JP4808475B2 - 高負荷伝動ベルト - Google Patents

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Description

本発明は、センターベルトの長手方向に沿って所定ピッチでブロックを固定した高負荷伝動ベルト及びそのブロックに関する。
ベルト式無段変速装置に使用するベルトは、プーリのV溝幅を変えることによってプーリに巻きかかる有効径を変化させ変速比を調節する様な変速プーリに巻き掛けて使用するものであり、プーリからの側圧が大きくなるのでベルトは大きな側圧に耐えるものでなくてはならない。また、無段変速の用途以外にも通常のゴムベルトでは寿命が短くなりすぎるような高負荷伝動の用途には特別に高負荷に耐えうるようなベルトを用いる必要がある。
そのようなベルトとして使用されるものの中に、センターベルトにブロックを固定してベルト幅方向の強度を高めた高負荷伝動ベルトがあり、具体的な構成としては、心体をゴムなどのエラストマー中に埋設したセンターベルトにボルトやリベットなどの止着材を用いてセンターベルトに使用しているエラストマーよりも比較的硬質のエラストマーからなるブロックを止着固定したものや、特許文献1に示すようにブロックの両側面に溝を有しており、一対のセンターベルトを前記側面に設けた溝に嵌合したようなベルトがある。
このような引張伝動式の高負荷伝動ベルトはベルトの走行中にブロックとセンターベルトとの間で常に摩擦を生じ、応力の集中や発熱によりセンターベルトやブロックが劣化するという問題がある。また、このようなベルトの場合、上記のように無段変速の用途として使われるために、ベルトを巻きかけるプーリの有効径を変化させることによって変速するような仕組みとなっており、ベルトは小プーリ径で用いられることになる。
特に小プーリ径にベルトが巻きかかる際に、センターベルトの特に内周側である下面側がブロックに挟まれた状態になって応力が集中するとともに大きな摩擦力が発生し、センターベルトを構成するゴムが劣化してクラックが生じたり、ベルト切断の原因となったりしていた。
そこでそのようなセンターベルトにかかる応力の集中を緩和するために特許文献2には、センターベルトの下面に設けた凸部上端がブロックの凸部下端位置よりも上に位置するように設定して、ベルトがプーリに巻きかかって屈曲した際にセンターベルトの凸部がブロックによって挟まれることがないようにしたベルトが提案されている。
また、特許文献3にはブロックとセンターベルトの嵌合する部分においてセンターベルト内周面に形成する凹部の曲率半径よりブロックの形成する凸部の曲率半径を小さく設定することによって両者の間に隙間を設けるようにしたベルトが開示されている。
特開昭63−34342号公報 特開昭62−151646号公報 特開平9−25999号公報
前記特許文献2や特許文献3のような構成を採ることによって、ベルトの屈曲によってブロックとセンターベルトとの間で摩擦が発生し且つセンターベルト下面に応力が集中して、センターベルトに亀裂を生じることや、発熱して帆布が融解したりゴムなどの材料が劣化したりするといった問題が発生することは緩和することができる。
しかし、基本的にブロックによって拘束されたセンターベルトが屈曲する、特に小プーリ径にて屈曲することによってより強くブロックとセンターベルトとの間の摩擦が発生して発熱すること、また下面が大きく圧縮されてどうしても内部発熱が発生し、センターベルトの摩耗につながるといった問題が解消されない。
特許文献4のようにカバー帆布の素材として高強力なアラミド繊維を用いることで帆布が融解して亀裂を生じベルトの切断につながるといった問題を解消することができる。しかし、実使用に際してはまだ不十分である。
そこで本発明ではベルト走行時においてブロックとセンターベルトとの間で発生する摩擦を小さくすることによって発熱を防止し、特に小プーリ径にてベルトが大きく屈曲するような場合でも発生する摩擦力が小さく、発熱を防止することができセンターベルトの切断といった問題を防止することができる、ベルトの寿命を延長することができる高負荷伝動ベルトの提供を目的とする。
上記のような課題を達成するために本発明の請求項1では、エラストマー中に芯体を埋設するとともに表面にカバー帆布を積層したセンターベルトと、該センターベルトの長手方向に沿って所定ピッチで設けた複数のブロックとからなる高負荷伝動ベルトにおいて、センターベルト下面側表面のカバー帆布が、フッ素樹脂以外の繊維からなる基布と、フッ素樹脂製繊維とで構成され、前記フッ素樹脂製繊維が前記基布の少なくともブロックと接触する側の表面に積層一体化して配置していることを特徴とする。
