JP4807462B2 - 鋼の連続鋳造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電磁力によって鋳型内の溶鋼流動を制御しながら溶鋼を鋳造して鋳片を製造する連続鋳造方法に関する。
鋼の連続鋳造では、タンディッシュ内に入れられた溶鋼が、タンディッシュ底部に接続された浸漬ノズルを通じて連続鋳造用鋳型内に注入される。この場合、浸漬ノズルの吐出孔から鋳型内に吐出される溶鋼流に、非金属介在物(主にアルミナなどの脱酸生成物)や、上ノズルの内壁面から吹き込まれた不活性ガス(アルミナなどの付着・堆積によるノズル閉塞を防止するために吹き込まれる不活性ガス)の気泡が随伴するが、これが凝固シェルに捕捉されると、製品欠陥(介在物性欠陥、気泡性欠陥)となる。また、メニスカスに達した溶鋼上昇流にモールドフラックス(モールドパウダー)が巻き込まれ、これも凝固シェルに捕捉されることにより製品欠陥となる。
従来、溶鋼中の非金属介在物、モールドフラックス、気泡が凝固シェルに捕捉され、製品欠陥となることを防止するために、鋳型内で溶鋼流に磁界を印加し、磁界による電磁気力を利用して溶鋼の流動を制御することが行われており、この技術に関して数多くの提案がなされている。
例えば、特許文献1には、鋳型長辺部を挟んで対向する1対の上部磁極と1対の下部磁極に各々印加される直流磁界により溶鋼流を制動する方法が開示されている。この方法は、浸漬ノズルの吐出口から吐出された後、上昇流と下降流に分かれる溶鋼流のうち、下降流を下部の直流磁界で制動し、上昇流を上部の直流磁界で制動することで、溶鋼流に随伴する非金属介在物やモールドフラックスが凝固シェルに捕捉されないようするものである。
また、特許文献2には、特許文献1と同じく鋳型長辺部を挟んで対向する1対の上部磁極と1対の下部磁極に各々印加される直流磁界により溶鋼流を制動するとともに、上部磁極または下部磁極に交流磁界を重畳して印加する方法が開示されている。この方法は、特許文献1と同様の直流磁界による溶鋼流の制動を行うとともに、交流磁界による溶鋼の撹拌により、凝固シェル界面での非金属介在物などの洗浄効果を得ようとするものである。
さらに、特許文献3には、鋳型長辺部を挟んで対向する1対の上部磁極と1対の下部磁極に各々印加される直流磁界により溶鋼流を制動する方法、或いはさらに、上部磁極に交流磁界を重畳して印加する方法において、直流磁界の強度、上部電極と下部電極の直流磁界の強度比、交流磁界の強度を特定の数値範囲とする方法が開示されている。
また、特許文献4には、上下2段の磁極によって溶鋼流に直流磁界を印加するとともに、決められた領域の溶鋼に特定の溶質元素を添加して、鋳片表層部の溶質元素の濃度を調整することにより、特定の溶質元素の濃度が鋳片内部に較べて表層部の方が高い、傾斜組成を有する連続鋳造鋳片を製造するに際して、鋳片表層部での溶質元素濃度の局所的なばらつきを軽減することを目的として、上部磁極に交流磁界を重畳して印加する技術が開示されている。
特開平3−142049号公報 特開平10−305353号公報 特開2008−200732号公報 特開2002−1501号公報
最近、自動車外板用鋼板の品質厳格化に伴い、これまで問題にならなかった微小な気泡やモールドフラックスの巻き込みに起因する欠陥が問題視されるようになりつつあり、上記従来技術のような連続鋳造方法では、そのような厳しい品質要求に十分に対応できない。特に、合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、溶融めっき後、加熱して母材鋼板の鉄成分を亜鉛めっき層に拡散させるものであり、母材鋼板の表層性状が合金化溶融亜鉛めっき層の品質に大きく影響する。すなわち、母材鋼板の表層に気泡性やフラックス性の欠陥があると、小さな欠陥であってもめっき層の厚みにむらが生じ、それが表面に筋状の欠陥として現れ、自動車外板などのような品質要求の厳しい用途には使用できなくなる。
また、特許文献4に記載されているような、鋳片表層部と内部との間で傾斜組成を有する鋳片は、製造の際に溶質元素をワイヤー等によって溶鋼に添加するため、フラックス性欠陥が増加するという問題があり、厳格な表面品質が要求される鋼板の製造には不適である。
したがって本発明の目的は、上記のような従来技術の課題を解決し、電磁力を利用して鋳型内の溶鋼流動を制御することにより、従来問題とされてきたような非金属介在物やモールドフラックスによる欠陥だけでなく、微小な気泡やモールドフラックスの巻き込みによる欠陥が少ない高品質の鋳片を得ることができる連続鋳造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために、電磁力を利用して鋳型内の溶鋼流動を制御する際の諸々の鋳造条件を検討した結果、鋳型長辺部を挟んで対向する1対の上部磁極と1対の下部磁極に各々印加される直流磁界により溶鋼流を制動し、且つ前記上部磁極に重畳印加される交流磁界により溶鋼を撹拌しつつ、鋼の連続鋳造を行う方法において、鋳造するスラブ幅および鋳造速度に応じて、上部磁極と下部磁極に各々印加する直流磁界の強度および上部磁極に重畳印加される交流磁界の強度を最適化することにより、従来問題とされてきたような非金属介在物やモールドフラックスによる欠陥だけでなく、微小な気泡やモールドフラックスによる欠陥が少ない高品質の鋳片が得られることを見出した。
また、上記磁界強度の最適化に際して、上部磁極に重畳印加される交流磁界の強度を高めの所定レベルとした上で、上部磁極と下部磁極に各々印加する直流磁界の強度を制御することにより、欠陥が少ない高品質の鋳片を得ることができるだけでなく、上部交流磁界強度(電流値)を一定とすることにより交流磁界の制御システムが不要となることから、磁場発生装置の制御系を簡略化することができ、設備コストを大幅に削減することができる。
また、上記のような鋳造条件の最適化により、気泡やモールドフラックスによる欠陥が少ない高品質の鋳片が得られる理由について詳細に検討した結果、気泡性欠陥およびフラックス性欠陥の発生に関与する因子(一次因子)として、表面乱流エネルギー(表面近傍での渦流の発生に関与)、溶鋼−凝固シェル界面の界面流速および表面流速などがあり、上記鋳造条件の最適化によって、これらの因子を通じて鋳型内の溶鋼流動が適正に制御され、気泡の凝固界面での捕捉やモールドフラックスの巻き込みが生じにくい状態が実現されることが判った。また、鋳造するスラブ厚さと浸漬ノズルの内壁面からの不活性ガス吹き込み量を最適化することで、凝固界面気泡濃度という別の因子が適正に制御され、気泡性欠陥の発生をより少なくできることが判った。
本発明は、このような知見に基づきなされたもので、以下を要旨とするものである。
[1]鋳型外側に、鋳型長辺部を挟んで対向する1対の上部磁極と1対の下部磁極を備えるとともに、浸漬ノズルの溶鋼吐出孔が、前記上部磁極の直流磁場のピーク位置と前記下部磁極の直流磁場のピーク位置の間に位置する連続鋳造機を用い、前記1対の上部磁極と1対の下部磁極に各々印加される直流磁界により溶鋼流を制動し、且つ前記1対の上部磁極に重畳印加される交流磁界により溶鋼を撹拌しつつ、鋼の連続鋳造を行う方法であって、
浸漬深さ(但し、メニスカスから溶鋼吐出孔上端までの距離)が180mm以上240mm未満の浸漬ノズルを用い、上部磁極に印加する交流磁界の強度を0.060〜0.090T、上部磁極に印加する直流磁界の強度を0.02〜0.18T、下部磁極に印加する直流磁界の強度を0.30〜0.45Tとし、スラブ幅に応じた下記(a)〜(d)の鋳造速度で連続鋳造を行うことを特徴とする鋼の連続鋳造方法。
(a)スラブ幅950mm以上1050mm未満の場合は鋳造速度0.95m/分以上1.65m/分未満
(b)スラブ幅1050mm以上1250mm未満の場合は鋳造速度0.95m/分以上1.45m/分未満
(c)スラブ幅1250mm以上1450mm未満の場合は鋳造速度0.95m/分以上1.25m/分未満
(d)スラブ幅1450mm以上1750mm未満の場合は鋳造速度0.95m/分以上1.05m/分未満
[2]鋳型外側に、鋳型長辺部を挟んで対向する1対の上部磁極と1対の下部磁極を備えるとともに、浸漬ノズルの溶鋼吐出孔が、前記上部磁極の直流磁場のピーク位置と前記下部磁極の直流磁場のピーク位置の間に位置する連続鋳造機を用い、前記1対の上部磁極と1対の下部磁極に各々印加される直流磁界により溶鋼流を制動し、且つ前記1対の上部磁極に重畳印加される交流磁界により溶鋼を撹拌しつつ、鋼の連続鋳造を行う方法であって、
浸漬深さ(但し、メニスカスから溶鋼吐出孔上端までの距離)が240mm以上270mm未満の浸漬ノズルを用い、上部磁極に印加する交流磁界の強度を0.060〜0.090T、上部磁極に印加する直流磁界の強度を0.02〜0.18T、下部磁極に印加する直流磁界の強度を0.30〜0.45Tとし、スラブ幅に応じた下記(a)〜(d)の鋳造速度で連続鋳造を行うことを特徴とする鋼の連続鋳造方法。
(a)スラブ幅950mm以上1050mm未満の場合は鋳造速度0.95m/分以上1.65m/分未満
(b)スラブ幅1050mm以上1250mm未満の場合は鋳造速度0.95m/分以上1.45m/分未満
(c)スラブ幅1250mm以上1450mm未満の場合は鋳造速度0.95m/分以上1.25m/分未満
(d)スラブ幅1450mm以上1750mm未満の場合は鋳造速度0.95m/分以上1.05m/分未満
[3]鋳型外側に、鋳型長辺部を挟んで対向する1対の上部磁極と1対の下部磁極を備えるとともに、浸漬ノズルの溶鋼吐出孔が、前記上部磁極の直流磁場のピーク位置と前記下部磁極の直流磁場のピーク位置の間に位置する連続鋳造機を用い、前記1対の上部磁極と1対の下部磁極に各々印加される直流磁界により溶鋼流を制動し、且つ前記1対の上部磁極に重畳印加される交流磁界により溶鋼を撹拌しつつ、鋼の連続鋳造を行う方法であって、
