JP4809492B1 - トラクタの動力伝達装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 後軸支持ホルダ28をミッションケースM内に着脱自在に取り付けて、第2変速機構の軸を支持しかつPTO駆動軸16を貫通配置し、後軸支持ホルダとPTOクラッチ18との間に前ミッションケースの外面に装着された油圧ポンプ61にPTO駆動軸の動力を伝達するポンプ動力取出手段60を備える。ポンプ動力取出手段は、PTO駆動軸に装着された伝動ベベルギヤ62と、この伝動ベベルギヤ62と噛合していて油圧ポンプのポンプ軸と着脱自在に連結された取出ベベルピニオン63とを有し、後軸支持ホルダの背面側に、伝動ベベルギヤを支持するギヤ保持部28eと、後方突出していて取出ベベルピニオンを支持するピニオン保持部28fを設ける。
【選択図】図1
Description
本発明は、後軸支持ホルダの背面側に伝動ベベルギヤと取出ベベルピニオンとを支持して、両者の噛合精度を出し易くできかつ部品点数を減少できるようにしたトラクタの動力伝達装置を提供することを目的とする。
第1に、ミッションケースMの内部に、推進軸6の動力を変速する走行系の第1変速機構8とこの第1変速機構8からの動力を変速する第2変速機構とを配置し、前記推進軸6の後部にPTO駆動軸16を同軸心状に直結するとともに、このPTO駆動軸16の後方にPTOクラッチ18を介してPTO伝動軸17を連結しており、
前記第2変速機構の後部を支持しかつPTO駆動軸16を貫通配置する後軸支持ホルダ28をミッションケースM内に着脱自在に取り付け、この後軸支持ホルダ28とPTOクラッチ18との間にミッションケースMの外面に装着された油圧ポンプ61にPTO駆動軸16の動力を伝達するポンプ動力取出手段60を設けており、
前記ポンプ動力取出手段60は、PTO駆動軸16に装着された伝動ベベルギヤ62と、この伝動ベベルギヤ62と噛合していて油圧ポンプ61のポンプ軸61aと着脱自在に連結された取出ベベルピニオン63とを有しており、
前記後軸支持ホルダ28の背面側に、伝動ベベルギヤ62を支持するギヤ保持部28eと、後方突出していて取出ベベルピニオン63を支持するピニオン保持部28fとを設けていることを特徴とする。
前記第1変速機構8として、推進軸6から入力軸37へ又は推進軸6から後進伝動軸29を介して入力軸37へ推進軸6の動力を前後進に変速する前後進切換機構8を第2室21に配置し、前記第2変速機構として、前後進切換機構8から前後進動力が伝達される入力軸37とカウンタ軸38との間に多段変速の主変速機構9と、カウンタ軸38から出力軸47へ高低変速して後輪動力を伝達する副変速機構10とを第3室22に配置していることを特徴とする。
第4に、前記後軸支持ホルダ28のピニオン保持部28fの後端及び油圧ポンプ61の取付部の後端は、前ミッションケースMFの後端の後ミッションケースMR合わせ面70より前側に位置させていることを特徴とする。
即ち、請求項1に係る発明は、ポンプ動力取出手段60は、後軸支持ホルダ28の背面側に、伝動ベベルギヤ62を支持するギヤ保持部28eと、後方突出していて取出ベベルピニオン63を支持するピニオン保持部28fとを設けることにより、伝動ベベルギヤ62と取出ベベルピニオン63の噛合精度を出し易くでき、かつ取出ベベルピニオン63を支持するための部品点数を減少できる。
請求項4に係る発明は、後軸支持ホルダ28のピニオン保持部28fの後端及び油圧ポンプ61の取付部の後端は、前ミッションケースMFの後端の後ミッションケースMR合わせ面70より前側に位置させているので、ポンプ動力取出手段60を前ミッションケースMF内にコンパクトに収納することができる。
