JP4796760B2 - 軟質樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、柔軟性、耐衝撃性に優れ、スチレン系樹脂及びプロピレン系樹脂との熱融着性に優れ、さらにはプロピレン系樹脂とのヒートシール性に優れた軟質樹脂組成物に関するものである。
建築材料や日用品、電化製品、包装材料等その他様々な分野において、スチレン系樹脂やプロピレン系樹脂を用いた成形品が広く使用されている。これらスチレン系樹脂やプロピレン系樹脂のそれぞれの長所を活かしつつ、その短所を補う目的で、スチレン系樹脂と、プロピレン系樹脂と、スチレン系エラストマーやエチレン系コポリマー等の相溶化剤とを混合してなる樹脂組成物が種々提案されている。例えば、特許文献1ないし特許文献4には、ポリスチレンとポリオレフィンに対し、水素添加スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−プロピレンブロック共重合体、水素添加スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体等を混合してなる樹脂組成物が挙げられている。また、特許文献5には、ポリオレフィンと、芳香族ビニル重合体と、エチレン−アクリル酸エステル共重合体やエチレン−メタクリル酸エステル共重合体等とを混合してなる樹脂組成物も挙げられている。また、特許文献6には、エチレン−アクリル酸エステル共重合体又はエチレン−メタクリル酸エステル共重合体と、ポリスチレン系樹脂と、ポリオレフィン系樹脂とを混合してなる樹脂組成物を、ポリスチレン系樹脂とポリオレフィン系樹脂のバインダーとして用いることが提案されている。
また、建築材料や日用品、電化製品、包装材料等その他様々な分野においては、軟質塩化ビニル樹脂、半硬質塩化ビニル樹脂といった柔軟性を有する軟質樹脂を用いた成形品が広く使用されている。これら塩化ビニル系の軟質樹脂は、単独で各種成形品に使用されるだけでなく、硬質塩化ビニル樹脂等の硬質樹脂との複合成形体として使用されることも少なくない。近年、環境問題に端を発した軟質塩化ビニル樹脂や半硬質塩化ビニル樹脂から塩化ビニル樹脂以外の軟質樹脂への代替の動きの中で、スチレン系又はオレフィン系の各種軟質樹脂が提案されている。また、これら軟質樹脂と、硬質樹脂としてのスチレン系又はプロピレン系樹脂とからなる複合成形体も提案されている。さらに、これら軟質樹脂は、スチレン系樹脂とプロピレン系樹脂とのバインダーとしての機能を持つことから、スチレン系樹脂とプロピレン系樹脂とからなる複合成形体を得るために用いることも可能である。
スチレン系樹脂と複合成形可能な軟質樹脂としては、例えば、特許文献7には、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−ブチレンブロック共重合体及びスチレン−エチレン−プロピレンブロック共重合体より選ばれる少なくとも1つの樹脂;その1つの樹脂とポリスチレン又はポリプロピレンとの組成物;エチレン−プロピレンゴムとポリプロピレンとの組成物;スチレングラフトエチレン−プロピレンゴム;が挙げられている。また、特許文献8、特許文献9には、エラストマーとして、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体とポリスチレンとエチレン−酢酸ビニル共重合体及び/又はエチレン−エチルアクリレート共重合体との混合物;スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体とポリスチレンとポリプロピレンとの混合物;スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体とポリスチレンとポリプロピレンと熱可塑性ポリウレタンとの混合物;が挙げられている。また、これら軟質樹脂は、プロピレン系樹脂とも複合成形することが可能である。
これら従来の軟質樹脂は、スチレン系樹脂やプロピレン系樹脂との熱融着性には優れているが、プロピレン系樹脂とのヒートシール性については不足している。具体的には、例えば、スチレン系樹脂からなる成形品とプロピレン系樹脂からなるフィルムのイージーピール製品のシーラント材としては不適である。
特公昭62−12812号公報 特開平3−157436号公報 特開平5−186660号公報 特許第3478550号公報 特公昭53−27744号公報 特開平5−125133号公報 特開平4−290745号公報 特開平10−278179号公報 特開平10−278180号公報
本発明の目的は、単独成形体又は複合成形体として、柔軟性、耐衝撃性に優れ、スチレン系樹脂及びプロピレン系樹脂との熱融着性に優れ、さらにはプロピレン系樹脂とのヒートシール性に優れた軟質樹脂組成物を提供することにある。