浸漬深さ(但し、メニスカスから溶鋼吐出孔上端までの距離)が270mm以上300mm未満の浸漬ノズルを用い、上部磁極に印加する交流磁界の強度を0.060〜0.090T、上部磁極に印加する直流磁界の強度を0.02〜0.18T、下部磁極に印加する直流磁界の強度を0.30〜0.45Tとし、スラブ幅に応じた下記(a)〜(d)の鋳造速度で連続鋳造を行うことを特徴とする鋼の連続鋳造方法。
(a)スラブ幅950mm以上1050mm未満の場合は鋳造速度0.95m/分以上1.65m/分未満
(b)スラブ幅1050mm以上1250mm未満の場合は鋳造速度0.95m/分以上1.45m/分未満
(c)スラブ幅1250mm以上1450mm未満の場合は鋳造速度0.95m/分以上1.25m/分未満
(d)スラブ幅1450mm以上1750mm未満の場合は鋳造速度0.95m/分以上1.05m/分未満
[4]上記[1]〜[3]のいずれかの連続鋳造方法において、鋳型内の溶鋼は、表面乱流エネルギーが0.0020〜0.0035m/s、表面流速が0.30m/s以下、溶鋼−凝固シェル界面での流速が0.08〜0.20m/sであることを特徴とする鋼の連続鋳造方法。
[5]上記[4]の連続鋳造方法において、鋳型内の溶鋼は、表面乱流エネルギーが0.0020〜0.0030m/sであることを特徴とする鋼の連続鋳造方法。
[6]上記[4]または[5]の連続鋳造方法において、鋳型内の溶鋼は、表面流速が0.05〜0.30m/sであることを特徴とする連続鋳造方法。
[7]上記[4][6]のいずれかの連続鋳造方法において、鋳型内の溶鋼は、溶鋼−凝固シェル界面での流速が0.14〜0.20m/sであることを特徴とする鋼の連続鋳造方法。
[8]上記[4][7]のいずれかの連続鋳造方法において、鋳型内の溶鋼は、溶鋼−凝固シェル界面での流速Aと表面流速Bとの比A/Bが1.0〜2.0であることを特徴とする鋼の連続鋳造方法。
[9]上記[4][8]のいずれかの連続鋳造方法において、鋳型内の溶鋼は、溶鋼−凝固シェル界面での気泡濃度が0.01kg/m以下であることを特徴とする鋼の連続鋳造方法。
[10]上記[9]の連続鋳造方法において、鋳造されるスラブ厚さが220〜300mm、浸漬ノズルの内壁面からの不活性ガス吹き込み量が3〜25NL/分であることを特徴とする鋼の連続鋳造方法。
本発明によれば、電磁力を利用して鋳型内の溶鋼流動を制御するに当たり、鋳造するスラブ幅および鋳造速度に応じて、上部磁極と下部磁極に各々印加する直流磁界の強度および上部磁極に重畳印加される交流磁界の強度を最適化することにより、従来問題とされなかったような微小な気泡性欠陥やフラックス性欠陥が非常に少ない高品質の鋳片を得ることができる。このため、従来にない高品質のめっき層を有する合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造することが可能となる。
また、上部磁極に重畳印加される交流磁界の強度を高めの所定レベルとした上で、上部磁極と下部磁極に各々印加する直流磁界の強度を制御することにより、交流磁界の制御システムが不要となることから、磁場発生装置の制御系を簡略化することができ、設備コストを大幅に削減することができる。
本発明において、直流磁界を異なる強度で印加する「スラブ幅−鋳造速度」領域(I)〜(III)を模式的に示す説明図 本発明の実施に供される連続鋳造機の鋳型および浸漬ノズルの一実施形態を示す縦断面図 図2の実施形態における鋳型および浸漬ノズルの水平断面図 本発明の実施に供される連続鋳造機において、互いに独立した直流磁界用磁極と交流磁界用磁極を備えた上部磁極の一実施形態を模式的に示す平面図 浸漬ノズルの溶鋼吐出角度と表面欠陥の発生率(欠陥指数)との関係を示すグラフ 鋳型内の溶鋼の表面乱流エネルギー、凝固界面流速(溶鋼−凝固シェル界面での流速)、表面流速および凝固界面気泡濃度(溶鋼−凝固シェル界面での気泡濃度)を説明するための概念図 鋳型内の溶鋼の表面乱流エネルギーとフラックス巻き込み率との関係を示すグラフ 鋳型内の溶鋼の表面流速とフラックス巻き込み率との関係を示すグラフ 鋳型内の溶鋼の凝固界面流速(溶鋼−凝固シェル界面での流速)と気泡捕捉率との関係を示すグラフ 鋳型内の溶鋼の凝固界面流速Aと表面流速Bとの比A/Bと表面欠陥率との関係を示すグラフ 鋳型内の溶鋼の凝固界面気泡濃度(溶鋼−凝固シェル界面での気泡濃度)と気泡捕捉率との関係を示すグラフ
本発明の連続鋳造方法は、鋳型外側(鋳型側壁の背面)に、鋳型長辺部を挟んで対向する1対の上部磁極と1対の下部磁極を備えるとともに、浸漬ノズルの溶鋼吐出孔が、前記上部磁極の直流磁場のピーク位置と前記下部磁極の直流磁場のピーク位置の間に位置する連続鋳造機を用い、前記1対の上部磁極と1対の下部磁極に各々印加される直流磁界により溶鋼流を制動し、且つ前記1対の上部磁極に重畳印加される交流磁界により溶鋼を撹拌しつつ、鋼の連続鋳造を行う。
上記のような連続鋳造方法において、本発明者が数値シミュレーション等により検討した結果、気泡性欠陥およびフラックス性欠陥の発生に関与する因子(一次因子)としては、表面乱流エネルギー(表面近傍での渦流の発生に関与)、溶鋼−凝固シェル界面の界面流速(以下、単に「凝固界面流速」という)、表面流速があり、これらが欠陥発生に影響していることが判った。また特に、表面流速、表面乱流エネルギーは、モールドフラックスの巻き込みに影響を与え、凝固界面流速は気泡性欠陥に影響を与えることが判った。そして、これらの知見に基づき、印加される直流磁界、交流磁界の各々作用と両磁界が重畳印加される場合の相互作用について検討した結果、以下の点が明らかとなった。
(1)メニスカス近傍に交流磁界を作用させると、凝固界面流速が増大して洗浄効果が大きくなり、気泡性欠陥は低減する。しかし、一方において、表面流速および表面乱流エネルギーの増大によりモールドフラックスの巻き込みが増大し、フラックス性欠陥が増大する。
(2)上部磁極に直流磁界を印加することにより溶鋼の上昇流(溶鋼吐出孔からの噴流がモールド短辺と衝突して反転することで生じる上昇流)が制動され、表面流速および表面乱流エネルギーを低減することができる。但し、このような直流磁界だけでは、表面流速、表面乱流エネルギーおよび凝固界面流速を理想的状態にコントロールすることはできない。
(3)以上の点から、上部磁極において交流磁界と直流磁界を重畳印加することは、気泡性欠陥とフラックス性欠陥の両方を防止するのに有効であると考えられるが、単に両磁界を重畳印加しただけでは十分な効果は得られず、鋳造条件(鋳造するスラブ幅、鋳造速度)、交流磁界の印加条件、上部磁極と下部磁極に各々印加する直流磁界の印加条件が相互に関連し、それらに最適範囲が存在する。
本発明はこのような知見に基づき、鋳造するスラブ幅および鋳造速度に応じて、上部磁極と下部磁極に各々印加する直流磁界の強度および上部磁極に重畳印加される交流磁界の強度を最適化することにより、気泡性欠陥とフラックス性欠陥の発生をともに効果的に抑制することを可能としたものである。
本発明においては、上部磁極に重畳印加される交流磁界の強度を高めの所定レベルとした上で、鋳造するスラブ幅および鋳造速度に応じて、上部磁極と下部磁極に各々印加する直流磁界の強度を、基本的に次の(I)〜(III)のように最適化すればよいことが判った。図1は、この(I)〜(III)の「スラブ幅−鋳造速度」領域を模式的に示したものである。
(I)鋳造するスラブ幅と鋳造速度が相対的に小さく、且つ鋳造するスラブ幅が大きくなるほど、鋳造速度の上限値が小さくなる「スラブ幅−鋳造速度」領域: 浸漬ノズルの溶鋼吐出孔からの噴流速度が小さく、交流磁界による旋回流が上昇流(反転流)によって干渉を受けにくい。このため、上部磁極に重畳印加される交流磁界の強度を高めの所定レベルとした上で、上昇流を制動するための直流磁界(上部磁極)の強度を小さくする。これにより表面乱流エネルギー、凝固界面流速および表面流速を適正範囲に制御し、気泡性欠陥およびフラックス性欠陥の発生を防止する。
(II)鋳造するスラブ幅と鋳造速度は小〜大の範囲であるが、鋳造するスラブ幅が大きくなるほど、鋳造速度の上限値と下限値が小さくなる「スラブ幅−鋳造速度」領域: 浸漬ノズルの溶鋼吐出孔からの噴流速度が比較的大きいため上昇流(反転流)も大きくなり、交流磁界による旋回流が上昇流によって干渉を受けやすい。このため、上部磁極に重畳印加される交流磁界の強度を高めの所定レベルとした上で、上昇流を制動するための直流磁界(上部磁極)の強度を比較的大きくする。これにより表面乱流エネルギー、凝固界面流速および表面流速を適正範囲に制御し、気泡性欠陥およびフラックス性欠陥の発生を防止する。
(III)鋳造するスラブ幅と鋳造速度が相対的に大きく、且つ鋳造するスラブ幅が小さいほど、鋳造速度の下限値が大きくなる「スラブ幅−鋳造速度」領域: 浸漬ノズルの溶鋼吐出孔からの噴流速度が特に大きいため上昇流(反転流)も非常に大きくなり、交流磁界による旋回流が上昇流によって干渉を受けやくなる。このため、上部磁極に重畳印加される交流磁界の強度を高めの所定レベルとした上で、上昇流を制動するための直流磁界(上部磁極)の強度を特に大きくする。この場合には、ノズル噴流を利用して凝固界面流速を適正範囲とし、直流磁界による上昇流の制動により、表面乱流エネルギー、表面流速を適正範囲に制御し、気泡性欠陥およびフラックス性欠陥の発生を防止する。
図2および図3は、本発明の実施に供される連続鋳造機の鋳型および浸漬ノズルの一実施形態を示すもので、図2は鋳型および浸漬ノズルの縦断面図、図3は同じく水平断面図(図2のIII−III線に沿う断面図)である。
