JP4804329B2 - ポジ型感光性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
ところが、感光性ポリイミド前駆体組成物は、その現像工程においては、現像液としてN−メチル−2−ピロリドンなどの大量の有機溶剤を用いる必要があり、近年の環境問題の高まりなどから、脱有機溶剤対策が求められてきている。これを受け、最近になって、フォトレジストと同様に、アルカリ性水溶液で現像可能な耐熱性感光性樹脂材料の提案が各種なされている。
このポジ型感光性樹脂の現像メカニズムは、未露光部の感光性ジアゾキノン化合物がアルカリ性水溶液に不溶であるのに対し、露光することにより該感光性ジアゾキノン化合物が化学変化を起こしインデンカルボン酸化合物となってアルカリ性水溶液に可溶となることを利用したものである。この露光部と未露光部の間の現像液に対する溶解速度の差を利用し、未露光部のみのレリーフパターンの作成が可能となる。
成物の安定性、リソグラフィー性能に不具合があるなど、問題がまだまだ多い。
すなわち、本発明は、(A)下記一般式(1)で表される繰り返し単位を有し、末端部分が熱重合性官能基を有さない有機基であるヒドロキシポリアミド100質量部、(B)アクリレート系化合物1質量部〜100質量部、(C)感光性ジアゾキノン化合物1〜100質量部、を含有することを特徴とするポジ型感光性樹脂組成物、である。
さらに、本発明は、上述の硬化レリーフパターンを有してなる半導体装置である。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物を構成する各成分について、以下具体的に説明する。
(A)ヒドロキシポリアミド
本発明のポジ型感光性樹脂組成物のベースポリマーであるヒドロキシポリアミドは、下記一般式(1)で表される繰り返し単位を有し、Y1(COOH)2の構造を有するジカルボン酸およびX1(NH2)2(OH)2の構造を有するビスアミノフェノールを重縮合させて得ることができるヒドロキシジアミド単位m個を必須とする。ここで、該ビスアミノフェノールの2組のアミノ基とヒドロキシ基はそれぞれ互いにオルト位にあるものであり、該ヒドロキシポリアミドを約250〜400℃で加熱することによって閉環して、耐熱性樹脂であるポリベンズオキサゾールに変化する。mは2〜1000の範囲が好ましく、3〜50の範囲がより好ましく、3〜20の範囲であることが最も好ましい。
このうち芳香族ジアミンとしては、例えば、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、2,4−トリレンジアミン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルケトン、4,4’−ジアミノジフェニルケトン、3,4’−ジアミノジフェニルケトン、2,2’−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4−メチル−2,4−ビス(4−アミノフェニル)−1−ペンテン、4−メチル−2,4−ビス(4−アミノフェニル)−2−ペンテン、1,4−ビス(α,α−ジメチル−4−アミノベンジル)ベンゼン、イミノ−ジ−p−フェニレンジアミン、1,5−ジアミノナフタレン、2,6−ジアミノナフタレン、4−メチル−2,4−ビス(4−アミノフェニル)ペンタン、5(または6)−アミノ−1−(4−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、ビス(p−アミノフェニル)ホスフィンオキシド、4,4’−ジアミノアゾベンゼン、4,4’−ジアミノジフェニル尿素、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ベンゾフェノン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、4,4’−ビス[4−(α,α−ジメチル−4−アミノベンジル)フェノキシ]ベンゾフェノン、4,4’−ビス[4−(α,α−ジメチル−4−アミノベンジル)フェノキシ]ジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、フェニルインダンジアミン、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、o−トルイジンスルホン、2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン、ビス(4−アミノフェノキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェノキシフェニル)スルフィド、1,4−(4−アミノフェノキシフェニル)ベンゼン、1,3−(4−アミノフェノキシフェニル)ベンゼン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、4,4’−ジ−(3−アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノベンズアニリド等、およびこれら芳香族ジアミンの芳香核の水素原子が、塩素原子、フッ素原子、臭素原子、メチル基、メトキシ基、シアノ基、フェニル基からなる群より選ばれた少なくとも一種の基または原子によって置換された化合物が挙げられる。
