JP4794248B2 - 亜鉛もしくは亜鉛合金製品用表面処理剤 - Google Patents

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本発明は、亜鉛もしくは亜鉛合金製品用表面処理剤、ならびにそれを用いた亜鉛もしくは亜鉛合金製品の表面処理方法に関する。
従来、亜鉛ダイカスト製品、または鉄鋼等に亜鉛めっきした亜鉛めっき製品は、種々の分野で使用されている。この亜鉛めっきは、溶融亜鉛めっき法、アルカリ性めっき法および酸性めっき法が基本となっており、たとえば耐食性の良好な鋼材として亜鉛めっき鋼板等の鋼材が多用されている。しかし、これらは湿潤雰囲気,排ガス雰囲気,海岸近傍の雰囲気等に長期間にわたって曝されると鋼板表面に白錆が発生し、外観を劣化させるという難点がある。そこで白錆を防止し、耐食性を付与するために表面処理としてクロメート(六価)処理が広く用いられてきた。そして、近年、六価クロムの毒性問題から、各方面で三価クロメート等の代替法の検討が行われている。しかしながら、低コストで、かつ耐食性の点でクロメート処理と同等以上の表面処理法に対する期待はなお大きい。
そこで、本発明者は、亜鉛もしくは亜鉛合金製品に低コストで、優れた耐食性を付与しうる表面処理剤を得るために、種々検討を行い本発明に到達した。
本発明は、上記の課題を解決するために以下の発明を提供する。
(1)水溶性アンチモン化合物、該アンチモン化合物からアンチモン元素を析出させる還元剤、ならびに析出したアンチモン元素の皮膜を亜鉛合金製品表面に緻密に形成させる緻密皮膜形成剤、を含有し、該緻密皮膜形成剤が酒石酸、クエン酸およびシュウ酸またはそれらの塩類から選ばれることを特徴とする亜鉛もしくは亜鉛合金製品用表面処理剤;
(2)さらに、テルル、ニッケル、セレン、モリブデンもしくはコバルトを含有する酸類またはそれらの塩類から選ばれる皮膜補強剤、を含有することを特徴とする上記(1)記載の亜鉛もしくは亜鉛合金製品用表面処理剤;
(3)さらに界面活性剤を含有する(1)または(2)記載の亜鉛もしくは亜鉛合金製品用表面処理剤;
)水溶性アンチモン化合物が塩化物、酸化物、硫酸塩、ヨウ化物、水酸化物、無機酸および有機酸から選ばれる(1)〜()のいずれか記載の亜鉛もしくは亜鉛合金製品用表面処理剤;
)還元剤が次亜リン酸塩、ホルマリン、チオ尿素、チオ硫酸塩、チタン化合物、ヨウ化水素、ヒドラジン、アスコルビン酸類およびブドウ糖から選ばれる(1)〜()のいずれか記載の亜鉛もしくは亜鉛合金製品用表面処理剤;
(6)界面活性剤がアミノ酸類、でんぷん、セルロース、ゼラチン、松脂、ポリビニルアルコール、タンニンおよびラウリル硫酸ソーダから選ばれる(3)記載の亜鉛もしくは亜鉛合金製品用表面処理剤;
)(1)〜()のいずれか記載の亜鉛もしくは亜鉛合金製品用表面処理剤を含有する水溶液に、亜鉛もしくは亜鉛合金製品を浸漬することを特徴とする亜鉛もしくは亜鉛合金製品の表面処理方法;
)亜鉛もしくは亜鉛合金製品用表面処理剤を含有する水溶液に、亜鉛もしくは亜鉛合金製品を浸漬する前に、硝酸、硫酸および酢酸を含む溶液で亜鉛もしくは亜鉛合金製品を予め酸洗浄する()記載の亜鉛もしくは亜鉛合金製品の表面処理方法;ならびに
)さらに、封孔処理剤を含有する水溶液に亜鉛もしくは亜鉛合金製品を浸漬することを特徴とする()もしくは()記載の亜鉛もしくは亜鉛合金製品の表面処理方法、
である。
本発明によれば、亜鉛もしくは亜鉛合金製品の表面に低コストで、耐食性、密着性に優れた皮膜を形成しうる。
本発明の亜鉛もしくは亜鉛合金製品用表面処理剤は、アンチモンを含む水溶性化合物、該アンチモン化合物からアンチモン元素を析出させる還元剤、ならびに析出したアンチモン元素の皮膜を亜鉛合金製品表面に緻密に形成させる緻密皮膜形成剤、を含有する。好適には、さらに皮膜補強剤を含有し、もっと好適には着色向上剤、さらには界面活性剤を含有する。