図において、1は鋳型であり、この鋳型1は鋳型長辺部10(鋳型側壁)と鋳型短辺部11(鋳型側壁)とにより水平断面矩形状に構成されている。
2は浸漬ノズルであり、この浸漬ノズル2を通じて鋳型1の上方に設置されたタンディッシュ(図示せず)内の溶鋼を鋳型1内に注入する。この浸漬ノズル2は、筒状のノズル本体の下端に底部21を有するとともに、この底部21の直上の側壁部に、両鋳型短辺部11と対向するように1対の溶鋼吐出孔20が貫設されている。
溶鋼中のアルミナなどの非金属介在物が浸漬ノズル2の内壁面に付着・堆積してノズル閉塞を生じることを防止するため、浸漬ノズル2のノズル本体内部や上ノズル(図示せず)の内部に設けられたガス流路にArガスなどの不活性ガスが導入され、この不活性ガスがノズル内壁面からノズル内に吹き込まれる。
タンディッシュから浸漬ノズル2に流入した溶鋼は、浸漬ノズル2の1対の溶鋼吐出孔20から鋳型1内に吐出される。吐出された溶鋼は、鋳型1内で冷却されて凝固シェル5を形成し、鋳型1の下方に連続的に引き抜かれ鋳片となる。鋳型1内のメニスカス6には、溶鋼の保温剤および凝固シェル5と鋳型1との潤滑剤として、モールドフラックスが添加される。
また、浸漬ノズル2の内壁面や上ノズルの内部から吹き込まれた不活性ガスの気泡は、溶鋼吐出孔20から溶鋼とともに鋳型1内に吐出される。
鋳型1の外側(鋳型側壁の背面)には、鋳型長辺部を挟んで対向する1対の上部磁極3a,3bと1対の下部磁極4a,4bが設けられ、これら上部磁極3a,3bと下部磁極4a,4bは、それぞれ鋳型長辺部10の幅方向において、その全幅に沿うように配置されている。
上部磁極3a,3bと下部磁極4a,4bは、鋳型1の上下方向において、上部磁極3a,3bの直流磁場のピーク位置(上下方向でのピーク位置:通常は上部磁極3a,3bの上下方向中心位置)と下部磁極4a,4bの直流磁場のピーク位置(上下方向でのピーク位置:通常は下部磁極4a,4bの上下方向中心位置)の間に溶鋼吐出孔20が位置するように、配置される。また、1対の上部磁極3a,3bは、通常、メニスカス6をカバーする位置に配置される。
上部磁極3a,3bと下部磁極4a,4bには、それぞれ直流磁界が印加されるとともに、上部磁極3a,3bには交流磁界が重畳して印加されるので、通常、上部磁極3a,3bは、互いに独立した直流磁界用磁極と交流磁界用磁極(いずれの磁極も鉄芯部とコイルとからなる)を備える。これにより、重畳印加される直流磁界と交流磁界の各々の強度を任意に選択することができる。図4は、そのような上部磁極3a,3bの一実施形態を模式的に示す平面図であり、鋳型1の両鋳型長辺部の外側に1対の交流磁界用磁極30a,30b(=交流磁場発生装置)が配置され、さらにその外側に1対の直流磁界用磁極31a,31b(=直流磁場発生装置)が配置されている。
また、上部磁極3a,3bは、共通の鉄芯部に対して直流磁界用コイルと交流磁界用コイルを備えるものであってもよく、このような独立して制御可能な直流磁場用コイルと交流磁場用コイルを備えることにより、重畳印加される直流磁界と交流磁界の各々の強度を任意に選択することができる。一方、下部磁極4a,4bは、鉄芯部と直流磁場用コイルとからなる。
また、直流磁界に重畳印加される交流磁界は、交流振動磁界、交流移動磁界のいずれでもよい。交流振動磁界とは、隣り合うコイルに位相が実質的に逆の交流電流を通電するか、またはコイルの巻線方向を逆にして同位相の交流電流を通電して、隣り合うコイルに発生する磁界を実質的に反転させた磁界のことである。一方、交流移動磁界とは、任意の隣接するN個のコイルに360°/Nずつ位相をずらした交流電流を通電して得られる磁界のことで、一般には、高効率であるためN=3(位相差120°)が用いられる。
浸漬ノズル2の溶鋼吐出孔20から鋳型短辺部方向に吐出された溶鋼は、鋳型短辺部11の前面に生成した凝固シェル5に衝突して下降流と上昇流に分かれる。前記1対の上部磁極3a,3bと1対の下部磁極4a,4bには、各々直流磁界が印加されるが、これら磁極による基本的な作用は、直流磁界中を移動する溶鋼に作用する電磁気力を利用して、上部磁極3a,3bに印加される直流磁界で溶鋼上昇流を制動(減速させる)し、下部磁極4a,4bに印加される直流磁界で溶鋼下降流を制動(減速させる)するものである。
また、前記1対の上部磁極3a,3bにおいて、直流磁界に重畳して印加される交流磁界は、メニスカスの溶鋼を強制的に撹拌し、これにより生じる溶鋼流によって、凝固シェル界面の非金属介在物や気泡を洗浄する効果が得られる。ここで、交流磁界が交流移動磁界の場合には、溶鋼を水平方向に回転撹拌する作用が得られる。
本発明では、浸漬ノズル2の浸漬深さ(但し、メニスカスから溶鋼吐出孔上端までの距離)に応じて鋳造条件を選択するが、浸漬ノズル2のノズル浸漬深さは180mm以上300mm未満とする。ノズル浸漬深さが大きすぎても、小さすぎても、浸漬ノズル2から吐出される溶鋼の流動量や流速が変化したときに、鋳型内での溶鋼の流動状態が大きく変化するため、溶鋼流の適切な制御が難しくなる。ノズル浸漬深さが180mm未満では、浸漬ノズル2から吐出される溶鋼の流動量や流速が変化したときに、ダイレクトに溶鋼表面(メニスカス)が変動し、表面の乱れが大きくなってモールドフラックスの巻き込みが起こり易くなり、一方、300mm以上では、溶鋼の流動量などが変動したときに、下方への流速が大きくなって非金属系介在物や気泡の潜り込みが大きくなる傾向がある。
また、鋳造速度については、生産性の観点から0.95m/分以上とする必要があり、一方、鋳造速度が2.65m/分以上では、本発明においても適切な制御は困難である。このため鋳造速度は、0.95m/分以上2.65m/分未満を本発明範囲とする。
なお、浸漬ノズル2の溶鋼吐出孔20の水平方向から下向きの溶鋼吐出角度αは、15°以上55°未満とすることが好ましい。溶鋼吐出角度αが55°以上では、下部磁極4a,4bの直流磁界で溶鋼下降流を制動しても、非金属介在物や気泡が溶鋼下降流によって鋳型下方に運ばれて凝固シェルに捕捉されやすくなる。一方、溶鋼吐出角度αが15°未満では、直流磁界で溶鋼上昇流を制動しても、溶鋼表面の乱れを適切に制御できず、モールドフラックスの巻き込みが生じ易くなる。また、以上の観点から、溶鋼吐出角度αのより好ましい下限は25°であり、また、より好ましい上限は35°である。
図5は、浸漬ノズルの溶鋼吐出角度αと表面欠陥の発生率(欠陥指数)との関係を示すもので、後述する領域(I)〜(III)での磁界強度、ノズル浸漬深さ、鋳造速度およびスラブ幅が本発明範囲を満足する種々の条件で連続鋳造試験を行い、この連続鋳造されたスラブを熱間圧延および冷間圧延して鋼板とし、この鋼
板に合金化溶融亜鉛めっき処理を施し、溶鋼吐出角度αが表面欠陥の発生に及ぼす影響を調べたものである。この試験では、合金化溶融亜鉛めっき鋼板について、オンライン表面欠陥計で表面欠陥を連続的に測定し、そのなかから欠陥外観およびSEM分析、ICP分析等により製鋼性欠陥(フラックス性欠陥および気泡性欠陥)を判別し、コイル長さ100m当たりの欠陥個数を下記基準で評価し、表面欠陥指数とした。
3:欠陥個数が0.30個以下
2:欠陥個数が0.30個超、1.00個以下
1:欠陥個数が1.00個超
なお、一般に、連続鋳造で鋳造される最小スラブ幅は700mm程度である。
また、特許文献4に示されるような、鋳片表層部と内部との間で傾斜組成を有する鋳片(スラブ)を得るために鋳造中の溶鋼に溶質元素を添加する方法は、溶質元素を添加するワイヤー等によるフラックス性欠陥を生じやすいので、好ましくない。
本発明では、上部磁極に重畳印加される交流磁界の強度を高めの所定レベルとした上で、鋳造するスラブ幅および鋳造速度に応じて、さきに述べた(I)〜(III)の鋳造条件で、上部磁極3a,3bと下部磁極4a,4bに各々印加する直流磁界の強度を最適化し、これにより表面乱流エネルギー、凝固界面流速および表面流速を適正範囲に制御し、フラックス性欠陥および気泡性欠陥の原因となる、凝固シェル5へのモールドフラックスの巻き込み捕捉と、同じく微小気泡(主に上ノズルの内部から吹き込まれた不活性ガスの気泡)の捕捉を抑制するものである。
以下、領域(I)、(II)、(III)の順で、各々の鋳造条件について説明する。
・領域(I)の鋳造条件
図1に示す領域(I)のように、鋳造するスラブ幅と鋳造速度が相対的に小さく、且つ鋳造するスラブ幅が大きくなるほど、鋳造速度の上限値が小さくなる「スラブ幅−鋳造速度」領域では、浸漬ノズル2の溶鋼吐出孔20からの噴流速度が小さく、上部磁極3a,3bに印加する交流磁界による旋回流が上昇流(反転流)によって干渉を受けにくい。このため、上部磁極3a,3bに重畳印加される交流磁界の強度を高めの所定レベルとした上で、上昇流を制動するために上部磁極3a,3bに印加する直流磁界(上部磁極)の強度を小さくする。具体的には、上部磁極3a,3bに印加する交流磁界の強度を0.060〜0.090T、上部磁極3a,3bに印加する直流磁界の強度を0.02〜0.18T、下部磁極4a,4bに印加する直流磁界の強度を0.30〜0.45Tとする。これにより表面乱流エネルギー、凝固界面流速および表面流速を適正範囲に制御することができる。
ここで、上部磁極3a,3bに印加する交流磁界の強度が0.060T未満では、交流磁界による旋回流が上昇流によって干渉を受けやすく、凝固界面流速を安定的に高めることができず、気泡性欠陥が生じやすくなる。一方、交流磁界の強度が0.090Tを超えると、溶鋼の撹拌力が強くなりすぎるため、表面乱流エネルギーや表面流速が増大してしまい、モールドフラックスの巻き込みによるフラックス欠陥が生じやすくなる。
