JP4805732B2 - ボリュームデータから中立面を生成する中立面生成方法とそのプログラム - Google Patents

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本発明は、対象物のボリュームデータから中立面を生成する中立面生成方法とそのプログラムに関する。
本発明の発明者等は、「形状と物性を統合した実体データの記憶方法」を創案し出願した(特許文献1)。
この発明は、図7に模式的に示すように、対象物の境界データからなる外部データを八分木分割により境界平面が直交する直方体のセルに分割し、分割された各セルを対象物の内側および外側に位置する非境界セル53aと境界面を含む境界セル53bとに区分するものである。なおこの図で55は切断点である。
この発明により、各セル毎に種々の物性値を記憶することにより、形状と物性を統合した実体データを一元的に記憶することができ、これにより、物体の形状・構造・物性情報・履歴を一元的に管理し、設計から加工、組立、試験、評価など一連の工程に関わるデータを同じデータで管理することができ、CADとシミュレーションを一元化することできる。
以下、本出願において、境界平面が直交する直方体セルを「ボリュームセル」、各セル毎に種々の物性値を記憶したものを「ボリュームデータ」、ボリュームデータを用いたシミューション手段を「ボリュームCAD」又は「VCAD」と呼ぶ。
ボリュームデータは、物体の形状(又は、構造・物性情報・履歴)を全体的に観察するのに有効である。
しかし、例えば薄板を設計する際には、物体の中立面の形状を表すサーフェスモデルで設計されることが多い。また、有限要素法などで解析計算を行う場合も、やはり中立面形状が必要となる。
この中立面形状をボリュームデータから生成する手段として、特許文献1や、非特許文献1,2等が開示されている。
非特許文献1の手段は、中心軸変換(MAT:Medial Axis Transform)と呼ぶ、円や球を境界情報に内接させる手段である。中心軸変換は、探索とか、アニメーションとか、有限要素法のメッシュ生成とか、経路探索、特徴認識などに有用な、骨格(スケルトン)表現法である。
また特許文献1および非特許文献2の手段は、局所Marching Cube 法を用いた等値面作成手段であり、ボリュームデータから高精度に中立面形状が生成でき、複雑形状にも対応可能である。
特許第3468464号、「形状と物性を統合した実体データの記憶方法」 特開2006−18513号、「セル集合の生成方法、及び、これにより生成されたセル集合」
J.E.Goodman and J.O’Roukeeds.,Handbook of Discrete and Computational Geometry,CRC press,1997,pp.868−869. Tomoyuki Fujimori,Hiromasa Suzuki,Yohei Kobayashi,Kiwamu KASE,"Contouring medial surface of thin plate structure using local marching cubes",ASME JCISE(Journal of Computing and Information Science in Engineering),Vol.5,No.2,pp.111−115,(2005).