亜鉛もしくは亜鉛合金製品としては、たとえば亜鉛ダイカスト製品、または鉄鋼等に亜鉛めっきした亜鉛めっき製品が挙げられ、少なくともその表面が亜鉛もしくは亜鉛合金であればよい。
アンチモンを含む水溶性化合物としては、酸性もしくはアルカリ性下に水溶性であるものを含み、塩化物、酸化物、硫酸塩、ヨウ化物、水酸化物、無機酸および有機酸から選ばれるのが好適であり、たとえば五塩化アンチモン、五酸化アンチモン、硫酸アンチモン、三臭化アンチモン、三塩化アンチモン、三酸化アンチモン、三硫化アンチモン、安息香酸アンチモン、酒石酸アンチモン、等が挙げられる。本発明において、アンチモンは亜鉛もしくは亜鉛合金製品の表面に皮膜を形成した後に、水にぬれても再反応性を有しさらに皮膜を形成するので耐食性の寿命を長くする。配合量は、亜鉛もしくは亜鉛合金製品の種類、水溶性アンチモン化合物の種類等によっても異なるが、通常0.5〜150g/L程度、好ましくは10〜50g/L程度である。
還元剤は、アンチモン化合物からアンチモン元素を亜鉛表面に析出させる作用を有し、たとえば次亜リン酸ソーダ等の次亜リン酸塩、ホルマリン、チオ尿素、チオ硫酸ソーダ等のチオ硫酸塩、チタン化合物、亜硫酸ガス、硫化水素、ヨウ化水素、ヒドラジン、アスコルビン酸類、亜鉛塩類、ブドウ糖等が挙げられる。そして、好適には次亜リン酸塩、ホルマリン、チオ尿素、チオ硫酸塩、チタン化合物、ヨウ化水素、ヒドラジン、アスコルビン酸類およびブドウ糖から選ばれる。配合量は、亜鉛もしくは亜鉛合金製品の種類、水溶性アンチモン化合物の種類、還元剤の種類等によっても異なるが、通常5〜50g/L程度、好ましくは10〜30g/L程度である。
緻密皮膜形成剤は、アンチモン皮膜をより緻密化するものであり、好適には有機物による金属イオン錯塩が形成され皮膜の結晶を微細にするために、カルボキシル基を有する酸もしくは塩が用いられる。最も好ましくは、酒石酸、クエン酸およびシュウ酸またはそれらの塩類から選ばれる。配合量は、亜鉛もしくは亜鉛合金製品の種類、水溶性アンチモン化合物の種類、緻密皮膜形成剤の種類等によっても異なるが、通常5〜150g/L程度、好ましくは10〜100g/L程度である。
皮膜補強剤は、アンチモン皮膜の硬度を向上させるとともに、アンチモン皮膜の吸着性を低下させて指紋を付着し難くするものであり、テルル、ニッケル、セレン、モリブデン、コバルト、マンガン、鉄、タングステン、ゲルマニウム、チタン、スズ、ジルコニウム、ビスマス、銅、バナジウム、ベリリウム、ストロンチウム、もしくはタンタルを含有する水溶性化合物が挙げられるが、好適にはテルル、ニッケル、セレン、モリブデンおよびコバルト、特に好適にはニッケルもしくはモリブデンを含有する酸類もしくはそれらの塩類から選ばれる。配合量は、亜鉛もしくは亜鉛合金製品の種類、水溶性アンチモン化合物の種類、皮膜補強剤の種類等によっても異なるが、通常1〜20g/L程度、好ましくは5〜15g/L程度である。
着色向上剤は、元来灰色の金属光沢を有するアンチモン皮膜の着色もしくはその向上に有効であり、ホウ酸、シュウ酸、マロン酸、クエン酸、酒石酸、フタル酸、リンゴ酸、コハク酸、マレイン酸、等の酸もしくはそれらの塩類、そしてさらにはテルル、ニッケル、セレン、モリブデン、コバルト、マンガン、鉄、タングステン、ゲルマニウム、チタン、スズ、ジルコニウム、ビスマス、銅、バナジウム、ベリリウム、ストロンチウム、もしくはタンタルを含有する水溶性化合物が挙げられる。配合量は、亜鉛もしくは亜鉛合金製品の種類、水溶性アンチモン化合物の種類、着色向上剤の種類等によっても異なるが、通常1〜20g/L程度、好ましくは5〜15g/L程度である。