請求項2は、カバー帆布に配置するフッ素樹脂製繊維が不織布であり目付量が10〜200g/mの範囲内である高負荷伝動ベルトである。
請求項は、フッ素樹脂がPTFE樹脂(四フッ化エチレン樹脂)である高負荷伝動ベルトである。
請求項1によるとセンターベルト下面側表面に設けるカバー帆布は、フッ素樹脂以外の繊維からなる基布と、フッ素樹脂製繊維とで構成され、前記フッ素樹脂製繊維が前記基布の少なくともブロックと接触する側の表面に積層一体化して配置しており、フッ素樹脂製繊維は摩擦係数が低いことからセンターベルトとブロックとの間で摩擦が起こっても摩耗することがなく、発熱も少なくなるのでカバー帆布が融解して切断に至るといった問題を防止することができる。更に、基布を設けることでカバー帆布の強度を確保するとともにセンターベルトを構成するゴム等のエラストマーとの接着力を十分なものとすることができる。
請求項2においては用いるフッ素樹脂製繊維を不織布としその目付量を所定の範囲に限定したことにより、耐摩耗性や発熱を抑える効果をより高いレベルとすることができる。
請求項では、フッ素樹脂をPTFE樹脂(四フッ化エチレン樹脂)としておりフッ素樹脂の中でも耐摩耗性や発熱を抑える効果が高い。
図1は、本発明に係る高負荷伝動ベルト1の一例を示す斜視概略図であり、図2はその側断面図である。本発明の高負荷伝動ベルト1は、エラストマー4内にロープ状の心体5をスパイラル状に埋設してなる同じ幅の二本のセンターベルト3と、このセンターベルト3に所定ピッチで取り付けられた複数のブロック2とから構成されている。ブロックの側面6、7に嵌合溝8、9を有しており、該嵌合溝にセンターベルト3が装着されている。このブロック2の両側面6、7は、プーリのV溝と接触する傾斜面となっており、駆動されたプーリから動力を受け取って、係止固定されているセンターベルト3を引張り、駆動側プーリの動力を従動側プーリに伝達する。またセンターベルト3の表面には本発明の特徴であるカバー帆布10がセンターベルト3と一体的に積層配置されている。
ブロック2は、図1に示すように、上ビーム部11および下ビーム部12と、上下ビーム部11、12の中央部同士を連結したセンターピラー13からなっており、ブロック2の両側面には前述のようにセンターベルト3の嵌合溝8、9が形成されており、嵌合溝8、9内の溝上面および溝下面にはセンターベルト3の上面に設けた凹条部15と下面に設けた凹条部16に係合する凸条部17、18が設けられ、互いに凹凸での噛み合いとなっている。
図3は、別のベルトの例であり、ビーム部21の両端から上方に向かって一対のサイドピラー22、23が延びており、このサイドピラー22、23の上端からそれぞれブロック2の中心に向かって延びるロック部24、25が対向するように設けられている。そして、これらビーム部21、サイドピラー22、23及びロック部24、25によってセンターベルト3が嵌合する嵌合溝20が形成されている。この嵌合溝20に、センターベルト3が、ロック部24、25間の開口部より挿入され装着される。また、ロック部24、25の嵌合溝20側には、凸部27がそれぞれ設けられており、この凸部27が、センターベルト3に所定ピッチで設けられている凹条部26に嵌合する。これによって、センターベルト3は、装着後はブロック2から抜けにくい状態となる。そして、センターベルト3の表面にはカバー帆布10がセンターベルト3と一体的に積層配置されている。
センターベルト3は上下両面に配置されるカバー帆布10は、ベルト走行時に発生するセンターベルトとブロックとの摩擦からセンターベルトを保護するようになっている。本発明では少なくともセンターベルト下面に配置するカバー帆布10の少なくともブロック2と接する側に、フッ素樹脂製繊維を配置している。特に発熱の大きいセンターベルト下面への配置を必須の要件としているが、もちろんセンターベルト下面だけでなく上面のカバー帆布10も同様の構成にすることが可能であり、後述の効果を更に向上することができる好ましい形態といえる。フッ素樹脂からなる繊維はそれ自身が摩擦係数の低い素材でありブロック2との間で擦れあったとしても摩耗しにくく、摩擦による発熱も極めて小さい。ベルト走行中にブロックとセンターベルトの間で動きがあった場合に、従来であればセンターベルト側のカバー帆布が摩耗したり発熱により融解したりして最終的にはセンターベルトの切断といった問題につながっていた。しかし、フッ素樹脂製繊維をカバー帆布のブロック2と接する側に配置しておくことで摩耗や発熱の問題を解消し、それらに起因するセンターベルトの切断、ひいてはベルトの故障を防止し長寿命化することができるものである。