本発明は、スチレン系重合体(A)40〜70質量%、軟質オレフィン系樹脂(B)20〜60質量%、並びに、芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体及び/又はその水素添加物(C)5〜20質量%を含有してなり[成分(A)、成分(B)及び成分(C)の合計100質量%基準]、軟質オレフィン系樹脂(B)のメルトフローレート(温度230℃、荷重21.2N)が0.5〜50g/10分であり、軟質オレフィン系樹脂(B)が、非晶性オレフィン系重合体(B1)30〜100質量%及び結晶性オレフィン系重合体(B2)0〜70質量%からなり[成分(B)100質量%基準]、非晶性オレフィン系重合体(B1)の示差走査熱量測定(DSC)における−100〜200℃での結晶融解ピーク熱量が10J/g以下であり、スチレン系重合体(A)がゴム変性スチレン系重合体である場合は、該ゴム変性スチレン系重合体は分散粒子成分としてポリブタジエンゴムを含み、スチレン系重合体(A)中の分散粒子成分の量と、芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体及び/又はその水素添加物(C)中の共役ジエン重合体ブロック及び/又はその水素添加物との合計量が18質量%以上であり[成分(A)と成分(C)の合計100質量%基準]、スチレン系重合体(A)がゴム変性スチレン系重合体以外である場合は、スチレン系重合体(A)は分散粒子成分を含まず、芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体及び/又はその水素添加物(C)中の共役ジエン重合体ブロック及び/又はその水素添加物の量が18質量%以上である[成分(C)100質量%基準]ことを特徴とする軟質樹脂組成物を提供するものである。
本発明の軟質樹脂組成物は、スチレン系重合体と特定の構造を有する軟質オレフィン系樹脂、並びに、芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体及び/又はその水素添加物を組み合わせることにより、柔軟性、耐衝撃性に優れ、スチレン系樹脂及びプロピレン系樹脂との熱融着性に優れ、さらにはプロピレン系樹脂とのヒートシール性に優れた材料としたものである。
本発明において使用されるスチレン系重合体(A)とは、スチレン単量体単位を主体とした重合体1種又は2種以上からなるものである。例えば、ポリスチレン(GPPS)、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、スチレン−アクリロニトリル共重合体(AS)、スチレン−アクリル酸共重合体(SAc)、スチレン−メタクリル酸共重合体(SMAc)、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体(MS)、スチレン−無水マレイン酸共重合体(SMAH)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)、アクリロニトリル−エチレン−プロピレン−非共役ジエン−スチレン共重合体(AES)、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体(MBS)等を使用できる。これらは2種以上を併用することもできる。中でも、加工性や軟質オレフィン系樹脂(B)の分散性の観点から、ゴム変性スチレン系重合体が好ましく、特に耐衝撃性ポリスチレンが好ましい。
スチレン系重合体(A)が耐衝撃性ポリスチレン等のゴム変性スチレン系重合体である場合は、成分(A)中の分散粒子成分の量は、成分(A)100質量%を基準として、15〜40質量%が好ましい。この量が15質量%以上であれば、軟質オレフィン系樹脂(B)の分散性を良好に維持できる。また、40質量%以下であれば、スチレン系重合体(A)の生産性が優れる。成分(A)中の分散粒子成分の平均粒径は2〜8μmの範囲内であることがさらに好ましい。この平均粒径が2〜8μmの範囲内であれば樹脂組成物の衝撃強度が向上する。この平均粒径は、次の方法により測定したものである。濃度が約1重量%となるように、スチレン系重合体をメチルエチルケトンに溶解させ、分散粒子を含む試料溶液を調製する。この試料溶液にレーザー回折型粒度分布測定装置(島津製作所株式会社製、SALD1100)を用いてレーザー光を照射し、発生した回折光および散乱光の像を検出し、像のパターンと強度とにより粒子の大きさ、量を計算する。平均粒径は、積算体積分布において50%の粒径を用いたものである。
スチレン系重合体(A)のメルトフローレート(温度200℃、荷重49N)は、好ましくは0.5〜50g/10分であり、さらに好ましくは2〜30g/10分である。これら各範囲の下限値は、軟質樹脂組成物としての流動性を向上させる点等において意義がある。また、上記各範囲の上限値は、軟質オレフィン系樹脂(B)の分散性を良好に維持し、その分散径が大きくならないようにする点等において意義がある。
本発明において使用される軟質オレフィン系樹脂(B)は、非晶性オレフィン系重合体(B1)30〜100質量%(好ましくは50〜90質量%)、及び、結晶性オレフィン系重合体(B2)0〜70質量%(好ましくは10〜50質量%)からなる。これら各範囲における成分(B1)の含有量の下限値及び成分(B2)の含有量の上限値は、軟質樹脂組成物としての柔軟性や耐衝撃性又はプロピレン系樹脂とのヒートシール性を向上させる点等において意義がある。
