JP4804358B2 - 空間光変調装置、光学処理装置、及びカップリングプリズムの使用方法 - Google Patents

空間光変調装置、光学処理装置、及びカップリングプリズムの使用方法 Download PDF

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Description

本発明は空間光変調装置、光学処理装置、カップリングプリズム、及び、カップリングプリズムの使用方法に関する。
ディスプレイにおいて、ホログラムカラーフィルター付きの反射型空間光変調素子(以下、反射型SLMという)に対しカップリングプリズムにより入射光を斜めに入射させたり(例えば、特許文献1参照)、裏面側に反射ホログラムが配置された透過型空間光変調素子SLM(以下、透過型SLMという)に対しプリズムにより斜め読み出しを行ったり(例えば、特許文献2参照)、複数の色フィルターからなるカラーホイールに対し反射ミラーにより斜め読み出しを行う(例えば、特許文献3参照)ことが提案されている。ここで、反射型SLMとは、素子反射面を有し入射光を反射させて用いる空間光変調素子(以下SLMという)である。一方、透過型SLMとは、入射光を透過させて用いるSLMである。
しかしながら、特許文献1〜3に記載された装置は、いずれも、ディスプレイであるため、平行光もしくは球面波のように情報を含まない単なる照明光のみならず、収差もしくは情報を含んだ光(回折成分を含む光)等任意の光に対し、位相変調や振幅変調等の任意の処理を行うことはできない。
一方、SLMを用い、任意の光に対し、任意の位相変調もしくは振幅変調を施すことができる光学処理装置として、例えば、波面補償システム、パターン形成システム、ホログラフィシステム、3D表示ディスプレイシステム、光情報処理システム等が知られている。
例えば図1に示すパターン形成光学系600では、レーザ602からの出力光は、レンズ603とピンホール605とからなるスペイシャルフィルタ604、及び、コリメートレンズ606を介して所望のビーム径の平行光に変換され、読み出し光として反射型SLM608に斜めに入射する。反射型SLM608は所定のホログラム画像を表示する。読み出し光は、反射型SLM608にて位相変調され素子反射面にて斜めに反射されて、反射型SLM608から出射する。読み出し光はフーリエ変換レンズ610にてフーリエ変換されて、所望のパターンを出力面612上に形成する(例えば、特許文献4参照)。ここで、反射型SLMは、透過型SLMよりも有効開口率が高く光のロスが少ない。
また、図2に示す4f光学系620では、入力面622と出力面630との間に、プリズム624、フーリエ変換レンズ626、及び、反射型SLM628が配置されている。入力面622を出た読み出し光は、プリズム624の斜面によって反射されフーリエ変換レンズ626に導かれる。読み出し光は、フーリエ変換レンズ626を通過した後、反射型SLM628に斜めに入射する。読み出し光は、反射型SLM628で変調され素子反射面にて反射される。その後、読み出し光は、再びフーリエ変換レンズ626を通過し、プリズム624の反対側の斜面で反射されて、出力面630に結像する。このように、一つのフーリエ変換レンズ626は、入射側のフーリエ変換と出射側のフーリエ変換との2つの機能を有している(例えば、特許文献4参照)。
特開平11−194330号公報(第4−5頁、第1図) 特開2002−517781号公報(第16−18頁、第5図) 特開2001−4930号公報(第4−6頁、第1図) 特開2000−171824号公報(第3−4頁、第3、7図)
しかしながら、図1を参照して説明したパターン形成光学系600では、光軸が反射型SLM608で斜めに屈曲している。そのために光学系の設計、組立、調整が難しい。また、パターン形成光学系600を矩形基板上に構築しようとすると、基板の面積が大きくなり、小型化が難しい。
図2を参照して説明した4f光学系620では、入射光と出射光の両方が、フーリエ変換レンズ626の周辺部を通ることになり、軸外収差の悪影響が大きくなる。またフーリエ変換レンズ626の径が大きくなるため、レンズ設計・製造等が困難である。逆にフーリエ変換レンズ626の径を小さくすると、有効ビーム径を小さくせざるを得ない。さらに入射光と出射光とを十分に分離させるためには、フーリエ変換レンズ626の焦点距離を長くしなければならない。しかも、入射側と出射側のフーリエ変換レンズの焦点距離を異ならせることができない。
そこで、4f光学系を図3に示すように構成することが考えられる。この4f光学系640は、入力面622、フーリエ変換レンズ626−1、反射型SLM628、フーリエ変換レンズ626−2、及び、出力面630を有している。入力面622とフーリエ変換レンズ626−1との間の距離と、フーリエ変換レンズ626−1と反射型SLM628の間の距離とは、共に、フーリエ変換レンズ626−1の焦点距離長さと等しくなっている。また、反射型SLM628とフーリエ変換レンズ626−2との間の距離と、フーリエ変換レンズ626−2と出力面630の間の距離とは、共に、フーリエ変換レンズ626−2の焦点距離長さと等しくなっている。入力面622の前側に平行光投光光学系を配置し、入力面に平行光を投射する。4f光学系640によれば、図2を参照して説明した4f光学系620における上記の問題を解消できる。
しかしながら、入力側の光軸650と出力側の光軸652とは、垂直でない角度で斜めに交わっている。したがって、光軸650がなす直線と光軸652が成す直線とを精度よく設定し、これらの直線上に入力側及び出力側の光学デバイスをそれぞれ精度よく配置することは容易ではない。
また、4f光学系640を組み立てるための組立基板を作成する際には、光軸650,652が成す斜めの直線を機械加工で基板上に作成しなければならない。しかしながら、光軸が互いに垂直でないため、特有の冶具が必要になる。
しかも、光学デバイスを組立基板に取り付ける際、光軸に対する平行線と垂直線とを基準とした光学調整ができないため、取り付けが難しい。
また、入力面622とフーリエ変換レンズ626−1との間の距離(光路長)、フーリエ変換レンズ626−1と反射型SLM628との間の距離(光路長)、反射型SLM628とフーリエ変換レンズ626−2との間の距離(光路長)、及び、フーリエ変換レンズ626−2と出力面630との間の距離(光路長)の全てを、焦点深度以内の精度で合わせる必要がある。運搬や、振動などによって、いずれかのデバイスが光軸方向に移動した場合、当該デバイスを光軸方向に位置調整する必要が生じる。しかしながら、反射型SLM628が光軸の屈曲点となっているため、図4のように、反射型SLM628の位置を、例えば、位置Iから位置IIへ変化させると、矢印uで示すように、光軸650と光軸652とが反射型SLM628上で一致しなくなり、光軸650と光軸652とのいずれかを、当該光軸に垂直な方向に移動させなければならない。
しかし光軸を当該光軸に垂直な方向に移動させることは、当該光軸上に配置されている全てのデバイスの位置に影響をあたえるため、実質的に不可能である。
以上のように、光軸方向の位置調整であっても、光軸に垂直な面内での位置ずれが発生するため、4f光学系640の光軸方向の位置調整は、容易ではない。
また、反射型SLM628は、2つの光軸650、652の2等分線に沿って移動させることになる。この二等分線が2つの光軸650、652と垂直でないため、精度の高い移動を行うことが難しい。しかも、反射型SLM628の位置精度をこの2等分線に垂直な面内で高く保つ必要があるため、光軸方向の位置調整は大変困難である。
また、図5に示す4f光学系660のように、2個の反射型SLM628(以下、反射型SLM628−1,628−2という)を設けることも考えられる。反射型SLM628を2個用いるため、光軸の屈曲部が2箇所となり、互いに異なる方向に伸びる3つの光軸654、650,652が生じる。反射型SLM628−1と反射型SLM628−2との間、及び、反射型SLM628−2の後段に、それぞれ、レンズ626−1,626−2が配置される。なお、反射型SLM628−1の前段に、レーザ662、レンズ664、アパーチャー666が設けられる。
このように反射型SLMを2段用いる場合には、斜め反射による問題がさらに大きくなる。すなわち、屈曲点が増えるために、反射型SLMを1個設ける場合よりも、機械加工と光学調整が難しくなる。光軸650は、光軸654と光軸652とに挟まれているため、光軸650に関係する光学デバイス(レンズ626−1)の位置調整が、特に困難となる。
本発明は、斯かる実情に鑑み、反射型SLMを用い、光エネルギーの利用効率が高く、光学系の設計、組立、調整が容易で、光学系の小型化が可能であり、任意の入射光に対して任意の光学処理を施すことができる空間光変調装置、光学処理装置、及びカップリングプリズムの使用方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、仮想基準直線から前記仮想基準直線に対して垂直な方向にずれた位置に設けられた反射型空間光変調素子と、前記仮想基準直線上に設けられ、前記仮想基準直線に沿って入射してくる入射光を反射して前記反射型空間光変調素子に読みだし光として斜めに入射させるための入力側反射面と、前記仮想基準直線上に設けられ、前記反射型空間光変調素子で変調され斜めに反射された読みだし光を反射して出射光として前記仮想基準直線に沿って出力するための出力側反射面と、を備え、前記反射型空間光変調素子が、前記入力側反射面からの読みだし光を反射するための素子反射面を備え、前記入力側反射面と前記出力側反射面とが、前記仮想基準直線に沿って距離Lだけ離間し、前記素子反射面が前記仮想基準直線から前記仮想基準直線に対して垂直な方向に距離hだけ離間し、前記入力側反射面、前記出力側反射面、及び、前記素子反射面とが、前記仮想基準直線が延びる方向に対して、それぞれ、角度φ1、φ2、φ3だけ傾いており、前記素子反射面が大きさcを備え、前記入力側反射面が前記仮想基準直線に対して前記反射型空間光変調素子から遠い側の大きさa1と、前記反射型空間光変調素子に近い側の大きさa2とを有し、前記出力側反射面が前記仮想基準直線に対して前記反射型空間光変調素子から近い側の大きさb1と、前記反射型空間光変調素子に遠い側の大きさb2とを有し、前記素子反射面が前記入力側反射面で反射された前記入射光の光軸に対して前記入力側反射面に近い側の大きさc1を有し、前記反射型空間光変調素子が、0〜αの範囲の収束角で入射する読みだし光を変調して、その所定の成分を0〜βの範囲の発散角で出射し、前記反射型空間光変調素子へ入射する読み出し光が収束光の場合にはαは正の値をとり発散光の場合にはαは負の値をとり、前記反射型空間光変調素子から出射する読み出し光の前記所定の成分が発散光の場合にはβは正の値をとり収束光の場合にはβは負の値をとり、前記距離L、h、及び、前記角度φ1、φ2、φ3とが以下の式(1)及び(2)を満足し、前記大きさc、c1、a1、a2、b1、及び、b2が、α及びβに対して、以下の式(3)〜(8)を満足し、前記所定の成分とは1以上n(nは0より大きい自然数)以下の回折次数の回折成分であり、α及びβが、前記入射光の波長λ、及び、前記反射型空間光変調素子に表示可能な最小の格子パターンの格子定数dに対して、以下の式(9)及び(10)を満足することを特徴とする空間光変調装置を提供している。
Figure 0004804358
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このような構成によると、入力側反射面は、仮想基準直線に沿って入射してくる入射光を反射して反射型空間光変調素子に読みだし光として斜めに入射させる。反射型空間光変調素子の素子反射面が、入力側反射面からの読みだし光を斜めに反射する。出力側反射面が、反射型空間光変調素子で変調され斜めに反射された読みだし光を反射して出射光として出力する。このとき出射光は仮想基準直線にそって出力される。したがって、空間光変調装置の入力側反射面に入射する入射光の主光線と出力側反射面から出射する出射光の主光線とが同一の仮想基準直線上になる。従って、光学系全体をコンパクト化することができ、しかも、光学系の設計、組立、調整が容易になる。さらに、反射型空間光変調素子により任意の入射光に対し任意の光学処理を効率良く施すことができる。また、このような構成によると、大きさcを備える素子反射面に対して0〜αの範囲の収束角で入射する入射光の全てが入力側反射面によって反射される。入力側反射面で反射された入射光の全てが読みだし光として反射型空間光変調素子の素子反射面によって反射される。素子反射面によって反射され反射型空間光変調素子で変調された読みだし光のうち0〜βの範囲の発散角で出射する成分の全てが、出力側反射面によって反射される。光の利用効率をより高めることが可能となる。しかも、入力側反射面と出力側反射面とが重ならないことが確保される。なお、特に式(4)〜(7)の等号が成立する場合には、発散角βより大きい角度の成分を不要成分として除去することができる。また、このような構成によると、反射型空間光変調素子で回折された変調読みだし光のうち、少なくとも1次以上n次以下の回折光の全てが出力側反射面によって反射されることが確保される。従って、光の利用効率をより高めることが可能となる。なお、特に式(4)〜(7)の等号が成立する場合には、(n+1)次以上の回折光を不要成分として除去することができる。
