽内における被処理水のメタノール初期濃度が500mg/L以下となる条件でメタノールを初期添加し、前記メタノールを初期添加した後に、前記反応槽内の被処理水のメタノール濃度が100mg/L以下で、かつC/N比が0.1以上を維持するように前記メタノールを随時に添加することを特徴とする。
また、本発明に係る窒素含有水の回分処理方法は、前記メタノールを初期添加した後に、前記反応槽内の被処理水のメタノール濃度が100mg/L以下、かつC/N比が0.1以上を維持するようにメタノールを随時に添加することを特徴とする。なお、本発明においてC/N比とは被処理水中の有機性炭素濃度Cと亜硝酸性窒素濃度Nの比率を意味している。
上記方法を実施するにあたっては、前記嫌気性アンモニア酸化細菌と従属栄養性の硝酸還元菌を高分子ゲルの内部に包括固定した状態で前記反応槽内に共存させることが望ましい。また、前記反応槽の前段で前記被処理水のアンモニア性窒素と硝酸性窒素の濃度比を調整することが望ましい。
本発明に係る窒素含有水の回分処理方法によれば、窒素含有水を硝酸還元型嫌気性アンモニア酸化法によって回分式に脱窒処理する際に、反応槽内における被処理水のメタノール初期濃度が500mg/L以下となる条件でメタノールを初期添加するようにした。このため、嫌気性アンモニア酸化細菌に対するメタノール阻害を抑制しつつ、水素供与体として安価なメタノールを使用した回分処理方法を実現することができる。
また、メタノールを初期添加した後に、反応槽内の被処理水のメタノール濃度が100mg/L以下、かつC/N比が0.1以上を維持するようにメタノールを随時に添加することによって、被処理水のメタノール濃度を過不足なく維持することができ、より一層、窒素除去率を高めることができる。
また、嫌気性アンモニア酸化細菌と硝酸還元菌を高分子ゲルの内部に包括固定した状態で前記反応槽内に共存させると、脱窒速度に優れた窒素含有水の処理が可能になる。
さらに、本発明に係る窒素含有水の処理装置として、反応槽の前段で被処理水のアンモニア性窒素と硝酸性窒素の濃度比を調整すると、被処理水におけるアンモニア性窒素と硝酸性窒素の濃度比を例えば1対(1.2〜1.5)に調整することが可能になり、反応槽における硝酸還元型嫌気性アンモニア酸化反応をバランスよく促進させることができる。
図4は本発明に係る窒素含有水の回分処理方法の第1実施形態を示す系統図である。反応槽10にはアンモニアと硝酸を含有する被処理水12が1回分に相当する量で張り込まれる。反応槽10内には担体14が投入されている。担体14は嫌気性アンモニア酸化細菌と従属栄養性の硝酸還元菌とを高濃度に固定化したものである。
担体14の作成方法としては、付着固定と包括固定の2つの方法を用いることができる。付着固定では球状、筒状、紐状、ゲル状、不織布状材料などに上記の菌を付着させたものであり、凹凸の多い材料を用いると菌が付着しやすく、菌を高濃度に固定でき、脱窒能が向上する。包括固定ではモノマ又はプレポリマの固定化材料と菌を混合した混合液を重合し、高分子ゲルの内部に菌を包括固定する。モノマ材料としてはアクリルアミド、メチレンビスアクリルアミド、トリアクリルフォルマールなどがよい。プレポリマ材料としてはポリエチレングリコールジアクリレートやポリエチレングリコールメタアクリレートがよく、その誘導体を用いることもできる。形状は付着固定と同様に凹凸の多いものが被処理水との接触効率がよく、脱窒能が向上する。
反応槽10の底部には攪拌機18が配設され、この攪拌機18を駆動することにより、反応槽10内は嫌気状態に維持されるとともに、張り込んだ被処理水12と担体14とを流動させる。また、反応槽10の底部には処理水の排出口16が設けられ、この排出口16には担体14が処理水に同伴して流出しないように、担体分離用のスクリーン20が配置されている。また、排出口16には排出弁22を備えた処理水の排出管24が接続している。
さらに、反応槽10には張り込んだ被処理水12の窒素濃度を検出可能な窒素濃度計26とメタノール濃度を検出可能なメタノール濃度計28が配設されている。これらの濃度計の検出値は制御器30に送信され、制御器30では送信された被処理水12の窒素濃度及びメタノール濃度に応じて、メタノール添加手段32に設けた電磁弁を開閉させ、反応槽10内に添加するメタノール量を制御する。