また、上部磁極3a,3bに印加する直流磁界の強度が0.02T未満では、その直流磁界による溶鋼上昇流の制動効果が不十分で湯面変動が大きく、表面乱流エネルギーや表面流速が増大してしまい、モールドフラックスの巻き込みによるフラックス欠陥が生じやすくなる。一方、直流磁界の強度が0.18Tを超えると、溶鋼上昇流による洗浄効果が低下するため非金属介在物や気泡が凝固シェルに捕捉されやすくなる。
また、下部磁極4a,4bに印加する直流磁界の強度が0.30T未満では、その直流磁界による溶鋼下降流の制動効果が不十分であるため、溶鋼下降流に随伴する非金属介在物や気泡が下方向に潜り込み、凝固シェルに捕捉されやすくなる。一方、直流磁界の強度が0.45Tを超えると、溶鋼下降流による洗浄効果が低下するため非金属介在物や気泡が凝固シェルに捕捉されやすくなる。
但し、浸漬ノズル2の浸漬深さにより鋳型内での溶鋼の流動状態が大きく変化する。すなわち、ノズル浸漬深さが小さいほど、浸漬ノズル2から吐出される溶鋼の流動状態の影響が溶鋼表面(メニスカス)に伝わりやすく、一方、ノズル浸漬深さが大きくなると下方への流速が大きくなりやすい。このように浸漬ノズル2の浸漬深さにより溶鋼の流動状態が大きく変化するので、これに応じて鋳造するスラブ幅と鋳造速度の範囲、すなわち、図1に模式的に示した領域(I)の範囲が違ってくる。
すなわち、上部磁極3a,3bに印加する交流磁界の強度を0.060〜0.090T、上部磁極3a,3bに印加する直流磁界の強度を0.02〜0.18T、下部磁極4a,4bに印加する直流磁界の強度を0.30〜0.45Tとするのは、下記(I-1)〜(I-3)のような、浸漬ノズル2の浸漬深さに応じたスラブ幅と鋳造速度の範囲(領域(I)の範囲)とする。
(I-1)浸漬ノズル2の浸漬深さが180mm以上240mm未満であって、スラブ幅に応じた下記(a)〜(d)の鋳造速度で連続鋳造を行う場合。
(a)スラブ幅950mm以上1050mm未満の場合は鋳造速度0.95m/分以上1.65m/分未満
(b)スラブ幅1050mm以上1250mm未満の場合は鋳造速度0.95m/分以上1.45m/分未満
(c)スラブ幅1250mm以上1450mm未満の場合は鋳造速度0.95m/分以上1.25m/分未満
(d)スラブ幅1450mm以上1750mm未満の場合は鋳造速度0.95m/分以上1.05m/分未満
(I-2)浸漬ノズル2の浸漬深さが240mm以上270mm未満であって、スラブ幅に応じた下記(a)〜(d)の鋳造速度で連続鋳造を行う場合。
(a)スラブ幅950mm以上1050mm未満の場合は鋳造速度0.95m/分以上1.65m/分未満
(b)スラブ幅1050mm以上1250mm未満の場合は鋳造速度0.95m/分以上1.45m/分未満
(c)スラブ幅1250mm以上1450mm未満の場合は鋳造速度0.95m/分以上1.25m/分未満
(d)スラブ幅1450mm以上1750mm未満の場合は鋳造速度0.95m/分以上1.05m/分未満
(I-3)浸漬ノズル2の浸漬深さが270mm以上300mm未満であって、スラブ幅に応じた下記(a)〜(d)の鋳造速度で連続鋳造を行う場合。
(a)スラブ幅950mm以上1050mm未満の場合は鋳造速度0.95m/分以上1.65m/分未満
(b)スラブ幅1050mm以上1250mm未満の場合は鋳造速度0.95m/分以上1.45m/分未満
(c)スラブ幅1250mm以上1450mm未満の場合は鋳造速度0.95m/分以上1.25m/分未満
(d)スラブ幅1450mm以上1750mm未満の場合は鋳造速度0.95m/分以上1.05m/分未満
・領域(II)の鋳造条件
図1に示す領域(II)のように、鋳造するスラブ幅と鋳造速度は小〜大の範囲であるが、鋳造するスラブ幅が大きくなるほど、鋳造速度の上限値と下限値が小さくなる「スラブ幅−鋳造速度」領域では、浸漬ノズル2の溶鋼吐出孔20からの噴流速度が比較的大きいため上昇流(反転流)も大きくなり、上部磁極3a,3bに印加する交流磁界による旋回流が上昇流によって干渉を受けやすい。このため、上部磁極3a,3bに重畳印加される交流磁界の強度を高めの所定レベルとした上で、上昇流を制動するための上部磁極3a,3bに印加する直流磁界の強度を比較的大きくする。具体的には、上部磁極3a,3bに印加する交流磁界の強度を0.060〜0.090T、上部磁極3a,3bに印加する直流磁界の強度を0.18T超0.25T以下とし、下部磁極4a,4bに印加する直流磁界の強度を0.30〜0.45Tとする。これにより表面乱流エネルギー、凝固界面流速および表面流速を適正範囲に制御することができる。
さきに述べたように、上部磁極3a,3bに印加する交流磁界の強度が0.060T未満では、交流磁界による旋回流が上昇流によって干渉を受けやすく、凝固界面流速を安定的に高めることができず、気泡性欠陥が生じやすくなる。一方、交流磁界の強度が0.090Tを超えると、溶鋼の撹拌力が強くなりすぎるため、表面乱流エネルギーや表面流速が増大してしまい、モールドフラックスの巻き込みによるフラックス欠陥が生じやすくなる。
また、上部磁極3a,3bに印加する直流磁界の強度が0.18T以下では、その直流磁界による溶鋼上昇流の制動効果が不十分で湯面変動が大きく、表面乱流エネルギーや表面流速が増大してしまい、モールドフラックスの巻き込みによるフラックス欠陥が生じやすくなる。一方、直流磁界の強度が0.25Tを超えると、溶鋼上昇流による洗浄効果が低下するため非金属介在物や気泡が凝固シェルに捕捉されやすくなる。
また、下部磁極4a,4bに印加する直流磁界の強度が0.30T未満では、その直流磁界による溶鋼下降流の制動効果が不十分であるため、溶鋼下降流に随伴する非金属介在物や気泡が下方向に潜り込み、凝固シェルに捕捉されやすくなる。一方、直流磁界の強度が0.45Tを超えると、溶鋼下降流による洗浄効果が低下するため非金属介在物や気泡が凝固シェルに捕捉されやすくなる。
但し、浸漬ノズル2の浸漬深さにより鋳型内での溶鋼の流動状態が大きく変化する。すなわち、ノズル浸漬深さが小さいほど、浸漬ノズル2から吐出される溶鋼の流動状態の影響が溶鋼表面(メニスカス)に伝わりやすく、一方、ノズル浸漬深さが大きくなると下方への流速が大きくなりやすい。このように浸漬ノズル2の浸漬深さにより溶鋼の流動状態が大きく変化するので、これに応じて鋳造するスラブ幅と鋳造速度の範囲、すなわち、図1に模式的に示した領域(II)の範囲が違ってくる。
すなわち、上部磁極3a,3bに印加する交流磁界の強度を0.060〜0.090T、上部磁極3a,3bに印加する直流磁界の強度を0.18T超0.25T以下、下部磁極4a,4bに印加する直流磁界の強度を0.30〜0.45Tとするのは、下記(II-1)〜(II-3)のような、浸漬ノズル2の浸漬深さに応じたスラブ幅と鋳造速度の範囲(領域(II)の範囲)とする。
(II-1)浸漬ノズル2の浸漬深さが180mm以上240mm未満であって、スラブ幅に応じた下記(a)〜(e)の鋳造速度で連続鋳造を行う場合。
(a)スラブ幅1050mm以上1150mm未満の場合は鋳造速度1.45m/分以上2.25m/分未満
(b)スラブ幅1150mm以上1250mm未満の場合は鋳造速度1.45m/分以上2.05m/分未満
(c)スラブ幅1250mm以上1350mm未満の場合は鋳造速度1.25m/分以上2.05m/分未満
(d)スラブ幅1350mm以上1450mm未満の場合は鋳造速度1.25m/分以上1.85m/分未満
(e)スラブ幅1450mm以上1750mm未満の場合は鋳造速度1.05m/分以上1.65m/分未満
(II-2)浸漬ノズル2の浸漬深さが240mm以上270mm未満であって、スラブ幅に応じた下記(a)〜(f)の鋳造速度で連続鋳造を行う場合。
(a)スラブ幅1050mm以上1150mm未満の場合は鋳造速度1.45m/分以上2.45m/分未満
(b)スラブ幅1150mm以上1250mm未満の場合は鋳造速度1.45m/分以上2.25m/分未満
(c)スラブ幅1250mm以上1350mm未満の場合は鋳造速度1.25m/分以上2.05m/分未満
(d)スラブ幅1350mm以上1450mm未満の場合は鋳造速度1.25m/分以上1.85m/分未満
(e)スラブ幅1450mm以上1550mm未満の場合は鋳造速度1.05m/分以上1.85m/分未満
(f)スラブ幅1550mm以上1750mm未満の場合は鋳造速度1.05m/分以上1.65m/分未満
(II-3)浸漬ノズル2の浸漬深さが270mm以上300mm未満であって、スラブ幅に応じた下記(a)〜(f)の鋳造速度で連続鋳造を行う場合。
(a)スラブ幅1050mm以上1150mm未満の場合は鋳造速度1.45m/分以上2.65m/分未満
(b)スラブ幅1150mm以上1250mm未満の場合は鋳造速度1.45m/分以上2.25m/分未満
(c)スラブ幅1250mm以上1350mm未満の場合は鋳造速度1.25m/分以上2.25m/分未満
(d)スラブ幅1350mm以上1450mm未満の場合は鋳造速度1.25m/分以上2.05m/分未満
(e)スラブ幅1450mm以上1650mm未満の場合は鋳造速度1.05m/分以上1.85m/分未満
(f)スラブ幅1650mm以上1750mm未満の場合は鋳造速度1.05m/分以上1.65m/分未満
・領域(III)の鋳造条件
