JP4812460B2 - 動脈血管判定方法および装置 - Google Patents

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Description

本発明は、超音波プローブを用いて、生体の皮膚下の組織に存在する管状構成物が動脈であるか否かの判定を行う装置に関するものである。
血流依存性血管拡張反応検査(FMD)は血管内皮機能を検査する代表的な方法の一つである。この検査法は、安静時におけるたとえば上腕の動脈の血管径と、一定時間の阻血を行い、その解放後に拡張する血管の血管径を測定し、その増加率%FMD(Flow mediated dilatation)を得るものであり、得られた%FMDは動脈硬化の可能性を示す指標として用いられる。このとき、上腕動脈の血管径は、たとえば、超音波断面画像上に現れた動脈の径を画像上で計測することにより得られる。
ところで、超音波断面画像上に現れた管状の画像について、それが動脈のものであるのか、静脈のものであるのかの判断は、超音波画像診断に一般的に用いられるBモードと呼ばれる、反射エコーの強度に比例した輝度の輝点を表示装置に表示する方式による超音波断層像においては困難であった。
これに対し、特許文献1の装置は、超音波カラードップラー映像装置を使用することにより、血流速度パターンの時間的変化にともなう血流情報から動脈と静脈の血管種類を決定し、この決定された血管の種類によって色相を相違させて表示している。しかし、このような装置においては、診断に用いる超音波画像を表示するためのBモード超音波画像表示装置に加えて、当該画像中の血管が動脈であるか静脈であるかを色相を相違に表示するための超音波カラードップラー映像装置を組み合わせなければならないため、装置の複雑化、ひいては高価格化の問題が生ずることとなる。また、操作の煩雑化の問題も生ずる。
特開平11−235342号公報
上述のように、超音波断層画像において血管の内皮機能を検査する場合などにおいては、当該超音波断層画像における管状画像の中から動脈を選択する必要があるが、超音波断層画像においてはその判別は困難であった。
本発明は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、生体の皮膚下の組織の中における管状の構成物について、動脈血管と静脈血管の区別をすることができる動脈血管判定装置を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成するために種々検討を重ね、超音波プローブに受けられる皮膚下の管状構成物の管壁からの反射波である管壁信号を観察するうち、以下の点を見いだした。すなわち、動脈は心拍に同期した脈動を生ずるものであり、また、一定の押圧に対しては静脈やリンパ管は変形をする一方で動脈は変形をしないものであり、また、動脈の内膜も超音波を反射するという特徴を有するものであるから、これらの特徴を反射波信号中に捉えることにより、当該反射波信号によって判明した皮膚下に存在する管状の構成物が動脈であるか否かの判定をすることができるというものである。本発明はこのような知見に基づいて為されたものである。
すなわち、前記目的を達成するための請求項1に係る発明は、生体の一部の皮膚上に配置された超音波プローブの放射面から超音波を放射することにより該皮膚下の管状構成物が動脈血管であるか否かを判定するための動脈血管判定装置であって、前記超音波プローブに検出された前記生体の皮膚下の組織からの反射波信号に含まれる管状構成物の壁からの反射波に基づいて管壁信号を抽出する管壁抽出手段と、該管壁抽出手段によって得られた前記管壁信号に動脈の特徴が表れていることに基づいて該管壁からなる前記管状構成物が動脈血管であることを判定する動脈判定手段と、を含み、前記動脈判定手段は、前記管壁信号に動脈の内膜に相当する信号の有無に基づいて動脈を選択するものであることを特徴とする。
請求項1に係る発明の動脈血管判定装置によれば、放射した超音波の管状構成物の壁からの反射波に含まれる前記管状構成物の壁からの反射波に基づいて管壁信号が抽出され、この管壁信号に動脈の特徴が表れていることに基づいて管壁からなる前記管状構成物が動脈血管であることを判定するので、カラードップラー装置の様な他の装置を必要とすることなく、該動脈判定手段により動脈血管を判定することができる。また、上記動脈判定装置によれば、前記動脈判定手段は、前記管壁信号中に血管の内膜による反射波信号の有無を判別することにより動脈を選択するので、好適に動脈を判定できる。
以下、本発明の好適な実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の実施例において、超音波画像装置による画像を示す図面においては、実際の超音波画像装置によって得られる画像と白黒が逆転している。すなわち、当該超音波画像を示す以下の図面における黒い部分は、実際の超音波画像においては白く表示される、すなわち輝度が明るい部分となっている。
図1は、本発明の一実施例のセンサ保持装置10に保持された超音波プローブ(超音波探触子)12を用いて被検出体である生体14の上腕16の皮膚18の上からその皮膚18直下に位置する血管20の横断面画像(短軸画像)或いは縦断面画像(長軸画像)を測定する血管画像測定装置22を備えた動脈判定装置30を説明する正面図である。
上記超音波プローブ12は、生体情報を検出するためのセンサとして機能するものであって、たとえば圧電セラミックスから構成された多数個の超音波振動子が一列に配列されることにより構成された1列または互いに平行な2列の超音波アレイを含む先端部24が、3軸駆動機構26を介してプローブ本体28に備えられている。
動脈判定装置30は、所謂マイクロコンピュータから構成された電子制御装置32と、モニタ画面表示装置34と、入力操作装置であるキーボード36およびマウス37、超音波駆動制御回路38とを備えており、電子制御装置32は、超音波駆動制御回路38から駆動信号を供給して超音波プローブ12の先端部24にある超音波アレイから超音波を放射させ、その先端部24の超音波アレイにより検知された超音波反射信号を受けてその超音波反射信号の処理を行うことによって、皮膚18下の超音波画像を発生させ、モニタ画面表示装置34に表示させる。先端部24の下端面が、超音波を放射する放射面Sに対応している。また、電子制御装置32は、血管20の横断面画像(短軸画像)を生成させるに際しては、上記超音波アレイを血管20に対して直交する位置となるように3軸位置決め機構26を駆動することによりに位置決めさせ、血管20の縦断面画像(長軸画像)を生成させるに際しては、上記超音波アレイを血管20に対して平行となるように3軸位置決め機構26に位置決めさせる。
上記超音波駆動制御回路38は、電子制御装置32からの指令に従って、上記超音波アレイを構成する一列に配列された多数個の超音波振動子のうち、その端から、一定数の超音波振動子群毎に所定の位相差を付与しつつ10MHz程度の周波数で同時駆動するビームフォーミング駆動することにより超音波振動子の配列方向において収束性の超音波ビームを血管20に向かって順次放射させ、その放射毎の反射波を受信して電子制御装置32へ入力させる。また、上記超音波アレイの放射面には、その超音波振動子の配列方向に直交する方向に超音波ビームを収束させるための音響レンズが設けられている。
電子制御装置32は、上記超音波アレイにより検出された反射波に基づいて超音波断面画像を合成し、皮膚18下における血管20の横断面画像(短軸画像)を生成させ、或いは血管20の縦断面画像(長軸画像)を生成させて、モニタ画面表示装置34に表示させる。
上記超音波プローブ12は、三次元空間内の所望の位置すなわち所定の位置において被検出体である生体14の上腕16の皮膚18の上からその皮膚18直下に位置する血管20を変形させない程度に軽く接触させる状態でセンサ保持装置10に所望の姿勢で保持されるようになっている。上記超音波プローブ12の先端部24の端面と皮膚18との間には、通常、超音波の減衰、境界面における反射や散乱を抑制して超音波画像を明瞭とするためのよく知られたゼリー等のカップリング剤が介在させられる。このゼリーは、たとえば寒天等の高い割合で水を含むゲル状の吸水性高分子であって、空気よりは固有インピーダンス(=音速×密度)が十分に高く大きく超音波送受信信号の減衰を抑制するものである。また、そのゼリーに換えて、水を樹脂製袋内に閉じ込めた水袋、オリーブ油、グリセリン等が用いられ得る。
上記センサ保持装置10は、机、台座等に位置固定に設けられ、垂直な回動軸心C方向に形成された嵌合穴40を備えた基台42と、その嵌合穴40内に相対回転可能に嵌合された嵌合軸44を備え、基台42に対して垂直な回動軸心Cまわりに回動可能に設けられた回動部材46と、その回動部材46に固定された第1固定リンク48aを含む4つのリンク48a乃至48dから成る第1リンク機構48と、第1リンク機構48の先端部に固定された第2固定リンク50aとして含む4つのリンク50a乃至50dから成る第2リンク機構50と、この第2リンク機構50の先端部において固定されて超音波プローブ12を回曲自在に連結してそれを支持する自在継手52と、操作レバー54の非操作によって自在継手52の回曲を常時固定し、操作レバー54の操作にしたがって常時固定されていた回曲を許容すなわち固定状態を解放するストッパ装置56とを備えている。
上記第1リンク機構48は、互いに平行な1対の第1固定リンク48aおよび第1可動リンク48bと、平行4辺形を構成するようにそれら1対の第1固定リンク48aおよび第1可動リンク48bの両端部にそれぞれ回動可能に連結された互いに平行な1対の第1回動リンク48cおよび48dとを備え、その第1可動リンク48bが回動軸心Cを含む面内で移動するように第1固定リンク48aが回動部材46に固定されている。そして、この第1リンク機構48には、上記第1可動リンク48bに負荷される荷重に抗する方向成分の推力を発生させる第1付勢装置として機能する第1コイルスプリング49が設けられている。この第1コイルスプリング49は、第1回動リンク48cと第1固定リンク48aとの連結点と、第1回動リンク48dと第1可動リンク48bとの連結点との間に張設されており、この第1コイルスプリング49により発生させられている第1可動リンク48bを上方へ引き上げる方向のモーメントと、第1可動リンク48bに負荷される荷重により発生させられている第1可動リンク48bを下方へ引き下げる方向のモーメントとが略相殺されるようになっている。