上記目的を達成するために、本発明は、仮想基準直線から前記仮想基準直線に対して垂直な方向にずれた位置に設けられた反射型空間光変調素子と、前記仮想基準直線上に設けられ、前記仮想基準直線に沿って入射してくる入射光を反射して前記反射型空間光変調素子に読みだし光として斜めに入射させるための入力側反射面と、前記仮想基準直線上に設けられ、前記反射型空間光変調素子で変調され斜めに反射された読みだし光を反射して出射光として前記仮想基準直線に沿って出力するための出力側反射面と、を備え、前記反射型空間光変調素子が、前記入力側反射面からの読みだし光を反射するための素子反射面を備え、前記入力側反射面と前記出力側反射面とが、前記仮想基準直線に沿って距離Lだけ離間し、前記素子反射面が前記仮想基準直線から前記仮想基準直線に対して垂直な方向に距離hだけ離間し、前記入力側反射面、前記出力側反射面、及び、前記素子反射面とが、前記仮想基準直線が延びる方向に対して、それぞれ、角度φ1、φ2、φ3だけ傾いており、単一のカップリングプリズムが、入力側透過面と、第1の反射面と、接合透過面と、第2の反射面と、出力側透過面と、を備え、前記入力側透過面は、前記仮想基準直線上に設けられ、前記仮想基準直線に沿って入射してくる入射光を透過させて前記入射光を前記仮想基準直線に沿って内部に導き、前記第1の反射面は、前記仮想基準直線上に設けられ、前記入力側透過面から前記仮想基準直線に沿って内部を伝搬してくる入射光を反射する入力側反射面であり、前記接合透過面は、前記仮想基準直線から前記仮想基準直線に対して垂直な方向にずれた位置に設けられ、前記反射型空間光変調素子に接合され、前記第1の反射面で反射され内部を伝搬してくる入射光を透過して前記反射型空間光変調素子に対し読みだし光として斜めに入射させ、かつ、前記反射型空間光変調素子で変調され斜めに反射された読みだし光を透過して内部を伝搬させ、前記第2の反射面は、前記仮想基準直線上に設けられ、前記接合透過面から内部を伝搬してくる読みだし光を反射して出射光として前記仮想基準直線に沿って内部を伝搬させる出力側反射面であり、前記出力側透過面は、前記仮想基準直線上に設けられ、前記第2の反射面から前記仮想基準直線に沿って内部を伝搬してくる出射光を前記仮想基準直線に沿って外部へ出力し、前記カップリングプリズムの屈折率はmであり、前記素子反射面が大きさcを備え、前記入力側反射面が前記仮想基準直線に対して前記反射型空間光変調素子から遠い側の大きさa1と、前記反射型空間光変調素子に近い側の大きさa2とを有し、前記出力側反射面が前記仮想基準直線に対して前記反射型空間光変調素子から近い側の大きさb1と、前記反射型空間光変調素子に遠い側の大きさb2とを有し、前記素子反射面が前記入力側反射面で反射された前記入射光の光軸に対して前記入力側反射面に近い側の大きさc1を有し、前記反射型空間光変調素子が、0〜αの範囲の収束角で入射する読みだし光を変調して、その所定の成分を0〜βの範囲の発散角で出射し、前記反射型空間光変調素子へ入射する読み出し光が収束光の場合にはαは正の値をとり発散光の場合にはαは負の値をとり、前記反射型空間光変調素子から出射する読み出し光の前記所定の成分が発散光の場合にはβは正の値をとり収束光の場合にはβは負の値をとり、前記距離L、h、及び、前記角度φ1、φ2、φ3とが以下の式(1)及び(2)を満足し、前記大きさc、c1、a1、a2、b1、b2とが、α及びβに対し、以下の式(3´)〜(8´)を満足し、前記所定の成分とは1以上n(nは0より大きい自然数)以下の回折次数の回折成分であり、α及びβが、前記入射光の波長λ、及び、前記反射型空間光変調素子に表示可能な最小の格子パターンの格子定数dに対して、以下の式(9´)及び(10´)を満足することを特徴とする空間光変調装置を提供している。
Figure 0004804358
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このような構成によると、入力側反射面は、仮想基準直線に沿って入射してくる入射光を反射して反射型空間光変調素子に読みだし光として斜めに入射させる。反射型空間光変調素子の素子反射面が、入力側反射面からの読みだし光を斜めに反射する。出力側反射面が、反射型空間光変調素子で変調され斜めに反射された読みだし光を反射して出射光として出力する。このとき出射光は仮想基準直線にそって出力される。したがって、空間光変調装置の入力側反射面に入射する入射光の主光線と出力側反射面から出射する出射光の主光線とが同一の仮想基準直線上になる。従って、光学系全体をコンパクト化することができ、しかも、光学系の設計、組立、調整が容易になる。さらに、反射型空間光変調素子により任意の入射光に対し任意の光学処理を効率良く施すことができる。また、このような構成によると、入力側透過面は、仮想基準直線に沿って入射してくる入射光を透過させて入射光を仮想基準直線に沿ってカップリングプリズム内部に導く。第1の反射面は、入力側透過面から仮想基準直線に沿って内部を伝搬してくる入射光を反射する。反射型空間光変調素子に接合された接合透過面は、第1の反射面で反射され内部を伝搬してくる入射光を透過して反射型空間光変調素子に対し読みだし光として斜めに入射させ、かつ、反射型空間光変調素子で変調され斜めに反射された読みだし光を透過して内部を伝搬させる。第2の反射面は、接合透過面から内部を伝搬してくる読みだし光を反射して出射光として仮想基準直線に沿って内部を伝搬させる。出力側透過面は、第2の反射面から仮想基準直線に沿って内部を伝搬してくる出射光を仮想基準直線に沿って外部へ出力する。カップリングプリズムを用いることにより、全体の光学系をコンパクト化することができ、また、光学系の設計、組立、調整がさらに容易となる。また、このような構成によると、大きさcを備える前記素子反射面に対して0〜αの範囲の収束角で入射する入射光の全てが入力側反射面によって反射され、入力側反射面で反射された入射光の全てが読みだし光として反射型空間光変調素子の素子反射面によって反射され、素子反射面によって反射され反射型空間光変調素子で変調された読みだし光のうち0〜βの範囲の発散角で反射型空間光変調素子から出射する成分の全てが、出力側反射面によって反射される。従って、光の全てを素子反射面全体に入射させることを可能とし、光の利用効率をより高めることが可能となる。しかも、入力側反射面と出力側反射面とが重ならないことが確保される。なお、特に式(4´)〜(7´)の等号が成立する場合には、発散角βより大きい角度の成分を不要成分として除去することができる。また、このような構成によると、反射型空間光変調素子で回折された変調読みだし光のうち、少なくとも1次以上n次以下の回折光の全てが出力側反射面によって反射されることが確保される。なお、特に式(4´)〜(7´)の等号が成立する場合には、(n+1)次以上の回折光を不要成分として除去することができる。
ここで、入力側反射面、出力側反射面をそれぞれ仮想基準直線に対して所定の角度にすれば、光を全反射させることが可能になる。従って、光の利用効率がさらに向上する。入力側反射面および出力側反射面に光の反射率を高めるための表面加工等を施す必要がなくなる。
また、本発明の別の観点では、空間光変調装置と、前記仮想基準直線上に設けられ、入射光を前記仮想基準直線に沿って前記空間光変調装置に入力させる入力光学系と、前記仮想基準直線上に設けられ、前記空間光変調装置から仮想基準直線に沿って出力された出射光を処理するための出力光学系とを備え、前記空間光変調装置は、前記仮想基準直線から前記仮想基準直線に対して垂直な方向にずれた位置に設けられた反射型空間光変調素子と、前記仮想基準直線上に設けられ、前記仮想基準直線に沿って前記入力光学系から入射してくる入射光を反射して前記反射型空間光変調素子に読みだし光として斜めに入射させるための入力側反射面と、前記仮想基準直線上に設けられ、前記反射型空間光変調素子で変調され斜めに反射された読みだし光を反射して出射光として前記仮想基準直線に沿って出力するための出力側反射面と、を備え、前記反射型空間光変調素子が、前記入力側反射面からの読みだし光を反射するための素子反射面を備え、前記入力側反射面と前記出力側反射面とが、前記仮想基準直線に沿って距離Lだけ離間し、前記素子反射面が前記仮想基準直線から前記仮想基準直線に対して垂直な方向に距離hだけ離間し、前記入力側反射面、前記出力側反射面、及び、前記素子反射面とが、前記仮想基準直線が延びる方向に対して、それぞれ、角度φ1、φ2、φ3だけ傾いており、前記距離L、h、及び、前記角度φ1、φ2、φ3とが以下の式(1)及び(2)を満足し、前記入力光学系は、入力画像をフーリエ変換する第1のレンズを有し、前記反射型空間光変調素子は、参照画像に基づくフィルターパターンにて前記入力画像のフーリエ変換画像を位相変調し、前記出力光学系は、前記空間光変調装置からの出力光をフーリエ変換する第2のレンズを有し、前記入力画像と前記参照画像との相関を示す画像を出力し、前記入力画像を作成する入力画像作成手段をさらに備え、前記入力画像作成手段は、別の空間光変調装置からなり、前記別の空間光変調装置は、前記仮想基準直線から前記仮想基準直線に対して垂直な方向にずれた位置に設けられた反射型空間光変調素子と、前記仮想基準直線上に設けられ、前記仮想基準直線に沿って入射してくる入射光を反射して前記反射型空間光変調素子に読みだし光として斜めに入射させるための入力側反射面と、前記仮想基準直線上に設けられ、前記反射型空間光変調素子で変調され斜めに反射された読みだし光を反射して出射光として前記仮想基準直線に沿って出力するための出力側反射面とを備え、前記反射型空間光変調素子が、前記入力側反射面からの読みだし光を反射するための素子反射面を備え、前記入力側反射面と前記出力側反射面とが、前記仮想基準直線に沿って距離Lだけ離間し、前記素子反射面が前記仮想基準直線から前記仮想基準直線に対して垂直な方向に距離hだけ離間し、前記入力側反射面、前記出力側反射面、及び、前記素子反射面とが、前記仮想基準直線が延びる方向に対して、それぞれ、角度φ1、φ2、φ3だけ傾いており、前記距離L、h、及び、前記角度φ1、φ2、φ3とが前記式(1)及び(2)を満足し、前記第1のレンズが、前記別の空間光変調装置から出力された出射光をフーリエ変換することを特徴とする光学処理装置を提供している。
Figure 0004804358
Figure 0004804358
このような構成によると、入力光学系及び出力光学系が仮想基準直線上に配置されている。このため、入力側反射面、出力側反射面、及び、反射型空間光変調素子を仮想基準直線に対して垂直な方向に位置調整するだけで、光学処理装置全体の位置調整を簡単に行なうことができる。従って、光学系の設計、組立、調整が簡単となる。また、このような構成によると、第1のレンズは入力画像をフーリエ変換する。反射型空間光変調素子は、参照画像に基づくフィルターパターンにて入力画像のフーリエ変換画像を位相変調する。第2のレンズは、空間光変調装置からの出力光をフーリエ変換して入力画像と参照画像との相関を示す画像を出力する。従って、光を効率よく利用して入力画像と参照画像との相関に応じた画像を出力することができる。また、かかる構成によると、空間光変調装置が多段で接続されることになり、光を効率よく利用しつつ、しかも、入力画像を自由に生成することができる。
また、本発明の別の観点では、第1〜第5の側面をこの順に有する5角柱形状で、第1の側面と第2の側面とが互いに90°をなして接続し、第2の側面と第3の側面とが互いに90°をなして接続し、第3の側面と第4の側面とが互いに90゜−φ2をなして接続し、第4の側面と第5の側面とが互いに180゜+φ1+φ2をなして接続し、第5の側面と第1の側面とが互いに90゜−φ1をなして接続したカップリングプリズムを用意し、素子反射面を有する反射型空間光変調素子を、素子反射面が第2の側面に対し平行に延びるように、第2の側面に対し接合し、仮想基準直線が第1の側面及び第5の側面を貫通し、第5の側面と第4の側面とが、前記仮想基準直線に沿って距離Lだけ離間し、前記素子反射面が前記仮想基準直線から前記仮想基準直線に対して垂直な方向に距離hだけ離間し、第5の側面と第4の側面と素子反射面とが、前記仮想基準直線が延びる方向に対して、それぞれ、角度φ1、φ2、φ3だけ傾き、前記距離L、h、及び、前記角度φ1、φ2、φ3とが以下の式(1’)及び(2’)を満足するように、カップリングプリズムを仮想基準直線に対し配置し、
Figure 0004804358
Figure 0004804358
前記仮想基準直線に沿って第5の側面に向けて読み出し光を入射させ、前記カップリングプリズムの屈折率はmであり、前記反射型空間光変調素子が、0〜αの範囲の収束角で入射する読みだし光を変調して、その所定の成分を0〜βの範囲の発散角で出射し、前記反射型空間光変調素子へ入射する読み出し光が収束光の場合にはαは正の値をとり発散光の場合にはαは負の値をとり、前記反射型空間光変調素子から出射する読み出し光の前記所定の成分が発散光の場合にはβは正の値をとり収束光の場合にはβは負の値をとり、前記所定の成分とは1以上n(nは0より大きい自然数)以下の回折次数の回折成分であり、δはn次回折光の回折角度であり、α及びβが、前記入射光の波長λ、及び、前記反射型空間光変調素子に表示可能な最小の格子パターンの格子定数dに対して、以下の式(9´)及び(10´)を満足することを特徴とする、カップリングプリズムの使用方法を提供している。
Figure 0004804358
Figure 0004804358