図1に示す領域(III)のように、鋳造するスラブ幅と鋳造速度が相対的に大きく、且つ鋳造するスラブ幅が小さいほど、鋳造速度の下限値が大きくなる「スラブ幅−鋳造速度」領域では、浸漬ノズル2の溶鋼吐出孔20からの噴流速度が特に大きいため上昇流(反転流)も非常に大きくなり大きな界面流速が生じる。このため、旋回流との干渉を抑制するために旋回磁場強度を調整する。すなわち、上部磁極3a,3bに重畳印加される交流磁界の強度を高めの所定レベルとした上で、上昇流を制動するために上部磁極3a,3bに印加する直流磁界(上部磁極)の強度を特に大きくする。具体的には、上部磁極3a,3bに印加する交流磁界の強度を0.060〜0.090T、上部磁極3a,3bに印加する直流磁界の強度を0.25T超0.35T以下、下部磁極4a,4bに印加する直流磁界の強度B0.30〜0.45Tとする。これにより表面乱流エネルギー、凝固界面流速および表面流速を適正範囲に制御することができる。
さきに述べたように、上部磁極3a,3bに印加する交流磁界の強度が0.060T未満では、交流磁界による旋回流が上昇流によって干渉を受けやすく、凝固界面流速を安定的に高めることができず、気泡性欠陥が生じやすくなる。一方、交流磁界の強度が0.090Tを超えると、溶鋼の撹拌力が強くなりすぎるため、表面乱流エネルギーや表面流速が増大してしまい、モールドフラックスの巻き込みによるフラックス欠陥が生じやすくなる。
また、上部磁極3a,3bに印加する直流磁界の強度が0.25T以下では、その直流磁界による溶鋼上昇流の制動効果が不十分で湯面変動が大きく、表面乱流エネルギーや表面流速が増大してしまい、モールドフラックスの巻き込みによるフラックス欠陥が生じやすくなる。一方、直流磁界の強度が0.35Tを超えると、溶鋼上昇流による洗浄効果が低下するため非金属介在物や気泡が凝固シェルに捕捉されやすくなる。
また、下部磁極4a,4bに印加する直流磁界の強度が0.30T未満では、その直流磁界による溶鋼下降流の制動効果が不十分であるため、溶鋼下降流に随伴する非金属介在物や気泡が下方向に潜り込み、凝固シェルに捕捉されやすくなる。一方、直流磁界の強度が0.45Tを超えると、溶鋼下降流による洗浄効果が低下するため非金属介在物や気泡が凝固シェルに捕捉されやすくなる。
但し、浸漬ノズル2の浸漬深さにより鋳型内での溶鋼の流動状態が大きく変化する。すなわち、ノズル浸漬深さが小さいほど、浸漬ノズル2から吐出される溶鋼の流動状態の影響が溶鋼表面(メニスカス)に伝わりやすく、一方、ノズル浸漬深さが大きくなると下方への流速が大きくなりやすい。このように浸漬ノズル2の浸漬深さにより溶鋼の流動状態が大きく変化するので、これに応じて鋳造するスラブ幅と鋳造速度の範囲、すなわち、図1に模式的に示した領域(III)の範囲が違ってくる。
すなわち、上部磁極3a,3bに印加する交流磁界の強度を0.060〜0.090T、上部磁極3a,3bに印加する直流磁界の強度を0.25T超0.35T以下、下部磁極4a,4bに印加する直流磁界の強度を0.30〜0.45Tとするのは、下記(III-1)〜(III-3)のような、浸漬ノズル2の浸漬深さに応じたスラブ幅と鋳造速度の範囲(領域(III)の範囲)とする。
(III-1)浸漬ノズル2の浸漬深さが180mm以上240mm未満であって、スラブ幅に応じた下記(a)〜(f)の鋳造速度で連続鋳造を行う場合。
(a)スラブ幅1050mm以上1150mm未満の場合は鋳造速度2.25m/分以上2.65m/分未満
(b)スラブ幅1150mm以上1350mm未満の場合は鋳造速度2.05m/分以上2.65m/分未満
(c)スラブ幅1350mm以上1450mm未満の場合は鋳造速度1.85m/分以上2.45m/分未満
(d)スラブ幅1450mm以上1550mm未満の場合は鋳造速度1.65m/分以上2.35m/分未満
(e)スラブ幅1550mm以上1650mm未満の場合は鋳造速度1.65m/分以上2.25m/分未満
(f)スラブ幅1650mm以上1750mm未満の場合は鋳造速度1.65m/分以上2.15m/分未満
(III-2)浸漬ノズル2の浸漬深さが240mm以上270mm未満であって、スラブ幅に応じた下記(a)〜(g)の鋳造速度で連続鋳造を行う場合。
(a)スラブ幅1050mm以上1150mm未満の場合は鋳造速度2.45m/分以上2.65m/分未満
(b)スラブ幅1150mm以上1250mm未満の場合は鋳造速度2.25m/分以上2.65m/分未満
(c)スラブ幅1250mm以上1350mm未満の場合は鋳造速度2.05m/分以上2.65m/分未満
(d)スラブ幅1350mm以上1450mm未満の場合は鋳造速度1.85m/分以上2.45m/分未満
(e)スラブ幅1450mm以上1550mm未満の場合は鋳造速度1.85m/分以上2.35m/分未満
(f)スラブ幅1550mm以上1650mm未満の場合は鋳造速度1.65m/分以上2.25m/分未満
(g)スラブ幅1650mm以上1750mm未満の場合は鋳造速度1.65m/分以上2.15m/分未満
(III-3)浸漬ノズル2の浸漬深さが270mm以上300mm未満であって、スラブ幅に応じた下記(a)〜(e)の鋳造速度で連続鋳造を行う場合。
(a)スラブ幅1150mm以上1350mm未満の場合は鋳造速度2.25m/分以上2.65m/分未満
(b)スラブ幅1350mm以上1450mm未満の場合は鋳造速度2.05m/分以上2.45m/分未満
(c)スラブ幅1450mm以上1550mm未満の場合は鋳造速度1.85m/分以上2.35m/分未満
(d)スラブ幅1550mm以上1650mm未満の場合は鋳造速度1.85m/分以上2.25m/分未満
(e)スラブ幅1650mm以上1750mm未満の場合は鋳造速度1.65m/分以上2.15m/分未満
以上のように、上部磁極3a,3bに重畳印加される交流磁界の強度を高めの所定レベルとした上で、鋳造するスラブ幅および鋳造速度に応じて、上部磁極3a,3bと下部磁極4a,4bに各々印加する直流磁界の強度を最適化することにより、気泡性欠陥およびフラックス性欠陥の発生に関与する因子(鋳型内の溶鋼流動に関する因子)である、表面乱流エネルギー、凝固界面流速および表面流速が適正に制御され、気泡の凝固界面での捕捉やモールドフラックスの巻き込みが生じにくい状態が実現され結果、気泡やモールドフラックスによる欠陥が少ない高品質の鋳片が得られる。
なお、以上述べた本発明の連続鋳造法は、上述した領域(I)〜(III)の別に、下記(イ)〜(ハ)のような3つの連続鋳造方法として捉えることもできる。
(イ) 鋳型外側に、鋳型長辺部を挟んで対向する1対の上部磁極と1対の下部磁極を備えるとともに、浸漬ノズルの溶鋼吐出孔が、前記上部磁極の直流磁場のピーク位置と前記下部磁極の直流磁場のピーク位置の間に位置する連続鋳造機を用い、前記1対の上部磁極と1対の下部磁極に各々印加される直流磁界により溶鋼流を制動し、且つ前記1対の上部磁極に重畳印加される交流磁界により溶鋼を撹拌しつつ、鋼の連続鋳造を行う方法であって、
先に挙げた(I-1)〜(I-3)の条件(浸漬ノズルの浸漬深さに応じたスラブ幅と鋳造速度の範囲)のいずれかに従って連続鋳造を行う場合、上部磁極に印加する交流磁界の強度を0.060〜0.090T、上部磁極に印加する直流磁界の強度を0.02〜0.18T、下部磁極に印加する直流磁界の強度を0.30〜0.45Tとする鋼の連続鋳造方法。
(ロ) 鋳型外側に、鋳型長辺部を挟んで対向する1対の上部磁極と1対の下部磁極を備えるとともに、浸漬ノズルの溶鋼吐出孔が、前記上部磁極の直流磁場のピーク位置と前記下部磁極の直流磁場のピーク位置の間に位置する連続鋳造機を用い、前記1対の上部磁極と1対の下部磁極に各々印加される直流磁界により溶鋼流を制動し、且つ前記1対の上部磁極に重畳印加される交流磁界により溶鋼を撹拌しつつ、鋼の連続鋳造を行う方法であって、
先に挙げた(II-1)〜(II-3)の条件(浸漬ノズルの浸漬深さに応じたスラブ幅と鋳造速度の範囲)のいずれかに従って連続鋳造を行う場合、上部磁極に印加する交流磁界の強度を0.060〜0.090T、上部磁極に印加する直流磁界の強度を0.18T超0.25T以下、下部磁極に印加する直流磁界の強度を0.30〜0.45Tとする鋼の連続鋳造方法。
(ハ) 鋳型外側に、鋳型長辺部を挟んで対向する1対の上部磁極と1対の下部磁極を備えるとともに、浸漬ノズルの溶鋼吐出孔が、前記上部磁極の直流磁場のピーク位置と前記下部磁極の直流磁場のピーク位置の間に位置する連続鋳造機を用い、前記1対の上部磁極と1対の下部磁極に各々印加される直流磁界により溶鋼流を制動し、且つ前記1対の上部磁極に重畳印加される交流磁界により溶鋼を撹拌しつつ、鋼の連続鋳造を行う方法であって、
先に挙げた(III-1)〜(III-3)の条件(浸漬ノズルの浸漬深さに応じたスラブ幅と鋳造速度の範囲)のいずれかに従って連続鋳造を行う場合、上部磁極に印加する交流磁界の強度を0.060〜0.090T、上部磁極に印加する直流磁界の強度を0.25T超0.35T以下、下部磁極に印加する直流磁界の強度を0.30〜0.45Tとする鋼の連続鋳造方法。
本発明を実施するには、制御用コンピュータを用い、鋳造するスラブ幅、鋳造速度、浸漬ノズルの浸漬深さ(但し、メニスカスから溶鋼吐出孔上端までの距離)に基づき、上部磁極の交流磁場用コイルに通電すべき交流電流値と、上部磁極及び下部磁極の各直流磁場用コイルに通電すべき直流電流値を、予め設定された対照表または数式により求め、その交流電流および直流電流を通電することにより、上部磁極に印加する交流磁界の強度と、上部磁極および下部磁極に各印加する直流磁界の強度を自動制御することが好ましい。また、上記電流値を求める基礎とする鋳造条件には、スラブ厚や浸漬ノズルの内壁面からの不活性ガス吹き込み量を加えてもよい。
図6は、鋳型内溶鋼の表面乱流エネルギー、凝固界面流速(溶鋼−凝固シェル界面での流速)、表面流速、凝固界面気泡濃度(溶鋼−凝固シェル界面での気泡濃度)を示す概念図である。