図1、2において、1は前後4輪駆動型のトラクタの動力伝達装置であり、エンジンEの後端側に連結されたフライホイールハウジングFの後端側にミッションケースMが連結されており、このミッションケースMは前後ミッションケースMF、MRを有し、それらの内部にトランスミッションTが収納されている。前記エンジンE、フライホイールハウ
ジングF、ミッションケースM等によってトラクタの車体が構成されている。
このトランスミッションTの走行駆動系は、推進軸6の動力を正転で取り出す態様と逆転で取り出す態様とに変換する油圧切換式の前後進切換機構(シャトル装置)8と、前後進切換後の動力を4段変速する手動切換式の主変速機構9と、この主変速機構9で変速された動力を高低変速する手動切換式の副変速機構10と、高低切換後の動力を後輪(駆動輪)へ伝達する後輪デフ機構11と、前記副変速機構10による高低切換後の動力を前輪(駆動輪)へ伝達する前輪駆動系の前輪動力取出機構12とを備えている。
また、第1支持壁Maには中央に大きい開口Ma1が形成されていて、この開口Ma1を塞ぐように前軸支持ホルダ27がボルト等の固定具を介して取り付けられ、第3室22と第4室23との間にはそれらを前後に仕切るように後軸支持ホルダ28がボルト等の固定具を介して取り付けられている。この後軸支持ホルダ28は前ミッションケースMFの内周面に形成された突起に受持されかつボルト固定されている。
前記前後進切換機構8は、前進油圧クラッチ30を作動することにより、推進軸6の正転動力を入力ギヤ36に伝達し、後進油圧クラッチ32を作動することにより、後進出力ギヤ33、後進第1伝動ギヤ34、後進伝動軸29及び後進第2伝動ギヤ35を介して推進軸6の正転動力を逆転して入力ギヤ36に伝達する。
図1〜5において、手動切換式の主変速機構9は、前記入力ギヤ36を有して前後進切換機構8から動力が入力される入力軸37と、この入力軸37と平行なカウンタ軸38との間に設けられている。カウンタ軸38は筒軸で前記PTO駆動軸16に外嵌しており、このカウンタ軸38と入力軸37とはともに、前部が第2支持壁Mbに、後部が後軸支持ホルダ28にそれぞれ回転自在に支持されている。
前記第1速駆動ギヤ39aと第2速駆動ギヤ40aとは第1クラッチ手段43によって択一的に入力軸37と一体回転され、第3速駆動ギヤ41aと第4速駆動ギヤ42aとは第2クラッチ手段44によって択一的に入力軸37と一体回転される。
カウンタ軸38上の第1〜4速従動ギヤ39b〜42bは、前方から後方へ高速側から低速側に順次配置され、従って、後側から前方に行くに従ってギヤ径が次第に小さくなっており、最前端の第4速従動ギヤ42bは最小径である。
カウンタ軸38の最小径の第4速従動ギヤ42b(最高速従動ギヤ)の前方部分には、副変速機構10用の低速駆動ギヤ46が形成され、副変速機構10用の高速駆動ギヤは前記第3速従動ギヤ41b(次高速従動ギヤ)が兼務している。
即ち、低速従動ギヤ48及び高速従動ギヤ49の前後位置及び前後長さは、低速駆動ギヤ46、第3速従動ギヤ41b及び第4速従動ギヤ42bの前後位置及び前後長さと略同一になっており、第4速従動ギヤ42bが最小径であるので、出力軸47上に第3クラッチ手段50を配置しても干渉しないようになっている。逆に、低速駆動ギヤ46と第3速従動ギヤ41bとの間に、第3クラッチ手段50に対応して第4速従動ギヤ42bを配置することができる。
前記出力軸47は第2支持壁Mbと後軸支持ホルダ28とに支持され、後端がベベルピニオン51と連結され、後輪デフ機構11に後輪動力を伝達する。