上記構成の反応槽10内では供給された被処理水12と担体14とが流動状態で接触する。その結果、担体14に固定された硝酸還元菌の還元反応によって、被処理水12中の硝酸はメタノール添加手段32から添加されたメタノールを水素供与体として還元され、亜硝酸に変換される。生成した亜硝酸は担体14に固定された嫌気性アンモニア酸化細菌による脱窒反応(アナモックス反応)によって、脱窒される。この脱窒反応(アナモックス反応)では化2に示したように硝酸が一部、生成するが、生成した硝酸は直ちに硝酸還元菌によって還元され再び亜硝酸に変換されるので、反応槽10に硝酸が蓄積することはない。このように本実施形態の窒素含有水の処理方法及び装置によれば、担体14に固定して共存させた硝酸還元菌による還元反応と嫌気性アンモニア酸化細菌による脱窒反応が同時に進行し、被処理水12中の硝酸とアンモニアが段階的に脱窒される。回分処理が終了した後は排出弁22を開放し、排出管24から1回分に相当する量の処理水を反応槽10から排出する。そして、再び被処理水12を反応槽10に張り込んで、次の回分処理を繰り返す。なお、回分処理にあたっては反応槽10内の被処理水12を全量入れ替える必要はなく、被処理水12の窒素濃度などに応じて入れ替え量を任意に選択することができる。
反応槽10においては、被処理水12のメタノール濃度の管理が重要である。前記したように嫌気性アンモニア酸化細菌はメタノール阻害を受け易い。このため、アンモニアと拮抗関係にあるメタノールの濃度を適正に管理し、メタノール初期濃度を500mg/L以下とする。また、メタノールを初期添加した後には、必要に応じて反応槽10内の被処理水12のメタノール濃度が100mg/L以下で、かつC/N比が0.1以上を維持するようにメタノールを随時に添加する。
図5はメタノール濃度の管理例を示したモデル図である。図中、ケース1は被処理水12のアンモニア初期濃度が高濃度の場合を示す。被処理水12のアンモニア濃度が500mg/L以上の場合では、表1に示したようにメタノール阻害をほとんど受けない。したがって、回分処理の初期ではメタノール濃度が例えば400mg/L程度となるようになるべく多量のメタノールを添加する。添加されたメタノールは硝酸還元菌による還元反応において水素供与体として消費され、回分処理の過程でメタノール濃度が徐々に低下する。同時に被処理水12のアンモニア濃度や硝酸濃度も徐々に低下する。
水素供与体としてメタノールの濃度が低下すると還元反応が不活発となり、脱窒反応にも悪影響を与える。したがって、経過時間aでは被処理水12におけるC/N比が少なくとも0.1を維持するようにメタノールを補充する。経過時間aではそれまでの脱窒反応によって、被処理水12のアンモニア濃度が例えば300mg/Lに低下しており、表1に示したように嫌気性アンモニア酸化細菌がメタノール阻害を受ける可能性が大きくなる。したがって、経過時間aでは被処理水12のメタノール濃度が100mg/L程度となるようにメタノールの添加量を調整する。
経過時間bでも被処理水12におけるC/N比が少なくとも0.1を維持するようにメタノールを補充する。経過時間bではそれまでの脱窒反応によって、被処理水12のアンモニア濃度がより一層、低下しており、例えば100mg/Lになっている。したがって、経過時間bでは被処理水12のメタノール濃度が50mg/L程度となるようにメタノールの添加量を調整する。
図5のケース2は被処理水12のアンモニア初期濃度が200mg/L程度の中濃度の場合を示す。このケースではメタノール初期濃度が100mg/Lを超えると、表1に示したように嫌気性アンモニア酸化細菌がメタノール阻害を受ける可能性が大きくなる。したがって、メタノール初期濃度が80mg/L程度となるようにメタノールの添加量を調整する。以下、ケース1と同様の考え方で水素供与体としてのメタノールが不足することが懸念される経過時間cでは、被処理水12のメタノール濃度が40mg/L程度となるようにメタノールの添加量を調整する。
上記したメタノールの添加量の調整は、前記したように窒素濃度計26とメタノール濃度計28で検出した被処理水12の窒素濃度及びメタノール濃度に応じて、制御器30がメタノール添加手段32の電磁弁34を制御することによって実施する。