上記第2リンク機構50は、互いに平行な1対の第2回動リンク50cおよび50dと、平行4辺形を構成するようにそれら一対の第2回動リンク50cおよび50dの両端部にそれぞれ回動可能に連結された1対の第2固定リンク50aおよび第2可動リンク50bとを備え、その第2可動リンク50bが回動軸心Cを含む面内で移動するようにその第2固定リンク50aが第1可動リンク48bに略直交する姿勢で固定されている。そして、この第2リンク機構50には、第2可動リンク50bに負荷される荷重に抗する方向成分の推力を発生させる第2付勢装置として機能する第2コイルスプリング51が設けられている。この第2コイルスプリング51は、第2回動リンク50cと第2固定リンク50aとの連結点と、第2回動リンク50dと第1可動リンク50bとの連結点との間に張設されており、この第2コイルスプリング51により発生させられている第2可動リンク50bを上方へ引き上げる方向のモーメントと、第2可動リンク50bに負荷される荷重により発生させられている第2可動リンク50bを下方へ引き下げる方向のモーメントとが略相殺されるようになっている。このような第1コイルスプリング49および第2コイルスプリング51の相殺作用により、超音波プローブ12が三次元空間内の所望の位置に停止するか或いはゆっくりと下降する程度に保持され、血管20を変形させない程度で超音波プローブ12の先端部24がゼリー等のカップリング剤を介して面接触状態で軽く密着させられるようになっている。
図2は、動脈判定装置30の制御機能であって、電子制御装置32によって実現される機能の要部を説明する機能ブロック線図である。
R波検出手段80は、図1における心電誘導装置78において測定された被検出体である生体14の心臓活動電流の変化に関連した表皮電位を示す心電図(ECG)から、心室の収縮を示す波形の特徴の一つであるR波を検出し、また、R波から次のR波までの間隔を算出する。
断面画像生成手段82は、超音波アレイにより検出された反射波に基づいて超音波断面画像を合成し、皮膚18下における血管20の横断面画像(短軸画像)を生成し、或いは血管20の縦断面画像(長軸画像)を生成して、モニタ画面表示装置34に表示させる。
動脈判定手段84は、後述する血管位置探索手段94によって探索された血管の位置および大きさについての情報と、後述する輝度判定手段92によって判定された高輝度領域についての情報をもとに、超音波断面画像中の管状構成物の像が動脈のものであるかの判定を行う。この判断は、たとえば、後述する血管位置探索手段94により探索された超音波画像中における血管画像が、輝度判定手段92において特定される輝度が一定の輝度よりも高い画素の集合する領域である高輝度領域内に存在するか否かの判断に基づいて行われ、血管画像が高輝度領域に存在する場合、その血管画像は動脈血管の画像であると判定する。
画像記憶手段86は、断面画像生成手段82により生成され、あるいは後述する輝度差分画像算出手段88や画像積算手段90において出力された複数の画像を、電子制御装置32の所定記憶領域内に取り出し可能に記憶する。
輝度差分画像算出手段88は、画像記憶手段86に記憶された2枚の画像について、両画像において対応する画素ごとに両画像における輝度の差分の絶対値を算出し、その絶対値を各画素ごとの輝度とすることにより得られる画像を出力し、画像記憶手段86に記憶させる。
画像積算手段90は、複数の画像について、それら複数の画像において対応する画素ごとにそれら複数の画像の輝度を積算し、積算された値を各画素ごとの輝度とすることにより得られる一枚の画像として出力し、画像記憶手段86に記憶させる。
輝度判定手段92は、断面画像生成手段82によって生成され、あるいは、輝度差分画像算出手段88や画像積算手段90によって加工された後に画像記憶手段86に記憶された画像中の各画素について、その輝度が予め定められた一定の輝度以上の輝度を有するものかどうかを判定する。そして、一定以上の輝度を有する画素が集合している部分が存在するか否かについて判定し、存在する場合にはその部分を囲む領域(「高輝度領域」とも称する。)を設定する。このとき、判断に用いられる一定の輝度は、任意に定めることができる。
血管位置探索手段94は、断面画像生成手段82により生成され、あるいは輝度差分画像算出手段88や画像積算手段90において出力された画像中において、血管の像が有する特徴、たとえば、短軸画像であれば、血管の断面に相当する環状輪郭線を有する円環状の像があるか否かを判定し、あると判定したものを血管の像であるとして、その血管の位置、大きさ等を認識する。
画像マーク表示手段96は、超音波断面画像をモニタ画面表示装置34に表示する際に、画像中において強調したい部分などに、その画像にたとえば十字印や四角形などのマークを画像に併せて表示する。たとえば、複数の血管画像が含まれる超音波画像において、動脈血管の画像を囲む様に四角形を表示したり、動脈血管を表す円環状の画像の中心に十字を重ねて表示したりする。たとえば図4(i)における四角の印21aや、図4(j)の左上の血管画像に重ねて表示された十字の印21bである。
図3は、心電図(ECG)と動脈血管の直径の大きさを同一の時間軸上にて表した図である。すなわち、この図で表されるように、動脈血管は、心臓の拍動により脈動し、その直径の大きさが変化する。また、図4(a)〜(e)各図は、図3における時刻t〜tの各時点における血管画像測定装置により得られた生体14の皮膚18下における血管20の横断面画像の一例である。ここで、t〜tは予め一定間隔で定められた時刻である。
このとき、動脈の脈動は、心臓の拍動にともなって発生するものであるが、図3に示すように、動脈の脈動による動脈の径の大きさは、R波の発生から次のR波の発生までの心臓の一拍の周期Trのおよそ半分(Tr・1/2)の間に最小と最大の両方の状態をとるという知見にもとづき、R波の発生からその次のR波までの周期Trのおよそ半分(Tr・1/2)に相当するTgなる時間を予め設定し、動脈判定装置30における断面画像生成手段82による超音波画像の生成は、R波の発生からTgの間のみ行い、その後次のR波の発生までの間は超音波画像の生成を行わないようにすることができる。図3にこの作動のタイミングチャートを併せて示す。
このとき、図4(a)〜(e)の各画像中左上の血管20aは時刻ごとにその径が変化している一方、右下の血管20bは時刻によらずその径は一定となっている。これは、上述の様に、動脈血管が有する脈拍に同期して脈動するという性質が画像上に現れているためである。この性質により画像中左上の血管20aが動脈であると判別することができるのである。
図5は、上記の図4(a)〜(e)のような、連続する超音波画像に基づいてその超音波画像中における血管画像のうち動脈の画像を選択する、動脈判定装置30の作動を示すフローチャートである。図5において、まず、R波検出手段80に対応するステップ(以下「ステップ」を省略する。)SA1において、R波を検出するまで、SA2以降の実行が停止させられる。
断面画像生成手段82および画像記憶手段86に対応するSA2では、最初の時刻、たとえばtにおいて、超音波プローブ12からの超音波受信信号(血管20からの超音波反射波)に基づいてその短軸画像が生成され、その画像が画像記憶手段86に記憶される。このときの画像はたとえば、図4における(a)に相当する。なお、本フローチャートにおいては、本ステップSA2および次のSA3が超音波プローブに検出された生体の皮膚下の組織からの反射波信号に含まれる前記管状構成物の壁からの反射波に基づいて管壁信号を抽出する管壁抽出工程に相当し、続くSA4以降が、管壁抽出工程によって得られた管壁信号に動脈の特徴が表れていることに基づいてその管壁からなる管状構成物が動脈血管であることを判定する動脈判定工程に相当する。
続くSA3においては、続く時刻たとえばtにおける画像が断面画像生成手段82によって生成され、画像記憶手段86に記憶される。このときの画像は、図4における(b)に相当する。次いで輝度差分画像算出手段88に対応するSA4においては、直前に生成された2つの画像(ここでは時刻tにおける画像すなわち図4における(b)と時刻tにおける画像すなわち図4における(a))の輝度の差分の絶対値が計算される。この結果得られる輝度差分画像は図4における(f)に相当する。
画像積算手段90に対応するSA5においては、SA4によって算出された輝度差分画像が、今回より前にSA5において算出された輝度差分画像があれば、すなわち、今回実行するSA5が反復により2回目以降に実行されるものであれば、前回までの輝度差分画像に積算される。
SA6においては、図示しないタイマなどによって、時刻が、ECGのR波から次のR波までの各周期においてTgを経過しているかが判断される。ここで、Tgは前述のとおり、心拍の周期の約1/2の時間であり、たとえば、R波検出手段80により予め検出されたR波の間隔の平均から求められる。SA6においては、時刻が、その周期におけるR波からTgを経過していれば、SA6の判断が肯定され、その周期においては待機状態とさせられ、それ以上SA3〜SA5の作動を行わず、SA7へ進む。一方、時刻が、その周期においてTgを経過していなければ、SA6の判断が否定され、時刻が、その周期においてTgを経過するまでの間、SA3〜SA5の作動が繰り返される。すなわち、続いてSA3において時刻tにおける画像が作成され(図4(c)…(e))、SA4において時刻tにおける画像とtにおける画像の輝度差分画像が計算され(図4(g)…(h))、SA5において先に計算された輝度差分画像と積算され、これがその周期におけるR波発生からTgを経過するまで繰り返される。
SA7においては、たとえば図示しないタイマなどによって、SA3〜SA5の一連の作動が一定時間だけ反復されたか否かが判断される。ここで、一定時間とは後述するSA9において動脈を判別できるのに十分な輝度差分画像が得られるまでの時間をいう。たとえば、時刻tが経過後に一定時間が経過するのであれば、時刻tが経過するまでの間はSA7の判断が否定され、SA1〜SA6のステップが繰り返し実行される。すなわち、続いてSA1において次の周期のR波の発生を待って、その周期についてSA2〜SA6の一連の作動が実行され、これが時刻tまで繰り返される。一方、時刻tが経過した場合はSA7における判断が肯定され、SA8に進む。ここで、この繰り返しを一定間隔で行うのであれば、十分な反復を行ったか否かは時刻tが経過したか否かではなく、n回の画像の記憶を行ったか否かで判定することもできる。