前記前輪動力取出手段52は、出力軸47の前部と前輪動力取出軸55の後部との間に設けられており、前記伝動ギヤ54は前輪動力取出軸55に遊嵌され、前輪駆動クラッチ手段56によって遊転と結合とが選択され、結合されることにより、出力軸47の動力は、前輪動力取出ギヤ53、伝動ギヤ54及び前輪動力取出軸55を介して、前輪動力とし
て前輪デフ機構へ伝達される。
図1、5において、前記出力軸47は入力軸37及びカウンタ軸38に対して平行状に配置され、かつそれらと三角配置されている。推進軸6及びPTO駆動軸16はエンジンEのクランク軸と同心であり、それらと前輪動力取出軸55とは、ミッションケースMの左右方向中央に位置し、出力軸47は左右一方(右側)に僅かにずれ、入力軸37はさらに大きく左右一方(右側)にずれて配置されている。
上部壁部Mb1と下部壁部Mb2とは、それらの間に前輪動力取出ギヤ53及び伝動ギヤ54を配置するために前後に分離しており、従って、上部壁部Mb1と下部壁部Mb2との間には上下方向及び前後方向に開放した開口57が形成されている。
ミッションケースM内は、第1室20以外は、第2室21から第6室25までオイルバスになっていて、トランスミッションTのための油及び油圧アクチュエータのためのミッション油が貯められている。
また、上部壁部Mb1は前輪動力取出ギヤ53より前側で出力軸47の前端を支持しているので、出力軸47の低速従動ギヤ48、高速従動ギヤ49及び前輪動力取出ギヤ53を配置している部分の前後部は、上部壁部Mb1と後軸支持ホルダ28とによって両持ち支持されている。
さらに、前輪動力取出ギヤ53を出力軸47の前端に配置可能にすることにより、前ミッションケースMF内における伝動ギヤ54の前後位置が可及的に前方となり、前輪動力取出軸55が出力軸47と前後方向にオーバラップする長さが短くなり、前輪動力取出軸55を短くかつ安価に形成できる。
図1、2、4、5において、後軸支持ホルダ28の正面側には、入力軸37を軸受を介して支持する軸受凹部28aと、カウンタ軸38を軸受を介して支持する軸受凹部28bと、出力軸47を軸受を介して支持する軸受凹部28cとが形成され、背面側にはポンプ動力取出手段60が備えられ、内部には潤滑油路28dが形成されている。
前記ポンプ動力取出手段60は、PTO駆動軸16に嵌合装着された伝動ベベルギヤ62と、この伝動ベベルギヤ62に噛合している取出ベベルピニオン63とを有し、ピニオン保持部28fと油圧ポンプ61のポンプ軸61aとはカップリング66を介して着脱自在に連結されている。前記取出ベベルピニオン63は軸部とベベルギヤとが一体成形されているが、別個に形成して固着したものでもよい。
保持部28eと、後方突出していて取出ベベルピニオン63を軸受65を介して支持するピニオン保持部28fとが形成されており、前記ギヤ保持部28eとピニオン保持部28fとは軸線が直交されている。
従って、前記後軸支持ホルダ28は、正面側から軸受凹部28a、28b及び28cが加工され、背面側にギヤ保持部28eが加工され、外側方から潤滑油路28d及びピニオン保持部28fが加工されており、これらは1物体に加工されているので、芯出しが正確にでき、また、伝動ベベルギヤ62と取出ベベルピニオン63との噛み合わせ調整も簡単かつ正確にできる。
なお、本発明は前記実施形態における各部材の形状及びそれぞれの前後・左右・上下の位置関係は、図1〜5に示すように構成することが最良である。しかし、前記実施形態に限定されるものではなく、部材、構成を種々変形したり、組み合わせを変更したりすることもできる。
第2変速機構は主変速機構9及び副変速機構10で構成しているが、主変速機構9のみでもよく、また、主変速機構9及び副変速機構10にさらに減速する超減速機構を追加してもよい。
6 推進軸
7 PTO軸
8 前後進切換機構
9 主変速機構