上述した非特許文献1の手段は、処理が複雑であり、複雑な形状に向かず、非常に時間がかかるなどの問題点があり、3次元を対象とした場合に実用化が困難である。
また、特許文献1および非特許文献2の手段は、大量なデータが必要であり、複雑な形状を表現する上での計算負荷が高く、1台のPCで大規模データを扱うには限界があった。
そのため、これらの問題点を克服し、比較的軽い計算負荷で、以下の機能を有する手段が従来から強く要望されていた。
(1)ボリュームデータ(物質の分布)や表面データから対象の概略形状特徴量を抽出できる。
(2)CADデータや表示用データ、点群などの3次元表面情報から物体の中立面を自動作成できる。
(3)CTやMRIなどボリューム計測データから指定した対象の中立面を自動抽出できる。
(4)同様に肉厚や、骨組み構造などの物体を特徴付ける諸量を簡易に、自動的に算出できる。
本発明は、上述した要望を満たすために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、コンピュータを用いて、対象物のボリュームデータから頑強かつ確実に中立面を生成することができ、かつ大規模データを扱う必要がなく計算負荷を軽減できる中立面生成方法とそのプログラムを提供することにある。
本発明によれば、対象物を構成する特定材料の境界データを境界平面が直交する直方体のセルに分割し、分割された各セルを特定材料の境界データの内側および外側に位置する非境界セルと境界面を含む境界セルとに区分したボリュームデータを、ボリュームデータ入力手段によりコンピュータに入力し、ボリュームデータから中立面を生成する中立面生成方法であって、
前記特定材料の境界データの内側及び境界面を含む位置に位置する特定セル毎に、当該特定セルとこれに隣接する複数のセルにおける前記特定材料の空間占有率の共分散から特定材料の厚さに相当する固有値と、厚さ方向にあたる固有値に対応した固有ベクトルを求める固有データ計算ステップと、
前記特定セル毎に、前記固有ベクトルの方向に沿って特定セル以外のセルまでの正方向距離と負方向距離を計算する距離計算ステップと、
前記正方向距離と負方向距離の差が所定の閾値以下の特定セルを中立セルとして選択し、中立セルの中心点を結んで中立面を生成する中立面生成ステップとを有する、ことを特徴とするボリュームデータから中立面を生成する中立面生成方法が提供される。
本発明の好ましい実施形態によれば、前記固有データ計算ステップにおいて、それぞれの特定セルに対し、隣接数p(pは1以上の整数)の数1の式(1)(2)で定義するボリューム共分散行列Aを求め、
さらに行列Aを固有値分解して固有値と固有ベクトルを求め、非零となる最小の固有値の値と対応する固有ベクトルを前記特定セル毎に記憶する。
また、前記ボリュームデータは、八分木分割又はkd木により、階層構造に対して局所的に分割数を変えて適用する、ことが好ましい。
また本発明によれば、対象物を構成する特定材料の境界データを境界平面が直交する直方体のセルに分割し、分割された各セルを特定材料の境界データの内側および外側に位置する非境界セルと境界面を含む境界セルとに区分したボリュームデータを、ボリュームデータ入力手段によりコンピュータに入力し、ボリュームデータから中立面を生成する中立面生成プログラムであって、
前記特定材料の境界データの内側及び境界面を含む位置に位置する特定セル毎に、当該特定セルとこれに隣接する複数のセルにおける前記特定材料の空間占有率の共分散の共分散から特定材料の厚さに相当する固有値と、厚さ方向にあたる固有値に対応した固有ベクトルを求める固有データ計算ステップと、
前記特定セル毎に、前記固有ベクトルの方向に沿って特定セル以外のセルまでの正方向距離と負方向距離を計算する距離計算ステップと、
前記正方向距離と負方向距離の差が所定の閾値以下の特定セルを中立セルとして選択し、中立セルの中心点を結んで中立面を生成する中立面生成ステップとを有する、ことを特徴とするボリュームデータから中立面を生成する中立面生成プログラムが提供される。