輝度判定手段92に対応するSA8においては、SA5により積算された輝度差分画像において輝度が高い領域を設定する。ここで、輝度が高い領域とは、操作者が定めた一定の輝度を超える画素を囲む領域であり、たとえば、図4(i)において四角で囲まれた領域21aである。
続く、血管位置探索手段94および動脈判定手段84に対応するSA9においては、超音波断面画像中にある血管画像が動脈血管の画像として判定される。まず、血管位置探索手段94により、最新の、たとえば時刻tにおける超音波断面画像中における血管画像が認識される(たとえば図4(e))。続いて、動脈判定手段84によって、それらの血管画像が、SA8において特定された輝度が高い領域内に存在するか否かについての判断を行う。その結果、血管画像が輝度が高い領域内に存在すると判断されれば、その血管画像は続くSA10において動脈血管の画像であると判定され、SA11に移る。一方、血管画像のいずれもが輝度が高い領域内に存在しないと判断された場合は、その画像には動脈は存在しないと判断される。この場合、SA11は実行する必要がないため、フローチャートはそのまま終了する。図4においては、時刻tにおける超音波断面画像である図4(e)中において2本の血管画像が認識され、そのうちの左上の血管画像が、SA8において特定された輝度が高い領域である図4(i)の四角で囲まれた領域に存在するとSA9で判断され、SA10においてその左上の血管画像は動脈血管の画像であると判定される。
続く画像マーク表示手段96に対応するSA11においては、最新の、たとえば時刻tにおける超音波断面画像をモニタ画面表示装置34に表示させる際に、SA10において動脈であると判定された血管画像について、それが動脈である旨の表示を重ね合わせる。そして、本フローチャートは終了する。図4においては、SA10において動脈血管の画像であると判定された図4(e)中の左上の血管画像は、モニタ画面34に表示される際に、図4(j)にあるように、それが動脈血管の画像であることを示す十字のマーク21bが重ねて表示されることとなる。
本実施例によれば、超音波画像中において好適に動脈が選択できる。また、その効果に加え、時刻Tg以降、次のR波までの残りの時間は、SA3〜SA5の作動、すなわち、画像生成・輝度差分画像算出・輝度差分画像積算の各作動を行わないことから、積算される輝度差分画像から体動や外来ノイズ等の影響を除くことが可能になるという利点と、その残りの時間に電子制御装置32が上記動脈判定の作動以外の作動を行うことが可能であるという利点とが得られる。
次に、本発明の他の実施例を説明する。なお、以下の説明において実施例相互間で共通する機能或いは構成の部分は同一の符号を付して説明を省略する。
図6は、本実施例において用いられる押圧装置68を介して超音波プローブ12が取り付けられたセンサ保持装置10を含む動脈判定装置30を説明する正面図である。また、図7は、本実施例における動脈判定装置30の制御機能であって、電子制御装置32によって実現される機能の要部を説明する機能ブロック線図である。図8は第3の実施例における動脈判定装置30の作動を表すフローチャートであり、図9はその動脈判定装置30のモニタ画面表示装置34の各ステップにおける超音波断面画像を表す図である。
図8の押圧装置起動手段98は、与えられた指示に応じて、押圧装置68に取り付けられた超音波プローブ12が生体14の皮膚18に押しつけられるように、また、その押しつけられた状態を維持するように、さらに、作動前の状態すなわち超音波プローブ12が皮膚18に押しつけられないものの皮膚下の血管が押しつぶされない程度に超音波プローブ12が皮膚18に密着している状態に戻すように押圧装置を作動させる。
図6の押圧装置68は、図1において直接プローブ12が取り付けられていた自在継手52と超音波プローブ12の間に取り付けられるものであって、自在継手52に固定された本体部68aと、本体部に対してたとえば上下方向の一方向にのみ作動可能であって超音波プローブ12と固定されたことにより超音波プローブ12と一体となって動作するプローブ取付部68bと、プローブ取付部68bを下方向に押下することにより超音波プローブ12が皮膚下に押圧を与えるために本体部68aに取り付けられた加圧部68cと、その押圧が急激なものとなることを緩和するために本体部68aに取り付けられたダンパ68dおよび、アクチュエータの制御部68eから構成される。
ここで、加圧部68cにはアクチュエータとしてたとえばモータや電磁石などが好適に用いられ、ダンパ68dには、たとえばコイルスプリングなどが好適に用いられる。
加圧部68cは、図7における押圧装置起動手段98により制御部68cを介して起動され、伸長することによりプローブ取付部68bを押し下げることにより、プローブ取付部68bに取り付けられた超音波プローブ12の先端部24を皮膚に押しつける。ここで、超音波プローブ12の先端部24が皮膚18に与える押圧とは、断面画像生成手段により超音波プローブに検出される超音波の反射波に基づいて生成される断面画像内において、動脈以外の管が変形する程度の押圧である。なお、このとき、ダンパ68dが存在することにより、急激にプローブ12が皮膚に押しつけられたりたたきつけられたりすることはない。なお、押しつけられたプローブ12は、押圧装置起動手段98が解除されるまで、押し下げられた状態を保持するよう設計されている。
また、押圧装置起動手段98が解除されることにより、加圧部68cが収縮し、伸長前の状態に戻ることによりプローブ取付部68bに取り付けられた超音波プローブ12が押圧を加える前の位置である、血管20を変形させない程度で超音波プローブ12の先端部24がゼリー等のカップリング剤を介して面接触状態で軽く密着させられるようになっている位置まで戻るようになっている。
本実施例において、断面画像生成手段82は、押圧装置起動手段98の起動前すなわち、超音波プローブ12が皮膚18に押しつけられることなく密着した状態と、押圧装置起動手段98の起動中すなわち超音波プローブ12が皮膚18に押圧を与えている状態のそれぞれにおいて、これまでの実施例と同様に、超音波アレイにより検出された反射波に基づいて超音波断面画像を合成し、皮膚18下における血管20の横断面画像(短軸画像)を生成し、或いは血管20の縦断面画像(長軸画像)を生成して、画像記憶手段86に記憶させ、また、モニタ画面表示装置34に表示させる。
押圧装置起動手段98の起動前においては、超音波プローブ12は皮膚18下の血管20を変形させない程度に皮膚18に密着させられていることから、たとえば断面画像生成手段82によって生成された短軸画像(図9(a))における皮膚下の血管20は静脈(20b)であっても動脈(20a)であっても真円に近い形状の画像となって表れる。一方、押圧装置起動手段98の起動中においては、超音波プローブ12は血管のうち静脈のみが押しつぶされて変形する程度の押圧で皮膚18に押しつけられていることから、断面画像生成手段82によって生成された短軸画像(同図(c))において、皮膚下の血管のうち、静脈(20b)の画像はそれが押しつぶされた結果楕円形状の画像となって表れる一方、動脈(20a)の画像は、その押圧では動脈は押しつぶされないことから、略円環状を保った画像となって表れることとなる。
輝度差分画像算出手段88は、これまでの実施例同様、2枚の画像について、両画像において対応する画素ごとに両画像における輝度の差分の絶対値を算出し、その絶対値を各画素ごとの輝度とすることにより得られる画像を出力する。ここで上記2枚の画像とは、本実施例においては、押圧装置起動手段98の起動前および起動中の画像中であり、これらの2枚の画像において、動脈20aの形状は略円環状で変化しないものの、静脈20bの形状は押圧により円環状から楕円状に変化することから、これら2枚の画像の輝度の差分の絶対値を算出すると、動脈20aの血管画像についてはほぼゼロとなる一方、静脈20bの血管画像については円環状の像と楕円状の像の両者の輝度が、両者が重なる部分を除き、それぞれ残ることとなる。従って輝度差分画像算出手段88によって算出された輝度差分画像は図9(d)のようになり、その断面形状がほぼ変化しなかった左上の動脈血管20aの画像はその輝度差分画像には表れず、断面形状が変化した右下の静脈血管20bの画像は変形前後の形状が共に表れ、強調されて表示されることとなる。
本実施例においては、画像マーク表示手段96は、断面画像生成手段82が生成する2つの超音波画像のうち、最初に生成した画像、たとえば押圧装置98の起動前に生成された超音波画像において血管位置探索手段94によって血管の画像であると判断された血管画像のすべてについて、超音波画像がモニタ画面表示装置34に表示される際に、それが血管の画像であることを示すたとえば十字などのマーク21c、21dを重ねて表示する(図9(b))。その後、後述する動脈判定手段84により動脈でないと判定された血管の画像については先に付されたマーク21dを消去する。このようにして、最終的に超音波画像がモニタ画面表示装置34に表示される際には、動脈の血管画像についてのみマーク21cが付されることにより、マークが付された血管画像20aが動脈の血管画像であることを表示することができる(図9(e))。
動脈判定手段84は、血管位置探索手段94によって探索された血管の位置および大きさについての情報と、輝度判定手段92によって判定された高輝度領域についての情報をもとに、超音波断面画像中の管状構成物の像が動脈のものであるかの判定を行う。たとえば、超音波断面画像において、血管位置探索手段94によって血管の画像であると判断された血管画像のうち、輝度判定手段92によって判定された高輝度領域内に存在する血管画像を動脈の血管画像でないとすることにより、残った血管画像を動脈の血管画像として判定する。なお、ここで静脈であると判断されるのではなく動脈でないと判断されるのは、超音波断面画像においてはまれにリンパ管の画像が入る場合があり、このリンパ管も押圧によって変形するためである。したがって、このような場合であっても、押圧によって変化しない血管画像を動脈と判断することについては問題がない。
図8は、本実施例における動脈判定装置30の作動を表すフローチャートである。断面画像生成手段82に対応するSB1では、超音波プローブ12からの超音波受信信号(血管20からの超音波反射波)に基づいてその短軸画像が生成される。そして、その画像が画像記憶手段86に記憶される。このときの超音波断面画像は図9の(a)に対応する。