非晶性オレフィン系重合体(B1)は、オレフィン単量体単位を含有する重合体であって、示差走査熱量測定(DSC)における−100〜200℃での結晶融解ピーク熱量が10J/g以下であり、融解ピーク熱量が観測されないものがさらに好ましい。この結晶融解ピーク熱量については、示差走査熱量計、例えばセイコー電子工業社製DSC220Cを用い、以下の条件にて実施することにより得られるものである。試料約10mgを室温から30℃/分の昇温速度で200℃まで昇温し、昇温完了後5分間保持する。次いで、200℃から10℃/分の降温速度で−100℃まで降温し、降温完了後5分間保持する。次いで、−100℃から10℃/分の昇温速度で200℃まで昇温し、その際に観察されるピーク面積から結晶融解ピーク熱量を求める。
非晶性オレフィン系重合体(B1)におけるα−オレフィン単量体単位の含有量は、成分(B1)中の全単量体単位を100モル%として、30モル%以上が好ましく、40モル%以上がより好ましく、50モル%以上が特に好ましい。これら含有量の下限値は、耐熱性の点等において意義がある。α−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン等が例示される。これらは2種以上を併用することもできる。中でも、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセンが好ましく、プロピレン、1−ブテンが特に好ましい。
非晶性オレフィン系重合体(B1)は、α−オレフィン以外の単量体単位を含有していてもよい。そのような単量体単位を構成する単量体としては、例えば、エチレン、ポリエン化合物、環状オレフィン、ビニル芳香族化合物等が挙げられる。その単量体単位の含有量は、成分(B1)中の全単量体単位を100モル%として、70モル%以下が好ましい。
非晶性オレフィン系重合体(B1)の好ましい具体例としては、プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン以外のα−オレフィンとプロピレンとの共重合体、プロピレン以外のα−オレフィンとプロピレンとエチレンとの共重合体等が挙げられる。これらは2種以上を併用することもできる。中でも、プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−1−ヘキセン共重合体、プロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体がより好ましく、特に、プロピレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体が極めて好ましい。
結晶性オレフィン系重合体(B2)としては、オレフィン単量体の単独重合体や共重合体を挙げることができ、単独重合体と共重合体を併用してもよい。オレフィン単量体としては、例えば、エチレン、α−オレフィンが挙げられる。α−オレフィンの具体例としては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン等が挙げられる。これらは2種以上を併用することもできる。特に、結晶性オレフィン系重合体(B2)としては、プロピレン単独重合体、プロピレン以外のオレフィンとプロピレンとの共重合体が好ましい。中でも、プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体がより好ましい。
本発明において、非晶性オレフィン系重合体(B1)と結晶性オレフィン系重合体(B2)は、具体的には、その重合体の物性である示差走査熱量測定(DSC)における−100〜200℃での結晶融解ピーク熱量により区別される。すなわち、非晶性オレフィン系重合体(B1)の結晶融解ピーク熱量が10J/g以下、さらには融解ピーク熱量が観測されないものが好ましいのに対し、結晶性オレフィン系重合体(B2)の結晶融解ピーク熱量は30J/g以上、さらには60J/gであることが好ましい。
軟質オレフィン系樹脂(B)のメルトフローレート(温度230℃、荷重21.2N)は0.5〜50g/10分であり、さらに好ましくは2〜30g/10分である。上記各範囲の下限値は、軟質オレフィン系樹脂(B)の分散性を良好に維持し、その分散径が大きくならないようにする点等において意義がある。また、上記各範囲の上限値は、軟質樹脂組成物表面への低分子量成分のブリードアウトを抑制する点等において意義がある。
本発明において使用される芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体及び/又はその水素添加物(C)としては、例えば、芳香族ビニル重合体ブロックDと共役ジエン重合体ブロックEからなり、ブロック構造が(D−E)n−D型もしくは(D−E)n型(nは1〜10の整数)であるものが好ましい。成分(C)中の芳香族ビニル重合体ブロックDの含有量は、成分(C)100質量%を基準として、30〜80質量%が好ましく、50〜70質量%がより好ましい。上記各範囲の下限値は、スチレン系樹脂(A)との親和性の点等において意義がある。また、上記各範囲の上限値は、プロピレン系樹脂(B)との親和性の点等において意義がある。
芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体及び/又はその水素添加物(C)に用いられる芳香族ビニル単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、ジビニルベンゼン、N,N−ジメチル−p−アミノエチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン等が挙げられる。これらは2種以上を併用することもできる。中でも、スチレン、α−メチルスチレンが好ましい。
芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体及び/又はその水素添加物(C)に用いられる共役ジエン単量体としては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、4,5−ジメチル−1,3−オクタジエン、クロロプレン等が挙げられる。これらは2種以上を併用することもできる。中でも、1,3−ブタジエン、イソプレンが好ましい。
芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体及び/又はその水素添加物(C)は、酸無水物基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、イソシアネート基及びエポキシ基から選ばれた少なくとも1種の官能基を含有させてなる官能基変性共重合体でもよい。また、変性共重合体と未変性共重合体との混合物を用いることもできる。
芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体及び/又はその水素添加物(C)において、共役ジエン重合体ブロックE中の不飽和結合の水素添加率は、共役ジエン重合体ブロックE中の単量体単位100モル%を基準として、50モル%以上が好ましく、80モル%以上がより好ましく、90モル%以上が特に好ましい。上記各範囲の下限値は、押出機内の熱滞留やリサイクル時の熱履歴による未溶融の架橋ゲルの発生を防止する点等において意義がある。
本発明の軟質樹脂組成物において、スチレン系重合体(A)の含有量は、成分(A)、成分(B)及び成分(C)の合計を100質量%として40〜70質量%である。上記範囲の下限値は、軟質樹脂組成物の成形加工性を向上させる点等において意義がある。また、上記各範囲の上限値は、軟質樹脂組成物としての柔軟性を向上させる点等において意義がある。
本発明の軟質樹脂組成物において、軟質オレフィン系樹脂(B)の含有量は、成分(A)、成分(B)及び成分(C)の合計を100質量%として、20〜60質量%であり、好ましくは25〜50質量%である。上記各範囲の下限値は、軟質樹脂組成物としての柔軟性を向上させる点等において意義がある。また、上記各範囲の上限値は、軟質樹脂組成物の成形加工性を向上させる点等において意義がある。
本発明の軟質樹脂組成物において、芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体及び/又はその水素添加物(C)の含有量は、成分(A)、成分(B)及び成分(C)の合計を100質量%として、5〜20質量%である。この下限値である5質量%は、スチレン系重合体(A)と軟質オレフィン系樹脂(B)の相溶化能を向上し、組成物中の分散径が大きくならないようにする点等において意義がある。また、上限値である20質量%は、十分な相溶化改善効果を維持しつつ原料コストを低減する点等において意義がある。
本発明の軟質樹脂組成物においては、成分(A)と成分(C)の合計量100質量%を基準として、スチレン系重合体(A)中の分散粒子成分の量と、芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体及び/又はその水素添加物(C)中の共役ジエン重合体ブロック及び/又はその水素添加物との合計量が、18質量%以上である。この合計量の下限値である18質量%は、樹脂組成物としての柔軟性や耐衝撃性、又は軟質オレフィン系樹脂(B)の分散性の点等において意義がある。
本発明の軟質樹脂組成物には、上述した主成分(A)〜(C)に加えて、必要に応じてその他の樹脂成分、例えば、スチレン−ブタジエンランダム共重合体、スチレン−ブタジエンランダム共重合体の水素添加物、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン系アイオノマー、ブチルゴム、クロロプレンゴム、フッ素ゴム、シリコンゴム、ウレタンゴム、ロジン系樹脂、ポリテルペン系樹脂、合成石油樹脂、クロマン系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン系樹脂、環状オレフィン系樹脂、ポリ乳酸等を配合してもよい。また、更に必要に応じて、各種添加剤、例えば、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、老化防止剤、滑剤、帯電防止剤、防錆剤、発泡剤、発泡核剤、充填剤、難燃剤、難燃助剤、抗菌剤、着色剤、分散剤、有機顔料、無機顔料等を配合してもよい。