上記本発明の方法およびプログラムによれば、固有データ計算ステップおよび距離計算ステップにおいて、それぞれの特定セル毎に計算してその結果を記憶し、この結果から中立面生成ステップにおいて中立面を生成するので、頑強かつ確実に中立面を生成することができ、かつ大規模データを扱う必要がなく計算負荷を軽減できる。
固有データ計算ステップにおけるボリューム共分散行列Aは、それ自体が、ボリュームサンプリングされた(3次元の格子点にある)物質の分布(あれば1、なければ0、半分であれば0.5)の位置に関する相関(偏り)をあらわす共分散行列である。
また行列の各成分は、それぞれ対角成分がX、Y,Z方向にずらしたときの平均からのズレの二乗和、それ以外の成分は半対称成分として、X方向とY方向のズレの積にあたる。従って行列全体として、位置に関係した物質のばらつき(分散)を表す。
また、行列Aを固有値分解することは、独立な成分に分解することに当たる。従って、3×3の行列の場合は3つのゼロでない固有値が得られれば、直交する3方向(かならずしもX,Y,Z軸に並行でなく、それらを回転したもの)の固有値の値に応じて、物質が濃く分布していることを意味する。
従って、一番小さい固有値が、分布の少なさすなわち薄さにあたり、それに対応した固有ベクトルが薄く分布する対象を平面で近似したときの法線ベクトルに当たる。また逆に大きい値は厚みとして解釈できる。
固有値の1つが0になる場合は、3次元に広がっておらず、独立な成分が2つのみの平面状の分布、2つがゼロになれば線状の分布(厚み)となる。
上述したように、本発明の方法およびプログラムによれば、頑強かつ確実に中立面を生成することができ、かつ大規模データを扱う必要がなく計算負荷を軽減できるので、以下の付随する効果が得られる。
(1)対象の形状だけでなく元素分布などがからも簡略化表現(骨組み)が得られる。これにより、データ量、処理速度の画期的な削減、転送、配布、編集の容易さなどの波及効果が得られる。
(2)中立面の生成により簡略化表現ができ、少ない情報で物体の本質的な形や動きが表現可能となる。
(3)構造や流体などの各種シミュレーション(数値解析)のためのシェル要素が得られる。これにより少ない計算時間とメモリ量で高精度な数値解析が行える。
(4)LOD(Level Of Detail)機能、すなわち分割数に応じた精度でリーズナブルに結果が得られる。粗い分割数ではそれなりに簡略化され、分割数を細かくするとより対象に忠実な形状が再現される
(5)従来のボクセル法よりも、同じ手間でボリューム共分散用いることで直接的に形状情報が簡易に、肉厚や中心軸などの特徴量を、境界セルによる体積占有率を用いることで高精度に算出できる。
以下、本発明の好ましい実施形態を図面を参照して説明する。
(装置構成)
図1は、本発明の方法を実行するための装置構成図である。この図に示すように、この装置は、ボリュームデータ入力手段12、外部記憶装置13、内部記憶装置14、中央処理装置15および出力装置16を備える。
ボリュームデータ入力手段12は、例えばキーボードであり、対象物のボリュームデータを入力する。
外部記憶装置13は、ハードディスク、フロピィーディスク、磁気テープ、コンパクトディスク等であり、対象物のボリュームデータ及び本発明の中立面生成プログラムを記憶する。
内部記憶装置14は、例えばRAM,ROM等であり、演算情報を保管する。中央処理装置15(CPU)は、演算や入出力等を集中的に処理し、内部記憶装置14と共に、本発明の中立面生成プログラムを実行する。
出力装置16は、例えば表示装置とプリンタであり、記憶したボリュームデータと本発明の中立面生成プログラムの実行結果を出力する。
中央処理装置15、内部記憶装置14及び外部記憶装置13は、共同して、後述する固有データ計算手段、距離計算手段、および中立面生成手段として機能する。
なお、対象物のボリュームデータは、対象物の境界データからなる外部データをコンピュータに入力し、コンピュータを用いて境界データを境界平面が直交する直方体セルが隙間なく集合したセル複合体内のセル内形状データとして求めてもよい。
この場合、対象物の境界データは、多面体を表すポリゴンデータ、有限要素法に用いる四面体又は六面体要素、3次元CAD又はCGツールに用いる曲面データ、或いはその他の立体の表面を部分的な平面や曲面で構成された情報で表現するデータである。