溶鋼の表面乱流エネルギーは、下式で求められるk値の空間平均値であり、流体力学で定義される3次元k-εモデルによる数値解析の流動シミュレーションによって定義される。このとき、浸漬ノズルの溶鋼吐出角度、ノズル浸漬深さ、体積膨張を考慮した不活性ガス(例えば、Ar)吹き込み速度を考慮すべきである。例えば、不活性ガス吹き込み速度が15NL/分のときの体積膨張率は6倍となる。すなわち、数値解析モデルとは、運動量、連続の式、乱流k−εモデルと磁場ローレンツ力をカップリングし、ノズル吹き込みリフト効果を考慮したモデルである。(文献:「数値流体力学ハンドブック」(平成15年3月31日発行)のp.129〜の2方程式モデルの記載に基づく)
Figure 0004807462
凝固界面流速(溶鋼−凝固シェル界面での溶鋼流速)は、メニスカスの下方50mmで且つ固相率fs=0.5の位置での溶鋼流速の空間平均値とする。ここで、凝固界面流速については、凝固潜熱、伝熱を考慮し、さらに溶鋼粘度の温度依存性をも考慮すべきである。本発明者等による詳細な計算によると、固相率fs=0.5の凝固界面流速はデンドライト傾角測定(fs=0)の1/2の流速に相当することが判った。すなわち、計算上でfs=0.5で凝固界面流速0.1m/sであれば、鋳片のデンドライト傾角(fs=0)の凝固界面流速は0.2m/sとなる。なお、鋳片のデンドライト傾角(fs=0)の凝固界面流速は、凝固前面の固相率fs=0の位置の凝固界面流速を測定していることになる。ここで、デンドライト傾角とは、鋳片表面に対する法線方向に対し、表面から厚み方向に伸びているデンドライトの一次枝の傾角である。(文献:鉄と鋼,第61年(1975),第14号「連続鋳片の大型介在物と柱状晶成長方向との関係」,p.2982−2990)
表面流速は、溶鋼表面(浴面)での溶鋼流速の空間平均値とする。これも前述の3次元数値解析モデルで定義される。ここで、表面流速は浸漬棒による抗力測定値と一致するが、本定義ではこれの面積平均位置となるので、数値計算より算出できる。
具体的には、表面乱流エネルギー、凝固界面流速及び表面流速の数値解析は、以下により実施できる。すなわち、数値解析モデルとして、磁場解析及びガス気泡分布に連成させた運動量、連続の式、乱流モデル(k−εモデル)を考慮したモデルを用い、例えば、汎用流体解析プログラムFluent等により計算を行って求めることができる。(文献:Fluent6.3のユーザーマニュアル(Fluent Inc.USA)の記載に基づく)
表面乱流エネルギーは、モールドフラックスの巻き込みに大きな影響を与え、表面乱流エネルギーが増加するとモールドフラックスの巻き込みが生じやすくなり、フラックス性欠陥が増加する。一方、表面乱流エネルギーが小さすぎると、モールドフラックスの滓化が不十分となる。図7は、表面乱流エネルギーとフラックス巻き込み率(溶鋼表面(上面)に均一分散したうちの巻き込み後捕捉率(%))との関係を示すものであり、他の条件は、凝固界面流速:0.14〜0.20m/s、表面流速:0.05〜0.30m/s、凝固界面気泡濃度:0.01kg/m以下とした。図7によれば、表面乱流エネルギーが0.0020〜0.0035m/sの範囲において、モールドフラックスの巻き込みが効果的に抑えられ、且つモールドフラックスの滓化も問題がない。また、0.0030m/s以下において、モールドフラックスの巻き込みが特に少なくなる。但し、0.0020m/s以下ではモールドフラックスの滓化が不十分となる。したがって、表面乱流エネルギーは0.0020〜0.0035m/s、望ましくは0.0020〜0.0030m/sであることが好ましい。
表面流速もモールドフラックスの巻き込みに大きな影響を与え、表面流速が大きくなるとモールドフラックスの巻き込みが生じやすくなり、フラックス性欠陥が増加する。図8は、表面流速とフラックス巻き込み率(溶鋼表面(上面)に均一分散したうちの巻き込み後捕捉率(%))との関係を示すものであり、他の条件は、表面乱流エネルギー:0.0020〜0.0030m/s、凝固界面流速:0.14〜0.20m/s、凝固界面気泡濃度:0.01kg/m以下とした。図8によれば、表面流速が0.30m/s以下において、モールドフラックスの巻き込みが効果的に抑えられている。したがって、表面流速は0.30m/s以下であることが好ましい。なお、表面流速が小さすぎると、溶鋼表面の温度が低下する領域が発生し、モールドフラックスの溶融不足によるノロカミや溶鋼の部分的凝固を助長するため操業が困難となる。このため、表面流速は0.05m/s以上であることが好ましい。
凝固界面流速は、凝固シェルによる気泡や介在物の捕捉に大きな影響を与え、凝固界面流速が小さいと気泡や介在物が凝固シェルに捕捉されやすくなり、気泡性欠陥などが増加する。一方、凝固界面流速が大きすぎると、生成した凝固シェルの再溶解が起こり凝固シェルの成長を阻害する。最悪の場合はブレークアウトに繋がり操業の停止により生産性に致命的な問題を引き起こす。図9は、凝固界面流速と気泡捕捉率(ノズル内に分散された気泡のうち鋳片に捕捉された割合(%))との関係を示すものであり、他の条件は、表面乱流エネルギー:0.0020〜0.0030m/s、表面流速:0.05〜0.30m/s、凝固界面気泡濃度:0.01kg/m以下とした。図9によれば、凝固界面流速が0.08m/s以上の範囲において、凝固シェルによる気泡の捕捉が効果的に抑えられている。また、0.14m/s以上において、気泡の捕捉が特に少なくなっている。一方、凝固界面流速が0.20m/s以下であれば、凝固シェルの成長阻害によるブレークアウト等の生産性の問題は生じない。したがって、凝固界面流速は0.08〜0.20m/s、望ましくは0.14〜0.20m/sであることが好ましい。
凝固界面流速Aと表面流速Bとの比A/Bは、気泡の捕捉とモールドフラックスの巻き込み両方に影響を与え、比A/Bが小さいと気泡や介在物が凝固シェルに捕捉されやすくなり気泡性欠陥などが増加する。一方、比A/Bが大きすぎるとモールドパウダーの巻き込みが生じやすくなり、フラックス性欠陥が増加する。図10は、比A/Bと表面欠陥率(表面欠陥計により検出される鋼帯100m当りの欠陥個数(個))との関係を示すものであり、他の条件は、表面乱流エネルギー:0.0020〜0.0030m/s、表面流速:0.05〜0.30m/s、凝固界面流速:0.14〜0.20m/s、凝固界面気泡濃度:0.01kg/mとした。図10によれば、比A/Bが1.0〜2.0で表面品質欠陥が特に良好となる。したがって、凝固界面流速Aと表面流速Bとの比A/Bは1.0〜2.0であることが好ましい。
以上述べた点から、鋳型内の溶鋼の流動状態は、表面乱流エネルギー:0.0020〜0.0035m/s、表面流速:0.30m/s以下、溶鋼−凝固シェル界面での流速:0.08〜0.20m/sであることが好ましい。また、表面乱流エネルギーは0.0020〜0.0030m/sであることがより好ましく、表面流速は0.05〜0.30m/sであることがより好ましく、凝固界面流速は0.14〜0.20m/sであることがより好ましい。また、凝固界面流速Aと表面流速Bとの比A/Bは1.0〜2.0であることが好ましい。
また、気泡性欠陥の発生に関与する他の因子としては、溶鋼−凝固シェル界面の気泡濃度(以下、単に「凝固界面気泡濃度」という)があり、この凝固界面気泡濃度が適正に制御されることにより、気泡の凝固界面での捕捉がより適切に抑えられる。
凝固界面気泡濃度は、メニスカスの下方50mmで且つ固相率fs=0.5の位置での直径1mmの気泡の濃度とし、前述の数値計算により定義される。ここで、計算上のノズルへの吹き込み気泡個数NはN=AD−5とし、Aは吹き込みガス速度、Dは気泡径で計算できる(文献:ISIJ Int. Vol.43(2003),No.10,p.1548−1555)。吹き込みガス速度は、一般には5〜20Nl/minである。
凝固界面気泡濃度は、気泡の捕捉に大きな影響を与え、気泡濃度が高いと凝固シェルに捕捉される気泡量が増加する。図11は、凝固界面気泡濃度と気泡捕捉率(ノズル内に分散された気泡のうち鋳片に捕捉された割合(%))との関係を示すものであり、他の条件は、表面乱流エネルギー:0.0020〜0.0030m/s、表面流速:0.05〜0.30m/s、凝固界面流速:0.14〜0.20m/sとした。図11によれば、凝固界面気泡濃度が0.01kg/m以下において、凝固シェルに捕捉される気泡量が低レベルに抑えられている。したがって、凝固界面気泡濃度は0.01kg/m以下であることが好ましい。
凝固界面気泡濃度は、鋳造するスラブ厚さと浸漬ノズルの内壁面からの不活性ガス吹き込み量により制御でき、鋳造されるスラブ厚さを220mm以上、浸漬ノズルの内壁面からの不活性ガス吹き込み量を25NL/分以下とすることが好ましい。
浸漬ノズル2の溶鋼吐出孔20から吐出される溶鋼は気泡を随伴しており、スラブ厚さが小さすぎると、溶鋼吐出孔20から吐出される溶鋼流が鋳型長辺部側の凝固シェル5に近づき、凝固界面気泡濃度が高くなり、凝固シェル界面に気泡が捕捉されやすくなる。特に、スラブ厚さが220mm未満では、本発明のような溶鋼流の電磁流動制御を実施しても、上記のような理由により気泡分布の制御が難しくなる。一方、スラブ厚さが300mmを超えると、熱延工程の生産性が低くなる難点がある。このため鋳造されるスラブ厚さは220〜300mmとすることが好ましい。
浸漬ノズル2の内壁面からの不活性ガス吹き込み量が多くなると、凝固界面気泡濃度が高くなり、凝固シェル界面に気泡が捕捉されやすくなる。特に、不活性ガス吹き込み量が20NL/分を超えると、本発明のような溶鋼流の電磁流動制御を実施しても、上記のような理由により気泡分布の制御が難しくなる。一方、不活性ガス吹き込み量が少なすぎるとノズル閉塞を起こしやすく、却って偏流を大きくするために流速の制御が困難となる。このため、浸漬ノズル2の内壁面からの不活性ガス吹き込み量は3〜25NL/分とすることが好ましい。