界面活性剤は主として分散剤として作用し、均一な皮膜を形成させるのに有効であり、アミノ酸類、でんぷん、セルロース、ゼラチン、松脂、ポリビニルアルコール、タンニンおよびラウリル硫酸ソーダ、さらには他の市販の界面活性剤(アニオン、カチオン、ノニオン及び両性)から選ばれる。配合量は、亜鉛もしくは亜鉛合金製品の種類、水溶性アンチモン化合物の種類、界面活性剤の種類等によっても異なるが、通常0.5〜20g/L程度、好ましくは5〜15g/L程度である。
本発明の亜鉛もしくは亜鉛合金製品用表面処理剤は、さらに封孔処理剤を含むことができる。この封孔処理剤を用いる封孔処理は、特に亜鉛合金表面に発生する微細なピンホールを封孔するために用いられ、後述するようにアンチモン皮膜形成後に行なうのが通常であるが、アンチモン皮膜形成時に本発明の表面処理剤に含有させうる。封孔処理剤は亜鉛もしくは亜鉛合金製品の色調に応じて選定するのが好適であり、たとえば(黄色)ホウ酸、シュウ酸アンモニウム;(黄褐色)マロン酸、クエン酸、酒石酸、フタル酸、リンゴ酸;(白味黄色)コハク酸;(灰黄色)マレイン酸、さらにはニッケル、モリブデン、チタン、セレン、マンガン、ベリリウム、ストロンチウム、タンタル、コバルト、ニオブ、バナジウム、ゲルマニウム、クロム(III)等を含む酸類もしくはそれらの塩類、等が挙げられる。配合量は、亜鉛もしくは亜鉛合金製品の種類、水溶性アンチモン化合物の種類、封孔処理剤の種類等によっても異なるが、通常1〜20g/L程度、好ましくは2〜10g/L程度である。
本発明の亜鉛もしくは亜鉛合金製品用表面処理剤において、緻密皮膜形成剤、皮膜補強剤、着色向上剤もしくは封孔処理剤が、それらの2種以上の機能を有するものを用いる場合、その配合量はそれらに見合う量の合計量を考慮して選ぶことができる。
そしてさらに、本発明の亜鉛もしくは亜鉛合金製品用表面処理剤は、目的に応じて上記以外の各種添加剤、たとえば分散剤、分散促進剤、さらには目的とする色調を付与するための配合剤、等を適宜用いることができる。
本発明の亜鉛もしくは亜鉛合金製品用表面処理剤は酸性〜アルカリ浴として用いうる。反応速度は酸性側で大きく、アルカリ側で小さい傾向を示すので、適度な反応性を得るために特に好適にはpH2〜5程度で用いられるが、これらに制限されずpH5超でも用いられうる。たとえば、pH5.0〜5.5の処理浴に適した組成は次のとおりである。
三塩化アンチモン20〜30g/L、硫化アンチモン5〜10g/L、チオ硫酸ソーダ20〜30g/Lおよびロッシェル塩20〜50g/L(30〜40℃、1〜3分間)。
本発明の亜鉛もしくは亜鉛合金製品用表面処理剤を用いて、亜鉛もしくは亜鉛合金製品の表面処理を行うに際しては、この表面処理剤を含有する水溶液に、亜鉛もしくは亜鉛合金製品を浸漬して、亜鉛もしくは亜鉛合金製品の表面にアンチモンの耐食性皮膜を形成させる。皮膜の厚さは目的により適宜選定しうるが、通常0.5〜2μmである。亜鉛もしくは亜鉛合金製品の浸漬処理に際しては、表面に付着した酸化物を脱脂、酸洗、中和、エッチング等の常法により予め除去するのが好適である。
そして、この浸漬処理においては、亜鉛もしくは亜鉛合金製品用表面処理剤を含有する水溶液に亜鉛もしくは亜鉛合金製品を浸漬する前に、硝酸、硫酸および酢酸を含む溶液で亜鉛もしくは亜鉛合金製品を予め酸洗浄するのがアンチモン皮膜の良好な形成、すなわち均一性、密着性の向上が図れ、耐食性にも好適である。この酸洗浄は、好ましくは硝酸20〜40%、硫酸10〜20%および酢酸5〜10%を含む溶液中(pH3程度)で、30℃程度以下で10〜30秒程度行なわれる。この酸洗浄後、水洗し、ついで表面処理剤を含有する水溶液に浸漬処理されるのが好ましい。