このような方法によると、第1の側面は、仮想基準直線に沿って入射する入射光を透過させ入射光をカップリングプリズム内部に導く。第5の側面は、第1の側面から内部を伝搬してくる光を反射する。反射型空間光変調素子に接合された第2の側面は、第5の側面で反射され内部を伝搬してくる光を透過させて、反射型空間光変調素子に対し読みだし光として斜めに入射させ、かつ、反射型空間光変調素子で変調され斜めに反射された読みだし光を透過して内部を伝搬させる。第4の側面は、第2の側面から内部を伝搬してくる読みだし光を反射して出射光として内部を伝搬させる。第3の側面は、第4の側面から内部を伝搬してくる出射光を仮想基準直線に沿って外部へ出力する。したがって、カップリングプリズムの第1の側面に入射する入射光の主光線と第3の側面から出射する出射光の主光線とが同一の仮想基準直線上になる。カップリングプリズムを用いることにより、光学系全体をコンパクト化することができ、しかも、光学系の設計、組立、調整が容易になる。さらに、反射型空間光変調素子により任意の入射光に対し任意の光学処理を効率よく施すことができる。また、反射型空間光変調素子で回折された変調読みだし光のうち、少なくとも1次以上n次以下の回折光の全てが第4の側面によって反射されることが確保される。なお、特に式(4´)〜(7´)の等号が成立する場合には、(n+1)次以上の回折光を不要成分として除去することができる。
は従来の光学処理装置(パターン形成光学系)の構成を示す図である。 は従来の別の光学処理装置(4f光学系)の構成を示す図である。 は図2の4f光学系を改良して得られる4f光学系の構成を示す図である。 は、図3の光学処理装置における反射型SLMの位置調整において生じる問題を説明する図である。 は、図3の4f光学系を応用して得られる別の4f光学系の構成を示す図である。 は、第1の実施の形態にかかる、空間光変調装置の構成を示す図である。 は、第1の実施の形態にかかる、空間光変調装置に設けられた反射型SLMの構成を示す図である。 は、図6の空間光変調装置における読み出し光の主光線と反射型SLMと2つのミラーとの位置関係を示す図である。 は、図6の空間光変調装置における読み出し光が反射される状態を示す図である。 は、図6の空間光変調装置において入力光ビームの主光線及び辺縁光線が入力側反射面において反射される状態を示す図である。 は、図6の空間光変調装置において出力光ビームの主光線及び辺縁光線が出力側反射面において反射される状態を示す図である。 は、図6の空間光変調装置における各反射面での反射を展開した直線光路図である。 は、図6の空間光変調装置を採用した光学処理装置(4f光学系)の構成を示す図である。 は、図13の光学処理装置における反射型SLMの位置調整を説明する図である。 は、第2の実施の形態にかかる、空間光変調装置の構成を示す図である。 は、図15の空間光変調装置を採用した光学処理装置(波形成形光学系)の構成を示す図である。 は、図15の空間光変調装置を採用した別の光学処理装置(4f光学系)の構成を示す図である。 は、図15の空間光変調装置を採用した別の光学処理装置(4f光学系)の構成を示す図である。 は、図15の空間光変調装置を採用した別の光学処理装置(波面補償光学系)の構成を示す図である。 は、第3の実施の形態にかかる、空間光変調装置の構成を示す図である。 は、第4の実施の形態にかかる、空間光変調装置の構成を示す図である。 は、変更例に係る空間光変調装置における反射型SLMと入力側反射面と出力側反射面との位置関係を示す図である。
符号の説明
1 空間光変調装置
3 ミラー
5 反射型SLM
5c 素子反射面
7 ミラー
9 仮想基準直線
30 空間光変調装置
32 プリズム
40 空間光変調装置
42 プリズム
50 空間光変調装置
52 カップリングプリズム
60 光学処理装置
62 レーザ
80 光学処理装置
81 光源
82 コリメートレンズ
84 入力面
86 フーリエ変換レンズ
88 フーリエ変換レンズ
90 出力面
91 光軸
92 光軸
100 光学処理装置
200 光学処理装置
300 光学処理装置
302 入力面
312 ビームサンプラー
314 波面センサ
316 制御装置
318 出力面
M1 入力側反射面
M2 出力側反射面
P1 入力側透過面
P2 接合透過面
P3 出力側透過面
I 入力光学系
O 出力光学系
R 平行光投光光学系
本発明の実施の形態による空間光変調装置、光学処理装置、及び、カップリングプリズムの使用方法について、図面を参照して説明する。
本発明の第1の実施の形態による空間光変調装置1について、図6乃至図12に基づき説明する。
図6に示すように、第1の実施の形態による空間光変調装置1は、ミラー3、反射型空間光変調素子5(以下、反射型SLM5という)、及び、ミラー7を有している。
反射型SLM5は、所定の仮想基準直線9から仮想基準直線9に対して垂直な方向にずれた位置に配置されている。反射型SLM5は、変調部5aとミラー層5bとアドレス部5dとを備えている。ミラー層5bの変調部5a側の面が素子反射面5cを規定している。反射型SLM5は、変調部5aが仮想基準直線9に対向する向きに配置されている。
ミラー3、7は、共に、仮想基準直線9上に配置されている。ミラー3、7は、共に、仮想基準直線9に対して斜めに配置されている。より詳しくは、ミラー3、7は、仮想基準直線9上に、「ハ」の字形状に配置されている。ミラー3は入力側反射面M1を有し、ミラー7は出力側反射面M2を有している。入力側反射面M1には、読み出し光が図示しない入力側光学系から仮想基準直線9に沿って入力ビームとして入射してくる。すなわち、入力ビームの主光線(光軸)11は仮想基準直線9に沿って進んでくる。入力側反射面M1は、読み出し光を反射型SLM5へ反射する。反射型SLM5に入射した読み出し光は、変調部5aを伝搬する際変調され、素子反射面5cにて反射され、変調部5aを再び伝搬してさらに変調された後、反射型SLM5から出射する。読み出し光は出力側反射面M2で反射され、出力ビームとして仮想基準直線9に沿って進み空間光変調装置1から出射し、図示しない出力側光学系へ出力される。こうして、出力ビームの主光線(光軸)17も仮想基準直線9に沿って進む。なお、入力ビーム主光線11及び出力ビーム主光線17が通る経路を空間光変調装置1における光軸と定義する。また、入力側反射面M1、反射型SLM5、及び、出力側反射面M2の反射による読み出し光の光軸の角度変化は全て図6の紙面内で起こり、紙面に垂直な方向への光軸の角度変化はないものとする。
反射型SLM5が、例えば、光アドレス型の平行配向型ネマッティック液晶空間光変調器(Parallel−Aligned nematic−Licuid−cristal Spacial Light Modulator:以下、PAL−SLMという)である場合には、図7に示すように、変調部5aは、水平配向状態のネマティック液晶層500,透明電極501,及び、透明基板502からなる。ミラー層5bは多層膜誘電体層503からなる。多層膜誘電体層503の液晶層500側の面が素子反射面5cを規定する。アドレス部5dは、光導電層504,透明電極505,及び、透明基板506からなる。所望の強度分布を有する強度変調光が透明基板506と透明電極505とを介して光導電層504に照射されると、液晶層500の屈折率分布が変化する。読み出し光は、透明基板502及び透明電極501を介して液晶層500に入射し、液晶層500にて位相変調されて多層膜誘電体層503にて反射される。こうして、読み出し光は、所望の強度分布に対応する位相分布を有する位相変調光に変換され、反射型SLM5から出射する。この場合、液晶層500は読み出し光の位相のみを変調することができる。
例えば、図7に示すように、反射型SLM5のアドレス部5dに対向して、リレーレンズ540、液晶ディスプレイ(以下、LCDという)530、コリメートレンズ520、及び、書き込み用光源510を配置しても良い。書き込み用光源510は一様な強度分布を有する書き込み光を出射する。コリメートレンズ520は書き込み光を平行光に変換する。LCD530は透過型の電気アドレス型強度変調型空間光変調器である。LCD530は、図示しない制御部から入力される信号によって電気アドレス駆動され、入射した平行光を所望の強度分布を有する強度変調光に変換する。リレーレンズ540は強度変調光を反射型SLM5に結像する。
なお、反射型SLM5、書き込み用光源510、コリメートレンズ520、LCD530、及び、リレーレンズ540を、筐体内に収納し位相変調モジュール6として構成しても良い。この場合、位相変調モジュール6をミラー3,7に対して図7に示すように配置することにより、反射型SLM5とミラー3,7との位置関係を図6に示して説明したものと同一とすることができる。
なお、位相変調モジュール6として、例えば、電気アドレス型液晶位相変調モジュール「SLMX7550」(商品名、浜松ホトニクス株式会社製)を使用することができる。
次に図8を参照しながら、入力側反射面M1、素子反射面5c、出力側反射面M2の具体的な配置関係を説明する。なお、図8では、明瞭化を図るため、反射型SLM5のうちミラー層5bのみを図示し変調部5a及びアドレス部5dの図示を省略している。
図8に示すように、入力主光線11が入力側反射面M1に入射する点を点A、入力側反射面M1で反射した光の主光線が反射型SLM5に入射する点を点C、反射型SLM5で変調され素子反射面5cにて反射した光の主光線が出力側反射面M2に入射する点を点Bとする。点Aと点Bとを結ぶ直線A−Bは仮想基準直線9上に位置している。入力側反射面M1は仮想基準直線9に対して角度φ1をなす方向に延びている。出力側反射面M2は仮想基準直線9に対して角度φ2をなす方向に延びている。素子反射面5cは仮想基準直線9に対して角度φ3をなす方向に延びている。なお、φ1及びφ3は、図8において、仮想基準直線9から反時計方向に正の値を採る。また、φ2は、図8において、仮想基準直線9から時計方向に正の値を採る。φ1、φ2は、0°<φ1<90°、0°<φ2<90°を満足している。すなわち、入力側反射面M1及び出力側反射面M2は仮想基準直線9に対して斜めに延びている。素子反射面5cは仮想基準直線9に対して斜めもしくは平行に延びている。また、入力側反射面M1の両端を点A1、点A2とする。点A1、点A2のうち、点A2は仮想基準直線9より反射型SLM5側に位置する。点A1は仮想基準直線9より反射型SLM5とは反対側に位置している。線分A1−A2の長さをa、線分A−A1の長さをa1、線分A―A2の長さをa2とする。出力側反射面M2の両端を点B1、点B2とする。点B1、点B2のうち、点B1は仮想基準直線9より反射型SLM5側に位置し、点B2は仮想基準直線9より反射型SLM5とは反対側に位置している。線分B1―B2の長さをb、線分B―B1の長さをb1、線分B―B2の長さをb2とする。素子反射面5cの2つの端点を点C1、点C2とする。点C1は、出力側反射面M2より入力反射面M1に近い側に位置し、点C2は入力反射面M1より出力側反射面M2に近い側に位置している。線分C1―C2の長さ(すなわち、反射型SLM5の有効口径)をc、線分C−C1の長さをc1、線分C−C2の長さをc2とする。さらに、点Cから線分A−Bへの垂線の足を点D、垂線C―Dの長さをh、線分A−Bの長さをLとする。
本実施の形態では、角度φ1、φ2、φ3と長さL、hとは、以下の関係(1)(2)を有している。
Figure 0004804358
及び
Figure 0004804358
上記関係(1)(2)が満足されているため、入力側反射面M1に入射する入力主光線11が仮想基準直線9に沿って進むのみならず、出力側反射面M2で反射した出力主光線17も仮想基準直線9に沿って進むことが確保されている。換言すれば、出力主光線17は入力主光線11の延長線上に位置すること(条件1)が確保されている。
ここで、図9に示すように、読み出し光(入力光ビーム)は、図示しない入力光学系から、仮想基準直線9に沿って、0からαの範囲の収束角にて入射してくるとする。なお、入力光ビームが収束光の場合αは正の値をとり、発散光の場合αは負の値をとる。また、読み出し光(入力光ビーム)の反射型SLM5に入射する際のビーム径は、素子反射面5cの長さcに等しいとする。また、反射型SLM5で変調され素子反射面5cにて反射された読み出し光が反射型SLM5から出射する。この読み出し光のうち、所望の成分(すなわち、空間光変調装置1から出力させたい所望の成分)が、0からβの範囲の発散角にて出力光ビームとして出射するとする。なお、出力光ビームが発散光の場合βは正の値をとり、収束光の場合にはβは負の値をとる。なお、αとβの絶対値は十分小さく、反射型SLM5近くでの光の集光・発散による光ビームの断面形状の変化は無視できるとする。したがって、入力光ビームの素子反射面5c近くでの素子反射面5cに沿った長さが素子反射面5cの長さcに略等しいだけでなく、出力光ビームの素子反射面5c近くでの素子反射面5cに沿った長さも素子反射面5cの長さcに略等しいとする。なお、図9でも、図8同様、明瞭化を図るため、反射型SLM5のうちミラー層5bのみを図示し変調部5a及びアドレス部5dの図示を省略している。
本実施の形態では、角度φ1、φ2と、長さc,c1,h、a1,a2、b1,b2,L(図8)とは、収束角αと発散角βとに対し、以下の関係(3)〜(8)を有している。
Figure 0004804358
Figure 0004804358
Figure 0004804358
Figure 0004804358
Figure 0004804358
Figure 0004804358
ここで、入力光ビームの最外部を規定する光線を入力辺縁光線13、15とする。入力辺縁光線13、15は、入力主光線11に対して収束角αをなす方向に伝搬する。入力光は入力主光線11(光軸)に対して対称であるため、入力辺縁光線13と15の強度は互いに等しい。すなわち、入力辺縁光線13と15の強度は入力主光線11の強度の所定の割合の大きさである。また、出力光ビームの最外部を規定する光線を出力辺縁光線19、21とする。出力光ビームは出力主光線17(光軸)に対して対称である。出力辺縁光線19、21は、出力主光線17に対して発散角βをなす方向に伝搬する。