また、上部磁極に印加する交流磁界の周波数に特別な制限はないが、周波数が過小であると、交流磁界の印加により誘起される溶鋼流動の時間的変化が大きくなって溶鋼表面の流動に乱れが生じ、モールドパウダーの未溶解や湯面変動が生じやすくなる。一方、周波数が過大であると、溶鋼の撹拌に使われる磁場強度が減衰して、撹拌性が低下しやすい。以上の観点から、上部磁極に印加する交流磁界の周波数は1.5〜5.0Hzの範囲が最も好ましい。
図2および図3に示すような連続鋳造機、すなわち、鋳型外側(鋳型側壁の背面側)に、鋳型長辺部を挟んで対向する1対の上部磁極(独立して制御可能な直流磁界用磁極と交流磁界用磁極を備えたもの)と1対の下部磁極を備え、上部磁極の直流磁場のピーク位置と下部磁極の直流磁場のピーク位置の間に浸漬ノズルの溶鋼吐出孔が位置する連続鋳造機を用い、1対の上部磁極と1対の下部磁極に各々印加される直流磁界により溶鋼流を制動し、且つ前記1対の上部磁極に重畳印加される交流磁界により溶鋼を撹拌する連続鋳造方法により、約300トンのアルミキルド溶鋼を鋳造した。浸漬ノズルからの吹き込み不活性ガスにはArガスを使用し、このArガスの吹き込み量は、ノズル閉塞が起こらないようにスライディングノズルの開度に応じて、5〜12NL/分の範囲内で調整した。
連続鋳造機の仕様および他の鋳造条件は以下のとおりである。
・浸漬ノズルの溶鋼吐出孔の形状:サイズ70mm×80mmの長方形状
・浸漬ノズル内径:80mm
・浸漬ノズルの各溶鋼吐出孔の開口面積:5600mm
・使用したモールドフラックスの粘度(1300℃):0.6cp
・上部磁極に印加する交流磁界の周波数:3.3Hz
[実施例1]
溶鋼吐出孔の水平方向から下向きの溶鋼吐出角度が35°、浸漬深さ(但し、メニスカスから溶鋼吐出孔上端までの距離)が230mmの浸漬ノズルを用い、上部磁極に印加する交流磁界の強度を0.080T、上部磁極に印加する直流磁界の強度を0.12T、下部磁極に印加する直流磁界の強度を0.38Tとし、表1に示す条件(スラブ幅、鋳造速度)で連続鋳造を行った。この連続鋳造されたスラブを熱間圧延および冷間圧延して鋼板とし、この鋼板に合金化溶融亜鉛めっき処理を施した。この合金化溶融亜鉛めっき鋼板について、オンライン表面欠陥計で表面欠陥を連続的に測定し、そのなかから欠陥外観及びSEM分析、ICP分析等により製鋼性欠陥(フラックス性欠陥および気泡性欠陥)を判別し、コイル長さ100m当たりの欠陥個数に基づき、下記基準で評価した。その結果を表1に併せて示す。
○:欠陥個数1.00個以下
×:欠陥個数1.00個超
Figure 0004807462
[実施例2]
溶鋼吐出孔の水平方向から下向きの溶鋼吐出角度が35°、浸漬深さ(但し、メニスカスから溶鋼吐出孔上端までの距離)が230mmの浸漬ノズルを用い、上部磁極に印加する交流磁界の強度を0.080T、上部磁極に印加する直流磁界の強度を0.24T、下部磁極に印加する直流磁界の強度を0.38Tとし、表2に示す条件(スラブ幅、鋳造速度)で連続鋳造を行った。この連続鋳造されたスラブを熱間圧延および冷間圧延して鋼板とし、この鋼板に合金化溶融亜鉛めっき処理を施した。この合金化溶融亜鉛めっき鋼板について、オンライン表面欠陥計で表面欠陥を連続的に測定し、そのなかから欠陥外観及びSEM分析、ICP分析等により製鋼性欠陥(フラックス性欠陥および気泡性欠陥)を判別し、コイル長さ100m当たりの欠陥個数に基づき、下記基準で評価した。その結果を表2に併せて示す。
○:欠陥個数1.00個以下
×:欠陥個数1.00個超
Figure 0004807462
[実施例3]
溶鋼吐出孔の水平方向から下向きの溶鋼吐出角度が35°、浸漬深さ(但し、メニスカスから溶鋼吐出孔上端までの距離)が230mmの浸漬ノズルを用い、上部磁極に印加する交流磁界の強度を0.080T、上部磁極に印加する直流磁界の強度を0.29T、下部磁極に印加する直流磁界の強度を0.38Tとし、表3に示す条件(スラブ幅、鋳造速度)で連続鋳造を行った。この連続鋳造されたスラブを熱間圧延および冷間圧延して鋼板とし、この鋼板に合金化溶融亜鉛めっき処理を施した。この合金化溶融亜鉛めっき鋼板について、オンライン表面欠陥計で表面欠陥を連続的に測定し、そのなかから欠陥外観及びSEM分析、ICP分析等により製鋼性欠陥(フラックス性欠陥および気泡性欠陥)を判別し、コイル長さ100m当たりの欠陥個数に基づき、下記基準で評価した。その結果を表3に併せて示す。
○:欠陥個数1.00個以下
×:欠陥個数1.00個超
Figure 0004807462
[実施例4]
溶鋼吐出孔の水平方向から下向きの溶鋼吐出角度が35°、浸漬深さ(但し、メニスカスから溶鋼吐出孔上端までの距離)が260mmの浸漬ノズルを用い、上部磁極に印加する交流磁界の強度を0.080T、上部磁極に印加する直流磁界の強度を0.12T、下部磁極に印加する直流磁界の強度を0.38Tとし、表4に示す条件(スラブ幅、鋳造速度)で連続鋳造を行った。この連続鋳造されたスラブを熱間圧延および冷間圧延して鋼板とし、この鋼板に合金化溶融亜鉛めっき処理を施した。この合金化溶融亜鉛めっき鋼板について、オンライン表面欠陥計で表面欠陥を連続的に測定し、そのなかから欠陥外観及びSEM分析、ICP分析等により製鋼性欠陥(フラックス性欠陥および気泡性欠陥)を判別し、コイル長さ100m当たりの欠陥個数に基づき、下記基準で評価した。その結果を表4に併せて示す。
○:欠陥個数1.00個以下
×:欠陥個数1.00個超
Figure 0004807462
[実施例5]
溶鋼吐出孔の水平方向から下向きの溶鋼吐出角度が35°、浸漬深さ(但し、メニスカスから溶鋼吐出孔上端までの距離)が260mmの浸漬ノズルを用い、上部磁極に印加する交流磁界の強度を0.080T、上部磁極に印加する直流磁界の強度を0.24T、下部磁極に印加する直流磁界の強度を0.38Tとし、表5に示す条件(スラブ幅、鋳造速度)で連続鋳造を行った。この連続鋳造されたスラブを熱間圧延および冷間圧延して鋼板とし、この鋼板に合金化溶融亜鉛めっき処理を施した。この合金化溶融亜鉛めっき鋼板について、オンライン表面欠陥計で表面欠陥を連続的に測定し、そのなかから欠陥外観及びSEM分析、ICP分析等により製鋼性欠陥(フラックス性欠陥および気泡性欠陥)を判別し、コイル長さ100m当たりの欠陥個数に基づき、下記基準で評価した。その結果を表5に併せて示す。
○:欠陥個数1.00個以下
×:欠陥個数1.00個超
Figure 0004807462
[実施例6]
溶鋼吐出孔の水平方向から下向きの溶鋼吐出角度が35°、浸漬深さ(但し、メニスカスから溶鋼吐出孔上端までの距離)が260mmの浸漬ノズルを用い、上部磁極に印加する交流磁界の強度を0.080T、上部磁極に印加する直流磁界の強度を0.29T、下部磁極に印加する直流磁界の強度を0.38Tとし、表6に示す条件(スラブ幅、鋳造速度)で連続鋳造を行った。この連続鋳造されたスラブを熱間圧延および冷間圧延して鋼板とし、この鋼板に合金化溶融亜鉛めっき処理を施した。この合金化溶融亜鉛めっき鋼板について、オンライン表面欠陥計で表面欠陥を連続的に測定し、そのなかから欠陥外観及びSEM分析、ICP分析等により製鋼性欠陥(フラックス性欠陥および気泡性欠陥)を判別し、コイル長さ100m当たりの欠陥個数に基づき、下記基準で評価した。その結果を表6に併せて示す。
○:欠陥個数1.00個以下
×:欠陥個数1.00個超
Figure 0004807462
[実施例7]
溶鋼吐出孔の水平方向から下向きの溶鋼吐出角度が35°、浸漬深さ(但し、メニスカスから溶鋼吐出孔上端までの距離)が290mmの浸漬ノズルを用い、上部磁極に印加する交流磁界の強度を0.080T、上部磁極に印加する直流磁界の強度を0.12T、下部磁極に印加する直流磁界の強度を0.38Tとし、表7に示す条件(スラブ幅、鋳造速度)で連続鋳造を行った。この連続鋳造されたスラブを熱間圧延および冷間圧延して鋼板とし、この鋼板に合金化溶融亜鉛めっき処理を施した。この合金化溶融亜鉛めっき鋼板について、オンライン表面欠陥計で表面欠陥を連続的に測定し、そのなかから欠陥外観及びSEM分析、ICP分析等により製鋼性欠陥(フラックス性欠陥および気泡性欠陥)を判別し、コイル長さ100m当たりの欠陥個数に基づき、下記基準で評価した。その結果を表7に併せて示す。
○:欠陥個数1.00個以下
×:欠陥個数1.00個超
Figure 0004807462
[実施例8]
溶鋼吐出孔の水平方向から下向きの溶鋼吐出角度が35°、浸漬深さ(但し、メニスカスから溶鋼吐出孔上端までの距離)が290mmの浸漬ノズルを用い、上部磁極に印加する交流磁界の強度を0.080T、上部磁極に印加する直流磁界の強度を0.24T、下部磁極に印加する直流磁界の強度を0.38Tとし、表8に示す条件(スラブ幅、鋳造速度)で連続鋳造を行った。この連続鋳造されたスラブを熱間圧延および冷間圧延して鋼板とし、この鋼板に合金化溶融亜鉛めっき処理を施した。この合金化溶融亜鉛めっき鋼板について、オンライン表面欠陥計で表面欠陥を連続的に測定し、そのなかから欠陥外観及びSEM分析、ICP分析等により製鋼性欠陥(フラックス性欠陥および気泡性欠陥)を判別し、コイル長さ100m当たりの欠陥個数に基づき、下記基準で評価した。その結果を表8に併せて示す。
○:欠陥個数1.00個以下
×:欠陥個数1.00個超
Figure 0004807462
[実施例9]