ともできる。ここで得られるテトラカルボン酸二無水物としては以下のものが挙げられる。
上記、ジカルボン酸とビスアミノフェノールの重縮合の方法としては、ジカルボン酸を塩化チオニルを使用して、ジ酸クロライドを生成したのちにビスアミノフェノールを作用させる方法、ジカルボン酸とビスアミノフェノールをジシクロヘキシルカルボジイミドにより重縮合させる方法等が挙げられる。ジシクロヘキシルカルボジイミドを使用する方法においては同時にヒドロキシベンズトリアゾールを作用させることもできる。
ヒドロキシポリアミドの重縮合において、ジカルボン酸成分をビスアミノフェノール成分とジアミン成分の和に比べて過剰に使用した場合には末端部分がカルボキシル基になるので、アミノ基、水酸基等を有する脂肪族飽和化合物または芳香族化合物を反応させて封止基とする。この場合の化合物の例としては、アニリン、シクロヘキシルアミン、ノルボルナンアミン、エタノールアミン、シクロヘキサノール等が挙げられる。
反応した構造を有する封止基が挙げられる。これらの中でも、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物、または4−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物とヒドロキシポリアミドの末端部分が反応した構造を有する封止基が特に好ましい。
本発明で用いるアクリレート系化合物とは、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリルアミド、及びメタクリルアミドからなる群から選択される化合物をいう。
好ましいものの具体例としては、新中村化学工業社製NK−エステルシリーズ:M−20G、M−40G、M−90G、M−230G、CB−1、SA、S、AMP−10G、AMP−20G、AMP−60G、AM−90G、A−SA、LA、1G、2G、3G、4G、9G、14G、23G、BG、HD、NPG、9PG、701、BPE−100、BPE−200、BPE−500、BPE−1300、A−200、A−400、A−600、A−HD、A−NPG、APG−200、APG−400、APG−700、A−BPE−4、701A、TMPT、A−TMPT、A−TMM−3、A−TMM−3L、及びA−TMMTが挙げられる。
また、共栄社化学社製エポキシエステルシリーズ:M−600A、40EM、70PA、200PA、80MFA、3002M、及び3002Aが挙げられる。
また、日本油脂社製ブレンマーシリーズ:BMA、IBMA、CHMA、EHMA−25、TBCHMA、LMA、SLMA、CMA、SMA、VMA、VMA−70、B−12、CHA、LA、SLA、CA、SA、VA、B−18A、g、GH、GH−LC、GS、GLM、GLM−R、GMR−H、GMR−R、GAM、GAM−R、G−FA−80、QA、E、PE−90、PE−200、PE−350、AE−90、AE−200、AE−400、P、PP−1000、PP−500、PP−800、AP−150、AP−400、AP−550、AP−800、50PEP−300、70PEP−350B、AEP、55PET−400、30PET−800、55PET−800、AET、30PPT−800、50PPT−800、70PPT−800、APT、10PPB−500B、10APB−500B、PME−100、PME−200、PME−350、PME−400、PME−550、PME−1000、PME−4000、AME−400,AEE−100,50POEP−800B,50AOEP−800B,PLE−200,ALE−200,ALE−800,PSE−200,PSE−400,PSE−1300,ASEP,PKEP,AKEP,ANE、ANE−1300、ANP−300、43ANEP−500、70ANEP−550、75ANEP−600、AAE−300、PDE−50、PDE−100、PDE−150、PDE−200、PDE−400、PDE−600、PDE−1000、ADE−200、ADE−400、PDP−400、ADP−200、ADP−400、PDT−650、ADT−250、PDET、50ADET−1800、PDPT、30ADPT−4000、30PDC−800B、80PDC−950B、20PDC−1300B、40PDC−1700B、30ADC−800B、PDBE−200、PDBE−250、PDBE−450、PDBE−1300、ADBE−200、ADBE−250、ADBE−450、PDBP、ADBP、PDBEP、ADBEP、及び43PDBPE−800Bが挙げられる。
さらに、興人社製:DMAEA、DMAPAA、DMAA、ACMO、NIPAM、及びDEAA等が挙げられる。