本実施形態の窒素含有水の回分処理方法は、被処理水12が有機物をほとんど含まない無機系の窒素含有水である場合に特に有効であるが、被処理水12が有機系の窒素含有水に対しても適用することができる。被処理水12が有機系の場合には、被処理水12中の有機物を還元反応における水素供与体として利用することができるので、その分、メタノールの添加量を減らすことができる。例えば、被処理水12中の有機物量が多い場合には運転初期ではメタノールを添加せず、還元反応に必要な水素供与体の全量を被処理水12中の有機物で賄う。そして、回分処理の経過途中で不足する水素供与体をメタノールの添加によって補うようにすればよい。このような場合には図4に示したメタノール濃度計28に替えて有機炭素計を設置し、この有機炭素計で検出した被処理水12中の有機性炭素濃度に応じて、メタノールの添加量を調整し、反応槽10内の被処理水12のメタノール濃度が100mg/L以下で、かつC/N比が0.1以上を維持するように管理することが望ましい。
上述のとおり、本実施形態の窒素含有水の回分処理方法によれば、反応槽10内には嫌気性アンモニア酸化細菌と従属栄養性の硝酸還元菌とを高濃度に固定化した担体14が保持されている。そして、メタノール添加手段32からのメタノール添加量を被処理水12の窒素濃度に応じて添加するようにしている。すなわち、嫌気性アンモニア酸化細菌がメタノール阻害を受け難いように、かつ、被処理水12のC/Nを0.1以上に維持して従属栄養性の硝酸還元菌が還元反応を行うために必要な水素供与体が不足しないようにメタノールを過不足なく添加することができる。
このため、硝酸還元型嫌気性アンモニア酸化法を採用する際に、水素供与体として安価なメタノールを使用することが可能となり、経済性に優れた窒素含有水の回分処理方法を実現することができる。特に、担体14として嫌気性アンモニア酸化細菌と硝酸還元菌を高分子ゲルの内部に包括固定した包括固定化担体を用いた場合には、メタノール阻害が少なく、メタノールに対する耐性が大きいので有効である。
図6は本発明に係る窒素含有水の回分処理方法の第2実施形態を示す系統図である。図6において図4と同一の符号を付した要素は前記第1実施形態と同様の要素であり、説明を省略する。本実施形態は原水としての被処理水12Aが例えばアンモニアのみを含んでおり、硝酸を含んでいない場合に適用される。このような場合には、被処理水12Aの一部を硝化槽40に導き、被処理水12A中のアンモニアを硝酸(亜硝酸を含む。)にする。硝化槽40としては従来技術として周知の各種の生物学的な硝化反応槽を用いることができる。この硝化槽40で硝化された硝化液12Bを被処理水12Aの残部と混合し、被処理水12として反応槽10に供給する。被処理水12におけるアンモニア性窒素と硝酸性窒素の濃度比を1対(1.2〜1.5)に調整することによって、反応槽10における硝酸還元型嫌気性アンモニア酸化反応がバランスよく促進する。
なお、本実施形態では反応槽10には前記第1実施形態で説明した窒素濃度計26とメタノール濃度計28を設置せずに、回分処理中に反応槽10内の被処理水12を適当なタイミングでサンプリングし、サンプリング水の分析結果に基づき、第1実施形態と同様の考え方でメタノール添加手段32からのメタノール添加量を調整する。
実施例1
アンモニアと亜硝酸で集積培養し、嫌気性アンモニア酸化細菌濃度が8×10cell/mLで脱窒速度1.2kg−N/m/日の能力を持った集積培養汚泥を実験に供試した。この集積培養汚泥と従属栄養性の硝酸還元菌である脱窒菌を含んだ活性汚泥とを模擬廃水を張り込んだ反応容器に投入し、MLSSとして4000mg/L、総菌数数4×10cell/mL、嫌気性アンモニア酸化細菌濃度が8×10cell/mLの条件で運転を開始した。なお、汚泥は担体に固定せずフリー状態の浮遊式とした。
模擬廃水は、トータル窒素(T−N)濃度が1200mg/L(アンモニア性窒素濃度500mg/L、硝酸性窒素700mg/L)の無機廃水であり、この無機廃水にメタノール初期濃度が300mg/Lとなるようにメタノールを添加して運転を開始した。さらに、運転開始後、1日目、1.5日目、2日目にメタノールを各100mg/L添加した。また、比較例としてメタノール初期濃度を600mg/Lとし、以降はメタノールを添加しない運転を併せて行った。
図7は実験結果を示すグラフである。本発明方法ではT−N濃度が初期の1200mg/Lから3日目には約200mg/Lにまで低下し、T−N除去率84%を示した。一方、比較例は3日目におけるT−N除去率が45%程度であった。比較例のT−N除去率が低い理由は、嫌気性アンモニア酸化細菌が初期のメタノール添加によってメタノール阻害を受け、活性が低下したためと考えられる。