本実施の形態では、式(3)〜式(8)を満足しているため、図10に示すように、入力主光線11は、ミラー3上の点Aで反射されて反射型SLM5の点Cに至る。入力辺縁光線13は、ミラー3上の別の点(端点A1と点Aとの間の点)で反射されて反射型SLM5の素子反射面5cの一端C1に至る。他の入力辺縁光線15は、ミラー3上のさらに別の点(端点A2と点Aとの間の点)で反射されて反射型SLM5の素子反射面5cの他端C2に至る。こうして、入力光ビーム全体がミラー3で反射されて反射型SLM5に到達し、反射型SLM5により変調される。
さらに、図11に示すように、出力主光線17はミラー7上の点Bで反射される。出力辺縁光線19は、SLM5の素子反射面5cの一端C1から出射し、ミラー7上の点(端点B1と点Bとの間の点)で反射される。他の出力辺縁光線21は、ミラー7上の別の点(端点B2と点Bとの間の点)で反射される。こうして、反射型SLM5を出力した所望の成分の出力光ビーム全体がミラー7で反射され、図示しない出力側光学系に導かれる。
したがって、図9に示すように、入力側光学系からの入力ビームの全てが入力側反射面M1によって反射され(条件2)、入力側反射面M1で反射されたビームの全てが反射型SLM5に入射し(条件3)、反射型SLM5で変調され反射されたビームのうち必要な成分の全てが出力側反射面M2によって反射される(条件4)ことが確保されている。また、式(8)により、入力側反射面M1と出力側反射面M2との位置が重ならないことが確保されている。
ここで、入力光ビームの収束角度αと、出力光ビームの発散角度βとの間には、図12に示すように、次の関係(9)がある。なお、図12は、入力側反射面M1、素子反射面5c、出力側反射面M2の各面での反射を展開した直線光路図である。
Figure 0004804358
例えば、反射型SLM5で変調されて生成された回折光のうちn次回折光(なお、nは1以上の自然数)までの回折光を空間光変調装置1から出力させたい場合には、δはn次回折光の回折角度である。n次回折光の回折角度δは、次式(10)により与えられる。
Figure 0004804358
ここで、dは反射型SLM5に表示可能な最小の格子パターンの格子定数(隣合った縞の中心間の距離)であり、λは読み出し光の波長である。
したがって、入力光学系から入射させる入力光の収束角度αと所望の回折次数nに対し、パラメータφ1、φ2、c、c1,h、a1,a2、b1,b2,Lを数式(1)〜(10)を満足するように選択すれば、入力光を有効に反射型SLM5に照射できる。さらに、反射型SLM5で得られた1〜n次回折光を有効に空間光変調装置1から出力させることができる。
例えば、1次以下の回折光を空間光変調装置1から出力させたい場合には、αを入力光学系から入射させる入力光の収束角度に設定し、回折次数nをn=1に設定し、パラメータφ1、φ2、c、c1,h、a1,a2、b1,b2,Lを数式(1)〜(10)を満足するように選択すればよい。また、1次回折光と2次回折光とを空間光変調装置1から出力させたい場合には、回折次数nをn=2に設定しなおせばよい。
特に、式(4)〜(7)において等号が成立するようにパラメータφ1、φ2、c、c1,h、a1,a2、b1,b2,Lを選択すれば、1〜n次回折光を有効に出力させるのみならず、(n+1)次以上の不要な回折光を除去することができる。
以上のように本実施の形態の空間光変調装置1によれば、入力主光線11と出力主光線17とが共に仮想基準直線9に沿って進むので、空間光変調装置1に対して入力側光学系や出力側光学系を組み合わせる際、入力側光学系と出力側光学系とを共に仮想基準直線9上に配置することができる。したがって、光学系全体の設計、組立、位置調整が極めて容易となり、また、光学系全体をコンパクト化することができる。また、空間光変調装置1を複数個、単一の仮想基準直線9に沿って多段接続することができる。また、反射型SLM5は、任意の入力光ビームに対して任意の変調を施すことができ、任意の光学処理を行うことができる。また、入力側反射面M1がミラー3で構成され、出力側反射面がミラー7で構成されるため、空間光変調装置1全体の構成が簡単になる。
ミラー3,7の長さを反射型SLM5の長さc(有効面積)に応じて決定するため、空間光変調装置1全体を、容易かつ安価に製造することがきる。反射型SLM5はミラー3,7に比べると製造が困難で高価であるのに対し、ミラー3,7は製造容易で安価だからである。
しかも、入力側反射面M1への入射光の全てが入力側反射面M1によって反射され、入力側反射面M1で反射された入射光の全てが読みだし光として反射型SLM5に入射し、さらに反射型SLM5で変調された読みだし光の所望の成分全てが出力側反射面M2によって反射される。したがって、光の利用効率を高めることができ、有効開口率の高い反射型SLM5の利点を活かすことができる。
特に、φ3がゼロ(0)の場合、すなわち、素子反射面5cが仮想基準直線9に対して平行な場合には、図8において、a1=b2、a2=b1となる。従って、a1とa2か、b1とb2かのどちらか片方の組のパラメータを決定すれば、もう片方の組も自動的に決定される。α>βのときはa1とa2を、β>αの場合はb1とb2の方を考慮すればよい。今、β>αとすると、式(1)乃至(8)は、以下の(11)〜(16)のように書き換えることができる。
Figure 0004804358
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入力光学系から入射させる入力ビームの収束角度αと所望の値βとに対し、パラメータφ1、φ2、c、c1,h、a1,a2、b1,b2,Lを数式(11)〜(16)を満足するように選択すれば、出力主光線17が入力主光線11の延長線上にあり(条件1)、入力側反射面M1への入力ビームの全てが入力側反射面M1によって反射され(条件2)、入力側反射面M1で反射されたビームの全てが反射型SLM5に入射し(条件3)、反射型SLM5で変調されたビームのうち必要な成分の全てが出力側反射面M2によって反射される(条件4)ことが確保される。素子反射面5cが仮想基準直線9に対して平行なため、光学系の設計、組立、調整がより容易となる。
なお、図示しない入力側光学系は、例えば、ピンホール(開口)とレンズとを備えることにより、読み出し光(入力光ビーム)が、0〜αの範囲の収束角で、かつ、素子反射面5cの長さcに等しいビーム径cにて反射型SLM5に入射することを確保することができる。この場合、入力辺縁光線13、15は、ピンホールの縁を通過した光線となる。
なお、図示しない入力側光学系が、空間光変調装置1に対し、読み出し光(入力光ビーム)を任意の収束角及び任意のビーム径で入射させる場合を考える。この場合にも、入力側反射面M1,出力側反射面M2,素子反射面5cの位置関係を式(1)〜(8)もしくは式(11)〜(16)を満足するように設定することにより、入力側反射面M1に入射した読み出し光のうち、主光線11に対して0〜αの角度をなす方向に伝搬して反射型SLM5の素子反射面5cに入射する成分の全てが入力側反射面M1によって反射され、入力側反射面M1で反射された読み出し光の全てが反射型SLM5に入射し、反射型SLM5で変調され0〜βの角度で反射型SLM5より出射する読みだし光の所望の成分全てが出力側反射面M2によって反射されることが確保できる。
次に、図13及び図14を参照しながら、上記空間光変調装置1を採用した光学処理装置80について説明する。
図13に示すように、光学処理装置80は、光源81、ピンホール83、コリメートレンズ82、入力面84、フーリエ変換レンズ86、空間光変調装置1、フーリエ変換レンズ88、及び、出力面90を備えている。光学処理装置80は、入力面84に表示される入力画像と反射型SLM5に表示される参照画像との相関を示すパターンを出力する4f光学系(フーリエ変換光学系)である。光源81、ピンホール83、コリメートレンズ82、入力面84が入力光学系Iを構成している。このうち、光源81、ピンホール83、コリメートレンズ82が平行投光光学系Rを構成している。フーリエ変換レンズ88と出力面90とが出力光学系Oを構成している。
空間光変調装置1は、ミラー3、7及び反射型SLM5を有している。反射型SLM5は、例えば、図7を参照して説明したPAL−SLMであり、やはり図7を参照して説明した位相変調モジュール6に内蔵されている。なお、図13では、明瞭化を図るため、反射型SLM5のみを図示している。
光源81、ピンホール83、コリメートレンズ82、入力面84、フーリエ変換レンズ86、フーリエ変換レンズ88、出力面90、ミラー3、及び、ミラー7が、仮想基準直線9上に配置されている。入力面84とフーリエ変換レンズ86との間の距離と、フーリエ変換レンズ86と素子反射面5cとの間のミラー3を介した距離とは、フーリエ変換レンズ86の焦点距離(長さf1)に等しく設定されている。素子反射面5cとフーリエ変換レンズ88との間のミラー7を介した距離と、フーリエ変換レンズ88と出力面90との間の距離とは、フーリエ変換レンズ88の焦点距離(長さf2)に等しく設定されている。光源81は、レーザであって、所定の波長の直線偏光光を読み出し光として出射する。ピンホール83及びコリメートレンズ82は、読み出し光を所定のビーム径の平行光に変換する。したがって、入力面84には所定のビーム径の平行光が投射される。入力面84には、投射された平行光の光強度もしくは位相またはその両方を入力画像に応じて変化させるデバイス(例えば、入力画像を表示したフィルムやマスク等の透過型の物体)が配置されている。入力面84で変調された入力光(入力画像)はフーリエ変換レンズ86でフーリエ変換され、ミラー3を介して反射型SLM5に入射する。このとき、入力光は、収束角度α、かつ、ビーム径cにて、反射型SLM5に入射する。反射型SLM5は、参照画像に基づいて作成されたフィルタパターンを表示しており、反射型SLM5に入射した入力画像を変調し出力する。出力光はミラー7で反射され仮想基準直線9に沿って伝搬し、フーリエ変換レンズ88でフーリエ変換されて出力面90に相関パターンを出力する。
空間光変調装置1では、反射型SLM5は、仮想基準直線9から仮想基準直線9に対して垂直な方向にずれた位置に配置されている。反射型SLM5の素子反射面5cは仮想基準直線9に平行に配置されている。すなわち、反射型SLM5は、φ3=0(図8)となるように、配置されている。ミラー3,7,反射型SLM5は、入力光ビームの収束角度αと所望の最大回折次数nとに対し、式(11)〜(16)、及び、(9)、(10)を満足するように、配置されている。
光学処理装置80によれば、入力光学系Iから出力された入力光の全てがミラー3に入射し、ミラー3で反射した光の成分全てが反射型SLM5に入射し、反射型SLM5で変調された光のうち必要な成分(1〜n次回折光)の全てがミラー7で反射しフーリエ変換レンズ88にてフーリエ変換される。したがって、光の利用効率を高めることができ、有効開口率の高い反射型SLM5の利点を活かすことができる。
また、入力光学系Iと出力光学系Oとが仮想基準直線9上に配置されており、入力光の光軸91と出力光の光軸92とが両方とも仮想基準直線9上に位置している。反射型SLM5は仮想基準直線9から垂直方向にずれた位置にある。また、光源81、ピンホール83、コリメートレンズ82、入力面84、フーリエ変換レンズ86、フーリエ変換レンズ88、及び、出力面90は、全て、仮想基準直線9に対し、仮想基準直線9がこれらを直交して貫通する向きに配置されている。このように、入力光学系Iと出力光学系Oと反射型SLM5とは、単一の仮想基準直線9に対して、平行あるいは垂直な向きに配置されている。反射型SLM5の筐体は一般に直方体であるため、反射型SLM5と入力光学系と出力光学系との整合性が取りやすく、光学処理装置80全体をコンパクトに設計することが容易である。また、光学処理装置80全体を基板上に設ける際にも、単一の仮想基準直線9を基板上に設定すればよいため、機械加工も容易となる。したがって、光学系の設計及び組立が容易となる。
反射型SLM5の素子反射面5cが仮想基準直線9に対して平行になるように配置されているため、仮想基準直線9に平行な線を素子反射面5cの位置の基準として利用することができ、光学系の設計、組立がより容易となっている。また、入力光学系Iと出力光学系Oとは反射型SLM5から分離されているため、入力光学系I及び出力光学系Oの光学調整は仮想基準直線9上で行えばよい。しかも、入力面84、フーリエ変換レンズ86、フーリエ変換レンズ88、及び、出力面90が仮想基準直線9に対し仮想基準直線9がこれらを直交して貫通する向きに配置されているため、仮想基準直線9に対する平行線と垂直線とを光学調整の際に利用することができる。したがって、光学調整も容易となる。
以下、図14を参照して、この光学調整について具体的に説明する。
例えば、反射型SLM5の光軸方向の位置を変化させるために、反射型SLM5を実線で示す位置Iから破線で示す位置IIに移動させるとする。このとき、同時に、ミラー3とミラー7も仮想基準直線9に対して垂直な方向に実線で示す位置から破線で示す位置まで移動させる。反射型SLM5とミラー3、7の位置関係が、移動前(実線)においても移動後(破線)においても式(12)を満たし続ければ、入力光の光軸91と出力光の光軸92とは仮想基準直線9上に位置しつづける。ただし、a1、a2、b1、b2等の長さについては、予め調整用の余裕を考えて長めに設定してあり、移動後においても式(14)乃至(16)の不等式が満足され続けているとする。