アクリレート系化合物のヒドロキシポリアミドへの配合量は、該ヒドロキシポリアミド100質量部に対し、1〜100質量部が好ましく、5〜30質量部がより好ましい。アクリレート系化合物の配合量が1質量部未満だと熱硬化後の膜の充分な伸度が得られず、逆に100質量部を越えると、組成物の安定性が悪くなる。
本発明で用いる感光性ジアゾキノン化合物は、1,2−ベンゾキノンジアジド構造あるいは1,2−ナフトキノンジアジド構造を有する化合物であり、米国特許第2,772,972号、第2,797,213号、第3,669,658号明細書等により公知の物質である。好ましいものの例としては、例えば、下記のものが挙げられる。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物には、必要に応じて、従来感光性樹脂組成物の添加剤として用いられているフェノール化合物、染料、界面活性剤、安定剤、及び/又は基板との密着性を高めるための接着助剤等を添加することも可能である。
該添加剤について更に具体的に述べると、フェノール化合物は、上記感光性ジアゾキノン化合物に使用しているバラスト剤、並びにパラクミルフェノール、ビスアミノフェノール、及びレゾルシノール等が挙げられる。該フェノール化合物の添加により、現像時のレリーフパターンの密着性を向上させ残渣の発生をおさえることができる。
フェノール化合物を加える場合の添加量は、ヒドロキシポリアミド100質量部に対し、0〜50質量部が好ましく、1〜30質量部がより好ましい。添加量が50質量部を越えると、熱硬化後の膜の耐熱性が低下する。
界面活性剤を加える場合の添加量は、ヒドロキシポリアミド100質量部に対し、0〜10質量部が好ましく、0.01〜1質量部がより好ましい。添加量が10質量部を越えると、熱硬化後の膜の耐熱性が低下する。
シランカップリング剤の具体的な好ましい例としては、例えば、N−フェニル−3−アミノプロピルトリアルコキシシラン、3−メルカプトプロピルトリアルコキシシラン、2−(トリアルコキシシリルエチル)ピリジン、3−メタクリロキシプロピルトリアルコキシシラン、3−メタクリロキシプロピルジアルコキシアルキルシラン、3−グリシドキシプロピルトリアルコキシシラン、3−グリシドキシプロピルジアルコキシアルキルシラン、3−アミノプロピルトリアルコキシシランまたは3−アミノプロピルジアルコキシアルキルシラン(あわせてアミノシランという。)、アミノシランと酸無水物または酸二無水物の反応物、及びアミノシランのアミノ基をウレタン基またはウレア基に変換したものなどを挙げることができる。
接着助剤を加える場合の添加量は、ヒドロキシポリアミド100質量部に対し、0〜30質量部が好ましく、0.1〜10質量部がより好ましい。添加量が30質量部を越えると、熱硬化後の膜の耐熱性が低下する。
溶媒の添加量は、ヒドロキシポリアミド100質量部に対し、50〜1000質量部が好ましい。溶媒の添加量は、上記の範囲内で塗布装置、及び塗布厚みに適した粘度に設定することが、硬化レリーフパターンの製造を容易にすることができるので好ましい。
次に、本発明のポジ型感光性樹脂組成物を基板に塗布して硬化レリーフパターンを製造する方法について、以下具体的に説明する。
第一に、本発明のポジ型感光性樹脂組成物を、例えば、シリコンウエハー、セラミック基板、アルミ基板等の基板に、スピナーを用いた回転塗布、又はダイコーター、もしくはロールコーター等のコーターにより塗布する。これをオーブンやホットプレートを用いて50〜140℃で乾燥して溶媒を除去する。
第二に、マスクを介して、コンタクトアライナーやステッパーを用いて化学線による露光を行うか、光線、電子線またはイオン線を直接照射する。
第三に、露光部、又は照射部を現像液で溶解除去し、引き続きリンス液によるリンスを行うことで所望のレリーフパターンを得る。現像方法としてはスプレー、パドル、ディップ、超音波等の方式が可能である。リンス液は蒸留水、脱イオン水等が使用できる。
該無機アルカリ化合物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸水素二カリウム、リン酸水素二ナトリウム、ケイ酸リチウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ホウ酸リチウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、アンモニア等が挙げられる。
さらに、必要に応じて、上記アルカリ性水溶液に、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール等の水溶性有機溶媒、界面活性剤、保存安定剤、樹脂の溶解抑止剤等を適量添加することができる。
上述の製造方法によって作成した硬化レリーフパターンは、表面保護膜、層間絶縁膜、再配線用絶縁膜、フリップチップ装置用保護膜、あるいはバンプ構造を有する装置の保護膜として、公知の半導体装置の製造方法と組み合わせることで、半導体装置を製造することができる。また、多層回路の層間絶縁やフレキシブル銅張板のカバーコート、ソルダーレジスト膜や液晶配向膜等としても有用である。