亜鉛もしくは亜鉛合金製品の浸漬処理は、通常15〜40℃、好ましくは20〜30℃で、通常5分間程度以内で行われる。たとえば40℃を超える温度を用いると、皮膜形成速度が一層大きくなるので、一層厳格な品質管理が望まれる。浸漬処理された亜鉛もしくは亜鉛合金製品は、ついで常法により水洗、乾燥される。このようにして亜鉛もしくは亜鉛合金製品の表面に形成された皮膜の色調は、表面処理剤の成分により異なる。
本発明においては、上記のように浸漬処理された亜鉛もしくは亜鉛合金製品を、さらに、封孔処理剤を含有する水溶液に浸漬してピンホールを封孔するのが好適である。封孔処理剤は亜鉛もしくは亜鉛合金製品の色調に応じて選定するのが好適であり、たとえば前述の化合物から選定される。この封孔処理は上記のような封孔処理剤を通常1〜20g/L、好適には2〜10g/L程度含有する水溶液に、通常20〜40℃で1〜5分間程度浸漬して行われる。ついで、純水中で50〜60℃で水洗し、速乾するのが好適である。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
三塩化アンチモン30g/L、次亜リン酸ソーダ15g/Lおよびロッシェル塩70g/Lを含有する水溶液(pH3.0)に、亜鉛めっきした鉄製ボルト(長さ約70mm)を25℃で3分間浸漬処理し、茶褐色の皮膜を得た。
実施例2
五酸化アンチモン35g/L、チオ尿素15g/Lおよびクエン酸ソーダ70g/Lを含有する水溶液(pH3.0)に、に亜鉛めっきした鉄製ボルト(長さ約70mm)を25℃で3分間浸漬処理し、茶褐色の皮膜を得た。
実施例3
三ヨウ化アンチモン20g/L、チオ硫酸ソーダ15g/Lおよび吐酒石40g/Lを含有する水溶液(pH3.0)に、亜鉛めっきした鉄製ボルト(長さ約70mm)を20〜25℃で2分間浸漬処理し、茶褐色の皮膜を得た。
実施例4
五ヨウ化アンチモン20g/L、ホルマリン35g/Lおよび酒石酸40g/Lを含有する水溶液(pH3.0)に、亜鉛めっきした鉄製ボルト(長さ約70mm)を20〜25℃で2分間浸漬処理し、茶褐色の皮膜を得た。
実施例5
水酸化アンチモン30g/L、ホルマリン35g/Lおよびクエン酸ソーダ40g/Lを含有する水溶液(pH5.0)に、亜鉛めっきした鉄製ボルト(長さ約70mm)を20℃で2分間浸漬処理し、茶褐色の皮膜を得た。
実施例6
四酸化アンチモン20g/L、チオ尿素15g/Lおよびシュウ酸アンモニウム25g/Lを含有する水溶液(pH3.0)を含有する水溶液に、亜鉛めっきした鉄製ボルト(長さ約70mm)を20〜25℃で2分間浸漬処理し、茶褐色の皮膜を得た。
実施例7
五酸化アンチモン50g/L、次亜リン酸ソーダ15g/Lおよびロッシェル塩25g/Lを含有する水溶液(pH3.0)に、亜鉛めっきした鉄製ボルト(長さ約70mm)を20〜30℃で3分間浸漬処理し、茶褐色の皮膜を得た。
実施例8
二硫化アンチモン25g/L、チオ尿素10g/Lおよびロッシェル塩45g/Lを含有する水溶液(pH3.0)に、亜鉛めっきした鉄製ボルト(長さ約70mm)を20〜30℃で3分間浸漬処理し、灰色の皮膜を得た。
実施例9
五硫化アンチモン15g/L、次亜リン酸ソーダ15g/Lおよびロッシェル塩45g/Lを含有する水溶液(pH3.0)に、亜鉛めっきした鉄製ボルト(長さ約70mm)を20〜30℃で3分間浸漬処理し、灰色の皮膜を得た。
実施例10
硫酸アンチモン40g/L、次亜リン酸ソーダ15g/L、ロッシェル塩25g/Lおよびチオラウリル酸ソーダ15g/Lを含有する水溶液(pH3.0)に、亜鉛めっきした鉄製ボルト(長さ約70mm)を20〜30℃で3分間浸漬処理し、茶褐色の皮膜を得た。
実施例11