移動前の光路A−C−Bが形成する三角形ACBと移動後の光路A’−C’−B’が形成する三角形A’C’B’とは互いに相似である。線分ABの長さを長さL、点Cから線分ABに下ろした垂線が線分ABと交わる点を点Dとし、線分CDの長さを長さhとする。いま、三角形A’C’B’の辺の長さが、三角形ACBよりw倍大きいとする。すなわち、仮想基準直線9と反射型SLM5との距離が移動の前後でw倍大きくなったとする。
移動前のミラー3から反射型SLM5までの光路長はA’A+ACであり、移動後は長さA’C’である。長さA’Aは(w−1)h/tan(2φ1)、長さACはh/sin(2φ1)、長さA’C’はwACである。移動前後の光路長の変化dは、A’C’−(A’A+AC)で計算できるので、d=(w−1)htan(φ1)で表される。また、反射型SLM5およびミラー3、7の仮想基準直線9に対して垂直な方向への移動量をΔhとすると、Δh=(w−1)h=d/tan(φ1)となる。
このように、光路長を調整するために行う反射型SLM5の位置調整は、反射型SLM5とミラー3、7を仮想基準直線9に対して垂直な方向に移動させることによって容易に実現でき、入力光学系I及び出力光学系Oの光学デバイスに関係する光軸91,92を移動させる必要がない。したがって、入力光学系I及び出力光学系Oの光学デバイスの光軸方向における位置調整と、反射型SLM5と2つのミラー3、7の光軸に垂直な方向における位置調整とを、互いに独立に行うことができる。
なお、光学処理装置80でも、φ3はゼロ(0)でなくても良い。すなわち、反射型SLM5の素子反射面5cは仮想基準直線9に対して平行でなくても良い。この場合には、ミラー3、7及び反射型SLM5を数式(11)〜(16)の代わりに、数式(1)〜(8)を満足するように、配置すれば良い。反射型SLM5と仮想基準直線9との成す角度φ3がゼロでなくても、図14を参照して説明したのと同様に、反射型SLM5とミラー3、7を仮想基準直線9に対して垂直な方向に移動させるだけで、光路長を調整することができる。
次に、第2の実施の形態にかかる空間光変調装置30について、図15を参照しながら説明する。
空間光変調装置30は、ミラー3,7の代わりにプリズム32を備えている点を除き、第1の実施の形態にかかる空間光変調装置1と同一である。したがって、空間光変調装置30は、反射型SLM5とプリズム32とを備えている。なお、図15では、空間光変調装置1と同様の機能、構成を有する部材には同一の番号を付している。また、明瞭化を図るため、反射型SLM5のうちミラー層5bのみを図示し変調部5a及びアドレス部5dの図示を省略している。反射型SLM5は、例えば、図7を参照して説明したPAL−SLMであり、位相変調モジュール6(図7)に内蔵されていてもよい。
プリズム32は、断面が三角形状の3角柱である。3角柱を構成する3つの面S1,S2,S3(外表面)のうち2つの面S1,S2に反射率を高めるための処理が施されている。これら2つの面S1,S2が、それぞれ、入力側反射面M1と出力側反射面M2として機能する。プリズム32は、入力側反射面M1と出力側反射面M2とが仮想基準直線9上に位置し、残りの1つの面S3が仮想基準直線9から仮想基準直線9に対して垂直な方向にずれた位置に位置するように、配置されている。
入力側反射面M1は、仮想基準直線9に沿って入射する入力光を、反射型SLM5に反射する。反射型SLM5は、入力側反射面M1で反射された入力光を変調して反射する。出力側反射面M2は、反射型SLM5からの光を反射して、仮想基準直線9に沿って出力する。
入力側反射面M1と出力側反射面M2と素子反射面5cとの配置関係は、入力側反射面M1の端点A2と出力側反射面M2の端点B1とが一致している点を除き、図8を参照して説明した第1の実施の形態における入力側反射面M1と出力側反射面M2と素子反射面5cとの配置関係と同一である。
すなわち、図15に示すように、入力主光線11が入力側反射面M1に入射する点を点A、入力側反射面M1で反射した光の主光線が反射型SLM5に入射する点を点C、反射型SLM5で変調され素子反射面5cにて反射した光の主光線が出力側反射面M2に入射する点を点Bとする。点Aと点Bとを結ぶ直線A−Bは仮想基準直線9上に位置している。入力側反射面M1と仮想基準直線9との成す角度をφ1、出力側反射面M2と仮想基準直線9との成す角度をφ2、素子反射面5cと仮想基準直線9との成す角度をφ3と定義する。なお、φ1及びφ3は、図15において、仮想基準直線9から反時計方向に正の値を採る。φ2は、図15において、仮想基準直線9から時計方向に正の値を採る。φ1、φ2は、0°<φ1<90°、0°<φ2<90°を満足している。また、入力側反射面M1の両端の点A1、点A2に対して、線分A1−A2の長さをa、線分A−A1の長さをa1、線分A―A2の長さをa2とする。出力側反射面M2の両端の点B1、点B2に対して、線分B1―B2の長さをb、線分B―B1の長さをb1、線分B―B2の長さをb2とする。素子反射面5cの2つの端点C1、C2に対して、線分C1―C2の長さ(すなわち、反射型SLM5の有効口径)をc、線分C−C1の長さをc1、線分C−C2の長さをc2とする。さらに、点Cから線分A−Bへの垂線の足を点D、垂線C―Dの長さをh、線分A−Bの長さをLとする。
本実施の形態でも、第1の実施の形態同様、読み出し光(入力光ビーム)は、図示しない入力光学系から、仮想基準直線9に沿って、0からαの範囲の収束角度にて入射してくるとする。また、読み出し光(入力光ビーム)の反射型SLM5に入射する際のビーム径は、素子反射面5cの長さcに等しいとする。反射型SLM5で変調され素子反射面5cにて反射された読み出し光が反射型SLM5から出射する。この読み出し光のうち、所望の成分(すなわち、空間光変調装置30から出力させたい所望の成分)が、0からβの範囲の発散角で、出力光ビームとして出射するとする。本実施の形態でも、入力側反射面M1と出力側反射面M2と素子反射面5cとは、収束角度値αと所望の発散角度値βとに対し、式(1)〜(8)、もしくは、式(11)〜(16)の関係を満足している。例えば、所望の成分が1〜n次回折光である場合には、収束角度αと所望の回折次数nとに対して、式(1)〜(8)、もしくは、式(11)〜(16)、及び、式(9)、(10)の関係を満足している。
したがって、本実施の形態の空間光変調装置30でも、第1の実施の形態の空間光変調装置1同様、入力主光線11と出力主光線17とが共に仮想基準直線9上に位置する。従って、入力光学系や出力光学系と組み合わせて光学系を作成する際、光学系全体の設計、組立、調整が容易となる。さらにφ3=0であれば、光学系全体の設計、組立、調整がよりいっそう容易となる。また、光学系全体をコンパクト化することができる。空間光変調装置30を複数個仮想基準直線9に沿って多段接続することもできる。プリズム32への入射光の全てが入力側反射面M1によって反射され、入力側反射面M1で反射された入射光の全てが読みだし光として反射型SLM5に入射し、さらに反射型SLM5で変調された読みだし光の所望の成分全てがプリズム32の出力側反射面M2によって反射される。したがって、光の利用効率を高めることが可能になり、有効開口率の高い反射型SLM5の利点を活かすことができる。しかも、本実施の形態によれば、入力側反射面M1と出力側反射面M2とが単一のプリズム32に備えられているので、全体の部品点数が少なくなり、構成がさらに単純化されている。
次に、図16を参照しながら、空間光変調装置30を採用した光学処理装置60について説明する。
光学処理装置60は波形成形を行うための装置である。光学処理装置60は、レーザ62、レンズ64、ピンホール66、コリメートレンズ68、空間光変調装置30、フーリエ変換レンズ70、及び、出力面72を有している。レーザ62、レンズ64、ピンホール66、コリメートレンズ68が入力光学系Iを構成している。なお、入力光学系Iは平行投光光学系Rとしても機能する。フーリエ変換レンズ70及び出力面72が出力光学系を構成している。空間光変調装置30は、プリズム32と反射型SLM5とを有している。反射型SLM5は、例えば、図7を参照して説明したPAL−SLMであり、やはり図7を参照して説明した位相変調モジュール6に内蔵されている。但し、図16では、反射型SLM5のみを図示し、位相変調モジュール6の図示を省略している。
レーザ62、レンズ64、ピンホール66、コリメートレンズ68、フーリエ変換レンズ70、及び、出力面72は、プリズム32とともに仮想基準直線9上に配置されている。反射型SLM5は、仮想基準直線9から垂直方向にずれた位置に配置されている。
レーザ62は、所定の波長の直線偏光光を読み出し光として出射する。読み出し光の主光線は仮想基準直線9上を伝搬する。レンズ64、ピンホール66、及び、コリメートレンズ68は読み出し光を所定のビーム径の平行光に変換する。平行光は仮想基準直線9に沿って伝搬しプリズム32の入力側反射面M1に入射する。入力側反射面M1は、入射した平行光を反射型SLM5に向けて反射する。反射型SLM5には、読み出し光が収束角α(=0)、ビーム径cで入射する。反射型SLM5は、位相変調モジュール6(図7)に内蔵されており、図示しない制御部からLCD530(図7)に入力される信号によって、入射した読み出し光に対し所望の位相変調を行う。反射型SLM5は、位相変調した光をプリズム32に向けて反射する。出力側反射面M2で反射された位相変調光の主光線は仮想基準直線9に沿って伝搬する。フーリエ変換レンズ70は位相変調光をフーリエ変換し、波形成形された所望の波形パターンを出力面72に形成する。
空間光変調装置30では、プリズム32及び反射型SLM5は、収束角度αと所望の最大回折次数nとに対し、式(1)〜(8)あるいは式(11)〜(16)、及び、(9)、(10)を満足するように、配置されている。このため、入力光学系Iから出力された入力光の全てがプリズム32の入力側反射面M1に入射し、入力側反射面M1で反射した光の全てが反射型SLM5に入射し、反射型SLM5で変調された光のうち必要な成分(1〜n次回折光)の全てがプリズム32の出力側反射面M2で反射し、フーリエ変換レンズ70にてフーリエ変換される。したがって、光の利用効率を高めることができ、有効開口率の高い反射型SLM5の利点を活かすことができる。
光学処理装置60では、図13を参照して説明した第1の実施の形態における光学処理装置80と同様、入力光学系Iと出力光学系Oとが仮想基準直線9上に配置されており、入力光の光軸と出力光の光軸とが両方とも仮想基準直線9上に位置する。反射型SLM5が仮想基準直線9から垂直方向にずれた位置にある。レーザ62、レンズ64、ピンホール66、コリメートレンズ68、フーリエ変換レンズ70、出力面72が、全て、仮想基準直線9に対し、仮想基準直線9がこれらを直交して貫通する向きに配置されている。このため、光学処理装置80と同様、光学系の設計、組立、調整が容易で、また、光学系全体をコンパクトにすることができる。しかも、空間光変調装置30がプリズム32を採用しているため、全体の部品点数が少なくなり、構成がより単純になっている。
次に、図17を参照しながら、空間光変調装置30を採用した別の光学処理装置100について説明する。
光学処理装置100は、第1の実施の形態の空間光変調装置1の代わりに空間光変調装置30を採用した点を除き、図13を参照して説明した第1の実施の形態の光学処理装置80と略同一である。すなわち、光源81、ピンホール83、コリメートレンズ82、入力面84、及び、フーリエ変換レンズ86が入力光学系Iを構成する。このうち、光源81、ピンホール83、コリメートレンズ82が平行光投光光学系Rを構成する。フーリエ変換レンズ88と出力面90とが出力光学系Oを構成する。入力面84とフーリエ変換レンズ86との間の距離と、フーリエ変換レンズ86と素子反射面5cとの間のプリズム32を介した距離とは、フーリエ変換レンズ86の焦点距離(長さf1)に等しく設定されている。素子反射面5cとフーリエ変換レンズ88との間のプリズム32を介した距離と、フーリエ変換レンズ88と出力面90との間の距離とは、フーリエ変換レンズ88の焦点距離(長さf2)に等しく設定されている。
読み出し光(入力光ビーム)は、フーリエ変換レンズ86でフーリエ変換され、プリズム32で反射されて、収束角αかつビーム径cにて反射型SLM5に入射する。かかる構成の光学処理装置100は、入力面84に表示される入力画像と反射型SLM5に表示される参照画像との相関演算を行う。反射型SLM5は、例えば、図7を参照して説明したPAL−SLMであり、やはり図7を参照して説明した位相変調モジュール6に内蔵されている。但し、図17では、反射型SLM5のみを図示し、位相変調モジュール6の図示を省略している。
空間光変調装置30では、プリズム32及び反射型SLM5は、収束角度αと所望の最大回折次数nとに対し、式(1)〜(8)あるいは式(11)〜(16)、及び、(9)、(10)を満足するように、配置されている。したがって、光学処理装置100によれば、光学処理装置80と同一の効果が得られ、しかも、空間光変調装置30がプリズム32を採用したことにより、全体の部品点数がより少なくなり構成がより単純化されている。
次に、図18を参照しながら、2つの空間光変調装置30を仮想基準直線9に沿ってカスケード状に2段接続した光学処理装置200について説明する。