外部データは、このようなデータ(S−CADデータと呼ぶ)のほかに、(1)V−CAD独自のインターフェース(V−interface)により人間の入力により直接作成されたデータと、(2)測定機やセンサ、デジタイザなどの表面のデジタイズデータや、(3)CTスキャンやMRI、および一般的にVolumeレンダリングに用いられているボクセルデータなどの内部情報ももつVolumeデータであってもよい。
図2は、本発明の方法を示すフロー図である。また、図3〜図6は、本発明の方法を2次元モデルで示す模式図である。
本発明の方法は、ボリュームデータをボリュームデータ入力手段によりコンピュータに入力し、ボリュームデータから中立面を生成する中立面生成方法であり、図2に示すように、ボリュームデータ入力ステップS1、固有データ計算ステップS2、距離計算ステップS3、中立面生成ステップS4の各ステップを有する。
ボリュームデータ入力ステップS1では、ボリュームデータ入力手段2により対象物のボリュームデータをコンピュータに入力する。
対象物のボリュームデータは、対象物を構成する特定材料の境界データを境界平面が直交する直方体のセルに分割し、分割された各セルを特定材料の境界データの内側および外側に位置する非境界セルと境界面を含む境界セルとに区分したデータである。
図3(A)において、1は対象物を構成する特定材料の境界データである。この例では、対象物を構成する特定材料が1種類の場合であり、境界データ1は対象物(斜線部)の輪郭線と一致する。また、2次元モデルでは、直方体のセル2は矩形(長方形又は正方形)となる。
また、図3(B)において、斜線を付したセルが境界セル3であり、それ以外のセルが非境界セル4である。従って、非境界セル4は、境界データ1の内側にも外側にも存在する。
固有データ計算ステップS2では、特定材料の境界データの内側及び境界面を含む位置に位置する特定セル毎に、当該特定セルとこれに隣接する複数のセルにおける特定材料の共分散から特定材料の厚さに相当する固有値、厚さ方向にあたる固有値に対応した固有ベクトルを求める。この固有ベクトルを以下「法線ベクトル」と呼ぶ。
図3(B)において、特定セルは、斜線を付した境界セル3とその内側に位置する非境界セル4が該当する。この図において、各特定セルに付した0〜1の数字は、特定材料のセル内に占める分布(空間占有率)を示している。
固有データ計算ステップS2において、それぞれの特定セルに対し、隣接数p(pは1以上の整数)の数1の式(1)(2)で定義するボリューム共分散行列Aを求める。
この式において、Vは特定セルにおける特定材料の空間占有率であり、非境界セルでは1、境界セルでは0〜1の値である。また、Vmは、空間占有率の平均値である。さらに、添字i,j,kは3次元におけるX,Y,Z方向のセル位置番号、l,m,nは1以上の整数である。
固有データ計算ステップS2では、さらに行列Aを固有値分解して固有値と固有ベクトルを求め、非零となる最小の固有値の値と対応する固有ベクトルを特定セル毎に記憶する。
すなわち、このステップS2では、指定した材料(物体)の所属空間コード(例えばi)を有する特定セル(境界セル3とその内側の非境界セル4)の一つ一つに対して、指定した隣接数p個分のボリューム共分散行列Aを求め、さらにそれを固有値分解して固有値と固有ベクトルを求める。非零となる最小の固有値の値と対応する固有ベクトルとを組にしてを特定セルにセットする。ここで最小の固有値及び固有ベクトルは、該当する特定セルと関連付けて記憶する。
固有データ計算ステップS2におけるボリューム共分散行列Aは、それ自体が、特定セル内の指定した材料の分布(図3(B)における0.1〜1の空間占有率)の位置に関する相関(偏り)をあらわす共分散行列である。
また行列の各成分は、それぞれ対角成分がX、Y,Z方向にずらしたときの平均からのズレの二乗和、それ以外の成分は半対称成分として、X方向とY方向のズレの積にあたる。従って行列全体として、位置に関係した物質のばらつき(分散)を表す。