続く、血管位置探索手段94に対応するSB2においては、画像記憶手段86に記憶された超音波断面画像中における血管20の像が探索され、その位置および本数の情報が画像記憶手段86に画像と併せて記憶される。また、その超音波画像が画面表示手段によりモニタ画面表示装置34に表示される際に、画像マーク表示手段96によって画像上の血管の位置にマークが重ねて表示される。たとえば、図9の(b)における+印21c、21dがそれである。なお、血管位置探索手段94は、超音波断面画像中における血管の有する特徴、たとえば、短軸画像であれば、画像中の濃淡の境界線である輪郭線が円もしくは楕円状の曲線を示すものを血管と判断する方法により実現される。
続いて、押圧装置起動手段98に対応するSB3において、押圧装置68が作動させられる。押圧装置68は、プローブ本体を生体14の皮膚18に押しつける。そして、プローブ12により皮膚が押圧がかけられた状態のまま、断面画像生成手段82に対応するSB4において再び超音波断面画像が生成され、画像記憶手段86に記憶される。この時生成される画像が、たとえば図9の(c)である。ここで、動脈である血管20aは静脈である血管20bに比べ、動脈内圧がかかっている為押圧に対して変形しにくいという特性を有しているが、押圧装置68によって加えられる押圧は静脈は押圧により変形するものの、動脈は変形しない程度の圧力となっている。
SB5においては、SB3において作動させられた押圧装置68の作動が終了され、押圧が解除される。すなわち、上記超音波プローブ12はプローブの先端部24が被検出体である生体14の上腕16の皮膚18の上からその皮膚18直下に位置する血管20を変形させない程度に軽く接触させる状態まで戻される。これは、再度の断面画像生成に備えるためであり、また、被験者の苦痛を緩和するためである。
輝度差分画像算出手段88に対応するSB6においては、画像記憶手段86に記憶された、押圧を加える前に生成された画像(図9(a))と押圧を加えた状態で生成された画像(図9(c))の2画像の輝度の差分の絶対値が計算される。この輝度差分画像が画像記憶手段86に保存される。
このとき、前述のように、押圧装置68によって加えられる押圧は静脈は押圧により変形するものの、動脈は変形しない程度の圧力となっている。したがって、押圧を加える前に生成された画像(図9(a))と押圧を加えた状態で生成された画像(図9(c))を比較すると、図9(c)においては、動脈である左上の血管20aは断面がほぼ真円状態を保っている一方で、静脈である右下の血管20bの断面は押圧により左右方向に広がった楕円形状に変形している。このため、輝度差分画像算出手段88によって算出された輝度差分画像は図9(d)のようになり、その断面形状がほぼ変化しなかった左上の動脈血管20aの画像はその輝度差分画像には表れず、断面形状が変化した右下の静脈血管20bの画像は変形前後の形状が共に表れ、強調されて表示されることとなる。
続く輝度判定手段92に対応するSB7においては、SB6において得られた輝度差分画像において輝度が高い領域を特定する。ここで、輝度が高い領域とは、操作者が定めた一定の輝度を超える画素を囲む領域であり、たとえば、図9(d)において四角で囲まれた領域21eである。
動脈判定手段84に対応するSB8おいては、SB2において記憶された超音波断面画像における血管の位置および本数の情報をもとに、超音波画像中に存在する各血管について、それがSB7で特定された高輝度領域21eに存在するか否かについて判定される。そして、SB8の判断が否定された場合すなわち血管画像が高輝度領域外に存在する場合は、続くSB9においてその血管が動脈であると判断され、SB11に移る。一方、SB8の判断が肯定された場合すなわち血管画像が高輝度領域内に存在する場合は、SB9においてその血管が動脈でないと判断される。なお、ここで静脈であると判断されるのではなく動脈でないと判断されるのは、超音波断面画像においてはまれにリンパ管の画像が入る余地があり、このリンパ管も押圧によって変形するためである。したがって、このような場合であっても、押圧によって変化しない血管画像を動脈と判断することについては問題がない。この場合続く画像マーク表示手段に対応するSB10において、SB2においてなされたマークが除去される。
続くSB11においては、SB8〜SB10のステップが超音波断面画像中のすべての血管画像について行われたかが判定される。その結果、すべての血管画像について行われた場合はSB11の判断が肯定され、フローチャートは終了する。一方、すべての血管画像について行われていない場合、SB8〜SB10のステップがすべての血管画像について行われるまで繰り返される。
以上のステップが行われた結果、フローチャート終了時に図示しないモニタ画面表示装置34には、SB2ですべての血管画像に付されていたマーク21c、21dのうち、静脈についてのマーク21dはSB10において除去され、フローチャート終了時には動脈血管の画像についてのみマーク21cが付されて表示されることとなる。たとえば、図9(e)のような画像が得られる。
本実施例によれば、動脈判定手段84は、超音波プローブ12を測定部分に押圧を与えることによっても超音波断面画像中における径が変化しない管を、押圧を与える前後に断面画像生成手段82により生成される断面画像内において検出することにより動脈と判定するので、好適に断面画像中の動脈を検出できる。
続いて第3の実施例である図1の電子制御装置32の他の制御例について説明する。図10は、本実施例における動脈判定装置30の制御機能であって、電子制御装置32によって実現される機能の要部を説明する機能ブロック線図である。また、図11は第4の実施例における動脈判定装置30の作動を表すフローチャートであり、図12はその動脈選択手段の各ステップにおける超音波断面画像を表す図である。
図10における輝度探索経路設定手段100は、超音波断面画像中における血管位置探索手段94で探索された各血管画像に対し、画像中の画素の輝度を調べるための経路を設定する。その経路は、画像中において、一本の血管の像を直径方向に横断し、他の血管の像を横切ることがないような直線として設定される。たとえば図12(b)左図においては、超音波画像中に存在する2本の血管20a、20bについて、それぞれ、A−A、B−Bなる経路が設定される。
輝度判定手段92は、断面画像生成手段82において得られた超音波画像の輝度が輝度探索経路設定手段100によって設定された経路に沿って調べられる。たとえば、図12(b)左図のA−A、B−Bのそれぞれに沿ってその経路上にある画素の輝度を調べ、その結果を縦軸に経路上の位置、横向きに輝度をとり、それらを曲線で結んだものが図12(b)右図のようになる。
動脈判定手段84は、後述する輝度探索経路設定手段100において設定された経路に沿って超音波断面画像の輝度を調べ、その輝度のピークが生じた回数によって、超音波断面画像中の管状構成物の像が動脈のものであるかの判定を行う。
たとえば、動脈判定手段84は次のような作動を行う。すなわち、輝度探索経路設定手段100が設定した経路に沿って輝度判定手段92が画像上の画素の輝度を調べた結果得られる輝度の分布を表す曲線(図12(b)右図)が、何回のピークを有しているかを調べる。そして、ピークの回数が3回以上4回以下であれば、その血管は動脈であるとの判断をし、ピークの回数が3回未満もしくは5回以上であれば、その血管は動脈でないと判断する。したがって、図12(b)における血管20aは、その画像についてA−A間で表される経路にそって輝度を調べた結果、輝度のピークが4回表れているため、動脈であると判断される。一方、血管20bは、その画像についてB−B間で表される経路に沿って輝度を調べた結果、輝度のピークが2回しかなく、動脈でないと判断される。
これは、超音波断面画像においては、静脈の像については、その内膜は薄いので、外膜の反射信号に重なってしまい、結果的に内膜は画像に表れないことが多いため、その径方向に見ればピークは2回である一方、動脈の画像においては、その内膜20a’も画像に現れるため、動脈の像を径方向に解析すれば、血管の外側から、外膜の像、内膜の像、内膜の像、外膜の像と4つの像が現れる、すなわち、輝度としては4回のピークがあるためである。また、輝度のピークが3回であっても動脈と判断するのは、動脈の内膜の像については、その両方がまれに超音波画像中に現れないことがあり、必ずしも4回のピークがあるわけではない一方、一般的に静脈の内膜の像は超音波画像中に表れることは少ないため、そのピークは2回であることによるものである。したがって、図12(c)における血管20aはその画像についてA−A間で表される経路にそって輝度を調べた結果、輝度のピークが3回表れているため、動脈であると判断される。
画像マーク表示手段96は、動脈判定手段84による判定の結果、動脈であると判断された血管の像について、超音波断面画像中におけるその血管の像に、それが動脈であることを示すマークを付する。そのマークはモニタ画面表示装置34に超音波断面画像を表示する際に、血管画像と重ね合わされて表示されるなどの方法により、超音波断面画像における血管画像のうち、動脈画像であることを表示するものであり、たとえば図12(d)における十字21eのように表示される。
図11は本実施例における動脈判定装置30の作動を表すフローチャートである。断面画像生成手段80に対応するSC1においては、超音波プローブ12からの超音波受信信号(血管20からの超音波反射波)に基づいて短軸画像が生成される。そして、その画像が画像記憶手段86に記憶される。これは図12(a)に対応する。
続く血管位置探索手段94に対応するSC2においては、SC1において得られた超音波画像において、血管位置探索手段により血管の本数および各血管の位置、大きさなどが探索され、画像記憶手段86にその超音波画像と併せて記憶される。
輝度探索経路設定手段100に対応するSC3においては、SC2で探索された各血管に対し、輝度を調べるための経路が設定される。その経路は、画像中において、一本の血管の像を直径方向に横断し、他の血管の像を横切ることがないような直線として設定される。たとえば図12(b)左図においては、超音波画像中に存在する2本の血管20a、20bについて、それぞれ、A−A、B−Bなる経路が設定される。