光学処理装置200は、図17を参照して説明した光学処理装置100同様、フーリエ変換レンズ86とフーリエ変換レンズ88との間に、空間光変調装置30(以下、第2の空間光変調装置30−2という)を備えている。光学処理装置200は、さらに、コリメートレンズ82とフーリエ変換レンズ86との間に、入力面84の代わりに、もう一つの空間光変調装置30(以下、第1の空間光変調装置30−1という)を備えている。第1の空間光変調装置30−1と第2の空間光変調装置30−2とは、共に、図15を参照して説明した空間光変調装置30と同一の構成を備えている。すなわち、第1の空間光変調装置30−1は、反射型SLM5(以下、第1の反射型SLM5−1という)とプリズム32(以下、第1のプリズム32−1という)とを備えている。反射型SLM5−1は仮想基準直線9から仮想基準直線9に対して垂直な方向にずれている。プリズム32−1の入力側反射面M1と出力側反射面M2とは仮想基準直線9上に配置されている。第2の空間光変調装置30−2は、反射型SLM5(以下、第2の反射型SLM5−2という)とプリズム32(以下、第2のプリズム32−2という)とを備えている。反射型SLM5−2は仮想基準直線9から仮想基準直線9に対して垂直な方向にずれており、プリズム32−2の入力側反射面M1と出力側反射面M2とは仮想基準直線9上に配置されている。
光源81、ピンホール83、コリメートレンズ82、及び、第1の空間光変調装置30−1の反射型SLM5−1の素子反射面5cが入力光学系Iを構成している。このうち、光源81、ピンホール83、及び、コリメートレンズ82が平行投光光学系Rを構成している。フーリエ変換レンズ88と出力面90とが出力光学系Oを構成している。反射型SLM5−1の素子反射面5cとフーリエ変換レンズ86との間のプリズム32−1を介した距離と、フーリエ変換レンズ86と反射型SLM5−2の素子反射面5cとの間のプリズム32−2を介した距離とは、フーリエ変換レンズ86の焦点距離(長さf1)に等しく設定されている。反射型SLM5−2の素子反射面5cとフーリエ変換レンズ88との間のプリズム32−2を介した距離と、フーリエ変換レンズ88と出力面90との間の距離とは、フーリエ変換レンズ88の焦点距離(長さf2)に等しく設定されている。反射型SLM5−1,5−2は、共に、例えば、図7を参照して説明したPAL−SLMであり、それぞれ、やはり図7を参照して説明した位相変調モジュール6に内蔵されている。なお、図18でも、明瞭化を図るため、反射型SLM5−1,5−2のみを図示し、位相変調モジュール6の図示を省略している。反射型SLM5−1は入力画像から作成したパターンを表示し、コリメートレンズ82からの平行光を位相変調して入力画像を出力する。反射型SLM5−2は参照画像に基づいて作成されたフィルタパターンを表示する。かかる構成の光学処理装置200は、光学処理装置100同様、入力画像と参照画像との相関演算を行う。
読み出し光は、コリメートレンズ82でコリメートされ、プリズム32−1で反射されて、ビーム径c、収束角α(=0)にて反射型SLM5−1に入射する。プリズム32−1及び反射型SLM5−1は、収束角α(=0)と所望の最大回折次数nとに対し、式(1)〜(8)あるいは式(11)〜(16)、及び、(9)、(10)を満足するように、配置されている。
また、反射型SLM5−1から出射した1〜n次回折光は、フーリエ変換レンズ86でフーリエ変換され、プリズム32−2で反射されて、ビーム径c、収束角αにて反射型SLM5−2に入射する。プリズム32−2及び反射型SLM5−2は、収束角αと所望の最大回折次数nとに対し、式(1)〜(8)あるいは式(11)〜(16)、及び、(9)、(10)を満足するように、配置されている。
したがって、光学処理装置200は、光学処理装置100と同一の効果を達成する他、第1の空間光変調装置30−1にて任意の入力画像を容易に生成することができる。2個の空間光変調装置30を多段で接続しても、コリメートレンズ82,フーリエ変換レンズ86,フーリエ変換レンズ88に関係する光軸が全て一直線の仮想基準直線9上に延びているため、光学系の設計、組立、調整が容易である。
次に、図19を参照しながら、空間光変調装置30を採用した別の光学処理装置300について説明する。
光学処理装置300は、入力波面の歪みを補償して、均一な波面もしくは所望の位相分布を持つ波面を形成する波面補償光学系の一例である。光学処理装置300は、光計測光学系やレーザー加工光学系、光マニュピレーションなどで用いられるビーム制御光学系などと組み合わされ、それらの収差を除去するために用いられる。
光学処理装置300は、光源81、ピンホール83、コリメートレンズ82、入力面302、レンズ304とレンズ306とからなるリレーレンズ系、空間光変調装置30、レンズ308とレンズ310とからなるリレーレンズ系、ビームサンプラー312、波面センサ314、制御装置316、及び、出力面318を有している。空間光変調装置30は、反射型SLM5およびプリズム32を有している。この例では、反射型SLM5は、図7を参照して説明したPAL−SLMであり、やはり図7を参照して説明した位相変調モジュール6に内蔵されている。なお、図19でも、明瞭化を図るため、位相変調モジュール6の内部の構成要素のうち反射型SLM5のみ図示し他の構成要素の図示は省略している。
光源81、ピンホール83、コリメートレンズ82、入力面302、レンズ304、及び、レンズ306は、入力光学系Iを構成している。このうち、光源81、ピンホール83、及び、コリメートレンズ82は平行光投光学系Rを構成している。レンズ308、レンズ310、ビームサンプラー312、及び、出力面318は、出力光学系Oを構成している。光源81、ピンホール83、コリメートレンズ82、入力面302、レンズ304、レンズ306、プリズム32、レンズ308、310、ビームサンプラー312、及び、出力面318は、仮想基準直線9上に配置されている。なお、ビームサンプラー312は、仮想基準直線9に対して斜め45度の向きに配置されたハーフミラーからなる。反射型SLM5及び制御装置316は、仮想基準直線9から仮想基準直線9に対して垂直な方向にずれた位置に設けられている。入力面302、出力面318、反射型SLM5、及び、波面センサ314は、レンズ304,306,308,310によって結像関係に保たれている。なお、この例では、レンズ304とレンズ306とからなるリレーレンズ系、及び、レンズ308とレンズ310とからなるリレーレンズ系は、像をそのままの大きさで伝達する。
光源81はレーザであって所定の波長の直線偏光光(読み出し光)を出射し、ピンホール83及びコリメートレンズ82は、読み出し光を所定のビーム径の略平行光に変換する。この略平行光が、図示しない、計測対象物体、大気など、波面を歪ませる要因となる光学媒質を経て、入力面302に入射する。入力面302に入射した光ビームは、光学媒質による歪みを有している。この光ビームは、レンズ304とレンズ306とを透過して、プリズム32によって反射されて、反射型SLM5に結像する。反射型SLM5で位相変調され反射された光は、プリズム32にて反射され、レンズ308、レンズ310を透過して出力面318上に結像する。ここで、レンズ310を透過した光の一部は、レンズ310の後方に配置されたビームサンプラー312によってサンプルされ、波面センサ314に入射する。波面センサ314は、入射したビーム波面の歪みを計測し、制御装置316を介して、位相変調モジュール6内のLCD530(図7)にその歪みを補正する信号をフィードバックし、波面補償を行う。出力面318の後には、図示しない集光光学系が配置されており、センサもしくは加工対象物、もしくはマニュピレーション対象物などに光を照射する。
空間光変調装置30では、プリズム32及び反射型SLM5は、式(1)〜(8)あるいは式(11)〜(16)、及び、式(9)、(10)を満足するように、配置されている。ここで、これらの式中、αは反射型SLM5で補償可能な最大歪み量より大きな値に設定されている。また、βは許容残差より大きな値に設定されている。
したがって、入力光学系Iから出力された入力光のうちSLM5で補償可能な成分の全てがプリズム32の入力側反射面M1に入射し、入力側反射面M1で反射した光の全てが反射型SLM5に入射して反射型SLM5で変調(補償)され、反射型SLM5で変調された光のうち許容できる成分の全てがプリズム32の出力側反射面M2で反射し出力光学系Oに導かれる。したがって、光の利用効率を高めることができ、有効開口率の高い反射型SLM5の利点を活かすことができる。
また、ビームサンプラー312にて光路を垂直に折り曲げることができるため、光学系の設計が簡単になる。さらに、光路が斜めではなく、仮想基準直線9に対して平行あるいは垂直な方向に伸びているため、一般に直方体である位相変調モジュール6の筐体や波面センサ314の筐体との整合性が取りやすく、光学処理装置300全体をコンパクト化することが容易である。しかも、プリズム32を利用しているため、全体の部品点数が少なくなり構成がよりコンパクト化できる。
また、入力面302から出力面318までの光路が仮想基準直線9上に配置されており、この光路上に空間光変調装置30が挿入されている。このため、既述の光学処理装置60,100,200と同様に光学調整が容易となる。なお、光学調整を行う際には、空間光変調装置30以外の光学部品を光学調整した後、空間光変調装置30を挿入し調整すればよい。
なお、光学処理装置300は、空間光変調装置30を備え波面補償を実現するのであれば、図19を参照して説明した構成でなくてもよい。例えば、光源81としては、レーザーでもよいが、空間コヒーレンスが高く点光源とみなせれば、レーザーでなくてもよい。また、ビームサンプラー312は、レンズ310の後方に配置しなくても良い。ビームサンプラー312は、出力側反射面M2の後側で、かつ、出力面318の前側の任意の位置に配置することができる。また、反射型SLM5と波面センサ314との間に、レンズ308とレンズ310とからなるリレーレンズ系の代わりに、像の拡大機能を有する拡大リレーレンズ系や、像の縮小機能を有する縮小リレーレンズ系、波長毎に光を分離する機能を有するダイクロイックミラー等、任意の機能を有する機能光学系を挿入しても良い。また、反射型SLM5と波面センサ314とは、結像関係に無くても良い。
次に、第3の実施の形態にかかる空間光変調装置40について、図20を参照しながら説明する。
空間光変調装置40は、プリズム32の代わりにプリズム42を採用した点を除き、第2の実施の形態にかかる空間光変調装置30と同一である。したがって、空間光変調装置40は、反射型SLM5とプリズム42とを備えている。なお、図20では、第2の実施の形態にかかる空間光変調装置30と同様の機能、構成を有する部材には同一の番号を付している。また、明瞭化を図るため、反射型SLM5のうちミラー層5bのみを図示し変調部5a及びアドレス部5dの図示を省略している。反射型SLM5は、例えば、図7を参照して説明したPAL−SLMであり、位相変調モジュール6(図7)に内蔵されていてもよい。
プリズム42は、断面が台形状の4角柱である。より詳しくは、プリズム42は、プリズム32の三角形断面の頂点部分を切り落として形成した台形断面を持つ。4角柱を構成する4つの面S1,S2,S3,S4(外表面)のうち台形断面の斜辺に対応する2つの斜面S1,S2に反射率を高めるための処理が施されている。このため、S1、S2は入力側反射面M1と出力側反射面M2として機能する。プリズム42は、入力側反射面M1と出力側反射面M2とが仮想基準直線9上に位置し、台形断面の下底及び上底に対応する残りの2つの面(底面S3,上面S4)が仮想基準直線9を挟むように、配置されている。
入力側反射面M1は、仮想基準直線9に沿って入射する入力光を、反射型SLM5へ反射する。反射型SLM5は、入力側反射面M1で反射した入力光を変調して反射する。出力側反射面M2は、反射型SLM5からの光を反射して、仮想基準直線9に沿って出力する。
本実施の形態でも、第2の実施の形態同様、読み出し光(入力光ビーム)は、図示しない入力光学系から、仮想基準直線9に沿って、0からαの範囲の収束角度にて入射してくるとする。また、読み出し光(入力光ビーム)の反射型SLM5に入射する際のビーム径は、素子反射面5cの長さcに等しいとする。反射型SLM5で変調され素子反射面5cにて反射された読み出し光が反射型SLM5から出射する。この読み出し光のうち、所望の成分(すなわち、空間光変調装置40から出力させたい所望の成分)が、0からβの範囲の発散角で、出力光ビームとして出射するとする。ここで、入力側反射面M1と出力側反射面M2と素子反射面5cとの配置関係は、入力側反射面M1の端点A2と出力側反射面M2の端点B1とが離間している点を除き、第2の実施の形態のプリズム32と同一である。すなわち、入力側反射面M1と出力側反射面M2と素子反射面5cとは、収束角度値αと所望の値βとに対し、式(1)〜(8)、もしくは、式(11)〜(16)の関係を満足している。例えば、1〜n次回折光を出力したい場合には、収束角度値αと所望の回折次数nとに対して、式(1)〜(8)、もしくは、式(11)〜(16)、及び、式(9)、(10)の関係を満足している。
したがって、本実施の形態の空間光変調装置40は、第2の実施の形態の空間光変調装置30や第1の実施の形態の空間光変調装置1と同様の効果を奏する。したがって、図16−19を参照して説明した光学処理装置60,100,200,300において、空間光変調装置30の代わりに空間光変調装置40を設けてもよい。また、図13を参照して説明した光学処理装置80において、空間光変調装置1の代わりに空間光変調装置40を設けてもよい。