また、行列Aを固有値分解することは、独立な成分に分解することに当たる。従って、3×3の行列の場合は3つのゼロでない固有値が得られれば、直交する3方向(かならずしもX,Y,Z軸に並行でなく、それらを回転したもの)の固有値の値に応じて、物質が濃く分布していることを意味する。
従って、一番小さい固有値が、分布の少なさすなわち薄さにあたり、それに対応した固有ベクトルがその薄さの直交する、平面で対象を近似したときの法線ベクトルに当たる。また逆に大きい値は厚みとして解釈できる。
固有値の1つが0になる場合は、3次元に広がっておらず、独立な成分が2つのみの平面状の分布、2つがゼロになれば線状の分布(厚み)となる。
共分散(covariance)とは、二つの変量間の関係を示す尺度であり、それぞれの変量の平均からのデータのずれの積を平均したものである。2変量間の相関の強さや回帰の傾きの大きさに関係する統計量である。
また、本発明におけるボリューム共分散は、対象を格子空間離散化(volume sampling)した際の、2つの座標軸における対象の分布(の偏り)を示したもので、2次元ならば2×2の行列、3次元ならば3×3の正方行列となり、固有値解析によってえられる固有値が分散(ばらつきの幅)、(対応する)固有ベクトルがそれとの直行方向(即ち法線)に相当する。
図4(A)は、固有データ計算ステップS2で得られた最小の固有値、及び固有ベクトルを特定セル毎に数字で示している。
例えば、この図で斜線を付した特定セルにおける上の0.6は最小の固有値(厚さ)、下の(0.5,0.6)は2次元法線ベクトルのX成分、Y成分である。
距離計算ステップS3では、特定セル毎に、固有ベクトル(法線ベクトル)の方向に沿って特定セル以外のセルまでの正方向距離と負方向距離を計算する。
すなわち、図4(B)に示すように、この図で斜線を付した特定セルを中心として、法線ベクトル(固有ベクトル)の方向に沿って正と負の2方向の半直線と交差する、同じ所属空間コードを有するセルを加算してゆく。非境界セル4に対しては空間占有率1を境界セル3についてはその空間占有率(0〜1までの値)を加算してゆき、これを異なる空間コードを持つ境界セル(即ち別の材料または外部を指す)まで行い、正方向の積算値(この例では+1.3)と負方向の積算値(この例では−1.2)の両方をセットする。
これをすべての特定セルについて行う。結果として、図5(A)に示すように、指定された材料に相当する特定セルはすべて(正負の)距離に相当する2つの値を持つ。
中立面生成ステップS4では、正方向距離と負方向距離の絶対値の差が所定の閾値以下の特定セルを中立セルとして選択し、これを結んで中立面を生成する。所定の閾値は、1セルの空間占有率の最大値(例えば1)またはそれ以下に設定するのがよい。
すなわち、図5(B)に示すように、距離計算ステップS3で得られた正方向と負方向の距離が同じものが中立セルであり、その中心点(1セル内では必ずしも同じではないが、近い値になるので、その場合はセル中心から法線方向に両方の値に比例した内分点を中心点とする)を結んできる三角形パッチ(図6)が中立面である。
なお、上述したボリュームデータは、八分木分割又はkd木により、階層構造に対して局所的に分割数を変えて適用することにより、部分的に高精度化(分岐などの構造の変化や突起、凹みなどの形状変化に対応)が可能である。
なおKd木またはk次元木は、木構造の一種で、別名BSP木とも言われる。X,Y,Z軸のどれか任意の方向と位置で空間を二分してゆく階層構造により空間分割する方法である。
上記本発明の方法およびプログラムによれば、固有データ計算ステップおよび距離計算ステップにおいて、それぞれの特定セル毎に計算してその結果を記憶し、この結果から中立面生成ステップにおいて中立面を生成するので、頑強かつ確実に中立面を生成することができ、かつ大規模データを扱う必要がなく計算負荷を軽減できる。
従って、本発明の方法およびプログラムは、以下の分野にも適用することができる。
(1)鋳造、射出成形、鍛造などの素形材産業の製品の加工、シミュレーション、計測、評価、設計に効力を発揮する。