輝度判定手段92に対応するSC4においては、SC1において得られた超音波画像の輝度がSC3において設定された経路に沿って調べられる。たとえば、図12(b)左図のA−A、B−Bのそれぞれに沿って輝度の分布を調べたものが図12(b)右図のようになる。
続くSC5〜SC8は動脈判定手段84に対応する。まず、SC5においては、SC3において調べられた経路に沿った輝度の分布が、何回のピークを有しているかを調べる。そして、SC6およびSC7において、ピークの回数が3回以上4回以下であるか否かの判断がなされる。その結果、ピークの回数が3回以上4回以下であれば、SC8においてその血管は動脈であるとの判断がなされ、SC9に進む。一方、ピークの回数が3回以上4回以下であれば、その血管は動脈でないと判断され、SC10に進む。
画像マーク表示手段96に対応するSC9においては、SC5〜SC8の結果、動脈であると判断された血管の像について、超音波断面画像中におけるその血管の像に、それが動脈であることを示すマークを付する。そのマークはモニタ画面表示装置34に超音波断面画像を表示する際に、血管画像と重ね合わされて表示されるなどの方法により、超音波断面画像における血管画像のうち、動脈画像であることを表示するものであり、たとえば図12(d)における十字21eのように表示される。
SC10においては、SC2において認識された超音波断面画像中のすべての血管の画像に対してSC3〜SC9の作動を行ったかについて判断がなされる。すなわち、すべての血管についての作動を行っていない場合はすべての血管について行われるまでSC3〜SC9の作動が繰り返しおこなわれる。一方、画像中のすべての血管の像に対して作動が行われた場合、フローチャートは終了する。
本実施例によれば、動脈判定手段30は、超音波断面画像中における血管の内膜の有無を判別することにより動脈を選択するので、好適に断面画像中の動脈を検出できる。
つづいて、本発明の別の実施態様について説明する。本実施態様においては、機器構成は先の実施例1乃至3と同じく図1または図6に示すものであるが、必ずしも血管を画像として表示するための装置を必要としない点において異なる。したがって、本発明に係る動脈判定装置30と連携する装置たとえば血管内皮機能検査装置などに動脈の位置および大きさについての情報を伝達できればよい場合などに有効である。すなわち、本実施例以降においては、電子制御装置32は、超音波アレイにより検出された反射波について、超音波の放射からの経過時間ごとの反射波信号の強度をもとに、必ずしも断面画像を生成することなく、動脈判定手段を実現する。
図13は、本実施例における動脈判定装置30の制御機能であって、電子制御装置32によって実現される機能の要部を説明する機能ブロック線図である。
反射波信号算出手段102は、超音波プローブ12の先端部24の超音波アレイより検出された反射波に基づいて超音波の放射からの経過時間ごとの反射波の強度からなる反射波信号を算出する。
反射波信号記憶手段104は、電子制御装置32の所定記憶領域内に、反射波信号算出手段102により算出され、あるいは後述する管壁信号抽出手段108において出力された複数の信号を取り出し可能に記憶する。
管壁信号抽出手段108は、反射波信号算出手段102により算出され、反射波信号記憶手段104に記憶された反射波信号に含まれる、管状構成物の壁により反射したと考えられる管壁信号を抽出し、超音波を発してからその反射波を検出するまでの時間から、皮膚18からその管壁までの深さを算出し、反射波信号記憶手段104に記憶させる。
血管位置算出手段106は、反射波信号算出手段102により算出された反射波信号と、それをもとに管壁信号抽出手段108により抽出された管壁信号についての情報を反射波信号記憶手段104から取り出し、それらの情報から血管20の大きさや、存在する位置を算出する。
動脈判定手段84は、血管位置算出手段106によってその位置および大きさが各時刻ごとに算出される各血管について、血管位置算出手段106により算出された血管の大きさについての情報から、同一の血管について時刻の経過によってその径が変化しているか、すなわち脈動をしているかの判定を行う。そして、血管が脈動していると判定すれば、このことよりその血管が動脈であると判別する。
図14は、本実施例における動脈判定装置30の作動を概念的に示した図である。ここで、(a)においては、プローブ12から生体14の上腕16の皮膚18下に対し超音波ビームが放射される。続いて、(b)に示すように、放射された超音波ビームは皮膚18下にある血管20の管壁によりその一部が反射され、プローブ12により検知される。また、他の一部の超音波ビームはそのまま血管20の内部に入り、血管の内部から外部に通り抜けようとする際に、血管の壁部である管壁によりその一部は反射され、プローブ12により検知される。なお、このとき、皮膚下の血管以外の構成物によっても、超音波ビームの反射波を生じることとなる。また、生体を構成する組織の超音波の伝播速度は略一定と考えられることから、超音波を放射してからその反射波を検知するまでの時間は、皮膚18から反射を生じた血管20の管壁までの深度すなわち距離に比例することとなる。
このようにして生じた反射波が、プローブ12における各探触子ごとに検知され、反射波信号算出手段102により反射波信号として算出される。そしてその反射波信号は、反射波信号記憶手段104に記憶され、また管壁信号抽出手段108により、その反射波信号のうち、管壁によって生じたと考えられる管壁信号のみが抽出され、再度反射波信号記憶手段104に記憶される。これが図14(c)に相当する。このとき、波形は縦軸(下向き)が超音波放射時からの経過時間を示す時間軸であり、これは皮膚18下の構成物の超音波伝播速度が略同一と考えられるため、同時にプローブ位置から皮膚下の深度を示すものでもある。また、横軸(右向き)が反射波信号の強度を示すものである。
さらに、管壁信号抽出手段108により皮膚下の血管以外の構成物によって生じた反射波を除去するなどの処理がされた反射波信号から、血管位置算出手段106により、血管の存在する位置・大きさなどが算出される。このようにして、生体14の皮膚18下における血管20の位置を算出することができる。
そして、図14(d)は、血管位置算出手段106が、その管壁信号の存在した座標をもとに、血管の位置を算出する例である。血管の位置および大きさは、たとえば、超音波ビームを放射した時刻から反射波信号中から抽出された管壁信号の発生した時刻までの時間から求められる管壁の存在する位置の皮膚からの深度とプローブの各探触子の位置の関係を二次元平面上に座標化するようにして各点を直線で結び、あるいは円弧状に曲線近似することで結ぶことにより得られるものである。同図(d)における実線は管壁信号の存在した座標を単に直線で結ぶことにより算出された血管の位置および大きさであり、破線は、管壁信号の存在した座標をすべて通るような円で結ぶことにより算出された血管の位置および大きさである。なお、このとき、管壁信号抽出手段108によって管壁信号であるとされた信号に対応する座標であっても、血管の位置および大きさを算出するにあたって明らかに誤りであると考えられるものについては、それを含めずに血管の位置および大きさを算出することもできる。
図17(a)〜(e)における右側の各図は、図3における時刻t〜tの各時点における反射波信号算出手段102によって得られた生体14の皮膚18下における血管20を含む反射波信号の一例である。これらの図においては、(a)〜(e)の各左図の上辺にプローブ12を設置している。反射波信号算出手段102によっては、図14(c)のように、プローブ12における各探触子ごとに反射波信号が得られている。しかしながら、前記血管位置算出手段106により血管の位置が算出された結果、管壁信号の間隔が最も広い部位、すなわち、血管の直径を超音波が横切る部分の反射波信号、たとえば図14(c)の太線で描かれた反射波信号にのみ着目することによって、動脈判定手段を実行することが可能である。なお、図14(c)における反射波信号を表す波形は、縦軸(下向き)が超音波放射時からの経過時間あるいはプローブ位置から皮膚下の深度を示し、横軸(右向き)が反射波信号の強度を示す。一方、図17(a)〜(e)各図左側の図は、これら各時点の、血管内部の様子を模式的に示したものである。
このとき、時刻t〜tにおける血管20aについての管壁信号の間隔da1〜danは、時刻が経過するのに伴い変化している一方、血管20bについての管壁信号の間隔db1〜dbnは、時刻の経過によって変化していない。これは、、図17(a)〜(e)の各左側の図で示される様に、動脈血管は心拍に同期して脈動するという性質を有するためである。
上述のように、動脈の脈動は、心臓の拍動にともなって発生するものであるが、図3に示すように、動脈の脈動による動脈の径の大きさは、R波の発生から次のR波の発生までの心臓の一拍の周期Trのおよそ半分(Tr・1/2)の間に最小と最大の両方の状態をとるという知見にもとづき、R波の発生からその次のR波までの周期Trのおよそ半分(Tr・1/2)に相当するTgなる時間を予め設定し、動脈判定装置30における反射波信号算出手段102による反射波信号の算出は、R波の発生からTgの間のみ行い、その後次のR波の発生までの間は超音波画像の生成を行わないようにするものである。図3に示された作動のタイミングチャートは、本実施例においても適用される。
以下、図15のフローチャートに沿って本実施例に係る動脈判定装置30の作動を説明する。まず、R波検出手段80に対応するSD1において、R波を検出するまで、次のSD2以降の実行が停止させられる。
次に反射波信号算出手段102および反射波信号記憶手段104に対応するSD2において、R波検出後の時刻tにおいて、超音波プローブ12からの超音波受信信号(血管20からの超音波反射波)に基づいてその反射波信号が算出される。そして、その反射波信号が記憶される。
続くSD3においては、図16の血管位置算出ルーチンが実行される。図16において、管壁信号抽出手段108に対応するSE1では、反射波信号記憶手段104に記憶された各プローブの探触子ごとの反射波信号中において管壁信号、すなわち管壁による反射波によるものと思われる信号が抽出され、反射波信号記憶手段104に記憶される。これにより、皮膚下の構成物中、血管以外の構成物を考慮しないこととなる。