本発明の軟質樹脂組成物を得る方法としては、例えば、各成分を公知の混練技術に従いブレンドする方法が挙げられる。具体的には、例えば、ロール、ニーダー、バンバリーミキサー等のバッチ式混練機や、単軸押出機、二軸混練押出機等の連続式混練機等を用いて、加熱溶融混練を行うことにより軟質樹脂組成物を得ることができる。
本発明の軟質樹脂組成物を成形材料として使用し、公知の成形技術に従い成形することにより、様々な成形品を得ることができる。成形法としては、例えば、射出成形、圧縮成形、射出圧縮成形、Tダイフィルム成形、インフレーションフィルム成形、シート成形、カレンダ成形、パイプ成形、異形押出成形、中空成形、真空成形、圧空成形、真空圧空成形、射出発泡成形、押出発泡成形、型物発泡成形等が挙げられる。また、スチレン系樹脂やプロピレン系樹脂と複合成形することもできる。複合成形法としては、例えば、2色射出成形、多色射出成形、インサート成形、多層押出成形、ラミネート成形等が挙げられる。
以下の実施例により本発明を更に具体的に説明するが、これらは例示のためのものであり、本発明を限定するものではない。
実施例及び比較例においては、以下の各成分を使用した。
(A)スチレン系重合体:
(A−1)耐衝撃性ポリスチレン(HIPS−1):
ゴム状重合体であるローシスポリブタジエンゴム(SV値:0.17Pa・s、1,4−シス結合含量:35質量%)7.2質量%をスチレン92.8質量%に溶解した原料混合液100質量部に対して、エチルベンゼン5質量部、ターシャリードデシルメルカプタン(TDM)200質量ppmを添加して溶解し、原料液を調製した。
この原料液を、14L/hrの供給速度で、内容積20Lの完全混合型反応器(50回転/分)である第1の反応器に連続的に供給し、135℃で重合した。その後、引き続き、内容積30Lの攪拌機付きプラグフロー型反応器である第2、第3の反応器に重合液を連続的に装入し、重合した。第2の反応器出口の重合温度、第3の反応器出口の重合温度は、それぞれ、140℃、150℃となるように調節した。次いで、内容積30Lのプラグフロー型反応器である第4の反応器に重合液を連続的に装入し、出口重合温度が160℃となるように調節して、スチレンの重合転化率80質量%になるまで重合を進行させた。この重合液を240℃、0.5kPaの減圧下で揮発性成分を除去した後に、樹脂100質量部に対して流動パラフィン(40℃での粘度=7×10-52/s)2.0質量部を添加し、これをペレット化した。
このようにして分散粒子成分量が29質量%、分散粒子成分の平均粒径が8μmである耐衝撃性ポリスチレン(HIPS−1)を得た。
(A−2)耐衝撃性ポリスチレン(HIPS−2):
ゴム状重合体であるローシスポリブタジエンゴム(SV値:0.17Pa・s、1,4−シス結合含量:35質量%)5.2質量%をスチレン94.8質量%に溶解した原料混合液100質量部に対して、エチルベンゼン5質量部を添加して溶解し、原料液を調製した。
この原料液を、14L/hrの供給速度で、内容積20Lの完全混合型反応器(120回転/分)である第1の反応器に連続的に供給し、135℃で重合した。その後は前記HIPS−1の場合と同様にして重合を進行させ、得られた重合液をペレット化した。
このようにして分散粒子成分量が18質量%、分散粒子成分の平均粒径が3μmである耐衝撃性ポリスチレン(HIPS−2)を得た。
(A−3)汎用ポリスチレン(GPPS):
日本ポリスチレン(株)製、商品名:日本ポリスチG797N(比重=1.05、MFR(温度200℃、49N荷重)=1.3g/10分)を用いた。
(B)軟質オレフィン系樹脂:
(B−1)軟質オレフィン系樹脂(SOP−1):
住友化学工業(株)製、商品名:住友タフセレンT3712(比重=0.86、MFR(温度230℃、21.2N荷重)=3g/10分、非晶性オレフィン系重合体/結晶性オレフィン系重合体質量比85/15)を用いた。
(B−2)軟質オレフィン系樹脂(SOP−2):
住友化学工業(株)製、商品名:住友タフセレンT1712(比重=0.86、MFR(温度230℃、21.2N荷重)=0.6g/10分、非晶性オレフィン系重合体/結晶性オレフィン系重合体質量比85/15)を用いた。
(B−3)軟質オレフィン系樹脂(SOP−3):
大日精化工業(株)製、商品名:ペリコンCAP350(比重=0.88、MFR(温度230℃、21.2N荷重)=11.7g/10分、非晶性オレフィン系重合体/結晶性オレフィン系重合体質量比50/50、非晶性オレフィン系重合体中のプロピレン/1−ブテン質量比65/35)を用いた。
(B−4)エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(EMMA):
住友化学工業(株)製、商品名:住友アクリフトWM403(比重=0.95、MFR(温度190℃、21.2N荷重)=15g/10分、MMA含量=38質量%)を用いた。
(B−5)ランダムポリプロピレン(PP−1):
グランドポリマー(株)製、商品名:グランドポリプロS235WC(比重=0.89、MFR(温度230℃、21.2N荷重)=11g/10分)を用いた。
(B−6)ホモポリプロピレン(PP−2):
住友化学工業(株)製、商品名:住友ノーブレンFS7011(比重=0.91、MFR(温度230℃、21.2N荷重)=7.5g/10分)を用いた。