(2)医療や生体などの観察(計測)データからの特徴量(寸法、厚み、体積、面積、軸など)の頑健で高速な算出が可能であり、診療や生体認証(セキュリティ)への応用が可能である。
(3)プラントや車両などの検査、評価、保守にも適用できる。
本発明の方法を実行するための装置構成図である。 本発明の方法を示すフロー図である。 2次元モデルにおける対象物のボリュームデータを示す模式図である。 ステップS2の結果とステップS3の模式図である。 ステップS3の結果とステップS4の模式図である。 ステップS4の結果の模式図である。 [特許文献1]の「形状と物性を統合した実体データの記憶方法」の模式図である。
符号の説明
1 特定材料の境界データ(対象物の輪郭線)、
2 セル、3 境界セル、4 非境界セル、
12 外部データ入力手段、13 外部記憶装置、
14 内部記憶装置、15 中央処理装置、16 出力装置、
53a 非境界セル、53b 境界セル、55 切断点

Claims (4)

  1. 対象物を構成する特定材料の境界データを境界平面が直交する直方体のセルに分割し、分割された各セルを特定材料の境界データの内側および外側に位置する非境界セルと境界面を含む境界セルとに区分したボリュームデータを、ボリュームデータ入力手段によりコンピュータに入力し、ボリュームデータから中立面を生成する中立面生成方法であって、
    前記特定材料の境界データの内側及び境界面を含む位置に位置する特定セル毎に、当該特定セルとこれに隣接する複数のセルにおける前記特定材料の空間占有率の共分散から特定材料の厚さに相当する固有値と、厚さ方向にあたる固有値に対応した固有ベクトルを求める固有データ計算ステップと、
    前記特定セル毎に、前記固有ベクトルの方向に沿って特定セル以外のセルまでの正方向距離と負方向距離を計算する距離計算ステップと、
    前記正方向距離と負方向距離の差が所定の閾値以下の特定セルを中立セルとして選択し、中立セルの中心点を結んで中立面を生成する中立面生成ステップとを有する、ことを特徴とするボリュームデータから中立面を生成する中立面生成方法。
  2. 前記固有データ計算ステップにおいて、それぞれの特定セルに対し、隣接数p(pは1以上の整数)の数1の式(1)(2)で定義するボリューム共分散行列Aを求め、
    ここで、Vは特定セルにおける特定材料の空間占有率、Vmは空間占有率の平均値、添字i,j,kは3次元におけるX,Y,Z方向、l,m,nは1以上の整数であり、
    さらに行列Aを固有値分解して固有値と固有ベクトルを求め、非零となる最小の固有値の値と対応する固有ベクトルを前記特定セル毎に記憶する、ことを特徴とする請求項1に記載のボリュームデータから中立面を生成する中立面生成方法。
  3. 前記ボリュームデータは、八分木分割又はkd木により、階層構造に対して局所的に分割数を変えて適用する、ことを特徴とする請求項1に記載のボリュームデータから中立面を生成する中立面生成方法。
  4. 対象物を構成する特定材料の境界データを境界平面が直交する直方体のセルに分割し、分割された各セルを特定材料の境界データの内側および外側に位置する非境界セルと境界面を含む境界セルとに区分したボリュームデータを、ボリュームデータ入力手段によりコンピュータに入力し、ボリュームデータから中立面を生成する中立面生成プログラムであって、
    前記特定材料の境界データの内側及び境界面を含む位置に位置する特定セル毎に、当該特定セルとこれに隣接する複数のセルにおける前記特定材料の空間占有率の共分散から特定材料の厚さに相当する固有値と、厚さ方向にあたる固有値に対応した固有ベクトルを求める固有データ計算ステップと、
    前記特定セル毎に、前記固有ベクトルの方向に沿って特定セル以外のセルまでの正方向距離と負方向距離を計算する距離計算ステップと、
    前記正方向距離と負方向距離の差が所定の閾値以下の特定セルを中立セルとして選択し、中立セルの中心点を結んで中立面を生成する中立面生成ステップとを有する、ことを特徴とするボリュームデータから中立面を生成する中立面生成プログラム。
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