なお、入力側反射面M1と出力側反射面M2と素子反射面5cとが式(11)〜(16)の関係を満足している場合には、素子反射面5cとプリズム42の面S3、S4とは、仮想基準直線9に平行に配置される。この場合には、空間光変調装置40は、上述した入力側反射面M1と出力側反射面M2とを介した斜め読み出しの他、垂直読み出しをも行うことができる。すなわち、矢印Vに示すように、光を、プリズム42の底面S3に対して垂直に入射させる。すると、光はプリズム42内を透過し上面S4から垂直に出射し反射型SLM5に垂直に入射する。反射型SLM5で変調され反射された光はプリズム42の上面S4に再び垂直に入射しプリズム42内を再び透過し底面S3から垂直に出射する。このとき、入射光及び出射光はプリズム42の底面S3及び上面S4に対して垂直に進むため、プリズム42の底面S3及び上面S4にて反射されることなく効率よくプリズム42を透過する。
次に、第4の実施の形態にかかる空間光変調装置50、及び、空間光変調装置50に使用されるカップリングプリズム52について、図21を参照しながら説明する。
空間光変調装置50は、プリズム32の代わりにカップリングプリズム52を採用した点、及び、カップリングプリズム52を反射型SLM5に接合した点を除き、図15を参照して説明した第2の実施の形態にかかる空間光変調装置30と同一である。したがって、空間光変調装置50は、反射型SLM5と反射型SLM5に接合されたカップリングプリズム52とを備えている。図21においては、第2の実施の形態にかかる空間光変調装置30と同様の機能、構成を有する部材には同一の番号を付している。反射型SLM5は、例えば、図7を参照して説明したPAL−SLMであり、位相変調モジュール6(図7)に内蔵されていてもよい。
カップリングプリズム52は5角柱形状のプリズムである。カップリングプリズム52は、5つの面54、55,56,57,58を備えている。面54は面58に対向している。面54と面58とは互いに平行に延びている。面56は面55と面57とに対向している。面54と面56とのなす角度(内角)は90゜である。面56と面58とのなす角度(内角)も90゜である。面54と面55とのなす角度(内角)は90゜−φ1である。面57と面58とのなす角度(内角)は90゜−φ2である。面55と面57とのなす角度(内角)は180゜+(φ1+φ2)である。ここで、φ1及びφ2は、0°<(90゜−φ1)<90°、0°<(90゜−φ2)<90°、及び、180°<{180゜+(φ1+φ2)}<360°を満足している。面56は反射型SLM5の変調部5aの外側表面と接合されている。例えば、反射型SLM5が図7を参照して説明したPAL−SLMである場合には、面56は反射型SLM5の透明基板502に接合されている。素子反射面5cは、面56に対して平行に延びている。
カップリングプリズム52は、仮想基準直線9に対して図21に示す向きに配置されている。すなわち、仮想基準直線9が面54と面58とを貫通している。面54と面58とは仮想基準直線9に対して垂直に伸びている。面56は仮想基準直線9から仮想基準直線9に対して垂直な方向にずれた位置において仮想基準直線9に対して平行に延びている。したがって、素子反射面5cも、仮想基準直線9から仮想基準直線9に対して垂直な方向にずれた位置において仮想基準直線9に対して平行に延びている。面55は仮想基準直線9に対して斜めに延びている。面57も仮想基準直線9に対して斜めに延びている。すなわち、面55は仮想基準直線9に対して角度φ1をなす方向に延びている。面57は仮想基準直線9に対して角度φ2をなす方向に延びている。なお、φ1は、図21において、仮想基準直線9から反時計方向に正の値を採る。また、φ2は、図21において、仮想基準直線9から時計方向に正の値を採る。φ1、φ2は、0°<φ1<90°、0°<φ2<90°を満足している。なお、本実施の形態では、角度φ1と角度φ2とは、カップリングプリズム52を構成する材料の屈折率mに対して全反射の条件を満たす値となっている。
面54は入力側透過面P1として機能し、面56は接合透過面P2として機能し、面58は出力側透過面P3として機能する。面55の内側表面は入力側反射面M1として機能し、面57の内側表面は出力側反射面M2として機能する。
すなわち、仮想基準直線9に沿って伝搬してきた読み出し光は、入力側透過面P1を透過してカップリングプリズム52内部に導かれる。読み出し光は、カップリングプリズム52内部を伝搬して入力側反射面M1にて全反射され、カップリングプリズム52内部をさらに伝搬して、接合透過面P2を透過して反射型SLM5に到達する。変調部5aで変調され素子反射面5cにて反射された読み出し光は接合透過面P2を再び透過して、カップリングプリズム52内部へ導かれる。読み出し光は、カップリングプリズム52内部を伝搬して出力側反射面M2にて全反射され、カップリングプリズム52内部をさらに伝搬して、出力側透過面P3を透過してカップリングプリズム52から出力され、仮想基準直線9に沿って伝搬する。
本実施の形態でも、図15を参照して説明した第2の実施の形態のプリズム32と同様、入力側反射面M1の端点A2と出力側反射面M2の端点B1とが一致している。すなわち、入力側反射面M1と出力側反射面M2と素子反射面5cとの配置関係は、入力側反射面M1の端点A2と出力側反射面M2の端点B1とが一致している点を除き、図8を参照して説明した第1の実施の形態における入力側反射面M1と出力側反射面M2と素子反射面5cとの配置関係と同一である。
すなわち、図21に示すように、入力主光線11が入力側反射面M1に入射する点を点A、入力側反射面M1で反射した光の主光線が反射型SLM5に入射する点を点C、反射型SLM5で変調され素子反射面5cにて反射した光の主光線が出力側反射面M2に入射する点を点Bとする。点Aと点Bとを結ぶ直線A−Bは仮想基準直線9上に位置している。入力側反射面M1と仮想基準直線9との成す角度はφ1(0<φ1<90°)、出力側反射面M2と仮想基準直線9との成す角度はφ2(0<φ2<90°)である。素子反射面5cは仮想基準直線9に対して角度φ3をなす方向に延びている。なお、φ3は、図21において、仮想基準直線9から反時計方向に正の値を採る。この例では、φ3は、φ3=0を満足している。また、入力側反射面M1の両端の点A1、点A2に対して、線分A1−A2の長さをa、線分A−A1の長さをa1、線分A―A2の長さをa2とする。出力側反射面M2の両端の点B1、点B2に対して、線分B1―B2の長さをb、線分B―B1の長さをb1、線分B―B2の長さをb2とする。素子反射面5cの2つの端点C1、C2に対して、線分C1―C2の長さ(すなわち、反射型SLM5の有効口径)をc、線分C−C1の長さをc1、線分C−C2の長さをc2とする。さらに、点Cから線分A−Bへの垂線の足を点D、垂線C―Dの長さをh、線分A−Bの長さをLとする。
本実施の形態でも、第2、第3の実施の形態同様、読み出し光(入力光ビーム)は、図示しない入力光学系から、仮想基準直線9に沿って、0からαの範囲の収束角度にて入射してくるとする。また、読み出し光(入力光ビーム)の反射型SLM5に入射する際のビーム径は、素子反射面5cの長さcに等しいとする。また、反射型SLM5で変調され素子反射面5cにて反射された読み出し光が反射型SLM5から出射する。この読み出し光のうち、所望の成分(すなわち、空間光変調装置50から出力させたい所望の成分)が、0度から角度βの範囲の発散角で、出力光ビームとして出射するとする。
本実施の形態においては、入力側反射面M1と出力側反射面M2と素子反射面5cとは、収束角度値αと所望の発散角度値βとに対し、式(11)〜(16)においてαをα/mに置き換えβをβ/mに置き換えλをλ/mに置き換えた式(11´)〜(16´)(ただし、mは、カップリングプリズム52の屈折率である)を満足している。
即ち、
Figure 0004804358
Figure 0004804358
Figure 0004804358
Figure 0004804358
Figure 0004804358
Figure 0004804358
を満足している。
例えば、所望の成分が1〜n次回折光である場合には、入力側反射面M1、出力側反射面M2、素子反射面5cは収束角度値αと所望の回折次数nとに対して、式(11´)〜(16´)、及び、式(9´)、(10´)とを満足している。ここで式(9´)、(10´)は、
Figure 0004804358
Figure 0004804358
となる。
したがって、本実施の形態の空間光変調装置50でも、入力主光線11と出力主光線17とが共に仮想基準直線9上に位置し、プリズム52への入射光の全てが入力側反射面M1によって反射され、入力側反射面M1で反射された入射光の全てが読みだし光として反射型SLM5に入射し、さらに反射型SLM5で変調された読みだし光の所望の成分全てがプリズム52の出力側反射面M2によって反射される。したがって、空間光変調装置50によれば、第2の実施の形態の空間光変調装置30や第1の実施の形態の空間光変調装置1と同様の効果が得られる。したがって、図16−19を参照して説明した光学処理装置60,100,200,300において、空間光変調装置30の代わりに空間光変調装置50を設けてもよい。また、図13を参照して説明した光学処理装置80において、空間光変調装置1の代わりに空間光変調装置50を設けてもよい。
さらに、入力側反射面M1と出力側反射面M2とは全反射を行う所定の角度に備えられているので、入力側反射面M1と出力側反射面M2には反射率を向上させるための処理を施す必要がない。入力側透過面P1及び出力側透過面P3は仮想基準直線9と直交しているので、カップリングプリズム52内に迷光が発生しない。
また、空間光変調装置50によれば、光路長の調整を行う際には、仮想基準直線9に垂直な方向にカップリングプリズム52と反射型SLM5とを一体的に移動させればよく、光学調整が極めて容易である。このとき、入力側透過面P1、入力側反射面M1、出力側反射面M2、出力側透過面P3は、移動後にも必要な成分が全て透過または反射するように予め大きく作っておけば良い。
なお、入力側反射面M1と仮想基準直線9とのなす角度φ1、及び、出力側反射面M2と仮想基準直線9とのなす角度φ2は、全反射の条件を満たす値となっていなくても良い。その場合には、入力側反射面M1(面55の内側表面)と出力側反射面M2(面57の内側表面)とに対し、反射率を高めるための処理を施せば良い。
なお、上記説明では、面56及び素子反射面5cは仮想基準直線9に対して平行に延びていた。すなわち、φ3=0であった。しかしながら、面56及び素子反射面5cは仮想基準直線9に対して斜めに延びていても良い。すなわち、φ3はゼロ(0)でなくても良い。この場合には、入力側反射面M1と出力側反射面M2と素子反射面5cとは、収束角度値αと所望の値βとに対し、式(1)〜(8)においてαをα/mに置き換えβをβ/mに置き換えλをλ/mに置き換えた式を満足していれば良い。
即ち、以下の式(1´)〜(8´)を満足していれば良い。
Figure 0004804358
Figure 0004804358
Figure 0004804358
Figure 0004804358
Figure 0004804358
Figure 0004804358
Figure 0004804358
Figure 0004804358
を満足していればよい。
例えば、所望の成分が1〜n次回折光である場合には、入力側反射面M1、出力側反射面M2、素子反射面5cは、収束角度値値αと所望の回折次数nとに対して、式(1´)〜(8´)、及び、式(9´)、(10´)を満足していれば良い。
以上、添付図面を参照しながら本発明による空間光変調装置、光学処理装置、カップリングプリズム、及び、カップリングプリズムの使用方法の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述した実施の形態に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変形や改良が可能である。
例えば、上記各空間光変調装置1、30、40、50のいずれをも、上記各光学処理装置60、80、100,200,300に適用することができる。各空間光変調装置1、30、40、50を任意の入力光学系及び任意の出力光学系と組み合わせれば、任意の情報を含んだ任意の光に対し任意の処理を行うことができる。
上記実施の形態の反射型SLM5は、PAL−SLMでなくても良い。反射型SLM5は、任意の反射型空間光変調素子で構成することができる。具体的には、反射型SLM5は、液晶型でも良く、非液晶型でも良い。反射型SLM5は、光アドレス型でもよく、電気アドレス型でも良い。反射型SLM5は、読み出し光の位相を変調する位相変調型でも良く、読み出し光の強度を変調する強度変調型でも良く、あるいは、読み出し光の位相と強度の両方を変調する複素振幅変調型であっても良い。
例えば、反射型SLM5がLCoS(Liquid Crystal on Silicon)型である場合には、画素と画素の間に不動作領域(ギャップ)がある。このため、この構造に由来する不要な回折光が発生する。かかる場合には、数式(9)を満たすδの値として、式(10)を満足する値を設定する代わりに、不要な回折光の最大発散角の値を設定すればよい。そして、δとαとに対し、パラメータφ1、φ2、c、c1,h、a1,a2、b1,b2,Lを、数式(1)〜(8)もしくは数式(11)〜(16)と数式(9)(または、数式(1’)〜(8’)もしくは、数式(11’)〜(16’)と数式(9’))とを満足し、かつ、数式(4)〜(7)もしくは数式(14)〜(16)(または、数式(4’)〜(7’)もしくは数式(14’)〜(16’))において等号が成立するように選択すれば、入力光を有効に反射型SLM5に照射し必要な回折光を有効に空間光変調装置1、30,40,50から出力させつつ、不要な回折光を空間光変調装置1、30,40,50から出力させないようにすることができる。