(B−7)ホモポリプロピレン(PP−3):
住友化学工業(株)製、商品名:住友ノーブレンFS2011C(比重=0.90、MFR(温度230℃、21.2N荷重)=2.5g/10分)を用いた。
(B−8)ランダムポリプロピレン(PP−4):
住友化学工業(株)製、商品名:住友ノーブレンWF587G(比重=0.90、MFR(温度230℃、21.2N荷重)=3g/10分)を用いた。
(B−9)ランダムポリプロピレン(PP−5):
住友化学工業(株)製、商品名:住友ノーブレンFL6632G(比重=0.90、MFR(温度230℃、21.2N荷重)=6g/10分)を用いた。
(C)芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体及び/又はその水素添加物:
(C−1)スチレン-エチレン-ブテン-スチレンブロック共重合体(SEBS−1):
JSR(株)製、商品名:ダイナロン9901P(MFR(温度230℃、21.2N荷重)=3g/10分、スチレン含量=53質量%、共役ジエンの水素添加物量=47質量%)を用いた。
(C−2)スチレン-エチレン-ブテン-スチレンブロック共重合体(SEBS−2):
旭化成ケミカルズ(株)製、商品名:タフテックH1043(比重=0.97、MFR(温度230℃、21.2N荷重)=2g/10分、スチレン含量67質量%、共役ジエンの水素添加物量=33質量%)を用いた。
(C−3)スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体(SBS):
JSR(株)製、商品名:TR2000(比重=0.96、MFR(温度190℃、21.2N荷重)=3g/10分、スチレン含量=40質量%、共役ジエン量=60質量%)を用いた。
実施例及び比較例における物性測定は、以下の方法にて行った。
(1)メルトフローレート(MFR):
JIS K7210に従い、温度200℃、荷重49Nの条件にて測定した。ただし比重換算は1.0として算出した。
(2)曲げ弾性率:
JIS K7203に従い、長さ127mm×幅12.7mm×厚み3.2mmの射出成形試験片を作製し、3点曲げ試験機を使用して、支点間距離50.8mm、曲げ速度20mm/分、温度23℃の条件下にて測定した。
(3)Izod衝撃強度:
JIS K7110に従い、長さ63mm×幅6.4mm×厚み12.7mmで、ノッチ部の深さが2.54mm、先端Rが0.25mmの成形ノッチを有する射出成形試験片を作製し、Izodインパクトテスターを使用して、温度23℃の条件下にて測定した。
(4)ロックウェル硬さ:
JIS K7202に従い、50mmφ×3mm厚みの射出成形試験片を作製し、ロックウェル硬度計(Lスケール圧子)を使用して、温度23℃の条件下にて測定した。
(5)デュロメータ硬さ:
JIS K7215に従い、50mmφ×3mm厚みの射出成形試験片を作製し、デュロメータ硬度計(タイプDデュロメータ圧子)を使用して、温度23℃の条件下にて測定した。
(6)シート引張弾性率:
Tダイシート成形にて0.5mm厚みのシートを作製し、そのシートから打抜き型を用いてJIS1号型ダンベル試験片を打抜き、引張試験機を使用して、標線間距離115mm、引張速度20mm/分、温度23℃の条件下にて測定した。
(7)落錘衝撃強度(全吸収エネルギー、破壊形態):
Tダイシート成形にて0.5mm厚みのシートを作製し、長さ100mm×幅100mmに切り出し、東洋精機製グラフィックインパクトテスターを使用して、錘重さ73.5N、落下高さ800mm、荷重アンプ2K Unit、サンプリングタイム5μ秒、入力感度10V、温度23℃の条件にて試験を行い、得られた変位−エネルギー波形から全吸収エネルギーを求めた。
また破壊状態を観察し、亀裂を生じずに錘による穴のみの破壊であったものを「延性」、錘による穴からシートMD方向に1筋の亀裂が走ったのみのものを「半延性」、錘による穴から放射状に亀裂が走り破片が発生したものを「脆性」とそれぞれ判定した。
(8)PS又はPPとの熱融着性:
本発明の軟質樹脂組成物又は耐衝撃性ポリスチレン(HIPS−2)を40mmφシート成形機を用いて温度210℃の条件にて厚み0.5mmのシートを作製した。また、ランダムポリプロピレン(PP−4)を熱プレス成形機を用いて温度230℃、圧力4.9MPaの条件にて5分間圧縮成形を行ない、厚み0.5mmのシートを作製した。これらのシートを長さ40mm×幅20mmで切り出し、本発明の軟質樹脂組成物とHIPS−2の厚み0.5mmシート、また同様に本発明の軟質樹脂組成物とPP−4の厚み0.5mmシートを重ね合わせ、それを1mmのSUS板の上に乗せ、1mmのサンプル部に穴の空いたスペーサーを重ね、さらに1mmのSUS板を重ねた状態でセットし、温度230℃、圧力0.98MPaの条件にて2分間熱融着させ、その後急速に冷却し、積層サンプルを作製した。
これら積層サンプルの熱融着性評価については、手で剥離する官能試験を行い、以下の基準で判定した。
「◎」:非常に良好に融着している(剥離できない)。
「○」:良好に融着している(剥離は可能だが困難であり、剥離面が白化する)。
「△」:接着感は有るが融着していない(綺麗に剥離できる)。