10 副変速機構
16 駆動軸
17 PTO伝動軸
20 第1室
21 第2室
22 第3室
27 前軸支持ホルダ
28 後軸支持ホルダ
28e ギヤ保持部
28f ピニオン保持部
29 後進伝動軸
36 入力ギヤ
37 入力軸
38 カウンタ軸
47 出力軸
60 ポンプ動力取出手段
61 油圧ポンプ
62 伝動ベベルギヤ
63 取出ベベルピニオン
F フライホイールハウジング
M ミッションケース
MF 前ミッションケース
MR 後ミッションケース
Ma 第1支持壁
Mb 第2支持壁
T トランスミッション
Claims (4)
- ミッションケース(M)の内部に、推進軸(6)の動力を変速する走行系の第1変速機構(8)とこの第1変速機構(8)からの動力を変速する第2変速機構とを配置し、前記推進軸(6)の後部にPTO駆動軸(16)を同軸心状に直結するとともに、このPTO駆動軸(16)の後方にPTOクラッチ(18)を介してPTO伝動軸(17)を連結しており、
前記第2変速機構の後部を支持しかつPTO駆動軸(16)を貫通配置する後軸支持ホルダ(28)をミッションケース(M)内に着脱自在に取り付け、この後軸支持ホルダ(28)とPTOクラッチ(18)との間にミッションケース(M)の外面に装着された油圧ポンプ(61)にPTO駆動軸(16)の動力を伝達するポンプ動力取出手段(60)を設けており、
前記ポンプ動力取出手段(60)は、PTO駆動軸(16)に装着された伝動ベベルギヤ(62)と、この伝動ベベルギヤ(62)と噛合していて油圧ポンプ(61)のポンプ軸(61a)と着脱自在に連結された取出ベベルピニオン(63)とを有しており、
前記後軸支持ホルダ(28)の背面側に、伝動ベベルギヤ(62)を支持するギヤ保持部(28e)と、後方突出していて取出ベベルピニオン(63)を支持するピニオン保持部(28f)とを設けていることを特徴とするトラクタの動力伝達装置。 - フライホイールハウジング(F)と後ミッションケース(MR)との間に配置された前ミッションケース(MF)の内部に第1・第2支持壁(Ma・Mb)設けて、フライホイールハウジング(F)内と連通する第1室(20)と、中間部の第2室(21)と、後部の第3室(22)とをそれぞれ形成し、前記第3室(22)の背壁を形成する後軸支持ホルダ(28)を前ミッションケース(MF)内に着脱自在に取り付けており、
前記第1変速機構(8)として、推進軸(6)から入力軸(37)へ又は推進軸(6)から後進伝動軸(29)を介して入力軸(37)へ推進軸(6)の動力を前後進に変速して伝達する前後進切換機構(8)を第2室(21)に配置し、前記第2変速機構として、前後進切換機構(8)から前後進動力が伝達される入力軸(37)とカウンタ軸(38)との間に多段変速の主変速機構(9)と、カウンタ軸(38)から出力軸(47)へ高低変速して後輪動力を伝達する副変速機構(10)とを第3室(22)に配置していることを特徴とする請求項1に記載のトラクタの動力伝達装置。 - 前記後軸支持ホルダ(28)の正面側に、前記入力軸(37)、カウンタ軸(38)及び出力軸(47)の軸受部を三角配置して形成し、カウンタ軸(38)の軸受部の背面側に前記ギヤ保持部(28e)を形成していることを特徴とする請求項2に記載のトラクタの動力伝達装置。
- 前記後軸支持ホルダ(28)のピニオン保持部(28f)の後端及び油圧ポンプ(61)の取付部の後端は、前ミッションケース(MF)の後端の後ミッションケース(MR)合わせ面(70)より前側に位置させていることを特徴とする請求項2又は3に記載のトラクタの動力伝達装置。
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