酒石酸アンチモンカリウム100g/L、次亜リン酸ソーダ20g/L、ロッシェル塩20g/L、硫酸マンガン120g/L、クエン酸20g/Lおよびラウリル酸ソーダ2g/Lを含有する水溶液(pH4)に、亜鉛めっきした鉄製ボルト(長さ約70mm)を20〜30℃で2分間浸漬処理し、灰色の皮膜を得た。
実施例12
三塩化アンチモン20g/L、チオ硫酸ソーダ15g/L、アスコルビン酸ソーダ5g/Lおよび酢酸ニッケル10g/Lを含有する水溶液(pH3.0)に、亜鉛めっきした鉄製ボルト(長さ約70mm)を20〜25℃で2分間浸漬処理し、茶褐色の皮膜を得た。
実施例13
三塩化アンチモン30g/L、次亜リン酸ソーダ15g/L、ロッシェル塩70g/Lおよびモリブデン酸ソーダ40g/Lを含有する水溶液(pH3.0)に、亜鉛めっきした鉄製ボルト(長さ約70mm)を25℃で3分間浸漬処理し、茶褐色の皮膜を得た。
上記の実施例1〜13で得られた浸漬処理ボルトに塩水(35℃の6%NaCl水溶液)を72時間噴霧し、その耐食性を観察したところ、良好な耐食性がみられた。
上記の実施例1〜13で得られた浸漬ボルトを、その色調に応じて封孔処理剤として過マンガン酸カリおよび亜セレン酸を5〜10g/L程度含有する水溶液に、通常約30℃で2〜3分間程度浸漬し、ついで純水中で50〜60℃で洗浄し、乾燥したところ、耐食性はさらに向上した。
本発明によれば、亜鉛もしくは亜鉛合金製品の表面に低コストで、耐食性、密着性に優れた皮膜を形成しうる表面処理剤を提供し得る。

Claims (9)

  1. 水溶性アンチモン化合物、該アンチモン化合物からアンチモン元素を析出させる還元剤、ならびに析出したアンチモン元素の皮膜を亜鉛合金製品表面に緻密に形成させる緻密皮膜形成剤、を含有し、該緻密皮膜形成剤が酒石酸、クエン酸およびシュウ酸またはそれらの塩類から選ばれることを特徴とする亜鉛もしくは亜鉛合金製品用表面処理剤。
  2. さらに、テルル、ニッケル、セレン、モリブデンもしくはコバルトを含有する酸類またはそれらの塩類から選ばれる皮膜補強剤、を含有することを特徴とする請求項1記載の亜鉛もしくは亜鉛合金製品用表面処理剤。
  3. さらに界面活性剤を含有する請求項1または2記載の亜鉛もしくは亜鉛合金製品用表面処理剤。
  4. 水溶性アンチモン化合物が塩化物、酸化物、硫酸塩、ヨウ化物、水酸化物、無機酸および有機酸から選ばれる請求項1〜のいずれか1項記載の亜鉛もしくは亜鉛合金製品用表面処理剤。
  5. 還元剤が次亜リン酸塩、ホルマリン、チオ尿素、チオ硫酸塩、チタン化合物、ヨウ化水素、ヒドラジン、アスコルビン酸類およびブドウ糖から選ばれる請求項1〜のいずれか1項記載の亜鉛もしくは亜鉛合金製品用表面処理剤。
  6. 界面活性剤がアミノ酸類、でんぷん、セルロース、ゼラチン、松脂、ポリビニルアルコール、タンニンおよびラウリル硫酸ソーダから選ばれる請求項記載の亜鉛もしくは亜鉛合金製品用表面処理剤。
  7. 請求項1〜のいずれか1項記載の亜鉛もしくは亜鉛合金製品用表面処理剤を含有する水溶液に、亜鉛もしくは亜鉛合金製品を浸漬することを特徴とする亜鉛もしくは亜鉛合金製品の表面処理方法。
  8. 亜鉛もしくは亜鉛合金製品用表面処理剤を含有する水溶液に、亜鉛もしくは亜鉛合金製品を浸漬する前に、硝酸、硫酸および酢酸を含む溶液で亜鉛もしくは亜鉛合金製品を予め酸洗浄する請求項記載の亜鉛もしくは亜鉛合金製品の表面処理方法。
  9. さらに、封孔処理剤を含有する水溶液に亜鉛もしくは亜鉛合金製品を浸漬することを特徴とする請求項もしくは記載の亜鉛もしくは亜鉛合金製品の表面処理方法。
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