「×」:接着感が無い(簡単に剥離できる)。
(9)PPとのヒートシール性:
本発明の軟質樹脂組成物を40mmφシート成形機を用いて上記と同様に厚み0.5mmのシートを作製した。また、ランダムポリプロピレン(PP−5)をTダイフィルム成形機を用いて温度250℃の条件にて厚み60μmのフィルムを作製した。これら作製した本発明の軟質樹脂組成物のシートとPP−5のフィルムを重ね合わせ、さらにPPフィルムとシールプレートとの融着を防ぐために厚み60μmのブロックポリプロピレンフィルムを挟み、安田精機製YSS式ヒートシーラーにてフィルム側シールプレート温度120℃、シート側シールプレート温度100℃、圧力0.51MPaの条件にて3秒間ヒートシールを行い、その後急速に冷却し、積層サンプルを作製した。
これら積層サンプルのヒートシール性評価については、手で剥離する官能試験を行い、以下の基準で判定した。
「◎」:非常に強く接着しており綺麗に剥離できる。
「○」:良好に接着しており綺麗に剥離できる。
「△」:接着感を有するが比較的簡単に剥離する。
「×」:殆ど接着しておらず簡単に剥離する。
「××」:全く接着していない。
<実施例1>
スチレン系重合体(A)として耐衝撃性ポリスチレン(HIPS−1)を60質量%、軟質オレフィン系樹脂(B)としてSOP−1を30質量%、芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体及び/又はその水素添加物(C)としてSEBS−1を10質量%の割合で配合し、東芝機械(株)製TEM35B型二軸混練押出機を使用して、温度210℃、スクリュー回転数200rpm、フィーダー回転数25rpmの条件にて溶融混練し、押出されたストランドを水冷してペレタイザーに通し、ペレットを得た。得られたペレットのメルトフローレートは5.5g/10分であった。
このペレットを、日精樹脂工業(株)製PS80E5ASE型射出成形機を使用して、温度180℃、冷却温度50℃、冷却時間40秒の条件にて射出成形し、所定形状の試験片を作製した。この試験片を用いて、曲げ弾性率、Izod衝撃強度、ロックウェル硬さ、デュロメータ硬さを測定した。その結果を表1に示す。
また、HIPS−1を60質量%、SOP−1を30質量%、SEBS−1を10質量%の割合で配合し、シンコーマリナリー製VSV40−28型シート成形機(400mm幅Tダイ)を使用して、温度210℃、スクリュー回転数100rpm、Tダイリップ開度1.0mmの条件にて溶融膜を押出し、60℃に加温した縦型3本ロールにて賦形し、引取速度を調整して厚み0.5mmのシートを得た。このシートから試験片を切り出し、引張弾性率、落錘衝撃全吸収エネルギーを測定し、PSやPPとの熱融着性、PPとのヒートシール性の評価を行なった。その結果を表1に示す。
<実施例2>
軟質オレフィン系樹脂(B)をSOP−3に変更した以外は実施例1と同様の方法にてペレット及びシートを作製し、同様に評価した。その結果を表1に示す。
<実施例3>
スチレン系重合体(A)をHIPS−2に変更した以外は実施例1と同様の方法にてペレット及びシートを作製し、同様に評価した。その結果を表1に示す。
<実施例4>
軟質オレフィン系樹脂(B)をSOP−2に変更した以外は実施例3と同様の方法にてペレット及びシートを作製し、同様に評価した。その結果を表1に示す。
<実施例5>
スチレン系重合体(A)としてHIPS−2を60質量%、軟質オレフィン系樹脂(B)としてSOP−1を15質量%及びPP−1を15質量%、芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体及び/又はその水素添加物(C)としてSEBS−1を10質量%の割合で配合し、実施例1と同様の方法にてペレット及びシートを作製し、同様に評価した。その結果を表1に示す。
<実施例6>
芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体及び/又はその水素添加物(C)をSEBS−2に変更した以外は実施例1と同様の方法にてペレットを作製し、射出成形物性について同様に評価した。その結果を表1に示す。
参考例
スチレン系重合体(A)としてHIPS−1を30質量%、軟質オレフィン系樹脂(B)としてSOP−1を60質量%、芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体及び/又はその水素添加物(C)としてSEBS−2を10質量%の割合で配合し、実施例1と同様の方法にてペレットを作製し、射出成形物性について同様に評価した。その結果を表1に示す。
<実施例8>
芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体及び/又はその水素添加物(C)をSEBS−2に変更した以外は実施例3と同様の方法にてペレットを作製し、射出成形物性について同様に評価した。その結果を表1に示す。
<比較例1>
HIPS−1が100質量%のペレットを用いて実施例1と同様の方法にてペレット及びシートを作製し、同様に評価した。その結果を表1に示す。
<比較例2>