さらに、続く血管位置算出手段106に相当するSE2では、SE1において抽出された各プローブの探触子ごとの管壁信号をもとに、生体14の皮膚18下の組織において、血管20がどの位置にどのくらいの大きさで存在しているかが算出され、反射波信号記憶手段104に記憶される。このとき、血管の位置および大きさは、たとえば、反射波信号中から抽出された管壁信号の発生した時刻から求められる管壁の存在する位置の皮膚からの深度とプローブの各探触子の位置の関係を二次元平面上に座標化するようにして各点を直線で結び、あるいは円弧状に曲線近似することで結ぶことにより得られるものである。たとえば、図14(c)は、反射波信号中から抽出された管壁信号をプローブの各探触子の位置ごとに表したものであり、縦軸(下向き)に皮膚18からの深度を、横軸(右向き)に反射波信号中における管壁信号の強度を表したものである。そして、図14(d)は、それらの管壁信号の存在した座標をもとに、血管の位置を算出する例であり、同図における実線は管壁信号の存在した座標を単に直線で結ぶことにより算出された血管の位置および大きさであり、破線は、それらの座標をすべて通るような円で結ぶことにより算出された血管の位置および大きさである。なお、このとき、管壁信号であると思われた座標であっても、血管の位置および大きさを算出するにあたって明らかに誤りであると考えられるものについては、それを含めずに血管の位置および大きさを算出することもできる。
血管位置算出ルーチンが終了すると、SD4に移る。SD4においては、図示しないタイマなどによって、時刻が、ECGのR波から次のR波までの各周期においてTgを経過しているかが判断される。ここで、Tgは前述のとおり、心拍の周期の約1/2の時間であり、たとえば、R波検出手段80により検出されたR波の間隔の平均から求められる。SD4においては、時刻がその周期におけるR波からTgを経過していれば、SD4の判断が肯定されその周期においては待機状態とさせられ、それ以上SD2〜SD3の作動を行わずSD5へ進む。一方、時刻が、その周期においてTgを経過していなければ、SD4の判断が否定され、時刻が、その周期においてTgを経過するまでの間、SD2〜SD3の作動が繰り返される。
SD5においては、たとえば図示しないタイマなどによって、SD2〜SD3の一連の作動が一定時間だけ反復されたか否かが判断される。ここで、一定時間とは後述するSD7において動脈を判別できるのに十分な反射波信号が得られるまでの時間をいう。たとえば、時刻tが経過後に一定時間が経過するのであれば、時刻tが経過するまでの間はSD5の判断が否定され、SD1〜SD3のステップが繰り返し実行される。すなわち、続いてSD1において次の周期のR波の発生を待って、その周期についてSD2〜SD3の一連の作動が実行され、これが時刻tまで繰り返される。一方、時刻tが経過した場合はSD5における判断が肯定され、SD6に進む。ここで、この繰り返しを一定間隔で行うのであれば、十分な反復を行ったか否かは時刻tが経過したか否かではなく、n回の反射波信号の算出を行ったか否かで判定することもできる。
続くSD6〜SD9は動脈判定手段84に対応する。まずSD6においては、SD2が一定時間反復されることにより反射波信号記憶手段104に記憶された反射波信号において、SD3で実行されたSE2によって算出された血管の中から一の血管が選択される。そして、続くSD7において、SD6で選択された一の血管について、その血管が脈動しているかが時刻の経過と共にその径が変化しているかによって判定される。たとえば、上記一の血管の各時刻における血管の直径を表していると思われる管壁信号の間隔が時刻の経過と共に変化してるか否かを測定することなどによって判断される。すなわち、図17(a)〜(e)の各右図において、SD6において血管20aが選択され、SE7においてその血管20aの管壁信号の間隔であるda1〜danが時間の経過と共に変化しているか否かが判定される。
その結果、SD7において上記一の血管20aが脈動していると判断されれば続くSD8において上記一の血管は動脈であると判定され、SD7において脈動していないと判断されればSD8において上記一の血管は動脈でないと判断される。たとえば、図17(a)〜(e)の各右図において、da1〜danの間隔は時間の経過と共に変化しているので、血管20aは動脈であると判断される。
続くSD9においては、SD6〜SD8のステップが、SD3において算出されたすべての血管について実行されたかが判断される。すなわち、SD9の判断が肯定されるまで、すなわちSD3において算出されたすべての血管について実行されるまでSD6〜SD8のステップが繰り返され、すべての血管について実行された後、本フローチャートは終了する。すなわち、図17(a)〜(e)の各右図においては、血管20aについてSD8が実行され、動脈であると判断された後、血管20bについてはまだSD6〜SD8が実行されていないため、SD9の判断が否定され、SD6に移る。そして、そのSD6において血管20bが選択され、SD7およびSD8が実行される。このときSD7においては、図17(a)〜(e)の各右図において、血管20bの管壁信号の間隔であるdb1〜dbnは時間の経過と共に変化していないので、SD8において血管20bは動脈でないと判断される。そして、再度のSD9の判断においては、20a,20bの血管についてSD6〜SD8を終了しており、かつ、他に血管は存在していないため、その判断が肯定され本フローチャートは終了する。なお、前述のように、図17(a)〜(e)の各右図においては、反射波信号のうち、血管位置算出手段106により血管の位置が算出された結果、管壁信号の間隔が最も広い部位、すなわち、血管の直径を超音波が横切る部分の反射波信号にのみ記載している
本実施例によれば、反射波信号における管壁信号が、動脈の有する特性である脈動により変化させられるという特徴を利用し、かつ一定時間継続してその特徴を検出することにより動脈を判定するので、好適に皮膚下における動脈を選択できるという点に加え、R波の発生からTgを経過した後、次のR波までの残りの時間は、SD2〜SD3の作動、すなわち、反射波信号算出・血管位置算出の各作動を行わないことから、その間における体動や外来ノイズ等の影響を除くことが可能になるという利点に加え、上記残りの時間に電子制御装置32が動脈判定の作動以外の作動を行うことが可能であるという利点がある。
続いて第5の実施例について説明する。図18は、本実施例における動脈判定装置30の制御機能であって、電子制御装置32によって実現される機能の要部を説明する機能ブロック線図である。また、図19は第5の実施例における動脈判定装置30の作動を表すフローチャートであり、図20はその動脈判定装置30の作動原理を説明する図である。
図18において、反射波信号算出手段102は、押圧装置起動手段98が押圧装置を起動しプローブ12が生体14の皮膚18に押しつけられる前と押しつけられている最中の両方の状態においてそれぞれ、超音波プローブ12の先端部24の超音波アレイより検出された反射波に基づいて超音波の放射からの経過時間ごとの反射波の強度からなる反射波信号を算出する。
押圧装置起動手段98は、与えられた指示に応じて、押圧装置68に取り付けられた超音波プローブ12が生体14の皮膚18に押しつけられるように、また、その押しつけられた状態を維持するように、さらに、作動前の状態すなわち超音波プローブ12が皮膚18に押しつけられないものの皮膚下の血管が押しつぶされない程度に超音波プローブ12が皮膚18に密着している状態に戻すように押圧装置を作動させる。
本実施例においては、動脈判定手段84は、プローブ12の接触している皮膚下に存在する血管のうち、脈動するものを動脈と判断する。血管が脈動しているか否かは、血管位置算出手段106により算出された血管の大きさ、すなわち、その血管の管壁信号の間隔が時間と共に変化しているか否かで判断する。
図19において、反射波信号算出手段102に対応するSF1においては、超音波プローブ12からの超音波受信信号(血管20からの超音波反射波)に基づいてその反射波信号が算出される。そして、上記反射波信号が反射波信号記憶手段104により記憶される。
続くSF2においては、図16の血管位置算出ルーチンが実行される。図16において、管壁信号抽出手段108に相当するSE1では、反射波信号記憶手段104に記憶された各プローブの探触子ごとの反射波信号中において管壁信号、すなわち管壁による反射波によるものと思われる信号が抽出され、反射波信号記憶手段104に記憶させる。これにより、皮膚下の構成物中、血管以外の構成物を考慮しないこととなる。
さらに、続く血管位置算出手段106に相当するSE2では、SE1において抽出された各プローブの探触子ごとの管壁信号をもとに、生体14の皮膚18下の組織において、血管20がどの位置にどのくらいの大きさで存在しているかが算出され、反射波信号記憶手段104に記憶される。このとき、血管の位置および大きさは、たとえば、反射波信号中から抽出された管壁信号の発生した時刻から求められる管壁の存在する位置の皮膚からの深度とプローブの各探触子の位置の関係を二次元平面上に座標化するようにして各点を直線で結び、あるいは円弧状に曲線近似することで結ぶことにより得られるものである。たとえば、図14(c)は、反射波信号中から抽出された管壁信号をプローブの各探触子の位置ごとに表したものであり、縦軸(下向き)に皮膚18からの深度を、横軸(右向き)に反射波信号中における管壁信号の強度を表したものである。そして、図14(d)は、それらの管壁信号の存在した座標をもとに、血管の位置を算出する例であり、同図における実線は管壁信号の存在した座標を単に直線で結ぶことにより算出された血管の位置および大きさであり、破線は、それらの座標をすべて通るような円で結ぶことにより算出された血管の位置および大きさである。なお、このとき、管壁信号であると思われた座標であっても、血管の位置および大きさを算出するにあたって明らかに誤りであると考えられるものについては、それを含めずに血管の位置および大きさを算出することもできる。
押圧装置起動手段98に対応するSF3においては、押圧装置68が起動される。押圧装置68は、プローブ本体を生体14の皮膚18に押しつける。そして、プローブ12により皮膚が押圧がかけられた状態のまま、反射波信号算出手段102に対応するSF4において反射波信号が算出され、反射波信号記憶手段104に記憶される。ここで、動脈である血管20aは静脈である血管20bに比べ、動脈内圧がかかっている為押圧に対して変形しにくいという特性を有しているが、押圧装置68によって加えられる押圧は静脈は押圧により変形するものの、動脈は変形しない程度の圧力となっている。