フッ素樹脂製繊維として用いることができるフッ素樹脂は、四フッ化エチレン樹脂(PTFE)、四フッ化エチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合体樹脂(PFA)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体樹脂(PFEP)、四フッ化エチレン・エチレン共重合体樹脂(PETFE)、ビニリデンフルオライド樹脂(PVDF)、ビニルフルオライド樹脂(PVF)、クロロトリフルオロエチレン樹脂(CTFE)、エチレン・クロロトリフルオロエチレン樹脂(ECTFE)、エチレン・四フッ化エチレン共重合体樹脂(PETFE)等を挙げることができる。その中でも耐摩耗性や発熱を少なく抑えるという面で四フッ化エチレン樹脂(PTFE)を用いることが好ましい。形態としては織布、不織布など様々な形を挙げることができる。
カバー帆布10は図4に示すようにフッ素樹脂以外の繊維からなる基布10aの表面にフッ素樹脂製繊維10bを積層一体化して配置したものであり、基布10aを設けることでセンターベルト3のカバー帆布10として強度の高いものとすることができ、またフッ素樹脂は一般的に接着性に乏しいところがあるがフッ素樹脂以外の繊維を基布10aとして介することでセンターベルト3を構成するゴム等のエラストマー4との間の接着力を十分高いものとすることができる。その場合基布10aとして用いることができるのは6,6−ナイロンなどのポリアミド繊維、PETなどのポリエステル繊維、アラミド繊維、綿、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維など帆布として使用可能なものなら全般的に用いることができる。また帆布構成としては平織り、綾織り、朱子織りなど織物全般を挙げることができる。
フッ素樹脂製繊維10bの基布10aへの積層であるが、例えば次のような方法で積層配置することができる。フッ素樹脂からなる繊維長が5〜50mm程度の繊維をウェブ状に絡めて圧縮してシート状の不織布とし、それを水流交絡加工にて基布10aに絡めるようなかたちで積層一体化することができ、フッ素樹脂からなる不織布を片面に配置したカバー帆布10を得ることができる。
フッ素樹脂製繊維10bに不織布を用いる場合の目付量は10〜200g/mの範囲とすることが好ましい。10g/m未満であると耐摩耗性が不足気味となりベルトを長時間走行させると摩耗量が増えてブロック2とセンターベルト3との嵌合が緩んでしまう。また200g/mを超える目付量になると厚みが大きくなりベルトが長期に走行する間にブロック2とセンターベルト3との間で圧縮されて厚みを減じ、やはり嵌合の緩みにつながってしまうので好ましくない。
センターベルト3のエラストマー4として使用されるものは、クロロプレンゴム、天然ゴム、ニトリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、水素化ニトリルゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、アルキル化クロロスルホン化ポリエチレンなどの単一材またはこれらを適宜ブレンドしたゴムあるいはポリウレタンゴム等が挙げられる。そして、心体5としてはポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アラミド繊維、ガラス繊維、スチールワイヤ等から選ばれたロープが用いられる。また、心体5はロープをスパイラル状に埋設したもの以外にも、上記の繊維の織布、編布や金属薄板等を使用することもできる。
このような構成のカバー帆布10をセンターベルト2の表面に積層接着するために接着処理がなされる。接着処理としては例えばRFL液、イソシアネート溶液あるいはエポキシ溶液による処理が挙げられる。RFL液はレゾルシンとホルマリンとの初期縮合物をラテックスに混合したものであり、ここで使用するラテックスとしてはスチレン・ブタジエン・ピリジン三元共重合体、水素化ニトリルゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、エピクロルヒドリンなどのラテックスである。また、ゴムを溶剤に溶かしてゴム糊状にしたものをカバー帆布10の表面に付着させる糊引き処理も接着処理として挙げることができる。