<ヒドロキシポリアミドの合成>
〔参考例1〕
容量3lのセパラブルフラスコ中で、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン173.1g(0.473モル)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)605.7g、ピリジン71.2g(0.9モル)を室温(25℃)で混合攪拌し、均一溶液とした。これに、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボニルクロリド132.80g(0.45モル)をジエチレングリコールジメチルエーテル(DMDG)531.2gに溶解したものを滴下ロートより滴下した。この際、セパラブルフラスコは15〜20℃の水浴で冷却した。滴下に要した時間は60分、反応液温は最大で30℃であった。
水に高速攪拌下で滴下し重合体を分散析出させ、これを回収し、適宜水洗、脱水の後に真空乾燥を施し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法で測定した重量平均分子量30000(ポリスチレン換算)のヒドロキシポリアミドP−1を得た。
また、更にポリマーの精製が必要な場合は、以下の方法にて実施することが可能である。すなわち、上記で得られたポリマーをDMDGに再溶解した後、これを陽イオン交換樹脂および陰イオン交換樹脂にて処理し、それにより得られた溶液をイオン交換水中に投入後、析出したポリマーを濾別、水洗、真空乾燥することにより精製されたポリマーを得ることができる。
容量5lのセパラブルフラスコ中で、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン428.5g(1.170モル)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)1499.8g、ピリジン178.0g(2.25モル)を室温(25℃)で混合攪拌し、均一溶液とした。
これに、別途γ−ブチロラクトン(GBL)76g中に4−メチルシクロヘキシル−1,2−ジカルボン酸無水物15.1g(0.09mol)を溶解させたものを、滴下ロ−トより滴下した。滴下に要した時間は15分、反応液温は最大で30℃であった。
滴下終了後、室温で15時間撹拌放置し、HPLCにより投入した4−メチルシクロヘキシル−1,2−ジカルボン酸無水物が消費されたことを確認した。
容量1lのセパラブルフラスコに2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン109.9g(0.3mol)、テトラヒドロフラン(THF)330g、ピリジン47.5g(0.6mol)を入れ、これに室温下で5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物98.5g(0.6mol)を粉体のまま加えた。そのまま室温で3日間撹拌反応を行ったあと、HPLCにて反応を確認したところ、原料は全く検出されず、生成物が単一ピークとして純度99%で検出された。この反応液をそのまま1lのイオン交換水中に撹拌下で滴下し、析出物を濾別した後、これにTHF500mlを加え撹拌溶解し、この均一溶液を陽イオン交換樹脂:アンバーリスト15(オルガノ社製)100gが充填されたガラスカラムを通し残存するピリジンを除去した。次にこの溶液を3lのイオン交換水中に高速撹拌下で滴下することにより生成物を析出させ、これを濾別した後、真空乾燥した。
生成物がイミド化していることは、IRスペクトルで1394cm-1および1774cm-1のイミド基の特性吸収が現れ1540cm-1および1650cm-1付近のアミド基の特性吸収が存在しないこと、およびNMRスペクトルでアミドおよびカルボン酸のプロトンのピークが存在しないことにより確認した。
滴下終了後、更に30分間、20℃で撹拌放置した後、36重量%濃度の塩酸水溶液5.6gを一気に投入し、次いで反応液を氷水浴で冷却し、析出した固形分を吸引濾別した。この際得られた濾液を、0.5重量%濃度の塩酸水溶液5lに、その撹拌下で1時間かけて滴下し、目的物を析出させ、吸引濾別して回収した。得られたケーク状回収物を、再度イオン交換水5lに分散させ、撹拌、洗浄、濾別回収し、この水洗操作を3回繰り返した。最後に得られたケーク状物を、40℃で24時間真空乾燥し、感光性ジアゾキノン化合物(Q−1)を得た。
容量2lの三口フラスコ中でレゾルシノール102.4g(0.92mol)、ヘキサナール92.0g(0.92mol)をエタノール920ml中に溶解した。これを0℃に冷やし12N塩酸を148ml滴下、攪拌した。次にこの混合物を窒素雰囲気下70℃で10時間攪拌した。室温にしたのち濾過によって沈殿物を除去した。濾液を80℃の水で洗浄後乾燥し得られた固体をメタノール及びヘキサン、アセトン混合溶媒で再結晶を行った。その後真空乾燥を行い、レゾルシン環状4量体を収率50%で得た。