続くSF5においては、SF4において押圧中に生成された反射波信号について、図16の血管位置算出ルーチンが実行される。この結果、押圧中において、生体14の皮膚18下の組織に血管20がどの位置にどのくらいの大きさで存在しているかが算出され、反射波信号記憶手段104に記憶される。
このとき、前述のように、押圧装置68によって加えられる押圧は静脈は押圧により変形するものの、動脈は変形しない程度の圧力となっている。したがって、押圧を加える前の皮膚下を模式的に表した図(図20(a))と押圧中の皮膚下の組織(図20(b))を比較すると、図20(b)においては、動脈である左上の血管20aは断面がほぼ真円状態を保っている一方で、静脈である右下の血管20bの断面は押圧により左右方向に広がった楕円形状に変形している。このため、図20(a)の右図で表される押圧前の反射波信号から得られる管壁信号と、図20(b)の右図で表される押圧中の反射波信号から得られる管壁信号を比較すると、動脈である左上の血管の管壁信号は押圧前と押圧中でその間隔が変化しない一方で、静脈である右下の血管の管壁信号は押圧前の間隔にくらべて、押圧中の間隔は狭くなる。
押圧装置起動手段98に対応するSF6においては、SF3において起動された押圧装置起動手段98が解除され、押圧装置の作動が終了する。すなわち、上記超音波プローブ12はプローブの先端部24が被検出体である生体14の上腕16の皮膚18の上からその皮膚18直下に位置する血管20を変形させない程度に軽く接触させる状態まで戻されるのである。これは、再度の反射波信号の算出に備えるためであり、また、被験者の苦痛を緩和するためである。
続くSF7〜SF10は、動脈判定手段84に対応する。SF7においては、押圧前と押圧中に記憶された反射波信号において、対応する一の血管が選択される。そして、続くSF8において、SF7で選択されたその一の血管について、押圧前と押圧中でその径が変化しているか否かが判定される。たとえば、上記一の血管の押圧前と押圧中の血管の直径を表していると思われる管壁信号の間隔が変化してるか否かを測定することなどによって判断される。その結果、上記一の血管が押圧前と押圧中でその血管の直径変化していると判断されればSF9において上記一の血管は動脈でないと判定され、血管の直径変化していないと判断されればSF9において上記一の血管は動脈であると判断される。
たとえば、図20(a)、(b)の各右図において、まずSF7において血管20aを選択し、SF8において管壁信号の間隔であるda1およびda2の大きさが押圧前と押圧中で変化しているか否かを測定する。その結果、da1およびda2の間隔が押圧前と押圧中で変化していないので、SF9において血管20aは動脈であると判断される。
続くSF10においては、SF7乃至SF9のステップが、押圧前と押圧中の反射波信号中において算出されたすべての血管について実行されたかが判断される。すなわち、押圧前と押圧中の反射波信号中において算出されたすべての血管について実行されるまで、SF7乃至SF9のステップが繰り返され、すべての血管について実行された後、本フローチャートは終了する。
たとえば、図20(a)、(b)の各右図においては、血管20aについてSF7〜SF9が実行された後、血管20bについてはまだSF7〜SF9が実行されていないため、SF10の判断が否定され、SF7に移る。そして、そのSF7において血管20bが選択され、血管20bについてSF7〜SF9が実行される。このとき、図20(a)、(b)の各右図において、db1とdb2の間隔は押圧前と押圧中では変化していることから、SF8において押圧によりつぶれたと判定され、SF9において血管20bは動脈でないと判断される。そして、再度のSF10の判断において、20a、20bの血管についてSF7〜SF9が終了しており、かつ、他に血管がないためフローチャートは終了する。なお、図20(a)、(b)の各右図においても、反射波信号のうち、血管位置算出手段106により血管の位置が算出された結果、管壁信号の間隔が最も広い部位、すなわち、血管の直径を超音波が横切る部分の反射波信号にのみ記載している。
本実施例によれば、動脈判定手段30は、プローブ12を測定部分に押圧を与えることによっても動脈はつぶれることはないという動脈の有する特性が、反射波信号中における管壁信号において検出することにより動脈であるかを判定するので、好適に動脈を検出できる。
続いて第6の実施例について説明する。図21は、本実施例における動脈判定装置30の制御機能であって、電子制御装置32によって実現される機能の要部を説明する機能ブロック線図である。また、図22は第7の実施例における動脈判定装置30の作動を表すフローチャートであり、図23はその動脈判定装置30の各ステップにおける作動を解説するための図である。
図21における動脈判定手段84は、内膜信号抽出手段110と内膜判定手段112からなる。内膜信号抽出手段110は、反射波信号生成手段102により生成され、反射波信号記憶手段104に記憶された反射波信号中に、動脈血管の内膜による反射波信号と思われる信号が存在していないかを調べる。ここで内膜信号とは、動脈血管の血管壁の内側に存在する血管壁よりも内側にある内膜によって生ずる超音波ビームの反射波である。すなわち、内膜信号は、管壁信号の直前乃至直後に生ずるものであり、また、管壁信号よりは弱い大きさであるという特徴を有することから、反射波信号中にこのような特徴を有する信号が存在しないか調べる。
内膜判定手段112は、内膜信号抽出手段110において内膜信号と思われる信号があると判断された場合において、それが上記一の血管の内部に存在するのかについての判断を行う。たとえば、管壁信号抽出手段108および血管位置算出手段106により算出された血管の位置及び大きさについての情報を基に、前記内膜信号と思われる信号が、内膜信号であるかの判断を行う。この判断は、たとえば、検出された内膜信号と思われる信号を生じた構成物の位置が、管壁信号信号抽出手段108および血管位置算出手段106により算出された血管の内側であるかにより判断される。すなわち、その構成物が血管の内側であると判断されれば、内膜信号と思われる信号は実際の内膜信号であり、その内膜信号を生じた、すなわち超音波ビームを反射した構成物は動脈の内膜であり、したがって、その血管は動脈であると判断される。一方、内膜信号と思われる信号があると判断されても、その信号を生じた構成物の位置が血管の外側であると判断されれば、その血管は内膜信号を生じておらず、動脈でないと判断される。なお、前述の実施例3同様、動脈の内膜は必ずしも超音波反射波を生ずるものとは限らないため、血管の内側に少なくとも1つの内膜が存在すればその血管を動脈であると判定することができる。
反射波信号記憶手段104は、電子制御装置32の所定記憶領域内に、反射波信号算出手段102により算出され、あるいは後述する管壁信号抽出手段108や内膜信号抽出手段110において出力された複数の信号を取り出し可能に記憶する。
図22において、反射波信号算出手段102に対応するSG1においては、超音波プローブ12からの超音波受信信号(血管20からの超音波反射波)に基づいてその反射波信号が算出される。そして、その反射波信号が反射波信号記憶手段104により記憶される。
続くSG2においては、図16の血管位置算出ルーチンが実行される。図16において管壁信号抽出手段108に相当するSE1では、反射波信号記憶手段104に記憶された各プローブの探触子ごとの反射波信号中において管壁信号、すなわち管壁による反射波によるものと思われる信号が抽出され、反射波信号記憶手段104に記憶させる。これにより、皮膚下の構成物中、血管以外の構成物を考慮しないこととなる。
さらに、血管位置算出手段106に対応するSE2は、SE1において抽出された各プローブの探触子ごとの管壁信号をもとに、生体14の皮膚18下の組織において、血管20がどの位置にどのくらいの大きさで存在しているかを算出し、反射波信号記憶手段104に記憶させる。このとき、血管の位置および大きさは、たとえば、反射波信号中から抽出された管壁信号の発生した時刻から求められる管壁の存在する位置の皮膚からの深度とプローブの各探触子の位置の関係を二次元平面上に座標化するようにして各点を直線で結び、あるいは円弧状に曲線近似することで結ぶことにより得られるものである。たとえば、図14(c)は、反射波信号中から抽出された管壁信号をプローブの各探触子の位置ごとに表したものであり、縦軸(下向き)に皮膚18からの深度を、横軸(右向き)に反射波信号中における管壁信号の強度を表したものである。そして、図14(d)は、その管壁信号の存在した座標をもとに、血管の位置を算出する例であり、同図における実線は管壁信号の存在した座標を単に直線で結ぶことにより算出された血管の位置および大きさであり、破線は、これらの座標をすべて通るような円で結ぶことにより算出された血管の位置および大きさである。なお、このとき、管壁信号であると思われた座標であっても、血管の位置および大きさを算出するにあたって明らかに誤りであると考えられるものについては、それを含めずに血管の位置および大きさを算出することもできる。
続くSG3〜SG6は動脈判定手段84に対応する。まずSG3においては、記憶された反射波信号において、SG2で実行されたSE2によって算出された血管の中から一の血管が選択される。続く内膜信号抽出手段110に対応するSG4では、SG3において選択された一の血管の周囲において、血管の内部に内膜信号と思われる信号が存在するか否かを調べる。そして、その結果内膜信号と思われる信号が存在する場合はSG4における判断が肯定され、続くSG5へ移る。一方、内膜信号と思われる信号が存在しない場合はSG4における判断が否定され、上記一の血管はSG6において、動脈でないとの判断がなされることとなる。
内膜判定手段112に対応するSG5では、SG4において内膜信号と思われる信号があると判断された場合において、それが上記一の血管の内部に存在するのかについての判断を行う。SG5における判断は、SG2において算出された上記一の血管の位置及び大きさの情報を元に、内膜信号と思われる信号がその血管の内側にあるのか否かについて行われるものである。その結果、SG5の判断が肯定されれば、続くSG6において上記一の血管は動脈であると判定され、SG5の判断が否定されればSG6において動脈でないと判定されることとなる。