これらの接着処理においてRFL液、イソシアネート溶液、エポキシ溶液、ゴム糊などの接着処理剤に摩擦係数低減材を配合することによって、ブロック2とセンターベルト3のカバー帆布10との間の摩擦係数を更に下げることができ、フッ素樹脂製繊維を配置することと相まってブロック2とセンターベルト3との摩擦による摩耗や発熱を防止することができる。摩擦係数低減材としては、具体的には四フッ化エチレン樹脂、三フッ化エチレン樹脂、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体樹脂、四フッ化エチレン−パーフルオロアルコキシエチレン共重合体樹脂、四フッ化エチレン−エチレン共重合体樹脂などのフッ素樹脂、セラミックパウダー、ガラスビーズ、超高分子量ポリエチレン、グラファイト、二硫化モリブデン、フェノール樹脂、ガラス繊維、カーボン繊維、アラミド繊維等をあげることができ、これらのうちの少なくとも1種、好ましくはセラミックパウダー、ガラスビーズ、超高分子量ポリエチレン、グラファイト、二硫化モリブデン、四フッ化エチレン樹脂(PTFE樹脂)などのフッ素樹脂、フェノール樹脂のなかの少なくとも1種、更に好ましくは四フッ化エチレン樹脂(PTFE樹脂)などのフッ素樹脂を用いることが好ましい。
ブロック2は、全て樹脂組成物からなっているものと金属などからなる略ブロックと同形状の補強材の表面に樹脂組成物を被覆したものを用いることができる。補強材を有するブロックは強度的に優れるとともに形状が安定しており、応力がかかっても変形しにくいという長所がある反面、重量が大きくなってベルト走行中の遠心力が大きくなってしまうという短所を有する。一方で補強材を有していないブロックの場合軽量になるのでベルト走行中に発生する遠心力が小さく高回転で用いる場合に適しているという長所を有する反面、応力がかかった場合に変形しやすいなどの欠点がある。
ブロック2を構成する樹脂素材としては、比較的摩擦係数の大きく耐摩耗性に優れ、センターベルト3a、3bを構成するエラストマー4と比べると剛性の高い、具体的には硬度90°JIS A以上の硬質ゴムや、硬質ポリウレタン樹脂、液晶樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、メタアクリル樹脂、4,6−ナイロン、9,T−ナイロン等のポリアミド樹脂、ポリアミドイミド(PAI)樹脂、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、ポリイミド(PI)樹脂、ポリエーテルスルフォン(PES)樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂等の熱可塑性樹脂が用いられる。
また、これらの樹脂中に、綿糸、ポリアミド繊維やアラミド繊維等の化学繊維、ガラス繊維、金属繊維、カーボン繊維等からなる織布、フィラーや酸化亜鉛ウィスカ、チタン酸カリウムウィスカ、ホウ酸アルミニウムウィスカ等のウィスカ、シリカ、炭酸カルシウムなどの無機材料等を混入した強化樹脂からなる。
他にも二硫化モリブデン、グラファイト、フッ素系樹脂から選ばれてなる少なくとも一つを混入することによってもブロック2の潤滑性を向上させることができる。フッ素系樹脂としては、四フッ化エチレン樹脂(PTFE)、ポリフッ化エチレンプロピレンエーテル(PFPE)、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体樹脂(PFEP)、ポリフッ化アルコキシエチレン樹脂(PFA)等が挙げられる。
補強材は、ブロック2の耐側圧性や曲げ剛性を持たせる部分となる補強材であり、素材としてはアルミ合金、セラミックス、セラミックスとアルミニウムとの複合材料、炭素繊維強化樹脂や鉄などの素材が挙げられる。
耐側圧性や曲げ剛性を持たせるという面では金属材料が好ましく、金属材料の中ではアルミ合金の弾性率が7000kgf/mmで比重が2.8であるのに対し、鉄は弾性率が22000kgf/mmで比重が7.8であり、強度的には鉄を用いるほうが高いといえるが、高速で回転するベルトにとって、ベルト重量は寿命に大きく影響を与えるため軽量化の面で有利なアルミ合金を用いることが好ましい。
また、ブロック2の下ビームは屈曲を許容しベルトがプーリに巻きかかることができるようにしなければならず、ベルト走行方向の前後面の少なくともいずれか一方に傾斜面を設けている。傾斜面を設けることによってブロック同士が緩衝することなくベルトが屈曲することができる。