スチレン系重合体(A)としてHIPS−1を60質量%、芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体及び/又はその水素添加物(C)としてSBSを40質量%の割合で配合し、実施例1と同様の方法にてペレット及びシートを作製し、同様に評価した。その結果を表1に示す。
<比較例3>
スチレン系重合体(A)としてHIPS−1を60質量%、軟質オレフィン系樹脂(B)としてEMMAを30質量%、芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体及び/又はその水素添加物(C)としてSEBS−2を10質量%の割合で配合し、実施例1と同様の方法にてペレット及びシートを作製し、同様に評価した。その結果を表1に示す。
<比較例4>
スチレン系重合体(A)としてHIPS−2を60質量%、軟質オレフィン系樹脂(B)としてPP−2を30質量%、芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体及び/又はその水素添加物(C)としてSEBS−1を10質量%の割合で配合し、実施例1と同様の方法にてペレット及びシートを作製し、同様に評価した。その結果を表1に示す。
<比較例5>
軟質オレフィン系樹脂(B)をPP−3に変更した以外は比較例4と同様の方法にてペレット及びシートを作製し、同様に評価した。その結果を表1に示す。
<比較例6>
スチレン系重合体(A)としてHIPS−1を80質量%、軟質オレフィン系樹脂(B)としてSOP−1を15質量%、芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体及び/又はその水素添加物(C)としてSEBS−2を5質量%の割合で配合し、実施例1と同様の方法にてペレットを作製し、射出成形物性について同様に評価した。その結果を表1に示す。
<比較例7>
スチレン系重合体(A)をGPPSに変更した以外は実施例6と同様の方法にてペレットを作製し、射出成形物性について同様に評価した。その結果を表1に示す。
<比較例8>
スチレン系重合体(A)について、HIPS−2を20質量%及びGPPSを40質量%に変更した以外は実施例6と同様の方法にてペレットを作製し、射出成形物性について同様に評価した。その結果を表1に示す。
<比較例9>
スチレン系重合体(A)について、HIPS−2を40質量%及びGPPSを20質量%に変更した以外は実施例6と同様の方法にてペレットを作製し、射出成形物性について同様に評価した。その結果を表1に示す。
Figure 0004796760
本発明の軟質樹脂組成物は、その優れた特徴を利用して、例えば、建築材料として、階段すべり止めや、傷つき防止保護シート付き壁、目地材等、また日用品として、デスクの縁周りや、玩具、プラスチック消しゴム等、また包装材料として、イージーピール容器等に好適に使用することができる。

Claims (3)

  1. スチレン系重合体(A)40〜70質量%、軟質オレフィン系樹脂(B)20〜60質量%、並びに、芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体及び/又はその水素添加物(C)5〜20質量%を含有してなり[成分(A)、成分(B)及び成分(C)の合計100質量%基準]、
    軟質オレフィン系樹脂(B)のメルトフローレート(温度230℃、荷重21.2N)が0.5〜50g/10分であり、軟質オレフィン系樹脂(B)が、非晶性オレフィン系重合体(B1)30〜100質量%及び結晶性オレフィン系重合体(B2)0〜70質量%からなり[成分(B)100質量%基準]、非晶性オレフィン系重合体(B1)の示差走査熱量測定(DSC)における−100〜200℃での結晶融解ピーク熱量が10J/g以下であり、
    スチレン系重合体(A)がゴム変性スチレン系重合体である場合は、該ゴム変性スチレン系重合体は分散粒子成分としてポリブタジエンゴムを含み、スチレン系重合体(A)中の分散粒子成分の量と、芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体及び/又はその水素添加物(C)中の共役ジエン重合体ブロック及び/又はその水素添加物との合計量が18質量%以上であり[成分(A)と成分(C)の合計100質量%基準]、
    スチレン系重合体(A)がゴム変性スチレン系重合体以外である場合は、スチレン系重合体(A)は分散粒子成分を含まず、芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体及び/又はその水素添加物(C)中の共役ジエン重合体ブロック及び/又はその水素添加物の量が18質量%以上である[成分(C)100質量%基準]ことを特徴とする軟質樹脂組成物。
  2. スチレン系重合体(A)が、耐衝撃性ポリスチレンである請求項1項に記載の軟質樹脂組成物。
  3. 耐衝撃性ポリスチレン中の分散粒子成分の量が15〜40質量%であり[成分(A)100質量%基準]、その分散粒子成分の平均粒径が2〜8μmである請求項2項に記載の軟質樹脂組成物。
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