続くSG7においては、SG3〜SG6のステップが、SG2において算出されたすべての血管について実行されたかが判断される。SG7の判断が肯定されるまで、すなわちSG2において算出されたすべての血管について実行されるまで、SG3〜SG6のステップが繰り返され、すべての血管について実行された後、本フローチャートは終了する。
SG4〜SG6の作動について、図を用いて説明する。図23(a)〜(d)の各右図は、反射波信号算出手段102により算出された反射波信号のうち、血管を直径方向に横切る反射波信号(A−A)について、それぞれ管壁信号抽出手段108により抽出された管壁信号と、内膜信号抽出手段110により抽出された内膜信号について表わした図であり、各左図は、そのときの皮膚下の血管付近の構成を模式的に示したものである。SG4においては、このような内膜信号Sの有無を検出する。すなわち、図23(a)においては、血管20を直径方向に横切るA1−A1間の超音波信号には管壁信号W(W11,W12)のみが現れ、内膜信号Sは現れない。一方、図23(b)においては、血管20を直径方向に横切るA2−A2間の超音波信号には管壁信号W(W21,W22)に加え、内膜信号S(S21,S22)が現れる。
続いて、SG5においては、検出した内膜信号Sの位置が、血管内であるか否かについての判断を行う。すなわち、図23(b)においては、管壁信号W21、W22が検出され、その情報を元に、血管位置算出手段106は管壁信号W21とW22に囲まれた領域が血管内であると算出する。このとき、SG4において検出された内膜信号S21,S22はともに管壁信号W21,W22に囲まれた領域、すなわち血管内部に位置することから、内膜信号S21,S22を生ずる内膜は、管壁信号W21,W22を生ずる管壁が構成する血管の内膜であると判断する。その結果、SG6において、管壁信号W21,W22を構成する管壁が構成する血管は反射波信号を生ずる内膜を有することから、動脈であると判断する。
一方、図23(c)においては、血管20を直径方向に横切るA3−A3間の超音波信号には管壁信号W(W31,W32)に加え、一の内膜信号S(S31)が現れ、検出した内膜信号Sの位置が、血管内である。このような場合であっても、その結果、SG6においては、管壁信号W31,W32を生ずる管壁が構成する血管は反射波信号を生ずる内膜を有することから、動脈であると判断する。これは、動脈の有する内膜は必ずしも反射波信号を生ずるものではなく、逆に、静脈の内膜の反射信号は外膜の反射信号に重なってしまうことが多いので、少なくとも一の内膜信号が血管内に存在すればその血管は動脈であるとの判断が可能であるためである。
図23(d)においては、血管20を直径方向に横切るA4−A4間の超音波信号には管壁信号W(W41,W42)に加え、2つの内膜信号S(S41,42)が現れ、検出した2つの内膜信号のうち、内膜信号S41の位置は血管内であり、S42の位置は血管の外である。このような場合、内膜信号S42は内膜ではない皮膚下の構成物による反射波信号であると判断され、管壁信号W41,W42を生ずる管壁が構成する血管が動脈であるか否かの判断の根拠とする情報から除外される。その結果、残った内膜信号S41について、管壁信号W41,W42を生ずる管壁が構成する血管の内膜であると判断され、従ってその血管は図23(c)の場合と同様に動脈であると判断される。
本実施例によれば、動脈判定装置30は、反射波信号中における血管の内膜の有無を内膜信号により判別することにより動脈を選択するので、好適に動脈を検出できる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用され得る。
たとえば、前述の実施例においては、超音波断面画像として血管の短軸画像を用いたが、長軸画像でもよい。
前述の図1の実施例において、超音波プローブ12を保持するために2つのリンク機構48、50から構成されたセンサ保持装置10が用いられていたが、伸縮アーム、ロボットアームなどを備えた他の構成のセンサ保持装置が用いられてもよい。また、これらを用いることなく、たとえば、検査を行う者が手で超音波プローブ12を持つことにより行ってもよい。
実施例1においては、断面画像生成手段82による超音波画像の生成はR波の発生からTgの間、すなわち、R波から次のR波までの周期Trのおよそ半分の間のみ行ったが、これに限られず、常時超音波画像の生成を行ってもよい。同様に、実施例4においては、反射波信号算出手段102による反射波信号の算出はR波の発生からTgの間、すなわち、R波から次のR波までの周期Trのおよそ半分の間のみ行ったが、常時反射波信号の算出を行ってもよい。
また、実施例2および5においては、超音波プローブ12が皮膚18に押圧を与える際、押圧装置68を用いたが、超音波プローブ12を手に持って検査するような場合においては、超音波プローブを保持した手により皮膚18に押しつけることによってもよい。
また、各実施例において、超音波画像中において血管位置探索手段94や動脈選択手段84による結果表示としてマークが表示されているが、超音波画像中のどの血管の像が動脈のものであるかが、図示しないその後に行われる手段、たとえば血管径算出手段に対し正しく伝えられれば、マークは表示されなくともよい。
また、各実施例において、動脈判定手段を実行した結果、動脈が一つも存在しないと判断される場合には、その旨を表示してもよい。
各実施例においては、断面画像生成手段82が生成したりあるいは輝度差分画像算出手段88、画像積算手段90等が算出した画像等は、画像記憶手段86を介して、また、反射波信号生成手段102が生成したり、あるいは管壁信号抽出手段108が抽出した信号等は、反射波信号記憶手段104を介して各手段でやりとりされていたが、これを介せず直接各手段間で信号等をやりとりしてもよい。
実施例1および4においては、最初に画像生成あるいは反射波信号生成を行う時刻としてR波の発生時をtとしたが、これに限られない。
また、結果の信頼性を高めるために、動脈判定手段には、上述のいくつかの実施例を組み合わせて設けられてもよい。
なお、上述したのは、あくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
本発明の一実施例の動脈判定装置の構成を概略説明する図である。 本発明の一実施例である実施例1に示す実施例において、動脈判定装置30の制御機能であって、電子制御装置32によって実現される機能の要部を説明する機能ブロック線図である。 心臓の拍動と動脈血管の脈動によるその径の大きさの変化の様子と、動脈判定装置30の作動のタイミングチャートを同一の時間軸で比較した図である。 本発明の一実施例である実施例1に示す実施例において、モニタ画面表示装置34に表示される超音波画像を表した図である。 本発明の一実施例である実施例1に示す実施例の動脈選択手段の制御作動の要部を説明するフローチャートである。 本発明の一実施例である実施例2における動脈判定装置の構成を概略説明する図である。 本発明の一実施例である実施例2に示す実施例において、動脈判定装置30の制御機能であって、電子制御装置32によって実現される機能の要部を説明する機能ブロック線図である。 本発明の一実施例である実施例2に示す実施例の動脈選択手段の制御作動の要部を説明するフローチャートである。 本発明の一実施例である実施例2に示す実施例において、モニタ画面表示装置34に表示される超音波画像を表した図である。 本発明の一実施例である実施例3に示す実施例において、動脈判定装置30の制御機能であって、電子制御装置32によって実現される機能の要部を説明する機能ブロック線図である。 本発明の一実施例である実施例3に示す実施例の動脈選択手段の制御作動の要部を説明するフローチャートである。 本発明の一実施例である実施例3において、図1の動脈判定装置によって得られる超音波画像を表した図である。 本発明の一実施例である実施例4に示す実施例において、動脈判定装置30の制御機能であって、電子制御装置32によって実現される機能の要部を説明する機能ブロック線図である。 実施例4〜6における動脈判定装置30が反射波信号から血管の存在を把握する作動を示す概念図である。 本発明の一実施例である実施例4に示す実施例の動脈選択手段の制御作動の要部を説明するフローチャートである。 本発明の一実施例である実施例5〜8において利用されるサブルーチンを説明するフローチャートである。 本発明の一実施例である実施例4に示す実施例において、図1の動脈判定装置によって得られる反射波信号とそれに対応する皮膚下の構成を概念的に表した図である。 本発明の一実施例である実施例5に示す実施例において、動脈判定装置30の制御機能であって、電子制御装置32によって実現される機能の要部を説明する機能ブロック線図である。 本発明の一実施例である実施例5に示す実施例の動脈選択手段の制御作動の要部を説明するフローチャートである。 本発明の一実施例である実施例5に示す実施例において、図1の動脈判定装置によって得られる反射波信号とそれに対応する皮膚下の構成を概念的に表した図である。 本発明の一実施例である実施例6に示す実施例において、動脈判定装置30の制御機能であって、電子制御装置32によって実現される機能の要部を説明する機能ブロック線図である。 本発明の一実施例である実施例6に示す実施例の動脈選択手段の制御作動の要部を説明するフローチャートである。 本発明の一実施例である実施例6に示す実施例において、図1の動脈判定装置によって得られる反射波信号とそれに対応する血管周辺の構成を概念的に表した図である。
符号の説明
12:超音波プローブ
14:生体
18:皮膚
30:動脈判定装置
68:押圧装置

Claims (1)

  1. 生体の一部の皮膚上に配置された超音波プローブの放射面から超音波を放射することにより該皮膚下の管状構成物が動脈血管であるか否かを判定するための動脈血管判定装置であって、
    前記超音波プローブに検出された前記生体の皮膚下の組織からの反射波信号に含まれる前記管状構成物の壁からの反射波に基づいて管壁信号を抽出する管壁抽出手段と、
    該管壁抽出手段によって得られた前記管壁信号に動脈の特徴が表れていることに基づいて該管壁からなる前記管状構成物が動脈血管であることを判定する動脈判定手段と、を含み、
    前記動脈判定手段は、前記管壁信号に動脈の内膜に相当する信号の有無に基づいて動脈を選択するものである
    ことを特徴とする動脈判定装置。
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