なお、本実施形態では、2本のセンターベルト3を用いて、ブロック2の嵌合溝20に装着した場合について説明してきたが、別に1本のセンターベルトを使用したものであっても構わない。
次に、本発明の高負荷伝動ベルトを表1に示すような構成で作製し、ベルトの走行試験を行い、走行後におけるセンターベルト表面のカバー帆布の状態とブロックとセンターベルトとの間の嵌合の緩み具合を観察し、ブロックの摩耗量(上幅変化)を測定した。
使用した高負荷伝動ベルトは、図1に示すようなブロックを用いたものであり、ベルトの構成はブロックの素材としては、4,6−ナイロンに対して炭素繊維を30質量%と酸化亜鉛ウィスカを10質量%配合した樹脂組成物とし、センターベルトは心線にアラミド繊維、エラストマーにクロロプレンゴムを用いたものとし、ベルトピッチ幅18mm、ピッチ周長831mm、ブロックピッチ3mmのサイズのベルトとした。そのセンターベルト表面のカバー帆布としては実施例では基布にPTFEからなる不織布を積層配置したものであり比較例は該不織布を配置しなかったものであるが、詳細構成を表1に示すように変えて作成したものを用いた。そしてRFL溶液とゴム糊からなる溶剤接着剤で処理した後、120℃にて乾燥させ180℃で2分間熱処理したものをセンターベルト3の表面に被覆配置した。カバー帆布の構成によって実施例1〜6、比較例1〜2の高負荷伝動ベルトとした。
ベルトを表2に示す走行条件で500hr走行させた後にセンターベルトのカバー帆布における亀裂の発生状況を観察し、ブロックの摩耗量(幅変化)を、走行後のベルトからブロックを抜き取り投影機で測定した。またブロックとセンターベルトとの間の緩みの発生状況を確認した。以上の結果を表3にまとめて示す。
Figure 0004808475
Figure 0004808475
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表3よりわかるように、カバー帆布の表面にPTFE不織布を配置した実施例1〜6では500時間走行後も実施例1でわずかに亀裂が発生した以外、カバー帆布は異常なしであるかという結果になっている。ブロックとセンターベルトとの緩みが少ないことからブロックの摩耗も小さく抑えられている。
それに対してPTFE不織布を配置しなかった比較例1では大きな亀裂が発生しており嵌合の緩みも大きくブロックの摩耗も0.9mmと最も大きい結果となった。これはPTFE繊維を配置しなかったためにブロックとセンターベルトが擦れあうことでセンターベルトのカバー帆布が摩耗し嵌合が緩んだことから起こったものと考えられる。
更に、実施例1〜6の中でもPTFE不織布の目付量が5g/mであった実施例1では500時間走行後にカバー帆布に小さな亀裂が認められ嵌合も少し緩んでいた。また、ブロックの摩耗量は0.6mmとなっており、目付量が少なすぎると効果も少なくなることがわかった。
自動車や自動二輪車、農業機械の無段変速装置など、プーリの有効径が変化し大きなトルクを伝達するようなベルトの製造に適用することができる。
本発明の高負荷伝動ベルトの要部斜視図である。 本発明の高負荷伝動ベルトの側面図である。 本発明の別の例を示す高負荷伝動ベルトの斜視図である。 カバー帆布の要部側面図である。
符号の説明
1 高負荷伝動ベルト
2 ブロック
3 センターベルト
4 エラストマー
5 心線
6 側面
7 側面
8 嵌合溝
9 嵌合溝
10 カバー帆布
10a フッ素樹脂製繊維
10b 基布
11 上ビーム部
12 下ビーム部
13 センターピラー
15 凹条部
16 凹条部
17 凸条部
18 凸条部

Claims (3)

  1. エラストマー中に芯体を埋設するとともに表面にカバー帆布を積層したセンターベルトと、該センターベルトの長手方向に沿って所定ピッチで設けた複数のブロックとからなる高負荷伝動ベルトにおいて、センターベルト下面側表面のカバー帆布が、フッ素樹脂以外の繊維からなる基布と、フッ素樹脂製繊維とで構成され、前記フッ素樹脂製繊維が前記基布の少なくともブロックと接触する側の表面に積層一体化して配置していることを特徴とする高負荷伝動ベルト。
  2. カバー帆布に配置するフッ素樹脂製繊維が不織布であり目付量が10〜200g/mの範囲内である請求項1記載の高負荷伝動ベルト。
  3. フッ素樹脂がPTFE樹脂(四フッ化エチレン樹脂)である請求項1又は2記載の高負荷伝動ベルト。
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