例えば、反射型SLM5が、非線形光学結晶を用いた反射型空間光変調素子からなる場合には、変調部5aは非線形光学結晶を備える。
また、反射型SLM5が可変鏡からなる場合には、ミラー層5bは、素子反射面5cの形状を変化させることにより、読み出し光を反射しつつこれを変調する。このように、可変鏡では、ミラー層5b自体が変調部5aを兼ねる。このため、反射型SLM5が可変鏡からなる場合には、図22に示すように、反射型SLM5の素子反射面5cが外部に露出し、入力側反射面M1及び出力側反射面M2に対向する。
本発明による空間光変調装置、光学処理装置、及び、カップリングプリズムの使用方法は、波面補償システム、パターン形成システム、ホログラフィシステム、3D表示ディスプレイシステム、光情報処理システム等、様々な光処理システムに広く利用できる。

Claims (4)

  1. 仮想基準直線から前記仮想基準直線に対して垂直な方向にずれた位置に設けられた反射型空間光変調素子と、
    前記仮想基準直線上に設けられ、前記仮想基準直線に沿って入射してくる入射光を反射して前記反射型空間光変調素子に読みだし光として斜めに入射させるための入力側反射面と、
    前記仮想基準直線上に設けられ、前記反射型空間光変調素子で変調され斜めに反射された読みだし光を反射して出射光として前記仮想基準直線に沿って出力するための出力側反射面と、
    を備え、
    前記反射型空間光変調素子が、前記入力側反射面からの読みだし光を反射するための素子反射面を備え、
    前記入力側反射面と前記出力側反射面とが、前記仮想基準直線に沿って距離Lだけ離間し、前記素子反射面が前記仮想基準直線から前記仮想基準直線に対して垂直な方向に距離hだけ離間し、前記入力側反射面、前記出力側反射面、及び、前記素子反射面とが、前記仮想基準直線が延びる方向に対して、それぞれ、角度φ1、φ2、φ3だけ傾いており、
    前記素子反射面が大きさcを備え、
    前記入力側反射面が前記仮想基準直線に対して前記反射型空間光変調素子から遠い側の大きさa1と、前記反射型空間光変調素子に近い側の大きさa2とを有し、
    前記出力側反射面が前記仮想基準直線に対して前記反射型空間光変調素子から近い側の大きさb1と、前記反射型空間光変調素子に遠い側の大きさb2とを有し、
    前記素子反射面が前記入力側反射面で反射された前記入射光の光軸に対して前記入力側反射面に近い側の大きさc1を有し、
    前記反射型空間光変調素子が、0〜αの範囲の収束角で入射する読みだし光を変調して、その所定の成分を0〜βの範囲の発散角で出射し、
    前記反射型空間光変調素子へ入射する読み出し光が収束光の場合にはαは正の値をとり発散光の場合にはαは負の値をとり、前記反射型空間光変調素子から出射する読み出し光の前記所定の成分が発散光の場合にはβは正の値をとり収束光の場合にはβは負の値をとり、
    前記距離L、h、及び、前記角度φ1、φ2、φ3とが以下の式(1)及び(2)を満足し、
    前記大きさc、c1、a1、a2、b1、及び、b2が、α及びβに対して、以下の式(3)〜(8)を満足し、
    前記所定の成分とは1以上n(nは0より大きい自然数)以下の回折次数の回折成分であり、α及びβが、前記入射光の波長λ、及び、前記反射型空間光変調素子に表示可能な最小の格子パターンの格子定数dに対して、以下の式(9)及び(10)を満足することを特徴とする空間光変調装置。
    Figure 0004804358
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  2. 仮想基準直線から前記仮想基準直線に対して垂直な方向にずれた位置に設けられた反射型空間光変調素子と、
    前記仮想基準直線上に設けられ、前記仮想基準直線に沿って入射してくる入射光を反射して前記反射型空間光変調素子に読みだし光として斜めに入射させるための入力側反射面と、
    前記仮想基準直線上に設けられ、前記反射型空間光変調素子で変調され斜めに反射された読みだし光を反射して出射光として前記仮想基準直線に沿って出力するための出力側反射面と、
    を備え、
    前記反射型空間光変調素子が、前記入力側反射面からの読みだし光を反射するための素子反射面を備え、
    前記入力側反射面と前記出力側反射面とが、前記仮想基準直線に沿って距離Lだけ離間し、前記素子反射面が前記仮想基準直線から前記仮想基準直線に対して垂直な方向に距離hだけ離間し、前記入力側反射面、前記出力側反射面、及び、前記素子反射面とが、前記仮想基準直線が延びる方向に対して、それぞれ、角度φ1、φ2、φ3だけ傾いており、
    単一のカップリングプリズムが、入力側透過面と、第1の反射面と、接合透過面と、第2の反射面と、出力側透過面と、を備え、
    前記入力側透過面は、前記仮想基準直線上に設けられ、前記仮想基準直線に沿って入射してくる入射光を透過させて前記入射光を前記仮想基準直線に沿って内部に導き、
    前記第1の反射面は、前記仮想基準直線上に設けられ、前記入力側透過面から前記仮想基準直線に沿って内部を伝搬してくる入射光を反射する入力側反射面であり、
    前記接合透過面は、前記仮想基準直線から前記仮想基準直線に対して垂直な方向にずれた位置に設けられ、前記反射型空間光変調素子に接合され、前記第1の反射面で反射され内部を伝搬してくる入射光を透過して前記反射型空間光変調素子に対し読みだし光として斜めに入射させ、かつ、前記反射型空間光変調素子で変調され斜めに反射された読みだし光を透過して内部を伝搬させ、
    前記第2の反射面は、前記仮想基準直線上に設けられ、前記接合透過面から内部を伝搬してくる読みだし光を反射して出射光として前記仮想基準直線に沿って内部を伝搬させる出力側反射面であり、
    前記出力側透過面は、前記仮想基準直線上に設けられ、前記第2の反射面から前記仮想基準直線に沿って内部を伝搬してくる出射光を前記仮想基準直線に沿って外部へ出力し、
    前記カップリングプリズムの屈折率はmであり、
    前記素子反射面が大きさcを備え、
    前記入力側反射面が前記仮想基準直線に対して前記反射型空間光変調素子から遠い側の大きさa1と、前記反射型空間光変調素子に近い側の大きさa2とを有し、
    前記出力側反射面が前記仮想基準直線に対して前記反射型空間光変調素子から近い側の大きさb1と、前記反射型空間光変調素子に遠い側の大きさb2とを有し、
    前記素子反射面が前記入力側反射面で反射された前記入射光の光軸に対して前記入力側反射面に近い側の大きさc1を有し、
    前記反射型空間光変調素子が、0〜αの範囲の収束角で入射する読みだし光を変調して、その所定の成分を0〜βの範囲の発散角で出射し、
    前記反射型空間光変調素子へ入射する読み出し光が収束光の場合にはαは正の値をとり発散光の場合にはαは負の値をとり、前記反射型空間光変調素子から出射する読み出し光の前記所定の成分が発散光の場合にはβは正の値をとり収束光の場合にはβは負の値をとり、
    前記距離L、h、及び、前記角度φ1、φ2、φ3とが以下の式(1)及び(2)を満足し、
    前記大きさc、c1、a1、a2、b1、b2とが、α及びβに対し、以下の式(3´)〜(8´)を満足し、
    前記所定の成分とは1以上n(nは0より大きい自然数)以下の回折次数の回折成分であり、α及びβが、前記入射光の波長λ、及び、前記反射型空間光変調素子に表示可能な最小の格子パターンの格子定数dに対して、以下の式(9´)及び(10´)を満足することを特徴とする空間光変調装置。
    Figure 0004804358
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  3. 空間光変調装置と、
    前記仮想基準直線上に設けられ、入射光を前記仮想基準直線に沿って前記空間光変調装置に入力させる入力光学系と、
    前記仮想基準直線上に設けられ、前記空間光変調装置から仮想基準直線に沿って出力された出射光を処理するための出力光学系とを備え、
    前記空間光変調装置は、
    前記仮想基準直線から前記仮想基準直線に対して垂直な方向にずれた位置に設けられた反射型空間光変調素子と、
    前記仮想基準直線上に設けられ、前記仮想基準直線に沿って前記入力光学系から入射してくる入射光を反射して前記反射型空間光変調素子に読みだし光として斜めに入射させるための入力側反射面と、
    前記仮想基準直線上に設けられ、前記反射型空間光変調素子で変調され斜めに反射された読みだし光を反射して出射光として前記仮想基準直線に沿って出力するための出力側反射面と、
    を備え、
    前記反射型空間光変調素子が、前記入力側反射面からの読みだし光を反射するための素子反射面を備え、
    前記入力側反射面と前記出力側反射面とが、前記仮想基準直線に沿って距離Lだけ離間し、前記素子反射面が前記仮想基準直線から前記仮想基準直線に対して垂直な方向に距離hだけ離間し、前記入力側反射面、前記出力側反射面、及び、前記素子反射面とが、前記仮想基準直線が延びる方向に対して、それぞれ、角度φ1、φ2、φ3だけ傾いており、
    前記距離L、h、及び、前記角度φ1、φ2、φ3とが以下の式(1)及び(2)を満足し、
    前記入力光学系は、入力画像をフーリエ変換する第1のレンズを有し、
    前記反射型空間光変調素子は、参照画像に基づくフィルターパターンにて前記入力画像のフーリエ変換画像を位相変調し、
    前記出力光学系は、前記空間光変調装置からの出力光をフーリエ変換する第2のレンズを有し、前記入力画像と前記参照画像との相関を示す画像を出力し、
    前記入力画像を作成する入力画像作成手段をさらに備え、
    前記入力画像作成手段は、別の空間光変調装置からなり、
    前記別の空間光変調装置は、
    前記仮想基準直線から前記仮想基準直線に対して垂直な方向にずれた位置に設けられた反射型空間光変調素子と、
    前記仮想基準直線上に設けられ、前記仮想基準直線に沿って入射してくる入射光を反射して前記反射型空間光変調素子に読みだし光として斜めに入射させるための入力側反射面と、
    前記仮想基準直線上に設けられ、前記反射型空間光変調素子で変調され斜めに反射された読みだし光を反射して出射光として前記仮想基準直線に沿って出力するための出力側反射面とを備え、
    前記反射型空間光変調素子が、前記入力側反射面からの読みだし光を反射するための素子反射面を備え、
    前記入力側反射面と前記出力側反射面とが、前記仮想基準直線に沿って距離Lだけ離間し、前記素子反射面が前記仮想基準直線から前記仮想基準直線に対して垂直な方向に距離hだけ離間し、前記入力側反射面、前記出力側反射面、及び、前記素子反射面とが、前記仮想基準直線が延びる方向に対して、それぞれ、角度φ1、φ2、φ3だけ傾いており、前記距離L、h、及び、前記角度φ1、φ2、φ3とが前記式(1)及び(2)を満足し、
    前記第1のレンズが、前記別の空間光変調装置から出力された出射光をフーリエ変換することを特徴とする光学処理装置。
    Figure 0004804358
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  4. 第1〜第5の側面をこの順に有する5角柱形状で、第1の側面と第2の側面とが互いに90°をなして接続し、第2の側面と第3の側面とが互いに90°をなして接続し、第3の側面と第4の側面とが互いに90゜−φ2をなして接続し、第4の側面と第5の側面とが互いに180゜+φ1+φ2をなして接続し、第5の側面と第1の側面とが互いに90゜−φ1をなして接続したカップリングプリズムを用意し、
    素子反射面を有する反射型空間光変調素子を、素子反射面が第2の側面に対し平行に延びるように、第2の側面に対し接合し、
    仮想基準直線が第1の側面及び第5の側面を貫通し、第5の側面と第4の側面とが、前記仮想基準直線に沿って距離Lだけ離間し、前記素子反射面が前記仮想基準直線から前記仮想基準直線に対して垂直な方向に距離hだけ離間し、第5の側面と第4の側面と素子反射面とが、前記仮想基準直線が延びる方向に対して、それぞれ、角度φ1、φ2、φ3だけ傾き、前記距離L、h、及び、前記角度φ1、φ2、φ3とが以下の式(1’)及び(2’)を満足するように、カップリングプリズムを仮想基準直線に対し配置し、
    Figure 0004804358
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    前記仮想基準直線に沿って第5の側面に向けて読み出し光を入射させ、
    前記カップリングプリズムの屈折率はmであり、
    前記反射型空間光変調素子が、0〜αの範囲の収束角で入射する読みだし光を変調して、その所定の成分を0〜βの範囲の発散角で出射し、
    前記反射型空間光変調素子へ入射する読み出し光が収束光の場合にはαは正の値をとり発散光の場合にはαは負の値をとり、前記反射型空間光変調素子から出射する読み出し光の前記所定の成分が発散光の場合にはβは正の値をとり収束光の場合にはβは負の値をとり、
    前記所定の成分とは1以上n(nは0より大きい自然数)以下の回折次数の回折成分であり、δはn次回折光の回折角度であり、α及びβが、前記入射光の波長λ、及び、前記反射型空間光変調素子に表示可能な最小の格子パターンの格子定数dに対して、以下の式(9´)及び(10´)を満足することを特徴とする、カップリングプリズムの使用方法。
    Figure 0004804358
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