この際得られた濾液を、0.5重量%濃度の塩酸水溶液10lに、その撹拌下で1時間かけて滴下し、目的物を析出させ、吸引濾別して回収した。得られたケーク状回収物を、再度イオン交換水5lに分散させ、撹拌、洗浄、濾別回収し、この水洗操作を3回繰り返した。最後に得られたケーク状物を、40℃で24時間真空乾燥し、目的の感光性ジアゾキノン化合物(Q−2)を得た。
上記参考例1、2にて得られたヒドロキシポリアミド(P−1またはP−2)100質量部、上記参考例3、4にて得られた感光性ジアゾキノン化合物(Q−1またはQ−2)20質量部、下記式C−1、C−2、C−3、C−4、もしくはC−5の構造を有するアクリレート系化合物、またはC−6の構造を有するエポキシ化合物(あわせて架橋剤という。)10質量部をGBL170質量部に溶解した後、0.2μmのフィルターで濾過して、表1に記載した実施例1〜6、及び比較例1〜2のポジ型感光性樹脂組成物を調製した。
(1)パターニング特性評価
上記ポジ型感光性樹脂組成物を大日本スクリーン製造社製スピンコーター(Dspin636)にて、5インチシリコンウエハーにスピン塗布し、ホットプレートにて130℃、180秒間プリベークを行い、膜厚10.0μmの塗膜を形成した。膜厚は大日本スクリーン製造社製膜厚測定装置(ラムダエース)にて測定した。
この塗膜に、テストパターン付きレチクルを通してi線(365nm)の露光波長を有するニコン社製ステッパ(NSR2005i8A)を用いて露光量を段階的に変化させて露光した。これをAZエレクトロニックマテリアルズ社製アルカリ現像液(AZ300MIFデベロッパー、2.38質量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液)を用い、23℃の条件下で現像後膜厚が8μmとなるように現像時間を調整して現像し、純水にてリンスを行い、ポジ型のレリーフパターンを形成した。ポジ型感光性樹脂組成物の感度、解像度を表2に示した。
なお、ポジ型感光性樹脂組成物の感度、解像度は、次のようにして評価した。
[感度(mJ/cm2 )]
上記現像時間において、塗膜の露光部を完全に溶解除去しうる最小露光量。
[解像度(μm)]
上記露光量での最小解像パターン寸法。
上記ポジ型感光性樹脂組成物を大日本スクリーン製造社製スピンコーター(Dspin636)にて、あらかじめスパッタによりアルミニウム膜を形成した5インチシリコンウ
エハーにスピン塗布し、ホットプレートにて120℃、180秒間プリベークを行い、膜厚11.0μmの塗膜を形成した。この塗膜を10mm短冊状のパターンのフォトマスクを用いて、キャノン社製PLA−501Fで露光した。次に、2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に、1分浸漬することによって露光部を溶解除去した後、純水で30秒間リンスした。縦型キュア炉(光陽リンドバーグ社製)にて、窒素雰囲気中、300度で1時間のキュア(加熱硬化処理)を施し、耐熱性被膜であるポリベンズオキサゾール(PBO)膜とした。この膜を3%フッ酸水溶液に浸し、短冊状のフィルムを剥がし、純水にて充分に洗浄、乾燥後、短冊状のテストサンプルを得た。このテストサンプルをテンシロンで引っ張り(加重=2kgf、引っ張り速度=40mm/分)、機械特性の評価として破断時の伸度を測定し表2に示した。
室温にて1週間放置後の粘度の変化率を測定し表2に示した。粘度の変化率が5%以内であれば安定性良好とした。
表2から、本発明のポジ型感光性樹脂組成物を用いることにより、安定性が良好で、高感度、高解像度のレリーフパターンを形成することができるばかりでなく、さらに、300℃、1時間の硬化条件にて機械物性の良好な硬化膜が得られることがわかった。これに対し、本発明の要件を満たすアクリレート系化合物を含まない比較例1〜2の組成物は組成物の安定性が悪かったり、良好な機械特性が得られないことがわかった。
Claims (4)
- (A)下記一般式(1)で表される繰り返し単位を有し、末端部分が熱重合性官能基を有さない有機基であるヒドロキシポリアミド100質量部、(B)アクリレート系化合物1〜100質量部、(C)感光性ジアゾキノン化合物1〜100質量部、を含有することを特徴とするポジ型感光性樹脂組成物。
- (A)のヒドロキシポリアミドの末端部分がシクロヘキシル基を有する有機基であることを特徴とする請求項1に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
- (1)請求項1または2に記載のポジ型感光性樹脂組成物を層またはフィルムの形で基板上に形成し、(2)マスクを介して化学線で露光するか、光線、電子線またはイオン線を直接照射し、(3)露光部または照射部を溶出または除去し、(4)得られたレリーフパターンを加熱処理することを特徴とする硬化レリーフパターンの製造方法。
- 請求項3に記載の製造方法により得られる硬化レリーフパターンを有してなる半導体装置。
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