溶鋼吐出孔の水平方向から下向きの溶鋼吐出角度が35°、浸漬深さ(但し、メニスカスから溶鋼吐出孔上端までの距離)が290mmの浸漬ノズルを用い、上部磁極に印加する交流磁界の強度を0.080T、上部磁極に印加する直流磁界の強度を0.29T、下部磁極に印加する直流磁界の強度を0.38Tとし、表9に示す条件(スラブ幅、鋳造速度)で連続鋳造を行った。この連続鋳造されたスラブを熱間圧延および冷間圧延して鋼板とし、この鋼板に合金化溶融亜鉛めっき処理を施した。この合金化溶融亜鉛めっき鋼板について、オンライン表面欠陥計で表面欠陥を連続的に測定し、そのなかから欠陥外観及びSEM分析、ICP分析等により製鋼性欠陥(フラックス性欠陥および気泡性欠陥)を判別し、コイル長さ100m当たりの欠陥個数に基づき、下記基準で評価した。その結果を表9に併せて示す。
○:欠陥個数1.00個以下
×:欠陥個数1.00個超
Figure 0004807462
[実施例10]
表10〜14に示すような磁界の印加条件で連続鋳造を行った。この連続鋳造されたスラブを熱間圧延および冷間圧延して鋼板とし、この鋼板に合金化溶融亜鉛めっき処理を施した。この合金化溶融亜鉛めっき鋼板について、オンライン表面欠陥計で表面欠陥を連続的に測定し、そのなかから欠陥形態(外観)とSEM分析、ICP分析等によりフラックス性欠陥と気泡性欠陥を判別し、コイル長さ100m当たりの欠陥個数に基づき、下記基準で評価した。
◎:欠陥個数0.30個以下
○:欠陥個数0.30個超、1.00個以下
×:欠陥個数1.00個超
また、上記の結果に基づき、「Znめっき後欠陥」を以下のように総合評価した。
◎:フラックス性欠陥、気泡性欠陥のいずれもが“◎”であるもの
○:フラックス性欠陥、気泡性欠陥のうちの一方が“◎”で、他方が“○”であるもの
×:フラックス性欠陥、気泡性欠陥のうちの少なくとも一つが“×”であるもの
以上の結果を、表10〜表14に併せて示す
Figure 0004807462
Figure 0004807462
Figure 0004807462
Figure 0004807462
Figure 0004807462
[実施例11]
表15に示す鋳造条件で連続鋳造を行った。この連続鋳造されたスラブを熱間圧延および冷間圧延して鋼板とし、この鋼板に合金化溶融亜鉛めっき処理を施した。この合金化溶融亜鉛めっき鋼板について、オンライン表面欠陥計で表面欠陥を連続的に測定し、そのなかから欠陥形態(外観)とSEM分析、ICP分析等によりフラックス性欠陥と気泡性欠陥を判別し、コイル長さ100m当たりの欠陥個数に基づき、下記基準で評価した。
◎:欠陥個数0.30個以下
○:欠陥個数0.30個超、1.00個以下
×:欠陥個数1.00個超
また、上記の結果に基づき、「Znめっき後欠陥」を以下のように総合評価した。
○:フラックス性欠陥、気泡性欠陥のいずれもが“◎”か“○”であるもの
×:フラックス性欠陥、気泡性欠陥のうちの少なくとも一つが“×”であるもの
以上の結果を、表15に併せて示す。
Figure 0004807462
[実施例12]
表16〜表18に示すような鋳造条件で連続鋳造を行った。この連続鋳造されたスラブを熱間圧延および冷間圧延して鋼板とし、この鋼板に合金化溶融亜鉛めっき処理を施した。この合金化溶融亜鉛めっき鋼板について、オンライン表面欠陥計で表面欠陥を連続的に測定し、そのなかから欠陥形態(外観)とSEM分析、ICP分析等によりフラックス性欠陥と気泡性欠陥を判別し、コイル長さ100m当たりの欠陥個数に基づき、フラックス性欠陥と気泡性欠陥をそれぞれ下記基準で評価した。
◎:欠陥個数0.30個以下
○:欠陥個数0.30個超、1.00個以下
そして、上記の結果に基づき、「Znめっき後欠陥」を以下のように総合評価した。その結果を、表16〜表18に併せて示す。
◎:フラックス性欠陥、気泡性欠陥のいずれもが“◎”であるもの
○:フラックス性欠陥、気泡性欠陥のうちの一方が“◎”で、他方が“○”であるもの
Figure 0004807462
Figure 0004807462
Figure 0004807462
1 鋳型
2 浸漬ノズル
3a,3b 上部磁極
4a,4b 下部磁極
5 凝固シェル
6 メニスカス
10 鋳型長辺部
11 鋳型短辺部
21 底部
20 溶鋼吐出孔
30a,30b 交流磁界用磁極
31a,31b 直流磁界用磁極

Claims (10)

  1. 鋳型外側に、鋳型長辺部を挟んで対向する1対の上部磁極と1対の下部磁極を備えるとともに、浸漬ノズルの溶鋼吐出孔が、前記上部磁極の直流磁場のピーク位置と前記下部磁極の直流磁場のピーク位置の間に位置する連続鋳造機を用い、前記1対の上部磁極と1対の下部磁極に各々印加される直流磁界により溶鋼流を制動し、且つ前記1対の上部磁極に重畳印加される交流磁界により溶鋼を撹拌しつつ、鋼の連続鋳造を行う方法であって、
    浸漬深さ(但し、メニスカスから溶鋼吐出孔上端までの距離)が180mm以上240mm未満の浸漬ノズルを用い、上部磁極に印加する交流磁界の強度を0.060〜0.090T、上部磁極に印加する直流磁界の強度を0.02〜0.18T、下部磁極に印加する直流磁界の強度を0.30〜0.45Tとし、スラブ幅に応じた下記(a)〜(d)の鋳造速度で連続鋳造を行うことを特徴とする鋼の連続鋳造方法。
    (a)スラブ幅950mm以上1050mm未満の場合は鋳造速度0.95m/分以上1.65m/分未満
    (b)スラブ幅1050mm以上1250mm未満の場合は鋳造速度0.95m/分以上1.45m/分未満
    (c)スラブ幅1250mm以上1450mm未満の場合は鋳造速度0.95m/分以上1.25m/分未満
    (d)スラブ幅1450mm以上1750mm未満の場合は鋳造速度0.95m/分以上1.05m/分未満
  2. 鋳型外側に、鋳型長辺部を挟んで対向する1対の上部磁極と1対の下部磁極を備えるとともに、浸漬ノズルの溶鋼吐出孔が、前記上部磁極の直流磁場のピーク位置と前記下部磁極の直流磁場のピーク位置の間に位置する連続鋳造機を用い、前記1対の上部磁極と1対の下部磁極に各々印加される直流磁界により溶鋼流を制動し、且つ前記1対の上部磁極に重畳印加される交流磁界により溶鋼を撹拌しつつ、鋼の連続鋳造を行う方法であって、
    浸漬深さ(但し、メニスカスから溶鋼吐出孔上端までの距離)が240mm以上270mm未満の浸漬ノズルを用い、上部磁極に印加する交流磁界の強度を0.060〜0.090T、上部磁極に印加する直流磁界の強度を0.02〜0.18T、下部磁極に印加する直流磁界の強度を0.30〜0.45Tとし、スラブ幅に応じた下記(a)〜(d)の鋳造速度で連続鋳造を行うことを特徴とする鋼の連続鋳造方法。
    (a)スラブ幅950mm以上1050mm未満の場合は鋳造速度0.95m/分以上1.65m/分未満
    (b)スラブ幅1050mm以上1250mm未満の場合は鋳造速度0.95m/分以上1.45m/分未満
    (c)スラブ幅1250mm以上1450mm未満の場合は鋳造速度0.95m/分以上1.25m/分未満
    (d)スラブ幅1450mm以上1750mm未満の場合は鋳造速度0.95m/分以上1.05m/分未満
  3. 鋳型外側に、鋳型長辺部を挟んで対向する1対の上部磁極と1対の下部磁極を備えるとともに、浸漬ノズルの溶鋼吐出孔が、前記上部磁極の直流磁場のピーク位置と前記下部磁極の直流磁場のピーク位置の間に位置する連続鋳造機を用い、前記1対の上部磁極と1対の下部磁極に各々印加される直流磁界により溶鋼流を制動し、且つ前記1対の上部磁極に重畳印加される交流磁界により溶鋼を撹拌しつつ、鋼の連続鋳造を行う方法であって、
    浸漬深さ(但し、メニスカスから溶鋼吐出孔上端までの距離)が270mm以上300mm未満の浸漬ノズルを用い、上部磁極に印加する交流磁界の強度を0.060〜0.090T、上部磁極に印加する直流磁界の強度を0.02〜0.18T、下部磁極に印加する直流磁界の強度を0.30〜0.45Tとし、スラブ幅に応じた下記(a)〜(d)の鋳造速度で連続鋳造を行うことを特徴とする鋼の連続鋳造方法。
    (a)スラブ幅950mm以上1050mm未満の場合は鋳造速度0.95m/分以上1.65m/分未満
    (b)スラブ幅1050mm以上1250mm未満の場合は鋳造速度0.95m/分以上1.45m/分未満
    (c)スラブ幅1250mm以上1450mm未満の場合は鋳造速度0.95m/分以上1.25m/分未満
    (d)スラブ幅1450mm以上1750mm未満の場合は鋳造速度0.95m/分以上1.05m/分未満
  4. 鋳型内の溶鋼は、表面乱流エネルギーが0.0020〜0.0035m/s、表面流速が0.30m/s以下、溶鋼−凝固シェル界面での流速が0.08〜0.20m/sであることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の鋼の連続鋳造方法。
  5. 鋳型内の溶鋼は、表面乱流エネルギーが0.0020〜0.0030m/sであることを特徴とする請求項に記載の鋼の連続鋳造方法。
  6. 鋳型内の溶鋼は、表面流速が0.05〜0.30m/sであることを特徴とする請求項またはに記載の鋼の連続鋳造方法。
  7. 鋳型内の溶鋼は、溶鋼−凝固シェル界面での流速が0.14〜0.20m/sであることを特徴とする請求項のいずれかに記載の鋼の連続鋳造方法。
  8. 鋳型内の溶鋼は、溶鋼−凝固シェル界面での流速Aと表面流速Bとの比A/Bが1.0〜2.0であることを特徴とする請求項のいずれかに記載の鋼の連続鋳造方法。
  9. 鋳型内の溶鋼は、溶鋼−凝固シェル界面での気泡濃度が0.01kg/m以下であることを特徴とする請求項のいずれかに記載の鋼の連続鋳造方法。
  10. 鋳造されるスラブ厚さが220〜300mm、浸漬ノズルの内壁面からの不活性ガス吹き込み量が3〜25NL/分であることを特徴とする請求項に記載の鋼の連続鋳造方法。
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