実施例2
アンモニアと亜硝酸で集積培養し、嫌気性アンモニア酸化細菌濃度が8×10cell/mLで脱窒速度1.2kg−N/m/日の能力を持った集積培養汚泥を実験に供試した。この集積培養汚泥と従属栄養性の硝酸還元菌である脱窒菌を含んだ活性汚泥とを混合し、この混合汚泥がMLSSとして2%となるようにポリエチレングリコールに包括固定し、3mm角の包括固定化担体を得た。この担体の嫌気性アンモニア酸化細菌濃度は4×10cell/mL、脱窒菌数は8×10cell/mLであり、この担体を図4に示した反応槽に充填率40%で投入し、模擬廃水による回分処理実験を行った。
模擬廃水はトータル窒素(T−N)濃度が3000mg/L(アンモニア性窒素濃度1400mg/L、硝酸性窒素1600mg/L)の無機廃水であり、この無機廃水にメタノール初期濃度が300mg/Lとなるようにメタノールを添加して運転を開始した。さらに、運転開始後、被処理水のメタノール濃度が100mg/Lに達した時点からはメタノール濃度が90〜100mg/Lを維持するようにメタノールの添加量を自動制御した。また、比較例としてメタノール初期濃度を300mg/Lとし、24時間後にメタノールを300mg/L添加した運転を併せて行った。
図8は実験結果を示すグラフである。本発明方法ではT−N濃度が初期の3000mg/Lから2日目には約400mg/Lにまで低下し、T−N除去率87%を示した。一方、比較例は2日目におけるT−N除去率が40%程度であった。本発明方法では初期濃度が300mg/Lのメタノールは運転開始後の早い段階(数時間以内)で還元反応における水素供与体として消費され、以降は自動制御によるメタノール濃度が90〜100mg/Lを維持した運転を行ったため、水素供与体としてメタノールが常時、過不足なく補給されて高いT−N窒素除去率を達成したものと考えられる。一方、比較例では初期濃度が300mg/Lのメタノールは運転開始後の早い段階(数時間以内)で還元反応における水素供与体として消費され、以降のメタノール濃度制御が不適正であったために、水素供与体の不足によって還元反応が進まず、T−N除去率の低下を招いたものと考えられる。
集積培養した嫌気性アンモニア酸化細菌を用いて各種アンモニア濃度における脱窒速度を測定したデータである。 各種濃度のメタノールを添加した場合における嫌気性アンモニア酸化反応の脱窒活性比を測定したデータである。 模擬廃水の回分処理結果を示すデータである。 本発明に係る窒素含有水の回分処理方法の第1実施形態を示す系統図である。 メタノール濃度の管理例を示したモデル図である。 本発明に係る窒素含有水の回分処理方法の第2実施形態を示す系統図である。 実施例1の実験結果を示すグラフである。 実施例2の実験結果を示すグラフである。
符号の説明
10………反応槽、12,12A………被処理水、12B………硝化液、14………担体、16………排出口、18………攪拌機、20………スクリーン、22………排出弁、24………排出管、26………窒素濃度計、28………メタノール濃度計、30………制御器、32………メタノール添加手段、34………電磁弁、40………硝化槽。

Claims (3)

  1. 嫌気性アンモニア酸化細菌と従属栄養性の硝酸還元菌とを共存させた反応槽内にアンモニアと硝酸を含有する被処理水を張り込み、該被処理水を前記嫌気性アンモニア酸化細菌及び硝酸還元菌と接触させることによって回分式に脱窒処理する窒素含有水の回分処理方法において、前記反応槽内における被処理水のメタノール初期濃度が500mg/L以下となる条件でメタノールを初期添加し、前記メタノールを初期添加した後に、前記反応槽内の被処理水のメタノール濃度が100mg/L以下で、かつC/N比が0.1以上を維持するように前記メタノールを随時に添加することを特徴とする窒素含有水の回分処理方法。
  2. 前記嫌気性アンモニア酸化細菌と従属栄養性の硝酸還元菌を高分子ゲルの内部に包括固定した状態で前記反応槽内に共存させることを特徴とする請求項に記載の窒素含有水の回分処理方法。
  3. 前記反応槽の前段で前記被処理水のアンモニア性窒素と硝酸性窒素の濃度比を調整することを特徴とする請求項1又は2に記載の窒素含有水の回分処理方法。
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